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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139777
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】ドローン監視制御システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241002BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20241002BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G5/00 A
H04N7/18 D
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024051644
(22)【出願日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】63/454,857
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チェン イユアン
(72)【発明者】
【氏名】リン チェンシュアン
(72)【発明者】
【氏名】イェア シンティエン
【テーマコード(参考)】
5C054
5H181
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CE00
5C054CF08
5C054FC01
5C054FC12
5C054FC14
5C054FC15
5C054HA19
5H181AA20
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB19
5H181CC04
5H181FF11
5H181FF21
5H181FF32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業効率を向上させ、人的資源を削減することができるドローン監視制御システムを提供する。
【解決手段】ドローン監視制御システムは、ドローン、ドローンを運ぶように構成された移動車両、演算装置、および表示装置を含む。ドローンは作業ペイロードとカメラを搭載する。ドローンは、作業ペイロードの出力作業を実行する。演算装置は、カメラによって撮像された第1画像に従って第1環境画像を出力し、目標物の目標位置及び3D地形データを含む作業データセットに従ってドローンの飛行軌跡及び移動車両の移動軌跡を生成し、飛行軌跡に従ってドローンが設定位置に移動するように制御し、目標位置と設定位置との間の距離が予め設定された距離未満である場合に、ドローンが設定位置に留まるように制御する。表示装置は、第1環境画像と3D地形データを表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業ペイロードおよび少なくとも1つのカメラが配置された少なくとも1つのドローンであって、前記少なくとも1つのカメラは、第1画像を撮像するように構成され、前記少なくとも1つのドローンは前記作業ペイロードの出力作業を実行するように構成された、少なくとも1つのドローンと、
前記少なくとも1つのドローンを運ぶように構成された少なくとも1つの移動車両と、
前記少なくとも1つのドローンに接続された演算装置であって、前記少なくとも1つのカメラによって撮像された第1画像に従って第1環境画像を出力し、前記出力作業に対応する作業データセットに従って前記少なくとも1つのドローンの飛行軌跡及び前記少なくとも1つの移動車両の移動軌跡を生成するように構成され、前記作業データセットは、目標物の目標位置と、目標位置の三次元地形データとを含み、前記演算装置は、前記飛行軌跡に従って設定された設定位置に移動するように前記少なくとも1つのドローンを制御し、前記目標位置と前記設定位置との間の距離が予め設定された距離未満である場合に、設定位置に留まるように前記少なくとも1つのドローンを制御するように構成される、演算装置と、
前記演算装置に接続された表示装置であって、前記第1環境画像と前記3次元地形データを表示するように構成された表示装置と、を含む、
ドローン監視制御システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのカメラは、前記少なくとも1つのドローンの異なる位置にそれぞれ配置された複数のカメラであり、前記複数のカメラは、それぞれ、複数の初期画像を取得するように構成され、
前記演算装置は、前記複数の初期画像に基づいて、異なる視野に対応する複数のサブ画像を生成し、前記複数のサブ画像を前記第1環境画像に結合するようにさらに構成される、
請求項1に記載のドローン監視制御システム。
【請求項3】
