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特開2024-13985介護サービス管理システム、介護サービス管理方法及び介護サービス管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013985
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】介護サービス管理システム、介護サービス管理方法及び介護サービス管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20240125BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116490
(22)【出願日】2022-07-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】522292507
【氏名又は名称】TCI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117514
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敦朗
(72)【発明者】
【氏名】神澤 光彦
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヘルパー資格を有する人材を介護事業者へ適時に派遣するとともに、多種多様な条件の介護サービス事業者との契約内容や勤務条件、勤怠管理を一元的に管理する。
【解決手段】介護サービス管理システムでは、管理サーバー2の求人情報登録部26が、事業者の求人に関する場所、時間、業務内容及び勤務条件を含む求人情報を登録すると、スマートフォンの業務依頼提示部が、登録された求人情報を設定条件に応じて検索し求職者に対して選択可能に一覧表示し、管理サーバの応募情報管理部24が、選択された求人情報に対する応募情報を取得し、当該求職情報を提供した事業者による選択操作を受け付け、契約管理部23が、事業者に選択された応募情報に基づいて、応募情報に係る事業者及び求職者との間で契約を成立させ、スマートフォンの業務予定情報表示部が、成立した契約に関する情報を設定条件に応じて検索し、業務予定情報として一覧表示する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者の求人に関する場所、時間、業務内容及び勤務条件を含む求人情報を登録する求人情報登録部と、
登録された前記求人情報を設定条件に応じて検索し、求職者に対して選択可能に一覧表示する求人情報提示部と、
前記求人情報提示部において選択された求人情報に対する応募情報を取得し、当該求人情報を提供した事業者による選択操作を受け付ける応募情報管理部と、
前記応募情報管理部において前記事業者に選択された応募情報に基づいて、当該応募情報に係る事業者及び求職者との間で契約を成立させる契約管理部と、
前記契約管理部において成立された契約に関する情報を設定条件に応じて検索して業務予定情報として一覧表示する業務予定情報表示部と
を備えることを特徴とする介護サービス管理システム。
【請求項2】
前記求人情報提示部は、時間又は条件が重複する求人情報が複数あるときは、該当する求人情報を比較可能に表示する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の介護サービス管理システム。
【請求項3】
前記応募情報管理部は、前記求人情報提示部において比較可能に表示された複数の求人情報を、ユーザー操作に基づいて選択された求人情報を応募情報として前記契約管理部に提供することを特徴とする請求項2に記載の介護サービス管理システム。
【請求項4】
前記業務予定情報表示部に表示された業務予定情報に基づいて、当該業務予定情報に係る勤務条件を参照し、所定期間毎に関連情報の集計を行う勤怠管理部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の介護サービス管理システム。
【請求項5】
前記勤怠管理部は、
前記業務予定情報に含まれる契約に関する情報に対し、前記求職者の入力操作に応じて実行済の情報を追加する機能と、
前記実行済の情報を用いて前記集計を行う機能と
を有することを特徴とする請求項4に記載の介護サービス管理システム。
【請求項6】
求人情報登録部が、事業者の求人に関する場所、時間、業務内容及び勤務条件を含む求人情報の登録を受け付ける求人情報登録ステップと、
求人情報提示部が、登録された前記求人情報を設定条件に応じて検索し、求職者に対して選択可能に一覧表示する求人情報提示ステップと、
前記求人情報提示ステップにおいて選択された求人情報に対する応募を、応募情報管理部が応募情報として取得し、当該求人情報を提供した事業者による選択操作を受け付ける応募情報管理ステップと、
前記応募情報管理ステップにおいて前記事業者に選択された応募情報に基づいて、業務予定情報表示部が、当該応募情報に係る事業者及び求職者との間で契約を成立させる契約管理ステップと、
前記契約管理ステップにおいて成立された契約に関する情報を、業務予定情報表示部が設定条件に応じて検索して業務予定情報として一覧表示する業務予定情報表示ステップと
を含むことを特徴とする介護サービス管理方法。
【請求項7】
前記求人情報提示ステップにおいて前記求人情報提示部は、時間又は条件が重複する求人情報が複数あるときは、該当する求人情報を比較可能に表示することを特徴とする請求項6に記載の介護サービス管理方法。
【請求項8】
前記応募情報管理ステップにおいて前記応募情報管理部は、前記求人情報提示部において比較可能に表示された複数の求人情報を、ユーザー操作に基づいて選択された求人情報を応募情報として契約管理部に提供することを特徴とする請求項7に記載の介護サービス管理方法。
【請求項9】
前記業務予定情報表示部に表示された業務予定情報に基づいて、勤怠管理部が、当該業務予定情報に係る勤務条件を参照し、所定期間毎に関連情報の集計を行う勤怠管理ステップをさらに含むことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の介護サービス管理方法。
【請求項10】
前記勤怠管理ステップにおいて勤怠管理部は、前記業務予定情報に含まれる契約に関する情報に対し、前記求職者の入力操作に応じて実行済の情報を追加するとともに、前記実行済の情報を用いて前記集計を行う
ことを特徴とする請求項9に記載の介護サービス管理方法。
