(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139866
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】CO2分離システム
(51)【国際特許分類】
A62B 11/00 20060101AFI20241003BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20241003BHJP
B01D 63/08 20060101ALI20241003BHJP
B01D 53/22 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A62B11/00
F24F7/007 B
B01D63/08
B01D53/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050797
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】水上 奏一郎
(72)【発明者】
【氏名】櫟原 勉
【テーマコード(参考)】
2E185
3L056
4D006
【Fターム(参考)】
2E185AA09
2E185BA19
2E185CB06
2E185CB12
3L056BD01
3L056BE01
4D006GA41
4D006HA44
4D006JA03A
4D006JA08A
4D006JA14A
4D006JA18A
4D006KA16
4D006KE02Q
4D006KE03Q
4D006KE12P
4D006KE12R
4D006KE28P
4D006KE28R
4D006MA03
4D006MB16
4D006PA01
4D006PA02
4D006PB17
4D006PB64
(57)【要約】
【課題】対象空間から効率よくCO
2を除去できるCO
2分離システムを提供する。
【解決手段】CO
2分離システム1は、CO
2分離素子20と、CO
2検知部8と、内気ファン31及び外気ファン41と、制御部5と、を備える。CO
2分離素子20は、屋内における対象空間2内の空気39aから二酸化炭素(CO
2)を分離して屋外へと放出する。CO
2検知部8は、対象空間2内のCO
2濃度を検知する。内気ファン31及び外気ファン41は、CO
2分離素子20への送風を行う。制御部5は、内気ファン31及び外気ファン41を制御し、CO
2検知部8が検知したCO
2濃度に基づいて特定されるCO
2分離効率となるように、内気ファン31及び外気ファン41によるCO
2分離素子20への送風量を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内における対象空間内の空気から二酸化炭素(CO2)を分離して屋外へと放出するCO2分離部と、
前記対象空間内のCO2濃度を検知するCO2検知部と、
前記CO2分離部への送風を行う送風部と、
前記送風部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記CO2検知部が検知した前記CO2濃度に基づいて特定されるCO2分離効率となるように前記送風部による前記CO2分離部への送風量を決定する、CO2分離システム。
【請求項2】
前記対象空間の空気が内気として導入されて流通し、前記対象空間に還流させる内気風路と、
屋外の空気が外気として導入されて流通し、前記屋外に放出させる外気風路と、
を備え、
前記送風部は、前記内気風路における前記内気の送風を行う内気ファンと、前記外気風路における前記外気の送風を行う外気ファンと、を含み、
前記CO2分離部は、前記内気風路を流通する前記内気からCO2を分離して前記外気風路を流通する前記外気に導入し、
前記制御部は、少なくとも前記内気ファンの内気送風量を調節して、前記CO2分離部への前記送風量を決定する、請求項1に記載のCO2分離システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記CO2濃度が第一CO2濃度の場合に前記CO2分離効率を第一CO2分離効率と特定し、前記CO2濃度が前記第一CO2濃度よりも高い第二CO2濃度の場合に前記CO2分離効率を前記第一CO2分離効率よりも低い第二CO2分離効率と特定し、
前記制御部は、特定した前記CO2分離効率となるように前記CO2分離部への前記送風量を決定する、請求項1又は2に記載のCO2分離システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象空間の空気からCO2を分離するCO2分離システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、閉鎖された対象空間の空気中に含まれる二酸化炭素(CO2)の濃度を低減するCO2分離システムが知られている(例えば、特許文献1)。CO2分離システムは、CO2を優先的に分離するモジュール(CO2分離素子)を有している。CO2分離システムに対象空間の空気が供給されると、その空気に含まれるCO2が優先的にモジュール内で分離されて放出されるので、CO2が低減された空気が残留する。CO2分離システムは、この残留した空気を対象空間に戻すことで、対象空間におけるCO2の濃度を低減できる。
【0003】
CO2分離システムでは、CO2分離素子におけるCO2の分離の性能を示す指標として、CO2分離効率が次の(1)式によって定義される。
【0004】
【数1】
一方、対象空間におけるCO
2の濃度を低減する方法としては、屋内における対象空間の空気(内気)を一定の流量で屋外へ放出(排気)し、同量の屋外の空気(外気)を対象空間に取り込む方法(以下「通常換気」と言う。)が、一般的に用いられている。
【0005】
ここで、
図9(a)を参照して、対象空間内のCO
2の濃度を低減するCO
2分離システムと通常換気とを比較する。
図9(a)は、CO
2分離システム及び通常換気それぞれについて、単位時間あたりのCO
2除去量に対して、その除去量のCO
2の除去に必要な消費電力を示した図である。
図9(a)は、縦軸に消費電力を示し、横軸に単位時間あたりのCO
2除去量を示している。また、
図9(a)は、CO
2分離システムを実線で示し、通常換気を破線で示している。
【0006】
CO2分離システムは、単位時間あたりに所定量のCO2を屋外に放出しようとした場合に、CO2分離素子におけるCO2分離効率に応じて、通常換気以上の送風量でCO2分離システムに空気を取り込む必要がある。
【0007】
しかしながら、
図9(a)に示す通り、単位時間あたりのCO
2除去量を所定量以下の範囲に設定すれば、CO
2分離デバイスは、通常換気よりも消費電力を大幅に抑えられるという利点がある。通常換気は、外気を取り込むものであるため、外気の温度に応じて対象空間の温度を空調する必要があり、その空調に伴う消費電力が多く必要となる。これに対し、CO
2分離デバイスは、内気から外気への熱移動が少ないため、空調負荷を抑制できる。このように、省エネルギー化の観点から、対象空間のCO
2の濃度を低減するシステムとして、CO
2分離システムが有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
さて、対象空間のCO
2濃度が高い場合、CO
2分離システムにおいて、対象空間からCO
2分離システムに取り込む空気の送風量(内気送風量)を増加させる方法が考えられる。ここで、
図9(b)を参照して、内気送風量と上記したCO
2分離効率との関係を説明する。
図9(b)は、CO
2分離システムのCO
2分離効率のパラメータ依存性を示した図である。
【0010】
図9(b)は、縦軸をCO
2分離システムのCO
