(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139962
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】水力発電システム
(51)【国際特許分類】
F03B 15/08 20060101AFI20241003BHJP
F03B 15/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F03B15/08
F03B15/04 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050922
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須原 淳
【テーマコード(参考)】
3H073
【Fターム(参考)】
3H073AA02
3H073BB13
3H073BB24
3H073CC02
3H073CC12
3H073CC26
3H073CD02
3H073CD06
3H073CE02
3H073CE22
3H073CE26
3H073FF01
(57)【要約】
【課題】水力発電システムにおける流量の調整範囲を拡大させる。
【解決手段】コントローラ(30)は、第1制御と第2制御とを実行する第1運転を行う。第1制御では、コントローラ(30)は、流量が零より大きく第1流量以下までの第1範囲内にある場合に、水車(11)の効率または水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ流量が目標流量に近づくように発電機(12)および電動弁(15)を制御する。第2制御では、コントローラ(30)は、流量が前記第1流量より大きく第2流量以下までの第2範囲内にある場合に、発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ流量が目標流量に近づくように発電機(12)および電動弁(15)を制御する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる流路(4)に配置される水車(11)と、
前記水車(11)と連結する発電機(12)と、
前記流路(4)において前記水車(11)と直列に設けられる電動弁(15)と、
前記発電機(12)のトルクまたは回転数、および前記電動弁(15)の開度を制御するコントローラ(30)とを備え、
前記コントローラ(30)は、
前記流量が零より大きく第1流量以下までの第1範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する第1制御と、
前記流量が前記第1流量より大きく第2流量以下までの第2範囲内にある場合に、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および電動弁(15)を制御する第2制御とを行う第1運転を実行するように構成される
水力発電システム。
【請求項2】
前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、
前記コントローラ(30)は、前記第1運転において、前記目標流量が前記第2流量よりも大きいときに、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように、または前記電動弁(15)の開度が最大となり且つ前記流量が目標流量に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御するように構成される
請求項1に記載の水力発電システム。
【請求項3】
前記コントローラ(30)は、前記第2制御において、前記流量を前記第2流量に近づけるときに前記電動弁(15)の開度を最大とする
請求項1に記載の水力発電システム。
【請求項4】
前記コントローラ(30)は、
前記流量が零より大きく第3流量以下となる第3範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する第3制御と、
前記流量が前記第3流量より大きく第4流量以下までの第4範囲内にある場合に、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が前記目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する第4制御と、
前記流量が前記第4流量より大きく第5流量以下となる第5範囲内にある場合に、前記電動弁(15)の開度を維持しながら前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)を制御する第5制御とを行う第2運転を実行するように構成される
請求項1に記載の水力発電システム。
【請求項5】
前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、
前記コントローラ(30)は、前記第2運転において、前記目標流量が前記第5流量よりも大きいときに、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように、または前記電動弁(15)の開度が最大となり且つ前記流量が目標流量に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御するように構成される
請求項4に記載の水力発電システム。
【請求項6】
前記コントローラ(30)は、前記第5制御において、前記電動弁(15)の開度を最大とする
請求項4に記載の水力発電システム。
【請求項7】
前記コントローラ(30)は、
前記流量が零より大きく第6流量以下までの第6範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する第6制御と、
前記流量が前記第6流量より大きく第7流量以下までの第7範囲内にある場合に、前記電動弁(15)の開度を維持しながら前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)を制御する第7制御とを行うように構成される
請求項1に記載の水力発電システム。
【請求項8】
前記コントローラ(30)は、
前記第6制御において、前記流量を前記第6流量に近づけるときに前記電動弁(15)の開度を最大よりも小さい第1開度とし、
前記第7制御において、前記電動弁(15)の開度を前記第1開度に維持しながら前記流量が前記目標流量に近づくように前記発電機(12)を制御する
請求項7に記載の水力発電システム。
【請求項9】
前記コントローラ(30)は、前記第7制御において前記流量が目標流量に至ると、該流量が該目標流量を維持し且つ前記電動弁(15)の開度が最大となるように、前記発電機(12)および電動弁(15)を制御する第8制御を行う
請求項7に記載の水力発電システム。
【請求項10】
前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、
前記コントローラ(30)は、前記第7制御において、前記流量が目標流量に至ると、該流量が該目標流量を維持し且つ前記電動弁(15)の開度が最大となるように、または該流量が該目標流量を維持し且つ前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御する
請求項7に記載の水力発電システム。
【請求項11】
所定の有効落差において、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率となる前記水車(11)の流量は、前記発電機(12)が無拘束状態となる前記水車(11)の流量よりも小さい
