(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139912
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】検査装置及びブリスタ包装機
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20241003BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20241003BHJP
B65B 9/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G01N21/892 A
B65B57/00 A
B65B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050856
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】田口 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】今泉 汐理
(72)【発明者】
【氏名】小田 将蔵
【テーマコード(参考)】
2G051
3E050
【Fターム(参考)】
2G051AA32
2G051BA05
2G051BA11
2G051BB02
2G051BB09
2G051CA03
2G051CA04
2G051CB01
2G051CC07
3E050AA02
3E050AA03
3E050AA10
3E050AB05
3E050AB08
3E050BA12
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3E050HA01
3E050HA02
3E050HA04
3E050HA07
3E050HB03
(57)【要約】
【課題】打ち抜きズレに関する良否判定をより精度よく行うことが可能な検査装置等を提供する。
【解決手段】打ち抜きズレ検査装置は、PTPシート1に対し長辺部1a側の斜め上方から平行光を照射する照明装置41と、該平行光の照射されたPTPシート1を真上から撮像するカメラ42と、該カメラ42によって撮像された画像データに基づいて各種画像処理を行う画像処理装置43とを備えている。照明装置41が照射する光及びカメラ42が撮像する光は、波長が200nm以上390nm以下の紫外光とされる。そのため、PTPシート1にシール目が設けられる場合であっても、撮像された画像データ上において、容器フィルム一般部3aが比較的暗く映る。これにより、ポケット部2の位置検出が容易となり、PTPシート1の打ち抜きに係る良否判定精度を高めることができる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポケット部の形成された帯状の容器フィルムに対し内容物を充填した後、前記ポケット部を塞ぐようにして前記容器フィルムに対しカバーフィルムを取着することでブリスタフィルムとし、該ブリスタフィルムをシート単位に打ち抜くことにより平面視略矩形状に製造されたブリスタシートを検査する検査装置であって、
前記ブリスタシートは、凹凸を有する取着手段により前記容器フィルムに対し前記カバーフィルムが取着されることで形成された、前記容器フィルムに対し前記カバーフィルムが食い込んでなるシール目が、前記容器フィルムにおける前記ポケット部の形成されていない平坦な容器フィルム一般部に対応して設けられるとともに、前記容器フィルムが透明又は半透明のポリプロピレン又はポリ塩化ビニルからなり、かつ、前記カバーフィルムがアルミニウムからなるものであり、
前記ブリスタシートの周縁部のうちの所定の一辺側から、該ブリスタシートの前記容器フィルム側に対し平行光を照射可能な照射手段と、
前記ブリスタシートにおける前記容器フィルム一般部に対し直交する方向から、前記ブリスタシートの容器フィルム側を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記ブリスタシートの前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度を、該容器フィルム一般部にて反射した該平行光の正反射光が前記撮像手段に入射しない所定角度に設定するとともに、
前記画像処理装置は、
前記画像信号から得た画像データに基づき、前記ブリスタシートの前記所定の一辺に対する前記ポケット部の位置を検出するポケット部検出手段と、
前記ポケット部の位置データを基に、前記ブリスタシートの打ち抜きの良否を判定する判定手段とを備え、
前記照射手段が照射する光及び前記撮像手段が撮像する光を、波長が200nm以上390nm以下の紫外光としたことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記照射手段が照射する光及び前記撮像手段が撮像する光を、波長が200nm以上280nm以下の紫外光としたことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記照射手段から前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度を25°以上80°未満としたことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記容器フィルム一般部の厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部を通る前記ブリスタシートの所定の断面において、前記シール目が断面三角形状をなすとともに、該シール目の頂部の角度θが90°以上150°以下とされることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
前記容器フィルム一般部の厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部を通る前記ブリスタシートの所定の断面において、前記シール目が断面三角形状をなすとともに、前記照射手段から前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度をβ(°)とし、前記シール目の頂部の角度をθ(°)とし、前記容器フィルムの屈折率をnとしたとき、
β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすように、前記照射手段から前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度βを設定することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
透明又は半透明のポリプロピレン又はポリ塩化ビニルからなるとともにポケット部の形成された帯状の容器フィルムに対し、アルミニウムからなるカバーフィルムを取着することでブリスタシートとするとともに、前記容器フィルムにおける前記ポケット部の形成されていない平坦な容器フィルム一般部に対応して、前記容器フィルムに対し前記カバーフィルムが食い込んでなるシール目を形成する取着手段と、
前記ブリスタフィルムをシート単位に打ち抜くことにより平面視略矩形状のブリスタシートを得る打抜手段と、
前記打抜手段によって得られた前記ブリスタシートの打ち抜きの良否を判定するための請求項1に記載の検査装置とを備えることを特徴とするブリスタ包装機。
【請求項7】
前記取着手段は、前記容器フィルム一般部の厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部を通る前記ブリスタシートの所定の断面において、断面三角形状をなすとともに、頂部の角度θが90°以上150°以下となる前記シール目を形成可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載のブリスタ包装機。
【請求項8】
