(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139945
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】取り付けユニット
(51)【国際特許分類】
B60N 3/04 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B60N3/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050901
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 聖
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088GA01
(57)【要約】
【課題】緩衝パッドにより緩衝性を確保しつつ、緩衝パッドの強度を十分に確保することができる取り付けユニットを提供することにある。
【解決手段】緩衝パッド10には、取り付け面Fに配置される本体11と、本体11の側面11aから突出した突出部12と、が形成されている。取り付け具20は、鍔部21aが形成された筒状の受け部21と、受け部21に係止される係止部22と、受け部21と係止部22とを連結する一対の連結部23、23と、を備える。突出部12には、取り付け具20が挿通される貫通孔13と、突出部12の突出方向Lに沿って凹み、折れ曲がった状態の一対の連結部23、23を収容する収容凹部14と、が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け面に配置される緩衝パッドと、前記緩衝パッドに固定され、取り付け面に取り付けるための取り付け具と、を備えた取り付けユニットであり、
前記緩衝パッドには、
前記取り付け面に配置される本体と、
前記本体の側面から突出した突出部と、が形成されており、
前記取り付け具は、
鍔部が形成された筒状の受け部と、
前記受け部に挿入され、前記受け部に係止される係止部と、
前記受け部と前記係止部とを連結する一対の連結部と、を備え、
前記受け部に前記係止部を係止させる際に、前記各連結部は折れ曲がるとともに、前記一対の連結部は、折れ曲がった状態で、前記鍔部とともに前記突出部を挟持するように前記係止部の両側から、前記突出部の突出方向に沿って延在するものであり、
前記突出部には、
前記取り付け具が挿通される貫通孔と、
前記突出部の突出方向に沿って凹み、前記折れ曲がった状態の前記一対の連結部を収容する収容凹部と、が形成されていることを特徴とする取り付けユニット。
【請求項2】
前記収容凹部が、前記突出部の先端まで連続することにより、前記突出部の先端で、前記収容凹部が開放していることを特徴とする請求項1に記載の取り付けユニット。
【請求項3】
前記鍔部は、円板状であり、
前記貫通孔の周りの前記収容凹部は、前記鍔部の形状に応じて肉抜かれた肉抜き部を有することを特徴とする請求項2に記載の取り付けユニット。
【請求項4】
前記収容凹部は、前記本体まで延在していることを特徴とする請求項1に記載の取り付けユニット。
【請求項5】
前記突出部は、前記本体の前記側面のうち、前記本体の隅部を含む部分から突出しており、
前記収容凹部により前記突出方向に沿って形成された一対の側壁部のうち、前記隅部側に位置する一方の側壁部の肉厚は、他方の側壁部の肉厚よりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の取り付けユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝パッドと、緩衝パッドに固定された取り付け具と、を備えた取り付けユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、たとえば、特許文献1に示すように、取り付け面に配置される緩衝パッドと、緩衝パッドに固定され、取り付け面に取り付けるための取り付け具と、を備えた取り付けユニットが提案されている。この緩衝パッドは、取り付け面に配置される本体を有しており、この本体には、取り付け具が装着される凹部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示された取り付けユニットは、緩衝パッドの本体に、取り付け具が設けられているため、この取り付け具が、緩衝パッドに作用する荷重に対して、緩衝性を妨げるおそれがある。この点を考えると、緩衝パッドの本体から突出する突出部に、取り付け具を設けることも考えられるが、緩衝パッドに作用する荷重により、突出部に曲げ応力が作用するおそれがあり、突出部の強度が十分に確保できないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、緩衝パッドにより緩衝性を確保しつつ、緩衝パッドの強度を十分に確保することができる取り付けユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を鑑みて、本発明に係る取り付けユニットは、取り付け面に配置される緩衝パッドと、前記緩衝パッドに固定され、取り付け面に取り付けるための取り付け具と、を備えた取り付けユニットであり、前記緩衝パッドには、前