2分離効率を示し、横軸を以下の(2)式で示すパラメータの値を示しており、(2)式で示すパラメータの値とCO
2分離システムのCO
2分離効率との関係性を示している。
【0011】
K/F×P・M/ρ …(2)式
ここで、Kは分離係数、Fは内気送風量(m
3/s)、Pは大気圧[kPa]、MはCO
2分子量[g/mol]、ρはCO
2密度[g/m
3]である。また、
図9(b)は、フィード風量とスイープ風量との比を1:1としている。
【0012】
(2)式の通り、
図9(b)に示すパラメータは、内気送風量が分母にある。これにより、内気送風量が増加するほど、CO
2分離効率が低下することが
図9(b)より分かる。これは、内気送風量が増加すると、対象空間よりCO
2分離システムに取り込まれた空気からCO
2分離素子によるCO
2分離がなされる前に、対象空間に戻されるCO
2が増加するためであると考えられる。
【0013】
よって、CO
2分離システムは、単位時間あたりのCO
2除去量を高めようと内気送風量を増加させてもCO
2除去量の増加量は小さくなるので、
図9(a)に示す通り、単位時間あたりのCO
2除去量の増加に対して、消費電力の増加率が大きくなる。そして、CO
2分離システムは、単位時間あたりのCO
2除去量が所定量以上となれば、かえって通常換気よりも消費電力が大きくなる。よって、CO
2分離システムは、対象空間から効率よくCO
2を除去するための制御が必要である。
【0014】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、対象空間から効率よくCO2を除去できるCO2分離システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的を達成するために、本開示のある態様のCO2分離システムは、CO2分離部と、CO2検知部と、送風部と、制御部と、を備える。CO2分離部は、屋内における対象空間内の空気から二酸化炭素(CO2)を分離して屋外へと放出する。CO2検知部は、対象空間内のCO2濃度を検知する。送風部は、CO2分離部への送風を行う。制御部は、送風部を制御し、CO2検知部が検知したCO2濃度に基づいて特定されるCO2分離効率となるように送風部によるCO2分離部への送風量を決定する。
【発明の効果】
【0016】
本開示のCO2分離システムによれば、対象空間から効率よくCO2を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の第一実施の形態に係るCO
2分離システムの設置例を示す模式図である。
【
図2】
図2(a)、(b)はそれぞれ、同CO
2分離システムに搭載するCO
2分離素子を簡略化した構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、同CO
2分離システムに搭載するCO
2分離素子として用いる積層構造体を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、同CO
2分離システムの制御部が対象空間内のCO
2濃度に基づいて特定するCO
2分離効率を説明するための図である。
【
図5】
図5(a)~(c)はそれぞれ、同制御部が特定したCO
2分離効率に対して決定される内気ファンの内気送風量と、外気ファンの外気送風量との例を示した図である。
【
図6】
図6は、同制御部により実行される送風部制御処理の一部を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、同送風部制御処理の
図6からの続きを示すフローチャートである。
【
図8】
図8(a)は、本発明の第二実施の形態に係るCO
2分離システムの制御部が対象空間内のCO
2濃度に基づいて特定する消費電力を説明するための図であり、
図8(b)は、同制御部が特定した消費電力に対して決定される内気ファンの内気送風量と、外気ファンの外気送風量との例を示した図である。
【
図9】
図9(a)は、CO
2分離システム及び通常換気それぞれについて、単位時間あたりのCO
2除去量に対して、その除去量のCO
2の除去に必要な消費電力を示した図であり、
図9(b)は、CO
2分離システムのCO
2分離効率のパラメータ依存性を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。よって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、及び構成要素、並びに、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。従って、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0019】
(第一実施の形態)
まず、本発明の第一実施の形態に係るCO
2分離システム1の概略構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、CO
2分離システム1の設置例を示す模式図である。CO
2分離システム1は、住宅等の建物の屋内に設置され、屋内における対象空間2内の空気39aから対象気体(例えば、二酸化炭素(CO
2)等)を分離して屋外へと放出するシステムである。
【0020】
CO2分離システム1は、筐体10、CO2分離素子20、内気風路16、内気ファン31、内気フィルタ37、外気風路17、外気ファン41、外気フィルタ47、制御部5、及びCO2検知部8を含む。
【0021】
筐体10は、CO
2分離システム1の外枠である。内気風路16及び外気風路17は、この筐体10の内部に形成される内部空間を分割する形で独立して形成される。また、CO
2分離素子20は、内気風路16及び外気風路17に亘って筐体10の内部に設置され、内気風路16を流通する空気39aからCO
2を分離して、外気風路17を流通する空気49aに分離したCO
2を放出する素子である。このCO
2分離素子20が、本発明のCO
2分離部に該当する。CO
2分離素子20の詳細については、
図2及び
図3を参照して後述する。
【0022】
内気風路16は、屋内におけるCO2の除去対象である対象空間2の空気39aが導入されて流通し、空気39aからCO2分離素子20によりCO2濃度が低減された空気39bを対象空間2に還流させる風路である。以下の説明では、空気39aと空気39bとを総称して「内気」とも称する。
【0023】
外気風路17は、屋外の空気49aが導入されて流通し、空気49aに対してCO2分離素子20よりCO2濃度が上昇した空気49bを屋外に放出させる風路である。以下の説明では、空気49aと空気49bとを総称して「外気」とも称する。
【0024】
筐体10の外周には、内気口33、給気口35、外気口43、及び排気口45が配置される。内気口33は、屋内の対象空間2の空気39aを内気としてCO2分離システム1の内気風路16に吸い込む吸込口である。内気口33は、屋内吸込口51と内気導入ダクト52によって連通接続されている。
【0025】
屋内吸込口51は、屋内の対象空間2に設けられた開口であり、対象空間2の空気39aをRA(Return Air、還気)として吸い込む。内気導入ダクト52は、屋内吸込口51より吸い込まれた対象空間2の空気39aを内気口33へ導くダクトである。内気導入ダクト52の一端部は屋内吸込口51と接続され、対象空間2の空気39aがRAとして内気導入ダクト52内に流入する。内気導入ダクト52の他端部は内気口33と接続され、RAを内気風路16に流入させる。つまり、内気導入ダクト52は、屋内における対象空間2の空気39aを内気として内気風路16に導入して流通させる。
【0026】
