(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139958
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】経路案内装置、その制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050918
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富澤 克美
(72)【発明者】
【氏名】田替藤 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】中島 彩優子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 紀行
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC16
2F129CC18
2F129DD21
2F129DD38
2F129EE02
2F129EE22
2F129EE52
2F129EE80
2F129FF15
2F129FF21
2F129FF56
2F129GG17
(57)【要約】
【課題】ユーザの嗜好に合致した立ち寄り地点へ向かう経路を推奨すること。
【解決手段】経路案内装置は、目的地までの移動経路を案内する経路案内部と、ユーザの嗜好を示す嗜好情報を取得する嗜好情報取得部と、嗜好情報に基づいて、移動経路を含むエリアにおける推奨地点を抽出する推奨地点抽出部と、ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、位置情報取得部によりユーザが所定の分岐点に位置したと判定された場合、推奨地点抽出部が抽出した分岐点における推奨地点へ向かう経路を推奨する推奨部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの移動経路を案内する経路案内部と、
ユーザの嗜好を示す嗜好情報を取得する嗜好情報取得部と、
前記嗜好情報に基づいて、前記移動経路を含むエリアにおける推奨地点を抽出する推奨地点抽出部と、
前記ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部により前記ユーザが所定の分岐点に位置したと判定された場合、前記推奨地点抽出部が抽出した前記分岐点における前記推奨地点へ向かう経路を推奨する推奨部と、
を備える、経路案内装置。
【請求項2】
前記推奨地点抽出部は、観光情報、SNSの情報、および口コミサイトの情報の少なくとも1つと、前記嗜好情報との合致度合いに基づいて前記推奨地点を抽出する、
請求項1に記載の経路案内装置。
【請求項3】
前記推奨部が推奨した前記推奨地点に前記ユーザが立ち寄った際の満足度を判定する判定部を備え、
前記推奨部は、前記ユーザの満足度にさらに基づいて、推奨する経路を変更する、
請求項1または2に記載の経路案内装置。
【請求項4】
目的地までの移動経路を案内するステップと、
ユーザの嗜好を示す嗜好情報を取得するステップと、
前記嗜好情報に基づいて、前記移動経路を含むエリアにおける推奨地点を抽出するステップと、
前記ユーザの位置情報を取得するステップと、
前記ユーザが所定の分岐点に位置したと判定された場合、前記分岐点における前記推奨地点へ向かう経路を推奨するステップと、
を含む、経路案内の制御方法。
【請求項5】
目的地までの移動経路を案内するステップと、
ユーザの嗜好を示す嗜好情報を取得するステップと、
前記嗜好情報に基づいて、前記移動経路を含むエリアにおける推奨地点を抽出するステップと、
前記ユーザの位置情報を取得するステップと、
前記ユーザが所定の分岐点に位置したと判定された場合、前記分岐点における前記推奨地点へ向かう経路を推奨するステップと、
をコンピュータに実行させる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内装置、その制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
出発地から目的地までの経路案内時に交差点等の分岐点においてユーザに対して複数の経路を提示して、ユーザに所望の走行経路を選択させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような技術では、提示された複数の経路のいずれもがユーザの嗜好に合致しない可能性がある。
【0005】
