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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013972
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】携帯型情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20240125BHJP
   F16C 11/04 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G06F1/16 312F
F16C11/04 F
G06F1/16 312J
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116467
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】中村 聡伸
(72)【発明者】
【氏名】塚本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 厚
(72)【発明者】
【氏名】山▲ざき▼ 充弘
【テーマコード(参考)】
3J105
【Fターム(参考)】
3J105AB22
3J105AB50
3J105AC07
3J105DA50
(57)【要約】
【課題】筐体を容易に開くことができる携帯型情報処理装置を提供する。
【解決手段】携帯型情報処理装置は、システム本体と、ディスプレイを有するディスプレイ本体と、を含む筐体と、前記ディスプレイ本体を前記システム本体に対して開閉可能に連結するヒンジと、前記筐体を開くように前記ヒンジを駆動する駆動装置と、前記筐体に加わった外力に係る情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された情報が所定の条件を満たした場合に、前記筐体が開かれようとしていると判断し、前記駆動装置を作動させる制御部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム本体と、ディスプレイを有するディスプレイ本体と、を含む筐体と、
前記ディスプレイ本体を前記システム本体に対して開閉可能に連結するヒンジと、
前記筐体を開くように前記ヒンジを駆動する駆動装置と、
前記筐体に加わった外力に係る情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報が所定の条件を満たした場合に、前記筐体が開かれようとしていると判断し、前記駆動装置を作動させる制御部と、を備える、携帯型情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は前記ヒンジに取り付けられている、請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部が取り付けられた前記ヒンジを複数備え、
前記制御部は、複数の前記取得部によって取得された複数の情報に基づいて前記判断を行う、請求項2に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記ヒンジの歪みを取得する歪みセンサである、請求項2または3に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項5】
前記ヒンジは、前記ディスプレイ本体に固定される上側部材と、前記システム本体に固定される下側部材と、を含み、
前記取得部は、前記下側部材に取り付けられている、請求項4に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項6】
前記ヒンジに取り付けられた弾性体を備え、
前記取得部は、前記弾性体に接触するように配置されて前記弾性体によって加えられる圧力を取得する圧力センサである、請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部に接触する前記弾性体が取り付けられた前記ヒンジを複数備え、
前記制御部は、複数の前記取得部によって取得された複数の情報に基づいて前記判断を行う、請求項6に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の条件は、更新可能に構成されている、請求項1から3、6および7のいずれか一項に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記筐体を開こうとする動作が行われた際に前記取得部が取得する情報に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて前記判断を行う、請求項1から3、6および7のいずれか一項に記載の携帯型情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯型情報処理装置(ノートパソコン)が開示されている。