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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139984
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】支持具
(51)【国際特許分類】
   E04G 17/14 20060101AFI20241003BHJP
   E02D 27/01 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E04G17/14 B
E02D27/01 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050958
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000128038
【氏名又は名称】株式会社エヌ・エス・ピー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 欣也
【テーマコード(参考)】
2D046
2E150
【Fターム(参考)】
2D046BA11
2E150HC04
2E150MA01Z
(57)【要約】
【課題】鉄筋と干渉しにくい支持具を提供する。
【解決手段】支持具100は、第1本体部10と、外側型枠配置部20と、第2本体部30と、内側型枠配置部40と、を備える。第1本体部10は、底壁11と、2つの側壁12と、を含む。底壁11および2つの側壁12は、断面視でコの字形を形成している。第2本体部30は、底壁11に結合されると共に底壁11から上方に延びる基壁31と、基壁31から延出する2つの側壁32と、を含む。基壁31および2つの側壁32は、断面視でコの字形を形成している。2つの側壁32はそれぞれ、2つの側壁12に結合されている。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートベタ基礎の外周基礎を製造するための外側型枠および内側型枠を支持する支持具であって、
水平方向に延びる底壁および前記底壁から上方に延びる2つの側壁を備え、前記底壁および前記2つの側壁が断面視でコの字形を形成している第1本体部と、
前記第1本体部に結合されており、前記外側型枠を配置するための外側型枠配置部と、
前記底壁に結合されると共に前記底壁から上方に延びる基壁および前記基壁から延出する2つの側壁を備え、前記基壁および前記2つの側壁が断面視でコの字形を形成しており、前記2つの側壁がそれぞれ前記第1本体部の前記2つの側壁に結合されている第2本体部と、
前記第2本体部の上部に結合されており、前記内側型枠を配置するための内側型枠配置部と、
を備える支持具(ただし、前記第1本体部の底壁から前記第2本体部の上部まで延びる部材を有するものを除く)。
【請求項2】
前記第1本体部の前記底壁および/もしくは前記2つの側壁は、リブを有する、
ならびに/または、
前記第2本体部の前記基壁および/もしくは前記2つの側壁は、リブを有する、
請求項1に記載の支持具。
【請求項3】
前記第1本体部は、前記2つの側壁それぞれから互いに離れる方向に延びるフランジ部をさらに備える、
および/または、
前記第2本体部は、前記2つの側壁それぞれから互いに離れる方向に延びるフランジ部をさらに備える、
請求項1または2に記載の支持具。
【請求項4】
前記第1本体部の前記2つの側壁と前記第2本体部の2つの側壁とをそれぞれ結合する少なくとも2つの補強部をさらに備える、
請求項1または2に記載の支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートベタ基礎における外周の立ち上がり部(以下、「外周基礎」と表記する。)を製造するための外側型枠および内側型枠を支持する支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
外周基礎を有する住宅用のコンクリートベタ基礎を製造する際には、金具によって外側型枠および内側型枠を支持する必要がある。このような支持具は、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1は、ベタ基礎コンクリートを打設するのに必要な高低差で型枠を支持するための第2本体部を備えたコンクリート型枠の支持具において、コンクリートの打設後に前記第2本体部を前記支持具より切り離すための分離部を設けたことを特徴とするコンクリート型枠の支持具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-356993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の支持具は、水平部12と受け部20aとの間に、受け部20aを支持する支え棒21を備えている。外周基礎の施工時には、支持具を捨てコンクリート上に設置した後に、鉄筋を配置する。特許文献1の図2に示されるように、支え棒21の位置に鉄筋が配置されることになるため、鉄筋を配置する際に、支え棒21が邪魔になることがある。