記取り付け面に配置される本体と、前記本体の側面から突出した突出部と、が形成されており、前記取り付け具は、鍔部が形成された筒状の受け部と、前記受け部に挿入され、前記受け部に係止される係止部と、前記受け部と前記係止部とを連結する一対の連結部と、を備え、前記受け部に前記係止部を係止させる際に、前記各連結部は折れ曲がるとともに、前記一対の連結部は、折れ曲がった状態で、前記鍔部とともに前記突出部を挟持するように前記係止部の両側から、前記突出部の突出方向に沿って延在するものであり、前記突出部には、前記取り付け具が挿通される貫通孔と、前記突出部の突出方向に沿って凹み、前記折れ曲がった状態の前記一対の連結部を収容する収容凹部と、が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、緩衝パッドの突出部の突出方向に沿って、取り付け具の一対の連結部が折り曲げた状態で、配置される。したがって、折れ曲がった状態の連結部が、突出部の突出方向に沿って凹んだ収容凹部に収容されるため、この連結部により、突出方向に沿った突出部の曲げ強度を高めることができる。これにより、突出部に形成された貫通孔周りの部分を補強することができる。さらに、緩衝パッドの本体から外れた位置である突出部に、取り付け具が取り付けられるので、緩衝パッドの本体の緩衝性能を確保することができる。
【0008】
より好ましい態様としては、前記収容凹部が、前記突出部の先端まで連続することにより、前記突出部の先端で、前記収容凹部が開放している。
【0009】
この態様によれば、突出部の先端側の開放した部分から収容凹部に、作業者の親指を挿入し、連結部が折れ曲がるように、作業者の人差し指で支持された受け部に、作業者の親指で係止部を、簡単に押し込むことができる。このようにして、緩衝パッドへの取り付け具の取り付け作業性を高めることができる。
【0010】
より好ましい態様としては、前記鍔部は、円板状であり、前記貫通孔の周りの前記収容凹部は、前記鍔部の形状に応じて肉抜かれた肉抜き部を有する。
【0011】
この態様によれば、突出部に形成された収容凹部の周りに、肉抜き部を設けることにより、作業者の人差し指で支持された受け部に、作業者の親指で係止部を押し込む際に、貫通孔周りの突出部の部分が撓み、突出部に作用する衝撃を低減することができる。
【0012】
より好ましい態様としては、前記収容凹部は、前記本体まで延在している。この態様によれば、収容凹部を本体まで延在させることにより、本体と突出部との境界に作用する荷重が分散し、この境界における破損を抑えることができる。
【0013】
より好ましい態様としては、前記突出部は、前記本体の前記側面のうち、前記本体の隅部を含む部分から突出しており、前記収容凹部により前記突出方向に沿って形成された一対の側壁部のうち、前記隅部側に位置する一方の側壁部の肉厚は、他方の側壁部の肉厚よりも厚い。
【0014】
この態様によれば、突出部に作用する荷重は、一対の側壁部のうち、隅部側に位置する一方の側壁部に作用し易いところ、一方の側壁部の肉厚を、他方の側壁部の肉厚に比べて厚くすることにより、突出部の破損を抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、緩衝パッドにより緩衝性を確保しつつ、緩衝パッドの強度を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の取り付けユニットを床面に取り付けた状態を示した模式的斜視図である。
【
図2】(a)は、
図1に示す緩衝パッドの突出部の斜視図であり、(b)は、(a)に示す緩衝パッドの突出部を介して取り付け具を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図3】
図2(b)に示す、取り付け具の模式的斜視図である。
【
図5】(a)は、
図4のA-A線に沿った矢視方向に視た断面図であり、(b)は、
図4のB-B線に沿った矢視方向に視た断面図である。
【
図6】
図1の取り付けユニットの変形例を示した模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1~
図6を参照しながら、以下に、本発明の実施形態に係る取り付けユニットを説明する。
【0018】
図1は、本発明の取り付けユニット1を取り付け面Fに取り付けた状態を示した模式的斜視図である。
図1に示すように、取り付けユニット1は、たとえば車両Vのフロア面などを取り付け面Fとして取り付けられるユニットであり、取り付け面Fに向かって、衝撃荷重などの荷重が作用した際に、取り付け面Fに対して、この荷重を緩衝するためのユニットである。
【0019】
