(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139732
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】新鮮な空気の供給のためのシートコンソールを備えた道路建設機械及び方法
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024044465
(22)【出願日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】23164330
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト エルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ウェーバー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ポンティウス
(72)【発明者】
【氏名】ヤン リッフェル
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス ケンプフ
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052BD11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】開放型に構成された、道路建設機械の運転手用制御ステーションにおいて向上した空気の質を生成する方法に関する。
【解決手段】道路舗装機又は道路舗装機用のフィーダ車両の形態で利用可能である道路建設機械であって、道路建設機械の運転手のための運転手用制御ステーションを備える道路建設機械に関し、ここで、運転手用制御ステーションは少なくとも1つのシートコンソールを有し、ここで、シートコンソールはフレッシュエアシステムを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装機(2)又は道路舗装機(2)用のフィーダ車両(18)の形態で利用可能である道路建設機械(1)であって、前記道路建設機械(1)の運転手(F)のための、少なくとも1の側面(S)で開放とされている運転手用制御ステーション(9,21)を備えており、前記運転手用制御ステーション(9,21)は少なくとも1つのシートコンソール(10)を有し、前記シートコンソール(10)はフレッシュエアシステム(34)を備えていることを特徴とする、道路建設機械。
【請求項2】
前記シートコンソール(10)は、特に回動可能及び/又は変位可能に設けられ、その下面(46)に前記フレッシュエアシステム(34)の少なくとも1つのファンユニット(47)が締結されているコンソールフロア(25)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の道路建設機械。
【請求項3】
前記ファンユニット(47)は、フィルタユニット(49)を着脱可能に又は固定的に取り付けるよう構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の道路建設機械。
【請求項4】
前記ファンユニット(47)は、少なくとも1つの電気、油圧又は空気圧で作動するファン(48)を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載の道路建設機械。
【請求項5】
前記ファン(48)はラジアルファン又は軸流ファンであることを特徴とする、請求項4に記載の道路建設機械。
【請求項6】
前記ファンユニット(47)は、並列に制御可能である複数のファン(48)を提供することを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項7】
前記フレッシュエアシステム(34)は、前記ファンユニット(47)の吸気側及び/又は排気側に配置された少なくとも1つのフィルタユニット(49)を備えることを特徴とする、請求項2~6のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項8】
前記フィルタユニット(49)は前記コンソールフロア(25)の下方に前記ファンユニット(47)と共に位置されており、及び/又は、前記フィルタユニット(49)及び前記ファンユニット(47)は互いに結合可能である別個のモジュールを形成することを特徴とする、請求項7に記載の道路建設機械。
【請求項9】
前記フレッシュエアシステム(34)は、前記シートコンソール(10)のヘッドレスト(30)の隣及び前記シートコンソール(10)のバックレスト(31)の隣の両方に配置可能である新鮮な空気用の少なくとも1つのノズルユニット(41)を備えることを特徴とする、請求項2~8のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項10】
前記フレッシュエアシステム(34)は、前記シートコンソール(10)のシート座部(32)の横方向に異なる位置(P3,P4)に配置可能である、新鮮な空気用の少なくとも1つのさらなるノズルユニット(44)を有することを特徴とする、請求項2~9のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項11】
前記ノズルユニット(41,44)は、調節可能な薄板(43)を有する少なくとも1つのフレッシュエア開口(42)を備えることを特徴とする、請求項9又は10に記載の道路建設機械。
【請求項12】
