(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139923
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050872
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100184550
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 珠美
(74)【代理人】
【識別番号】100166785
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 智也
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA53
2C333GA04
2C333GA05
(57)【要約】
【課題】遊技の状態が切り替えられる場合においても、保留情報の記憶状況に応じて適切な演出を実行できる遊技機を提供する。
【解決手段】主制御基板のROMは、通常状態変動パターン決定テーブルを記憶している。通常状態変動パターン決定テーブルは、第一変動パターンが決定される時点における第一保留数が「1」以上の場合と、「0」の場合とで、異なる第一変動パターンを定義している。主制御基板のCPUは、通常状態変動パターンに基づいて、非確変非時短状態における第一変動パターンを決定する。すなわち、パチンコ機は、遊技の状態が遊技者にとって有利な状態から非有利な状態に切り替えられる場合第一保留数が「0」であるか否かに応じた内容の演出を決定する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口に遊技球が入賞することを契機として取得された数値情報に基づいて、遊技者にとって有利な有利状態を設定するかを判定する有利判定を実行する判定手段と、
前記有利判定の実行が保留されている前記数値情報を保留情報として記憶する保留手段と、
前記有利状態と、前記有利状態よりも遊技者にとっての有利度が低い非有利状態とを含む複数の遊技状態のうちいずれかを、所定の契機の到来に応じて設定する遊技状態設定手段と、
前記遊技状態設定手段によって前記遊技状態が前記有利状態から前記非有利状態に切り替えられる場合に実行される演出の内容を、前記保留手段によって前記保留情報が記憶されているかによって決定する演出決定手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記有利判定の結果を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段を備え、
前記演出決定手段は、前記遊技状態が前記有利状態から前記非有利状態に切り替えられる場合において、前記非有利状態において最初に実行される前記報知演出の内容を、前記保留手段によって前記保留情報が記憶されているかによって決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
適切な遊技の進行を遊技者に指示する進行指示を実行する進行指示実行手段を備え、
前記進行指示実行手段は、前記保留情報が記憶されていることに応じて前記演出決定手段によって決定された内容の前記報知演出の実行が終了した後に、所定の条件下で前記進行指示を実行することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技状態設定手段は、前記有利判定によって前記有利状態を設定する旨の判定結果が導出された場合、前記有利状態である特別遊技状態を設定し、
前記特別遊技状態において特別遊技演出を実行する特別遊技演出実行手段を備え、
前記演出決定手段は、前記遊技状態が前記特別遊技状態から前記非有利状態に切り替えられる場合において、前記特別遊技演出の内容を、前記保留手段によって前記保留情報が記憶されているかによって決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
前記有利判定の結果を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、
適切な遊技の進行を遊技者に指示する進行指示を実行する進行指示実行手段とを備え、
前記進行指示実行手段は、前記保留情報が記憶されていることに応じて前記演出決定手段によって決定された内容の前記特別遊技演出の実行が終了した後、前記非有利状態において1回以上の前記報知演出が実行された後に、所定の条件下で前記進行指示を実行することを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記演出決定手段は、前記保留情報が記憶されていない場合、前記始動口に遊技球を入賞させることを遊技者に促す内容の演出を決定することを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の契機の成立に応じて数値情報を取得し、取得した数値情報について所定の判定の実行を保留して保留情報として記憶する遊技機が知られている。特許文献1は、始動口に遊技球が入賞したことを契機として保留情報を記憶する遊技機を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の遊技機は、記憶した保留情報の数である保留記憶数が上限値に到達している場合、始動口にさらに遊技球が入賞することに応じて期待度アップ演出を実行する。一方、上記の遊技機は、保留記憶数が上限値に到達していない場合には、始動口にさらに遊技球が入賞することに応じて期待度アップ演出を実行しない。このような保留情報の記憶状況に応じた演出については、さらなる工夫が求められている。
【0005】
本発明は、遊技の状態が切り替えられる場合においても、保留情報の記憶状況に応じて適切な演出を実行できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、始動口に遊技球が入賞することを契機として取得された数値情報に基づいて、遊技者にとって有利な有利状態を設定するかを判定する有利判定を実行する判定手段と、前記有利判定の実行が保留されている前記数値情報を保留情報として記憶する保留手段と、前記有利状態と、前記有利状態よりも遊技者にとっての有利度が低い非有利状態とを含む複数の遊技状態のうちいずれかを、所定の契機の到来に応じて設定する遊技状態設定手段と、前記遊技状態設定手段によって前記遊技状態が前記有利状態から前記非有利状態に切り替えられる場合に実行される演出の内容を、前記保留手段によって前記保留情報が記憶されているかによって決定する演出決定手段とを備える。
【0007】
遊技状態が有利状態から非有利状態に切り替えられる場合において、保留情報が記憶されていないときには、非有利状態において有利判定が行われない状態となり、以降の遊技が進行しない。演出決定手段は、遊技状態が有利状態から非有利状態に切り替えられる場合に実行される演出の内容を、保留情報が記憶されているかによって決定する。したがって、本発明に係る遊技機は、遊技の状態が切り替えられる場合においても、保留情報の記憶状況に応じて適切な演出を実行できる。
【0008】
前記遊技機は、前記有利判定の結果を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段を備え、前記演出決定手段は、前記遊技状態が前記有利状態から前記非有利状態に切り替えられる場合において、前記非有利状態において最初に実行される前記報知演出の内容を、前記保留手段によって前記保留情報が記憶されているかによって決定してもよい。
【0009】
遊技状態が有利状態から非有利状態に切り替えられる場合において、保留情報が記憶されているときには、記憶されている保留情報に基づいて非有利状態において有利判定が行われ、有利判定の結果を報知する報知演出が行われる。一方、保留情報が記憶されていないときには非有利状態において有利判定が行われず、報知演出も行われない。演出決定手段は、非有利状態において最初に実行される報知演出の内容を、保留情報が記憶されているかによって決定する。したがって、遊技機は、遊技状態が非有利状態に移行した場合の遊技を、遊技者にとって違和感のないものにできる。
【0010】
前記遊技機は、適切な遊技の進行を遊技者に指示する進行指示を実行する進行指示実行手段を備え、前記進行指示実行手段は、前記保留情報が記憶されていることに応じて前記演出決定手段によって決定された内容の前記報知演出の実行が終了した後に、所定の条件下で前記進行指示を実行してもよい。
【0011】
遊技状態が有利状態から非有利状態に切り替えられる場合において、保留情報が記憶されているときには、記憶されている保留情報に基づいて非有利状態において有利判定が行われる。すなわち、この場合には、遊技者が新たに始動口に遊技球を入賞させる等、遊技者が特段に遊技の進行のための操作をすることなく、有利判定の結果を報知する報知演出が行われる。このため、進行指示実行手段は、保留情報が記憶されていることに応じて演出決定手段によって決定された内容の報知演出の実行が終了した後に、所定の条件下で進行指示を実行する。これにより、遊技機は、保留情報が記憶されている場合に適した態様で進行指示をすることができる。
【0012】
前記遊技状態設定手段は、前記有利判定によって前記有利状態を設定する旨の判定結果が導出された場合、前記有利状態である特別遊技状態を設定してもよい。前記遊技機は、前記特別遊技状態において特別遊技演出を実行する特別遊技演出実行手段を備え、前記演出決定手段は、前記遊技状態が前記特別遊技状態から前記非有利状態に切り替えられる場合において、前記特別遊技演出の内容を、前記保留手段によって前記保留情報が記憶されているかによって決定してもよい。
【0013】
遊技状態が有利状態である特別遊技状態から非有利状態に切り替えられる場合において、保留情報が記憶されているときには、記憶されている保留情報に基づいて非有利状態において有利判定が行われる。一方、保留情報が記憶されていないときには、非有利状態において遊技者が新たに始動口に遊技球を入賞させる等、遊技者が特段に遊技の進行のための操作をしてはじめて、非有利状態における遊技が進行する。演出決定手段は、特別遊技演出の内容を、保留情報が記憶されているかによって決定する。したがって、遊技機は、特別遊技状態の段階において、その後に設定される非有利状態における遊技の進行に応じた特別遊技演出を遊技者に提供することができる。
【0014】
前記遊技機は、前記有利判定の結果を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、適切な遊技の進行を遊技者に指示する進行指示を実行する進行指示実行手段を備えてもよい。前記進行指示実行手段は、前記保留情報が記憶されていることに応じて前記演出決定手段によって決定された内容の前記特別遊技演出の実行が終了した後、前記非有利状態において1回以上の前記報知演出が実行された後に、所定の条件下で前記進行指示を実行してもよい。
【0015】
遊技状態が有利状態から非有利状態に切り替えられる場合において、保留情報が記憶されているときには、記憶されている保留情報に基づいて非有利状態において有利判定が行われる。すなわち、この場合には、遊技者が新たに始動口に遊技球を入賞させる等、遊技者が特段に遊技の進行のための操作をすることなく、有利判定の結果を報知する報知演出が行われる。このため、進行指示実行手段は、保留情報が記憶されていることに応じて演出決定手段によって決定された内容の特別遊技演出の実行が終了した後、非有利状態において1回以上の報知演出が実行された後に、所定の条件下で必要に応じて進行指示を実行することとする。これにより、遊技機は、保留情報が記憶されている場合に適した態様で進行指示をすることができる。
【0016】
前記演出決定手段は、前記保留情報が記憶されていない場合、前記始動口に遊技球を入賞させることを遊技者に促す内容の演出を決定してもよい。
【0017】
遊技機は、演出決定手段によって決定された内容の演出を実行することによって、保留情報を記憶させて、遊技者に非有利状態における遊技を適切に進行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】RAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。
【
図6】ROM53に記憶されている第二始動口開放パターン定義テーブルを示す概念図である。
【
図7】ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。
【
図8】ROM53に記憶されている通常状態変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図9】ROM53に記憶されているその他変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図10】主制御基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。
【
図11】メイン処理において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図14】特別図柄処理において行われる遊技状態移行処理のフローチャートである。
【
図16】メイン処理において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図17】枠制御基板45において行われる枠制御基板処理のフローチャートである。
【
図18】枠制御基板処理において行われる持ち球管理処理のフローチャートである。
【
図19】枠制御基板処理において行われる情報出力処理のフローチャートである。
【
図20】パチンコ機1における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図21】サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【
図23】サブ制御基板処理において行われる遊技状態制御処理のフローチャートである。
【
図24】遊技状態制御処理において行われる大当たり遊技演出開始処理のフローチャートである。
【
図25】遊技状態制御処理において行われる大当たり遊技演出終了処理のフローチャートである。
【
図26】遊技状態制御処理において行われる第二時短状態終了処理のフローチャートである。
【
図27】サブ制御基板処理において行われる報知演出実行処理のフローチャートである。
【
図28】第一実施形態において、第一保留数が「1」以上の場合に実行されるCタイム演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングを説明する説明図である。
【
図30】第一実施形態において、第一保留数が「0」の場合に実行されるCタイム演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングを説明する説明図である。
【
図32】第二実施形態における通常状態変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図33】第二実施形態のサブ制御基板処理において行われる報知演出実行処理のフローチャートである。
【
図34】第二実施形態において、第一保留数が「1」以上の場合に実行される大当たりエンディング演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングを説明する説明図である。
【
図36】第二実施形態において、第一保留数が「0」の場合に実行される大当たりエンディング演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、
図1及び
図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。パチンコ機1は、特別図柄を備えた、いわゆる旧1種タイプの遊技機である。本願が開示する技術は、遊技者にとって有利な遊技の状態と、有利な遊技の状態よりも遊技者にとっての有利度が低い非有利状態とを設定する遊技機であれば、旧2種タイプ、1種2種混合タイプ等、様々な遊技仕様の遊技機に適用できる。
【0020】
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技機枠30と遊技盤2とを備える。遊技機枠30は、前面枠31と、図示しない本体枠及び外枠を備える。外枠は、パチンコ機1の外郭を形成する枠部材である。
【0021】
本体枠は、遊技盤2等を取り付けるための枠体である。本体枠は、外枠に対して開閉可能に装着されている。本体枠の内部の下部には、
図3で後述する貯留装置20が設けられている。貯留装置20には、所定数の遊技球が予め貯留されている。貯留されている遊技球は、
図2で後述する遊技領域4に向けて発射された後、遊技領域4を流下して、再び貯留装置20に戻る。貯留装置20に戻った遊技球は、再度、遊技領域4に向けて発射されるために使用される。このように、貯留装置20に貯留されている遊技球は、パチンコ機1の内部に封入されており、パチンコ機1の外部に排出されることなく、循環的に使用される。このような遊技機を、封入式遊技機、封入式パチンコ等ともいう。
【0022】
前面枠31は、本体枠に対して開閉可能に装着されている。前面枠31の中央部には略円形の開口部311が形成されている。開口部311には、透明板312が固定されている。透明板312は、例えばガラス板である。前面枠31は、透明板312とともに遊技盤2を前方から覆う。
【0023】
前面枠31は、発射ハンドル32、演出ボタン35、枠ランプ38、スピーカ39及び球管理ユニット44を備える。発射ハンドル32は、前面枠31の右下部に設けられている。発射ハンドル32は、遊技者が回転操作をできるように構成されている。遊技者が発射ハンドル32を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で、
図3及び
図4に示す遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。演出ボタン35は、前面枠31の左下部に設けられ、遊技者が押下操作をできるように構成されている。枠ランプ38は、前面枠31の上部、左部及び右部等に設けられる装飾部である。枠ランプ38は、LED等の光源を内蔵し、光を用いた各種の演出を実行する。スピーカ39は、前面枠31の上部の左右の角部に設けられている。スピーカ39は、音楽、音声、効果音等の各種の音を出力する。
【0024】
なお、パチンコ機1は封入式パチンコであり、従来の非封入式のぱちんこ遊技機が行う賞球の払い出しを行なわない。したがって、前面枠31は、従来の非封入式のぱちんこ遊技機が備える、賞球及び貸球等を受けるための上皿、下皿等を備えない。遊技者がパチンコ機1において遊技のために使用できる遊技球を、一般に、「持ち球」という。また、持ち球の数を、以下では、「持ち球数」という。パチンコ機1は、持ち球数を示す情報を管理することによって、持ち球数に応じた遊技を遊技者に実行させることができる。持ち球数を示す情報を、以下では、「持ち球数情報」という。球管理ユニット44は、開口部311の下方に設けられる。球管理ユニット44は、遊技球数表示部441及び計数ボタン442を主に備える。遊技球数表示部441は、パチンコ機1によって管理されている持ち球数情報に基づく持ち球数等を表示する。遊技球数表示部441は、7セグメントLED、LCD等によって構成される。計数ボタン442は、遊技者が遊技を終了する等に際して持ち球を精算する場合に操作される押しボタンスイッチである。
【0025】
図2に示すように、遊技盤2は正面視略正方形の板状である。遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技盤2の前面から前方に突出するレール部材である。ガイドレール3は、内レール3Aと外レール3Bとを備える。内レール3Aは前方から見て円弧状に湾曲しており、遊技盤2の左下部から上部に向けて延びるように配置される。外レール3Bも前方から見て円弧状に湾曲しており、遊技盤2において内レール3Aよりも遊技球1~2個分だけ外側の位置において、遊技盤2の左下部から右上部に亘って配置される。内レール3Aと外レール3Bとの間には発射通路23が形成される。発射通路23は、遊技球が通過できる通路であり、下端において貯留装置20に連結し、上端において遊技領域4に連結している。
【0026】
遊技領域4の略中央には、センター飾り21が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、発射通路23を通過して遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り21の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り21の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り21の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り21の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0027】
センター飾り21は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り21の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成される画像表示手段であり、数字・文字、様々な動画等を表示可能である。表示画面28には、有機EL、ドットマトリクス等、種々のものが用いられてよい。表示画面28は、報知演出を実行可能である。報知演出は、
図28等に示す演出用の図柄である演出図柄100を変動させた後に、後述する大当たり判定の結果を示す演出図柄100の組合せを確定表示させる図柄変動を行うことで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。また、センター飾り21は、LED等の光源を有して構成される、
図4に示す盤ランプ27を内蔵している。センター飾り21は、盤ランプ27によって、光を用いた各種の演出を実行する。
【0028】
センター飾り21の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14は、後述する第一特別図柄の始動口として機能する。第一始動口14の右上方には、大入賞口16が設けられている。大入賞口16は、いわゆる特別電動役物(大当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されている。大入賞口16は、左右方向に長手方向を有して延び、大入賞口16の入口を開閉可能に構成された開閉部材161を備える。遊技球は、開閉部材161が開放された場合にのみ、大入賞口16に入賞することができる。大入賞口16の開閉部材161は、
図4に示す大入賞口ソレノイド70によって電気的に開閉される。大入賞口16の開閉部材161は、後述する大当たり遊技において開放する。
【0029】
センター飾り21の右方には、遊技球が通過可能なゲート12が設けられている。ゲート12は、普通図柄の作動ゲートである。第一始動口14の下方には、第二始動口15が設けられている。第二始動口15は、後述する第二特別図柄の始動口として機能する。第二始動口15は、いわゆる普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変更する役物)に係る入賞口として構成されている。第二始動口15は、片羽根状であり、第二始動口15の入口を開閉可能に構成された開閉部材151を備える。遊技球は、開閉部材151が開放された場合にのみ、第二始動口15に入賞することができる。第二始動口15の開閉部材151は、
図4に示す第二始動口ソレノイド69によって電気的に開閉される。第二始動口15の開閉部材151は、後述する普通当たり遊技において開放される。
【0030】
遊技盤2の右下部には、図柄表示部29が設けられている。図柄表示部29は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LED等を備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、それぞれ複数個のLEDからなる。第一特別図柄表示部は、LEDを点滅表示すること等による変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第一特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第一特別図柄という。以下、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特
図1大当たり判定」という。第二特別図柄表示部は、第一特別図柄表示部と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第二特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第二特別図柄という。以下、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特
図2大当たり判定」という。以下では、第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、単に特別図柄という。
【0031】
普通図柄表示部は、特別図柄の変動表示と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、遊技球がゲート12を通過することを契機として実行される普通当たり判定の結果を報知する。普通図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、普通図柄という。第一保留数表示LEDは、特
図1大当たり判定の実行が保留されている数である第一保留数を表示する。第二保留数表示LEDは、特
図2大当たり判定の実行が保留されている数である第二保留数を表示する。普通保留数表示LEDは、普通当たり判定の実行が保留されている数である普通保留数を表示する。
【0032】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、各種の装飾部材、その他の入賞口及び図示しない遊技くぎ等が設けられている。アウト口19は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0033】
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一始動口14へ入賞しやすい。右打ちされた遊技球が第一始動口14へ入賞することは困難である。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、ゲート12、第二始動口15、大入賞口16を通過又は入賞しやすい。左打ちされた遊技球がゲート12、大入賞口16を通過又は入賞することは困難である。また、第二始動口15への遊技球の入賞は、後述する普通当たり遊技が行われた場合にしか生じ得ない。したがって、遊技者は、後述する確変状態、時短状態及び大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
【0034】
図1に示すように、パチンコホールにおいて、パチンコ機1に隣接してカードユニットCUが配置される。カードユニットCUは、パチンコ機1に接続可能な外部機器である。カードユニットCUは、カード挿入口CU1、紙幣挿入口CU2に加えて、所定の表示部、操作部等を備える。カード挿入口CU1は、遊技者が所持するICカードC1を挿入可能に構成されている。ICカードC1は、種々の情報を電子的に記憶することができる情報記憶媒体である。紙幣挿入口CU2は、紙幣を挿入可能に構成されている。表示部は、ICカードC1に記憶されている各種情報を表示できるように構成されている。操作部は、ICカードC1に記憶されている各種情報についての操作を受け付ける押しボタンスイッチ等である。
【0035】
カードユニットCUは、ICカードC1に対する情報の書き込み及びICカードC1に記憶されている情報の読み出しができるように構成されている。また、カードユニットCUは、各種の情報を枠制御基板45との間で送受信できるように構成されている。さらに、カードユニットCUは、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ)に接続し、パチンコ機1の情報を遊技場管理用コンピュータに出力する。
【0036】
図2を参照して、パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。役物連続作動装置とは、特別電動役物を連続して作動させるための装置である。本実施形態において、条件装置は、大当たりであることを示す特別図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に作動する。
【0037】
本実施形態では、第一始動口14へ遊技球が入賞することを契機として、特
図1大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第一特別図柄が図柄表示部29の第一特別図柄表示部に表示される。特
図1大当たり判定では、大当たり及びはずれのいずれかが、大当たり乱数に基づいて判定される。特
図1大当たり判定において大当たりであると判定されると、判定結果が大当たりであることを示す第一特別図柄が図柄表示部29の第一特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。本実施形態において、役物連続作動装置は、条件装置が作動した場合に作動する。役物連続作動装置が作動することによって、特別電動役物に係る大入賞口16の開閉部材161が所定の開放パターンで開放されることが所定回数繰り返される、大当たり遊技が実行される。
【0038】
以下、大当たり遊技において大入賞口16の開閉部材161が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当たりラウンド」という。1回の大当たりラウンド毎に、大入賞口16が所定時間で1回又は複数回開放する。また、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンドの合計数を、以下、「ラウンド数」という。また、条件装置及び役物連続作動装置が作動している状態、すなわち、大当たり遊技が実行中の状態を、大当たり遊技状態という。本実施形態では、ラウンド数は「4」又は「10」である。以下では、ラウンド数を「R」と示すことがある。以下、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す特別図柄を、大当たり図柄という。大当たり判定の結果がはずれであることを示す特別図柄を、はずれ図柄という。
【0039】
また、第二始動口15へ遊技球が入賞することを契機として、特
図2大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第二特別図柄が図柄表示部29の第二特別図柄表示部に表示される。特
図2大当たり判定では、大当たり及びはずれのいずれかが、大当たり乱数に基づいて判定される。特
図2大当たり判定において大当たりであると判定されると、判定結果が大当たりであることを示す第二特別図柄が、図柄表示部29の第二特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。これに伴い、役物連続作動装置が作動して大当たり遊技状態が生起され、大当たり遊技が実行される。
【0040】
パチンコ機1は、確変状態又は非確変状態を設定できる。確変状態とは、大当たり判定において大当たりであると判定される確率が通常よりも高い確率に変動している遊技状態である。特
図1大当たり判定において大当たりであると判定される確率及び特
図2大当たり判定において大当たりであると判定される確率を、以下、「大当たり確率」という。非確変状態は、確変状態が設定されておらず、大当たり確率が通常の確率である状態である。本実施形態において、非確変状態における大当たり確率は、1/200であり、確変状態における大当たり確率は、1/20である。本実施形態では、大当たり遊技の終了後に60%の割合で確変状態が設定される。大当たり遊技の終了後に確変状態が設定されるか否かは、後述する特別図柄決定乱数の値に応じて決定される特別図柄の種別によって定まる。以下では、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される種別の特別図柄を、「確変大当たり図柄」という。大当たり遊技の終了後に非確変状態が設定される種別の特別図柄を、「非確変大当たり図柄」という。設定された確変状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。
