(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140000
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】鎮静剤製造装置
(51)【国際特許分類】
B09B 3/32 20220101AFI20241003BHJP
C04B 5/06 20060101ALI20241003BHJP
C21C 5/28 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B09B3/32
C04B5/06
C21C5/28 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050977
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】594206646
【氏名又は名称】株式会社小熊鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】小熊 靖生
【テーマコード(参考)】
4D004
4G112
4K070
【Fターム(参考)】
4D004AA12
4D004AC05
4D004BA10
4D004CA04
4D004CA07
4D004CA22
4D004CB12
4D004CB15
4D004DA08
4D004DA09
4G112JL02
4G112JM05
4K070BC04
(57)【要約】
【課題】バレル内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジの含水率の低下を加味した分の水を製紙スラッジに加水することができ、製紙スラッジの成形固化を良好に行うことができる。
【解決手段】鎮静剤Gは製紙スラッジPの成形固化物P
Fからなり、製紙スラッジが投入されるバレル1内に二個のスクリュー軸2・2を回転自在に並設し、各スクリュー軸に相互に噛み合うスクリュー羽根を設け、二個のスクリュー軸を互いに異方向の内向きに回転駆動させ、各スクリュー羽根の歯合空間で製紙スラッジを強制的に混練圧縮移送させるための回転駆動機構Kを設け、バレル内で混練圧縮移送されてくる製紙スラッジの成形固化物を排出するノズル孔3a・3a・・を有するダイスプレート3を設けてなり、バレル内で混練圧縮移送される製紙スラッジの含水率を調整する含水率調整手段4を設けてなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鋼スラグのフォーミング現象を鎮静化する鎮静剤製造装置であって、上記鎮静剤は製紙スラッジの成形固化物からなり、該製紙スラッジが投入されるバレル内に二個のスクリュー軸を回転自在に並設し、該各スクリュー軸に相互に噛み合うスクリュー羽根を設け、該二個のスクリュー軸を互いに異方向の内向きに回転駆動させ、該各スクリュー羽根の歯合空間で該製紙スラッジを強制的に混練圧縮移送させるための回転駆動機構を設け、該バレル内で混練圧縮移送されてくる該製紙スラッジの成形固化物を排出するノズル孔を有するダイスプレートを設けてなり、上記バレル内で混練圧縮移送される上記製紙スラッジの含水率を調整する含水率調整手段を設けてなることを特徴とする鎮静剤製造装置。
【請求項2】
上記バレルに投入される製紙スラッジの含水率は予め25%以上35%以下に調整され、上記含水率調整手段に上記バレル内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジの含水率の低下を加味した分の水を製紙スラッジに加水し、該製紙スラッジの含水率を上記25%以上35%以下に調整する加水手段を備えてなることを特徴とする請求項1記載の鎮静剤製造装置。
【請求項3】
上記バレルに投入される製紙スラッジの含水率は予め25%以上30%以下に調整され、上記含水率調整手段に上記バレル内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジの含水率の低下を加味した分の水を製紙スラッジに加水し、該製紙スラッジの含水率を上記25%以上30%以下に調整する加水手段を備えてなることを特徴とする請求項1記載の鎮静剤製造装置。
【請求項4】
上記製紙スラッジの混練圧縮移送の運転の初期段階において、上記バレルを加熱するヒーター機構を設けてなることを特徴とする請求項1記載の鎮静剤製造装置。
【請求項5】