給気口35は、CO2分離素子20によりCO2濃度が低減された内気としての空気39bをCO2分離システム1から吐き出す吐出口である。給気口35は、屋内吹出口53と内気吹出ダクト54によって連通接続されている。
【0027】
屋内吹出口53は、屋内の対象空間2に設けられた開口であり、CO2濃度が低減された空気39bをSA(Supply Air、給気)として対象空間2に供給する。内気吹出ダクト54は、CO2分離システム1から吹き出された空気39bを屋内吹出口53へ導くダクトである。内気吹出ダクト54の一端部は給気口35と接続され、CO2分離素子20によってCO2濃度が低減した空気39bが内気吹出ダクト54内に流入する。内気吹出ダクト54の他端部は屋内吹出口53と接続され、内気吹出ダクト54内の空気39bをSAとして対象空間2に供給する。つまり、内気吹出ダクト54は、空気39bを対象空間2に還流させる。
【0028】
外気口43は、屋外の空気49aを外気としてCO2分離システム1の外気風路17に吸い込む吸込口である。外気口43は、屋外吸込口55と外気導入ダクト56によって連通接続されている。
【0029】
屋外吸込口55は、建物の外壁に設けられた開口であり、屋外の空気49aをOA(Outside Air、外気)として吸い込む。外気導入ダクト56は、屋外吸込口55より吸い込まれた空気49aを外気口43へ導くダクトである。外気導入ダクト56の一端部は屋外吸込口55と接続され、屋外からの空気49aがOAとして外気導入ダクト56内に流入する。外気導入ダクト56の他端部は外気口43と接続され、OAを外気風路17に流入させる。つまり、外気導入ダクト56は、屋外の空気49aを外気として外気風路17に導入して流通させる。
【0030】
排気口45は、CO2分離素子20によりCO2が上昇した外気としての空気49bをCO2分離システム1から吐き出す吐出口である。排気口45は、屋外吹出口57と外気吹出ダクト58によって連通接続されている。
【0031】
屋外吹出口57は、建物の外壁に設けられた開口であり、CO2濃度が上昇した空気49bをEA(Exhaust Air、排気)として屋外に排出する。外気吹出ダクト58は、CO2分離システム1から吹き出された空気49bを屋外吹出口57へ導くダクトである。外気吹出ダクト58の一端部は排気口45と接続され、CO2分離素子20によってCO2濃度が上昇した空気49bが外気吹出ダクト58内に流入する。外気吹出ダクト58の他端部は屋外吹出口57と接続され、外気吹出ダクト58内の空気49bをEAとして屋外に排出する。つまり、外気吹出ダクト58は、空気49bを屋外に放出させる。
【0032】
なお、内気導入ダクト52と内気吹出ダクト54は、内気風路16と併せて「内気風路」としてまとめられてもよく、外気導入ダクト56と外気吹出ダクト58は、外気風路17と併せて「外気風路」としてまとめられてもよい。
【0033】
内気ファン31は、内気風路16において、例えば、CO2分離素子20の下流側に取り付けられ、内気を対象空間2から内気口33を介して吸い込み、給気口35を介して対象空間2へ吐出することで、内気風路16における内気の送風を行う送風機である。内気ファン31は、本発明の送風部の一つに該当する。
【0034】
内気ファン31を駆動することにより対象空間2から内気口33を介して吸い込まれた内気は、内気フィルタ37を経由してCO2分離素子20へ送風され、更に給気口35を介して対象空間2に排出される。
【0035】
なお、内気ファン31は、CO2分離素子20の上流側に取り付けられてもよく、更に、内気フィルタ37の下流側かつCO2分離素子20の上流側に取り付けられてもよい。
【0036】
内気フィルタ37は、筐体10に流入した内気からゴミ及び塵埃などを取り除き、清浄化された空気39aをCO2分離素子20に供給するフィルタである。内気フィルタ37は、例えばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ等が用いられる。
【0037】
外気ファン41は、外気風路17に取り付けられ、外気を屋外から外気口43を介して吸い込み、排気口45を介して屋外へ吐出することで、外気風路17における外気の送風を行う送風機である。外気ファン41は、本発明の送風部の一つに該当する。
【0038】
外気ファン41を駆動することにより屋外から外気口43を介して吸い込まれた外気は、外気フィルタ47を経由してCO2分離素子20へ送風され、更に排気口45を介して屋外に排出される。
【0039】
外気ファン41は、例えば、CO2分離素子20の上流側、好ましくは、外気フィルタ47の下流側且つCO2分離素子20の上流側に取り付けられる。このような配置とすることによって、外気ファン41の運転により生じる熱によって、外気を加温でき、内気に対して外気が低温の場合において、外気と内気の熱交換による温熱ロスが低減される。ただし、外気ファン41は、CO2分離素子20の下流側に取り付けられてもよい。
【0040】
外気フィルタ47は、筐体10に流入した外気からゴミ及び塵埃などを取り除き、清浄化された空気49aをCO2分離素子20に供給するフィルタであり、例えばHEPAフィルタ等が用いられる。
【0041】
ここで、
図2及び
図3を参照して、CO
2分離素子20によるCO
2の分離の概要について説明する。まず、
図2(a)は、CO
2分離素子20を簡略化した構成を示す断面図である。
図2(a)では、内気が左側から右側に向かって流通される内気風路16と、外気が左側から右側に向かって流通される外気風路17とが、上下方向に重ねられて配置されて示されている。
【0042】
CO2分離素子20は、内気風路16と外気風路17との間にCO2分離膜22が配置される。内気風路16に導入された内気では二酸化炭素(CO2)18と窒素(N2)19が混ざっている。実際の空気には酸素(O2)等も混ざっているが、ここでは説明を明瞭にするためにO2等を省略する。
【0043】
内気風路16内を内気がCO2分離膜22に沿って流通すると、CO2分離膜22は、内気中のCO218を選択的に分離(透過)させ、CO218を外気風路17中の外気に放出する。これにより、内気中のCO218の濃度が低下すると共に、外気中のCO218の濃度が上昇する。
【0044】
図2(b)は、
図2(a)よりもCO
218の分離を効率的に実行するためのCO
2分離素子20を簡略化した構成を示す断面図である。
図2(b)に示すCO
2分離素子20は、内気風路16と総称される第一内気風路16aから第三内気風路16c、外気風路17と総称される第一外気風路17aから第三外気風路17c、及びCO
2分離膜22と総称される第一CO
2分離膜22aから第五CO
2分離膜22eを含む。なお、内気風路16と外気風路17の数は「3」に限定されない。
【0045】
図2(b)では、上側から下側に向かって、第一外気風路17a、第一内気風路16a、第二外気風路17b、第二内気風路16b、第三外気風路17c、第三内気風路16cが順番に配置される。
【0046】
また、第一外気風路17aと第一内気風路16aとの間には第一CO2分離膜22aが配置される。第一内気風路16aと第二外気風路17bとの間には第二CO2分離膜22bが配置される。第二外気風路17bと第二内気風路16bとの間には第三CO2分離膜22cが配置される。第二内気風路16bと第三外気風路17cとの間には第四CO2分離膜22dが配置される。第三外気風路17cと第三内気風路16cとの間には第五CO2分離膜22eが配置される。
【0047】
図2(a)と同様に、内気風路16内を流通する内気のCO
218は、CO
2分離膜22において選択的に分離(透過)され、外気風路17中の外気に放出される。
【0048】
図3は、CO
2分離システム1に搭載するCO
2分離素子20として用いる積層構造体6を示す斜視図である。以下では、積層構造体6の積層方向を鉛直上下方向として説明するが、積層構造体6がCO
