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特開2024-139878陰極、陽極、電磁波発生システム及び電磁波発生システムにおける電磁波発生方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139878
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】陰極、陽極、電磁波発生システム及び電磁波発生システムにおける電磁波発生方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 23/20 20060101AFI20241003BHJP
   H01J 23/04 20060101ALI20241003BHJP
   H01J 23/02 20060101ALI20241003BHJP
   H01J 25/68 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01J23/20 Z
H01J23/04
H01J23/02
H01J25/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050812
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美耶
(72)【発明者】
【氏名】服部 渉
(57)【要約】
【課題】本発明は、特定の周波数帯の電磁波の出力を大きくすることが可能な陰極、陽極、電磁波発生システム及び電磁波発生システムにおける電磁波発生方法を提供することを目的とする。
【解決手段】誘電体4の窓5を有する真空容器1内にて、陽極2と対向配置されかつ対向する表面が該陽極表面2Aに平行配置された陰極3であって、陽極2と対向配置された陰極表面領域3Aについて、取り出す電磁波Wの進行方向(矢印a方向)に沿う長さ(L)を、所望周波数の電磁波Wの波長の1/4以下とした所定の略長方形状又はそれに類する形状に形成するとともに、陽極表面2Aに向けて多数の柱状体6の配列からなる柱状構造51を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体の窓を有する真空容器内にて、陽極と対向配置されかつ対向する表面が該陽極表面に平行配置された陰極であって、
前記陽極と対向配置された陰極表面領域について、取り出す電磁波の進行方向に沿う長さを、所望周波数の電磁波波長の1/4以下とした所定の略長方形状又はそれに類する形状に形成するとともに、前記陽極の表面に向けて多数の柱状体の配列からなる柱状構造を設けたことを特徴とする陰極。
【請求項2】
前記柱状構造は、前記波長のi倍の相互間隔で複数配置することを特徴とする請求項1に記載の陰極。
【請求項3】
前記柱状体は、柱幅の4倍以上20倍以下となる間隔で配列し、かつ柱高さを前記間隔の0.25倍以上4倍以下とすることを特徴とする請求項1に記載の陰極。
【請求項4】
前記柱状体は断面形状が円形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の陰極。
【請求項5】
前記柱状体は断面形状が四角に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の陰極。
【請求項6】
請求項1に記載の陰極と対向配置される陽極であって、該陽極の表面は、前記柱状構造がある前記陰極表面領域と略同じ大きさに形成されていることを特徴とする陽極。
【請求項7】
請求項1に記載の陰極と対向配置される陽極であって、該陽極は、黒鉛又は炭素繊維強化炭素複合材料を主たる材料とすることを特徴とする陽極。
【請求項8】
請求項1に記載の陰極と、該陰極と対向配置される陽極と、これら陰極、陽極を収容する真空容器とを備え、
前記真空容器は、前記陽極及び陰極が収納される第1真空容器と、前記陽極の支柱を支持する導入端子が収納される第2真空容器と、これら真空容器を接続するように配置されかつ前記第1真空容器より小径に形成された第3真空容器と、を具備することを特徴とする電磁波発生システム。
【請求項9】
前記第1真空容器では、
前記電磁波を取り出す誘電体の窓と、前記陰極の柱状体の配列中心位置との間における、当該電磁波の進行方向に沿った距離を、jを自然数として所望周波数の電磁波波長の
j/2とし、
前記陰極の柱状体の配列中心位置と、前記窓と反対側に位置する当該第1真空容器の内壁面との間における電磁波の進行方向に沿った距離を、kを自然数として所望周波数の電磁波波長の「(2k-1)/4」とすることを特徴とする請求項8に記載の電磁波発生システム。
【請求項10】
誘電体の窓を有する真空容器内にて、陽極と対向配置されかつ対向する表面が該陽極の表面に平行配置された陰極を具備する電磁波発生システムにおいて、