【0006】
本発明は、鉄筋と干渉しにくい支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下に掲げる態様の発明を提供する。
(項1)
コンクリートベタ基礎の外周基礎を製造するための外側型枠および内側型枠を支持する支持具であって、
水平方向に延びる底壁および前記底壁から上方に延びる2つの側壁を備え、前記底壁および前記2つの側壁が断面視でコの字形を形成している第1本体部と、
前記第1本体部に結合されており、前記外側型枠を配置するための外側型枠配置部と、
前記底壁に結合されると共に前記底壁から上方に延びる基壁および前記基壁から延出する2つの側壁を備え、前記基壁および前記2つの側壁が断面視でコの字形を形成しており、前記2つの側壁がそれぞれ前記第1本体部の前記2つの側壁に結合されている第2本体部と、
前記第2本体部の上部に結合されており、前記内側型枠を配置するための内側型枠配置部と、
を備える支持具(ただし、前記第1本体部の底壁から前記第2本体部の上部まで延びる部材を有するものを除く)。
【0008】
(項2)
前記第1本体部の前記底壁および/もしくは前記2つの側壁は、リブを有する、
ならびに/または、
前記第2本体部の前記基壁および/もしくは前記2つの側壁は、リブを有する、
項1に記載の支持具。
【0009】
(項3)
前記第1本体部は、前記2つの側壁それぞれから互いに離れる方向に延びるフランジ部をさらに備える、
および/または、
前記第2本体部は、前記2つの側壁それぞれから互いに離れる方向に延びるフランジ部をさらに備える、
項1または2に記載の支持具。
【0010】
(項4)
前記第1本体部の前記2つの側壁と前記第2本体部の2つの側壁とをそれぞれ結合する少なくとも2つの補強部をさらに備える、
項1から3のいずれか1項に記載の支持具。
【発明の効果】
【0011】
本発明の支持具は、特許文献1に記載の支え棒のような部材をなくしたとしても、コンクリートを打設したときに支持具に掛かる曲げ応力に耐えることができる構造を有している。支持具が特許文献1に記載の支え棒のような部材を備えていないことにより、支持具と鉄筋との干渉を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】支持具の使用状態を示す概略図である。
図2A】支持具の正面図である。
図2B】支持具の平面図である。
図2C】支持具の右側面図である。
図3A図2AのIIIA-IIIA線断面図である。
図3B図2AのIIIB-IIIB線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<1.支持具>
本発明の支持具100は、図1に示すように、建物(例えば、住宅)用のコンクリートベタ基礎の外周基礎を製造するための外側型枠200および内側型枠300を支持する。支持具100は、一回打ち(「一体打ち」とも呼ばれる。)工法および二回打ち工法のいずれの工法でも使用できる。なお、図1は、一回打ち工法によってコンクリートベタ基礎を製造する状態を示している。
【0014】
一回打ち工法によって外周基礎を施工する際には、まず、支持具100を地面(捨てコンクリート)上に固定し、外側型枠200を支持具100に載せる。次に、鉄筋400を配置する。その後、外側型枠200よりも屋内側に配置される内側型枠300を支持具100に載せる。内側型枠300は、コンクリート打設前に、支持具100によって、地面から浮いた状態で支持される。支持具100のうち、外側型枠200と内側型枠300との間の部分は、コンクリート内に埋設されることになる。
【0015】
二回打ち工法によって外周基礎を施工する際には、まず、支持具100を地面(捨てコンクリート)上に固定し、外側型枠200を支持具100に載せる。次に、鉄筋400を配置する。その後、ベース部のコンクリートを打設する。ベース部が硬化した後、内側型枠300を支持具100に載せる。支持具100のうち、外側型枠200と内側型枠300との間の部分は、コンクリート内に埋設されることになる。
【0016】
図2Aに示すように、支持具100は、第1本体部10と、外側型枠配置部20と、第2本体部30と、内側型枠配置部40と、2つの補強部50と、を備える。説明の便宜上、図2Aの上下方向および左右方向をそれぞれ、支持具100の上下方向および左右方向として説明する。
【0017】
<1-1.第1本体部>
第1本体部10は、左右方向に延びる長手状である。第1本体部10は、例えば、金属材料製である。第1本体部10は、高耐食溶融めっき鋼板(例えば、ZAM(登録商標)鋼板)製であることが好ましい。外周基礎の施工時には、第1本体部10上に、鉄筋400の主筋を配置するための主筋受けを配置できる。
【0018】
図2A図2Bおよび図3Aに示すように、第1本体部10は、底壁11と、2つの側壁12と、2つのフランジ部13と、を備える。
【0019】
