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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139725
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電気車両の変速システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 15/20 20060101AFI20241002BHJP
   F16H 59/42 20060101ALI20241002BHJP
   F16H 61/16 20060101ALI20241002BHJP
   F16H 61/68 20060101ALI20241002BHJP
   F16H 63/50 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B60L15/20 K
F16H59/42
F16H61/16
F16H61/68
F16H63/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024037123
(22)【出願日】2024-03-11
(31)【優先権主張番号】112111505
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】597127029
【氏名又は名称】光陽工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】リアオ ウェイ シアン
(72)【発明者】
【氏名】クオ チュン チー
(72)【発明者】
【氏名】チェン トー ユィ
【テーマコード(参考)】
3J552
5H125
【Fターム(参考)】
3J552MA04
3J552NA08
3J552NB05
3J552PA02
3J552RA02
3J552RB12
3J552RB19
3J552SA23
3J552SA26
3J552SA30
3J552SB12
3J552TB13
3J552UA07
3J552VB01W
3J552VC01W
5H125AA01
5H125AB03
5H125BE05
5H125DD01
5H125DD19
5H125EE08
5H125EE42
(57)【要約】
【課題】電気車両の変速システムの制御方法を提供する。
【解決手段】電気車両の変速システムを制御するための制御方法であって、動力モータの回転速度に関連する情報を受信することと、動力モータの回転速度が第1条件及び第2条件におけるいずれか一者を満たすか否かを判断することであって、第1条件は、動力モータの回転速度が第1回転速度よりも高いという条件であり、第2条件は、動力モータの回転速度が第2回転速度よりも低いという条件であることと、制限条件を満たすか否かを判断することと、制限条件を満たしていると判断した場合、変速システムにギヤシフトを行なわせる制御をしないことと、制限条件を満たしていないとともに、前記動力モータの回転速度が第1条件及び第2条件におけるいずれか一者を満たしていると判断した場合、変速システムを制御して動力モータの回転速度に基づいてギヤシフトを行なうことと、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両の変速システムを制御するための制御方法であって、
前記電気車両は、車両を推進する動力を提供するための動力モータと、前記動力モータと接続されている変速システムと、前記動力モータ及び前記変速システムと電気的に接続されている制御ユニットと、を備えており、
前記記制御方法は、
前記制御ユニットにより、前記動力モータの回転速度に関連する情報を受信することと、
前記制御ユニットにより、前記動力モータの前記回転速度が第1条件及び第2条件におけるいずれか一者を満たすか否かを判断することであって、前記第1条件は、前記動力モータの前記回転速度が第1回転速度よりも高いという条件であり、前記第2条件は、前記動力モータの前記回転速度が第2回転速度よりも低いという条件であることと、
前記制御ユニットにより、制限条件を満たすか否かを判断することと、
前記制御ユニットにより、前記制限条件を満たしていると判断した場合、前記変速システムにギヤシフトを行なわせる制御をしないことと、
前記制御ユニットにより、前記制限条件を満たしていないとともに、前記動力モータの前記回転速度が前記第1条件及び前記第2条件におけるいずれか一者を満たしていると判断した場合、前記変速システムを制御して前記動力モータの前記回転速度に基づいてギヤシフトを行なうことと、を含む、
ことを特徴とする電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項2】
前記変速システムは、ギヤセットと、作動機構と、シフトドラムと、ギヤシフトモータと、を備えており、
前記ギヤセットは、前記動力モータと接続されて前記動力モータからの動力を伝達するためのものであり、
前記作動機構は、前記ギヤセットと接続されてギヤシフトを行なうためのものであり、
前記シフトドラムは、前記作動機構と接続されており、
前記ギヤシフトモータは、前記シフトドラムと接続されて前記シフトドラムの回転を駆動して、前記作動機構がギヤシフトを行なうことができるように構成されており、且つ前記制御ユニットと電気的に接続されており、
