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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013975
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】物品回収装置
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/14 20060101AFI20240125BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20240125BHJP
   B65F 1/16 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B65F1/14 Z
B65F1/00 A
B65F1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116470
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】土井 健雄
(72)【発明者】
【氏名】上田 翔
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 昇一
(72)【発明者】
【氏名】林 恵介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 雅和
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA20
3E023MA07
(57)【要約】
【課題】分別の手間を減らし、確実に分別回収できる物品回収装置を提供することを課題とする。
【解決手段】回収物品を投入する複数の開口と、前記開口を開閉する扉部と、前記回収物品の情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記情報に基づいて、複数の前記開口のうちの1つのみを開状態とするように前記扉部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする物品回収装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収物品を投入する複数の開口と、
前記開口を開閉する扉部と、
前記回収物品の情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記情報に基づいて、複数の前記開口のうちの1つのみを開状態とするように前記扉部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする物品回収装置。
【請求項2】
複数の前記開口に投入された前記回収物品を検出する1つの検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載された物品回収装置。
【請求項3】
複数の前記開口それぞれと前記情報との組み合わせを記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載された物品回収装置。
【請求項4】
前記記憶部に記憶された、複数の前記開口それぞれと前記情報との組み合わせを変更可能にしたことを特徴とする請求項3に記載された物品回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品回収装置、特に、リサイクルできる各種資源の回収を目的とする物品回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、リサイクル、リユース可能な資源を回収することが行われている。
特に、近年、SDGsとして、17のゴール、169のターゲットが目標とされ、その中のゴール12.つくる責任、つかう責任、ターゲット12-5.廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する、として目標に掲げられたことから、様々な企業がリサイクル、リユース可能な製品を開発し、市場に投入している。
その結果、消費者から、これらリサイクル、リユース可能な製品を、使用後に、回収するニーズが増大している。
【0003】
そこで、消費者が、買い物などのついでに気軽に出せるように、コンビニエンスストア、スーパーなどの小売店の出入口周辺などに回収装置を設置するケースが増えている。
