(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140009
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】光学測定装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050990
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】森下 直計
(72)【発明者】
【氏名】近藤 房宣
(72)【発明者】
【氏名】大谷 麻侑
【テーマコード(参考)】
2G043
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043BA16
2G043CA07
2G043DA05
2G043DA06
2G043EA01
2G043JA03
2G043LA02
(57)【要約】
【課題】設置面積を小さくしつつ、測定精度の低下を抑制することができる光学測定装置を提供する。
【解決手段】光学測定装置1は、イムノクロマト試験デバイス100を保持する保持部4と、保持部4に対してZ軸方向における一方の側に配置されており、Y軸方向に沿って保持部4に対して相対的に往復移動する光学ヘッド8と、Z軸方向を厚さ方向として、光学ヘッド8に対してZ軸方向における一方の側に配置された第1配線基板11を有する制御部10と、を備える。光学ヘッド8は、制御部10と電気的に接続されており、イムノクロマト試験デバイス100に照射される励起光を出射する発光素子と、制御部10と電気的に接続されており、イムノクロマト試験デバイス100から発せられた蛍光を検出する受光素子と、を有する。第1配線基板11は、Z軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の少なくとも一部を含んでいる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を保持する保持部と、
前記保持部に対して第1方向における一方の側に配置されており、前記第1方向に垂直な第2方向に沿って前記保持部に対して相対的に往復移動する光学ヘッドと、
前記第1方向を厚さ方向として、前記光学ヘッドに対して前記第1方向における前記一方の側に配置された第1配線基板を有する制御部と、を備え、
前記光学ヘッドは、
前記制御部と電気的に接続されており、前記試料に照射される第1光を出射する発光素子と、
前記制御部と電気的に接続されており、前記試料から発せられた第2光を検出する受光素子と、を有し、
前記第1配線基板は、前記第1方向から見た場合に、前記光学ヘッドの少なくとも一部を含んでいる、光学測定装置。
【請求項2】
前記光学ヘッドは、前記第2方向に沿って往復移動し、
前記第1配線基板は、前記第1方向から見た場合に、前記光学ヘッドの往復移動領域の少なくとも一部を含んでいる、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項3】
前記第1配線基板は、前記第1方向から見た場合に、前記光学ヘッドの前記往復移動領域の全体を含んでいる、請求項2に記載の光学測定装置。
【請求項4】
前記第1配線基板は、前記第1方向から見た場合に前記光学ヘッドを含むグランド電極を有する、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項5】
前記受光素子は、前記発光素子に対して、前記第1方向及び前記第2方向の両方向に垂直な第3方向における一方の側に配置されており、
前記光学ヘッドは、前記第3方向における前記一方の側から前記受光素子を覆っている金属カバーを更に有し、
前記金属カバーは、グランド電位に接続されている、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項6】
前記光学ヘッドは、前記制御部及び前記受光素子のそれぞれと電気的に接続された電流電圧変換器を更に有し、
前記金属カバーは、前記第3方向における前記一方の側から前記受光素子及び前記電流電圧変換器を覆っている、請求項5に記載の光学測定装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第3方向を厚さ方向として、前記光学ヘッドに対して前記第3方向における他方の側に配置された第2配線基板を更に有する、請求項5に記載の光学測定装置。
【請求項8】
前記第2配線基板は、前記第3方向から見た場合に前記光学ヘッドを含むグランド電極を有する、請求項7に記載の光学測定装置。
【請求項9】
前記第2方向に延在しており、前記光学ヘッドの往復移動を案内する案内軸を更に備え、