請求項1~10のいずれか1つに記載の水力発電システム。
【請求項12】
前記水車(11)は、軸流式または斜流式である
請求項11に記載の水力発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水力発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、水力発電システムを開示する。この水力発電システムは、発電機で最大効率を得るための水車の有効落差と発電機の回転数との関係を記憶部に記憶させる。制御部が、有効落差に応じて発電機の回転数を制御することで、発電機で最大効率を得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水力発電システムが適用される流路においては、所定の目標流量を満たしたいという要求がある。一方で、特許文献1のように最大効率が得られる流量の範囲には限界がある。具体的には、最大効率が得られる流量の範囲に対して、目標流量の調整範囲が大きい場合、これらの目標流量を十分に満たすことができないという問題がある。
【0005】
本開示は、水力発電システムにおける流量の調整範囲を拡大させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、水力発電システムが、流体が流れる流路(4)に配置される水車(11)と、前記水車(11)と連結する発電機(12)と、前記流路(4)において前記水車(11)と直列に設けられる電動弁(15)と、前記発電機(12)のトルクまたは回転数、および前記電動弁(15)の開度を制御するコントローラ(30)とを備える。コントローラ(30)は、第1制御と第2制御とを実行する第1運転を行う。第1制御では、コントローラ(30)は、前記流量が零より大きく第1流量以下までの第1範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する。第2制御では、コントローラ(30)は、前記流量が前記第1流量より大きく第2流量以下までの第2範囲内にある場合に、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および電動弁(15)を制御する。
【0007】
第1の態様では、流量が零より大きく第1流量以下までの第1範囲である場合、コントローラ(30)は、第1制御を実行する。第1制御では、コントローラ(30)は、水車(11)または水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づくとともに流路(4)の流量が目標流量に近づくように、水車(11)の回転数またはトルク、および電動弁(15)の開度を調節する。これにより、流路(4)の流量を目標流量に近づけつつ、水車(11)または水力発電システム(10)において最大効率を得ることができる。
【0008】
一方、流量が第1流量よりも大きく第2流量以下までの第2範囲である場合、コントローラ(30)は、第2制御を実行する。第2制御では、コントローラ(30)は、発電機(12)の出力が制限値に近づくとともに流路(4)の流量が目標流量に近づくように、水車(11)の回転数またはトルク、および電動弁(15)の開度を調節する。第2制御では、発電機(12)の出力が最大に近づくので、発電機(12)の発電電力を確保できる。発電機(12)の出力は制限値を越えないので、発電機(12)を制御するためのインバータやコンバータなどでの制御上、あるいはハード上での不具合を回避できる。その上で、流量の調整範囲を拡大できる。
【0009】
第2の態様は、第1の態様において、前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、前記コントローラ(30)は、前記第1運転において、前記目標流量が前記第2流量よりも大きいときに、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように、または前記電動弁(15)の開度が最大となり且つ前記流量が目標流量に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御するように構成される。
【0010】
第2の態様では、目標流量が第2流量よりも大きい場合、バイパス弁(17)を制御することで、流量の調整範囲を拡大できる。この際、発電機(12)の出力を制限値に近づけたり、電動弁(15)の開度を最大にしたりすることで、発電機(12)の発電電力を増大できる。
【0011】
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記コントローラ(30)は、前記第2制御において、前記流量を前記第2流量に近づけるときに前記電動弁(15)の開度を最大とする。
【0012】
第3の態様では、第2制御において、電動弁(15)の開度を最大とすることで、水車(11)を流れる流量、および発電機(12)の発電電力を増大できる。
【0013】
第4の態様は、第1~第3のいずれか1つの態様において、前記コントローラ(30)は、第3制御と第4制御と第5制御とを行う第2運転を実行する。第3制御では、コントローラ(30)は、前記流量が零より大きく第3流量以下まで第3範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する。第4制御では、コントローラ(30)は、前記流量が前記第3流量より大きく第4流量以下までの第4範囲内にある場合に、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が前記目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する。第5制御では、コントローラ(30)は、前記流量が前記第4流量より大きく第5流量以下までの第5範囲内にある場合に、前記電動弁(15)の開度を維持しながら前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)を制御する。
【0014】
第4の態様では、第3制御において、最高効率を得ながら目標流量を満たすことができる。第4制御において、発電機(12)の出力が最大で且つ制限値を越えないようしながら目標流量を満たすことができる。加えて、第5制御では、コントローラ(30)は、電動弁(15)の開度を維持しながら流量が目標流量に近づくように水車(11)の回転数またはトルクを制御する。これにより、流量の調整範囲をさらに拡大できる。
【0015】
第5の態様は、第4の態様において、前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、前記コントローラ(30)は、前記第2運転において、前記目標流量が前記第5流量よりも大きいときに、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように、または前記電動弁(15)の開度が最大となり且つ前記流量が目標流量に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御するように構成される。
【0016】
第5の態様では、目標流量が第5流量よりも大きい場合、バイパス弁(17)を制御することで、流量の調整範囲を拡大できる。この際、発電機(12)の出力を制限値に近づけたり、電動弁(15)の開度を最大にしたりすることで、発電機(12)の発電電力を増大できる。
【0017】
第6の態様は、第4または第5の態様において、前記コントローラ(30)は、前記第5制御において、前記電動弁(15)の開度を最大とする
