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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139914
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】プログラム、及びプリンタ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241003BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20241003BHJP
   G06K 1/12 20060101ALI20241003BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F3/12 343
G06F3/12 378
G06F3/12 304
B41J3/36 T
G06K1/12 A
G06K19/06 037
G06K19/06 075
G06F3/12 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050861
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 詠梨
【テーマコード(参考)】
2C055
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
(57)【要約】
【課題】テープに適したコード画像の誤り訂正レベルを自動で設定できるプログラム、及びプリンタを提供する。
【解決手段】プログラムは、コード画像を印刷してテープを生成する為の印刷データを編集する編集装置のコンピュータに、テープの種別を特定する第1特定ステップと、第1特定ステップで特定した種別が、印字面が保護されない第2テープを含む第2種である場合、印字面が保護された第1テープを含む第1種である場合よりも、コード画像の誤り訂正レベルを高いレベルに設定する第1設定ステップと、第1設定ステップで設定した誤り訂正レベルに基づき、コード画像の情報を含む印刷データを作成する作成ステップとを実行させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード画像を印刷してテープを生成する為の印刷データを編集する編集装置のコンピュータに、
前記テープの種別を特定する第1特定ステップと、
前記第1特定ステップで特定した前記種別が、印字面が保護されない第2テープを含む第2種である場合、前記印字面が保護された第1テープを含む第1種である場合よりも、前記コード画像の誤り訂正レベルを高いレベルに設定する第1設定ステップと、
前記第1設定ステップで設定した前記誤り訂正レベルに基づき、前記コード画像の情報を含む前記印刷データを作成する作成ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第1種の前記テープは、複数層からなる層の一部の層がプラスチックフィルムのテープを含み、
前記第2種の前記テープは、紙製のテープを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
プリンタに装着された前記テープのテープ情報を取得する取得ステップ
を実行させ、
前記第1特定ステップは、前記取得ステップで取得した前記テープ情報に基づき、前記テープの前記種別を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記テープ情報は、前記テープの幅を示すテープ幅情報を含み、
前記取得ステップで取得した前記テープ情報のうち前記テープ幅情報に基づき、前記コード画像の大きさの条件を示すバージョンを決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定した前記バージョンと、前記第1設定ステップで設定した前記誤り訂正レベルに基づき、前記テープに印刷可能な文字列の最大文字数を特定する第2特定ステップと
を実行させ、
前記作成ステップは、前記第2特定ステップで特定した前記最大文字数の範囲内で入力された前記文字列に対応する前記コード画像を作成する
ことを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記テープの前記種別が前記第1種の場合、前記第1設定ステップは、前記取得ステップで取得した前記テープ情報に基づき、前記テープの背景となるテープ色と、前記印刷データが形成される印字色とのコントラストが低い場合、前記コントラストが高い場合に設定される前記誤り訂正レベルよりも高いレベルに設定する