前記案内軸は、グランド電位に接続されている、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項10】
駆動軸としてナット部材を有する駆動源を更に備え、
前記光学ヘッドは、前記第2方向に延在しており且つ前記ナット部材と螺合しているネジ軸を更に有し、
前記ネジ軸は、グランド電位に接続されている、請求項1に記載の光学測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イムノクロマト試験デバイス等の試料について、光学的な測定を実施するための光学測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イムノクロマト試験デバイス等の試料について、光学的な測定を実施するための光学測定装置として、試料を保持する保持部と、試料に照射される励起光を出射すると共に試料から発せられた蛍光を検出する光学ヘッドと、光学ヘッドと電気的に接続された制御部と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような光学測定装置には、設置面積が大きくなりやすいという課題や、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響によって測定精度が低下しやすいという課題が存在する。
【0005】
本発明は、設置面積を小さくしつつ、測定精度の低下を抑制することができる光学測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学測定装置は、[1]「試料を保持する保持部と、前記保持部に対して第1方向における一方の側に配置されており、前記第1方向に垂直な第2方向に沿って前記保持部に対して相対的に往復移動する光学ヘッドと、前記第1方向を厚さ方向として、前記光学ヘッドに対して前記第1方向における前記一方の側に配置された第1配線基板を有する制御部と、を備え、前記光学ヘッドは、前記制御部と電気的に接続されており、前記試料に照射される第1光を出射する発光素子と、前記制御部と電気的に接続されており、前記試料から発せられた第2光を検出する受光素子と、を有し、前記第1配線基板は、前記第1方向から見た場合に、前記光学ヘッドの少なくとも一部を含んでいる、光学測定装置」である。
【0007】
上記[1]に記載の光学測定装置では、第1方向において保持部、光学ヘッド及び第1配線基板がこの順序で並んでいる。これにより、第1配線基板に対して保持部が設置面側に位置するように設置面上に光学測定装置を設置することで、光学測定装置の設置面積を小さくすることができる。また、光学ヘッドが設置面と第1配線基板との間に位置することになるため、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッドに及ぶのを抑制することができる。よって、上記[1]に記載の光学測定装置によれば、設置面積を小さくしつつ、測定精度の低下を抑制することができる。
【0008】
本発明の光学測定装置は、[2]「前記光学ヘッドは、前記第2方向に沿って往復移動し、前記第1配線基板は、前記第1方向から見た場合に、前記光学ヘッドの往復移動領域の少なくとも一部を含んでいる、上記[1]に記載の光学測定装置であってもよい。当該[2]に記載の光学測定装置によれば、光学ヘッドが往復移動する場合に、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッドに及ぶのを確実に抑制することができる。
【0009】
本発明の光学測定装置は、[3]「前記第1配線基板は、前記第1方向から見た場合に、前記光学ヘッドの前記往復移動領域の全体を含んでいる、上記[2]に記載の光学測定装置」であってもよい。当該[3]に記載の光学測定装置によれば、光学ヘッドが往復移動する場合に、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッドに及ぶのをより確実に抑制することができる。
【0010】
本発明の光学測定装置は、[4]「前記第1配線基板は、前記第1方向から見た場合に前記光学ヘッドを含むグランド電極を有する、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の光学測定装置」であってもよい。当該[4]に記載の光学測定装置によれば、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッドに及ぶのをより確実に抑制することができる。
【0011】