前記陽極と対向配置された前記陰極の表面領域について、取り出す電磁波の進行方向に沿う長さを、所望周波数の電磁波波長の1/4以下とした所定の略長方形状又はそれに類する形状に形成した上で、前記陽極表面に向けて多数の柱状体の配列からなる柱状構造を設けた陰極を備え、前記陽極と前記陰極の間にパルス電圧を印加することにより電磁波を発生することを特徴とする電磁波発生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の周波数帯の電磁波の出力を大きくすることが可能な陰極、陽極、電磁波発生システム及び電磁波発生システムにおける電磁波発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電磁波発生システムとして特許文献1~4に示される技術が提供されている。
例えば、特許文献1に示される電磁波発生器(電磁波発生システム)は、いわゆる仮想陰極発振管からなり、陰極及び陽極を、真空管内で対向配置して形成されている。
陰極は、真空管の内壁に接するように設けられた金属柱状体の上面に微細繊維を貼り付けた構造である。この陰極は、陽極にパルス高電圧が印加されたときに発生する陽極と陰極との間の電界作用により、該陰極の上面(例えば金属上の微細繊維)から電子を放出させる。
【0003】
陽極は、陽極にパルス高電圧が印加されたときに発生する陽極と陰極の間の電界作用により陰極から電子を放出させるとともに、放出させた電子を所定のエネルギーまで加速させることにより高密度の電子電流を生成させ、その電子電流を、例えばメッシュの隙間を介して陽極の裏側に通過させる。
陽極を通過した電子は空間電荷のために減速され、その結果として電子のたまり場(仮想陰極)が発生する。
【0004】
真空管は、例えば銅からなる導波管であり、グラウンドに接続されている。この真空管の電磁波の放射方向の壁面には、電磁波を真空管外に取り出す取出窓が設けられている。真空管から取り出された電磁波は、導波管・同軸変換部によって、モード変換された後、同軸線路に出力されるようになっている。
そして、この電磁波発生器では、一旦仮想陰極が発生すると、電子が陰極と仮想陰極の間を往復するようになり、この往復運動によって電磁波が発生する。電磁波の周波数は1GHz以上10GHz以下であり、陰極と陽極との間隔などによってある程度制御可能である。つまり、電磁波発生器は、個々の誘電性物質の共鳴周波数の範囲内の電磁波を発生させることができる。
【0005】
なお、特許文献2~4の電磁波発生装置についても、特許文献1に示される電磁波発生器と同様な構成が示されており、詳しい説明を省略する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-056222号公報
【特許文献2】特開2009-129662号公報
【特許文献3】特開2019-029154号公報
【特許文献4】特開2021-064573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に示される電磁波発生器は、真空管の内壁に接するように設置された金属柱状体の上面に微細繊維を貼り付けてなる陰極構造である。
しかしながら、特許文献1には、陰極として金属柱状体と微細繊維とからなる構成体が示されているが、電磁波発生器の効率が未だ十分ではなく、さらなる高効率化が望まれていた。
【0008】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、特定の周波数帯の電磁波の出力を大きくすることが可能な陰極、陽極、電磁波発生システム及び電磁波発生システムにおける電磁波発生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様は、誘電体の窓を有する真空容器内にて、陽極と対向配置されかつ対向する表面が該陽極表面に平行配置された陰極であって、前記陽極と対向配置された陰極表面領域について、取り出す電磁波の進行方向に沿う長さを、所望周波数の電磁波波長の1/4以下とした所定の略長方形状又はそれに類する形状に形成するとともに、前記陽極表面に向けて多数の柱状体の配列からなる柱状構造を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2態様は、誘電体の窓を有する真空容器内にて、陽極と対向配置されかつ対向する表面が該陽極の表面に平行配置された陰極を具備する電磁波発生システムにおける電磁波発生方法であって、前記陽極と対向配置された前記陰極の表面領域について、取り出す電磁波の進行方向に沿う長さを、所望周波数の電磁波波長の1/4以下とした所定の略長方形状又はそれに類する形状に形成するとともに、前記陽極表面に向けて多数の柱状体の配列からなる柱状構造を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、特定の周波数帯の電磁波の出力を大きくすることができ、効率の良い電磁波出力を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の陰極構造に係る最小構成を示す概略構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る電磁波発生システムの概略構成図である。
