(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139773
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】ユーザーインターフェースへのアクセスの制御
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20241002BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024050004
(22)【出願日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】63/492,462
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520124224
【氏名又は名称】ペア セラピューティクス (ユーエス)、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ユーリ マリシッチ
(72)【発明者】
【氏名】ウスマン ラーザ
(72)【発明者】
【氏名】ヘザー ギリス
(72)【発明者】
【氏名】モハメド ダトゥー
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ オーティス
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン シー プルニアー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザーインターフェースへのアクセスを制御するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】コンピューティングシステムによる方法は、ユーザーにデジタル治療コンテンツを提示する複数のユーザーインターフェースを特定し、複数のユーザーインターフェースの1つ以上を使用して状態に対処し、時間窓にわたってユーザーに関わるユーザーデバイスに、ユーザーにデジタル治療コンテンツの対応部分を提示する複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供し、ユーザーデバイスからのデータに基づいて、ユーザーによる相互作用が基準を満たすと判断し、相互作用が基準を満たすとの判断に応じて、ユーザーデバイスに、ユーザーにデジタル治療コンテンツ全体を提示する複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーインターフェースへのアクセスを制御する方法であって、
1つ以上のプロセッサにより、ユーザーにデジタル治療コンテンツを提示する複数のユーザーインターフェースを特定し、前記複数のユーザーインターフェースの1つ以上を使用して状態に対処することと、
前記1つ以上のプロセッサにより、時間窓にわたって前記ユーザーに関わるユーザーデバイスに、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツの対応部分を提示する前記複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供することと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記ユーザーデバイスからデータを受け取ることであって、前記データは、前記ユーザーによる前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットの1つ以上のユーザーインターフェースとの相互作用を特定することと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記ユーザーデバイスからの前記データに基づいて、前記ユーザーによる前記相互作用が前記時間窓内の前記デジタル治療コンテンツの前記対応部分によって基準を満たすと判断することと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記相互作用が前記基準を満たすとの判断に応じて、前記ユーザーデバイスに、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツ全体を提示する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することと
を含む方法。
【請求項2】
前記ユーザーが前記基準を満たすと判断することは、前記データに基づいて、前記デジタル治療コンテンツの前記対応部分が、前記期間内に前記ユーザーに関わる前記状態に対処する際に効果的であると判断することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサにより、前記ユーザーデバイスからの第2のデータに基づいて、前記ユーザーによる第2の相互作用が、前記時間窓内に前記デジタル治療コンテンツの前記対応部分によって前記基準を満たさないと判断することと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記第2の相互作用が前記基準を満たさないとの判断に応じて、前記ユーザーデバイスに前記デジタル治療コンテンツ全体を提示する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することを控えることと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサにより、前記相互作用が前記基準を満たすとの判断に応じて、前記ユーザーデバイスに、前記デジタル治療コンテンツ全体に対する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するアクセスコードを生成することを更に含み、
前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することは、前記ユーザーデバイスを介した前記アクセスコードのエントリーに応じて、前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットへのアクセスを提供することは、前記ユーザーデバイスに、前記複数のユーザーインターフェースの何れとも異なる第2のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザーは、(i)前記デジタル治療コンテンツの前記部分に対する前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットの提供または(ii)前記デジタル治療コンテンツ全体に対する前記複数のユーザーインターフェースの提供の少なくとも1つと少なくとも部分的に並行して、前記状態に対処する薬物治療を受けている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記状態は、物質使用障害、オピオイド使用障害、慢性不眠症、アルコール使用障害、統合失調症、全般不安症、大鬱病性障害、双極、心的外傷後ストレス障害、急性痛および慢性痛、片頭痛、多発性硬化症、てんかん、過敏性腸症候群、消化器病学の専門領域(specialty gastroenterology)、がん、または循環器疾患の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ユーザーインターフェースへのアクセスを制御する方法であって、
1つ以上のプロセッサにより、ユーザーにデジタル治療コンテンツを提示する複数のユーザーインターフェースを特定し、前記複数のユーザーインターフェースの1つ以上を使用して状態に対処することと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記ユーザーに関わるユーザーデバイスに、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツの対応部分を提示する前記複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供することと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツ全体へのアクセスを提供する指示を受け取ることと、
前記1つ以上のプロセッサにより、アクセスを承認する前記指示の受け取りに応じて、前記ユーザーデバイスに、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツ全体を提示する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することと
を含む方法。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサにより、前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットへのアクセスを提供する時間窓が満了したと判断することと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記時間窓が満了したとの判断に応じて、前記ユーザーデバイスが前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットにアクセスすることを制限することと
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサにより、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツを提供する前記指示に応じて、前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットへのアクセスを提供するアクセスコードを生成することを更に含み、
前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットへのアクセスを提供することは、前記ユーザーデバイスを介した前記アクセスコードのエントリーに応じて、前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットへのアクセスを提供することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサにより、第2の複数のユーザーインターフェースから、前記ユーザーデバイスからのデータに基づいて、前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットに追加する第2のユーザーインターフェースを選択することであって、前記データは、前記ユーザーによる前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットの1つ以上のユーザーインターフェースとの相互作用を特定することと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記ユーザーデバイスに、前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットに加えて、前記第2のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することと
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上のプロセッサにより、前記ユーザーデバイスに前記デジタル治療コンテンツ全体に対する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するアクセスコードを生成することを更に含み、
前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することは、前記ユーザーデバイスを介した前記アクセスコードのエントリーに応じて、前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記指示を受け取ることは、リモートサービスによる、前記ユーザーへの前記デジタル治療コンテンツ全体の前記提供の承認に応じて、前記指示受け取ることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザーは、(i)前記デジタル治療コンテンツの前記部分に対する前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットの提供または(ii)前記デジタル治療コンテンツ全体に対する前記複数のユーザーインターフェースの提供の少なくとも1つと少なくとも部分的に並行して、前記状態に対処する薬物治療を受けている、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記状態は、物質使用障害、オピオイド使用障害、慢性不眠症、アルコール使用障害、統合失調症、全般不安症、大鬱病性障害、双極、心的外傷後ストレス障害、急性痛および慢性痛、片頭痛、多発性硬化症、てんかん、過敏性腸症候群、消化器病学の専門領域(specialty gastroenterology)、がん、または循環器疾患の少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
ユーザーインターフェースへのアクセスを制御するシステムであって、
メモリーと連結した1つ以上のプロセッサであって、
ユーザーにデジタル治療コンテンツを提示する複数のユーザーインターフェースを特定し、前記複数のユーザーインターフェースの1つ以上を使用して状態に対処し、
時間窓にわたって前記ユーザーに関わるユーザーデバイスに、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツの対応部分を提示する前記複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供し、
前記ユーザーデバイスから、前記ユーザーによる前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットの1つ以上のユーザーインターフェースとの相互作用を特定するデータを受け取り、
前記ユーザーデバイスからの前記データに基づいて、前記ユーザーによる前記相互作用が前記時間窓内の前記デジタル治療コンテンツの前記対応部分によって基準を満たすと判断し、
前記相互作用が前記基準を満たすとの判断に応じて、前記ユーザーデバイスに、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツ全体を提示する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供する
ように構成された1つ以上のプロセッサ