【0041】
普通当たり遊技について説明する。普通当たり遊技は、普通当たり判定の判定結果が当たりであることを示す普通図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に実行される。普通当たり判定は、ゲート12を遊技球が通過することを契機として行われる。普通当たり遊技は、普通電動役物に係る第二始動口15の開閉部材151が所定の開放パターンで開放されることによって実行される。
【0042】
パチンコ機1は、非時短状態及び時短状態のいずれかを設定する。非時短状態は、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる割合が通常の頻度である遊技状態である。時短状態は、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が高くなる遊技状態である。非時短状態及び時短状態における第二始動口15の開閉部材151の開放パターンの詳細については後述する。
【0043】
時短状態は、時短状態の開始の契機に応じて、A時短状態及びC時短状態のいずれかに分類される。A時短状態は、大当たり遊技の終了後に設定される時短状態である。本実施形態において、A時短状態は、確変状態において確変状態が継続する間に亘って継続する。A時短状態は、大当たり遊技状態が再び設定されると終了し、非時短状態が設定される。
【0044】
C時短状態は、非確変状態において、はずれ図柄のうち特定のはずれ図柄が確定表示されたことを契機として設定される時短状態である。C時短状態は、C時短状態において行われた大当たり判定の回数、すなわち特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計が、予め定められたC時短回数に到達するまで継続する。特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計を、以下、判定回数という。C時短状態は、大当たり遊技状態が設定されるか、C時短状態における判定回数がC時短回数に到達すると終了し、非時短状態が設定される。第一実施形態において、C時短回数は600回又は100回である。
【0045】
この他、パチンコ機1は、B時短状態を設定してもよい。B時短状態は、大当たり遊技が終了し、非確変状態における大当たり判定の実行が開始されたこと及び後述するRAMクリア処理が行われたことを起点として計数された判定回数が、予め定められた上限回数に到達することに応じて設定される時短状態である。本実施形態において、B時短状態は、B時短状態における判定回数が、予め定められたB時短回数に達するまで継続する。B時短状態は、大当たり遊技状態が再び設定されるか、B時短状態における判定回数がB時短回数に到達すると終了し、非時短状態が設定される。
【0046】
パチンコ機1は、これら確変状態、非確変状態、時短状態及び非時短状態を組み合わせて、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の遊技状態を設定できる。本実施形態では、「非確変非時短状態」、「確変時短状態」、「非確変時短状態」の3種類に大別される遊技状態のうちのいずれかが設定される。非確変非時短状態は、非確変状態と非時短状態との組合せによる。以下では、非確変非時短状態を、「通常状態」ということもある。確変時短状態は、確変状態と時短状態との組合せによる。非確変時短状態は、非確変状態と時短状態との組合せによる。なお、パチンコ機1における初回電源投入後の初期状態には、非確変非時短状態が設定される。この他、パチンコ機1は、確変状態と非時短状態との組合せによる「確変非時短状態」等を含めた4種類以上の遊技状態を備えてもよい。
【0047】
図3を参照して、貯留装置20及び貯留装置20に貯留される遊技球が遊技領域4に向けて発射される場合について説明する。
図3(A)に示すように、貯留装置20は、貯留部22、遊技球発射装置37及び戻り通路25を備える。貯留部22は、貯留装置20の下部において所定数の遊技球を貯留できるように形成された領域である。遊技球発射装置37は、貯留部22の上方に設けられている。
【0048】
図示を省略するが、球送り装置48は、貯留部22と遊技球発射装置37との間において上下方向に延びるスクリューと、スクリューを囲んで上下方向に延びる樋部材と、スクリューを回転駆動させるモータとを備える。スクリューと樋部材とに囲まれた領域は、遊技球が誘導される誘導経路となっている。誘導経路の下端部は、貯留部22に連結しており、スクリューがモータの動力を受けて回転すると、貯留部22から誘導経路に入球した遊技球が、スクリューの回転に応じて誘導経路内を上昇する。本実施形態では、スクリューが1回転することに応じて、1個の遊技球が誘導経路の下端部から上端部に向けて送られる。誘導経路の上端部に到達した遊技球は、遊技球発射装置37に向けて送られる。
【0049】
遊技球発射装置37は、図示しないソレノイド等を備え、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で、球送り装置48によって送られた遊技球を1個ずつ発射できるように構成されている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、下端において20に連結する発射通路23を通過する。遊技球発射装置37によって発射された遊技球が遊技領域4に向かう発射通路23に沿った方向を、発射方向という。
【0050】
発射通路23には、下方に向けて延びる戻り通路25の上端部が連結する。戻り通路25の下端部は、貯留部22に連結する。発射通路23と戻り通路25とが連結する部分には、逆流防止部材24が設けられている。逆流防止部材24は、その下端部が発射通路23と戻り通路25とが連結する部分に固定される板状体である。逆流防止部材24は、下端を支点として発射通路23の下壁部に回転可能に組み付けられている。逆流防止部材24は、
図3(A)に示す状態、すなわち、鉛直方向に延びる姿勢が維持されるように付勢されている。
【0051】
発射通路23のうち逆流防止部材24よりも発射方向の上流部分を、第一通路231という。発射通路23のうち逆流防止部材24よりも発射方向の下流部分を、第二通路232という。逆流防止部材24は、第一通路231から第二通路232への遊技球の進入を許容する。一方、逆流防止部材24は、第二通路232から第一通路231への遊技球の進入を防止する。
【0052】
遊技球発射装置37によって発射され、第一通路231を発射方向に向かう遊技球は、逆流防止部材24を鉛直方向に延びる姿勢から、
図3(B)に示すように左方に向けて回転させる。これにより、遊技球は第一通路231から第二通路232に進入することができる。その後、遊技球は遊技領域4に向かう。
図3(B)に示すように左方に向けて回転した逆流防止部材24は、逆流防止部材24に作用する付勢力によって
図3(A)に示す鉛直方向に延びる姿勢に復帰する。
【0053】
第一通路231の上端部には、遊技球を検出できるセンサである発射球センサ455が設けられている。したがって、遊技球発射装置37によって発射されて第一通路231から第二通路232に進入した遊技球の全てが、発射球センサ455によって検出される。
【0054】
遊技球発射装置37による発射強度が所定未満である場合、遊技球発射装置37によって発射され、第一通路231を発射方向に向かい第二通路232に進入した遊技球が、遊技領域4に到達できない場合がある。このような遊技球を、ファール球という。この場合、ファール球は第二通路232を下方に向かって流下し、逆流防止部材24に向かう。この場合、
図3(C)に示すように、逆流防止部材24が鉛直方向に延びる姿勢にある。逆流防止部材24は、鉛直方向に延びる姿勢から右方に向けて回転することはできない。このため、鉛直方向に延びる逆流防止部材24によって、ファール球は第一通路231への進入が妨げられ、戻り通路25へ誘導される。したがって、ファール球は、戻り通路25を介して貯留部22に戻る。貯留部22に戻ったファール球は、遊技領域4に向けて発射される遊技球として再び用いられる。戻り通路25には、遊技球を検出できるセンサである戻り球センサ456が設けられている。したがって、ファール球の全てが、戻り球センサ456によって検出される。
【0055】
また、遊技盤2の裏側には、遊技領域4を流下し、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16及びその他の入賞口へ入賞した遊技球と、アウト口19を通過した遊技球とが全て通過する排出経路26が設けられている。排出経路26は貯留部22に連結する。これにより、遊技領域4を流下した遊技球は全て貯留部22に戻り、貯留部22に戻った遊技球は、遊技領域4に向けて発射される遊技球として再び用いられる。排出経路26における貯留部22との連結部の近傍には、遊技球を検出できるセンサである排出球センサ457が設けられている。したがって、遊技領域4を流下した遊技球の全てが、排出球センサ457によって検出される。
【0056】
図4を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプ制御基板46、演出制御基板43、枠制御基板45、中継端子板47及び電源基板42を主に備える。
【0057】
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41のCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。RAM52は、確変状態、時短状態等の遊技状態を示すフラグ等の情報、大当たり判定の結果を示す情報、第一保留数、第二保留数等、遊技に関する処理のための遊技処理情報を記憶する。CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力する図示しないクロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主制御基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
【0058】
また、主制御基板41には、RAMクリアスイッチ412が実装されている。RAMクリアスイッチ412は、RAMクリア処理を行う際に操作されるスイッチである。RAMクリア処理は、RAM52に記憶されている遊技処理情報を消去し、RAM52の初期設定を行うために行われる。なお、RAMクリアスイッチ412は、電源基板42に設けられても良い。RAMクリアスイッチ412は、主制御基板41、電源基板42等とは別に設けられる専用の基板に設けられてもよい。
【0059】
主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、枠制御基板45、中継端子板47、図柄表示部29、第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62に接続している。図柄表示部29の表示制御は、CPU51によって行われる。第一始動口スイッチ61は、第一始動口14に設けられており、第一始動口14への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。第二始動口スイッチ62は、第二始動口15に設けられており、第二始動口15への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0060】
サブ制御基板58は、各種の演算処理を行うCPU581、データを一時的に記憶するRAM582、制御プログラム等を記憶したROM583及びパチンコ機1における音出力を制御する音制御回路585を備える。サブ制御基板58は、ランプ制御基板46、演出制御基板43及びスピーカ39に接続している。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。
【0061】
ランプ制御基板46は、演出ボタン35、枠ランプ38及び盤ランプ27に接続している。ランプ制御基板46は、図示しないLEDドライバ等を備える。ランプ制御基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、枠ランプ38及び盤ランプ27の発光動作等を制御する。演出ボタン35は押下操作をされた場合、押下操作をされたことを示す信号を出力する。ランプ制御基板46は、演出ボタン35から受信した信号を、サブ制御基板58に中継する。
【0062】
演出制御基板43は、各種の演算処理を行うCPU431、表示画面28に対する画像出力を制御する画像制御回路435及び画像データを記憶するCGROM(図示略)等を備える。演出制御基板43は、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。スピーカ39は、音制御回路585によって出力される音信号を音に変換して出力する。
【0063】
枠制御基板45は、パチンコ機1における持ち球情報の管理等を司る。枠制御基板45は、CPU451、RAM452及びROM453等を備える。枠制御基板45は、各種の演算処理を行うCPU451と、持ち球情報等のデータを一時的に記憶するRAM452と、持ち球情報の管理のための制御プログラム等を記憶したROM453とを備える。
【0064】
枠制御基板45は、I/Oインタフェイス454を介して球管理ユニット44、発射球センサ455、戻り球センサ456、排出球センサ457、球送り装置48、遊技球発射装置37及びカードユニットCUに接続している。球管理ユニット44は、遊技球数表示部441及び計数ボタン442を備える。遊技球数表示部441は、CPU451による制御に応じて、持ち球情報に基づく持ち球数等を表示する。計数ボタン442は、計数ボタン442の操作状況を示す信号であるボタン入力読込信号を、1ミリ秒間隔でCPU451に送信する。本実施形態では、計数ボタン442は、計数ボタン442が押されたこと、すなわち操作されたことを検出した場合、「ON」のボタン入力読込信号をCPU451に送信する。計数ボタン442は、計数ボタン442が操作されたこと検出しなかった場合、「OFF」のボタン入力読込信号をCPU451に送信する。計数ボタン442は、計数ボタン442の操作がされた場合、操作をされたことを示すコマンドである計数コマンドを生成する。
【0065】
発射球センサ455は、遊技球発射装置37によって発射された遊技球である発射球を検出した場合、発射球検出信号を枠制御基板45に出力する。戻り球センサ456は、ファール球を検出した場合、ファール球検出信号を枠制御基板45に出力する。排出球センサ457は、遊技球の通過を検出した場合、排出球検出信号を枠制御基板45に出力する。球送り装置48は、CPU451による制御に応じて、貯留部22から遊技球発射装置37へ遊技球を1個ずつ送る。遊技球発射装置37は、CPU451による制御に応じて、一定間隔(本実施形態では約0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。また、前述したように、枠制御基板45は、I/Oインタフェイス454を介して、前述した外部機器であるカードユニットCUにも接続する。
【0066】
中継端子板47は、第二始動口ソレノイド69、大入賞口ソレノイド70、ゲートスイッチ74及び大入賞口スイッチ76に接続している。第二始動口ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材151を開閉する。大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材161を開閉する。ゲートスイッチ74は、ゲート12に設けられており、ゲート12への遊技球の通過を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。大入賞口スイッチ76は、大入賞口16に設けられており、大入賞口16への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0067】
電源基板42は、主制御基板41及び枠制御基板45に接続されており、各基板に直流の安定化した電力を供給する。電源基板42には、電源スイッチ423が設けられている。電源スイッチ423は、パチンコ機1の電源をON、OFFするために操作されるスイッチである。
【0068】
枠制御基板45のCPU451による持ち球情報等の管理について概説する。遊技者は、パチンコ機1における遊技を開始する場合、所持するICカードC1を、カードユニットCUのカード挿入口CU1に挿入する。
【0069】
カードユニットCUは、紙幣挿入口CU2に挿入された紙幣の現金を、遊技者が遊技に使用するための遊技球に変換することができる。現金を遊技球に変換することを、遊技球の貸出という。遊技球の貸出によって得られる遊技球を、貸球という。ICカードC1は、紙幣挿入口CU2に挿入された紙幣の現金に基づく現金金額情報を記憶することができる。カードユニットCUは、紙幣挿入口CU2に紙幣が挿入された場合、挿入された紙幣の現金の示す金額をICカードC1に記憶されている現金金額情報の示す金額に加算して、現金金額情報を更新する。
【0070】
カードユニットCUの操作部が所定の操作を受け付けた場合において、ICカードC1に現金金額情報が記憶されているとき、カードユニットCUは遊技球の貸出を行う。遊技球の貸出は、例えば500円の現金を125個の貸球に変換することによって行われる。遊技球の貸出が行われる現金の単位は、これ以外であってもよい。現金を貸球に変換するレートも一例である。カードユニットCUは、遊技球の貸出を行った場合、現金から変換した貸球の数を示す貸球数情報を、枠制御基板45に送信する。また、カードユニットCUは、貸球の数に対応する金額をICカードC1に記憶されている現金金額情報の示す金額から減算して、現金金額情報を更新する。
【0071】
カードユニットCUから貸球数情報を受信した枠制御基板45のCPU451は、貸球数情報の示す貸球数を持ち球数に加算して、持ち球情報を更新する。また、CPU451は、更新した持ち球情報に応じた持ち球数を、遊技球数表示部441に表示させる。
【0072】
CPU451は、発射ハンドル32の発射操作を受け付けた場合において、持ち球数が0よりも大きいとき、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37に遊技球を発射させる。CPU451は、発射球センサ455から検出信号を受信した場合、持ち球情報の示す持ち球数から「1」を減算して、持ち球数情報を更新する。CPU451は、戻り球センサ456から検出信号を受信した場合、持ち球情報の示す持ち球数に「1」を加算して、持ち球数情報を更新する。また、CPU451は、所定期間に発射球センサ455から検出信号を受信した回数である発射回数を管理する。CPU451は、所定期間に戻り球センサ456から検出信号を受信した回数であるファール球数を管理する。
【0073】
パチンコ機1は、遊技領域4に発射された遊技球が第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16及びその他の入賞口へ遊技球が入賞した場合、入賞口毎に予め定められている単位数に対応する数の遊技球を持ち球として遊技者に付与する。各種の入賞口に遊技球が入賞することに応じて持ち球として遊技者に付与される遊技球を、賞球という。入賞口毎に予め定められている単位数を、単位賞球数という。主制御基板41のCPU51は、遊技球が入賞口に入賞した場合、入賞口に応じた単位賞球数を示す賞球コマンドを生成する。CPU51は、生成した賞球コマンドを、RAM52に設けられるコマンドバッファにセットする。コマンドバッファにセットされた賞球コマンドは、枠制御基板45に順次送信される。賞球コマンドを受信した枠制御基板45のCPU451は、賞球コマンドの示す単位賞球数を持ち球数に加算して、持ち球情報を更新する。
【0074】
CPU451は、所定期間に排出球センサ457から排出球検出信号を受信した回数である排出球数を管理する。CPU451は、発射球数からファール球数を減算した数が排出球数と乖離しないかを監視することによって、遊技領域4等における遊技球の球詰まりの発生、不正行為の発生等を検出する。
【0075】
遊技者は、遊技を終了する場合、持ち球情報として管理されている持ち球数の持ち球を、自己の貯球に計上する必要がある。「貯球」とは、遊技者が次回以降の遊技において遊技のために使用できる遊技球である。貯球の数を、以下では、「貯球数」という。ICカードC1は、貯球数を示す貯球数情報を記憶することができる。遊技者が持ち球数の遊技球を自己の貯球に計上することを、持ち球の精算という。遊技者は、持ち球の精算を行う場合、計数ボタン442を操作する。CPU451は、計数ボタン442が操作された場合、計数コマンドを生成し、生成した計数コマンドをカードユニットCUに送信する。計数コマンドは、貯球に計上する持ち球の数である計上数を示す情報を含んで生成される。また、CPU451は、計数コマンドの生成に応じて、計上数を持ち球数から減算して、持ち球数情報を更新する。
【0076】
CPU451から計数コマンドを受信したカードユニットCUは、受信した計数コマンドを解析して計数コマンドの含む計上数を取得する。カードユニットCUは、取得した計上数を、ICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数に加算して、貯球数情報を更新する。遊技者が計数ボタン442の操作を終了することによって、持ち球の精算が完了する。
【0077】
カードユニットCUは、ICカードC1をカードユニットCUから排出させる返却操作をカードユニットCUの操作部を介して受け付けた場合、カード挿入口CU1からICカードC1を排出する。これにより、遊技者は、自己のICカードC1の返却をカードユニットCUから受けることができる。
【0078】
貯球数情報が1個以上の貯球数を示すICカードC1を保有する遊技者は、同じ遊技機又は別の遊技機で再度遊技を開始する場合、貯球数情報の示す貯球数の貯球を持ち球に変換して遊技することができる。貯球を持ち球に変換して遊技することを、貯球再遊技という。貯球再遊技を行う遊技者は、遊技を行う遊技機に接続されているカードユニットCUにICカードC1を挿入する。カードユニットCUは、挿入されたICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数を読み出す。カードユニットCUは、カードユニットCUの操作部が所定の操作を受け付けた場合、ICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数から、貯球再遊技に用いる遊技球の数である再遊技球数を減算する。カードユニットCUは、再遊技球数を示す貯球再遊技情報を枠制御基板45に送信する。貯球再遊技情報を受信したCPU451は、貯球再遊技情報の示す再遊技球数を持ち球数に加算する。これにより、遊技者はICカードC1に記憶されている貯球数情報に対応する貯球を用いて、貯球再遊技を行うことができる。なお、遊技者は、貯球を次回以降の遊技に使用するためICカードC1に貯球数情報を記憶させた状態を保つことができる。また、遊技者は、貯球数情報の示す貯球数の貯球の一部又は全部を、パチンコホールにおいて各種の景品に交換することもできる。
【0079】
図5を参照して、RAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。特
図1大当たり関係情報記憶エリアは、
図11から
図13において後述するメイン処理の特別図柄処理において使用される。特
図1大当たり関係情報記憶エリアには、最大第一保留数に対応する複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態において、記憶可能な第一保留数の上限である最大第一保留数は「4」である。このため、特
図1大当たり関係情報記憶エリアには、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に第一保留数が4未満、すなわち0~3であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
【0080】
第一保留数は、第一始動口14へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、特
図1大当たり判定の実行、第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンの決定等が保留された状態で特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一保留乱数の個数である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数を、図示しない判定エリアにシフトする。判定エリアは、大当たり判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアであり、特
図1大当たり判定と特
図2大当たり判定とで共通に用いられる。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について特
図1大当たり判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数が、判定エリアにシフトされると、次の番号以降の記憶エリアに記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数が判定エリアに順次シフトされて、特
図1大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数についての各種処理には、例えば、特
図1大当たり判定の結果を報知する報知演出の決定、及び判定結果に応じて実行される大当たり遊技のラウンド数に関する処理等が含まれる。なお、判定エリアの乱数は、大当たり判定等の処理が終了した後に消去される。
【0081】
各記憶エリアには、大当たり乱数の値が記憶される特
図1大当たり乱数欄、特別図柄決定乱数の値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定乱数の値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。遊技球が第一始動口14へ入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。特
図1大当たり乱数欄に記憶される大当たり乱数は、特
図1大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数欄に記憶される特別図柄決定乱数は、第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数欄に記憶される変動パターン決定乱数は、図柄表示部29の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間等を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。特
図1大当たり乱数とともに取得されて特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第一乱数ともいう。また、特
図1特別図柄の変動時間を、第一変動時間ともいう。この他、報知演出を後述するリーチ演出として行うか否かを決定するためのリーチ乱数等、上記以外の乱数が、遊技球が第一始動口14へ入賞することを契機として第一乱数として取得されてもよい。
【0082】
図示しないが、RAM52には、特
図2大当たり関係情報記憶エリアが設けられている。特
図2大当たり関係情報記憶エリアも、メイン処理の特別図柄処理において使用される。本実施形態では、特
図2大当たり関係情報記憶エリアに、最大第二保留数に対応する4つの記憶エリアが設けられている。第二保留数は、第二始動口15へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、特
図2大当たり判定の実行、第二特別図柄の変動時間を示す第二変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている第二保留乱数の個数である。第二始動口15に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、特
図2大当たり関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。特
図2大当たり関係情報記憶エリアには、特
図1大当たり関係情報記憶エリアと同様に、大当たり乱数の値が記憶される特
図2大当たり乱数欄、特別図柄決定乱数の値が記憶される第二特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定乱数の値が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。
【0083】
CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、前述の判定エリアにシフトする。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について特
図2大当たり判定等の各種処理を行う。特
図2大当たり乱数とともに取得されて特
図2大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第二乱数ともいう。また、第二特別図柄の変動時間を、第二変動時間ともいう。
【0084】
以下の説明では、大当たり乱数のうち特
図1大当たり判定のために用いられるものを、特
図1大当たり乱数ともいう。大当たり乱数のうち特
図2大当たり判定のために用いられるものを、特
図2大当たり乱数ともいう。変動パターン決定乱数のうち第一変動パターンを決定するために用いられるものを、第一変動パターン決定乱数ともいう。変動パターン決定乱数のうち第二変動パターンを決定するために用いられるものを、第二変動パターン決定乱数ともいう。特別図柄決定乱数のうち第一特別図柄を決定するために用いられるものを、第一特別図柄決定乱数ともいう。特別図柄決定乱数のうち第二特別図柄を決定するために用いられるものを、第二特別図柄決定乱数ともいう。
【0085】
パチンコ機1において、第一変動時間及び第二変動時間は、特
図1大当たり判定及び特
図2大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主制御基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主制御基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。主制御基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄100の変動表示の開始を制御する。主制御基板41は、第一変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄を、所定の特別図柄確定表示時間の間、確定表示させる。本実施形態において、特別図柄確定表示時間は0.8秒である。また、主制御基板41は、第二特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第二特別図柄を、所定の特別図柄確定表示時間の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄確定表示時間に同期して、演出図柄100を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄100による他、表示画面28、盤ランプ27、枠ランプ38、スピーカ39等によっても、特別図柄の変動時間と同期した報知演出の実行を制御する。以下では、第一特別図柄の変動時間と同期した報知演出を、第一報知演出という。第二特別図柄の変動時間と同期した報知演出を、第二報知演出という。
【0086】