2分離システム1に搭載された状態での方向を必ずしも示すものではない。
【0049】
積層構造体6は、矩形状のフレーム14と、CO2分離膜22により構成される矩形状のCO2分離素子ピース21とを交互に上下方向に積層して、内気風路16と、内気風路16と交差する外気風路17とを1層ずつ交互に構成された構造体である。
【0050】
より詳細には、積層構造体6は、CO2分離素子ピース21を上下の両面からフレーム14の端部において嵌合しながら、CO2分離素子ピース21とフレーム14とを繰り返し積層することで構成されている。
【0051】
CO
2分離素子ピース21をフレーム14で上下の両面から嵌合するときは、一段ずつ互い違いになるようにフレーム14を直交させて積層している。このような構成にすることで、
図2(b)のごとく内気が通風する内気風路16と外気が通風する外気風路17とが交互に形成される。そして、内気風路16に対象空間2から取り込まれた空気39aを流通させ、外気風路17に屋外から取り込まれた空気49aを流通させることで、それぞれの風路に内気流と外気流とが交互に直交して流れるようになる。
【0052】
このように、積層構造体6は、内気と外気とがCO2分離素子ピース21の積層方向において交互に直交して流れるようになる。これにより、CO2分離素子20は、CO2分離素子ピース21のCO2分離膜22を介して、内気側から外気側へCO2を選択的に透過可能とする。
【0053】
CO2分離素子ピース21は、CO2分離素子ピース21を挟んで内気と外気とが流れたときに、内気から外気にCO2を透過させるためのCO2分離膜22により構成されるシート状の部材である。CO2分離素子ピース21は、フレーム14によって嵌合されて折れ曲がるので、それに耐えうる伸縮性及び強度を有している部材を用いることが好ましい。
【0054】
図1に戻り、CO
2分離システム1の説明を続ける。CO
2検知部8は、内気導入ダクト52に取り付けられ、内気導入ダクト52を流通する空気39aのCO
2の濃度を検知する。内気導入ダクト52を流通する空気39aは、対象空間2から取り込まれた空気である。よって、CO
2検知部8により検知されるCO
2の濃度は、対象空間2内のCO
2濃度に相当する。
【0055】
CO2検知部8により検知された対象空間2内のCO2濃度に関する情報は、制御部5に送信される。なお、CO2検知部8は、直接対象空間2に取り付けられて、対象空間2内のCO2濃度を検知し、検知した対象空間2内のCO2濃度を制御部5に送信するものであってもよい。
【0056】
制御部5は、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。具体的には、制御部5は、CO2検知部8が検知した対象空間2内のCO2濃度に基づいて、そのCO2濃度を持つ対象空間2からCO2濃度を低減するためのCO2分離素子20のCO2分離効率を特定する。制御部5は、特定したCO2分離効率となるように、内気ファン31の送風量(内気送風量)と、外気ファン41の送風量(外気送風量)とを決定する。そして、制御部5は、決定した内気送風量となるように内気ファン31を制御し、また、決定した外気送風量となるように外気ファン41を制御する。
【0057】
ここで、
図4及び
図5を参照しながら、制御部5によるCO
2分離効率に基づく内気ファン31の内気送風量と外気ファン41の外気送風量との制御方法の例について説明する。
図4は、
図9(a)に示す図を利用して、制御部5が対象空間2内のCO
2濃度に基づいて特定するCO
2分離効率を説明するための図である。
【0058】
制御部5は、
図4に示す通り、例えばCO
2分離素子20のCO
2分離効率を、CO
2分離効率A、CO
2分離効率B、及びCO
2分離効率Cの3つの中から一つ、対象空間2内のCO
2濃度に基づいて特定する。即ち、対象空間2内のCO
2濃度が高い場合は単位時間あたりのCO
2除去量が高いCO
2分離効率を特定する。また、対象空間2内のCO
2濃度が低い場合は単位時間あたりのCO
2除去量が低いCO
2分離効率を特定する。
【0059】
CO
2分離効率A、CO
2分離効率B、及びCO
2分離効率Cは、CO
2分離システム1の設計段階で予め設定する。例えば、CO
2分離効率Bは20%、CO
2分離効率Cは40%とする。また、CO
2分離効率Aは、同等のCO
2除去性能(単位時間あたりのCO
2除去率)を持つ通常換気と消費電力が一致するCO
2分離効率(
図4に示す例では18%)とする。
【0060】
ここで、CO
2分離効率B及びCO
2分離効率Cは、CO
2分離効率Aよりも高いCO
2分離効率に設定する。
図9を参照して上記した通り、CO
2分離システム1は、CO
2分離効率が高いほど必要とされる内気送風量が小さく抑えられるので、消費電力を抑制できる。制御部5は、CO
2分離素子20のCO
2分離効率をCO
2分離効率A以上に特定することで、CO
2分離システム1は、通常換気よりも省エネルギー化を図ることができる。
【0061】
なお、CO2分離効率A~CO2分離効率Cは、CO2分離素子20の特性に応じて適宜設定されるものであり、上記した数値に限られるものではない。
【0062】
CO2分離効率と対象空間2内のCO2濃度との関係は、CO2分離システム1の設計段階で次のように定める。まず、CO2分離効率Bでの単位時間あたりのCO2除去量が、「対象空間2にN人いる場合にCO2の基準濃度1000ppmを維持できる除去量」となるように定める。
【0063】
これにより、CO
2分離システム1の設計段階で、CO
2分離素子20のCO
2分離膜22の膜サイズも決定される。そして、CO
2分離効率CからCO
2分離効率Bへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示す後述のフローチャートのステップS12の第四濃度)が1000ppmに定められる。また、CO
2分離効率AからCO
2分離効率Bへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図6に示す後述のフローチャートのステップS3の第一濃度)が1000ppmに定められる。
【0064】
一方、CO
2分離効率BからCO
2分離効率Cへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示す後述のフローチャートのステップS8の第二濃度)は、1000ppmに定めることもできる。ただし、CO
2分離効率CからCO
2分離効率Bへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度と、CO
2分離効率BからCO
2分離効率Cへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度とを同じ1000ppmとした場合、次のような問題が生じるおそれがある。即ち、対象空間2内のCO
2濃度が1000ppm付近にあれば、制御部5の特定するCO
2分離効率がCO
2分離効率BとCO
2分離効率Cとで頻繁に切り替わるおそれがある。
【0065】
そこで、CO
2分離効率BからCO
2分離効率Cへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示す後述のフローチャートのステップS8の第二濃度)は、次の(3)式から定めてもよい。
【0066】
【数2】
ここで、内気送風量Bは、CO
2分離素子20がCO
2分離効率Bとなるように決定された内気ファン31の内気送風量である。また、内気送風量Cは、CO
2分離素子20がCO
2分離効率Cとなるように決定された内気ファン31の内気送風量である。また、外気濃度は、外気中のCO