この携帯型情報処理装置は、システム本体(パソコン本体)とディスプレイ本体(蓋体)とを含む筐体を備える。ディスプレイ本体は、システム本体に対して開閉可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-64465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、大型で重量があるディスプレイ本体を備える携帯型情報処理装置においては、筐体を開くのに要する力が大きく、ユーザに負担となる場合がある。また、ディスプレイ本体とシステム本体との間に極端な質量差がある携帯型情報処理装置においては、筐体を開く際に一方の本体が他方の本体に追従して動いてしまい、筐体を開く動作の快適性が損なわれる場合がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされ、筐体を容易に開くことができる携帯型情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の態様1は、システム本体と、ディスプレイを有するディスプレイ本体と、を含む筐体と、前記ディスプレイ本体を前記システム本体に対して開閉可能に連結するヒンジと、前記筐体を開くように前記ヒンジを駆動する駆動装置と、前記筐体に加わった外力に係る情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された情報が所定の条件を満たした場合に、前記筐体が開かれようとしていると判断し、前記駆動装置を作動させる制御部と、を備える、携帯型情報処理装置である。
【0007】
本発明の態様1によれば、筐体を容易に開くことができる携帯型情報処理装置を提供できる。
【0008】
また、本発明の態様2は、態様1の携帯型情報処理装置において、前記取得部は前記ヒンジに取り付けられている、携帯型情報処理装置である。
【0009】
本発明の態様2によれば、筐体の小型化を実現しやすくなる。
【0010】
また、本発明の態様3は、態様2の携帯型情報処理装置において、前記取得部が取り付けられた前記ヒンジを複数備え、前記制御部は、複数の前記取得部によって取得された複数の情報に基づいて前記判断を行う、携帯型情報処理装置である。
【0011】
本発明の態様3によれば、制御部による判断の精度を高めることができる。
【0012】
また、本発明の態様4は、態様2または態様3の携帯型情報処理装置において、前記取得部は、前記ヒンジの歪みを取得する歪みセンサである、携帯型情報処理装置である。
【0013】
本発明の態様4によれば、筐体に加わった外力に係る情報を取得するように構成された取得部を容易に実現することができる。
【0014】
また、本発明の態様5は、態様4の携帯型情報処理装置において、前記ヒンジは、前記ディスプレイ本体に固定される上側部材と、前記システム本体に固定される下側部材と、を含み、前記取得部は、前記下側部材に取り付けられている、携帯型情報処理装置である。
【0015】
本発明の態様5によれば、取得部によるヒンジの歪みの取得の精度を高めることができる。
【0016】
また、本発明の態様6は、態様1の携帯型情報処理装置において、前記ヒンジに取り付けられた弾性体を備え、前記取得部は、前記弾性体に接触するように配置されて前記弾性体によって加えられる圧力を取得する圧力センサである、携帯型情報処理装置である。
【0017】
本発明の態様6によれば、筐体に加わった外力に係る情報を取得するように構成された取得部を容易に実現することができる。
【0018】
また、本発明の態様7は、態様6の携帯型情報処理装置において、前記取得部に接触する前記弾性体が取り付けられた前記ヒンジを複数備え、前記制御部は、複数の前記取得部によって取得された複数の情報に基づいて前記判断を行う、携帯型情報処理装置である。
【0019】
本発明の態様7によれば、制御部による判断の精度を高めることができる。
【0020】
また、本発明の態様8は、態様1から態様7のいずれか一つの携帯型情報処理装置において、前記所定の条件は、更新可能に構成されている、携帯型情報処理装置である。
【0021】
本発明の態様8によれば、例えばヒンジの経年劣化や変形によって取得部によって取得される情報の振る舞いが恒常的に変化した場合においても、制御部による判断の精度を保つことができる。
【0022】
また、本発明の態様9は、態様1から態様8のいずれか一つの携帯型情報処理装置において、前記制御部は、前記筐体を開こうとする動作が行われた際に前記取得部が取得する情報に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて前記判断を行う、携帯型情報処理装置である。
【0023】