第6の態様では、第5制御において、電動弁(15)の開度を最大とすることで、発電機(12)の発電電力を増大できる。
【0018】
第7の態様は、前記コントローラ(30)は、第6制御と第7制御とを行う第3運転を実行する。第6制御では、コントローラ(30)は、前記流量が零より大きく第6流量以下までの第6範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する。第7制御では、コントローラ(30)は、前記流量が前記第6流量より大きく第7流量以下までの第7範囲内にある場合に、前記電動弁(15)の開度を維持しながら前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)を制御する。
【0019】
第7の態様では、第7制御において、流量を目標流量に速やかに近づけることができる。発電機(12)の回転数やトルクによる制御の応答速度は、電動弁(15)の開度の制御の応答速度よりも早いためである。
【0020】
第8の態様は、第7の態様において、前記コントローラ(30)は、前記第6制御において、前記流量を前記第6流量に近づけるときに前記電動弁(15)の開度を最大よりも小さい第1開度とする。コントローラ(30)は、前記第7制御において、前記電動弁(15)の開度を前記第1開度に維持しながら前記流量が前記目標流量に近づくように前記発電機(12)を制御する。
【0021】
第8の態様では、第7制御において、コントローラ(30)は、電動弁(15)の開度を最大とせず、それよりも小さい第1開度に維持する。このため、第7制御において、流量を目標流量に速やかに近づけることができる。
【0022】
第9の態様は、前記コントローラ(30)は、前記第7制御において、前記流量が目標流量に至ると、該流量が該目標流量を維持し且つ前記電動弁(15)の開度が最大となるように、前記発電機(12)および電動弁(15)を制御する第8制御を行う。
【0023】
第9の態様では、第7制御により、流量が目標流量に至ると、コントローラ(30)は、第8制御において電動弁(15)の開度を最大とするので、発電機(12)の発電電力を増大できる。
【0024】
第10の態様は、前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、前記コントローラ(30)は、前記第7制御において、前記流量が目標流量に至ると、該流量が該目標流量を維持し且つ前記電動弁(15)の開度が最大となるように、または該流量が該目標流量を維持し且つ前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御する。
【0025】
第10の態様では、前記第7制御において、前記流量が目標流量に至ると、バイパス弁(17)の制御により、目標流量を維持しつつ発電機(12)の出力を制限値に近づけたり、電動弁(15)の開度を最大にしたりできる。その結果、発電機(12)の発電電力を増大できる。
【0026】
第11の態様は、第1~第10のいずれか1つの態様において、所定の有効落差において、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率となる前記水車(11)の流量は、前記発電機(12)が無拘束状態となる前記水車(11)の流量よりも小さい。
【0027】
第12の態様は、第11の態様において、前記水車(11)は、軸流式または斜流式である。
【0028】
第11や第12の発明の水力発電システムでは、最大効率が得られる流量範囲に対して、目標流量の範囲が大きくなり易くなる。これに対して、第2制御を行うことで、このような目標流量をカバーできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、実施形態に係る水力発電システムの概略の構成図である。
【
図2】
図2は、コントローラの各要素を含む水力発電システムの構成図である。
【
図3】
図3は、水車の流量と有効落差の関係を示す特性マップである。
【
図5】
図5は、第1運転を説明するための特性マップである。
【
図7】
図7は、第2運転の第1モードを説明するための特性マップである。
【
図8】
図8は、第2運転の第2モードを説明するための特性マップである。
【
図10】
図10は、変形例1に係る水力発電システムの過渡動作を説明するための特性マップである。
【
図11】
図11は、変形例2に係る水力発電システムの概略の構成図である。
【
図12】
図12は、第1バイパス制御を説明するための特性マップである。
【
図13】
図13は、第2バイパス制御を説明するための特性マップである。
【
図14】
図14は、第3バイパス制御を説明するための特性マップである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表す場合がある。
【0031】
(1)全体構成
図1に示す水力発電システム(10)は、上水道(1)に適用される。本例の水力発電システム(10)は、上水道(1)の末端側に適用される。水力発電システム(10)を流れた水(流体)は、住宅・ビルなどに供給される。
【0032】
上水道(1)は、貯水槽(2)と流路(4)と受水槽(8)とを含む。流路(4)は、貯水槽(2)と、受水槽(8)との間の管路を構成している。流路(4)は、落差を有して水が流れる水路である。受水槽(8)の下流側には住宅などの水の供給対象がある。
【0033】
流路(4)は、第1流路(5)と第2流路(6)とを含む。第1流路(5)は、水車(11)の上流側に形成される。第1流路(5)は、貯水槽(2)と水車(11)との間に形成される。第2流路(6)は、水車(11)の下流側に形成される。第2流路(6)は、水車(11)と受水槽(8)との間に形成される。
【0034】
図1および
図2に示すように、水力発電システム(10)は、水車(11)と、発電機(12)と、電動弁(15)と、第1流量センサ(16)とを備える。
図2に示すように、水力発電システム(10)は、コントローラ(30)と、系統連系インバータ(50)とを備える。
【0035】
(1-1)水車
水車(11)は、流路(4)の途中に配置される。水車(11)は、ケーシングと、ケーシングに収容される羽根車とを備える(図示省略)。羽根車の中心部には、回転軸(13)が固定される。流路(4)を流れる水によって水車(11)が回転すると、回転軸(13)が回転駆動される。
【0036】
水車(11)は、軸流式または斜流式である。軸流式の水車(11)は、例えばプロペラ水車である。軸流式の水車(11)では、羽根車を通過する水が、該羽根車の軸心方向に流れる。斜流式の水車(11)は、例えばデリア水車である。斜流式の水車(11)は、羽根車を通過する水が、該羽根車の軸心に対して傾斜した方向に流れる。軸流式や斜流式の水車(11)は、フランシス水車と比べると、大流量の流路に適している。
【0037】
(1-2)発電機
発電機(12)は、回転軸(13)を介して水車(11)と連結する。発電機(12)は、ロータとステータとを有する(図示省略)。ロータは、永久磁石埋込型である。ステータはコイルを有する。
【0038】
水車(11)が回転すると、水車(11)によって発電機(12)が駆動される。これにより、発電機(12)が回生運転を行う。回生運転中の発電機(12)は、電力を発生する。発電機(12)が発生した電力は、電力回路(C)を介して電力系統(60)へ供給される。電力系統(60)は、例えば商用電源である。詳細は後述するが、電力回路(C)は、電力系統(60)の電力を発電機(12)に供給可能に構成される。
【0039】
(1-3)電動弁