しかし、リサイクル、リユース可能な製品は、種類別に分けて回収する必要があり、この分別回収に手間がかかることが回収率の向上を妨げる要因の一つになっている。
また、回収された物品も正確に分別されておらず、回収後、再度、分別し直さなければならないことも多い。
これに対して、分別回収装置として、缶と角柱形状のペットボトルを断面形状を利用して投入口の形状で分別し、アルミ缶とスチール缶を缶に付した二次元コードを撮像して分別する空容器回収装置が知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4844268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の分別回収装置では、缶と角柱形状のペットボトルを投入口の形状で分別しているが、ペットボトルには円柱形状のものもあるうえ、ペットボトル、缶には、種々の大きさがあり、投入口はある程度大きく作る必要があり、断面形状だけでは正確に分別できないという問題があった。
また、投入口は、常に開口しており、缶の投入口にペットボトルを、ペットボトルの投入口に缶を誤投入したり、さらには、缶、ペットボトル以外の物品を誤投入したりすることを防ぐことができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決し、分別の手間を減らし、確実に分別回収できる物品回収装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
回収物品を投入する複数の開口(投入開口2)と、
前記開口を開閉する扉部(内扉24)と、
前記回収物品の情報を取得する取得部(情報取得部5)と、
前記取得部が取得した前記情報に基づいて、複数の前記開口のうちの1つのみを開状態とするように前記扉部を制御する制御部(制御部9)と、
を備えることを特徴とする物品回収装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、特に、取得部が取得した情報に基づいて、複数の開口のうちの1つのみを開状態とすることにより、分別の手間を減らし、確実に分別回収できる物品回収装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の物品回収装置1の斜視図である。
図2】本発明の実施形態の物品回収装置1の回収容器収納部4を引き出した状態での斜視図である。
図3】本発明の実施形態の物品回収装置1の側断面図である。
図4】本発明の実施形態の物品回収装置1の上部の側断面図である。
図5】本発明の実施形態の物品回収装置1の(a)内扉24と(b)外扉23の斜視図である。
図6】本発明の実施形態の物品回収装置1の投入開口2の開閉状態を示す模式図である。
図7】本発明の実施形態の物品回収装置1の制御ブロック図である。
図8】本発明の実施形態の物品回収装置1の表示部6に表示される画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の物品回収装置1を説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0011】
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)の物品回収装置1の斜視図、図2は、本実施形態の物品回収装置1の回収容器収納部4を引き出した状態での斜視図である。
本実施形態の物品回収装置1は、パウチ容器の回収用に設計されたものである。パウチ容器は、食品、飲料、洗浄剤などを収納する容器として多用されているものであり、パウチ容器のリサイクルも急務になってきている。
パウチ容器は、主に樹脂で形成されるシートを複数積層して形成されたもので、内容物によって、様々な材料のシートが様々に積層されており、パウチ容器毎にリサイクルの難易度、あるいは、リサイクルの方法が異なるものである。
特に、樹脂だけでなく、アルミニウムのような金属層が積層されたものは、リサイクルの難易度が高く、金属層を含まないパウチ容器とは正確に分別する必要がある。
本実施形態の物品回収装置1は、金属層を含まないパウチ容器(リサイクル対象パウチ容器)を、金属層を含むパウチ容器(リサイクル対象外パウチ容器)とは分別して回収するものである。
【0012】
[各部材の構成]
図3は、本実施形態の物品回収装置1の側断面図、図4は、本実施形態の物品回収装置1の上部の側断面図である。