前記ノズルユニット(41,44,56)は、新鮮な空気用の少なくとも1つのフレッシュエア開口(42,57)と、空気バリア(B)を形成する少なくとも1つのノズル(58)との両方を有することを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項13】
少なくとも1つのエアダクト(50)、特に複数のエアダクト(50)が、少なくとも1つのノズルユニット(41,44)にそれぞれ新鮮な空気(L)を供給するために、前記ファンユニット(47)から延在していることを特徴とする、請求項9~12のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項14】
前記ノズルユニット(41)は調節可能に、特に回動可能に配置されていることを特徴とする、請求項9~13のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項15】
前記シートコンソール(10)に設けられた前記フレッシュエアシステム(34)は、前記運転手用制御ステーション(9,21)の制御パネル(14,22)に配置されたさらなるフレッシュエアシステム(34,34’)と一緒に使用可能であることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項16】
前記2つのフレッシュエアシステム(34,34’)は、収束し、及び、特に少なくともいくつかの領域において、前記空気バリア(B)により囲まれる、対向する新鮮な空気の流れ(L,L’)を生成するよう構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の道路建設機械。
【請求項17】
前記フレッシュエアシステム(34)から流出する新鮮な空気の流量は、前記ファンユニット(47)の速度を調節することにより変更することが可能であることを特徴とする、請求項2~16のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項18】
少なくとも1つの制御要素(60)が、前記ファンユニット(47)の前記速度を調整するために、前記シートコンソール(10)に、特に、前記フレッシュエアシステム(34)に、前記運転手用制御ステーション(9,21)の制御パネル(14,22)に、及び/又は、前記運転手用制御ステーション(9,21)とは別に形成された、前記道路建設機械(1)の外部制御ステーション(15)に直接設けられていることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項19】
前記フレッシュエアシステム(34)は、前記シートコンソール(10)のハングオンシステム(35)として入手可能であり、又は、前記シートコンソール(10)に組み込まれることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項20】
道路舗装機(2)又は道路舗装機(2)用のフィーダ車両(18)として入手可能である道路建設機械(1)の、側面(S)で開放とされている運転手用制御ステーション(9,21)のシートコンソール(10)により、新鮮な空気の流れ(L)を生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新鮮な空気の供給のためのシートコンソールを備えた道路建設機械、及び、道路建設機械のシートコンソールにより新鮮な空気の流れを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、道路舗装機においては、オーガーチャンバの上方でアスファルト及び油分を含有する蒸気を吸引する基本機能を有する、いわゆる換気システムが用いられている。吸引した蒸気は、ファン及びホースシステムにより作業場から導出される。このような換気システムが、例えば独国特許出願公開第10 2012 011 693 A1号明細書に開示されている。しかしながら、このような吸引システムは道路舗装機において大きなスペースを必要とし、運転手による舗装スクリードの後方の視界を部分的に妨げてしまう。
【0003】
米国特許第6,290,286B1号明細書は閉鎖型の運転室を備えた掘削車両を開示する。閉鎖型の運転室内では、運転席後方の運転室の床に空調装置が設置され、そこから空気の供給ラインが運転席の前方に位置する制御パネルに向かって伸びている。
【0004】
国際公開第2022/044586 A1号パンフレットは、新鮮な空気の供給に好適である、ヘッドレストに設置された空気バリアデバイスを備える観客席又は航空機の座席を開示する。これは主に、閉鎖空間におけるバクテリア及びウイルスの拡散を防ぐことを目的としている。
【0005】
欧州特許出願公開第3 636 466 A1号明細書は、車両内に設置された車両の座席に取り付けるための空気浄化装置を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、操作中にアスファルトを含有する蒸気に曝される道路建設機械のオペレータのために、簡単で構造的な手段によって空気の質を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の道路建設機械により解決される。さらに、この課題は、請求項20に記載の新鮮な空気の流れを生成する方法により解決される。
【0008】
本発明の好ましいさらなる発展は、従属請求項の主題により提供される。
【0009】
本発明は、道路舗装機又は道路舗装機用のフィーダ車両の形態で利用可能である道路建設機械に関する。本発明に係る道路建設機械は、道路建設機械の運転手のための、少なくとも1の側面において開放に構成されている運転手用制御ステーションを備える。この運転手用制御ステーションは少なくとも1つのシートコンソールを有し、本発明によれば、少なくとも1つのシートコンソールはフレッシュエアシステムを備える。