本発明は、ユーザの嗜好に合致した立ち寄り地点へ向かう経路を推奨することのできる経路案内装置、その制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の経路案内装置は、目的地までの移動経路を案内する経路案内部と、ユーザの嗜好を示す嗜好情報を取得する嗜好情報取得部と、前記嗜好情報に基づいて、前記移動経路を含むエリアにおける推奨地点を抽出する推奨地点抽出部と、前記ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部により前記ユーザが所定の分岐点に位置したと判定された場合、前記推奨地点抽出部が抽出した前記分岐点における前記推奨地点へ向かう経路を推奨する推奨部と、を備える。
【0007】
本発明の制御方法は、目的地までの移動経路を案内するステップと、ユーザの嗜好を示す嗜好情報を取得するステップと、前記嗜好情報に基づいて、前記移動経路を含むエリアにおける推奨地点を抽出するステップと、前記ユーザの位置情報を取得するステップと、
前記ユーザが所定の分岐点に位置したと判定された場合、前記分岐点における前記推奨地点へ向かう経路を推奨するステップと、を含む。
【0008】
本発明の制御プログラムは、目的地までの移動経路を案内するステップと、ユーザの嗜好を示す嗜好情報を取得するステップと、前記嗜好情報に基づいて、前記移動経路を含むエリアにおける推奨地点を抽出するステップと、前記ユーザの位置情報を取得するステップと、前記ユーザが所定の分岐点に位置したと判定された場合、前記分岐点における前記推奨地点へ向かう経路を推奨するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの嗜好に合致した立ち寄り地点へ向かう経路を推奨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る経路案内装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る経路案内処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る経路を推奨する方法を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る経路案内処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る満足度判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
(経路案内装置)
図1を用いて、第1実施形態に係る経路案内装置について説明する。
図1は、第1実施形態に係る経路案内装置の構成例を示すブロック図である。
【0013】
経路案内装置10は、出発地から目的地までの移動経路を案内する装置である。経路案内装置10は、ユーザが移動経路を移動中に交差点等の分岐点に位置した際に、立ち寄り地点の候補となり得るユーザの嗜好に合致した推奨地点へ向かう経路を推奨する。経路案内装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末などの携帯型の端末装置で実現される。経路案内装置10は、例えば、車両に搭載される、または可搬型で車両に持ち込まれる車両用のナビゲーション装置であってもよい。経路案内装置10は、例えば、電動キックボードのような小型モビリティ用のナビゲーション装置であってもよい。すなわち、第1実施形態は、ユーザの移動手段は、特に限定されない。
【0014】
図1に示すように、経路案内装置10は、カメラ20と、入力部22と、マイクロフォン24と、センサ部26と、表示部28と、音声出力部30と、記憶部32と、通信部34と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部36と、制御部(経路案内装置)38と、を備える。
【0015】
カメラ20は、例えば、経路案内装置10の周辺を撮影する。カメラ20は、例えば、経路案内装置10を使用するユーザの顔を撮影する。カメラ20は、例えば、経路案内装置10と一体に構成されていてもよいし、別体に構成されていてもよい。
【0016】
入力部22は、経路案内装置10に対する各種の入力操作を受け付ける。入力部22は、例えば、ボタン、スイッチ、タッチパネルなどで実現される。
【0017】
マイクロフォン24は、経路案内装置10の周辺の各種の音声を検出する。マイクロフォン24は、例えば、経路案内装置10のユーザの音声を検出する。
【0018】
センサ部26は、経路案内装置10のユーザの状態を検出する。センサ部26は、例えば、経路案内装置10のユーザの生体情報を検出する生体センサである。センサ部26が検出する生体情報は、例えば、ユーザの状態に応じて値が変化する情報である。センサ部26、生体情報として、例えば、脈波、心拍数、呼吸数、血圧、体温、発汗量などを検出する。
【0019】
表示部28は、各種の映像を表示する。表示部28は、例えば、目的地までの移動経路に関する情報を表示する。表示部28は、例えば、目的地までの移動経路における推奨地点に関する情報を表示する。表示部28は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)などを含むディスプレイで実現される。