【請求項11】
コンピューターを、
事業者の求人に関する場所、時間、業務内容及び勤務条件を含む求人情報を登録する求人情報登録部と、
登録された前記求人情報を設定条件に応じて検索し、求職者に対して選択可能に一覧表示する求人情報提示部と、
前記求人情報提示部において選択された求人情報に対する応募情報をし、当該求人情報を提供した事業者による選択操作を受け付ける応募情報管理部と、
前記応募情報管理部において前記事業者に選択された応募情報に基づいて、当該応募情報に係る事業者及び求職者との間で契約を成立させる契約管理部と、
前記契約管理部において成立された契約に関する情報を設定条件に応じて検索して業務予定情報として一覧表示する業務予定情報表示部
として機能させることを特徴とする介護サービス管理プログラム。
【請求項12】
前記求人情報提示部は、時間又は条件が重複する求人情報が複数あるときは、該当する求人情報を比較可能に表示する機能を有することを特徴とする請求項11に記載の介護サービス管理プログラム。
【請求項13】
前記応募情報管理部は、前記求人情報提示部において比較可能に表示された複数の求人情報を、ユーザー操作に基づいて選択された求人情報を応募情報として前記契約管理部に提供することを特徴とする請求項12に記載の介護サービス管理プログラム。
【請求項14】
前記業務予定情報表示部に表示された業務予定情報に基づいて、当該業務予定情報に係る勤務条件を参照し、所定期間毎に関連情報の集計を行う勤怠管理部をさらに備えることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の介護サービス管理プログラム。
【請求項15】
前記勤怠管理部は、
前記業務予定情報に含まれる契約に関する情報に対し、前記求職者の入力操作に応じて実行済の情報を追加する機能と、
前記勤怠管理部は、前記実行済の情報を用いて前記集計を行う機能と
を有することを特徴とする請求項14に記載の介護サービス管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルパー資格を有する人材と介護サービス事業者との契約内容や勤務条件、勤怠管理を一元的に管理できる介護サービス管理システム、介護サービス管理方法及び介護サービス管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化に伴い介護を必要とする高齢者の数が増加している。現在、この高齢化社会に制度的に対応すべく介護福祉制度が施行されている。介護サービス事業者としては、例えば、事業施設内での介護サービスとともに車椅子やストレッチャ等を搭載できるような介護車両を巡回させて顧客の送迎サービスをも行う巡回送迎サービス事業者(例えば、デイケアサービス事業者)、及び顧客宅を訪問して介護サービスを行う訪問介護サービス事業者、或いは移動入浴サービスを行う移動入浴サービス事業者がある。
従来、介護サービスを行う介護事業者は、通常、事業所単位で、個別に各介護ヘルパーと雇用契約を結ぶようになっている。これに関し、介護ヘルパーについて、それぞれのスケジュール及び資格レベル等の情報をデータベースに登録し、介護事業者が人材の派遣要請をすることで、データベースから要望に合致する人材を検索し、そのヘルパー自身及び介護事業者に連絡することで、必要な時に必要な人材を派遣できるようにしたヘルパーネットワークサービスシステムも提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-061058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現状では、介護サービス事業者は、事業所単位で個別にヘルパーと雇用契約を結び、このヘルパー(従業員)の人数によって定まる自己の受入許容量(キャパ)に合せて介護サービスの計画を立てている。したがって、日によって顧客の混雑具合が変動したりして必要とされるヘルパーの数が変動する場合、介護サービス事業者は、自己の受入許容量を超えてしまう顧客に対しては介護依頼を断り、若しくは他の介護サービス事業者へ派遣要請していた。このため、資格の有無や経験に応じた人材を介護事業者へ適時に派遣することができなかった。一方、ヘルパー側では、同一の現場、職種、時間帯の枠であっても、複数の介護サービス事業者による求人に対して個別に応募をしなければならず、その手続が煩雑であるとともに、複数の介護サービス事業者との間でそれぞれ契約が成立したときには、それぞれのスケジュールや雇用条件を別々に管理しなければならず、その作業が複雑となり負担が大きくなっていた。
【0005】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、ヘルパー資格を有する人材と、介護事業者とを適時にマッチングできるとともに、多種多様な条件の介護サービス事業者との契約内容や勤務条件、勤怠管理を一元的に管理できる介護サービス管理システム、介護サービス管理方法及び介護サービス管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の介護サービス管理システムは、
事業者の求人に関する場所、時間、業務内容及び勤務条件を含む求人情報を登録する求人情報登録部と、
登録された求人情報を設定条件に応じて検索し、求職者に対して選択可能に一覧表示する求人情報提示部と、
求人情報提示部において選択された求人情報に対する応募情報を取得し、当該求職情報を提供した事業者による選択操作を受け付ける応募情報管理部と、
応募情報管理部において事業者に選択された応募情報に基づいて、当該応募情報に係る事業者及び求職者との間で契約を成立させる契約管理部と、
契約管理部において成立された契約に関する情報を設定条件に応じて検索して業務予定情報として一覧表示する業務予定情報表示部と
を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、
(1) 求人情報登録部が、事業者の求人に関する場所、時間、業務内容及び勤務条件を含む求人情報の登録を受け付ける求人情報登録ステップと、
(2) 求人情報提示部が、登録された求人情報を設定条件に応じて検索し、求職者に対して選択可能に一覧表示する求人情報提示ステップと、
(3) 求人情報提示ステップにおいて選択された求人情報に対する応募を、応募情報管理部が応募情報として取得し、当該求人情報を提供した事業者による選択操作を受け付ける応募情報管理ステップと、
