(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139802
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】スクロール型圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04C 18/02 20060101AFI20241003BHJP
F16K 31/126 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F04C18/02 311X
F16K31/126 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050707
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000133652
【氏名又は名称】株式会社テージーケー
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓介
(72)【発明者】
【氏名】菅村 領太
(72)【発明者】
【氏名】利根川 正明
(72)【発明者】
【氏名】梅谷 将史
【テーマコード(参考)】
3H039
3H056
【Fターム(参考)】
3H039AA02
3H039AA04
3H039AA12
3H039BB28
3H039CC02
3H039CC03
3H039CC24
3H039CC28
3H039CC29
3H039CC30
3H056AA01
3H056BB24
3H056CA07
3H056CB03
3H056CC17
3H056CD03
3H056CD06
3H056EE01
3H056GG01
3H056GG03
(57)【要約】
【課題】スクロール型圧縮機における背圧制御に関し、吐出圧力に応じた背圧制御の制御特性を維持しつつ、吸入圧力依存性を高める。
【解決手段】圧縮機100は、固定スクロールと可動スクロールとが背圧室の圧力によって互いに押し付けられ、吸入室に導入された流体を両スクロール間に形成される圧縮室にて圧縮し、吐出室から吐出するスクロール型圧縮機である。この圧縮機は、吐出室から背圧室へ導入する流体の流量を制御する第1弁と、背圧室から吸入室へ導出する流体の流量を制御する第2弁と、を備える。第1弁および第2弁の少なくとも一方が、内部に基準圧力が満たされた感圧部を有し、その感圧部に作用する圧力に応じて開閉する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定スクロールと可動スクロールとが背圧室の圧力によって互いに押し付けられ、吸入室に導入された流体を両スクロール間に形成される圧縮室にて圧縮し、吐出室から吐出するスクロール型圧縮機であって、
前記吐出室から前記背圧室へ導入する流体の流量を制御する第1弁と、
前記背圧室から前記吸入室へ導出する流体の流量を制御する第2弁と、
を備え、
前記第1弁および前記第2弁の少なくとも一方が、内部に基準圧力が満たされた感圧部を有し、前記感圧部に作用する圧力に応じて開閉することを特徴とするスクロール型圧縮機。
【請求項2】
前記第2弁は、
前記背圧室に連通する制御圧力室と、前記吸入室に連通する吸入圧力室と、前記制御圧力室と前記吸入圧力室とを連通させる弁孔とを有し、前記感圧部が設けられたボディと、
前記弁孔に近接又は離間することにより弁部の開度を調整する弁体と、
を備え、
前記感圧部が前記吸入圧力室の吸入圧力を感知して変位又は変形することで、前記弁体を前記弁部の開閉方向に変位させることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
【請求項3】
前記感圧部は、感圧部材として、前記基準圧力が満たされる基準圧力室と前記吸入圧力室とを仕切るように配置されるダイヤフラムを含むことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクロール型圧縮機に関し、特に固定スクロールと可動スクロールとを互いに押し付けるための背圧を制御する制御弁を備える圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動圧縮機として、固定スクロールと可動スクロールを備えたスクロール型圧縮機が知られている(特許文献1参照)。この圧縮機は、吸入室に導入された流体を両スクロール間に形成される圧縮室に導いた後、可動スクロールを回転させる。それにより、圧縮室の容積を徐々に小さくすることで流体を圧縮できる。圧縮された流体は、吐出室から導出される。可動スクロールに対して固定スクロールとは反対側に背圧室が設けられている。その背圧室の圧力(「背圧」ともいう)により両スクロールが互いに押し付けられることで、圧縮性能が確保されている。すなわち、圧縮運転中の圧力上昇により両スクロールが離れることによる圧縮不良が防止されている。
【0003】
