(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139883
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム記録媒体および学習中モデル
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20241003BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20241003BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A63B69/00 C
A63B71/06 T
A61B5/11 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050818
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】山村 義宏
(72)【発明者】
【氏名】小沢 優也
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB35
4C038VC20
(57)【要約】
【課題】対象者ごとに年齢に適した指導レポートを出力することができ、対象者の運動を支援することができる情報処理装置などを提供する。
【解決手段】対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得する対象者情報取得部と、前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動評価情報取得部と、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶する記憶部と、前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力するレポート出力部と、を備える情報処理装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得する対象者情報取得部と、
前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動評価情報取得部と、
前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶する記憶部と、
前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力するレポート出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記対象者情報は、前記対象者の体格に関する体格情報を含み、
前記記憶部は、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報と前記体格情報に基づいた指導内容を出力する前記学習済みモデルを記憶する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対象者情報は、前記対象者の性格に関する性格情報を含み、
前記記憶部は、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報と前記性格情報に基づいた指導内容を出力する前記学習済みモデルを記憶する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対象者情報は、前記対象者の住んでいる場所および前記対象者の家族構成に関する環境情報を含み、
前記記憶部は、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報と前記環境情報に基づいた指導内容を出力する前記学習済みモデルを記憶する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記運動評価情報は、前記対象者の年齢における理想の運動情報と、前記対象者の運動に関する運動情報と、を比較した情報である、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象者に取り付けられる第1検出装置からの情報に基づいて、前記対象者の運動に関する運動情報を取得する運動情報取得部を備える、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1検出装置は、加速度、位置情報または角速度のうちの少なくとも1つに関する情報を検出する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記学習済みモデルは、前記対象者に関する複数のパラメーターが含まれる前記対象者情報と前記運動評価情報とに基づく前記指導内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、学習中に前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する学習モデルである、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置の対象者情報取得部が、対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得し、
前記情報処理装置の運動評価情報取得部が、前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得し、
前記情報処理装置の記憶部が、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶し、
前記情報処理装置のレポート出力部が、前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力する、
情報処理方法。
【請求項10】
プログラムを記録するプログラム記録媒体であって、
前記プログラムは、コンピューターに、
対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得する対象者情報取得機能と、
前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動評価情報取得機能と、
前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶する記憶部に記憶された前記学習済みモデルに、前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力するレポート出力機能と、
を実現させる、
プログラム記録媒体。
【請求項11】
対象者に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報と前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報とに基づく指導の内容を取得する指導内容取得部と、
指導後の前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動情報評価部と、
指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する学習中モデルを記憶する記憶部と、
を備える情報処理装置。
【請求項12】
対象者に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報と、前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報と、に基づく指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する、
学習中モデル。
【請求項13】
情報処理装置の指導内容取得部が、対象者に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報と前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報とに基づく指導の内容を取得し、
前記情報処理装置の運動情報評価部が、指導後の前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得し、
前記情報処理装置の記憶部が、指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する学習中モデルを記憶する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム記録媒体および学習中モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された歩行指導システムでは、被験者の性別、年齢、身長、体重、BMI、病気を考慮した歩行指標を決定し、当該歩行指標に合わせた足跡画像を表示することが行われている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-74066号公報
【特許文献2】特開2004-164087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、足跡画像をただ表示するだけであるため、対象者ごとに適したトレーニング内容あるいはトレーニングに対するアドバイスを出力することができず、対象者の歩行能力を向上させることが困難な場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために一態様は、対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得する対象者情報取得部と、前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動評価情報取得部と、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶する記憶部と、前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力するレポート出力部と、を備える情報処理装置である。
【0006】
上記課題を解決するために一態様は、情報処理装置の対象者情報取得部が、対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得し、前記情報処理装置の運動評価情報取得部が、前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得し、前記情報処理装置の記憶部が、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶し、前記情報処理装置のレポート出力部が、前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力する、情報処理方法である。
【0007】