前記ブリスタシートの厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部を通る前記ブリスタシートの所定の断面において、前記シール目が断面三角形状をなすとともに、前記照射手段から前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度をβ(°)とし、前記シール目の頂部の角度をθ(°)とし、前記容器フィルムの屈折率をnとしたとき、
前記取着手段は、β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たす前記シール目を形成可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載のブリスタ包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスタシートの打抜きに関する検査を行うための検査装置、及び、該検査装置を備えたブリスタ包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に医薬品等の分野において用いられるブリスタシートとしてPTP(プレススルーパック)シートが知られている。PTPシートは、錠剤などの内容物が収容されるポケット部を有する容器フィルムと、その容器フィルムに対しポケット部の開口側を密封するように取着されるカバーフィルムとを備えている。
【0003】
上記のようなブリスタシートは、ブリスタ包装機によって製造することができる。ブリスタ包装機は、搬送される帯状の容器フィルムに対しポケット部を形成する手段、ポケット部に内容物を充填する手段、ポケット部の開口側を密封するように容器フィルムに対し帯状のカバーフィルムを取着する手段、容器フィルム及びカバーフィルムからなる帯状のブリスタフィルムをシート単位に打ち抜くことで、ブリスタシートを得る手段などを備えている。
【0004】
ところで、このように製造されたブリスタシートに対しては、上述したブリスタフィルムに対する打ち抜きが適正に行われたか否か、すなわち打ち抜きズレが発生していないか否かの検査を行うことがある。打ち抜きズレの検査を行うための検査装置としては、ブリスタシートの容器フィルム側に対し平行光を照射する照射手段と、ブリスタシートの真上から該ブリスタシートにおける容器フィルム側を撮像する撮像手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。この検査装置によれば、撮像手段により得られた画像データにおいて、容器フィルムにおけるポケット部の形成されていない部位(容器フィルム一般部)を暗部とし、ポケット部における前記容器フィルム一般部から立ち上がるように形成された付根部を明部とすることができる。そのため、ポケット部の位置を検出することができ、ひいては打ち抜きズレに関する良否を判定することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ブリスタシートにおいて、内容物を視認可能とするなどの点から、容器フィルムを透明又は半透明の材料によって形成し、内容物の取り出しやすさなどの点から、カバーフィルムを薄肉のアルミニウム等によって形成することがある。また、容器フィルムに対しカバーフィルムをより確実に取着するなどの点から、平坦な前記容器フィルム一般部に対応して、容器フィルムに対しカバーフィルムが食い込んでなるシール目を設けることがある。シール目は、凹凸を有する取着手段を用いて容器フィルムに対しカバーフィルムを取着することで形成することができる。
【0007】
ここで、上記のようなブリスタシートに関する打ち抜きズレの検査を、前記検査装置を利用して行うことが考えられる。しかしながら、この場合には、容器フィルムに入射した光がシール目にて反射することで、撮像手段側に向けてこの反射光が出射され得る。そのため、この反射光の影響によって、画像データに基づくポケット部の位置検出が行いにくくなり、ひいては打ち抜きズレに関する良否判定を精度よく行うことができないおそれがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、打ち抜きズレに関する良否判定をより精度よく行うことが可能な検査装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0010】
手段1.ポケット部の形成された帯状の容器フィルムに対し内容物を充填した後、前記ポケット部を塞ぐようにして前記容器フィルムに対しカバーフィルムを取着することでブリスタフィルムとし、該ブリスタフィルムをシート単位に打ち抜くことにより平面視略矩形状に製造されたブリスタシートを検査する検査装置であって、
前記ブリスタシートは、凹凸を有する取着手段により前記容器フィルムに対し前記カバーフィルムが取着されることで形成された、前記容器フィルムに対し前記カバーフィルムが食い込んでなるシール目が、前記容器フィルムにおける前記ポケット部の形成されていない平坦な容器フィルム一般部に対応して設けられるとともに、前記容器フィルムが透明又は半透明のポリプロピレン又はポリ塩化ビニルからなり、かつ、前記カバーフィルムがアルミニウムからなるものであり、
前記ブリスタシートの周縁部のうちの所定の一辺側から、該ブリスタシートの前記容器フィルム側に対し平行光を照射可能な照射手段と、
前記ブリスタシートにおける前記容器フィルム一般部に対し直交する方向から、前記ブリスタシートの容器フィルム側を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記ブリスタシートの前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度を、該容器フィルム一般部にて反射した該平行光の正反射光が前記撮像手段に入射しない所定角度に設定するとともに、
前記画像処理装置は、
前記画像信号から得た画像データに基づき、前記ブリスタシートの前記所定の一辺に対する前記ポケット部の位置を検出するポケット部検出手段と、
前記ポケット部の位置データを基に、前記ブリスタシートの打ち抜きの良否を判定する判定手段とを備え、
前記照射手段が照射する光及び前記撮像手段が撮像する光を、波長が200nm以上390nm以下の紫外光としたことを特徴とする検査装置。
【0011】
尚、「前記容器フィルム一般部に対し直交する方向」とあるのは、ブリスタシートに反りが生じていない場合における容器フィルム一般部に対し直交する方向をいう。また、「アルミニウムからなる」とあるのは、アルミニウム単体からなるもののみならず、アルミラミネートフィルムや樹脂製のシーラントが表面に塗布されたアルミニウム箔など、アルミニウムを基材としたものを含む。
【0012】
上記手段1によれば、ブリスタシートの周縁部のうちの所定の一辺側から、該ブリスタシートの容器フィルム側に対し平行光を照射し、ブリスタシートの真上から、該ブリスタシートの容器フィルム側を撮像する。
【0013】
ここで、照射手段が照射する光及び撮像手段が撮像する光は、波長が200nm以上390nm以下の紫外光とされる。そのため、ポリプロピレン又はポリ塩化ビニルからなる容器フィルム内に入射した光を、該容器フィルム内にて速やかに減衰させることができる。これにより、シール目を反射した光が撮像手段側に向けて出射されることを抑制できる。
【0014】
さらに、上記手段1によれば、PTPシートの容器フィルム一般部に照射された平行光の正反射光(正反射成分)が撮像手段に入射されないように設定されている。そのため、シール目を反射した光の撮像手段側への出射を抑制可能であることと相俟って、容器フィルム一般部に対応してシール目が設けられる場合であっても、撮像された画像データ上において、容器フィルム一般部を全体的に比較的暗いものとすることができる。
【0015】