このような圧縮機は一般に、背圧の制御応答性を高めるべく、高圧である吐出室の圧力(「吐出圧力」ともいう)を利用して背圧を高める。ただし、背圧が必要以上に高くなると、両スクロール間の摩擦抵抗が大きくなり、動力損失が大きくなる。そこで、吐出室と背圧室との間に制御弁を設け、吐出圧力に応じて背圧を制御する、つまり吐出圧力と背圧とが概ね比例関係を有するような制御特性が実現されている(特許文献2参照)。
【0004】
特許文献2の制御弁では、ボディの一端側から吐出室に連通する弁孔、背圧室に連通する第1圧力室、吸入室に連通する吸入圧力室、基準圧力として大気が導入される基準圧力室、および背圧室に連通する第2圧力室が設けられている。ボディの軸線に沿って弁体と一体変位可能な可動体が設けられている。可動体は3つのセグメント(第1~第3セグメント)が直列に連結して構成される。第1セグメントは、ボディ内の隔壁を摺動可能に貫通し、その先端に弁体が設けられる。第2セグメントおよび第3セグメントは、それぞれ周縁部のゴムを介してボディの内面と流体シール方式で連結されている。
【0005】
弁孔と隔壁との間に第1圧力室が形成され、隔壁と第2セグメントとの間に吸入圧力室が形成される。第2セグメントと第3セグメントとの間に基準圧力室が形成され、第3セグメントの基準圧力室とは反対側に第2圧力室が形成される。基準圧力室は大気に開放される。このような構成により、第2セグメントで圧縮機の吸入圧力を感知しつつ、背圧を制御できる。すなわち、吐出圧力に応じた背圧の変化を表す制御特性を維持しつつ、その背圧を吸入圧力の変化に応じた要求値に近づけることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-150835号公報
【特許文献2】特表2018-536110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の圧縮機では、制御弁が直接的には吐出圧力の導入量を制御するものであるため、吸入圧力が低下したときに背圧が上記要求値に到るまでに時間を要し、応答性の面では改善の余地があった。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、スクロール型圧縮機における背圧制御に関し、吐出圧力に応じた背圧制御の制御特性を維持しつつ、吸入圧力依存性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様は、固定スクロールと可動スクロールとが背圧室の圧力によって互いに押し付けられ、吸入室に導入された流体を両スクロール間に形成される圧縮室にて圧縮し、吐出室から吐出するスクロール型圧縮機である。この圧縮機は、吐出室から背圧室へ導入する流体の流量を制御する第1弁と、背圧室から吸入室へ導出する流体の流量を制御する第2弁と、を備える。第1弁および第2弁の少なくとも一方が、内部に基準圧力が満たされた感圧部を有し、その感圧部に作用する圧力に応じて開閉する。
【0010】
この態様によれば、圧縮機において第1弁の開度を調整することにより、吐出圧力に応じた背圧制御の制御特性を実現できる。また、第2弁の開度を調整することにより、その制御特性を吸入圧力の変化に追従させることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スクロール型圧縮機における背圧制御に関し、吐出圧力に応じた背圧制御の制御特性を維持しつつ、吸入圧力依存性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る圧縮機を含む冷凍サイクルを概略的に表す図である。
【
図3】制御弁(第1弁)の構成を示す断面図である。
【
図4】制御弁(第2弁)の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。
【0014】
図1は、実施形態に係る圧縮機を含む冷凍サイクルを概略的に表す図である。
図2は、
図1のA-A矢視断面図である。
図1に示すように、圧縮機100は、モータにより駆動されるスクロール型圧縮機であり、自動車用空調装置の冷凍サイクルに設置される。本実施形態の空調装置は、高圧で作動する二酸化炭素を冷媒とするいわゆる超臨界冷凍サイクルを備える。この空調装置は、冷凍サイクルを循環する気相状態の冷媒を圧縮する圧縮機100、圧縮された高温高圧の気相状態の冷媒を冷却する外部熱交換器としてのガスクーラ102、冷却された冷媒を断熱膨張させて減圧する膨張装置104、膨張された冷媒を蒸発させて蒸発潜熱を奪って車室内の空気を冷却する蒸発器106、蒸発された冷媒を気液分離し、分離された気相状態の二酸化炭素を圧縮機100に戻す受液器108を備える。
【0015】
圧縮機100は、そのハウジング110内にスクロールユニット112、スクロールユニット112を駆動するモータ114、モータ114の回転数を制御するインバータ116、およびスクロールユニット112の背圧を制御する制御弁1,2を備える。制御弁1が「第1弁」として機能し、制御弁2が「第2弁」として機能する。ハウジング110は、センターハウジング118と、センターハウジング118の前端側に接合されたフロントハウジング120と、センターハウジング118の後端側に接合されたリアハウジング122とを組み付けて構成される。