上記課題を解決するために一態様は、プログラムを記録するプログラム記録媒体であって、前記プログラムは、コンピューターに、対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得する対象者情報取得機能と、前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動評価情報取得機能と、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶する記憶部に記憶された前記学習済みモデルに、前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力するレポート出力機能と、を実現させる、プログラム記録媒体である。
【0008】
上記課題を解決するために一態様は、対象者に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報と前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報とに基づく指導の内容を取得する指導内容取得部と、指導後の前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動情報評価部と、指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する学習中モデルを記憶する記憶部と、を備える情報処理装置である。
【0009】
上記課題を解決するために一態様は、対象者に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報と、前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報と、に基づく指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する、学習中モデルである。
【0010】
上記課題を解決するために一態様は、情報処理装置の指導内容取得部が、対象者に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報と前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報とに基づく指導の内容を取得し、前記情報処理装置の運動情報評価部が、指導後の前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得し、前記情報処理装置の記憶部が、指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する学習中モデルを記憶する、情報処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る情報処理装置の概略的な構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る学習済みモデルの入出力の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る自立、フレイル、要支援および要介護の分類、段階、状態の一例を表す第1テーブルを示す図である。
【
図4】実施形態に係るJ-CHS基準を表す第2テーブルを示す図である。
【
図5】実施形態に係る個人情報を表す第3テーブルを示す図である。
【
図6】実施形態に係る肥満の判定基準の一例を表す第4テーブルを示す図である。
【
図7】実施形態に係る肥満の判定基準の他の一例を表す第5テーブルを示す図である。
【
図8】実施形態に係るアンケート内容の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る性格の分類の一例を表す第6テーブルを示す図である。
【
図10】実施形態に係る対象者情報が第1パターンである場合の個人情報を表す第7テーブルを示す図である。
【
図11】実施形態に係る対象者情報が第2パターンである場合の個人情報を表す第8テーブルを示す図である。
【
図12】実施形態に係る対象者情報が第3パターンである場合の個人情報を表す第9テーブルを示す図である。
【
図13】実施形態に係る対象者の歩行の波形データの一例を示す図である。
【
図14】実施形態に係る対象者の歩行の波形データの他の一例を示す図である。
【
図15】実施形態に係る対象者の足の角度の一例を示す図である。
【
図16】実施形態に係る対象者の下半身の動きの一例を示す図である。
【
図17】実施形態に係る対象者の上半身の動きの一例を示す図である。
【
図18】実施形態に係る年齢別の理想歩幅の一例を表す第10テーブルを示す図である。
【
図19】実施形態に係る年齢別の理想歩行速度の一例を表す第11テーブルを示す図である。
【
図20】実施形態に係る第1パターンにおける第1歩行特性の一例を示す図である。
【
図21】実施形態に係る第1パターンにおける評価情報の一例を表す第12テーブルを示す図である。
【
図22】実施形態に係る第2パターンにおける第2歩行特性の一例を示す図である。
【
図23】実施形態に係る第2パターンにおける評価情報の一例を表す第13テーブルを示す図である。
【
図24】実施形態に係る第3パターンにおける第3歩行特性の一例を示す図である。
【
図25】実施形態に係る第3パターンにおける評価情報の一例を表す第14テーブルを示す図である。
【
図26】実施形態に係るトレーニングの分類の一例を表す第15テーブルを示す図である。
【
図27】実施形態に係る教師データの生成の一例を模式的に示す図である。
【
図28】実施形態に係る学習中モデルでの分析の一例を模式的に示す図である。
【
図29】実施形態に係る学習中モデルでの分析内容の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
実施形態について説明する。
【0014】
図1は、実施形態に係る情報処理装置1の概略的な構成例を示す図である。
情報処理装置1は、入力部11と、出力部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。
制御部15は、対象者情報取得部111と、運動評価情報取得部112と、レポート出力部113と、運動情報取得部114と、指導内容取得部115と、運動情報評価部116と、を備える。
【0015】
また、
図1には、対象者211と、対象者211に取り付けられた第1検出装置251と、を示してある。
対象者211は、トレーニングの指導を受ける者である。
図1では、1人の対象者211を示しているが、本実施形態では、複数の対象者が存在する。
【0016】
第1検出装置251は、対象者211により行われる運動の評価を行うための情報を検出する装置である。当該情報は、任意の物理量の情報であってもよく、例えば、加速度、位置情報、または、角速度などであってもよい。
【0017】
ここで、他の例として、道具231と、道具231に取り付けられた第2検出装置271と、が用いられてもよい。
道具231は、対象者211が行うトレーニングで用いられる道具である。
第2検出装置271は、対象者211により行われる運動の評価を行うための情報を検出する装置である。当該情報は、任意の物理量の情報であってもよく、例えば、加速度、位置情報、または、角速度であってもよい。
【0018】
なお、第1検出装置251と第2検出装置271とは、例えば、任意の一方が用いられてもよく、あるいは、両方が用いられてもよい。
また、第1検出装置251および第2検出装置271は、それぞれ、例えば、所望の情報を検出するセンサーを用いて構成されていてもよい。
第1検出装置251および第2検出装置271により検出される情報は、データ、または、検出値、などと呼ばれてもよい。
【0019】
入力部11は、例えば、ユーザーの操作に応じて情報を入力する処理、および、他の装置から情報を入力する処理を行う。
出力部12は、例えば、他の装置に情報を出力する処理を行う。当該他の装置は、ディスプレイ装置であってもよく、この場合、出力部12から出力された情報が当該ディスプレイ装置の画面に表示出力される。他の例として、当該他の装置は、印刷装置であってもよく、この場合、出力部12から出力された情報が当該印刷装置により印刷出力される。
通信部13は、他の装置との間で通信を行う。通信部13は、例えば、第1検出装置251および第2検出装置271と通信されるように構成される。また、通信部13は、図示されない他の装置、例えば、印刷装置などと通信されるように構成されてもよい。
なお、本実施形態では、入力部11および出力部12とは別に通信部13を示したが、例えば、通信部13の機能が入力部11および出力部12の機能に含まれていてもよい。
【0020】
記憶部14は、情報を記憶する。
本実施形態では、記憶部14は、学習モデルA1と、対象者情報G1と、運動評価情報G2と、運動情報G3と、を記憶する。
学習モデルA1は、機械学習のモデルであり、例えば、学習前の状態、学習中の状態、学習済みの状態があり得る。
対象者情報G1は、対象者211に関する情報である。
運動評価情報G2は、対象者211の運動に対する評価を表す情報である。
運動情報G3は、対象者211の運動の情報である。
なお、対象者情報G1、運動評価情報G2、および運動情報G3のうちの2以上は、対象者211ごとに紐付けられていてもよい。紐付けは、対応付けなどと呼ばれてもよい。
【0021】
ここで、情報処理装置1は、例えば、対象者211の運動評価情報G2を外部から取得してもよく、あるいは、対象者211の運動情報G3を外部から取得して、取得した運動情報G3に基づいて運動評価情報G2を生成してもよい。
なお、
図1の例では、記憶部14に、学習モデルA1、対象者情報G1、運動評価情報G2、運動情報G3が記憶されている状態を示しているが、処理のタイミングなどによって、これらのうちの一部または全部が記憶部14に記憶されていない状態もあり得る。
【0022】
制御部15は、各種の処理および制御を行う。
本実施形態では、情報処理装置1は、コンピューターを用いて構成されている。
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーを有しており、当該プロセッサーにより所定のプログラムを実行することで、各種の処理および制御を行う。
当該プログラムは、例えば、記憶部14に記憶されていてもよい。
【0023】
対象者情報取得部111は、例えば、入力部11、通信部13、あるいは、記憶部14を介して、対象者情報G1を取得する。
運動評価情報取得部112は、例えば、入力部11、通信部13、あるいは、記憶部14を介して、運動評価情報G2を取得する。
【0024】
レポート出力部113は、指導レポートH1を生成して、当該指導レポートH1を出力する。この出力は、例えば、表示出力であってもよく、あるいは、印刷装置による紙出力であってもよい。
ここで、指導レポートH1には、指導内容が含まれる。
また、指導レポートH1には、対象者211に関して、例えば、過去に指導レポートH1が出される前の運動評価情報が含まれてもよく、または、過去に指導レポートH1が出された後の運動評価情報が含まれてもよく、あるいは、これら両方が含まれてもよい。