図3】第1実施形態に係る電磁波発生システムにおいて「陰極-陽極-仮想陰極」の位置関係を示す図である。
図4】陰極における柱状体の配置を示す背面図である。
図5】電磁波発生システム内の柱状構造の位置を具体的に示す図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る電磁波発生システムの概略構成図である。
図7】第2実施形態に係る電磁波発生システムにおいて「陰極-陽極-仮想陰極」の位置関係を示す図である。
図8】陰極における柱状体の配置を示す背面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る電磁波発生システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る電磁波発生システム50における陰極構造51の最小構成について図1を参照して説明する。
【0014】
この電磁波発生システム50は、真空容器1、陽極2及び陰極3を主な構成要素とする。
真空容器1は、内部で電磁波(符号Wで示す)を発生させるものであり、その側部には、発生した電磁波Wを外部に取り出すための誘電体4の窓5が設けられている。
【0015】
陽極2には正の高電圧パルスが印加される。
陰極3は、陽極2と対向配置されかつ対向する表面が該陽極表面2Aに平行配置されている。また、この陰極3は、陽極2と対向配置された表面領域3Aについて、取り出す電磁波Wの進行方向(矢印a方向)に沿う長さ(L)を、所望周波数の電磁波W波長の1/4以下とした所定の略長方形状又はそれに類する形状(例えば、長方形状の他、楕円やレーストラック形状等も含む)に形成されるとともに、当該表面領域3Aに、陽極表面2Aに向けて多数の柱状体6の配列からなる柱状構造7を設けた構成である。
【0016】
陽極2を挟んで陰極3の反対側には、当該陰極3から引き出された電子が、陽極2をすり抜けることで仮想陰極Vが形成される。
この仮想陰極Vは、陽極2に正の高電圧パルスを印加して、該陽極2と対向配置された陰極3から電子ビームが引き出された場合に、当該陰極3から引き出された電子が、陽極2をすり抜けることで、該陽極2を挟んだ陰極3の反対側に形成される。
そして、この電磁波発生システム50では、真空容器1内の陽極2を挟んだ陰極3の反対側に、電子が停止し滞留する領域となる仮想陰極Vが形成されることで、「陰極3-陽極2-仮想陰極V」間で電子の振動的加速運動が生じ、その運動により、電磁波Wが発生しかつ発生した電磁波Wを誘電体4の窓5から外部へ出力させることができる。
【0017】
以上詳細に説明した本発明に係る電磁波発生システム50における陰極構造51によれば、陽極2と対向配置された陰極3の表面領域3Aに、陽極表面2Aに向けて突き出す多数の柱状体6の配列からなる柱状構造7を設けたことで、柱状構造周辺で電界集中効果を生じさせることができる。その結果、上記陰極構造51では、陰極3の柱状体6付近に高い強度の電界を形成することができ、電子を放出し易くなる。
また、上記陰極構造51によれば、陽極2と対向配置された陰極3の表面領域3A上の柱状構造7について、取り出す電磁波Wの進行方向(矢印a方向)に沿う長さ(L)を、所望周波数の電磁波W波長の1/4以下とした所定の略長方形状又はそれに類する形状に形成することで、当該領域で発生する電磁波Wの打ち消し合いを防止することができる。
その結果、上記陰極構造51では、特定の周波数帯の電磁波Wの出力を大きくすることができ、効率の良い電磁波出力を可能とする。
【0018】
(実施形態1)
第1実施形態に係る陰極構造101、陽極12、電磁波発生システム100及び電磁波発生システム100における電磁波発生方法について、図2図5を参照して説明する。
【0019】
第1実施形態の電磁波発生システム100を構成している仮想陰極発振管10は、真空容器11、陽極12及び陰極13を主な構成要素とする。
真空容器11は、図2に示すように、第1真空容器11A、第2真空容器11B及びこれら真空容器11A,11Bを接続する第3真空容器11Cからなるものであって、内部が真空状態に保持される。
なお、真空状態としては、陰極13から放出され、陽極12に向けて加速される電子がその行程で気体分子等に衝突しない程度に、十分に高真空の状態に保持される。