【0016】
センターハウジング118の内方にスクロールユニット112が配置されている。スクロールユニット112は、固定スクロール124と可動スクロール126とを軸線方向に対向配置して構成される。固定スクロール124は、段付円板状のベース128と、ベース128の前面に渦巻状に立設されたラップ130を有する。ベース128は、センターハウジング118とリアハウジング122とに挟持されるようにしてハウジング110に固定されている。ベース128は、センターハウジング118の後端部を概ね閉止している。ベース128とリアハウジング122との間には吐出室132が形成される。ベース128の中央を軸線方向に貫通するように吐出通路134が形成されている。ベース128の裏面側には、リリーフ弁136が設けられている。リリーフ弁136は、一方向弁であり、吐出通路134の吐出室132側の開口端を開閉する。
【0017】
可動スクロール126は、段付円板状のベース138と、ベース138の後面に渦巻状に立設されたラップ140を有する。ラップ140は、固定スクロール124のラップ130と噛みあい、両者の間に圧縮室142が形成される。可動スクロール126の前面中央部が円ボス状に突出し、ブッシュ144が回転可能に嵌合している。ブッシュ144には、モータ114の回転軸146が接続されている。
【0018】
センターハウジング118における前壁148の中央部がフロントハウジング120側に膨出し、その内方に軸受150が設けられている。前壁148の先端中央に挿通孔152が設けられ、回転軸146がその挿通孔152および軸受150を貫通している。前壁148と可動スクロール126との間には、環状のスラストプレート154が配置されている。前壁148は、可動スクロール126からのスラスト力を、そのスラストプレート154を介して受ける。前壁148と可動スクロール126とに囲まれる空間が背圧室156を形成する。固定スクロール124と可動スクロール126とは、背圧室156の圧力(背圧Pb)によって互いに押し付けられる。
【0019】
前壁148とスラストプレート154との間にはシールリング158が介装され、可動スクロール126とスラストプレート154との間にはシールリング160が介装されている。一方、挿通孔152と軸受150との間にはシール部材162(リップシール)が配設されている。このような構成により、背圧室156の密封性(シール性)が確保されている。
【0020】
フロントハウジング120は、隔壁164により吸入室166と制御室168とに区画されている。吸入室166にモータ114が収容され、制御室168にインバータ116が収容されている。制御室168は、ハウジング110の前端部に位置し、カバー170により閉止されている。隔壁164の後面中央には円ボス状の支持部165が突設され、軸受167(滑り軸受)が圧入されている。
【0021】
モータ114は、例えば三相交流モータであり、回転軸146と、回転軸146と一体に設けられたロータ172と、フロントハウジング120に固定されたステータ174を含む。例えば、図示しない車載バッテリから供給される直流電流がインバータ116により交流電流に変換され、モータ114に供給される。
【0022】
回転軸146は、その前端側が軸受167に支持され、後端側が軸受150に支持されている。回転軸146の後端には、その中心軸から偏心した位置に円柱状の偏心連結部178が突設されている。偏心連結部178は、ブッシュ144を介して可動スクロール126に連結されている。回転軸146の後端部には、バランスウェイト180が一体に設けられている。バランスウェイト180は、可動スクロール126の公転に伴う遠心力を相殺する。
【0023】
フロントハウジング120には、吸入室166へ冷媒を導入するための入口通路182が設けられている。センターハウジング118には、圧縮室142の入口につながる吸入圧空間184と吸入室166とを連通させる連通路186が形成されている。
【0024】
リアハウジング122には、吐出室132、取付孔187および取付孔188が区画形成されている。制御弁1は、取付孔187に挿入されるように取り付けられる。制御弁2は、取付孔188に挿入されるように取り付けられる。リアハウジング122にはまた、吐出室132からガスクーラ102側へ吐出冷媒を導出するための出口通路190が設けられている。
【0025】
リアハウジング122にはさらに、吐出室132と取付孔187とを連通させる連通路191、背圧室156と取付孔187とを連通させるための連通路193、および吸入圧空間184と取付孔187とを連通させるための連通路195が設けられている。後述のように、制御弁1には吐出室連通ポート、背圧室連通ポートおよび吸入室連通ポートが設けられている。連通路191は吐出室連通ポートと連通し、連通路193は背圧室連通ポートと連通し、連通路195は吸入室連通ポートに連通する。連通路193は、センターハウジング118に形成された連通路197を介して背圧室156に連通する。連通路195は、ベース128に形成された連通孔199を介して吸入圧空間184に連通する。また、取付孔187の開口端部と背圧室連通ポートとを連通させるための連通路200が形成されている。