前記制御ユニットにより、前記変速システムにギヤシフトを行なわせる制御をしないことは、前記制御ユニットにより、前記ギヤシフトモータに前記シフトドラムの回転を行なわせる制御をしないことであり、
前記制御ユニットにより、前記変速システムを制御してギヤシフトを行なうことは、前記制御ユニットにより、前記ギヤシフトモータを前記シフトドラムが回転するように制御することである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項3】
前記電気車両は、前輪と、後輪と、を更に備えており、
前記制限条件は、前記前輪の回転速度がゼロであることである、ことを特徴とする請求項1に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項4】
前記電気車両は、車体と、スタンドと、を更に備えており、
前記スタンドは、前記車体と連接されていて、地面に立てて前記車体を地面に支持している直立状態と、地面から離れている折り畳み状態と、の間に切り替えられるように構成されており、
前記制限条件は、前記スタンドが前記直立状態にあることである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項5】
前記電気車両は、検出手段を更に備えており、
前記検出手段は、前記制御ユニットと電気的に接続されており、前記スタンドが前記直立状態にあると、前記直立状態に関連する信号を生成して前記制御ユニットへ送信することができるように構成されており、
前記制御ユニットにより、前記スタンドが前記直立状態にある前記制限条件を満たすか否かを判断することは、前記制御ユニットにより、前記直立状態に関連する信号を受信したか否かを判断することである、
ことを特徴とする請求項4に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項6】
前記制限条件は、前記動力モータの前記回転速度が第3回転速度よりも低いことである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項7】
前記第3回転速度は、3000rpmである、
ことを特徴とする請求項6に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項8】
前記制御ユニットにより、前記変速システムにギヤシフトを行なわせる制御をしないことの後に、前記動力モータの前記回転速度が前記第3回転速度よりも高い第4回転速度を超えるように上がると、前記制御ユニットにより、前記変速システムがギヤシフトを行なうように制御すること、を更に含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項9】
前記第4回転速度は、4500rpmである、
ことを特徴とする請求項8に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項10】
前記電気車両は、アクセルコントローラと、アクセルポジションセンサと、を更に備えており、
前記アクセルポジションセンサは、前記アクセルコントローラの位置を検出し、前記アクセルコントローラの位置に基づいてアクセル信号を生成して前記制御ユニットへ送信するためのものであり、
前記アクセル信号は、前記動力モータによるトルクの期待値を示す信号であり、
前記制御方法は、前記動力モータの前記回転速度に基づいてトルク閾値を生成することを更に含み、
前記制限条件は、前記アクセル信号により示される前記トルクの期待値が前記トルク閾値よりも低いことである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項11】
前記動力モータの前記回転速度に基づいて回復閾値を生成することと、
前記制御ユニットにより、前記変速システムにギヤシフトを行なわせる制御をしないことの後に、前記アクセル信号により示される前記トルクの期待値が前記回復閾値よりも高くなると、前記制御ユニットにより、前記変速システムがギヤシフトを行なうように制御すること、を更に含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項12】
前記電気車両は、ギヤロックスイッチを更に備えており、
前記ギヤロックスイッチは、前記制御ユニットと電気的に接続されており、且つロック信号を前記制御ユニットへ送信することができるように構成されており、
前記制限条件は、前記制御ユニットが前記ロック信号を受信することである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項13】
前記第1回転速度は6000rpmであり、前記第2回転速度は4000rpmである、
ことを特徴とする請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【請求項14】
前記制御ユニットにより、前記変速システムを制御して前記動力モータの前記回転速度に基づいてギヤシフトを行なうことにおいては、
前記制御ユニットにより、前記第1条件を満たしていると判断した場合、前記変速システムを制御してアップシフトを行なうことと、