本発明の態様9によれば、制御部による判断の精度を効果的に高めることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の上記態様によれば、筐体を容易に開くことが可能な携帯型情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係る携帯型情報処理装置を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るシステム本体の一部を示す分解図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る第1ヒンジを示す分解図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る第2ヒンジを示す分解図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る携帯型情報処理装置を示すブロック図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る制御部が行う判断の一例を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る携帯型情報処理装置を示す断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る第1ヒンジを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る携帯型情報処理装置1について図面に基づいて説明する。
【0027】
図1に示すように、携帯型情報処理装置1は、システム本体10およびディスプレイ本体20を含む筐体Cを備える。システム本体10とディスプレイ本体20とは、第1ヒンジ30Aおよび第2ヒンジ30Bを介して連結されている。携帯型情報処理装置1は、いわゆるノートパソコンである。
【0028】
ディスプレイ本体20は、ディスプレイ21を有する。本実施形態に係るディスプレイ本体20は、扁平な箱状の形状を有する。
【0029】
システム本体10には、不図示のマザーボード等が収容される。システム本体10は、ベース本体とも称される。本実施形態に係るシステム本体10は、扁平な箱状の形状を有する。より具体的に、本実施形態に係るシステム本体10は、一方向に開口した箱状の底板10a(図2も参照)と、底板10aの開口を閉塞する天板10bと、を含む。図1に示すように、本実施形態に係るシステム本体10は、天板10b上に設けられたキーボード11およびトラックパッド12を有する。
【0030】
ヒンジ30A、30Bは、ディスプレイ本体20をシステム本体10に対して開閉可能に連結する。ヒンジ30A、30Bは、共通の回転軸Oを有する。ヒンジ30A、30Bは、ディスプレイ本体20をシステム本体10に対して回転軸Oまわりに相対的に回動可能に連結している。本実施形態において、第1ヒンジ30Aと第2ヒンジ30Bとは回転軸Oに平行な方向において間隔を空けて配されている。
【0031】
以降、説明を容易とするために、システム本体10がディスプレイ本体20に対して閉じられている(ディスプレイ21と天板10bとが相対する)状態を、「(筐体C)の閉状態」と称する。つまり、閉状態とは、ディスプレイ本体20とシステム本体10とがなす角θが0°となる状態に該当する。また、システム本体10がディスプレイ本体20に対して開いている状態を、「(筐体C)の開状態」と称する場合がある。つまり、開状態とは、ディスプレイ本体20とシステム本体10とがなす角θが0°より大きい状態に該当する。以下では、特段の言及がない限り、筐体Cが閉状態にある場合における各部材の位置関係について説明するものとする。また、筐体の状態を閉状態から開状態に遷移させることを、単に「筐体Cを開く」と表現する。
【0032】
(方向定義)
ここで、本実施形態では、XYZ直交座標系を設定して各構成の位置関係を説明する。Z軸方向は、システム本体10の厚み方向である。Z軸方向は、筐体Cが閉状態である場合においてシステム本体10とディスプレイ本体20とが対向する方向でもある。X軸方向は、ヒンジ30A、30Bの回転軸Oと平行な方向である。Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向の双方に直交する方向である。本明細書では、X軸方向を第1方向Xと称し、Y軸方向を第2方向Yと称し、Z軸方向を厚み方向Zと称する場合がある。第1方向Xに沿って、第2ヒンジ30Bから第1ヒンジ30Aに向かう向きを、+Xの向きまたは右方と称する。+Xの向きとは反対の向きを、-Xの向きまたは左方と称する。Y軸方向に沿う一つの向き、+Yの向き、後方、または奥側と称する。+Yの向きとは反対の向きを、-Yの向き、前方、または手前側と称する。厚み方向Zに沿って、底板10aから天板10bに向かう向きを、+Zの向きまたは上方と称する。+Zの向きとは反対の向きを、-Zの向きまたは下方と称する。
【0033】