【0026】
一方、リアハウジング122には、背圧室156と取付孔188とを連通させるための連通路194、および吸入圧空間184と取付孔188とを連通させるための連通路196が設けられている。後述のように、制御弁2には背圧室連通ポートおよび吸入室連通ポートが設けられている。連通路194は背圧室連通ポートと連通し、連通路196は吸入室連通ポートに連通する。連通路194は、センターハウジング118に形成された連通路198を介して背圧室156に連通する。
【0027】
以上のように構成された圧縮機100は、入口通路182を介して吸入室166に導入された吸入圧力Psの冷媒を、スクロールユニット112の圧縮室142に導入する。
図2に示すように、固定スクロール124と可動スクロール126とを噛みあわせることにより、ラップ130,140間に圧縮室142a,142b(これらを総称して「圧縮室142と表記する」)が形成されている。
【0028】
可動スクロール126の旋回運動に伴ってその冷媒が吸入圧空間184に吸入され、圧縮室142の入口に導かれる。可動スクロール126が旋回運動することで、各圧縮室142が外周側から中央へ向けて容積を減少しながら移動する。その過程で圧縮室142内の冷媒が徐々に圧縮され、高温・高圧となる。この冷媒は、圧縮室142が吐出通路134との導通位置に達することで吐出圧力Pdの冷媒として吐出室132に吐出される。この吐出冷媒は、出口通路190からガスクーラ102へ向けて導出される。その吐出冷媒の一部は、制御弁1を介して背圧室156に導入され、背圧制御に供される。すなわち、制御弁1が吐出室132から背圧室156へ導入する冷媒の流量を制御し(入れ制御)、制御弁2が背圧室156から吸入室166へ導出する冷媒の流量を制御する(抜き制御)。それにより、背圧室156の圧力(背圧Pb)を調整できる。
【0029】
図3は、制御弁1の構成を示す断面図である。
制御弁1は、段付円筒状のボディ5を有する。ボディ5には、その上端側からポート10,12,14が設けられている。ポート10は「吐出室連通ポート」として機能し、上述した連通路191を介して吐出室132に連通する(
図1参照)。ポート12は「背圧室連通ポート」として機能し、上述した連通路193,197を介して背圧室156に連通する。ポート14は「吸入室連通ポート」として機能し、上述した連通路195,199を介して吸入圧空間184に連通する。
【0030】
ボディ5の内部を軸線方向に3つの領域に区画するように隔壁16,18が設けられている。隔壁16の上方に吐出圧力室20が形成され、下方に第1圧力室22が形成されている。第1圧力室22は「制御圧力室」として機能する。そして、隔壁16の中央を軸線方向に貫通するように弁孔24が設けられている。弁孔24は、吐出圧力室20と第1圧力室22とを連通させる。弁孔24の第1圧力室22側の開口端に弁座26が形成されている。吐出圧力室20は、ポート10を介して吐出室132と連通する。第1圧力室22は、ポート12を介して背圧室156と連通する。吐出圧力室20に導入された吐出圧力Pdは、弁部(弁孔24)を経ることで背圧Pbとなり、第1圧力室22から背圧室156に向けて導出される。
【0031】
隔壁18の下方に吸入圧力室28が形成されている。隔壁18の中央を軸線方向に貫通するようにガイド孔32が設けられている。そのガイド孔32を軸線方向に貫通するように長尺状の弁駆動体34が配設されている。ボディ5の下半部(ポート14の下方)もガイド孔33として機能する。弁駆動体34は、段付円柱状をなし、その上部がガイド孔32に摺動可能に支持され、下部がガイド孔33に摺動可能に支持されている。弁駆動体34は、一端側(上端側)にテーパ状の弁体36を有する一方、下部に拡径部38を有する。その拡径部38がガイド孔33に沿って摺動する。弁体36が弁孔24に近接又は離間することにより弁部の開度が調整される。
【0032】
ガイド孔32と拡径部38との間に吸入圧力室28が形成される。吸入圧力室28は、ポート14を介して吸入室166に連通し、吸入圧力Psを導入する。吸入圧力室28におけるボディ5の内部底面と拡径部38との間に、弁駆動体34を開弁方向に付勢するスプリング40(付勢部材)が介装されている。
【0033】
ボディ5における拡径部38の下方に第2圧力室30が形成される。すなわち、拡径部38は、吸入圧力室28と第2圧力室30とを仕切るようにボディ5に配置される。ボディ5の下端部には、径方向に開放される複数のスリット31が設けられている。第2圧力室30は、スリット31および連通路200を介して、取付孔187におけるポート12が開口している空間(Oリング50,52により画定される空間)に連通する(
図1参照)。それにより、背圧Pbが第2圧力室30にも導入される。