を備えるシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサは、前記データに基づいて、前記デジタル治療コンテンツの前記対応部分が、前記期間内に前記ユーザーに関わる前記状態に対処する際に効果的であると判断するように更に構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、前記ユーザーデバイスからの第2のデータに基づいて、前記ユーザーによる第2の相互作用が、前記時間窓内に前記デジタル治療コンテンツの前記対応部分によって前記基準を満たさないと判断し、
前記第2の相互作用が前記基準を満たさないとの判断に応じて、前記ユーザーデバイスに、前記デジタル治療コンテンツ全体を提示する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することを控えるように更に構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上のプロセッサは、前記相互作用が前記基準を満たすとの判断に応じて、前記ユーザーデバイスに、前記デジタル治療コンテンツ全体に対する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するアクセスコードを生成し、
前記ユーザーデバイスを介した前記アクセスコードのエントリーに応じて、前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するように更に構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つ以上のプロセッサは、前記ユーザーデバイスに、前記複数のユーザーインターフェースの何れとも異なる第2のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するように更に構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記ユーザーは、(i)前記デジタル治療コンテンツの前記部分に対する前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットの提供または(ii)前記デジタル治療コンテンツ全体に対する前記複数のユーザーインターフェースの提供の少なくとも1つと少なくとも部分的に並行して、前記状態に対処する薬物治療を受けている、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記状態は、物質使用障害、オピオイド使用障害、慢性不眠症、アルコール使用障害、統合失調症、全般不安症、大鬱病性障害、双極、心的外傷後ストレス障害、急性痛および慢性痛、片頭痛、多発性硬化症、てんかん、過敏性腸症候群、消化器病学の専門領域(specialty gastroenterology)、がん、または循環器疾患の少なくとも1つを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
ユーザーインターフェースへのアクセスを制御するシステムであって、
メモリーと連結した1つ以上のプロセッサであって、
ユーザーにデジタル治療コンテンツを提示する複数のユーザーインターフェースを特定し、前記複数のユーザーインターフェースの1つ以上を使用して状態に対処し、
時間窓にわたって前記ユーザーに関わるユーザーデバイスに、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツの対応部分を提示する前記複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供し、
前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツ全体へのアクセスを提供する指示を受け取り、
アクセスを承認する前記指示の受け取りに応じて、前記ユーザーデバイスに、前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツ全体を提示する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供する
ように構成された1つ以上のプロセッサ
を備えるシステム。
【請求項24】
前記1つ以上のプロセッサは
前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットへのアクセスを提供する時間窓が満了したと判断し、
前記時間窓が満了したとの判断に応じて、前記ユーザーデバイスが前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットにアクセスすることを制限するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記ユーザーに前記デジタル治療コンテンツを提供する前記指示に応じて、前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットへのアクセスを提供するアクセスコードを生成し、
前記ユーザーデバイスを介した前記アクセスコードのエントリーに応じて、前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットへのアクセスを提供するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記1つ以上のプロセッサは、
第2の複数のユーザーインターフェースから、前記ユーザーデバイスからデータであって、前記ユーザーによる前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットの1つ以上のユーザーインターフェースとの相互作用を特定するデータに基づいて、前記指示に応じて、前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットに追加する第2のユーザーインターフェースを選択し、
前記ユーザーデバイスに、前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットに加えて、前記第2のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記ユーザーデバイスに前記デジタル治療コンテンツ全体に対する前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するアクセスコードを生成し、
前記ユーザーデバイスを介した前記アクセスコードのエントリーに応じて、前記ユーザーデバイスに前記複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記1つ以上のプロセッサは、リモートサービスによる、前記ユーザーへの前記デジタル治療コンテンツ全体の前記提供の承認に応じて、前記指示を受け取るように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
前記ユーザーは、(i)前記デジタル治療コンテンツの前記部分に対する前記複数のユーザーインターフェースの前記サブセットの提供または(ii)前記デジタル治療コンテンツ全体に対する前記複数のユーザーインターフェースの提供の少なくとも1つと少なくとも部分的に並行して、前記状態に対処する薬物治療を受けている、請求項23に記載のシステム。
【請求項30】
前記状態は、物質使用障害、オピオイド使用障害、慢性不眠症、アルコール使用障害、統合失調症、全般不安症、大鬱病性障害、双極、心的外傷後ストレス障害、急性痛および慢性痛、片頭痛、多発性硬化症、てんかん、過敏性腸症候群、消化器病学の専門領域(specialty gastroenterology)、がん、または循環器疾患の少なくとも1つを含む、請求項23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2023年3月27に出願された、「Systems and Methods for Sampling a Prescription Digital Therapeutic」と題する米国仮特許出願第63/492,462の優先権を主張するものであり、参照により、その全体を本明細書に援用する。
[分野]
【0002】
本開示は、デジタル治療、とりわけ、1つ以上の医学的状態に関わる症状を処置するデジタル治療に対するユーザーインターフェースへのアクセスを制御するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
薬物療法は、さまざまな医学的状態を緩和または処置する対象に提供されうる。認知行動療法と組み合わせた薬物療法が特定の医学的状態を処置するための効果的なメカニズムであることは証明されているが、欠陥がないわけではない。例えば、状態を処置する処方には、システムへの患者の順応が必要とされるが、これにより処置が著しく遅れる可能性がある。この問題は、患者が、処置の遅れに関わるリスクが致命的となりうる、オピオイド使用障害などの生命を脅かす疾病または障害に罹患している場合に、特に顕著となる。
【0004】
デジタル治療は、ユーザーの医学的状態への対処を促進させるために、コンピューティングデバイスのアプリケーションを介して提供されうる。デジタル治療の提供に伴う1つの問題は、アプリケーションのコンテンツおよび双方向性が最初に予め設定された能力に制限および限定されるという、機能性全般に関することである。例えば、アプリケーションは、特定のユーザーに対する有効性または関与を考慮せずに、ユーザーに固定されたデジタル治療コンテンツを提供する静的な一連のユーザーインターフェースにより構成されうる。この結果、ユーザーの状態に対処する際のデジタル治療の有効性が低減または減少し、効果のないコンテンツを提供することによりコンピューティングリソースおよびネットワーク帯域が無駄に消費される。別の問題は、特定のユーザーインターフェースおよび情報が、追加的に確認されずにユーザーに提示されないように制限すべきであるという、安全性およびリスクに関することである。
【発明の概要】
【0005】
これら技術的課題および他の技術的課題に対処するため、デジタル治療コンテンツを受け取るためのユーザーインターフェースへのユーザーアクセスは、コンピューティングシステムにより規制および制御される可能性がある。ユーザーアクセスを規制および制御することにより、デジタル治療のサンプルに対する処方性が、ユーザーに提供されうる。このようなサンプリングの1つの利点は、ユーザーにデジタル治療の少なくとも一部へのより早い時点でのアクセスを提供し、フルデジタル治療の提供の遅れを解消または減少させることでありうる。遅れは、例えば、ユーザーの登録および順応プロセス、またはフルデジタル治療の処方に対する支払人による処理から生じうる。
【0006】
サンプルとしてデジタル治療の一部を提供するにあたり、ユーザーが試験的に短縮期間で治療レジメンを実施することができる、およびユーザーがどのようにデジタル治療コンテンツと相互作用するかをモニタリングできるという別の優位点もありうる。試用期間中、コンピューティングシステムは、ユーザーがサンプルデジタル治療に関与しているかどうかを判断してよい。サンプルへの関与に基づいて、フルデジタル治療コンテンツは、特定のユーザーに対して修正または個別化されてよい。試用期間により、ユーザーは、フルデジタル治療が施されるのに先立って、アプリケーションおよびサンプルデジタル治療コンテンツに慣れることもできる。
【0007】
デジタル治療を処方する医療提供者、デジタル治療の管理者、およびコンピューターデバイスを通してデジタル治療コンテンツを受け取るエンドユーザーなど、さまざまなエンティティに関わるリスクを減少または低減するという別の優位点もありうる。サンプルデジタル治療へのユーザーの初めの接触を制限することにより、提供者および管理者は、デジタル治療によって指示されるような潜在的により困難なタスクをユーザーに提供する前に、ユーザーが関与するかどうかを特定できる可能性がある。ユーザーがサンプルに関与していると特定されたとき、デジタル治療コンテンツは、所与のユーザーに対してより個別化および標的化されるように増強されてよい。
【0008】
ユーザーアクセスを規制および制御するため、アプリケーションは、初めに、ユーザーに、デジタル治療の対応部分(またはサンプル)を提供するユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供してよい。ユーザーにユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスが提供される間に、サーバーは、デジタル治療への関与またはデジタル治療の有効性を示すユーザーについてのデータを統合および収集してよい。データは、(例えば、リモートコンピューティングシステムにより)ユーザーにデジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスが提供されるかどうかも示してよい。データに基づいて、コンピューティングシステムは、ユーザーがアクセス可能なユーザーインターフェースを動的に設定し、追加的なデジタル治療を提供するかどうかを判断してよい。例えば、データが、ユーザーが一連のユーザーインターフェース全体に関与していること、またはユーザーに一連のユーザーインターフェース全体が提供されていることを示すとき、コンピューティングシステムは、ユーザーに、一連のデジタル治療全体(またはフルデジタル治療)へのアクセスを提供してよい。ユーザーについての追加的なデータにより、コンピューティングシステムは、ユーザーがアクセス可能な機能の(例えば、コンテンツおよび双方向性の形態での)追加を継続してよい。
【0009】
ユーザーインターフェースへのアクセスを動的に制御することにより、コンピューティングシステムは、コンピューティングリソースおよびネットワーク帯域の消費を規制し、初めからユーザーインターフェースのフルセットを提供することにより無駄になるような消費を削減できる。さらに、特定のユーザーインターフェースへのアクセスを限定または制限することにより、ユーザーにデジタル治療のサンプルが提供され、それにより、ユーザーとアプリケーションとの間の人間とコンピューターの相互作用(HCI)の質を向上させることができる。コンピューターデバイスは、短縮期間中、デジタル治療処置とのユーザーの相互作用をモニタリングするのに使用され、続いて、ユーザーに追加的なデジタル治療コンテンツへのアクセスを提供するかどうかを判断してよい。例として、特定のユーザーがコンテンツに関与したと判断されると、コンピューターデバイスは、フルデジタル治療に対するユーザーインターフェースの追加的なセットへのアクセスを提供してよい。逆に、所与のユーザーの関与が減少したと判断されると、またはユーザーがフルデジタル治療を受け取ることが示されると、コンピューティングシステムは、この特定のユーザーに対してより関与し、標的化されうるユーザーインターフェースを特定してよい。加えて、コンピューティングシステムは、デジタル治療の提供者およびデジタル治療を受けるユーザーのセキュリティリスクおよび関連リスクを低減させうる。
【0010】