2濃度であり、例えば400ppmが用いられる。
【0067】
また、CO
2分離効率BからCO
2分離効率Aへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示す後述のフローチャートのステップS10の第三濃度)は、例えば1200ppmに定められる。
【0068】
制御部5は、以上のようにして定めた第一濃度~第四濃度と対象空間2内のCO2濃度とを比較して、CO2分離素子20のCO2分離効率をCO2分離効率A~CO2分離効率Cの中から特定する。そして、制御部5は、特定したCO2分離効率となるように、内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とを決定し、決定した内気送風量及び外気送風量となるように、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。
【0069】
図5は、制御部5が特定したCO
2分離効率に対して決定される内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量との例を示した図である。例えば、
図5(a)は、内気ファン31の内気送風量と外気ファン41の外気送風量とが「1:1」となるように、制御部5が内気送風量及び外気送風量とを決定する例である。この例では、制御部5は、CO
2分離効率C(40%)に対して、内気送風量・外気送風量共に1000L/minとする。また、制御部5は、CO
2分離効率B(20%)に対して、内気送風量・外気送風量共に3000L/minとする。また、制御部5は、CO
2分離効率A(18%)に対して、内気送風量・外気送風量共に4000L/minとする。
【0070】
なお、この例の場合、CO
2分離効率B(20%)からCO
2分離効率C(40%)へ切り替わる対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示す後述のフローチャートのステップS8の第二濃度)は、上記の(3)式を用いて800ppmに設定してもよい。
【0071】
制御部5は、特定したCO2分離効率に対して決定される内気ファン31の内気送風量と外気ファン41の外気送風量との比を「1:1」に固定する必要はなく、別の比(例えば「2:1」)に固定してもよい。
【0072】
また、制御部5は、
図5(b)に示す通り、内気ファン31の内気送風量と外気ファン41の外気送風量との比を変化させてもよい。例えば、制御部5は、CO
2分離効率C(40%)に対して、内気送風量と外気送風量との比を「2:1」とし、内気送風量を500L/min、外気送風量を250L/minとする。また、制御部5は、CO
2分離効率B(20%)に対して、内気送風量と外気送風量との比を「2:1」とし、内気送風量を3900L/min、外気送風量を1950L/minとする。一方、制御部5は、CO
2分離効率A(18%)に対して、内気送風量と外気送風量との比を「1:1」とし、内気送風量を4000L/min、外気送風量を4000L/minとする。
【0073】
なお、この例の場合、CO
2分離効率B(20%)からCO
2分離効率C(40%)へ切り替わる対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示す後述のフローチャートのステップS8の第二濃度)は、上記の(3)式を用いて554ppmに設定してもよい。
【0074】
また、制御部5は、
図5(c)に示す通り、外気ファン41の外気送風量を1000L/minに固定した上で、特定したCO
2分離効率に対して内気ファン31の内気送風量のみを調整してもよい。例えば、制御部5は、CO
2分離効率C(40%)に対して、内気送風量を1000L/minとする。また、制御部5は、CO
2分離効率B(20%)に対して、内気送風量を2400L/minとする。また、制御部5は、CO
2分離効率A(
図5(c)の例は、15%である場合を示す)に対して、内気送風量を4900L/minとする。
【0075】
なお、この例の場合、CO
2分離効率B(20%)からCO
2分離効率C(40%)へ切り替わる対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示す後述のフローチャートのステップS8の第二濃度)は、上記の(3)式を用いて900ppmに設定してもよい。
【0076】
制御部5は、
図5(a)~
図5(c)に示すような、制御部5が特定可能なCO
2分離効率に対応付けて、そのCO
2分離効率を達成するための内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とを示したテーブルを持っている。そして、制御部5は、対象空間2内のCO
2濃度に基づいてCO
2分離効率を特定すると、その特定されたCO
2分離効率に対応する内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とをテーブルより決定する。制御部5は、この決定した内気送風量及び外気送風量となるように、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。
【0077】
なお、
図5(c)に示す例の場合、外気ファン41の外気送風量が固定であるので、制御部5は、特定可能なCO
2分離効率に対応付けて、そのCO
2分離効率を達成するための内気ファン31の内気送風量のみを示したテーブルとしてもよい。そして、制御部5は、対象空間2内のCO
2濃度に基づいてCO
2分離効率を特定すると、その特定されたCO
2分離効率に対応する内気ファン31の内気送風量をテーブルより決定する。制御部5は、この決定した内気送風量となるように内気ファン31を制御する。また、制御部5は、予め固定された外気送風量となるように外気ファン41を制御する。
【0078】
次いで、
図6及び
図7を参照して、制御部5による内気ファン31及び外気ファン41の制御の流れについて説明する。
図6は、制御部5により実行される送風部制御処理の一部を示すフローチャートであり、
図7は、その送風部制御処理の
図6からの続きを示すフローチャートである。なお、以下の送風部制御処理の説明において、「以下」を「未満」と読み替えてもよく、「より大きい」を「以上」と読み替えてもよく、「以上」を「より大きい」と読み替えてもよく、「未満」を「以下」と読み替えてもよいことは、言うまでもない。
【0079】
送風部制御処理は、使用者よりCO2分離システム1に対して対象空間2内のCO2除去の実行の指示があった場合に制御部5により実行される処理である。この送風部制御処理は、対象空間2内のCO2濃度に基づいて、内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とを制御する。
【0080】
制御部5は、送風部制御処理の実行を開始すると、まず、初期設定として、CO2分離素子20のCO2分離効率がCO2分離効率B(20%)となるように、内気ファン31の内気送風量と外気ファン41の外気送風量とを決定する(ステップS1)。そして、制御部5は、決定した内気送風量及び外気送風量となるように、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。
【0081】
ここで、制御部5は、送風部制処理において、CO
2分離効率に対応する内気ファン31の内気送風量と外気ファン41の外気送風量との決定を、
図5(a)~
図5(c)に示すようなテーブルを用いて行う。
【0082】