【0020】
音声出力部30は、各種の音声を出力する。音声出力部30は、例えば、目的地までの移動経路に関する情報を音声で出力する。音声出力部30は、例えば、目的地までの移動経路における推奨地点に関する情報を音声で出力する。音声出力部30は、例えば、スピーカで実現される。
【0021】
記憶部32は、各種の情報を記憶している。記憶部32は、制御部38の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0022】
記憶部32は、地図情報32aと、嗜好情報32bと、を記憶している。
【0023】
地図情報32aは、例えば、交差点などの分岐点を含む道路情報である。地図情報32aは、立ち寄り地点の候補となり得る場所などに関する候補地点情報、例えば、観光スポット、景勝地、各種の施設、お祭りなどのイベント会場、テレビ番組、映画、アニメ、漫画などで作品の舞台になった場所などの情報を含んでもよい。候補地点情報は、例えば、マスメディア(テレビ、雑誌など)やインターネットのウェブサイト(観光情報サイト、SNS(Social Networking Service)サイト、口コミサイトなど)などから情報を取得、更新して、ユーザの嗜好情報32bとの比較、参照が可能となるように、場所ごとにそのジャンルや特徴などを関連付ける。地図情報32aは、外部のサーバ装置などに記憶されていてもよい。
【0024】
嗜好情報32bは、経路案内装置10のユーザの嗜好性を示す情報である。嗜好情報32bは、ユーザにより入力部22に入力される。嗜好情報32bは、例えば、ユーザが興味・関心を持つ施設、エリア、イベントなどのジャンル、キーワード、特徴や立ち寄り地点での楽しみ方(例えば、主要な観光スポットを回遊、飲食や買物、景色を鑑賞、アウトドア体験、地元の人達との交流)などの情報を含む。嗜好情報32bは、例えば、ユーザの好きなテレビ番組、映画、アニメ、漫画などの情報を含んでいてもよい。嗜好情報32bは、例えば、ユーザが特定の場所を訪れた際に、感動したい、笑いたいなどの感情変化に関する要求を含んでいてもよい。嗜好情報32bは、例えば、複数のユーザの嗜好情報がユーザごとに含まれていてもよい。嗜好情報32bは、外部のサーバ装置などに記憶されていてもよい。
【0025】
通信部34は、経路案内装置10と、外部装置との間の通信を実行する通信インターフェースである。通信部34は、例えば、観光情報を提供しているサーバ装置と通信を実行する。通信部34は、例えば、SNSを提供しているサーバ装置と通信を実行する。通信部34は、例えば、口コミサイトを提供しているサーバ装置と通信を実行する。
【0026】
GNSS受信部36は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部36は、受信したGNSS信号を制御部38の位置情報取得部40へ出力する。
【0027】
制御部38は、経路案内装置10の各部を制御する。制御部38は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAM又はROMなどの記憶装置とを有する。制御部38は、本発明に係る経路案内装置10の動作を制御するプログラムを実行する。制御部38は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部38は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0028】
制御部38は、位置情報取得部40と、経路設定部42と、経路案内部44と、嗜好情報取得部46と、推奨地点抽出部48と、推奨部50と、判定部52と、を備える。
【0029】
位置情報取得部40は、経路案内装置10の現在の位置情報を取得する。位置情報取得部40は、例えば、GNSS受信部36が受信したGNSS信号に基づいて、経路案内装置10の現在の位置情報を算出する。位置情報取得部40は、例えば、前記経路案内部44が移動経路の案内中に、地図情報32aに基づいて、現在位置が交差点などの分岐点であるか否かを判定する。位置情報取得部40は、例えば、GNSS信号に基づいて、周知の方法を用いて、経路案内装置10の現在の位置情報を算出してもよい。
【0030】
経路設定部42は、出発地または現在地から目的地までの移動経路を設定する。経路設定部42は、例えば、現在地から目的地までの移動経路に関する地図情報を地図情報32aから取得して、取得した地図情報に基づいて、現在地から目的地までの移動経路を設定する。
【0031】
経路案内部44は、推奨地点への経路案内を行う。経路案内部44は、例えば、経路設定部42により設定された移動経路を、表示部28に表示させたり、音声出力部30から音声で出力させたりすることで、経路案内を行う。