【0010】
道路舗装機又はフィーダ車両が開放型の設計であるために、このような道路建設機械における運転手用制御ステーションは、一般に充分に換気されている。それにもかかわらず、運転手用制御ステーションの開放された側面を介して、ホッパー又はオーガーチャンバからのアスファルトを含有する蒸気が運転手用制御ステーションに進入可能となっている可能性がある。道路舗装機において用いられている公知の吸引システムでは、発生箇所で蒸気を直接吸引し、例えば運転手用制御ステーションの屋根上といった作業ステーションよりも上方の領域に排出する試みがなされている。
【0011】
本発明は、シートコンソールに設けられたフレッシュエアシステムによって、オペレータ用の作業場における空気の質の改善が直接達成される点でこの旧来の典型的な手法とは異なる。これにより、シートコンソールにおけるオペレータのきわめて近傍において新鮮な空気が富んだ状態とすることが可能である。よって、オペレータは、外部に開放された新鮮な空気による雰囲気中に直接座ることとなるが、しかしながら、これを介して、外部で発生した蒸気がオペレータに到達することはほとんど、又は、まったくない。よって、ホッパー領域又はオーガーチャンバから開放型の運転手用制御ステーションに上昇する蒸気であっても、シートコンソールにおけるオペレータに直接割り当てられたフレッシュエアシステムによって中和する、すなわち、オペレータにとって大したことのない濃度レベルとすることが可能である。
【0012】
本発明に係るフレッシュエアシステムはそれ故、運転手用制御ステーションの開放側面を介して提供される新鮮な空気の供給に追加して、直ぐ近くから、すなわち、シートコンソールにおいて直接、新鮮な空気をオペレータに供給することにより、開放型の作業環境においてオペレータのための新鮮な空気の保護雰囲気を提供する。これによりシートコンソールにおけるオペレータに係る作業条件が大きく改善される。本発明に係るフレッシュエアシステムにより開放型に形成された運転手用制御ステーションに提供されるこの追加的な新鮮な空気の供給によって、空気条件に係る法律的に要求される限界値を、適切な装備を有する道路舗装機又はフィーダ車両において確実に遵守することが可能である。
【0013】
本発明に係るフレッシュエアシステムは道路建設機械のシートコンソールに直接配置されるため、占有するスペースは少ない。それ故、道路建設機械において行われる作業プロセスに係る日々の日常的な作業が妨げられることはない。本発明に係るシートコンソールに設けられたフレッシュエアシステムは操作が容易であると共に、製造が安価である。
【0014】
好ましい変形例では、シートコンソールは、特に回動可能及び/又は変位可能に設けられ、その下面にフレッシュエアシステムの少なくとも1つのファンユニットが取り付けられているコンソールフロアを有する。この位置では、ファンユニットは良好に保護されている。さらに、コンソールフロアが両者間において優れたノイズバリアとして機能するために、この位置からでは、シートコンソール上のオペレータはファンユニットの作動ノイズをほとんど感知できない。それ故、フレッシュエアシステムは、ファンユニットが高速運転時においても静かに作動する。加えて、ファンユニットは回動可能に設けられたコンソールフロアの下面に位置しており、展開された状態では、運転手用操作プラットフォーム上に展開されて位置しており、例えば点検作業のために下方から容易にアクセス可能とされている。
【0015】
一変形例では、ファンユニットは実際には、例えばシートコンソールの(運転手用)座席の後ろ、特にバックレストの後ろといった、シートコンソールの異なる位置に搭載されている。
【0016】
好ましい実施形態では、ファンユニットは、コンソールフロアによって形成されたステップに収納されている。このステップは、ファンユニット用に充分に大きい設置スペースを形成する。加えて、フレッシュエアシステムの他のユニット、例えばこの目的のために設けられたフィルタユニットも容易に収納可能とされている。このステップの下に収納されたフレッシュエアシステムのユニットは、コンソールフロア上において躓きの原因とならないよう、技術的に合理的な方法で整頓される。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、ファンユニットは、フィルタユニットを着脱可能に又は固定的に取り付けるよう構成されている。着脱可能な取り付けにより、ファンユニットをシートコンソールに残したまま、フィルタユニットをファンユニットから取り外すことが可能である。これにより、フィルタユニットを問題なく交換可能となる。
【0018】
ファンユニットが少なくとも1つの電気、油圧又は空気圧で作動するファンを備えていることが有用であろう。電気ファンは、例えば、コンソールフロアの下面に沿って延びる電源ラインに接続可能である。油圧式又は空気圧式ファンは、例えば、コンソールフロアの下面に配線された油圧又は空気圧系に接続可能である。
【0019】
特に、ファンは遠心ファン又は軸流ファンである。遠心ファンとしては、ファンは特に設置高さが低く、且つ、従って、コンソールフロアの下にコンパクトに設置が可能である。しかも、シートコンソールに新鮮な空気を両側面で供給するために遠心ファンが好ましい。
【0020】