【0025】
運動情報取得部114は、例えば、入力部11、通信部13、あるいは、記憶部14を介して、運動情報G3を取得する。
ここで、運動評価情報取得部112は、例えば、運動情報取得部114により取得された運動情報G3と、所定の評価規則に基づいて、運動評価情報G2を生成して取得してもよい。
当該評価規則は、運動情報G3を評価する規則であり、例えば、理想の運動情報を含んでもよい。
【0026】
指導内容取得部115は、対象者211に対して伝えられた指導内容の情報を取得する。
運動情報評価部116は、指導内容が伝えられた対象者211について、運動評価情報を取得する。
ここで、運動情報評価部116は、例えば、このような運動評価情報を入力部11、通信部13、あるいは、記憶部14を介して取得してもよく、あるいは、入力部11、通信部13、あるいは、記憶部14を介して対象者211の運動情報を取得して、当該運動情報に基づいて運動評価情報を取得してもよい。
【0027】
本実施形態では、指導内容取得部115は、対象者211に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報G1と対象者211の運動の評価に関する運動評価情報G2とに基づく指導の内容を取得する。
また、運動情報評価部116は、指導後の対象者211の運動の評価に関する運動評価情報を取得する。
学習中の学習モデルA1は、指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、対象者情報G1の複数のパラメーターのうち、有効となるパラメーターを分析する。
【0028】
学習済みモデルA2の入出力について説明する。
図2は、実施形態に係る学習済みモデルA2の入出力の一例を示す図である。
学習済みモデルA2は、学習モデルA1が学習済みの状態にあるモデルである。
本実施形態では、学習済みモデルA2に対象者情報G1および運動評価情報G2が入力され、学習済みモデルA2から出力される指導内容に基づいて、当該指導内容を含む指導レポートH1が出力される。
ここで、学習済みモデルA2は、必ずしも指導内容の文章または絵柄などをそのまま出力しなくてもよく、例えば、指導内容を特定することが可能な情報を出力してもよい。一例として、番号などからなる複数の識別情報のそれぞれと指導内容との対応関係がデータベースなどに記憶されて、学習済みモデルA2が1以上の識別情報を出力し、当該識別情報に対応した指導内容が特定されて指導レポートH1に含められてもよい。
【0029】
対象者211について説明する。
本実施形態では、フレイルに分類される65歳以上の高齢者を対象者211とし、対象者211の個人情報である対象者情報G1と、対象者211から取得される歩行に対する評価である運動評価情報G2と、を基に、パーソナライズされたリハビリトレーニングとアドバイスを記載した指導レポートH1を提示することで、対象者211が要支援あるいは要介護になるリスクを低減させる。
ここで、本実施形態では、対象者211を65歳以上の高齢者としたが、これに限るものではない。
また、本実施形態では、フレイルは、フレイルの予備群も含む。
個人情報は、例えば、年齢、性別、および、生活環境などの情報である。
本実施形態では、対象者211は、対象の高齢者である。
【0030】
要支援および要介護について説明する。
要支援および要介護の段階について説明する。
要支援1は、基本的な日常生活動作は自分で行えるが、一部動作に見守りや手助けが必要な状態である。その介護にかかる時間は、25分~31分/日である。
要支援2は、筋力が衰え、歩行・立ち上がりが不安定な状態であり、介護が必要になる可能性が高い。その介護にかかる時間は、32分~49分/日である。
【0031】
要介護1は、日常生活や立ち上がり、歩行に一部介助が必要な状態であり、認知機能低下が少しみられる。その介護にかかる時間は、32分~49分/日である。
要介護2は、要介護1よりも日常生活動作にケアが必要で、認知機能の低下がみられる状態である。その介護にかかる時間は、50分~69分/日である。
要介護3は、日常生活動作に全体な介助が必要で、立ち上がりや歩行には杖・歩行器・車いすを使用している状態であり、認知機能が低下し、見守りも必要になる。その介護にかかる時間は、70分~89分/日である。
要介護4は、要介護3以上に生活上のあらゆる場面で介助が必要な状態であり、思考力や理解力も著しい低下がみられる。その介護にかかる時間は、90分~109分/日である。
要介護5は、日常生活全体で介助を必要とし、コミュニケーションを取るのも難しい状態である。その介護にかかる時間は、110分~/日である。
【0032】
フレイルについて説明する。
フレイルとは、自立している状態と要支援の状態との間の状態を指す。
要支援および要介護の対象者がトレーニングを行っても自立できるまで回復することは難しいが、フレイルの対象者はトレーニングを行うことで自立できるまで回復することが可能である。
フレイルには、様々な判定基準があり、日本では、CHS(Cardiovascular Health Study)基準を基にしたJ-CHS基準を採用している。
J-CHS基準は、5つの項目うち3つ以上の項目にあてはまることでフレイルと判定する基準である。
J-CHS基準の1つに歩行速度に関するものがあり、本実施形態では、歩行速度を改善することにより、フレイルの自立を促し、要支援および要介護になるリスクを低減させる。
【0033】
図3は、実施形態に係る自立、フレイル、要支援および要介護の分類、段階、状態の一例を表す第1テーブルT1を示す図である。
【0034】
図4は、実施形態に係るJ-CHS基準を表す第2テーブルT2を示す図である。
【0035】
対象者情報G1の一例である個人情報について説明する。
図5は、実施形態に係る個人情報を表す第3テーブルT3を示す図である。
対象者の個人情報について説明する。
本実施形態では、当該個人情報は、機械学習の入力情報である対象者情報G1として用いられる。
【0036】
個人情報には、例えば、<1>年齢、<2>性別、<3>身長、<4>体重、<5>体型情報、<6>性格、<7>持病、<8>家族構成、<9>住所、<10>日常の運動、といった項目についての情報が含まれる。
個人情報は、例えば、所定の情報処理装置を介して入力される。
対象者211の個人情報は、例えば、対象者211によって入力されてもよく、あるいは、対象者211にトレーニング指導を行う指導員、または、対象者211の関係者によって入力されてもよい。当該関係者は、対象者211の家族などである。
【0037】
ここで、当該情報処理装置は、例えば、パーソナルコンピューター、スマートフォン、または、電子カルテ等であってもよい。
なお、当該情報処理装置としては、例えば、本実施形態に係る情報処理装置1が用いられてもよいが、他の情報処理装置が用いられる場合には、当該他の情報処理装置から本実施形態に係る情報処理装置へ個人情報が送信される。
【0038】
<1>年齢は、対象者211の年齢を示す情報である。
<2>性別は、対象者211の性別を示す情報である。
<3>身長は、対象者211の身長を示す情報である。
<4>体重は、対象者211の体重を示す情報である。
【0039】
<5>体型情報は、対象者211の体型に関する情報である。
ここで、体型情報は、例えば、対象者211によって入力されてもよく、対象者の身長と体重から導出されるBMI(Body Mass Index)で入力されてもよく、あるいは、BMIを基にした判定により入力されてもよい。
BMIは、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数であり、体重[kg]÷身長[m]2で求められる。
本実施形態では、日本肥満学会の判定基準が用いられる場合を一例として示すが、他の例として、世界保健機関(WHO)の判定基準が用いられてもよい。
【0040】
図6は、実施形態に係る肥満の判定基準の一例を表す第4テーブルT4を示す図である。
第4テーブルT4には、日本肥満学会の判定基準が示されている。
当該判定基準では、BMI値と判定との対応が規定されている。
【0041】
図7は、実施形態に係る肥満の判定基準の他の一例を表す第5テーブルT5を示す図である。
第5テーブルT5には、世界保健機関(WHO)の判定基準が示されている。
当該判定基準では、BMI値と判定との対応が規定されている。
【0042】
<6>性格は、対象者211の性格に関する情報である。
ここで、対象者211の性格に関する情報は、例えば、対象者211がアンケートに回答し、その回答結果から導出された性格の分類である。
【0043】
図8は、実施形態に係るアンケート内容AN1の一例を示す図である(特許文献2参照。)。
ここで、アンケート内容としては、任意の内容が用いられてもよい。例えば、アンケート内容は、選択式の内容であってもよく、あるいは、記述式の内容であってもよい。
なお、アンケートは、質問、または、問い、などと呼ばれてもよい。
【0044】
図9は、実施形態に係る性格の分類の一例を表す第6テーブルT6を示す図である。
第6テーブルT6では、性格の分類と特徴との対応が規定されている。
本実施形態では、性格の分類として、<1>対応型;自己防衛型、<2>対応型;円熟型、<3>対応型;依存型、<4>不対応型;内罰型、および、<5>不対応型;外罰型といった5つに分類する。
この参考として、スザンヌ・ライチャードの老年期における人格5類型がある。
ここで、本実施形態では、対象者を、フレイルに分類されるもののうち高齢者としたため、高年齢者における性格の分類を用いたが、これに限らず、対象者をフレイルに分類されるものとした場合には、性格の分類ができるものであればよい。
また、本実施形態では、対象者の性格を分類したが、これに限らず、性格の分類をせずに、アンケートの結果を用いてもよい。
【0045】
なお、性格の分類としては、本実施形態の例に限られず、他の分類が用いられてもよく、例えば、トレーニングへのやる気の度合いによる分類、トレーニングの継続に対する意思の強さによる分類、アドバイスを率直に受け止められるかといった我の強さによる分類などが用いられてもよい。
【0046】
<7>持病は、対象者211の持病に関する情報である。
持病は、例えば、腰痛、膝痛、あるいは、五大生活習慣病などである。
<8>家族構成は、同居人に関する情報である。
同居人に関する情報には、例えば、同居人の人数および同居人の属性の情報も含まれる。当該属性としては、例えば、妻、息子、あるいは、嫁などがある。
<9>住所は、対象者211の住んでいる環境に関する情報である。
当該住所から、対象者211が都心部で生活をしているのか、あるいは、対象者211が山間部などで生活をしているのか、を判定することが可能である。
<10>日常の運動は、対象者211が日常的に行っている運動に関する情報である。
日常の運動は、例えば、農作業、散歩、体操、あるいは、ゲートボールなどである。
【0047】
個人情報の具体例について説明する。