【0032】
嗜好情報取得部46は、経路案内装置10のユーザの嗜好情報を取得する。嗜好情報取得部46は、例えば、記憶部32に記憶された嗜好情報32bから経路案内装置10のユーザの嗜好情報を取得する。
【0033】
推奨地点抽出部48は、現在地から目的地までの移動経路を含む所定のエリアにおいて、経路案内装置10のユーザが興味を持つと想定される立ち寄り地点を推奨地点として抽出する。推奨地点抽出部48は、例えば、嗜好情報取得部46が取得した嗜好情報と地図情報32aに含まれる候補地点情報とに基づいて、それぞれの情報のジャンルや特徴などの項目における合致度合いを計算し、合致度合いに基づいて、推奨地点を抽出する。推奨地点抽出部48は、例えば、周知の方法を用いて、嗜好情報取得部46が取得した嗜好情報と地図情報32aに含まれる候補地点情報との合致度合いを算出してよい。推奨地点抽出部48は、例えば、嗜好情報取得部46が取得した嗜好情報との合致度合いが所定以上の候補地点を推奨地点として抽出してよい。推奨地点抽出部48は、例えば、算出された合致度合いに応じて、複数の推奨地点の優先順位を付けてもよい。推奨地点抽出部48は、マスメディア情報、およびインターネットのウェブサイトの情報の少なくとも1つに基づいて推奨地点を抽出する。推奨地点抽出部48が抽出する推奨地点の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0034】
推奨地点抽出部48は、例えば、嗜好情報取得部46が取得した嗜好情報に基づいて、観光スポット、景勝地、各種の施設、お祭りなどのイベント会場、テレビ番組、映画、アニメ、漫画などで作品の舞台になった場所などの立ち寄り地点を推奨地点として抽出する。推奨地点抽出部48は、例えば、景勝地を推奨地点として抽出する場合には、季節、気象、時間帯、道路状況などに関する情報を加味して、推奨地点を抽出してもよい。推奨地点抽出部48は、推奨地点へ向かう経路を走行することで、当初の誘導経路に比べて、目的地までの距離、移動時間などの移動コストが過大になることを避けるために、推奨地点抽出部48の抽出対象となる移動経路を含むエリアの範囲を、予め所定条件となるように設定したり、ユーザが任意に設定したりしてもよい。
【0035】
推奨地点抽出部48は、例えば、SNSの情報等に基づいて、1年、1カ月、1週間等の所定の期間ごとの立ち寄り地点のランキングを算出し、算出したランキングに基づいて、立ち寄り地点を推奨地点として抽出してもよい。
【0036】
推奨地点抽出部48は、例えば、SNSの情報等に基づいて、ユーザの属性ごとの立ち寄り地点のランキングを算出し、算出したランキングに基づいて、立ち寄り地点を推奨地点として抽出してもよい。ユーザの属性は、性別、年齢、出身地域、居住地域などが例示されるが、これらに限定されない。
【0037】
推奨地点抽出部48は、例えば、経路案内装置10のユーザの同伴者の情報を加味して、推奨地点を抽出してもよい。同伴者としては、無し、家族、友人などが例示されるが、これらに限定されない。
【0038】
推奨地点抽出部48は、例えば、経路案内装置10のユーザが目的地に行く目的に応じて、推奨地点を抽出してもよい。目的としては、遊び、趣味、仕事などが例示されるが、これらに限定されない。
【0039】
推奨地点抽出部48は、抽出した推奨地点に点数を付けてもよい。推奨地点抽出部48は、例えば、「1」から「5」の5段階で推奨地点の点数を付けてもよい。この場合、「1」が最も低い点数であり、「5」が最も高い点数であってもよい。
【0040】
推奨部50は、推奨地点抽出部48が抽出した推奨地点へ向かう経路を経路案内装置10のユーザに推奨する。推奨部50は、例えば、経路案内装置10のユーザが位置情報取得部40により交差点などの分岐点に位置したと判定された場合に、その分岐点における推奨地点へ向かう経路を経路案内装置10のユーザに推奨する。推奨部50は、例えば、推奨地点抽出部48が抽出した推奨地点へ向かう経路を、表示部28に表示させたり、音声出力部30から音声で出力させたりすることで、推奨地点を推奨する。ここで、分岐点における推奨地点は、例えば、ユーザが現在位置する所定の分岐点から目的地までの間の移動経路を含むエリアにおける推奨地点であり、ユーザが現在位置する所定の分岐点から次の所定の分岐点までの間の移動経路を含むエリアにおける推奨地点であってもよい。また、所定の分岐点は、例えば、地図情報などから特定される交差点や路地などの分岐点を含み、分岐点の付近(所定距離内)に嗜好情報に基づいて推奨地点が抽出されない分岐点は除外してもよい。
【0041】