(4) 応募情報管理ステップにおいて事業者に選択された応募情報に基づいて、業務予定情報表示部が、当該応募情報に係る事業者及び求職者との間で契約を成立させる契約管理ステップと、
(5) 契約管理ステップにおいて成立された契約に関する情報を、業務予定情報表示部が設定条件に応じて検索して業務予定情報として一覧表示する業務予定情報表示ステップと
を含むことを特徴とする介護サービス管理方法である。
【0008】
上記発明において、求人情報提示部は、時間又は条件が重複する求人情報が複数あるときは、該当する求人情報を比較可能に表示する機能を有することが好ましい。
【0009】
応募情報管理部は、求人情報提示部において比較可能に表示された複数の求人情報を、ユーザー操作に基づいて選択された求人情報を応募情報として契約管理部に提供することが好ましい。
【0010】
上記発明では、業務予定情報表示部に表示された業務予定情報に基づいて、当該業務予定情報に係る勤務条件を参照し、所定期間毎に関連情報の集計を行う勤怠管理部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
上記発明において勤怠管理部は、業務予定情報に含まれる契約に関する情報に対し、求職者の入力操作に応じて実行済の情報を追加する機能を有するとともに、実行済の情報を用いて集計を行う機能を有することが好ましい。
【0012】
なお、上述した本発明に係る介護サービス管理システムや介護サービス管理方法は、所定の言語で記述された本発明の介護サービス管理プログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有する介護サービス管理システムを構築して、介護サービス管理方法を実施することができる。
【0013】
また、本発明の介護サービス管理プログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、また、コンピューターで読み取りり可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。この記録媒体として、具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、この発明によれば、ヘルパー資格を有する人材と、介護事業者とを適時にマッチングできるとともに、多種多様な条件の介護サービス事業者との契約内容や勤務条件、勤怠管理を一元的に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る介護サービス管理システムの全体構成を示す説明図である。
図2】実施形態に係るスマートフォンの内部構造を模式的に示すブロック図である。
図3】実施形態に係るスマートフォンのCPU上に仮想的に構築される介護サービス管理システムのブロック図である。
図4】実施形態に係るサービス管理サーバーの内部構成を示すブロック図である。
図5】実施形態に係るサービス管理システムの動作(事業申請)を示すシーケンス図である。
図6】実施形態に係るサービス管理システムの動作(業務開始手続)を示すシーケンス図である。
図7】実施形態に係るサービス管理システムの動作(業務修正)を示すシーケンス図である。
図8】実施形態に係るサービス管理システムの動作(業務終了手続)を示すシーケンス図である。
図9】実施形態に係るサービス管理システムの動作(出退勤修正)を示すシーケンス図である。
図10】実施形態における表示画面(出退勤管理)を示す説明図である。
図11】実施形態における表示画面(求人情報)を示す説明図である。
図12】実施形態における表示画面(応募申込画面)を示す説明図である。
図13】実施形態における表示画面(ユーザーページ)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るシステムの実施形態を詳細に説明する。図面の記載において同一或いは類似部分には同一或いは類似な符号を付している。図1は、本実施形態に係る介護サービス管理システムの全体構成を示す概念図である。
【0017】
(介護サービス管理システム)
図1に示すように、本実施形態に係る介護サービス管理システムは、インターネット等の通信ネットワーク4上に配置された管理サーバー2を通じて、ヘルパー資格を有する人材(ヘルパー)Ha~Hcを、複数の介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaが、顧客Ca及びCb等へ派遣する介護サービス管理業務を提供する。
【0018】
なお、複数の介護サービス事業者Oa~Ocには、事業施設内での介護サービスとともに車椅子やストレッチャ等を搭載できるような介護車両を巡回させて顧客の送迎サービスをも行う巡回送迎サービス事業者(例えば、デイケアサービス事業者)、及び顧客宅を訪問して介護サービスを行う訪問介護サービス事業者、或いは移動入浴サービスを行う移動入浴サービス事業者などが含まれる。また、介護サービス事業者Oa~Ocにはケアマネージャーが在籍している事業所と、ケアマネージャーが在籍していない事業所とが混在している。
【0019】
各ヘルパーはそれぞれスマートフォン1(1a~1c)を使用しており、各介護サービス事業者Oa~Oc及びケアマネージャーMaもPC等の情報端末3a~3dを使用しており、各スマートフォン1a~1c、及び情報端末3a~3cは、通信ネットワーク4を介して管理サーバー2に接続可能となっている。顧客Caはスマートフォン10dを利用して通信ネットワーク4を通じて介護の依頼をすることができる。また、情報端末を利用しない顧客Cbであっても、一般電話1e及び3eを通じてケアマネージャーMaと連絡が取れるようになっており、これにより介護サービスを受けられるようになっている。ケアマネージャーMaは、顧客Ca若しくはCbから介護の依頼を請け、請けた依頼のうち所定量(受任業務の20%程度)の業務を、他事業者である介護サービス事業者Oa~Ocに割り振るようになっている。
【0020】
(管理サーバー2)
図4に管理サーバー2の内部構成を示す。同図に示すように、管理サーバー2は、サービスを運用するために必要となる基本的なモジュールとして、各介護サービス事業者Oa~OcやケアマネージャーMaからの求人に対してその条件に整合するヘルパーを検索し、ヘルパーのスケジュール(業務予定)や出退勤を集計し管理する勤怠管理部21と、各種情報を蓄積するデータベース50~54と、認証部21aと、データ送受部22とを備えている。
【0021】