物品回収装置1は、投入開口2、投入路3、回収容器収納部4、情報取得部5、表示部6、パウチ容器検出部7、人感センサ8、制御部9を備えている。
【0013】
[投入開口]
図5は、本実施形態の物品回収装置1の、図5(a)内扉24と図5(b)外扉23の斜視図である。
物品回収装置1には、投入開口2として、第1投入開口21と第2投入開口22の2つ(「複数の開口」)が外扉23に設けられており、それぞれ、パウチ容器を回収できる程度の幅を有するスリット状に形成されている。物品回収装置1の前側に第1投入開口21、後側に第2投入開口22が形成されている。
外扉23の内側には、1つの内扉24(「扉部」)が配置されている。内扉24には、第1投入開口21と第2投入開口22とほぼ同じ形状のスリット状の接続口241が、第1投入開口21と第2投入開口22のいずれか一方に接続して、パウチ容器を投入可能にするように設けられている。そして、モータmにより内扉24を外扉23に内面に沿って前後にスライドして、接続口241を第1投入開口21及び第2投入開口22のいずれか一方のみに重畳可能に設けられている。
【0014】
図6は、本実施形態の物品回収装置1の投入開口2の開閉状態を示す模式図である。
図6(b)に示すように、接続口241を第1投入開口21と第2投入開口22の間に位置させることにより、第1投入開口21及び第2投入開口22の双方を閉状態として、パウチ容器を物品回収装置1の内部に投入することができないように構成されている。
また、図6(a)に示すように、内扉24を後側にスライドすると、第2投入開口22と接続口241が重畳して、第2投入開口22を開状態にし、図6(c)に示すように、内扉24を前側にスライドすると、第1投入開口21と接続口241が重畳して、第1投入開口21を開状にして、パウチ容器を物品回収装置1の内部に投入することができるように構成されている。
物品回収装置1では、このような内扉24の構成により、第1投入開口21、第2投入開口22のうちのいずれか一方しか開状態にできないので、第1投入開口21、第2投入開口22のそれぞれに正しくパウチ容器を投入することができる。
【0015】
[投入路]
投入開口2の内側には、投入路3として、第1投入路31と第2投入路32の2つが設けられている。第1投入路31と第2投入路32の間には、投入路仕切り壁33が設置されており、第1投入路31と第2投入路32を完全に分離している。
投入路仕切り壁33の前側は、第1投入開口21から投入されたパウチ容器を第1収納部41に誘導する第1投入路31となっている。
また、投入路仕切り壁33の後側は、第2投入開口22から投入されたパウチ容器を第2収納部42に誘導する第2投入路32となっている。
投入路仕切り壁33により第1投入路31と第2投入路32を完全に分けることにより、第1投入開口21から投入されたパウチ容器、第2投入開口22から投入されたパウチ容器を、それぞれ、第1収納部41、第2収納部42に確実に収納することができる。
【0016】
[回収容器収納部]
回収容器収納部4は、物品回収装置1の下部にあって、前側に引き出せるように構成されている。
回収容器収納部4には、前後に2つの回収容器(図示しない)が収納できるように、前側の第1収納部41と後側の第2収納部42に区切る収納部仕切り板43が設けられている。
そして、第1収納部41と第2収納部42には、それぞれ、回収容器としての回収袋を収納固定するための係止具44が4つずつ設けられている。
回収容器収納部4は施錠できるようになっており、関係者以外の者が引き出せないようになっている。
【0017】
また、物品回収装置1には、回収容器収納部4が引き出されたことを検出する回収容器収納部開閉検出部45が設けられている。回収容器収納部開閉検出部45が、回収容器収納部4が引き出されたことを検出すると、制御部9に信号が送信される。
この回収容器収納部開閉検出部45が、回収容器収納部4が引き出されたことを検知すると、第1投入開口21及び第2投入開口22が開状態にならないように、制御される。
【0018】
[情報取得部]
情報取得部5は、第1投入開口21及び第2投入開口22の上方に配置されたパネル部11の右側部分に設けられており、読取窓51の内部に、公知のバーコード読取装置が設置されている。情報取得部5が読み取ったバーコード情報は、制御部9に送信される。
【0019】
[表示部]
表示部6は、パネル部11の左側部分に設けられており、公知の液晶表示装置が設置されている。