本発明の光学測定装置は、[5]「前記受光素子は、前記発光素子に対して、前記第1方向及び前記第2方向の両方向に垂直な第3方向における一方の側に配置されており、前記光学ヘッドは、前記第3方向における前記一方の側から前記受光素子を覆っている金属カバーを更に有し、前記金属カバーは、グランド電位に接続されている、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の光学測定装置」であってもよい。当該[5]に記載の光学測定装置によれば、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響を受けやすい受光素子が金属カバーによって電磁的にシールドされるため、測定精度の低下をより確実に抑制することができる。
【0012】
本発明の光学測定装置は、[6]「前記光学ヘッドは、前記制御部及び前記受光素子のそれぞれと電気的に接続された電流電圧変換器を更に有し、前記金属カバーは、前記第3方向における前記一方の側から前記受光素子及び前記電流電圧変換器を覆っている、上記[5]に記載の光学測定装置」であってもよい。当該[6]に記載の光学測定装置によれば、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響を受けやすい受光素子及び電流電圧変換器が金属カバーによって電磁的にシールドされるため、測定精度の低下をより確実に抑制することができる。
【0013】
本発明の光学測定装置は、[7]「前記制御部は、前記第3方向を厚さ方向として、前記光学ヘッドに対して前記第3方向における他方の側に配置された第2配線基板を更に有する、上記[5]又は[6]に記載の光学測定装置」であってもよい。当該[7]に記載の光学測定装置によれば、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が金属カバーとは反対側から光学ヘッドに及ぶのを抑制することができる。
【0014】
本発明の光学測定装置は、[8]「前記第2配線基板は、前記第3方向から見た場合に前記光学ヘッドを含むグランド電極を有する、上記[7]に記載の光学測定装置」であってもよい。当該[8]に記載の光学測定装置によれば、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が金属カバーとは反対側から光学ヘッドに及ぶのをより確実に抑制することができる。
【0015】
本発明の光学測定装置は、[9]「前記第2方向に延在しており、前記光学ヘッドの往復移動を案内する案内軸を更に備え、前記案内軸は、グランド電位に接続されている、上記[1]~[8]のいずれか一つに記載の光学測定装置」であってもよい。当該[9]に記載の光学測定装置によれば、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッドに及ぶのをより確実に抑制することができる。
【0016】
本発明の光学測定装置は、[10]「駆動軸としてナット部材を有する駆動源を更に備え、前記光学ヘッドは、前記第2方向に延在しており且つ前記ナット部材と螺合しているネジ軸を更に有し、前記ネジ軸は、グランド電位に接続されている、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の光学測定装置」であってもよい。当該[10]に記載の光学測定装置によれば、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッドに及ぶのをより確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、設置面積を小さくしつつ、測定精度の低下を抑制することができる光学測定装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】
図1に示される光学測定装置の断面図である。
【
図3】
図2に示される保持部及び収容部の平面図である。
【
図6】
図2に示される支持ユニット、光学ヘッド、及び駆動源の底面図である。
【
図9】
図1に示される光学測定装置の使用方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1に示されるように、光学測定装置1は、筐体2を備えている。筐体2は、一対の側壁21,22、前壁23、後壁24、下壁25、及び上壁26を有している。一対の側壁21,22は、X軸方向(第3方向)において向かい合っている。前壁23及び後壁24は、Y軸方向(第2方向)において向かい合っている。下壁25及び上壁26は、Z軸方向(第1方向)において向かい合っている。筐体2は、例えば、樹脂の一体成型品によって構成されている。本実施形態では、Y軸方向における一方の側を前側といい、Y軸方向おける他方の側を後側という。また、Z軸方向おける一方の側を上側といい、Z軸方向における他方の側を下側という。
