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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139874
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】LED照明装置及びLED照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/00 20060101AFI20241003BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241003BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241003BHJP
【FI】
F21V17/00 154
F21S2/00 230
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050805
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】三枝 浩和
(72)【発明者】
【氏名】高島 淳
(72)【発明者】
【氏名】橋本 篤
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011BA02
3K011EF06
(57)【要約】
【課題】フレームとカバー部材の延設部とが面接触することで異音が生じることを抑制できるLED照明装置等を提供する
【解決手段】LED照明装置3は、光源部10と、光源部10が取り付けられた主板部21を有するフレーム20と、フレーム20に取り付けられたカバー部材30と、を備え、フレーム20は、側板部24を有し、カバー部材30は、光源部10を覆う主部31と、光源部10に向かって延出する延設部32と、側板部24に取り付けられた取付部33とを有し、延設部32は、主板部21に当接する当接部32cを有し、取付部33は、側板部34に当接する当接部33aを有し、延設部32とフレーム20との間に第1の隙間G1が存在し、延設部32及びフレーム20の少なくとも一方に第1の隙間G1に位置する突起34又は25が設けられており、突起34又は25は、先端がフレーム20及び延設部32に接触しないように設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、
前記光源部が取り付けられた主板部を有する長尺状のフレームと、
前記フレームに取り付けられた長尺状のカバー部材と、を備え、
前記フレームは、前記光源部の光出射側とは反対側に向かって延在する側板部を有し、
前記カバー部材は、前記光源部を覆う主部と、前記光源部に向かって延出する延設部と、前記光源部の光出射側とは反対側に向かって延在し且つ前記側板部に取り付けられた取付部とを有し、
前記延設部は、前記主板部に当接する当接部を有し、
前記取付部は、前記側板部に当接する当接部を有し、
前記延設部と前記フレームとの間に第1の隙間が存在し、
前記延設部及び前記フレームの少なくとも一方に、前記第1の隙間に位置する突起が設けられており、
前記フレームと前記カバー部材とが所定の基準位置に存在する場合、前記突起は、当該突起の先端が前記フレーム及び前記延設部に接触しないように設けられている、
LED照明装置。
【請求項2】
前記フレームは、前記光源部の光出射側に向かって突出する突出部を有し、
前記延設部は、前記突出部を覆っており、
前記第1の隙間は、前記延設部と前記突出部との間に存在している、
請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記第1の隙間には、前記突出部の頂部と前記延設部との間の隙間が含まれている、
請求項2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記第1の隙間には、さらに、前記突出部における前記頂部以外の部分と前記延設部との間の隙間が含まれている、
請求項3に記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記突出部は、傾斜板部を含む横板部を有し、
前記突起は、前記傾斜板部と前記延設部との間に位置し且つ前記延設部に設けられている、
請求項2~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項6】
前記フレームは、一対の前記突出部を有し、
前記カバー部材は、一対の前記延設部を有し、
前記突起は、一対の前記延設部の各々に設けられており、
前記フレーム及び前記カバー部材の少なくとも一方が前記フレームの幅方向にずれて前記フレーム及び前記カバー部材が片寄の状態になった場合、一対の前記突起の一方は、一対の前記突出部の一方における前記傾斜板部に接触し、一対の前記突起の他方は、一対の前記突出部の他方における前記傾斜板部に接触していない、
請求項5に記載のLED照明装置。
【請求項7】
前記LED照明装置は、器具本体の凹部に設置され、
前記延設部は、前記突出部よりも外側に位置する外延設部と、前記外延設部から前記突出部を覆って前記光源部に向かって延在する内延設部とを有し、
前記外延設部は、前記凹部の開口端縁に当接している、
請求項2~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項8】
前記突起は、前記フレームに設けられており、
前記フレームと前記カバー部材とが所定の基準位置に存在する場合、前記突起は、当該突起の先端が前記延設部に接触しないように設けられている、
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項9】
前記突起は、前記延設部及び前記フレームの各々に設けられており、
前記フレームと前記カバー部材とが所定の基準位置に存在する場合、
前記延設部に設けられた前記突起は、当該突起の先端が前記フレームに接触しないように設けられており、
前記フレームに設けられた前記突起は、当該突起の先端が前記延設部に接触しないように設けられている、
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項10】
前記側板部と前記取付部との間に第2の隙間が存在しており、
前記側板部及び前記取付部の少なくとも一方に、前記第2の隙間に位置する突起が設けられており、
前記フレームと前記カバー部材とが所定の基準位置に存在する場合、前記第2の隙間に設けられた前記突起は、当該突起の先端が前記側板部及び前記取付部に接触しないように設けられている、
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項11】
前記フレームは、一対の前記側板部を有し、
前記カバー部材は、一対の前記取付部を有し、
前記突起は、一対の前記取付部の各々に設けられており、
前記フレーム及び前記カバー部材の少なくとも一方が前記フレームの幅方向にずれて前記フレーム及び前記カバー部材が片寄の状態になった場合、一対の前記突起の一方は、一対の前記側板部の一方に接触し、一対の前記突起の他方は、一対の前記側板部の他方に接触していない、
請求項10に記載のLED照明装置。
【請求項12】
前記延設部の前記当接部は、前記主板部に押し付けられた状態で前記主板部に当接している、
請求項10に記載のLED照明装置。
【請求項13】
前記延設部の前記当接部は、前記延設部の先端部である、
請求項12に記載のLED照明装置。
【請求項14】
前記取付部の前記当接部は、前記取付部の先端部である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項15】
前記取付部の前記当接部は、前記側板部の先端部に係合する係合部である、
請求項14に記載のLED照明装置。
【請求項16】
前記フレームに取り付けられ、前記LED照明装置を器具本体に取り付けるための弾性保持部材を備え、
前記LED照明装置は、前記弾性保持部材の弾性力によって前記器具本体側に引き上げられる、
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項17】
前記延設部は、前記主部に向かって凸となるアーチ状である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項18】
前記カバー部材の長手方向の両端部は、エンドキャップにより閉塞されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項19】
前記主部、前記延設部及び前記エンドキャップと前記フレームとによって閉じられた空間領域が形成されている、
請求項18に記載のLED照明装置。
【請求項20】
前記突出部は、前記主板部に垂直に立設する立板部を有する、
請求項2~4のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項21】
前記突出部は、前記立板部に接続された横板部を有する、
請求項20に記載のLED照明装置。
【請求項22】
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明装置と、
前記LED照明装置が収納される凹部を有する器具本体と、を備える、
LED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置及びLED照明装置を備えるLED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)を用いたLED照明器具が知られている。例えば、天井に設置されるLED照明器具として、ライトバーと呼ばれる長尺状のLED照明装置と、LED照明装置が着脱可能に取り付けられる凹部を有する長尺状の器具本体とを備えるLED照明器具が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示されたLED照明装置(LEDユニット)は、長尺状の基板と、基板に実装された複数のLEDと、複数のLEDを覆う長尺状で透光性を有するカバー部材と、基板を支持するとともにカバー部材が取り付けられる長尺状のフレームとを備える。
【0004】
特許文献1に開示されたLED照明装置において、カバー部材は、光源部を覆う主部と、カバー部材の側方部分から光源部側に向かって延在する一対の延設部とを有している。一対の延設部の各々は、フレームの両端部に設けられた一対の突出部を覆うように延在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-029122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたLED照明装置では、フレームとカバー部材の延設部とが面接触し、異音が発生するという課題がある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、フレームとカバー部材の延設部とが面接触することで異音が生じることを抑制できるLED照明装置及びLED照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るLED照明装置の一態様は、光源部と、前記光源部が取り付けられた主板部を有する長尺状のフレームと、前記フレームに取り付けられた長尺状のカバー部材と、を備え、前記フレームは、前記光源部の光出射側とは反対側に向かって延在する側板部を有し、前記カバー部材は、前記光源部を覆う主部と、前記光源部に向かって延出する延設部と、前記光源部の光出射側とは反対側に向かって延在し且つ前記側板部に取り付けられた取付部とを有し、前記延設部は、前記主板部に当接する当接部を有し、前記取付部は、前記側板部に当接する当接部を有し、前記延設部と前記フレームとの間に第1の隙間が存在し、前記延設部及び前記フレームの少なくとも一方に、前記第1の隙間に位置する突起が設けられており、前記フレームと前記カバー部材とが所定の基準位置に存在する場合、前記突起は、当該突起の先端が前記フレーム及び前記延設部に接触しないように設けられている。
【0009】
また、本発明に係るLED照明器具の一態様は、上記のLED照明装置と、LED照明装置が収納される凹部を有する器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
フレームとカバー部材の延設部とが面接触することで異音が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態に係るLED照明器具の斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係るLED照明器具の分解斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係るLED照明器具の断面図である。
図4図4は、実施の形態に係るLED照明器具の断面図である。
図5図5は、実施の形態に係るLED照明器具の部分断面図である。
図6図6は、実施の形態に係るLED照明装置をカバー部材側から見たときの斜視図である。
図7図7は、実施の形態に係るLED照明装置を裏側から見たときの斜視図である。
図8図8は、実施の形態に係るLED照明装置の断面斜視図である。
図9図9は、実施の形態に係るLED照明装置の分解斜視図である。
図10図10は、実施の形態に係るLED照明器具において、LED照明装置を器具本体に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
図11図11は、実施の形態に係るLED照明装置の製造方法において、カバー部材をフレームに取り付けるときの様子を説明するための図である。
図12図12は、他の実施の形態に係るLED照明装置の製造方法において、カバー部材をフレームに取り付けるときの様子を説明するための図である。
図13図13は、実施の形態に係るLED照明器具において、フレームの位置がずれた状態を示す断面図である。
図14図14は、変形例1に係るLED照明器具の断面図である。
図15図15は、フレームとカバー部材との間の第1の隙間に設けられる突起のバリエーションを示す図である。
図16図16は、変形例2に係るLED照明器具の部分拡大断面図である。
図17図17は、変形例3に係るLED照明器具の部分拡大断面図である。
図18図18は、変形例4に係るLED照明器具の部分拡大断面図である。
図19図19は、変形例5に係るLED照明器具の部分拡大断面図である。
図20図20は、変形例6に係るLED照明器具の部分拡大断面図である。
図21図21は、器具本体とカバー部材との間の隙間に設けられる突起のバリエーションを示す図である。
図22図22は、変形例7に係るLED照明器具の部分拡大断面図である。
図23図23は、変形例8に係るLED照明器具の断面図である。
図24図24は、変形例9に係るLED照明器具の断面図である。
図25図25は、カバー部材に設けられる突起のバリエーションを示す図である。
図26図26は、フレームに設けられる突起(リブ)のバリエーションを示す図である。
図27図27は、フレームに設けられる突起(ダボ)のバリエーションを示す図である。
図28図28は、変形例10に係るLED照明器具の断面図である。
図29図29は、変形例11に係るLED照明器具の断面図である。
図30図30は、カバー部材の取付部とフレームの側板部との当接部分のバリエーションを示す図である。
図31図31は、変形例12に係るLED照明器具の断面図である。
図32図32は、カバー部材の延設部の先端部のバリエーションを示す図である。
図33図33は、変形例13に係るLED照明装置の半断面図である。
図34図34は、2種類のカバー部材の断面図である。
図35図35は、図34(a)のカバー部材のバリエーションを示す断面図である。
図36図36は、図34(b)のカバー部材のバリエーションを示す断面図である。
図37図37は、変形例14に係るLED照明装置の半断面図である。
図38図38は、変形例15に係るLED照明装置の半断面図である。
図39図39は、変形例16に係るLED照明装置の半断面図である。
図40図40は、変形例17に係るLED照明装置の半断面図である。
図41図41は、変形例18に係るLED照明装置の半断面図である。
図42図42は、変形例19に係るLED照明装置の半断面図である。
図43図43は、変形例20に係るLED照明装置の半断面図である。
図44図44は、変形例21に係るLED照明装置の半断面図である。
図45図45は、変形例22に係るLED照明装置の半断面図である。
図46図46は、変形例23に係るLED照明装置の半断面図である。
図47図47は、フレームの第1変形例を示す断面図である。
図48図48は、フレームの第2変形例を示す断面図である。
図49図49は、フレームの第3変形例を示す断面図である。
図50図50は、フレームの第4変形例を示す断面図である。
図51図51は、フレームの第5変形例を示す断面図である。
図52図52は、フレームの第6変形例を示す断面図である。
図53図53は、フレームの第7変形例を示す断面図である。
図54図54は、フレームの第8変形例を示す断面図である。
図55図55は、フレームの第9変形例を示す断面図である。
図56図56は、フレームの第10変形例を示す断面図である。
図57図57は、フレームの第11変形例を示す断面図である。
図58図58は、フレームの第12変形例を示す断面図である。
図59図59は、フレームの第13変形例を示す断面図である。
図60図60は、フレームの第14変形例を示す断面図である。
図61図61は、フレームの第15変形例を示す断面図である。
図62図62は、種々の形状のフレームについて、フレームとカバー部材との隙間(第1の隙間G1、第2の隙間G2)とフレーム又はカバー部材に設けられる突起(リブ・ダボ)の位置とのバリエーションを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、各図において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0014】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係るLED照明器具1の構成について、図1図5を用いて説明する。図1は、実施の形態に係るLED照明器具1の斜視図である。図2は、同LED照明器具1の分解斜視図である。図3及び図4は、同LED照明器具1の断面図であり、LED照明器具1の短手方向と平行な平面で切断したときの断面を示している。図3は、電源装置4が存在しない部分の断面を示しており、図4は、電源装置4が存在する部分の断面を示している。図5は、同LED照明器具1の部分断面図であり、LED照明器具1の長手方向と平行な平面で切断したときの断面を示している。具体的には、図5は、LED照明器具1の長手方向の両端部のうちの一方の端部周辺の断面を示している。
【0015】
LED照明器具1は、図1図5に示すように、器具本体2と、器具本体2に取り付けられたLED照明装置3とを備える。本実施の形態に係るLED照明装置3は、LEDを光源とするLEDユニットである。LED照明器具1及びLED照明装置3は、長尺状である。LED照明器具1及びLED照明装置3の全長は、一例として、2フィート、4フィート又は8フィートである。本実施の形態におけるLED照明装置3の全長は4フィートである。なお、1フィート(=1[ft])は、304.8[mm]である。
【0016】
器具本体2は、LED照明装置3を保持している。器具本体2は、建物における所定の箇所に設置される。本実施の形態におけるLED照明器具1は、天井直付け型の照明器具である。この場合、LED照明器具1は、床面側に向かって照明光を照射する。具体的には、LED照明器具1のLED照明装置3から照明光が照射される。LED照明器具1を天井に設置する場合、LED照明器具1の器具本体2は、例えば、ボルト等を用いて天井に取り付けられる。この場合、器具本体2に設けられたボルト挿通孔に、天井から突出するボルトを挿通し、ボルトに座金及びナットを取り付けて器具本体2をボルトに固定する。なお、施工現場によってはダブルナットによって器具本体2が取り付けられる場合もある。器具本体2には、ボルトの出代(器具本体2へのボルト引き込み代)が必要となり、その周辺には、LED照明装置3の部品が干渉しないようになっていることが望ましい。
【0017】
また、LED照明装置3のフレーム20の背面側に設けられた部品(電源装置4、調光用端子台9、機能付きユニット等)は、フレーム20から出っ張っているので、器具本体2に設けられた、ボルト挿通孔、配線挿通孔(電源線や調光信号線等の配線が挿通される孔)及び端子台と干渉しないように、ボルト挿通孔、配線挿通孔及び端子台と重ならないように配置されているとよい。特に、凹部2aの深さが浅い器具本体2では、フレーム20の背面側に設けられた部品は、ボルト挿通孔、配線挿通孔及び端子台と重ならないように配置するとよい。なお、蛍光ランプを備えた既存の照明器具に用いられる凹部の深さが深い器具本体(リニューアル用器具本体等)であっても、フレーム20の背面側に設けられた部品は、ボルト挿通孔、配線挿通孔及び端子台と重ならないように配置するとよい。なお、配線挿通孔と端子台との間にも電源線(VVFケーブル)が2本接続される可能性があるため、フレーム20の背面側に設けられた部品は、配線挿通孔と端子台との間の領域にも重ならないように配置することが望ましい。
【0018】
器具本体2は、金属製であり、金属板に曲げ加工等を施すことにより、Y軸方向に長尺且つ扁平な箱形状に形成されている。図2に示すように、器具本体2には、矩形状の開口面を有する凹部2aが設けられている。凹部2aは、器具本体2の長手方向に沿って長尺状に設けられている。凹部2aは、LED照明装置3が収納される収納部であり、器具本体2の略全長に亘って設けられている。また、図2及び図3に示すように、器具本体2の幅方向における凹部2aの両側には、凹部2aの開口端縁2a1から延出し且つ外側に行くほど上側(天井側)に傾斜する傾斜面2bがそれぞれ設けられている。図2に示すように、凹部2aの一対の側面のうちの一方の側面には、2つのスリット2cが設けられている。
【0019】
LED照明装置3は、器具本体2の凹部2aに着脱自在に取り付けられている。例えば、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに取り付けたり、器具本体2の凹部2aに取り付けられたLED照明装置3を凹部2aから取り外したりすることができる。詳細は後述するが、LED照明装置3と器具本体2とは、LED照明装置3に設けられた引っ掛け金具5及び弾性保持部材6(本実施の形態ではキックバネ)を器具本体2に引っ掛けて係止させることで固定することができる。引っ掛け金具5は、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるための金具である。本実施の形態において、引っ掛け金具5は、スライド金具である。