前記演算装置は、前記少なくとも1つのカメラによって撮像された前記第1画像に対して画像認識を実行して目標物の画像を取得し、前記目標物の画像および前記目標物の基準サイズに従って、前記目標位置と前記設定位置との間の距離を決定するようにさらに構成される、
請求項1に記載のドローン監視制御システム。
【請求項4】
前記予め設定された距離は、前記目標物の高さよりも小さい、
請求項1に記載のドローン監視制御システム。
【請求項5】
前記目標物の高さは予め設定された高さより小さく、前記予め設定された距離は前記目標物の高さより小さくない、
請求項1に記載のドローン監視制御システム。
【請求項6】
前記作業データセットは、前記目標物の種類、前記少なくとも1つの移動車両の複数の駐車位置候補、前記少なくとも1つのドローンの利用可能な飛行時間、前記目標位置における現在の風向および現在の風速、並びに前記目標物の既定の作業時間のうちの少なくとも1つをさらに含む、
請求項1に記載のドローン監視制御システム。
【請求項7】
前記演算装置は、前記少なくとも1つのドローンの出力作業に対応する作業プロセス、前記少なくとも1つのドローンの最短飛行時間、前記少なくとも1つのドローンの離陸位置および着陸位置、前記作業ペイロードの補充タイミング、前記少なくとも1つのドローンの充電時間、および前記少なくとも1つのドローンの充電サイクル数のうちの少なくとも1つを、前記作業データセットに従って生成するようにさらに構成される、
請求項6に記載のドローン監視制御システム。
【請求項8】
前記演算装置は、前記飛行軌跡及び前記移動軌跡を生成するために、前記作業データセットに対して、粒子群最適化アルゴリズム、遺伝的アルゴリズム及びアントコロニー最適化アルゴリズムのうちの少なくとも1つを実行する、
請求項1に記載のドローン監視制御システム。
【請求項9】
前記演算装置は、前記少なくとも1つのドローンの出力作業、前記少なくとも1つのドローンの最短飛行時間、前記少なくとも1つのドローンの離陸位置および着陸位置、前記作業ペイロードの補充タイミング、前記少なくとも1つのドローンの充電時間、および前記少なくとも1つのドローンの充電サイクル数に対応する作業プロセスの少なくとも1つを生成するために、前記作業データセットに対して粒子群最適化アルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、およびアントコロニー最適化アルゴリズムの少なくとも1つを実行する、
請求項7に記載のドローン監視制御システム。
【請求項10】
前記演算装置は、前記少なくとも1つのドローンを制御して前記設定位置に留まるようにした後に、前記少なくとも1つのドローンを制御して前記出力作業を実行するようにさらに構成される、
請求項1に記載のドローン監視制御システム。
【請求項11】
前記演算装置は、前記少なくとも1つのドローンを制御して前記出力作業を実行する前に、前記少なくとも1つのカメラを制御して第2画像を撮像し、前記少なくとも1つのドローンを制御して前記出力作業を実行した後に、前記少なくとも1つのカメラを制御して第3の画像を撮像し、前記第2画像と前記第3の画像とを比較して前記目標物の清浄度レベルを決定するようにさらに構成される、
請求項10に記載のドローン監視制御システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのドローンは、複数のドローンであり、前記少なくとも1つの移動車両は、複数の移動車両であり、前記複数の移動車両は、前記複数のドローンをそれぞれ運ぶように構成され、前記演算装置は、前記複数のドローンのうちの第1ドローンの前記作業ペイロードが予め設定されたペイロードよりも低いと判定した場合、前記演算装置は、前記複数のドローンのうちの第2ドローンを制御して、前記第1ドローンの出力作業を実行するようにさらに構成される、
請求項10に記載のドローン監視制御システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのドローンは、複数のドローンであり、前記少なくとも1つの移動車両は、複数の移動車両であり、前記複数の移動車両は、前記複数のドローンをそれぞれ運ぶように構成され、前記演算装置が、前記複数のドローンのうちの第1ドローンの電力が予め設定された電力よりも低いと判定した場合、前記演算装置は、前記複数のドローンのうちの第2ドローンを制御して、前記第1ドローンの出力作業を実行するようにさらに構成される、
請求項10に記載のドローン監視制御システム。
【請求項14】
前記表示装置は、前記目標位置と前記設定位置との間の距離、現在の風速、現在の風向、現在の気温および現在の光方向のうちの少なくとも1つを表示するようにさらに構成される、