なお、図示しないが、RAM52には、ゲート12を遊技球が通過することを契機として取得される普通当たり乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、特
図1大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアには、記憶可能な普通保留数の上限である最大普通保留数「4」に対応する4つの記憶エリアが設けられている。記憶エリアには、普通当たり乱数の値が記憶される普通当たり乱数欄、普通図柄決定乱数の値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当たり乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。
【0087】
図6を参照して、ROM53に記憶されている第二始動口開放パターン定義テーブルについて説明する。普通当たり判定において当たりであると判定される確率を、以下では「普通当たり確率」という。第二始動口開放パターン定義テーブルは、非時短状態及び時短状態における普通当たり確率及び普通当たり遊技における第二始動口15の開閉部材151の開放パターンを定義する。
図6に示すように、第一実施形態において、非時短状態における普通当たり確率は26/256(約10.2%)である。また、非時短状態において、第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、0.060秒の1回の開放である。非時短状態における第二始動口15の開放時間は非常に短い。なお、
図10のS17で後述する普通図柄処理において、非時短状態における普通図柄の変動時間は約10秒、時短状態における普通図柄の変動時間は約2秒に制御される。
【0088】
遊技球の発射が継続された場合において、単位時間当たりに第二始動口15が開放状態に作動される割合を、作動割合という。非時短状態における普通図柄の変動時間は時短状態よりも長い。非時短状態における第二始動口15の開放時間は、時短状態における開放時間よりも短い。非時短状態の普通当たり確率は、時短状態の普通当たり確率よりも低い。このため、非時短状態において遊技球が右打ちされることが継続された場合の第二始動口15の作動割合は、時短状態よりも低くなる。よって、遊技者は、非時短状態に実行される普通当たり遊技において、第二始動口15へ遊技球を入賞させることは困難である。この状態において遊技球の右打ちが継続された場合には、遊技球が第一始動口14へも第二始動口15へも入賞し難い状態が継続することとなる。したがって、非時短状態は、遊技球が第一始動口14へ入賞するように、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。
【0089】
第一実施形態において、時短状態は、第一時短状態と第二時短状態とを含む。時短状態、すなわち、第一時短状態及び第二時短状態における普通当たり確率は、256/256(100%)である。第一時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、0.064秒の1回の開放である。第一時短状態における開閉部材151の開放時間は、非時短状態における開放時間よりも僅かに長い。このため、第一時短状態において遊技球が右打ちされることが継続された場合の第二始動口15の作動割合は、非時短状態よりも僅かに高くなる。しかし、第一時短状態における第二始動口15の開放時間は非時短状態と同様に非常に短いので、遊技者は、第一時短状態に実行される普通当たり遊技において、第二始動口15へ遊技球を入賞させることは困難である。この状態において遊技球の右打ちが継続された場合には、非時短状態と同様に、遊技球が第一始動口14へも第二始動口15へも入賞し難い状態が継続することとなる。したがって、第一時短状態は、非時短状態と同様に、遊技球が第一始動口14へ入賞するように、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。
【0090】
第二時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、5.800秒の1回の開放である。第二時短状態における開閉部材151の開放時間は、非時短状態及び第一時短状態における開放時間よりも長い。このため、第二時短状態において遊技球が右打ちされることが継続された場合において、第二始動口15の作動割合は、非時短状態及び第一時短状態よりも非常に高くなる。したがって、遊技者は、第二時短状態において、非時短状態及び第一時短状態よりも、第二始動口15に遊技球を非常に容易に入賞させることができる。すなわち、第二時短状態は、遊技球が第二始動口15へ入賞するように、右打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。非時短状態、第一時短状態及び第二時短状態のいずれにおいても、開閉部材151が開放している間に所定の個数(第一実施形態において、9個)の遊技球が第二始動口15へ入賞したときには、開閉部材151は閉鎖する。
【0091】
第一実施形態において、時短状態が第一時短状態と第二時短状態とを含むことから、非確変時短状態は、「非確変第一時短状態」と「非確変第二時短状態」の2種類にさらに分類される。非確変第一時短状態は、非確変状態と第一時短状態との組合せによる。非確変第二時短状態は、非確変状態と第二時短状態との組合せによる。非確変第一時短状態は、非確変非時短状態である通常状態よりも容易に第二始動口15に遊技球が入賞できる遊技状態であるが、その容易度は非常に僅かであるので、非確変非時短状態に非常に近似した遊技状態となる。このため、以下では、非確変第一時短状態を、時短状態が僅かに発生している状態と捉え、「微時短状態」ともいう。すなわち、本実施形態において、遊技者にとっての有利度の点において、非確変非時短状態と非確変第一時短状態とは、ほぼ同等である。なお、確変時短状態は、確変状態と第二時短状態との組合せによる「確変第二時短状態」の1種類である。
【0092】
主制御基板41のCPU51は、
図10で後述する普通図柄処理において第二始動口開放定義テーブルを参照することで、各遊技状態に応じた普通当たり確率で普通当たり判定を実行する。また、普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出された場合には、
図10で後述する普通電動役物処理において第二始動口開放パターン定義テーブルを参照して第二始動口15の開閉部材151を開放させる。これによって、主制御基板41のCPU51は、各遊技状態に応じた開放パターンで普通当たり遊技を実行する。
【0093】
なお、パチンコ機1は、時短状態における普通当たり確率、第二始動口15の開放パターン及び普通図柄の変動時間を、非時短状態における普通当たり確率、第二始動口15の開放パターン及び普通図柄の変動時間から変更することによって時短状態を設けている。時短状態は、非時短状態に対して普通当たり確率、第二始動口15の開放パターン又は普通図柄の変動時間の少なくともいずれかを変更することによって設けられればよい。
【0094】
図7を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、特
図1大当たり判定の結果を示す第一特別図柄と、特
図2大当たり判定の結果を示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄及び第二特別図柄は、複数の図柄種別のいずれかに分類される。複数の図柄種別は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に決定される大当たり図柄と、大当たり判定の結果がはずれである場合に決定されるはずれ図柄とを含む。特別図柄決定テーブルは、複数の大当たり図柄及びはずれ図柄のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0~99)を対応付けている。
【0095】
第一特別図柄は、「特1確変大当たりA」及び「特1通常大当たりA」の2種類の大当たり図柄と、「特1はずれA」及び「特1はずれB」の2種類の図柄名称のはずれ図柄とを含む。特1確変大当たりAは、確変大当たり図柄である。特1通常大当たりAは、非確変大当たり図柄である。第一特別図柄の大当たり図柄の割合は、「特1確変大当たりA」が60%、「特1通常大当たりA」が40%である。第一特別図柄のはずれ図柄の割合は、「特1はずれA」が50%、「特1はずれB」が50%である。「特1確変大当たりA」及び「特1通常大当たりA」が決定されたことに応じて実行される大当たり遊技のラウンド数は、「4」である。
【0096】
第二特別図柄は、「特2確変大当たりA」及び「特2通常大当たりA」の2種類の図柄名称の大当たり図柄と、「特2はずれ」の1種類の図柄名称のはずれ図柄とを含む。特2確変大当たりAは、確変大当たり図柄である。特2通常大当たりAは、非確変大当たり図柄である。第二特別図柄の大当たり図柄の割合は、「特2確変大当たりA」が60%、「特2通常大当たりA」が40%である。第二特別図柄のはずれ図柄の割合は、「特2はずれ」が100%である。「特2確変大当たりA」及び「特2通常大当たりA」が決定されたことに応じて実行される大当たり遊技のラウンド数は、「8」である。
【0097】
特別図柄決定テーブルは、「以降の遊技状態」欄を設け、大当たり図柄及びはずれ図柄が決定されたことに起因して以降に設定される遊技状態を、図柄名称に対応付けて定義している。特別図柄決定テーブルは、設定された遊技状態が終了する条件である終了条件も、図柄名称に対応付けて定義している。第一特別図柄として特1確変大当たりAが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に確変第二時短状態が設定される。設定された確変第二時短状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。第一特別図柄として特1通常大当たりAが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に非確変非時短状態が設定される。
【0098】
非確変非時短状態において第一特別図柄として特1はずれAが決定された場合、特1はずれAの第一特別図柄が確定表示された後から判定回数がC時短回数である600回に到達するまで、非確変第一時短状態が設定される。非確変非時短状態における判定回数がC時短回数である600回に到達した場合には、第一時短状態が終了し、遊技状態は非確変非時短状態に移行する。また、非確変第一時短状態、非確変第二時短状態及び確変第二時短状態において第一特別図柄として特1はずれAが決定された場合、遊技状態に変化は生じない。
【0099】
非確変非時短状態において第一特別図柄として特1はずれBが決定された場合、特1はずれBの第一特別図柄が確定表示された後から判定回数がC時短回数である100回に到達するまで、非確変第二時短状態が設定される。非確変非時短状態における判定回数がC時短回数である100回に到達した場合には、第二時短状態が終了し、遊技状態は非確変非時短状態に移行する。また、非確変第一時短状態、非確変第二時短状態及び確変第二時短状態において第一特別図柄として特1はずれBが決定された場合、遊技状態に変化は生じない。第一特別図柄としてはずれ図柄が決定されたことに伴って設定される時短状態は、前述のC時短状態に相当する。なお、非確変非時短状態において第一特別図柄のはずれ図柄として特1はずれA又は特1はずれBが決定される確率はそれぞれ一例であり、任意に変更されてもよい。
【0100】
第二特別図柄として特2確変大当たりAが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に確変第二時短状態が設定される。設定された確変第二時短状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。第二特別図柄として特2通常大当たりBが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に非確変非時短状態が設定される。第二特別図柄として特2はずれが決定された場合、遊技状態に変化は生じない。第一特別図柄及び第二特別図柄として大当たり図柄が決定されたことに伴って設定される時短状態は、前述のA時短状態に相当する。
【0101】
図8及び
図9を参照して、ROM53に記憶されている通常状態変動パターン決定テーブル、その他変動パターン決定テーブルについて説明する。
図8に示す通常状態変動パターン決定テーブルは、非確変非時短状態における第一変動パターン及び第二変動パターンを決定するために設けられている。通常状態変動パターン決定テーブルは、大当たり判定による判定結果に対応して決定される変動パターンを定義している。各変動パターンには、変動パターン決定乱数の値(0~511)及び特別図柄の変動時間が対応付けられている。
【0102】
通常状態変動パターン決定テーブルは、特
図1大当たり判定がはずれの判定結果である場合、はずれ図柄の種類に応じて第一変動パターンを定義している。具体的には、通常状態変動パターン決定テーブルは、はずれ図柄が特1はずれAの場合と、特1はずれBの場合とで、異なる第一変動パターンを定義している。また、通常状態変動パターン決定テーブルは、第一変動パターンが決定される時点における第一保留数に応じて第一変動パターンを定義している。具体的には、通常状態変動パターン決定テーブルは、第一保留数が「1」以上である場合と、「0」である場合とで、異なる第一変動パターンを定義している。
【0103】
このため、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合、第一保留数が「1」以上である場合には「大当たり変動A」、第一保留数が「0」である場合は「大当たり変動B」の第一変動パターンが、それぞれ決定される。また、大当たり判定の判定結果がはずれである場合には、はずれ図柄が特1はずれAであるときと特1はずれBであるときとで異なる種類の第一変動パターンが決定される。はずれ図柄が特1はずれAである場合、第一保留数が「1」以上である場合には「ノーマル突入演出A」、第一保留数が「0」である場合は「ノーマル突入演出B」の第一変動パターンが、それぞれ決定される。はずれ図柄が特1はずれBである場合、第一保留数が「1」以上である場合には「時短突入演出A」、第一保留数が「0」である場合は「時短突入演出B」の第一変動パターンが、それぞれ決定される。なお、通常状態変動パターン決定テーブルが定義する第一変動パターンの変動時間はいずれも30秒であるが、それぞれの第一変動パターン毎に異なる変動時間が定義されてもよい。
【0104】
一方、通常状態変動パターン決定テーブルは、第二変動パターンについては、第二特別図柄の種類及び第一保留数に関わらず、大当たり判定の結果に応じて定義している。特
図2大当たり判定が大当たりの判定結果である場合、「大当たり変動C」の第二変動パターンが決定される。特
図2大当たり判定がはずれの判定結果である場合、「はずれ変動」の第二変動パターンが決定される。なお、通常状態変動パターン決定テーブルが定義する第二変動パターンの変動時間はいずれも1秒であるが、それぞれの第二変動パターン毎に異なる変動時間が定義されてもよい。
【0105】
図9に示すその他変動パターン決定テーブルは、大当たり判定による判定結果及び変動パターンが決定される時点における遊技状態に応じて、複数のテーブルを設けている。複数のテーブルは、非確変第一時短状態、確変第二時短状態及び非確変第二時短状態のそれぞれについて設けられている。複数のテーブルのそれぞれには、1又は複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンに変動パターン決定乱数の値(0~511)及び特別図柄の変動時間が対応付けられている。その他変動パターン決定テーブルは、変動パターンを、特別図柄の種類及び第一保留数に関わらず、大当たり判定の結果に応じて定義している。
【0106】
大当たり判定が行われた場合、その時点の遊技状態と大当たり判定による判定結果とに応じたテーブル区分が参照され、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。非確変第一時短状態における大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、「リーチ演出A」から「リーチ演出D」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。「リーチ演出」とは、例えば3つの演出図柄100のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合、「リーチ演出A」から「リーチ演出D」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、特
図1大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出A」から「リーチ演出D」の順に高くなる。
【0107】
なお、本実施形態において、「非リーチ演出A」等の「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく終了する報知演出である。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。「非リーチ」の変動パターンは、特別図柄の変動開始時における保留数に応じて、変動時間が変動する。
図9において、保留数「0」は、第一保留数が「0」の状態において遊技球が第一始動口14へ入賞したことを契機として第一特別図柄が変動を開始する場合を示す。保留数「1」、「2」又は「3」は、第一保留数が「1」、「2」又は「3」である状態において、第一乱数に基づいて第一特別図柄が変動を開始する場合を示す。
【0108】
遊技状態が確変第二時短状態及び非確変第二時短状態である場合においても、非確変第一時短状態の場合と同様に、大当たり判定による判定結果に応じて、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
【0109】
主制御基板41は、決定した変動パターンに応じて定められている変動時間だけ、第一特別図柄又は第二特別図柄を変動させる。また、主制御基板41は、変動パターンが決定されると、変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じて、報知演出を制御する。
【0110】
図10から
図16を参照して、パチンコ機1の主制御基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。
図10に示す制御プログラムのメイン処理は、電源スイッチ423がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONになると、CPU51において実行が開始される。その後は、CPU51は、
図4に示す割込信号発生回路57が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、メイン処理を実行する。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0111】
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。メイン処理では、稼働中フラグ、大当たり遊技状態フラグ、確変フラグ、第一時短フラグ及び第二時短フラグ等が使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される遊技処理情報である。稼働中フラグは、パチンコ機1が稼働中であるかを示すフラグである。稼働中フラグは、電源スイッチ423がOFF状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がOFFにされるときに「OFF」になる。稼働中フラグは、電源スイッチ423がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONにされるときに実行される後述する電源投入時処理(S2)の実行に伴って「ON」になる。
【0112】
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態に「ON」になり、大当たり遊技状態でない場合に「OFF」になる。第一時短フラグは、前述の第一時短状態であるかを示すフラグであり、第一時短状態が設定される場合に「1」が記憶されて「ON」になり、第一時短状態が終了する場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第二時短フラグは、前述の第二時短状態であるかを示すフラグであり、第二時短状態が設定される場合に「1」が記憶されて「ON」になり、第二時短状態が終了する場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。以下では、第一時短フラグ及び第二時短フラグを総称する場合、単に時短フラグという。
【0113】
メイン処理が開始されると、CPU51は、稼働中フラグが「ON」であるかを判断する(S1)。パチンコ機1の電源がONにされた直後は稼働中フラグが「OFF」である。稼働中フラグが「OFF」の場合(S1:NO)、電源投入時処理が実行されて(S2)、メイン処理が終了する。
【0114】
電源投入時処理では、CPU51は、電源投入に伴う初期化処理を実行する。具体的には、CPU51は、サブ制御基板58等が動作可能な状態になるのを待つためのウエイト処理、RAM52に対する遊技処理情報の書き込み及び読み出しを可能とするための、RAM52へのアクセス許可設定等を実行する。また、CPU51は、電源スイッチ423がON状態に操作されてパチンコ機1の電源がOFFからONに切り替わったときに、RAMクリアスイッチ412がON状態になっている場合には、RAMクリア処理を実行する。RAMクリア処理では、RAM52の使用領域に記憶されている遊技処理情報がクリアされ、所定の初期値がRAM52に記憶される等のRAM52の初期設定が行われる。RAMクリア処理が行われることによって、RAM52に記憶される大当たり遊技状態フラグ、確変フラグ、第一時短フラグ及び第二時短フラグ等の各種のフラグが「OFF」になる。RAM52には、C時短回数計数カウンタ等の各種のカウンタが設けられる。C時短回数計数カウンタは、C時短状態における判定回数を計数するカウンタである。RAMクリア処理が行われることによって、これらのカウンタに記憶される値が「0」にクリアされる。CPU51は、電源投入時処理の終了時に稼働中フラグを「ON」にし、電源投入時処理を終了する。
【0115】
次の割込信号でメイン処理が開始されると、稼働中フラグが「ON」であるので(S1:YES)、CPU51は、スイッチ読込処理を実行する(S11)。スイッチ読込処理では、
図4で示したゲートスイッチ74,第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62、大入賞口スイッチ76及びその他の入賞口に設けられた各スイッチの検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。RAM52は、各スイッチに対応するフラグを記憶する。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」になる。
【0116】
次いで、CPU51は、カウンタ更新処理を実行する(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタ及び特別図柄確定表示時間を計測するための特別図柄確定表示時間カウンタの値が減算される。
【0117】
次いで、CPU51は、特別電動役物処理を実行する(S13)。詳細は
図16を参照して後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作を制御するための処理、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態に関する処理等が行われる。大当たり遊技の動作とは、主に、大当たり遊技における大入賞口16の開閉部材161の開閉動作である。
【0118】
次いで、特別図柄処理が行われる(S15)。詳細は
図11から
図13を参照して後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定及び遊技状態移行処理等が行われる。
【0119】
次いで、CPU51は、普通電動役物処理を実行する(S16)。普通電動役物処理では、普通当たり判定の結果が当たりとなった場合に、普通当たり遊技の動作(主に第二始動口15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる。前述したように、CPU51は、時短状態が設定されている場合、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度を非時短状態よりも高くする。
【0120】
次いで、CPU51は、普通図柄処理を実行する(S17)。普通図柄処理では、ゲートスイッチ74が遊技球の通過を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの生成等の処理が行われる。第一実施形態において、非時短状態における普通図柄の変動時間は、約10秒である。時短状態における普通図柄の変動時間は、非時短状態よりも短く、約2秒である。CPU51は、
図6で示した第二始動口開放パターン定義テーブルを参照して、遊技状態に応じた普通当たり確率で普通当たり判定を実行する。
【0121】
次いで、CPU51は、賞球処理(S18)、エラーチェック(S19)及び情報出力処理(S20)を実行し、メイン処理を終了する。賞球処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」にされた場合に、各スイッチに対応する入賞口に応じた単位賞球数を示す賞球コマンドが、枠制御基板45に送信される。賞球コマンドを受信した枠制御基板45のCPU451は、賞球コマンドの示す単位賞球数を持ち球数に加算して、持ち球情報を更新する。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ39等を用いてエラーを報知するためのコマンドが、サブ制御基板58に送信される。情報出力処理では、枠制御基板45及びカードユニットCUを介して、前述の遊技場管理用コンピュータに対して各種の情報が出力される。
【0122】
図11から
図13を参照して、
図10のS15で示した特別図柄処理の詳細について説明する。特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。特別図柄処理では、特別図柄表示状態フラグ及び客待ちフラグ等が使用される。これらのフラグはRAM52に記憶される。
【0123】
特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が確定表示されている場合(確定表示中)に「2」、いずれも変動中でも確定表示中でもない場合に「0」を記憶する。客待ちフラグは、特
図1大当たり関係情報記憶エリア及び特
図1大当たり関係情報記憶エリアに第一保留乱数及び第二保留乱数が記憶されておらず、遊技が行われていない状態である客待ち状態であることを示すために設けられるフラグである。客待ちフラグは、パチンコ機1が客待ち状態である場合に「1」が記憶されて「ON」になり、客待ち状態でない場合には「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0124】
図11に示すように、特別図柄処理が開始されると、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞したかを判断する(S41)。第一始動口スイッチ61が遊技球の入賞を検知すると、
図10のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第一始動口スイッチ61に対応するフラグが「ON」にされる。このフラグが「OFF」の場合には、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞していないと判断し(S41:NO)、処理をS51の判断へ移行する。
【0125】
このフラグが「ON」の場合には、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞したと判断し(S41:YES)、第一保留数が「4」であるかを判断する(S43)。RAM52は、第一保留数を記憶する第一保留数記憶エリアを備える。第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「4」である場合(S43:YES)、第一保留数が最大第一保留数に達しているため、CPU51は、処理をS51の判断へ移行する。第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「4」でない場合(S43:NO)、CPU51は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数に「1」を加算する(S45)。CPU51は、第一乱数を取得し、
図5で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち番号が最も小さい記憶エリアに、取得した第一乱数の各乱数値を記憶する(S46)。具体的には、特
図1大当たり乱数欄には大当たり乱数の乱数値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一図柄決定乱数の乱数値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定乱数の乱数値が、それぞれ記憶される。
【0126】
次いで、CPU51は、S46で取得された第一乱数に関する情報である第一保留情報を参照する(S48)。CPU51は、参照した情報をサブ制御基板58へ通知するための第一保留情報コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S49)。RAM52のコマンドバッファにセットされたコマンドは、コマンドバッファにセットされた順に、サブ制御基板58、枠制御基板45、中継端子板47等に送信される。なお、前回実施されたメイン処理においてコマンドバッファにセットされたコマンドをサブ制御基板58等へ送信するコマンド送信処理が、メイン処理に設けられていてもよい。この場合、コマンド送信処理によって、コマンドバッファにセットされたコマンドがコマンドバッファにセットされた順に、メイン処理の1割込毎にサブ制御基板58等へ送信されてもよい。第一保留情報は、S46で取得及び記憶された第一乱数について大当たり判定等の処理がなされる前に、その第一乱数を参照することによって得られる情報であり、いわゆる先読み情報である。本実施形態において、第一保留情報は、第一保留乱数に含まれる特
図1大当たり乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数に基づく情報である。第一乱数が前述のリーチ乱数等を含む場合には、第一保留情報は、それらの乱数を参照して得られる情報も含む。第一保留情報コマンドは、第一乱数に関する先読み情報に加えて、第一保留数を示す情報を含んで生成される。第一保留数を示す情報は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数に基づく。
【0127】
CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞したかを判断する(S51)。第二始動口スイッチ62が遊技球の入賞を検知すると、
図10のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第二始動口スイッチ62に対応するフラグが「ON」になる。このフラグが「OFF」の場合には、CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞していないと判断し(S51:NO)、処理を
図12に示すS61の判断へ移行する。
【0128】