なお、ステップS1の処理では、CO2検知部8が検知した対象空間2内のCO2濃度に基づいて、初期設定としてのCO2分離効率を特定してもよい。例えば、対象空間2内のCO2濃度が1000ppm未満の場合、CO2分離効率をCO2分離効率C(40%)と特定してもよい。また、対象空間2内のCO2濃度が1000ppm以上1200ppm未満の場合、CO2分離効率をCO2分離効率B(20%)と特定してもよい。また、対象空間2内のCO2濃度が1200ppm以上の場合、CO2分離効率をCO2分離効率A(18%)と特定してもよい。そして、制御部5は、特定されたCO2分離効率となるように、内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とを決定してもよい。
【0083】
次いで、制御部5は、現在のCO2分離素子20のCO2分離効率がCO2分離効率A(18%)であるかを判断する(ステップS2)。その結果、制御部5は、CO2分離効率がCO2分離効率Aであると判断すると(ステップS2:Yes)、次いで、CO2検知部8が検知した対象空間2内のCO2濃度を取得し、そのCO2濃度が第一濃度(例えば、1000ppm)以下であるかを判断する(ステップS3)。
【0084】
その結果、制御部5は、CO2濃度が第一濃度以下であると判断すると(ステップS3:Yes)、CO2濃度に対応するCO2分離素子20のCO2分離効率をCO2分離効率B(20%)と決定して、単位時間あたりのCO2除去量を下げる(ステップS4)。そして、制御部5は、CO2分離効率B(20%)に対応する内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とを決定し、決定した内気送風量及び外気送風量となるように、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。その後、制御部5は、ステップS2の処理に戻る。
【0085】
一方、ステップS3の判断の結果、制御部5は、CO2濃度が第一濃度(例えば、1000ppm)より大きいと判断すると(ステップS3:No)、CO2濃度に対応するCO2分離素子20のCO2分離効率をCO2分離効率A(18%)に維持した上で、ステップS5の判断を行う。ステップS5の判断では、制御部5は、CO2分離効率A(18%)での運転継続時間を判断し、その運転継続時間が第一時間(例えば、30分)以上であるかを判断する(ステップS5)。
【0086】
その結果、CO2分離効率A(18%)での運転継続時間が第一時間(例えば、30分)以上であると判断されると(ステップS5:Yes)、それは、次を意味する。即ち、CO2分離システム1が、CO2分離効率A(18%)で第一時間以上運転したとしても、対象空間2内のCO2濃度が第一濃度以下に下がらない、という意味である。また、CO2分離効率A(18%)での運転は、CO2分離効率B及びCと比べて、単位時間当たりのCO2除去量が最も大きい運転モードでもある。
【0087】
よって、この場合(ステップS5:Yes)、制御部5は、使用者に対して窓開け換気警告を報知して(ステップS6)、ステップS2の処理へ移行する。窓開け換気警告は、音声によって報知されるものであってもよいし、CO2分離システム1に設けられた発光ダイオードを発光させたり、液晶ディスプレイに表示させたりすることで報知されるものであってもよい。また、CO2分離システム1は、スマートフォン等の携帯情報端末との間で通信が行えるものであってもよく、窓開け換気警告は、その携帯情報端末にその旨の通知を表示させることで行われてもよい。
【0088】
一方、ステップS5の判断の結果、CO2分離効率A(18%)での運転継続時間が第一時間未満であると判断されると(ステップS5:No)、制御部5は、そのままステップS2の処理に戻る。
【0089】
また、ステップS2の判断の結果、制御部5は、現在のCO
2分離素子20のCO
2分離効率がCO
2分離効率Aでないと判断すると(ステップS2:No)、
図7に示すステップS7の判断へ移行する。ステップS7の判断では、現在のCO
2分離素子20のCO
2分離効率がCO
2分離効率B(20%)であるかを判断する(ステップS7)。
【0090】
その結果、制御部5は、CO2分離効率がCO2分離効率Bであると判断すると(ステップS7:Yes)、次いで、CO2検知部8が検知した対象空間2内のCO2濃度を取得し、そのCO2濃度が第二濃度(例えば、800ppm)以下であるかを判断する(ステップS8)。
【0091】
その結果、制御部5は、CO
2濃度が第二濃度以下であると判断すると(ステップS8:Yes)、CO
2濃度に対応するCO
2分離素子20のCO
2分離効率をCO
2分離効率C(40%)と決定して、単位時間あたりのCO
2除去量を下げる(ステップS9)。そして、制御部5は、CO
2分離効率C(40%)に対応する内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とを決定し、決定した内気送風量及び外気送風量となるように、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。その後、制御部5は、
図6に示すステップS2の処理に戻る。
【0092】
一方、ステップS8の判断の結果、制御部5は、CO2濃度が第二濃度より大きいと判断すると(ステップS8:No)、次いで、CO2検知部8が検知した対象空間2内のCO2濃度が第三濃度(例えば、1000ppm)より大きいかを判断する(ステップS10)。
【0093】
その結果、制御部5は、CO
2濃度が第三濃度より大きいと判断すると(ステップS10:Yes)、CO
2濃度に対応するCO
2分離素子20のCO
2分離効率をCO
2分離効率A(18%)と決定して、単位時間あたりのCO
2除去量を上げる(ステップS11)。そして、制御部5は、CO
2分離効率A(18%)に対応する内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とを決定し、決定した内気送風量及び外気送風量となるように、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。その後、制御部5は、
図6に示すステップS2の処理に戻る。
【0094】
一方、ステップS10の判断の結果、CO
2濃度が第三濃度以下であると判断されると(ステップS10:Yes)、対象空間2内のCO
2濃度は、第二濃度より大きく第三濃度以下である。よって、制御部5は、CO
2濃度に対応するCO
2分離素子20のCO
2分離効率をCO
2分離効率B(20%)に維持した上で、
図6に示すステップS2の処理に戻る。
【0095】
また、ステップS7の判断の結果、現在のCO2分離素子20のCO2分離効率がCO2分離効率Bでないと判断される場合(ステップS7:No)、現在のCO2分離素子20のCO2分離効率はCO2分離効率C(40%)である。そこで、この場合、制御部5は、CO2検知部8が検知した対象空間2内のCO2濃度を取得し、そのCO2濃度が第四濃度(例えば、1000ppm)より大きいかを判断する(ステップS12)。
【0096】
その結果、制御部5は、CO
2濃度が第四濃度より大きいと判断すると(ステップS12:Yes)、CO
2濃度に対応するCO
2分離素子20のCO
2分離効率をCO
2分離効率B(20%)と決定して、単位時間あたりのCO
2除去量を上げる(ステップS12)。そして、制御部5は、CO
2分離効率B(20%)に対応する内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とを決定し、決定した内気送風量及び外気送風量となるように、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。その後、制御部5は、
図6に示すステップS2の処理に戻る。
【0097】
また、ステップS12の判断の結果、CO