判定部52は、経路案内装置10のユーザが推奨部50に推奨された推奨地点を訪れた場合に、経路案内装置10のユーザの推奨地点に対する満足度を判定する。判定部52は、例えば、経路案内装置10のユーザが推奨地点に訪れた際にカメラ20により撮影された経路案内装置10のユーザの表情に基づいて、満足度を判定する。判定部52は、例えば、経路案内装置10のユーザが推奨地点に訪れた際にマイクロフォン24により検出された経路案内装置10のユーザの音声に基づいて、満足度を判定する。判定部52は、例えば、経路案内装置10のユーザが推奨地点に訪れた際にセンサ部26により検出された経路案内装置10の生体情報に基づいて、満足度を判定する。判定部52は、例えば、経路案内装置10のユーザの表情、音声、および生体情報の少なくとも1つに基づいて、肯定的な感情が強いと判定される場合には、満足度が高いレベルと判定する。例えば、肯定的な感情は、「Exciting(ウキウキ、ワクワク、ドキドキ、楽しいなど)」、「Relaxed(落ち着く、ゆったり、やすらぐ、すっきりなど)」などの「快」を示す感情であり、肯定的ではない感情は、「Uneasy(つらい、我慢、せわしい、イライラなど)」,「Boring(憂鬱、うんざり、ぼんやり、退屈など)」などの「不快」を示す感情である。判定部52による満足度を判定する方法はこれに限定されず、公知の方法を用いればよい。
【0042】
判定部52は、例えば、経路案内装置10のユーザの行動履歴に基づいて、満足度を判定してもよい。判定部52は、例えば、行動履歴として、経路案内装置10のユーザが推奨地点に滞在した時間を加味して、満足度を判定してもよい。判定部52は、例えば、経路案内装置10のユーザが推奨地点に滞在した時間が短いほど満足度が低いと判定し、滞在した時間が長いほど満足度が高いレベルと判定してもよい。
【0043】
判定部52は、例えば、経路案内装置10のユーザが推奨地点での滞在や通過が確認された際に、推奨地点の満足度のアンケートを実施してもよい。この場合、判定部52は、例えば、アンケートを表示部28に表示させ、経路案内装置10のユーザが入力部22によりアンケートを回答するようにしてもよい。そして、判定部52は、例えば、アンケートの回答結果に基づいて、推奨地点の満足度を判定してもよい。例えば、「とても満足」、「満足」、「やや満足」、「普通」、「不満」のように5段階レベルで判定してもよい。
【0044】
(経路案内処理)
図2を用いて、第1実施形態に係る経路案内処理について説明する。
図2は、第1実施形態に係る経路案内処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
位置情報取得部40は、GNSS受信部36が受信したGNSS信号に基づいて、経路案内装置10の現在の位置情報を取得する(ステップS10)。そして、ステップS12に進む。
【0046】
経路設定部42は、出発地または現在地から目的地までの移動経路を設定する(ステップS12)。具体的には、経路設定部42は、ユーザにより入力部22に入力された情報に基づいて、出発地または現在地から目的地までの移動経路を設定する。そして、ステップS14に進む。
【0047】
嗜好情報取得部46は、経路案内装置10のユーザの嗜好情報を取得する(ステップS14)。そして、ステップS16に進む。
【0048】
推奨地点抽出部48は、嗜好情報取得部46が取得した嗜好情報に基づいて、経路設定部42が設定した移動経路を含むエリアにおいて経路案内装置10のユーザが興味を持つと想定される推奨地点を抽出する(ステップS16)。そして、ステップS18に進む。
【0049】
経路案内部44は、目的地までの経路案内を開始する(ステップS18)。そして、ステップS20に進む。
【0050】
位置情報取得部40は、経路案内装置10のユーザの現在地が交差点などの分岐点に位置しているか否かを判定する(ステップS20)。具体的には、位置情報取得部40は、位置情報取得部40がGNSS信号に基づいて算出した位置情報と、記憶部32から取得した地図情報32aとに基づいて、現在地が交差点などの分岐点に位置しているか否かを判定する。現在地が交差点などの分岐点に位置していると判定された場合(ステップS20;Yes)、ステップS22に進む。現在地が交差点などの分岐点に位置していると判定されない場合(ステップS20;No)、ステップS20に戻る。
【0051】
ステップS20でYesと判定された場合、推奨部50は、推奨地点へ向かうための経路を推奨する(ステップS22)。
図3は、第1実施形態に係る経路を推奨する方法を説明するための図である。
図3は、ユーザは、出発地P1から目的地P2に向かう移動経路R1を含む所定のエリアを示している。
【0052】