このフラグが「ON」の場合には、CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞したと判断し(S51:YES)、第二保留数が「4」であるかを判断する(S52)。RAM52は、第二保留数を記憶する第二保留数記憶エリアを備える。第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「4」である場合(S52:YES)、第二保留数が最大第二保留数に達しているため、CPU51は、処理をS61の判断へ移行する。第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「4」でない場合(S52:NO)、CPU51は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数に「1」を加算する(S55)。CPU51は、第二乱数を取得し、第二大当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに、取得した第二乱数の各乱数値を記憶する(S56)。具体的には、特
図2大当たり乱数欄には特
図2大当たり乱数の乱数値が、第二特別図柄決定乱数欄には第二特別図柄決定乱数の乱数値が、第二変動パターン決定乱数欄には第二変動パターン決定乱数の乱数値が、それぞれ記憶される。
【0129】
次いで、CPU51は、S56で取得された第二乱数に関する情報である第二保留情報を参照する(S58)。CPU51は、参照した情報をサブ制御基板58へ通知するための第二保留情報コマンドを生成し、RAM52に設けられるコマンドバッファにセットする(S59)。第二保留情報コマンドは、S56で取得及び記憶された第二保留乱数に関する情報である第二保留情報(いわゆる先読み情報)をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。第二保留情報コマンドは、第二乱数(特
図2大当たり乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数)に関する情報に加えて、第二保留数を示す情報を含んで生成される。第二保留数を示す情報は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数に基づく。コマンドバッファにセットされた第二保留情報コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。以下では、第一保留情報コマンドと第二保留情報コマンドとを総称する場合、単に保留情報コマンドという。CPU51は、処理をS61の判断へ移行する。
【0130】
図12に示すように、CPU51は、大当たり遊技状態であるかを判断する(S61)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、CPU51は、大当たり遊技状態であると判断し(S61:YES)、処理をメイン処理へ戻す。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、CPU51は、大当たり遊技状態でないと判断し(S61:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄が変動中であるか否かを判断する(S62)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合、CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも変動中でないと判断し(S62:NO)、第一特別図柄又は第二特別図柄が停止状態中であるか否かを判断する(S63)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合、CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも確定表示中でないと判断し(S63:NO)、処理を
図13に示すS71へ移行し、大当たり判定等の処理を実行する。
【0131】
本実施形態では、大当たり判定において、特
図2大当たり判定が特
図1大当たり判定よりも優先して行われる。
図13に示すように、CPU51は、第二保留数が「1」以上であるかを判断する(S71)。RAM52の第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「1」以上である場合(S71:YES)、特
図2大当たり判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留数が「0」である場合(S71:NO)、CPU51は、第一保留数が「1」以上であるかを判断する(S72)。RAM52の第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「0」である場合(S72:NO)、CPU51は、客待ち状態であるかを判断する(S77)。CPU51は、客待ちフラグが「ON」である場合には客待ち状態であると判断して(S77:YES)、処理をメイン処理へ戻す。
【0132】
CPU51は、客待ちフラグが「OFF」である場合には客待ち状態でないと判断して(S77:NO)、客待ちコマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S78)。客待ちコマンドは、客待ち状態が開始されたことを通知するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた客待ちコマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、客待ちフラグを「ON」にして(S79)、処理をメイン処理へ戻す。
【0133】
第一保留数が「1」以上である場合(S72:YES)、CPU51は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数を「1」減算する(S73)。CPU51は、
図5で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数の各乱数値を、判定エリアにシフトする(S74)。また、CPU51は、特
図1大当たり関係情報エリアに記憶されている第一保留乱数の各乱数値を、一つ番号の小さい記憶エリアにシフトする。
【0134】
CPU51は、特
図1大当たり判定処理を実行する(S75)。図示しないが、ROM53は、大当たり判定を行うための大当たり判定テーブルを記憶している。大当たり判定テーブルは、特
図1大当たり判定テーブルと、特
図2大当たり判定テーブルとによって構成されている。特
図1大当たり判定テーブルは、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとによって構成されている。低確率判定テーブル及び高確率判定テーブルのそれぞれには、「大当たり」及び「はずれ」にそれぞれ対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。本実施形態では、大当たり乱数の乱数値は、非確変状態における大当たり確率が1/200となり、確変状態における大当たり確率が1/20となるように定義されている。特
図2大当たり判定テーブルも低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとによって構成されており、非確変状態における大当たり確率が1/200となり、確変状態における大当たり確率が1/20となるように大当たり乱数の乱数値が定義されている。特
図1大当たり判定処理では、確変フラグの状態が参照されて、現時点において確変状態が設定されているかが特定される。CPU51は、確変状態が設定されていない場合には低確率判定テーブルを、確変状態が設定されている場合には高確率判定テーブルを、それぞれ選択する。CPU51は、選択した低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルを参照して、S74で判定エリアにシフトされた特
図1大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかを判定する。これにより、RAM52に記憶された未判定の特
図1大当たり乱数に基づく特
図1大当たり判定が、特
図1大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0135】
CPU51は、S75で導出された特
図1大当たり判定の結果に応じた第一特別図柄を決定する(S76)。CPU51は、S75の処理で大当たりと判定した場合、
図7で示した特別図柄決定テーブルを参照して、S74で判定エリアにシフトされた第一特別図柄決定乱数の値に応じて、大当たり図柄の第一特別図柄を決定する。CPU51は、S75の処理ではずれと判定した場合、はずれ図柄の第一特別図柄を決定する。決定された第一特別図柄の内容を示す情報は、RAM52に記憶される。CPU51は、処理をS101へ移行する。
【0136】
一方、第二保留数が「1」以上である場合(S71:YES)、CPU51は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数を「1」減算する(S91)。CPU51は、特
図2大当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二保留乱数の各乱数値を、判定エリアにシフトする(S92)。また、CPU51は、特
図2大当たり関係情報エリアに記憶されている第二保留乱数の各乱数値を、一つ番号の小さい記憶エリアにシフトする。
【0137】
CPU51は、特
図2大当たり判定処理を実行する(S93)。CPU51は、確変フラグの状態を参照し、前述の特
図2大当たり判定テーブルから、確変状態が設定されていない場合には低確率判定テーブルを、確変状態が設定されている場合には高確率判定テーブルを、それぞれ選択する。CPU51は、選択した低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルを参照して、S92で判定エリアにシフトされた特
図2大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかを判定する。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0138】
CPU51は、S93で導出された特
図2大当たり判定の結果に応じた第二特別図柄を決定する(S95)。CPU51は、S93の処理で大当たりと判定した場合、
図7で示した特別図柄決定テーブルを参照して、S92で判定エリアにシフトされた第二特別図柄決定乱数の値に応じて、大当たり図柄の第二特別図柄を決定する。CPU51は、S93の処理ではずれと判定した場合、はずれ図柄の第二特別図柄を決定する。決定された第二特別図柄の内容を示す情報は、RAM52に記憶される。CPU51は、処理をS101へ移行する。
【0139】
CPU51は、停止図柄指定コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S101)。停止図柄指定コマンドは、S76又はS95の処理で特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。以下、第一特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドを、第一停止図柄指定コマンドという。第二特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドを、第二停止図柄指定コマンドという。コマンドバッファにセットされた第一停止図柄指定コマンド及び第二停止図柄指定コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。
【0140】
CPU51は、変動パターンを決定する(S102)。S102では、CPU51は、確変フラグ及び時短フラグの状態を参照し、現時点においていずれの遊技状態が設定されているかを特定する。CPU51は、非確変非時短状態が設定されている場合には、
図8で示した通常状態変動パターン決定テーブルを参照する。CPU51は、大当たりの第一変動パターンを決定する場合には、特
図1大当たり関係情報記憶エリアを参照して第一保留数を特定する。そして、CPU51は、特定した第一保留数が1以上であるか否かに応じて、通常状態変動パターン決定テーブルに基づいて第一変動パターンを決定する。CPU51は、はずれの第一変動パターンを決定する場合には、特
図1大当たり関係情報記憶エリアを参照して第一保留数を特定する。また、CPU51は、RAM52に記憶されている第一特別図柄の内容を示す情報を参照して、はずれ図柄の第一特別図柄の図柄名称を特定する。そして、CPU51は、特定したはずれ図柄の第一特別図柄の図柄名称と、第一保留数とに応じて、通常状態変動パターン決定テーブルに基づいて第一変動パターンを決定する。なお、CPU51は、第二変動パターンを決定する場合には、通常状態変動パターン決定テーブルに基づいて、特
図2大当たり判定の判定結果に応じた第二変動パターンを決定する。
【0141】
一方、CPU51は、非確変第一時短状態、確変第二時短状態及び非確変第二時短状態が設定されている場合には、
図9で示したその他変動パターン決定テーブルを参照する。そして、CPU51は、特定した遊技状態と、大当たり判定による判定結果にと応じて、変動パターン決定乱数に対応する変動パターンを決定する。
【0142】
CPU51は、S102で決定した変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S103)。以下、S102で決定された変動パターンが第一変動パターンである場合において、第一変動パターンを指定するコマンドを第一変動パターン指定コマンドという。S101で決定された変動パターンが第二変動パターンである場合において、第二変動パターンを指定するコマンドを第二変動パターン指定コマンドという。第一変動パターン指定コマンドと、第二変動パターン指定コマンドとを総称する場合、単に変動パターン指定コマンドという。変動パターン指定コマンドは、決定された変動パターンの種類及び変動パターンに対応する特別図柄の変動時間の情報を含む。コマンドバッファにセットされた変動パターン指定コマンドは、中継端子板47及びサブ制御基板58に送信される。中継端子板47を介して第一変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部29は、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動を開始する。第二変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部29は、第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を開始する。第一変動パターン指定コマンド及び第二変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板58は、表示画面28の演出図柄100の変動開始を指示する。
【0143】
CPU51は、S102で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を、特別図柄変動時間カウンタに記憶する(S105)。CPU51は、特別図柄が変動中であることを示す「1」を特別図柄表示状態フラグに記憶し(S106)、客待ち状態であるかを判断する(S108)。CPU51は、客待ちフラグが「OFF」である場合には客待ち状態でないと判断して(S108:NO)、処理をメイン処理へ戻す。CPU51は、客待ちフラグが「ON」である場合(S108:YES)、客待ちフラグを「OFF」にして(S109)、処理をメイン処理へ戻す。
【0144】
また、
図12に示すS62の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、CPU51は、特別図柄が変動中であると判断し(S62:YES)、第一変動時間又は第二変動時間が経過したかを判断する(S111)。この判断は、S103において記憶された特別図柄変動時間カウンタの値に応じて行われる。CPU51は、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には第一変動時間又は第二変動時間がまだ経過していないと判断し(S111:NO)、処理をメイン処理へ戻す。
【0145】
CPU51は、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には第一変動時間又は第二変動時間が経過したと判断し(S111:YES)、特別図柄停止コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S112)。特別図柄停止コマンドは、特別図柄の変動を停止することを図柄表示部29及びサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた特別図柄停止コマンドは、中継端子板47及びサブ制御基板58に送信され、図柄表示部29における第一特別図柄又は第二特別図柄の変動停止及び表示画面28の演出図柄100の変動停止を指示する。以下、第一特別図柄の変動停止を指定するコマンドを第一特別図柄停止コマンドという。第二特別図柄の変動停止を指定するコマンドを第二特別図柄停止コマンドという。第一特別図柄停止コマンドと、第二特別図柄停止コマンドとを総称する場合、単に特別図柄停止コマンドという。
【0146】
CPU51は、特別図柄確定表示時間を、RAM52の特別図柄確定表示時間カウンタに記憶する(S113)。CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが確定表示中であることを示す「2」を特別図柄表示状態フラグに記憶する(S114)。CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0147】
また、S63の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S63:YES)、CPU51は、S103において記憶された特別図柄確定表示時間カウンタの値に応じて、特別図柄確定表示時間が経過したかを判断する(S116)。CPU51は、特別図柄確定表示時間カウンタの値が「0」でない場合には特別図柄確定表示時間が経過していないと判断し(S116:NO)、処理をメイン処理へ戻す。CPU51は、特別図柄確定表示時間カウンタの値が「0」の場合には特別図柄確定表示時間が経過したと判断し(S116:YES)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも変動中でも確定表示中でもないことを示す「0」を、特別図柄表示状態フラグに記憶する(S117)。その後、CPU51は、遊技状態移行処理を実行し(S118)、処理をメイン処理へ戻す。
【0148】
図14及び
図15を参照して、
図12のS118で示した遊技状態移行処理の詳細について説明する。遊技状態移行処理では、大当たり判定によって大当たりと判定された場合に、遊技を大当たり遊技状態に移行させるための処理等が行われる。また、遊技状態移行処理では、確変フラグ及び時短フラグの制御も適宜行われる。
【0149】
図14に示すように、遊技状態移行処理が開始されると、CPU51は、特別図柄が大当たり図柄で確定表示したかを判断する(S131)。特別図柄が大当たり図柄で確定表示した場合(S131:YES)、CPU51は、時短状態が設定されているかを判断する(S133)。CPU51は、第一時短フラグ及び第二時短フラグのいずれも「OFF」である場合には時短状態が設定されていないと判断して(S133:NO)、処理をS141の判断へ移行する。CPU51は、第一時短フラグ及び第二時短フラグのいずれかが「ON」である場合には時短状態が設定されていると判断して(S133:YES)、C時短回数計数カウンタの値が「0」でなければ「0」にクリアする(S135)。
【0150】
CPU51は、第一時短状態が設定されているかを判断する(S136)。CPU51は、第一時短フラグが「ON」である場合には第一時短状態が設定されていると判断する(S136:YES)。第一時短状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、第一時短状態終了通知という。CPU51は、第一時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S137)。CPU51は、第一時短フラグを「OFF」にする(S138)。CPU51は、処理をS141の判断へ移行する。CPU51は、第一時短フラグが「OFF」である場合には第二時短フラグが「ON」であり第二時短状態が設定されていると判断する(S136:NO)。第二時短状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、第二時短状態終了通知という。CPU51は、第二時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S139)。CPU51は、第二時短フラグを「OFF」にする(S140)。CPU51は、処理をS141の判断へ移行する。
【0151】
CPU51は、確変状態が設定されているかを判断する(S141)。CPU51は、確変フラグが「OFF」である場合には確変状態が設定されていないと判断して(S141:NO)、処理をS145へ移行する。確変状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、確変状態終了通知という。CPU51は、確変フラグが「ON」である場合には確変状態が設定されていると判断して(S141:YES)、確変状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S142)。CPU51は、確変フラグを「OFF」にする(S143)。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が非確変非時短状態に設定される。
【0152】
CPU51は、大当たり種別に対応するラウンド数を、Rカウンタにセットする(S145)。Rカウンタは、ラウンド数を記憶するカウンタとしてRAM52に設けられている。前述したように、第一実施形態において、大当たり図柄のうち、特1確変大当たりA又は特1通常大当たりAに対応するラウンド数は「4」である。特2確変大当たりA又は特2通常大当たりAに対応するラウンド数は「8」である。
【0153】
CPU51は、大当たり遊技状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S146)。大当たり遊技状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、大当たり遊技状態開始通知という。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、大当たり遊技状態フラグを「ON」にする(S148)。CPU51は、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0154】
一方、CPU51は、特別図柄がはずれ図柄で確定表示した場合(S131:NO)、
図15に示すように、C時短状態であるかを判断する(S151)。CPU51は、C時短回数計数カウンタの値が0よりも大きい場合にはC時短状態であると判断し、C時短回数計数カウンタの値が0である場合にはC時短状態ではないと判断する。C時短状態でない場合(S151:NO)、CPU51は、処理をS161の判断へ移行する。C時短状態である場合(S151:YES)、CPU51は、C時短回数計数カウンタの値を「1」減算する(S152)。CPU51は、C時短回数計数カウンタの値が「0」であるかを判断する(S153)。C時短回数計数カウンタの値が「0」でない場合(S153:NO)、以降もC時短状態が継続するので、CPU51は、処理をS161の判断へ移行する。
【0155】
C時短回数カウンタの値が「0」である場合(S153:YES)、CPU51は、第一時短状態が設定されているかを判断する(S154)。CPU51は、第一時短フラグが「ON」である場合には第一時短状態が設定されていると判断し(S154:YES)、第一時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S155)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、第一時短フラグを「OFF」にし(S156)、処理をS161の判断へ移行する。一方、CPU51は、第一時短フラグが「OFF」である場合には第二時短状態が設定されていると判断し(S154:NO)、第二時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S158)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、第二時短フラグを「OFF」にし(S159)、処理をS161の判断へ移行する。
【0156】
CPU51は、非確変非時短状態が設定されているかを判断する(S161)。CPU51は、確変フラグ及び時短フラグのいずれかが「ON」である場合には非確変非時短状態が設定されていないと判断して(S161:NO)、処理を特別図柄処理へ戻す。CPU51は、確変フラグ及び時短フラグのいずれも「OFF」である場合には非確変非時短状態が設定されていると判断して(S161:YES)、はずれ図柄として特1はずれAが確定表示されたかを判断する(S162)。
【0157】
CPU51は、RAM52に記憶されている特別図柄の内容を示す情報を参照して、S162の判断を行う。第一時短状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、第一時短状態開始通知という。CPU51は、はずれ図柄として特1はずれAが確定表示されたと判断した場合(S162:YES)、第一時短状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S163)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、
図7で示した特別図柄決定テーブルを参照して、非確変非時短状態において特1はずれAが決定された場合に対応するC時短回数である「600」を、C時短回数計数カウンタにセットする(S165)。CPU51は、第一時短フラグを「ON」にして(S166)、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0158】
CPU51は、はずれ図柄として特1はずれAが確定表示されなかったと判断した場合(S162:NO)、はずれ図柄として特1はずれBが確定表示されたかを判断する(S171)。CPU51は、RAM52に記憶されている特別図柄の内容を示す情報を参照して、S171の判断を行う。第二時短状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、第二時短状態開始通知という。CPU51は、はずれ図柄として特1はずれBが確定表示されたと判断した場合(S171:YES)、第二時短状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S172)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、特別図柄決定テーブルを参照して、非確変非時短状態において特1はずれBが決定された場合に対応するC時短回数である「100」を、C時短回数計数カウンタにセットする(S173)。CPU51は、第二時短フラグを「ON」にして(S175)、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0159】
一方、CPU51は、遊技状態が非確変非時短状態でない場合(S161:NO)及びはずれ図柄として特2はずれが確定表示されたと判断した場合(S171:NO)、はずれ図柄の停止の前後において遊技状態を変化させず、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0160】
図16を参照して、
図10のS13で示した特別電動役物処理の詳細について説明する。特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、開放中フラグ及びエンディングフラグ等が使用される。開放中フラグは、大入賞口16が開放状態であるか否かを示すフラグであり、RAM52に記憶される。開放中フラグは、大入賞口16の開閉部材161が開放状態にある場合に「1」が記憶されて「ON」になり、開閉部材161が開放状態にない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0161】
エンディングフラグはRAM52に記憶される。エンディングフラグは、大当たり遊技が大当たりエンディングの状態にあるかを示すために設けられるフラグである。大当たりエンディングは、大当たりラウンドにおいて大入賞口16に入賞した遊技球が大入賞口16の内部から排出経路26に排出される時間等を勘案して大当たりラウンドの終了後に設けられる時間であり、大当たり遊技の一部を構成する。一般に、大当たりエンディングの時間を利用して、大当たり遊技が終了することを遊技者に示す大当たりエンディング演出等が実行される。エンディングフラグは、大当たりエンディング中に「1」が記憶されて「ON」になり、大当たりエンディングではない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0162】
特別電動役物処理が開始されると、CPU51は、大当たり遊技状態であるかを判断する(S201)。この判断は、大当たり遊技状態フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合には大当たり遊技状態でないと判断して(S201:NO)、処理をメイン処理へ戻す。CPU51は、大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合には大当たり遊技状態であると判断して(S201:YES)、大当たりラウンドが全て終了しているか、すなわち、Rカウンタの値が「0」であるかを判断する(S202)。Rカウンタの値は、後述のS219の処理で、大当たりラウンドが1回終了する毎に「1」減算される。すなわち、Rカウンタの値が「0」であれば、大当たり遊技における最終ラウンドが終了していることとなる。
【0163】
Rカウンタの値が「0」でない場合(S202:NO)、CPU51は、大入賞口16が開放中であるかを判断する(S203)。この判断は、開放中フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、開放中フラグが「ON」である場合には大入賞口16が開放中であると判断して(S203:YES)、処理をS211の判断へ移行する。CPU51は、開放中フラグが「OFF」である場合には大入賞口16が開放中でないと判断して(S203:NO)、大入賞口16を開放させるための大入賞口開放コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S205)。セットされた大入賞口開放コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して大入賞口開放コマンドを受信した大入賞口ソレノイド70は、大入賞口16の開閉部材161を開放させる。CPU51は、大当たり遊技における大入賞口16の開放時間である大入賞口開放時間を、RAM52の大入賞口開放時間カウンタに記憶する(S206)。本実施形態において、大入賞口開放時間は28.0である。CPU51は、開放中フラグを「ON」にする(S208)。CPU51は、処理をS211の判断へ移行する。
【0164】
CPU51は、大入賞口16へ遊技球が入賞したかを判断する(S211)。大入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検知すると、
図10のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」にされる。CPU51は、このフラグが「OFF」である場合には大入賞口16へ遊技球が入賞していないと判断し(S211:NO)、処理をS213の判断へ移行する。CPU51は、このフラグが「ON」である場合には大入賞口16へ遊技球が入賞したと判断し(S211:YES)、大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の入賞球数カウンタに「1」を加算する(S212)。CPU51は、処理をS213の判断へ移行する。入賞球数カウンタによって記憶されている大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を、入賞球数という。