各種情報を蓄積するデータベース50~54としては、認証情報データベース50と、業務予定情報データベース51と、利用者データベース52と、ヘルパーデータベース53と、介護事業者データベース54とが含まれる。なお、これらのデータベース群としては、単一のデータベースとしてもよく、複数のデータベースに分割し、相互にリレーションを設定することで各データ同士を紐付けたリレーショナルデータベースとすることができる。
【0022】
認証情報データベース50は、サービスへログインする際に参照される認証情報データベースであり、登録されたヘルパーや介護事業者の認証情報が蓄積されているとともに、各ユーザー(ヘルパー、介護事業者、及び介護利用者等を含む。)の個人情報や企業情報が紐付けられて記録されており、ユーザーデータベースとしての役割も果たす。この認証情報データベース50は、各ユーザー(介護サービス事業者、ヘルパー及び利用者)及び,各ユーザーが使用する情報端末に関する情報を蓄積するデータベースであり、本実施形態では、各ユーザー(介護サービス事業者、ヘルパー及び利用者)及び,各ユーザーが使用する情報端末を識別するユーザーIDや端末IDやIPアドレス等に、ユーザーに関する情報(氏名、ユーザーID、メールアドレス、電話番号、住所等の個人情報)、アクセス種別(介護サービス事業者、ヘルパー及び利用者のアクセス範囲)などが関連づけられて記録されている。
【0023】
業務予定情報データベース51は、介護事業者とヘルパーとの間で取り交わされた業務契約の内容と、各業務契約に基づいて作成されたスケジュールである業務予定情報を記録すデータベースである。利用者データベース52には、複数の介護サービス事業者Oa~Ocが介護サービスを利用する利用者(顧客)が登録され、利用者に関する情報(顧客情報)が介護サービス事業者毎に記憶されている。ここで顧客情報には、利用者である顧客の住所、氏名、年齢等の一般的な情報の他に、車椅子又はストレッチャの要否等を含む顧客の身体的特性、車両へ乗降する際に必要となる職員の人数などの介護レベルが含まれる。利用者データベース52内の顧客情報は必要に応じて各介護サービス事業者Oa~Ocがネットワークを介して逐次更新することができる。
【0024】
また、ヘルパーデータベース53は、ヘルパー資格を有する人(ヘルパー)が登録され、ヘルパー毎にヘルパー情報が記憶されている。ここでヘルパー情報には、ヘルパーのスケジュール(業務予定)、及びヘルパーの資格レベルが少なくとも含まれる。介護事業者データベース54は、複数の介護サービス事業者Oa~Ocが登録され、介護サービス事業者毎に事業者情報が記憶されている。ここで事業者情報には、介護サービス事業者Oa~Ocそれぞれのプロファイル、送迎サービス時に車両に同乗する職員の人数などが含まれる。介護事業者データベース54内の事業者情報は必要に応じて各介護サービス事業者Oa~Ocがネットワークを介して逐次アップロードすることができる。
【0025】
上記勤怠管理部21は、各ヘルパーのスケジュール(業務予定)を管理し、業務開始や業務終了、給与算定その他の手続を実行するモジュールであり、通話やチャットなどの通信手段を通じて、ヘルパーが所有する携帯電話などのヘルパーのスマートフォン1に対して連絡を取る機能を備えている。勤怠管理部21は、現地で活動中のヘルパーのような、定位置に備えられた端末に対して連絡が取れない場合に特に有効である。さらに、上記勤怠管理部21は、業務予定情報に含まれる契約に関する情報に対し、求職者の入力操作に応じて実行済の情報を追加する業務予定管理部21cと、実行済の情報を用いて集計を行う集計部21bとを有する。
【0026】
業務予定管理部21cは、ヘルパーデータベース53に記憶されているヘルパー情報、例えばヘルパーのスケジュール(業務予定)を管理する。具体的には、検索処理部25によって検索され、業務契約が成立したヘルパーの派遣日時の業務予定を管理する。集計部21bは、介護事業者毎に、業務を遂行した各ヘルパーに対する対価を集計するモジュールである。介護サービス事業者Oa~Ocは、ここで集計された各ヘルパーに対する対価をヘルパーへ支払う。
【0027】
認証部21aは、アクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったモジュールであり、各ユーザーを特定するユーザーIDに基づいて認証処理を実行する。本実施形態では、通信ネットワーク4を通じてアクセス者の端末からユーザーID及びパスワードを取得し、認証情報データベース50を照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否か、アクセス権限の範囲などを確認する。本実施形態では、認証部21aは、ヘルパー及び介護事業者を判別し、それぞれのアクセス権限に応じたサービスが提供される。
【0028】
具体的に認証部21aは、通信インターフェースを通じて、各ユーザーの端末などの他の通信機器と通信セッションを確立させ、その確立された通信セッション毎に認証処理を行う。この認証処理としては、アクセス者(ヘルパー又は介護事業者)の端末から認証情報を取得し、認証情報データベース50を参照してアクセス者を特定し、それらのユーザー種別(ヘルパー又は介護事業者)及びその権限を特定する。この認証部21aによる認証結果(ユーザーID、認証時刻、セッションID等)は、勤怠管理部21その他の各モジュールに送出されるとともに、認証情報データベース50に認証履歴として蓄積される。 データ送受部22は、通信ネットワーク4に接続され、通信ネットワーク4を通じてIPパケットの送受を行う通信モジュールである。
【0029】
また、管理サーバー2は、ヘルパーからの応募情報であるヘルパー契約と、介護事業者からの求人情報である業務依頼と、ヘルパー・介護事業者の間で取り交わされる業務契約とを管理するモジュールとして、契約管理部23と、応募情報管理部24と、求人情報登録部26と、検索処理部25とを備えている。
【0030】
契約管理部23は、応募情報管理部24において事業者に選択された応募情報(ヘルパー契約)に基づいて、当該ヘルパー契約に係る介護事業者及びヘルパー(求職者)との間で業務契約を成立させるモジュールである。また、契約管理部23は、成立された契約に基づいてヘルパーのスケジュールである業務予定情報を作成し、業務予定情報データベース51に登録する。
【0031】
応募情報管理部24は、ヘルパー側の業務依頼提示部112aにおいて選択された求人情報に対する応募情報を取得し、当該求人情報を提供した事業者による選択操作を受け付けるモジュールである。また、この応募情報管理部は、前記求人情報提示部において比較可能に表示された複数の求人情報の中から、ユーザー操作に基づいて選択された求人情報を応募情報として前記契約管理部に提供する機能も備えている。