本開示の態様は、ユーザーインターフェースへのアクセスを制御するシステムおよび方法である。1つ以上のプロセッサは、ユーザーにデジタル治療コンテンツを提示する複数のユーザーインターフェースを特定し、複数のユーザーインターフェースの1つ以上を使用して状態に対処することができる。1つ以上のプロセッサは、時間窓にわたってユーザーに関わるユーザーデバイスに、ユーザーにデジタル治療コンテンツの対応部分を提示する複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供できる。1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスからデータを受け取ることができ、データは、ユーザーによる複数のユーザーインターフェースのサブセットの1つ以上のユーザーインターフェースとの相互作用を特定する。1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスからのデータに基づいて、ユーザーによる相互作用が、時間窓内のデジタル治療コンテンツの対応部分によって基準を満たすと判断できる。1つ以上のプロセッサは、相互作用が基準を満たすとの判断に応じて、ユーザーデバイスに、ユーザーにデジタル治療コンテンツ全体を提示する複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供できる。
【0011】
いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、データに基づいて、デジタル治療コンテンツの対応部分が、期間内にユーザーに関わる状態に対処する際に効果的であると判断できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスからの第2のデータに基づいて、ユーザーによる第2の相互作用が、時間窓内のデジタル治療コンテンツの対応部分によって基準を満たさないと判断できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、第2の相互作用が基準を満たさないとの判断に応じて、ユーザーデバイスに、デジタル治療コンテンツ全体を提示する複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供することを控えることができる。
【0012】
いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、相互作用が基準を満たすとの判断に応じて、ユーザーデバイスにデジタル治療コンテンツ全体に対する複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するアクセスコードを生成できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスを介したアクセスコードのエントリーに応じて、ユーザーデバイスに複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスに、複数のユーザーインターフェースの何れとも異なる第2のユーザーインターフェースへのアクセスを提供できる。
【0013】
いくつかの実施形態においては、ユーザーは、(i)デジタル治療コンテンツの一部に対する複数のユーザーインターフェースのサブセットの提供または(ii)デジタル治療コンテンツ全体に対する複数のユーザーインターフェースの提供の少なくとも1つと少なくとも部分的に並行して、状態に対処する薬物治療を受けていてよい。いくつかの実施形態においては、状態は、物質使用障害、オピオイド使用障害、慢性不眠症、アルコール使用障害、統合失調症、全般不安症、大鬱病性障害、双極、心的外傷後ストレス障害、急性痛および慢性痛、片頭痛、多発性硬化症、てんかん、過敏性腸症候群、消化器病学の専門領域(specialty gastroenterology)、がん、または循環器疾患の少なくとも1つを含むことができる。
【0014】
本開示の他の態様は、ユーザーインターフェースへのアクセスを制御するシステムおよび方法である。1つ以上のプロセッサは、ユーザーにデジタル治療コンテンツを提示する複数のユーザーインターフェースを特定し、複数のユーザーインターフェースの1つ以上を使用して状態に対処できる。1つ以上のプロセッサは、ユーザーに関わるユーザーデバイスに、ユーザーにデジタル治療コンテンツの対応部分を提示する複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供できる。1つ以上のプロセッサは、ユーザーにデジタル治療コンテンツ全体へのアクセスを提供する指示を受け取ることができる。1つ以上のプロセッサは、アクセスを承認する指示の受け取りに応じて、ユーザーデバイスに、ユーザーにデジタル治療コンテンツ全体を提示する複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供できる。
【0015】
いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスに複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供する時間窓が満了したと判断できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、時間窓が満了したとの判断に応じて、ユーザーデバイスが複数のユーザーインターフェースのサブセットにアクセスすることを制限できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーにデジタル治療コンテンツを提供する指示に応じて、ユーザーデバイスに複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供するアクセスコードを生成できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスを介したアクセスコードのエントリーに応じて、ユーザーデバイスに複数のユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供できる。
【0016】
いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスからのデータに基づいて、第2の複数のユーザーインターフェースから、複数のユーザーインターフェースのサブセットに追加する第2のユーザーインターフェースを選択でき、データは、ユーザーによる複数のユーザーインターフェースのサブセットの1つ以上のユーザーインターフェースとの相互作用を特定する。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスに、複数のユーザーインターフェースのサブセットに加えて、第2のユーザーインターフェースへのアクセスを提供できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスにデジタル治療コンテンツ全体に対する複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供するアクセスコードを生成できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、ユーザーデバイスを介したアクセスコードのエントリーに応じて、ユーザーデバイスに複数のユーザーインターフェースへのアクセスを提供できる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセッサは、リモートサービスによるユーザーへのデジタル治療コンテンツ全体の提供の承認に応じて、指示を受け取ることができる。
【0017】
いくつかの実施形態においては、ユーザーは、(i)デジタル治療コンテンツの一部に対する複数のユーザーインターフェースのサブセットの提供または(ii)デジタル治療コンテンツ全体に対する複数のユーザーインターフェースの提供の少なくとも1つと少なくとも部分的に並行して、状態に対処する薬物治療を受けていてよい。いくつかの実施形態においては、状態は、物質使用障害、オピオイド使用障害、慢性不眠症、アルコール使用障害、統合失調症、全般不安症、大鬱病性障害、双極、心的外傷後ストレス障害、急性痛および慢性痛、片頭痛、多発性硬化症、てんかん、過敏性腸症候群、消化器病学の専門領域(specialty gastroenterology)、がん、または循環器疾患の少なくとも1つを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の例示の実施形態に従った処方デジタル治療を含む、徴候に関わる症状を処置するシステムの概略図である。
【
図2】
図1の処方デジタル治療のコンポーネント例の概略図である。
【
図3】
図1の処方デジタル治療のコンポーネント例の概略図である。
【
図4A】患者電子デバイスのディスプレイに表示された
図1の処方デジタル治療の例示のGUIである。
【
図4B】患者電子デバイスのディスプレイに表示された
図1の処方デジタル治療の例示のGUIである。
【
図4C】患者電子デバイスのディスプレイに表示された
図1の処方デジタル治療の例示のGUIである。
【
図4D】患者電子デバイスのディスプレイに表示された
図1の処方デジタル治療の例示のGUIである。
【
図5】本開示の例示の実施形態に従った、サンプル処方デジタル治療を実装する方法を示すフローチャートである。
【
図6】例示の実施形態に従った、ユーザーインターフェースへのアクセスを制御するプロセスのフロー図である。
【
図7】本明細書に記載のシステムおよび方法を実装するのに使用されうるコンピューティングデバイス例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
さまざまな図における同様の参照記号は、同様のエレメントを示す。
【0020】
例示の実施形態は、本開示が完全なものであり、当業者にその範囲が完全に伝わるように提供される。本開示の実施形態を完全に理解するために、特定の組成、コンポーネント、デバイス、および方法の例など、多数の具体的な詳細について説明する。具体的な詳細は採用される必要がないこと、例示の実施形態は多数の異なる形態で具現化されてよく、本開示の範囲を制限すると解釈されるべきではないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示の実施形態においては、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術については、詳細に説明されない。
【0021】
図1を参照すると、いくつかの実装においては、治療処方システム100は、患者101に処方される1つ以上の処方デジタル治療120、120a~120n(フル処方デジタル治療120およびデジタル治療120とも呼ばれる)へのアクセスを患者101に提供し、患者101の処方デジタル治療120との相互作用に関わる事象をモニタリングする。処方デジタル治療120は、複数の徴候を処置できる、または複数の徴候を処理するために施すことができる、徴候に依存しないデジタル治療120と、特定の徴候を処置するように施される、徴候に特有のデジタル治療120との両方を含んでよい。デジタル治療120は「処方」デジタル治療であるとして本明細書で説明されるが、いくつかの実装によれば、デジタル治療120は臨床医からの処方箋を必要としない可能性があることが理解される。むしろ、そのような実装においては、デジタル治療120は、処方箋なしで患者が利用可能であってよく、そのような処方性のないデジタル治療120は、とはいえそうでなければ、本明細書に記載の処方デジタル治療120の説明に従って機能する。デジタル治療120を使用しているまたは施されている人は、「ユーザー」と呼ばれてよい。「ユーザー」は、デジタル治療120がその人に処方されたかどうかにかかわらず、デジタル治療120を使用している、または施されている、患者101または任意の他の人を含んでよい。
【0022】
本明細書において使用するとき、デジタル治療は、特定の徴候(例えば、疾病または障害)、ならびに特定の疾病または障害に関わる症状および/または挙動を患う患者を処置するための、根拠に基づいた心理社会的介入技術を提供するように構成されたデジタル治療と呼ばれてもよい。特定の疾病、障害、または徴候の例としては、物質使用障害、オピオイド使用障害、慢性不眠症、アルコール使用障害、統合失調症、全般不安症、大鬱病性障害、双極、心的外傷後ストレス障害、急性痛および慢性痛、片頭痛、多発性硬化症、てんかん、過敏性腸症候群、消化器病学の専門領域(specialty gastroenterology)、がん、および/または循環器疾患もしくは障害が挙げられる。一例として、患者101は、1つ以上の障害を患い、処方デジタル治療120は、患者101が患う1つ以上の障害の各々に関わる1つ以上の症状に対処するために適合されてよい。以下でより詳細に述べるように、処方デジタル治療120の各々は、それぞれのサンプル処方デジタル治療125を含み、フル処方デジタル治療120に対する処方箋が処理される間、1つ以上の異なる徴候を処置する治療コンテンツを施してよい。
【0023】
いくつかの実装においては、デジタル治療120は、伝統的な薬物治療を含んでもよいし、伝統的な薬物治療と組み合わされてもよく、伝統的な薬物治療は、同様に処方箋を必要としてもよいし、必要としなくてもよい。公認された医療提供者(HCP)109(例えば、医師、看護師、等)は、患者101の症状を処置するように設計された処方デジタル治療120の1つ以上を患者101に処方してよい。HCP109は、医者、看護師、臨床医、または他の資格のある医療従事者を含んでよい。HCP109は、患者101に任意の適切なレベルの監督を提供してよいが、監督は皆無かそれに近くてもよい。
【0024】
いくつかの例においては、システム100は、ネットワーク106、患者デバイス102、HCPシステム140、および治療サービス160を含む。ネットワーク106は、リモートデバイスにおいてサービスを遂行するために、治療サービス160を実行するクラウドコンピューティングリソース150(例えば、分散システム)へのアクセスを提供する。従って、ネットワーク106は、治療サービス160により、患者101とHCP109との間の相互作用を可能にする。例として、治療サービス160は、患者101に処方デジタル治療120へのアクセスを提供し、患者101の処方デジタル治療120との相互作用に関して患者101により入力されたユーザー入力121または事象データ122を受け取ってよい。次いで、治療サービス160は、ストレージリソース156に事象データ122を保管してよい。追加的に、処方箋123(
図2参照)の処理中に患者101に処置を施す際に遅れを回避するため、治療サービス160は、サンプル処方デジタル治療125を提供し、患者101にサンプル処方デジタル治療125へのアクセスを提供してよい。ここで、治療サービス160は、患者101のサンプル処方デジタル治療125との相互作用に関して患者101により入力されたユーザー入力121または事象データ122を受け取り、サンプル処方デジタル治療125によるユーザー入力121に基づいてフル処方デジタル治療120を増強してよい。