【0021】
前壁23は、上側の縁が下側の縁に対して後側に位置するように傾斜している。前壁23には、開口23aが形成されている。前壁23の内側には、開口23aを塞ぐようにタッチパネル3が配置されている。タッチパネル3は、各種の情報を表示し、また、各種の指示の入力を受け付ける。筐体2における前壁23と下壁25との間には、開口2aが形成されている。光学測定装置1では、試料であるイムノクロマト試験デバイス100(
図2参照)を保持する保持部4が開口2aを介して抜き差しされる。
【0022】
図2に示されるように、筐体2内には、Z軸方向を厚さ方向とする板状のベース5が配置されている。ベース5は、一対の側壁21,22に固定されている。ベース5には、開口5aが形成されている。ベース5は、例えば、金属プレートである。
【0023】
筐体2内の領域のうちベース5の下側の領域には、保持部4を収容する収容部6が配置されている。収容部6は、ベース5に固定されている。
図2及び
図3に示されるように、収容部6は、一対の側壁61,62、及び下壁63を有している。一対の側壁61,62は、X軸方向において向かい合っている。下壁63は、Z軸方向においてベース5と向かい合っている。収容部6は、例えば、樹脂の一体成型品によって構成されている。側壁61は、案内面61aを有している。案内面61aは、Z軸方向においてベース5と向かい合っており、Y軸方向に延在している。側壁62は、案内面62aを有している。案内面62aは、Z軸方向においてベース5と向かい合っており、Y軸方向に延在している。
【0024】
保持部4は、一対の側壁41,42、下壁43、及び引手部44を有している。一対の側壁41,42は、X軸方向において向かい合っている。下壁43は、Z軸方向においてベース5と向かい合っている。引手部44は、下壁43の前端部に設けられている。保持部4は、例えば、樹脂の一体成型品によって構成されている。側壁41には、突縁部41aが設けられている。突縁部41aは、側壁41の上端部から外側(側壁42とは反対側)に突出しており、Y軸方向に延在している。側壁42には、突縁部42aが設けられている。突縁部42aは、側壁42の上端部から外側(側壁41とは反対側)に突出しており、Y軸方向に延在している。下壁43には、開口43aが形成されており、開口43aには、光透過部材49が嵌められている。
【0025】
保持部4の一対の側壁41,42は、収容部6の一対の側壁61,62の間に配置されている。保持部4の突縁部41aは、収容部6の案内面61a上に配置されており、保持部4の突縁部42aは、収容部6の案内面62a上に配置されている。これにより、保持部4は、収容部6に案内されてY軸方向に沿って移動し、オープン状態及びクローズ状態のそれぞれの状態になる。オープン状態とは、保持部4の引手部44が筐体2の開口2aに対して前側に位置し且つ保持部4の下壁43が筐体2外に露出した状態である。クローズ状態とは、保持部4の引手部44が筐体2の開口2aの内側に位置し且つ保持部4の下壁43が筐体2内に収容された状態である。
【0026】
図3に示されるように、収容部6の各案内面61a,62aには、複数の付勢部64が設けられている。複数の付勢部64は、各案内面61a,62aにおいてY軸方向に並んでいる。複数の付勢部64は、クローズ状態にある保持部4の一対の突縁部41a,42aがベース5(
図2参照)に接触するように一対の突縁部41a,42aを付勢する。各付勢部64は、例えば、収容部6の各側壁61,62と一体で形成されたバネ状の部分である。収容部6の側壁61には、複数の付勢部65が設けられている。複数の付勢部65は、側壁61においてY軸方向に並んでいる。複数の付勢部65は、クローズ状態にある保持部4の側壁42が収容部6の側壁62に接触するように保持部4の側壁41を付勢する。各付勢部65は、例えば、収容部6の側壁61に設置されたボールプランジャである。
【0027】
これにより、クローズ状態にある保持部4が、特にZ軸方向及びX軸方向において高精度に位置決めされる。後述するように、光学測定装置1では、イムノクロマト試験デバイス100(
図2参照)が保持部4において高精度に位置決めされた状態で保持されるため、イムノクロマト試験デバイス100を保持する保持部4がクローズ状態にある場合には、イムノクロマト試験デバイス100が、特にZ軸方向及びX軸方向において高精度に位置決めされる。
【0028】
図4及び