ことを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記誤り訂正レベルを含む前記コード画像を作成する為のパラメータをユーザにより設定する動作モードである手動モードの選択を受け付ける第2設定ステップと、
前記第2設定ステップで前記手動モードの選択を受け付けた場合、前記ユーザによる前記パラメータの設定を受け付ける受付ステップと
を実行させることを特徴とする請求項1~5の何れか一つに記載のプログラム。
【請求項7】
コード画像を印刷したテープを作成する為の印刷データを編集する編集装置のコンピュータに、
前記テープのテープ情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記テープ情報に基づき、前記テープの背景となるテープ色と前記印刷データを形成する印字色とのコントラストが低い場合、前記コントラストが高い場合に比べて、前記コード画像の誤り訂正レベルを高く設定する設定ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コード画像を印刷してテープを生成する為の印刷データを編集する制御部を備えたプリンタであって、
前記制御部は、
前記テープの種別を特定する第1特定処理と、
前記第1特定処理で特定した前記種別が、印字面が保護されない第2テープを含む第2種である場合、前記印字面が保護された第1テープを含む第1種である場合よりも、前記コード画像の誤り訂正レベルを高いレベルに設定する第1設定処理と、
前記第1設定処理で設定した前記誤り訂正レベルに基づき、前記コード画像の情報を含む前記印刷データを作成する作成処理と
を実行する
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項9】
コード画像を印刷したテープを作成する為の印刷データを編集する制御部を備えたプリンタであって、
前記制御部は、
前記テープのテープ情報を取得する取得処理と、
前記取得処理で取得した前記テープ情報に基づき、前記テープの背景となるテープ色と、前記印刷データを形成する印字色とのコントラストが低い場合、前記コントラストが高い場合に比べて、前記コード画像の誤り訂正レベルを高く設定する設定処理と
を実行する
ことを特徴とするプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、及びプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の二次元コード生成システムは、情報処理装置とラベルライタとを有し、互いに通信可能に接続される。情報処理装置は、画像編集アプリを使用して、ラベルライタに印刷させる画像を編集する。情報処理装置は、例えばQRコード(登録商標)の画像を編集する。例えばURLをQRコード(登録商標)に格納する場合、情報処理装置は、URLの文字数と誤り訂正レベルから最低限必要なバージョンを決定する。情報処理装置は、URLの文字数がQRコード(登録商標)に格納可能な文字数以下である場合、ラベルライタによる印刷が可能と判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-86870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラベルライタに印刷されるテープには、例えば印字面が保護されていないノンラミネートテープや、破れやすい紙製のテープ等がある。テープの種類に関わらず共通の誤り訂正レベル等のパラメータ設定を行うと、印字面が汚れたり破損してQRコード(登録商標)を正しく読み取れなくなる可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、テープに適したコード画像の誤り訂正レベルを自動で設定できるプログラム、及びプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、例えば、以下の態様を開示する。
【0007】
本発明の第1態様に係るプログラムは、コード画像を印刷してテープを生成する為の印刷データを編集する編集装置のコンピュータに、前記テープの種別を特定する第1特定ステップと、前記第1特定ステップで特定した前記種別が、印字面が保護されない第2テープを含む第2種である場合、前記印字面が保護された第1テープを含む第1種である場合よりも、前記コード画像の誤り訂正レベルを高いレベルに設定する第1設定ステップと、前記第1設定ステップで設定した前記誤り訂正レベルに基づき、前記コード画像の情報を含む前記印刷データを作成する作成ステップとを実行させることを特徴とする。
【0008】
上記プログラムでは、テープの種別が第2種の場合、テープの種別が第1種の場合よりも、誤り訂正レベルが高く設定される。これにより、テープの種別が第2種の場合でも、コード画像を確実に読み取ることが可能となる。故に、プログラムは、テープに適したコード画像の誤り訂正レベルを自動で設定できる。