【0020】
なお、LED照明装置3と器具本体2とを取り付けるための手段は、引っ掛け金具5とキックバネによる弾性保持部材6とを用いるものに限らない。例えば、LED照明装置3と器具本体2とは、シングルトーションバネ、ダブルトーションバネ又は板バネ等の他のバネ部材によって取り付けてもよいし、ネジ又はラッチ等のバネ部材以外の取付部材によって取り付けてもよい。また、キックバネ等のバネ部材及びそのバネ部材を受けるバネ受け金具は、器具本体2及びLED照明装置3のいずれに設けられていてもよい。つまり、バネ部材を器具本体2に設け且つバネ受け金具をLED照明装置3に設けてもよいし、バネ部材をLED照明装置3に設け且つバネ受け金具を器具本体2に設けてもよい。
【0021】
図4に示すように、LED照明装置3は、器具本体2に収納された電源装置4から供給される電力によって発光する。電源装置4は、LED照明装置3の光源部10に電力を供給するための装置である。
【0022】
電源装置4は、LED照明装置3の背面側に配置されている。具体的には、電源装置4は、器具本体2の凹部2aに配置される。つまり、電源装置4は、器具本体2の凹部2aに収納されている。本実施の形態において、電源装置4は、LED照明装置3の一部としてLED照明装置3に取り付けられており、LED照明装置3と一体になっている。なお、電源装置4は、LED照明装置3と一体ではなく、LED照明装置3と分離して器具本体2に配置されていてもよい。例えば、電源装置4は、器具本体2に固定されていてもよい。
【0023】
電源装置4は、LED照明装置3を発光させるための電力を生成する電源回路によって構成されている。具体的には、電源装置4は、プリント配線基板等の回路基板4aと、回路基板4aに実装された複数の電子部品4bとを有する。本実施の形態において、電源装置4は、さらに、複数の電子部品4bが実装された回路基板4aを収納する回路ケース4cを有する。回路ケース4cは、電子部品4bが実装された回路基板4aを覆うカバーである。回路ケース4cは、一例として、金属板によって構成された金属製の筐体である。電源装置4を構成する電源回路は、例えば、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力をLED照明装置3のLEDに供給する。
【0024】
電源装置4には、天井裏から器具本体2の貫通孔(配線挿通孔)に挿通されて器具本体2の凹部2a内に引き出された電源線(VVFケーブル等)が接続された電源端子台8(図2参照)を介して交流電力が供給される。VVFケーブル等の電源線は、工事用電線であり、電線の一例である。電源端子台8は、器具本体2の凹部2aに設置されている。
【0025】
また、電源線を介して電源端子台8と電源装置4とを接続する場合、一端が電源端子台8に接続された電源線の他端に設けられたコネクタを電源装置4の差し込み口に差し込んでもよいし、一端が電源端子台8に接続された電源線の他端に設けられたコネクタと一端が電源装置4に接続された電源線の他端に設けられたコネクタ同士を接続してもよいし、一端が電源装置4に接続された電源線の他端に設けられたコネクタを電源端子台8の差し込み口に差し込んでもよいし、LED照明装置3に設けられた電源端子台8と電源装置4とを電源線で接続しておいて天井からのVVFケーブルを電源端子台8に結線してもよいし、電源装置4から引き出された口出し線と天井からのVVFケーブルとを直結してもよい。
【0026】
次に、図1図5を参照しつつ、図6図9を用いて、LED照明装置3の詳細な構造について説明する。図6は、実施の形態に係るLED照明装置3をカバー部材30側から見たときの斜視図であり、図7は、同LED照明装置3を裏側から見たときの斜視図である。図8は、同LED照明装置3の断面斜視図である。図9は、同LED照明装置3の分解斜視図である。
【0027】
図2図6及び図7に示すように、LED照明装置3は、ライトバーと呼ばれる長尺状のライン光源である。LED照明装置3は、照明光として、例えば白色光等の所定の色の光を発光する。
【0028】
図3図8及び図9に示すように、LED照明装置3は、光源部10と、光源部10が配置されるフレーム20と、光源部10を覆うカバー部材30と、エンドキャップ40とを備える。
【0029】
本実施の形態において、LED照明装置3は、電源装置4も備えている。つまり、電源装置4は、LED照明装置3に設けられている。具体的には、電源装置4は、フレーム20の天井側の面に取り付けられている。例えば、図4に示すように、電源装置4は、ネジ50によって回路ケース4cの一部をフレーム20の主板部21にネジ止めすることでフレーム20に固定されている。具体的には、回路ケース4cは、開口部を有する筐体であり、底板と底板に立設する側板とによって構成されている。回路ケース4cは、回路ケース4cの開口部がフレーム20側に位置するように配置されている。つまり、回路ケース4cのフレーム20側の部分は、開放されている。
【0030】
以下、LED照明装置3を構成する各部材について詳細に説明する。
【0031】
光源部10は、照明光を発する発光部である。本実施の形態において、光源部10は、長尺状である。この場合、長尺状の光源部10は、フレーム20の長手方向(Y軸方向)の全長と略同等の長さの1つの光源部であってもよいし、フレーム20の長手方向に沿って複数個並べられていてもよい。図9に示すように、本実施の形態において、光源部10は、フレーム20の長手方向に沿って2つ並べられている。
【0032】
光源部10は、LEDを用いたLEDモジュールであり、図8及び図9に示すように、基板11と、基板11に配置されたLED12とを備える。
【0033】
基板11は、LED12を実装するための実装基板である。本実施の形態において、基板11は、フレーム20の長手方向(Y軸方向)に長尺状をなす略矩形状に形成されている。基板11の厚みは、例えば1.0mmである。図9に示すように、本実施の形態において、基板11は、フレーム20の長手方向に沿って2枚並べられている。
【0034】
基板11は、例えば金属配線が所定のパターンで形成されたプリント配線基板(プリント基板)である。なお、基板11の表面には、配線を保護するとともに絶縁耐圧を確保するために、配線を覆うように絶縁性樹脂材料からなるレジストが形成されていてもよい。基板11は、LED12が実装される主面のみに配線が形成された片面配線基板であってもよいし、両面に配線が形成された両面配線基板であってもよい。
【0035】
基板11を構成する基材としては、絶縁性樹脂材料からなる樹脂基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体からなるセラミック基板、アルミニウム又は銅等の金属材料からなる金属基材の表面に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板等が用いられる。
【0036】
基板11が樹脂基板によって構成されている場合、樹脂基板としては、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ基板(CEM-3、FR-4等)、クラフト紙等とフェノール樹脂とによって構成された紙フェノール基材(FR-1、FR-2)、紙とエポキシ樹脂とによって構成された紙エポキシ基材(FR-3)、又は、ポリイミド等からなるポリイミド基板等を用いることができる。また、基板11は、リジッド基板であってもよいし、フィルム状のフレキシブル基板であってもよい。
【0037】
基板11に形成された金属配線は、電源装置4と電気的に接続されている。この場合、基板11に形成された電極又はコネクタ端子と電源装置4とは、リード線等の電線によって接続されている。基板11と電源装置4とを接続する電線は、例えば、フレーム20に設けられた貫通孔に挿通されている。
【0038】
基板11は、フレーム20に配置される。基板11は、LED12が実装される面である第1面と、第1面に背向する第2面とを有する。基板11の第1面は、カバー部材30側の面であり、基板11の第2面は、フレーム20側の面である。本実施の形態において、基板11の第2面は、フレーム20に接触している。
【0039】
図8及び図9に示すように、基板11には、LED12が配置されている。具体的には、基板11の第1面に複数のLED12が配置されている。本実施の形態において、複数のLED12は、基板11の長手方向(Y軸方向)に沿って直線状に一列に且つ所定の間隔をおいて実装されている。具体的には、複数のLED12は、基板11の長手方向の略全長にわたって実装されている。したがって、複数のLED12は、フレーム20及びカバー部材30の長手方向に沿って実装されている。なお、複数のLED12は、基板11の長手方向に沿って、一列ではなく、複数列で実装されていてもよい。複数のLED12は、電源装置4と基板11とを接続する電線を介して電源装置4から供給される直流電流によって発光する。
【0040】
LED12は、発光素子の一例である。本実施の形態において、複数のLED12の各々は、個々にパッケージ化されたSMD構造のLED素子(LED光源)である。したがって、光源部10は、SMDタイプのLEDモジュールである。
【0041】
SMDタイプのLED12は、樹脂製又はセラミック製の白色の容器(パッケージ)と、容器内に配置されたLEDチップ(ベアチップ)と、LEDチップを封止する封止部材とを備える。本実施の形態において、LED12は、白色光を放出する白色LED素子である。この場合、例えば、LEDチップとしては、通電されると青色光を発する青色LEDチップが用いられ、容器に充填される封止部材としては、YAG等の黄色蛍光体等が含有されたシリコーン樹脂(蛍光体含有樹脂)が用いられる。
【0042】
このように構成される光源部10は、フレーム20に配置される。具体的には、光源部10の基板11がフレーム20に配置される。
【0043】
フレーム20は、光源部10が取り付けられる長尺状の取付部材(ベース部材)である。具体的には、フレーム20には、光源部10の基板11が取り付けられる。
【0044】
フレーム20は、光源部10及び器具本体2と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。光源部10は、フレーム20に支持されている。つまり、フレーム20は、光源部10を支持する支持部材である。本実施の形態において、フレーム20は、光源部10を支持するだけではなく、カバー部材30も支持している。具体的には、LED12が配置された基板11をフレーム20に載置して基板11をフレーム20に固定することで、LED12が配置された基板11がフレーム20に支持される。
【0045】
フレーム20は、板状である。本実施の形態において、フレーム20は、金属製であり、金属板によって構成されている。フレーム20は、例えば、SPCC(Steel Plate Cold Commercial;冷間圧延鋼板)製の1枚の板金(金属板)にロール成形加工及び/又はプレス加工等を施すことにより所定の形状に形成されている。フレーム20を構成する金属板の厚みは、一例として、0.2mm~2mmである。本実施の形態において、フレーム20は、板金加工により形成されているので、フレーム20を構成する金属板の厚みは、1mm以下であるとよい。具体的には、フレーム20を構成する金属板の厚みは、0.5mmとした。なお、フレーム20の作製方法は、ロール成形加工及びプレス加工に限るものではなく、アルミニウムの押出成型等であってもよい。
【0046】
図3及び図4に示すように、板状のフレーム20は、主板部21と、一対の立板部22と、一対の横板部23と、一対の側板部24とを有する。図9に示すように、主板部21、一対の立板部22、一対の横板部23及び一対の側板部24は、いずれも、フレーム20の長手方向(Y軸方向)に沿って延在している。また、図3及び図4に示すように、本実施の形態において、フレーム20は、XZ断面において、フレーム20の短手方向の中心を基準にして左右対称に形成されているが、これに限らない。
【0047】
主板部21は、フレーム20の本体部である。主板部21は、全体として平板状をなす厚みが一定の板状体である。図3に示すように、主板部21には、光源部10が配置される。具体的には、主板部21には、LED12が配置された基板11が載置される。つまり、主板部21は、基板11を支持している。本実施の形態において、基板11と主板部21とは接している。なお、光源部10のLED12は、主板部21の幅方向の中心部に配置されているが、これに限らない。
【0048】
主板部21は、基板11側の面である第1面と、第1面に背向する第2面とを有する。本実施の形態において、主板部21の第1面は、基板11が取り付けられる基板取付面である。LED照明器具1が天井に設置された状態において、フレーム20は、主板部21の第1面及び第2面が天井面と略平行となるように配置されている。この場合、主板部21の第1面は、床側の面となり、主板部21の第2面は、天井側の面となる。
【0049】
図3に示すように、主板部21は、器具本体2の凹部2aの開口面よりも天井側(つまり凹部2aの底面側)に位置している。本実施の形態では、LED12も、器具本体2の凹部2aの開口面よりも凹部2aの底面側に位置している。具体的には、主板部21及びLED12は、凹部2aの開口端縁2a1よりも天井側に位置している。これにより、カバー部材30とLED12との距離を遠ざけることができるので、直線状に配列された複数のLED12の輝度むら(粒々感)を抑制することができる。
【0050】
図8に示すように、主板部21には、金属板で構成されたフレーム20の一部を切り起こすことによって形成された爪片21aが形成されている。
【0051】
主板部21に載置された基板11は、この爪片21aに係止されることで主板部21に固定される。この場合、例えば、基板11をスライドさせて基板11を爪片21aに係止させて基板11の長手方向の端部を別の爪片で係止する等して基板11を主板部21に固定してもよいし、爪片21aをかしめることで基板11を爪片21aに係止させて基板11を主板部21に固定してもよい。なお、主板部21と基板11との固定方法は、爪片21aによる係止構造に限るものではなく、主板部21と基板11とは、接着剤又は接着テープ等によって接着固定されていてもよい。また、主板部21と基板11とは接しているが、これに限らない。例えば、主板部21と基板11との間に、熱伝導シート等の別部材が挿入されていてもよい。また、主板部21には、基板11の配線と電源装置4とを電気的に接続するための電線が挿通される貫通孔が設けられている。
【0052】
一対の立板部22は、主板部21に立設する立設板部である。具体的には、一対の立板部22は、主板部21の一方の端部から立設しており、一対の立板部22の他方は、主板部21の他方の端部から立設している。立板部22及び横板部23は、主板部21と側板部24との間に設けられている。一対の立板部22の各々は、平板状である。
【0053】
図3に示すように、本実施の形態において、一対の立板部22の各々は、主面が主板部21の主面と直交しており、フレーム20の短手方向と直交する方向に延在している。つまり、立板部22は、主板部21に対して垂直に設けられている。具体的には、一対の立板部22の各々は、Z軸方向に沿って延在している。なお、立板部22は、主板部21に対して傾斜するように形成されていてもよい。
【0054】
図3及び図4に示すように、主板部21と一対の立板部22とで凹部20aが構成されている。凹部20aの底部は、主板部21である。したがって、凹部20aの底部(主板部21)には、LED12が実装された基板11が配置される。このように、フレーム20は、基板11が配置される凹部20aを有する。また、凹部20aの側部は、立板部22である。本実施の形態において、凹部20aの断面形状は、コの字状である。つまり、凹部20aの空間領域(主板部21と一対の立板部22とで囲まれる領域)の断面形状は、矩形である。
【0055】
なお、凹部20aの断面形状は、コの字状でなくてもよい。つまり、凹部20aの空間領域の断面形状は、矩形でなくてもよい。例えば、凹部20aの空間領域の断面形状は、台形であってもよい。この場合、主板部21が台形の凹部20aの下底又は上底に対応する部分となり、立板部22が主板部21に対して傾斜する台形の凹部20aの側辺に対応する部分となる。
【0056】
凹部20aの底部に配置された光源部10は、凹部20aに収納されている。本実施の形態において、凹部20aの深さは光源部10の高さ(厚み)よりも大きくなっており、光源部10は、凹部20aからはみ出さないように収納されている。つまり、LED12は、凹部20aに収納されている。したがって、光源部10のLED12の床側の端部(発光面)は、凹部20aの開口面よりも天井側に位置している。この場合、LED12の床側の端部は、凹部20aの開口面から後退した位置に存在していてもよいし、凹部20aの開口面と面一になっていてもよい。このように、凹部20aにLED12を収納することで、LED12とカバー部材30の主部31との距離を長くすることができるので、フレーム20の長手方向に配列された複数のLED12の輝度むら(粒々感)を抑制することができる。
【0057】
なお、本実施の形態において、光源部10のLED12は、凹部20aからはみ出ないように凹部20aに収納されているが、これに限らない。例えば、LED12の一部又は全部は、凹部20aからはみ出していてもよい。この場合であっても、光源部10の基板11は、凹部20aからはみ出さないように配置されているとよく、凹部20aの深さは、光源部10の基板11の厚さよりも大きくなっているとよい。
【0058】
また、フレーム20の凹部20aの深さをa[mm]とし、凹部20aの幅をw1[mm]とすると、w1≧10×aの関係式を満たしているとよい。つまり、凹部20aの深さaと凹部20aの幅w1との比は、1:10以上であるとよい。これにより、凹部20aに光源部10が収納されていても、LED12から出射する光が凹部20aの開口面の角部(立板部22と横板部23との接続部分)に当たって遮光されてしまうことを抑制することができる。つまり、w1≧10×aとすることで、LED12から出射する光をけられにくくすることができる。この場合、凹部20aの幅をw1[mm]とし、横板部23の幅をw2[mm]とすると、w1>2×w2の関係式を満たしているとよい。
【0059】
また、フレーム20は、主板部21から光源部10の光出射側に向かって突出する突出部20bを有する。突出部20bは、フレーム20の短手方向における主板部21の両側に一対で設けられている。フレーム20に凹部20aが形成されることで、フレーム20に一対の突出部20bが形成される。本実施の形態では、凹部20aが天井側に窪むように形成されているので、一対の突出部20bの各々は、床側に突出するように形成されている。一対の突出部20bの各々は、横板部23と立板部22とによって構成されている。このように、主板部21に突出部20bを形成することで、フレーム20の強度を向上させることができる。凹部20aと一対の突出部20bとは、プレス加工等によってフレーム20を構成する金属板を変形させることで形成することができる。具体的には、凹部20a及び突出部20bは、金属板を折り曲げることで構成されている。したがって、主板部21、立板部22、横板部23及び側板部24の板厚は、同じになっている。
【0060】
横板部23は、凹部20aの横に位置している。本実施の形態において、横板部23は、フレーム20の短手方向における凹部20aの両側に位置している。つまり、凹部20aを挟むように一対の横板部23が形成されている。具体的には、一対の横板部23の一方は、フレーム20の短手方向における凹部20aの一方側に位置し、一対の横板部23の他方は、フレーム20の短手方向における凹部20aの他方側に位置している。つまり、一対の横板部23の一方は、フレーム20の短手方向における主板部21の一方側に位置し、一対の横板部23の他方は、フレーム20の短手方向における主板部21の他方側に位置している。一対の横板部23の各々は、立板部22の床側の端部に接続されており、立板部22の床側の端部から外方に向かって延在している。
【0061】
また、主板部21を基準にして光源部10(LED12)の光出射側の方向である第1方向を床側の方向とし、主板部21を基準にして床側方向(第1方向)とは反対側の方向である第2方向を天井側の方向としたときに、一対の横板部23の各々の少なくとも一部は、主板部21よりも床側(第1方向側)に位置している。本実施の形態では、横板部23の全体が主板部21よりも床側に位置している。したがって、各々が立板部22と横板部23とで構成される一対の突出部20bは、主板部21よりも床側に位置している。これにより、各突出部20bの天井側には、空間領域が形成される。空間領域は、フレーム20の天井側において、突出部20bで囲まれる領域である。つまり、この空間領域は、フレーム20の天井側において、立板部22と横板部23とで囲まれる領域である。本実施の形態では、横板部23における立板部22の反対側に側板部24が設けられているので、この空間領域は、立板部22と横板部23と側板部24とで囲まれる領域になっており、床側に窪む凹状の窪み部である。詳細は後述するが、この空間領域には、器具内電線、工事用電線(器具外電線)、バネやネジ等の構造部材、又は機能部品が収納されていてもよい。特に、この空間領域の外壁として側板部24が存在するので、空間領域に収納された器具内電線が空間領域からはみ出しにくくなっている。これにより、器具内電線がはみ出して線噛みが発生することを抑制できる。
【0062】
また、この空間領域には、1本の器具内電線ではなく、複数本の器具内電線が収納されていてもよい。この空間領域に収納された1本又は複数本の器具内電線は、テープ又は金具等の固定部材によってフレーム20に固定される。この場合、この空間領域を利用してテープを貼り付けたり金具を取り付けたりするとよい。例えば、金具を用いて器具内電線を固定する場合、器具内電線が収納された空間領域に蓋をするようにして金具を空間領域に固定する。この場合、金具を立板部22と側板部24との間に突っ張るように配置するとよい。
【0063】