電動弁(15)は、流路(4)に水車(11)と直列に配置される。電動弁(15)は、第1流路(5)において、水車(11)の上流側に配置される。電動弁(15)は、モータ駆動式の圧力調節弁である。電動弁(15)は、モータによって開度が調節される。電動弁(15)は、水車(11)の有効落差(H)を調節する。
【0040】
(1-4)流量センサ
第1流量センサ(16)は、第1流路(5)に配置される。第1流量センサ(16)は、水車(11)を通過する水の流量を検知する。第1流量センサ(16)によって検出された流量は、コントローラ(30)に入力される。
【0041】
(1-5)電力回路
図2に示す電力回路(C)は、AC/DCコンバータ(31)と、系統連系インバータ(50)とを有する。電力回路(C)は、発電機(12)と電力系統の間で双方向に電力を供給可能に構成される。
【0042】
AC/DCコンバータ(31)は、コントローラ(30)に設けられる。AC/DCコンバータ(31)は、複数のスイッチング素子を備える。AC/DCコンバータ(31)は、発電機(12)が発電した交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を系統連系インバータ(50)に出力する。AC/DCコンバータ(31)は、系統連系インバータ(50)から出力された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を発電機(12)に出力する。このように、AC/DCコンバータ(31)は、双方向式のコンバータである。
【0043】
系統連系インバータ(50)は、インバータ部を構成する複数のスイッチング素子を有する。系統連系インバータ(50)は、AC/DCコンバータ(31)から出力された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統(60)に供給する。系統連系インバータ(50)は、電力系統から供給された交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力をAC/DCコンバータ(31)に出力する。このように、系統連系インバータ(50)は、双方向式のインバータを有する。
【0044】
(1-6)コントローラ
図2に示すコントローラ(30)は、発電機(12)および電動弁(15)を制御する。コントローラ(30)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるためのプログラムが格納されたメモリディバイスとを含む。
【0045】
コントローラ(30)は、発電機(12)の回転数やトルク、および電動弁(15)の開度を制御する。コントローラ(30)は、上述したAC/DCコンバータ(31)と、回転数検出部(32)と、水車動作点推定部(33)と、流量検出部(34)と、流量制御部(35)と、発電機制御部(36)と、弁制御部(37)とを有する。
【0046】
回転数検出部(32)は、発電機(12)の回転数を検出する。回転数検出部(32)で検出した回転数は、水車動作点推定部(33)および発電機制御部(36)に出力される。水車動作点推定部(33)は、発電機(12)の回転数、および発電機(12)のトルク指令値に基づいて水車動作点を求める。流量検出部(34)には、第1流量センサ(16)で検出した流量(Q)が入力される。
【0047】
流量制御部(35)は、予め設定された目標流量(Qo)と流量(Q)とに基づいて発電機(12)のトルク指令値を生成する。トルク指令値は、流量(Q)を目標流量(Qo)に収束させるための発電機(12)のトルクに相当する。流量制御部(35)は、生成したトルク指令値を発電機制御部(36)に出力する。
【0048】
加えて、流量制御部(35)は、電動弁(15)の開度指令値を生成する。開度指令値は、水車動作点を通常の運転領域に収束させるための電動弁(15)の開度に相当する。流量制御部(35)は、生成した開度指令値を弁制御部(37)に出力する。
【0049】
発電機制御部(36)は、流量(Q)が目標流量(Qo)に収束するように発電機(12)のトルクを制御する。発電機制御部(36)には、流量制御部(35)から出力されたトルク指令値と、回転数検出部(32)から出力された回転数とが入力される。発電機制御部(36)は、入力されたトルク指令値および回転数にしたがって電圧指令値を算出する。発電機制御部(36)は、電圧指令値に基づいてAC/DCコンバータ(31)のスイッチング素子を制御する。これにより、発電機(12)のトルクがトルク指令値に収束する。
【0050】
弁制御部(37)は、流量(Q)が目標流量(Qo)に収束するように電動弁(15)の開度を制御する。弁制御部(37)には、流量制御部(35)から出力された開度指令値が入力される。弁制御部(37)は、入力された開度指令値にしたがって所定の制御信号を電動弁(15)に出力する。これにより、電動弁(15)の開度が開度指令値に収束する。
【0051】
(1-7)操作部
図2に示すように、水力発電システム(10)は、操作部(40)を有する。操作部(40)は、水力発電システム(10)のオペレータによって操作される。オペレータは、操作部(40)により、水力発電システム(10)の運転モードや、流路(4)に応じた目標流量(Qo)を設定できる。操作部(40)に入力された情報は、コントローラ(30)に出力される。
【0052】
(1-8)水力発電システムおよび流路の特性
水力発電システム(10)および流路(4)の特性について、
図1および
図3を参照しながら説明する。
【0053】
図3は、水車の特性を示すグラフであり、いわゆる特性マップである。
図3の縦軸は、水車(11)の有効落差(H)、横軸は水車(11)を流れる流量(Q)である。有効落差(H)は、
図1に示す総落差(Ho)から、流路抵抗に相当する落差、電動弁(15)の圧力損失、および水車(11)の下流側の二次圧を引いた値である。総落差(Ho)は、貯水槽(2)の液面から受水槽(8)の液面まで間の落差である。流路抵抗は、流路(4)の管路の抵抗に相当する。
【0054】
水車(11)の有効落差(H)および流量(Q)の関係は、
図3に示すシステムロスカーブ(流動抵抗特性線)で表すことができる。システムロスカーブは、流量(Q)の増大に伴って有効落差(H)が減少する特性を有する。水車(11)の流量(Q)と有効落差(H)に対応する点(水車動作点)は、常にシステムロスカーブ上を移動する。
【0055】
電動弁(15)の開度が大きくなると、特性マップにおいて、システムロスカーブは上側に遷移する。電動弁(15)の開度が大きくなると、流路(4)の流量(Q)および有効落差(H)が増大する。電動弁(15)の開度が小さくなると、特性マップにおいて、システムロスカーブは下側に遷移する。電動弁(15)の開度が小さくなると、流量(Q)および有効落差(H)が減少する。
【0056】
図3の最高効率曲線は、水車(11)の効率または水力発電システム(10)の効率が最大効率となる特性を示す曲線である。最高効率曲線は、有効落差(H)に対して最大効率が得られる流量(Q)を、複数の有効落差(H)毎にプロットすることで得られる。水力発電システム(10)では、水車動作点が最高効率曲線上に位置すれば最大効率での運転ができる。
【0057】
図3の無拘束曲線は、発電機(12)のトルクを表す等トルク曲線のうち、トルクが零となる曲線である。したがって、水車動作点が無拘束曲線に至ると、発電機(12)で発電を行うことができない。
【0058】