【0165】
CPU51は、入賞球数が、「10」以上であるかを判断する(S213)。入賞球数が「10」未満の場合(S213:NO)、CPU51は、大入賞口開放時間が経過したかを、大入賞口開放時間カウンタの値に基づいて判断する(S215)。大入賞口開放時間が経過していない場合(S215:NO)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。以降に行われる特別電動役物処理において、大当たり遊技状態であり(S201:YES)、Rカウンタの値が「0」でない場合(S202:NO)、大入賞口16に10個以上の遊技球が入賞するか、又は大入賞口開放時間が経過するまで、S213及びS215の判断が繰り返して実行される。
【0166】
大入賞口16へ10個以上の遊技球が入賞するか(S213:YES)、又は大入賞口開放時間が経過した場合(S215:YES)、大入賞口閉鎖コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S216)。大入賞口閉鎖コマンドは、開放している大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させるためのコマンドである。セットされた大入賞口閉鎖コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して大入賞口閉鎖コマンドを受信した大入賞口ソレノイド70は、大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させる。CPU51は、開放中フラグを「OFF」にする(S218)。CPU51は、Rカウンタの値を「1」減算し(S219)、処理をメイン処理へ戻す。
【0167】
一方、Rカウンタの値が「0」である場合(S202:YES)、CPU51は、大当たりエンディング中であるかを判断する(S221)。この判断はエンディングフラグの状態に応じて行われる。
【0168】
CPU51は、エンディングフラグが「OFF」である場合には大当たりエンディング中でないと判断して(S221:NO)、所定のエンディング時間をエンディング時間カウンタにセットする(S222)。エンディング時間カウンタは、予め定められる大当たりエンディングの時間であるエンディング時間が経過したかを計測するタイマカウンタであり、RAM52に設けられる。CPU51は、大当たりエンディングが開始することを通知するためのエンディング開始コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S223)。セットされたエンディング開始コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、エンディングフラグを「ON」にして(S225)、処理をメイン処理へ戻す。
【0169】
CPU51は、エンディングフラグが「ON」である場合には大当たりエンディング中であると判断して(S221:YES)、エンディング時間が経過したかを判断する(S231)。CPU51は、エンディング時間カウンタの値が「0」でない場合にはエンディング時間が経過していないと判断し(S231:NO)、処理をメイン処理へ戻す。CPU51は、エンディング時間カウンタの値が「0」の場合にはエンディング時間が経過したと判断する(S231:YES)。この場合、大当たり遊技が終了するので、CPU51は、大当たり遊技状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S232)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。CPU51は、大当たり遊技状態フラグ及びエンディングフラグを「OFF」にする(S233)。
【0170】
CPU51は、RAM52に記憶されている大当たり図柄の内容を示す情報を参照し、参照した情報が確変大当たり図柄を示すかを判断する(S235)。参照した情報が非確変大当たり図柄を示す場合(S235:NO)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。確変状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、確変状態開始通知という。参照した情報が確変大当たり図柄を示す場合(S235:YES)、CPU51は、確変状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S236)。CPU51は、確変フラグを「ON」にする(S237)。CPU51は、第二時短状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S238)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。CPU51は、第二時短フラグを「ON」にして(S239)、処理をメイン処理へ戻す。
【0171】
図17を参照して、枠制御基板45が実行する枠制御基板処理について説明する。枠制御基板処理では、持ち球情報の管理、持ち球の精算等に関する処理が行われる。特に、枠制御基板処理では、計数ボタン442の操作態様に応じて持ち球の精算に関する処理が行われる。枠制御基板45は、所定の周期でクロック信号を出力する図示しないクロック回路及び割込信号発生回路を備える。割込信号発生回路は、クロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。枠制御基板45のCPU451は、ROM453に記憶されているプログラムに従って、割込信号発生回路から割込信号が入力される毎に枠制御基板処理を実行する。
【0172】
パチンコ機1の電源スイッチ423がON状態に操作されることによって、パチンコ機1の電源がONにされると、CPU451は、枠制御基板処理を開始する。枠制御基板処理が開始されると、CPU451は、持ち球管理処理を実行する(S301)。詳細は
図18を参照して後述するが、持ち球管理処理では、遊技の進行、遊技球の貸出、貯球再遊技に応じて持ち球数情報を管理するための処理が行われる。
【0173】
次いで、CPU451は、情報出力処理を実行する(S302)。詳細は
図19を参照して後述するが、情報出力処理では、持ち球の精算を行うためにカードユニットCUに計数コマンドを送信するための処理が行われる。
【0174】
次いで、CPU451は、その他の処理を実行する(S303)。その他の処理は、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で遊技球発射装置37に遊技球を発射させるための処理、球送り装置48を駆動させるための処理、発射球数からファール球数を減算した数が排出球数と乖離しないかを監視する処理等を含む。その後、CPU451は、枠制御基板処理を終了する。
【0175】
図18を参照して、
図17のS301で示した持ち球管理処理の詳細について説明する。持ち球管理処理が開始されると、CPU451は、カードユニットCUから貸球数情報を受信したかを判断する(S311)。CPU451は、カードユニットCUから貸球数情報を受信していない場合(S311:NO)、処理をS313の判断へ移行する。
【0176】
CPU451は、カードユニットCUから貸球数情報を受信した場合(S311:YES)、枠制御基板45において持ち球数情報を管理するためにRAM452に設けられている持ち球数カウンタに、貸球数情報の示す貸球数を加算する(S312)。本実施形態では、貸球数情報が示す貸球数は、「125」である。CPU451は、処理をS313の判断へ移行する。
【0177】
CPU451は、カードユニットCUから貯球再遊技情報を受信したかを判断する(S313)。CPU451は、カードユニットCUから貯球再遊技情報を受信していない場合(S313:NO)、処理をS316の判断へ移行する。
【0178】
CPU451は、カードユニットCUから貯球再遊技情報を受信した場合(S313:YES)、持ち球数カウンタに、貯球再遊技情報の示す再遊技球数を加算する(S315)。本実施形態では再遊技球数は、貯球再遊技情報が示す再遊技球数は、原則として「125」である。カードユニットCUは、貯球数情報を生成する場合にICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数が125未満であるときには、貯球数情報の示す貯球数の全数を再遊技球数として貯球再遊技情報を生成する。この場合には、貯球再遊技情報が示す再遊技球数は、「125」未満のいずれかの値となる。CPU451は、処理をS316の判断へ移行する。
【0179】
CPU451は、発射球センサ455から発射球検出信号を受信したかを判断する(S316)。CPU451は、発射球センサ455から発射球検出信号を受信していない場合(S316:NO)、処理をS321の判断へ移行する。CPU451は、発射球センサ455から発射球検出信号を受信した場合(S316:YES)、持ち球数カウンタから「1」を減算する(S318)。CPU451は、処理をS321の判断へ移行する。
【0180】
CPU451は、戻り球センサ456からファール球検出信号を受信したかを判断する(S321)。CPU451は、戻り球センサ456からファール球検出信号を受信していない場合(S321:NO)、処理をS323の判断へ移行する。CPU451は、戻り球センサ456からファール球検出信号を受信した場合(S321:YES)、持ち球数カウンタに「1」を加算する(S322)。CPU451は、処理をS323の判断へ移行する。
【0181】
CPU451は、主制御基板41から賞球コマンドを受信したかを判断する(S323)。CPU451は、主制御基板41から賞球コマンドを受信していない場合(S323:NO)、処理をS328へ移行する。CPU451は、主制御基板41から賞球コマンドを受信した場合(S323:YES)、賞球コマンドを解析して、賞球コマンドの示す単位賞球数を取得する(S325)。CPU451は、持ち球数カウンタに取得した単位賞球数を加算する(S326)。CPU451は、処理をS328へ移行する。
【0182】
CPU451は、持ち球数カウンタを参照して現時点の持ち球数を取得し、取得した持ち球数を遊技球数表示部441に表示させる(S328)。CPU451は、処理を枠制御基板処理へ戻す。
【0183】
図19を参照して、
図17のS302で示した情報出力処理の詳細について説明する。
情報出力処理が開始されると、CPU451は、計数ボタン442が操作されたかを判断する(S331)。CPU451は、計数ボタン442から「OFF」信号を連続して受信している場合等、計数ボタン442に対して後述する長押し及び短押しのいずれも行われていないと判断した場合には、計数ボタン442が操作されていないと判断する(S331:NO)。CPU451は、処理をS349へ移行する。
【0184】
計数ボタン442を押す操作が所定期間に亘って継続する状態を、以下では、計数ボタン442が「長押し」された状態であるという。計数ボタン442を押す操作がされた期間が「長押し」に必要な所定期間に満たない場合の計数ボタン442の操作を、以下では、「短押し」という。CPU451は、計数ボタン442からのボタン入力読込信号を、「OFF」、「OFF」、「ON」、「ON」の順の並びで「ON」又は「OFF」の各信号を受信した場合、操作ボタン9の操作が開始されたと判断する。CPU451は、計数ボタン442の操作が開始されたと判断した後、「ON」信号をさらに連続して所定回数受信した場合、計数ボタン442の長押しが開始されたと判断する。本実施形態においては、CPU451は、「ON」信号を連続して500回受信した場合、すなわち、計数ボタン442が500ミリ秒間継続して押された場合に、計数ボタン442が長押しされたと判断する。なお、CPU451は、計数ボタン442の操作が開始されたと判断した後、「ON」信号をさらに連続して受信した回数が500回未満である場合には、計数ボタン442が短押しされたと判断する。
【0185】
CPU451は、計数ボタン442が操作されたと判断した場合(S331:YES)、計数ボタン442の操作が短押しであるかを判断する(S333)。CPU451は、計数ボタン442の操作が短押しであると判断した場合(S333:YES)、計上数が「1」であることを示す計数コマンドを生成する。CPU451は、生成した計数コマンドを、RAM452に設けられるコマンドバッファにセットする(S335)。コマンドバッファにセットされた計数コマンドは、カードユニットCUに順次送信される。計数コマンドを受信したカードユニットCUは、第一計数コマンドの示す計上数を取得する。カードユニットCUは、取得した計上数を、ICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数に加算して、貯球数情報を更新する。CPU451は、持ち球数カウンタから「1」を減算する(S336)。すなわち、遊技者は、計数ボタン442を1回短押しすることによって、持ち球から貯球へ、1個の遊技球を移行することができる。CPU451は、処理をS349へ移行する。
【0186】
CPU451は、計数ボタン442の操作が短押しでないと判断した場合(S333:NO)、計数ボタン442の操作が長押しであるかを判断する(S341)。CPU451は、計数ボタン442の操作が長押しでないと判断した場合(S341:NO)、処理をS349へ移行する。
【0187】
CPU451は、計数ボタン442の操作が長押しであると判断した場合(S341:YES)、計上数が「250」であることを示す計数コマンドを生成する。CPU451は、生成した計数コマンドを、RAM452に設けられるコマンドバッファにセットする(S342)。なお、持ち球数カウンタの値が「250」未満の場合、CPU451は、持ち球数カウンタの示す値の全てを示す計上数を示す計数コマンドを生成する。コマンドバッファにセットされた計数コマンドは、カードユニットCUに順次送信される。計数コマンドを受信したカードユニットCUは、計数コマンドの示す計上数を取得する。カードユニットCUは、取得した計上数を、ICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数に加算して、貯球数情報を更新する。CPU451は、持ち球数カウンタから「250」を減算する(S343)。すなわち、遊技者は、計数ボタン442を500ミリ秒間継続して長押しすることによって、持ち球から貯球へ、250個の遊技球を移行することができる。CPU451は、処理をS349へ移行する。
【0188】
CPU581は、持ち球数カウンタの値、すなわち持ち球数を、球管理ユニット44の遊技球数表示部441に表示する(S349)。これにより、パチンコ機1は、計数ボタン442の短押し又は長押しに応じて行われる自動計数によって、持ち球から貯球への遊技球の移行の状況を遊技者に視認させることができる。CPU451は、処理を枠制御基板処理へ戻す。
【0189】
図20を参照して、パチンコ機1における遊技の流れ及び遊技状態の遷移について説明する。RAMクリア処理が行われた直後のパチンコ機1の初期状態における遊技状態は、非確変非時短状態である。非確変非時短状態は、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。したがって、非確変非時短状態においては、主に、遊技球が第一始動口14へ入賞することを契機として、所定の大当たり確率で特
図1大当たり判定が行われる。
【0190】
非確変非時短状態において特
図1大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出された場合、60%の割合で確変大当たり図柄である特1確変大当たりAが、40%の割合で通常大当たり図柄である特1通常大当たりAが、それぞれ決定される。この場合、特
図1大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出が行われると、矢印(a)に示すように、その終了後に4Rの大当たり遊技が行われる。この大当たり遊技の終了後には、矢印(b)に示すように60%の割合で確変第二時短状態が設定され、矢印(c)に示すように40%の割合で非確変非時短状態が設定される。
【0191】
確変第二時短状態は、パチンコ機1において、遊技者にとって最も有利な遊技状態である。前述したように、第二時短状態を伴う確変第二時短状態は、右打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。確変第二時短状態には右打ちで遊技が進行し、遊技球が第二始動口15へ入賞することを契機として、所定の大当たり確率で特
図2大当たり判定が行われる。特
図2大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出されると、60%の割合で確変大当たり図柄である特2確変大当たりAが、40%の割合で通常大当たり図柄である特2通常大当たりAが、それぞれ決定される。確変第二時短状態において特
図2大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出が行われると、矢印(d)に示すように、その終了後に8Rの大当たり遊技が行われる。この大当たり遊技の終了後には、矢印(e)に示すように60%の割合で再び確変第二時短状態が設定され、矢印(f)に示すように40%の割合で非確変非時短状態が設定される。
【0192】
非確変非時短状態において特
図1大当たり判定によってはずれの判定結果が導出された場合、50%の割合で特1はずれAが、50%の割合で特1はずれBが、それぞれ決定される。非確変非時短状態において特1はずれAの第一特別図柄が決定された場合、特
図1大当たり判定の判定結果がはずれであることを報知する報知演出が行われ、特1はずれAのはずれ図柄が確定表示される。その後、矢印(g)に示すように、非確変第一時短状態が設定される。一方、特1はずれBの第一特別図柄が決定された場合、特
図1大当たり判定の判定結果がはずれであることを報知する報知演出が行われ、特1はずれBのはずれ図柄が確定表示される。その後、矢印(h)に示すように、非確変第二時短状態が設定される。
【0193】
第一実施形態において、非確変状態における大当り確率は1/200である。このため、非確変非時短状態における大当たり判定によっては、主にはずれの判定結果が導出される。そして、非確変非時短状態において特
図1大当たり判定が実行される場合において、はずれの判定結果が導出された場合には、矢印(g)及び(h)で示したように、その後に非確変第一時短状態又は非確変第二時短状態に遊技状態が移行する。このため、非確変非時短状態を遊技する遊技者の関心事は、はずれの判定結果が導出された後に、非確変第一時短状態又は非確変第二時短状態のいずれが設定されるかである。
【0194】
非確変非時短状態においてはずれの判定結果が導出されることによって設定される非確変第一時短状態又は非確変第二時短状態は、いずれもC時短状態に基づく。このため、非確変非時短状態においてはずれの判定結果を報知する第一報知演出は、C時短状態として第一時状態又は第二時短状態のいずれが設定されるかに対して遊技者の注目を集める内容で構成される。このような第一報知演出が実行される非確変非時短状態を、「Cタイム」ともいう。また、このような第一報知演出を、本実施形態では「Cタイム演出」ともいう。
【0195】
非確変第二時短状態は、パチンコ機1において、確変第二時短状態に次いで遊技者にとって有利な遊技状態である。第二時短状態を伴う非確変第二時短状態は、右打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。パチンコ機1において、非確変第二時短状態を、「チャンスモード」ともいう。非確変第二時短状態には右打ちで遊技が進行し、遊技球が第二始動口15へ入賞することを契機として、所定の大当たり確率で特
図2大当たり判定が行われる。特
図2大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出されると、60%の割合で確変大当たり図柄である特2確変大当たりAが、40%の割合で通常大当たり図柄である特2通常大当たりAが、それぞれ決定される。特
図2大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出が行われると、矢印(i)に示すように、その終了後に8Rの大当たり遊技が行われる。大当たり遊技が確変大当たりであった場合には、矢印(e)に示すように、非確変第二時短状態よりも有利な確変第二時短状態が設定される。大当たり遊技が非確変大当たりであった場合には、矢印(f)に示すように、非確変非時短状態が設定される。
【0196】
非確変第二時短状態が設定された場合、大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出されるか又は非確変第二時短状態における判定回数がC時短回数である100回に到達するまで、非確変第二時短状態が継続する。非確変第二時短状態における判定回数がC時短状態である100回に到達した場合は、第二時短状態が終了し、矢印(j)に示すように、遊技状態は非確変非時短状態に移行する。なお、第一実施形態において、非確変第二時短状態においてはずれの判定結果が導出されたことに応じてC時短状態が新たに設定されることはない。
【0197】
パチンコ機1において、非確変第一時短状態は、前述した微時短状態であり、遊技者にとっての有利度は、非確変非時短状態とほぼ同等である。すなわち、パチンコ機1において、非確変非時短状態及び非確変第一時短状態は、遊技者にとっての有利度が最も低い遊技状態である。非確変第一時短状態は、非確変非時短状態と同様に、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。したがって、非確変第一時短状態においては、主に、遊技球が第一始動口14へ入賞することを契機として、所定の大当たり確率で特
図1大当たり判定が行われる。この場合、特
図1大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出が行われると、矢印(k)に示すように、その終了後に4Rの大当たり遊技が行われる。この大当たり遊技の終了後には、矢印(l)に示すように60%の割合で確変第二時短状態が設定され、矢印(m)に示すように40%の割合で非確変非時短状態が設定される。
【0198】
非確変第一時短状態が設定された場合、大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出されるか又は非確変第一時短状態における判定回数がC時短回数である600回に到達するまで、非確変第一時短状態が継続する。非確変第一時短状態における判定回数がC時短状態である600回に到達した場合は、第一時短状態が終了し、矢印(n)に示すように、遊技状態は非確変非時短状態に移行する。なお、第一実施形態において、非確変第一時短状態においてはずれの判定結果が導出されたことに応じてC時短状態が新たに設定されることはない。
【0199】
図21及び
図22を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、各種の演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、第一保留数に応じたCタイム演出の制御、及び遊技者に左打ちで遊技を進行することを促すための左打ち指示を適時に行うための処理が行われる。サブ制御基板58は、所定の周期でクロック信号を出力するクロック回路(図示略)及び割込信号発生回路(図示略)を備える。割込信号発生回路は、クロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。サブ制御基板58のCPU581は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、割込信号発生回路から割込信号が入力される毎にサブ制御基板処理を実行する。
【0200】
サブ制御基板処理では、サブ確変フラグ、サブ第一時短フラグ、サブ第二時短フラグサブ大当たり遊技状態フラグ、サブ客待ちフラグ、左打ち指示待機フラグ等が使用される。これらのフラグはRAM582に記憶される。サブ確変フラグは、確変状態であるかを示すフラグであり、確変状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非確変状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。サブ第一時短フラグは、第一時短状態であるかを示すフラグであり、第一時短状態に「1」が記憶されて「ON」になり、第一時短でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。サブ第二時短フラグは、第二時短状態であるかを示すフラグであり、第二時短状態に「1」が記憶されて「ON」になり、第二時短でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。サブ大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非大当たり遊技状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。サブ客待ちフラグは、客待ち状態であるかを示すフラグであり、客待ち状態に「1」が記憶されて「ON」になり、客待ち状態でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。左打ち指示待機フラグは、後述する左打ち指示表示129を表示画面28に表示することを待機した状態であるかを示すフラグである。左打ち指示待機フラグは、左打ち指示表示129を表示画面28に表示することを待機している場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0201】
パチンコ機1の電源スイッチ423がON状態に操作されることによって、パチンコ機1の電源がONにされると、CPU581は、サブ制御基板処理を開始する。サブ制御基板処理が開始されると、CPU581は、主制御基板41から遊技状態コマンドを受信したかを判断する(S401)。CPU581は、主制御基板41から遊技状態コマンドを受信していない場合(S401:NO)、処理をS403の判断へ移行する。CPU581は、主制御基板41から遊技状態コマンドを受信した場合(S401:YES)、遊技状態制御処理を実行して(S402)、処理をS403の判断へ移行する。
【0202】
図23を参照して、
図21のS402で示した遊技状態制御処理の詳細について説明する。遊技状態制御処理では、遊技状態コマンドによって通知される各種の状態に応じた処理が行われる。
【0203】
遊技状態制御処理が開始されると、CPU581は、遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態開始通知が行われたかを判断する(S501)。遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態開始通知が行われた場合(S501:YES)、CPU581は、大当たり遊技演出開始処理を実行して(S502)、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0204】
遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態開始通知が行われていない場合(S501:NO)、CPU581は、遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態終了通知が行われたかを判断する(S503)。遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態終了通知が行われた場合(S503:YES)、CPU581は、大当たり遊技演出終了処理を実行して(S505)、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0205】
遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態終了通知が行われていない場合(S503:NO)、CPU581は、遊技状態コマンドによって第二時短状態終了通知が行われたかを判断する(S506)。遊技状態コマンドによって第二時短状態終了通知が行われた場合(S506:YES)、CPU581は、第二時短状態終了処理を実行して(S508)、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0206】
遊技状態コマンドによって第二時短状態終了通知が行われていない場合(S506:NO)、CPU581は、遊技状態コマンドによって通知される各種の状態に応じた処理を実行する(S509)。具体的には、CPU581は、遊技状態コマンドによって確変状態開始通知が行われた場合、サブ確変フラグを「ON」にし、確変状態終了通知が行われた場合には、サブ確変フラグを「OFF」にする。CPU581は、遊技状態コマンドによって第一時短状態開始通知が行われた場合、サブ第一時短フラグを「ON」にし、第一時短状態終了通知が行われた場合には、サブ第一時短フラグを「OFF」にする。CPU581は、遊技状態コマンドによって第二時短状態開始通知が行われた場合、サブ第二時短フラグを「ON」にし、第二時短状態終了通知が行われた場合には、サブ第二時短フラグを「OFF」にする。CPU581は、サブ確変フラグ、サブ第一時短フラグ及びサブ第二時短フラグの状態に応じて遊技状態を把握し、各種の演出を制御する。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0207】
図24を参照して、
図23のS502で示した大当たり遊技演出開始処理の詳細について説明する。大当たり遊技演出開始処理では、大当たり遊技状態において行われる演出である大当たり遊技演出を開始させるための処理が行われる。
【0208】
大当たり遊技演出開始処理が開始されると、CPU581は、大当たり遊技演出開始コマンドを生成して、生成した大当たり遊技演出開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S511)。大当たり遊技演出開始コマンドは、大当たり遊技演出の実行開始を指示するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた大当たり遊技演出開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。大当たり遊技演出開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、大当たり遊技演出開始コマンドに対応する画像データをCGROMから読み出す。そしてCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、大当たり遊技演出の演出画像の表示を開始する。また、CPU581は、ランプ制御基板46を介して、枠ランプ38及び盤ランプ27の電飾演出を制御する。また、CPU581は、音制御回路585による音処理を制御する。これにより、大当たり遊技演出が実行される。
【0209】
CPU581は、左打ち指示が待機中であるかを判断する(S512)。S512の判断は、非確変非時短状態に左打ち指示待機中の状態にある場合に、大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出されたことに伴って大当たり遊技が開始されたときには、左打ち指示待機の状態を一旦リセットするために行われる。CPU581は、左打ち指示待機フラグが「OFF」である場合には左打ち指示が待機中でないと判断して(S512:NO)、処理を遊技状態制御処理へ戻す。CPU581は、左打ち指示待機フラグが「ON」である場合には左打ち指示が待機中であると判断して(S512:YES)、左打ち指示待機フラグを「OFF」にして(S513)、処理を遊技状態制御処理へ戻す。
【0210】
図25を参照して、