なお、器具内電線は、この空間領域に収納されていなくてもよい。この場合、器具内電線をフレーム20の主板部21の天井側の面に配置し、器具内電線をテープによって接着固定してもよい。ただし、テープが主板部21のみに貼り付けられていると、テープが剥がれやすい。そこで、この場合、この空間領域を利用してテープを貼り付けるとよい。例えば、主板部21の天井側の面に器具内電線を配置し、主板部21と立板部22とに跨るようにテープを貼り付けるとよい。これにより、向きが異なる2つの面にテープが貼り付けられるので、テープが剥がれることを抑制できる。
【0064】
一対の横板部23の各々は、複数の板部によって構成されている。本実施の形態において、横板部23は、2つの板部によって構成されており、複数の板部として、主板部21と平行な平行板部23a(第1板部)と、主板部21に対して傾斜する傾斜板部23b(第2板部)とを有する。平行板部23a及び傾斜板部23bは、いずれも平板状である。
【0065】
横板部23において、平行板部23aは、フレーム20の短手方向(幅方向)に延在しており、傾斜板部23bは、フレーム20の短手方向に対して傾斜する方向に延在している。本実施の形態において、傾斜板部23bは、天井側に向かって広がるように傾斜している。したがって、立板部22と横板部23とで構成される突出部20bは、全体として外向きに傾斜するように構成されている。傾斜板部23bは、平行板部23aの外側に位置しており、側板部24の端部に接続されている。本実施の形態において、平行板部23aの長さは、傾斜板部23bの長さよりも長くなっている。
【0066】
図3及び図4に示すように、フレーム20に形成された一対の突出部20bの少なくとも一部は、器具本体2の凹部2aの開口面よりも床側に位置している。つまり、一対の突出部20bの少なくとも一部は、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1よりも床側に位置している。本実施の形態では、一対の横板部23が器具本体2の凹部2aの開口面よりも床側に位置している。具体的には、横板部23の平行板部23a及び傾斜板部23bの両方が凹部2aの開口面よりも床側に位置している。
【0067】
なお、横板部23と立板部22とで構成される突出部20bは、内向きに傾斜するように構成されていてもよい。この場合、横板部23の傾斜板部23bは、平行板部23aの内側に位置し且つ主板部21の端部に接続され、立板部22は、横板部23の平行板部23aの外側に位置し且つ側板部24の端部に接続される。
【0068】
図3及び図4に示すように、一対の側板部24は、板状の側面部であり、フレーム20における一対の脚部(足)として形成されている。一対の側板部24の各々は、光源部10の光出射側とは反対側に向かって延在している。本実施の形態において、一対の側板部24の各々は、横板部23の端部から天井側(第2方向側)に延出する延出部である。具体的には、一対の側板部24の一方は、一対の横板部23の一方の外側端部から天井側に向かって延在しており、一対の側板部24の他方は、一対の横板部23の他方の外側端部から天井側に向かって延在している。つまり、一対の側板部24は、フレーム20の短手方向における突出部20bの外側端部から天井側に向かって延在している。具体的には、一対の側板部24の各々は、Z軸方向に延在している。
【0069】
一対の側板部24の各々は、各横板部23の外側端部から主板部21の位置を超えて天井側に向かって延在している。したがって、各側板部24(延出部)の先端は、主板部21よりも天井側(第2方向側)に位置している。つまり、側板部24(延出部)の先端は、凹部20aの底部よりも天井側に位置している。本実施の形態において、側板部24は、横板部23の傾斜板部23bに接続されている。なお、側板部24は、フレーム20の長手方向の両端部には形成されておらず、フレーム20の長手方向の端部は開口している。
【0070】
側板部24と横板部23との接続部分は、凹部20aの底部である主板部21よりも床側(第1方向側)に位置しているとよい。これにより、LED12から出射した光が、カバー部材30の外側端部31aの近傍に形成された空間領域にまで回り込みやすくなる。なお、側板部24と横板部23との接続部分が凹部20aの底部よりも天井側に位置していると、LED12から出射した光が天井側に回り込んでしまい、光漏れや光損失の原因となる。
【0071】
一方、側板部24と横板部23との接続部分は、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1よりも天井側(第2方向側)に位置しているとよい。これにより、カバー部材30の外観に影が生じることを抑制できる。また、側板部24と横板部23との接続部分は、カバー部材30における取付部33と延設部32との接続部分よりも天井側(第2方向側)に位置しているとよい。これにより、カバー部材30の外観に影が生じることを抑制できる。なお、本実施の形態において、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1の位置は、カバー部材30における取付部33と延設部32との接続部分の位置と同じである。
【0072】
このように、側板部24と横板部23との接続部分は、凹部20aの底部である主板部21の位置と、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1の位置又はカバー部材30における取付部33と延設部32との接続部分の位置との間の領域に存在しているとよい。
【0073】
また、側板部24の長さ(延出量)は、凹部20aの深さよりも長くなっている。すなわち、凹部20aの深さをa[mm]とし、側板部24の長さをb[mm]とすると、b≧aの関係式を満たしているとよい。この場合、側板部24の長さbの上限は特に限定されるものではないが、凹部20aの深さaと側板部24の長さbとは、b≦2×aの関係式を満たしているとよい。つまり、凹部20aの深さと側板部24の長さとの比は、1:2以下であるとよい。b≧aの関係式を満たしていることで、フレーム20の強度が強くなってLED照明装置3全体の強度が向上する。これにより、施工時等においてLED照明装置3が取り扱いやすくなる。また、b≧aの関係式を満たしていることで、側板部24の長さが長くなる。これにより、スナップインによりカバー部材30を容易にフレーム20に取り付けることができる。また、b≧aの関係式を満たしていることで、フレーム20全体のZ軸方向の厚さを短くすることができ、フレーム20を薄型化することができる。なお、b≧aの関係式は、満たしていなくてもよい。
【0074】
また、側板部24と横板部23との接続部分が主板部21よりも天井側に位置していてもよい。この場合も、側板部24の長さbは凹部20aの深さaよりも長くなっているとよいが(つまり、b>aであるとよいが)、側板部24の長さbが凹部20aの深さaよりも短くなっていてもよい。この場合、側板部24の長さbの下限は特に限定されるものではない。なお、凹部20aの深さaは、3mm以上であることが好ましい。
【0075】
図3及び図4に示すように、一対の側板部24の各々の先端部分には、折れ曲げられるように形成された折曲部24aが設けられている。折曲部24aは、側板部24の先端部を構成している。本実施の形態において、折曲部24aは、側板部24の先端部分を厚み方向に折り返すことで形成された折返部である。したがって、折曲部24aは、折り返された部分と、折り返された部分に対向する部分(折り返されていない部分)とによって構成されている。折曲部24aは、例えばヘミング加工により形成されたヘミング曲げ構造である。なお、折曲部24aは、ヘミング加工により形成されたものに限るものではなく、側板部24の先端部分をカールさせて巻き上げることで形成されたカール曲げ構造であってもよい。また、折曲部24aは、幅方向の内側に折り曲げられて形成されているが、これに限るものではなく、幅方向の外側に折り曲げられて形成されていてもよい。また、側板部24に折曲部24aが形成されていなくてもよい。
【0076】
一対の側板部24の各々には、カバー部材30の取付部33が取り付けられる。本実施の形態において、カバー部材30は、スナップインによりフレーム20に取り付けられる。具体的には、カバー部材30の幅方向からカバー部材30の取付部33に設けられた当接部33aを側板部24の折曲部24aに係合させることで、カバー部材30をフレーム20に固定することができる。したがって、折曲部24aは、取付部33に当接する当接部である。
【0077】
フレーム20に支持された光源部10は、カバー部材30で覆われている。カバー部材30は、光源部10のLED12を覆っている。本実施の形態において、カバー部材30は、光源部10における全てのLED12を覆っている。また、カバー部材30は、LED12だけではなく、光源部10の基板11も覆っており、複数のLED12を覆うように基板11と対向して配置されている。つまり、カバー部材30は、光源部10の全体を覆っている。このように、カバー部材30は、光源部10を覆うようにフレーム20に取り付けられている。
【0078】
カバー部材30は、透光性を有する透光カバーの一例であり、光源部10(LED12)から出射する光を透過する。本実施の形態において、カバー部材30は、透光性を有するだけではなく、拡散性を有する拡散カバーである。したがって、カバー部材30に入射したLED12の光は、カバー部材30で拡散(散乱)しながらカバー部材30を透過する。
【0079】
図8に示すように、カバー部材30は、さらに、光源部10が配置されたフレーム20を覆っている。本実施の形態において、カバー部材30は、光源部10が配置されたフレーム20の全体を覆っている。なお、カバー部材30は、光源部10及びフレーム20と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。
【0080】
カバー部材30は、フレーム20に取り付けられる。また、カバー部材30とフレーム20とによって筒体が構成されており、光源部10は、この筒体内に収納されている。
【0081】
図3及び図8に示すように、カバー部材30は、光源部10を覆う主部31と、カバー部材30の内方に向かって延出する延出部である延設部32と、フレーム20が取り付けられる取付部33とを有する。
【0082】
図3の拡大図に示すように、カバー部材30と器具本体2の凹部2aの内面との間に隙間GXが存在する。本実施の形態において、この隙間GXは、カバー部材30の取付部33と凹部2aの内壁面との間の隙間である。
【0083】
主部31は、カバー部材30における本体部であり、光源部10のLED12から出射する光を透過させて外部に照射させる。主部31は、光源部10を覆っている。つまり、主部31は、光源部10に対向している。したがって、主部31は、基板11及びLED12と対向する面を有する。
【0084】
主部31は、カバー部材30の外観を構成している。図9に示すように、主部31は、Y軸方向に長尺状であり、樋状に形成されている。主部31は、例えば扁平状の略セミシリンドリカル形状である。したがって、主部31は、Y軸方向に延在する長尺矩形状の開口端面を有する。また、X軸方向に沿って切断したときの主部31の断面形状は、略円弧状に湾曲した湾曲形状を有する。なお、主部31の形状は、桶状のR形状に限るものではなく、コの字状等の角形状であってもよいし、側面の一部がくびれた角形状等であってもよいし、筒状であってもよい。
【0085】
主部31は、フレーム20の突出部20bよりもフレーム20の短手方向の外側に位置する外側端部31aを有する。具体的には、外側端部31aは、主部31における取付部33よりも外側に位置する部分である。主部31の外側端部31aは、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1に対向している。なお、凹部2aの開口端縁2a1は、XY平面に平行な平坦面である。
【0086】
延設部32は、光源部10に向かって延出している。本実施の形態において、延設部32は、主部31に接続されており、主部31から光源部10に向かって延出している。したがって、延設部32は、主部31からカバー部材30の内方に向かって延出している。具体的には、延設部32は、主部31の内面から光源部10側に向かって延在している。また、延設部32は、フレーム20の主板部21に向かって延出している。本実施の形態において、延設部32は、主部31から主板部21に向かって延出している。なお、延設部32が光源部10又は主板部21に向かって延出するとは、延設部32の一部が光源部10又は主板部21に向かって延出していればよい。延設部32は、厚みが一定で板状の板片であり、図8及び図9に示すように、Y軸方向に延在している。
【0087】
延設部32は、一対設けられている。一対の延設部32は、フレーム20の短手方向において光源部10を挟んで設けられている。具体的には、一対の延設部32は、X軸方向において対向する位置に設けられている。本実施の形態において、一対の延設部32は、XZ断面において、カバー部材30の短手方向の中心を基準にして左右対称に形成されているが、これに限らない。
【0088】
各延設部32は、フレーム20の突出部20bを覆っている。つまり、各延設部32は、突出部20bを覆って主板部21に向かっている。したがって、各延設部32は、主部31から突出部20bを超えて延在している。本実施の形態において、延設部32は、突出部20bを覆うようにアーチ状に形成されている。したがって、延設部32は、主部31に向かって凸となるアーチ状である。これにより、光源部10から出射した光を延設部32で反射させることができるので、光取出し効率を向上させることができる。また、フレーム20に突出部20bを形成すると、カバー部材30の外側端部に影が生じやすくなるが、突出部20bを覆うようにアーチ状の延設部32を設けることで、カバー部材30の外側端部に影が生じにくくすることができる。
【0089】
各延設部32は、突出部20bよりも外側に位置する外延設部32aと、外延設部32aから突出部20bを覆って光源部10に向かって延在する内延設部32bとを有する。外延設部32aは、フレーム20の横板部23よりもフレーム20の短手方向の外側に位置している。
【0090】
本実施の形態において、外延設部32aは、取付部33よりも外側に位置する部分であり、内延設部32bは、取付部33よりも内側に位置する部分である。この場合、図3に示すように、外延設部32aは、平板状に形成された部分であり、内延設部32bは、フレーム20の横板部23を境界にして折れ曲がるように形成された部分である。内延設部32bは、フレーム20の突出部20bを覆うようにして折れ曲がっている。
【0091】
また、各延設部32は、主部31の内面からLED12側に向かって延在している。各延設部32は、主部31の内面におけるフレーム20の突出部20bのうち最も床側(第1方向側)に位置する部位よりも天井側(第2方向側)の位置から突出部20bを覆うように光源部10側に向かって延在している。本実施の形態において、フレーム20の突出部20bのうち最も床側に位置する部位は、横板部23の平行板部23aである。つまり、各延設部32は、各突出部20bの平行板部23aよりも天井側の位置から光源部10側に向かって延在している。具体的には、各延設部32は、主部31の外側端部31aの先端に接続されている。したがって、各延設部32において、外延設部32aが主部31の外側端部31aの先端に接続されており、外延設部32aは、主部31の外側端部31aから光源部10側に向かって延在している。
【0092】
このように、延設部32は、フレーム20の横板部23のうち最も床側に位置する部位よりも天井側の位置からフレーム20の突出部20bを覆うようにして光源部10側に向かって延在している。これにより、カバー部材30の外側端部31aの近傍において、フレーム20の突出部20bよりも外側の天井側に向かって広がる空間領域を形成することができる。この結果、床側に突出する突出部20bをフレーム20に設けたとしても、LED12から出射した光のうちカバー部材30の主部31を透過せずに主部31の内面で反射した光を、カバー部材30の外側端部31aの近傍に形成された空間領域にまで回り込ませることができる。このため、LED12から出射した光をカバー部材30の主部31の外側端部31aにまで十分に行きわたらせることができるので、カバー部材30の主部31の外側端部31aの近傍まで十分に光らせることができる。したがって、幅方向(X軸方向)の全体にわたってカバー部材30を光らせることができ、カバー部材30の幅方向の端部が暗くなることを抑制することができる。つまり、フレーム20の突出部20bによるカバー部材30の幅方向の端部の暗がりを低減することができる。
【0093】
また、カバー部材30に延設部32を設けることで、LED照明装置3から出射する照明光の天井側への光束(上方光束)を低減することもできる。この結果、LED照明装置3から出射する照明光の床側への光束を増加させることができるので、LED照明器具1の直下照度を向上させることができる。これにより、複数のLED照明器具1を設置する場合、LED照明器具1の設置台数を削減することができる。
【0094】
延設部32の外延設部32aは、床側の方向又は天井側の方向において(つまりZ方向において)、凹部2aの内面と取付部33との間の隙間GXと重なる部位を有する。また、外延設部32aは、凹部2aの開口端縁2a1に対向している。したがって、外延設部32aは、隙間GXを跨るように形成されている。この構成により、カバー部材30の主部31の外側端部31aの近傍まで十分に光らせることができるので、幅方向(X軸方向)の全体にわたってカバー部材30の主部31を光らせることができる。したがって、カバー部材30の幅方向の端部が暗くなることを抑制することができる。
【0095】
各延設部32の外延設部32aにおける開口端縁2a1に対向する部分と主部31の外側端部31aとは、取付部33から外側に突出する突出部を形成している。具体的には、この突出部は、XZ断面において、断面V字形状に形成されている。なお、外延設部32aは、器具本体2の凹部2aの開口面の幅方向外側端部よりも外側に飛び出していない。具体的には、外延設部32aは、凹部2aの開口端縁2a1よりもY軸方向の外側に飛び出していない。具体的には、外延設部32aと主部31の外側端部31aの接続部分(V字の頂点)は、器具本体2の傾斜面2bとほぼ同一面に存在している。これにより、器具本体2の傾斜面2bとカバー部材30の主部31の表面とが連続する一つの面となるので、LED照明装置3の意匠性が向上する。
【0096】
各延設部32における外延設部32aは、内延設部32bと主部31とを連結する部分である。したがって、外延設部32aの一方の端部は、内延設部32bに接続されており、外延設部32aの他方の端部は、主部31の内面に接続されている。
【0097】
外延設部32aは、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1に当接しうる当たり部である。LED照明装置3が器具本体2の凹部2aに収納された状態において、外延設部32aは、開口端縁2a1に当接していてもよいし、開口端縁2a1に当接していなくてもよい。つまり、外延設部32aと開口端縁2a1との間に隙間が存在していてもよいし、外延設部32aと開口端縁2a1とが接触していてもよい。本実施の形態において、外延設部32aは、開口端縁2a1に当接している。
【0098】
なお、外延設部32aは、主部31の一部であってもよい。この場合、延設部32は、内延設部32bのみで構成される。
【0099】
延設部32の少なくとも一部は、フレーム20の一部に沿った形状を有している。本実施の形態では、延設部32の少なくとも一部は、フレーム20の突出部20bに沿った形状を有する。具体的には、上記のように、延設部32の内延設部32bがフレーム20の突出部20bに沿った形状を有している。
【0100】
図3に示すように、内延設部32bは、床側に向かって突出するように屈曲している。つまり、内延設部32bは、フレーム20の突出部20bと同様に、床側に向かって突出する突出部を有するように形成されている。フレーム20の突出部20bは、この内延設部32bの屈曲する部分(突出部分)に向かって突出している。したがって、フレーム20の突出部20bは、内延設部32bの突出部分に嵌るように形成されている。
【0101】
内延設部32bは、フレーム20の突出部20bに対向する第1板部32b1と、突出部20bを超えた位置から光源部10側に向かって延在する第2板部32b2と、第2板部32b2から天井側に向かって立設する第3板部32b3とを有する。
【0102】
第1板部32b1は、突出部20bを構成する横板部23と対向しており、横板部23と同様に、傾斜板部と平行板部とによって構成されている。
【0103】
第2板部32b2は、突出部20b(横板部23)を超えた位置からフレーム20の主板部21に傾斜するように延在する傾斜板部である。なお、第2板部32b2は、傾斜していなくてもよい。例えば、第2板部32b2は、フレーム20の主板部21と平行であってもよい。
【0104】
第3板部32b3は、第2板部32b2の先端部から天井側に向かって立設する立板部である。つまり、第3板部32b3は、フレーム20の主板部21に立設している。具体的には、第3板部32b3は、フレーム20の主板部21に対して垂直に形成された垂直部である。第3板部32b3は、内延設部32bの先端部となる。つまり、第3板部32b3の先端部は、延設部32の光源部10側の先端部である。なお、第3板部32b3の高さ(長さ)は、フレーム20の主板部21に形成された突出部20bの高さ(本実施の形態では、横板部23の位置)よりも低くなっている。
【0105】
各延設部32の光源部10側の先端部は、フレーム20の突出部20bよりもフレーム20の中央側に位置している。具体的には、各延設部32の内延設部32bにおける第3板部32b3の先端が、フレーム20の横板部23の内側端部よりもフレーム20の中央側に位置している。
【0106】
内延設部32bにおける第3板部32b3は、先端が基板11に向かって延在するように形成されている。本実施の形態では、第3板部32b3は、基板11に向かって基板11側に傾斜するように形成されている。
【0107】
延設部32は、フレーム20の主板部21に当接する当接部32cを有する。延設部32の当接部32cは、フレーム20の主板部21に押し付けられた状態で当接している。本実施の形態において、当接部32cは、延設部32の先端部である。したがって、延設部32の先端部がフレーム20の主板部21に押し付けられた状態で当接している。具体的には、当接部32cは、内延設部32bの先端部である。つまり、当接部32cは、内延設部32bの第3板部32b3である。この場合、当接部32cである第3板部32b3の先端部の端面がフレーム20の主板部21に押し付けられた状態で当接している。
【0108】