図3の制限曲線は、発電機(12)の出力における制御範囲の制限値を示す曲線である。制限値とは、例えば発電機(12)の最大トルクや最大出力、あるいは水力発電システム(10)の最大出力である。水車動作点が制限曲線よりも上側にあることは、発電機(12)の出力が制限値を越えることを意味する。発電機(12)の出力が制限値を越えると、発電機(12)やAC/DCコンバータ(31)や系統連系インバータ(50)において、制御上、あるいは過熱異常などの不具合が生じる。水車動作点が制限曲線上にあれば、発電機(12)の制御範囲において発電機(12)の出力が最大となる。
【0059】
図3に示す各特性や曲線は、テーブルや関数などのデータとして、コントローラ(30)のメモリディバイスに記憶される。したがって、コントローラ(30)は、このデータを利用することで種々の指標を求めることができる。
【0060】
(2)基本動作
水力発電システム(10)の基本動作について
図1および
図2を参照しながら説明する。
【0061】
貯水槽(2)の水は、流路(4)を流れる。流路(4)の水は電動弁(15)を通過した後、水車(11)を流れる。水流によって水車(11)が回転すると発電機(12)から電力が発生する。発電機(12)で発生した交流電力は、AC/DCコンバータ(31)で直流電力に変換される。AC/DCコンバータ(31)で変換された直流電力は、系統連系インバータ(50)で交流電力に変換され、電力系統(60)に供給される。水車(11)を通過した水は、受水槽(8)に送られる。
【0062】
(3)課題
本実施形態の水力発電システム(10)では、
図3に示す特性マップにおいて、無拘束曲線が最高効率曲線よりも右側に位置する。言い換えると、所定の有効落差において、水車(11)の効率または水力発電システム(10)の効率が最大効率となる水車(11)の流量は、発電機(12)が無拘束状態となる前記水車(11)の流量よりも小さい。水車(11)が軸流式や斜流式である場合、無拘束曲線が最高効率曲線よりも右側に位置する傾向にある。
【0063】
上述したように、水力発電システム(10)では、水車動作点を最高効率曲線上で制御することで最大効率を得ることができる。しかし、
図3に示すように、水力発電システム(10)の特性が、最高効率曲線に対して無拘束曲線が右側に離れた特性である場合、比較的大きな目標流量(Qo)を満たすことができないという問題があった。
【0064】
(4)基本制御
上記の課題を解決するために、本実施形態の水力発電システム(10)では、以下の第1運転や第2運転により目標流量(Qo)の制御範囲を拡大している。第1運転は発電の出力を優先する運転モードであり、第2運転は目標流量(Qo)を優先する運転モードである。オペレータは、操作部(40)により、第1運転または第2運転を選択できる。
【0065】
図4に示すように、ステップST1において、操作部(40)からコントローラ(30)に運転を開始するための指令が入力されると、処理はステップST2に移行する。操作部(40)において第1運転が選択される場合、ステップST3においてコントローラ(30)は第1運転を実行させる。操作部(40)において第2運転が選択される場合、ステップST4においてコントローラ(30)は第2運転を実行させる。ステップST5において、操作部(40)からコントローラ(30)に運転を停止するための指令が入力されると、ステップST6において、コントローラ(30)は第1運転や第2運転を停止させる。
【0066】
(5)第1運転
第1運転では、コントローラ(30)は、
図5に示す第1制御と第2制御とを切り換えて実行する。
【0067】
図5に示すように、コントローラ(30)は、流量(Q)が第1範囲内にある場合に、第1制御を実行する。第1範囲は、零より大きく第1流量(Q1)以下までの範囲である。第1流量(Q1)は、制限曲線と最高効率曲線との交点であるa点に対応する流量である。
図5の例では、特性マップにおいて、a点は、b点よりも下側にある。b点は、電動弁(15)の開度が最大であるときのシステムロスカーブ(以下、最大システムロスカーブともいう)と最高効率曲線との交点である。「電動弁の開度が最大」の意味は、電動弁(15)が機械的に全開であることに加えて、電動弁(15)の開度が、その制御範囲の上限値にあることも含む。
【0068】
第1制御では、水車動作点が最高効率曲線上に沿うように流量(Q)が調節される。このため、第1制御では、水車(11)、あるいは水力発電システム(10)の効率を最大効率に近づけることができる。
【0069】
なお、水力発電システム(10)の使用条件などにより、a点がb点よりも上側にある場合、電動弁(15)の開度を最大にしても、水車動作点が制限曲線に達しない。したがって、このような条件下では、コントローラ(30)は、流量(Q)が零から電動弁(15)の開度が最大になる流量までの範囲において、水車動作点が最高効率曲線に沿うように、電動弁(15)および発電機(12)を制御する。
【0070】
図5に示すように、コントローラ(30)は、流量(Q)が第2範囲内にある場合に、第2制御を実行する。第2範囲は、第1流量(Q1)より大きく第2流量(Q2)以下までの範囲である。第2流量(Q2)は、
図5に示すように、最大システムロスカーブと制限曲線との交点であるc点に対応する流量である。したがって、水車動作点がc点に至ると、電動弁(15)の開度が最大となる。第2制御では、コントローラ(30)は、発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように発電機(12)および電動弁(15)を制御する。「発電機(12)の出力が制限値に近づくように」は、厳密にいうと、発電機(12)の出力が最大に近づき、且つ発電機(12)の出力が制限値を越えないことを意味する。第2制御では、水車動作点が制限曲線を越えることを回避しつつ、流量(Q)の調整範囲を拡大できる。
【0071】
コントローラ(30)は、第2制御において、流量(Q)を第2流量(Q2)に近づけるときに電動弁(15)の開度を最大とする。このため、電動弁(15)の開度を最大とすることで発電機(12)の発電電力を増大できる。
【0072】
目標流量(Qo)が第2範囲よりも大きい場合、コントローラ(30)は、流量(Q)が第2流量(Q2)に近づくように電動弁(15)および発電機(12)を制御する。この場合、目標流量(Qo)を満たすことはできないが、発電機(12)の発電電力を確保できる。
【0073】
(5-1)第1運転の制御例
第1運転の具体的な制御例について
図6を参照しながら説明する。第1運転では、
図6に示す処理が繰り返し実行される。第1運転では、コントローラ(30)は、ステップST11において、電動弁(15)の開度を目標流量(Qo)の方向に制御する。具体的には、ステップST11では、コントローラ(30)は、流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように電動弁(15)の開度を所定量Δαだけ変化させる。ステップST12において、水車動作点が制限曲線に到達していない場合、ステップST13において、コントローラ(30)は、水車動作点が最高効率曲線に維持されるように発電機(12)を制御する。このように、水車動作点が制限曲線に到達していない場合、ステップST11の電動弁(15)の開度の調整と、ステップST13の発電機(12)の制御とが交互に繰り返される。この制御が第1制御に対応する。
【0074】
ステップST12において、水車動作点が制限曲線に到達している場合、ステップST14において、コントローラ(30)は、水車動作点が制限曲線に維持されるように発電機(12)を制御する。このように、水車動作点が制限曲線に到達している場合、ステップST11の電動弁(15)の開度の調整と、ステップST14の発電機(12)の制御とが交互に繰り返される。この制御が第2制御に対応する。
【0075】
(6)第2運転