また、真空容器11(11A~11C)は、ステンレス等の金属材料で構成されるとともに、図中、水平方向の軸線を中心とした同軸状の管体が接続された構造とされる。
【0020】
第1真空容器11Aは陽極12及び陰極13が収納される。また、第1真空容器11Aの図中右端部には、これら陽極12及び陰極13で発生した電磁波(符号W1で示す)を外部に取り出すための誘電体14が、窓15を封止するように設けられている。
第2真空容器11Bは陽極12の支柱16を支持する導入端子17が収納される。なお、導入端子17は、良導体からなる支柱16を介して陽極12を側方から支持するものであって、第2真空容器11Bの図中左端部を封止する絶縁体の壁18を貫通しかつ当該壁18で支持されている。
第3真空容器11Cは、これら真空容器11A,11Bを接続するように配置されかつ該真空容器11A,11Bより小径に形成されている。
【0021】
陽極12の導入端子17には正の高電圧パルスを印加するための高電圧パルス電源19が設けられている。この高電圧パルス電源19の他端の負極は接地される。
陰極13は、良導体からなる支柱13Aによって第1真空容器11Aの壁面に上方から支持された陰極本体部13Bを有する。
この陰極本体部13Bは、陽極12と対向配置されかつ対向する表面領域13bが該陽極表面12Aに平行配置されているものであって、その表面領域13bには、多数の柱状体13C(後述する)の配列からなる柱状構造90が設けられている(図3参照)。
【0022】
陽極12は、陰極13から引き出された電子が陽極12をすり抜けることのできる構造とされ、例えば、導電性材料のメッシュ構造が採用されている。
但し、陽極12では、電子がすり抜けることのできる構造がこれに限られず、ミクロンオーダーからそれ以下の厚さを基準とする薄膜であっても良い。
なお、メッシュ構造の場合には、非貫通部分の厚さを取ることにより、力学的に強い構造としやすい、あるいは耐久性の高い陽極12を作製しやすいといったメリットがある。
一方で、薄膜の場合には、電子のすり抜ける部分とすり抜けることのできない部分といった区別がなく、電子の透過性が一様であり、特性が均一化するというメリットがある。
【0023】
そして、このような仮想陰極発振管10では、高電圧パルス電源19から数百kVの正の高電圧パルスが、導入端子17を介して真空容器11内の陽極12に供給されると、該陽極12と陰極13との間に電界を生じ、陰極13から電子が引き出され、当該電子が陰極13から陽極12に向けて加速される。
陰極13の表面から引き出された電子は、陽極12の位置に到達するまで加速し続け、陽極位置にて最大速度となるため、そのほとんどは陽極12をすり抜ける。
そして、陽極12をすり抜けた後の電子は、再び陽極12方向へ加速されるためいずれ停止し、その後、陽極12方向へ進み始める。
【0024】
この電子が停止し滞留する領域を仮想陰極V1と呼ぶ。
すなわち、仮想陰極V1は、陽極12に正の高電圧パルスを印加して、該陽極12と対向配置された陰極13から電子ビームが引き出された場合に、当該陰極13から引き出された電子が、陽極12をすり抜けることで、該陽極12を挟んだ陰極13の反対側に形成される。
そして、このような仮想陰極発振管10では、「陰極13-陽極12-仮想陰極V1」における電子の振動的加速運動により電磁波W1が発生し、発生した電磁波W1が誘電体14の窓15から外部へと取り出される。
【0025】
また、上記仮想陰極発振管10では、陽極12と対向配置された陰極13の表面領域13bについて、取り出す電磁波W1の進行方向(矢印a1方向)に沿う長さ(L1)を、所望周波数の電磁波W1の波長の1/4以下とした所定の略長方形状又はそれに類する形状(例えば、長方形状の他、楕円やレーストラック形状等も含む)に形成されるとともに、当該表面領域13bに、陽極12の表面12Aに向けて多数の柱状体13Cの配列からなる柱状構造90が設けられている。
この柱状構造90は、図3及び図4に示すように、陰極13の表面領域13bから陽極12の表面12Aに向かって伸びる断面形状四角の柱状体13Cの集合体であって、マトリックス状に配置されることで柱状構造が実現されている。
ただし、柱状体13Cの集合体の配置はマトリックス上に限られるものではなく、所望の電子ビームを形成する電子密度の断面プロファイルを得るために、例えば中心の柱状体13Cの配置の密度を上げる、同心円状に配置するといったことも可能である。
【0026】