前記制御ユニットにより、前記第2条件を満たしていると判断した場合、前記変速システムを制御してダウンシフトを行なうことと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の電気車両の変速システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する制御方法に関し、具体的には、電気車両の変速システムを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(台湾特許出願公開第202302408号明細書)に記載された従来の変速機構1は、図1に示されるように、駆動電源(図示せず)と接続されている入力軸10と、入力軸10を取り囲むように配置されている第1入力ギヤ11と、第1入力ギヤ11に近接しているとともに入力軸10を取り囲むように配置されている第2入力ギヤ12と、径方向に沿って入力軸10と間隔をあけるように配置されている出力軸13と、出力軸13を取り囲んでいるとともに第1入力ギヤ11と着脱可能に噛み合うことができるように配置されている第1出力ギヤ14と、出力軸13を取り囲んでいるとともに第2入力ギヤ12と着脱可能に噛み合うことができるように配置されている第2出力ギヤ15と、出力軸13と連接している一方向クラッチ17と、入力軸10と連接しているクラッチプレッシャープレート18と、入力軸10の軸方向においてクラッチプレッシャープレート18に当接するように配置されている当接機構19と、を備えている。
【0003】
当接機構19の作動によって、入力軸10により導入された動力は、クラッチプレッシャープレート18が係合状態または解除状態になることを制御することに用いられ得る。これによって、従来の変速機構1は、第1入力ギヤ11が第1出力ギヤ14と噛み合っている第1ギヤ位置と、第2入力ギヤ12が第2出力ギヤ15と噛み合っている第2ギヤ位置と、の間で切り替えられ得る。
【0004】
第1ギヤ位置においては、入力軸10により導入された動力が、第1入力ギヤ11及び第1出力ギヤ14を経由して出力軸13に伝達されて出力され得る。この際に、第2入力ギヤ12は入力軸10と共に回転するが、他のギヤと噛み合っていないので、動力は出力されることはない。一方、第2ギヤ位置においては、クラッチプレッシャープレート18の作動によって、入力軸10により導入された動力は、第2入力ギヤ12及び第2出力ギヤ15を経由して出力軸13に伝達され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許出願公開第202302408号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように従来の変速機構は一方向クラッチ及びクラッチプレッシャープレートを備えているが、このようなクラッチ構成を有すると、変速機構に対して構成部品が多くて体積が大きいといった問題を招いてしまう。これによって、変速機構の小型化は困難となる。
【0007】
電気モータを動力源とする電気車両においては、クラッチが配置されていない変速装置によって、適切な時間においてギヤシフトを行なうために、モータの回転速度やトルク指令などのパラメータによりギヤシフトモータの作動を制御することができるが、例えば緊急ブレーキによる回転速度の急降下時や、加速後にアクセルを放した滑走時といったギヤシフトに向いていない状態においても、依然としてモータの回転速度やトルク指令がギヤシフトの実行条件を満たしてしまうことでギヤシフトが行われて、ギヤシフトショックが発生してしまうことがある。このギヤシフトショックは、電気車両に対して悪影響を及ぼすおそれがある。このため、このような従来技術は、改善する余地がある。
【0008】
よって、本発明は上記問題点に鑑みて、上記した少なくとも1つの欠点を解決することができる電気車両の変速システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、電気車両の変速システムを制御するための制御方法であって、
前記電気車両は、車両を推進する動力を提供するための動力モータと、前記動力モータと接続されている変速システムと、前記動力モータ及び前記変速システムと電気的に接続されている制御ユニットと、を備えており、
前記制御方法は、
前記制御ユニットにより、前記動力モータの回転速度に関連する情報を受信することと、
前記制御ユニットにより、前記動力モータの前記回転速度が第1条件及び第2条件におけるいずれか一者を満たすか否かを判断することであって、前記第1条件は、前記動力モータの前記回転速度が第1回転速度よりも高いという条件であり、前記第2条件は、前記動力モータの前記回転速度が第2回転速度よりも低いという条件であることと、
前記制御ユニットにより、制限条件を満たすか否かを判断することと、
前記制御ユニットにより、前記制限条件を満たしていると判断した場合、前記変速システムにギヤシフトを行なわせる制御をしないことと、