請求項1に記載のドローン監視制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドローン監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の水分、塩分、ホコリの存在により、高圧送電塔、風力タービンのブレード、高層ビルのガラスなど、さまざまな設備の表面には汚れが付着しやすい。
【発明の概要】
【0003】
従って、本開示は、ドローン監視制御システムを提供する。
【0004】
本開示の一実施形態によるドローン監視制御システムは、少なくとも1つのドローンと、少なくとも1つの移動車両と、演算装置と、表示装置とを含む。少なくとも1つのドローンには、作業ペイロード及び少なくとも1つのカメラが配置され、少なくとも1つのカメラは、第1画像を撮像するように構成され、少なくとも1つのドローンは、作業ペイロードの出力作業を実行するように構成される。少なくとも1つの移動車両は、少なくとも1つのドローンを運ぶように構成される。演算装置は、少なくとも1つのドローンに接続され、演算装置は、少なくとも1つのカメラによって撮像された第1画像に従って第1環境画像を出力し、出力操作に対応する作業データセットに従って少なくとも1つのドローンの飛行軌跡及び少なくとも1つの移動車両の移動軌跡を生成するように構成される、ここで、作業データセットは、目標物の目標位置と、目標位置の三次元地形データとを含み、演算装置は、飛行軌跡に従って設定位置に移動するように少なくとも1つのドローンを制御し、目標位置と設定位置との間の距離が予め設定された距離未満である場合に、設定位置に留まるように少なくとも1つのドローンを制御するようにさらに構成される。表示装置は、演算装置に接続され、表示装置は、第1環境画像及び3次元地形データを表示するように構成される。
【0005】
以上の説明から、本開示の1つ以上の実施形態に係るドローン監視制御システムによれば、作業効率を向上させ、人的資源を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示は、以下に示す詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。詳細な説明および添付の図面は、例示のためにのみ与えられており、したがって、本開示を限定するものではない。
図1】本開示の一実施形態によるドローン監視制御システムを示すブロック図である。
図2】本開示の一実施形態によるドローン監視制御システムを示す概略図である。
図3】本開示の別の実施形態によるドローン監視制御システムを示すブロック図である。
図4図4(a)~(c)は、異なる視野に対応するサブ画像を示す模式図であり、図4(d)は、第1環境画像を示す模式図である。
図5】本開示のさらに別の実施形態によるドローン監視制御システムを示すブロック図である。
図6】本開示の一実施形態による、ドローンの協力を制御するかどうかを決定するための概略曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、説明のために、開示された実施形態の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載する。明細書に開示された説明、特許請求の範囲および図面によれば、当業者は本発明の概念および特徴を容易に理解することができる。以下の実施形態は、本発明の様々な態様をさらに説明するものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0008】
図1を参照されたい、ここで、図1は、本開示の実施形態によるドローン監視及び制御システムを示すブロック図である。図1に示すように、ドローン監視制御システム1は、少なくとも1つのドローン10と、少なくとも1つの移動車両11と、演算装置12と、表示装置13とを含む。演算装置12は、ドローン10及び表示装置13に接続されている。
【0009】
ドローン10は、作業ペイロードと、少なくとも1つのカメラ101とを備える。カメラ101は、第1画像を撮像するように構成される。カメラ101は、全方向性カメラであってもよく、カメラ101によって撮像された全方向性の画像(第1画像)が第1環境画像として用いられてもよく、複数のカメラ101が存在してもよく、異なる方向のカメラによって撮像された画像(第1画像)が第1環境画像につなぎ合わされてもよい。ドローン10は、作業ペイロードの出力操作を行うように構成されている。ドローン監視制御システム1が高所清掃作業に使用される場合、作業ペイロードは、水または洗浄液などの液体、または圧縮空気または電気エネルギー蓄積装置を含んでもよく、ドローン監視制御システム1が高層塔の脱錆に使用される場合、作業ペイロードは、錆除去塗料またはレーザー錆除去用の電気エネルギー蓄積装置を含んでもよい。本開示は、作業ペイロードの内容を限定するものではない。出力作業は、目標物への水、洗浄液、錆取り塗料またはエアジェットの噴霧、目標物への指向性電磁波エネルギー(レーザーなど)、音波エネルギーの照射などを含み得る。目標物としては、送電塔(緊張支持型送電塔、懸垂型送電塔等)、風車、高塔、高層ビル、太陽電池パネル等が挙げられる。さらに、目標物としては、電気塔の碍子、風車のブレード、タワーや高層ビルのガラスなどが挙げられる。