また、表示部6には、タッチセンサが設けられたタッチパネルを使用しており、使用者がタッチすることにより、様々な表示や動作が行えるようになっている。
【0020】
[パウチ容器検出部]
第1投入開口21と第2投入開口22の内側には、パウチ容器の投入を検知するパウチ容器検出部7が設けられている。パウチ容器検出部7は、透過型の光センサ71であって、第1投入開口21の下側に設けられた発光素子を有する発光部711及び第2投入開口22の後側に設けられた受光素子を有する受光部712から構成されている。光センサ71の受光部712が光を検出すると、制御部9に信号が送信される。
光センサ71は、第1投入開口21又は第2投入開口22が開状態になるとともに、稼働状態となり、第1投入開口21又は第2投入開口22にパウチ容器が投入されると、発光部711の投光路713がふさがれて受光部712が光を検知できなくなり、パウチ容器が通り過ぎると、再び受光部712が光を検知することを利用して、パウチ容器の投入を検知する。
また、光センサ71の投光路713には投入路仕切り壁33が設置されているが、投入路仕切り壁33には、光が透過できるように小さな穴が設けられている。なお、この穴には、光透過性の窓を嵌めることもできる。
【0021】
[人感センサ]
物品回収装置1には、パネル部11の右下に、人感センサ8が設けられている。人感センサ8は、公知の人の体温を検知する赤外線センサを利用して、物品回収装置1から所定範囲に人が近づいたことを検出する。人感センサ8が人の接近を検出すると、制御部9に信号が送信される。
【0022】
[制御部]
図7は、本実施形態の物品回収装置1の制御ブロック図である。
物品回収装置1は、パネル部11の裏側に制御部9を有し、情報取得部5からのバーコード情報、パウチ容器検出部7からのパウチ容器の検出信号、人感センサ8からの人の接近信号、回収容器収納部開閉検出部45からの開検出信号により、内扉24をスライドするモータmや表示部6を制御している。
【0023】
また、制御部9には、記憶部91が含まれる。記憶部91には、回収物品の情報としての、金属層を含まないパウチ容器のバーコード情報が記憶され、また、この金属層を含まないパウチ容器のバーコード情報と第1投入開口21を開状態にすることとの組み合わせが記憶されている。記憶部91に記憶されるバーコード情報は、随時、追加、削除、編集などを行うことができる。バーコード情報の追加、削除、編集などは、パソコンや携帯端末等の端末装置を経由して物品回収装置用サーバで管理することができる。または端末装置により、物品回収装置1を1台ずつ、有線又は無線によりバーコード情報の追加、削除、編集などを行うようにしてもよい。また、上記の端末装置に限定されず、物品回収装置1を使ってバーコード情報の追加、削除、編集などを行い、この追加、削除、編集などを行ったバーコード情報を、ネットワーク回線を経由して物品回収装置用サーバ上にアップロードして管理するとともに、適宜他の物品回収装置1へ配信することもできる。
これにより、ネットワークで接続された物品回収装置1はいずれも同一の制御を実行することができる。物品回収装置1でバーコード情報の追加、削除、編集などを行う場合は、物品回収装置1のモードを使用者向けのパウチ回収モードから店舗担当者向けのメンテナンスモードに変更して行うことができる。
【0024】
[回収フロー]
以下、パウチ容器の回収フローを説明する。
図8は、本実施形態の物品回収装置1の表示部6に表示される画面の例であり、図8(a)は待機画面の一例、図8(b)は開始画面、図8(c)は案内画面、図8(d)は終了案内画面である。
【0025】
[初期動作]
使用前の状態において表示部6に待機画面としてパウチ回収の意義やリサイクルの流れ、リサイクルの対象となるパウチの種類、回収時の注意点等、使用者に認知してもらいたい情報が一定間隔で切り替わりながら表示されている。待機画面には、パウチ容器回収前の注意点が含まれている。この注意点は、パウチ容器はあらかじめ洗浄しておくこと、パウチ容器本体とは異なる材料で形成された注入口を有するパウチ容器(例えば、キャップ付きの注入口がついたパウチ容器など)では、注入口をあらかじめ切っておくことが表示される。
この他に、物品回収装置1の使用方法や他の使用上の注意点などを、さらに表示するようにしてもよい。
待機画面のいずれの画面においても図8(a)と同様の「スタート」ボタンが表示されており、使用者がこのボタンを押下すると、物品回収装置1が回収動作を開始する。