前記制御ユニットにより、前記制限条件を満たしていないとともに、前記動力モータの前記回転速度が前記第1条件及び前記第2条件におけるいずれか一者を満たしていると判断した場合、前記変速システムを制御して前記動力モータの前記回転速度に基づいてギヤシフトを行なうことと、を含む、ことを特徴とする電気車両の変速システムの制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電気車両の変速システムの制御方法によれば、ギヤシフトを行なっている際に、機械部品間の衝撃による騒音やギヤシフトショックなどの使用者に不快感を与えることを防止又は低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来の電気車両の変速機構が示される一部断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電気車両の構成が示される模式的側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電気車両の変速システムの構成が示される斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るギヤセットとシフトドラムと作動機構との構成が示される断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る変速システムと制御ユニットと動力モータとアクセルポジションセンサとの接続関係が示されるブロック図である。
図6】本発明に係る電気車両の変速システムの制御方法の一実施形態が示されるフローチャートである。
図7】本発明に係る電気車両の変速システムの制御方法の一実施形態が示されるフローチャートである。
図8】本発明に係る電気車両の変速システムの制御方法の他の実施形態が示されるフローチャートである。
図9】本発明に係る電気車両の変速システムの制御方法の更に他の実施形態において動力モータの回転速度により得られたトルク閾値の変化を説明する曲線図である。
図10】本発明に係る電気車両の変速システムによりギヤシフトを行なっている際に、アクセル指令と滑走判定との間の関係の経時変化が示されるタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る電気車両の変速システムの制御方法及びそれを実施する電気車両について図面を参照して説明する。
【0013】
図2図5を参照して本発明に係る電気車両2及び電気車両2の変速システム3の構成を説明する。ここで、図2は本発明の一実施形態に係る電気車両2の構成が示される模式的側面図であり、図3は本発明の一実施形態に係る電気車両2の変速システム3の構成が示される斜視図であり、図4は本発明の一実施形態に係るギヤセット31とシフトドラム33と作動機構32との構成が示される断面図であり、また、図5は本発明の一実施形態に係る変速システム3と制御ユニット22と動力モータ21とアクセルポジションセンサ25との接続関係が示されるブロック図である。
【0014】
本発明の一実施形態に係る電気車両2としては、電動スクータが挙げられる。該実施形態に係る電気車両2は、図2に示されるように、車体20と、動力モータ21と、制御ユニット22と、前輪28と、後輪29と、アクセルコントローラ27と、スタンド23と、検出手段24と、アクセルポジションセンサ25と、ギヤロックスイッチ26と、変速システム3(図3を参照)と、を備えている。
【0015】
動力モータ21は、電気車両2を推進する動力を提供するためのものであり、且つ図5に示されるように、変速システム3と接続されている。制御ユニット22は、図5に示されるように、動力モータ21及び後述する変速システム3と電気的に接続されている。
前輪28と後輪29とは、図2に示されるように、車体20の前後両側にそれぞれ配置されている。
【0016】
アクセルコントローラ27は、図2に示されるように、電気車両2(電動スクータ)のハンドルに設けられて使用者により操作されることができるものである。なお、本実施形態では、アクセルコントローラ27は、アクセルグリップであるが、これに限定されない。電気車両2に乗っている使用者は、アクセルコントローラ27を操作して電気車両2の走行速度を制御することができる。
【0017】
スタンド23は、図2に示されるように、車体20と連接されていて、電気車両2を駐車する際に車体20を地面に立てるように支持するために用いられるものである。また、該スタンド23は、地面に立てて車体20を地面に支持している直立状態(図示せず)と、地面から離れている折り畳み状態(図2を参照)と、の間に切り替えられるように構成されている。より具体的に言うと、該直立状態とは、電気車両2の駐車状態である一方、該折り畳み状態とは、電気車両2の運転可能状態である。
【0018】
検出手段24は、制御ユニット22と電気的に接続されており、スタンド23が直立状態にあると、直立状態に関連する信号を生成して制御ユニット22へ送信することができるように構成されている。
【0019】
アクセルポジションセンサ25は、アクセルコントローラ27の位置を検出し、そのアクセルコントローラ27の位置に基づいてアクセル信号を生成して制御ユニット22へ送信するためのものである。なお、本実施形態では、アクセルコントローラ27の位置とは、アクセルグリップの回転角度であるが、それに限定されない。
【0020】
ここで、該アクセル信号とは、動力モータ21によるトルクの期待値を示す信号である。
【0021】
ギヤロックスイッチ26は、制御ユニット22と電気的に接続されており、且つロック信号を制御ユニット22へ送信することができるように構成されている。