上記ヒーター機構に上記バレルの温度を100℃以上140℃以下に調整するための温度制御手段を設けてなることを特徴とする請求項4記載の鎮静剤製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、鉄鋼スラグのフォーミング現象を鎮静化する鎮静剤製造装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、古紙の再生過程で生ずる製紙スラッジ(製紙屑)の成形固化物を鉄鋼スラグのフォーミング現象(泡立ち現象)を鎮静化する鎮静剤として用いることが知られており、一方、成形固化装置として、バレル内の産業廃棄物をスクリュー羽根の歯合空間で強制的に混練圧縮移送し、ダイスプレートのノズル孔より産業廃棄物の成形固化物を排出する構造のものが知られている。
【0003】
そして、上記製紙スラッジを上記成形固化装置に適用するに際し、上記製紙スラッジは60%~80%の程度の高い含水率を有しているため、製紙スラッジの成形固化に支障を来すおそれがあり、このため、各種の乾燥手段等を用いて、予め、上記バレルに投入される製紙スラッジの含水率を25%~35%程度に調整する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭57-39291号
【特許文献2】特公平5-76896号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来構造を適用する場合、バレルに投入される製紙スラッジを乾燥し、製紙スラッジの含水率を予め25%~35%程度に調整してはおくものの、バレル内での製紙スラッジの混練圧縮移送に伴う摩擦熱により製紙スラッジの含水率が25%以下となることがあり、製紙スラッジの含水率が25%以下になると、製紙スラッジにより上記ダイスプレートのノズル孔の詰まり現象が生じ、ノズル孔の詰まりにより製紙スラッジの成形固化物の排出が困難となることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、鉄鋼スラグのフォーミング現象を鎮静化する鎮静剤製造装置であって、上記鎮静剤は製紙スラッジの成形固化物からなり、該製紙スラッジが投入されるバレル内に二個のスクリュー軸を回転自在に並設し、該各スクリュー軸に相互に噛み合うスクリュー羽根を設け、該二個のスクリュー軸を互いに異方向の内向きに回転駆動させ、該各スクリュー羽根の歯合空間で該製紙スラッジを強制的に混練圧縮移送させるための回転駆動機構を設け、該バレル内で混練圧縮移送されてくる該製紙スラッジの成形固化物を排出するノズル孔を有するダイスプレートを設けてなり、上記バレル内で混練圧縮移送される上記製紙スラッジの含水率を調整する含水率調整手段を設けてなることを特徴とする鎮静剤製造装置にある。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、上記バレルに投入される製紙スラッジの含水率は予め25%以上35%以下に調整され、上記含水率調整手段に上記バレル内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジの含水率の低下を加味した分の水を製紙スラッジに加水し、該製紙スラッジの含水率を上記25%以上35%以下に調整する加水手段を備えてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記バレルに投入される製紙スラッジの含水率は予め25%以上30%以下に調整され、上記含水率調整手段に上記バレル内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジの含水率の低下を加味した分の水を製紙スラッジに加水し、該製紙スラッジの含水率を上記25%以上30%以下に調整する加水手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0008】
又、請求項4記載の発明は、上記製紙スラッジの混練圧縮移送の運転の初期段階において、上記バレルを加熱するヒーター機構を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記ヒーター機構に上記バレルの温度を100℃以上140℃以下に調整するための温度制御手段を設けてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、バレルの投入口に製紙スラッジが投入され、上記回転駆動機構によりバレル内の二個のスクリュー軸が回転駆動され、スクリュー軸はスクリュー羽根が相互に噛み合う互いに異方向の内向きに回転駆動され、各スクリュー羽根の歯合空間で製紙スラッジは強制的に混練圧縮移送され、混練圧縮により製紙スラッジの繊維は絡み合い、バレル内で混練圧縮移送されてくる製紙スラッジはダイスプレートのノズル孔から排出され、製紙スラッジは成形固化され、製紙スラッジの成形固化物としての鎮静剤を製造することができ、この際、上記バレル内で混練圧縮移送される上記製紙スラッジの含水率を調整する含水率調整手段を設けているから、上記バレル内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジの含水率の低下を加味した分の水を製紙スラッジに加水することができ、製紙スラッジの成形固化を良好に行うことができ、製紙スラッジの成形固化物としての鎮静剤の製造効率を向上することができる。