取り付けユニット1は、フロアなどのFに配置される緩衝パッド10と、緩衝パッド10に固定され、取り付け面Fに取り付けるための取り付け具20と、を備えている。緩衝パッド10は、衝撃吸収性を有した発泡成形体からなる。発泡成形体の材質としては、熱可塑性樹脂の発泡樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂には、たとえば、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン-エチレン共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のポリメタクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等が挙げられる。これら合成樹脂の混合物やモノマーの共重合体なども使用できる。発泡剤としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、シクロブタン等の脂肪族環化水素類、二酸化炭素、窒素、空気等の無機ガス等が挙げられる。これらの発泡剤は単体で用いても、2種類以上を併用してもよい。
【0020】
たとえば、発泡樹脂成形体は、スチレン改質ポリエチレン系樹脂(積水化成品工業株式会社製:商品名:ピオセラン(登録商標))により成形された成形体であってもよい。発泡樹脂成形体は、型内発泡成形法により成形された樹脂ビーズの成形体であってもよい。このような成形体は、発泡剤を含む予備発泡した樹脂ビーズを成形型内に充填し、熱水や水蒸気などの熱媒体によって樹脂ビーズを加熱してさらに発泡させ、樹脂ビーズの発泡圧によって樹脂ビーズ同士を融着一体化することにより、製造することができる。
【0021】
取り付け具20は、後述する連結部23が折り曲げ(折り畳み)自在となる可撓性と強度を有するとともに、緩衝パッド10を安定して取り付けることができるものであれば、特にその材料は限定されるものではない。その材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの非発泡の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
【0022】
図2(a)は、
図1に示す緩衝パッドの突出部の斜視図であり、
図2(b)は、
図2(a)に示す緩衝パッド10の突出部12を介して取り付け具20を取り付けた状態を示す斜視図である。
図1および
図2(a)に示すように、緩衝パッド10は、取り付け面Fに配置される本体11と、本体11の側面11aから突出した突出部12と、が形成されている。
【0023】
本実施形態では、本体11は、平面視で矩形状であり、緩衝性を高めるために所定の厚みを有している。収容凹部14は、突出部12の先端12aまで連続しており、これにより、突出部12の先端12aで、収容凹部14が開放している。
【0024】
突出部12には、取り付け具20が挿通される貫通孔13が形成されている。貫通孔13は、円形状の開口を有している。
図2(b)に示すように、突出部12には、突出部12の突出方向Lに沿って凹んだ収容凹部14が形成されている。収容凹部14は、突出方向Lに沿った凹溝の形状となっている。緩衝パッド10の突出部12に取り付け具20を取り付けた状態で、収容凹部14は、取り付け具20の部分のうち、後述する折れ曲がった状態の一対の連結部23、23を収容する。
【0025】
図3は、
図2(b)に示す、取り付け具20の模式的斜視図であり、
図4は、
図2(b)の突出部12と取り付け具20の平面図である。
図5(a)は、
図4のA-A線に沿った矢視方向から視た断面図であり、
図5(b)は、
図4のB-B線に沿った矢視方向から視た断面図である。
【0026】
図3に示すように、取り付け具20は、円筒状の受け部21と、受け部21に挿入され、受け部21に係止される係止部22と、受け部21と係止部22とを連結する一対の連結部23、23と、を備える。
【0027】
受け部21には、係止部22の軸部22bが挿通される挿通孔21cが形成されており、その一端には、鍔部21aが形成されている。
図5(b)に示すように、受け部21には、挿通孔21cに係止部22を挿通した状態で、後述する軸部22bの係止孔22cに係止する係止爪21bが形成されている。係止爪21bは、挿通孔21cの内側に向かって張り出している。係止部22を挿通孔21cに挿入すると、係止爪21bは、受け部21の径方向に広がるように変形した後、係止孔22cに係止される。
【0028】
係止部22は、本体となる軸部22bと、軸部22bの一端に形成されたストッパ22aと、軸部22bの先端に形成された係合端部22dとを備えている。軸部22bの周面には、係止孔22cが形成されている。
【0029】
ストッパ22aは、挿通孔21cの内径よりも大きく張り出している。挿通孔21cに係止部22を挿通した際に、ストッパ22aは、受け部21の端面に当接するので、係止部22が挿通孔21cにさらに押し込まれることを防止する(
図5(b)参照)。ストッパ22aが受け部21の端面に当接した状態で、係止爪21bは、係止孔22cに係止される。
【0030】
係合端部22dの基端は、軸部22bの径よりも大きく、その先端に進むに従って縮径している。係合端部22dを設けることにより、緩衝パッド10に取り付け具20が固定された取り付けユニット1を、係合端部22dを介して取り付け面Fの係合孔(図示せず)に、係合させることができる。これにより、取り付けユニット1を取り付け面Fに取り付けることができる。
【0031】
本実施形態では、
図3に示す状態から、
図4および
図5に示す状態まで、受け部21に係止部22が係止させる際に、各連結部23は、折れ曲がる(折り畳まれる)とともに、一対の連結部23、23は、折れ曲がった状態で、鍔部21aとともに、突出部12を挟持するように係止部22の両側から、突出部12の突出方向Lに沿って延在している。