一方、容器フィルム一般部から立ち上がるように形成されたポケット部の付根部、すなわち容器フィルム一般部とポケット部との境界部では、容器フィルムが円弧状に湾曲し、略水平方向から略垂直方向まで連続的に傾斜角度が変化している。そのため、ポケット部の付根部の一部に照射された平行光の反射光は、正反射光として撮像手段に入射することとなる。これにより、撮像された画像データ上においては、ポケット部の付根部の一部を部分的に非常に明るいものとすることができる。
【0016】
従って、上記手段1によれば、容器フィルム一般部に対応してシール目が設けられる場合であっても、容器フィルム一般部が暗部となり、ポケット部の付根部が明部となった画像データをより確実に得ることができる。その結果、画像データを用いたポケット部の位置検出をより正確に行うことができ、ひいては打ち抜きズレに関する良否判定をより精度よく行うことが可能となる。
【0017】
また、上記手段1では、照射光として平行光を用いているため、拡散光等を用いた場合に比べ、画像データにおける明暗がよりはっきりしたものとなる。従って、ポケット部の位置検出がより容易となる。
【0018】
さらに、ブリスタシートを真上から撮像するため、ブリスタシート全体を一回の撮像で検査することができ、検査効率の向上を図ることができる。また、斜め上方から撮像する場合等に比べて、撮像手段のレンズの画角等の影響を出にくくすることができる。
【0019】
手段2.前記照射手段が照射する光及び前記撮像手段が撮像する光を、波長が200nm以上280nm以下の紫外光としたことを特徴とする手段1に記載の検査装置。
【0020】
上記手段2によれば、容器フィルム内に入射した光を、該容器フィルム内にてより速やかに減衰させることができる。これにより、容器フィルム一般部に対応してシール目が設けられる場合であっても、容器フィルム一般部をより確実に比較的暗いものとすることができる。その結果、画像データを用いたポケット部の位置検出を一層正確に行うことが可能となり、打ち抜きズレに関する良否判定精度をより高めることができる。
【0021】
手段3.前記照射手段から前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度を25°以上80°未満としたことを特徴とする手段1に記載の検査装置。
【0022】
尚、「前記照射手段から前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度」とあるのは、ブリスタシートに反りが生じていない場合の照射角度をいう(後述する手段5においても同様)。
【0023】
上記手段3によれば、照射手段から容器フィルム一般部に対する平行光の照射角度(入射角度)が25°以上とされる。従って、検査対象となるブリスタシートに最大10°程度の反りが生じていた場合であっても、容器フィルム一般部にて反射した平行光の正反射光(正反射成分)が撮像手段に入射されない設定とすることがより確実に可能となる。
【0024】
一方、上記手段3によれば、照射手段から容器フィルム一般部に対する平行光の照射角度が80°未満とされる。従って、検査対象となるブリスタシートに最大10°程度の反りが生じていた場合であっても、照射手段からポケット部の付根部に向けて照射された光が、ブリスタシートの端縁部によって遮られるといった事態が生じないようになる。これにより、打ち抜きズレに関し、良好な良否判定精度をより確実に得ることができる。
【0025】
手段4.前記容器フィルム一般部の厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部を通る前記ブリスタシートの所定の断面において、前記シール目が断面三角形状をなすとともに、該シール目の頂部の角度θが90°以上150°以下とされることを特徴とする手段1に記載の検査装置。
【0026】
容器フィルムに入射した光は容器フィルム内にて速やかに減衰するが、場合によっては、シール目を反射した光のごく一部が容器フィルムから真上に向けて出射し得る。ここで、このような真上に向けて出射する光としては、カバーフィルムのうちのシール目を形成していない比較的平坦な部位(「非シール目部位」という)の表面を反射した後に、シール目の表面を再度反射した光(「2回反射光」という)が考えられる。
【0027】
ここで、断面三角形状をなすシール目の底辺に相当する部位と平行な基準線に対する、非シール目部位を反射してシール目の表面に入射する光のなす角の角度をα(°)としたとき、真上に向けた2回反射光の出射が生じるような角度αが0°以下であれば、結果的に、真上に向けた2回反射光の出射が生じないことになる。そこで、真上に向けた2回反射光の出射が生じるような角度αについて考えてみると、シール目の頂部の角度をθとしたとき、この角度αは、90°-θ[=〔(180°-θ)/2〕―(θ/2)]で表すことができる。従って、上記手段4のように、90°≦θ(90°-θ≦0°)を満たすことで、真上に向けた2回反射光の出射が生じるような角度αを0°以下とすること、つまり、真上に向けた2回反射光の出射を生じさせるような非シール部位からの反射光が生じ得ない状態とすることができる。そして、真上に向けた2回反射光の出射が生じないようにすることができるから、画像データを用いたポケット部の位置検出をさらに正確に行うことができ、ひいては打ち抜きズレに関する良否判定精度をより一層高めることができる。
【0028】
また、角度θを過度に大きくした場合には、容器フィルムに対しカバーフィルムをより確実に取着するというシール目の効果が十分に発揮されないおそれがあるところ、上記手段4によれば、角度θは150°以下とされる。従って、シール目を設けることによる効果を十分に発揮させることできる。
【0029】
尚、検査対象となるブリスタシートに最大10°程度の反りが生じていた場合であっても、真上に向けた2回反射光の出射をより確実に防止するという点では、θ≧100°を満たすように構成することが好ましい。
【0030】
手段5.前記容器フィルム一般部の厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部を通る前記ブリスタシートの所定の断面において、前記シール目が断面三角形状をなすとともに、前記照射手段から前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度をβ(°)とし、前記シール目の頂部の角度をθ(°)とし、前記容器フィルムの屈折率をnとしたとき、
β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすように、前記照射手段から前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度βを設定することを特徴とする手段1に記載の検査装置。
【0031】
上述の通り、容器フィルムに入射した光は容器フィルム内にて速やかに減衰するが、場合によっては、シール目を反射した光のごく一部が容器フィルムから真上に向けて出射し得る。ここで、このような真上に向けて出射する光としては、上述の2回反射光に加えて、シール目のみを反射した光(1回反射光)が考えられる。
【0032】
ここで、容器フィルムの屈折率をnとし、照射手段から容器フィルム一般部に対する平行光の照射角度(入射角度)をβ(°)とし、容器フィルムに入射した光の屈折角度をγ(°)としたとき、1×sinβ=n×sinγの式が満たされる。1は空気の屈折率である。従って、照射角度βは、arcsin〔n×sinγ〕の式で表すことができる。
【0033】
一方、γ=180°-θを満たすときには、真上に向けた1回反射光の出射が生じ得る。従って、照射角度βについては、β=arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすときに、真上に向けた1回反射光の出射が生じ得るといえる。
【0034】