【0010】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記バレルに投入される製紙スラッジの含水率は予め25%以上35%以下に調整され、上記含水率調整手段に上記バレル内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジの含水率の低下を加味した分の水を製紙スラッジに加水し、製紙スラッジの含水率を上記25%以上35%以下に調整する加水手段を備えてなるから、上記バレル内での混練圧縮移送に伴う製紙スラッジの含水率を25%以上35%以下とすることによりノズル孔の詰まり現象を防ぐことができ、成形固化物の成形固化を確実に行うことができ、製紙スラッジの成形固化物としての鎮静剤を安定的に製造することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記バレルに投入される製紙スラッジの含水率は予め25%以上30%以下に調整され、上記含水率調整手段に上記バレル内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジの含水率の低下を加味した分の水を製紙スラッジに加水し、製紙スラッジの含水率を上記25%以上30%以下に調整する加水手段を備えることにより、上記バレル内での混練圧縮移送に伴う製紙スラッジの含水率を25%以上30%以下とすることによりノズル孔の詰まり現象を防ぐことができ、成形固化物の成形固化を一層確実に行うことができ、製紙スラッジの成形固化物としての鎮静剤を安定的に製造することができる。
【0011】
又、請求項4記載の発明にあっては、上記製紙スラッジの混練圧縮移送の運転の初期段階において、上記バレルを加熱するヒーター機構を設けてなるから、製紙スラッジの固形化を確実に行うことができ、ダイスプレートのノズル孔での製紙スラッジの詰まり現象を防ぐことができ、成形固化物の成形固化を確実に行うことができ、製紙スラッジの成形固化物としての鎮静剤を安定的に製造することができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記ヒーター機構に上記バレルの温度を100℃以上140℃以下に調整するための温度制御手段を設けてなるから、製紙スラッジの混練圧縮移送の運転の初期段階にあっては、上記バレルを温度100℃以上140℃以下に加熱し、運転開始後に上記バレル内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱によるバレルの温度上昇を加味し、過度の温度上昇にあっては、ヒーター機構の加熱動作を停止し、バレルの温度低下にあっては、ヒーター機構の加熱動作を再開し、上記バレルの温度を100℃以上140℃以下に加熱制御することができ、ダイスプレートのノズル孔での製紙スラッジの詰まり現象を防ぐことができ、成形固化物の成形固化を一層確実に行うことができ、製紙スラッジの成形固化物としての鎮静剤を安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
【
図6】本発明の実施の形態例の部分側断面図である。
【
図7】本発明の実施の形態例の構成系統説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至
図7は、本発明の鉄鋼スラグのフォーミング現象を鎮静化する鎮静剤製造装置の実施の形態例を示し、
図1、
図2、
図3、
図5、
図6の如く、1はバレルであって、バレル1は、例えば、合金鋼の鋳物からなり、機台B上に取付固定され、バレル1の側上部に粉粒状の製紙スラッジPを投入する投入口Tが形成され、バレル1内に二個のスクリュー軸2・2が回転自在に並設され、スクリュー軸2・2に相互に噛み合うスクリュー羽根2a・2aが設けられ、さらに、機台B上に二個のスクリュー軸2・2を互いに異方向の内向きに回転駆動させ、各スクリュー羽根2a・2aの歯合空間Rで製紙スラッジPを強制的に混練圧縮移送させるための回転駆動機構Kが設けられ、バレル1で混練圧縮移送されてくる製紙スラッジPの成形固化物P
Fを排出するノズル孔3a・3a・・を有するダイスプレート3を設け、これにより成形固化装置Qが構成され、上記製紙スラッジPの成形固化物P
Fとしての鎮静剤Gを製造することになる。
【0014】
この場合、上記回転駆動機構Kは、
図2、
図6の如く、機台B上に電動モータM及び一対の歯車H
1・H