【0009】
本発明の第2態様に係るプログラムは、コード画像を印刷したテープを作成する為の印刷データを編集する編集装置のコンピュータに、前記テープのテープ情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した前記テープ情報に基づき、前記テープの背景となるテープ色と、前記印刷データを形成する印字色とのコントラストが低い場合、前記コントラストが高い場合に比べて、前記コード画像の誤り訂正レベルを高く設定する設定ステップとを実行させることを特徴とする。
【0010】
上記プログラムでは、テープ色と印字色のコントラストが低い場合には、誤り訂正レベルを高く設定する。従って、プログラムは、コード画像の読み取りやすさを向上できる。故に、プログラムは、テープに適したコード画像の誤り訂正レベルを自動で設定できる。
【0011】
本発明の第3態様に係るプリンタは、コード画像を印刷してテープを生成する為の印刷データを編集する制御部を備えたプリンタであって、前記制御部は、前記テープの種別を特定する第1特定処理と、前記第1特定処理で特定した前記種別が、印字面が保護されない第2テープを含む第2種である場合、前記印字面が保護された第1テープを含む第1種である場合よりも、前記コード画像の誤り訂正レベルを高いレベルに設定する第1設定処理と、前記第1設定処理で設定した前記誤り訂正レベルに基づき、前記コード画像の情報を含む前記印刷データを作成する作成処理とを実行することを特徴とする。
【0012】
プリンタは、第1態様に係るプログラムと同様の効果を得る。
【0013】
本発明の第4態様に係るプリンタは、コード画像を印刷したテープを作成する為の印刷データを編集する制御部を備えたプリンタであって、前記制御部は、前記テープのテープ情報を取得する取得処理と、前記取得処理で取得した前記テープ情報に基づき、前記テープの背景となるテープ色と、前記印刷データを形成する印字色とのコントラストが低い場合、前記コントラストが高い場合に比べて、前記コード画像の誤り訂正レベルを高く設定する設定処理とを実行することを特徴とする。
【0014】
プリンタは、第2態様に係るプログラムと同様の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】印刷システム1を示す図である。
図2】テープ11を示す図である。
図3】メイン処理のフローチャートである。
図4】設定処理のフローチャートである。
図5】テープの種別と誤り訂正レベルとの関係を示すテーブルAの図表である。
図6】コントラストと誤り訂正レベルとの関係を示すテーブルBの図表である。
図7】入力処理のフローチャートである。
図8】テープの幅と最大バージョンとの関係を示すテーブルCの図表である。
図9】各パラメータと最大文字数との関係を示すテーブルDを示す図表である。
図10】印刷処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1を参照し、印刷システム1の概要について説明する。印刷システム1は、プリンタ3及びPC5を備える。プリンタ3及びPC5は、ケーブル2を介して接続され、互いに通信を行うことができる。プリンタ3には、カセット8が装着される。カセット8は、巻回されたテープを保持部に保持する。また、カセット8は、インクリボンを収納する。
【0017】
プリンタ3は、カセット8からテープおよびインクリボンを繰り出し、サーマルヘッド38により印刷を実行する。印刷済みのインクリボンはカセット8のリボン巻取スプールに巻き取られる。印刷済みのテープは、排出口から排出される。プリンタ3は、排出口から排出された印刷済みテープを切断部40によって切断する。これにより、プリンタ3は、文字、記号、二次元コード等の「コード画像」等が印刷されたテープを作成できる。なお、コード画像は、例えばQRコード(登録商標)、PDF417、DataMatrix、Maxicode等の誤り訂正レベルを設定可能なコードである。以下、切断部40で切断されたテープを、「テープ11」ともいう(図2参照)。
【0018】
PC5は、汎用のパーソナルコンピュータである。PC5は、各種プログラムを実行可能である。例えばPC5によりプログラムが実行された場合、ユーザは、コード画像等を印刷してテープ11を作成する為の印刷データを編集可能となる。PC5は、ユーザにより作成された印刷データを、ケーブル2を介してプリンタ3に送信する。プリンタ3は、PC5から送信される印刷データに基づいて印刷を実行する。
【0019】