【0034】
本実施形態では、弁駆動体34とガイド孔32とのクリアランスが微小に設定されており、いわゆるクリアランスシールが実現される。それにより、第1圧力室22から吸入圧力室28への冷媒の漏洩が規制されている。また、弁駆動体34とガイド孔33とのクリアランスも微小に設定されており、クリアランスシールが実現される。それにより、第2圧力室30から吸入圧力室28への冷媒の漏洩が規制されている。なお、変形例においては、弁駆動体34とガイド孔32との間、および弁駆動体34とガイド孔33との間の少なくとも一方にOリング等のシール部材を設け、冷媒の流通を規制してもよい。
【0035】
ボディ5の上端開口部には、ポート10への異物の侵入を抑制するフィルタ部材42が嵌着されている。圧縮機100の吐出冷媒には金属粉等の異物が含まれることがあるため、フィルタ部材42は、その異物が制御弁1の内部に侵入することを防止又は抑制する。フィルタ部材42は、有底筒状のフィルタ44を有し、そのフィルタ44の開口端部をリング状の金属プレート46にて補強して構成される。フィルタ44は金属メッシュからなる。フィルタ部材42は、その底部を上にした状態で金属プレート46をボディ5に圧入することにより固定される。フィルタ部材42は、図示のようにボディ5の内側に装着されることにより、外部構造物との接触による変形が防止されている。
【0036】
ポート12にも円筒状のフィルタ部材43が取り付けられている。フィルタ部材43は、ボディ5の内部への異物の侵入を抑制するためのメッシュを含む。
【0037】
制御弁1の外周面には、取付孔187に取り付けられた際の各ポート間のシールを実現する複数のシールリングが設けられている。すなわち、ボディ5の外周面には、ポート12の上方にOリング50、ポート12とポート14の間にOリング52、ポート14の下方にOリング54が嵌着されている(
図1参照)。
【0038】
以上のような構成において、ガイド孔33の断面積Aが、ガイド孔32の断面積Bと弁孔24の断面積Cとの差よりも大きい(A>B-C)。このため、弁駆動体34には実質的に背圧Pbが閉弁方向に作用する一方、吸入圧力Psおよび吐出圧力Pdが開弁方向に作用する。制御弁1は、吸入圧力Psおよび吐出圧力Pdに応じてその弁部の開度を変化させつつ、背圧Pbを制御する。
【0039】
なお、弁駆動体34の下端(拡径部38)をボディ5の開口端(下端)の近傍に配置している。このため、
図1に示したように、ボディ5の開口端を圧縮機100の固定スクロール124の壁面に突き当てることにより、その壁面を弁部の最大開度を規定するストッパとして機能させることができる。なお、弁駆動体34とストッパ(壁面)との間に緩衝部材を設けてもよい。それにより、弁駆動体34の破損や損傷を防止又は抑制できる。
【0040】
図4は、制御弁2の構成を示す断面図である。
制御弁2は、ボディ205とパワーエレメント206とを同軸状に組み付けて構成される。パワーエレメント206は「感圧部」として機能する。ボディ205は、段付円筒状をなし、その上端部にポート210を有し、側部にポート212を有する。ポート210は「吸入室連通ポート」として機能し、上述した連通路196を介して吸入圧空間184に連通する。ポート212は「背圧室連通ポート」として機能し、上述した連通路194,198を介して背圧室156に連通する。
【0041】
ボディ205の下端部に雄ねじ部、パワーエレメント206の上端部に雌ねじ部がそれぞれ形成されている。ボディ205の下端部をパワーエレメント206の上端部に螺入することで、両者が同軸状に連結される。パワーエレメント206は、ボディ205の下端開口部を閉止するように組み付けられている。
【0042】
ボディ205の内部を軸線方向に3つの領域に区画するように隔壁216,218が設けられている。隔壁216の上方に吸入圧力室220が形成され、下方に第1圧力室222が形成されている。第1圧力室222は「制御圧力室」として機能する。そして、隔壁216の中央を軸線方向に貫通するように弁孔224が設けられている。弁孔224は、吸入圧力室220と第1圧力室222とを連通させる。弁孔224の吸入圧力室220側の開口端に弁座226が形成されている。吸入圧力室220は、ポート210を介して吸入室166と連通する。第1圧力室222は、ポート212を介して背圧室156と連通する。第1圧力室222に導入された背圧Pbは、弁部(弁孔224)を経ることで吸入圧力Psとなり、吸入圧力室220から吸入圧空間184ひいては吸入室166に向けて導出される。
【0043】
隔壁218の下方に作動室228が形成されている。隔壁218の中央を軸線方向に貫通するようにガイド孔232が設けられている。そのガイド孔232を軸線方向に貫通するように長尺状の弁駆動体234が配設されている。弁駆動体234は、段付円筒状をなし、その上部が弁孔224を貫通し、中央部がガイド孔232に摺動可能に支持されている。弁駆動体234の下端部は、連結部材240を介してパワーエレメント206に連結されている。
【0044】