図5に示されるように、イムノクロマト試験デバイス100は、本体部101、試験片102、及びバーコード103を有している。本体部101は、試験片102を収容している。本体部101は、例えば、矩形板状に形成されている。試験片102は、ユウロピウム等の蛍光試薬で標識された検出抗体を保持している。本体部101の上壁には、二つの開口101a,101bが形成されている。開口101aは、試験片102のうち検体が滴下される滴下領域102aを外部に露出させている。開口101bは、試験片102のうち捕捉抗体が固定された測定領域102bを外部に露出させている。バーコード103は、イムノクロマト試験デバイス100の識別情報を有している。バーコード103は、本体部101の下面に設けられている。バーコード103は、測定領域102bに対して一定の位置に配置されている。一例として、バーコード103は、本体部101の下面における測定領域102bの直下の位置に配置されている。測定領域102bに対するバーコード103の位置は、複数種のイムノクロマト試験デバイス100間において一定に維持されている。
【0029】
保持部4は、イムノクロマト試験デバイス100を位置決めしつつ保持する保持機構45を更に有している。保持機構45は、ベース46、及び複数のプレート47a,47b,47c,47dを有している。一対のプレート47a,47bは、X軸方向において向かい合っている。一対のプレート47c,47dは、Y軸方向において向かい合っている。プレート47aは、X軸方向に延在するようにベース46に形成された一対のスリット46aに沿って移動可能であり、X軸方向に沿った移動範囲における任意の位置においてネジによって固定される。プレート47bは、X軸方向に延在するようにベース46に形成された一対のスリット46bに沿って移動可能であり、X軸方向に沿った移動範囲における任意の位置においてネジによって固定される。プレート47cは、Y軸方向に延在するようにベース46に形成されたスリット46cに沿って移動可能であり、Y軸方向に沿った移動範囲における任意の位置においてネジによって固定される。プレート47dは、Y軸方向に延在するようにベース46に形成されたスリット46dに沿って移動可能であり、Y軸方向に沿った移動範囲における任意の位置においてネジによって固定される。
【0030】
これにより、イムノクロマト試験デバイス100の種類が変わり、本体部101の形状が変わったとしても、測定領域102bが保持部4における一定の位置に配置されるように、保持部4にイムノクロマト試験デバイス100を保持させることができる。このとき、測定領域102bに対するバーコード103の位置が、複数種のイムノクロマト試験デバイス100間において一定に維持されているため、バーコード103も保持部4における一定の位置に配置されることになる。光学測定装置1では、測定領域102bが保持部4における一定の位置に配置された状態で、バーコード103が保持部4の光透過部材49の直上に配置される。
【0031】
図2に示されるように、収容部6内には、近接センサ66、バーコードリーダ67、及びミラー68が配置されている。近接センサ66は、収容部6の後端部に配置されている。近接センサ66は、保持部4がクローズ状態にあることを検知するためのセンサである。バーコードリーダ67及びミラー68は、収容部6の下壁63上に配置されている。バーコードリーダ67は、クローズ状態にある保持部4によって保持されたイムノクロマト試験デバイス100のバーコード103から、イムノクロマト試験デバイス100の識別情報を読み取るためのデバイスである。バーコードリーダ67から前側に出射された光は、ミラー68によって上側に反射され、保持部4の光透過部材49を透過してバーコード103に照射される。バーコード103によって下側に反射された光は、保持部4の光透過部材49を透過してミラー68によって後側に反射され、バーコードリーダ67に入射する。
【0032】
筐体2内の領域のうちベース5の上側の領域には、支持ユニット7、光学ヘッド8、及び駆動源9が配置されている。つまり、支持ユニット7、光学ヘッド8、及び駆動源9は、保持部4に対して上側に配置されている。
【0033】
図2及び
図6に示されるように、支持ユニット7は、前壁71、後壁72、及び上壁73を有している。前壁71及び後壁72は、Y軸方向において向かい合っている。上壁73は、Z軸方向においてベース5の開口5aと向かい合っている。前壁71、後壁72、及び上壁73は、例えば、樹脂の一体成型品によって構成されている。前壁71及び後壁72のそれぞれの下端部は、開口5aを跨いだ状態でベース5に固定されている。支持ユニット7は、一対の案内軸74,75を更に有している。各案内軸74,75は、ベース5と上壁73との間においてY軸方向に延在している。各案内軸74,75の前端部は、前壁71に固定されており、各案内軸74,75の後端部は、後壁72に固定されている。一対の案内軸74,75は、X軸方向に並んでいる。