【0025】
ネットワーク106は、無線通信ネットワーク、携帯電話ネットワーク、時分割多重アクセス(TDMA)ネットワーク、符号分割多重アクセス(CDMA)ネットワーク、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)、第3世代(3G)ネットワーク、第4世代(4G)ネットワーク、第5世代(5G)ネットワーク、衛星通信ネットワーク、その他の通信ネットワークなど、通信信号の送受信を可能にする任意のタイプのネットワークを含んでよい。ネットワーク106は、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、およびパーソナルエリアネットワーク(PAN)の1つ以上を含んでよい。いくつかの例においては、ネットワーク106は、データネットワークの組み合わせ、遠隔通信ネットワーク、ならびにデータおよび遠隔通信ネットワークの組み合わせを含む。患者デバイス102、HCPシステム140、および治療サービス160は、いくつかの例においては、Bluetooth、Wi-Fiなどを利用しうるネットワーク106を介して、信号を送受信することにより(有線または無線)、互いにコミュニケーションを取る。いくつかの例においては、ネットワーク106は、ネットワーク106上で利用可能なエラスティック/オンデマンドコンピューティングおよび/またはストレージリソース156でありうるクラウドコンピューティングリソースへのアクセスを提供する。「クラウド」サービスという用語は、ユーザーのデバイスにおいて局所的に実施されるサービスではなく、通常、1つ以上のネットワーク106を介してアクセス可能な1つ以上のリモートデバイスから提供されるサービスを指す。
【0026】
患者デバイス102は、限定されないが、ポータブル電子デバイス(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末、ラップトップコンピューター、または無線タブレット型デバイス)、デスクトップコンピューター、またはネットワーク106を介して情報を送受信できる任意の他の電子デバイスを含んでよい。患者デバイス102は、データ処理ハードウェア112(指示を実行するコンピューティングデバイス)、メモリーハードウェア114、ディスプレイ116、およびデータ処理ハードウェア112とコミュニケーションを取る1つ以上の入力デバイス115を含む。いくつかの実装においては、患者デバイスは、治療サービス160により受け取ったユーザー入力121に加えて、ユーザーデータを取り込むように構成された複数のセンサー124、124a~124nを含む。複数のセンサー124は、加速度計、近接センサー、活動または運動モニター、グローバルポジショニングシステム(GPS)などの位置センサーなどの、第1のセンサー124aを含み、患者101および/または患者101の患者デバイス102との相互作用についてのデータを提供してよい。追加的にまたは代替的に、患者101は、心拍センサーもしくはモニター、血圧センサーもしくはモニター、睡眠センサー、活動モニター(例えば、皮膚電位モニター)、皮膚温センサー、発汗モニター、および/または患者デバイス102とコミュニケーションを取る任意の他の適切なセンサーもしくはモニター(例えば、ウェアラブルセンサーもしくはモニター)などの、第2のセンサー124bに接続されてよい。いくつかの実装においては、患者101および患者デバイス102は、送達ポンプ、注入ユニット、インプラント、経口吸収ユニット(例えば、舌下で溶けるフィルムまたは丸薬)、吸入器、鼻腔注入器、他の経粘膜投与ユニットなどの、投与ユニット128とコミュニケーションを取ってよい。例えば、患者デバイス102は、患者101が摂取すべき薬物の投与量に関して、投与ユニット128に推奨および/または指示を伝達してよい。いくつかの例においては、患者デバイス102は、患者101がデータを入力できるように、入力デバイス、例えば、キーボード、マウス、マイクロホン、ディスプレイ116の裏側のタッチセンサー、および/またはカメラを備える。患者デバイス102は、患者デバイス102の機能性を制御するための入力デバイス115(例えば、タッチスクリーン、音声入力、視線入力、ジェスチャー、マウス、トラックパッド、スタイリスト等の1つ以上)を介して患者101からのユーザー入力121を取り込むように構成され、データ処理ハードウェア112とコミュニケーションを取るディスプレイ116に表示された、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)400も実行する。GUI400は、GUI400に複数のオブジェクト/エレメントを提示する患者デバイス102において実行される患者プラットフォーム103に関するインターフェースであってよい。患者デバイス102は、患者101に音声データを出力しうる音声出力デバイス(例えば、スピーカー)を更に含んでもよいし、音声出力デバイスとコミュニケーションを取ってもよい。例として、警報は、1つ以上の処方デジタル治療120に関わる一部の時間的制約のある事象について患者101に通知するスピーカーにより出力されてよい。患者デバイス102は、処方デジタル治療120を起動するための患者101による触覚的選択を受け取るように構成された、患者デバイス102に設けられる物理ボタンを含んでもよい。
【0027】
いくつかの実装においては、患者デバイス102は、治療サービス160との接続を確立するための患者プラットフォーム103を実行し(またはウェブベースの患者アプリケーションにアクセスし)、処方デジタル治療120に対して出されている処方箋123に応じて1つ以上の処方デジタル治療120および/またはサンプル処方デジタル治療125にアクセスする。例として、患者101は、処方箋123がフルデジタル処方治療120に対して出された後のサンプルデジタル処方治療125の第1の期間(例えば、45日)の間、およびフル処方箋123が承認された時点で患者101に処方されたフル処方デジタル治療120の第2の期間(例えば、3カ月)の間、患者プラットフォーム103にアクセスできてよい。ここで、患者デバイス102は、処方デジタル治療120がHCP109により処方されたとき、サンプルアクセスコード126を初めに提供することにより、患者プラットフォーム103を起動してよい。サンプルアクセスコード126により、患者101は、治療サービス160の処方デジタル治療120から提供されたサンプル処方デジタル治療125に関するコンテンツにアクセスできる。
【0028】
サンプル処方デジタル治療125のコンテンツは、具体的には、患者101に表れている1つ以上の特定の徴候に関わる1つ以上の症状を処置する/1つ以上の症状に対処するために適合されてよいが、フル処方デジタル治療120に含まれない、コンテンツおよび/または時間への一定の制限を含んでよい。患者101が治療サービス160からのフル処方デジタル治療120に関するコンテンツにアクセスできるようにするフルアクセスコード104は、処方箋123が承認された時点で発行されてよい。承認には、支払人(すなわち、保険業者)によるサインオフ、治療処方システム100に患者101を位置付ける処理、および患者101の登録が必要とされる可能性がある。追加的にまたは代替的に、フル処方デジタル治療120に対する承認には、患者101にフル処方デジタル治療120が処方されるべきであるとの判断された際に、HCP109によるアクションが必要とされる可能性がある。例えば、HCP109は、試しに患者101にサンプル処方デジタル治療125を処方し、患者101がどのようにサンプル処方デジタル治療125と相互作用するか、および/または患者101がどのように反応するかをモニタリングし、患者101にフル処方デジタル治療120が処方されるべきかどうかを判断してよい。
【0029】
いくつかの実装においては、閾値の時間が経過した(例えば、45日)後、サンプル処方デジタル治療125に対するサンプルアクセスコード126は失効する可能性があり、患者プラットフォーム103は、患者101への処置を継続するため、患者101に処方デジタル治療120に対するフルアクセスコード104の入力を求める可能性がある。いくつかの実装においては、患者プラットフォーム103は、サンプルアクセスコード126が失効する前に、患者101にフルアクセスコード104の入力を促す。例えば、患者プラットフォーム103は、患者101に、サンプルアクセスコード104が失効する2日前に、フル処方デジタル治療120にアクセスするためのフルアクセスコード104を入力するように促してよい。患者101がフルアクセスコード104を入力すると、患者プラットフォーム103は、治療サービス160から、フル処方デジタル治療120を施してよい。しかしながら、患者101がフルアクセスコード104の入力に失敗する(例えば、処方箋123が承認されない)と、患者プラットフォーム103は、サンプルアクセスコード126が失効したとき、サンプル処方デジタル治療125の施行を停止してよい。
【0030】
患者プラットフォーム103は、患者デバイス102のデータ処理ハードウェア112において実行されるとき、患者デバイス102のディスプレイ116にさまざまなGUI400(例えば、
図4A~
図4DのGUI400a~400d)を表示するように構成され、特に、(i)患者101が患者101に関する1つ以上のパラメーター(例えば、患者101がどのように感じているかについての信号(例えば、ストレスを感じている、月経、疲労、睡眠遮断、等))を説明する事象データ122を入力できるようにする;(ii)患者101から情報を求める;(iii)患者101に治療コンテンツ(例えば、認知行動療法(CBT)コンテンツ)を提供する;(iv)患者101がそのHCP109に接触できるようにする;(v)患者101が処方デジタル治療120および/または任意の処方された薬物に対するその処方レジメンに対するその進捗をレビューできるようにする;および/または(vi)見るべきおよび/または編集すべき患者101に関する定期刊行物のエントリーを提示する。いくつかの例によれば、治療コンテンツは、患者101に表れている1つ以上の特定の徴候に関わる1つ以上の症状を処置するように構成されたテキスト、聴覚、視覚、および/または音声/視覚コンテンツを含んでよい。
【0031】
図1および
図2に示すように、ストレージリソース156は、対応する患者記録105における患者101から受け取ったユーザー入力121および事象データ122と、患者101に対して処方される、HCP109が利用可能なそれぞれのサンプル処方デジタル治療125を各々が含む処方デジタル治療120とを保管するためのデジタル治療データベース158(データストレージ158およびデジタル治療データストレージ158とも呼ばれる)を提供してよい。デジタル治療データベース158は、処方デジタル治療120をまとめて保管し、処方デジタル治療120の設計、開発、品質、サポート、および保守コストを簡素化するヘッドレスコンテンツ管理システム(CMS)であってよい。処方デジタル治療120の各々は、デジタル治療コンテンツ159、159a~159nを含むサンプル処方デジタル治療125と、タッチ入力、音声入力、視線入力、ジェスチャー入力、またはマウス、スタイラスペン、もしくはキーボードを介した他の入力技術などのユーザー入力121によって患者101が選択しうるグラフィカルエレメント402を表示するように構成された、対応するGUI400とを含んでよい。デジタル治療データベース158におけるサンプル処方デジタル治療125の各々は、フル処方デジタル治療120におけるデジタル治療コンテンツ159bおよび対応するGUI400と重複しうる、または異なりうる、デジタル治療コンテンツ159aおよび対応するGUI400(
図2)を含んでよい。このように、サンプル処方デジタル治療125は、患者101が、フル処方デジタル治療120が処理/承認されるのを待つ間、患者101に表れている1つ以上の特定の徴候について患者101に処置を施すように適合されるように、デジタル治療コンテンツ159および対応するGUI400を提供してよい。
【0032】
いくつかの実装においては、デジタル治療データベース158は、(例えば、医学データベースからの、HCPからの、ピアレビューされた論文からの)第三者情報を含む。第三者情報は、デジタル治療コンテンツ159と同化され、患者101に表れている徴候を処置するため、対応するGUI400における1つ以上のモジュールを介して患者101に提供されてよい。第三者情報は、デジタル治療コンテンツ159と同化され、患者101に表れている徴候を処置するため、対応するGUI400における1つ以上のモジュールを介して患者101に提供されてよい。例えば、第三者情報を同化することには、第三者情報から実質的な素材を抽出すること、および処方デジタル治療120の所定の基準に合致するように実質的な素材の書式設定、外観、提示等を修正することを含んでよい。つまり、第三者情報は、患者101に第三者情報の少なくとも1つと他の情報との組み合わせが提示されるように、同化されてよい。いくつかの実装においては、処方デジタル治療120は、徴候に特有のデジタル治療120および徴候に依存しないデジタル治療120を含む。これらの実装においては、徴候に依存しないデジタル治療120は、対応するGUI400を含むが、徴候に特有のデジタル治療コンテンツ159を含まない。
【0033】
患者記録105は、患者101の任意の識別情報が非特定化されるようにデータストレージ158に暗号化されて保存されてよいが、後に、患者101または監督しているHCP109が患者記録105を要求したときに解読されてよい(要求者は、公認/認証されて、患者記録105にアクセスすると想定)。患者デバイス102とクラウドコンピューティングシステム150との間のネットワーク106上で伝達される全てのデータは、安全な通信チャネル上で暗号化され、送信されてよい。例として、患者プラットフォーム103は、HTTPSプロトコルを介して治療サービス160を伝達する前に、ユーザー入力121および事象データ122を暗号化し、治療サービス160から受け取った患者記録105を復号化してよい。ネットワーク接続が利用可能でないとき、患者プラットフォーム103は、ネットワーク接続が利用可能になるまで、メモリーハードウェア114内の暗号化されたキューにユーザー入力121および事象データ122を保管してよい。
【0034】
HCPシステム140は、クリニック、医院、またはHCP109により管理された施設に置かれてよく、データ処理ハードウェア142、メモリーハードウェア144、およびディスプレイ146を備える。メモリーハードウェア144およびディスプレイ146は、データ処理ハードウェア142とコミュニケーションを取る。例として、データ処理ハードウェア142は、HCP109が治療サービス160にデータを入力し、治療サービス160からデータを検索できるようにするためのデスクトップコンピューターまたはポータブル電子デバイスに存在してよい。いくつかの例においては、HCP109は、初めに、患者101に処方デジタル治療120を処方する際に患者データ107の一部または全てをオンボードしてよい。HCPシステム140は、キーボード148、マウス、マイクロホン、スピーカー、および/またはカメラを備える。