弁駆動体234の上端部が縮径して弁孔224を貫通し、その先端部に弁体236が一体に設けられている。弁体236が弁孔224に近接又は離間することにより弁部の開度が調整され、弁体236が弁座226に着脱することにより弁部が開閉される。弁駆動体234には、軸線方向に貫通する内部通路235が設けられている。また、弁駆動体234の下部側面には、内外を連通する連通孔237が設けられている。内部通路235は、上端開口部にて吸入圧力室220と連通する一方、連通孔237を介して作動室228に連通する。このため、吸入圧力室220の吸入圧力Psが内部通路235を介して作動室228に導入される。
【0045】
ボディ205の上端開口部にはばね受け231が螺着されており、そのばね受け231と弁駆動体234との間には、弁体236を閉弁方向に付勢するスプリング239(「付勢部材」として機能する)が介装されている。スプリング239の荷重は、ばね受け231のボディ205への螺入量を調整することにより設定できる。ポート212には円筒状のフィルタ部材243が取り付けられている。フィルタ部材243は、ボディ205の内部への異物の侵入を抑制するためのメッシュを含む。
【0046】
ガイド孔232の中央部には、円環状の凹溝からなるシール収容部242が設けられ、Oリング244(シールリング)が嵌着されている。Oリング244は、弁駆動体234とガイド孔232との間隙をシールし、第1圧力室222から作動室228への冷媒の漏洩を規制する。弁駆動体234とガイド孔232との間にはシール収容部242の前後に間隙が形成されるところ、シール収容部242の第1圧力室222側(高圧側)のクリアランスのほうが作動室228側(低圧側)のクリアランスよりも大きくなるように構成されている。
【0047】
Oリング244は、シール収容部242の上下の差圧(前後差圧)により低圧側のクリアランスを閉じるように押しつけられる。その結果、弁駆動体234の摺動部のシール性を良好に維持できる。また、低圧側のクリアランスが相対的に小さいため、Oリング244が変形してもそのクリアランスに挟まって摺動抵抗を増大させることもない。一方、高圧側のクリアランスが相対的に大きいため、仮に高圧側から異物が侵入してきたとしても、その異物の噛み込みが生じることを防止又は抑制できる。その結果、弁駆動体234ひいては弁体236の円滑な作動を維持できる。
【0048】
パワーエレメント206は、ボディ205の下端部に固定されるハウジング250と、「感圧部材」としてのダイヤフラム252と、ダイヤフラム252の中央を軸線方向に支持する皿ばね254とを含む。
【0049】
ハウジング250は、段付円筒状のアッパーハウジング256と、段付円板状のロアハウジング258とを含む。アッパーハウジング256が雌ねじ部を有し、ボディ205に締結されている。アッパーハウジング256とロアハウジング258との間にダイヤフラム252が介装される。パワーエレメント206は、アッパーハウジング256とロアハウジング258との互いの開口部を突き合わせ、その外縁部にダイヤフラム252の外周部を挟むようにして組み付け、両ハウジングの接合部に沿って外周溶接が施されることにより容器状に形成されている。ダイヤフラム252は、本実施形態では金属ダイヤフラムである。
【0050】
アッパーハウジング256の内方に作動室228が形成され、ロアハウジング258の内方に基準圧力室Sが形成される。ロアハウジング258の内部は大気に開放され、基準圧力室Sに基準圧力Poとして大気圧が満たされる。
【0051】
ロアハウジング258の上端部に段部260が設けられ、段部260と嵌合するように皿ばね254が配設されている。なお、本実施形態では、皿ばね254がその耐圧強度を確保するために皿ばねの積層体とされているが、変形例においては単層(一枚)の皿ばねであってもよい。
【0052】
皿ばね254とダイヤフラム252との間に、両者間の摩耗を抑制するための薄膜状の耐摩耗シート(薄膜状部材)を介装してもよい。皿ばね254の積層体を構成する複数の皿ばね間にも耐摩耗シートを介装してもよい。耐摩耗シートとしては、例えばポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂からなる薄膜シートあるいはポリイミドフィルム等を使用することができる。
【0053】
ロアハウジング258の上部には、皿ばね254の下方(ダイヤフラム252とは反対側)に円板状の芯材264が配設されている。一方、ロアハウジング258の下部には、円板状のばね受け266が螺着されている。芯材264とばね受け266との間に、芯材264を開弁方向に付勢するスプリング268(「付勢部材」として機能する)が介装されている。上方のスプリング239と下方のスプリング268の付勢力により、弁駆動体234とパワーエレメント206が作動連結される。スプリング268の荷重は、ばね受け266のロアハウジング258への螺入量を調整することにより設定できる。
【0054】