図3Aに示すように、底壁11および2つの側壁12は、第1本体部10の長手方向に対して垂直な断面視で、コの字形を形成している。底壁11と各側壁12との間の角度αは90度であることが好ましい。また、底壁11と各側壁12との結合部分は、アール(曲面)を有していてもよい。
【0020】
底壁11は、左右方向に延びる長手状であり、後述する第2本体部30の基壁31と結合されている。図3Aに示すように、底壁11は、その短手方向の略中央に、長手方向に延びると共に上方に突出する少なくとも1つのリブ111を有する。なお、リブ111の突出方向はこれに限定されない。底壁11は、複数のリブ111を有していてもよい。
【0021】
図2Bに示すように、底壁11は、支持具100を地面に固定する固定具(例えば、釘)を挿入するための少なくとも1つの貫通穴112を有する。貫通穴112は、例えば、リブ111に設けられている。
【0022】
2つの側壁12は、底壁11の短手方向両端部からそれぞれ立ち上がっている。各側壁12は、左右方向に延びる長手状であり、後述する第2本体部30の側壁32と結合されている。
【0023】
図3Aに示すように、各側壁12は、その上下方向の略中央に、長手方向に延びると共に、相手側の側壁12から離れる方向に突出する少なくとも1つのリブ121を有する。なお、リブ121の突出方向はこれに限定されない。各側壁12は、複数のリブ121を有していてもよい。
【0024】
2つのフランジ部13は、2つの側壁12それぞれの上端に設けられており、互いに離れる方向に延出している。
【0025】
第1本体部10は、例えばプレス成型品であり、第1本体部10を構成する板材を折り曲げることによって、底壁11およびリブ111、各側壁12およびリブ121、ならびに各フランジ部13を形成できる。
【0026】
<1-2.外側型枠配置部>
図2Aおよび図2Bに示すように、外側型枠配置部20は、底壁11の左端部に、例えば溶接によって結合されている。外側型枠配置部20は、例えば、金属材料製である。外側型枠配置部20は、高耐食溶融めっき鋼板(例えば、ZAM(登録商標)鋼板)製であることが好ましい。また、外側型枠配置部20は、例えばプレス成型品である。
【0027】
外側型枠配置部20は、左右方向に延びる配置部本体21と、内側規制部22と、外側規制部23と、を備える。配置部本体21のうち、内側規制部22と外側規制部23との間の部分が、外側型枠200が載置される載置部211となる。載置部211、内側規制部22および外側規制部23は、側壁12の左端部よりも左側に位置している。
【0028】
内側規制部22は、配置部本体21の一部を右から左に切り起こすことによって形成されている。内側規制部22は、配置部本体21から上方に延びており、外側型枠200の内面に接触し、外側型枠200が内方(図1の右方向)に移動することを規制する。
【0029】
外側規制部23は、配置部本体21から上方に延びており、外側型枠200の外面に接触し、外側型枠200が外方(図1の左方向)に移動することを規制する。外側規制部23の一部は、折り曲げ可能となっている。外側規制部23の一部を折り曲げ、外側型枠200に引っ掛けることにより、外側型枠200の浮き上がりおよび外方への移動を防止できる。
【0030】
外側型枠配置部20は、除去容易部24を有する。除去容易部24は、外周基礎の施工後に、外側型枠配置部20のうち外周基礎からはみ出た部分(すなわち、載置部211、内側規制部22および外側規制部23)を外周基礎から除去しやすくするための部分である。除去容易部24は、例えば、除去容易部24の位置で折り取ることができる折取部である。このような折取部の構造としては、例えば、配置部本体21の短手方向に延びる溝やミシン目が挙げられる。除去容易部24は、内側規制部22のすぐ右側に設けられており、内側規制部22を切り起こした後に形成される開口部212と繋がっている。
【0031】
<1-3.第2本体部>
図2Aに示すように、第2本体部30は、第1本体部10から上方に延びている。一実施形態において、第2本体部30は、第1本体部10との間の角度が90度未満となるように、第1本体部10から斜め上方に延びている。第2本体部30は、例えば、金属材料製である。第2本体部30は、高耐食溶融めっき鋼板(例えば、ZAM(登録商標)鋼板)製であることが好ましい。
【0032】
図2Aおよび図3Bに示すように、第2本体部30は、基壁31と、2つの側壁32と、2つのフランジ部33と、上壁34と、を備える。
【0033】
図3Bに示すように、基壁31および2つの側壁32は、第2本体部30の長手方向に対して垂直な断面視で、コの字形を形成している。基壁31と各側壁32との間の角度βは90度であることが好ましい。また、基壁31と各側壁32との結合部分は、アール(曲面)を有していてもよい。
【0034】
基壁31は、底壁11から斜め上方に延びる長手状である。基壁31の下端部は、底壁11の右端部に、例えば溶接によって結合されている。図2Cおよび図3Bに示すように、基壁31は、その短手方向の略中央に、長手方向に延びると共に左方向に突出する少なくとも1つのリブ311を有する。なお、リブ311の突出方向はこれに限定されない。基壁31は、複数のリブ311を有していてもよい。