図3に示すように、本実施形態に係る第1ヒンジ30Aは、第1上側部材30AUと、第1下側部材30ALと、を含む。本実施形態において、第1上側部材30AUと第1下側部材30ALとは別体に形成されている。第1上側部材30AUは、ディスプレイ本体20に固定される部材であり、第1下側部材30ALは、システム本体10に固定される部材である。第1下側部材30ALと第1上側部材30AUとは、回転軸Oまわりに互いに相対回転可能に構成されている。
【0034】
具体的に、第1上側部材30AUは、上側羽根部31Aおよび軸受部33Aを有する。上側羽根部31Aは、第1方向Xおよび第2方向Yに延在する板状の部材である。上側羽根部31Aには、上側羽根部31Aを厚み方向Zに貫通する複数の固定孔32Aが形成されている。詳細な図示は省略するが、上側羽根部31Aは、固定孔32Aに挿通されたねじによってディスプレイ本体20にねじ止めされる。軸受部33Aは、固定孔32Aから下方に向けて突出する部位である。軸受部33Aには、軸受部33Aを第1方向Xに貫通する軸受孔34Aが形成されている。
【0035】
第1下側部材30ALは、軸保持部35A、接続部37A、および下側羽根部38Aを有する。下側羽根部38Aは、第1方向Xおよび第2方向Yに延在する板状の部材である。下側羽根部38Aには、下側羽根部38Aを厚み方向Zに貫通する複数の固定孔39Aが形成されている。図2に示すように、下側羽根部38Aは、固定孔39Aに挿通されたねじSCによって第1固定フレーム13Aにねじ止めされる。ここで、第1固定フレーム13Aは、システム本体10内に固定された板状の部材である(詳細な図示は省略)。つまり、本実施形態に係る下側羽根部38Aは、第1固定フレーム13Aを介してシステム本体10に固定されている。なお、下側羽根部38Aがシステム本体10に対して直接固定されていてもよい。
【0036】
軸保持部35Aは、軸部36Aを回転軸Oまわりに回転自在に保持している(図3参照)。図3に示すように、軸部36Aは、軸保持部35Aから左方に向けて突出している。軸部36Aは、軸受孔34Aに挿入される。軸部36Aと軸受孔34Aとは不図示の突起等によって互いに係合しており、一体となって回転軸Oまわりに回転する。また、詳細な図示は省略するが、本実施形態に係る軸保持部35Aは中空円柱状の形状を有しており、第1駆動装置60Aを収容している。第1駆動装置60Aは、軸部36Aを回転させて、筐体Cを開くように第1ヒンジ30Aを駆動可能な装置である。第1駆動装置60Aは、例えば電動モータである。接続部37Aは、軸保持部35Aと下側羽根部38Aとを接続する部材である。第1下側部材30AL(接続部37A)には、第1取得部40Aが取り付けられている(詳細は後述)。
【0037】
図4に示すように、本実施形態に係る第2ヒンジ30Bは、第2上側部材30BUと、第2下側部材30BLと、を含む。本実施形態において、第2上側部材30BUと第2下側部材30BLとは別体に形成されている。第2上側部材30BUは、ディスプレイ本体20に固定される部材であり、第2下側部材30BLは、システム本体10に固定される部材である。第2上側部材30BUと第2下側部材30BLとは、回転軸Oまわりに互いに相対回転可能に構成されている。
【0038】
具体的に、第2上側部材30BUは、上側羽根部31Bおよび軸受部33Bを有する。上側羽根部31Bは、第1方向Xおよび第2方向Yに延在する板状の部材である。上側羽根部31Bには、上側羽根部31Bを厚み方向Zに貫通する複数の固定孔32Bが形成されている。詳細な図示は省略するが、上側羽根部31Bは、固定孔32Bに挿通されたねじによってディスプレイ本体20にねじ止めされる。軸受部33Bは、固定孔32Bから下方に向けて突出する部位である。軸受部33Bには、軸受部33Bを第1方向Xに貫通する軸受孔34Bが形成されている。
【0039】
第2下側部材30BLは、軸保持部35B、接続部37B、および下側羽根部38Bを有する。下側羽根部38Bは、第1方向Xおよび第2方向Yに延在する板状の部材である。下側羽根部38Bには、下側羽根部38Bを厚み方向Zに貫通する複数の固定孔39Bが形成されている。図2に示すように、下側羽根部38Bは、固定孔39Bに挿通されたねじSCによって第2固定フレーム13Bにねじ止めされる。ここで、第2固定フレーム13Bは、システム本体10内に固定された板状の部材である(詳細な図示は省略)。つまり、本実施形態に係る下側羽根部38Bは、第2固定フレーム13Bを介してシステム本体10に固定されている。なお、下側羽根部38Bがシステム本体10に対して直接固定されていてもよい。
【0040】