図3に示す例では、経路設定部42は、ステップS12で移動経路R1を設定したものとする。推奨部50は、例えば、経路案内装置10のユーザが分岐点P11に接近した場合に、推奨地点P21、推奨地点P22、および推奨地点P23に関する情報を提供する。推奨部50は、例えば、推奨地点P21、推奨地点P22、および推奨地点P23に関する情報を表示部28に表示させる。推奨部50は、例えば、経路案内装置10のユーザが分岐点P11に接近した場合に、推奨地点P21、推奨地点P22、および推奨地点P23のうち、いずれかの推奨地点に向かう経路を推奨する。推奨部50は、例えば、推奨地点P21に向かう経路R2を推奨する。推奨部50は、例えば、経路R2へ進むべき旨の情報を表示部28に表示させたり、音声出力部30から音声で出力させたりする。推奨地点P21、推奨地点P22、および推奨地点P23内の数字は、分岐点P11における推奨地点の優先順位を示している。
【0053】
推奨部50は、例えば、経路案内装置10のユーザが分岐点P12に接近した場合には、推奨地点P31および推奨地点P32に関する情報を提供する。推奨部50は、例えば、推奨地点P31に向かう経路R3を推奨する。推奨地点P31および推奨地点P32内の数字は、分岐点P12における推奨地点の優先順位を示している。
【0054】
推奨部50は、例えば、経路案内装置10のユーザが分岐点P13に接近した場合には、推奨地点P41、推奨地点P42、および推奨地点P43に関する情報を提供する。推奨部50は、例えば、推奨地点P42に向かう経路R4を推奨する。推奨地点P41、推奨地点P42、および推奨地点P43内の数字は、分岐点P13における推奨地点の優先順位を示している。
【0055】
推奨部50は、例えば、経路案内装置10のユーザが分岐点P14に接近した場合には、推奨地点P51および推奨地点P52に関する情報を提供する。推奨部50は、例えば、推奨地点P51に向かう経路R5を推奨する。推奨地点P51および推奨地点P52内の数字は、分岐点P14における推奨地点の優先順位を示している。
【0056】
図3に示す例では、推奨部50は、分岐点P15、分岐点P16、および分岐点P17では、推奨地点を向かう経路を推奨していない。これは、分岐点P15、分岐点P16、および分岐点P17の付近において、推奨地点抽出部48によって推奨地点が抽出されない場合である。すなわち、推奨部50は、所定の分岐点ごとに推奨地点に関する情報をユーザに提供する。
【0057】
位置情報取得部40は、推奨部50が推奨した経路を経路案内装置10のユーザが移動しているか否かを判定する(ステップS24)。具体的には、位置情報取得部40は、経路案内装置10の位置情報の変化に基づいて、推奨部50が推奨した経路を経路案内装置10のユーザが移動しているか否かを判定する。推奨部50が推奨した経路を経路案内装置10のユーザが移動していると判定された場合(ステップS24;Yes)、ステップS26に進む。推奨部50が推奨した経路を経路案内装置10のユーザが移動していると判定されない場合(ステップS24;No)、ステップS28に進む。
【0058】
ステップS24でYesと判定された場合、経路案内部44は、推奨地点への案内を開始する(ステップS26)。そして、ステップS30に進む。
【0059】
ステップS24でNoと判定された場合、経路案内部44は、目的地までの経路案内を継続する(ステップS28)。そして、ステップS30に進む。
【0060】
制御部38は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS30)。例えば、制御部38は、経路案内装置10のユーザが目的地に到着した場合や、電源をオフにする操作を受け付けた場合などに処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS30;Yes)、処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS30;No)、ステップS20に進む。
【0061】
上述のとおり、第1実施形態は、ユーザの嗜好情報に基づいて、出発地から目的地までの移動経路を含むエリアにおいて、ユーザが興味を持つと想定される推奨地点へ向かう経路を推奨する。これにより、第1実施形態は、ユーザの嗜好に合致した推奨地点へ案内することができる。
【0062】
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態の変形例について説明する。第1実施形態では、推奨部50は、例えば、ステップS22において、経路案内装置10のユーザが接近した分岐点における推奨地点へ向かう経路を推奨したが、本開示はこれに限定されない。
【0063】
推奨部50は、例えば、ステップS22において、経路案内装置10のユーザが接近した分岐点の、次の分岐点における推奨地点に関する情報を経路案内装置10のユーザに提供してもよい。推奨部50は、例えば、
図3に示す例において、出発地P1から分岐点P11に接近した場合に、直進した場合の次の分岐点における推奨地点、左折した場合の次の分岐点における推奨地点、および右折した場合の次の分岐点における推奨地点の情報も経路案内装置10のユーザに提供してもよい。これにより、経路案内装置10のユーザは出発地から目的地までの移動経路を含むエリアにおける推奨地点を全体的に把握することができ、走行計画が立てやすい。これに対して、第1実施形態は、所定の分岐点ごとに推奨地点へ向かう経路を推奨するので、ユーザが立ち寄り地点の探索を楽しみながら移動できる。