【0035】
2つの側壁32は、基壁31の短手方向両端部からそれぞれ左方向に延出している。各側壁32は、基壁31の長手方向に沿って延びる長手状である。図2Aに示すように、一方の側壁32の下端部は、それと同じ側に配置された側壁12の右端部に、例えば溶接によって結合されている。他方の側壁32の下端部は、それと同じ側に配置された側壁12の右端部に、例えば溶接によって結合されている。
【0036】
図3Bに示すように、各側壁32は、その略中央に、長手方向に延びると共に、相手側の側壁32から離れる方向に突出する少なくとも1つのリブ321を有する。なお、リブ321の突出方向はこれに限定されない。各側壁32は、複数のリブ321を有していてもよい。
【0037】
各フランジ部33は、2つの側壁32それぞれの左端部に設けられており、互いに離れる方向に延出している。
【0038】
上壁34は、基壁31および側壁32の上端に配置されている。一実施形態において、上壁34は、基壁31の上方部分を折り曲げることによって形成されている。各側壁32の上方部分の一部は折り曲げられ、上壁34の上面に係止されている。
【0039】
第2本体部30は、例えばプレス成型で作製することができ、第2本体部30を構成する板材を折り曲げることによって、基壁31およびリブ311、各側壁32およびリブ321、各フランジ部33ならびに上壁34を形成できる。
【0040】
<1-4.内側型枠配置部>
図2Aおよび図2Bに示すように、内側型枠配置部40は、上壁34上に、例えば溶接によって結合されている。内側型枠配置部40は、例えば、金属材料製である。内側型枠配置部40は、高耐食溶融めっき鋼板(例えば、ZAM(登録商標)鋼板)製であることが好ましい。また、内側型枠配置部40は、例えばプレス成型品である。
【0041】
内側型枠配置部40は、左右方向に延びる配置部本体41と、内側規制部42と、外側規制部43と、を備える。配置部本体41のうち、内側規制部42と外側規制部43との間の部分が、内側型枠300が載置される載置部411となる。載置部411、内側規制部42および外側規制部43は、上壁34の右端部よりも右側に位置している。
【0042】
内側規制部42は、配置部本体41の一部を左から右に切り起こすことによって形成されている。内側規制部42は、配置部本体41から上方に延びており、内側型枠300の内面に接触し、内側型枠300が内方(図1の左方向)に移動することを規制する。
【0043】
外側規制部43は、配置部本体41から上方に延びており、内側型枠300の外面に接触し、内側型枠300が外方(図1の右方向)に移動することを規制する。外側規制部43の一部は、折り曲げ可能となっている。外側規制部43の一部を折り曲げ、内側型枠300に引っ掛けることにより、内側型枠300の浮き上がりおよび外方への移動を防止できる。
【0044】
内側型枠配置部40は、除去容易部44を有する。除去容易部44は、外周基礎の施工後に、内側型枠配置部40のうち外周基礎からはみ出た部分(すなわち、載置部411、内側規制部42および外側規制部43)を外周基礎から除去しやすくするための部分である。除去容易部44は、例えば、除去容易部44の位置で折り取ることができる折取部である。このような折取部の構造としては、例えば、配置部本体41の短手方向に延びる溝やミシン目が挙げられる。除去容易部44は、内側規制部42にすぐ左側に設けられており、内側規制部42を切り起こした後に形成される開口部412と繋がっている。
【0045】
<1-5.補強部>
図2Aに示すように、各補強部50は、第1本体部10と第2本体部30とを結合している。各補強部50は、例えば、金属材料製である。各補強部50は、高耐食溶融めっき鋼板(例えば、ZAM(登録商標)鋼板)製であることが好ましい。
【0046】
一方の補強部50は、一方の側壁12および一方の側壁32と結合されており、他方の補強部50は、他方の側壁12および他方の側壁32と結合されている。各補強部50の一端部は、例えば溶接によって、各側壁12の内面および各フランジ部13に結合されており、各補強部50の他端部は、例えば溶接によって、各側壁32の内面および各フランジ部33に結合されている。なお、補強部50は、ボルトなどの固定部材を使用して側壁12および側壁32に結合されていてもよい。
【0047】
各補強部50の一端部は、各側壁12の長手方向長さの中点よりも右側の位置で各側壁12および各フランジ部13に結合されていることが好ましい。各補強部50の一端部は、各側壁12の右端部から各側壁12の長手方向長さの1/3の位置よりも右側の位置で、各側壁12および各フランジ部13に結合されていることが好ましい。また、各補強部50の他端部は、各側壁32の長手方向長さの中点よりも下方の位置で各側壁32および各フランジ部33に結合されていることが好ましい。各補強部50の他端部は、各側壁32の下端部から各側壁32の長手方向長さの1/3の位置よりも下方の位置で、各側壁32および各フランジ部33に結合されていることが好ましい。これにより、鉄筋400を配置する際に、鉄筋400が補強部50と干渉することを抑えることができる。