図23のS505で示した大当たり遊技演出終了処理の詳細について説明する。大当たり遊技演出終了処理では、大当たり遊技演出を終了させるための処理が行われる。
【0211】
大当たり遊技演出終了処理が開始されると、CPU581は、大当たり遊技演出終了コマンドを生成して、生成した大当たり遊技演出終了コマンドをコマンドバッファにセットする(S521)。大当たり遊技演出終了コマンドは、大当たり遊技演出の実行終了を指示するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた大当たり遊技演出終了コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。大当たり遊技演出終了コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、実行している大当たり遊技演出及び大当たりエンディング演出を終了する。
【0212】
CPU581は、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非確変非時短状態であるかを判断する(S522)。大当たり遊技の終了後にいずれの遊技状態が設定されるかは、
図7で示した特別図柄決定テーブルによって、特別図柄の図柄名称及び図柄名称に対応付けて定義されている。このため、CPU581は、大当たり遊技が実行される契機となった大当たり図柄の図柄名称に応じて、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を特定することができる。後述するS409の処理において、停止図柄指定コマンドを受信したCPU581は、停止図柄指定コマンドが示す特別図柄の図柄種別(大当たり図柄又ははずれ図柄)及び図柄名称を取得して、RAM582に記憶する。S522の判断は、この際にRAM582に記憶された特別図柄の図柄種別及び図柄名称に基づいて行われる。CPU581は、RAM582に記憶されている大当たり図柄の図柄名称が、確変大当たりに対応する「特1確変大当たりA」又は「特2確変大当たりA」である場合、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非確変非時短状態でないと判断する(S522:NO)。この場合、CPU581は、処理を遊技状態制御処理へ戻す。
【0213】
CPU581は、RAM582に記憶されている大当たり図柄の図柄名称が、非確変大当たりに対応する「特1通常大当たりA」又は「特2通常大当たりA」である場合、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非確変非時短状態であると判断する(S522:YES)。この場合、CPU581は、第一保留数が「0」であるかを判断する(S523)。サブ制御基板58は、第一保留数及び第二保留数を記憶するための第一保留数カウンタ及び第二保留数カウンタを、RAM582に設けている。CPU581は、第一保留数カウンタを参照することによって、S523の判断を実行する。第一保留数が「0」である場合(S523:YES)、CPU581は、左打ち指示の開始を指示するための左打ち指示開始コマンドを生成して、生成した左打ち指示開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S525)。
【0214】
コマンドバッファにセットされた左打ち指示開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。左打ち指示開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、
図30等に示す左打ち指示表示129に対応する画像データをCGROMから読み出す。そしてCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、左打ち指示表示129の表示を開始する。また、CPU581は、音制御回路585による音処理を制御する。本実施形態では、表示画面28への左打ち指示表示129の表示に合わせて、「左打ちをしてください」の音声がスピーカ39から出力される。このように、遊技状態が遊技者にとってより有利な大当たり遊技状態から、大当たり遊技状態よりも有利度の低い非確変非時短状態に移行する場合において、第一保留数が「0」であるときには、左打ち指示表示129が表示画面28に表示されることによって、左打ち指示が実行される。CPU581は、処理を遊技状態制御処理へ戻す。
【0215】
一方、第一保留数が「1」以上である場合(S523:NO)、CPU581は、左打ち指示待機フラグを「ON」にする(S526)。このように、遊技状態が遊技者にとってより有利な大当たり遊技状態から、大当たり遊技状態よりも有利度の低い非確変非時短状態に移行する場合において、第一保留数が「1」以上であるときには、左打ち指示の実行が待機される。処理を遊技状態制御処理へ戻す。
【0216】
図26を参照して、
図23のS508で示した第二時短状態終了処理の詳細について説明する。第二時短状態終了処理では、第二時短状態が終了することに応じて、遊技状態が非確変非時短状態に移行する場合における左打ち指示に関する処理が行われる。第二時短状態終了処理が開始されると、CPU581は、サブ第二時短フラグを「OFF」にする(S531)。CPU581は、第二時短終了通知と併せて大当たり遊技状態開始通知があったかを判断する(S532)。第二時短終了通知と併せて大当たり遊技状態開始通知があった場合、すなわち、大当たり遊技が開始することに伴い第二時短状態が終了する場合(S532:YES)、CPU581は、処理を遊技状態制御処理へ戻す。
【0217】
第二時短終了通知と併せて大当たり遊技状態開始通知がされていない場合、すなわち、非確変第二時短状態における判定回数がC時短回数である100回に到達したことに応じて非確変第二時短状態が終了する場合(S532:NO)、第一保留数が「0」であるかを判断する(S533)。CPU581は、第一保留数カウンタの値が「0」である場合には第一保留数が「0」であると判断して(S533:YES)、左打ち指示を開始することを指示するための左打ち指示開始コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S536)。このように、遊技状態が遊技者にとってより有利な非確変第二時短状態から、非確変第二時短状態よりも有利度の低い非確変非時短状態に移行する場合において、第一保留数が「0」であるときには、左打ち指示表示129が表示画面28に表示されることによって、左打ち指示が実行される。CPU581は、処理を遊技状態制御処理に戻す。
【0218】
CPU581は、第一保留数カウンタの値が「1」以上である場合には第一保留数が「0」でないと判断して(S533:NO)、左打ち指示待機フラグを「ON」にする。このように、遊技状態が遊技者にとってより有利な非確変第二時短状態から、非確変第二時短状態よりも有利度の低い非確変非時短状態に移行する場合において、第一保留数が「1」以上であるときには、左打ち指示の実行が待機される。CPU581は、処理を遊技状態制御処理に戻す。
【0219】
図21の説明に戻る。CPU581は、主制御基板41から保留情報コマンドを受信したかを判断する(S403)。保留情報コマンドを受信していない場合(S403:NO)、CPU581は、処理をS408の判断へ移行する。保留情報コマンドを受信した場合(S403:YES)、CPU581は、保留表示処理を実行する(S405)。
【0220】
パチンコ機1は、
図28(D)に示すように特別図柄の変動表示に同期して演出図柄100の変動表示を行い、
図29(I)に示すように特別図柄の確定表示に同期して演出図柄100を確定表示することで、報知演出に係る演出図柄100の図柄変動を実行する。演出図柄100は、左図柄101、中図柄102及び右図柄103を備える。左図柄101は、表示画面28の左部の変動ラインに主に表示される。中図柄102は、表示画面28の中央部の変動ラインに主に表示される。右図柄103は、表示画面28の右部の変動ラインに主に表示される。
図28(D)に示すように、左図柄101、中図柄102及び右図柄103をそれぞれの変動ラインにおいて「1」図柄から「8」図柄が上方から下方に順にスクロールされることによって、演出図柄100の図柄変動が行われる。矢印Y1は、演出図柄100のそれぞれがスクロールを継続していることを模式的に示す。
図29(I)に示すように、左図柄101、中図柄102及び右図柄103をそれぞれの変動ラインの中央部において停止表示させることによって、演出図柄100の確定表示が行われる。
図29(I)は、演出図柄100がゾロ目以外の組合せで確定表示することで、大当たり判定の結果がはずれであることが報知された例を示す。
【0221】
パチンコ機1は、表示画面28に、第一保留乱数を示す第一保留表示NH1を表示する。本実施形態では、第一保留表示NH1は、円形のシンボルで構成される。第一保留表示NH1は、円形以外の各種の形状等を有していてもよい。第一保留表示NH1は、その表示色の違い、形状の違い等によって、第一保留乱数の期待度の高低を示すものであってもよい。第一保留乱数の期待度は、第一保留情報に基づくものである。具体的には、第一保留乱数に係る特
図1大当たり乱数が大当たりであるか否かを示す情報、第一変動パターン決定乱数がいずれの変動パターンに対応するかを示す情報等に基づいて、第一保留乱数の期待度が定まる。表示画面28の左下部には、第一保留表示NH1を表示する位置を示す位置H1~位置H4が設けられている。位置H1,H2,H3,H4のそれぞれには、
図5で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアのNo.1,2,3,4のそれぞれに記憶されている第一保留乱数に対応する第一保留表示NH1が表示される。
図28(D)において、第一特別図柄の変動時間と同期して第一報知演出が実行中であり、第一保留数が「1」であり、1個の第一保留表示NH1が、位置H1に表示されている。
【0222】
パチンコ機1は、表示画面28に、第二保留乱数を示す第二保留表示NH2を表示する。本実施形態では、第二保留表示NH2は、
図28(A-1)に示すように、三角形のシンボルで構成される。第二保留表示NH2は、三角形以外の各種の形状等を有していてもよい。第二保留表示NH2は、その表示色の違い、形状の違い等によって、第二保留乱数の期待度の高低を示すものであってもよい。第二保留乱数の期待度は、第一保留乱数の期待度と同様に、第二保留情報に基づくものである。表示画面28の右下部には、第二保留表示NH2を表示する位置を示す位置H5~位置H8が設けられている。位置H5,H6,H7,H8のそれぞれには、特
図2大当たり関係情報記憶エリアのNo.1,2,3,4のそれぞれに記憶されている第二保留乱数に対応する第二保留表示NH2が表示される。
図28(A-1)において、大当たり遊技演出が実行中であり、第二保留数が「4」であり、4個の第二保留表示NH2が、位置H5~位置H8に表示されている。
【0223】
CPU581は、S405の保留表示処理において、第一保留表示NH1及び第二保留表示NH2の表示制御のための処理を実行する。具体的には、CPU581は、受信した保留情報コマンドが第一保留情報コマンドである場合、第一保留情報コマンドを解析し、第一保留情報を取得する。CPU581は、第一保留表示NH1を、位置H1~位置H4のうち空いている位置に左詰めで表示することを演出制御基板43に指示するコマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファにセットする。また、CPU581は、受信した保留情報コマンドが第二保留情報コマンドである場合、第二保留情報コマンドを解析し、第二保留情報を取得する。CPU581は、第二保留表示NH2を、位置H5~位置H8のうち空いている位置に左詰めで表示することを演出制御基板43に指示するコマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファにセットする。コマンドバッファにセットされたコマンドは、演出制御基板43に順次送信される。このコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、表示画面28に第一保留表示NH1又は第二保留表示NH2を追加表示する。
【0224】
CPU581は、第一保留情報コマンドを受信した場合には第一保留数カウンタに「1」を加算し、第二保留情報コマンドを受信した場合には第二保留数カウンタに「1」を加算する(S406)。CPU581は、処理をS408の判断へ移行する。
【0225】
CPU581は、主制御基板41から停止図柄指定コマンドを受信したかを判断する(S408)。停止図柄指定コマンドを受信していない場合(S408:NO)、CPU581は、処理をS411の判断へ移行する。停止図柄指定コマンドを受信した場合(S408:YES)、CPU581は、停止図柄指定コマンドを解析して、コマンドの示す特別図柄の図柄種別(大当たり図柄又ははずれ図柄)及び図柄名称を取得する。CPU581は、取得した特別図柄の図柄種別及び図柄名称に応じた演出図柄100の組合せを決定する(S409)。
【0226】
図28等に示すように、演出図柄100は、左図柄101、中図柄102及び右図柄103の3つの図柄で構成される。CPU581は、特別図柄が大当たり図柄である場合、左図柄101、中図柄102及び右図柄103が変動表示を終了し確定表示するときの組合せとして、左図柄101、中図柄102及び右図柄103が同じ数字で揃うゾロ目の組合せを決定する。左図柄101、中図柄102及び右図柄103が変動表示を終了し確定表示するときの組合せを、以下、「確定図柄」という。CPU581は、第一特別図柄のはずれ図柄を取得した場合、図柄名称が「特1はずれA」であるときには、確定図柄として、奇数の順目である「1・3・5」を決定する。CPU581は、第一特別図柄のはずれ図柄を取得した場合、図柄名称が「特1はずれB」であるときには、確定図柄として、偶数の順目である「2・4・6」の組合せを決定する。CPU581は、第二特別図柄のはずれ図柄を取得した場合、確定図柄として、左図柄101、中図柄102及び右図柄103が異なる数字を含む、ゾロ目、奇数の順目及び偶数の順目以外の組合せを決定する。決定された確定図柄は、RAM582に記憶される。CPU581は処理をS411の判断へ移行する。
【0227】
CPU581は、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信したかを判断する(S411)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S411:NO)、CPU581は、処理をS413の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S411:YES)、CPU581は、報知演出実行処理を実行する(S412)。
【0228】
図27を参照して、
図21のS412で示した報知演出実行処理の詳細について説明する。報知演出実行処理では、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに基づいて、演出図柄100の変動表示を伴う報知演出の制御が行われる。
【0229】
報知演出実行処理が開始されると、CPU581は、変動パターン指定コマンドを解析して、コマンドの示す変動パターンを特定し、特定した変動パターンを取得する(S551)。CPU581は、取得した変動パターンを、RAM582に記憶する。
【0230】
CPU581は、保留表示シフトコマンドを生成し、生成した保留表示シフトコマンドをコマンドバッファにセットする(S552)。保留表示シフトコマンドは、S551で取得した変動パターンが第一変動パターンである場合には、位置H1~位置H4に表示されている第一保留表示NH1を、それぞれ一つずつ左の位置へ繰り上げて移動することを指示する情報を含む。保留表示シフトコマンドは、S551で取得した変動パターンが第二変動パターンである場合には、位置H5~位置H8に表示されている第二保留表示NH2を、それぞれ一つずつ左の位置へ繰り上げて移動することを指示する情報を含む。コマンドバッファにセットされた保留表示シフトコマンドは、演出制御基板43に順次送信される。保留表示シフトコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、位置H1~位置H4に表示されている第一保留表示NH1又は位置H5~位置H8に表示されている第二保留表示NH2を、一つずつ左の位置へ繰り上げて移動する。
【0231】
CPU581は、報知演出開始コマンドを生成し、生成した報知演出開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S553)。報知演出開始コマンドは、報知演出の実行開始を指示するためのコマンドである。報知演出開始コマンドは、変動パターンに基づく報知演出の演出パターンを示す情報を含む。コマンドバッファにセットされた報知演出開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。報知演出開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、報知演出開始コマンドが含む報知演出の演出パターンを示す情報に対応する画像データをCGROMから読み出す。そしてCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、報知演出の演出画像の表示を開始する。また、CPU581は、ランプ制御基板46を介して、枠ランプ38及び盤ランプ27の電飾演出を制御する。また、CPU581は、音制御回路585による音処理を制御する。これにより、報知演出が実行される。
【0232】
パチンコ機1は、
図28及び
図29等に示すように、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄100の変動表示を行い、特別図柄の確定表示に同期して演出図柄100を確定表示することで、報知演出を実行する。演出図柄100の変動表示は、報知演出において実行される演出の内容によっては、表示画面28の隅部において縮小された態様で行われることもある。
【0233】
CPU581は、S551で取得した変動パターンが第一変動パターンである場合には第一保留数カウンタの値を「1」減算し、第二変動パターンである場合には第二保留数カウンタの値を「1」減算する(S555)。CPU581は、左打ち指示が待機された状態にあるかを判断する(S556)。CPU581は、左打ち指示待機フラグが「OFF」である場合には左打ち指示が待機された状態にないと判断して(S556:NO)、処理をS565の判断へ移行する。
【0234】
CPU581は、左打ち指示待機フラグが「ON」である場合(S556:YES)、サブ確変フラグ及びサブ時短フラグの状態に基づいて、現在の遊技状態が非確変非時短状態であるかを判断する(S558)。現在の遊技状態が非確変非時短状態である場合(S558:YES)、CPU581は、処理をS565の判断へ移行する。現在の遊技状態が非確変非時短状態でない場合(S558:NO)、現在の遊技状態が低確率第一時短状態であるかを判断する(S561)。現在の遊技状態が低確率第一時短状態でない場合(S561:NO)、CPU581は、処理をS563へ移行する。
【0235】
現在の遊技状態が低確率第一時短状態である場合(S561:YES)、CPU581は、左打ち指示開始コマンドを生成し、生成した左打ち指示開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S562)。これにより、左打ち指示が実行される。その後、CPU581は、左打ち指示待機フラグを「OFF」にして(S563)、処理をS565の判断へ移行する。
【0236】
CPU581は、客待ち状態であるかを判断する(S565)。CPU581は、サブ客待ちフラグが「OFF」である場合には客待ち状態でないと判断して(S565:NO)、処理をサブ制御基板処理へ戻す。CPU581は、サブ客待ちフラグが「ON」である場合には客待ち状態であると判断して(S565:YES)、客待ち演出の実行を終了させるためのコマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S566)。客待ち演出は、パチンコ機1が客待ち状態にあることを遊技者等に示すため演出である。客待ち演出の実行を終了させるためのコマンドは、演出制御基板43に順次送信される。コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、実行中の客待ち演出を終了する。CPU581は、サブ客待ちフラグを「OFF」にして(S568)、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0237】
図21の説明に戻る。CPU581は、主制御基板41から特別図柄停止コマンドを受信したかを判断する(S413)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S413:NO)、CPU581は、処理をS416の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S413:YES)、CPU581は、報知演出終了処理を実行する(S415)。報知演出終了処理では、S408で決定した確定図柄で演出図柄100が確定表示される。これにより、
図29(I)、
図31(Q)に示すように、左図柄101、中図柄102及び右図柄103が、それぞれの変動ラインの中央部において確定図柄で停止表示されることによって、演出図柄100の確定表示が行われる。いずれの図柄が確定表示されたかは、遊技者の関心事である。このため、本実施形態では、大当たり遊技の実行中にも、
図28及び
図30に示すように、確定図柄が表示画面28の隅部に縮小表示される。CPU581は、処理をS416の判断へ移行する。
【0238】
CPU581は、主制御基板41からエンディングコマンドを受信したかを判断する(S416)。エンディングコマンドを受信していない場合(S416:NO)、CPU581は、処理を
図22に示すS421の判断へ移行する。エンディングコマンドを受信した場合(S416:YES)、CPU581は、大当たりエンディング演出の実行を開始するための、大当たりエンディング演出実行開始処理を実行する(S418)。大当たりエンディング演出実行開始処理において、CPU581は、大当たりエンディング演出の実行開始を指示するためのコマンドを生成し、コマンドバッファにセットする。コマンドバッファにセットされたコマンドは、演出制御基板43に順次送信される。このコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、大当たりエンディング演出に対応する画像データをCGROMから読み出す。そしてCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、大当たりエンディング演出の演出画像の表示を開始する。CPU581は、処理をS421の判断へ移行する。大当たりエンディング演出は、大当たり遊技演出の最終盤に行われる演出であり、大当たり遊技演出の一部を構成する。
【0239】
図22に示すように、CPU581は、主制御基板41から客待ちコマンドを受信したかを判断する(S421)。客待ちコマンドを受信していない場合(S421:NO)、CPU581は、処理をS425の判断へ移行する。客待ちコマンドを受信した場合(S421:YES)、CPU581は、遊技状態に応じた客待ち演出を実行する(S422)。
【0240】
本実施形態では、パチンコ機1は、非確変非時短状態における客待ち状態の場合に実行する客待ち演出と、その他の遊技状態における客待ち状態の場合に実行する客待ち演出とをそれぞれ備える。CPU581は、サブ確変フラグ及びサブ時短フラグの状態に応じて現在の遊技状態を把握して、把握した遊技状態に応じた客待ち演出の実行を指示するためのコマンドを生成し、コマンドバッファにセットする。コマンドバッファにセットされたコマンドは、演出制御基板43に順次送信される。このコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、遊技状態に応じた客待ち演出に対応する画像データをCGROMから読み出す。そしてCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、客待ち演出の演出画像の表示を開始する。CPU581は、サブ客待ちフラグを「ON」にして(S423)、処理をS425の判断へ移行する。
【0241】
CPU581は、CPU581は、主制御基板41、枠制御基板45からその他のコマンドを受信したかを判断する(S425)。その他のコマンドを受信していない場合(S425:NO)、CPU581は、サブ制御基板処理を終了する。その他のコマンドを受信した場合(S425:YES)、CPU581は、コマンドに応じた各種の処理を実行する(S426)。CPU581は、サブ制御基板処理を終了する。
【0242】
図28から
図31を参照して、第一実施形態におけるCタイム演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングについて説明する。まず、
図28及び
図29を参照して、右打ちで遊技が進行する大当たり遊技状態から、左打ちで遊技が進行する非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「1」以上であるときにおけるCタイム演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングについて説明する。
【0243】
図28(A-1)は、大当たり遊技演出が実行中である場合の例を示す。大当たり遊技演出では、大当たりとなったことを祝福する内容の映像等を用いた演出が展開される。本実施形態では、大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出されて、特別図柄として非確変大当たり図柄が確定表示する場合には、演出図柄100は、偶数のゾロ目の組合せで確定表示される。
図28(A-1)に示す大当たり遊技演出においては、演出図柄100の確定図柄である6のゾロ目の組合せが、表示画面28の隅部に縮小表示されている。大当たり遊技状態においては、大当たりラウンドで開放する大入賞口16に遊技球を入賞させることを遊技者に促すための右打ち表示119が表示画面28に表示される。
【0244】
所定のラウンド数の大当たりラウンドが終了することに伴って、
図28(B-1)に示すように、大当たりエンディング演出が行われる。非確変大当たり図柄が確定表示することによって行われた大当たり遊技の終了後には、非確変非時短状態の遊技が進行する。第一実施形態では、大当たりエンディング演出として、以降に非確変非時短状態の遊技、すなわちCタイムの遊技が行われることを遊技者に示す内容の映像等を用いた演出が展開される。大当たりエンディング演出として、「Cタイム突入!」の文字を示した画像111等が用いられる。大当たりエンディング演出が実行されているこの場面において、第一保留数が「2」、第二保留数が「4」であるとする。したがって、
図28(B-1)において、2個の第一保留表示NH1及び4個の第二保留表示NH2が、表示画面28にそれぞれ表示されている。
【0245】
第一実施形態では、特
図2大当たり判定が特
図1大当たり判定よりも優先して行われる。このため、大当たりエンディング演出及び大当たり遊技状態が終了した場合において、第二保留数が「1」以上であるときには、第二保留乱数に基づいて特
図2大当たり判定が行われる。
図28(C-1)は、大当たり遊技が終了した時点において4個記憶されていた第二保留乱数のうち1個の第二保留乱数に基づく特
図2大当たり判定が行われ、その判定結果を報知する第二報知演出が実行されている様子を示す。第一実施形態では、非確変非時短状態における第二報知演出が、大当たりエンディング演出と同様の背景画像を用いて、比較的短い変動時間で行われる。
図28(C-1)は、演出図柄100が表示画面28の隅部に縮小された状態で、第二特別図柄の変動に同期して変動表示を行う様子を示している。このように、大当たり遊技が終了した時点において第二保留数が「1」以上である場合には、全ての第二保留乱数に基づく第二報知演出が、
図28(C-1)に示すように実行されて消化された後に、
図28(D)に示すCタイム演出に遊技が移行する。
【0246】
なお、
図28(C-1)の場面で実行される第二報知演出によって大当たりの判定結果が報知された場合には、その後に再び大当たり遊技が実行される。また、大当たりエンディング演出及び大当たり遊技状態が終了した場合において、第二保留数が「0」であるときには、特
図2大当たり判定が行われないので、
図28(C-1)に示す場面が到来することなく、
図28(B-1)から
図28(D)に遊技が移行する。
【0247】
図28(D)は、大当たり遊技状態が終了した後に、第一保留乱数に基づいて非確変非時短状態における第一報知演出の実行が開始された場面の例を示す。第一報知演出の実行開始直前には第一保留数が「2」であったが、
図28(D)で示す第一報知演出の開始に伴い、第一保留数が「1」に減少している。このため、
図28(D)に示すように、第一報知演出、すなわちCタイム演出が開始された場合において、表示画面28において第一保留表示NH1が1個表示されている。また、表示画面28には、遊技状態が非確変非時短状態であることを示す「Cタイム」の文字を用いたモード表示110も表示される。
【0248】
大当たり遊技状態が終了し、第二保留乱数に基づく第二報知演出が消化された段階において第一保留数が「1」以上である場合には、特
図1大当たり判定が即時に行われ、Cタイム演出である第一報知演出も即時に実行が開始される。したがって、このような状況においては、パチンコ機1は、左打ち指示表示129を用いた左打ち指示を行わない。遊技者が左打ちをして遊技球を新たに第一始動口14に入賞させることを必要とせずに、Cタイム演出が自動的に開始されるため、左打ち指示を行う必要がないからである。パチンコ機1は、必要のない左打ち指示の実行を省略することによって、Cタイム演出が左打ち指示表示129等によって邪魔されることを回避し、興趣の高いCタイム演出を提供することができる。
【0249】
パチンコ機1において非確変非時短状態に特
図1大当たり判定によってはずれの判定結果が導出される場合、50%の割合で特
図1はずれA、50%の割合で特
図1はずれBの第一特別図柄がそれぞれ決定される。第一実施形態において、第二保留乱数に基づく第二報知演出が消化された段階において第一保留数が「1」以上である場合、特
図1はずれAの第一特別図柄が決定されたときには、Cタイム演出として「ノーマル突入演出A」の第一変動パターンが決定される。また、特
図1はずれBの第一特別図柄が決定されたときには、Cタイム演出として「時短突入演出A」の第一変動パターンが決定される。すなわち、大当たり遊技状態が終了し、第二保留乱数に基づく第二報知演出が消化された段階において第一保留数が「1」以上である場合、はずれの判定結果を報知するCタイム演出は、「ノーマル突入演出A」又は「時短突入演出A」の第一変動パターンに応じた内容で行われる。
【0250】
第一実施形態において、「ノーマル突入演出A」又は「時短突入演出A」の第一変動パターンに応じたCタイム演出は、
図28(D)に示すように演出図柄100の変動表示が開始された後、
図28(E)に示すように、これまでの遊技結果を示す内容で進行する。これまでの遊技結果は、確変大当たりが連続した回数に相当する「連続対戦回数」と、確変大当たりが連続して行われる間に付与された賞球数に相当する「獲得ポイント」とを表示する結果画像112によって示される。
図28(D)に示すように、結果画像112を表示画面28に大きく示すため、演出図柄100の変動表示は、表示画面28の隅部に縮小された状態で、第一特別図柄の変動に同期して行われる。
【0251】
図28(F)に示すように、その後のCタイム演出は、結果画像112に変えてラストチャンス画像113が表示される内容に発展する。ラストチャンス画像113は、「ラストチャンス!ルーレットを狙え!」の文字を用いて構成されている。ラストチャンス画像113は、実行中のCタイム演出の終了後に非確変第一時短状態又は非確変第二時短状態のいずれが設定されるかを煽る演出であるルーレット画像115が表示されることを遊技者に示唆するために用いられる。
【0252】
次いで、