フレーム20に押し付けられた延設部32は、弾性変形している。つまり、延設部32が弾性変形することで、その反力によって当接部32c(第3板部32b3)がフレーム20の主板部21に押し付けられている。したがって、延設部32は、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前とカバー部材30がフレーム20に取り付けられた後とでは、フレーム20に対する姿勢が異なっている。
【0109】
各延設部32は、LED12の指向特性(配光角)よりも外側に配置されているとよい。例えば、LED12の配光角(1/2ビーム角)は、120°であるので、一対の延設部32における一対の第2板部32b2の開き角(第2板部32b2の傾斜角)は、120°以上であるとよい。これにより、LED12から出射した光のカバー部材30での損失を少なくして、LED12から出射した光の多くがカバー部材30を透過して外部に出射する。つまり、カバー部材30の光取り出し効率を向上させることができる。一対の第2板部32b2の開き角は、160°以上であるとよい。なお、一対の第2板部32b2の開き角の上限は、一例として、170°である。
【0110】
各延設部32とフレーム20との間には、空間領域S1が存在している。具体的には、各延設部32における内延設部32bとフレーム20の主板部21との間に空間領域S1が存在している。空間領域S1には、各種部品をネジ止めしたときネジ足又はネジ頭が収納されたり、フレーム20と他の金属部品とをかしめたときのカシメ部が収納されたりしていてもよい。本実施の形態では、図4に示すように、この空間領域S1には、電源装置4とフレーム20とを固定するためのネジ50のネジ足が収納されている。
【0111】
また、その他に、空間領域S1には、機能部品が収納されていてもよいし、LED照明装置3を製造する際に工場で配線処理される器具内電線が収納されていてもよい。
【0112】
空間領域S1に収納される機能部品は、例えば機能拡張モジュールである。機能拡張モジュールは、一例として、人感センサや明るさセンサの各種センサを備えるセンサユニット、無線信号を受信するアンテナ及び制御回路を有する無線モジュール、赤外線信号を受信する受光素子及び制御回路を有する赤外線モジュール、プルスイッチ、又は、基板11に実装されたLED12(第1光源)とは別の第2光源等である。無線信号又は赤外線信号は、例えば、LED12を点灯及び消灯したり調光・調色したりするためのリモコン信号、又は、LED照明装置3の各種設定を行うための設定信号等である。また、第2光源は、モニタ表示用の光源(モニタランプ)、カバー部材30から出射する照明光の配光を制御するための光源(例えばワイド配光にするための光源)、演出するためのカラー光源(例えば、赤色、青色及び緑色等のLED光源)、又は、非常時に点灯する非常用光源等である。なお、第2光源として非常用光源を用いる場合は、第2光源を覆うカバー及び/又はカバー部材30は、ガラス等の難燃性材料によって構成されているとよい。なお、無線とは、特定の周波数帯域に限定されるものではなく、電波や光(赤外線を含む)等も含む広義の無線を意味していてもよい。無線モジュールにおけるアンテナは、例えば、パターンアンテナ、チップアンテナ、棒アンテナ又は板アンテナ等であるが、これらに限定されるものではない。また、無線モジュールは、アンテナ領域と制御領域とを有していてもよい。無線モジュールと電源装置との接続は、電線の両端コネクタであってもよいし、無線モジュール及び電源装置の一方のみがコネクタであってもよい。また、無線モジュールと電源装置4との接続は、電線による有線接続ではなく、無線通信による無線接続であってもよい。
【0113】
空間領域S1に収納される器具内電線は、例えば、電源装置4に接続された電線又は複数の光源部10同士を接続する電線等である。このうち、電源装置4に接続される電線としては、電源装置4と光源部10とを接続する電力供給線、電源装置4と電源端子台8とを接続する電源線、電源装置4と調光用端子台9とを接続する調光制御線、及び、後述する機能拡張モジュール(センサ等)に接続された制御線等がある。
【0114】
カバー部材30の取付部33は、光源部10の光出射側とは反対側に延在している。具体的には、取付部33は、延設部32に接続されており、延設部32の一部から天井側に向かって延在している。取付部33は、フレーム20の一対の側板部24に取り付けられる。
【0115】
また、空間領域S1に虫等の異物が侵入したとしても、空間領域S1と主部31との距離が長いので、空間領域S1に存在する異物によって影が生じにくい。また、フレーム20の傾斜板部23bと内延設部32bとの間に隙間領域は、主部31までの距離が近いために、この隙間領域に虫が存在すると影になりやすいものの、この隙間領域は小さいので虫がたまりにくくなっている。また、仮にこの隙間領域に虫が侵入したとしても、虫は推進性能を有するため、虫は、この隙間領域から空間領域S1に向かって進むことになり、影が生じにくい空間領域S1に入ることになる。なお、空間領域S1の入口(隙間領域の出口)が狭くなっているので、一旦虫が空間領域S1に入ると、虫は空間領域S1から出ることがない。つまり、影が生じにくい空間領域S1に虫を留めることができる。なお、延設部32が白樹脂等の不透光性材料によって構成されている場合は、この限りではない。
【0116】
本実施の形態において、取付部33は、フレーム20を挟むように一対設けられている。一対の取付部33は、カバー部材30における一対の脚部(足)として形成されている。一対の取付部33のZ軸方向の長さは、同じである。なお、図8及び図9に示すように、一対の取付部33の各々は、Y軸方向に沿って長尺状に形成されている。一対の取付部33のY軸方向の長さも互いに同じである。
【0117】
カバー部材30がフレーム20に取り付けられた状態において、一対の取付部33の各々は、弾性変形している。詳細は後述するが、各取付部33は、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前とカバー部材30がフレーム20に取り付けられた後とでは、各側板部24に対する姿勢が異なっている。
【0118】
図3及び図8に示すように、一対の取付部33は、フレーム20の一対の側板部24に当接する当接部33aを有する。つまり、取付部33は、当接部33aにおいてフレーム20の側板部24と接触している。本実施の形態において、取付部33における当接部33aは、取付部33の先端部である。したがって、取付部33の先端部がフレーム20の側板部24に接触している。また、本実施の形態において、取付部33における当接部33aは、フレーム20の側板部24の先端部に係合する係合部である。したがって、取付部33の先端部は、フレーム20の側板部24の先端部に係合している。
【0119】
本実施の形態において、係合部である当接部33aは、例えば、取付部33の先端部をL字状に折り曲げられた折曲部である。この当接部33aにフレーム20の側板部24の先端部に設けられた折曲部24aが係合することで、カバー部材30の一対の取付部33とフレーム20の一対の側板部24とが互いに係止して固定される。これにより、カバー部材30の一対の取付部33は、フレーム20を抱え込むようにしてフレーム20に固定される。
【0120】
また、フレーム20の側板部24とカバー部材30の取付部33とは、ネジで固定されていてもよい。この場合、ネジは、側板部24と取付部33とが重なった部分に、取付部33の外側からねじ込まれる。あるいは、フレーム20とカバー部材30とは、カシメ構造によって固定されていてもよい。例えば、フレーム20の側板部24の一部をかしめてカバー部材30の取付部33に固定することで、フレーム20とカバー部材30とを固定してもよい。また、金具等の別部品によってフレーム20とカバー部材30とを固定してもよい。
【0121】
なお、本実施の形態では、上記のように、スナップインによりカバー部材30の幅方向からカバー部材30の取付部33をフレーム20の側板部24に嵌め合わせることでカバー部材30をフレーム20に取り付けたが、これに限らない。例えば、フレーム20の長手方向の端部からカバー部材30を挿入してカバー部材30をスライドさせることでカバー部材30をフレーム20に取り付けてもよい。
【0122】
また、本実施の形態において、取付部33の先端部に形成された当接部33aは、傾斜するように折り曲げられた形状であるが、これに限らない。また、当接部33aは、先端が折り返されるように形成されていてもよい。この場合、当接部33aは、断面形状が略コの字状又は略U字状の凹部である。
【0123】
カバー部材30の延設部32とフレーム20との間には、空間である第1の隙間G1が存在している。具体的には、第1の隙間G1は、延設部32とフレーム20の突出部20bとの間に存在している。
【0124】
第1の隙間G1には、突出部20bの頂部と延設部32との間の隙間が含まれている。本実施の形態において、突出部20bの頂部は、横板部23の平行板部23aであり、突出部20bは、延設部32の内延設部32bで覆われている。したがって、第1の隙間G1は、延設部32の内延設部32bと、フレーム20の横板部23における平行板部23aとの間に存在している。
【0125】
また、第1の隙間G1には、さらに、突出部20bにおける頂部以外の部分と延設部32との間の隙間が含まれている。具体的には、第1の隙間G1は、延設部32の内延設部32bと横板部23の平行板部23aとの間に存在しているだけではなく、延設部32の内延設部32bと横板部23の傾斜板部23bとの間にも存在している。
【0126】
本実施の形態において、第1の隙間G1は、延設部32の内延設部32bと突出部20bとの間の全域にわたって存在している。したがって、延設部32と突出部20bとは、接触していない。具体的には、LED照明装置3が器具本体2の凹部2aに収納された状態においても、延設部32と突出部20bとは、接触していない。
【0127】
図3の拡大図に示すように、カバー部材30の延設部32には、第1の隙間G1に位置する突起34が設けられている。突起34は、延設部32の内延設部32bに設けられている。具体的には、突起34は、内延設部32bの第1板部32b1に設けられている。第1の隙間G1に位置する突起34は、延設部32とフレーム20の横板部23における傾斜板部23bとの間に位置している。
【0128】
突起34は、延設部32から突出部20bに向かって突出する凸部である。具体的には、突起34は、突出部20bにおける横板部23の傾斜板部23bに向かって突出しており、傾斜板部23bに対向している。この場合、突起34は、フレーム20とカバー部材30とが所定の基準位置(設計上の位置)に存在する場合、突起34の先端がフレーム20に接触しないように設けられている。したがって、突起34の先端と突出部20bとの間には第1の隙間G1が存在している。具体的には、突起34の先端と傾斜板部23bとの間に第1の隙間G1が存在している。なお、突起34の先端がフレーム20に接触しないように設けられているので、突起34が設けられていない部分の第1の隙間G1の幅(延設部32と突出部20bとの間隔)は、突起34の高さよりも長くなっている。
【0129】
突起34は、延設部32と一体に形成されている。本実施の形態において、突起34は、Y軸方向に延在する突条のリブである。この場合、Y軸方向に延在する突起34は、カバー部材30の長手方向の全長にわたって設けられていてもよいし、カバー部材30の長手方向の全長のうちの一部に1つ又は複数設けられていてもよい。一例として、突起34の断面形状は、三角形であるが、これに限るものではない。例えば、突起34の断面形状は、半円形等であってもよい。また、突起34は、Y軸方向に延在するリブであったが、これに限るものではない。例えば、突起34は、三角錐状又は半球状等のドットであってもよい。この場合、ドットである突起34は、Y軸方向に沿って離散的に複数設けられていてもよい。また、突起34の高さは、延設部32の厚さよりも小さくなっているが、これに限るものではない。
【0130】
また、カバー部材30の取付部33とフレーム20の側板部24との間には、空間である第2の隙間G2が存在している。第2の隙間G2は、取付部33の内側面と側板部24の外側面との間の全域にわたって存在している。したがって、取付部33の内側面と側板部24の外側面とは、接触していない。
【0131】
なお、第1の隙間G1の幅と第2の隙間G2の幅とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第1の隙間G1の幅と第2の隙間G2の幅とは、延設部32の厚さ及びフレーム20を構成する金属板の厚さよりも大きくなっているが、これに限るものではない。
【0132】
カバー部材30は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、カバー部材30は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、カバー部材30は、光拡散材が内部に分散された乳白色のカバー部材とすることができる。このようなカバー部材30は、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。
【0133】
なお、カバー部材30としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明カバーの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、カバー部材30は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、カバー部材30は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明カバーの表面に微小凹凸を形成したり、透明カバーの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。なお、カバー部材30は、拡散加工する場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
【0134】
本実施の形態において、カバー部材30を構成する主部31、延設部32及び取付部33は、一体に形成されている。したがって、主部31、延設部32及び取付部33は、同じ材料によって構成されている。なお、主部31、延設部32及び取付部33は、いずれも同じ材料強度であるが、これに限らない。例えば、主部31、延設部32及び取付部33の材料強度は異なっていてもよい。この場合、主部31の材料強度は、延設部32の材料強度及び取付部33の材料強度よりも大きくなっているとよい。この構成により、主部31が変形することを抑制できる。つまり、主部31の形状が安定する。これにより、カバー部材30の変形による光学性能への影響を小さくすることができる。
【0135】
また、主部31、延設部32及び取付部33の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、0.5mm以上5mm以下である。一例として、主部31の厚みを1mm以下にしてもよい。なお、主部31、延設部32及び取付部33は、いずれも同じ厚みであるが、これに限らない。例えば、主部31、延設部32及び取付部33の厚みは異なっていてもよい。この場合、主部31の厚みは、延設部32の厚み及び取付部33の厚みよりも大きくするとよい。この構成により、主部31が変形することを抑制できる。つまり、主部31の形状が安定する。これにより、カバー部材30の変形による光学性能への影響を小さくすることができる。
【0136】
また、本実施の形態において、主部31、延設部32及び取付部33は、同じ樹脂材料によって構成されていたが、これに限るものではない、主部31、延設部32及び取付部33は、2種類以上の材料によって構成されていてもよい。この場合、主部31と延設部32とを異なる樹脂材料によって構成することができる。例えば、主部31を透光性樹脂材料によって構成し、延設部32の一部又は全部を白色又は乳白色の樹脂材料によって構成することができる。また、取付部33は、主部31又は延設部32と同じ樹脂材料によって構成する。具体的には、主部31、取付部33、延設部32の外延設部32a及び延設部32の内延設部32bの第2板部32b2を透光性樹脂材料で構成し、延設部32の内延設部32bの第1板部32b1及び第3板部32b3を白色又は乳白色の樹脂材料によって構成することができる。このように、延設部32の一部又は全部を白色又は乳白色にすることで、延設部32(例えば内延設部32b)に反射機能を持たせることができる。これにより、LED12から出射する光のうち延設部32に到達する光を内延設部32bで反射させて主部31に入射させることができる。この結果、LED照明装置3の光取出し効率を向上させることができる。したがって、LED照明器具1の直下照度を向上させることができるので、複数のLED照明器具1を設置する場合、LED照明器具1の設置台数を削減することができる。また、取付部33を白色又は乳白色にすることで器具本体2の内部に光が漏れることを低減することができる。このように部分的に白色又は乳白色の樹脂材料で構成されたカバー部材30は、2色成形により形成することができる。なお、延設部32を2色2層によって成型してもよい。例えば、延設部32のベース層を主部31と同じ透光性樹脂材料で構成し、延設部32の表面層(ベース層に積層された層)を白色又は乳白色の樹脂材料で構成してもよい。
【0137】
カバー部材30は、当該カバー部材30の長手方向の両端部が閉塞されている。本実施の形態において、カバー部材30の長手方向の両端部は、エンドキャップ40により閉塞されている。具体的には、カバー部材30とフレーム20とが固定されることで長尺状の筒体が構成されており、この筒体の長手方向の両端部の各々にエンドキャップ40が取り付けられている。カバー部材30とフレーム20との間には、空間領域S2が形成されている。この空間領域S2は、虫や埃等の異物が侵入しないように構成された領域(防虫領域)であり、カバー部材30の主部31とフレーム20の主板部21とによって囲まれた領域である。具体的には、空間領域S2は、カバー部材30の主部31及び延設部32とフレーム20の主板部21とエンドキャップ40とによって閉じられた領域である。光源部10は、この空間領域S2に配置されている。
【0138】
エンドキャップ40は、カバー部材30とフレーム20とで構成される筒体の内部に埃や虫等の異物が侵入することを抑制するための部品である。エンドキャップ40は、フレーム20とカバー部材30とで構成される筒体の開口端部を封鎖するように設けられている。つまり、エンドキャップ40は、フレーム20とカバー部材30とで構成される筒体の開口端部に蓋をするように筒体に取り付けられており、筒体の開口端部を閉塞している。これにより、フレーム20とカバー部材30とで構成される筒体の内部に埃や虫等の異物が入ることを抑制することができる。つまり、空間領域S2に、埃や虫等の異物が入ることを抑制することができる。
【0139】
エンドキャップ40は、カバー部材30の長手方向の端部に設けられたカバーエンドである。エンドキャップ40は、カバー部材30の長手方向の両端部の各々に設けられている。エンドキャップ40は、カバー部材30の長手方向の端部に直接又は間接的に接続されている。
【0140】
図9に示すように、カバー部材30の長手方向の一方の端部に設けられたエンドキャップ40は、第1エンドキャップ40aであり、カバー部材30の長手方向の他方の端部に設けられたエンドキャップ40は、第2エンドキャップ40bである。本実施の形態において、第1エンドキャップ40aと第2エンドキャップ40bとは、同じ部品である。つまり、第2エンドキャップ40bの形状は、第1エンドキャップ40aの形状と同じである。これにより、コストを削減することができる。なお、第1エンドキャップ40aと第2エンドキャップ40bとは、カバー部材30の長手方向(Y軸方向)において、逆向きの関係で配置されている。
【0141】
図5に示すように、エンドキャップ40は、板状の主部41と、カバー部材30に直接又は間接的に接続される接続部42と、主部41から突出する突出片43とを有する。
【0142】
主部41は、エンドキャップ40の本体部を構成しており、主として、カバー部材30とフレーム20とで構成される筒体の開口端部に蓋をする機能を有する。本実施の形態において、板状の主部41の全部又は一部は、透光性を有する。このように、主部41が透光性を有することで、光源部10からの光を透過させることができる。つまり、光源部10のLED12から出射する光は、主部41を透過してエンドキャップ40の外部に取り出される。
【0143】
具体的には、エンドキャップ40は、全体が透光性を有している。したがって、主部41の全体と接続部42の全体とが透光性を有する。透光性を有するエンドキャップ40は、透明であってもよいし、拡散性を有していてもよい。透光性及び拡散性を有するエンドキャップ40を用いることで、エンドキャップ40に入射したLED12の光は、エンドキャップ40で拡散(散乱)しながらエンドキャップ40を透過する。
【0144】
エンドキャップ40は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、エンドキャップ40は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、エンドキャップ40は、光拡散材が内部に分散された拡散部材とすることができる。このようなエンドキャップ40は、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。
【0145】
なお、透光性及び拡散性を有するエンドキャップ40としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明なエンドキャップの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、エンドキャップ40は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、エンドキャップ40は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明なエンドキャップの表面に微小凹凸を形成したり、透明なエンドキャップの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。なお、エンドキャップ40は、拡散加工を施す場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
【0146】