本実施形態では、具体例として、対象者情報G1が第1パターン、第2パターン、第3パターンである場合の個人情報について説明する。
【0048】
図10は、実施形態に係る対象者情報G1が第1パターンである場合の個人情報を表す第7テーブルT7を示す図である。
第1パターンでは、<1>年齢は67歳であり、<2>性別は女性であり、<3>身長は152cmであり、<4>体重は56kgであり、<5>体型情報は普通体重であり、<6>性格は対応型;依存型であり、<7>持病はなしであり、<8>家族構成は本人と夫との2人であり、<9>住所は市街である「xxxx」であり、<10>日常の運動はなしである。
【0049】
図11は、実施形態に係る対象者情報G1が第2パターンである場合の個人情報を表す第8テーブルT8を示す図である。
第2パターンでは、<1>年齢は72歳であり、<2>性別は男性であり、<3>身長は170cmであり、<4>体重は54kgであり、<5>体型情報は低体重であり、<6>性格は対応型;自己防衛型であり、<7>持病はなしであり、<8>家族構成は本人の1人であり、<9>住所は山間部である「yyyy」であり、<10>日常の運動はなしである。
【0050】
図12は、実施形態に係る対象者情報G1が第3パターンである場合の個人情報を表す第9テーブルT9を示す図である。
第3パターンでは、<1>年齢は77歳であり、<2>性別は男性であり、<3>身長は163cmであり、<4>体重は58kgであり、<5>体型情報は普通体重であり、<6>性格は不対応型;内罰型であり、<7>持病は腰痛であり、<8>家族構成は本人、妻、息子、嫁の4人であり、<9>住所は山間部である「zzzz」であり、<10>日常の運動は農作業である。
【0051】
運動評価情報の一例である対象者211の歩行に関する情報について説明する。
対象者から取得される歩行に対する評価を含む情報について説明する。
本実施形態では、当該情報は、機械学習の入力情報である運動評価情報G2として用いられる。
【0052】
対象者211に取り付けられる第1検出装置251のセンサーによって、対象者211の歩行に関する情報を取得する。
本実施形態では、当該センサーは、加速度および角速度を取得する機器であり、対象者211の身体の所定部位に取り付けられる。当該所定部位は、例えば、足と腰などであってもよい。これに限らず、センサーは、脚、腕、胴および首に取り付けてもよい。
歩行に関する情報には、例えば、<1>歩き方、<2>足の角度、<3>下半身の動き、および、<4>上半身の動き、などが含まれる。
【0053】
<1>歩き方
歩き方には、例えば、歩幅、歩行速度、および両足で立っている時間に関する情報が含まれる。
歩幅は、対象者211の左右の足に取り付けられるセンサーで左右の足ごとに波形データを取得し、当該波形データから歩幅の距離を算出する。
ここで、足が地面と接地している際に波形データはピーク値を示すため、ピーク値とピーク値との間の周期を1歩行周期と定めることができる。例えば、右足の1歩行周期が用いられてもよく、または、左足の1歩行周期が用いられてもよく、あるいは、右足の1歩行周期と左足の1歩行周期との平均値などが用いられてもよい。
対象者211が移動した距離と歩行周期の数とから、対象者211の歩幅を算出することができる。
また、加速度の振幅は、足の上げ下げの速度に比例して大きくなるため、当該振幅が小さいと、足を上げ下げする速度が遅いため、歩幅が小さくなりやすい。
【0054】
歩行速度は、単位時間当たりの歩行周期により算出することができる。
両足で立っている時間は、波形データから、右足のピーク値と左足のピーク値とが重なっている時間から算出することができる。
【0055】
図13は、実施形態に係る対象者211の歩行の波形データの一例を示す図である。
図13に示されるグラフにおいて、横軸は時間[t]を表しており、縦軸は加速度[m/sec
2]を表している。
当該グラフには、対象者211の右足の第1右足特性P1と、対象者211の左足の第1左足特性P2を示してある。
また、
図13には、左足が接地していることを示す第1接地タイミングQ1と、第2接地タイミングQ2と、第1歩行周期に要する時間に相当する1歩行期間である第1歩行期間R1と、を示してある。
【0056】
図14は、実施形態に係る対象者211の歩行の波形データの他の一例を示す図である。
図14に示されるグラフにおいて、横軸は時間[t]を表しており、縦軸は加速度[m/sec
2]を表している。
当該グラフには、対象者211の右足の第1a右足特性P1aと、対象者211の左足の第1a左足特性P2aを示してある。
また、
図14には、右足が接地していることを示す第1a接地タイミングQ1aと、第2a接地タイミングQ2aと、第1歩行周期に要する時間に相当する1歩行期間である第1a歩行期間R1aと、左足が接地していることを示す第1b接地タイミングQ1bと、第2b接地タイミングQ2bと、第1歩行周期に要する時間に相当する1歩行期間である第1b歩行期間R1bと、第1a接地タイミングQ1aと第1b接地タイミングQ1bとが重複している時間を示す第1重複時間t1と、第2a接地タイミングQ2aと第2b接地タイミングQ2bとが重複している時間を示す第2重複時間t2と、を示す。
【0057】
<2>足の角度
足の角度には、例えば、足の開き角度およびつま先の角度に関する情報が含まれる。
足の開き角度は、左足と右足とが成す角度を示した情報である。足の開き角度に関する角度が大きい場合、右脚全体と左脚全体とでなす角度が大きくなるため骨盤へ負荷がかかる。
つま先の角度は、地面とつま先が成す角度を示した情報である。つま先の角度が小さい場合、つま先が地面にあたり、転倒のリスクがある。
本実施形態では、対象者211の足に取り付けられたセンサーにより、当該足の角度を算出する。当該センサーは、例えば、角速度を検出するセンサーである。
【0058】
図15は、実施形態に係る対象者211の足の角度の一例を示す図である。
図15には、対象者211の右足の方向である第1右足方向D1と、対象者211の左足の方向である第1左足方向D2と、第1右足方向D1と第1左足方向D2との開き角度である第1角度θ1を示してある。
また、
図15には、対象者211の片足について、地面の方向である第1地面方向D3と、足のつま先の方向である第1つま先方向D4と、第1地面方向D3と第1つま先方向D4との間の角度である第2角度θ2を示してある。
【0059】
<3>下半身の動き
下半身の動きには、例えば、膝関節の屈曲角および股関節の開脚角度に関する情報が含まれる。
膝関節の屈曲角は、膝上のふとももまでの方向と、膝下のふくらはぎからの方向とが成す角度を示した情報である。
股関節の開脚角度は、右脚と左脚とが成す角度を示した情報である。
膝関節の屈曲角および股関節の開脚角度が小さい場合、大きく足を前に出すことができなくなり、歩幅が小さくなる。
本実施形態では、腰と足に取り付けられたセンサーにより、下半身の動きを算出する。当該センサーは、角速度を検出するセンサーである。
なお、膝にもセンサーを取り付けることで、情報取得の精度を上げることが可能である。
【0060】
図16は、実施形態に係る対象者211の下半身の動きの一例を示す図である。
図16には、対象者211の第1膝上方向D11と、対象者211の第1膝下方向D12と、第1膝上方向D11と第1膝下方向D12との間の角度に相当する膝関節の屈曲角である第3角度θ3を示してある。
また、
図16には、対象者211の右脚の方向である第1右脚方向D13と、対象者211の左脚の方向である第1左脚方向D14と、第1右脚方向D13と第1左脚方向D14との間の角度に相当する股関節の開脚角度である第4角度θ4を示してある。
【0061】
<4>上半身の動き
上半身の動きには、例えば、上体の上下動、左右動、および前方への傾きに関する情報が含まれる。
上体の上下動は、歩行している際の上半身の上下の動きを示した情報である。上体の上下動が少ない場合、足を大きく前に出すことができないため、歩幅が小さくなる。
上体の左右動は、歩行している際の上半身の左右の揺れを示した情報である。上体の左右動が大きい場合、腰および膝にかかる負荷が増え、ケガのリスクがある。
前方への傾きは、上半身が前方に倒れている角度を示したものである。前方への傾きが大きい場合、歩行速度が低下する。
【0062】
本実施形態では、対象者211の腰に取り付けられたセンサーにより、上半身の動きを算出する。当該センサーは、例えば、加速度および角速度の一方または両方を検出するセンサーである。
他の例として、対象者211の腕あるいは首にセンサーを取り付けることで、腕に関する情報および首に関する情報の一方または両方が取得されてもよい。腕に関する情報としては、例えば、肘関節の屈曲あるいは上肢運動の範囲に関する情報がある。首に関する情報としては、例えば、視線の方向に関する情報がある。
腕に関する情報および首に関する情報を取得することで、対象者211の歩行に関する情報を精度よく取得することができる。
【0063】
図17は、実施形態に係る対象者211の上半身の動きの一例を示す図である。
図17には、対象者211の上体の上下動に関し、上体の上の位置である第1上位置D21と、上体の下の位置である第1下位置D22を示してある。
また、
図17には、対象者211の上体の左右動に関し、地面に対する上の方向である第1上方向D23と、上体の上半身の方向である第1上半身方向D24を示してある。
また、
図17には、上体の前方への傾きに関し、地面に対する上の方向である第1上方向D23と、上体の前方への方向である第1前方方向D25と、第1上方向D23と第1前方方向D25との間の角度に相当する上体の前方への傾きである第5角度θ5を示してある。
【0064】
運動評価情報G2の一例である対象者211の歩行に対する評価の情報について説明する。
本実施形態に係る評価は、理想データの歩行と比較した対象者の歩行の評価である。
評価としては、例えば、数値データでの比較、波形データでの比較、または、波形データでの比較を基にしたコメントなどである。
本実施形態では、波形データでの比較を基にしたコメントを評価の内容とする。
評価としては、例えば、歩行に関する情報である<1>歩き方、<2>足の角度、<3>下半身の動き、および、<4>上半身の動きのそれぞれごとの評価が用いられてもよく、あるいは、これらの全体を総括した評価が用いられてもよい。
本実施形態では、歩行に関する情報である<1>歩き方、<2>足の角度、<3>下半身の動き、および、<4>上半身の動きのそれぞれごとに評価を行う。
【0065】
本例では、評価の例として、波形データにおける<1>歩き方についての評価を行う場合を代表させて説明するが、同様に、<2>足の角度、<3>下半身の動き、および、<4>上半身の動きについての評価も行う。
理想データは、歩行能力が年齢ともに低下するため、対象者211の年齢にあわせて変更する必要がある。
【0066】
図18は、実施形態に係る年齢別の理想歩幅の一例を表す第10テーブルT10を示す図である。
第10テーブルT10では、年齢ごとに、男性の理想歩幅と、女性の理想歩幅を示してある。
【0067】