【0032】
求人情報登録部26は、事業者の求人に関する場所、時間、業務内容及び勤務条件を含む求人情報を登録するモジュールであり、複数の介護サービス事業者Oa~Ocから、ヘルパーの求人を受け付け、ケアマネージャーMa、若しくは介護サービス事業者Oa~Ocに所属するケアマネージャーは、自己が立案した介護サービス計画においてヘルパーが不足している場合、ネットワークを介して、各ヘルパー側アプリケーションへ、ヘルパーを必要とする日時(派遣日時)、必要なヘルパーの人数(派遣人数)、必要なヘルパー資格/資質を連絡する。
【0033】
検索処理部25は、ヘルパーデータベース53内に登録されたヘルパーの中から、介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaが要請する派遣日時、派遣人数、必要なヘルパー資格に合致するヘルパーを検索し、ヘルパーデータベース53内に登録されたヘルパーからの応募情報を参照して、必要とされる時間帯(派遣日時)や条件が合致したヘルパーを抽出する。
【0034】
そして、検索処理部25は、抽出されたヘルパー及び介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaへ、人材融通情報を連絡する。ここで、検索されたヘルパーへ連絡される人材融通情報には、各介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaが要請する派遣日時、派遣人数、必要なヘルパー資格が含まれる。介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaへ連絡される人材融通情報には、上記の派遣日時、派遣人数、必要なヘルパー資格の他に、検索されたヘルパーが上記の派遣要請に対して承諾する旨の意思が含まれる。このようにして、検索されたヘルパーであって、その承諾の意思を示したヘルパーは、介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaへ派遣され、就業(介護サービス)を行う。
【0035】
(スマートフォン1の構成)
図2は、本実施形態に係るスマートフォン1の内部構成を示すブロック図であり、図3は、スマートフォン1のCPU上に構築されるモジュールを示すブロック図である。
【0036】
スマートフォン1(1a~1c)は、各ヘルパーHa~Hcが使用する情報処理装置であり、通信機能やCPUを備え、各種アプリケーションソフトをインストールすることにより様々な機能が実装可能となっている。本実施形態では、このスマートフォン1に本発明の介護サービス管理プログラムの一部を構成するヘルパー側アプリケーション113をインストールして、スマートフォン1を介護サービス管理システムの一部として機能させる。本実施形態では、このスマートフォン1を、情報処理端末の一例として説明するが、このスマートフォンの他、例えば、パーソナルコンピューター等の汎用コンピューターや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、タブレットPCやモバイルコンピューター、携帯電話機が含まれる。
【0037】
スマートフォン1は、演算処理を行うCPU11と、情報を一時的に記憶するメモリ12と、通信回線やインターネットを介して外部との通信を行う通信インターフェース13と、蓄積部であるストレージ14と、出力インターフェース15と、入力インターフェース16とを有している。なお、本実施形態では、これらの各装置11~16等はCPUバス10を介して接続されており、相互にデータの受渡しが可能となっている。
【0038】
CPU11は、各部を制御する際に必要な種々の演算処理を行う装置であり、各種プログラムを実行することにより、CPU11上に仮想的に各種モジュールを構築する。本実施形態では、このCPU11で介護サービス管理プログラムを実行することによって、この汎用的なスマートフォン1を、介護サービス管理用の端末として機能させる。
【0039】
通信インターフェース13は、無線通信により無線基地局等と通信を行うモジュールであり、LTE回線、3G・4G回線や、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワーク、その他の公知の装置・通信方式を用いることができる。
【0040】
ストレージ14は、データを記録媒体に蓄積するとともに、これら蓄積されたデータを各デバイスの要求に応じて読み出す装置であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等により構成することができる。
【0041】
また、CPUバス10には、GPSや無線基地局等の識別子・座標などから自機の現在位置を測定する位置情報取得手段や、現在時刻を計時する時計手段などが接続されている。これらの位置情報取得手段及び時計手段による測定結果は、相互に紐付けられて自機のステータス情報として、メモリ12やストレージ14に蓄積されるとともに、CPU11上で実行されるOSやアプリケーションの要求に応じて受渡される。
【0042】
出力インターフェース15は、ディスプレイやスピーカー15a等の出力デバイスから映像や音声を出力するために映像信号や音声信号を送出するモジュールであり、アプリケーション実行部112で実行されるアプリケーションソフトに関する映像や音声を出力することができる。
【0043】
入力インターフェース16は、タッチパネル16aや物理的な操作ボタン16b等の操作デバイスから操作信号を受信したり、カメラ16cが撮影した映像信号や各種センサーからの信号を受信するモジュールであり、受信された操作信号や映像信号等の入力信号はCPU11に伝えられ、OSや各アプリケーションに対して、操作を行ったり、処理に必要なデータを入力することができる。なお、本実施形態では、これら入力インターフェース16及び出力インターフェース15に接続されたタッチパネル16aでは、入力デバイスであるタッチパネルが、表示デバイスであるディスプレイに重畳されて構成されており、操作用画面の表示データをディスプレイに表示させ、それに応じたタッチ操作やゼスチャー操作がなされることによってユーザー操作信号を取得するGUIが提供される。
【0044】