【0022】
以下、該実施形態に係る電気車両2の変速システム3の構成について説明する。
【0023】
変速システム3は、図3に示されるように、ギヤセット31と、作動機構32と、シフトドラム33と、ギヤシフトモータ34と、を備えている。
【0024】
ギヤセット31は、図5に示されるように、動力モータ21と接続されてその動力モータ21からの動力を伝達するためのものである。
【0025】
作動機構32は、図3図5に示されるように、ギヤセット31と接続されてギヤシフトを行なうためのものである。
【0026】
シフトドラム33は、図3図5に示されるように、作動機構32と接続されている。
【0027】
ギヤシフトモータ34は、図3図5に示されるように、シフトドラム33と接続されてシフトドラム33の回転を駆動して、作動機構32がギヤシフトを行なうことができるように構成されており、且つ制御ユニット22と電気的に接続されている。なお、いくつかの実施形態においては、ギヤシフトモータ34は、例えばステッピングモータであるが、本実施形態においてそれに限定されない。
【0028】
また、該ギヤセット31は、図3及び図4に示されるように、入力軸311と、第1入力ギヤ312と、第2入力ギヤ313と、出力軸314と、第1出力ギヤ315と、第2出力ギヤ316と、を備えている。
【0029】
第1入力ギヤ312は、図3に示されるように、入力軸311を取り囲むように配置されている。
【0030】
第2入力ギヤ313は、図3に示されるように、第1入力ギヤ312と間隔をあけて入力軸311を取り囲むように配置されている。
【0031】
出力軸314は、図3に示されるように、入力軸311と間隔をあけるように配置されている。
【0032】
第1出力ギヤ315は、図3及び図4に示されるように、出力軸314を取り囲んでいるとともに第1入力ギヤ312と噛み合うように配置されている。
【0033】
第2出力ギヤ316は、図3及び図4に示されるように、出力軸314を取り囲んでいるとともに第2入力ギヤ313と噛み合うように配置されている。
【0034】
作動機構32には、図3及び図4に示されるように、複数のドグ歯329が形成されている。また、該作動機構32は、第1出力ギヤ315と係合する第1ギヤ位置と、第2出力ギヤ316と係合する第2ギヤ位置と、の間で移動することができる。
【0035】
第1ギヤ位置とは、作動機構32における複数のドグ歯329が、第1出力ギヤ315のリムの内側において第1出力ギヤ315に形成されて作動機構32に向かってそれぞれ開口されている複数の第1開口部318(図3を参照)に挿入されることによって、第1出力ギヤ315における複数の第1開口部318と係合又は連結される位置である。
【0036】
一方、第2ギヤ位置とは、作動機構32における複数のドグ歯329が、第2出力ギヤ316のリムの内側において第2出力ギヤ316に形成されて作動機構32に向かってそれぞれ開口されている複数の第2開口部319(図3を参照)に挿入されることによって、第2出力ギヤ316における複数の第2開口部319と係合又は連結される位置である。
【0037】
なお、本実施形態では、変速システム3の作動機構32の第1ギヤ位置から第2ギヤ位置への変換はアップシフトであり、作動機構32の第2ギヤ位置から第1ギヤ位置への変換はダウンシフトである。
【0038】
以下、本発明に係る電気車両の変速システムの制御方法について図面を参照して説明する。
【0039】
図6図10を参照して本発明に係る電気車両の変速システムの制御方法を説明する。図6及び図7は本発明に係る電気車両2の変速システム3の制御方法の一実施形態が示されるフローチャートであり、図8は本発明に係る電気車両2の変速システム3の制御方法の他の実施形態が示されるフローチャートである。
【0040】
また、図9は本発明に係る電気車両2の変速システム3の制御方法の更に他の実施形態において動力モータ21の回転速度により得られたトルク閾値の変化を説明する曲線図であり、図10は本発明に係る電気車両2の変速システム3によりギヤシフトを行なっている際の、アクセル指令と滑走判定との間の関係の経時変化が示されるタイムチャートである。
【0041】
本発明に係る電気車両2の変速システム3の制御方法は、本発明の一実施形態に係る電気車両2(図3を参照)によって実施され得る。本発明に係る一実施形態の電気車両2の変速システム3の制御方法は、図6及び図7に示されるように、以下のステップS51~ステップS55を含んでいる。
【0042】
ステップS51において、制御ユニット22により、動力モータ21の回転速度に関連する情報を受信する。
【0043】
ステップS52において、制御ユニット22により、動力モータ21の回転速度が第1条件及び第2条件におけるいずれか一者を満たすか否かを判断する。
【0044】
第1条件は、動力モータ21の回転速度が第1回転速度よりも高いという条件である一方、第2条件は、動力モータ21の回転速度が第2回転速度よりも低いという条件である。本実施形態では、第1回転速度は6000rpmであり、且つ第2回転速度は4000rpmであるが、それに限定されない。
【0045】
具体的に、制御ユニット22は、動力モータ21の回転速度に関連する情報を常時受信し、その動力モータ21の回転速度が変速システム3のアップシフトまたはダウンシフトに相応しいか否かを判断する。