【0035】
いくつかの実装においては、HCPシステム140は、(すなわち、データ処理ハードウェア142を介して)治療サービス160との接続を確立させ、そこにデータを入力し、そこからデータを検索するために、HCPアプリケーション110を実行する(またはウェブベースの患者アプリケーションにアクセスする)。例として、HCPシステム140は、HCP109が患者101を監督し、対応する患者記録105にアクセスすることを公認されていることを確認する認証トークン108を提供することにより、ストレージリソース156上の治療サービス160によって安全に保存された、非特定化された患者記録105にアクセスできるようにしてよい。認証トークン108は、HCPシステム140が治療サービス160から得ることを許可されている患者記録105に関連する特定の患者101を特定してよい。患者記録105は、患者デバイス102上で実行されている患者プラットフォーム103を通した患者の処方デジタル治療120との相互作用を示す事象データ122と共にタイムスタンプを含んでよい。HCPアプリケーション110は、HCPシステム140のデータ処理ハードウェア142で実行されるとき、HCPシステム140のディスプレイ146にさまざまなグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示するように構成され、特に、HCP109が、患者101に関する1つ以上のパラメーターを説明する事象データ122を入力し、患者101から情報を求め、患者101に関する臨床メモを入力できるようにする。
【0036】
いくつかの実装においては、HCPアプリケーション110は、1人の患者101に対する患者プラットフォーム103とコミュニケーションを取り、患者プラットフォーム103に関するデータを管理すると同時に、患者プラットフォーム103における1つ以上の処方デジタル治療120の各々に関するデータを管理する。他の実装においては、HCPアプリケーション110は、何人かの患者101に関わるいくつかのプラットフォーム103とコミュニケーションを取り、HCPアプリケーション110は、任意の適切な方法で、例えば、異なるビューを切り替えること、および/または特定のデータを同時に表示することにより、何人かの患者101の内の各患者101に対するいくつかのプラットフォーム103に関するデータを管理し、表示してよい。これらの実装においては、いくつかのプラットフォーム103からのデータは、任意の適切な方法で同時に表示されてもよいし、各患者プラットフォーム103からのデータは、HCP109が何人かの患者101に対する別々に表示されたデータを切り替えられるように、別々に表示されてもよい。
【0037】
クラウドコンピューティングリソース150は、スケーラブル/エラスティックリソース152を有する分散システム(例えば、リモート環境)であってよい。リソース152は、コンピューティングリソース154(例えば、データ処理ハードウェア)および/またはストレージリソース156(例えば、メモリーハードウェア)を含む。クラウドコンピューティングリソース150は、患者デバイス102およびHCPシステム140とのコミュニケーションを促進し、データストレージ158内のストレージリソース156にデータを保管するための治療サービス160を実行する。いくつかの例においては、治療サービス160およびデータストレージ158は、スタンドアロンのコンピューティングデバイスに存在する。治療サービス160は、データ処理ハードウェア112で実行可能で、患者101が有効なアクセスコード104を提供したとき、患者デバイス102を介してネットワーク106上でアクセス可能な患者プラットフォーム103(例えば、モバイルアプリケーション、ウェブサイトアプリケーション、または一連の指示を含むダウンロード可能なプログラム)を患者101に提供してよい。同様に、治療サービス160は、データ処理ハードウェア142で実行可能で、HCPシステム140を介してネットワーク106上でアクセス可能なHCPアプリケーション110(例えば、モバイルアプリケーション、ウェブサイトアプリケーション、または一連の指示を含むダウンロード可能なプログラム)をHCP109に提供してよい。
【0038】
図2を参照すると、治療サービス160は、患者101に施すためのフル処方デジタル治療120のそれぞれのサンプル処方デジタル治療125を提供する処方サンプラー(sampler)210を含む。つまり、処方サンプラー210が、利用可能な選択肢として患者101に提示される治療コンテンツ159および対応するGUI400を制御する一方、患者101は、サンプルアクセスコード126を介してサンプル処方デジタル治療125にアクセスできる。優位なことに、サンプル処方デジタル治療125を施すことにより、患者がHCP109を訪問し、処方箋123が書かれるときと、処方箋123が処理/承認されるときとの間のギャップが埋められ、処置に遅れが生じないようになるのに加えて、患者101に処方デジタル治療120に関与する事前の機会が提供される。また、患者プラットフォーム103は、患者101とサンプル処方デジタル治療125との間の関与および相互作用に基づいて、患者101にフル処方デジタル治療120を施す前に、フル処方デジタル治療120を増強してよい。ほんの一例として、サンプル処方デジタル治療125が、患者101が患っている症状を処置する際に特定のモジュールが特に効果的であると示した場合、フル処方デジタル治療120は、このモジュールまたは類似のタイプのモジュールを重視するように増強されてよい。別の例として、サンプル処方デジタル治療125が、患者101が(例えば、視聴覚とは対照的に)テキストモジュールとの相互作用を好むことを示した場合、フル処方デジタル治療120は、任意の視聴覚モジュールをテキストベースのモジュールに変更するように増強されてよい。
【0039】
図示するように、処方サンプラー210は、フル処方デジタル治療120に対して出された処方箋123を受け取り、患者101に表れる徴候に関わる症状を処置する。ここで、処方箋123は、フル処方デジタル治療120のサンプル処方デジタル治療125にアクセスするためのサンプルアクセスコード126を含む。処方サンプラー210は、サンプルアクセスコード126に基づいてデジタル治療データストア158からフル処方デジタル治療120のサンプル処方デジタル治療125を提供し、患者プラットフォーム103にデジタル治療コンテンツ159bおよび対応するGUI400を含むサンプル処方デジタル治療125を提供するように構成されてよい。それに応じて、ユーザーデバイス102の患者プラットフォーム103は、GUI400を介してサンプル処方デジタル治療125を施し、ユーザー101に表れる徴候を処置する。デジタル治療データストア158に関して上述したように、サンプル処方デジタル治療125は、含まれるデジタル治療コンテンツ159に対して一定の制限を含んでよく、これは、フル処方デジタル治療120で利用可能なデジタル治療コンテンツ159とは異なる。
【0040】
治療サービス160は、患者101がサンプル処方デジタル治療125に関与したことを示すユーザー入力121および事象データ122の少なくとも1つを取得し、ユーザー入力データ121および/または事象データ122を分析し、患者101に対する推奨222を判断するように構成された推奨エンジン220を更に含んでよい。HCP109は、この推奨222を使用し、患者101がサンプル処方デジタル治療125からフル処方デジタル治療120に移行すべきかどうかを判断してよい。例えば、推奨222は、患者101がサンプル処方デジタル治療125から恩恵を受け、フル処方デジタル治療120によく反応するであろうことを示すユーザー入力121および事象データ122の少なくとも1つに基づいて、フル処方デジタル治療120に対する処方箋123を書くようにという推奨を含んでよい。これらの例においては、推奨エンジン220により生成された推奨222は、デジタル治療コンテンツ159aおよび対応するGUIを含み、処方デジタルプラットフォーム103を、デジタル治療コンテンツ159a、159bおよび対応するGUI400を伴うフル処方デジタル治療120を含むように変更してよい。推奨エンジン220は、処方デジタル治療プラットフォーム103を、フル処方デジタル治療120を含むように変更するための推奨222を生成する前に、署名(subscription)123が完全に承認/処理されていることを示す、有効なフルアクセスコード104を更に必要としてよい。
【0041】
逆に、推奨エンジン220により生成された推奨222は、ユーザー入力121および事象データ122の少なくとも1つに基づいて、HCP109および/または患者101への、フル処方デジタル治療120に対する処方箋123を取り消す(および/または書かない)ようにという推奨を含んでよい。ここで、推奨エンジン220は、ユーザー入力121および事象データ122の少なくとも1つを分析し、患者101がサンプル処方デジタル治療125から恩恵を受けていない、それ故、処方デジタル治療120の継続使用から恩恵は受けないであろうと判断してよい。
【0042】
図3を参照すると、概略
図300は、時間を表すx軸に設定された患者101、HCP109、およびプラットフォーム160により実施されるプロセスを示す。ここで、プラットフォーム160は、まず、フル処方デジタル治療120のサンプル処方デジタル治療125にアクセスするためのサンプルアクセスコード126を生成してよい。HCP109は、出された処方箋123と共に提供されるサンプルアクセスコード126を受け取ってよい。ここで、患者101は、直ちにサンプルアクセスコード126を入力し、登録を開始してよい。t1で示されるように、患者101は、サンプル処方デジタル治療125へのアクセスを登録する。ここで、サンプル処方デジタル治療125は、t2まで有効である。患者101が登録され、サンプル処方デジタル治療125を使用すると、プラットフォーム160は、患者101が登録したという更新を受け取り、HCP109が患者登録を完了させた後、HCP109からの患者登録を、サンプル処方デジタル治療125を使用する患者101の患者記録と対応させる。時間t2で示されるように、サンプルアクセスが失効した後、プラットフォーム160は、サンプル処方デジタル治療125へのアクセスを終了させる。このように、患者101が(例えば、フルアクセスコード104を介して)フル処方デジタル治療120へのアクセスに登録されると、患者101は、処方デジタル治療の使用を継続する。いくつかの実装においては、患者101は、サンプル処方デジタル治療125へのアクセスが失効するのに先立ち、フルアクセスコード104を入力するように促される。
【0043】
図4A~
図4Dを参照すると、処方デジタル治療120の例示のGUI400a~400dの概略図が、(例えば、処方デジタル治療プラットフォーム103の実行により)1つ以上の徴候に関わる症状を処置するための患者デバイス102のディスプレイ116に表示されている。GUI400a~400dの例は、患者101が入力デバイス115を介して選択しうる1つ以上のグラフィカルエレメント402を含むデジタル治療コンテンツ159を表示するように構成されている。
図2に関して上述したように、デジタル治療コンテンツ159は、サンプル処方デジタル治療125に、フル処方デジタル治療120に、またはその両方に提供されてよく、ここで、デジタル治療コンテンツ159は、患者101に表れている徴候に基づいて、患者101に適合されている。
【0044】
図4Aを参照すると、いくつかの実装においては、徴候に依存しない処方デジタル治療プラットフォーム103を開始させると、徴候に依存しない処方デジタル治療プラットフォーム103は、処方デジタル治療120に関する第1のグラフィカルユーザーインターフェースエレメント402を含む第1のGUI400aを表示する。図示するように、GUI400aは、患者101に対する初期画面を含み、患者101が、患者101のアカウントを更新する、処方デジタル治療120を起動する、または瞑想モジュールなどの徴候に依存しないデジタル治療120にアクセスすることを可能にするグラフィカルユーザーインターフェースエレメント402を提供する。第1のグラフィカルユーザーインターフェースエレメント402は、患者101が処方デジタル治療プラットフォーム103内(すなわち、1つ以上の処方デジタル治療120間)で移動するためのエレメントを更に含んでよい。
【0045】
いくつかの例においては、HCP109は、処方デジタル治療120に対する処方箋123を出す。
図1に関して上述されたように、HCP109のオフィスにいる間に、またはオフィスを出た直後に、患者101は、処方デジタル治療120がHCP109により処方されたとき、サンプルアクセスコード126を受け取ってよい。患者は、グラフィカルユーザーインターフェース402「アクセスコードの有効化」にサンプルアクセスコード126を入力し、サンプル処方デジタル治療125に含まれるデジタル治療コンテンツ159にアクセスしてよい。
図2を参照して上述したように、サンプル処方デジタル治療125は、フル処方デジタル治療120に含まれない、デジタル治療コンテンツ159および/またはアクセスタイムに対する一定の制限を含んでよい。処方デジタル治療120に対して出されている処方箋123に応じて、処方デジタル治療プラットフォーム103は、GUI400を増強し、サンプル処方デジタル治療125に関するデジタル治療コンテンツ159aを含む。言い換えれば、処方デジタル治療プラットフォーム103は、サンプル処方デジタル治療125に関する第2のGUI400bを含むように増強される。
【0046】
以下、
図4Bを参照すると、処方デジタル治療プラットフォーム103は、サンプル処方デジタル治療125の第2のGUI400bを表示する。いくつかの実装においては、処方デジタル治療プラットフォーム103は、患者101が
図4Aのグラフィカルユーザーインターフェースエレメント402にサンプルアクセスコード126を入力するのに応じて、第2のGUI400bを表示する。図示するように、サンプル処方デジタル治療125は、全般不安症(GAD)に関わる症状を処置してよく、処方デジタル治療プラットフォーム103は、第2のGUI400bを介してサンプル処方デジタル治療125のデジタル治療コンテンツ159aを施し、GADを処置する。ここで、第2のGUI400bは、患者101がデジタル治療プラットフォーム103内を移動できるようにするグラフィカルユーザーインターフェースエレメント402を追加的に表示してよい。
【0047】
図示する例においては、第2のGUI400bは、サンプル処方デジタル治療125に対するデジタル治療コンテンツ159aおよび対応するグラフィカルユーザーエレメント402を提供し、グラフィカルユーザーエレメント402の各々は、患者101の対応する感情と関連している。グラフィカルユーザーエレメント402は、GADと診断された典型的な患者が感じうる共通の感情に基づいて、あらかじめ用意されてよい。第2のGUI400bにより、患者101は、現在感じている、または最近感じた特定の感情を入力できる。本例においては、グラフィカルユーザーエレメント402は、「心配」エレメント402、「怒り」エレメント402、「寂しさ」エレメント402、「疲れ」エレメント402、「リラックス」エレメント402、および「元気」エレメント402を含む。グラフィカルユーザーエレメント402は、網羅的なリストを表すのではなく、むしろ(第2のGUI400bを介して)サンプル処方デジタル治療125の一部として含まれうるエレメント400bの例示のリストである。