また、上記仮想陰極発振管10の第1真空容器11Aでは、図2(本図では、真空容器11A内において、陰極13の支柱13Aの先端部に柱状構造90を設けた構造体を例示)及び図5(本図では、真空容器11A内において、陰極13の支柱13Aが分岐されかつ各分岐部先端に、多数の柱状体13Cの配列からなる柱状構造90を設けた構造体を例示)に示すように電磁波W1を取り出す誘電体14の窓15と、陰極13の柱状体13Cの配列中心位置(符号О)との間における、電磁波W1の進行方向(矢印a1方向)に沿った距離(符号D1)を、jを自然数として所望周波数の電磁波W1の波長のj/2とする。
また、上記仮想陰極発振管10では、陰極13の柱状体13Cの配列中心位置(符号О)と、第1真空容器11Aの前記窓15と反対に位置する第1真空容器11Aの金属製内壁の壁面である金属壁Aとの間における電磁波W1の進行方向(矢印a1方向)に沿った距離(符号D2)を、kを自然数として所望周波数の電磁波W1波長の (2k-1)/4とする。
また、図5の陰極構造では、複数からなる柱状構造90の配列を、iを自然数として所望周波数の電磁波W1波長のi倍とする相互間隔で配置している。
【0027】
上記構成によれば、陰極13の柱状体13Cの配列中心位置(符号О)で発生し、誘電体14の窓15方向に進行する電磁波W1と、同時に同位置で発生し、第1真空容器11A内の金属壁Aの方向に進行した後、当該金属壁Aにて反射して前記窓15の方向に進行する電磁波W1との位相差は2πn [rad]となり、波を強め合う。
ここでnは自然数とする。さらに上記構成によれば、取り出す電磁波W1の進行方向(矢印a1方向)に沿った長さ(L1)を、所望周波数の電磁波W1波長の1/4以下とした陰極13において、発生した電磁波W1と、同時に同領域で発生し、第1真空容器11A内の金属壁Aの方向に進行した後、当該金属壁Aにて反射して前記窓15方向に進行する電磁波W1との位相差はπ[rad]以下となる。
つまり、本実施形態の仮想陰極発振管10では、陰極13の領域で発生する所望周波数の電磁波W1が打ち消し合うことがない。
【0028】
なお、上記仮想陰極発振管10では、第1真空容器11Aの内部構造が、陽極12の支柱16を中心とした同軸構造となっている。しかしながら、上記仮想陰極発振管10では、陽極12の支柱16の形状や、周囲の陰極13などの配置により完全な同軸構造とは異なる。
このため、本実施形態において、前述したような、所望周波数の電磁波W1波長の「(2k-1)/4」とするとの記述は、例えば、電磁界シミュレーションや実測により当該波長に近似させることを意味する。
【0029】
さらに、上記仮想陰極発振管10では、誘電体14の窓15と、陰極13中心位置(符号О)との距離(符号D1)を波長のj/2とすることにより、誘電体14の窓15側の反射も抑制して透過波を強めることができる。
このとき、上記仮想陰極発振管10では、内部から出力された誘電体14の窓15方向に進行する電磁波W1について、誘電体14の窓15の位置でその一部が自由端反射する。そして、本実施形態では、所望周波数の電磁波W1の自由端反射により、発生する定在波の腹が、jを自然数として所望周波数の電磁波W1波長のj/2となるので、電磁波W1を取り出す誘電体14の窓15と、陰極13表面の四角柱状構造における配列中心位置(符号О)との間の距離(符号D1)をこの波長の長さにすることにより、誘電体14の窓15での反射を抑制して透過波を強めることができる。
【0030】
また、上記構成によれば、陰極13の表面領域13bに四角柱状構造の柱状体13Cを配列することにより、当該四角柱状構造の先端周辺で電界集中効果を生じて高い強度の電界が印加され、電子を放出し易くなる。従って、上記仮想陰極発振管10では、仮想陰極V1を構成する電子の真空中への放出数を増やすことが可能である。
なお、図4に模式的に示す四角柱状構造は、柱状体13Cの幅(符号d1で示す)の4倍以上で、かつ20倍以下の柱間隔(符号d2で示す)で敷き詰られており、当該柱状体13Cの高さ(図3に符号hで示す)は前記柱間隔の0.25倍以上でかつ4倍以下とすることが望ましい。
ここで、図4では四角柱構造の配列は正方格子としている。正方格子は陰極13表面の機械加工により容易に製造できる。
【0031】
また、上記仮想陰極発振管10では、柱状体13Cの幅の4倍以上で、かつ20倍以下の柱間隔で当該柱状体13Cを敷き詰め、かつ該柱状体13Cの高さを前記柱間隔の0.25倍以上でかつ4倍以下とすることにより、四角柱状構造を不要に細長くすることなく、高い電界集中効果を得られることが、静電界シミュレーションにより判明している。
これにより、上記仮想陰極発振管10では、電子を放出し易く、四角柱状構造を無用に細長くすることないため熱伝導性を犠牲にすることなく、耐熱性の高い陰極13を得ることが可能となる。
【0032】
また、上記仮想陰極発振管10では、陰極13から電子を放出し易い、すなわち放出される電子が多い程、仮想陰極V1を形成する電子が多くなり、発振による電磁波W1出力も大きくなる。