図28(G)に示すように、ルーレット画像115が表示画面28に表示される。ルーレット画像115は、Cタイム演出の終了後に非確変第一時短状態であるノーマルモード又は非確変第二時短状態であるチャンスモードのいずれに移行するかがルーレットで抽選されて決定するかのように演出するために用いられる画像である。ルーレット画像115は、ノーマルモードを示す目とチャンスモードを示す目とを備えており、回転表示することによって、ノーマルモードとチャンスモードとのいずれが抽選されるかを演出する。
図28(G)に示すように、ルーレット画像115の回転表示が開始された後には、「ボタンを押せ!」等の表示も表示画面28において行われる。この場合、「ボタンを押せ!」のセリフ音声や効果音による示唆も行われる。
【0253】
これらの示唆に応じて演出ボタン35の操作が行われた場合、ルーレット画像115の回転表示が終了し、ルーレット画像115のいずれかの目が選択される。
図28(H)に示すルーレット画像115は、ノーマルモードの目を反転表示することで、ノーマルモードの目が選択された状態を示す。すなわち、
図28(D)から
図29(I)は、「特1はずれA」の第一特別図柄が確定図柄として決定され、第一保留数が「1」以上であることから決定された「ノーマル突入演出A」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が、Cタイム演出として実行される例を示している。
【0254】
その後、
図29(I)に示すように、変動表示をしていた演出図柄100が「特1はずれA」の第一特別図柄に対応する偶数の順目の組合せで確定表示されて、「ノーマル突入演出A」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了する。
【0255】
非確変非時短状態における「ノーマル突入演出A」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了した後は、非確変第一時短状態が設定される。非確変第一時短状態には、ノーマルモードの遊技が進行する。
図29(J)に示すように、モード表示110は、「ノーマルモード」の文字を用いた内容に変化する。また、以降の非確変第一時短状態の遊技においては、遊技者は、左打ちをして遊技球を第一始動口14に入賞させることによって、パチンコ機1に特
図1大当たり判定を実行させ、第一報知演出を実行させることができる。このため、パチンコ機1は、このタイミングで左打ち指示表示129を表示画面28に表示させることによって、左打ち指示を実行する。すなわち、パチンコ機1は、大当たり遊技状態から非確変非時短状態に移行する場合に、第一保留数が「1」以上であるときには、非確変非時短状態において報知演出が1回以上実行された後に、左打ち指示を実行する。特に、パチンコ機1は、非確変非時短状態において報知演出のうち第一報知演出が1回以上実行された後に、左打ち指示を実行する。言い換えると、パチンコ機1は、非確変非時短状態におけるCタイム演出の実行が終了した後に、左打ちで遊技を進行することが推奨される非確変第一時短状態が設定された場合に、左打ち指示を実行する。これにより、パチンコ機1は、左打ち指示によって遊技球を左打ちすることを遊技者に促し、遊技者に非確変第一時短状態の遊技を円滑に進行させることができる。
【0256】
なお、非確変非時短状態において、「特1はずれB」の第一特別図柄が確定図柄として決定され、第一保留数が「1」以上であることから決定された「時短突入演出A」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が、Cタイム演出として実行される場合もある。この場合、図示しないが、
図28(A-1)から
図28(G)までは、「特1はずれA」の第一特別図柄が確定図柄として決定された場合と同様に遊技が進行する。そして、
図28(G)に示したルーレット画像115が回転表示した後、
図28(H)に対応する場面において、ルーレット画像115のうちチャンスモードの目が選択される。その後、
図29(I)に対応する場面において、変動表示をしていた演出図柄100が「特1はずれB」の第一特別図柄に対応する奇数の順目の組合せで確定表示されて、「時短突入演出A」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了する。その後は非確変第二時短状態が設定され、パチンコ機1は、右打ち表示119を表示させること等によって、非確変第二時短状態であるチャンスモードの遊技を右打ちで進行するように遊技者に促す。
【0257】
また、非確変非時短状態における特
図1大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出された場合には、第一保留数が「1」以上であることから「大当たり変動A」の第一変動パターンが決定され、これに応じた第一報知演出がCタイム演出として実行される。この場合、図示しないが、
図28(A-1)から
図28(G)までは、「特1はずれA」又は「特1はずれB」の第一特別図柄が確定図柄として決定された場合と同様に遊技が進行する。そして、
図28(G)に示したルーレット画像115が回転表示した後、
図28(H)に対応する場面において、大当たりであることを報知する内容の所定の表示が、ルーレット画像115に変えて表示画面28に表示される。その後、
図29(I)に対応する場面において、変動表示をしていた演出図柄100がゾロ目の組合せで確定表示されて、「大当たり変動A」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了する。この場合において、確変大当たり図柄である「特1確変大当たりA」の第一特別図柄が確定図柄として決定されているときには、演出図柄100が奇数のゾロ目の組合せで確定表示される。また、非確変大当たり図柄である「特1通常大当たりA」の第一特別図柄が確定図柄として決定されている場合、演出図柄100が偶数のゾロ目の組合せで確定表示される。その後の遊技は大当たり遊技状態に移行し、大当たり遊技演出が実行される。
【0258】
次いで、
図30及び
図31を参照して、大当たり遊技状態から非確変非時短状態に遊技が移行する場合において、第一保留数が「0」であるときにおけるCタイム演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングについて説明する。
【0259】
図30(A-2)は、大当たり遊技演出が実行中である場合の例を示す。大当たり遊技演出では、
図28(A-1)と同様に大当たり遊技演出が展開される。この場面において、第一保留数が「0」、第二保留数が「4」であるとする。したがって、
図28(B-1)において、4個の第二保留表示NH2が、表示画面28にそれぞれ表示されている。一方、第一保留数が「0」であるので、
図30(A-2)においては
図28(A-1)とは異なり、表示画面28に第一保留表示NH1が表示されない。
【0260】
所定のラウンド数の大当たりラウンドが終了することに伴って、
図30(B-2)に示すように、
図28(B-1)と同様に大当たりエンディング演出が行われる。大当たりエンディング演出が実行されているこの場面においても、第一保留数が「0」であるので、
図30(B-2)においては
図28(B-1)とは異なり、表示画面28に第一保留表示NH1が表示されない。
【0261】
前述したように、本実施形態では、特
図2大当たり判定が特
図1大当たり判定よりも優先して行われる。このため、大当たりエンディング演出及び大当たり遊技状態が終了した場合において、第二保留数が「1」以上であるときには、第二保留乱数に基づいて特
図2大当たり判定が行われる。したがって、
図30(C-2)に示すように、
図28(C-1)と同様に、大当たり遊技が終了した時点において記憶されていた第二保留乱数基づく特
図2大当たり判定が行われ、その判定結果を報知する第二報知演出が実行される。この場面においても、第一保留数が「0」であるので、
図30(C-2)においては
図28(C-1)とは異なり、表示画面28に第一保留表示NH1が表示されない。なお、ここで実行される第二報知演出によって大当たりの判定結果が報知された場合には、その後に再び大当たり遊技が実行される。また、大当たりエンディング演出及び大当たり遊技状態が終了した場合において、第二保留数が「0」であるときには、特
図2大当たり判定が行われないので、
図30(C-2)に示す場面が到来することなく、
図30(B-2)から
図30(K)に遊技が移行する。
【0262】
図30(C-2)に示す内容で全ての第二保留乱数に基づく第二報知演出が消化された後に、
図30(K)に示す非確変非時短状態であるCタイムに遊技が移行する。これに応じて、「Cタイム」の文字を用いたモード表示110が、表示画面28に表示される。この場合において、第一保留数が「0」であるので、遊技球が第一始動口14に入賞し、特
図1大当たり判定が実行されない限り、Cタイム演出の実行が開始されない。非確変非時短状態においてCタイム演出、すなわち第一報知演出が開始されない場合には、パチンコ機1は客待ち状態となり、客待ち演出が実行される。
図30(K)に示すように、パチンコ機1では、非確変非時短状態に実行される客待ち演出において、遊技者に左打ちを促す内容の表示121が、表示画面28に表示される。表示121は、「左打ちしてください」の文字を右から左へスクロール表示する。また、パチンコ機1は、
図30(K)に示す客待ち状態の場面において、左打ち指示表示129を表示画面28に表示することで、左打ち指示を実行する。これにより、パチンコ機1は、左打ち指示によって遊技球を左打ちすることを遊技者に促して、Cタイム演出が開始されない状態が継続することから遊技者を回避させることができる。なお、左打ち指示は、
図30(C-2)に示す第二報知演出の消化中にも行われてもよい。
【0263】
左打ち指示に促された遊技者が遊技球を左打ちして、第一始動口14に遊技球が入賞した場合、特
図1大当たり判定が行われ、
図30(L)に示すように、非確変非時短状態における1回目の第一報知演出が、Cタイム演出として実行開始される。大当たり遊技状態が終了し、第二保留乱数に基づく第二報知演出が消化された段階において第一保留数が「0」である場合、はずれの判定結果を報知するCタイム演出は、「ノーマル突入演出B」又は「時短突入演出B」の第一変動パターンに応じた内容で行われる。「ノーマル突入演出B」及び「時短突入演出B」の第一変動パターンに応じたCタイム演出は、第一保留数が「1」以上である場合に決定される「ノーマル突入演出A」及び「時短突入演出A」とは異なる演出内容で構成される。
【0264】
第一実施形態において、「ノーマル突入演出B」又は「時短突入演出B」の第一変動パターンに応じたCタイム演出では、
図30(L)に示すように、演出図柄100の変動表示が開始される際に、演出画像122が表示画面28に表示される。演出画像122は、「一球入魂!」の文字を含んで構成されており、非確変非時短状態、すなわちCタイムが開始されてから遊技者が左打ちをすることによってCタイム演出が開始されたことを強調する内容となっている。パチンコ機1は、第一保留数が「0」である場合に「1」以上である場合とCタイム演出を異なる内容として、Cタイムには第一保留乱数が記憶されないとCタイム演出が開始されないことを、遊技者に印象付けることができる。
【0265】
図30(L)に示すようにして開始された「ノーマル突入演出B」又は「時短突入演出B」の第一変動パターンに応じたCタイム演出は、
図30(M)に示すように、キャラクタCH1とキャラクタCH2とが対決する態様で進行する。第一本実施形態において、キャラクタCH1が遊技者の味方のキャラクタであり、キャラクタCH2が、遊技者の敵方のキャラクタであるとする。このため、キャラクタCH1がキャラクタCH2に勝利した場合にはCタイム演出の終了後にチャンスモードである非確変第二時短状態が設定され、キャラクタCH1が敗北した場合にはCタイム演出の終了後にノーマルモードである非確変第一時短状態が設定されることが暗示される。
図30(M)に示すように、キャラクタCH1とキャラクタCH2との対決を表示画面28に大きく示すため、演出図柄100の変動表示は、表示画面28の隅部に縮小された状態で、第一特別図柄の変動に同期して行われる。
【0266】
図30(N)に示すように、その後のCタイム演出において、キャラクタCH1とキャラクタCH2との対決が佳境に入る。そして、
図30(P)に示すように、対決において、キャラクタCH1がキャラクタCH2に敗北したとする。すなわち、
図30(L)から
図31(Q)は、「特1はずれA」の第一特別図柄が確定図柄として決定され、第一保留数が「0」であることから決定された「ノーマル突入演出B」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が、Cタイム演出として実行される例を示している。
【0267】
その後、
図31(Q)に示すように、変動表示をしていた演出図柄100が「特1はずれA」の第一特別図柄に対応する偶数の順目の組合せで確定表示されて、「ノーマル突入演出B」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了する。
【0268】
非確変非時短状態における「ノーマル突入演出B」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了した後は、非確変第一時短状態が設定される。非確変第一時短状態には、ノーマルモードの遊技が進行する。
図31(R)に示すように、モード表示110は、「ノーマルモード」の文字を用いた内容に変化する。また、以降の非確変第一時短状態の遊技においては、遊技者は、左打ちをして遊技球を第一始動口14に入賞させることによって、パチンコ機1に特
図1大当たり判定を実行させ、第一報知演出を実行させることができる。パチンコ機1は、
図30(K)で示したように、非確変非時短状態において客待ち状態に至った段階で、左打ち指示表示129を表示画面28に表示することによって、左打ち指示を既に実行している。本実施形態の左打ち指示は、左打ち指示を開始した後に所定数の遊技球が第一始動口14に入賞するか、又は左打ち指示を開始した後所定時間が経過することに応じて終了する。したがって、パチンコ機1は、遊技状態が非確変非時短状態から非確変第一時短状態に移行する場合においては、特段に左打ち指示を実行しない。なお、パチンコ機1は、非確変第一時短状態が左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態であることを遊技者により認識させるため、遊技状態が非確変非時短状態から非確変第一時短状態に移行する場合においても左打ち指示を行ってもよい。
【0269】
なお、非確変非時短状態において、「特1はずれB」の第一特別図柄が確定図柄として決定され、第一保留数が「0」であることから決定された「時短突入演出B」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が、Cタイム演出として実行される場合もある。この場合、図示しないが、
図30(A-2)から
図30(N)までは、「特1はずれA」の第一特別図柄が確定図柄として決定された場合と同様に遊技が進行する。そして、
図30(P)に対応する場面において、キャラクタCH1がキャラクタCH2に勝利する展開となる。その後、
図31(Q)に対応する場面において、変動表示をしていた演出図柄100が「特1はずれB」の第一特別図柄に対応する奇数の順目の組合せで確定表示されて、「時短突入演出B」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了する。その後は非確変第二時短状態が設定され、パチンコ機1は、右打ち表示119を表示させること等によって、非確変第二時短状態であるチャンスモードの遊技を右打ちで進行するように遊技者に促す。
【0270】
また、非確変非時短状態における特
図1大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出された場合には、第一保留数が「0」以上であることから「大当たり変動B」の第一変動パターンが決定され、これに応じた第一報知演出がCタイム演出として実行される。この場合、図示しないが、
図28(A-1)から
図28(G)までは、「特1はずれA」又は「特1はずれB」の第一特別図柄が確定図柄として決定された場合と同様に遊技が進行する。そして、
図28(P)に対応する場面において、大当たりであることを報知する内容の所定の表示が行われる。その後、
図31(Q)に対応する場面において、変動表示をしていた演出図柄100がゾロ目の組合せで確定表示されて、「大当たり変動B」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了する。この場合において、確変大当たり図柄である「特1確変大当たりA」の第一特別図柄が確定図柄として決定されているときには、演出図柄100が奇数のゾロ目の組合せで確定表示される。また、非確変大当たり図柄である「特1通常大当たりA」の第一特別図柄が確定図柄として決定されている場合、演出図柄100が偶数のゾロ目の組合せで確定表示される。その後の遊技は大当たり遊技状態に移行し、大当たり遊技演出が実行される。
【0271】
なお、
図20等で示したように、非確変非時短状態及び非確変第一時短状態よりも遊技者にとって有利な非確変第二時短状態における判定回数がC時短回数である100回に到達した場合、第二時短状態が終了し、遊技状態は非確変非時短状態、すなわちCタイムに移行する。遊技状態が非確変第二時短状態から非確変非時短状態に移行する場合においても、第一保留数が「1」以上であるときには、
図28及び
図29に示した内容で遊技が進行する。また、第一保留数が「0」であるときには、
図30及び
図31に示した内容で遊技が進行する。すなわち、パチンコ機1は、遊技者にとっての有利度が高い状態からより低い状態に切り替えられる場合に実行される第一報知演出の内容を、第一保留乱数が記憶されているかによって変化させることができる。これにより、パチンコ機1は、大当たり遊技状態又は非確変第二時短状態から非確変非時短状態に遊技状態が移行した場合のCタイム演出を多様化することができる。また、パチンコ機1は、第一保留乱数が記憶されていない場合に、非確変非時短状態の遊技が客待ち状態のまま開始されないような違和感が生じることから遊技者を回避させることができる。
【0272】
以上説明したように、大当たり遊技状態は、大入賞口16に遊技球が入賞することに応じて多数の賞球が発生するため、遊技者にとって有利な状態である。また、非確変第二時短状態は、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が非時短状態及び第一時短状態よりも高くなるので、非確変非時短状態及び非確変第一時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。遊技の状態が遊技者にとって有利な状態から非有利な状態に切り替えられる場合、すなわち、大当たり遊技状態又は非確変第二時短状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「0」であるときには、非確変非時短状態において特
図1大当たり判定が行われない状態となる。このため、第一始動口14に新たに遊技球が入賞しない限り、特
図1大当たり判定が行われず、非確変非時短状態における第一報知演出であるCタイム演出が開始されない。パチンコ機1は、大当たり遊技状態又は非確変第二時短状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合に実行される演出の内容を、第一保留数が「0」であるか否かに応じて決定する。したがって、パチンコ機1は、遊技の状態が切り替えられる場合においても、第一保留数に応じて適切な演出を実行できる。
【0273】
パチンコ機1は、大当たり遊技状態又は非確変第二時短状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合に実行される第一変動パターンの内容、すなわち、第一報知演出の内容を、第一保留数が「0」であるか否かに応じて決定する。これにより、パチンコ機1は、Cタイム演出を遊技者にとって違和感のないものとして、円滑に楽しませることができる。また、第一保留数が「0」であるか否かに応じてCタイム演出の内容が変化するので、パチンコ機1は、非確変非時短状態であるCタイムの遊技に従来にない変化を与え、Cタイム演出を遊技者により楽しませることができる。
【0274】
大当たり遊技状態又は非確変第二時短状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「1」以上であるときには、非確変非時短状態において、記憶されている第一保留乱数に基づいて特
図1大当たり判定が実行される。すなわち、この場合には、遊技者が新たに第一始動口14に遊技球を入賞させるなど、遊技者が特段に遊技の進行のための操作をすることなく、特
図1大当たり判定が実行される。これに伴い、実行された特
図1大当たり判定の判定結果を報知するための第一報知演出であるCタイム演出が自動的に開始される。このため、パチンコ機1は、第一保留数が「1」以上であることに応じて決定された第一変動パターンに基づいて実行された第一報知演出の実行が終了した後に、左打ち指示を実行する。具体的には、パチンコ機1は、Cタイム演出が終了して、遊技状態が非確変第一時短状態に移行した後に、左打ち指示を実行する。これにより、パチンコ機1は、左打ち指示によってCタイム演出の興趣が低下することを回避しつつ、Cタイム演出の終了後には、左打ちで遊技を進行することが推奨される状態にあることを遊技者に適切に報知することができる。一方、パチンコ機1は、大当たり遊技又は非確変第二時短状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「0」であるときには、非確変非時短状態に移行して直ちに左打ち指示を実行する。これにより、パチンコ機1は、非確変状態の遊技が客待ち状態に滞在したまま進行しないことから遊技者を回避させ、非確変非時短状態の遊技を遊技者に円滑に進行させることができる。
【0275】
上記実施形態において、大当たり遊技状態、確変第二時短状態及び非確変第二時短状態が、「有利状態」の一例である。大当たり判定が、「有利判定」の一例である。非確変非時短状態及び非確変第一時短状態が、「非有利状態」の一例である。
図13のS75及びS93の各処理を実行する主制御基板41のCPU51が、「判定手段」の一例である。特
図1大当たり関係情報記憶エリア及び特
図2大当たり関係情報記憶エリアを備える主制御基板41のRAM52が、「保留手段」の一例である。
図14のS138、S140、S143及びS148、
図15のS156、S159、S166及びS175、
図16のS233、S237及びS239の各処理を実行する主制御基板41のCPU51が、「遊技状態設定手段」の一例である。第一保留数に応じて非確変非時短状態の第一変動パターンを決定する
図13のS102が、「演出決定手段」の一例である。
図27のS553の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「報知演出実行手段」の一例である。左打ち指示表示129を用いた左打ち指示が、「進行指示」の一例である。
図25のS525、
図26のS535、
図27のS562の各処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「進行指示実行手段」の一例である。
【0276】
次いで、本発明に係る遊技機の第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態のパチンコ機1において、以下で説明する構成以外の構成については、第一実施形態のパチンコ機1と共通する。したがって、第二実施形態における第一実施形態と共通する構成については、説明を適宜省略する。
【0277】
図31を参照して、ROM53に記憶されている第二実施形態の通常状態変動パターン決定テーブルについて説明する。第二実施形態のパチンコ機1のROM53は、
図8で示した第一実施形態の通常状態変動パターン決定テーブルに替えて、
図31の通常状態変動パターン決定テーブルを記憶している。第二実施形態の通常状態変動パターン決定テーブルは、特
図1大当たり判定がはずれの判定結果である場合、はずれ図柄の種類に応じて第一変動パターンを定義している。具体的には、第二実施形態の通常状態変動パターン決定テーブルは、第一実施形態の場合と同様に、特
図1大当たり判定の判定結果がはずれである場合、はずれ図柄が特1はずれAのときと、特1はずれBのときとで、異なる第一変動パターンを定義している。第二実施形態の通常状態変動パターン決定テーブルは、特1はずれAのはずれ図柄には「突入成功演出」の第一変動パターンを、特1はずれBのはずれ図柄には「突入失敗演出」の第一変動パターンを、それぞれ定義している。
【0278】
また、第二実施形態の通常状態変動パターン決定テーブルは、特
図1大当たり判定の判定結果が大当たりである場合、対応する一つの第一変動パターンを定義している。一方、第二実施形態の通常状態変動パターン決定テーブルは、第一実施形態の場合とは異なり、特
図1大当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはその大当たりの判定結果に対応して、また、判定結果がはずれの場合には、はずれ図柄に対応して、第一保留数が「0」であるか否かに関わらず同じ種類の第一変動パターンを定義している。通常状態変動パターン決定テーブルが定義する第一変動パターンの変動時間はいずれも30秒であるが、それぞれの第一変動パターン毎に異なる変動時間が定義されてもよい。
【0279】
なお、第二実施形態の通常状態変動パターン決定テーブルは、第二変動パターンについては、第一実施形態の場合と同様に、第二特別図柄の種類及び第一保留数に関わらず、大当たり判定の結果に応じて定義している。通常状態変動パターン決定テーブルが定義する第二変動パターンの変動時間はいずれも1秒であるが、それぞれの第二変動パターン毎に異なる変動時間が定義されてもよい。
【0280】
図33を参照して、第二実施形態において実行される大当たりエンディング演出実行開始処理の詳細について説明する。
図21のS418で示した大当たりエンディング演出実行開始処理において、第二実施形態では、
図33で示す各処理が行われる。大当たりエンディング演出実行開始処理が開始されると、サブ制御基板58のCPU581は、実行中の大当たり遊技に係る大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非確変非時短状態であるかを判断する(S601)。
【0281】
大当たり遊技の終了後にいずれの遊技状態が設定されるかは、
図7で示した特別図柄決定テーブルによって、特別図柄の図柄名称及び図柄名称に対応付けて定義されている。このため、CPU581は、大当たり遊技が実行される契機となった大当たり図柄の図柄名称に基づいて、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を特定することができる。前述したように、S409の処理において、停止図柄指定コマンドを受信したCPU581は、停止図柄指定コマンドが示す特別図柄の図柄種別(大当たり図柄又ははずれ図柄)及び図柄名称を取得して、RAM582に記憶している。S601の判断は、この際にRAM582に記憶された特別図柄の図柄種別及び図柄名称に基づいて行われる。CPU581は、RAM582に記憶されている大当たり図柄の図柄名称が、確変大当たりに対応する「特1確変大当たりA」又は「特2確変大当たりA」である場合、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非確変非時短状態でないと判断する(S601:NO)。この場合、CPU581は、処理をS605へ移行する。
【0282】
CPU581は、RAM582に記憶されている大当たり図柄の図柄名称が、非確変大当たりに対応する「特1通常大当たりA」又は「特2通常大当たりA」である場合、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非確変非時短状態であると判断する(S601:YES)。この場合、CPU581は、RAM582の第一保留数カウンタを参照して、第一保留数を取得する(S602)。第二実施形態のパチンコ機1は、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非確変非時短状態である場合に実行する大当たりエンディング演出を、第一保留数が「0」である場合のものと、「1」以上である場合のものとを、それぞれ備えている。CPU581は、S602で取得した第一保留数が「0」であるか否かに応じて、大当たりエンディング演出を決定する(S603)。
【0283】
CPU581は、大当たりエンディング演出の開始を指示するための大当たりエンディング演出開始コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S605)。S603において第一保留数が「0」であるか否かに応じて大当たりエンディング演出を決定されている場合、CPU581は、決定された大当たりエンディング演出を示す大当たりエンディング演出コマンドを生成する。なお、第二実施形態のパチンコ機1は、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が確変第二時短状態である場合には、第一保留数に関わらず、所定の大当たりエンディング演出を備えている。S603において第一保留数が「0」であるか否かに応じて大当たりエンディング演出が決定されていない場合、CPU581は、所定の大当たりエンディング演出を示す大当たりエンディング演出開始コマンドを生成する。
【0284】
コマンドバッファにセットされた大当たりエンディング演出開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。大当たりエンディング演出開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、コマンドの示す大当たりエンディング演出に対応する画像データをCGROMから読み出す。そしてCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、大当たりエンディング演出の実行を開始する。また、CPU581は、音制御回路585による音処理を制御する。これにより、大当たりエンディング演出の種類に応じたBGM、効果音、セリフ音声等がスピーカ39から出力される。これにより、大当たりエンディング演出の実行が開始される。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0285】
図34から
図37を参照して、第二実施形態における大当たりエンディング演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングについて説明する。まず、
図34及び
図35を参照して、右打ちで遊技が進行する大当たり遊技状態から、左打ちで遊技が進行する非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「1」以上であるときにおける大当たりエンディング演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングについて説明する。
【0286】
図34(A-1)は、第一実施形態の
図28(A-1)で示した例と同様に、大当たり遊技演出が実行中である場合の例を示す。
図34(A-1)は、
図28(A-1)と同様に、大当たり遊技演出に対応する画像に加えて、演出図柄100の確定図柄である6のゾロ目の組合せ、右打ち表示119等が表示画面28に表示される。
【0287】
所定のラウンド数の大当たりラウンドが終了することに伴って、
図34(T-1)に示すように、大当たりエンディング演出が行われる。第二実施形態では、大当たりエンディング演出の実行が開始される場合における第一保留数が「0」であるか否かに応じて、大当たりエンディング演出の内容が変化する。非確変大当たり図柄が確定表示することによって行われた大当たり遊技状態の終了後には、非確変非時短状態の遊技が進行する。