図19は、実施形態に係る年齢別の理想歩行速度の一例を表す第11テーブルT11を示す図である。
第11テーブルT11では、歩行速度に関し、年齢ごとに、男性の理想速度と、女性の理想速度を示してある。
【0068】
図20は、実施形態に係る第1パターンにおける第1歩行特性P11の一例を示す図である。
図20に示されるグラフにおいて、横軸は時間[t]を表しており、縦軸は加速度[m/sec
2]を表している。
当該グラフには、歩行データに関し、第1理想特性P10と、第1パターンの対象者211の第1歩行特性P11を示してある。
図20の例では、理想的な歩行データの波形に係る第1理想特性P10と、第1パターンの対象者211の歩行データの波形に係る第1歩行特性P11とが比較されている。
図20には、第1理想特性P10における第1c接地タイミングQ1cおよび第2c接地タイミングQ2cと、第1歩行周期に要する時間に相当する1歩行期間である第1c歩行期間R1cと、第1歩行特性P11における第1d接地タイミングQ1dおよび第2d接地タイミングQ2dと、第1歩行周期に要する時間に相当する1歩行期間である第1d歩行期間R1dと、を示す。
ここで、
図20の例では、左足の歩行データの波形に係る特性を示しているが、右足の歩行データの波形に係る特性が用いられてもよく、あるいは、これら両方の特性が用いられてもよい。
【0069】
図21は、実施形態に係る第1パターンにおける評価情報の一例を表す第12テーブルT12を示す図である。
第12テーブルT12では、大項目ごとに小項目が規定されており、それぞれの小項目ごとに評価が記述されている。
大項目としては、歩行に関する情報である<1>歩き方、<2>足の角度、<3>下半身の動き、および、<4>上半身の動き、がある。
【0070】
第1パターンに関して、第1歩行特性P11における第1d接地タイミングQ1dおよび第2d接地タイミングQ2dの加速度の振幅が、第1理想特性P10における第1c接地タイミングQ1cおよび第2c接地タイミングQ2cの加速度の振幅と比べて小さいことから歩幅が小さく、第1歩行特性P11における第1d歩行期間R1dが第1理想特性P10における第1c歩行期間R1cと比べて長いことから歩行速度も遅いと評価される。
【0071】
図22は、実施形態に係る第2パターンにおける第2歩行特性P21の一例を示す図である。
図22に示されるグラフにおいて、横軸は時間[t]を表しており、縦軸は加速度[m/sec
2]を表している。
当該グラフには、歩行データに関し、第2理想特性P20と、第2パターンの対象者211の第2歩行特性P21を示してある。
図22の例では、理想的な歩行データの波形に係る第2理想特性P20と、第2パターンの対象者211の歩行データの波形に係る第2歩行特性P21とが比較されている。
図22には、第2理想特性P20における第1e接地タイミングQ1eおよび第2e接地タイミングQ2eと、第1歩行周期に要する時間に相当する1歩行期間である第1e歩行期間R1eと、第2歩行特性P21における第1f接地タイミングQ1fおよび第2f接地タイミングQ2fと、第1歩行周期に要する時間に相当する1歩行期間である第1f歩行期間R1fと、を示す。
ここで、
図23の例では、左足の歩行データの波形に係る特性を示しているが、右足の歩行データの波形に係る特性が用いられてもよく、あるいは、これら両方の特性が用いられてもよい。
【0072】
図23は、実施形態に係る第2パターンにおける評価情報の一例を表す第13テーブルT13を示す図である。
第13テーブルT13では、大項目ごとに小項目が規定されており、それぞれの小項目ごとに評価が記述されている。
大項目としては、歩行に関する情報である<1>歩き方、<2>足の角度、<3>下半身の動き、および、<4>上半身の動き、がある。
【0073】
第2パターンに関して、第2歩行特性P21における第1f接地タイミングQ1fおよび第2f接地タイミングQ2fの加速度のピーク幅が、第2理想特性P20における第1e接地タイミングQ1eおよび第2e接地タイミングQ2eの加速度のピーク幅と比べて長いことから足が地面と接している時間が長く、第2歩行特性P21における第1f歩行期間R1fが、第2理想特性P20の第1e歩行期間R1eと比べて長いことから歩行速度も遅いと評価される。
【0074】
図24は、実施形態に係る第3パターンにおける第3歩行特性P31の一例を示す図である。
図24に示されるグラフにおいて、横軸は時間[t]を表しており、縦軸は加速度[m/sec
2]を表している。
当該グラフには、歩行データに関し、第3理想特性P30と、第3パターンの対象者211の第3歩行特性P31を示してある。
図24の例では、理想的な歩行データの波形に係る第3理想特性P30と、第3パターンの対象者211の歩行データの波形に係る第3歩行特性P31とが比較されている。
図24には、第3理想特性P30における第1g接地タイミングQ1gおよび第2g接地タイミングQ2gと、第1歩行周期に要する時間に相当する1歩行期間である第1g歩行期間R1gと、第3歩行特性P31における第1h接地タイミングQ1hおよび第2h接地タイミングQ2hと、第1歩行周期に要する時間に相当する1歩行期間である第1h歩行期間R1hと、を示す。
ここで、
図24の例では、左足の歩行データの波形に係る特性を示しているが、右足の歩行データの波形に係る特性が用いられてもよく、あるいは、これら両方の特性が用いられてもよい。
【0075】
図25は、実施形態に係る第3パターンにおける評価情報の一例を表す第14テーブルT14を示す図である。
第14テーブルT14では、大項目ごとに小項目が規定されており、それぞれの小項目ごとに評価が記述されている。
大項目としては、歩行に関する情報である<1>歩き方、<2>足の角度、<3>下半身の動き、および、<4>上半身の動き、がある。
【0076】
第3パターンに関して、第3歩行特性P31における第1h接地タイミングQ1hおよび第2h接地タイミングQ2hの加速度の振幅が、第3理想特性P30における第1g接地タイミングQ1gおよび第2g接地タイミングQ2gの加速度の振幅と比べて小さいことから歩幅が小さく、第3歩行特性P31における第1h歩行期間R1hが、第3理想特性P30の第1g歩行期間R1gと比べて長いことから歩行速度も遅いと評価される。
【0077】
指導内容について説明する。
指導内容には、対象者211の歩行能力が向上すると推測され、対象者211の個人情報に基づいたトレーニングとアドバイスが記載される。なお、トレーニングにはリハビリテーションが含まれる。リハビリテーションはリハビリとも呼ばれる。
【0078】
指導内容は、対象者211の歩行に対する評価を上げるための指導である。当該評価は、理想データとの類似度を表す。
指導内容は、対象者の個人情報である対象者情報G1と、歩行に関する評価である運動評価情報G2と、に基づいて、対象者211ごとに異なる指導内容として出力される。
【0079】
指導内容におけるトレーニングについて説明する。
トレーニングとしては、例えば、歩行トレーニング、筋力トレーニング、バランストレーニングに分類する。また、各分類に、難易度別のトレーニングがある。
なお、本実施形態では、歩行トレーニング、筋力トレーニング、バランストレーニングという分類を示すが、これに限られず、他の分類が用いられてもよい。
各トレーニングは、対象者211の年齢によって内容を変更してもよい。年齢によってトレーニングの内容を変えることで、例えば、対象者211がけがをするリスクを抑え、年齢に適した負荷でのトレーニングを促すことができる。
【0080】
図26は、実施形態に係るトレーニングの分類の一例を表す第15テーブルT15を示す図である。
第15テーブルT15には、歩行、筋力、バランスといった分類ごとに、レベル分けされ且つ年代別に区別されたトレーニングの内容が規定されている。
【0081】
指導内容におけるアドバイスについて説明する。
対象者の歩行に関する評価が向上すると推測されたトレーニングに対するアドバイスは、対象者の個人情報である対象者情報G1に基づいて変更され得る。
【0082】
第1パターンにおけるアドバイスの例を説明する。
第1パターンは、
図10、
図20および
図21の例に係るパターンである。
ここで、対象者情報G1として学習モデルA1に入力される情報は、例えば、
図10に示されるような各項目の情報を表す値であってもよく、あるいは、当該情報に基づく他の値であってもよい。
また、運動評価情報G2として学習モデルA1に入力される情報は、例えば、
図20に示されるような波形データを表す値であってもよく、または、
図21に示されるような各項目の評価結果を表す値であってもよく、あるいは、これらのうちの一方または両方に基づく他の値であってもよい。
【0083】
第1パターンに関し、歩行トレーニングについて示す。
トレーニング内容は、普通レベルのウォーキングである。これを選択する理由は、両足で立っている時間が普通であるため、普通レベルのトレーニングを行うための筋力があるためである。
アドバイス内容は、スポーツジムなどの施設でのウォーキングトレーニング、公園などでのウォーキングトレーニングを提案する内容である。この理由は、対象者211が住んでいるところが市街であり、スポーツジムあるいは公園などの施設があると判断でき、さらに、対象者211の性格が誘われれば新しいことにも環境にも対応できる性格であると判断できるためである。
【0084】
第1パターンに関し、筋力トレーニングについて示す。
トレーニング内容は、簡単レベルで、椅子に座って足をあげることである。これを選択する理由は、つま先の角度が小さいため、足をあげるための筋力が衰えているためである。
アドバイス内容は、自宅での推奨だけでなく、公園のベンチなどの屋外でのトレーニングを提案する内容である。この理由は、歩行についてのトレーニングと同様に、対象者211の性格から新しい環境でのトレーニングを提案しても対応できると判断できるためである。
【0085】
第1パターンに関し、バランストレーニングについて示す。
トレーニング内容は、普通レベルの骨盤回しである。これを選択する理由は、左右の動きと前方の傾きが普通であるため、身体を支える筋肉として普通レベルのトレーニングを行うための筋力があるためである。
アドバイス内容は、自宅で行うように助言する内容である。この理由は、対象者211の性格は、新しい環境に対応できるものの、新しい環境に対して積極的ではないので、慣れている環境でのトレーニングを促し、トレーニングの継続ができると判断できるためでる。
【0086】
第2パターンにおけるアドバイスの例を説明する。
第2パターンは、
図11、
図22および
図23の例に係るパターンである。
ここで、対象者情報G1として学習モデルA1に入力される情報は、例えば、
図11に示されるような各項目の情報を表す値であってもよく、あるいは、当該情報に基づく他の値であってもよい。
また、運動評価情報G2として学習モデルA1に入力される情報は、例えば、
図22に示されるような波形データを表す値であってもよく、または、
図23に示されるような各項目の評価結果を表す値であってもよく、あるいは、これらのうちの一方または両方に基づく他の値であってもよい。