【0046】
図7に示されるように、制御ユニット22は、動力モータ21の回転速度が第1条件及び第2条件のいずれも満たしていないと判断すると、変速システム3にギヤシフトを行なわせる制御をしない。一方、制御ユニット22は、動力モータ21の回転速度が第1条件及び第2条件におけるいずれか一者を満たしていると判断すると、フローはステップS53へ進む。
【0047】
より詳しく言うと、該ステップS52においては、電気車両2が一般的な走行状態において、変速システム3のアップシフト(即ち、第1ギヤ位置から第2ギヤ位置への変換)またはダウンシフト(即ち、第2ギヤ位置から第1ギヤ位置への変換)に適当な回転速度に応じて、動力モータ21の回転速度に基づいて適切な条件(即ち、第1条件と第2条件)を設定して、制御ユニット22により動力モータ21の回転速度を示す情報を継続的に監視して把握する。これによって、後続の作動(即ち、ステップS52に戻るか、ステップS53へ進むか)に対応することができる。
【0048】
ステップS53において、制御ユニット22により、制限条件を満たすか否かを判断する。ここで、上記した制限条件については、電気車両2がその制限条件を満たす状態で、変速システム3がギヤシフトを行なうと、例えば機械部品間の衝撃による騒音やギヤシフトショックなどの不快感が発生する可能性がある。
【0049】
図7に示されるように、制御ユニット22が制限条件を満たしていると判断すると、フローはステップS54へ進む。一方、制御ユニット22が制限条件を満たしていないと判断すると、フローはステップS55へ進む。
【0050】
留意されたいのは、本実施形態では、ステップS52を実行した後、ステップS53を実行するが、本発明はそれに限定されず、他の実施形態においてステップS53を実行した後、ステップS52を実行してもよい。即ち、制限条件を満たすか否かを判断することは、動力モータ21の回転速度が第1条件及び第2条件におけるいずれか一者を満たすか否かを判断することの前に実行してもよい。
【0051】
ステップS54において、制御ユニット22により、制限条件を満たしていると判断した場合、変速システム3にギヤシフトを行なわせる制御をしない。
【0052】
本実施形態では、制御ユニット22により、変速システム3にギヤシフトを行なわせる制御をしないことは、制御ユニット22により、変速システム3のギヤシフトモータ34にシフトドラム33の回転を行なわせる制御をしないことである。
【0053】
ステップS55において、制御ユニット22により、制限条件を満たしていないとともに、動力モータ21の回転速度が第1条件及び第2条件におけるいずれか一者を満たしていると判断した場合、変速システム3を制御して動力モータ21の回転速度に基づいてギヤシフトを行なう。
【0054】
本実施形態では、制御ユニット22により、変速システム3を制御してギヤシフトを行なうことは、制御ユニット22により、ギヤシフトモータ34をシフトドラム33が回転するように制御することである。
【0055】
ステップS55においては、図7に示されるように、以下のサブステップS551~サブステップS552を含んでいる。
【0056】
該ステップS55においては、制御ユニット22により、第1条件を満たしていると判断した場合、サブステップS551へ進み、即ち、制御ユニット22が変速システム3を制御してアップシフトを行なう。
【0057】
一方、該ステップS55においては、制御ユニット22により、第2条件を満たしていると判断した場合、サブステップS552へ進み、即ち、制御ユニット22が変速システム3を制御してダウンシフトを行なう。
【0058】
より具体的に言うと、電気車両2の正常な走行において、制御ユニット22は、動力モータ21の回転速度が第1回転速度を上回るまたは第2回転速度を下回るか否かを判断する。その動力モータ21の回転速度が第1回転速度を上回るまたは第2回転速度を下回る(本実施形態では、動力モータ21の回転速度が、6000rpmよりも高い場合、或いは4000rpmよりも低い場合)、制御ユニット22により、ギヤシフトモータ34の作動を制御し、ひいてはシフトドラム33を回転させて作動機構32が第1出力ギヤ315または第2出力ギヤ316へ移動することをさせることができる。これによって、アップシフト(即ち、作動機構32が第1ギヤ位置から第2ギヤ位置へ移動すること)またはダウンシフト(即ち、作動機構32が第2ギヤ位置から第1ギヤ位置へ移動すること)を実行することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、ステップS53における制限条件は、電気車両2の前輪28の回転速度がゼロであること、あるいは電気車両2のスタンド23が直立状態にあることであり、即ち、電気車両2が駐車状態にあることである。
【0060】
したがって、制御ユニット22は、電気車両2が駐車しているか否かを判断し、電気車両2が駐車状態にあると判断すると、変速システム3にギヤシフトを行なわせる制御をしないので、機械部品間の衝撃による騒音やギヤシフトショックなどの状況が発生することはない。
【0061】