図34(T-1)に示す場面では、第一保留数及び第二保留数がともに「1」以上である。このため、大当たり遊技状態が終了した後には、非確変非時短状態において第二保留乱数に基づく第二報知演出が実行された後、第一保留乱数に基づく第一報知演出が自動的に実行されることが予定されている。したがって、第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、この状況においては、パチンコ機1は、左打ち指示表示129を用いた左打ち指示を行わない。遊技者が左打ちをして遊技球を新たに第一始動口14に入賞させることを必要とせずに、Cタイム演出が自動的に開始されるため、左打ち指示を行う必要がないからである。パチンコ機1は、必要のない左打ち指示の実行を省略することによって、Cタイム演出が左打ち指示表示129等によって邪魔されることを回避し、Cタイム演出の興趣を向上させることができる。
【0288】
第二実施形態では、大当たりエンディング演出として、以降に非確変非時短状態の遊技、すなわちCタイムの遊技が行われることを遊技者に示す内容の映像等を用いた演出が展開される。大当たりエンディング演出の実行が開始される場合における第一保留数が「1」以上である場合には、大当たりエンディング演出として、「Cタイム突入!」及び「ルーレットチャンス!」の文字を示した画像155等が用いられる。「ルーレットチャンス!」の文字は、大当たり遊技状態が終了した後に進行する左打ちの非確変非時短状態において、ルーレットチャンスと呼ばれる内容のCタイム演出が自動的に開始されることを示唆している。大当たりエンディング演出が実行されているこの場面において、第一保留数が「2」、第二保留数が「4」であるとする。したがって、
図34(T-1)において、2個の第一保留表示NH1及び4個の第二保留表示NH2が、表示画面28にそれぞれ表示されている。
【0289】
第二実施形態では、第一実施形態と同様に、特
図2大当たり判定が特
図1大当たり判定よりも優先して行われる。このため、大当たりエンディング演出及び大当たり遊技状態が終了した場合において、第二保留数が「1」以上であるときには、第二保留乱数に基づいて特
図2大当たり判定が行われる。
図34(U-1)は、
図28(C-1)で示したのと同様に、大当たり遊技状態が終了した後の非確変非時短状態において第二保留乱数に基づく第二報知演出が消化される様子を示す。第二実施形態では、第一実施形態と同様に、非確変非時短状態における第二報知演出が、大当たりエンディング演出と同様の背景画像を用いて、比較的短い変動時間で行われる。このように、第二実施形態においては、第一実施形態と同様に、大当たり遊技が終了した時点において第二保留数が「1」以上である場合には、全ての第二保留乱数に基づく第二報知演出が、
図34(U-1)に示すように実行されて消化された後に、
図34(D)に示すCタイム演出に遊技が移行する。
【0290】
なお、第二実施形態において、
図34(U-1)に示す場面で実行される第二報知演出によって大当たりの判定結果が報知された場合には、その後に再び大当たり遊技が実行されることも、第一実施形態と同様である。また、大当たりエンディング演出及び大当たり遊技状態が終了した場合において、第二保留数が「0」であるときには、特
図2大当たり判定が行われないので、
図34(U-1)に示す場面が到来することなく、
図34(T-1)から
図34(D)に遊技が移行する。このことも、第一実施形態と同様である。
【0291】
図34(D)は、大当たり遊技状態が終了した後に、第一保留乱数に基づいて非確変非時短状態における第一報知演出の実行が開始された場面の例を示す。第一報知演出の実行開始直前には第一保留数が「2」であったが、第一報知演出の開始に伴い、第一保留数が「1」に減少している。このため、
図34(D)に示すように、第一報知演出、すなわちCタイム演出が開始された場合において、表示画面28において第一保留表示NH1が1個表示されている。また、表示画面28には、遊技状態が非確変非時短状態であることを示す「Cタイム」の文字を用いたモード表示110も表示される。
【0292】
パチンコ機1において非確変非時短状態に特
図1大当たり判定によってはずれの判定結果が導出される場合、50%の割合で特
図1はずれA、50%の割合で特
図1はずれBの第一特別図柄がそれぞれ決定される。第二実施形態において、特
図1はずれAの第一特別図柄が決定されたときには、Cタイム演出として「突入失敗演出」の第一変動パターンが決定される。また、特
図1はずれBの第一特別図柄が決定されたときには、Cタイム演出として「突入成功演出」の第一変動パターンが決定される。すなわち、大当たり遊技状態が終了し、第二保留乱数に基づく第二報知演出が消化された後、はずれの判定結果を報知するCタイム演出は、「突入失敗演出」又は「突入成功演出」の第一変動パターンに応じた内容で行われる。
【0293】
「突入失敗演出」は、Cタイム演出の終了後にノーマルモードに対応する非確変第一時短状態が設定されることを示す内容で構成される。「突入成功演出」は、Cタイム演出の終了後にチャンスモードに対応する非確変第二時短状態が設定されることを示す内容で構成される。第二実施形態において、「突入失敗演出」又は「突入成功演出」の第一変動パターンに応じたCタイム演出は、第一実施形態の「ノーマル突入演出A」又は「時短突入演出A」の第一変動パターンに応じたCタイム演出と同様に進行する。具体的には、「突入失敗突入演出」又は「突入成功演出」の第一変動パターンに応じたCタイム演出は、
図34(D)に示すように演出図柄100の変動表示が開始された後、
図34(E)に示すように結果画像112を用いてこれまでの遊技結果を示す内容で進行する。その後、
図34(F)に示すように、Cタイム演出は、結果画像112に変えてラストチャンス画像113が表示される内容に発展する。
【0294】
次いで、
図34(G)に示すように、ラストチャンス画像113で示唆したルーレットを示すルーレット画像115が表示画面28に表示される。ルーレット画像115は回転表示をした後、
図34(H)に示すように、いずれかの目を反転表示することによって、Cタイム演出の終了後に移行する遊技状態を示唆する。
図34(H)においては、ルーレット画像115は、ノーマルモードの目が選択された状態となり、Cタイム演出の終了後にノーマルモードに対応する非確変第一時短状態が設定されることを示唆している。すなわち、
図34(D)から
図34(I)は、「特1はずれA」の第一特別図柄が確定図柄として決定され、第一保留数が「1」以上であることから決定された「突入失敗演出」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が、Cタイム演出として実行される例を示している。
【0295】
その後、
図35(I)に示すように、変動表示をしていた演出図柄100が「特1はずれA」の第一特別図柄に対応する偶数の順目の組合せで確定表示されて、「突入失敗演出」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了する。以降は、
図35(J)に示すように、モード表示110が「ノーマルモード」の文字を用いた内容に変化して、非確変第一時短状態に相当するノーマルモードの遊技が進行する。
【0296】
以降の非確変第一時短状態の遊技においては、遊技者は、左打ちをして遊技球を第一始動口14に入賞させることによって、パチンコ機1に特
図1大当たり判定を実行させ、第一報知演出を実行させることができる。このため、パチンコ機1は、このタイミングで左打ち指示表示129を表示画面28に表示させることによって、左打ち指示を実行する。すなわち、パチンコ機1は、大当たり遊技状態から非確変非時短状態に移行する場合に、第一保留数が「1」以上であるときには、非確変非時短状態において報知演出が1回以上実行された後に、左打ち指示を実行する。特に、パチンコ機1は、非確変非時短状態において報知演出のうち第一報知演出が1回以上実行された後に、左打ち指示を実行する。これにより、パチンコ機1は、左打ち指示によって遊技球を左打ちすることを遊技者に促し、遊技者に非確変第一時短状態の遊技を円滑に進行させることができる。
【0297】
なお、非確変非時短状態において、「特1はずれB」の第一特別図柄が確定図柄として決定され、「突入成功演出」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が、Cタイム演出として実行される場合もある。この場合、図示しないが、
図34(A-1)から
図34(G)までは、「特1はずれA」の第一特別図柄が確定図柄として決定された場合と同様に遊技が進行する。そして、
図34(G)に示したルーレット画像115が回転表示した後、
図34(H)に対応する場面において、ルーレット画像115のうちチャンスモードの目が選択される。その後、
図35(I)に対応する場面において、変動表示をしていた演出図柄100が「特1はずれB」の第一特別図柄に対応する奇数の順目の組合せで確定表示されて、「突入成功演出」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了する。その後は非確変第二時短状態が設定され、パチンコ機1は、右打ち表示119を表示させること等によって、非確変第二時短状態であるチャンスモードの遊技を右打ちで進行するように遊技者に促す。
【0298】
また、非確変非時短状態における特
図1大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出された場合には、「大当たり変動A」の第一変動パターンが決定され、これに応じた第一報知演出がCタイム演出として実行される。この場合、図示しないが、
図34(A-1)から
図34(G)までは、「特1はずれA」又は「特1はずれB」の第一特別図柄が確定図柄として決定された場合と同様に遊技が進行する。そして、
図34(G)に示したルーレット画像115が回転表示した後、
図34(H)に対応する場面において、大当たりであることを報知する内容の所定の表示が、ルーレット画像115に変えて表示画面28に表示される。その後、
図35(I)に対応する場面において、変動表示をしていた演出図柄100がゾロ目の組合せで確定表示されて、「大当たり変動A」の第一変動パターンに応じた第一報知演出が終了する。この場合において、確変大当たり図柄である「特1確変大当たりA」の第一特別図柄が確定図柄として決定されているときには、演出図柄100が奇数のゾロ目の組合せで確定表示される。また、非確変大当たり図柄である「特1通常大当たりA」の第一特別図柄が確定図柄として決定されている場合、演出図柄100が偶数のゾロ目の組合せで確定表示される。その後の遊技は大当たり遊技状態に移行し、大当たり遊技演出が実行される。
【0299】
次いで、
図36及び
図37を参照して、大当たり遊技状態から非確変非時短状態に遊技が移行する場合において、第一保留数が「0」であるときにおける大当たりエンディング演出の態様及び左打ち指示の実行タイミングについて説明する。
【0300】
図36(A-2)は、
図34(A-1)で示した例と同様に、大当たり遊技演出が実行中である場合の例を示す。
図36(A-2)は、
図34(A-1)と同様に、大当たり遊技演出に対応する画像に加えて、演出図柄100の確定図柄である6のゾロ目の組合せ、右打ち表示119等が表示画面28に表示される。この場面において、第一保留数が「0」、第二保留数が「4」であるとする。したがって、
図36(A-2)において、4個の第二保留表示NH2が、表示画面28にそれぞれ表示されている。一方、第一保留数が「0」であるので、
図36(A-2)においては
図34(A-1)とは異なり、表示画面28に第一保留表示NH1が表示されない。
【0301】
所定のラウンド数の大当たりラウンドが終了することに伴って、
図36(T-2)に示すように、大当たりエンディング演出が行われる。非確変大当たり図柄が確定表示することによって行われた大当たり遊技状態の終了後には、非確変非時短状態の遊技が進行する。
図36(T-2)に示す場面では、第一保留数が「0」であり、第二保留数が「4」である。このため、大当たり遊技状態が終了した後には、非確変非時短状態において第二保留乱数に基づく第二報知演出が実行された後、第一保留乱数に基づく第一報知演出が自動的には実行されないことが予定されている。このことを考慮して、第二実施形態のパチンコ機1は、大当たりエンディング演出の実行が開始される場合における第一保留数が「0」である場合には、第一保留数が「1」以上である場合とは異なる内容の大当たりエンディング演出を実行する。
【0302】
図36(T-2)に示すように、大当たりエンディング演出の実行が開始される場合における第一保留数が「0」である場合、大当たりエンディング演出に用いられる画像155の内容が、第一保留数が「1」以上である場合とは異なる内容となる。大当たりエンディング演出の開始時点において第一保留数が「0」の場合には、大当たり遊技状態の終了後のCタイムの遊技において第一始動口14に遊技球が入賞して第一保留乱数が新たに記憶されない限り、Cタイム演出が開始されない。Cタイム突入後に遊技者が左打ちを開始しない場合には、Cタイム演出が開始されず客待ち状態が長く継続することとなる。
【0303】
このため、CPU581は、S603の処理において、大当たり遊技状態が終了した後のCタイムの遊技において第一始動口14に遊技球を入賞させて第一保留乱数を記憶させるよう遊技者に促す内容の大当たりエンディング演出を実行することを決定する。具体的には、パチンコ機1は、第一保留数が「0」である場合、画像155を「Cタイム突入!」の文字の他、「左打ちで始動口に入賞させて、ルーレットチャンスを開始させよう!」の文字を含む内容で構成する。パチンコ機1は、大当たりエンディング演出の開始時点において第一保留数が「0」の場合には、Cタイムの遊技において第一始動口14に遊技球を入賞させることを促す内容の大当たりエンディング演出を実行する。Cタイムに突入した後、画像155が示すように遊技者が左打ちで遊技を進めることによって遊技球が第一始動口14に新たに入賞した場合には、入賞後すぐにCタイム演出が開始される。パチンコ機1は、
図36(T-2)に示す内容の画像155を用いた大当たりエンディング演出を実行することによって、Cタイムが開始されるよりも前の段階から、Cタイムには遊技球を左打ちすべきことを遊技者に認識させることができる。したがって、パチンコ機1は、CタイムにおいてCタイム演出が円滑に開始され、Cタイム演出が開始されず客待ち状態が継続する等の違和感のある状況から遊技者を回避させることができる。
【0304】
第一保留数が「0」である場合の画像155における遊技者に第一始動口14に遊技球を入賞させることを促す表示内容は、上記の例に限られない。例えば、画像155の表示が「始動口」の文字を含まなくても、「Cタイムになったら左打ちしてね!」等、遊技者に左打ちを促す内容であれば、パチンコ機1は、第一始動口14へ遊技球を入賞させることを遊技者に十分に促すことができる。また、パチンコ機1は、画像155の内容だけでなく、大当たりエンディング演出の背景画像、登場キャラクタ、BGM、演出実行時間等、大当たりエンディング演出に関する様々な内容を、第一保留数が「0」であるか否かに応じて変化させてもよい。これにより、パチンコ機1は、大当たり遊技状態からCタイムに遊技が移行する場合における大当たり遊技演出の内容を、第一保留数に応じて多様化させることができる。
【0305】
図36(U-2)は、
図34(U-1)で示したのと同様に、大当たり遊技状態が終了した後の非確変非時短状態において第二保留乱数に基づく第二報知演出が消化される様子を示す。
図36(U-2)に示す内容で全ての第二保留乱数に基づく第二報知演出が消化された後に、
図36(K)に示す非確変非時短状態であるCタイムに遊技が移行する。なお、大当たりエンディング演出及び大当たり遊技状態が終了した場合において、第二保留数が「0」であるときには、特
図2大当たり判定が行われないので、
図36(U-2)に示す場面が到来することなく、
図36(T-2)から
図36(K)に遊技が移行する。
【0306】
図36(K)に示す場合では、第一保留数が「0」であるので、遊技球が第一始動口14に入賞し、特
図1大当たり判定が実行されない限り、Cタイム演出の実行が開始されない。非確変非時短状態においてCタイム演出、すなわち第一報知演出が開始されない場合には、パチンコ機1は客待ち状態となり、表示121等を用いた客待ち演出が実行される。パチンコ機1は、大当たりエンディング演出においてCタイムに左打ちで遊技を進めることを遊技者に示唆されているので、遊技者は、
図36(K)に示す場面において遊技を客待ち状態のまま放置せずに、左打ちを進めやすい。また、パチンコ機1は、客待ち状態の表示121によっても、遊技者に左打ちして第一始動口14に遊技球を入賞させることを促すことができる。
【0307】
また、パチンコ機1は、Cタイムが開始される場合における第一保留数が「0」である場合、
図36(K)に示す客待ち状態の場面において、左打ち指示表示129を表示画面28に表示することで、左打ち指示を実行する。これにより、パチンコ機1は、左打ち指示によって遊技球を左打ちすることを遊技者に促して、Cタイム演出が開始されない状態が継続することから遊技者を回避させることができる。なお、左打ち指示は、
図36(U-2)に示す第二報知演出の消化中にも行われてもよい。
【0308】
左打ち指示に促された遊技者が遊技球を左打ちして、第一始動口14に遊技球が入賞した場合、特
図1大当たり判定が行われ、
図36(D)に示すように、非確変非時短状態における1回目の第一報知演出が、Cタイム演出として実行開始される。以降は、
図34(D)から
図35(I)に示すのと同様に、
図36(D)から
図37(I)に示すように、「突入失敗演出」の第一変動パターンに応じたCタイム演出が実行される。第二実施形態では、大当たり遊技状態からCタイムに遊技が移行する場合において第一保留数が「0」であるか否かに応じて大当たりエンディング演出が変化するが、Cタイム演出は第一保留数が「0」であるか否かによらずに共通した内容で実行される。これにより、パチンコ機1は、シンプルでわかりやすいCタイム演出を遊技者に提供できる。
【0309】
Cタイム演出の終了後には、ノーマルモードに対応する非確変第一時短状態が設定される。
図37(R)に示すように、ノーマルモードの遊技が開始されると、モード表示110は、「ノーマルモード」の文字を用いた内容に変化する。以降の非確変第一時短状態の遊技においては、遊技者は、左打ちをして遊技球を第一始動口14に入賞させることによって、パチンコ機1に特
図1大当たり判定を実行させ、第一報知演出を実行させることができる。パチンコ機1は、
図30(K)で示したように、非確変非時短状態において客待ち状態に至った段階で、左打ち指示表示129を表示画面28に表示することによって、左打ち指示を既に実行している。本実施形態の左打ち指示は、左打ち指示を開始した後に所定数の遊技球が第一始動口14に入賞するか、又は左打ち指示を開始した後所定時間が経過することに応じて終了する。したがって、パチンコ機1は、遊技状態が非確変非時短状態から非確変第一時短状態に移行するタイミングにおいては、特段に左打ち指示を実行しない。なお、パチンコ機1は、非確変第一時短状態が左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態であることを遊技者により認識させるため、遊技状態が非確変非時短状態から非確変第一時短状態に移行する場合においても左打ち指示を行ってもよい。
【0310】
以上説明したように、大当たり遊技状態は、大入賞口16に遊技球が入賞することに応じて多数の賞球が発生するため、遊技者にとって有利な状態である。また、非確変第二時短状態は、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が非時短状態及び第一時短状態よりも高くなるので、非確変非時短状態及び非確変第一時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。遊技の状態が遊技者にとって有利な状態から非有利な状態に切り替えられる場合、すなわち、大当たり遊技状態又は非確変第二時短状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「0」であるときには、非確変非時短状態において特
図1大当たり判定が行われない状態となる。このため、第一始動口14に新たに遊技球が入賞しない限り、特
図1大当たり判定が行われず、非確変非時短状態における第一報知演出であるCタイム演出が開始されない。パチンコ機1は、大当たり遊技状態又は非確変第二時短状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合に実行される演出の内容を、第一保留数が「0」であるか否かに応じて決定する。したがって、パチンコ機1は、遊技の状態が切り替えられる場合においても、第一保留数に応じて適切な演出を実行できる。
【0311】
大当たり遊技状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「1」以上であるときには、非確変非時短状態において、記憶されている第一保留乱数に基づいて特
図1大当たり判定が実行される。すなわち、この場合には、遊技者が新たに第一始動口14に遊技球を入賞させるなど、遊技者が特段に遊技の進行のための操作をすることなく、特
図1大当たり判定が実行される。これに伴い、実行された特
図1大当たり判定の判定結果を報知するための第一報知演出であるCタイム演出が自動的に開始される。一方、第一保留数が「0」であるときには、非確変非時短状態において第一保留乱数に基づく特
図1大当たり判定が実行されない。この場合、遊技球が左打ちされて第一始動口14に新たに遊技球が入賞しない限り、Cタイム演出が開始されない状態が継続するため、非確変状態の遊技が客待ち状態に滞在したまま進行しないこととなる。このため、パチンコ機1は、大当たり遊技状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合、第一保留数が「0」であるか否かに応じて大当たり遊技演出の一部である大当たりエンディング演出の内容を決定し、決定した内容の大当たりエンディング演出を実行する。このように、パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に設定される非確変非時短状態における遊技の進行に応じた大当たり遊技演出を、遊技者に提供できる。
【0312】
大当たり遊技状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「1」以上であるときには、非確変非時短状態において、記憶されている第一保留乱数に基づいて特
図1大当たり判定が実行される。すなわち、この場合には、遊技者が新たに第一始動口14に遊技球を入賞させるなど、遊技者が特段に遊技の進行のための操作をすることなく、特
図1大当たり判定が実行される。これに伴い、実行された特
図1大当たり判定の判定結果を報知するための第一報知演出であるCタイム演出が自動的に開始される。このため、パチンコ機1は、非確変非時短状態においてCタイム演出の実行が終了した後に、左打ち指示を実行する。具体的には、パチンコ機1は、Cタイム演出が終了して、遊技状態が非確変第一時短状態に移行した後に、左打ち指示を実行する。これにより、パチンコ機1は、左打ち指示によってCタイム演出の興趣が低下することを回避しつつ、Cタイム演出の終了後には、左打ちで遊技を進行することが推奨される状態にあることを遊技者に適切に報知することができる。一方、パチンコ機1は、大当たり遊技から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「0」であるときには、非確変非時短状態に移行して直ちに左打ち指示を実行する。これにより、パチンコ機1は、非確変状態の遊技が客待ち状態に滞在したまま進行しないことから遊技者を回避させ、非確変非時短状態の遊技を遊技者に円滑に進行させることができる。
【0313】
パチンコ機1は、大当たり遊技状態から非確変非時短状態に遊技の状態が移行する場合において、第一保留数が「0」であるときには、大当たり遊技状態が終了した後のCタイムの遊技において第一始動口14に遊技球を入賞させて第一保留乱数を記憶させるよう遊技者に促す内容の大当たりエンディング演出を実行する。これにより、パチンコ機1は、Cタイムが開始されるよりも前の段階から、Cタイムには左打ちをして第一始動口14に遊技球を入賞させるべきことを、遊技者に促すことができる。したがって、パチンコ機1は、CタイムにおいてCタイム演出が円滑に開始され、Cタイム演出が開始されず客待ち状態が継続する等の違和感のある状況から遊技者を回避させることができる。
【0314】
上記実施形態において、大当たり遊技状態、確変第二時短状態及び非確変第二時短状態が、「有利状態」の一例である。大当たり判定が、「有利判定」の一例である。非確変非時短状態及び非確変第一時短状態が、「非有利状態」の一例である。
図13のS75及びS93の各処理を実行する主制御基板41のCPU51が、「判定手段」の一例である。特
図1大当たり関係情報記憶エリア及び特
図2大当たり関係情報記憶エリアを備える主制御基板41のRAM52が、「保留手段」の一例である。
図14のS138、S140、S143及びS148、
図15のS156、S159、S166及びS175、
図16のS233、S237及びS239の各処理を実行する主制御基板41のCPU51が、「遊技状態設定手段」の一例である。第一保留数に応じて大当たりエンディング演出を決定する
図33のS603が、「演出決定手段」の一例である。大当たり遊技状態が、「特別遊技状態」の一例である。大当たり遊技演出が、「特別遊技演出」の一例である。
図24のS511及び
図33のS605の各処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「特別遊技演出実行手段」の一例である。左打ち指示表示129を用いた左打ち指示が、「進行指示」の一例である。
図25のS525、
図26のS535、
図27のS562の各処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「進行指示実行手段」の一例である。
図27のS553の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「報知演出実行手段」の一例である。
【0315】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、第一実施形態及び第二実施形態のパチンコ機1は、封入式パチンコであるが、非封入式のぱちんこ遊技機にも本発明が適用されてもよい。
【0316】
第二実施形態のパチンコ機1は、大当たりエンディング演出の内容を、第一保留数が「0」であるか否かに応じて決定し、決定した内容の大当たりエンディング演出を実行する。大当たりエンディング演出は、大当たり遊技演出の一部である。パチンコ機1が、第一保留数が「0」であるか否かに応じて内容を決定するのは、大当たりエンディング演出の内容に限られず、大当たり遊技演出の一部又は全部であってもよい。具体的には、パチンコ機1は、特定のラウンド数の大当たりラウンドの実行を開始する場合に、第一保留数が「0」であるか否かを判断し、判断結果に応じて、実行を開始する大当たりラウンドに係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出を実行してもよい。また、パチンコ機1は、大当たり遊技状態を開始する場合に、第一保留数が「0」であるか否かを判断し、判断結果に応じて、実行を開始する大当たり遊技演出の全体の演出の内容を決定し、決定した内容の演出を実行してもよい。この場合、パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に設定される非確変非時短状態における遊技の進行に応じた大当たり遊技演出を実行することができる。
【0317】
第一実施形態及び第二実施形態では、非確変非時短状態に特
図1大当たり判定によってはずれの判定結果が導出された場合、特1はずれA又は特1はずれBのいずれかのはずれ図柄を決定する。パチンコ機1は、特1はずれA及び特1はずれBが決定された場合にはいずれも、特1はずれA又は特1はずれBが確定表示された後に、非確変第一時短状態又は非確変第二時短状態を、C時短状態として設定する。パチンコ機1は、非確変非時短状態に特
図1大当たり判定によってはずれの判定結果が導出された場合、特1はずれA及び特1はずれBに加えて、C時短状態が設定されない特1はずれCのはずれ図柄を備えてもよい。この場合、非確変非時短状態において、特1はずれA及び特1はずれBのいずれかが決定されるまでの間、特
図1大当たり判定の実行に応じて特1はずれCが決定されることがくり返して行われることがある。つまり、C時短状態が設定されるまでの間、非確変非時短状態においてCタイム演出が繰り返して実行されることがある。このような場合において、第一保留数が「1」以上であるときには、パチンコ機1は、非確変非時短状態における第一報知演出が複数回実行された後、遊技状態が非確変第二時短状態に移行するタイミングに、左打ち指示を実行してもよい。すなわち、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態又は非確変第二時短状態から、より不利な非確変非時短状態に遊技の状態が移行した場合において、その非確変非時短状態に複数回の第一報知演出が実行された後に、非確変第一時短状態が設定された場合にはじめて、左打ち指示が実行されてもよい。
【0318】
第一実施形態及び第二実施形態では、左打ち指示は、左打ち指示表示129を表示画面28に表示することによって行われる。この他、左打ち指示は、左打ち指示表示129とともに、又は左打ち指示表示129に替えて、遊技者に左打ちを促す所定の音の出力、電飾動作等によって行われてもよい。
【0319】
パチンコ機1は、
図20に示す遊技仕様の他、確変第二時短状態から非確変非時短状態に移行する遊技仕様を有していてもよい。すなわち、第一実施形態において確変第二時短状態から非確変非時短状態に移行する場合、第一保留数が「1」以上であるときには、
図28及び
図29に示した内容で遊技が進行し、第一保留数が「0」であるときには、
図30及び
図31に示した内容で遊技が進行してもよい。
【0320】
第一実施形態は、遊技の状態が遊技者にとって有利な有利状態から、有利状態よりも有利度の低い非有利状態に移行する場合において、第一保留数が「0」であるか否かに応じて、報知演出の内容を変化させることが特徴である。特に、第一実施形態では、第一報知演出の内容を、第一保留数が「0」であるか否かに応じて変化させている。この点において、パチンコ機1は、
図28(C-1)及び
図30(C-2)で示した第二報知演出の内容も、第一保留数が「0」であるか否かに応じて変化させてもよい。
【0321】
第二実施形態は、遊技の状態が遊技者にとって有利な有利状態から、有利状態よりも有利度の低い非有利状態に移行する場合において、第一保留数が「0」であるか否かに応じて、大当たり遊技演出の内容を変化させることが特徴である。パチンコ機1は、第一実施形態と第二実施形態とを同時に実現してもよい。つまり、パチンコ機1は、遊技の状態が遊技者にとって有利な有利状態から、有利状態よりも有利度の低い非有利状態に移行する場合において、第一保留数が「0」であるか否かに応じて、大当たり遊技演出の内容と、大当たり遊技演出の後に実行される報知演出の内容との双方を変化させてもよい。
【0322】
第一実施形態では、非確変非時短状態における第一報知演出、すなわちCタイム演出の態様を、主制御基板41のCPU51が、
図8に示す通常状態変動パターンを参照することによって、第一保留数が「0」であるか否かに応じて決定している。これに限られず、非確変非時短状態における第一報知演出の態様を、第一保留数が「0」であるか否かに応じて決定することが、サブ制御基板58のCPU581によって行われてもよい。例えば、主制御基板41のCPU51が、非確変非時短状態における第一報知演出の第一変動パターンについては第一保留数が「0」であるか否かにかかわらず同じものを決定してもよい。その後、サブ制御基板58のCPU581が、決定された第一変動パターンに対応するCタイム演出の内容を、第一保留数が「0」であるか否かに応じて決定してもよい。
【0323】
第一実施形態及び第二実施形態において、大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されてもよい。この場合、特別図柄の図柄種別に、大当たり判定の結果が小当たりである場合に決定される小当たり図柄が含まれてもよい。
【符号の説明】
【0324】
1 パチンコ機
28 表示画面
58 サブ制御基板
51,581 CPU
52,582 RAM
53,583 ROM
129 左打ち指示表示
155 画像