エンドキャップ40は、カバー部材30と同じ材料によって構成されていてもよいし、カバー部材30と異なる材料によって構成されていてもよい。
【0147】
また、主部41は、透光性を有していなくてもよい。この場合、エンドキャップ40の全体が透光性を有していなくてもよい。例えば、不透光性のエンドキャップ40としては、遮光性(光吸収性)又は光反射性を有するものが例示される。この場合、エンドキャップ40は、例えば、白色、黒色又は有色の樹脂材料によって構成される。また、エンドキャップ40は、透光性を有する部分と不透光性とを有する部分とを有していてもよい。
【0148】
主部41の正面視形状は、例えば、全体として扁平状の蒲鉾形状である。したがって、主部41のZ軸方向における一方側の外形は、カバー部材30の形状に沿うように円弧状に湾曲した湾曲形状になっている。板状の主部41の厚みは、一定である。一例として、主部41の厚みは、1mm~5mmであるが、これに限らない。なお、主部41の厚みは、主部41の全領域で一定としたが、これに限らない。
【0149】
主部41は、当該主部41の厚み方向の面として外側面41aと内側面41bとを有する。エンドキャップ40において、内側面41bは、LED12側の端であり、外側面41aは、LED12側とは反対側の面である。上記のように、本実施の形態では、主部41の全体が透光性を有するので、LED12から出射して主部41に入射する光は主部41の全体を透過する。したがって、主部41の内側面41bは、LED12の光が入射する光入射面となり、主部41の外側面41aは、LED12の光が外部に出射する光出射面となる。
【0150】
主部41は、内側に凹むように全体として凹状に湾曲している。一例として、主部41における外側面41a及び内側面41bは、パラボラ形状である。また、本実施の形態において、主部41は、Z軸方向である高さ方向では上側部分(天井側部分)が下側部分(床側部分)よりも内側に後退するように全体的に傾斜し、かつ、X軸方向である幅方向では中央部分が周辺部分よりも内側に後退するように、全体的に湾曲した形状になっている。
【0151】
なお、主部41は、内側に後退するように(つまり内側に凸となるように)湾曲した形状でなくてもよい。例えば、主部41は、外側に凸となるように湾曲した形状であってもよい。また、主部41は、湾曲した形状でなくてもよい。例えば、主部41は、傾斜した板状の傾斜板であってもよいし、傾斜せずにZ軸方向に平行な板状の垂直板であってもよい。
【0152】
接続部42は、主部41の床側の端部に形成されている。接続部42は、主部41の内側面41bに立設するように形成されている。接続部42は、主部41の外周部のうちの湾曲部分に形成されている。つまり、接続部42は、カバー部材30の主部31に対応する部分に形成されている。本実施の形態において、接続部42は、カバー部材30に直接接続されている。具体的には、接続部42は、カバー部材30の主部31と嵌合している。
【0153】
突出片43は、主部41の天井側の端部に形成されている。突出片43は、主部41の内側面41bに立設するように形成されている。突出片43は、フレーム20の主板部21に対向するように突出している。主板部21はX軸方向に延在しているので、図9に示すように、突出片43もX軸方向に延在している。
【0154】
図5に示すように、主部41における天井側の端部には、弾性部材44が設けられている。弾性部材44は、突出片43の主板部21側部分に取り付けられている。弾性部材44は、例えば樹脂材料等によって構成された弾性体であり、弾性変形する。本実施の形態において、弾性部材44は、エラストマーによって構成されている。一例として、弾性部材44は、シリコンゴムによって構成されており、ゴム弾性を有する。なお、エラストマーで構成された弾性部材44は、ソリッド成型品に限らず、発泡成形品であってもよい。
【0155】
弾性部材44は、パッキン部材として機能し、エンドキャップ40の天井側部分とフレーム20の主板部21との隙間を埋めるように設けられている。主板部21はX軸方向に延在しているので、図9に示すように、弾性部材44もX軸方向に延在している。本実施の形態において、弾性部材44は、薄板状に形成されている。図5に示すように、薄板状の弾性部材44は、傾斜する状態でエンドキャップ40の天井側部分とフレーム20の主板部21との隙間に設けられている。弾性部材44を設けることで、カバー部材30とフレーム20との間の空間領域S2に虫等の異物が侵入することを抑制する効果(防虫効果)を高めることができる。なお、本実施の形態では、弾性部材44を設けたが、弾性部材44は、設けられていなくてもよい。この場合、エンドキャップ40とフレーム20との隙間はなるべく小さくなっているとよい。
【0156】
なお、本実施の形態では、接続部42とカバー部材30とは接していたが、これに限らない。例えば、接続部42とカバー部材30との間に、接続部42を囲むようにリング状のパッキン部材を配置してもよい。この場合、パッキン部材は、主部41の内側面41bの外周端部とカバー部材30の主部31の端面との間に挿入される。
【0157】
このように構成されるエンドキャップ40は、カバー部材30に固定される。この場合、エンドキャップ40は、カバー部材30との間に隙間が生じないように設けられる。具体的には、エンドキャップ40は、接続部42がカバー部材30の内面に接するようにしてカバー部材30の開口端部に嵌め込まれている。これにより、エンドキャップ40の主部41の外周端縁とカバー部材30の外周面とが連続した面となる。
【0158】
エンドキャップ40とカバー部材30とは、接着剤により固着されていてもよいし、超音波溶着によって固着されていてもよい。また、エンドキャップ40及びカバー部材30に爪部や凹部等の係止構造を設けて、エンドキャップ40とカバー部材30とを接合させてもよい。
【0159】
なお、図3及び図4に示すように、フレーム20の天井側には、空間領域S3が形成されている。つまり、器具本体2とフレーム20との間に空間領域S3が存在している。空間領域S3は、器具本体2の凹部2aの一部又は全部でもある。
【0160】
この空間領域S3には、電源装置4が配置されている。つまり、電源装置4は、フレーム20の天井側に配置されている。本実施の形態において、電源装置4の中心位置は、LED照明装置3の短手方向における中心位置からずれており、電源装置4は、空間領域S3において、LED照明装置3の短手方向(フレーム20の短手方向)に偏って配置されている。具体的には、電源装置4は、引っ掛け金具5側(図4において左側)に偏っている。また、フレーム20の側板部24が短くなっており、電源装置4の回路基板4aは、回路ケース4c内において、フレーム20の側板部24の先端よりも天井側に位置している。なお、電源装置4は、フレーム20の幅方向に偏って配置されておらず、フレーム20の幅方向の中央に配置されていてもよい。
【0161】
なお、電源装置4の回路ケース4cのフレーム20側の部分が開放しているので、横板部23の第2方向側は、電源装置4の回路ケース4cに向かって開放している。したがって、フレーム20の突出部20bで構成される空間領域と回路ケース4cの内部の空間領域とは連通している。これにより、フレーム20の突出部20bにより形成される空間領域を有効に活用することができる。
【0162】
器具本体2とフレーム20との間の空間領域S3には、LED照明装置3に用いられる電線が配置されていてもよい。LED照明装置3に用いられる電線としては、LED照明器具1を天井等に設置する際に配線処理される工事用電線(工事用配線)と、LED照明装置3を製造する際に工場で配線処理される器具内電線(器具内配線)とがある。
【0163】
工事用電線としては、VVFケーブル等の電源線及び調光信号線等の信号線等がある。電源線及び信号線等の工事用電線は、例えば、天井から引き出されており、LED照明器具1の施工時にLED照明器具1の所定の箇所に接続される。例えば、VVFケーブル等の電源線は、電源端子台8に接続され、調光用信号線は、調光用端子台9に接続される。空間領域S3に配置される器具内電線としては、上述の器具内電線がある。また、空間領域S3には、上述の機能拡張モジュール等の機能部品が収納されていてもよい。
【0164】
なお、LED照明器具1内に送り配線が設置される場合もあるため、LED照明装置3と器具本体2の凹部2aとの間に空間領域S3には、VVFケーブル等の電源線が少なくとも1本通るスペースがあることが望ましい。また、送り配線は、器具本体2側で保持(仮保持又は配置)できるようにしてもよいし、LED照明装置3側で保持(仮保持・配置)できるようにしてもよい。
【0165】
また、空間領域S3には、機能拡張モジュール等の機能部品が配置されていてもよい。この場合、機能拡張モジュールは、LED照明装置3(例えば電源装置4の端部)に設けられていてもよいし、LED照明装置3と離間して器具本体2に取り付けられていてもよい。また、機能拡張モジュールは、LED照明器具1に予め設置されているのではなく、施工業者が後付けできるようになっていてもよいし、別機能に交換できる互換性があってもよい。
【0166】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3では、図3及び図4に示されるように、フレーム20に形成された突出部20bによって突出部20bの天井側に空間領域が形成されている。この空間領域にも、機能部品又は器具内電線等の部品を収納することができる。なお、この空間領域の活用方法は、機能部品又は器具内電線等の部品を収納することに限るものではなく、この空間領域は、金具類のセンター合わせ、金具類の位置決め、金具類のガイド又はアース導通等に利用することもできる。
【0167】
このように構成されるLED照明装置3は、器具本体2の凹部2aに収納されて器具本体2に取り付けられる。具体的には、LED照明装置3は、図3図6及び図7に示される引っ掛け金具5及び弾性保持部材6を用いて器具本体2に取り付けられる。引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム20に固定されている。
【0168】
図3に示すように、引っ掛け金具5は、フレーム20の天井側に配置されている。引っ掛け金具5は、板金製の板部材である。引っ掛け金具5は、フレーム20の端部に固定されている。一例として、引っ掛け金具5は、ネジ等の固定部材によってフレーム20に固定されており、フレーム20から外側にはみ出すように延在している。引っ掛け金具5は、器具本体2に引っ掛けられる。本実施の形態では、器具本体2の凹部2aの内壁面にスリット2c(図2参照)が設けられており、引っ掛け金具5は、このスリット2cに引っ掛けられる。
【0169】
弾性保持部材6は、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるための部品である。本実施の形態において、弾性保持部材6は、例えばキックバネ等のスプリングであり、LED照明装置3は、弾性保持部材6の弾性力によって器具本体2側に引き上げられる。弾性保持部材6は、フレーム20の主板部21の天井側面(背面)に取り付けられている。具体的には、弾性保持部材6は、フレーム20の幅方向の端部に固定されている。本実施の形態において、弾性保持部材6は、フレーム20の幅方向において、引っ掛け金具5とは反対側に固定されている。この場合、弾性保持部材6は、ネジ等の固定部材によってフレーム20に固定されている。具体的には、弾性保持部材6は、取付ネジによってフレーム20に固定された保持金具6c(図7参照)に固定されている。弾性保持部材6は、器具本体2に着脱可能に取り付けられる。本実施の形態において、弾性保持部材6は、器具本体2に固定された受け金具7に着脱可能に係止されている。
【0170】
なお、図2に示すように、引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム20の長手方向の両端部に2つずつ設けられているが、これに限らない。また、引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム20の短手方向に対向する位置に設けられているが、これに限らない。
【0171】
次に、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるときの取付方法について、図10を用いて説明する。図10は、実施の形態に係るLED照明器具1において、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
【0172】
天井100に設置された器具本体2にLED照明装置3を取り付ける場合、まず、図10の(a)に示すように、器具本体2に設けられたスリット2c(図2参照)に引っ掛け金具5を引っ掛けてLED照明装置3を片持ち状態で吊り下げるとともに、キックバネである弾性保持部材6の一方の端部を器具本体2に固定された受け金具7に係止させる。
【0173】
次いで、図10の(b)に示すように、引っ掛け金具5をスリット2cの奥に押し込みながら引っ掛け金具5を支点としてLED照明装置3を回転させることでLED照明装置3を器具本体2の凹部2a内に押し上げていく。
【0174】
このとき、本実施の形態では、電源装置4がフレーム20の幅方向の一方側に偏って配置されている。具体的には、電源装置4は、LED照明装置3を回転させるときの回転軸側に寄せて配置されている。このように、重量のある電源装置4を回転軸側に寄せて配置することで、小さな力でLED照明装置3を回転させることができる。
【0175】
そして、LED照明装置3を回転させてLED照明装置3を器具本体2の凹部2aに押し込むことで、図10の(c)に示すように、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに嵌め込むことができる。このとき、弾性保持部材6(キックバネ)のバネ弾性力によってLED照明装置3が引き上げられるので、延設部32の外延設部32aが器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1に当接する。これにより、LED照明装置3を器具本体2に取り付けることができる。
【0176】
なお、LED照明装置3を器具本体2から取り外す際は、上記とは逆の動作をすることで、LED照明装置3を器具本体2から取り外すことができる。例えば、LED照明装置3を引き下げながら回転させることで、LED照明装置3を器具本体2から取り外すことができる。
【0177】
ここで、実施の形態に係るLED照明装置3(ライトバー)の製造方法について、図11を用いて説明する。特に、LED照明装置3を組み立てる際に、カバー部材30をフレーム20に取り付けるときの工程を中心に説明する。図11は、実施の形態に係るLED照明装置3の製造方法において、カバー部材30をフレーム20に取り付けるときの様子を説明するための図である。図11において、実線部分は、カバー部材30をフレーム20に取り付けた後の状態を示しており、破線部分は、カバー部材30をフレーム20に取り付ける前のカバー部材30における延設部32及び取付部33の位置を示している。
【0178】
LED照明装置3を組み立てる際、まず、光源部10をフレーム20に固定する(光源部固定工程)。例えば、LED12が実装された基板11をフレーム20の主板部21に形成された爪片21aに係止させることで基板11を主板部21に固定する。これにより、光源部10をフレーム20に固定することができる。
【0179】
その後、光源部10が固定されたフレーム20にカバー部材30を取り付ける(カバー部材取付工程)。本実施の形態では、カバー部材30の幅方向からカバー部材30の取付部33をフレーム20の側板部24に嵌め合わせることでカバー部材30をフレーム20に取り付ける。具体的には、カバー部材30の一方の取付部33をフレーム20の一方の側板部24に係止させ、この係止させた部分を支点としてカバー部材30を回転させることで、カバー部材30の他方の取付部33をフレーム20の他方の側板部24に嵌め合わせる。これにより、カバー部材30をフレーム20に嵌め込むことができる。
【0180】
この工程では、カバー部材30の延設部32の一部をフレーム20に押し付けて当接させる。本実施の形態では、延設部32の第3板部32b3の先端面をフレーム20の主板部21の表面に押し付ける。
【0181】
このとき、図11に示されるように、延設部32は、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前とカバー部材30がフレーム20に取り付けられた後とで、フレーム20に対する姿勢が異なっている。具体的には、カバー部材30をフレーム20に取り付ける前とカバー部材30をフレーム20に取り付けた後とで主部31の位置を一致させたときに、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前の状態での延設部32の第3板部32b3(当接部32c)の位置は、カバー部材30がフレーム20に取り付けられた後の状態での第3板部32b3(当接部32c)の位置よりも天井側に位置している。これにより、カバー部材30をフレーム20に取り付けたときに、延設部32は、外延設部32aと内延設部32bとの連結点又は外延設部32aと主部31との連結点を支点として変形し、延設部32の先端部である第3板部32b3が主板部21に当接する。具体的には、延設部32の第3板部32b3の先端面が主板部21の表面に押し付けられる。このとき、延設部32が押し戻されて弾性変形することになる。つまり、延設部32がたわむことになる。この結果、延設部32の第3板部32b3が当接部32cとなってフレーム20の主板部21に押し付けられた状態で当接する。
【0182】
このようにして組み合わされたフレーム20とカバー部材30との間には、第1の隙間G1と第2の隙間G2とが存在しており、カバー部材30とフレーム20とは2箇所のみで接触している。具体的には、カバー部材30の取付部33の当接部33aとフレーム20の側板部24の先端部とが接触しているとともに、カバー部材30の延設部32の当接部32c(内延設部32bの先端部)とフレーム20の主板部21とが接触している。
【0183】
なお、カバー部材30の延設部32には突起34が設けられているが、フレーム20とカバー部材30とが組み合わされた状態において、突起34の先端は、フレーム20の突出部20bに接触していない。
【0184】
以上のようにして、LED照明装置3を製造することができる。なお、その後、LED照明装置3を天井等に設置された器具本体2に取り付ける場合は、上述のように、図10に示す方法によって施工することができる。
【0185】
以上説明したように、本実施の形態に係るLED照明装置3及びLED照明器具1は、LED12が配置された基板11と、基板11が取り付けられた長尺状で板状のフレーム20と、LED12を覆うようにフレーム20に取り付けられたカバー部材30とを備えている。そして、フレーム20は、基板11が配置される凹部20aと、フレーム20の短手方向において凹部20aの両側に位置し且つフレーム20の長手方向に沿って延在する一対の横板部23と、一対の横板部23から天井側に延出する延出部である側板部24とを有しており、側板部24の先端は、フレーム20の凹部20aの底部よりも天井側に位置している。
【0186】
このように、本実施の形態では、フレーム20に凹部20aが形成されているので、凹部20aの側方には横板部23で構成された突出部20bが形成される。これにより、フレーム20の強度を高くすることができる。しかも、本実施の形態では、横板部23から天井側に延出する側板部24の先端を凹部20aの底部よりも天井側に位置するように延出させている。これにより、フレーム20の強度をさらに高くすることができる。
【0187】
したがって、フレームの側板部24の長さを短くしてフレーム20を薄型化しても、必要とされるフレーム20の強度を容易に確保することができる。つまり、フレーム20の側板部24の長さを短くすることで低下した分のフレーム20の強度を、床側に突出する突出部20bを形成することで補うことができる。これにより、板状のフレーム20であっても、フレーム20の強度を確保しながらフレーム20を薄型化することができる。つまり、フレーム20の強度の確保とフレーム20の薄型化との両立を図ることができる。
【0188】
また、フレーム20に突出部20bを設けてフレーム20の強度が向上することで、フレーム20及び/又はカバー部材30に反りやうねりが生じたとしても、フレーム20とカバー部材30とが接触しにくい。さらに、フレーム20に突出部20bを設けることで、LED12の光を床側に集光することができる。
【0189】
また、実施の形態に係るLED照明装置3及びLED照明器具1において、フレーム20の凹部20aの深さをa[mm]とし、一対の側板部24(延出部)の一方の長さをb[mm]とし、LED照明装置3の長手方向の長さをL[ft]とすると、b/a≦(3/8)×Lの関係式を満たしているとよい。
【0190】
この構成により、LED照明装置3の長さにかかわらず、フレーム20の強度を確保しながらフレーム20を薄型化することができる。
【0191】
この場合、b/a≦(3/8)×Lの関係式を満たしているだけではなく、さらに、(3/8)×L-1≦b/aの関係式を満たしているとよい。
【0192】
この構成により、フレーム20を薄型化してもフレーム20が変形することを抑制できるとともに、フレーム20を薄型化によってフレーム20と器具本体2の凹部2aとで囲まれる空間領域S3(フレーム20の背面のスペース)を広くすることができる。つまり、任意の長さのLED照明装置3について、フレーム20の背面のスペースを確保しながら、フレーム20の強度の確保とフレーム20の薄型化との両立を図ることができる。
【0193】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3のカバー部材30においては、延設部32の当接部32cがフレーム20の主板部21に当接するとともに、取付部33の当接部33aがフレーム20の側板部24に当接している一方で、カバー部材30の延設部32とフレーム20との間には第1の隙間G1が存在している。つまり、延設部32の当接部32cを主板部21に当接させるとともに取付部33の当接部33aを側板部24に当接させて、第1の隙間G1を介してフレーム20の突出部20bに対してカバー部材30の延設部32を浮かせている。
【0194】
このように、カバー部材30の延設部32とフレーム20との間に、空間(空気層)となる第1の隙間G1が存在していることで、カバー部材30の延設部32とフレーム20とが面接触して異音が生じることを防止することができる。
【0195】