ファンユニットが、新鮮な空気を別個のフレッシュエアラインで送るコンソールフロアの下面に設けられた並列に制御可能である複数のファン、特に2つのファンを提供することを考慮可能である。それぞれのファンの操作は、これにより、相互に独立して制御されて、例えば、シートコンソールの異なる領域に、場合により異なる強さで新鮮な空気を生成することが可能である。加えて、複数のファンを使用することでファン操作を低速、すなわち低騒音とすることを保証することが可能であり、さらに、低速であっても新鮮な空気を大量に提供することが可能である。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、フレッシュエアシステムは、ファンユニットの吸気側及び/又は排気側に配置された少なくとも1つのフィルタユニットを備える。フィルタユニットを吸気側に配置すると、ファンを汚染から保護することが可能である。この変形例においては、ファンは、負圧を形成して、フィルタユニットによって清浄とされた周囲空気を吸い込むため、ろ過された新鮮な空気がその排気側から送り出される。フィルタユニットを排気側に配置すると、ファンは、ろ過されていない周囲空気をその出口に位置するフィルタユニットを通して押し出す。フィルタユニットを吸気側及び排気側の両方に配置した場合、ファンユニットにより吸い込まれたろ過された空気を排気側において再度ろ過することが可能である。
【0022】
好ましくは、フィルタユニットは、ファンユニットと一緒にコンソールフロアの下に、又は、ファンユニットと一緒にシートコンソールの異なる場所に、例えば座席バックレストの後ろに位置される。フィルタユニットはコンソールフロアの下で特に良好に保護され、コンソールフロアが展開した場合に下方から容易にアクセス可能であり、その交換が容易となる。加えて、フィルタユニット及びファンユニットをコンソールフロアの下に収容した場合、これらは、コンソールフロア上、すなわち、オペレータの領域において躓きの原因とならない。
【0023】
点検の目的のためには、フィルタユニット及びファンユニットが、一緒に結合が可能である別個のモジュールであり、すなわち、共通のハウジングに収容されていないことが特に有用であろう。これにより、ファンユニットのハウジング部品を取り外す必要なく、ファンユニットからフィルタユニットを外すことが可能となる。
【0024】
フィルタユニットは、ファンユニットにツールを用いずに取り付け可能なプラグオンモジュールとして構成することが考えられるであろう。特に、フィルタユニットは、個別のフィルタハウジングが不要である複数のフィルタエレメントからなる安定なフィルタ装置として入手可能である。これにより、建築現場におけるクリーニングの労力が削減される。例えば、フィルタユニットは、相互に強固に接続された2つのフィルタエレメント、特に一緒に接着された2つの活性炭素フィルタ、並びに、2つのフィルタエレメントに取り付けたプレフィルタ、特にフォームフィルタ又はフリースフィルタを有することが可能である。プレフィルタを含むこれらの相互に接続されたフィルタエレメントは、ユニットとして一体で設置及び取り外しが可能である。
【0025】
フレッシュエアシステムが、シートコンソールのヘッドレストの隣及びシートコンソールのバックレストの隣の両方に配置可能である少なくとも1つのノズルユニットを有していることが有用であろう。これにより、ノズルユニットを、オペレータによって個別に位置させることが可能となる。特に、フレッシュエアシステムは、少なくとも、ヘッドレストの横方向及びバックレストの横方向の領域に延在するホルダを備え、ここで、ノズルユニットは、ヘッドレスト又はバックレストと関連させるために様々な位置でホルダに取り付け可能である。或いは、ノズルユニットはまた、固定位置に設置可能である。
【0026】
一実施形態によれば、フレッシュエアシステムは、シートコンソールのシート座部の側面における様々な位置に配置可能である、新鮮な空気用の少なくとも1つのさらなるノズルユニットを備える。これにより、ノズルユニットを、シート座部が前後方向に調節された際にさらに前方又はさらに後方に位置させることが可能となる。或いは、追加のノズルユニットを固定位置に設置することも可能である。
【0027】
ノズルユニットの位置は、特にこれらをねじ込んだり緩めたりすることで、これらを動かすことで、及び/又は、磁気ホルダを用いて固定することが可能である。
【0028】
ノズルユニット及び他のノズルユニットを一緒又は個別に操作して新鮮な空気を供給することも考えられるであろう。この目的のために、フレッシュエアシステムはバルブユニットを備えていることが可能である。
【0029】
一変形例では、フレッシュエアシステムは、シートコンソールの両側面に上記2段落に記載のノズルユニットを有している。これにより、オペレータに、シートコンソールの両側面において新鮮な空気を供給可能となる。
【0030】
一変形例では、ノズルユニット、すなわち、少なくとも1つの上記のノズルユニットは、調節可能な薄板を備える少なくとも1つのフレッシュエア開口を有する。これにより、新鮮な空気の流れの方向を決定可能となる。新鮮な空気の流れの方向はそれ故、オペレータによって特定的に設定することが可能である。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、ノズルユニット、すなわち、少なくとも1つの上記のノズルユニットは、例えば円形の空気口といった新鮮な空気の出口流のための少なくとも1つのフレッシュエア開口と、例えばフラットノズル又はファンノズルといった、空気バリアを形成するための所望の他の出口流のための少なくとも1つのノズルとを有する。新鮮な空気の出口流を形成するファンユニットと、空気バリアを形成する別個のファンユニットとを用いることが考えられるであろう。2つのファンユニットを、相互に独立して異なる速度で制御することが可能である。これにより、シートコンソールの異なる位置で異なる流速を設定することが可能となる。