【0010】
移動車両11は、ドローン10を支持するように構成された着陸台を有してもよい。換言すれば、移動車両11は、ドローン10を搭載してドローン10を設定された場所に届け、その後、ドローン10が作業ペイロードの出力作業を実行してもよい。設定された場所は、ドローン10が出力作業を行う場所であってもよく、設定された場所は、ドローン10の既定の離陸場所と後述する目標場所との間に位置してもよい。移動車両11は、自動車、船舶、飛行船、自転車及びオートバイのうちの1つ以上を含み得る。
【0011】
演算装置12は、カメラ101によって撮像された第1画像に従って第1環境画像を出力するように構成されており、演算装置12は、カメラ101によって撮像された複数の第1画像を第1環境画像に継ぎ合わせてもよい。演算装置12は、出力操作に対応する作業データセットに従って、ドローン10の飛行軌跡及び移動車両11の移動軌跡を生成し、作業データセットは、目標物の目標位置及び目標位置の3次元地形データを含む。目標物の数は、1つ以上であってもよく、本開示はこれに限定されない。演算装置12は、粒子群最適化(PSO)アルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、およびアントコロニー最適化(ACO)アルゴリズムのうちの少なくとも1つを作業データセットに対して実行し、飛行軌跡および移動軌跡を生成してもよい。
【0012】
例えば、目標物は送電塔であり、出力作業は送電塔の清掃であり、目標位置は送電塔の座標(例えば、緯度及び経度等)を含み、三次元地形データは目標位置の高度、目標物の高さ及び周囲の障害物の高さ等を含み、飛行軌跡は、上述した既定の離陸位置から目標位置まで飛行するドローン10の軌跡を含み、移動軌跡は、現在位置から既定の離陸位置まで移動する移動車両11の軌跡を含み、既定の離陸位置と目標位置との間の距離は、第1プリセット距離より大きくない。
【0013】
演算装置12は、飛行軌跡に従って設定された場所に移動するようにドローン10を制御し、目標位置と設定された場所との間の距離が第2プリセット距離よりも小さい場合に、設定された場所に留まるようにドローン10を制御するようにさらに構成される。演算装置12は、ドローン10が設定位置に留まるように制御した後に、ドローン10が出力作業を行うように制御するようにさらに構成されてもよい。換言すれば、ドローン10が設定された位置に留まるとき、ドローン10は、出力作業の実行を開始してもよい。カメラ101がデプスカメラである場合、演算装置12は、カメラ101を用いてドローン10と目標物との間の距離を算出してもよく、カメラ101がデプスカメラでない場合、演算装置12は、カメラ101によって撮像された第1画像に対して画像認識を実行して目標物の画像を取得し、目標物の画像と目標物の基準サイズ(実寸)とに応じて目標位置と設定位置との間の距離を決定してもよい。例えば、演算装置12は、画像における目標物のサイズと目標物の基準サイズとに応じて縮小率を算出し、縮小率に応じて目標位置と設定位置との間の距離を決定してもよい。設定位置は、飛行軌跡の目的地であってもよく、飛行軌跡の始点は、移動車両11の移動軌跡の目的地(すなわち、デフォルトの離陸位置)であってもよい。
【0014】
目標物の高さがプリセット高さより小さくない場合、第1プリセット距離は第2プリセット距離と等しいか、または第2プリセット距離より大きくてもよく、第2プリセット距離は目標物の高さより小さくてもよい。目標物の高さがプリセット高さより小さい場合、第1プリセット距離は第2プリセット距離と等しいかそれより小さくてもよく、第2プリセット距離は目標物の高さより小さくなくてもよい。例えば、目標物が送電塔である場合、目標物の高さはプリセット高さより小さくなく、目標物がソーラーパネルである場合、目標物の高さはプリセット高さより小さい。プリセット高さは50メートル、第1プリセット距離は40メートル、第2プリセット距離は2メートルから3メートルである。本明細書に記載の高さおよびプリセット距離の値は単なる例示であり、本開示はこれに限定されない。
【0015】
演算装置12は、移動車両11に配置されてもよく、演算装置12はまた、クラウド演算装置であってもよい。演算装置12は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができ、プロセッサは、例えば、中央処理装置、グラフィック処理装置、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ、または信号処理機能を有する任意の他のプロセッサである。