この点について、以下補足説明する。組み合わされたフレーム20とカバー部材30とにおいて、仮に上下方向のどこにも隙間が存在しないと、上下方向に短い区間(つまりフレーム20の高さ)でフレーム20とカバー部材30とをきつく嵌め込むことになるので、異音発生の大きな原因となる。そこで、本実施の形態では、フレーム20の突出部20bとカバー部材30の延設部32との間に意図的な隙間として上下方向に第1の隙間G1を設けている。これにより、上下方向に短い区間でのフレーム20とカバー部材30とのきつい嵌め込み状態を無くすことができるので、異音を低減することができる。また、本実施の形態では、LED照明装置3を器具本体2に設置する際に弾性保持部材6(キックバネ)でフレーム20を上方に引き上げているので、フレーム20の突出部20bとカバー部材30の延設部32との間の上下方向の隙間(第1の隙間G1)が開きやすくなる。この結果、異音低減の効果が得られやすくなる。なお、LED照明装置3の幅方向(左右方向)では、カバー部材30における一対の取付部33の間隔(ピッチ)が長いので、カバー部材30の主部31と取付部33等でも全体的にたわむことになるので(つまり単位長さ当たりのたわみとしては小さくなるため)、カバー部材30の取付部33とフレーム20の側板部24とが面接触してもその接触圧は、上下方向におけるカバー部材30の一部とフレーム20の一部とが面接触したときの接触圧よりも小さい。このため、幅方向の接触による異音の影響度は、上下方向の接触による異音の影響度よりも小さい。したがって、後述するように、カバー部材30とフレーム20とが所定の基準位置からずれて片寄の状態になって仮にカバー部材30の取付部33とフレーム20の側板部24とが面接触しても、異音発生の影響度としては小さい。
【0196】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3では、フレーム20が突出部20bを有しており、カバー部材30の延設部32は、突出部20bを覆っている。そして、第1の隙間G1は、延設部32と突出部20bとの間に存在している。
【0197】
この構成により、カバー部材30の延設部32とフレーム20の突出部20bとが面接触して異音が生じることを防止することができる。
【0198】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3では、第1の隙間G1に位置する突起34がカバー部材30の延設部32に設けられている。この場合、突起34は、突起34の先端がフレーム20に接触しないような設計になっている。つまり、突起34は、フレーム20とカバー部材30とが所定の基準位置に存在する場合、突起34の先端がフレーム20に接触していない。
【0199】
この構成により、カバー部材30とフレーム20にバラツキが生じてカバー部材30の延設部32とフレーム20とが近づいたとしても、延設部32に設けられた突起34の先端が突出部20bに当たることになるので、突起34が設けられていない部分では、延設部32と突出部20bとの間の隙間(第1の隙間G1)を維持することができる。これにより、延設部32と突出部20bとが面接触して異音が生じることを抑制することができる。
【0200】
なお、カバー部材30とフレーム20のバラツキの要因としては、(a)カバー部材30及び/又はフレーム20の寸法バラツキ(例えば0.2mm~0.5mm)、(b)カバー部材30とフレーム20の反り、ねじれ、うねり、(c)カバー部材30とフレーム20とにおける幅方向でのそもそもの片寄、(d)LED照明装置3を器具本体2に設置する際の施工時のバラツキ等が考えられる。また、(d)の施工時のバラツキとしては、弾性保持部材6(キックバネ)によるLED照明装置3の引き上げ時の反りやねじれ、VVFケーブルによる押さえつけ、カバー部材30とフレーム20との隙間による幅方向での片寄り、ボルト締め上げ時における変形等が考えられる。このうち、カバー部材30とフレーム20とにおける片寄りが最も大きなバラツキの要因となる。
【0201】
また、突起34は、リブ又はドットであるので、突起34が突出部20bに接触したとしても、突起34と突出部20bとは、面接触せず、線接触又は点接触となる。このため、仮に突起34と突出部20bとが接触したとしても、異音が生じることを抑制できる。なお、異音は、面接触、線接触及び点接触のうち、面接触の場合に最も発生しやすく、線接触及び点接触の場合は発生しにくい。また、線接触と点接触とでは、線接触の方が異音が発生しやすく、点接触の場合は異音が発生しにくい。つまり、異音の発生しやすさは、面接触≧線接触>点接触となる。
【0202】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3では、カバー部材30の取付部33とフレーム20の側板部24との間に、空間(空気層)となる第2の隙間G2が存在している。具体的には、第2の隙間G2は、取付部33の内側面と側板部24の外側面との間に存在している。
【0203】
この構成により、カバー部材30の取付部33とフレーム20の側板部24とが面接触して異音が生じることを防止することができる。
【0204】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3では、カバー部材30の延設部32の当接部32cがフレーム20の主板部21に押し付けられた状態で当接している。この構成により、以下の効果を奏する。
【0205】
カバー部材30の延設部32の当接部32cがフレーム20の主板部21に押し付けられた状態で当接していないと、カバー部材30及び/又はフレーム20の寸法バラツキによって、カバー部材30の延設部32の先端部とフレーム20の主板部21との間に隙間が生じることがある。この結果、この隙間から空間領域S2に虫や埃等の異物が侵入するおそれがある。また、カバー部材30の延設部32の当接部32cがフレーム20の主板部21に押し付けられた状態で当接していないと、幅方向からカバー部材30をフレーム20に嵌め込むと、延設部32の先端部がフレーム20から離れる方向に延設部32が変形し、カバー部材30の延設部32の先端部とフレーム20の主板部21との間に隙間が生じることがある。この結果、この隙間から空間領域S2に虫や埃等の異物が侵入するおそれがある。
【0206】
これに対して、本実施の形態に係るLED照明装置3では、延設部32の先端部である第3板部32b3が当接部32cとなってフレーム20の主板部21に押し付けられた状態で当接している。これにより、カバー部材30の延設部32の当接部32cとフレーム20の主板部21とが離れないので、カバー部材30及び/又はフレーム20に寸法バラツキが生じても、延設部32の先端部とフレーム20との間に隙間が生じることを抑制することができる。つまり、カバー部材30及び/又はフレーム20の寸法バラツキを吸収することができる。このように、本実施の形態に係るLED照明装置3では、カバー部材30の延設部32の先端部とフレーム20の主板部21との間に隙間が生じることがないので、空間領域S2に虫や埃等の異物が侵入することを抑制できる。つまり、フレーム20の主板部21に当接する延設部32が防虫構造として機能する。
【0207】
特に、カバー部材30及びフレーム20は2フィートを超える長尺状であるので、フレーム20及び/又はカバー部材30には、反り、うねり又はねじれ等が生じやすい。このため、従来のLED照明装置では、カバー部材30の長手方向において、延設部32の先端部の一部とフレーム20との間に部分的に隙間が生じやすく、カバー部材30の長手方向に沿って延設部32が接触してほしい部位の直線性を保つことができないことがある。
【0208】
これに対して、本実施の形態に係るLED照明装置3では、延設部32の先端部である第3板部32b3が当接部32cとなってフレーム20の主板部21に押し付けられている。これにより、カバー部材30の長手方向に全長にわたって延設部32の先端部とフレーム20との間に隙間が生じることを抑制することができる。
【0209】
また、LED照明装置3を器具本体2に取り付ける施工の際又はLED照明装置3を清掃したり交換したりする際に、LED照明装置3がねじられたりカバー部材30の主部31が押さえ付けられたりする等してLED照明装置3に応力が加わって、一対の延設部32が開く方向に変形することがある。つまり、延設部32の先端部がフレーム20から離れる方向に延設部32が変形することがある。この場合、延設部32とフレーム20との間の空間領域(本実施の形態の空間領域S1に相当)に虫や埃等の異物が溜まっていると、その異物が落下してカバー部材30とフレーム20との間の空間領域(防虫領域)に入り込んでしまうことがある。
【0210】
これに対して、本実施の形態に係るLED照明装置3では、延設部32の先端部である第3板部32b3が当接部32cとなってフレーム20の主板部21に押し付けられている。これにより、LED照明装置3に応力が加わったとしても、延設部32の先端部とフレーム20との間に隙間が生じない。これにより、延設部32とフレーム20との間の空間領域S1に虫や埃等の異物が溜まっていたとしても、その異物が落下してカバー部材30とフレーム20との間の空間領域S2(防虫領域)に入り込んでしまうことを抑制できる。
【0211】
このように、本実施の形態に係るLED照明装置3では、カバー部材30の延設部32の先端部とフレーム20とが接触した状態を保つことができるので、カバー部材30とフレーム20との間の空間領域S2(防虫領域)に虫や埃等の異物が侵入することを抑制することができる。
【0212】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3では、延設部32の先端部である第3板部32b3(当接部32c)は、平坦面である主板部21の表面に当接している。
【0213】
これにより、延設部32の先端部とフレーム20の主板部21との接触面積を稼ぐことができるので、カバー部材30とフレーム20との間の空間領域S2に虫や埃等の異物が侵入することを一層抑制することができる。
【0214】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3において、延設部32は、外延設部32aを有する。
【0215】
この構成により、LED照明装置3を器具本体2に収納する際に弾性保持部材6(キックバネ)によってLED照明装置3を引き上げるときに、延設部32を天井側に押し付ける力が作用して、延設部32の外延設部32aが器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1に当接する。これにより、延設部32の内延設部32bがフレーム20に対して更に押し付けるので、延設部32がフレーム20の主板部21を押し付ける力が大きくなる。このため、延設部32と主板部21との密着度を向上させることができる。したがって、カバー部材30とフレーム20との間の空間領域S2に虫や埃等の異物が侵入することを一層抑制できる。つまり、防虫効果を高めることができる。さらに、弾性保持部材6によってLED照明装置3が引き上げられることで、延設部32の外延設部32aと器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1とを密着させることができる。
【0216】
また、本実施の形態では、延設部32だけではなく、取付部33についても、カバー部材30の取付け前後でフレーム20に対する姿勢が異なっている。具体的には、取付部33は、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前とカバー部材30がフレーム20に取り付けられた後とで、フレーム20の側板部24に対する姿勢が異なっている。より具体的には、取付部33は、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前では、フレーム20の側板部24に対して傾斜している。そして、カバー部材30がフレーム20に取り付けられた後では、取付部33は、フレーム20の側板部24に対して平行になっている。
【0217】
これにより、取付部33が側板部24を押し付けることを抑制できるので、取付部33と側板部24とが面接触することを抑制し、第2の隙間G2を維持することができる。したがって、取付部33と側板部24とが面接触して異音が生じることを抑制できる。
【0218】
この場合、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前とカバー部材30がフレーム20に取り付けられた後との間の延設部32の変形量(たわみ量)は、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前とカバー部材30がフレーム20に取り付けられた後との間の取付部33の変形量(たわみ量)とほぼ同じであるとよい。具体的には、カバー部材30の取付け前後において、延設部32における第3板部32b3の先端の最大移動量と取付部33の先端の最大移動量とがほぼ同じになっているとよい。
【0219】
これにより、取付部33と側板部24との面接触により異音が生じることを一層抑制することができる。
【0220】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3において、カバー部材30の取付け前後における延設部32の変形量(たわみ量)は、延設部32が弾性変形する範囲内になっている。ただし、樹脂製の延設部32が弾性変形する範囲内の応力よりも小さな応力が加わった場合であったとしても、その応力が常にかかった状態でLED照明装置3を使用し続けると、フレーム20に延設部32を押し付けることで延設部32にクリープ破壊が生じて延設部32が割れてしまうおそれがある。このため、カバー部材30の取付け前後における延設部32の変形量(たわみ量)は、延設部32が応力割れしない程度の範囲内であるとよい。
【0221】
具体的には、この延設部32の変形量(たわみ量)は、0.5mm以上、好ましくは、1.0mm以上であるとよい。また、カバー部材30の取付け前後における延設部32のたわみ角は、2°以上、好ましくは、4°以上であることが好ましい。ただし、延設部32の変形量(たわみ量)又はたわみ角が大きすぎると、延設部32とフレーム20の突出部20bとの面接触により異音が発生するおそれがある。このため、延設部32の変形量(たわみ量)は、2.5mm以下であるとよく、延設部32のたわみ角は、10°以下であるとよい。
【0222】
また、図11では、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前において、取付部33は、フレーム20の側板部24に対して傾斜していたが、これに限らない。具体的には、図12の破線部分で示すように、取付部33は、カバー部材30がフレーム20に取り付けられる前では、フレーム20の側板部24に対して平行であってもよい。これにより、取付部33は、カバー部材30がフレーム20に取り付けられた後では、弾性変形し、フレーム20の側板部24に対して傾斜する。なお、図12においても、図11と同様に、実線部分は、カバー部材30をフレーム20に取り付けた後の状態を示しており、破線部分は、カバー部材30をフレーム20に取り付ける前のカバー部材30における延設部32及び取付部33の位置を示している。
【0223】
このように、幅方向からカバー部材30をフレーム20に嵌め込むことで、カバー部材30の取付部33の先端部がフレーム20の側板部24側に移動するように取付部33が傾斜する。これにより、第2の隙間G2を維持したままフレーム20の側板部24が取付部33によって押し付けられるので、取付部33と側板部24とを強固に係止させることができる。したがって、カバー部材30がフレーム20から外れてしまうことを抑制できる。
【0224】
また、カバー部材30とフレーム20とにおける上記(a)~(d)のバラツキ等によって、カバー部材30とフレーム20とがずれてしまうことがある。例えば、カバー部材30に対してフレーム20がX軸方向に相対的にずれて片寄の状態になると、図13に示すように、カバー部材30の一対の取付部33のうちの一方の取付部33(図13では左側の取付部33)がフレーム20の側板部24に接触することがある。つまり、図13の左側の取付部33と側板部24との間の第2の隙間G2が存在しなくなっている。
【0225】
この場合であっても、カバー部材30の一対の延設部32の各々とフレーム20の一対の突出部20b各々との間には第1の隙間G1が維持されて第1の隙間G1が存在している。これにより、カバー部材30の延設部32とフレーム20の突出部20bとが面接触して異音が生じることを防止することができる。なお、図13では、カバー部材30の一対の取付部33のうちの他方の取付部33(図13では右側の取付部33)は、フレーム20の側板部24に接触していない。つまり、図13の右側の取付部33と側板部24との間の第2の隙間G2が維持されている。
【0226】
また、図13のようにフレーム20及びカバー部材30の少なくとも一方がフレーム20の幅方向にずれてカバー部材30とフレーム20とが片寄の状態(所定の基準位置からずれた状態)になった場合には、カバー部材30の突起34とフレーム20の横板部23(傾斜板部23b)とが接触してもよい。この場合、一対の延設部32の各々に設けられた突起34については、一対の突起34の一方が一対の突出部20bの一方における傾斜板部23aに接触したとしても、一対の突起34の他方は、一対の突出部20bの他方における傾斜板部23bに接触しないようになっている。図13では、左側の突起34が横板部23に接触し、右側の突起34は横板部23に接触していない状態を示している。このように突起34と横板部23とが接触したとしても面接触にはならないので、延設部32と横板部23とが面接触する場合と比べて異音を低減することができる。なお、カバー部材30とフレーム20とが片寄とならずに通常の位置に存在する場合には、左側の突起34も右側の突起34も横板部23に接触していない。
【0227】
また、図13のように延設部32及び取付部33のうち延設部32のみに突起34が設けられている場合(取付部33に突起34が設けられていない場合)に片寄の状態になると、取付部33と側板部24とが面接触する可能性はあるが、上記のように、カバー部材30の取付部33とフレーム20の側板部24とが面接触したときの接触圧は、幅方向の接触圧であって、上下方向においてカバー部材30の一部とフレーム20の一部とが面接触したときの接触圧よりも小さい。このため、異音発生の影響は小さい。なお、図13において、後述するようにカバー部材30の取付部33に突起34を設けることで、取付部33と側板部24とが面接触することを回避できるので、さらに異音を低減することができる。また、フレーム20の突出部20bとカバー部材30の延設部32とが接触したときに、仮に上下方向で面接触すると、上記のように異音発生の影響度は小さくはないが、本実施の形態では、突出部20bと延設部23との間に第1の隙間G1が存在し、さらに突起34も形成されているので、突出部20bと延設部32とは面接触せずに線接触にとどまる。これにより、異音の発生を効果的に低減することができる。
【0228】
また、上記実施の形態において、第1の隙間G1に位置する突起34は、カバー部材30に設けられていたが、これに限らない。例えば、図14の(a)に示されるLED照明器具1A及びLED照明装置3Aのように、第1の隙間G1に位置する突起25は、フレーム20Aに設けられていてもよい。本変形例におけるカバー部材30Aは、上記実施の形態におけるカバー部材30とは異なり、突起34が設けられていない。図14の(b)は、図14の(a)の破線で囲まれる領域Bの拡大図である。図14の(b)に示すように、本変形例において、突起25は、フレーム20Aの突出部20bにおける横板部23に設けられている。具体的には、突起25は、横板部23の傾斜板部23bに設けられている。傾斜板部23bに設けられた突起25は、カバー部材30Aの延設部32に向かって突出している。本変形例において、突起25は、ダボであり、フレーム20Aを構成する金属板の一部を突き上げることで形成することができる。一例として、突起25は、横板部23の傾斜板部23bの傾斜面に沿って延在している。また、突起25は、突起25の先端がカバー部材30Aに接触しないような設計になっている。具体的には、突起25の先端がカバー部材30Aの延設部32に接触しないような設計になっている。
【0229】
この構成により、カバー部材30Aとフレーム20Aに上記(a)~(d)のバラツキ等が生じとしても、突起25の先端がカバー部材30Aの延設部32に当たることになるので、突起25が設けられていない部分では、延設部32と突出部20bとの間の隙間(第1の隙間G1)を維持することができる。これにより、延設部32と突出部20bとが面接触して異音が生じることを抑制することができる。
【0230】
なお、フレーム20Aに設けられた突起25は、フレーム20Aを構成する金属板の一部を変形させたものでなくてもよい。例えば、突起25は、フレーム20Aの表面にテープ等の厚みのあるものを貼り付けたものであってもよい。この場合、突起25は、複合粘着テープ等のように不織布などを含んだある程度厚みのあるものであるとよい。
【0231】
このように、第1の隙間G1に位置する突起は、図14に示すように、フレーム20Aに設けられていてもよいし、図3に示される上記実施の形態のように、カバー部材30の延設部32に設けられていてもよい。つまり、カバー部材30の延設部32及びフレーム20Aの少なくとも一方に、第1の隙間G1に位置する突起34又は25が設けられていればよい。具体的には、図15の(a)に示すように、カバー部材30の延設部32及びフレーム20のうち延設部32のみに突起34が設けられていてもよいし、図15の(b)に示すように、カバー部材30Aの延設部32及びフレーム20Aのうちフレーム20Aのみに突起25が設けられていてもよいし、図15の(c)に示すように、カバー部材30の延設部32及びフレーム20Aの両方に突起34及び25が設けられていてもよい。また、カバー部材30の延設部32及びフレーム20Aの両方に突起34及び25を設ける場合、図15の(c)に示すように、カバー部材30の突起34とフレーム20Aの突起25とを対向させてもよい。また、フレーム20Aの突出部20bとカバー部材30の延設部32との間には第1の隙間G1が存在するので、図15の(d)に示すように、カバー部材30の突起34とフレーム20Aの突起25とをずらして設けてもよい。但し、突起34と突起25とをずらすと、第1の隙間G1が狭くなったときに突起34と突起25とが同時接触するおそれがある。なお、フレーム20Aに形成された突起25がダボであると、突起25とカバー部材30Aとが接触したとしても突起25とカバー部材30Aとは点接触にはなるが、突起25を複数形成した場合には、カバー部材30Aが反ったり撓んだりしたときに、フレーム20Aとカバー部材30Aとが点接触する部分の数が増えることになる。そこで、フレーム20Aの突起25及びカバー部材30Aの突起34の一方をダボとし、他方をリブにするとよい。例えば、図15の(e)に示すように、フレーム20Aに設けられた突起25を長ダボとし、カバー部材30の突起34をリブとすることができる。これにより、突起25と突起34の位置がずれたとしても、長ダボである突起25とリブである突起34とが点接触することになるので、フレーム20Aとカバー部材30とが点接触する部分の数が増えることを防止できる。