この点、上記手段5によれば、β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすように、照射手段から容器フィルム一般部に対する平行光の照射角度βが設定される。つまり、真上に向けた1回反射光の出射が生じ得る条件を満たさないように、照射角度βが設定される。従って、真上に向けた1回反射光の出射をより確実に防止することができ、ポケット部の位置検出をより一層正確に行うことができる。その結果、打ち抜きズレに関する良否判定精度をより効果的に高めることができる。
【0035】
手段6.透明又は半透明のポリプロピレン又はポリ塩化ビニルからなるとともにポケット部の形成された帯状の容器フィルムに対し、アルミニウムからなるカバーフィルムを取着することでブリスタシートとするとともに、前記容器フィルムにおける前記ポケット部の形成されていない平坦な容器フィルム一般部に対応して、前記容器フィルムに対し前記カバーフィルムが食い込んでなるシール目を形成する取着手段と、
前記ブリスタフィルムをシート単位に打ち抜くことにより平面視略矩形状のブリスタシートを得る打抜手段と、
前記打抜手段によって得られた前記ブリスタシートの打ち抜きの良否を判定するための手段1に記載の検査装置とを備えることを特徴とするブリスタ包装機。
【0036】
上記手段6によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
【0037】
手段7.前記取着手段は、前記容器フィルム一般部の厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部を通る前記ブリスタシートの所定の断面において、断面三角形状をなすとともに、頂部の角度θが90°以上150°以下となる前記シール目を形成可能に構成されていることを特徴とする手段6に記載のブリスタ包装機。
【0038】
上記手段7によれば、上記手段4と同様の作用効果が奏される。
【0039】
手段8.前記ブリスタシートの厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部を通る前記ブリスタシートの所定の断面において、前記シール目が断面三角形状をなすとともに、前記照射手段から前記容器フィルム一般部に対する前記平行光の照射角度をβ(°)とし、前記シール目の頂部の角度をθ(°)とし、前記容器フィルムの屈折率をnとしたとき、
前記取着手段は、β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たす前記シール目を形成可能に構成されていることを特徴とする手段6に記載のブリスタ包装機。
【0040】
上記手段8によれば、上記手段5と同様の作用効果が奏される。
【0041】
尚、上記各手段に係る技術事項を適宜組み合わせてもよい。例えば、上記手段2に係る技術事項に対し、上記手段3に係る技術事項を組み合わせてもよいし、上記手段7に係る技術事項に対し、上記手段8に係る技術事項を組み合わせてもよい。また、上記手段6に係る技術事項に対し、上記手段2~5のうちの少なくとも1つに係る技術事項を組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図4】カバーフィルム側から見たPTPシートや、PTPシートに設けられたシール目などを示すための斜視模式図である。
【
図5】シール目の深さなどを示すためのPTPシートの拡大断面模式図である。
【
図6】PTP包装機の概略構成を示す模式図である。
【
図7】加熱ロールの表面に設けられた凸条部を示すための斜視模式図である。
【
図8】打ち抜きズレ検査装置の構成を説明するための平面模式図である。
【
図9】打ち抜きズレ検査装置の構成を説明するための正面模式図である。
【
図10】打ち抜きズレ検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図11】画像処理装置により実行される検査処理を示すフローチャートである。
【
図12】PTPシートを撮像して得られた輝度画像やJ-J線に沿った明度を示す説明図である。
【
図13】1回反射光や2回反射光を説明するためのPTPシートの拡大断面模式図である。
【
図14】頂部の角度を90°以上としたことの理由を説明するためのPTPシートの拡大断面模式図である。
【
図15】β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすように照射角度βを設定することの理由を説明するためのPTPシートの拡大断面模式図である。
【
図16】反りが生じたPTPシートを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず検査対象となる「ブリスタシート」としてのPTPシートの構成について詳しく説明する。
【0044】
図1,2に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。
【0045】
容器フィルム3は、透明又は半透明のポリプロピレン(PP)又はポリ塩化ビニル(PVC)によって構成され、光透過性を有している。容器フィルム3は、所定の厚さT(
図5参照)を有しており、厚さTは、例えば120μm以上300μm以下とされている。
【0046】
また、容器フィルム3は、ポケット部2の形成されていない平坦な容器フィルム一般部3aを有している。容器フィルム一般部3aは、カバーフィルム4の取着対象となる部位である。そして、ポケット部2には、容器フィルム一般部3aから立ち上がるように形成された付根部2aが設けられている。付根部2aにおいては、容器フィルム3が円弧状に湾曲しており、付根部2aの傾斜角度は、略水平方向から略垂直方向まで連続的に変化している。
【0047】
一方、カバーフィルム4は、薄肉(例えば約15~20μm)のアルミニウム(アルミニウム箔)によって構成されている。本実施形態において、カバーフィルム4は、例えば所定の樹脂等からなるシーラントが表面に塗布されたアルミニウム箔などによって構成されている。尚、カバーフィルム4を、アルミラミネートフィルムなどによって構成してもよい。
【0048】
また、本実施形態において、カバーフィルム4のうち容器フィルム3に取着される側の面の反射率は60%以上とされている。反射率とは、物体に照射する光の放射束に対する反射した光の放射束の比であり、全反射率を意味する。尚、カバーフィルム4に印刷部を設ける場合、反射率は、該印刷部が設けられていない部位を対象としたものをいう。また、ここでいう反射率とは、容器フィルム3に対する取着前の反射率をいう。
【0049】
PTPシート1は、平面視略矩形状に形成されている。PTPシート1には、その長辺部1a方向に沿って配列された5個のポケット部2からなるポケット列が、その短辺部1b方向に2列形成されている。つまり、計10個のポケット部2が形成されている。各ポケット部2には、「内容物」としての錠剤5が1つずつ収容されている。
【0050】
また、
図4,5に示すように、PTPシート1には、容器フィルム一般部3aに対応して、容器フィルム3に対しカバーフィルム4が食い込んでなる複数の凸条のシール目4aが設けられている。シール目4aは、容器フィルム3に対しカバーフィルム4をより確実に取着するためのものである。本実施形態において、複数のシール目4aは、平行四辺形の網目状をなすようにして設けられている。尚、
図1,2等では、シール目4aの図示を省略している。
【0051】
加えて、容器フィルム一般部3aの厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部3aを通るPTPシート1の所定の断面において、シール目4aは断面三角形状をなしている。そして、該断面において、シール目4aの頂部の角度θは90°以上150°以下とされている。本実施形態において、「所定の断面」とは、シール目4aの延びる方向と直交する方向に沿った断面をいう。
【0052】
また、平行な複数のシール目4aは10mm当たり8本以上13本以下設けられている。さらに、シール目4aの深さDは、0.05mm以上0.2mm以下(50μm以上200μm以下)とされている。