プリンタ3の電気的構成について説明する。プリンタ3は、CPU31、RAM32、フラッシュメモリ33、EEPROM34、通信部35、入力部36、表示部37、サーマルヘッド38、ローラ39、切断部40、及びセンサ41を備える。CPU31は、プリンタ3の制御を行う。CPU31は、RAM32、フラッシュメモリ33、EEPROM34、通信部35、入力部36、表示部37、サーマルヘッド38、ローラ39、切断部40、及びセンサ41に電気的に接続する。
【0020】
RAM32は、PC5から受信した印刷データ等、種々のデータを一時的に記憶する。フラッシュメモリ33には、CPU31がプリンタ3を制御する為に実行する各種プログラム、印刷データを編集する為の印刷用ドットパターンデータが、書体やサイズ毎に分類されて記憶される。EEPROM34には、プリンタ設定や印刷履歴などの履歴情報が記憶されている。
【0021】
通信部35は、PC5と通信を実行する為のコントローラである。入力部36はキーボードである。表示部37はLCDである。サーマルヘッド38は、CPU31からの信号に応じて発熱し、テープに印刷を行う。ローラ39は、テープを送る為の送りローラである。
【0022】
切断部40は、サーマルヘッド38により印刷されたテープを切断する。センサ41は、プリンタ3に装着されたカセット8のカセット情報を検出する。カセット8のカセット情報は、例えばカセット8の種類、収容されているテープの情報(以下、「テープ情報」という。)等を含む。センサ41による検出結果は、CPU31に送信される。
【0023】
PC5の電気的構成について説明する。PC5は、CPU51、RAM52、ROM53、HDD54、通信部55、入力部56、及び表示部57を備える。CPU51は、PC5の制御を行う。CPU51は、RAM52、ROM53、HDD54、通信部55、入力部56、及び表示部37に電気的に接続する。
【0024】
RAM52は、種々のデータを一時的に記憶する。ROM53は、BIOS等を記憶する。HDD54には、CPU51がPC5を制御する為に実行する各種プログラム、及びOSが記憶される。
【0025】
通信部55は、プリンタ3と通信を実行する為のコントローラである。入力部56は、キーボード、及びマウスやタッチパッド等のポインティングデバイスを含む。表示部57は、LCDである。表示部57は編集ウインドウを表示する。例えば、ユーザは、編集ウインドウを開いた状態で、コード画像を印刷するために必要なパラメータ、文字列等の印刷データを編集する。
【0026】
図2に示すように、印刷システム1により作成されたテープ11は、例えば文字列「ABCD」と、文字列に関連するコード画像が印刷されている。図2(A)に示すテープ11は、コード画像がテープの幅に対して余白がある。例えばテープの印字面が劣化しやすい場合、且つコード画像が小さい場合には、コード画像の読み取り精度が悪化することがある。この場合、誤り訂正レベルを上げてコード画像を印刷することが考えられる。図2(B)に示すテープ11は、ユーザにより誤り訂正レベルを適切に調整されたものである。図2(B)のテープ11は、図2(A)のテープ11よりコード画像が大きく印刷されている。この場合、コード画像の読み取り精度は向上する。しかしながら、ユーザによっては適切な誤り訂正レベルを設定することが難しい場合がある。このため、印刷システム1は、誤り訂正レベルを自動で適切な値に設定できることが望ましい。
【0027】
以下、印刷データの編集においては、ユーザは、手動モードと自動モードとを選択できる。手動モードは、コード画像を作成する為のパラメータをユーザにより設定する動作モードである。パラメータとは、誤り訂正レベル、セルサイズ、バージョン等の情報を含む。自動モードは、これらのパラメータを自動で最適な値に設定する動作モードである。
【0028】
図3図10を参照し、メイン処理について説明する。印刷データを編集する為にユーザがエディタを起動すると、CPU51は、HDD54に記憶されたプログラムを読み出してメイン処理を実行する。メイン処理が開始されると、CPU51は、編集ウインドウを表示部57に表示する(S1)。ユーザは、手動モード、及び自動モードの設定、コード画像の誤り訂正レベル等のパラメータの選択、及び文字列の入力等の操作が可能となる。
【0029】
CPU51は、印刷指示があったか否か判断する(S3)。印刷指示があったと判断した場合(S3:YES)、CPU51は、後述する印刷処理を実行する(S13)。
【0030】
印刷指示がないと判断した場合(S3:NO)、CPU51は、ユーザによる手動モードの選択を受け付けたか否か判断する(S5)。初期条件として、例えば手動モードが選択されているものとするが、自動モードが設定されていてもよい。手動モードの選択を受け付けたと判断した場合(S5:YES)、CPU51は、ユーザによるパラメータの設定を受け付ける。ユーザは、例えば誤り訂正レベルを自ら設定する。ユーザにより手動モードの選択を受け付けていない、即ち自動モードの選択を受け付けた場合(S5:NO)、CPU51は、誤り訂正レベルを自動で設定する為の設定処理(図4参照)を実行する(S9)。