芯材264の外周面とロアハウジング258の内周面とのクリアランスが微小に設定され、芯材264の径方向への変位が規制されている。すなわち、芯材264は、パワーエレメント206の内部を軸線に沿って変位する。
【0055】
皿ばね254は概ね円板状をなすが、その周縁部がやや下方に向けて傾斜するテーパ部255を有するため、全体的にみて作動室228側に向けてやや膨らんだ形状をなしている。ダイヤフラム252は、皿ばね254を上方から押さえるように設けられている。このため、ダイヤフラム252は、皿ばね254の上面に沿った形状となる。皿ばね254はダイヤフラム252の下面に当接するように配置される。
【0056】
芯材264の上面中央部が皿ばね254の下面中央の平坦部(テーパ部255の内側)に当接する。このような構成により、ダイヤフラム252が冷媒圧力を受けることで変位(変形)するとしても軸線に沿った変位となり、弁駆動体234を軸線方向に安定に駆動できる。ばね受け266には、基準圧力室Sを大気に開放するための連通孔267が設けられている。ダイヤフラム252は、作動室228の吸入圧力Psと基準圧力室Sの基準圧力Poとの差圧を感知して(実質的に吸入圧力Psを感知して)弁部の開閉方向に作動する。すなわち、パワーエレメント206が、吸入圧力Psを感知して変位又は変形することで、弁体236に対して弁部の開閉方向の駆動力を付与する。
【0057】
制御弁2の外周面には、取付孔188に取り付けられた際の各ポート間のシールを実現し、また大気への冷媒の漏洩を規制する複数のシールリングが設けられている。すなわち、ボディ205の外周面には、ポート212の上方にOリング270、ポート212の下方にOリング272が嵌着されている。アッパーハウジング256の外周面にはOリング274が嵌着されている(
図1参照)。
【0058】
以上のような構成において、ガイド孔232の断面積B2と弁孔224の断面積C2が等しく、ダイヤフラム252の有効受圧面積A2がこれらの断面積よりも大きい(A2>B2=C2)。このため、弁体236の作動に関し、背圧Pbの影響はキャンセルされ、吸入圧力Psのみが感知される。制御弁2は、吸入圧力Psに応じてその弁部の開度を変化させつつ、背圧Pbを制御する。
【0059】
次に、圧縮機100の制御動作について説明する。
圧縮機100が駆動されると、可動スクロール126が固定スクロール124の軸線周りに旋回(公転)する。この可動スクロール126の公転によって、両スクロール間に形成される圧縮室142が外周側から中央へ向けて容積を減少しながら移動される。この過程で冷媒圧力が吸入圧力Psから吐出圧力Pdへ昇圧される。その吐出冷媒が冷凍サイクルを循環することにより、車両用空調装置の空調が行われる。このとき、吐出冷媒の一部が制御弁1のポート10へ供給される。
【0060】
このとき、制御弁1および制御弁2により圧縮機100の背圧Pbが制御される。制御弁1では、弁体36が、吐出圧力Pdによる開弁方向の力、吸入圧力Psによる開弁方向の力、背圧Pbによる閉弁方向の力、およびスプリング40による開弁方向の力がつり合う弁リフト位置に保たれる。
【0061】
背圧Pbの制御過程で吐出圧力Pdが上昇すると、弁体36に作用する開弁方向の力が大きくなる。このため、その荷重につり合う閉弁方向の力を大きくするよう背圧Pbも上昇する。すなわち、吐出圧力Pdの上昇に伴って背圧Pbが比例的に上昇する制御特性(「Pd-Pb特性」ともいう)が得られる。その制御特性は、吸入圧力Psの影響も受ける(「吸入圧力依存性」ともいう)。
【0062】
一方、制御弁2により、制御特性の吸入圧力依存性が高められる。制御弁2では、弁体236は、パワーエレメント206が感知する吸入圧力Psによる閉弁方向の力、スプリング239による閉弁方向の力、およびスプリング268による開弁方向の力がつり合う弁リフト位置に保たれる。
【0063】
吸入圧力Psが上昇すると、パワーエレメント206がこれを感知し、弁体236を閉弁方向に作動させることで背圧Pbの低下を抑制する。結果的に、制御弁1との協働により背圧Pbが上昇する。すなわち、吸入圧力Psの上昇に応じて背圧Pbの基準値を高くしつつ、吐出圧力Pdの上昇に伴って背圧Pbが上昇する上記制御特性(Pd-Pb特性)を維持できる。
【0064】
吸入圧力Psが低下すると、パワーエレメント206がこれを感知し、弁体236を開弁方向に作動させることで背圧Pbを低下させる。制御弁1との協働により背圧Pbの低下が促される。すなわち、吸入圧力Psの低下に応じて背圧Pbの基準値を低くしつつ、吐出圧力Pdの上昇に伴って背圧Pbが上昇する上記制御特性(Pd-Pb特性)を維持できる。
【0065】
以上に説明したように、本実施形態では、圧縮機100に設けた制御弁1と制御弁2との協働により、吐出圧力Pdの上昇に伴って背圧Pbが所定割合で上昇する制御特性(Pd-Pb特性)を実現しつつ、そのPd-Pb特性を維持しながら制御における吸入圧力依存性を高めることができる。
【0066】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0067】