【0232】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の突起34は、延設部32の内延設部32bにおける第1板部32b1の傾斜板部に設けられていたが、これに限らない。例えば、図16に示されるLED照明器具1B及びLED照明装置3Bのように、カバー部材30Bの突起34は、延設部32Bの内延設部32bにおける第1板部32b1の平行板部に設けられていてもよい。この場合、突起34は、フレーム20の横板部23の平行板部23aに向かって突出している。
【0233】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の突起34は、延設部32の内延設部32bにおける第1板部32b1の傾斜板部のみに設けられていたが、これに限らない。例えば、図17に示されるLED照明器具1C及びLED照明装置3Cのように、カバー部材30Cの突起34は、延設部32Cの内延設部32bにおける第1板部32b1の傾斜板部及び平行板部の各々に設けられていてもよい。なお、カバー部材30Cの延設部32Cに設けられる突起34は、2つに限るものではなく、3つ以上であってもよい。つまり、第1の隙間G1に位置する突起34は、複数であってもよい。
【0234】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の突起34は、第1の隙間G1のみに位置するように設けられていたが、これに限らない。
【0235】
例えば、図18に示されるLED照明器具1D及びLED照明装置3Dのように、カバー部材30Dの突起34は、第2の隙間G2に位置するように設けられていてもよい。この場合、突起34は、フレーム20の側板部24に向かって突出するように、カバー部材30Dの取付部33Dに設けられる。具体的には、突起34は、取付部33Dの内面に設けられる。また、第2の隙間G2に設けられた突起34は、フレーム20とカバー部材30Dとが所定の基準位置(設計上の位置)に存在する場合、当該突起34の先端が側板部24に接触しないように設けられている。
【0236】
この構成により、カバー部材30Dとフレーム20に上記(a)~(d)のバラツキ等が生じてカバー部材30Dの取付部33Dとフレーム20の側板部24とが近づいたとしても、取付部33Dに設けられた突起34の先端がフレーム20の側板部24に当たることになるので、突起34が設けられていない部分では、取付部33Dと側板部24との間の隙間(第2の隙間G2)が維持されることになる。これにより、取付部33Dと側板部24とが面接触することで異音が生じることを抑制できる。また、カバー部材30Dの取付部33Dとフレーム20の側板部24とが近づいて取付部33Dの突起34がフレーム20の側板部24に接触したとしても線接触であるので、取付部33Dと側板部24とが面接触する場合と比べて異音を低減できる。
【0237】
また、本変形例において、第2の隙間G2に設けられた突起34は、一対の取付部33Dの各々に設けられている。つまり、カバー部材30Dは、第2の隙間G2に一対の突起34を有している。この場合、フレーム20及びカバー部材30Dの少なくとも一方がフレーム20の幅方向にずれてフレーム20及びカバー部材30dが片寄の状態になった場合、第2の隙間G2に設けられた一対の突起34の一方は、一対の側板部24の一方に接触するかもしれないが、一対の突起34の他方については、一対の側板部24の他方に接触しないようになっている。
【0238】
なお、本変形例において、突起34は、片側の取付部33Dに2つ設けられているが、これに限るものではない。例えば、片側の取付部33Dに設けられる突起34は、1つのみであってもよいし、3つ以上の複数であってもよい。
【0239】
また、図示しないが、第2の隙間G2に位置する突起は、カバー部材30Dではなく、フレーム20の側板部24に設けられていてもよい。側板部24に設けられた突起は、カバー部材30の取付部33Dに向かって突出している。この場合、側板部24に設けられた突起は、先端がカバー部材30Dの取付部33Dに接触しないような設計になっている。なお、第2の隙間G2に突起を設ける場合、カバー部材30Dの取付部33Dとフレーム20の側板部24の両方に設けてもよいが、カバー部材30Dの取付部33Dとフレーム20の側板部24とのいずれか一方のみに設けてもよい。つまり、フレーム20の側板部24及びカバー部材30の取付部33の少なくとも一方に、第2の隙間G2に位置する突起が設けられていればよい。但し、この場合、第2の隙間G2に設けられた突起は、当該突起の先端が取付部33及び側板部24に接触しないように設けられているとよい。
【0240】
また、図18では、突起34は、第2の隙間G2のみに位置するように取付部33Dのみに設けられており、延設部32には設けられていなかったが、これに限らない。具体的には、図19に示されるLED照明器具1E及びLED照明装置3Eのように、突起34は、カバー部材30Eの取付部33Eと延設部32の各々に設けられていてもよい。つまり、カバー部材30Eの突起34は、第1の隙間G1と第2の隙間G2の両方に位置するように設けられていてもよい。
【0241】
また、図20に示されるLED照明器具1F及びLED照明装置3Fのように、カバー部材30Fの突起34は、第1の隙間G1に位置するだけではなく、隙間GX(取付部33Fと器具本体2の凹部2aの内壁面との間の隙間)にも位置するように設けられていてもよい。具体的には、取付部33Fの外側の側面にも突起34が設けられている。これにより、取付部33Fと器具本体2とが面接触して異音が生じることを抑制することができる。
【0242】
なお、隙間GXに位置する突起は、カバー部材30Fではなく、器具本体2に設けられていてもよい。つまり、カバー部材30Fの取付部33F及び器具本体2の少なくとも一方に、隙間GXに位置する突起が設けられていればよい。具体的には、図21の(a)に示すように、カバー部材30Fの取付部33F及び器具本体2のうち取付部33Fのみに突起34が設けられていてもよいし、図21の(b)に示すように、カバー部材30の取付部33及び器具本体2Aのうち器具本体2Aのみに突起2dが設けられていてもよいし、図21の(c)に示すように、カバー部材30Fの取付部33F及び器具本体2Aの両方に突起34及び2dが設けられていてもよい。また、カバー部材30Fの取付部33F及び器具本体2Aの両方に突起34及び2dを設ける場合、図21の(c)に示すように、カバー部材30Fの突起34と器具本体2Aの突起2dとを対向させてもよいし、図21の(d)に示すように、カバー部材30Fの突起34と器具本体2Aの突起2dとをずらして設けてもよい。また、図21の(e)に示すように、器具本体2Aに設けられた突起2dを長ダボとし、カバー部材30Fの突起34をリブとしてもよい。これにより、突起2dと突起34の位置がずれたとしても、長ダボの突起2dとリブである突起34とが点接触することになる。
【0243】
また、上記実施の形態では、カバー部材30とフレーム20との間の隙間である第1の隙間G1及び第2の隙間G2を維持するために、第1の隙間G1及び第2の隙間G2に位置するようにカバー部材30及びフレーム20の少なくとも一方に突起を設けたが、これに限らない。例えば、図22に示されるLED照明器具1G及びLED照明装置3Gのように、第1の隙間G1にも第2の隙間G2にも突起が設けられていなくてもよい。つまり、図22に示されるカバー部材30Gのように、第1の隙間G1及び第2の隙間G2の位置に突起34が設けられていなくてもよいし、図22に示されるフレーム20のように、第1の隙間G1及び第2の隙間G2の位置に突起25が設けられていなくてもよい。具体的には、カバー部材30Gの延設部32G及び取付部33に突起34が設けられていない。また、フレーム20にも突起25が設けられていない。なお、本変形例においても、フレーム20の突出部20bとカバー部材30Gの延設部32Gとの間には第1の隙間G1が存在しており、突出部20bと延設部32Gとは接触していない。同様に、フレーム20の側板部24とカバー部材30Gの取付部33との間には第2の隙間G2が存在しており、側板部24と取付部33とは接触していない。
【0244】
このように、第1の隙間G1に突起が設けられていないLED照明装置3Gであっても、カバー部材30Gの延設部32Gとフレーム20との間に、空間となる第1の隙間G1が存在していることで、カバー部材30Gの延設部32Gとフレーム20の突出部20bとが面接触して異音が生じることを防止することができる。また、第2の隙間G2に突起が設けられていないLED照明装置3Gであっても、カバー部材30Gの取付部33とフレーム20の側板部24との間に、空間となる第2の隙間G2が存在していることとで、カバー部材30Gの取付部33とフレーム20の側板部24とが面接触して異音が生じることを防止することができる。
【0245】
なお、本変形例のLED照明器具1Gにおいて、カバー部材30Gとフレーム20に上記(a)~(d)のバラツキ等が生じたり、図13のようにカバー部材30Gとフレーム20とが片寄の状態になったりした場合には、カバー部材30Gとフレーム20とにおいて、一対の取付部33及び一対の側板部24うちの片側のみの取付部33と側板部24とが接触する場合と、片側のみの取付部33と側板部24とが接触するとともに延設部32Gと突出部20b(横板部23)とが接触する場合とがある。これらの場合、取付部33と側板部24とが面接触する可能性はあるが、上記のように、取付部33と側板部24とが面接触したときの接触圧は、幅方向の接触圧であって、上下方向においてカバー部材30の一部とフレーム20の一部とが面接触したときの接触圧よりも小さいため、異音発生の影響は小さい。また、上下方向には、突出部20bと延設部32Gとの間には第1の隙間G1が存在するので、上下方向においてはカバー部材30Gとフレーム20とはきつく固定されることはないので、異音も生じにくい。さらに、LED照明装置3を器具本体2に設置する際に弾性保持部材6(キックバネ)でフレーム20を上方に引き上げているので、フレーム20の突出部20bとカバー部材30の延設部32との間の上下方向の隙間(第1の隙間G1)が開きやすくなるので、異音の発生を効果的に低減できる。
【0246】
また、第1の隙間G1に位置する突起をフレーム20の突出部20bに設けた場合、図14に示されるLED照明装置3Aでは、横板部23のうち傾斜板部23bのみに突起25を設けたが、これに限らない。例えば、図23の(a)及び(b)に示されるLED照明器具1H及びLED照明装置3Hのように、フレーム20Hの突出部20bにおける横板部23の平行板部23aと傾斜板部23bとにまたがるように突起25Hを設けてもよい。突起25Hは、平行板部23aと傾斜板部23bとに連続して形成された長ダボである。なお、図23の(b)は、図23の(a)の破線で囲まれる領域Bの拡大図である。
【0247】
また、横板部23の平行板部23aと傾斜板部23bとに突起を設ける場合、図24の(a)、(b)及び(c)に示されるLED照明器具1I及びLED照明装置3Iにおけるフレーム20Iのように、横板部23の平行板部23aと傾斜板部23bとの各々に突起25Iを設けてもよい。つまり、平行板部23aと傾斜板部23bとに突起25Iを分割して設けてもよい。この場合、図24の(c)に示すように、Y軸方向に沿って平行板部23aと傾斜板部23bとに交互に突起25Iを設けるとよい。これにより、図23のように、平行板部23aと傾斜板部23bとにまたがるように突起25Hを設けた場合と同様の効果が得られる。なお、図24の(b)は、図24の(a)の破線で囲まれる領域Bの拡大図であり、図24の(c)は、本変形例の要部を示す拡大斜視図である。
【0248】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の延設部32に設けられた突起34は、図25の(a)に示されるように、断面形状が三角形のリブであったが、これに限らない。例えば、突起34の断面形状は、図25の(b)に示されるように、半円状等の外形線が円弧状を有する形状であってもよいし、図25の(c)に示されるように、五角形等の多角形であってもよい。なお、図25の(a)~(c)のように、突起34の頂点の形状は、突起34がフレーム20に接触したとしても突起34とフレーム20とが線接触するような形状であるとよい。また、突起34の高さは、低い方がよい。
【0249】
また、上記実施の形態において、フレーム20に設けられた突起25は、ダボであったが、これに限らない。具体的には、フレーム20に設けられた突起25は、リブであってもよい。この場合、突起25は、図26の(a)に示されるように、断面形状が三角形のリブであってもよいし、図26の(b)に示されるように、断面形状が円弧状のリブであってもよい。
【0250】
また、フレーム20に設けられた突起25がダボである場合、突起25の断面形状は、任意の形状を採用することができる。例えば、突起25は、図27の(a)に示されるように、断面形状が三角形の点ダボであってもよいし、図27の(b)に示されるように、断面形状が台形状の長ダボ又は大きめのダボであってもよいし、図27の(c)に示されるように、断面形状が円弧状の点ダボであってもよいし、図27の(d)に示されるように、断面形状が矩形の角部を円弧状にした長ダボ又は大きめのダボであってもよいし、図27の(e)に示されるように、断面形状が矩形状の点ダボであってもよいし、図27の(f)に示されるように、断面形状が矩形の長ダボ又は大きめのダボであってもよい。
【0251】
また、図28に示されるLED照明器具1J及びLED照明装置3Jのように、カバー部材30Jとフレーム20との当接部分、及び、カバー部材30Jと器具本体2との当接部分に、中間部材35が設けられていてもよい。カバー部材30Jとフレーム20との間の中間部材35は、カバー部材30Jとフレーム20とに接触する接触部材であり、カバー部材30Jと器具本体2との間の中間部材35は、カバー部材30Jと器具保体2とに接触する接触部材である。本変形例において、中間部材35は、カバー部材30Jに設けられている。具体的には、中間部材35は、延設部32の内延設部32bにおける第3板部32b3の先端面(延設部32とフレーム20の主板部21との当接部分)と、取付部33の当接部33a(取付部33とフレーム20の側板部24との当接部分)と、延設部32の外延設部32aの外面(延設部32と器具本体2の開口端縁2a1との当接部分)に設けられている。中間部材35は、例えば、エラストマー等からなる弾性体であり、弾性変形する。中間部材35は、カバー部材30Jと一体に成型されていてもよいし、カバー部材30Jに後付けで取り付けられていてもよい。なお、中間部材35は、弾性体でなくてもよい。この場合、中間部材35は、摩擦係数が小さいものであるとよい。例えば、摩擦係数が小さい中間部材35としては、薄膜のテフロン(登録商標)シートを用いることができる。中間部材35として弾性体又は摩擦係数が小さいものを用いることで、第1の隙間G1及び第2の隙間G2が設けられた部分以外において、カバー部材30Jとフレーム20とが接触する部分(取付部33の先端部と側板部24の先端部との接触部、延設部32の先端部と主板部21との接触部)及びカバー部材30Jと器具本体2とが接触する部分での異音を低減することができる。
【0252】
なお、図29に示されるLED照明器具1K及びLED照明装置3Kのように、カバー部材30に弾性部材を設けるのではなく、フレーム20Kに弾性部材26を設けてもよい。この場合も、弾性部材26は、カバー部材30とフレーム20Kとの当接部分に設けられている。具体的には、弾性部材26は、主板部21(主板部21とカバー部材30の延設部32との当接部分)と、側板部24の折曲部24a(側板部24とカバー部材30の取付部33との当接部分)とに設けられている。弾性部材26は、エラストマーであってもよいし、パッキンであってもよい。弾性部材26は、例えばフレーム20Kに貼り付けられている。
【0253】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の取付部33の当接部33aは、傾斜するように折り曲げられた形状であったが、これに限らない。例えば、図30の(a)に示されるように、カバー部材30の取付部33の当接部33aは、円弧状に湾曲するように形成されていてもよい。この場合、図30の(b)に示されるように、当接部33aにおける側板部24との当接部分に突起が設けられていてもよい。また、図30の(c)に示されるように、カバー部材30の取付部33の当接部33aは、傾斜させることなく折り曲げられた形状であってもよい。つまり、当接部33aの断面形状は、L字状であってもよい。なお、この場合も、図30の(c)に示されるように、当接部33aにおける側板部24との当接部分に突起が設けられていてもよいが、図30の(d)に示されるように、当接部33aにおける側板部24との当接部分に突起が設けられていなくてもよい。また、図30の(e)に示されるように、カバー部材30の取付部33の当接部33aは、2回折り曲げた形状であってもよい。つまり、当接部33aの断面形状は、V字状であってもよい。また、図30の(f)に示されるように、カバー部材30の取付部33の当接部33aは、傾斜部と平行部とを有する形状であってもよい。また、図30の(a)に示されるように、カバー部材30の取付部33の当接部33aを平行部のみとし、フレーム20の側板部24の折曲部24aを外側に倒れるように傾斜させてもよい。なお、カバー部材30の取付部33とフレーム20の側板部24とによって(つまり脚部同士で)第2の隙間G2を維持するようにするには、図30の(a)、(b)、(e)及び(g)の形状を採用するとよい。
【0254】
また、第2の隙間G2を維持するとの観点では、図31に示されるLED照明器具1L及びLED照明装置3Lのように、フレーム20の側板部24とカバー部材30の取付部33との間にスペーサ60を設けてもよい。これにより、第2の隙間G2を容易に維持することができるので、フレーム20の側板部24とカバー部材30の取付部33とが面接触して異音が生じることを効果的に抑制できる。スペーサ60としては、エラストマー等の弾性部材を用いるとよいが、これに限るものではない。
【0255】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の延設部32におけるフレーム20の主板部21との当接部分である当接部32c(第3板部32b3)の先端部の端面形状は、平面であったが、これに限らない。例えば、延設部32の当接部32cの先端部の端面の断面形状は、図32の(a)に示されるように、半円状等の外形線が円弧を有する形状であってもよいし、図32の(b)に示されるように、二等辺三角形であってもよいし、図32の(c)に示されるように、直角三角形であってもよい。これにより、延設部32の当接部32cとフレーム20の主板部21とを線接触させることができるので、異音の発生をさらに抑制できる。
【0256】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の延設部32の先端部は、フレーム20の主板部21のみに当接していたが、これに限らない。例えば、図33に示されるLED照明装置3Mのように、カバー部材30Mの延設部32Mの先端部は、フレーム20と光源部10の両方に当接していてもよい。図33では、カバー部材30Mの延設部32Mを第3板部32b3からさらに延在させて延設部32Mに延在部32mを設けている。なお、図33において、カバー部材30Mの延在部32mは、光源部10の基板11に面接触しているが、これに限らない。
【0257】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の延設部32は、主部31から延出していたが、これに限らない。例えば、延設部32又は内延設部32bは、図34の(a)に示されるカバー部材30の点A1~点A5の位置から光源部10に向かって延出していてもよい。なお、点A1は、主部31に位置する点であり、点A2は、主部31と外延設部32aとが結合する部分の点であり、点A3は、外延設部32aに位置する点であり、点A4は、取付部33と外延設部32aとが結合する部分の点であり、点A5は、取付部33に位置する点である。また、延設部32又は内延設部32bは、図34の(b)に示されるカバー部材30aの点B1~点B3の位置から光源部10に向かって延出していてもよい。カバー部材30aは、主部31と取付部33とで構成されており、外延設部32aを有していない。点B1は、主部31に位置する点であり、点B2は、主部31と取付部33とが結合する部分の点であり、点B3は、取付部33に位置する点である。
【0258】
例えば、図34の(a)に示す形状のカバー部材30を用いた場合、図35の(a)に示すように、内延設部32bは、外延設部32aではなく主部31から延出していてもよいし、図35の(b)に示すように、内延設部32bは、外延設部32aの途中から延出していてもよいし、図35の(c)に示すように、主部31が延設部32の途中に連結されていてもよいし、図35の(d)に示すように、外延設部32aは、取付部33の途中に連結されていてもよい。また、図34の(b)に示す形状のカバー部材30aを用いた場合、図36の(a)に示すように、延設部32は、主部31から傾斜するように延出していてもよいし、図36の(b)に示すように、主部31からアーチ状に延出していてもよい。
【0259】
なお、図35及び図36において、延設部32又は内延設部32bが直結している部分は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の影響を受けやすく、延設部32又は内延設部32bが直結していない部分(例えば別の部位を介している場合)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の影響を受けにくい。
【0260】