そして、CPU11上では、OS実行部111によってスマートフォン用に提供されたOS(Operating System)が起動・実行されており、このOSによってスマートフォン1の基本的な機能が制御されている。また、このOS上ではアプリケーション実行部112によって、種々のアプリケーションが実行可能になっており、このアプリケーション実行部112によって、アプリケーションを実行することにより、様々な機能が実行される。
【0045】
詳述すると、OS実行部111は、CPU上でOSプログラムを実行するためのモジュールであり、このOS実行部111でOSプログラムが実行されることによって、スマートフォン1の基本的な機能が管理・制御され、アプリケーション実行部112で構築された各モジュールと、スマートフォン1の各装置・機能との連携を可能としている。アプリケーション実行部112は、CPU上でアプリケーションプログラムを実行するためのモジュールであり、このアプリケーション実行部112でアプリケーションプログラムを実行することによって、種々の機能モジュールがCPU上に仮想的に構築される。本実施形態では、このOS実行部111上でヘルパー側アプリケーションを実行することにより、介護サービス管理システムにおけるヘルパー側のモジュールが仮想的に構築される。
【0046】
(ヘルパー側アプリケーション)
詳述すると、介護サービス管理に係るモジュールとして、図3に示すように、CPU11では、OSによって各デバイスが制御されているとともに、アプリケーション実行部112が提供されており、このアプリケーション実行部112によってヘルパー側アプリケーションが実行されることにより、業務依頼提示部112aと、勤怠管理部112bと、業務予定情報表示部112cと、給与管理部112dと、QRコード解析部112eとが提供される。
【0047】
業務依頼提示部112aは、管理サーバー2側の検索処理部25と連携して、介護事業者データベース54に登録された求人情報を、ヘルパーが設定した設定条件に応じて検索し、求職者であるヘルパーに対して選択可能に一覧表示する求人情報提示部としてのモジュールである。この設定条件としては、勤務地や勤務日時、労働条件、自己が有する資格、経歴等が挙げられ、例えば、図11に示すような検索ページに、合致した検索結果を一覧表示する。なお、この検索結果の一覧から任意の業務を選択することにより、その業務に対する応募手続を実行することができる。この応募手続では、図12に示すような、申込ページから、事業所システム側にヘルパー契約の申込を行う。
【0048】
勤怠管理部112bは、管理サーバー2側の勤怠管理部21と連携してヘルパーのスケジュール(業務予定)を管理し、業務開始や業務終了、給与算定その他の手続を実行するモジュールであり、通話やチャットなどの通信手段を通じて、ヘルパーが所有する携帯電話などのヘルパーのスマートフォン1に対して連絡を取る機能を備えている。具体的には、図10に示すような、出退勤管理ページがスマートフォン1に表示され、契約が成立した業務がスケジュール(業務予定)として表示され、該当する業務を選択することでタイムカード機能が実行される。このタイムカード機能には、出勤時刻・退勤時刻を打刻するためのQRコード読み取り処理を実行するインターフェースが備えられている。また、業務予定や出退勤情報に修正が必要なときの修正依頼操作も、この出退勤管理ページから実行できるようになっている。
【0049】
業務予定情報表示部112cは、管理サーバー2側の業務予定管理部21cと連携してヘルパーデータベース53に記憶されているヘルパーのスケジュール(業務予定)を取得して表示するモジュールであり、具体的には、検索処理部25によって検索され、業務契約が成立したヘルパーの派遣日時の業務予定を一覧表示し、表示された業務予定を選択することにより、業務開始手続や業務終了手続その他の手続を実行する機能を備えている。
【0050】
給与管理部112dは、管理サーバー2側の集計部21bと連携して、介護事業者毎に、業務を遂行した各ヘルパーに対する対価である給与を管理するモジュールであり、例えば図13に示すような、各ヘルパー固有の「マイページ」にアクセスし、集計部21bによって集計された月毎の報酬の合計金額を表示する。給与管理部112dは、業務が完了する業務終了手続が実行されると自動的にその業務に対する対価を集計部21bに報告する。
【0051】
QRコード解析部112eは、カメラ16cで撮影されて入力されたQRコードを解析し、QRコード内に含まれる文字列を抽出するモジュールであり、ここでは、利用者側に送付されて利用者が保持するQRコードを解析し、QRコード内に含まれる業務に関する情報を取得する。このQRコード内に含まれる業務に関する情報としては、例えば、業務を特定するための業務ID、日時、場所、利用者を識別する利用者ID等の情報が含まれ、これらの情報は、QRコードに直接埋め込んでもよく、これらの情報が提示されたWebページのURLを通じて取得するようにしてもよい。
【0052】
(介護サービス管理方法)
以上説明した介護サービス管理システムを動作させることによって、本発明の介護サービス管理方法を実施することができる。図5図8に、介護サービス管理システムの動作を示す。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
【0053】
ケアマネージャーMa若しくは介護サービス事業者Oa~Ocは、顧客・従業員のスケジュール(業務予定)を作成する。すなわち、若しくはケアマネージャーMa若しくは介護サービス事業者Oa~Ocが受任した介護業務の依頼に対し、その業務を遂行できるヘルパーをアサインする。このとき、各ケアマネージャー若しくは各介護サービス事業者は、受任した業務に対して受任可能な許容量が定められており、自己の受入許容量(キャパ)に合せて介護サービスの自己の業務予定を立案するとともに、受入許容量を超える業務に対しては、他の介護サービス事業者に対して求人依頼を登録する。
【0054】
詳述すると、この業務予定の立案に際し、各介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaは、自己の受入許容量を超えてしまう介護業務が発生するか否かを判断する。業務数が許容量を超えてしまいヘルパーが不足する場合、その介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaは、ネットワークを介して、管理サーバー2を通じて他の介護サービス事業者に対して、ヘルパーを必要とする日時(派遣日時)、必要なヘルパーの人数(派遣人数)、必要なヘルパー資格/資質を求人情報として連絡する。管理サーバー2の求人情報登録部26は、各介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaから、ヘルパーの派遣要請である求人情報を受け付け、介護事業者データベース54に登録する。