1からなる歯車機構Hを設け、電動モータMにより歯車機構Hを介して二個のスクリュー軸2・2を互いに異方向の内向きに回転駆動するように構成している。
【0015】
4は含水率調整手段であって、
図3の如く、大別して、散水ノズル4a及び加水手段Cからなり、加水手段Cは、流量制御弁、流量センサ、水分計、水量算出部及び流量制御部を備えてなり、水道等の給水源Sに接続され、上記バレル1に投入される粉粒状の製紙スラッジPの含水率は予め乾燥手段等により25%以上35%以下に調整されており、この場合、含水率は重量基準含水率を示し、この含水率調整手段4の加水手段Cにより上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジPの含水率の低下を加味した分の水Wを散水ノズル4aから製紙スラッジPに加水し、製紙スラッジPの含水率を上記25%以上35%以下に調整するようにしている。
【0016】
しかして、バレル1内で混練圧縮移送される製紙スラッジPの含水率は上記水分計により測定され、上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジPの含水率の低下を加味した分の水Wを水量算出部により算出し、流量センサを用いて流量制御部により流量制御弁を制御し、製紙スラッジPに加水して製紙スラッジPの含水率を上記25%以上35%以下に調整するように構成している。
【0017】
この場合、含水率調整手段4を構成する水分計として、例えば、赤外線水分計が用いられ、赤外線水分計とは試料としての製紙スラッジPを赤外線照射により加熱乾燥し、乾燥前の試料の質量を計量し、水分の蒸発による乾燥後の試料の質量を計量し、減量分を水分とみなして含水率を測定するものである。
【0018】
この場合、上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う製紙スラッジPの含水率を25%以上35%以下とする理由は、含水率が25%未満になると上記バレル1で混練圧縮移送されてくる製紙スラッジPの成形固化物PFを排出するダイスプレート3のノズル孔3a・3a・・の詰まり現象が生じ、ノズル孔3a・3a・・の詰まりにより製紙スラッジPの成形固化物PFの排出が困難となるからであり、一方、含水率が35%を超えると成形固化物PFが緩くなって固まらず、製紙スラッジPの成形固化が困難となるからである。
【0019】
尚、上記製紙スラッジPの含水率にあっては、含水率の上限を30%以下、すなわち、含水率を25%以上30%以下とすることがより望ましく、含水率の上限を30%以下とすることにより、ダイスプレート3のノズル孔3a・3a・・での製紙スラッジPの詰まり現象を防ぐことができ、製紙スラッジPの成形固化を良好に行うことができ、製紙スラッジPの成形固化物PFとしての鎮静剤Gを安定的に製造することができる。
【0020】
Dはヒーター機構であって、
図1、
図2の如く、上記バレル1の外周部のダイスプレート3近傍位置に設けられ、上記製紙スラッジPの混練圧縮移送の運転の初期段階において上記バレル1を加熱するように構成されている。このバレル1を加熱する理由は、例えば、運転の初期段階にあっては、上記バレル1の温度は低いため、製紙スラッジPの固形化が困難となり、温度が高過ぎると、上記バレル1内の製紙スラッジPが乾燥し、ダイスプレート3のノズル孔3a・3a・・での製紙スラッジPの詰まり現象が生ずるからである。
【0021】
この場合、
図1、
図3の如く、上記ヒーター機構Dに上記バレル1の温度を100℃以上140℃以下に調整するための温度制御手段Eが設けられ、温度制御手段Eは温度センサ及び温度制御部を備えてなり、製紙スラッジPの混練圧縮移送の運転の初期段階にあっては、上記バレル1を温度100℃以上140℃以下に加熱し、運転開始後に上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱によるバレル1の温度上昇を加味し、過度の温度上昇にあっては、ヒーター機構Dの加熱動作を停止し、バレル1の温度低下にあっては、ヒーター機構Dの加熱動作を再開し、上記バレル1の温度を100℃以上140℃以下に加熱制御するように構成している。このバレル1を温度100℃以上140℃以下とする理由は、バレル1が温度100℃未満になると、製紙スラッジPの固形化が困難となり、加熱温度が140℃を超えると上記バレル1内の製紙スラッジPが乾燥し、ダイスプレート3のノズル孔3a・3a・・での製紙スラッジPの詰まり現象が生ずることがあるからである。
【0022】
この実施の形態例は上記構成であるから、
図1、