【0053】
尚、シール目4aを、凸条ではなく、点状の突起としてもよい。つまり、複数のシール目4aを散点状に設けてもよい。
【0054】
PTPシート1は、帯状の容器フィルム3及び帯状のカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6(
図3参照)がシート状に打抜かれることにより製造される。本実施形態では、PTPフィルム6が「ブリスタフィルム」に相当する。
【0055】
次に、上記PTPシート1を製造するためのPTP包装機8の概略について説明する。
【0056】
図6に示すように、PTP包装機8の最上流側には、ロール状に巻回された容器フィルム3の原反が配置され、ここから容器フィルム3が間欠的に搬送されていく。
【0057】
その下流側には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、加熱装置12とポケット部形成装置13とが順に配設されている。これら加熱装置12及びポケット部形成装置13によって、ポケット部2が成形される。
【0058】
ポケット部形成装置13の下流側には、容器フィルム3のポケット部2に対し、錠剤5を充填する充填装置16が配設されている。さらに、充填装置16の下流側には、錠剤検査装置17が配設されている。錠剤検査装置17は、錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、錠剤5の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うためのものである。
【0059】
一方、ロール状に巻回されたカバーフィルム4の原反の引出し端は、フィルム受けロール18の方へと案内されている。フィルム受けロール18には、加熱ロール19が圧接可能となっている。そして、容器フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3に対しカバーフィルム4が取着される。これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造される。本実施形態では、フィルム受けロール18及び加熱ロール19によって「取着手段」が構成される。
【0060】
また、本実施形態において、加熱ロール19のうち両ロール18,19間を通過するカバーフィルム4と相対向する面は、シール目4aを形成するための凹凸を備えている。より詳しくは、加熱ロール19のうち両ロール18,19間を通過するカバーフィルム4と相対向する面には、角状(断面三角形状)に突出する凸条部19aが複数設けられている(
図7参照)。各凸条部19aは、平行四辺形の網目状をなすように配設されている。そして、両ロール18,19を通過する両フィルム3,4が凸条部19aによって押圧されることで、製造されたPTPフィルム6にシール目4aが形成される。
【0061】
また、加熱ロール19は、容器フィルム一般部3aの厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部3aを通るPTPシート1の所定の断面において、断面三角形状をなすとともに、頂部の角度θが90°以上150°以下となるシール目4aを形成可能に構成されている。本実施形態では、凸条部19aの形状を適切に設定することで、上記のようなシール目4aが形成される。
【0062】
フィルム受けロール18の下流には、スリット形成装置22及び刻印装置23が順に配設されている。スリット形成装置22は、PTPフィルム6の所定位置に切離用スリット(図示略)を形成する機能を有する。刻印装置23は、PTPフィルム6の所定位置にロットナンバー等の識別情報を示す刻印(図示略)を付す機能を有する。
【0063】
さらに、刻印装置23の下流には、シート打抜装置24が設けられている。シート打抜装置24は、PTPフィルム6をPTPシート1単位に打抜く「打抜手段」としての機能を有する。
【0064】
シート打抜装置24の下流側には、シート打抜装置24からの端材25を貯留するためのスクラップ用ホッパ26が設けられている。
【0065】
また、シート打抜装置24の下側には、打ち抜かれたPTPシート1を移送するためのコンベア28が設けられている。打ち抜かれたPTPシート1は、前記コンベア28によって、ポケット部2を上にした状態で下流側の集積手段(図示略)の方へ移送される。
【0066】
尚、前記集積手段では、例えば2枚1組のPTPシート1が互いにポケット部2同士を向き合うようにしてセットされた上で、複数組のPTPシート1が集積され積上げられる。その後、PTPシート1は、バンド(結束)工程や製袋工程へと案内され、最終的には箱詰めされる。
【0067】
さて、シート打抜装置24により打ち抜かれたPTPシート1を移送するコンベア28上には、PTPシート1の打ち抜きの良否を検査するための打ち抜きズレ検査装置40が設けられている。本実施形態では、打ち抜きズレ検査装置40が「検査装置」を構成する。そして、錠剤検査装置17や打ち抜きズレ検査装置40によって不良品判定された場合、その不良品判定に係るPTPシート1は、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0068】
PTP包装機8の概略は以上のとおりであるが、以下においては、上記打ち抜きズレ検査装置40の構成について
図8,9,10を参照してより詳しく説明する。
【0069】
図8~10に示すように、打ち抜きズレ検査装置40は、PTPシート1に対し所定の光を照射するための照明装置41と、光の照射されたPTPシート1を撮像するためのカメラ42と、該カメラ42によって撮像された画像データに基づいて各種画像処理を行う画像処理装置43と、出力手段としてのモニタ44と、入力手段としてのキーボード45とを備えている。本実施形態では、照明装置41が「照射手段」を構成し、カメラ42が「撮像手段」を構成する。
【0070】
照明装置41は、コンベア28により水平搬送されるPTPシート1の搬送方向Xに所定間隔をあけて設けられた第一照明41a及び第二照明41bを備えている(
図8参照)。コンベア28上において、PTPシート1は、その短辺部1bがほぼ搬送方向Xに沿うものとなり、また、その長辺部1aがほぼ搬送方向Xと直交する方向に沿うものとなる状態で搬送されていく。これに対応するように、両照明41a,41bは、それぞれPTPシート1の搬送方向Xと直交する方向に対し平行に配置されている(
図8参照)。そして、両照明41a,41bは、PTPシート1の長辺部1a側の斜め上方から該PTPシート1に対し光を照射するようになっている。
【0071】
加えて、両照明41a,41bは、LED実装基板60を備えている。LED実装基板60には、紫外光を照射可能なLEDが多数配列されている(図示略)。そして、照明装置41から照射される光は、波長が200nm以上390nm以下の紫外光とされている。特に本実施形態において、照明装置41から照射される光は、波長が200nm以上280nm以下の紫外光とされている。
【0072】
さらに、LED実装基板60には、プリズムフィルム61が並設されている。プリズムフィルム61は、LED実装基板60に面した入射面61aと、その反対側(PTPシート1側)に位置する出射面61bとを備えている。
【0073】
入射面61aは平坦に形成されている一方、出射面61bには、断面三角形状の突条部61cが所定方向に沿って複数並設されている。これにより、プリズムフィルム61は、入射面61aからLED実装基板60の光を入射し、出射面61bから平行光のみを出射することができる。結果として、PTPシート1に対し平行光のみが照射される。尚、プリズムフィルム61を用いることなく平行光(略平行光)を照射可能な他の構成を採用してもよい。
【0074】