【0087】
第2パターンに関し、歩行トレーニングについて示す。
トレーニング内容は、普通レベルで、その場で足踏みである。これを選択する理由は、両足で立っている時間が普通であるため、普通レベルのトレーニングを行うための筋力があるためである。
アドバイス内容は、目標となる理想データと比べて、対象者211の結果が悪いことを知らせて、提案するトレーニングを行うことで改善できることを伝える内容である。この理由は、対象者211の性格から若い時の活動を維持したいという思う傾向が強いと判断でき、理想データと比べて出来ていないこととそれを改善するアドバイスを伝えることで、若い時の活動を再び行えるようにするためのトレーニングを意欲的に行わせるためである。
【0088】
第2パターンに関し、筋力トレーニングについて示す。
トレーニング内容は、簡単レベルで、椅子に座って足をあげることである。これを選択する理由は、つま先の角度は普通であるが低体重であり、足を上げるための筋力が衰えているためである。
アドバイス内容は、体格から怪我のリスクがあるため、トレーニングで怪我をしないための注意点を伝えるとともに、トレーニングを継続することで今後どのような活動ができるかを伝える内容である。この理由は、対象者211の体型が低体重であることから怪我をしないように注意を促すためである。
【0089】
第2パターンに関し、バランストレーニングについて示す。
トレーニング内容は、普通レベルで、椅子につかまって骨盤回しである。これを選択する理由は、左右の動きと前方の傾きが普通であるため、身体を支える筋肉として普通レベルのトレーニングを行うための筋力があるためである。
アドバイス内容は、自宅の椅子あるいは手すりなどで行うように助言する内容である。この理由は、対象者211の体型が低体重であることから怪我をしないように注意を促すためである。
【0090】
第3パターンにおけるアドバイスの例を説明する。
第3パターンは、
図12、
図24および
図25の例に係るパターンである。
ここで、対象者情報G1として学習モデルA1に入力される情報は、例えば、
図12に示されるような各項目の情報を表す値であってもよく、あるいは、当該情報に基づく他の値であってもよい。
また、運動評価情報G2として学習モデルA1に入力される情報は、例えば、
図24に示されるような波形データを表す値であってもよく、または、
図25に示されるような各項目の評価結果を表す値であってもよく、あるいは、これらのうちの一方または両方に基づく他の値であってもよい。
【0091】
第3パターンに関し、歩行トレーニングについて示す。
トレーニング内容あ、普通レベルで、ウォーキングである。これを選択する理由は、両足で立っている時間が普通であるため、普通レベルのトレーニングを行うための筋力があるためである。
アドバイス内容は、家から農作業を行う場所に向かう際に歩いて移動すること、歩くときに気を付けることを伝える内容である。この理由は、対象者211の性格から新しいことへの取り組みに抵抗があると判断できるため、日常的に行っていることに絡めてアドバイスおよび歩くときに気を付けるべきポイントを伝えるためである。
【0092】
第3パターンに関し、筋力トレーニングについて示す。
トレーニング内容は、簡単レベルで、椅子に座って足をあげることである。これを選択する理由は、つま先の角度は普通、且つ、通常低体重であるが、腰痛であるため、普通レベルの内容ではなく簡単レベルで腰痛が悪化しないようにトレーニングを行ってもらうためである。
アドバイス内容は、トレーニングの姿勢についてアドバイスを行う内容である。この理由は、対象者211が持病を持っていおり、持病が悪化しないように、正しい姿勢でトレーニングを行ってもらうためである。
【0093】
第3パターンに関し、バランストレーニングについて示す。
トレーニング内容は、簡単レベルで、つま先上げ、かかと上げである。これを選択する理由は、前方への傾きが大きく、前後方向での転倒リスクがあり、トレーニングで前後方向へ踏ん張りできるようにトレーニングを行い、転倒リスクを軽減させるためである。
アドバイス内容は、自宅の椅子などにつかまって行うトレーニング方法だけでなく、家族に支えてもらって行うトレーニング方法についても提案する内容である。この理由は、対象者211が自分ひとりでトレーニングを行うだけでなく、対象者211の家族に手伝ってもらうことでトレーニングの継続を促すためである。
【0094】
指導レポートH1の態様について説明する。
ここで、指導内容などを含む指導レポートH1に記述される内容、あるいは、記述の形式などとしては、任意の態様が用いられてもよい。
例えば、指導レポートH1では、文章、図形、グラフなどのうちの1以上が記述されてもよい。
【0095】
学習処理について説明する。
図27~
図29を参照して、学習処理について説明する。
図27は、実施形態に係る教師データの生成の一例を模式的に示す図である。なお、訓練データは、学習データなどと呼ばれてもよい。
図27には、第b1訓練データB1と、第b2訓練データB2と、第b3訓練データB3を示してある。
第b1訓練データB1は、第b1対象者情報B11と、第b1運動評価情報B12と、を含む。
第b2訓練データB2は、第b2対象者情報B21と、第b2運動評価情報B22と、を含む。
第b3訓練データB3は、第b3対象者情報B31と、第b3運動評価情報B32と、を含む。
【0096】
ここで、第b1運動評価情報B12、第b2運動評価情報B22および第b3運動評価情報B32は、同じパターンであるパターンBを有する運動評価情報である。
なお、同じパターンを有する運動評価情報を含む訓練データの数は、例えば、4個以上であってもよく、あるいは、2個であってもよいが、本実施形態では、説明の便宜上、3個である場合を例として説明する。このような訓練データの数は、実際には、例えば、多数である。
【0097】
指導員611は、第c1指導、第c2指導、第c3指導など、異なる指導を行い得るが、ここでは、第c1指導を例として説明する。本実施形態では、第c1指導は、その指導の内容が記述された指導レポートにより行われる。
指導員611が第b1訓練データB1に該当する対象者に第c1指導の内容を含む指導レポートを渡した後、その指導が反映された当該対象者について再び運動の測定を行う。そして、当該対象者が当該指導レポートを受け取った後における再測定の結果を第b1教師データB111として使用する。第b1教師データB111は、例えば、当該対象者について再び得られた運動評価情報であり、指導の効果があったか否かの情報を含む。
【0098】
例えば、指導前における運動評価情報と比べて指導後における運動評価情報が、所定の条件を満たす程度で向上している場合に、指導の効果があったとみなし、他の場合に、指導の効果が無かったとみなす。
本実施形態では、指導の効果があった場合を「効果あり」とも呼んでおり、指導の効果が無かった場合を「効果なし」とも呼んでいる。
【0099】
ここで、第b1訓練データB1および第c1指導から第b1教師データB111が生成される場合を示したが、同様に、第b2訓練データB2および第c1指導から第b2教師データB121が生成され、第b3訓練データB3および第c1指導から第b3教師データB131が生成される。
図27の例では、第b1教師データB111および第b2教師データB121は効果ありの場合であり、第b3教師データB131は効果なしの場合である。
【0100】
学習中モデルでの分析について説明する。
図28は、実施形態に係る学習中モデルA11での分析の一例を模式的に示す図である。
ここで、学習中モデルA11は、学習モデルA1が学習中の段階にある状態の学習モデルである。学習モデルA1は、学習前の状態から、学習中モデルA11の状態を経由して、学習済みモデルとなる。
【0101】
学習中モデルA11は、指導の結果から、対象者情報のうちで、いずれのパラメーターにいずれの情報がある場合に指導の効果があるのかの傾向を探す。
また、学習中モデルA11は、さらに、指導の効果の程度を判定してもよい。効果の程度は、例えば、効果の程度を表す数値により表されてもよく、一例として、効果が大きいほど当該数値が大きくなる。
【0102】
図28の例では、第b1教師データB111に対応する対象者の第b1対象者情報B11では、所定パラメーターの値が「〇〇〇」である。一例として、当該所定パラメーターは1個あり、「性格 対応型:依存型」である。
また、第b2教師データB121に対応する対象者の第b2対象者情報B21では、所定パラメーターの値が「△△△」である。一例として、当該所定パラメーターは1個あり、「性格 対応型:依存型」である。
また、第b3教師データB131に対応する対象者の第b3対象者情報B31では、所定パラメーターの値が「×××」である。一例として、当該所定パラメーターは1個あり、「性格 不対応型:内罰型」である。
【0103】
学習中モデルA11は、対象者情報のうち、どのようなステータスの対象者に効果があるのかを分析し、有効なステータスを探す。
図28の例では、第b1教師データB111に対応する対象者の性格と、第b2教師データB121に対応する対象者の性格は「対応型:依存型」であることを表すが、第b3教師データB131に対応する対象者の性格はそうではなく「不対応型:内罰型」であることを表す、ことを想定する。
そこで、学習中モデルA11は、運動評価情報がパターンBである場合に、性格が「対応型:依存型」である対象者に対して、第c1指導を行うと、効果があることを学習する。
【0104】
なお、
図28の例では、それぞれの対象者について、対象者情報と、指導前における運動評価情報と、指導の内容と、指導後における運動評価情報を学習処理に用いる場合を示してあるが、例えば、指導前における運動評価情報および指導後における運動評価情報としては、指導前における運動評価情報のパターンが識別可能であり、指導の効果が識別可能であれば、必ずしもそのままの情報が用いられなくてもよく、加工された情報が用いられてもよい。
【0105】
図29は、実施形態に係る学習中モデルA11での分析内容の一例を模式的に示す図である。
図29に示されるグラフにおいて、横軸は所定指標を表しており、縦軸は効果の程度を表している。当該縦軸では、±0のところで効果が無く、プラスの範囲で上に行くほど効果が大きく、マイナスの範囲で下へ行くほど逆効果が大きい。
図29には、運動評価情報がパターンBである多数の教師データの分析が行われた場合を想定した分析結果に係る分布特性511を示してある。なお、分布特性511は、説明のための例示であり、実際に得られた結果ではない。
図29の例では、所定指標は、例えば、所定パラメーター自体、または、所定パラメーターから得られる値である。
図29の例では、第b1教師データB111に対応する点が第b1点B211に相当し、第b2教師データB121に対応する点が第b2点B221に相当し、第b3教師データB131に対応する点が第b3点B231に相当する。
【0106】
このように、学習モデルA1は、対象者情報G1と運動評価情報G2とに紐付けられた対象者211が指導レポートH1を受け取った後における再測定の結果の相関関係を学習する。