軸保持部35Bは、軸部36Bを回転軸Oまわりに回転自在に保持している(図4参照)。図4に示すように、軸部36Bは、軸保持部35Bから右方に向けて突出している。軸部36Bは、軸受孔34Bに挿入される。軸部36Bと軸受孔34Bとは不図示の突起等によって互いに係合しており、一体となって回転軸Oまわりに回転する。また、詳細な図示は省略するが、本実施形態に係る軸保持部35Bは中空円柱状の形状を有しており、第2駆動装置60Bを収容している。第2駆動装置60Bは、軸部36Bを回転させて、筐体Cを開くように第2ヒンジ30Bを駆動可能な装置である。第2駆動装置60Bは、例えば電動モータである。接続部37Bは、軸保持部35Bと下側羽根部38Bとを接続する部材である。第2下側部材30BL(接続部37B)には、第2取得部40Bが取り付けられている(詳細は後述)。
【0041】
ここで、本実施形態に係る携帯型情報処理装置1は、ユーザが筐体Cを開こうと力を加えた際に、その意図(力)を検知し、自動で筐体Cを開く機能を有する。図5は、携帯型情報処理装置1のうち当該機能に係る構成を示したブロック図である。上述したように、第1ヒンジ30Aは第1駆動装置60Aを有し、第1ヒンジ30Aには第1取得部40Aが取り付けられている。同様に、第2ヒンジ30Bは第2駆動装置60Bを有し、第2ヒンジ30Bには第2取得部40Bが取り付けられている。また、図5に示すように、本実施形態に係る携帯型情報処理装置1は、制御部50(図1図4において不図示)を備える。
【0042】
本実施形態に係る取得部40A、40Bは歪みセンサであり、ヒンジ30A、30B(接続部37A、37B)に生じた歪みを電気信号に変換して取得する。ユーザが筐体Cを開こうと力を加えると、当該力は筐体Cを介してヒンジ30A、30Bに伝わり、ヒンジ30A、30Bに歪みが生じる。つまり、取得部40A、40Bは筐体Cに加わった外力に係る情報(本実施形態においてはヒンジ30A、30Bの歪み)を取得することができる。取得部40A、40Bは、取得した情報を制御部50に出力する。
【0043】
制御部50は、取得部40A、40Bによって取得された情報が所定の条件を満たした場合に、筐体Cが開かれようとしている(ユーザが筐体Cを開こうとしている)と判断し、駆動装置60A、60Bを作動させる。以上説明した取得部40A、40Bおよび制御部50の働きにより、「ユーザが筐体Cを開こうとした際に、その意図を検知し、自動で筐体Cを開く」との機能が実現される。制御部50は、例えば携帯型情報処理装置1のCPU(Central Processing Unit)であってもよいし、当該CPUとは別途に設けられた集積回路等であってもよい。
【0044】
以下、制御部50が行う上記判断の一例について説明する。
【0045】
図6は、取得部40A、40Bが取得したヒンジ30A、30Bの歪みの時間変化の一例を示す図である。信号SAは、第1取得部40Aが取得した第1ヒンジ30Aの歪みの大きさを示している。より具体的に、信号SAは、第1ヒンジ30Aの歪みを第1取得部40Aが電圧に変換することで取得された信号である。信号SBは、第2取得部40Bが取得した第2ヒンジ30Bの歪みの大きさを示している。より具体的に、信号SBは、第2ヒンジ30Bの歪みを第2取得部40Bが電圧に変換することで取得された信号である。本実施形態において、取得部40A、40Bは、筐体Cが閉状態にある限りヒンジ30A、30Bの歪みを取得し続けている。図6に示すように、ユーザが筐体Cを開こうと力を加えた時刻t以前において信号SA、SBは略一定である。一方、時刻t以降は時刻t以前と比べて信号SA、SBが大きく変動している。なお、時刻t以前において信号SA、SBが0mVとなっていないのは、取得部40A、40Bのオフセット電圧等に起因している。
【0046】
本実施形態に係る制御部50は、「時刻tから所定の時間幅ΔT以内に、信号SAが所定の変動値ΔA以上変動し、かつ、信号SBが所定の変動値ΔB以上変動した」場合に、「ユーザが筐体Cを開こうとしている」と判断する。時間幅ΔTは、例えば約0.5秒である。変動値ΔAは、例えば0.3mVである。変動値ΔBは、例えば0.1mVである。ただし、所定値ΔT、ΔA、ΔBの値は筐体Cおよびヒンジ30A、30Bの構造、ならびに取得部40A、40B(歪みセンサ)の取得感度(検出感度)等に応じて適宜変更可能である。
【0047】
ここで、筐体Cには「ユーザが筐体Cを開こうとする際の力」以外にも様々な外力が印加され得る。「ユーザが筐体Cを持ち上げる力」、「ユーザが筐体Cを持ち運ぶ際の慣性力」、または「筐体Cの落下による衝撃」等がその例である。これらの力が筐体Cに印加された際にもヒンジ30A、30Bには歪みが生じ得るため、これらの場合に制御部50が「ユーザが筐体Cを開こうとしている」と判断しないよう、所定値ΔT、ΔA、ΔBの値が適宜調整されてもよい。なお、本実施形態において2つのヒンジ30A、30Bの各々に取得部40A、40Bが設けられているのは、制御部50による上記判断の精度を高めるためである。2つのヒンジ30A、30Bの各々に取得部40A、40Bを設けることで、2つのヒンジ30A、30Bのうちいずれか一方のみにしか取得部40A(40B)が設けられていない場合と比較して、制御部50が上記判断に用いる情報の量が増える。このため、「ユーザが筐体Cを開こうとする際の力」とそれ以外の力とが区別されやすくなる。