すなわち、上記仮想陰極発振管10では、所望周波数の電磁波W1の出力が大きくなる。また、上記仮想陰極発振管10では、電子が放出される際に陰極13が発熱するため、当該陰極13に耐熱性が高い材料を使用することが好ましい。
さらに、上記仮想陰極発振管10では、所望周波数の電磁波W1は打ち消し合うことが無くなるため、所望周波数の電磁波W1の出力が大きくなる。
【0033】
上記仮想陰極発振管10では、図3及び図4に示すように、陽極12の表面12Aが、四角柱状構造を有する陰極13の表面領域13bに対向しかつ略等しい領域に設けられているので、電磁波W1を発生する電子ビームの「陰極13―陽極12」間の断面形状を、容易に調整、制御することができる。
従って、上記仮想陰極発振管10では、電磁波W1が打ち消し合わないという発生条件を、精度良く実施できる。
【0034】
また、上記仮想陰極発振管10では、陽極12の材質として、真空中でガスを放出することなく、高温に耐え、良電気伝導性と良熱伝導性を兼ね備える、黒鉛又は炭素繊維強化炭素複合材料を主たる材料とすることが望ましい。これにより、上記仮想陰極発振管10では、真空容器11中の高真空を劣化させることもなく、高温に耐える陽極12を得ることができる。
以上の通り上記仮想陰極発振管10では、発生する電磁波W1が打ち消し合うことがないという条件を精度良く実施できるとともに、また、仮想陰極形成時の発熱に耐えうる耐熱性を有していることにより、所望周波数の電磁波W1の出力を増大させることが可能である。
【0035】
また、本実施形態の真空容器11は、図2に示すように、第1真空容器11Aと、第1真空容器11Aと異なる径の第2真空容器11Bと、これら真空容器11A,11Bを接続する小径の第3真空容器11Cとからなる。
そして、上記仮想陰極発振管10では、第3真空容器11Cを、第1真空容器11Aより小径としたことにより、内部を伝搬する電磁波W1に対してインピーダンス不整合が生じるため、陽極12及び陰極13から出力された第3真空容器11C方向へ進む電磁波W1の多くが、第1真空容器11Aにおいて、窓15と反対に位置する第1真空容器11Aと第3真空容器11Cとの境界壁面である金属壁Aで固定端反射をする。
【0036】
また、上記仮想陰極発振管10では、所望周波数の電磁波W1の固定端反射により発生する定在波の腹が、kを自然数として所望周波数の電磁波W1の波長の「(2k-1)/4」となる。
このため、上記仮想陰極発振管10では、第1真空容器11Aの金属壁Aの壁面と、陰極13における柱状体13Cの配列中心位置(符号О)との間の距離(符号D2)をこの波長の長さにすることにより、所望周波数の電極12,13からの進行波と金属壁Aからの反射波との位相が揃い、互いに強め合う。
【0037】
また、上記仮想陰極発振管10では、図2に示すように、真空容器11として、異径に形成される第1真空容器11Aと第2真空容器11Bとの間に、小径の第3真空容器11Cが介在しているので、これら真空容器11A~11C間においてインピーダンス不整合が生じる。
これにより上記仮想陰極発振管10では、小径に設けられた第3真空容器11Cの長さを調整することによって、第1真空容器11Aから第3真空容器11Cを経て第2真空容器11Bへと漏洩する電磁波W1を抑制することができる。
【0038】
その結果、上記仮想陰極発振管10では、第1真空容器11Aにおいて、陽極12及び陰極13から誘電体14の窓15へ進行する電磁波W1と、第1真空容器11A内の金属壁Aでの反射波とで共振させることができる。これに加えて、上記仮想陰極発振管10では、第3真空容器11Cを経由した複雑な反射波を抑制することで前記の共振をより正確に制御し、さらに誘電体14の窓15での反射を抑制し透過波を強めることにより、所望周波数の電磁波W1の出力を強めることが可能である。
【0039】
以上詳細に説明した第1実施形態の電磁波発生システム100における陰極構造101によれば、陽極12と対向配置された陰極13の表面領域13bに、陽極表面12Aに向けて突き出す多数の柱状体13Cを配列したことで、柱状構造90の周辺で電界集中効果を生じさせることができる。その結果、上記陰極構造101では、陰極13の柱状構造90付近に高い強度の電界を形成することができ、電子を放出し易くなる。
また、上記陰極構造101によれば、陽極12と対向配置された陰極13の表面領域13bについて、取り出す電磁波W1の進行方向(矢印a1方向)に沿う長さ(L1)を、所望周波数の電磁波W1の波長の1/4以下とした所定の略長方形状又はそれに類する形状[SM7]に形成することで、当該領域で発生する電磁波W1の打ち消し合いを防止することができる。
その結果、上記陰極構造101では、特定の周波数帯の電磁波W1の出力を大きくすることができ、効率の良い電磁波出力を可能とする。
【0040】
(実施形態2)