【0031】
図4に示す設定処理が実行されると、CPU51は、プリンタ3に装着されているカセット8のカセット情報を取得する(S101)。CPU51は、カセット8のカセット情報に基づき、カセット8に収容されたテープのテープ情報を取得する(S103)。テープ情報は、テープの種別、テープ幅情報、及びテープ色情報等を含む。テープの種別は、ラミネートテープ、ノンラミネートテープ、マスキングテープ、サテンリボン等を含む。ラミネートテープは、複数層からなる層の一部の層がプラスチックフィルムのテープを含む。プラスチックフィルムの層によりテープの印字面が保護される。ノンラミネートテープ、マスキングテープ、サテンリボン等は、印字面が保護されないテープである。また、マスキングテープは、紙製のテープである。ラミネートテープは第1テープの一例であり、ノンラミネートテープ、マスキングテープ、サテンリボンは第2テープの一例である。また、マスキングテープは、紙製のテープの一例である。テープ幅情報は、テープの幅を示す。テープ色情報は、テープの背景となる色を示すテープ色およびテープの印字色となるインクリボンの色を示す。
【0032】
CPU51は、取得したテープ情報に基づき、テープの種別を特定する(S105)。CPU51は、テーブルA(図5参照)を参照して、特定されたテープの種別に対応する誤り訂正レベルを取得する(S107)。以下、S107の処理で取得した誤り訂正レベルを「誤り訂正レベルL1」という。
【0033】
図5に示すように、第1種のラミネートテープの場合、誤り訂正レベルL1は、「M」となる。一方で、第2種のノンラミネートテープ、マスキングテープ、及びサテン等の場合、誤り訂正レベルL1は、夫々、「Q」、「H」、「H」となる。つまり、CPU51は、特定したテープの種別が、ノンラミネートテープ等を含む第2種である場合、種別が第1テープを含む第1種である場合よりも、コード画像の誤り訂正レベルを高いレベルに設定する。
【0034】
CPU51は、テープ情報に基づき、テープ色および印字色を特定する(S109)。CPU51は、テーブルB(図6参照)を参照して、テープ色と印字色のコントラストに基づき、誤り訂正レベルを取得する(S111)。以下、S111で取得した誤り訂正レベルを「誤り訂正レベルL2」という。
【0035】
図6に示すように、例えばテープ色が「白」、印字色が「黒」の場合、誤り訂正レベルL2は「M」となる。一方、テープ色が「ピンク」、印字色が「白」の場合、誤り訂正レベルL2は「H」となる。つまり、CPU51は、取得したテープ情報に基づき、テープ色と印字色とのコントラストが低い場合、コントラストが高い場合に比べて、コード画像の誤り訂正レベルを高く設定する。ここで、テープ色が「透明」の場合、テープの貼付先となる被着体の色によって背景色が変わる。印字色と近い色の被着体にテープを貼り付ける可能性もあり得る。この場合、背景色である被着体の色と印字色とのコントラストは低い。したがって、テープ色が「透明」の場合は、誤り訂正レベルL2を「H」とする。
【0036】
CPU51は、誤り訂正レベルL1が誤り訂正レベルL2よりも高いか否か判断する(S113)。誤り訂正レベルL1が誤り訂正レベルL2よりも高いと判断した場合(S113:YES)、CPU51は、コード画像を、誤り訂正レベルL1で印刷することを設定する(S115)。CPU51は、メイン処理に処理を戻す。
【0037】
誤り訂正レベルL1が誤り訂正レベルL2よりも高くないと判断した場合(S113:NO)、CPU51は、コード画像を、誤り訂正レベルL2で印刷することを設定する(S117)。CPU51は、メイン処理に処理を戻す。例えば、テープの種別が第1種の場合であっても、CPU51は、テープ色と印字色とのコントラストが低い場合、誤り訂正レベルを「H」に設定する場合がある。S113の処理により、CPU51は、必要な誤り訂正レベルを確実に設定できる。
【0038】
S7の処理でユーザの誤り訂正レベルを受け付けた後、又は、S9の設定処理(図4参照)が終了して、処理がメイン処理に戻ると、CPU51は、コード画像に関連する文字列を入力する為の入力処理(図7参照)を実行する(S11)。
【0039】
図7に示す入力処理が実行されると、CPU51は、テープ幅情報を特定する(S201)。テープ幅情報は、CPU51が、プリンタ3に装着されているカセット8のカセット情報を取得して特定してもよいし、印刷データに設定されたテープ幅情報により特定してもよい。CPU51は、テーブルC(図8参照)を参照して、コード画像の大きさの条件を示す最大バージョンを決定する(S203)。図8に示すように、テープの幅が「24mm」、セルサイズが「中」の場合、テープ11に印字可能な最大バージョンは、「6」となる。なお、セルサイズは、初期条件として「中」に設定されているものとするが、「小」、「大」であってもよい。セルサイズの設定は、ユーザが手動モードで変更してよい。