【0032】
特に、空気バリアを形成するためのノズルは、新鮮な空気雰囲気をオペレータの領域においてより長時間維持することが可能であるよう設定可能である。空気バリアは、例えば、オペレータに対向する新鮮な空気の出口流の外において、オペレータの近くで形成された新鮮な空気の出口流が外方に拡散せず、オペレータの領域内において集中するよう形成可能である。空気バリアはそれ故、オペレータの領域内における新鮮な空気雰囲気の好ましい維持管理のための補助的な流れとして存在する。シートコンソールからの新鮮な空気の流れ及び/又は制御パネルからの新鮮な空気の流れは、オペレータの領域内における新鮮な空気による雰囲気を特に濃くするよう、空気バリアに導入することが可能である。加えて、シートコンソールで形成される空気バリアは、外側から運転手用制御ステーションに進入するアスファルトを含有する蒸気からオペレータを遮蔽するために使用可能である。
【0033】
好ましくは、少なくとも1つ、特に複数のエアダクト又はフレッシュエアラインが、少なくとも1つのノズルユニットに新鮮な空気を供給するためにファンユニットから延在する。シートコンソールの両側面のノズルユニットに新鮮な空気を供給するために、例えば、2つのエアダクト又はフレッシュエアラインが、特にラジアルファンから反対の径方向に、ラジアルファンから延在していることが可能である。この場合、ファンユニットは、シートコンソールの両側面に位置する複数のノズルユニットのための新鮮な空気の中央供給装置として使用可能である。
【0034】
特に、ノズルユニットは、調節可能に、例えば回動可能に配置されている。例えば、ヘッドレストの隣に設けられたノズルユニットは、座席に座っているオペレータに新鮮な空気を効果的に供給するために、バックレストにおいてヘッドレストがどの程度格納又は伸長されているかに応じて下方又は上方に回動可能とされている。
【0035】
好ましい変形例によれば、シートコンソールに設けられたフレッシュエアシステムは、運転手用制御ステーションの制御パネルに配置された他のフレッシュエアシステムと一緒に使用可能である。特に、2つのフレッシュエアシステムは、これらが一緒になって運転手用制御ステーションのより大きな領域に所望の新鮮な空気雰囲気を供給して、特にオペレータ又は運転手の領域への新鮮な空気の供給が確実に増加するよう相互に補完可能である。特に、シートコンソールにおいて形成されたフレッシュエアシステムによる新鮮な空気ゾーンから離れた際においても、他のフレッシュエアシステムによって運転手用制御ステーションに形成された新鮮な空気ゾーン中にオペレータが留まるよう、2つのフレッシュエアシステムを相互に調節することが可能である。
【0036】
2つのフレッシュエアシステムを、特に、少なくともいくつかの領域において、ヘッドレストのノズルユニットによって形成される空気バリアによって囲まれる、対向し、収束する新鮮な空気の流れを生成するよう構成することが考えられるであろう。これはオペレータの領域中に新鮮な空気の乱流効果をもたらし、これにより、新鮮な空気雰囲気をオペレータの領域中においてより長時間にわたって維持することが可能である。加えて、これにより、それぞれの収束する新鮮な空気の流れの速度を下げることが可能であり、これは、オペレータの直ぐ近く、特にオペレータの頭の高さにおいて特に快適である。この効果を達成するために、オペレータの前方において所定の高さで収束するよう、新鮮な空気の流れを設定することが考えられるであろう。
【0037】
一変形例では、シートコンソールのフレッシュエアシステム及び/又は制御パネルのフレッシュエアシステムは、新鮮な空気の流れの温度を制御するよう構成されている。一方で、これにより、オペレータ又は運転手のために、所望の温度の新鮮な空気雰囲気の生成が可能となる。他方では、新鮮な空気の流れの温度差に応じて、熱流効果を用いて、オペレータ又は運転手の領域における新鮮な空気の濃縮化を特定的にもたらすことが可能である。
【0038】
シートコンソールを、運転手用制御ステーションに設けられた、回動可能、回転可能及び/又は横方向に変位可能な運転手用シートコンソールとすることが可能であり、ここで、これに設けられたフレッシュエアシステムはこれらの動作に追従することが可能である。
【0039】
ファンユニットの速度を調節することによりフレッシュエアシステムから流れ出る新鮮な空気の流量を変化させることが考えられるであろう。これにより、例えば道路建設機械のホッパーへの舗装材料の材料輸送プロセスの最中に、道路建設機械が特に多量の蒸気を生成する場合、例えば新鮮な空気の供給を増加させることが可能となる。このような速度調節は、自動で行われるか、又は、手動で設定されることが可能である。
【0040】
ファンユニットの速度を調節するための少なくとも1つの制御要素を、シートコンソールに直接、特に、フレッシュエアシステムに、運転手用制御ステーションの制御パネルに、及び/又は、運転手用制御ステーションとは別に形成された道路建設機械の外部制御ステーションに直接設けることが考えられるであろう。後者の変形例において、道路舗装機のスクリードオペレータは、舗装の最中に大量の蒸気の生成に気がついた際に、それに応じて、運転手用制御ステーションの同僚のために新鮮な空気の供給を増やすことが可能である。
【0041】
制御要素は、例えば、回転式制御の形態であることが可能である。一変形例では、制御要素として提供されるタッチディスプレイ、特に運転手用制御ステーションの制御パネルに設けられるタッチディスプレイが提供される。
【0042】