上記実施形態では、制御弁2において、パワーエレメント206の基準圧力室Sに大気を導入する例を示した。変形例においては、ハウジング250の底部を閉止し、基準圧力室Sを真空状態としてもよい。あるいは、基準圧力室Sに大気その他の圧力媒体を封入し、基準圧力を満たしてもよい。また、上記実施形態では、制御弁2の感圧部材としてダイヤフラムを例示したが、ベローズその他の感圧部材としてもよい。
【0068】
上記実施形態では、制御弁1,2において、弁体を弁駆動体と一体成形する構成を例示した。変形例においては、弁体とロッド状の伝達部材とを連結して弁駆動体としてもよい。すなわち、弁駆動体が複数の部材を含むものとしてもよい。
【0069】
上記実施形態では、制御弁1(第1弁)と制御弁2(第2弁)とを独立したモジュールとし、圧縮機100に設けられた複数の取付孔にそれぞれ組み込む構成を例示した。変形例においては、共用のボディに第1弁および第2弁の各弁部を設けた複合弁又は集合弁とし、圧縮機に設けた単一の取付孔に組み付けてもよい。
【0070】
上記実施形態では、制御弁1においてポート14を介して吸入圧力Psを導入し、弁駆動体34がその吸入圧力Psを受圧する構成を例示した。変形例においては、ポート14を省略し、吸入圧力Psを導入しない構成としてもよい。その場合、吸入圧力室28に代えて作動室を形成し、背圧Pbを導入してもよい。スプリング40に代えて弁駆動体34を閉弁方向に付勢するスプリングを設けてもよい。そのスプリングを第2圧力室30に設けてもよい。ただし、その場合には制御弁1における吸入圧力依存性がなくなる。このため、吸入圧力依存性を制御弁2のみで賄う必要がある。圧縮機全体でみた場合、吸入圧力依存性を向上させる観点からは、上記実施形態のように制御弁1にもその一部を負担させるほうが効率はよいと考えられる。
【0071】
上記実施形態では、上記圧縮機を、二酸化炭素を冷媒とする超臨界冷凍サイクルに適用する例を示した。変形例においては、二酸化炭素以外を冷媒とする超臨界冷凍サイクルに適用してもよい。あるいは、超臨界域での動作はしないものの、冷媒の圧力が高圧となる冷凍サイクルに適用してもよい。例えば、HFC-134aやHFO-1234yf等を冷媒とする冷凍サイクルに適用してもよい。その場合、冷凍サイクルにおいて、外部熱交換器としてガスクーラ102に代えて凝縮器が設けられる。耐圧強度に問題がなければ、制御弁のパワーエレメントを構成するダイヤフラムとして樹脂製ダイヤフラムを採用することもできる。
【0072】
上記実施形態では述べなかったが、制御弁2において、連結部材240とパワーエレメント206との間に緩衝部材(例えばゴム等)を設けてもよい。あるいは、連結部材を省略して弁駆動体とパワーエレメントとを連結する構成とし、両者の間に緩衝部材を設けてもよい。それにより、ダイヤフラムの破損や損傷を防止又は抑制できる。端面に緩衝部材が設けられた弁駆動体としてもよい。
【0073】
上記実施形態では、制御弁2に感圧部(パワーエレメント)を設け、吸入圧力Psを感知する構成を例示した。変形例においては、制御弁1に感圧部を設け、吸入圧力Psを感知させてもよい。例えば
図3に示した構成において、ボディ5の下部にパワーエレメントを設け、弁駆動体34を下方から支持する構成としてもよい。その場合、パワーエレメントの内部に密閉された基準圧力室を形成し、基準圧力を満たしてもよい。
【0074】
上記実施形態では、制御弁1が適用されるスクロール型圧縮機として、自動車用空調装置に搭載される圧縮機を例示した。変形例においては、一般用(家庭用、業務用)の空調装置に搭載されるスクロール型圧縮機に対し、制御弁1を適用してもよい。また、冷媒以外を作動流体とするスクロール型圧縮機に制御弁1を適用してもよい。
【0075】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 制御弁、2 制御弁、5 ボディ、10 ポート、12 ポート、14 ポート、20 吐出圧力室、22 第1圧力室、24 弁孔、26 弁座、28 吸入圧力室、30 第2圧力室、34 弁駆動体、36 弁体、40 スプリング、100 圧縮機、102 ガスクーラ、104 膨張装置、106 蒸発器、110 ハウジング、114 モータ、124 固定スクロール、126 可動スクロール、132 吐出室、134 吐出通路、142 圧縮室、156 背圧室、166 吸入室、172 ロータ、174 ステータ、182 入口通路、184 吸入圧空間、186 連通路、187 取付孔、188 取付孔、190 出口通路、205 ボディ、206 パワーエレメント、210 ポート、212 ポート、220 吸入圧力室、222 第1圧力室、224 弁孔、226 弁座、228 作動室、234 弁駆動体、234 弁体、235 内部通路、236 弁体、237 連通孔、239 スプリング、240 連結部材、242 シール収容部、244 Oリング、250 ハウジング、252 ダイヤフラム、254 皿ばね、256 アッパーハウジング、258 ロアハウジング、264 芯材、266 ばね受け、267 連通孔、268 スプリング、S 基準圧力室。