なお、本実施形態では、指導の効果があるか否かの情報ばかりでなく、指導の効果の程度の情報を教師データとして用いる場合を示したが、他の例として、指導の効果があるか否かの情報が教師データとして用いられて、指導の効果の程度の情報が用いられなくてもよい。
【0107】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置1では、次のような構成とした。
対象者情報取得部111は、対象者211の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報G1を取得する。
運動評価情報取得部112は、対象者211の運動の評価に関する運動評価情報G2を取得する。
記憶部14は、学習済みモデルA2を記憶する。学習済みモデルA2は、対象者情報G1と運動評価情報G2とが入力された場合に、対象者211の運動情報G3の評価が向上すると推測され、年齢情報に基づいた指導内容を出力する。
レポート出力部113は、対象者情報G1と、運動評価情報G2と、を学習済みモデルA2に入力し、学習済みモデルA2から出力される指導内容が含まれる指導レポートH1を出力する。
【0108】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者211ごとに年齢に適した指導レポートH1を出力することができ、対象者211の運動を支援することができる。
例えば、情報処理装置1では、高齢の対象者211ごとに、歩行能力を含む運動に関する複数の指導内容のうち、対象者211の運動の評価を向上させる指導内容を推論し、推論した指導内容が含まれる指導レポートH1を出力することができ、これにより、対象者211の歩行能力などの向上を支援することができる。
【0109】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者情報G1は、対象者211の体格に関する体格情報を含む。
記憶部14は、対象者情報G1と運動評価情報G2とが入力された場合に、対象者211の運動情報G3の評価が向上すると推測され、年齢情報と体格情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルA2を記憶する。
【0110】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者211の年齢および体格に基づいて運動の支援を行うことができる。
なお、対象者情報G1に対象者211の体格情報が含まれない態様が用いられてもよい。
【0111】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者情報G1は、対象者211の性格に関する性格情報を含む。
記憶部14は、対象者情報G1と運動評価情報G2とが入力された場合に、対象者211の運動情報G3の評価が向上すると推測され、年齢情報と性格情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルA2を記憶する。
【0112】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者211の年齢および性格に基づいて運動の支援を行うことができる。
なお、対象者情報G1に対象者211の性格情報が含まれない態様が用いられてもよい。
【0113】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者情報G1は、対象者211の住んでいる場所および対象者211の家族構成に関する環境情報を含む。
記憶部14は、対象者情報G1と運動評価情報G2とが入力された場合に、対象者211の運動情報G3の評価が向上すると推測され、年齢情報と環境情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルA2を記憶する。
【0114】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者211の年齢および環境に基づいて運動の支援を行うことができる。
なお、対象者情報G1に対象者211の環境情報が含まれない態様が用いられてもよい。
【0115】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、運動評価情報G2は、対象者211の年齢における理想の運動情報と、対象者211の運動に関する運動情報G2と、を比較した情報である。
【0116】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者211の運動状態を理想の運動状態に近付けるように支援することができる。
ここで、理想の運動情報は、例えば、同じ年齢のすべての対象者211について同じであってもよく、あるいは、同じ年齢であっても、対象者211ごとに変化し得てもよい。
なお、理想の運動情報との比較とは別の手法で、運動の評価が行われる態様が用いられてもよい。
【0117】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者211に取り付けられる第1検出装置251からの情報に基づいて、対象者211の運動に関する運動情報G3を取得する運動情報取得部114を備える。
【0118】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者211自体の動きから、運動情報G3を取得することが可能である。
なお、第1検出装置251からの情報に基づいて運動情報G3を取得する運動情報取得部114の機能が情報処理装置1に備えられない態様が用いられてもよい。
【0119】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、第1検出装置251は、加速度、位置情報または角速度のうちの少なくとも1つに関する情報を検出する。
【0120】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者211自体の動きから、加速度、位置情報、角速度のうちの1以上に基づく運動情報G3を取得することが可能である。
なお、加速度、位置情報および角速度以外の情報に基づく運動情報が取得される態様が用いられてもよい。
【0121】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、運動に関する道具231に取り付けられる第2検出装置271からの情報に基づいて、対象者211の運動に関する運動情報G3を取得する。
【0122】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、運動に使用される道具231の動きから、運動情報G3を取得することが可能である。
なお、第2検出装置271からの情報に基づいて運動情報G3を取得する運動情報取得部114の機能が情報処理装置1に備えられない態様が用いられてもよい。
【0123】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、第2検出装置271は、加速度、位置情報、角速度のうちの少なくとも1つに関する情報を検出する。
【0124】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、運動に使用される道具231の動きから、加速度、位置情報、角速度のうちの1以上に基づく運動情報G3を取得することが可能である。
なお、加速度、位置情報および角速度以外の情報に基づく運動情報が取得される態様が用いられてもよい。
【0125】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、学習済みモデルA2は、対象者211に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報G1と運動評価情報G2とに基づく指導内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、学習中に対象者情報G2の複数のパラメーターのうち、有効となるパラメーターを分析する学習モデルである。
【0126】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、学習中の学習モデルは、入力情報に基づいて、対象者情報G1の複数のパラメーターのうち、有効となるパラメーターを分析することができる。
なお、これに限られず、学習中の学習モデルの内部の動作としては、学習のための任意の動作が行われてもよい。
【0127】
例えば、本実施形態に係る情報処理装置1では、次のような構成とした。
指導内容取得部115は、対象者211に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報G1と対象者211の運動の評価に関する運動評価情報G2とに基づく指導の内容を取得する。
運動情報評価部116は、指導後の対象者211の運動の評価に関する運動評価情報G2を取得する。
記憶部14は、学習中モデルA11を記憶する。学習中モデルA11は、指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、対象者情報G1の複数のパラメーターのうち、有効となるパラメーターを分析する。
【0128】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置1では、学習中モデルA11は、入力情報に基づいて、対象者情報G1の複数のパラメーターのうち、有効となるパラメーターを分析することができる。
【0129】
なお、本実施形態に係る情報処理装置1では、対象者211が身体能力維持のための運動を行う者であり、当該運動に関する支援を行う場合を示したが、これに限定されず、対象者211が他の運動を行う場合に適用されてもよい。
【0130】
以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。ここでいう「コンピューターシステム」は、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。「コンピューター読み取り可能な記録媒体」は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disc)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。「コンピューター読み取り可能な記録媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、RAMであってもよい。記録媒体は、非一時的記録媒体であってもよい。
【0131】
上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0132】
以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。プロセッサーは、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0133】