好ましくは、フレッシュエアシステムは、後付けキットとして既存のシートコンソールに容易に取り付け可能であるよう、シートコンソール用のハングオンシステムとして入手可能である。一変形例では、フレッシュエアシステムはシートコンソールに組み込まれ、結果として、特にコンパクトな構造が得られる。ハングオンシステムでは特に、制御要素、例えば回転式制御を、ファンユニットに直接形成することが考えられるであろう。
【0043】
一変形例では、シートコンソールは、運転手用制御ステーションの両側面に設けることが可能である。シートコンソールを運転手用制御ステーションに二重に設置することが考えられるであろう。好ましい変形例では、2つのシートコンソールのいずれにオペレータ又は運転手が位置しているかを検出するために、センサシステムが運転手用制御ステーションに設置されている。センサシステムからの計測値に基づいて、使用されているシートコンソールのフレッシュエアシステムを自動で作動させることが可能であり、又は、未使用のシートコンソールのフレッシュエアシステムを自動で作動を停止することが可能である。それ故、座席の変更に自動的に反応することが可能である。
【0044】
本発明はさらに、道路舗装機又は道路舗装機用のフィーダ車両として入手可能である道路建設機械の、側面が開放型に構成されている運転手用制御ステーションのシートコンソールによる、新鮮な空気の流れを生成する方法に関する。側面が開放型に構成されている運転手用制御ステーションでは、運転手用制御ステーションの領域が既に周囲空気で確実に換気されていると共に、シートコンソールによりろ過された新鮮な空気が供給可能とされている。これにより、側面を介してすでに周囲空気で換気されている、道路舗装機又はフィーダ車両の運転手用制御ステーションの新鮮な空気雰囲気を、シートコンソールに位置するオペレータ又は運転手のすぐ近くにおいて、シートコンソールを介した新鮮な空気の供給によりさらに向上することが可能となる。これは、本発明において、運転手用制御ステーションの開放構造により生成されたオペレータの領域中の換気された雰囲気は、シートコンソールにより、すなわち、これに形成されたフレッシュエアシステムにより、空気の質の観点で特定的に向上されることを意味する。
【0045】
好ましくは、周囲空気は、シートコンソールの座席の周囲に配置された複数のノズルユニットに新鮮な空気として送られるために、シートコンソールの好ましくは回動可能に設けられたコンソールフロアの下で吸引及びろ過される。コンソールフロアの下における周囲空気の吸気及びろ過で、フレッシュエアシステムの低騒音操作が保証され、且つ、コンパクトな構造をも提供する。
【0046】
シートコンソールに座っているオペレータ又は運転手に新鮮な空気を複数の方向から供給可能であるよう、フレッシュエアシステムが、ヘッドレストの横方向及び(運転手用)座席のシート座部の横方向の両方、特にシートコンソールの両側面で新鮮な空気の流れを生成することが考えられるであろう。
【0047】
一実施形態では、シートコンソールに設けられたフレッシュエアシステムを用いて、第1の速度の少なくとも1つの新鮮な空気の流れ、及び、第1の速度よりも速い第2の速度の(新鮮な)空気流が生成される。特に、第2の速度の(新鮮な)空気流は、空気バリアの形態で生成可能である。空気バリアは、少なくともいくつかの領域において、新鮮な空気の流れを囲む空気トンネルの形態で生成されることが考えられるであろう。
【0048】
シートコンソールの領域における新鮮な空気の濃縮度を高めるために、シートコンソールに設置されたフレッシュエアシステムは、新鮮な空気を運転手用制御ステーションに供給するために用いられる他のフレッシュエアシステムと相互作用して新鮮な空気を生成することが考えられるであろう。シートコンソールのフレッシュエアシステムは、好ましい乱流効果をもたらす対向し、収束する新鮮な空気の流れを生成するために、運転手用制御ステーションの制御パネルに設けられたフレッシュエアシステムと一緒に操作されることが考えられるであろう。これにより、新鮮な空気雰囲気をオペレータの領域においてより長時間維持することが可能である。
【0049】
特に、シートコンソールに設けられたフレッシュエアシステムの新鮮な空気の流量は、ファンユニットの速度を調節することにより調整が可能である。ファンユニットの速度は、シートコンソールに直接、特に、フレッシュエアシステムに、運転手用制御ステーションの制御パネルに、及び/又は、運転手用制御ステーションとは別の道路建設機械の外部の制御ステーションに直接設けられた制御要素を用いて設定が可能とすることが考えられるであろう。
【0050】
本発明を以下の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】
図1は、道路舗装機の形態である道路建設機械を示す。
【
図2】
図2は、道路舗装機のフィーダ車両の形態である道路建設機械を示す。
【
図3】
図3は、フレッシュエアシステムを備えるシートコンソールの正面図を示す。
【
図4】
図4は、
図3のフレッシュエアシステムを備えるシートコンソールの側面図を示す。
【
図5】
図5は、
図3及び4のフレッシュエアシステムを備えるシートコンソールの斜視図を示す。
【
図6】
図6は、フレッシュエアシステムを独立して示す正面図を示す。
【
図7】
図7は、
図6のフレッシュエアシステムの断面図を示す。
【
図8】
図8は、
図6のフレッシュエアシステムの斜視図を示す。
【
図9】
図9は、
図6のフレッシュエアシステムのさらなる斜視図を示す。
【
図10】
図10は、新鮮な空気及び空気バリアを生成するためのフレッシュエアシステムを備えるシートコンソールを示す。
【
図11】