【0040】
CPU51は、テーブルD(図9参照)を参照して、決定した最大バージョンと、設定した誤り訂正レベルに基づき、テープに印刷可能な文字列の最大文字数を特定する(S205)。図9に示すように、例えばバージョンが「1」で、誤り訂正レベルが「L」の場合、最大文字数は、漢字の場合「10文字」となる。これにより、CPU51は、特定した最大文字数の範囲内で入力された文字列に対応するコード画像を作成可能となる。なお、最大文字数は、バージョンと誤り訂正レベルに基づき決定されるが、「数字」「英数字」「バイナリ」「漢字」の入力文字のフォントが変更する度に切り替わるものとする。
【0041】
CPU51は、ユーザによる文字入力の受け付けを開始する(S207)。CPU51は、文字列の入力内容が確定したか否か判断する(S209)。例えば、ユーザにより文字列の入力がなされ、エンタキーが押下された場合に入力内容が確定する。文字列の入力内容が確定したと判断した場合(S209:YES)、CPU51は、処理をメイン処理に戻す。
【0042】
文字列の入力内容が確定していないと判断した場合(S209:NO)、CPU51は、入力された文字数を計算する(S211)。この場合、例えばユーザが1文字分の文字列を入力した場合、CPU51は、直前の文字数に1文字を加算する。複数の文字列が入力された場合、CPU51は、その文字数を直前の文字数に加算する。CPU51は、計算された文字数が最大文字数以下か否か判断する(S213)。
【0043】
最大文字数以下であると判断した場合(S213:YES)、CPU51は、印刷可能であると判断して、S211で計算した文字数に更新する(S215)。この場合、更新された文字数がHDD54等に記憶される。CPU51は、処理をS209に戻す。
【0044】
一方、計算された文字数が最大文字数よりも多いと判断した場合(S213:NO)、CPU51は、入力した文字数が最大文字数を超えている旨ユーザに報知する(S217)。例えば、CPU51は、編集画面を強調表示する、「入力可能な文字数を超えています」等の文字列を表示する、ブザーを鳴らす等して、ユーザに警告するとよい。これにより、ユーザは、文字数を削減する編集を行うことができる。CPU51は、処理をS209に戻す。
【0045】
入力処理が完了して(S209:YES)、メイン処理に処理が戻ると、CPU51は、処理をS3に戻す。CPU51は、印刷指示があったと判断した場合(S3:YES)、S209の処理で確定した入力内容に基づき、CPU51は、印刷処理(図10参照)を実行する(S13)。
【0046】
図10に示す印刷処理が実行されると、CPU51は、上記処理で設定した誤り訂正レベル等のパラメータを読み込む(S301)。さらに、CPU51は、プリンタ3に装着されているカセット8のカセット情報を取得する(S302)。これにより、印刷前にカセット8がユーザにより交換されたかを確認できる。また、CPU51は、カセット8のカセット情報に基づきテープ幅情報を確認できる。従って、CPU51は、印刷データに含まれるテープ幅情報との関係で、文字列等がテープの幅に収まらない状態で印刷するのを防ぐことも可能となる。CPU31は、読み込んだパラメータに基づき、入力内容が確定したコード画像のサイズを計算する(S303)。コード画像のサイズは、テープに印刷された場合の大きさである。
【0047】
CPU51は、コード画像のサイズが取得したカセット情報により特定されたテープ幅情報の示すテープの幅以下であるか否か判断する(S305)。コード画像のサイズがテープ幅情報の示すテープの幅よりも大きいと判断した場合(S305:NO)。CPU51は、正常に印刷できないので、ユーザに対してその旨報知する(S307)。CPU51は、編集画面を強調表示する、「印刷可能なサイズへ変更して下さい」等の文字列を表示する、ブザーを鳴らす等して、印刷ができないことをユーザに警告するとよい。これにより、ユーザは、例えば誤り訂正レベルを下げて、サイズを縮小する等の編集を行うことができる。CPU51は、処理をメイン処理に戻す。
【0048】
コード画像のサイズがテープ幅情報の示すテープの幅以下であると判断した場合(S305:YES)、CPU51は、読み取りやすさを優先するか否か判断する(S309)。読み取りやすさの優先度は、例えば、読み取りやすさを優先する為のモード設定をユーザが行うことで設定される。
【0049】
読み取りやすさを優先しないと判断した場合(S309:NO)、CPU51は、作成した印刷データを、プリンタ3に送信する(S315)。CPU51は、処理をメイン処理に戻す。プリンタ3は、PC5から受信した印刷データに基づき、テープ11の作成を実行する。