なお、本実施形態では、電気車両2が駐車状態にあると、後輪29が地面と接触しないので、この場合に使用者がアクセルコントローラ27を操作して後輪29を回転させるように制御しても、前輪28が連動されて回転することはなく、即ち、前輪28には回転速度が発生しない。これによって、制御ユニット22は、電気車両2が駐車状態にあると判断する。
【0062】
ここで、電気車両2が駐車状態にあるとき、前輪28が地面と接触して後輪29のみ地面と接触しない場合でも、前輪28と後輪29との両方が地面と接触しない場合でも、上記した態様を実現することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、制御ユニット22は、スタンド23が直立状態にあるか否かを判断することにより、電気車両2が駐車状態にあるか否かを判断することもできる。
【0064】
これによって、電気車両2が駐車状態にあって使用者がアクセルコントローラ27を操作して動力モータ21を所定の回転速度に達するように回転させても、予め設定した条件でギヤシフトを行なうことはない。これで不適切なタイミングにおいてギヤシフトが行われることに起因する機械部品間の衝撃による騒音やギヤシフトショックなどの不快感の発生を避けることができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、制御ユニット22により、スタンド23が直立状態にあるという制限条件を満たすか否かを判断すること(即ち、ステップS53)は、制御ユニット22により、直立状態に関連する信号を受信したか否かを判断することである。
つまり、ステップS53における制限条件とは、制御ユニット22が検出手段24からスタンド23の直立状態に関連する信号を受信したことである。ここで、電気車両2においてスタンド23が直立状態にあるか否かを検出するための検出手段24を設けることにより、駐車機構23が駐車状態にあることをより直接に確定することができ、ひいては電気車両2の駐車状態において制御ユニット22が変速システム3のギヤシフトモータ34にギヤシフトを行なわせる制御をしないことがより確実に確保され得る。
【0066】
以下、本発明に係る電気車両2の変速システム3の制御方法の他の実施形態について説明する。
【0067】
本実施形態では、電気車両2は、動力モータ21を動力源とするものであるので、エンジンを動力源とする車両のようなエンジンアイドリングを行なうことができない。したがって、電気車両2は、一時停止する場合でも、動力モータ21が止められる場合でも、その動力モータ21において初期回転速度が発生しないので、動力モータ21が低速状態にある場合は、走行中に減速や停止動作を行なっている可能性が高い。
【0068】
なお、動力モータ21が低速状態にあると、変速システム3の作動機構32における複数のドグ歯329が、低速状態に係るギヤ位置に対応するギヤにおける複数の開口部(即ち、図3及び図4に示されるような第1出力ギヤ315における複数の第1開口部318)と、単位時間内に軸方向に沿って位置合わせされる時間が比較的に短い。
【0069】
したがって、作動機構32における複数のドグ歯329が第1出力ギヤ315における複数の第1開口部318と確実に挿入且つ係合することは、動力モータ21が低速状態において困難である。
【0070】
それだけではなく、電気車両2がギヤシフトをより確実に行なうことができるように、本発明に係る他の実施形態の電気車両2の変速システム3の制御方法には、再びギヤシフトを行なう条件が設定される。
【0071】
本発明に係る他の実施形態の電気車両2の変速システム3の制御方法は、図8に示されるように、以下のステップS56~ステップS57を更に含んでいる。
【0072】
本実施形態では、ステップS53においては、制限条件は、動力モータ21の回転速度が第3回転速度よりも低いことである。本実施形態では、第3回転速度は3000rpmであるが、他の実施形態においてそれに限定されない。
【0073】
これによって、ギヤシフトモータ34が動力モータ21の低速状態においてギヤシフトを行なって、作動機構32における複数のドグ歯329とギヤとの間で衝撃が発生することを避けることができる。
【0074】
ステップS56において、図8に示されるように、制御ユニット22により、変速システム3にギヤシフトを行なわせる制御をしないことの後に、即ち、ステップS54を実行した後に、制御ユニット22により、動力モータ21の回転速度が第3回転速度よりも高い第4回転速度を超えるように上がるか否かを判断する。
【0075】
ステップS57において、図8に示されるように、制御ユニット22により、動力モータ21の回転速度が第3回転速度よりも高い第4回転速度を超えるように上がると判断した場合、変速システム3がギヤシフトを行なうように制御する。本実施形態では、第4回転速度は4500rpmであるが、他の実施形態においてそれに限定されない。
【0076】
本発明に係る電気車両2の変速システム3の制御方法の更に他の実施形態は、電気車両2が走行しているときに発生する滑走状態に対応するように用いられ得る。
【0077】
なお、該滑走状態とは、例えば電気車両2が降坂路を走行している際にアクセルコントローラ27を解除している状態、あるいは電気車両2が一定の速度に達して走行している際にアクセルコントローラ27を解除している状態を指す。
【0078】
ここで、電気車両2が降坂路を走行していることを例として説明する。この場合に、電気車両2は、重力の作用により、アクセルコントローラ27を特定の角度に回転させることによる特定の速度よりも速い速度で走行している。