第2運転は、水力発電システム(10)が設置される環境や運転条件に応じて、第1モードと、第2モードによる制御が行われる。
【0076】
(6-1)第2運転の第1モード
第2運転の第1モードは、
図7に示すように、制限曲線と最高効率曲線との交点であるa点が、最大システムロスカーブと最高効率曲線との交点であるb点よりも下側にある条件において、実行される。第2運転の第1モードでは、コントローラ(30)は、第3制御と第4制御と第5制御とを切り換えて実行する。ここで、第3制御は、第1運転の第1制御と実質的に同じであり、第4制御は、第1運転の第2制御と実質的に同じである。
【0077】
コントローラ(30)は、流量(Q)が第3範囲内にある場合、第3制御を実行する。第3範囲は、零より大きく第3流量(Q3)以下までの範囲である。第3流量(Q3)は、第1運転の第1流量(Q1)に相当する。コントローラ(30)は、第3制御において、水車動作点が最高効率曲線に沿い且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように電動弁(15)および発電機(12)を制御する。
【0078】
コントローラ(30)は、流量(Q)が第4範囲内にある場合、第4制御を実行する。第4範囲は、第3流量(Q3)より大きく第4流量(Q4)以下までの範囲である。第4流量(Q4)は、第1運転の第2流量(Q2)に相当する。コントローラ(30)は、第4制御において、水車動作点が制限曲線に沿い且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように電動弁(15)および発電機(12)を制御する。
【0079】
コントローラ(30)は、流量(Q)が第5範囲内である場合、第5制御を実行する。第5範囲は、第4流量(Q4)より大きく第5流量(Q5)以下までの範囲である。第5流量(Q5)は、
図7に示すd点に対応する流量である。d点は、最大システムロスカーブ上において、制限曲線と無拘束曲線との間の所定の水車動作点に対応する。
【0080】
コントローラ(30)は、第5制御において、電動弁(15)の開度を維持しながら流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように発電機(12)を制御する。言い換えるとコントローラ(30)は、第5制御において、水車動作点が、最大システムロスカーブに沿いながら目標流量(Qo)に収束するように、発電機(12)を制御する。これにより、発電機(12)の発電を継続しながら、流量(Q)の調整範囲をさらに拡大できる。
【0081】
第5制御では、電動弁(15)の開度が最大に維持される。このため、発電機(12)の発電電力を十分に確保できる。
【0082】
目標流量(Qo)が第5範囲よりも大きい場合、コントローラ(30)は、流量(Q)が第5流量(Q5)に近づくように発電機(12)を制御する。この場合、目標流量(Qo)を満たすことはできないが、発電機(12)の発電電力を確保できる。
【0083】
(6-2)第2運転の第2モード
第2運転の第2モードは、
図8に示すように、制限曲線と最高効率曲線との交点であるa点が、最大システムロスカーブと最高効率曲線との交点であるb点よりも上側にある条件において、実行される。第2運転の第2モードでは、コントローラ(30)は、第6制御と第7制御とを切り換えて実行する。
【0084】
コントローラ(30)は、流量(Q)が第6範囲内にある場合、第6制御を実行する。第6範囲は、零より大きく第6流量(Q6)以下までの範囲である。第6流量(Q6)は、b点の流量に相当する。コントローラ(30)は、第6制御において、水車動作点が最高効率曲線に沿い且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように電動弁(15)および発電機(12)を制御する。
【0085】
コントローラ(30)は、流量(Q)が第7範囲内にある場合、第7制御を実行する。第7範囲は、第6流量(Q6)より大きく第7流量(Q7)以下までの範囲である。第7流量(Q7)は、
図8に示すe点に対応する流量である。e点は、最大システムロスカーブ上において、最高効率曲線と無拘束曲線との間の所定の水車動作点に対応する。
【0086】
コントローラ(30)は、第7制御において、電動弁(15)の開度を維持しながら流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように発電機(12)を制御する。言い換えるとコントローラ(30)は、第7制御において、水車動作点が、最大システムロスカーブに沿いながら目標流量(Qo)に収束するように、発電機(12)を制御する。これにより、発電機(12)の発電を継続しながら、流量(Q)の調整範囲をさらに拡大できる。
【0087】
第7制御では、電動弁(15)の開度が最大に維持される。このため、発電機(12)の発電電力を十分に確保できる。
【0088】
目標流量(Qo)が第7範囲よりも大きい場合、コントローラ(30)は、流量(Q)が第7流量(Q7)に近づくように発電機(12)を制御する。この場合、目標流量(Qo)を満たすことはできないが、発電機(12)の発電電力を確保できる。
【0089】
(6-3)第2運転の制御例
第2運転の具体的な制御例について
図9を参照しながら説明する。第2運転では、ステップST21において、コントローラ(30)は、電動弁(15)の開度が最大であるか否かを判定する。ステップST21において、電動弁(15)の開度が最大でない場合、ステップST22において、コントローラ(30)は、電動弁(15)の開度を目標流量の方向に制御する。具体的には、ステップST22では、コントローラ(30)は、流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように電動弁(15)の開度を所定量Δαだけ変化させる。ステップST23において、水車動作点が制限曲線に到達していない場合、ステップST24において、コントローラ(30)は、水車動作点が最高効率曲線に維持されるように発電機(12)を制御する。このように、水車動作点が制限曲線に到達していない場合、ステップST22の電動弁(15)の開度の調整と、ステップST24の発電機(12)の制御とが交互に繰り返される。この制御が、第3制御や第6制御に対応する。
【0090】
ステップST23において、水車動作点が制限曲線に到達している場合、ステップST25において、コントローラ(30)は、水車動作点が制限曲線に維持されるように発電機(12)を制御する。このように、水車動作点が制限曲線に到達している場合、ステップST22の電動弁(15)の開度の調整と、ステップST25の発電機(12)の制御とが交互に繰り返される。この制御が第4制御に対応する。
【0091】
ステップST21において、電動弁(15)の開度が最大であり、且つステップST26で流量(Q)が目標流量(Qo)より小さい場合、電動弁(15)の開度により流量(Q)を増大できない。したがって、この場合には、ステップST28において、コントローラ(30)は、水車動作点が目標流量(Qo)に収束するように発電機(12)を制御する。具体的には、コントローラ(30)は、発電機(12)のトルクを制御することにより、流量(Q)を増大させる。また、ステップST26において、流量(Q)が目標流量(Qo)より大きく、且つステップST27において水車動作点が制限曲線や最高効率曲線に到達していない場合にも、処理はステップST28に移行する。この場合には、発電機(12)の制御により流量(Q)が減少する。これらのステップST28の制御は、第5制御や第7制御に対応する。
【0092】
(7)実施形態の効果