【0048】
また、上記判断の精度を高めるために、取得部40A、40Bをヒンジ30A、30Bに取り付ける位置、および取得部40A、40B(歪みセンサ)が取得する歪みの方向等が適宜調整されてもよい。具体的には、例えば、ユーザが筐体Cを開こうとした際にヒンジ30A、30Bに生じる応力ベクトルの分布をあらかじめシミュレーションによって得ておき、得られた分布を参照しながら取得部40A、40Bの位置等を決定してもよい。本願発明者らは、このようなシミュレーションにより、ユーザが筐体Cを開こうとした際に下側部材30AL、30BL(特に、接続部37A、37B)に応力(歪み)が集中することを見出した。そのため、本実施形態においては、取得部40A、40Bが下側部材30AL、30BL(特に、接続部37A、37B)に取り付けられている。これにより、取得部40A、40Bによるヒンジ30A、30Bの歪みの取得の精度を高めることができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯型情報処理装置1は、システム本体10と、ディスプレイ21を有するディスプレイ本体20と、を含む筐体Cと、ディスプレイ本体20をシステム本体10に対して開閉可能に連結するヒンジ30A、30Bと、筐体Cを開くようにヒンジ30A、30Bを駆動する駆動装置60A、60Bと、筐体Cに加わった外力に係る情報を取得する取得部40A、40Bと、取得部40A、40Bによって取得された情報が所定の条件を満たした場合に、筐体Cが開かれようとしていると判断し、駆動装置60A、60Bを作動させる制御部50と、を備える。
【0050】
この構成により、ユーザは、筐体Cを開く方向に力を加えることで、筐体Cを容易に開くことができる。特に、システム本体10が大型で重量がある場合や、システム本体10とディスプレイ本体20との間に極端な質量差がある場合においても、筐体Cを容易に開くことができる。また、例えばボタン操作により筐体を開くように構成された携帯型情報処理装置と比べて、筐体を開く操作をより直感的に行うことができる。
【0051】
また、携帯型情報処理装置1は、取得部40A、40Bが取り付けられたヒンジ30A、30Bを複数備え、制御部50は、複数の取得部40A、40Bによって取得された複数の情報に基づいて上記判断を行う。この構成により、制御部50による判断の精度を高め、筐体Cがユーザの意図しないところで開いてしまう可能性を低減できる。
【0052】
また、取得部40A、40Bは、ヒンジ30A、30Bの歪みを取得する歪みセンサである。この構成により、筐体Cに加わった外力に係る情報を取得するように構成された取得部40A、40Bを容易に実現することができる。
【0053】
また、ヒンジ30A、30Bは、ディスプレイ本体20に固定される上側部材30AU、30BUと、システム本体10に固定される下側部材30AL、30BLと、を含み、取得部40A、40Bは、下側部材30AL、30BLに取り付けられている。この構成により、取得部40A、40Bによるヒンジ30A、30Bの歪みの取得の精度を高めることができる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る携帯型情報処理装置2は、取得部70A、70Bとして圧力センサが用いられているという点で前記実施形態に係る携帯型情報処理装置1と異なる。
【0055】
図7および図8に示すように、本実施形態に係る第1ヒンジ30Aの下側羽根部38Aの後端(-Y端)には、折り曲げ部81Aが設けられている。本実施形態において、折り曲げ部81Aは下側羽根部38Aと一体に形成されている。折り曲げ部81Aは、下側羽根部38Aの後端から上方に延びる第1部分81aと、第1部分81aの上端から後方(-Yの向き)に向けて延びる第2部分81bと、を含む。また、第1ヒンジ30Aには、弾性体80Aが取り付けられている。具体的に、弾性体80Aは、折り曲げ部81A(第2部分81b)の上面に配置されている。そして、図7に示すように、第1固定フレーム13Aのうち弾性体80Aと厚み方向Zにおいて対向する部分に第1取得部70A(圧力センサ)が固定されている。本実施形態においては、弾性体80Aと第1取得部70Aとが常に接触するよう、折り曲げ部81A(第2部分81b)と第1固定フレーム13Aとの間の厚み方向Zにおける距離および弾性体80Aの厚み等が調整されている。また、詳細な図示は省略するが、第2ヒンジ30Bにも折り曲げ部81Bが設けられ、折り曲げ部81Bの上面に弾性体80Bが配置され、弾性体80Bと接触する第2取得部70B(圧力センサ)が第2固定フレーム13Bに固定されている。
【0056】