【0050】
一方、読みやすさを優先すると判断した場合(S309:YES)、CPU51は、印刷データのうち印字空き容量が所定の閾値以上か否か判断する(S311)。印字空き容量とは、文字、記号、コード画像等の画像のテープの幅に対する割合を示す。すなわち、CPU51は、印刷データで表される画像をテープに配置した際のテープの幅に対して上下に生じる余白が所定の閾値以上か否かを判断する。印刷データの印字空き容量が所定の閾値よりも小さいと判断した場合(S311:NO)、CPU51は、S315に処理を進めて、印刷データをプリンタ3に送信する(S315)。CPU51は、処理をメイン処理に戻す。
【0051】
一方、印刷データの印字空き容量が閾値以上と判断した場合(S311:YES)、CPU51は、コード画像に関するパラメータを再設定する(S313)。例えば、CPU51は、誤り訂正レベルを可能な限り上げる等して、パラメータの再設定を行う。CPU51は、例えばユーザが誤り訂正レベルを低く選択していた場合、より高い誤り訂正レベルが設定される。これにより、コード画像の読み取りやすさが更に向上する。CPU51は、再設定後のパラメータに基づき印刷データを再作成する。そして、再作成した印刷データをプリンタ3に送信する(S315)。CPU51は、処理をメイン処理に戻す。
【0052】
印刷処理(図10参照)からメイン処理に処理が戻ると、CPU51は、S1に処理を戻す。
【0053】
以上説明したように、CPU51は、特定した種別が、印字面が保護されないノンラミネートテープ等を含む第2種である場合、印字面が保護されたラミネートテープを含む第1種である場合よりも、コード画像の誤り訂正レベルを高いレベルに設定する。CPU51は、設定した誤り訂正レベルに基づき、コード画像の情報を含む印刷データを作成する。上記印刷システム1では、テープの種別が第2種の場合、テープの種別が第1種の場合よりも、誤り訂正レベルが高く設定される。これにより、第2種のテープの場合でも、コード画像を確実に読み取ることが可能となる。故に、CPU51は、テープに適したコード画像の誤り訂正レベルを自動で設定できる。
【0054】
第1種のテープは、複数層からなる層の一部の層がプラスチックフィルムのテープを含む。第2種のテープは、紙製のテープを含む。例えば第2種に含まれる紙製のテープは、印字面が擦れる又は破れる恐れがある。この場合、コード画像の読み取りの精度が低下する。上記印刷システム1では、第2種のテープの場合には誤り訂正レベルを上げるので、コード画像を確実に読み取れる。
【0055】
テープ情報は、テープの幅を示すテープ幅情報を含む。CPU51は、取得したテープ情報のうちテープ幅情報に基づき、コード画像の大きさの条件を示すバージョンを決定する。CPU51は、決定したバージョンと、設定した誤り訂正レベルに基づき、テープに印刷可能な文字列の最大文字数を特定する。CPU51は、特定した最大文字数の範囲内で入力された文字列に対応するコード画像を作成する。CPU51は、コード画像のバージョンと誤り訂正レベルに基づき文字列の最大文字数を特定する。これにより、ユーザは、コード画像の大きさを確保した状態での入力可能な最大文字数を認識できる。
【0056】
CPU51は、誤り訂正レベルを含むコード画像を作成する為のパラメータをユーザにより設定する動作モードである手動モードの選択を受け付ける。CPU51は、手動モードの選択を受け付けた場合、ユーザによるパラメータの設定を受け付ける。印刷システム1は、ユーザにより手動でパラメータの設定ができるので、ユーザにとって利便性が高い。例えば、ユーザは、自動モードで設定されたパラメータを、適宜変更できる。
【0057】
CPU51は、テープのテープ情報を取得する。CPU51は、取得したテープ情報に基づき、テープの背景となるテープ色と、印刷データを形成する印字色とのコントラストが低い場合、コントラストが所定の閾値以上の場合に比べて、コード画像の誤り訂正レベルを高く設定する。上記印刷システム1では、テープ色と印字色のコントラストが低い場合には、誤り訂正レベルを高く設定する。従って、印刷システム1は、コード画像の読み取りやすさを向上できる。故に、印刷システム1は、テープに適したコード画像の誤り訂正レベルを自動で設定できる。
【0058】
更に、テープの種別が第1種の場合であっても、CPU51は、取得したテープ情報に基づき、テープの背景となるテープ色と、印刷データが形成される印字色とのコントラストが低い場合、コントラストが高い場合に設定される誤り訂正レベルよりも高いレベルに設定する。これにより、第1種のテープの場合であっても、CPU51は、コントラストの低さに起因する読み取りエラーを抑制できる。
【0059】