【0048】
デジタル治療コンテンツ159aを施す一方、患者デバイス102は、患者101が疲れを感じていることを示す「疲れ」エレメント402に対応するユーザー入力121を検出する。ここで、推奨エンジン220(
図2)は、ユーザー入力121を取得し、ユーザー入力121を分析し、患者101に対する推奨22を判断する。上述したように、推奨222は、患者101に対する(処方デジタル治療120を介した)処置のコースを継続するかについての入力としてHCP109に提供されてよい。患者101に対する推奨222の判断に応じて、処方デジタル治療プラットフォーム103は、増強され、第3のGUI400cを介して患者101にフル処方デジタル治療120にアクセスするように促すことを含む。
【0049】
図4Cに示す例においては、処方デジタル治療プラットフォーム103は、グラフィカルエレメント402「フルアクセスが付与されました!以下にアクセスコードを入力して、フルアクセスを開始してください」およびグラフィカルエレメント402「アクセスコードの有効化」を含むGUI400cにプロンプトを生成し、フル処方デジタル治療120に含まれるデジタル治療コンテンツ159にアクセスする。
図2を参照して上述したように、フル処方デジタル治療120は、デジタル治療コンテンツ159へのフル/無制限アクセスを含んでよい。処方デジタル治療120に対して処理/承認されている処方箋123に応じて、処方デジタル治療プラットフォーム103は、GUI400を増強し、サンプル処方デジタル治療125に関する処方デジタルコンテンツ159aに加えて、フル処方デジタル治療120に関する処方デジタルコンテンツ159bを含む。言い換えれば、処方デジタル治療プラットフォーム103は、フル処方デジタル治療120に関する第4のGUI400dを含み、GUI400dを介して患者101にフル処方デジタル治療120を施すように増強される。
【0050】
以下、
図4Dを参照すると、処方デジタル治療プラットフォーム103は、フル処方デジタル治療120のGUI400dを表示する。いくつかの実装においては、処方デジタル治療プラットフォーム103は、患者101が
図4Cのグラフィカルユーザーインターフェースエレメント402にフルアクセスコード104を入力したのに応じて、GUI400dを表示する。図示するように、フル処方デジタル治療120は、サンプル処方デジタル治療125のデジタル治療コンテンツ159a、およびデジタル治療コンテンツ159bを含んでよい。ここで、フル処方デジタル治療120のデジタル治療コンテンツ159bは、患者101にデジタル治療コンテンツ159aに関するグラフィカルユーザーエレメント402の症状のリストに含まれない「追加的な症状」の入力を可能にする追加的な機能を含んでよい。追加的に、サンプル処方デジタル治療125に関するデジタル治療コンテンツ159bは、患者デバイス102が、患者101が疲れを感じていることを示す「疲れ」エレメント402(
図4B)に対応するユーザー入力121を検出したのに基づいて、フル処方デジタル治療120において修正されてよい。
図4Dに示すように、デジタル治療コンテンツ159bにおけるグラフィカルユーザーエレメント402は、患者101とサンプル処方デジタル治療125との間の相互作用に基づいて、より緊密にGADに適合される。
【0051】
図5を参照すると、サンプル処方デジタル治療125を含む処方デジタル治療120を実装する方法500を示すフローチャートが、おおまかに示される。方法500は、少なくとも1つの徴候の処置を含んでよい。方法500は、操作502において、データ処理ハードウェア610により、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)400を含む処方デジタル治療プラットフォーム103を生成することを含む。操作504において、方法500は、ユーザー101に表れる徴候に関わる症状を処置するように構成されたフル処方デジタル治療120に対して、処方箋123が出されたかどうかを判断することを含む。方法500が、操作504において、フル処方デジタル治療120に対して処方箋123が出されなかったと判断すると、方法500は、操作502に戻り、ここで処置が継続されうる。方法500が、504において、フル処方デジタル治療120に対して処方箋123が出されたと判断すると、方法500は、操作506に進む。
【0052】
操作506において、方法500は、フル処方デジタル治療120に対して出されている処方箋123に応じて、データ処理ハードウェア610により、フル処方デジタル治療120のサンプル処方デジタル治療125を提供することを含む。方法500は、操作508において、データ処理ハードウェア610により、GUI400を介してサンプル処方デジタル治療125を施し、ユーザー101に表れる徴候を処置することも含む。方法500は、操作510において、データ処理ハードウェア610により、GUI400を介して、ユーザー101がサンプル処方デジタル治療125に関与したことを示す、患者が生成した事象データ122を受け取ることも含む。
【0053】
操作512において、方法500は、データ処理ハードウェア610により、ユーザー101がサンプル処方デジタル治療120に関与したことを示す患者が生成した事象データ122を分析し、ユーザー101に対する推奨222を判断することを更に含む。ここで、推奨222は、フル処方デジタル治療120に対する処方箋123を書くようにという推奨を含んでよい。ユーザー101に対する推奨222の判断に応じて、方法500は、操作514において、データ処理ハードウェア610により、処方デジタル治療プラットフォーム103を、フル処方デジタル治療120を含むように変更することも含む。操作516において、方法500は、データ処理ハードウェア610により、GUI400を介してフル処方デジタル治療120を施し、ユーザー101に表れる徴候を処置することも含む。方法500が追加的なステップまたは図示されるものより少ないステップを含んでよく、特定のステップが省略されてもよいし、任意の適切な順で実施されてもよいことを理解されたい。
【0054】
以下、
図6を参照すると、ユーザーインターフェースへのアクセスを制御するプロセス600のフロー図が示される。プロセス600は、特に、データ処理ハードウェア112、142、154またはコンピューティングデバイス700など、本明細書において詳述されたコンポーネントの何れかにより実装または実施できる。プロセス600は、本明細書において詳述された操作の何れかを含むことができる。概要を説明すると、プロセス600の下、コンピューティングシステムは、ある状態に対する一連のユーザーインターフェースを特定できる(605)。コンピューティングシステムは、ユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供できる(610)。コンピューティングシステムは、ユーザーに関するデータを受け取ることができる(615)。コンピューティングシステムは、一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスを提供するかどうかを判断できる(620)。アクセスを提供しないという判断がなされたら、コンピューティングシステムは、一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスを提供することを控えることができる(630)。そうではなく、アクセスを提供するという判断がなされたら、コンピューティングシステムは、一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスを提供できる(625)。
【0055】
更に詳細には、コンピューティングシステム(例えば、データ処理ハードウェア112、142、154、治療サービス160、またはコンピューターデバイス700)は、状態に対する一連のユーザーインターフェース(例えば、GUI400)を取得、選択、または特定することができる(605)。一連のユーザーインターフェースは、ユーザー(例えば、患者101)にデジタル治療コンテンツ(例えば、デジタル治療コンテンツ159)の少なくとも一部を提供または提示できる。デジタル治療コンテンツは、一連のユーザーインターフェースの1つ以上との相互作用によって状態を処置もしくは緩和する、または状態に対処するのに使用できる。ユーザーインターフェースの少なくともサブセットは、サンプルデジタル治療(例えば、サンプル処方デジタル治療125)に対応し、ユーザーにデジタル治療コンテンツの対応部分を提示できる。いくつかの実施形態においては、ユーザーインターフェースのサブセットは、徴候に依存しないデジタル治療に対応しうる。一連のユーザーインターフェース全体は、フルデジタル治療(例えば、フル処方デジタル治療120)に対応し、ユーザーにデジタル治療コンテンツ全体を提示できる。いくつかの実施形態においては、一連のユーザーインターフェース全体は、徴候に特有のデジタル治療に対応しうる。
【0056】
デジタル治療コンテンツは、ユーザーに提供され、状態(本明細書において医学的状態または徴候と呼ばれることもある)に対処するデジタル治療(例えば、サンプルまたはフルデジタル治療)に関連しうる。状態の例としては、物質使用障害、オピオイド使用障害、慢性不眠症、アルコール使用障害、統合失調症、全般不安症、大鬱病性障害、双極、心的外傷後ストレス障害、急性痛および慢性痛、片頭痛、多発性硬化症、てんかん、過敏性腸症候群、消化器病学の専門領域(specialty gastroenterology)、がん、または循環器疾患の少なくとも1つが挙げられうる。デジタル治療コンテンツ(例えば、ユーザーインターフェースを介して提供されるサンプルまたはフルデジタル治療)と少なくとも部分的に並行して、ユーザーは、状態に対処する薬物治療(例えば、伝統的な薬物療法)を受けてよい。
【0057】
特定のため、コンピューティングシステムは、リモートサービス(例えば、HCP109)から、デジタル治療(例えば、サンプルまたはフル処方デジタル治療)の少なくとも一部をユーザーに提供する指示(例えば、処方箋123)を検索する、取得する、または受け取ることができる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、ユーザーに関わるユーザーデバイスから指示を受け取ることができる。指示は、リモートサービスに関わるエンティティにより出される処方箋に対応しうる。指示は、ユーザーにおいて対処される状態を参照または特定することができる。いくつかの実施形態においては、指示は、デジタル治療の少なくとも一部にアクセスするためのアクセスコード(例えば、サンプルアクセスコード126)を特定すること、または含むことができる。指示を受け取ると、コンピューティングシステムは、データベース(例えば、デジタル治療データストレージ158)にアクセスし、デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェースを発見、選択、または特定することができる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェースを生成できる。
【0058】
コンピューティングシステムは、ユーザーインターフェースのサブセットに、ユーザーのユーザーデバイス(例えば、患者デバイス102)へのアクセスを許諾、許可、または提供することができる(610)。ユーザーインターフェースのサブセットは、サンプル処方デジタル治療に対応しうる。ユーザーインターフェースのサブセットは、ユーザーにデジタル治療コンテンツの対応部分を提供または提示できる。サンプル処方デジタル治療へのアクセスの提供は、時間窓の間であってよい。いくつかの実施形態においては、コンピューターデバイスは、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体とは異なる少なくとも1つのユーザーインターフェースへのアクセスを提供できる。例えば、サンプル処方デジタル治療に対する少なくとも1つのユーザーインターフェースは、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェースと重複すること、または分けることができる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、更なる指示を受け取るまで、ユーザーデバイスのアクセスを一連のユーザーインターフェース全体の残りの部分に制限することができる。
【0059】
いくつかの実施形態においては、アクセスを提供するため、コンピューティングシステムは、(例えば、処方箋123として出された)指示からアクセスコードを抽出または特定できる。サンプルコードの特定により、コンピューティングシステムは、ユーザーに関わるユーザーデバイスにサンプル処方デジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供するかどうかを判断できる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステム(またはHCP109に関わるリモートシステム)は、ユーザーインターフェースのサブセットにアクセスするためのアクセスコードを作成、出力、または生成することができる。アクセスコードの生成により、コンピューティングシステムは、デジタル治療を提供する指示を受け取ると(例えば、HCP109から処方箋を受け取ると)、アクセスコードを送信、伝達、または提供することができる。コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスを介したアクセスコードの入力またはエントリーに応じて、ユーザーデバイスに、サンプル処方デジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを提供できる。例えば、アクセスコードの提供後、ユーザーは、ユーザーデバイスのアプリケーション(例えば、患者プラットフォーム103)にアクセスコードを入力し、ユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスを得ることができる。
【0060】