第2実施形態に係る陰極201、陽極12、電磁波発生システム200及び電磁波発生システム200における電磁波発生方法について、図6図8を参照して説明する。
【0041】
なお、以下において第1実施形態と構成を共通にする箇所に関しては重複した説明を省略する。
第2実施形態に係る仮想陰極発振管20が、第1実施形態に係る仮想陰極発振管10と構成を異にする点は、陰極13の表面領域13bから陽極12の表面12Aに向かって配置される柱状体21の形状(図7図8参照)と、第1真空容器11A及び第3真空容器11Cの接続箇所(図6参照)である。
【0042】
具体的には、第2実施形態の陰極13は、図7及び図8に示すように、陰極13の表面領域13bから陽極表面12Aに向かって複数の柱状体21を有している。
これら柱状体21は、陰極13の表面領域13bから陽極12の表面12Aに向かって伸びる断面形状が円形の突状体であって、マトリックス状に配置されることで円柱状の柱状構造91が実現される。
また、これら柱状体21の先端部は半球形状(図7参照)を想定しているが、第1実施形態の柱状体13Cのような角状体でも良い。
【0043】
そして、上記陰極13において、断面形状が円形の柱状体21を用いた場合には、第1実施形態の四角柱状構造より先端位置の電界が均一になる効果を得ることができ、さらには柱状体21の先端部を半球形状とすることで、角状の場合と比較してさらに電界が均一になる効果が得られる。
【0044】
従って、第2実施形態に係る仮想陰極発振管20では、陰極13において局所的な電界集中が緩和され、電子放出が柱状体21先端で均一化される。
その結果、上記仮想陰極発振管20では、電流密度も均一化してジュール熱の発生が均一化され、柱状構造先端の温度上昇が均一化される、すなわち、耐熱性が向上して、特定の周波数帯の電磁波W1の出力を大きくすることが可能となる。
【0045】
なお、陰極13において、第1実施形態に示される柱状体13Cからなる四角柱状構造については、第2実施形態に示される柱状体21からなる円柱状構造より、角の部分で電子放出しやすいというメリットもある。
しかしながら、第1実施形態に示される四角柱状構造、第2実施形態に示される円柱状構造のいずれにもメリット/デメリットがあるため、電子放出のし易さ又は耐熱性の観点から適宜最適な柱状構造を選択することができる。
例としては、断面が三角形としてより鋭角な角を持たせて電子放出のし易さを狙ったり、陽極12に近い先端部分のみ四角柱状構造とし、根元の部分に近くなるほど円柱状にして耐熱性を持たせるといったことも可能である。
他の例としては、円柱状構造の断面形状として円に近い楕円であったり、三角形と四角形以外の多角形とすることも可能である。
【0046】
また、第2実施形態に示される円柱構造の柱状体21の配列としては、図8に示すような三角格子としている。柱状体21の配列を三角格子とする場合には、正方格子と異なり、柱状体21間の間隔が均一になり、電界集中効果が均一化するという利点がある。
なお、柱状体の配列は、図4に示す正方格子や図8に示す三角格子状に限定されず、様々な配列であってもよい。例としては、陰極13の中心部と周辺部とで、柱状構造の密度を変化させ、電界集中効果と陽極12及び陰極13で発生する電子ビームの密度を制御するといったことも可能である。
【0047】
また、第2実施形態では、第3真空容器11Cが、第1真空容器11Aの端部に位置する平板状の金属壁A(図2参照)ではなく、図6に示すような管状部分の湾曲した金属壁22に連結されている。
これに対応して、第2実施形態では、第1真空容器11A´の管体が第3真空容器11Cの管体に対して直交する位置関係に設けられ、また、陰極13の支柱13A´が、陽極12の支柱16の延長方向に配置されている。
【0048】
また、第1真空容器11A´において、図6に示すように陰極表面領域13bに配列した柱状体21の中心位置(符号О´)と、第1真空容器11A´の窓15´と反対に位置する第1真空容器11A´の金属壁Bとの間における電磁波W1の進行方向(矢印a1方向)に沿った距離(符号D2´)を、lを自然数として導波管構造をもとに所望周波数の電磁波W1の波長の「(2l-1)/4」とする。
これにより、本実施形態の仮想陰極発振管20でも、第1実施形態と同様、陰極13の領域で発生する所望周波数の電磁波W1が打ち消し合うことがない。
【0049】
第2実施形態に係る仮想陰極発振管20では、第1真空容器11A´において、第1実施形態の金属壁Aよりも、電磁波W1を反射する金属壁としてより面積的に大きく反射率の高い、金属壁Bを用いることができる。
従って、上記仮想陰極発振管20では、発生する電磁波W1が打ち消し合うことがないという条件を精度良く実現できる。
【0050】