「スタート」の押下操作に応じて、表示部6に開始画面(図8(b))を表示する。
なお、人感センサ8が人を検出するまでは表示部6を非表示状態とし、人を検出すると表示部6に待機画面を表示させ、「スタート」ボタンを押下可能に制御してもよい。
【0026】
物品回収装置1の回収動作の開始により、情報取得部5も稼働開始しているので、開始画面が表示された後であれば任意のタイミングで、使用者はパウチ容器のバーコードを情報取得部5にかざすことができる。
【0027】
待機画面で、使用者が表示部6の「スタート」にタッチすると、パウチ容器のバーコード(JANコード)を情報取得部5にかざすようにうながす開始画面が表示される。(図8(b))
なお、待機画面表示中に情報取得部5を稼働させておき、使用者がバーコードを情報取得部5にかざして、バーコードが読み取られた場合、バーコードを情報取得部5にかざすようにうながす開始画面(図8(b))を表示せずに、次で説明する案内画面(図8(c))を表示するとともに内扉を制御し、容器投入可能な状態としてもよい。
また、バーコードを情報取得部5にかざすようにうながす開始画面(図8(b))が表示されてから、所定時間が経過しても、バーコードが読み取れない場合は、表示部6でバーコードが読み取れなかった旨の表示を行い、待機画面に戻る。
【0028】
[投入開口開扉]
使用者がバーコードを情報取得部5にかざして、バーコードが読み取られ、制御部9が情報取得部5からバーコード情報を受信すると、表示部6に、投入時の注意点とともに、投入開口に容器投入をうながす案内画面(図8(c))が表示される。また、同時に、読み取られたバーコードに該当するバーコード情報が、記憶部91に記憶されたバーコード情報にあるか否かを照会する。
読み取られたバーコードに該当するバーコード情報が記憶部91に記憶されたバーコード情報にある場合は、第1投入開口21を開状態にするため、内扉24を前側にスライドさせるよう、モータmを駆動する。
逆に、読み取られたバーコードに該当するバーコード情報が記憶部91に記憶されたバーコード情報にない場合は、第2投入開口22を開状態にするため、内扉24を後側にスライドさせるよう、モータmを駆動する。
すなわち、物品回収装置1では、第1収納部41に金属層を含まないパウチ容器が、第2収納部42に金属層を含むパウチ容器が回収されることになる。
【0029】
なお、記憶部91に、金属層を含まないパウチ容器のバーコード情報に加え、金属層を含むパウチ容器のバーコード情報も記憶させて、読み取られたバーコードに該当するバーコードが、記憶部91に記憶された金属層を含まないパウチ容器のバーコード情報にあるか否か、金属層を含むパウチ容器のバーコード情報にあるか否かを照会して、読み取られたバーコードに該当するバーコード情報が記憶部91に記憶された金属層を含まないパウチ容器のバーコード情報にある場合は、第1投入開口21を開状態とし、記憶部91に記憶された金属層を含むパウチ容器のバーコード情報にある場合は、第2投入開口22を開状態とし、どちらにもない場合は、第1投入開口21も第2投入開口22も開状態としないようにすることもできる。
このように構成すると、物品回収装置1で、パウチ容器以外の物品が回収されることを防ぐことができる。
【0030】
[投入開口閉扉]
内扉24がスライド移動するとともに、パウチ容器検出部7が稼働を開始する。
最初は、パウチ容器が投入されていないので、光センサ71の受光部712は、発光部711からの光を検出しているが、パウチ容器が投入されると、発光部711からの光はパウチ容器にさえぎられて、受光部712が検出できなくなる。その後、パウチ容器が通過すると、再び、受光部712が発光部711からの光を検出するようになる。
そこで、制御部9は、光を検出していた受光部712が光を検出しなくなり、その後、再び光を検出すると、パウチ容器が投入されたと判断するように構成される。
なお、受光部712が光を検出しない時間が所定時間より短い場合は、パウチ容器の投入ではない場合が想定されるので、所定時間以上、受光部712が光を検出しない状態が継続したのちに、受光部712が光を検出した場合のみをパウチ容器が投入されたと判断するようにしてもよい。
また、所定時間以上、受光部712が光を検出した状態が継続した場合、パウチ容器が投入路3において詰まっていると判断することができる。この場合は当該物品回収装置1が設置された店舗担当者や物品回収装置用サーバへネットワークを介して通知するようにし、パウチ容器のつまり解消を促すようにしてもよい。また、詰まり状態である旨を表示部6に表示することで、ネットワークを介さずとも使用者や店舗担当者へ直接視認させることもできる。