第1運転において、コントローラ(30)は、流量(Q)が零より大きく第1流量(Q1)以下までの第1範囲内にある場合に、水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように発電機(12)および電動弁(15)を制御する第1制御を行う。このため、目標流量(Qo)が第1範囲内である場合には、第1制御により最大効率を得ながら流量(Q)を目標流量(Qo)に近づけることができる。
【0093】
第1運転において、コントローラ(30)は、流量(Q)が第1流量(Q1)より大きく第2流量(Q2)以下までの第2範囲内にある場合に、発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように発電機(12)および電動弁(15)を制御する第2制御を行う。このため、目標流量(Qo)が第1範囲より大きい場合にも、第2制御により、流量(Q)を目標流量(Qo)に近づけることができる。このとき、発電機(12)の出力は最大出力に近づくため、発電機(12)の発電電力を十分に確保できる。加えて、発電機(12)の出力が制限値を越えないので、発電機(12)やAC/DCコンバータ(31)や系統連系インバータ(50)において、制御上、あるいは過熱異常などの不具合が生じることを回避できる。したがって、第2範囲においても、水車動作点を確実に制御でき、流量(Q)を目標流量(Qo)に収束させることができる。
【0094】
第2制御では、流量(Q)を第2流量(Q2)に近づけるときに、電動弁(15)の開度を最大とする。電動弁(15)の開度を最大とすることで、第2範囲において発電機(12)の発電電力を増大できる。
【0095】
第2運転の第1モードにおいて、コントローラ(30)は、第3制御(第1制御に相当)、第4制御(第2制御に相当)に加えて、第5制御を実行する。第5制御では、コントローラ(30)は、流量(Q)が第5範囲内にある場合に、電動弁(15)の開度を維持しながら流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように発電機(12)を制御する。これにより、第1運転と比べて流量の調整範囲をさらに拡大できる。第5制御では、電動弁(15)の開度を調整しないので、流量(Q)を目標流量(Qo)に速やかに近づけることができる。流量調整のための発電機(12)の応答速度は、電動弁(15)の開度の制御の応答速度よりも早いためである。
【0096】
第5制御では、コントローラ(30)は、電動弁(15)の開度を最大に維持する。このため、電動弁(15)の開度が最大よりも小さい場合と比較して、発電機(12)の発電電力が大きくなる。
【0097】
第2運転の第2モードにおいて、コントローラ(30)は、流量(Q)が零より大きく第6流量以下までの第6範囲内にある場合に、水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように発電機(12)および電動弁(15)を制御する第6制御を行う。このため、目標流量(Qo)が第6範囲内である場合には、第6制御により最大効率を得ながら流量(Q)を目標流量(Qo)に近づけることができる。
【0098】
第2運転の第2モードにおいて、コントローラ(30)は、流量(Q)が第6流量(Q6)より大きく第7流量(Q7)以下までの第7範囲内にある場合に、電動弁(15)の開度を維持しながら流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように発電機(12)を制御する第7制御を行う。このため、目標流量(Qo)が第7範囲内である場合には、第7制御により流量(Q)を目標流量(Qo)に速やか近づけることができる。
【0099】
第7制御では、コントローラ(30)は、電動弁(15)の開度を最大に維持する。このため、電動弁(15)の開度が最大よりも小さい場合と比較して、発電機(12)の発電電力が大きくなる。
【0100】
水力発電システム(10)は、第1運転と第2運転を設定可能な操作部(40)(設定部)を有する。このため、オペレータは、第1運転、すなわち発電の効率を重視した運転と、第2運転、すなわち目標流量(Qo)を重視した運転とを任意に切り換えることができる。
【0101】
(6)変形例
上記実施形態においては、以下の変形例の構成としてもよい。以下には、上記実施形態と異なる点について説明する。
【0102】
(6-1)変形例1
変形例1の水力発電システム(10)は、過渡動作を行う。過渡動作は、例えば流量(Q)と目標流量(Qo)とが乖離することを示す第1条件が成立すると実行される。第1条件は、例えば流量(Q)と目標流量(Qo)との差の絶対値が所定値より大きいことである。過渡動作では、発電機(12)の制御により、流量(Q)が目標流量(Qo)に速やかに近づいた後、電動弁(15)の開度を調整する。
【0103】
図10に示すように、上述した実施形態と同様、コントローラ(30)は、水車(11)の効率または水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように発電機(12)および電動弁(15)を制御する。この制御が第6制御に対応する。
【0104】
第6制御において、水車動作点が最大効率曲線上のf1点にあるときに、第1条件が成立したとする。この場合、コントローラ(30)は、現在の電動弁(15)の開度を第1開度に維持しつつ、発電機(12)の制御することで流量(Q)を目標流量(Qo)に近づける。変形例1では、この制御が第7制御に対応する。第1開度は、電動弁(15)の最大の開度より小さい所定開度になる。したがって、水車動作点は、この第1開度に対応するシステムロスカーブ(
図10の破線)に沿うように目標流量(Qo)に近づく。水車動作点がf2点に至ることで、流量(Q)が目標流量(Qo)になる。これにより、目標流量(Qo)を速やかに満たすことができる。
【0105】
その後、第7制御において流量(Q)が目標流量(Qo)に至ると、コントローラ(30)は、流量(Q)が目標流量(Qo)を維持し且つ前記電動弁(15)の開度が最大となるように、発電機(12)および電動弁(15)を制御する。この制御が第8制御に対応する。水車動作点がf3点に至ると、電動弁(15)の開度が最大になる。その結果、発電機(12)の発電電力を増大できる。
【0106】
なお、変形例1において、コントローラ(30)は、第7制御において流量(Q)が目標流量(Qo)に至る前に第8制御を実行し、電動弁(15)の開度が最大となり且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように、電動弁(15)および発電機(12)を制御してもよい。
【0107】
(6-2)変形例2
図11に示すように、変形例2に係る水力発電システム(10)は、バイパス流路(7)と、バイパス弁(17)とを有する。バイパス流路(7)は、水車(11)を迂回するように、流路(4)に接続される。バイパス流路(7)の流入端は第1流路(5)に接続し、バイパス流路(7)の流出端は第2流路(6)に接続する。バイパス流路(7)には、バイパス弁(17)と第2流量センサ(18)とが設けられる。バイパス弁(17)は、例えば電動弁で構成される。第2流量センサ(18)は、バイパス流路(7)の水の流量を検知する。第2流量センサ(18)によって検出された流量は、コントローラ(30)に入力される。コントローラ(30)は、バイパス弁(17)の開度を制御する。
【0108】