【0079】
電気車両2が重力の作用による速度で走行している場合、動力伝達部品の回転速度がアクセルコントローラ27の操作により設定した回転速度よりも速いので、このような不適切な回転速度でギヤシフトを行なえば、機械部品間の衝撃による騒音が発生するおそれがある。
【0080】
上記した問題を解決するために、本発明に係る更に他の実施形態の電気車両2の変速システム3の制御方法は、以下のプロセスを更に実行する。
【0081】
まず、アクセルポジションセンサ25により、アクセルコントローラ27の位置(即ち、アクセルコントローラ27の回転角度)を検出し、そしてアクセルコントローラ27の位置に基づいてアクセル信号(即ち、動力モータ21によるトルクの期待値を示す信号)を生成して制御ユニット22へ送信する。
【0082】
ここで、使用者は、そのアクセル信号を参考して、要するトルクの期待値に達することができるようにアクセルコントローラ27を操作することができる。
次に、制御ユニット22により、動力モータ21の回転速度に基づいてトルク閾値を生成する。
【0083】
図9に示されるように、そのトルク閾値と動力モータ21の回転速度との間には、正の関係があり、これにより回転速度が速ければ速いほど、使用者がアクセルコントローラ27を少し解除して滑走状態によるトルクの期待値が、アクセルコントローラ27の回転角度よりも大きな回転角度の位置に設定される必要がある。
【0084】
ここで、これに対応する制限条件は、アクセル信号により示されるトルクの期待値がトルク閾値よりも低いことである。これによって、電気車両2が滑走状態にあるか否かを判断する。
【0085】
よって、電気車両2が滑走状態にあると、制御ユニット22は、ギヤシフトモータ34(図3を参照)がギヤシフトの作動を行なうことを制限し、これにより不適切なタイミングにおいてギヤシフトが行なわれることに起因する機械部品間の衝撃による騒音やギヤシフトショックなどの不快感の発生を避けることができる。
【0086】
いくつかの実施形態において、制御ユニット22により、動力モータ21の回転速度に基づいて回復閾値を生成する。
【0087】
そして、制御ユニット22により、変速システム3にギヤシフトを行なわせる制御をしないことの後に、アクセル信号により示されるトルクの期待値が回復閾値よりも高くなると、制御ユニット22により、変速システム3がギヤシフトを行なうように制御する。
【0088】
つまり、トルクの期待値が回復閾値よりも高くなったことは、電気車両2が滑走状態にないことであり、これにより変速システム3のギヤシフトモータ34が動力モータ21の回転速度に基づいてギヤシフトを行なうことを回復することができる。
【0089】
いくつかの実施形態において、ギヤロックスイッチ26により、ロック信号を制御ユニット22へ送信する。
【0090】
ここで、これに対応する制限条件は、制御ユニット22がロック信号を受信することである。これによって、ギヤロックスイッチ26が固定ギアモードを実行する。その固定ギアモードとは、第2ギヤ位置に維持することを指す。
【0091】
即ち、制御ユニット22がギヤシフトモータ34にギヤシフトを行なわせる制御をしないことによって、変速システム3が第2ギヤ位置に維持される。これによって、電気車両2がより安定に走行し続けることができる。
【0092】
総括すると、本発明に係る電気車両2の変速システム3の制御方法によれば、電気車両2のギヤシフトの切り替えを制御することができるだけではなく、駐車状態や低速状態や滑走状態やギヤに係るモードに応じて制限条件を設定することにより変速システム3にギヤシフト34を行なわせる制御をしないように制限することができる。
【0093】
よって、ギヤシフトを行なっている際に、機械部品間の衝撃による騒音やギヤシフトショックなどの使用者に不快感を与えることを防止又は低減することができる。
【0094】
上記においては、本発明の全体的な理解を促すべく、多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。
【0095】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明に係る電気車両の変速システムの制御方法によれば、ギヤシフトを行なっている際に、使用者に不快感を与えることを防止又は低減することができる。そのため、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0097】
2 電気車両
20 車体
21 動力モータ
22 制御ユニット
23 スタンド
24 検出手段
25 アクセルポジションセンサ
26 ギヤロックスイッチ
27 アクセルコントローラ
28 前輪
29 後輪
3 変速システム
31 ギヤセット
311 入力軸
312 第1入力ギヤ
313 第2入力ギヤ
314 出力軸
315 第1出力ギヤ
316 第2出力ギヤ
318 第1開口部
319 第2開口部
32 作動機構
329 ドグ歯
33 シフトドラム
34 ギヤシフトモータ
S51~S57 ステップ
S551~S552 サブステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10