取得部70A、70Bは、弾性体80A、80Bが取得部70A、70Bに加える圧力を電気信号に変換して取得する。ユーザが筐体Cを開こうと力を加えると、当該力は筐体Cを介してヒンジ30A、30Bに伝わり、折り曲げ部81A、81Bが上方に移動することで取得部70A、70Bに圧力が加わる。つまり、取得部70A、70Bは、前記実施形態に係る取得部40A、40Bと同様に、筐体Cに加わった外力に係る情報(本実施形態においては取得部70A、70Bに加わる圧力)を取得することができる。取得部70A、70Bは、前記実施形態に係る取得部40A、40Bと同様に、取得した情報を制御部50に出力する。本実施形態に係る制御部50は、取得部70A、70Bが取得した圧力に関する情報を基に、ユーザが筐体Cを開こうとする意図(力)を検知する。
【0057】
以上説明したような構成においても、前記実施形態と同様に、筐体Cを容易に開くことが可能な携帯型情報処理装置2を提供できる。
【0058】
また、本実施形態に係る携帯型情報処理装置2は、ヒンジ30A、30Bに取り付けられた弾性体80A、80Bを備え、取得部70A、70Bは、弾性体80A、80Bに接触するように配置されて弾性体80A、80Bによって加えられる圧力を取得する圧力センサである。この構成により、筐体Cに加わった外力に係る情報を取得するように構成された取得部70A、70Bを容易に実現することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る携帯型情報処理装置2は、取得部70A、70Bに接触する弾性体80A、80Bが取り付けられたヒンジ30A、30Bを複数備え、制御部50は、複数の取得部70A、70Bによって取得された複数の情報に基づいて上記判断を行う。この構成により、制御部50による判断の精度を高め、筐体Cがユーザの意図しないところで開いてしまう可能性を低減できる。
【0060】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0061】
例えば、前記実施形態においては信号SAの変動および信号SBの変動が各々所定値ΔA、ΔBを超えるか否かが制御部50による判断の条件であったが、例えば信号SAの変動と信号SBの変動との合計値が所定の値を超えるか否かが当該判断の条件であってもよい。取得部40A、40B(取得部70A、70B)が取得した情報に基づくものであれば、制御部50が行う判断の条件は適宜変更可能である。
【0062】
また、ヒンジ30A、30Bおよび取得部40A、40B(取得部70A、70B)の数は適宜変更可能であり、各々1つ以上あればよい。ただし、取得部40A、40B(取得部70A、70B)が複数存在する構成は、制御部50による判断の精度が高まるという点で好適である。また、一つのヒンジ30A(30B)に対して複数の取得部40A、40B(複数の取得部70A、70B)が取り付けられていてもよい。
【0063】
また、取得部40A、40Bはヒンジ30A、30Bに取り付けられていなくてもよい。例えば、取得部40A、40Bは筐体Cに取り付けられ、筐体Cの歪みを取得するように構成されていてもよい。あるいは、ヒンジ30A、30Bにアクチュエイター等の別部品が取り付けられ、当該別部品に取得部40A、40Bが取り付けられていてもよい。この場合、取得部40A、40Bは当該別部品の歪みを取得し、当該歪みを制御部50に出力してもよい。ただし、取得部40A、40Bがヒンジ30A、30Bに取り付けられている構成は、筐体Cの小型化を行いやすいという点で好適である。
【0064】
また、制御部50による上述の判断の条件は更新可能であってもよい。この構成によれば、例えばヒンジ30A、30Bの経年劣化や変形によって信号SA、SBの振る舞いが恒常的に変化した場合においても、制御部50による判断の精度を保つことができる。より具体的には、取得部40A、40B(取得部70A、70B)のオフセット電圧が変化しても判断精度を保つことができる。また、ユーザが筐体Cに加える力の大きさとヒンジ30A、30Bに生じる歪みの大きさとの比率が変わったり、ユーザが筐体Cに加える力の大きさと取得部70A、70Bに加わる圧力の大きさとの比率が変わったりしても、判断精度を保つことができる。なお、判断条件の更新はユーザが手動で行ってもよい。あるいは、例えば制御部50が信号SA、SBの長期的な変化(オフセット電圧の変化等)を検知すること等により、判断条件が自動で更新されてもよい。
【0065】
また、制御部50は、ユーザが筐体Cを開こうとする動作が行われた際に取得部40A、40B(取得部70A、70B)が取得する情報に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて上述の判断を行ってもよい。このような制御部50は、取得部40A、40B(取得部70A、70B)が取得した情報が入力された場合に、その学習済みモデルを用いて、筐体Cに印加された外力が「ユーザが筐体Cを開こうとしている際に加わる外力」であるか否かを出力することができる。この構成によれば、制御部50による判断の精度を効果的に高めることができる。
【0066】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0067】