2濃度が第四濃度以下であると判断されると(ステップS12:Yes)、制御部5は、CO
2濃度に対応するCO
2分離素子20のCO
2分離効率をCO
2分離効率C(40%)に維持した上で、
図6に示すステップS2の処理に戻る。
【0098】
以上説明した第一実施の形態に係るCO2分離システム1は、次の効果を奏する。
【0099】
(1)CO2分離システム1は、CO2分離素子20によって、屋内における対象空間2内の空気39aからCO2を分離し、屋外へと放出することにより、対象空間2内のCO2濃度を低下させる。CO2分離素子20への送風は、内気ファン31及び外気ファン41によって行われる。CO2分離素子20におけるCO2分離効率は、例えばCO2分離素子20への送風量によって決定される。ここで、CO2分離システム1は、CO2検知部8により、対象空間2内のCO2濃度が検知され、制御部5によって、その検知されたCO2濃度に基づいて、必要なCO2分離効率が特定される。そして、CO2分離システム1は、制御部5によって、特定されたCO2分離効率となるように、内気ファン31及び外気ファン41の送風量が決定される。これにより、CO2分離システム1は、対象空間2内のCO2濃度を低下させるために必要十分なCO2分離効率を特定し、そのCO2分離効率となるようにCO2分離素子20への内気ファン31及び外気ファン41の送風量が決定できる。よって、CO2分離システム1は、必要以上に電力を消費することなく、対象空間2からCO2を除去できる。従って、CO2分離システム1は、対象空間2から効率よくCO2を除去できる。
【0100】
(2)CO2分離システム1は、内気風路16に対象空間2の空気39aが内気として導入されて流通し、CO2分離素子20によりCO2が分離された後、対象空間2に空気39bとして還流される。内気風路16における内気の送風は、内気ファン31によって行われる。また、CO2分離システム1は、外気風路17に屋外の空気49aが外気として導入されて流通し、CO2分離素子20によりCO2が導入された後、空気49bとして屋外に放出される。外気風路17における外気の送風は、外気ファン41によって行われる。そして、CO2分離システム1は、制御部5によって、対象空間2内のCO2濃度に基づいて特定されたCO2分離効率となるように、少なくとも内気ファン31の内気送風量を調節して、CO2分離素子20への送風量が決定される。これにより、CO2分離システム1は、必要以上に電力を消費することなく対象空間2からCO2を除去できるので、対象空間2から効率よくCO2を除去できる。
【0101】
(3)制御部5は、例えば、対象空間2内のCO
2濃度が、第二濃度(
図7のステップS8参照)以下の第一CO
2濃度の場合に、CO
2分離効率をCO
2分離効率C(本発明の第一CO
2分離効率に該当)と特定する。また、制御部5は、対象空間2内のCO
2濃度が、第四濃度(
図7のステップS12参照)より大きい第二CO
2濃度の場合に、CO
2分離効率をCO
2分離効率Cよりも低いCO
2分離効率B(本発明の第二CO
2分離効率に該当)と特定する。即ち、制御部5は、対象空間2内のCO
2濃度が、第一CO
2濃度よりも高い第二CO
2濃度の場合、第一CO
2濃度に対して特定したCO
2分離効率よりも低いCO
2分離効率を特定する。そして、制御部5は、特定したCO
2分離効率となるようにCO
2分離素子20への送風量を決定する。これにより、CO
2分離システム1は、対象空間2内のCO
2濃度が低い場合、CO
2分離効率を高く設定しつつ、そのCO
2分離効率にあわせてCO
2分離素子20への送風量を少なくすることで、省電力化を図ることができる。また、CO
2分離システム1は、対象空間2内のCO
2濃度が高い場合、CO
2分離効率を低く設定しつつ、そのCO
2分離効率にあわせてCO
2分離素子20への送風量を多くすることで、必要以上に電力を消費することなく、対象空間2からCO
2を除去できる。従って、CO
2分離システム1は、対象空間2から効率よくCO
2を除去できる。
【0102】
その他、CO2分離システム1は、上記説明の中で記載した通り、各々の構成に対し、その構成に対応した効果を享受できる。
【0103】
(第二実施の形態)
次いで、
図8を参照して、第二実施の形態に係るCO
2分離システム1について説明する。
【0104】
第一実施の形態に係るCO2分離システム1は、CO2検知部8により検知された対象空間2内のCO2濃度に基づいて、制御部5がCO2分離効率を特定し、その特定したCO2分離効率となるように、内気ファン31及び外気ファン41の送風量を決定した。
【0105】
これに対し、第二実施の形態に係るCO2分離システム1は、CO2検知部8により検知された対象空間2内のCO2濃度に基づいて、制御部5が、そのCO2濃度を削減するために必要なCO2分離システム1の消費電力を特定する。制御部5は、その特定した消費電力となるように内気ファン31の内気送風量及び外気ファン41の外気送風量を決定する。そして、決定した内気送風量及び外気送風量となるように、制御部5は、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。
【0106】
図8(a)は、
図9(a)に示す図を利用して、第二実施の形態に係るCO
2分離システム1の制御部5が対象空間2内のCO
2濃度に基づいて特定する消費電力を説明するための図である。
【0107】
制御部5は、
図8(a)に示す通り、例えばCO
2分離システム1の消費電力を、消費電力A、消費電力B、及び消費電力Cの3つの消費電力の中から一つ、対象空間2内のCO
2濃度に基づいて特定する。即ち、対象空間2内のCO
2濃度が高い場合は単位時間あたりのCO
2除去量が高い消費電力を特定し、対象空間2内のCO
2濃度が低い場合は単位時間あたりのCO
2除去量が低い消費電力を特定する。
【0108】
消費電力A、消費電力B、及び消費電力Cは、CO2分離システム1の設計段階で予め設定する。例えば、消費電力Bは消費電力Aの50%、消費電力Cは消費電力Aの5%とする。また、消費電力Aは、通常換気とCO2分離システム1とで、同一の消費電力で同等のCO2除去性能(単位時間あたりのCO2除去率)が得られる、その消費電力とする。
【0109】
ここで、消費電力B及び消費電力Cは、消費電力Aよりも低い消費電力に設定する。これにより、制御部5は、CO2分離素子20の消費電力を消費電力A以下に特定することになるので、CO2分離システム1は、通常換気よりも省エネルギー化を図ることができる。
【0110】
なお、消費電力B及び消費電力Cは、CO2分離素子20の特性に応じて適宜設定されるものであり、上記した数値に限られるものではない。
【0111】
消費電力と対象空間2内のCO2濃度との関係は、CO2分離システム1の設計段階で次のように定める。まず、消費電力Bでの単位時間あたりのCO2除去量が、「対象空間2にN人いる場合にCO2の基準濃度1000ppmを維持できる除去量」となるように定める。
【0112】
これにより、CO
2分離システム1の設計段階で、CO
2分離素子20のCO
2分離膜22の膜サイズも決定される。そして、消費電力Cから消費電力Bへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示すフローチャートのステップS12の第四濃度に相当)が1000ppmに定められる。また、消費電力Aから消費電力Bへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図6に示すフローチャートのステップS3の第一濃度に相当)が1000ppmに定められる。
【0113】