加えて、各照明41a,41bからPTPシート1の容器フィルム一般部3aに対する平行光の照射角度xは、該容器フィルム一般部3aにて反射した該平行光の正反射光がカメラ42に入射しない角度に設定されている。これにより、容器フィルム一般部3aにて反射した平行光の正反射光(反射光の正反射成分)はカメラ42に入射しないこととなる。一方、ポケット部2の付根部2aなど、PTPシート1の所定部位に反射した前記平行光の正反射光はカメラ42に入射する。これにより、ポケット部2の付根部2aの一部などが部分的に非常に明るく映った輝度画像データが取得されることとなる。尚、照射角度xは、PTPシート1(容器フィルム一般部3a)に反りが生じていない場合の照射角度をいう。
【0075】
また、本実施形態では、照射角度xが25°以上80°未満とされている。照射角度xを25°以上とすることで、検査対象となるPTPシート1に最大10°程度の反りが生じていた場合(
図16参照)であっても、容器フィルム一般部3aにて反射した平行光の正反射光(正反射成分)がカメラ42に入射されないという構成をより確実に実現可能となっている。
【0076】
一方、照射角度xを80°未満とすることで、検査対象となるPTPシート1に最大10°程度の反りが生じていた場合であっても、照明41a,41bからポケット部2の付根部2aに向けて照射された光がPTPシート1の端縁部(本実施形態では長辺部1a)によって遮られることをより確実に防止可能となっている。
【0077】
さらに、上記の通り、容器フィルム一般部3aの厚さ方向に沿った該容器フィルム一般部3aを通るPTPシート1の所定の断面において、シール目4aは断面三角形状をなすところ、該断面における容器フィルム一般部3aに対する平行光の照射角度をβ(°)とし、容器フィルム3の屈折率をnとしたとき、該断面において、β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすように照射角度βが設定されている。屈折率nは、容器フィルム3がPPからなる場合に約1.48であり、容器フィルム3がPVCからなる場合に約1.52である。但し、〔n×sin(180°-θ)〕の値が1を上回る場合、arcsin〔n×sin(180°-θ)〕の式に基づく照射角度βの設定は行われない。
【0078】
尚、本実施形態では、検査対象のPTPシート1に対する照明装置41の相対位置を調節することによって、β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすように照射角度βが設定されている。これに対し、照明装置41の相対位置を調節することによる照射角度βの変更が不可又は困難な構成である場合には、凸条部19aの形状を調節することで、加熱ロール19によって、β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすシール目4aを形成するように構成してもよい。
【0079】
さらに、両照明41a,41bは、プリズムフィルム61の出射面61b側に、第1の偏光フィルタ62を備えており、該第1の偏光フィルタ62を通してPTPシート1に対して所定の偏光成分の平行光のみを照射するように構成されている。
【0080】
尚、PTPシート1に照射された平行光は、容器フィルム3に入射し得る。そのため、入射した平行光がシール目4aを反射してカメラ42に至るといったことが生じ得ると考えられる。しかしながら、照明41a,41bから照射される平行光は、上記のような紫外光であるため、入射した光は容器フィルム3内にて速やかに減衰する。従って、容器フィルム3に入射した平行光がシール目4aを反射してカメラ42に至るといったことは生じにくい。
【0081】
カメラ42は、少なくとも紫外光に感度のあるCCDカメラやCMOSカメラなどによって構成されており、コンベア28の鉛直上方に配置されている。カメラ42は、コンベア28上に位置する検査対象のPTPシート1における容器フィルム一般部3aに対し直交する方向(本実施形態では、コンベア28の上面と直交する方向)から、該PTPシート1の全体を撮像する。カメラ42によって撮像された輝度画像データは、画像処理装置43に入力される。尚、「容器フィルム一般部3aに対し直交する方向」とあるのは、PTPシート1に反りが生じていない場合における容器フィルム一般部3aに対し直交する方向をいう。
【0082】
さらに、カメラ42は、第2の偏光フィルタ63を備えており、該第2の偏光フィルタ63を通してPTPシート1の撮像を行う。本実施形態では、第1の偏光フィルタ62の偏光方向と第2の偏光フィルタ63の偏光方向とが一致している。これにより、PTPシート1にて反射した平行光の乱反射光(乱反射成分)がカメラ42に入射されるのを抑制することができる。尚、偏光フィルタ62,63を省略した構成としてもよい。
【0083】
画像処理装置43は、A/D変換器47、シェーディング補正手段48、二値化手段49、第1画像メモリ50、第2画像メモリ53、判定用メモリ54、CPU及び入出力インターフェース55、検査結果及び統計データメモリ56、カメラタイミング制御手段57などから構成されており、各種画像処理や打ち抜きズレ検査等を実施可能となっている。
【0084】
A/D変換器47は、カメラ42で撮像して得られた輝度画像データを、アナログ信号からデジタル信号に変換するものである。A/D変換された輝度画像データは、シェーディング補正手段48によってシェーディング補正された後、第1画像メモリ50に記憶される。
【0085】
また、前記補正された輝度画像データは、予め設定された輝度閾値δ1を基に、二値化手段49により二値化された後、第2画像メモリ53に順次記憶される。尚、輝度閾値δ1は、ポケット部2の付根部2aなどに反射した平行光の正反射光だけを検出しやすくするため、比較的高い輝度値に設定されている。
【0086】
判定用メモリ54は、良否判断の基準値等、良否判断に係る各種情報を記憶する。尚、判定用メモリ54に記憶された情報は、キーボード45を用いて修正・変更可能である。
【0087】
CPU及び入出力インターフェース55は、良否判断用のプログラムを判定用メモリ54の記憶内容などを使用しつつ実行する機能や、PTP包装機8との間で各種信号を送受信する機能などを有する。PTP包装機8との間における信号の送受信によって、例えばPTP包装機8の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU及び入出力インターフェース55は、モニタ44に表示データを送出する機能を有する。かかる機能により、各種画像データや検査結果などをモニタ44に表示させることができる。
【0088】
検査結果及び統計データメモリ56は、各種画像データに関する座標等のデータ、検査結果データ、及び、該検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶する。これらの検査結果データや統計データは、CPU及び入出力インターフェース55の制御に基づき、モニタ44に表示させることができる。また、これらの検査結果データや統計データに基づいてCPU及び入出力インターフェース55がPTP包装機8に制御信号を送出することもできる。
【0089】
カメラタイミング制御手段57は、カメラ42により得られた輝度画像データを、A/D変換器47に取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機8に設けられた図示しないエンコーダからの信号又はセンサからの信号に基づいて制御され、PTPシート1を所定量送るごとに、カメラ42によるシート単位での撮像が行われる。
【0090】
次に、PTPシート1の打ち抜きズレに係る検査処理について
図11のフローチャート等に従って説明する。
【0091】
まずステップS1において、検査対象となるPTPシート1に対し各照明41a,41bから平行光を照射して、該平行光の照射されたPTPシート1をカメラ42により撮像する(撮像処理)。これにより、PTPシート1の輝度画像データが取得される。
【0092】