なお、上述した制御部50は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、制御部50の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した制御部50における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS及び周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0068】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1、2…携帯型情報処理装置 C…筐体 10…システム本体 20…ディスプレイ本体 21…ディスプレイ 30A…第1ヒンジ(ヒンジ) 30AU…第1上側部材(上側部材) 30AL…第1下側部材(下側部材) 30B…第2ヒンジ(ヒンジ) 30BU…第2上側部材(上側部材) 30BL…第2下側部材(下側部材) 40A、70A…第1取得部(取得部) 40B、70B…第2取得部(取得部) 50…制御部 60A…第1駆動装置(駆動装置) 60B…第2駆動装置(駆動装置) 80A、80B…弾性体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム本体と、ディスプレイを有するディスプレイ本体と、を含む筐体と、
前記ディスプレイ本体を前記システム本体に対して開閉可能に連結するヒンジと、
前記筐体を開くように前記ヒンジを駆動する駆動装置と、
前記筐体に加わった外力に係る情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報が所定の条件を満たした場合に、前記筐体が開かれようとしていると判断し、前記駆動装置を作動させる制御部と、を備え
前記取得部は前記ヒンジに取り付けられており、
前記取得部は、前記ヒンジの歪みを取得する歪みセンサである、携帯型情報処理装置。
【請求項2】
前記ヒンジは、前記ディスプレイ本体に固定される上側部材と、前記システム本体に固定される下側部材と、を含み、
前記取得部は、前記下側部材に取り付けられている、請求項に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部が取り付けられた前記ヒンジを複数備え、
前記制御部は、複数の前記取得部によって取得された複数の情報に基づいて前記判断を行う、請求項1または2に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、更新可能に構成されている、請求項1または2に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記筐体を開こうとする動作が行われた際に前記取得部が取得する情報に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて前記判断を行う、請求項1または2に記載の携帯型情報処理装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム本体と、ディスプレイを有するディスプレイ本体と、を含む筐体と、
前記ディスプレイ本体を前記システム本体に対して開閉可能に連結するヒンジと、
前記筐体を開くように前記ヒンジを駆動する駆動装置と、
前記筐体に加わった外力に係る情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報が所定の条件を満たした場合に、前記筐体が開かれようとしていると判断するとともに前記ヒンジが前記筐体を開くように前記駆動装置を作動させる制御部と、を備え、
前記取得部は前記ヒンジに取り付けられており、
前記取得部は、前記ヒンジの歪みを取得する歪みセンサである、携帯型情報処理装置。
【請求項2】
前記ヒンジは、前記ディスプレイ本体に固定される上側部材と、前記システム本体に固定される下側部材と、を含み、
前記取得部は、前記下側部材に取り付けられている、請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部が取り付けられた前記ヒンジを複数備え、
前記制御部は、複数の前記取得部によって取得された複数の情報に基づいて前記判断を行う、請求項1または2に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、更新可能に構成されている、請求項1または2に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記筐体を開こうとする動作が行われた際に前記取得部が取得する情報に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて前記判断を行う、請求項1または2に記載の携帯型情報処理装置。