アクセスの提供により、コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスのディスプレイ(例えば、ディスプレイ116)を介してユーザーインターフェースのサブセットの1つ以上のユーザーインターフェースを提示または提供できる。例えば、要求に応じて、コンピューティングシステムは、サンプルデジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットの少なくとも1つのユーザーインターフェースを提供できる。いくつかの実施形態においては、アクセスを提供すると、コンピューティングシステムは、タイマーを保持し、サンプル処方デジタル治療へのアクセスの提供またはアクセストークンの提供後に経過した時間を記録することができる。コンピューティングシステムは、経過時間を、サンプル処方デジタル治療へのアクセスを提供する時間窓(または閾値時間)と比較することができる。経過時間が時間窓を超えると、コンピューティングシステムは、時間窓が満了したと特定または判断できる。時間窓の満了を判断すると、コンピューティングシステムは、サンプル処方デジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスをロックまたは制限することができる。そうではなく、経過時間が時間窓を超えなければ、コンピューティングシステムは、経過時間の記録を継続することができる。コンピューティングシステムは、サンプル処方デジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスの提供を継続することもできる。
【0061】
コンピューティングシステムは、ユーザーに関するデータを検索する、特定する、または受け取ることができる(615)。データの受け取りは、サンプル処方デジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットへのアクセスの提供と少なくとも部分的に並行させることができる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスからデータ(例えば、ユーザー入力121または事象データ122)を受け取ることができる。データは、ユーザーによるサンプル処方デジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットの1つ以上のユーザーインターフェースとの相互作用を特定できる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、相互作用を特定するデータに基づいて、ユーザーインターフェースのサブセットに追加する1つ以上のユーザーインターフェース(例えば、GUI400)を特定または選択できる。追加は、サンプル処方デジタル治療に対する時間窓の間に行うことができる。例えば、コンピューティングシステムは、受け取った相互作用データに示されるユーザー状況に基づいて、サンプルデジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットを増強できる。選択により、コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスに、サンプルデジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットに加えて、1つ以上の選択されたユーザーインターフェースへのアクセスを提供できる。
【0062】
コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスに一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスを許諾、許可、または提供するかどうかを特定または判断できる(620)。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、デジタル治療コンテンツの対応部分に対するユーザーインターフェースのサブセットとの相互作用を特定するデータに基づいて、デジタル治療コンテンツ全体へのアクセスを提供するかどうかを判断できる。判断する際、コンピューティングシステムは、ユーザーによるサンプルデジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットとの相互作用が、サンプル処方デジタル治療の時間窓内に基準を満たすかどうかを特定または判断できる。基準は、デジタル治療コンテンツの対応部分に対する1つ以上の状態を特定または定義でき、その下で、ユーザーにフル処方デジタル治療へのアクセスが提供される。例えば、基準は、サンプル処方デジタル治療が状態に関わる症状に対処した際に効果的であったら、または(例えば、相互作用によって測定された)関与の割合が閾値の割合を満たしたら、ユーザーにフル処方デジタル治療が提供されると特定できる。
【0063】
データにおいて特定された相互作用が閾値の関与の割合を超えるとき、コンピューティングシステムは、相互作用が基準を満たすと判断できる。加えて、データが、状態に対処する際、サンプル処方デジタル治療が(例えば、ユーザー入力により示されるように)効果的であると示したとき、コンピューティングシステムは、相互作用が基準を満たすと判断できる。相互作用が基準を満たすと、コンピューティングシステムは、ユーザーにデジタル治療コンテンツ全体へのアクセスが提供されると判断できる。逆に、データにおいて特定された相互作用が閾値の関与の割合を超えないとき、コンピューティングシステムは、相互作用が基準を満たさないと判断できる。加えて、データが、状態に対処する際、サンプル処方デジタル治療が特定のユーザーにおいて効果的でないことを示したとき、コンピューティングシステムは、相互作用が基準を満たさないと判断できる。相互作用が基準を満たさないと、コンピューティングシステムは、ユーザーにデジタル治療コンテンツ全体へのアクセスが提供されないと判断できる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、ユーザーの相互作用に基づいて、特定のユーザーに対してデジタル治療コンテンツがより効果的になるように、デジタル治療コンテンツを修正してよい。
【0064】
いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、リモートサービス(例えば、HCP109)から、デジタル治療全体(例えば、フル処方デジタル治療)へのアクセスを提供する指示の受け取りを待つことにより、アクセスを提供するかどうかを判断できる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、リモートサービス(例えば、HCP109)から、デジタル治療全体(例えば、フル処方デジタル治療)へのアクセスを提供する指示を検索する、特定する、または受け取ることができる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、リモートサービスによるユーザーへのデジタル治療コンテンツ全体の提供の承認に応じて、指示を受け取ることができる。例えば、サンプルデジタル治療に対する処方箋を出した後、リモートサービスに関わるエンティティは、ユーザーの保険業者から承認を受け取ると、フル処方デジタル治療にユーザーを登録することができる。登録すると、リモートサービスは、コンピューティングシステムに、フル処方デジタル治療に対する承認の指示を送信できる。指示を受け取ると、コンピューティングシステムは、ユーザーに一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスが提供されると判断できる。逆に、(例えば、サンプルデジタル治療の時間窓内に)指示を受け取らないと、コンピューティングシステムは、ユーザーに一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスが提供されないと判断できる。
【0065】
アクセスを提供しないという判断がなされたら、コンピューティングシステムは、一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスを提供することを控えることができる(630)。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、データにおいて特定された相互作用が基準を満たさないとき、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスを提供することを控えることができる。コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスにサンプル処方デジタル治療へのアクセスの提供を継続することができる。コンピューティングシステムは、ステップ610からプロセス600を繰り返すことができる。
【0066】
そうではなく、アクセスを提供するという判断がなされたら、コンピューティングシステムは、一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスを許諾、許可、または提供することができる(625)。一連のユーザーインターフェース全体は、ユーザーにデジタル治療コンテンツ全体(例えば、デジタル治療コンテンツ159)を提供または提示できる。フル処方デジタル治療へのアクセスの提供は、ユーザーがサンプル処方デジタル治療を利用可能な時間窓の後に行われてよい。フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体は、サンプル処方デジタル治療に対するユーザーインターフェースのサブセットを含むことができる。一連のユーザーインターフェース全体は、追加的なユーザーインターフェース(例えば、モジュール)を含み、ユーザーの状態を更に処置もしくは緩和する、またはユーザーの状態に対処することができる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、徴候に特有のデジタル治療へのアクセスを提供できる。
【0067】
いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステム(またはHCP109に関わるリモートシステム)は、一連のユーザーインターフェース全体にアクセスするためのアクセスコード(例えば、フルアクセスコード140)を作成、出力、または生成することができる。フル処方デジタル治療に対するアクセスコードは、サンプル処方デジタル治療に対するアクセスコードと異なりうる。アクセスコードの生成により、コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスにアクセスコードを送信、伝達、または提供することができる。コンピューティングシステムは、ユーザーがサンプル処方デジタル治療からフル処方デジタル治療に移行する指示によりアクセスコードを提供できる。コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスを介したアクセスコードの入力またはエントリーに応じて、ユーザーデバイスに、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスを提供できる。例えば、アクセスコードの提供後、ユーザーは、ユーザーデバイスのアプリケーションにアクセスコードを入力し、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスを得ることができる。
【0068】
アクセスの提供により、コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスのディスプレイを介して一連のユーザーインターフェース全体の1つ以上のユーザーインターフェースを提示または提供できる。例えば、要求に応じて、コンピューティングシステムは、フルデジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体の少なくとも1つのユーザーインターフェースを提供できる。いくつかの実施形態においては、アクセスを提供すると、コンピューティングシステムは、タイマーを保持し、フル処方デジタル治療へのアクセスの提供またはアクセストークンの提供後に経過した時間を記録することができる。コンピューティングシステムは、経過時間を、フル処方デジタル治療へのアクセスを提供する時間窓(または閾値時間)と比較することができる。経過時間が時間窓を超えると、コンピューティングシステムは、時間窓が満了したと特定または判断できる。時間窓の満了を判断すると、コンピューティングシステムは、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスをロックまたは制限することができる。そうではなく、経過時間が時間窓を超えなければ、コンピューティングシステムは、経過時間の記録を継続することができる。コンピューティングシステムは、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスの提供を継続することもできる。
【0069】
アクセスの提供と併せて、コンピューティングシステムは、ユーザーに関するデータを検索する、特定する、または受け取ることができる。データの受け取りは、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体へのアクセスの提供と少なくとも部分的に並行させることができる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスからデータ(例えば、ユーザー入力121または事象データ122)を受け取ることができる。データは、ユーザーによるフル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体の1つ以上のユーザーインターフェースとの相互作用を特定できる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、相互作用を特定するデータに基づいて、一連のユーザーインターフェース全体に追加する1つ以上のユーザーインターフェース(例えば、GUI400)を特定または選択できる。追加は、フル処方デジタル治療の時間窓の間に行うことができる。例えば、コンピューティングシステムは、受け取った相互作用データに示されるユーザー状況に基づいて、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体を増強できる。選択により、コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスに、フル処方デジタル治療に対する一連のユーザーインターフェース全体に加えて、1つ以上の選択されたユーザーインターフェースへのアクセスを提供できる。いくつかの実施形態においては、コンピューティングシステムは、データに基づいてユーザーインターフェースの少なくとも1つを修正または変更できる。例として、コンピューティングシステムは、ユーザーインターフェースの1つ以上に対応するモジュールを、視聴覚モジュールからテキストベースのモジュールに変更できる。
【0070】