一方、消費電力Bから消費電力Cへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示すフローチャートのステップS8の第二濃度に相当)は、1000ppmに定めることもできる。ただし、消費電力Cから消費電力Bへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度と、消費電力Bから消費電力Cへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度とを同じ1000ppmとした場合、次のような問題が生じ得る。即ち、対象空間2内のCO
2濃度が1000ppm付近にあれば、制御部5の特定する消費電力が消費電力Bと消費電力Cとで頻繁に切り替わるおそれがある。
【0114】
そこで、消費電力Bから消費電力Cへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示すフローチャートのステップS8の第二濃度に相当)は、次のように定めてもよい。消費電力Cでの単位時間当たりのCO
2除去量は、消費電力Bでの単位時間当たりのCO
2除去量に対して「対象空間2にn人いる場合にCO
2の基準濃度1000ppmを維持できる除去量(n<N)」と定めることができる。そこで、消費電力Bから消費電力Cへ切り替える対象空間2内のCO
2濃度(
図7に示すフローチャートのステップS8の第二濃度に相当)は、(4)式から定めることができる。
【0115】
第二濃度=(n/N)×(第四濃度-外気濃度)+外気濃度 …(4)式
ここで、外気濃度は、外気中のCO2濃度であり、例えば400ppmが用いられる。仮に、消費電力Bでの単位時間あたりのCO2除去量が「対象空間2に4人いる場合にCO2の基準濃度1000ppmを維持できる除去量」と定められ(即ちN=4)、消費電力Cでの単位時間あたりのCO2除去量が「対象空間2に3人いる場合にCO2の基準濃度1000ppmを維持できる除去量」と定められた(即ちn=3)場合、消費電力Bから消費電力Cへ切り替える対象空間2内のCO2濃度(第二濃度)は、(4)式から850ppmと求められる。
【0116】
制御部5は、以上のようにして定めた第一濃度~第四濃度と対象空間2内のCO2濃度とを比較して、CO2分離素子20の消費電力を消費電力A~消費電力Cの中から特定する。そして、制御部5は、特定した消費電力となるように、内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量とを決定し、決定した内気送風量及び外気送風量となるように、内気ファン31及び外気ファン41を制御する。
【0117】
図8(b)は、制御部5が特定した消費電力に対して決定される内気ファン31の内気送風量と、外気ファン41の外気送風量との例を示した図である。例えば、
図8(b)は、制御部5が内気ファン31の内気送風量と外気ファン41の外気送風量とが「1:1」となるように、内気送風量及び外気送風量とを決定する例である。
【0118】
この例では、制御部5は、消費電力C(消費電力Aの5%)に対して、内気送風量・外気送風量共に1000L/minとする。また、制御部5は、消費電力B(消費電力Aの50%)に対して、内気送風量・外気送風量共に2550L/minとする。また、制御部5は、消費電力A(100%)に対して、内気送風量・外気送風量共に4000L/minとする。
【0119】
なお、制御部5は、特定した消費電力に対して決定される内気ファン31の内気送風量と外気ファン41の外気送風量との比を「1:1」に固定する必要はなく、別の比(例えば「2:1」)に固定したり、また、消費電力によってその比を変化させたりしてもよい。また、制御部5は、外気ファン41の外気送風量を固定した上で、特定した消費電力に対して内気ファン31の内気送風量のみを調整してもよい。
【0120】
以上のように構成された第二実施の形態に係るCO
2分離システム1の制御部5は、
図6及び
図7のフローチャートに示す送風部制御処理と同様の処理を実行する。ただし、第二実施の形態に係る送風部制御処理は、
図6及び
図7に示す送風部制御処理に対して、「CO
2分離効率A」を「消費電力A」、「CO
2分離効率B」を「消費電力B」、「CO
2分離効率C」を「消費電力C」とそれぞれ読み替えたものが実行される。
【0121】
以上説明した第二実施の形態に係るCO2分離システム1は、次の効果を奏する。
【0122】
(4)CO2分離システム1は、CO2検知部8により、対象空間2内のCO2濃度が検知され、制御部5によって、その検知されたCO2濃度に基づいて、CO2を除去するために必要な消費電力が特定される。そして、CO2分離システム1は、制御部5によって、特定された消費電力となるように、内気ファン31及び外気ファン41の送風量が決定される。これにより、CO2分離システム1は、対象空間2内のCO2濃度を低下させるために必要十分な消費電力を特定し、そのCO2分離効率となるようにCO2分離素子20への内気ファン31及び外気ファン41の送風量が決定できる。よって、CO2分離システム1は、必要以上に電力を消費することなく、対象空間2からCO2を除去できる。従って、CO2分離システム1は、対象空間2から効率よくCO2を除去できる。
【0123】
その他、第二実施の形態に係るCO2分離システム1は、第一実施の形態に係るCO2分離システム1と同様の構成によって、同様の作用効果を奏する。
【0124】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、以下に説明する変形例を含む各実施の形態は、それぞれ、他の実施の形態が有する構成の一部又は複数部分を、その実施の形態に追加しあるいはその実施の形態の構成の一部又は複数部分と交換等することにより、その実施の形態を変形して構成するようにしても良い。また、各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0125】
上記各実施の形態では、空気49aとして、屋外(建屋外)の空気が導入される構成としたが、これに限られない。例えば、空気49aとして、建物内の天井部から空気が導入されるように構成してもよいし、人のいない隣の部屋等の屋内の空気が導入されるように構成してもよい。このようにしても、人が存在してCO2濃度が上昇した対象空間2の空気39aよりも、CO2濃度が小さい空気を空気49aとしてCO2分離素子20に導入することができる。従って、CO2濃度の高い空気39aから、相対的にCO2濃度の低い空気49aへとCO2が移動し、対象空間2のCO2濃度上昇が抑制可能という同様の効果を享受することができる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本開示は、人が多い対象空間のCO2を効率よく除去できるCO2分離システムとして有用である。
【符号の説明】
【0127】
1 CO2分離システム
2 対象空間
5 制御部
6 積層構造体
8 CO2検知部
10 筐体
14 フレーム
16 内気風路
16a 第一内気風路
16b 第二内気風路
16c 第三内気風路
17 外気風路
17a 第一外気風路
17b 第二外気風路
17c 第三外気風路
20 CO2分離素子
21 CO2分離素子ピース
22 CO2分離膜
22a 第一CO2分離膜
22b 第二CO2分離膜
22c 第三CO2分離膜
22d 第四CO2分離膜
22e 第五CO2分離膜
31 内気ファン
33 内気口
35 給気口
37 内気フィルタ
39a 空気
39b 空気
41 外気ファン
43 外気口
45 排気口
47 外気フィルタ
49a 空気
49b 空気
51 屋内吸込口
52 内気導入ダクト
53 屋内吹出口
54 内気吹出ダクト
55 屋外吸込口
56 外気導入ダクト
57 屋外吹出口
58 外気吹出ダクト