図11は、収束する新鮮な空気の流れを生成する別のフレッシュエアシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図面を通して、同等の技術的構成要素には、同一の符号が付されている。
【0053】
図1は、新規舗装層3を形成するための道路舗装機2として構成された道路建設機械1を示す。道路舗装機2は、移動方向Rに舗装速度vで新規舗装層3を形成する。この目的のために、道路舗装機2は、舗装機の全部に形成されたホッパー5に格納された舗装材料4を用いる。ホッパー5からその中に格納された舗装材料4は、前後方向コンベヤ(図示せず)によって舗装スクリード6の移動方向Rとは反対に運ばれ、舗装スクリード6は、もたらされた舗装材料4を締固めて新規舗装層3を形成するよう構成されている。
【0054】
図1に示されている舗装スクリード6は、延在スクリードとして構成されている。舗装スクリード6は、ベーススクリード7と新規舗装層3に係る所望の舗装幅を設定するための横方向延在部8とを有する。
【0055】
図1の道路舗装機2は、運転手Fのための運転手用制御ステーション9を備える。
図1は、運転手用制御ステーション9が側面S及び後方に開放されており、すなわち、大気条件とされており、すなわち、対策を講じることなく、運転手用制御ステーション9近傍において空気の質が存在していることを示している。
【0056】
図1において、運転手Fは回転可能に構成されたシートコンソール10に座っており、これにより、運転手Fは運転手用操作プラットフォーム11上に展開されて運転手用制御ステーション9の横方向に位置され、これにより、運転手Fは、道路舗装機2に隣接する領域に対する良好な視界を確保する。しかしながら、運転手用操作プラットフォーム11上に展開されたこの位置では、運転手Fは屋根構造12に設けられたフロントガラス13の後ろに座っておらず、よって、運転手Fは、ホッパー5からの蒸気及び/又はエアロゾル、並びに、舗装スクリード6領域からの蒸気及び/又はエアロゾルにより曝されることとなる。
【0057】
道路舗装機2の運転手用制御ステーション9には、制御パネル14が運転手Fのために設けられている。制御パネル14は、道路舗装機2により実施可能であるプロセスを制御及び監視するよう構成されている。例えば、運転手Fは、移動方向Rにおける道路舗装機2の速度vを制御パネル14で設定することが可能である。
【0058】
さらに、
図1は外部制御ステーション15を示し、外部制御ステーション15は、舗装スクリード6の外側に、道路舗装機2、特に舗装スクリード6に係るプロセスを制御及び監視するためのスクリードオペレータB用の作業場を提供する。この目的のために、さらなる制御パネル16が外部制御ステーション15に設けられている。
【0059】
図1に示す、道路舗装機2における、周囲に開放されている運転手用及び外部制御ステーション9,15は、その開放型の構成のために一般的に充分に換気されているが、舗装中に発生する蒸気及び/又はエアロゾルもまた到達してしまう。
【0060】
図2は、道路舗装機2用のフィーダ車両18の形態で構成された他の道路建設機械17を示す。このようなフィーダ車両18は、実際には、
図1に示されている道路舗装機2に舗装材料4を供給するために用いられる。この目的のために、フィーダ車両18は道路舗装機2の前方を移動方向Rに移動して、フィーダ車両18に形成されたコンベヤ装置19により、その後ろを移動する道路舗装機2のホッパー5に舗装材料4を投入する。
【0061】
図2中のフィーダ車両18は、舗装材料4を収容するためのホッパー20を有する。コンベヤ19はホッパー20まで延在し、これにより、その中に格納された舗装材料4を搬出し、移動方向Rとは反して後続の道路舗装機2に向かって運んで移すことが可能である。
【0062】
図2によれば、フィーダ車両19は運転手用制御ステーション21を有する。この運転手用制御ステーション21もまた側面及び後方が開放されており、従って、蒸気及び/又はエアロゾルが、運転手用制御ステーション21の開放された側面を介すると共にその後方から運転手Fに到達することが可能である。運転手F用のシートコンソール10’と、フィーダ車両19により実施されるプロセスを制御及び監視するための制御パネル22とが、運転手用制御ステーション21に設けられている。
図2において、制御パネル22はフィーダ車両18のフロントガラス23の後方に位置しているが、しかしながら、シートコンソール10’と共に、運転手用制御ステーション21の隣の位置とされることが可能であり、すなわち、その運転手用操作プラットフォームを超えて回動されることが可能である。
【0063】
図3は、シートコンソール10,10’を分離した図を示す。シートコンソール10,10’は、運転手用制御ステーション9,21に回動可能に設けられたコンソールフロア25を有する。コンソールフロア25がピボットアーム26に設けられており、その前端がピボットベアリング27に結合されている。落下防止ガード28がピボットアーム26に設けられている。
【0064】
図3中のシートコンソール10,10’はさらに、コンソールフロア25に設けられた(運転手用)座席29を備える。座席29は、ヘッドレスト30、バックレスト31及びシート座部32を有する。
図3中のシート座部32はレール装置33によってコンソールフロア25に取り付けられて、コンソールフロア25上で様々な位置に移動可能とされている。
【0065】
フレッシュエアシステム34が
図3に示されているシートコンソール10,10’に設けられている。