【0016】
表示装置13は、演算装置12が出力した第1環境画像及び三次元地形データを受信し、第1環境画像及び三次元地形データを表示する。表示装置13によって表示される三次元地形データは、文字、数字、地形パターンのうちの1つ以上を含むことができる。また、演算装置12は、気象庁または環境観測所等のサーバに接続し、目標地点における現在の風速、現在の風向、現在の気温、現在の光方向を取得してもよい。さらに、表示装置13は、目標位置と設定位置との間の距離、目標位置における現在の風速、目標位置における現在の風向、目標位置における現在の気温、目標位置における現在の光方向、ドローンの残りの作業ペイロード、およびドローンの残りの電力を表示するようにさらに構成されてもよい。一実施形態において、表示装置13は、少なくとも1つ又は複数のフラットパネルモニタ、湾曲モニタ、プロジェクタ、ヘッドマウント表示装置又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0017】
本開示の1つまたは複数の実施形態によるドローン監視制御システムによって、作業効率が向上し、人的資源が削減される可能性がある。
【0018】
一実施形態において、作業データセットは、目標物の種類、移動車両11の複数の駐車位置候補、ドローン10の利用可能な飛行時間、目標位置における現在の風向及び現在の風速、及び目標物のデフォルトの操作時間のうちの少なくとも1つをさらに含み得る。演算装置12は、目標位置に最も近い駐車位置候補のうちの1つをデフォルトの離陸位置として使用してもよい。さらに、作業データセットは、操作範囲(例えば、目標位置を中心とし、第2プリセット距離を半径とする範囲)における目標物と同じ種類の物体の位置、当該物体の種類(例えば、電圧の種類、碍子の数、碍子の紐の数および碍子の掛け方等)、および出力操作等の推定操作継続時間をさらに含んでもよい。演算装置12は、さらに、作業データセットに従って、出力操作に対応するドローン10の操作プロセス、ドローン10の最短飛行時間、ドローン10の既定の離陸位置及び既定の着陸位置、作業ペイロードの補充タイミング、ドローン10の充電時間、及びドローン10の充電サイクル数の少なくとも1つを生成してもよく、演算装置12は、作業データセットに対して、粒子群最適化アルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、及びアントコロニー最適化アルゴリズムのうちの少なくとも1つを実行して、上述の操作プロセスなどのデータを生成し得る。
【0019】
従って、ドローン監視制御システムは、出力操作の空間情報、目標位置及びドローンの耐久性に基づいて、ドローンの飛行軌跡、飛行回数、作業ペイロードの補充タイミング、バッテリーの交換回数等を計画することを含む出力操作を計画することができる。
【0020】
一実施形態において、演算装置12は、ドローン10を制御して出力作業を実行する前に、カメラ101を制御して第2画像を撮像し、ドローン10を制御して出力作業を実行した後に、カメラ101を制御して第3の画像を撮像し、第2画像と第3の画像とを比較して目標物の清浄度レベルを決定してもよい。具体的には、演算装置12は、第2画像における複数のブロックと、第3の画像における複数の対応するブロックとを比較して、清浄度レベルを決定してもよい。或いは、演算装置12は、色特徴値及びスケール不変特徴変換(SIFT)特徴値アルゴリズムを通じて、清浄な目標物画像及び清浄でない目標物画像の分類を学習し、その後、第3の画像の対応する清浄度レベルを決定してもよい。
【0021】
図1及び図2を参照されたい、図2は、本開示の一実施形態によるドローン監視及び制御システムを例示する概略図である。図2は、図1に対応する例示的な概略図を示す。図2に示されるように、移動車両11は、ドローン10を運ぶように構成された着陸プラットフォーム111を含んでもよく、表示装置13は、移動車両11の内部に配置される。図2の例では、演算装置12はクラウド演算装置であるが、演算装置12は移動車両11の内部に配置されてもよく、本開示はこれに限定されない。
【0022】
さらに、ドローン監視制御システムは、移動車両11の内部に配置された供給チャンバをさらに含んでもよい。供給チャンバは、作業ペイロードを備えてもよい。したがって、ドローン10が着陸プラットフォーム111に着陸すると、ドローン10の作業ペイロードが補給されてもよい。
【0023】
図3を参照されたい、ここで、図3は、本開示の別の実施形態によるドローン監視及び制御システムを示すブロック図である。図3に示すように、ドローン監視制御システム2は、少なくとも1つのドローン20と、少なくとも1つの移動車両21と、演算装置22と、表示装置23とを含む。演算装置22は、ドローン20及び表示装置23に接続されている。移動車両21、演算装置22及び表示装置23は、それぞれ、図1及び図2に示す移動車両11、演算装置12及び表示装置13と同じであってもよく、それらの詳細は本明細書では繰り返さない。