【0031】
制御部9は、パウチ容器が投入されたと判断すると、開状態の第1投入開口21又は第2投入開口22を閉状態にするため、それぞれ、内扉24を後側又は前側にスライドさせるよう、モータmを駆動する。
開状態の第1投入開口21又は第2投入開口22を閉状態にするために、モータmを駆動開始後、光センサ71の受光部712が発光部711の光を検出しなくなる、すなわち、パウチ容器検出部7が何らかの物体を検出すると、制御部9は、閉状態にしようとしていた、第1投入開口21又は第2投入開口22を再び開状態にするために、モータmを逆方向に駆動するように制御するとともに、表示部6に危険であることや安全に注意することを表示する。
これは、開状態の第1投入開口21又は第2投入開口22を閉状態にしようとする内扉24の開口と外扉23の第1投入開口21又は第2投入開口22との間に人の手指などが挟まってけがをしたり、物品が挟まって外扉23、内扉24、モータmなどが損傷したりすることを防止するためである。
内扉24が、開状態の第1投入開口21又は第2投入開口22を閉状態すると、制御部9は、パウチ容器検出部7の稼働を停止する。
【0032】
また、制御部9は、パウチ容器が投入されたと判断すると、該当する収納部の収容量のカウントを1上げる。物品回収装置1は、第1収納部と第2収納部の収容限界量を予め記憶しているため、収容量のカウントアップ後収容限界量に至ったか否かを判定し、満杯である旨の報知や収納部の回収報知の要否を決定する。
第1収納部と第2収納部の2つがあるため、一方が満杯になった時点で物品回収装置1の利用を不可状態とすることもできるが、もう一方の収納部が満杯でなければ、もう一方のパウチ容器のみの収容は継続して受け付けられるようにしてもよい。利用不可状態としたときは、待機画面に満杯である旨や回収が必要である旨を表示し、「スタート」ボタンは非表示となる。もう一方のパウチ容器の回収が可能であるときは、満杯となり回収できないパウチ容器の情報や回収できない旨と、まだ回収が可能であるもう一方のパウチ容器の情報や回収可能である旨と、を待機画面に表示し使用者に了承させたうえで利用を継続させることができる。この場合の待機画面は「スタート」ボタンが表示されている。
満杯・回収報知はネットワークを介して店舗担当者や物品回収装置用サーバへも通知することができ、物品回収装置1の利用再開を早急に進めることができる。
【0033】
[終了動作]
内扉24が開状態の第1投入開口21又は第2投入開口22を閉状態にすると、物品回収装置1の回収動作は終了する。
制御部9は、表示部6に、パウチ容器の回収に協力していただいたことに感謝する旨の表示と、さらにパウチ容器を回収する場合は、パウチ容器のバーコードを情報取得部5にかざすよううながす終了案内画面(図8(d))を所定時間表示する。
2つ以上のパウチ容器を回収する場合は、この所定時間内に、次のパウチ容器のバーコードを情報取得部5にかざすことができる。
この所定時間内に、制御部9が情報取得部5からバーコード情報を受信すると、[投入開口開扉]のフローに戻り、回収動作を継続する。
また、この所定時間内に、制御部9が情報取得部5からバーコード情報を受信しなかった場合、表示部を待機画面に戻す。
なお、上述したパウチ容器の回収フローの説明中に用いた、各「所定時間」は、それぞれに適した時間を任意に選定すればよい。
【0034】
[実施形態の変形例]
以下、本実施形態の変形例を示す。
【0035】
本実施形態の物品回収装置1は、パウチ容器を金属層の有無で分けて回収するものであったが、その他の各種プラスチック製の容器、袋、包装材などをプラスチックの種類で分けて回収するものでもよいし、缶をスチールとアルミで分けて回収するものでもよいし、リターナブルビンと非リターナブルビンを分けて回収するものでもよいし、ビンを色で分けて回収するものでもよいし、ガラス製の容器とプラスチック製の容器を分けて回収するものでもよいし、PET製の容器と他のプラスチック製の容器を分けて回収するものでもよいし、電池を種類ごと(大きさ、形(乾電池、ボタン電池など)、一次電池/二次電池、マンガン電池/アルカリ電池、ニッケル水素電池/リチウムイオン電池など)に分けて回収するものでもよいし、インクジェットプリンタのインクカートリッジをメーカ別に分けて回収するものでもよいし、そのほか、リサイクル、リユースできる物品であれば、どのようなものをどのように分けて回収するものでもよい。