図3に示すフレッシュエアシステム34は、座席29に着脱可能に取り付けるためのハングオンシステム35として構成されている。フレッシュエアシステム34は、ヘッドレストバー38に対する着脱可能な取り付けのための締結ユニット37と、シートバックホルダ40に対する着脱可能な取り付けのための締結ユニット39とを備えたホルダ36を有する。2つのノズルユニット41はホルダ36に締結される。2つのノズルユニット41はヘッドレスト30の両側に位置する。ノズルユニット41は各々、調節可能な薄板43を備えた3つのフレッシュエア開口42を有する。
【0066】
さらに、
図3は、シート座部32の両側面にさらなるノズルユニット44を有するフレッシュエアシステム34を示す。これらのさらなるノズルユニット44は各々、さらなるホルダ45によりコンソールフロア25に支持されている。
【0067】
図4は、
図3のシートコンソール10の側面図を示す。ファンユニット47がコンソールフロア25の下面46に取り付けられている。ファンユニット47はファン48を有し、これは
図4においてラジアルファンとして構成されている。フィルタユニット49がファン48の下方に配置されている。フィルタユニット49はファン48の吸気側に接続されている。ファン48によって周囲空気Uがフィルタユニット49を通して吸引可能であり、これによりろ過された新鮮な空気がファン48からエアダクト50を介してノズルユニット41,44のそれぞれに送られる。
【0068】
図4はまた、ヘッドレスト30の横方向位置されたノズルユニット41がホルダ36に回動可能に設けられていることを示す。これは、二重矢印51により概略的に示されている。
図4において、ノズルユニット41は、ヘッドレスト30の横方向に設置されるために、上方位置P1でホルダ36に取り付けられている。
図4によれば、ノズルユニット41はまた、バックレスト31の横方向に位置されるために、下方位置P2でホルダ36に取り付けることも可能である。
【0069】
さらに、
図4は、シート座部32の横方向に位置されたノズルユニット44が、前方位置P3においてホルダ45に設けられていることを示す。ノズルユニット44はまた、後方位置P4でホルダ45に取り付け可能である。これにより、ノズルユニット44は、レール装置33によって座席29が調製される位置に応じて位置されることが可能となる。
【0070】
位置P1、P2、P3、P4に関して記載の
図4に示すノズルユニット41,44の位置決めオプションは、シートコンソール10,10’の反対側においても同様に提供されている。
【0071】
フィルタユニット49には、ファンユニット47に対する着脱可能な取り付けのために、クイックリリース52が設けられている。フィルタユニット49は、単に正及び/又は非正の係合によりファンユニット47の吸気開口に差し込むことも可能である。
【0072】
図4は、ファンユニット47及びこれに取り付けられたフィルタユニット49が共に、コンソールフロア25により形成されたステップ53に収納されていることを示す。ファンユニット47及びフィルタユニット49はそれ故、良好に保護されていると共に、シートコンソール10,10’が
図1に示すとおり展開された状態に位置されている場合に、特に下方から容易にアクセス可能である。
【0073】
図5は、シートコンソール10の斜視図を示す。ノズルユニット41,44には、ファンユニット47により、エアダクト50を介してろ過された新鮮な空気が供給される。エアダクト50はYピース54を介して相互に接続されている。
【0074】
図6は、フレッシュエアシステム34の分離された図を示す。
図6に示されているフレッシュエアシステム34は、ハングオンシステム35として利用可能であると共に、既存のシートコンソール10,10’に容易に後付けが可能である。
【0075】
図7は、
図6に示すフレッシュエアシステム34の断面図を、特にファンユニット47を通る縦断面で示す。ファンユニット47はラジアルファン55を有する。
【0076】
図8は、フレッシュエアシステム34の斜視図を示す。特に、
図8は、ホルダ36をヘッドレストバー38に取り付けるための締結手段37、及び、シートバックホルダ40に対する着脱可能な取り付けのための締結手段39を示す。
【0077】
図9は、ハングオンシステム35として構成されているフレッシュエアシステム34のさらなる斜視図を示す。特に、
図9は、ファンユニット47をコンソールフロア25の下面46に着脱可能に取り付けるためのマウントプレート55を示す。
【0078】
図10は、新鮮な空気の流れL及び空気バリアBの両方を生成するよう構成されているノズルユニット56を備えるシートコンソール10,10’の概略図を示す。新鮮な空気の流れLは、これにより空気バリアBにより包まれて、新鮮な空気の流れLは、シートコンソール10,10’に座っている人物の領域内により長時間維持されることが可能である。空気バリアBはまた、外部から上昇してくる蒸気及び/又はエアロゾルを遮断する目的を有し、オペレータは、シートコンソール10,10’において新鮮な空気雰囲気中に確実に座って居られる。
【0079】
新鮮な空気の流れLを生成するために、
図10に示すとおり、ノズルユニット56は2つのフレッシュエア開口57を有する。さらに、ノズルユニット56は、新鮮な空気の流れLが包まれたトンネルの形態で空気バリアBを形成するための湾曲ノズル58を有する。
【0080】
図11は、その上に配置されたノズルユニット41を備えたシートコンソール10,10’を示し、その新鮮な空気の流れLは、制御パネル14,22からの対向する新鮮な空気の流れL’と収束する。収束する新鮮な空気の流れL,L’によりシートコンソール10,10’に位置するオペレータ又は運転手Fの真正面の領域に新鮮な空気の乱流Vが確保され、これにより、オペレータ又は運転手Fの近傍において新鮮な空気雰囲気をより長時間にわたって維持することが可能である。
【外国語明細書】