【0055】
これと併せて、ヘルパー側から応募情報が到来すると、応募情報管理部24は、その応募情報をヘルパーデータベース53に登録する。これにより、ヘルパーの派遣要請である求人情報に対し、検索処理部25によって、ヘルパーデータベース53内に登録されたヘルパーの中から、介護サービス事業者Oa~Oc若しくはケアマネージャーMaが要請する派遣日時、派遣人数、必要なヘルパー資格に合致するヘルパーの検索が可能となる。
【0056】
これとは反対に、ヘルパー側からの応募に対して、条件に合致した求人情報を検索することもできる。すなわち、応募情報に対し、検索処理部25によって、介護事業者データベース54内に登録された求人情報の中から、ヘルパーが設定した業務日時、業務内容、必要なヘルパー資格に合致するものを検索することができる。
【0057】
以下に各フェーズにおけるシステムの動作について詳述する。
(1)事業申請
事業申請時における手順について説明する。図5に示すように、情報端末3上で実行されている事業所システム側において新規事業が発生した際(S301)、情報端末3(事業所システム)で業務依頼を作成し、管理サーバー2へ送信する(S302)。管理サーバー2側では、この業務依頼を受信すると(S201)、依頼承認操作を受けて、業務依頼承認通知を情報端末3(事業所システム)側に返信する(S202)。情報端末3側では、この業務依頼承認通知を受信することにより(S303)、この新規な業務依頼が、ヘルパー側アプリケーションにおいて検索が可能となる。
【0058】
(2)ヘルパー利用申請
一方、ヘルパーが業務契約を希望する場合(S101)、ヘルパー側アプリケーションにおいて業務依頼を検索する(S102)。この検索では、上記事業申請において承認を得た業務が検出可能となっている。ヘルパー側アプリケーションにおいて、例えば、図11に示すような検索ページに検索結果が一覧表示される。そして、希望する業務が見つかったときに、ヘルパー側アプリケーションでは、その検索された業務に対する応募手続として、ヘルパー契約を送信する(S103)。すなわち、図11に示すような検索ページに表示された検索結果の一覧から任意の業務を選択することにより、図12に示すような、申込ページから事業所システム側にヘルパー契約の申込を行うことができる。情報端末3側でこのヘルパー契約を受信することにより(S304)、事業者側で応募者採用操作を行う(S305)。
【0059】
次いで、事業者が、応募してきたヘルパーを採用する場合には契約採用通知を送信し、不採用の場合には不採用通知を送信する(S306)。これら送信された通知は、ヘルパー側アプリケーションで受信され(S104)、ユーザーに表示される。
【0060】
(3)業務開始手続
上述した手順により契約が成立した業務について実際に業務を開始するにあたり、図6に示すような業務開始手続を実行する。先ず、業務開始の時刻が近づいてきた頃に、ヘルパー側アプリケーションで業務予定の確認を行う(S401)。事業所システム側でも業務開始の時刻が近づいてきたことを契機に出勤手続(S501)が実行され、出勤管理(S502)に移行する。
【0061】
ヘルパー側アプリケーションでの業務予定の確認により開始したい業務を選択し、開始する業務依頼の管理を行う(S402)。この業務依頼の管理では、業務内容や報酬等の確認ができる。具体的には、図10に示すような出退勤管理ページを、スマートフォン1により閲覧することができ、この出退勤管理ページでは、契約が成立した業務がスケジュール(業務予定)として表示され、該当する業務を選択することでタイムカード機能が実行される。この時点で不明点が発生した場合には(S403における「Y])、チャットを通じて事業者に対して問い合わせを行い(S404)、不明点が解決可能かどうかを判断する。
【0062】
そして当該業務に係る契約が履行可能である場合にはそのまま業務を開始し(S408)、履行不能である場合には、契約を解除するかどうかの判定を行う(S406)。このとき契約解除について、チャットを通じて事業者に対し再度問い合わせをすることもできる(S406における「不適切」)。ステップS406において契約解除が適切であると判定されたときは(S406における「適切」)、契約解除の手続を実行する(S407)。この契約解除手続の実行により、事業所システム側では業務予定情報データベース51の更新が行われる(S502)。
【0063】
このステップS502における出勤管理は、通常、事業所システム側で出勤手続(S501)が開始された際に実行されるが、ヘルパー側アプリケーション113で業務予定確認が事業所システム側での出勤手続(S501)に先行して行われる場合もあり、この
場合には業務予定情報データベース51の更新のみが予め実行され、出勤手続(S501)が実行されたときには、その予め更新された業務予定情報データベース51が参照され、契約の有効性が判断される(S503)。
【0064】
ステップS503において契約が有効でないときには(S503における「N」)、出勤手続(S501)に戻り、ステップS503において契約が有効であるときには(S503における「Y」)、QRコードを出力し(S504)、出力されたQRコードを利用者へ送付する(S505)。
【0065】
一方、ヘルパー側アプリケーションにおけるステップS403で不明点が発生しなかったとき(S403における「N])、若しくはステップS405で契約履行可能であると判断されたとき(S405における「Y」)には、ヘルパーは現地にて業務を開始する(S408)。この現地での業務を行うにあたり、業務内容が契約内容と異なる場合には、業務修正を行う必要が生じる(ステップS409における「Y」)。この業務修正処理(S410)については後述する。
【0066】
ステップS409において業務修正依頼が発生しなかったとき(ステップS409における「N])、或いはステップS410において業務修正が完了したときには(S410)、出退勤管理に移行する(S411)。この出退勤管理では、この業務に係る情報をアプリケーション上で呼び出し、QRコードの読み取りを実行する(S412)。具体的には、図10に示すような出退勤管理ページのタイムカード機能には、出勤時刻・退勤時刻を打刻するためのQRコード読み取り処理を実行するインターフェースが備えられている。このQRコードの読み取りにより、ヘルパーが現地で利用者に会うことができた確認となり、ヘルパーと利用者の双方が業務内容に合意したことの確認にもなる。