また、上記仮想陰極発振管20では、第1真空容器11A´の金属壁B側の領域に、支柱等の電磁波W1伝搬に複雑な影響を及ぼす構造がないため、陰極表面領域13bに配列した柱状体21の中心位置(符号О´)と、第1真空容器11A´の金属壁Bとの間における電磁波W1の伝搬に関する計算を、導波管構造を基にした計算結果に良く合致させることができる。
従って、上記仮想陰極発振管20では、発生する電磁波W1が打ち消し合うことがないという条件を精度良く実現でき、さらには特定の周波数帯の電磁波W1の出力を大きくすることが可能となる。
また、上記仮想陰極発振管20では、陽極12の支柱16の向きに関わらずに第1真空容器11A´を第3真空容器11Cと接続することができる。
すなわち、第1実施形態では、電磁波W1の出力方向が陽極12の支柱16の延長方向としていたが、第2実施形態の仮想陰極発振管20では所望の方向に電磁波W1を出力することが可能である。
【0051】
(実施形態3)
第3実施形態に係る電磁波発生システム300における陰極構造301について、図9を参照して説明する。
なお、以下において第1実施形態と構成を共通にする箇所に関しては重複した説明を省略する。
【0052】
第3実施形態は、第1真空容器11A内において、陰極13の支柱30が分岐されかつ分岐部先端に、多数の柱状体13Cの配列からなる柱状構造90が設けられている。
なお、第3実施形態の陰極構造301では、Hツリーによる二分岐構造により、支柱30の分岐部先端において、柱状構造90が図中水平方向に互いに等しい間隔(符号Mで示す)となるように複数設けられている。
【0053】
また、第3実施形態の陰極構造301では、複数からなる柱状構造90の配列を、iを自然数として所望周波数の電磁波W1波長のi倍とする間隔(符号Mで示す)で配置している。
そして、柱状構造90の配列を、iを自然数として所望周波数の電磁波W1の波長のi倍の間隔をあけて配置することにより、電磁波W1が、各柱状構造90で同時に発生し、かつ互いに打ち消し合うことがない。
また、多数の柱状体13Cの配列からなる柱状構造90は、所望周波数の電磁波波長の(2i-1)/4以上、i/2未満の間隙を開け、前記波長のi/2の間隔で複数配置する。[SM8]
【0054】
また、第3実施形態の陰極構造301では、柱状構造90を複数設けることで、「陰極13-陽極12」間の対向面積を広くして、「陰極13―陽極12」間インピーダンスを低くすることができ、その結果、陰極13から電子を放出し易くなる。
また、第3実施形態の陰極構造301では、柱状構造90を支柱30で支持するにあたり、前述のようなHツリーによる二分岐構造を基本とすることが望ましい。このような構成にすれば、第1真空容器11Aに接続された陰極13の支柱30の根元から、各陰極13までの長さを略等しくできる。
本発明に記載している仮想陰極発振管10は極めて高出力であり、動作時には陰極13に瞬間的に大電流が流れる。このような瞬間的な大電流の流れは、磁場を発生させるため経路のインダクタンスの不均一の影響を受けやすい。経路のインダクタンスは経路の長さに大きく依存するため、各陰極13先端へ均一に電流を導くには、経路を等長とすることが望ましい。
これにより、第3実施形態に係る電磁波発生システム300では、陰極13の動作が均一化し、高耐熱性といった特徴を実現できる、すなわち、局所的な温度上昇を抑制でき、所望周波数の電磁波W1の出力を強めることが可能である。
なお、第3実施形態に係る電磁波発生システム300では、断面形状が四角の柱状体13Cからなる柱状構造90を用いたが、これに限定されず、第2実施形態に示される断面形状が円形の柱状体21からなる柱状構造91を用いても良い。
【0055】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、特定の周波数帯の電磁波の出力を大きくすることが可能な電磁波発生システム及び電磁波発生方法に関する。
【符号の説明】
【0057】
1 真空容器
2 陽極
2A 陽極表面
3 陰極
3A 陰極表面領域
4 誘電体
5 窓
6 柱状体
7 柱状構造
10 仮想陰極発振管
11(11A~11C) 真空容器
12 陽極(電極)
12A 陽極表面
13 陰極(電極)
13A 支柱
13B 陰極本体部
13b (陰極)表面領域
13C 柱状体
14 誘電体
15 窓
16 支柱
17 導入端子
18 壁
19 高電圧パルス電源
20 仮想陰極発振管
21 柱状体
22 金属壁
50 電磁波発生システム
51 陰極構造
90 柱状構造
91 柱状構造
100 電磁波発生システム
101 陰極構造
200 電磁波発生システム
201 陰極構造
300 電磁波発生システム
301 陰極構造
L 陰極の長さ
L1 陰極の長さ
V 仮想電極
V1 仮想電極
W 電磁波
W1 電磁波
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9