変形例2では、バイパス弁(17)を開放することで、流量(Q)の調節範囲を拡大できる。ここで、流量(Q)は、水車(11)を通過する流量(水車側流量(Qa))と、バイパス流路(7)を通過する流量(バイパス側流量(Qb))との和になる。第1流量センサ(16)は、水車側流量(Qa)を検出する。第2流量センサ(18)は、バイパス側流量(Qb)を検出する。したがって、コントローラ(30)は、発電機(12)、電動弁(15)、およびバイパス弁(17)を制御することで、水車側流量(Qa)およびバイパス側流量(Qb)、さらには流量(Qo)を調整できる。
(6-2-1)第1バイパス制御
変形例2のコントローラ(30)は、上述した第1運転において、
図12に示すように、第1バイパス制御を行う。第1バイパス制御では、コントローラ(30)は、目標流量(Qo)が第2流量(Q2)よりも大きいときに、発電機(12)の出力が制限値に近づき、且つ電動弁(15)の開度が最大となり、且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように、発電機(12)、電動弁(15)、およびバイパス弁(17)を制御する。具体的には、
図12の例では、第1バイパス制御により、水車動作点が、制限曲線と最大システムロスカーブの交点であるb点に至るように、コントローラ(30)が、発電機(12)のトルク、電動弁(15)の開度、およびバイパス弁(17)の開度を制御する。その結果、第2流量(Q2)よりも大きい目標流量(Qo)を確保しつつ、発電機(12)の発電電力を十分に確保できる。
【0109】
第1バイパス制御では、コントローラ(30)は、電動弁(15)の開度が最大となり且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように、発電機(12)、電動弁(15)、およびバイパス弁(17)を制御してもよい。つまり、この場合には、水車動作点は最大システムロスカーブ上にあるが、制限曲線には到達しない。
【0110】
第1バイパス制御では、コントローラ(30)は、発電機(12)の出力が制限値に近づき、且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように、発電機(12)、電動弁(15)、およびバイパス弁(17)を制御してもよい。つまり、この場合には、水車動作点は制限曲線上にあるが、最大システムロスカーブには到達しない。
【0111】
(6-2-2)第2バイパス制御
変形例2のコントローラ(30)は、上述した第2運転において、
図13に示すように、第2バイパス制御を行う。第2バイパス制御では、コントローラ(30)は、目標流量(Qo)が第5流量(Q5)よりも大きいときに、電動弁(15)の開度が最大となり、且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように、発電機(12)、電動弁(15)、およびバイパス弁(17)を制御する。具体的には、
図13の例では、第2バイパス制御により、水車動作点が最大システムロスカーブ上のf点に至るように、コントローラ(30)が、発電機(12)のトルク、電動弁(15)の開度、およびバイパス弁(17)の開度を制御する。その結果、第5流量(Q5)よりも大きい目標流量(Qo)を確保しつつ、発電機(12)の発電電力を十分に確保できる。
【0112】
第2バイパス制御では、コントローラ(30)は、発電機(12)の出力が制限値に近づき、且つ電動弁(15)の開度が最大となり且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように、発電機(12)、電動弁(15)、およびバイパス弁(17)を制御してもよい。つまり、この場合には、水車動作点は最大システムロスカーブ上且つ制限曲線上に至る。
【0113】
第2バイパス制御では、コントローラ(30)は、発電機(12)の出力が制限値に近づき、且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように、発電機(12)、電動弁(15)、およびバイパス弁(17)を制御してもよい。つまり、この場合には、水車動作点は制限曲線上にあるが、最大システムロスカーブにはない。
【0114】
(6-2-3)第3バイパス制御
変形例2のコントローラ(30)は、上述した変形例1の過渡動作において、
図14に示すように、第3バイパス制御を行う。第3バイパス制御では、コントローラ(30)は、第7制御において、流量(Q)が目標流量(Qo)に至ると、流量(Q)が目標流量(Qo)を維持し且つ電動弁(15)の開度が最大となり且つ発電機(12)の出力が制限値に近づくように、発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御する。具体的には、
図14に示すように、過渡動作の第7制御により、水車動作点がf2点に至ると、コントローラ(30)は、水車動作点がb点に至るように、発電機(12)のトルク、電動弁(15)の開度、およびバイパス弁(17)の開度を制御する。これにより、目標流量(Qo)が比較的大きい場合においても、この目標流量(Qo)を速やかに満足させつつ、発電機(12)の発電電力を十分に確保できる。
【0115】
第3バイパス制御では、コントローラ(30)は、電動弁(15)の開度が最大となり且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように、発電機(12)、電動弁(15)、およびバイパス弁(17)を制御してもよい。つまり、この場合には、水車動作点は最大システムロスカーブ上にあるが、制限曲線には到達しない。
【0116】
第3バイパス制御では、コントローラ(30)は、発電機(12)の出力が制限値に近づき、且つ流量(Q)が目標流量(Qo)に近づくように、発電機(12)、電動弁(15)、およびバイパス弁(17)を制御してもよい。つまり、この場合には、水車動作点は制限曲線上にあるが、最大システムロスカーブには到達しない。
【0117】
コントローラ(30)は、第7制御において流量(Q)が目標流量(Qo)に至る前に第3バイパス制御を実行してもよい。
【0118】
(7)その他の実施形態
上述した実施形態や変形例では、以下のような構成としてもよい。
【0119】
コントローラ(30)は、発電機(12)のトルクではなく、回転数を制御することで流量(Q)を調整してもよい。
【0120】
水力発電システム(10)の設置場所は、工業用水道、中水道、下水道にも設置可能であり、上水道(1)には限定されない。
【0121】
流体機械(例えば水車(11))に供給する流体は、水には限定されない。
【0122】
コントローラ(30)は、予め記憶されたシステムロスカーブや、特性マップのデータに基づいて上述した流量(Q)を推定してもよい。
【0123】
コントローラ(30)は、水力発電システム(10)と別体に構成されてもよい。コントローラ(30)は、ネットワークを介して水力発電システム(10)と接続されるサーバ装置に設けられてもよい。
【0124】
本開示は、コントローラ(30)が実行する上述した制御を行う制御方法、およびこの制御方法を実行するためのプログラムも対象とする。
【0125】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0126】
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0127】
以上に説明したように、本開示は、水力発電システムについて有用である。
【符号の説明】
【0128】
4 流路
7 バイパス流路
10 水力発電システム
11 水車
12 発電機
15 電動弁
17 バイパス弁
30 コントローラ
Q1 第1流量
Q2 第2流量
Q3 第3流量
Q4 第4流量
Q5 第5流量
Q6 第6流量
Q7 第7流量
Qo 目標流量