取得された輝度画像データは、上記のとおり、A/D変換器47によりデジタル信号に変換された後、シェーディング補正手段48によってシェーディング補正され、第1画像メモリ50に記憶される。
【0093】
この際、PTPシート1の長辺部1aやポケット部2の付根部2a、PTPシート1のポケット部2の天井部周縁、錠剤5の表面周縁部など、所定部位に反射した平行光の正反射光がカメラ42により撮像され、これらの部分が他の部位よりも非常に明るく映った輝度画像データが取得されることとなる(
図12におけるPTPシート1参照)。
【0094】
尚、上記の通り、容器フィルム3に入射した平行光がシール目4aを反射してカメラ42に至るといったことは生じにくい。そのため、取得される輝度画像データにおいて、シール目4aが明部となることを抑制できる。これにより、輝度画像データにおいて、付根部2aの位置や形などがより明瞭に表れることとなる。
【0095】
輝度画像データが取得されると、ステップS2において、二値化手段49によって二値化画像データを形成し、該データを第2画像メモリ53に記憶させる(二値化処理)。より詳しくは、上記輝度閾値δ1以上を1(明)とし、輝度閾値δ1未満を0(暗)として、輝度画像データが二値化画像データに変換される(
図12の下側における明度に係るグラフ参照)。つまり、PTPシート1の長辺部1aやポケット部2の付根部2a、PTPシート1のポケット部2の天井部周縁、錠剤5の表面周縁部などが1(明)となり、PTPシート1の容器フィルム一般部3aやポケット部2の天井部などが0(暗)となった二値化画像データが取得される。
【0096】
次にステップS3において、第2画像メモリ53に記憶された二値化画像データに対して塊処理を実行する。塊処理としては、二値化画像データの0(暗)及び1(明)について各連結成分を特定する処理と、それぞれの連結成分についてラベル付けを行うラベル付け処理とがある。ここで、それぞれ特定される各連結成分の占有面積はカメラ42の画素に応じたドット数で表される。
【0097】
次にステップS4において、ポケット部2の位置検出処理を行う。この位置検出処理では、上記二値化画像データを基に、PTPシート1の長辺部1aから所定のポケット部2までの距離Lx1,Lx2(
図12参照)を算出することで、PTPシート1の所定の一辺に対するポケット部2の位置を検出する。本実施形態では、長辺部1aが、ポケット部2の位置を検出するための基準となる「所定の一辺」に相当する。
【0098】
また、本実施形態では、PTPシート1の長辺部1a方向に沿って配列された各ポケット列の両端部に位置する2つのポケット部2、計4つのポケット部2についてそれぞれ距離Lx1,Lx2を算出する。距離Lx1,Lx2を算出するにあたっては、PTPシート1の短辺部1b方向において、左右最外側に位置する連結成分をPTPシート1の長辺部1aの連結成分とみなすとともに、それより1つ内側に位置する連結成分をポケット部2の付根部2aの連結成分とみなした上で、これら両連結成分の距離を距離Lx1,Lx2として算出する。本実施形態では、ステップS2の二値化処理、ステップS3の塊処理及びステップS4の位置検出処理を実行する画像処理装置43によって「ポケット部検出手段」が構成される。
【0099】
ステップS5では、判定用メモリ54に記憶された情報を用いて、算出した距離Lx1,Lx2が適正範囲内か否かを判定する。本実施形態では、この判定を実行する画像処理装置43によって「判定手段」が構成される。
【0100】
ここで、距離Lx1,Lx2が適正範囲内にある場合には、ステップS6へ移行し、良品判定を行い、検査処理を終了する。一方、距離Lx1,Lx2が適正範囲内にない場合はステップS7へ移行し、該ステップS7において不良判定を行い、検査処理を終了する。
【0101】
尚、上記検査処理は、1枚のPTPシート1上の上記4つのポケット部2すべてについて実行される。そして、該4つのポケット部2に関し、PTPシート1の長辺部1aからの距離Lx1,Lx2が一つでも不良判定された場合には、該PTPシート1は不良と判定される。
【0102】
以上詳述したように、本実施形態によれば、照明装置41が照射する光及びカメラ42が撮像する光は、波長が200nm以上390nm以下の紫外光とされている。そのため、PP又はPVCからなる容器フィルム3内に入射した光を、該容器フィルム3内にて速やかに減衰させることができる。これにより、シール目4aを反射した光がカメラ42側に向けて出射されることを抑制できる。
【0103】
また、特に本実施形態では、照明装置41が照射する光及びカメラ42が撮像する光は、波長が200nm以上280nm以下の紫外光とされている。従って、シール目4aを反射した光がカメラ42側に向けて出射されることをより効果的に抑制できる。
【0104】
さらに、PTPシート1の容器フィルム一般部3aに照射された平行光の正反射光(正反射成分)がカメラ42に入射されないように設定されている。そのため、シール目4aを反射した光のカメラ42側への出射を抑制可能であることと相俟って、容器フィルム一般部3aに対応してシール目4aが設けられる場合であっても、撮像された画像データ上において、容器フィルム一般部3aを全体的に比較的暗いものとすることができる。
【0105】
一方、ポケット部2の付根部2aの一部に照射された平行光の反射光は、正反射光としてカメラ42に入射することとなる。これにより、撮像された画像データ上においては、ポケット部2の付根部2aの一部を部分的に非常に明るいものとすることができる。
【0106】
従って、本実施形態によれば、容器フィルム一般部3aに対応してシール目4aが設けられる場合であっても、容器フィルム一般部3aが暗部となり、ポケット部2の付根部2aが明部となった画像データをより確実に得ることができる。その結果、画像データを用いたポケット部2の位置検出をより正確に行うことができ、ひいては打ち抜きズレに関する良否判定をより精度よく行うことが可能となる。
【0107】
加えて、照射光として平行光を用いているため、拡散光等を用いた場合に比べ、画像データにおける明暗がよりはっきりしたものとなる。従って、ポケット部2の位置検出がより容易となる。
【0108】
さらに、PTPシート1を真上から撮像するため、PTPシート1全体を一回の撮像で検査することができ、検査効率の向上を図ることができる。また、斜め上方から撮像する場合等に比べて、カメラ42のレンズの画角等の影響を出にくくすることができる。
【0109】
加えて、照射角度xが25°以上とされているため、検査対象となるPTPシート1に最大10°程度の反りが生じていた場合であっても、容器フィルム一般部3aにて反射した平行光の正反射光(正反射成分)がカメラ42に入射されない設定とすることがより確実に可能となる。
【0110】
一方、照射角度xは80°未満とされている。従って、検査対象となるPTPシート1に最大10°程度の反りが生じていた場合であっても、照明装置41からポケット部2の付根部2aに向けて照射された光が、PTPシート1の端縁部(本実施形態では、長辺部1a)によって遮られるといった事態が生じないようになる。これにより、打ち抜きズレに関し、良好な良否判定精度をより確実に得ることができる。
【0111】
また、角度θが90°以上とされているため、画像データを用いたポケット部2の位置検出をさらに正確に行うことができ、打ち抜きズレに関する良否判定精度をより一層高めることができる。
【0112】
ここで、角度θを90°以上とすることによって上述の作用効果が得られる点についてより詳しく説明する。上記の通り、容器フィルム3に入射した光は該容器フィルム3内にて速やかに減衰するが、場合によっては、シール目4aを反射した光のごく一部が容器フィルム3から真上に向けて出射し得る。このような真上に向けて出射する光としては、カバーフィルム4のうちのシール目4aを形成していない部位(「非シール目部位」という)の表面を反射した後に、シール目の表面を再度反射した光(以下、「2回反射光L2」という)が考えられる(
図13参照)。尚、