【0036】
[投入開口の変形例]
(1)本実施形態では、外側に設けられた2つの第1投入開口21及び第2投入開口22と内側に設けられ駆動する1つの接続口241としているが、外側を駆動する1つの接続口241、内側を2つの第1投入開口21及び第2投入開口22と、外内の関係を逆に配置してもよい。
(2)本実施形態では、第1投入開口21と第2投入開口22のいずれか一方を開状態とするために、1つの接続口241を有する内扉24を使用したが、第1投入開口21、第2投入開口22のそれぞれを開閉可能とする内扉を2つ設けて、制御部9が、情報取得部に読み取られたバーコード情報に基づいて、どちらか一方の扉を開状態にするような制御するようにしてもよい。
(3)本実施形態では、外扉と内扉が略同一円弧形状で重なるように配置され、内扉がこの円弧に沿ってスライドするように装置内を移動する構造としているが、それぞれの開口に駆動制御する蓋を用意し、装置内のスライド移動ではなく、蓋が起立し当該物品回収装置1から離れるように開閉する構造であってもよい。
(4)本実施形態では、物品回収装置1は、第1投入開口21と第2投入開口22の2つの投入開口2を備えたものであったが、3つ以上の投入開口を備えていてもよい。その際、投入路3と回収容器収納部4も、投入開口と同じ数だけ必要になり、それに合わせて、投入路の構造、回収容器収納部4内の構造も適宜設計変更すればよい。
(5)本実施形態では、パウチ容器回収用として、投入開口2がスリット状に形成されたものであったが、投入開口の形状は、これに限らず、回収する物品の形状に合わせた形状とすればよい。例えば、缶やペットボトルに合わせて円形としたり、電池やインクカートリッジに合わせて矩形状にしたりすることもできる。
(4)本実施形態では、第1投入開口21と第2投入開口22を前後に配置しているが、投入開口2の形状、大きさ、数などに応じて、左右に配置したり、縦横2列以上の行列状に配置したりすることもできる。
【0037】
[投入路の変形例]
上記[投入開口の変形例]のように、投入開口2の形状、構造、配置などを変えた場合、投入路3についても、それに合わせて変形すればよい。
【0038】
[回収容器収納部の変形例]
(1)上記[投入開口の変形例]のように、投入開口2の形状、構造、配置などを変えた場合、回収容器収納部4についても、それに合わせて変形すればよい。
(2)本実施形態では、第1収納部41と第2収納部42は同じ大きさのものであるが、種類毎に見込まれる回収量に差がある場合は、回収量の差を考慮して、異なる大きさのものとすることもできる。
(3)本実施形態では、回収容器として、第1収納部41、第2収納部42に取り付けられる回収袋を使用したが、回収容器収納部4に箱状の容器を着脱自在に取り付ける構造でもよい。
(4)本実施形態では、回収容器収納部4を引き出し状のものとしたが、これに限らず、物品回収装置1の前面に開閉扉を設けて、この開閉扉内の空間に回収容器を出し入れ自在に収納する構成でもよい。
【0039】
[情報取得部の変形例]
本実施形態では、回収物品の情報として、パウチ容器のバーコード(JANコード)をバーコード読取装置で読み取ったが、バーコード(JANコード)以外に、他のバーコード、二次元コードなどの他のコード、PET、PE、PP、アルミ、スチールなどの素材を示す識別マーク(リサイクルマーク)などのマーク、商品名を表す文字や記号などといった、任意の情報をカメラで読み取るものであってもよい。
【0040】
[表示部の変形例]
本実施形態では、表示部6としてタッチパネルを使用しているが、表示装置と操作ボタンの組み合わせでもよい。
【0041】
[パウチ容器検出部の変形例]
本実施形態では、パウチ容器検出部7として、透過型の光センサ71を使用したが、これに限らず、パウチ容器の投入を検知できる検出器であれば、どのようなものでもよい。例えば、反射型の光センサ、投入路3にレバーなどの突出部を設置して、その突出部がパウチ容器により移動させられたことを検出するメカニカルセンサなどが挙げられる。
【0042】
[人感センサの変形例]
本実施形態では、人の体温を検知する赤外線センサを使用したが、光や超音波の反射を利用したものでもよい。
【0043】
[回収フローの変形例や追加例]
本実施形態での回収フローの変形例や、本実施形態での回収フローに追加する追加例を説明する。