図7の如く、バレル1の投入口Tに製紙スラッジPが投入され、上記回転駆動機構Kによりバレル1内の二個のスクリュー軸2・2が回転駆動され、スクリュー軸2・2はスクリュー羽根2a・2aが相互に噛み合う互いに異方向の内向きに回転駆動され、各スクリュー羽根2a・2aの歯合空間Rで製紙スラッジPは強制的に混練圧縮移送され、混練圧縮により製紙スラッジPの繊維は絡み合い、バレル1内で混練圧縮移送されてくる製紙スラッジPはダイスプレート3のノズル孔3a・3a・・から排出され、製紙スラッジPは成形固化され、製紙スラッジPの成形固化物P
Fとしての鎮静剤Gを製造することになる。
【0023】
この際、上記バレル1内で混練圧縮移送される上記製紙スラッジPの含水率を調整する含水率調整手段4を設けているから、上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジPの含水率の低下を加味した分の水Wを製紙スラッジPに加水することができ、製紙スラッジPの成形固化を良好に行うことができ、製紙スラッジPの成形固化物PFとしての鎮静剤Gの製造効率を向上することができる。
【0024】
この場合、上記バレル1に投入される製紙スラッジPの含水率は予め25%以上35%以下に調整され、上記含水率調整手段4に上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジPの含水率の低下を加味した分の水Wを製紙スラッジPに加水し、製紙スラッジPの含水率を上記25%以上35%以下に調整する加水手段Cを備えてなるから、上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う製紙スラッジPの含水率を25%以上35%以下とすることによりノズル孔3a・3a・・の詰まり現象を防ぐことができ、成形固化物PFの成形固化を確実に行うことができ、製紙スラッジPの成形固化物PFとしての鎮静剤Gを安定的に製造することができる。
【0025】
この際、上記バレル1に投入される製紙スラッジPの含水率は予め25%以上30%以下に調整され、上記含水率調整手段4に上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱による製紙スラッジPの含水率の低下を加味した分の水Wを製紙スラッジPに加水し、製紙スラッジPの含水率を上記25%以上30%以下に調整する加水手段Cを備えることにより、上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う製紙スラッジPの含水率を25%以上30%以下とすることによりノズル孔3a・3a・・の詰まり現象を防ぐことができ、成形固化物PFの成形固化を一層確実に行うことができ、製紙スラッジPの成形固化物PFとしての鎮静剤Gを安定的に製造することができる。
【0026】
この場合、
図1、
図2の如く、上記製紙スラッジPの混練圧縮移送の運転の初期段階において、上記バレル1を加熱するヒーター機構Dを設けてなるから、製紙スラッジPの固形化を確実に行うことができ、ダイスプレート3のノズル孔3a・3a・・での製紙スラッジPの詰まり現象を防ぐことができ、成形固化物P
Fの成形固化を確実に行うことができ、製紙スラッジPの成形固化物P
Fとしての鎮静剤Gを安定的に製造することができ、又、この場合、
図1、
図3の如く、上記ヒーター機構Dに上記バレル1の温度を100℃以上140℃以下に調整するための温度制御手段Eを設けてなるから、製紙スラッジPの混練圧縮移送の運転の初期段階にあっては、上記バレル1を温度100℃以上140℃以下に加熱し、運転開始後に上記バレル1内での混練圧縮移送に伴う摩擦熱によるバレル1の温度上昇を加味し、過度の温度上昇にあっては、ヒーター機構Dの加熱動作を停止し、バレル1の温度低下にあっては、ヒーター機構Dの加熱動作を再開し、上記バレル1の温度を100℃以上140℃以下に加熱制御することができ、ダイスプレート3のノズル孔3a・3a・・での製紙スラッジPの詰まり現象を防ぐことができ、成形固化物P
Fの成形固化を一層確実に行うことができ、製紙スラッジPの成形固化物P
Fとしての鎮静剤Gを安定的に製造することができる。
【0027】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、鎮静剤G、歯合空間R、製紙スラッジP、成形固化物PF、回転駆動機構K、加水手段C、ヒーター機構D、温度制御手段E、バレル1、スクリュー軸2・2、スクリュー羽根2a・2a、ダイスプレート3、ノズル孔3a、含水率調整手段4等は適宜変更して設計されるものである。
【0028】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0029】
G 鎮静剤
R 歯合空間
P 製紙スラッジ
PF 成形固化物
K 回転駆動機構
W 水
C 加水手段
D ヒーター機構
E 温度制御手段
1 バレル
2 スクリュー軸
2a スクリュー羽根
3 ダイスプレート
3a ノズル孔
4 含水率調整手段