【0048】
<2.効果>
特許文献1の支持具は、水平部と受け部との間に支え棒を備えている。これに対し、本発明の支持具100は、そのような支え棒(すなわち、第1本体部10の底壁11から第2本体部30の上部まで延びる部材)を備えていない。その代わりに、支持具100では、第1本体部10の底壁11および2つの側壁12の成す形状を断面視でコの字形にすることによって第1本体部10の強度を向上させている。さらに、支持具100では、第2本体部30の基壁31および2つの側壁32の成す形状を断面視でコの字形とすることによって第2本体部30の強度を向上させると共に、2つの側壁32がそれぞれ、2つの側壁12に結合されている。支持具100がこのような構造であることにより、コンクリートを打設したときに、外側型枠200、内側型枠300および第2本体部30を外方に押す力がコンクリートから加えられ、その結果、第1本体部10および第2本体部30に曲げ応力が掛かったとしても、第1本体部10および第2本体部30は、その曲げ応力に耐えることができる。これにより、第2本体部30は外方に開かずその姿勢を維持できるため、内側型枠300も外方に開かないようになる。また、内側型枠300から側壁32に掛かる垂直荷重を側壁12で支持することができるため、第2本体部30が、内側型枠300から受ける垂直荷重に耐えることができる。このように、本発明の支持具100は、特許文献1に記載の支え棒のような部材をなくしたとしても、十分な強度を有している。支持具100が特許文献1に記載の支え棒のような部材を備えていないことにより、鉄筋400を配置する際に、鉄筋400が支持具100に干渉することを抑えることができる。
【0049】
第1本体部10の底壁11がリブ111を有していることにより、第1本体部10の強度を向上させることができる。
【0050】
第1本体部10の側壁12がリブ121を有していることにより、第1本体部10の強度を向上させることができる。
【0051】
第1本体部10がフランジ部13を備えることにより、第1本体部10の強度を向上させることができる。第1本体部10の強度を向上させることができる結果、側壁12の高さを抑えることができるため、支持具100が鉄筋400と干渉することをより抑えることができる。
【0052】
第2本体部30の基壁31がリブ311を有していることにより、第2本体部30の強度を向上させることができる。
【0053】
第2本体部30の側壁32がリブ321を有していることにより、第2本体部30の強度を向上させることができる。
【0054】
第2本体部30がフランジ部33を備えることにより、第2本体部30の強度を向上させることができる。第2本体部30の強度を向上させることができる結果、側壁32の長さ(基壁31からフランジ部33までの長さ)を抑えることができるため、支持具100が鉄筋400と干渉することをより抑えることができる。
【0055】
支持具100が補強部50を備えていることにより、曲げ応力に対する第1本体部10および第2本体部30の強度を向上させることができる。
【0056】
一般に、高耐食溶融めっきされた板材の価格は、高耐食溶融めっきされた棒材の価格に比べ安い。支持具100の各部位を板材から作製することにより、その板材として高耐食溶融めっき鋼板を使用できる。これにより、支持具100のコストを抑えつつ、支持具100の錆びを防止できる。
【0057】
通常の二回打ち工法では、硬化したベース部上に、巾止金具を釘で固定し、その後、巾止金具上に内側型枠300を載せる。ベース部は硬いため、巾止金具を釘で固定する作業には手間が掛かる。これに対し、本発明の支持具100は内側型枠配置部40を備えているため、ベース部が硬化した後に、内側型枠配置部40に内側型枠300を載せるだけでよい。したがって、本発明の支持具100を二回打ち工法で使用すれば、ベース部上に巾止金具を固定する作業が不要になる。
【0058】
<3.変形例>
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。以下に、本発明の変形例を説明する。以下で説明する変形例は、単独で、または、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わせて、上記実施形態に適用できる。
【0059】
(3-1)補強部50は必要に応じて設けられるものであり、支持具100は補強部50を備えていなくてもよい。また、補強部50の数は2つに限定されず、1つまたは3つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
100 支持具
200 外側型枠
300 内側型枠
10 第1本体部
11 底壁
111 リブ
12 側壁
121 リブ
13 フランジ部
20 外側型枠配置部
30 第2本体部
31 基壁
311 リブ
32 側壁
321 リブ
33 フランジ部
40 内側型枠配置部
50 補強部
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B