(1)物品回収装置1に回収される2種類の物品の回収量が同じになるとは限らず、一方の物品の回収量が多い場合、その物品の回収容器を交換する頻度が、他方の物品の回収容器を交換する頻度より多くなる。そのために、交換頻度が多い物品を、物品回収装置1の前側に配置された第1収納部41に回収するように構成すると、回収容器の交換作業が容易になる。特に、一方の回収部の回収対象として登録された商品情報(バーコード)が一定量を超えて、一方の回収部の回収量が他方の回収部の回収量より大きくなることや、回収時期、季節、地域などにより、物品回収装置1に回収される2種類の物品の回収量の大小が変わることもある。これに対応するために、2種類の物品をどちらの収納部に回収するかを、任意に変更できるようにするとよい。このために、記憶部91に記憶された、回収物品の情報と投入開口との組み合わせを変更できるように構成するとよい。
このように、回収物品の情報と投入開口との組み合わせを任意に変更しても、使用者は、常に、開口した方の投入開口に投入すればよいので、誤投入は生じない。
【0044】
例えば、リサイクル対象パウチ容器(リサイクルが容易な金属層を含まないパウチ容器)がまだ少ないときは、リサイクル対象パウチ容器を後ろ側の第2収納部42に収納するようにし、パウチ容器のリサイクル対応が進み、リサイクル対象パウチ容器の方が多くなれば、リサイクル対象パウチ容器を前側の第1収納部41に収納するように変更すればよい。
下記表1に示すように、物品回収装置1の運用開始時と、物品回収装置1の運用開始後にリサイクル対象のデータが増加した時で、リサイクル対象パウチ容器とリサイクル対象外パウチ容器の回収部を入れ替える。
【0045】
【表1】
【0046】
記憶部91にリサイクル対象パウチ容器として記憶されている商品情報が一定値を超えた場合、リサイクル対象パウチ容器を第2収納部に収納していた運用から第1収納部に収容するよう制御が変更されるため、変更を許可するか否かの選択画面が表示部6やネットワークを通じて店舗担当者や容器回収装置用サーバへ通知される。
制御の変更を許可する場合、第1収納部と第2収納部のそれぞれに固定された回収袋を入れ替える作業を報知する。これにより、満杯前の回収袋を継続して利用可能とすることができるとともに、1つの回収袋にリサイクル対象パウチ容器とリサイクル対象外パウチ容器とが混在することを防ぐことができる。
(2)物品回収装置1が故障したりして、回収フロー中に、回収容器収納部4を引き出すと、回収容器収納部開閉検出部45が回収容器収納部4が引き出されたことを検出し、回収フローを中断する。このとき、表示部6には、回収容器収納部4が引き出されていること、回収フローが中断されていることなどが表示される。
回収フロー中以外のときに、回収容器収納部4を引き出すと、回収容器収納部開閉検出部45が、回収容器収納部4が引き出されたことを検出し、回収フローを開始しないように制御する。
(3)本実施形態では、パウチ容器検出部7の光センサ71を使用して、開状態から閉状態での移行中に第1投入開口21又は第2投入開口22に何らかの物体が侵入したことを検出したが、パウチ容器検出部7とは異なる検出部を設けて検出することもできる。
例えば、内扉24をスライドさせるモータmの駆動電流を計測して、モータmの負荷を検出することにより、内扉24の接続口241と第1投入開口21又は第2投入開口22との間に人の手指などや他の物が挟まれたことを検出するものなどが考えられる。
これにより、手指を挟むことおそれがなく、異物を挟み込んで故障すること可能性を低減することができる。
【0047】
以上、本発明に係る実施形態の物品回収装置1を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、前述の各実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 物品回収装置
11 パネル部
2 投入開口
21 第1投入開口
22 第2投入開口
23 外扉
24 内扉
241 接続口
3 投入路
31 第1投入路
32 第2投入路
33 投入路仕切り壁
4 回収容器収納部
41 第1収納部
42 第2収納部
43 収納部仕切り板
44 係止具
45 回収容器収納部開閉検出部
5 情報取得部
51 読取窓
6 表示部
7 パウチ容器検出部
71 光センサ
711 発光部
712 受光部
713 投光路
8 人感センサ
9 制御部
91 記憶部
m モータ
図1
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図8