【0024】
ドローン20は、第1カメラ201及び第2カメラ202を含む。第1カメラ201及び第2カメラ202は、演算装置22に接続されている。第1カメラ201及び第2カメラ202は、それぞれ、ドローン20の異なる位置に配置される。第1カメラ201及び第2カメラ202は、複数の初期画像を取得するように構成される。演算装置22はさらに、異なる視野を有する初期画像を使用して第1環境画像を生成するように構成される。言い換えれば、第1カメラ201は、第1初期画像を取得するように構成されてもよく、第2カメラ202は、第2初期画像を取得するように構成されてもよい。演算装置22は、第1初期画像及び第2初期画像に対して画像追跡アルゴリズムを実行して、第1初期画像及び第2初期画像内の目標物及びドローン20の少なくとも一方を決定し、第1初期画像及び第2初期画像を第1環境画像に繋ぎ合わせてもよい。
【0025】
図3に示したカメラの数は単なる一例であり、ドローンのカメラの数は2つ以上であってもよく、本開示はこれに限定されないことに留意すべきである。
【0026】
図4(a)~図4(d)を参照されたい、図4(a)~図4(c)は、異なる視野に対応するサブ画像を示す概略図であり、図4(d)は、第1環境画像を示す概略図である。図4(a)は、カメラがドローン20内に配置される、第1視野に対応する第1サブ画像を示し、図4(b)は、カメラが別のドローンの外側に配置される、第2視野に対応する第2サブ画像を示し、図4(c)は、カメラが移動車両の外側に配置される、第3の視野に対応する第3のサブ画像を示す。第1視野は、ドローン20の正面図であってもよく、第2視野は、別のドローンの上面図であってもよく、第3の視野は、移動車両の正面図であってもよい。図4(d)に示される第1環境画像は、演算装置が複数の初期画像を変形及びスプライシングすることによって生成された画像であってもよい。演算装置は、第1サブ画像から第3のサブ画像の各々が目標物A1及びドローン20の少なくとも一方を提示するように、カメラによって撮像された画像に対して画像追跡アルゴリズムを実行してもよい。さらに、上述したように、ドローン20のカメラはデプスカメラであってもよく、演算装置は、カメラを通じて第1サブ画像に対応する深度情報を決定してもよく、さらに、演算装置は、第2サブ画像及び第3のサブ画像に対して画像認識を実行して、ドローン20と目標物A1との間の距離を決定してもよい。
【0027】
図4(d)に示すように、表示装置によって表示される第1環境画像は、第1サブ画像IMG1~第5のサブ画像IMG5を含んでもよい。例えば、第1サブ画像IMG1は、図4(a)に示すような第1サブ画像であってもよく、第2サブ画像IMG2は、図4(b)に示すような第2サブ画像であってもよく、第3サブ画像IMG3は、図4(c)に示すような第3サブ画像であってもよく、第4サブ画像IMG4は、正面図に対応する画像であってもよく、第5サブ画像IMG5は、背面図に対応する画像であってもよい。なお、第1サブ画像IMG1~第5サブ画像IMG5の例は単なる例示であり、本開示は、各サブ画像の視野や、第1環境画像における各サブ画像の配置位置を限定するものではない。
【0028】
また、第1サブ画像IMG1~第5サブ画像IMG5のうちの複数が、複数方向の複数のカメラによって撮像された画像であってもよい。例えば、前記複数の方向は、カメラの正面視、背面視、右側面視、左側面視、平面視、及び底面視を含むことができる。
【0029】
図5を参照されたい、ここで、図5は、本開示のさらに別の実施形態によるドローン監視制御システムを示すブロック図である。図5に示すように、ドローン監視制御システム3は、第1ドローン30と、第1移動車両31と、第2ドローン32と、第2移動車両33と、演算装置34と、表示装置35とを含む。演算装置34は、第1ドローン30、第2ドローン32及び表示装置35に接続されている。演算装置34及び表示装置35は、それぞれ図1及び図2に示す演算装置12及び表示装置13と同じであってもよく、それらの詳細は本明細書では繰り返さない。
【0030】
第1移動車両31は第1ドローン30を運ぶように構成され、第2移動車両33は第2ドローン32を運ぶように構成される。第1ドローン30にはカメラ301が配置され、第2ドローン32にはカメラ321が配置される。第1ドローン30及び第2ドローン32は、図1及び図2に示すドローン10と同じであってもよく、カメラ301及び321は、図1及び図2に示すカメラ101と同じであってもよい。
【0031】