上記実施形態は、更に、以下のように種々変更可能である。以下に説明する各種変形例は、矛盾が生じない限り上記した形態と夫々組み合わせ可能である。上記実施形態では、印刷システム1は、PC5を備えたがこれに限らない。例えば、PC5は、スマートフォン、タブレット等の表示部を有する装置で構成されてもよい。上記実施形態のプリンタ3は、サーマルヘッド38により印刷を行ったが、インクジェットヘッドによる印刷を行うものであってもよい。
【0060】
上記実施形態では、PC5により印刷データを編集したが、プリンタ3により印刷データの編集が可能であってもよい。この場合、上記実施形態の処理は、プリンタ3のCPU31が実行すればよい。また、上記実施形態の処理はサーバ上で実行されてもよい。
【0061】
上記実施形態では、テーブルA~テーブルDに基づき、印刷データの編集を行ったがこれに限らない。テーブルA~テーブルDの各値は、適宜変更してよい。ユーザの使用状況、実験結果等で取得した値が設定されるとよい。
【0062】
上記実施形態では、テーブルAは、テープの種別ごとに誤り訂正レベルが設定されていたがこれに限らない。例えば、第1種が「M」、第2種が「H」のように、第1種に属するテープの種別か第2種に属するテープの種別かで誤り訂正レベルが定められていてもよい。この場合、CPU51は、取得したテープ情報に基づき、テープの種別が第1種か第2種の何れかを特定するだけでよい。CPU51は、プリンタ3に装着されたテープの種別に基づき、誤り訂正レベルを設定できる。故に、ユーザは、印刷データの編集とテープの作成をスムーズに実行できる。また、ユーザは、印字面が保護されていないテープについては、一律に誤り訂正レベルを上げることができる。
【0063】
上記実施形態では、テープの種別に関わらず、コントラストが低い場合に、誤り訂正レベルを高く設定したがこれに限らない。例えばCPU51は、テープの種別が第1種の場合には、コントラストに基づく誤り訂正レベルを行わなくてもよい。つまり、テープが第2種の場合にのみコントラストに基づく誤り訂正レベルの設定を行ってもよい。一方で、第1種の場合にのみコントラストに基づく誤り訂正レベルの設定を行ってもよい。また、CPU51は、コントラストの高低で、誤り訂正レベルを設定したがこれに限らない。例えば、CPU51は、コントラストが所定の閾値と比較して低い場合に、誤り訂正レベルを高いレベルに設定してもよい。
【0064】
上記実施形態では、最大バージョンが特定され、最大バージョンがパラメータに設定されたがこれに限らない。例えば、最大バージョンが設定されるのではなく、一ランク下のバージョンを決定して、パラメータとして設定してもよい。
【0065】
上記実施形態は、CPU51の代わりに、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が、プロセッサとして用いられてもよい。メイン処理は、複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。プログラムは、例えば、図示外のインターネットに接続されたサーバからダウンロードされて(即ち、伝送信号として送信され)、不揮発性メモリに記憶されてもよい。この場合、プログラムは、サーバに設けられたHDD等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。
【0066】
上記実施形態において、ラミネートテープが本発明の「第1テープ」の一例である。ノンラミネートテープ、マスキングテープ、及びサテンが本発明の「第2テープ」の一例である。PC5が本発明の「編集装置」に相当する。CPU51が本発明の「コンピュータ」「制御部」の一例である。S105の処理を実行するCPU51が本発明の「第1特定ステップ」に相当する。S107、S115の処理を実行するCPU51が本発明の「第1設定ステップ」に相当する。S11の処理を実行するCPU51が本発明の「作成ステップ」に相当する。S103の処理を実行するCPU51が本発明の「取得ステップ」に相当する。S203の処理を実行するCPU51が本発明の「決定ステップ」に相当する。S205の処理を実行するCPU51が本発明の「第2特定ステップ」に相当する。S5の処理を実行するCPU51が本発明の「第2設定ステップ」に相当する。S7の処理を実行するCPU51が本発明の「受付ステップ」に相当する。S111、S117の処理を実行するCPU51が本発明の「設定ステップ」に相当する。
【符号の説明】
【0067】
1 印刷システム
3 プリンタ
5 PC
11 テープ
51 CPU
図1
図2
図3
図4
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図6
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図8
図9
図10