【0067】
(4)業務修正手続
上記ステップS410における業務修正処理は、図7に示すように、ヘルパー側で業務修正依頼が発生すると(S601)、出勤管理を実行し(S602)、事業所システムに対して修正依頼申請を行う(S603)。
【0068】
一方、事業所システム側では、ヘルパー側アプリケーションからの修正依頼申請が受信されると(S701)、修正管理を実行する(S702)。この修正管理において修正を承認するか否かの選択を行う(S703)。修正を否認する場合には(S703における「N」)、修正否認通知をヘルパー側アプリケーションに送信する(S704)。修正を承認する場合には(S703における「Y」)、現在時刻と業務開始時刻とを比較する時間判定(S705)を行い、業務開始時刻が到来した後であれば(S705における「業務開始到来後」)、直ちに業務内容の修正を行う修正管理を実行する(S706)。時間判定において、業務開始時刻が到来する前であれば(S705における「業務開始到来前」)、図6に示す業務開始(S408)に戻り、業務開始時刻の到来まで待機する(S408)。
【0069】
(5)業務終了手続
次いで、現地での業務が終了した際の手続について説明する。図8に示すように、現地での業務が終了すると、ヘルパーは業務終了連絡を行い(S801)、出退勤管理を実行する(S802)。具体的には、図10に示すような、出退勤管理ページをスマートフォン1で表示し、完了した業務を選択することでタイムカード機能が実行される。このタイムカード機能には、出勤時刻・退勤時刻を打刻するためのQRコード読み取り処理を実行するインターフェースが備えられている。このQRコードの読み取りにより、ヘルパーが現地での業務を完了させたことの確認を利用者から得ることができ、また、ヘルパーと利用者の双方が業務完了に合意したことの確認にもなる。なお、このとき、出退勤について修正依頼が必要な場合には(ステップS803における「Y])、出退勤修正処理を実行する(S804)。この出退勤修正処理については後述する。
【0070】
ステップS803において出退勤修正依頼が発生しなかったとき(ステップS803における「N])、或いはステップS804において出退勤修正が完了したときには(S804)、業務報告に移行する(S805)。この業務報告では、サービス提供記録を作成し、事業所システム側に送信する(S806)。
【0071】
このヘルパーから送信されたサービス提供記録を受けて、事業者は利用者への報告を行う(S901)。その後、事業者側でもサービス提供記録を作成し(S902)、作成したサービス提供記録を利用者へ送付する(S903)。 このサービス提供記録の作成により、業務が完了し,報酬の支払いが登録される。この登録された報酬は、例えば図13に示すような、各ヘルパー固有の「マイページ」にアクセスすることにより、集計部21bによって集計された月毎の報酬の合計金額を閲覧することができる。
【0072】
(6)出退勤修正手続
上記ステップ804における出退勤修正処理は、図9に示すように、ヘルパー側で出退勤修正依頼(業務修正依頼)が発生すると(S1001)、出勤管理を実行し(S1002)、事業所システムに対して修正依頼申請を行う(S1003)。
【0073】
一方、事業所システム側では、ヘルパー側アプリケーションからの修正依頼申請が受信されると(S1101)、修正管理を実行する(S1102)。この修正管理において修正を承認するか否かの選択を行う(S1103)。修正を否認する場合には(S1103における「N」)、修正否認通知をヘルパー側アプリケーションに送信する(S1104)。修正を承認する場合には(S1103における「Y」)、業務内容の修正を行う修正管理を実行する(S1106)。
(介護サービス管理プログラム)
上述した介護サービス管理方法は、時系列的につながった一連の処理又は操作、すなわち「手順」として表現されている。この介護サービス管理方法を、コンピューターシステムを用いて実行するために、コンピューターシステム内のプロセッサーなどが果たす複数の機能を特定するコンピュータープログラムとして構成することができる。
【0074】
また、このコンピュータープログラムは、コンピューター読み取り可能なコンピュータープログラム記憶媒体に保存することができる。このコンピュータープログラム記憶媒体をコンピューターシステムに読み込ませ、コンピュータープログラムを実行してコンピューターを制御しながら上述した介護サービス管理方法を実現することができる。このコンピュータープログラム記憶媒体は、図1に示した介護サービス管理システム内のプログラム記憶部として用いる、或いはプログラム記憶部に読み込ませ、このプログラムによりCPUにおける種々の作業を所定の処理手順に従って実行することができる。ここで、コンピュータープログラム記憶媒体としては、メモリ装置、磁気ディスク装置、光ディスク装置、その他のプログラムを記録することができるような装置が含まれる。
【0075】
なお、本発明は、上記した各実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0076】
Ca,Cb…顧客
Ha~Hc…ヘルパー
Ma…ケアマネージャー
Oa~Oc…介護サービス事業者
1(1a~1c)…スマートフォン
2…管理サーバー
3(3a~3c)…情報端末
4…通信ネットワーク
11…CPU
12…メモリ
13…通信インターフェース
14…ストレージ
15…出力インターフェース
15a…スピーカー
16…入力インターフェース
16a…タッチパネル
16b…操作ボタン
16c…カメラ
21…勤怠管理部
21a…認証部
21b…集計部
21c…業務予定管理部
22…データ送受部
23…契約管理部
24…応募情報管理部
25…検索処理部
26…求人情報登録部
50…認証情報データベース
51…業務予定情報データベース
52…利用者データベース
53…ヘルパーデータベース
54…介護事業者データベース
111…OS実行部
112…アプリケーション実行部
112a…業務依頼提示部
112b…勤怠管理部
112c…業務予定情報表示部
112d…給与管理部
112e…QRコード解析部
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
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図10
図11
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図13