【0032】
図4に示すように、一対の連結部23、23は、曲がった状態で、ストッパ22aから直線上に配置される。これにより、
図5(a)に示すように、受け部21の鍔部21aと、一対の連結部23、23とで、緩衝パッド10の突出部12を挟み込み、緩衝パッド10に取り付け具20を固定することができる。
【0033】
取り付け具20の鍔部21aは、円板状であり、緩衝パッド10の突出部12において、貫通孔13の周りの収容凹部14は、鍔部21aの形状に応じて肉抜かれた肉抜き部14aを有している。
【0034】
緩衝パッド10には、収容凹部14により突出方向Lに沿って一対の側壁部16A、16Bが形成されている。一対の側壁部16A、16Bのうち、隅部11b側に位置する一方の側壁部16Aの肉厚D1は、他方の側壁部16Bの肉厚D2よりも厚い。
【0035】
さらに、
図4に示すように、収容凹部14は、突出方向Lに沿って、本体11まで延在している。具体的には、収容凹部14は、本体11と突出部12との境界11cを超えて、本体11側まで形成されている。これにより、本体11にも、一方の側壁部16Aが形成されることになる。
【0036】
以下、緩衝パッド10と取り付け具20との組み立て作業について説明する。まず、緩衝パッド10の突出部12に形成された貫通孔13に、取り付け具20を挿通する。具体的には、収容凹部14とは反対側の貫通孔13の開口から、取り付け具20の係止部22と連結部23とを挿通する。この状態で、係止部22と連結部23が収容凹部14側に露出され、鍔部21aが突出部12に当接した状態で、受け部21が貫通孔13に収容される。
【0037】
連結部23が折れ曲がるように、貫通孔13に挿通された受け部21に、係止部22を、押し込む。係止部22を受け部に挿通した際に、ストッパ22aが受け部21の端面に当接した状態で、係止爪21bは、係止孔22cに係止される。このようにして、
図5(a)に示すように、受け部21の鍔部21aと、折れ曲がった一対の連結部23、23とで、緩衝パッド10の突出部12を挟み込み、緩衝パッド10に取り付け具20を固定することができる。
【0038】
本実施形態では、突出部12の先端で、収容凹部14が開放されているので、突出部12の先端側の開放した部分から収容凹部14に、作業者の親指を挿入することができる。これにより、一対の連結部23、23が折れ曲がるように、作業者の人差し指で支持された受け部21に、作業者の親指で係止部22を、簡単に押し込むことができる。このようにして、緩衝パッド10への取り付け具20の取り付け作業性を高めることができる。
【0039】
さらに、肉抜き部14aを設けることにより、作業者の人差し指で鍔部21aを支持した状態で、作業者の親指で受け部21に係止部22を押し込む際に、貫通孔13の周りの突出部12の部分が撓み易くなり、突出部12に作用する衝撃を低減することができる。
【0040】
このようにして、緩衝パッド10に取り付け具20が固定された取り付けユニット1を、係合端部22dを介して取り付け面Fの係合孔(図示せず)に、係合させ、取り付けユニット1を取り付け面Fに取り付けることができる。
【0041】
このようにして、緩衝パッド10の突出部12の突出方向Lに沿って、取り付け具20の一対の連結部23、23が折り曲げられた状態で、配置される。したがって、折曲がった状態の連結部23、23が、突出部12の突出方向Lに沿って凹んだ収容凹部14に収容される。
【0042】
これにより、連結部23により、突出方向Lに沿った突出部12の曲げ強度を高めることができる。これにより、突出部12に形成された貫通孔13の周りの部分を補強することができるとともに、緩衝パッド10の本体11に作用した荷重を、本体11と突出部12と間の曲げ変形により吸収することができる。特に、収容凹部14を本体11まで延在させることにより、本体11と突出部12との境界11cに作用する荷重が分散し、この境界11cにおける破損を抑えることができる。
【0043】
さらに、緩衝パッド10の本体11は、取り付け面Fに直接固定されず(拘束されず)、本体11から外れた位置である突出部12に、取り付け具20が取り付けられるので、緩衝パッド10の本体11の緩衝性能を確保することができる。
【0044】
さらに、突出部12に作用する荷重は、一対の側壁部16A、16Bのうち、隅部11b側に位置する一方の側壁部16Aに作用し易いところ、一方の側壁部16Aの肉厚D1を、他方の側壁部16Bの肉厚に比べて厚くすることにより、突出部12の破損を抑えることができる。
【0045】
上述した実施形態では、突出部12に形成された収容凹部14は、本体11まで延在していたが、緩衝パッド10の強度を確保することができるのであれば、
図6に示す変形例の如く、
図1のものに比べて、突出部12を突出方向にさらに突出させ、収容凹部14を突出部12にのみ形成してもよい。
【0046】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0047】
1:取り付けユニット、10:緩衝パッド、11:本体、12:突出部、13:貫通孔、14:収容凹部、20:取り付け具、21:受け部、22:係止部、23:連結部、F:取り付け面、L:突出方向