演算装置34は、第1ドローン30及び第2ドローン32のうち、第1ドローン30の作業ペイロードが予め設定されたペイロードよりも低いと判定した場合に、第1ドローン30の出力作業を行うように第2ドローン32を制御するように構成され得る。
【0032】
具体的には、演算装置34は、作業ペイロードの残量、電力残量及び飛行軌跡等を含む全ての操作しているドローンの状態情報を収集し、収集された情報に従って、各操作の出力作業を再度計画することができる。例えば、演算装置34が、第1ドローン30の作業ペイロードが予め設定されたペイロードより低いと判定した場合、第2ドローン32の作業ペイロードは予め設定されたペイロードより低くなく、第2ドローン32の作業ペイロードは、第1ドローン30の残りの出力作業の少なくとも一部を継続するのに十分であり、演算装置34は、第1ドローン30を制御して第1移動車両31に戻り、第1ドローン30の作業ペイロードを補充し、第2ドローン32を制御して第1ドローン30の残りの出力作業を引き継ぐことができる。
【0033】
さらに、第1ドローン30及び第2ドローン32のうち第1ドローン30の電力がプリセット電力よりも低いと判定した場合、演算装置34は、第2ドローン32が第1ドローン30の出力作業を行うように制御するように構成されてもよい。同様に、演算装置34は、第1ドローン30の電力がプリセット電力より低いと判定した場合、第2ドローン32の電力がプリセット電力より低くなく、第1ドローン30の残りの出力作業の少なくとも一部を引き継ぐのに十分であると判定した場合、演算装置34は、第1ドローン30を充電するために第1移動車両31に戻るように第1ドローン30を制御し、第1ドローン30の残りの出力作業を引き継ぐように第2ドローン32を制御してもよい。
【0034】
図5及び図6を参照されたい、ここで、図6は、本開示の一実施形態によるドローン連携を制御するか否かを決定するための概略曲線図である。図6は、第1ドローン30の動作状態を示す。図6によれば、演算装置34は、作業ペイロード及び電力の計画量と実際の搭載量との差、並びに出力作業の完了度合いを用いて、第1ドローン30の残りの出力作業を引き継ぐように第2ドローン32を制御するか否かを判定することができる。
【0035】
図6において、曲線S0は出力作業の完了度合いを表し、曲線S1は計画電力使用量を表し、曲線S1’は実際の電力使用量を表し、曲線S2は計画作業ペイロード使用量を表し、曲線S2’は実際の作業ペイロード使用量を表す。
【0036】
時点t1を例にとると、曲線S1と曲線S1’との差が既定値よりも大きく、第1ドローン30の電力が残りの出力作業を終了するのに十分でないと演算装置34が判断した場合、演算装置34は、第2ドローン32の残りの電力に応じて、第1ドローン30の残りの出力作業を引き継ぐように第2ドローン32を制御するか否かを判断することができる。
【0037】
また、時点t1を例にとると、曲線S2と曲線S2’との差が既定値よりも大きく、第1ドローン30の作業ペイロードが残りの出力作業を終了するのに十分でないと演算装置34が判断した場合、演算装置34は、第2ドローン32の残りの作業ペイロードに応じて、第1ドローン30の残りの出力作業を引き継ぐように第2ドローン32を制御するか否かを決定してもよい。
【0038】
図5に示した移動車両及び無人機の数は単なる一例であり、移動車両及びドローンの数は2つ以上であってもよく、ドローンの数は移動車両の数と異なっていてもよく、本開示はこれに限定されない。
【0039】
例えば、目標物の数が3つであってもよく、3つの目標位置はいずれも道路から遠く離れているため、ドローンの飛行距離が長くなる。したがって、演算装置は、出力作業を実行するために、1つの移動車両が2つのドローンを搭載する必要があると計算することができる。別の実施形態では、目標物の数は4つであり、4つの目標位置は全て道路に近く、これによりドローンの飛行距離が短くなる。したがって、演算装置は、1つの移動車両が出力作業を実行するために3つのドローンを運ぶ必要があると計算することができる。さらに、1台の移動車両に複数のドローンを配置した例では、ドローンの既定の離陸位置は互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく、ドローンの既定の着陸位置は互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0040】
以上のことから、本開示の一又は複数の実施形態に係るドローン監視制御システムによれば、作業効率の向上及び人的資源の削減を図ることができる。さらに、ドローン監視制御システムは、出力作業の空間情報及びドローンの耐久性等のデータに基づいて、ドローンの飛行軌跡、飛行回数、作業ペイロードの補充タイミング、バッテリーの交換回数等を計画することを含む、出力作業を計画してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】