プロセッサーは、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。プロセッサーは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。プロセッサーは、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。プロセッサーは、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。プロセッサーは、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0134】
以上、実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0135】
[付記]
<構成例1>~<構成例13>を示す。
【0136】
<構成例1>
対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得する対象者情報取得部と、
前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動評価情報取得部と、
前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶する記憶部と、
前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力するレポート出力部と、
を備える情報処理装置。
【0137】
<構成例2>
前記対象者情報は、前記対象者の体格に関する体格情報を含み、
前記記憶部は、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報と前記体格情報に基づいた指導内容を出力する前記学習済みモデルを記憶する、
<構成例1>に記載の情報処理装置。
【0138】
<構成例3>
前記対象者情報は、前記対象者の性格に関する性格情報を含み、
前記記憶部は、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報と前記性格情報に基づいた指導内容を出力する前記学習済みモデルを記憶する、
<構成例1>または<構成例2>に記載の情報処理装置。
【0139】
<構成例4>
前記対象者情報は、前記対象者の住んでいる場所および前記対象者の家族構成に関する環境情報を含み、
前記記憶部は、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報と前記環境情報に基づいた指導内容を出力する前記学習済みモデルを記憶する、
<構成例1>から<構成例3>のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0140】
<構成例5>
前記運動評価情報は、前記対象者の年齢における理想の運動情報と、前記対象者の運動に関する運動情報と、を比較した情報である、
<構成例1>から<構成例4>のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0141】
<構成例6>
前記対象者に取り付けられる第1検出装置からの情報に基づいて、前記対象者の運動に関する運動情報を取得する運動情報取得部を備える、
<構成例1>から<構成例5>のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0142】
<構成例7>
前記第1検出装置は、加速度、位置情報または角速度のうちの少なくとも1つに関する情報を検出する、
<構成例6>に記載の情報処理装置。
【0143】
<構成例8>
前記学習済みモデルは、前記対象者に関する複数のパラメーターが含まれる前記対象者情報と前記運動評価情報とに基づく前記指導内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、学習中に前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する学習モデルである、
<構成例1>から<構成例7>のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0144】
以上のような情報処理装置により行われる情報処理方法を提供することも可能である。
<構成例9>
情報処理装置の対象者情報取得部が、対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得し、
前記情報処理装置の運動評価情報取得部が、前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得し、
前記情報処理装置の記憶部が、前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶し、
前記情報処理装置のレポート出力部が、前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力する、
情報処理方法。
【0145】
以上のような情報処理装置におけるプロセッサーにより実行されるプログラムを記録するプログラム記録媒体を提供することも可能である。
<構成例10>
プログラムを記録するプログラム記録媒体であって、
前記プログラムは、コンピューターに、
対象者の年齢を示す年齢情報を含む対象者情報を取得する対象者情報取得機能と、
前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動評価情報取得機能と、
前記対象者情報と前記運動評価情報とが入力された場合に、前記対象者の運動情報の評価が向上すると推測され、前記年齢情報に基づいた指導内容を出力する学習済みモデルを記憶する記憶部に記憶された前記学習済みモデルに、前記対象者情報と、前記運動評価情報と、を入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容が含まれる指導レポートを出力するレポート出力機能と、
を実現させる、
プログラム記録媒体。
【0146】
<構成例11>
対象者に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報と前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報とに基づく指導の内容を取得する指導内容取得部と、
指導後の前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得する運動情報評価部と、
指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する学習中モデルを記憶する記憶部と、
を備える情報処理装置。
【0147】
上記のような学習中モデルを提供することも可能である。
<構成例12>
対象者に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報と、前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報と、に基づく指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する、
学習中モデル。
【0148】
上記のような情報処理装置により行われる情報処理方法を提供することも可能である。
<構成例13>
情報処理装置の指導内容取得部が、対象者に関する複数のパラメーターが含まれる対象者情報と前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報とに基づく指導の内容を取得し、
前記情報処理装置の運動情報評価部が、指導後の前記対象者の運動の評価に関する運動評価情報を取得し、
前記情報処理装置の記憶部が、指導の内容と、指導後の運動評価情報と、が入力された場合、前記対象者情報の複数の前記パラメーターのうち、有効となる前記パラメーターを分析する学習中モデルを記憶する、
情報処理方法。
【符号の説明】
【0149】
1…情報処理装置、11…入力部、12…出力部、13…通信部、14…記憶部、15…制御部、111…対象者情報取得部、112…運動評価情報取得部、113…レポート出力部、114…運動情報取得部、115…指導内容取得部、116…運動情報評価部、211…対象者、231…道具、251…第1検出装置、271…第2検出装置、511…分布特性、611…指導員、A1…学習モデル、A2…学習済みモデル、A11…学習中モデル、B1…第b1訓練データ、B2…第b2訓練データ、B3…第b3訓練データ、B11…第b1対象者情報、B12…第b1運動評価情報、B21…第b2対象者情報、B22…第b2運動評価情報、B31…第b3対象者情報、B32…第b3運動評価情報、B111…第b1教師データ、B121…第b2教師データ、B131…第b3教師データ、B211…第b1点、B221…第b2点、B231…第b3点、G1…対象者情報、G2…運動評価情報、G3…運動情報、H1…指導レポート、D1…第1右足方向、D2…第1左足方向、D3…第1地面方向、D4…第1つま先方向、D11…第1膝上方向、D12…第1膝下方向、D13…第1右脚方向、D14…第1左脚方向、D21…第1上位置、D22…第1下位置、D23…第1上方向、D24…第1上半身方向、D25…第1前方向、P1…第1右足特性、P1a…第1a右足特性、P2…第1左足特性、P2a…第1a左足特性、P10…第1理想特性、P11…第1歩行特性、P20…第2理想特性、P21…第2歩行特性、P30…第3理想特性、P31…第3歩行特性、Q1…第1接地タイミング、Q1a…第1a接地タイミング、Q1b…第1b接地タイミング、Q1c…第1c接地タイミング、Q1d…第1d接地タイミング、Q1e…第1e接地タイミング、Q1f…第1f接地タイミング、Q1g…第1g接地タイミング、Q1h…第1h接地タイミング、Q2…第2接地タイミング、Q2a…第2a接地タイミング、Q2b…第2b接地タイミング、Q2c…第2c接地タイミング、Q2d…第2d接地タイミング、Q2e…第2e接地タイミング、Q2f…第2f接地タイミング、Q2g…第2g接地タイミング、Q2h…第2h接地タイミング、R1…第1歩行周期、R1a…第1a歩行周期、R1b…第1b歩行周期、R1c…第1c歩行周期、R1d…第1d歩行周期、R1e…第1e歩行周期、R1f…第1f歩行周期、R1g…第1g歩行周期、R1h…第1h歩行周期、t1…第1重複時間、t2…第2重複時間、T1…第1テーブル、T2…第2テーブル、T3…第3テーブル、T4…第4テーブル、T5…第5テーブル、T6…第6テーブル、T7…第7テーブル、T8…第8テーブル、T9…第9テーブル、T10…第10テーブル、T11…第11テーブル、T12…第12テーブル、T13…第13テーブル、T14…第14テーブル、T15…第15テーブル、θ1…第1角度、θ2…第2角度、θ3…第3角度、θ4…第4角度、θ5…第5角度