このようにして、コンピューティングシステムは、デジタル治療コンテンツを提供するための一連のユーザーインターフェースの1つ以上へのユーザーアクセスを規制および制御し、ユーザーのさまざまな状態に対処することができる。デジタル治療への関与またはデジタル治療の有効性を示す、ユーザーについての受け取ったデータに基づいて、コンピューティングシステムは、ユーザーによりアクセスが可能なユーザーインターフェースを動的に漸増または調整し、追加的なデジタル治療コンテンツを提供できる。このようにしてユーザーインターフェースへのアクセスを制御することにより、コンピューティングシステムは、初めからユーザーインターフェースのフルセットを提供することにより無駄になったであろう、コンピューティングリソース(例えば、処理およびメモリー)およびネットワーク帯域の消費を制限または低減できる。加えて、コンピューティングシステムは、リモートサービスを通じた特定のユーザーインターフェースへのアクセスを限定または制限し、それにより、他のコンピューターデバイスの機能性を拡張し、(例えば、安全性または有効性のため)ユーザーデバイスにおけるユーザーインターフェースの提示を制御できる。さらに、ユーザーには初めにフルコンテンツではなくサンプルが提供されるため、コンテンツを全く提供しないこと、またはユーザーに圧倒的な量の一連のユーザーインターフェースを提供することと比較して、コンピューティングシステムは、ユーザーデバイスの機能性および有用性を向上させ、人間とコンピューターの相互作用(HCI)の質を改善させることができる。
【0071】
図7は、本文書に記載のシステムおよび方法を実装するのに使用されうるコンピューティングデバイス700の例の概略図である。コンピューティングデバイス700は、ラップトップコンピューター、デスクトップコンピューター、ワークステーション、携帯情報端末、サーバー、ブレードサーバー、メインフレーム、その他の適切なコンピューターなど、さまざまな形態のデジタルコンピューターを表すことを意図している。ここで示すコンポーネント、それらのつながりおよび関係、ならびにそれらの機能は、例示のみを意図しており、本文書において記載および/または特許請求された本発明の実装を限定する意図はない。
【0072】
コンピューティングデバイス700は、プロセッサ710(例えば、
図1のデータ処理ハードウェア112、142、154)、メモリー720(例えば、
図1のメモリーハードウェア114、144、156)、ストレージデバイス730、メモリー720および高速拡張ポート750に接続される高速インターフェース/コントローラー740、ならびに低速バス770およびストレージデバイス730に接続される低速インターフェース/コントローラー760を含む。コンポーネント710、720、730、740、750、および760の各々は、さまざまなバスを使用して相互接続されており、共通のマザーボードにおいて、または適宜、他の方法で取り付けられてよい。プロセッサ710は、コンピューティングデバイス700内での実行のための指示を処理することができ、指示には、メモリー720またはストレージデバイス730に保存され、高速インターフェース740に連結したディスプレイ780などの外部入出力デバイスにグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)に対するグラフィカル情報を表示する指示が含まれる。他の実装においては、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが、適宜、複数のメモリーおよび複数のタイプのメモリーと共に使用されてよい。また、複数のコンピューティングデバイス700が、必要な操作の一部を提供する各デバイス(例えば、サーバーバンク(server bank)、ブレードサーバーのグループ、またはマルチプロセッサシステム)に接続されてよい。
【0073】
メモリー720は、コンピューティングデバイス700内に非一時的に情報を保管する。メモリー720は、コンピューター読み取り可能な媒体、揮発性メモリーユニット、または不揮発性メモリーユニットであってよい。非一時的メモリー720は、コンピューティングデバイス700による使用のために一時的または永続的に、プログラム(例えば、一連の指示)またはデータ(例えば、プログラムステート情報)を保管するのに使用されるフィジカルデバイスであってよい。不揮発性メモリーの例としては、限定されないが、(例えば、典型的に、起動プログラムなど、ファームウェアに対して使用される)フラッシュメモリーおよび読取専用メモリー(ROM)/プログラム可能型読取専用メモリー(PROM)/消却・プログラム可能型読取専用メモリー(EPROM)/電気的消却・プログラム可能型読取専用メモリー(EEPROM)が挙げられる。揮発性メモリーの例としては、限定されないが、ランダムアクセスメモリー(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリー(SRAM)、相変化メモリー(PCM)、およびディスクまたはテープが挙げられる。
【0074】
ストレージデバイス730は、コンピューティングデバイス700に対してマスストレージを提供可能である。いくつかの実装においては、ストレージデバイス730は、コンピューター読み取り可能な媒体である。さまざまな異なる実装において、ストレージデバイス730は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリーもしくは他の類似のソリッドステートメモリーデバイス、またはストレージエリアネットワークもしくは他の構成のデバイスを含む一連のデバイスであってよい。追加的な実装においては、コンピュータープログラム製品は、情報担体において明白に具現化されている。コンピュータープログラム製品は、実行されたとき、上述した方法など、1つ以上の方法を実施する指示を含む。情報担体は、メモリー720、ストレージデバイス730、またはプロセッサ710のメモリーなど、コンピューター読み取り可能な媒体または機械可読媒体である。
【0075】
高速コントローラー740がコンピューティングデバイス700に対する帯域幅集約型操作を管理する一方、低速コントローラー760はより低い帯域幅集約型操作を管理する。そのような務めの割り当ては、あくまで例示的なものである。いくつかの実装においては、高速コントローラー740は、メモリー720、ディスプレイ780(例えば、グラフィックスプロセッサまたはアクセラレーターによって)、およびさまざまな拡張カード(図示せず)を受け入れうる高速拡張ポート750に連結している。いくつかの実装においては、低速コントローラー760は、ストレージデバイス730および低速拡張ポート790に連結している。さまざまな通信ポート(例えば、USB、Bluetooth、Ethernet、無線Ethernet)を含みうる低速拡張ポート790は、例えば、ネットワークアダプターによって、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナー、またはスイッチもしくはルーターなどのネットワーキングデバイスなど、1つ以上の入出力デバイスに連結してよい。
【0076】
コンピューティングデバイス700は、図に示すように、多数の異なる形態で実装されてよい。例えば、コンピューティングデバイス700は、標準サーバー700aもしくはそのようなサーバー700aが複数存在するグループとして、ラップトップコンピューター700bとして、ラックサーバーシステム700cの一部として、(スマートフォンなどの)モバイルデバイス700dとして、またはタブレット型コンピューター700eとして実装されてよい。
【0077】
本明細書に記載のシステムおよび技術のさまざまな実装は、デジタル電子および/または光回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、コンピューターハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現できる。これらのさまざまな実装には、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび指示を受け取り、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスにデータおよび指示を伝達するために連結された、専用または汎用の、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータープログラムにおける実装を含むことができる。
【0078】
ソフトウェアアプリケーション(すなわち、ソフトウェアリソース)は、コンピューティングデバイスにタスクを実施させるコンピューターソフトウェアを指してよい。いくつかの例においては、ソフトウェアアプリケーションは、「アプリケーション」、「app」、または「プログラム」と呼ばれてよい。アプリケーションの例としては、限定されないが、システム診断アプリケーション、システム管理アプリケーション、システム保守アプリケーション、ワードプロセッシングアプリケーション、スプレッドシートアプリケーション、メッセージングアプリケーション、メディアストリーミングアプリケーション、ソーシャルネットワーキングアプリケーション、およびゲームアプリケーションが挙げられる。
【0079】
これらのコンピュータープログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られる)は、プログラマブルプロセッサに対する機械命令を含み、高水準手続き型および/またはオブジェクト指向プログラミング言語で、および/またはアセンブリ/機械語で実装できる。本明細書において使用するとき、「機械可読媒体」および「コンピューター読み取り可能な媒体」という用語は、機械可読信号として機械命令を受け取る機械可読媒体を含む、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するのに使用される任意のコンピュータープログラム製品、非一時的コンピューター読み取り可能な媒体、装置および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリー、プログラマブル論理デバイス(PLD))を指す。「機械可読信号」という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するのに使用される任意の信号を指す。
【0080】
非一時的メモリーは、コンピューティングデバイスによる使用のために一時的または永続的に、プログラム(例えば、一連の指示)またはデータ(例えば、プログラムステート情報)を保管するのに使用されるフィジカルデバイスであってよい。非一時的メモリーは、揮発性および/または不揮発性のアドレス可能な半導体メモリーであってよい。不揮発性メモリーの例としては、限定されないが、(例えば、典型的に、起動プログラムなど、ファームウェアに対して使用される)フラッシュメモリーおよび読取専用メモリー(ROM)/プログラム可能型読取専用メモリー(PROM)/消却・プログラム可能型読取専用メモリー(EPROM)/電気的消却・プログラム可能型読取専用メモリー(EEPROM)が挙げられる。揮発性メモリーの例としては、限定されないが、ランダムアクセスメモリー(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリー(SRAM)、相変化メモリー(PCM)、およびディスクまたはテープが挙げられる。
【0081】
本明細書に記載のプロセスおよび論理フローは、1つ以上のコンピュータープログラムを実行し、入力データに対して動作し、出力を生成することにより機能を実施する、データ処理ハードウェアとも呼ばれる1つ以上のプログラマブルプロセッサにより実施されうる。プロセスおよび論理フローは、また、特殊用途論理回路、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)により実施されうる。コンピュータープログラムの実行に適したプロセッサの例としては、汎用および特殊用途マイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のデジタルコンピューターの任意の1つ以上のプロセッサが挙げられる。通常、プロセッサは、読取専用メモリーまたはランダムアクセスメモリーまたはその両方から指示およびデータを受け取る。コンピューターの不可欠なエレメントは、指示を実施するためのプロセッサ、ならびに指示およびデータを保管するための1つ以上のメモリーデバイスである。通常、コンピューターは、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスクなど、データを保管するための1つ以上のマスストレージデバイスからデータを受け取るため、または1つ以上のマスストレージデバイスにデータを送るため、またはその両方のため、1つ以上のマスストレージデバイスを含む、または1つ以上のマスストレージデバイスに動作可能に連結する。しかしながら、コンピューターは、そのようなデバイスを有する必要はない。コンピュータープログラムの指示およびデータを保管するのに適したコンピューター読み取り可能な媒体の例としては、半導体メモリーデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリーデバイス;磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク;光磁気ディスク;ならびにCD ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリー、媒体、およびメモリーデバイスが挙げられる。プロセッサおよびメモリーは、特殊用途論理回路により補完されうる、または特殊用途論理回路に組み込まれうる。
【0082】
ユーザーとの相互作用をもたらすため、本開示の1つ以上の態様は、ユーザーに情報を表示するための、ディスプレイデバイス、例えば、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)モニター、またはタッチスクリーン、および任意選択的に、それによりユーザーがコンピューターに入力を提供できるキーボードおよびポインティングデバイス、例えば、マウスまたはトラックボールを有するコンピューターで実装されうる。他の種類のデバイスも、ユーザーとの相互作用をもたらすために使用でき、例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚的フィードバックとすることができ、ユーザーからの入力は、音響、音声、または触覚的入力を含む、任意の形態で受け取られうる。加えて、コンピューターは、ユーザーにより使用されているデバイスにドキュメントを送信し、ユーザーにより使用されているデバイスからドキュメントを受け取ることにより、例えば、ウェブブラウザーから受け取った要求に応じて、ユーザーのクライアントデバイスのウェブブラウザーにウェブページを送信することにより、ユーザーと相互作用することができる。
【0083】
多数の実装が説明された。それでもなお、本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正が可能であることは理解されるであろう。従って、他の実装も、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【外国語明細書】