図13~15では、図示の便宜上、容器フィルム3のハッチングを省略している。
【0113】
ここで、
図14に示すように、断面三角形状をなすシール目4aの底辺に相当する部位と平行な基準線BLに対する、非シール目部位を反射してシール目の表面に入射する光のなす角度をα(°)としたとき、真上に向けた2回反射光L2の出射が生じるような角度αが0°以下であれば、結果的に、真上に向けた2回反射光L2の出射が生じないことになる。そこで、真上に向けた2回反射光L2の出射が生じるような角度αについて考えてみると、シール目4aの頂部の角度をθとしたとき、この角度αは、90°-θ[=〔(180°-θ)/2〕―(θ/2)]で表すことができる。従って、90°-θ(=α)≦0°を満たすこと、つまり、90°≦θを満たすことで、真上に向けた2回反射光L2の出射が生じるような角度αを0°以下とすること、すなわち、真上に向けた2回反射光の出射を生じさせるような非シール目部位からの反射光が生じ得ない状態とすることができる。そのため、角度θを90°以上とすることで、シール目4aを反射した光のカメラ42側への出射をより効果的に抑制することが可能となり、その結果、上述の作用効果が奏されることとなる。
【0114】
尚、検査対象となるPTPシート1に最大10°程度の反りが生じていた場合であっても、真上に向けた2回反射光L2の出射をより確実に防止するという点では、θ≧100°を満たすように構成することが好ましい。
【0115】
さらに、角度θは150°以下とされている。そのため、容器フィルムに対しカバーフィルムをより確実に取着するというシール目の効果を十分に発揮させることできる。
【0116】
加えて、β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすように照射角度βが設定されている。従って、ポケット部2の位置検出をより一層正確に行うことができ、ひいては打ち抜きズレに関する良否判定精度をより効果的に高めることができる。
【0117】
ここで、照射角度βをこのように設定することによって上述の作用効果が奏される点についてより詳しく説明する。前述の通り、場合によっては、シール目4aを反射した光のごく一部が容器フィルム3から真上に向けて出射し得るところ、このような真上に向けて出射する光としては、上述の2回反射光L2に加えて、シール目4aのみを反射した光(以下、「1回反射光L1」という)が考えられる(
図13参照)。
【0118】
ここで、照明41a,51bから容器フィルム一般部3aに対する平行光の照射角度をβ(°)とし、容器フィルム3の屈折率をnとし、容器フィルム3に入射した光の屈折角度をγ(°)(
図15参照)としたとき、1×sinβ=n×sinγの式が満たされる。1は空気の屈折率である。従って、照射角度βは、arcsin〔n×sinγ〕の式で表すことができる。
【0119】
一方、
図15に示すように、γ=180°-θを満たすときには、真上に向けた1回反射光L1の出射が生じ得る。従って、照射角度βについては、β=arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすときに、真上に向けた1回反射光の出射が生じ得るといえる。換言すれば、β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすように照射角度βが設定されていれば、真上に向けた1回反射光L1の出射の条件が満たされないといえる。従って、β≠arcsin〔n×sin(180°-θ)〕を満たすように照射角度βを設定することで、真上に向けた1回反射光L1の出射をより確実に防止することができ、シール目4aを反射した光のカメラ42側への出射を一層効果的に抑制することが可能となる。その結果、上述した作用効果が奏されることとなる。
【0120】
尚、良否判定精度を一層高めるという点では、照射角度βを、arcsin〔n×sin(180°-θ)〕の式で算出された角度に対し、5°以上相違するものとすることが好ましく、10°以上相違するものとすることがより好ましい。
【0121】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0122】
(a)上記実施形態では、内容物が錠剤5である場合について具体化しているが、内容物の種別、形状等については特に限定されるものではなく、例えば食品や電子部品等、内容物が錠剤5とは異なるものであってもよい。
【0123】
(b)上記実施形態のポケット部2は、平面視略円形状で、その天井部が平坦な形状となっているが、ポケット部2の構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ポケット部2が、平面視で略楕円形状、略長円形状、略菱形形状等のものであってもよく、ポケット部2の天井部が略半球状に形成された構成としてもよい。
【0124】
(c)上記実施形態では、PTPシート1の2つの長辺部1aに対応して、それぞれ照明41a,41bが設けられ、PTPシート1に対し2方向から平行光を照射し、PTPシート1の短辺部1b方向への打ち抜きズレ検査を行う構成となっている。
【0125】
これに限らず、例えばPTPシート1の2つの長辺部1aのうちの一方のみに対応する照明を設け、PTPシート1に対し1方向から平行光を照射し、PTPシート1の短辺部1b方向への打ち抜きズレ検査を行う構成としてもよい。
【0126】
また、PTPシート1の2つの長辺部1a及び2つの短辺部1bに対応して、それぞれ照明を設け、PTPシート1に対し4方向から平行光を照射し、PTPシート1の長辺部1a方向及び短辺部1b方向への打ち抜きズレ検査を行う構成としてもよい。この構成では、長辺部1a及び短辺部1bの双方が、ポケット部2の位置を検出するための基準となる「所定の一辺」に相当する。
【0127】
(d)上記実施形態では、PTPシート1の長辺部1aからポケット部2の付根部2aまでの距離Lx1,Lx2を算出し、これが適正範囲内にあるか否かによって、PTPシート1の打ち抜きの良否を検査する構成となっているが、検査方法はこれに限定されるものではなく、他の方法を採用してもよい。例えば、PTPシート1の長辺部1aと、ポケット部2の付根部2aとの位置関係を把握し、パターンマッチング等によりPTPシート1の打ち抜きの良否の検査する構成としてもよい。
【0128】
(e)上記実施形態では、PTPシート1の周縁部(長辺部1a)の位置検出を、ポケット部2の付根部2aの位置検出と同様に、照明装置41から照射した平行光の正反射光を検出することにより行う構成となっているが、PTPシート1の周縁部の位置検出方法は、これに限定されるものではない。
【0129】
従って、例えばコンベア28のベルト部材を透光性部材により構成するとともに、コンベア28の下側からPTPシート1に対し所定の光を照射する第2の照射手段を設け、該光をカメラ42により撮像することにより、PTPシート1の周縁部の位置検出を行う構成としてもよい。このように構成した場合には、より明確にPTPシート1の周縁部を検出することができる。
【0130】
(f)上記実施形態では特に言及していないが、PTPシート1をコンベア28により搬送しつつ、該PTPシート1の撮像を行う構成としてもよいし、PTPシート1を一旦停止した状態で撮像する構成としてもよい。
【0131】
(g)上記実施形態では、「ブリスタシート」としてPTPシート1を挙げているが、PTPシート1以外のブリスタシートに対し本発明の技術思想を適用してもよい。
【符号の説明】
【0132】
1…PTPシート(ブリスタシート)、1a…長辺部(所定の一辺)、2…ポケット部、2a…付根部、3…容器フィルム、3a…容器フィルム一般部、4…カバーフィルム、5…錠剤、6…PTPフィルム(ブリスタフィルム)、8…PTP包装機(ブリスタ包装機)、24…シート打抜装置(打抜手段)、40…打ち抜きズレ検査装置(検査装置)、41…照明装置(照射手段)、42…カメラ(撮像手段)、43…画像処理装置(ポケット部検出手段、判定手段)。