【0064】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第2実施形態では、経路案内装置10のユーザが推奨地点へ立ち寄った際に、推奨地点に対する満足度を判定する。そして、第2実施形態は、満足度の判定結果に応じて、次の分岐点で推奨する経路を変更する。
【0065】
(経路案内処理)
図4を用いて、第2実施形態に係る経路案内処理について説明する。
図4は、第2実施形態に係る経路案内処理の流れを示すフローチャートである。
【0066】
図4に示すステップS40からステップS56の処理は、それぞれ、
図2に示すステップS10からステップS26の処理と同じなので、説明を省略する。
【0067】
判定部52は、推奨された推奨地点に対する経路案内装置10のユーザの満足度を判定するための満足度判定処理を実行する(ステップS58)。
図5は、第2実施形態に係る満足度判定処理を示すフローチャートである。
【0068】
判定部52は、推奨地点に対する経路案内装置10のユーザの満足度は所定レベル以上であるか否かを判定する(ステップS100)。ユーザの満足度が所定レベル以上であると判定された場合(ステップS100;Yes)、ステップS102に進む。ユーザの満足度が所定レベル以上であると判定されない場合(ステップS100;No)、ステップS104に進む。
【0069】
ステップS100でYesと判定された場合、推奨部50は、経路案内装置10のユーザに推奨する経路を維持する(ステップS102)。そして、
図4に示すステップS62に進む。
【0070】
ステップS100でNoと判定された場合、推奨部50は、経路案内装置10のユーザに次の分岐点で推奨する経路を変更する(ステップS104)。例えば、推奨部50は、経路案内装置10のユーザの嗜好情報との合致度合いが最も高い推奨地点に対する満足度が所定レベル以下と判定された場合には、次の分岐点では嗜好情報との合致度合いが最も高い推奨地点へ向かう経路を推奨しないようにする。具体的には、
図3に示す例において、経路案内装置10のユーザは、経路案内装置10のユーザが分岐点P12に接近した場合に、経路R3を推奨され推奨地点P31に向かったとする。そして、経路案内装置10のユーザの推奨地点P31に対する満足度が所定レベル以下であると判定されたとする。この場合、推奨部50は、例えば、分岐点P13においては、経路案内装置10のユーザの嗜好情報と最も合致度合いが高い推奨地点P41に向かう経路を推奨しないで、推奨地点P41の次に合致度合いが高い推奨地点P42に向かう経路R4を推奨する。これは、分岐点P12において経路案内装置10のユーザの嗜好情報との合致度合いが最も高い推奨地点P31の満足度が所定レベル以下であることから、分岐点P13において経路案内装置10のユーザの嗜好情報との合致度合いが最も高い推奨地点P41の満足度も所定レベル以上にならないと想定されるためである。そのため、推奨部50は、分岐点P13において、推奨地点P41の次に合致度合いが高い推奨地点P42に向かう経路を推奨する。ここで、ユーザの満足度が所定レベル以上であると判定されない場合における経路推奨は合致度合いの順位の入れ替えに基づくが、これに限定されず、ユーザが任意に設定してもよい。例えば、ユーザの嗜好情報におけるジャンルや特徴などの項目に対する重み付け(優先度)の順位の入れ替えに基づいて、経路推奨してもよい。そして、
図4に示すステップS62に進む。
【0071】
ステップS60およびステップS62の処理は、それぞれ、
図2に示すステップS28およびステップS30の処理と同じなので、説明を省略する。
【0072】
上述のとおり、第2実施形態は、ユーザの嗜好情報と推奨地点に対する満足度に基づいて、出発地から目的地までの移動経路を含むエリアにおいて、ユーザが興味を持つと想定される推奨地点へ向かう経路を推奨する。これにより、第2実施形態は、ユーザの嗜好に合致し、かつ満足度が高いと想定される推奨地点へ案内することができる。
【0073】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0074】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0075】
10 経路案内装置
20 カメラ
22 入力部
24 マイクロフォン
26 センサ部
28 表示部
30 音声出力部
32 記憶部
32a 地図情報
32b 嗜好情報
34 通信部
36 GNSS受信部
38 制御部
40 位置情報取得部
42 経路設定部
44 経路案内部
46 嗜好情報取得部
48 推奨地点抽出部
50 推奨部
52 判定部