このため、図35の(a)、(c)、(d)及び図36の(a)、(b)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の主部31への影響度が大きくなる。一方、図35の(b)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の主部31への影響度が小さい。
【0261】
また、図35の(d)及び図36の(a)、(b)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の取付部33への影響度が大きくなる。一方、図35の(a)~(c)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の取付部33への影響度が小さい。
【0262】
このため、図35の(b)の構造については、延設部32又は内延設部32bがたわんだときに主部31及び取付部33に与える影響がいずれも小さくなる。
【0263】
また、上記実施の形態において、フレーム20の主板部21に凸部及び/又は凹部を形成してもよい。具体的には、図37に示されるLED照明装置3Nのように、フレーム20Nの主板部21に床側に突出する凸部21cを形成してもよい。凸部21cは、凸状の突起であり、例えば主板部21にプレス加工等を施すことで形成することができる。凸部21cは、例えばビードであるが、これに限らない。具体的には、凸部21cは、半月ダボ等のダボであってもよいし、ブリッジであってもよい。また、凸部21cは、Y軸方向の全長にわたって形成された突条部であってもよいし、Y軸方向に沿って断続的に複数形成されていてもよい。なお、プレス加工により形成された凸部21cの断面形状は、例えば、矩形であるが、これに限るものではない。例えば、凸部21cの断面形状は、円弧形状であってもよいし、台形であってもよいし、三角形であってもよいし、U字状等であってもよい。また、図37において、凸部21cは、空間領域S1に形成されている。したがって、延設部32の第3板部32b3は、光源部10の基板11と凸部21cとの間に位置している。このように、主板部21に凸部21cを形成することで、フレーム20Nの強度を向上させることができる。しかも、主板部21に凸部21cを形成することで、延設部32が外れることを抑制できるとともに、延設部32が変形することを抑制することができる。さらに、空間領域S1に凸部21cを形成することで迷路構造にすることができるので、空間領域S2に虫が侵入することをさらに抑制できる。
【0264】
なお、図37において、凸部21cは、空間領域S1に形成されていたが、これに限らない。例えば、図38に示されるLED照明装置3Oのように、フレーム20Oの主板部21に形成される凸部21cは、光源部10の基板11と延設部32の第3板部32b3との間に形成されていてもよい。これにより、フレーム20Oの強度を向上させることができる。
【0265】
また、図37及び図38において、凸部21cは、主板部21に1つのみ形成したが、これに限らない。例えば、図39に示されるLED照明装置3Pのように、フレーム20Pの主板部21に2つの凸部21cを形成してもよい。この場合、延設部32の先端部である第3板部32b3は、2つの凸部21cの間に挿入されるとよい。つまり、延設部32の先端部は、2つの凸部21cに挟まれるように配置されるとよい。このように、主板部21に2つの凸部21cを形成することで、フレーム20Pの強度をさらに向上させることができる。しかも、2つの凸部21cの間に延設部32の先端部を挿入することで、延設部32が外れることを抑制できるとともに、延設部32が変形することを抑制することができる。また、2つの凸部21cの一方を空間領域S1に形成し、2つの凸部21cの他方を空間領域S1の外部に形成することで、さらに複雑な迷路構造にすることができるので、空間領域S2に虫が侵入することをさらに抑制できる。
【0266】
また、図37図39では、主板部21に凸部21cを形成したが、これに限らない。例えば、図40に示されるLED照明装置3Qのように、フレーム20Qの主板部21には、天井側に窪む凹部21dを形成してもよい。凹部21dは、例えば凸部21cと同様に、例えば主板部21にプレス加工等を施すことで形成することができる。凹部21dは、天井側に凸となる凸部でもあり、例えばビード等であるが、これに限らない。また、凹部21dは、Y軸方向の全長にわたって形成された溝であってもよいし、Y軸方向に沿って断続的に複数形成されていてもよい。なお、プレス加工により形成された凹部21dの断面形状は、例えば、矩形であるが、これに限るものではない。例えば、凹部21dの断面形状は、円弧形状であってもよいし、台形であってもよいし、三角形であってもよいし、U字状等であってもよい。また、図40において、凹部21dには、延設部32の先端部である第3板部32b3が挿入されている。このように、主板部21に凹部21dを形成することで、フレーム20Qの強度を向上させることができる。しかも、凹部21dに延設部32の先端部を挿入することで、延設部32が外れることを抑制できるとともに、延設部32が変形することを抑制することができる。
【0267】
なお、図41に示されるLED照明装置3Rのように、フレーム20Rの主板部21には、凸部21cと凹部21dとを近接して形成してもよい。このように、主板部21に凸部21cと凹部21dとを形成することで、フレーム20Rの強度をさらに向上させることができる。この場合、延設部32の先端部である第3板部32b3は、凹部21dに挿入されるとよい。これにより、延設部32が外れることを抑制できるとともに、延設部32が変形することを抑制することができる。また、凸部21cを空間領域S1に形成することで迷路構造にすることができる。これにより、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。
【0268】
また、図42に示されるLED照明装置3Sのように、主板部21に2つの凸部21cが形成されたフレーム20Pを用いる場合、カバー部材30Sの延設部32Sに第3板部32b3だけではなく第4板部32b4を形成し、基板11と凸部21cとの間に第3板部32b3を挿入し、2つの凸部21cの間に第4板部32b4を挿入してもよい。この構成により、フレーム20Pの強度を向上させることができるとともに、延設部32Sが外れることを抑制し、かつ、延設部32Sが変形することを抑制することができる。さらに、2つの凸部21cの一方を空間領域S1に形成することで迷路構造にすることができる。これにより、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。
【0269】
また、図43に示されるLED照明装置3Tのように、主板部21に2つの凸部21cが形成されたフレーム20Pを用いる場合、カバー部材30Tの延設部32Tを第3板部32b3からさらに延在させて延設部32Tに延在部32tを形成し、第3板部32b3を2つの凸部21cの間に挿入してもよい。この構成により、フレーム20Pの強度を向上させることができるとともに、延設部32Tが外れることを抑制し、かつ、延設部32Tが変形することを抑制することができる。さらに、2つの凸部21cの一方を空間領域S1に形成することで迷路構造にすることができる。これにより、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。
【0270】
なお、図44に示されるLED照明装置3Uのように、主板部21に3つの凸部21cが形成されたフレーム20Uを用いてもよい。この場合、カバー部材30Uの延設部32Uを第3板部32b3からさらに延在させて延設部32Uに延在部32tを形成するともに、延設部32Uに第4板部32b4を形成し、第3板部32b3及び第4板部32b4のそれぞれを隣り合う2つの凸部21cの間に挿入してもよい。この構成により、フレーム20Uの強度をさらに向上させることができるとともに、延設部32Uが外れることを抑制し、かつ、延設部32Uが変形することを抑制することができる。さらに、3つの凸部21cのうちの2つを空間領域S1に形成することでさらに複雑な迷路構造にすることができる。これにより、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。
【0271】
また、図45に示されるLED照明装置3Vのように、主板部21に凸部21cが形成されたフレーム20Nを用いる場合、カバー部材30の延設部32の先端面を凸部21cの天面に接触させてもよい。
【0272】
また、図46に示されるLED照明装置3Wのように、主板部21に凹部21dが形成されたフレーム20Qを用いる場合、カバー部材30Wの延設部32Wに第3板部32b3の途中から分岐する分岐部32wを形成し、この分岐部32wを光源部10の基板11の端面に当接させるとともに第3板部32b3を凹部21dに挿入するとよい。この構成により、延設部32Wが外れることをさらに抑制できるとともに、延設部32Wが変形することをさらに抑制することができる。
【0273】
なお、図37図46のように、主板部21に凸部21c及び/又は凹部21dが形成されている場合、カバー部材の延設部は弾性変形しなくてもよい。つまり、延設部はたわまなくてもよい。この場合でも、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。また、主板部21に設けられる凸部21cは、主板部21の一部ではなく、主板部21とは別の部材によって構成されていてもよい。
【0274】
(変形例)
以上、本発明に係るLED照明器具及びLED照明装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
【0275】
例えば、上記実施の形態では、LED照明装置3に用いられるフレームとしては種々の形状のものを例示したが、以下に説明する形状のフレームを用いてもよい。なお、以下に説明するフレームの中には、既に上述した形状を有するものも含まれる。また、以下に説明するフレームについては、形状は異なるものの、便宜上、上記実施の形態と同じ符号を用いている。また、以下に説明するフレームの特徴は、互いに適用しあってもよいし、上記実施の形態及び変形例に適用してもよい。
【0276】
まず、上記実施の形態では、横板部23は、平行板部23aと傾斜板部23bとによって構成されていたが、これに限らない。例えば、図47に示されるフレーム201のように、横板部23は、平行板部のみによって構成されていてもよいし、図48に示されるフレーム202のように、横板部23は、傾斜板部のみによって構成されていてもよい。この場合、図48に示されるフレーム202のように、横板部23は、外側に向かって傾斜する傾斜板部のみによって構成されていてもよいし、図49に示されるフレーム203のように、横板部23は、内側に向かって傾斜する傾斜板部のみによって構成されていてもよい。
【0277】
また、上記実施の形態では、フレーム20の立板部22は、主板部21と垂直に立設していたが、これに限らない。例えば、図50に示されるフレーム204のように、立板部22は、主板部21に対して傾斜するように設けられた傾斜板部であってもよい。この場合、図50に示されるフレーム204では、横板部23は、外側に向かって傾斜する傾斜板部のみによって構成されている。また、図50では、横板部23と側板部24との接続部の位置は主板部21(凹部20aの底部)の位置と同じになっているが、これに限らない。具体的には、図51に示されるフレーム205のように、横板部23と側板部24との接続部の位置は、主板部21(凹部20aの底部)よりも床側に位置していてもよい。また、図示しないが、横板部23と側板部24との接続部の位置は、主板部21(凹部20aの底部)よりも天井側に位置していてもよい。
【0278】
また、図52に示されるフレーム206のように、横板部23は、湾曲板部で構成されていてもよい。また、図53に示されるフレーム207のように、立板部22が傾斜板部のみで構成され、横板部23が平行板部のみで構成されていてもよいし、図54に示されるフレーム208のように、立板部22が傾斜板部のみで構成され、横板部23が平行板部と傾斜板部とで構成されていてもよい。
【0279】
また、図55に示されるフレーム209のように、横板部23は、段差状に形成されていてもよい。つまり、横板部23には段差が設けられていてもよい、この場合、図55に示されるフレーム209では、段差を有する横板部23は、主板部21とは高さの位置が異なる2つの平行板部によって構成されているが、これに限らない。例えば、図56に示されるフレーム210のように、段差を有する横板部23は、平行板部と、平行板部の内側に位置する傾斜板部とを有していてもよいし、図57に示されるフレーム211のように、段差を有する横板部23は、平行板部と、平行板部の外側に位置し且つ内側に傾斜する傾斜板部とを有していてもよいし、図58に示されるフレーム212のように、段差を有する横板部23は、外側に傾斜する傾斜板部と内側に傾斜する傾斜板部とを有していてもよい。また、図59に示されるフレーム213のように、横板部23が傾斜板部と平行板部とを有する段差状であり、かつ、立板部22が傾斜板部であってもよいし、図60に示されるフレーム214のように、横板部23が2つの平行板部を有する段差状であり、かつ、立板部22が傾斜板部であってもよい。
【0280】
なお、図61に示されるフレーム215のように、主板部21における立板部22との境界部分に補強リブ21bを形成してもよい。これにより、側板部24の長さが短いフレームであっても、フレームの強度を確保することができる。補強リブ21bは、例えばプレス加工により形成することができる。
【0281】
また、上記実施の形態において、フレーム20における側板部24は、一対の横板部23の各々から延出していたが、これに限らない。例えば、フレーム20における側板部24は、一対の横板部23の一方のみから延出していてもよい。つまり、側板部24は、一対の横板部23の少なくとも一方から延出していればよい。
【0282】
以上のように種々の形状のフレームについて説明したが、このような種々の形状のフレームについて、フレームとカバー部材との隙間(第1の隙間G1、第2の隙間G2)とフレーム又はカバー部材に設けられる突起(リブ・ダボ)の位置とのバリエーションを、図62を用いて説明する。
【0283】
まず、図62の(a)に示すように、フレームに突出部20bが設けられていない場合は、フレームとカバー部材との間に設けられる隙間としては、第1の隙間G1のみの場合と、第1の隙間G1及び第2の隙間G2の両方の場合とが考えられ、フレーム又はカバー部材に設けられる突起の位置としては、第2の隙間G2が考えられる。
【0284】
次に、図62の(b)及び(c)に示すように、フレームに突出部20bが設けられており且つ突出部20bの横板部23が平行板部23aのみで構成されている場合は、フレームとカバー部材との間に設けられる隙間としては、第1の隙間G1のみの場合と、第1の隙間G1及び第2の隙間G2の両方の場合とが考えられ、フレーム又はカバー部材に設けられる突起の位置としては、第1の隙間G1のみの場合と第2の隙間G2のみの場合と第1の隙間G1と第2の隙間G2の両方の場合とが考えられる。なお、(b)と(c)とは、延設部32の形状が異なる。具体的には、(c)の延設部32は、第1板部32b1、第2板部32b2及び第3板部32b3を有するが、(b)の延設部32は、それらのうち第1板部32b1と第3板部32b3とを有しており、第2板部32b2を有していない。つまり、(b)では、第3板部32b3は、フレームの突出部20bとの間に隙間を介して近接されている。
【0285】
次に、図62の(d)及び(e)に示すように、フレームに突出部20bが設けられており且つ突出部20bの横板部23が傾斜板部23bのみで構成されている場合は、フレームとカバー部材との間に設けられる隙間としては、第1の隙間G1における第1部位G1aのみの場合と、第1の隙間G1における第1部位G1aと第2の隙間G2の場合と、第1の隙間G1における第1部位G1a及び第1の隙間G1における第2部位G1bの場合と、第1の隙間G1における第1部位G1aと第1の隙間G1における第2部位G1bと第2の隙間G2との場合とが考えられ、フレーム又はカバー部材に設けられる突起の位置としては、第1の隙間G1のみの場合と第2の隙間G2のみの場合と第1の隙間G1と第2の隙間G2の両方の場合とが考えられる。なお、第1の隙間G1における第1部位G1aは、突出部20bの角部に対向する隙間であり、第1の隙間G1における第2部位G1bは、突出部20bの横板部23が傾斜板部23bの傾斜面に対面する隙間である。また、(d)と(e)は、上記の(b)と(c)の関係と同様に、延設部32の形状が異なる。
【0286】
次に、図62の(f)及び(g)に示すように、フレームに突出部20bが設けられており且つ突出部20bの横板部23が平行板部23a及び傾斜板部23bで構成されている場合は、図62の(d)及び(e)の場合と同様である。具体的には、フレームとカバー部材との間に設けられる隙間としては、第1の隙間G1における第1部位G1aのみの場合と、第1の隙間G1における第1部位G1aと第2の隙間G2の場合と、第1の隙間G1における第1部位G1a及び第1の隙間G1における第2部位G1bの場合と、第1の隙間G1における第1部位G1aと第1の隙間G1における第2部位G1bと第2の隙間G2との場合とが考えられる。また、フレーム又はカバー部材に設けられる突起の位置としては、第1の隙間G1のみの場合と第2の隙間G2のみの場合と第1の隙間G1と第2の隙間G2の両方の場合とが考えられる。なお、第1の隙間G1における第1部位G1a及び第2部位G1bは、上記と同様であり、また、(f)と(g)は、上記の(d)と(e)の関係と同様である。
【0287】
また、上記実施の形態において、カバー部材30における外延設部32aを主部31の一部としてもよい。この場合、カバー部材30において、延設部32は、例えば内延設部32bのみとなり、主部31の一部である外延設部32aからカバー部材30の内方に向かって延在することになる。
【0288】
また、上記実施の形態では、LED照明装置3を器具本体2に取り付ける場合、LED照明装置3を回転させることで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けたが、これに限らない。つまり、LED照明装置3を回転させることなく、LED照明装置3を器具本体2に取り付けてもよい。具体的には、LED照明装置3に設けられた板バネ等を天井に設置された器具本体2に引っ掛けて、器具本体2に向かってLED照明装置3を平行移動させるように鉛直方向に移動させることで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けてもよい。この場合、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに鉛直方向に押し込んで嵌め込むことで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けることができる。
【0289】
また、上記実施の形態において、LED照明器具1は、器具本体2が天井面に直接設置された天井直付け型の照明器具であったが、これに限らない。例えば、LED照明器具1は、器具本体2が天井に埋め込まれた天井埋め込み型の照明器具であってもよい。
【0290】
また、上記実施の形態では、LED12としてLEDチップがパッケージに実装されたSMDタイプのLED素子を用いており、基板11とLED12とからなる発光モジュールがSMDタイプのLEDモジュールであったが、これに限らない。例えば、基板11とLED12とからなる発光モジュールは、COB(Chip On Board)タイプのLEDモジュールであってもよい。この場合、LED12として、LEDチップ(ベアチップ)そのものを用いて、基板11に複数のLED12(LEDチップ)を直線状に配列し、封止部材(例えば蛍光体含有樹脂)によって複数のLED12を一括又は個別に封止すればよい。
【0291】
また、上記実施の形態では、拡散性及び透光性を有するカバー部材30を用いたが、これに限らない。例えば、カバー部材30に代えて、拡散性及び透光性のうち透光性のみを有する透光カバーを用いてもよい。この場合、透光カバーとして、向こう側が透けて見えるくらいに透過率が高い透明カバーを用いてもよい。
【0292】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。また、本願出願時の特許請求の範囲に記載された複数の請求項の中から技術的に矛盾しない範囲で2つ以上の請求項を任意に組み合わせたものも本発明に含まれる。例えば、本願出願時の特許請求の範囲に記載された引用形式請求項を、技術的に矛盾しない範囲で上位請求項の全てを引用するようにマルチクレーム又はマルチマルチクレームとしたときに、そのマルチクレーム又はマルチマルチクレームに含まれる全ての請求項の組み合わせも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0293】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I、1J、1K、1L LED照明器具
2、2A 器具本体
2a 凹部
2a1 開口端縁
2d 突起
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3I、3J、3K、3L、3M、3N、3O、3P、3Q、3R、3S、3T、3U、3V、3W LED照明装置
10 光源部
20、20A、20H、20I、20K、20N、20O、20P、20Q、20R、20U、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215 フレーム
20b 突出部
21 主板部
22 立板部
23 横板部
24 側板部
25、25H、25I 突起
30、30a、30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G、30J、30M、30S、30T、30U、30W カバー部材
31 主部
32、32B、32C、32G、32M、32S、32T、32U、32W 延設部
32a 外延設部
32b 内延設部
32c 当接部
33、33D、33E、33F 取付部
33a 当接部
34、25 突起
40 エンドキャップ
G1 第1の隙間
G2 第2の隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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