【0034】
光学ヘッド8の本体部80には、一対の孔80a,80bが形成されている。光学ヘッド8は、各案内軸74,75が各孔80a,80bを摺動可能に貫通した状態で、前壁71と後壁72との間に配置されている。これにより、各案内軸74,75は、Y軸方向に沿った光学ヘッド8の往復移動を案内する。光学ヘッド8の本体部80には、ネジ軸81が固定されている。ネジ軸81は、本体部80から後壁72の開口72aを介して後側に延在している。つまり、ネジ軸81は、Y軸方向に延在している。Y軸方向から見た場合に、ネジ軸81は、一対の孔80a,80bの間(すなわち、一対の案内軸74,75の間)に位置している。
【0035】
駆動源9は、駆動軸としてナット部材91を有する駆動モータである。駆動源9は、ナット部材91の前端部が開口72aの内側に配置された状態で、後壁72の後面に固定されている。光学ヘッド8のネジ軸81は、駆動源9のナット部材91と螺合している。これにより、駆動源9のナット部材91が回転すると、光学ヘッド8がY軸方向に沿って往復移動する。なお、ベース5には、複数の支持部材51,52が固定されている。各支持部材51,52は、例えば、樹脂の一体成型品によって構成されている。タッチパネル3は、金属プレート53を介して支持部材51に固定されている。また、ベース5上には、温度センサ54が配置されている。
【0036】
図2に示されるように、筐体2内には、制御部10が配置されている。制御部10は、第1配線基板11、第2配線基板12、及び第3配線基板13を有している。第1配線基板11、第2配線基板12、及び第3配線基板13のそれぞれには、複数の電子部品が実装されている。制御部10は、タッチパネル3、近接センサ66、バーコードリーダ67、温度センサ54、後述する発光素子82、及び後述する受光素子87の各部について、各部の駆動の制御、各部から出力される信号の処理等を実施する。
【0037】
図2及び
図6に示されるように、第1配線基板11は、Z軸方向を厚さ方向として、光学ヘッド8に対して上側に配置されている。第1配線基板11は、Z軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の全体を含んでいる。光学ヘッド8の往復移動領域は、最も前側に位置する光学ヘッド8(
図2及び
図6では二点鎖線で示される光学ヘッド8)と、最も後側に位置する光学ヘッド8(
図2及び
図6では実線で示される光学ヘッド8)との間の領域である。第1配線基板11は、複数の支持部材51,52に固定されている。第1配線基板11には、測定開始音、測定終了音、警告音等を発するブザー14が実装されている。第1配線基板11は、グランド電極11aを有している。グランド電極11aは、Z軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の全体を含んでいる。一例として、グランド電極11aは、第1配線基板11の一層としてプレーン状に形成された電極である。
【0038】
第2配線基板12は、X軸方向を厚さ方向として、光学ヘッド8に対してX軸方向における所定の側に配置されている。第2配線基板12は、X軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の全体を含んでいる。第2配線基板12は、支持ユニット7の前壁71及び後壁72に固定されている。第2配線基板12には、光学ヘッド8が最も前側に位置することを検知するための近接センサ、及び光学ヘッド8が最も後側に位置することを検知するための近接センサが実装されている。第2配線基板12は、グランド電極12aを有している。グランド電極12aは、X軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の全体を含んでいる。一例として、グランド電極12aは、第2配線基板12の一層としてプレーン状に形成された電極である。
【0039】
第3配線基板13は、X軸方向を厚さ方向として、駆動源9に対して後側に配置されている。第3配線基板13は、支持部材52に固定されている。第3配線基板13には、外部配線のコネクタが接続されるポートが実装されている。当該ポートは、筐体2の後壁24に形成された開口から筐体2外に露出している。
【0040】
図7及び
図8に示されるように、光学ヘッド8は、光出射部8A及び光検出部8Bを有している。光出射部8Aは、イムノクロマト試験デバイス100の測定領域102bに照射される励起光(第1光)L1を出射する。励起光L1は、イムノクロマト試験デバイス100の蛍光試薬を励起する励起光である。光検出部8Bは、イムノクロマト試験デバイス100の測定領域102bから発せられた蛍光(第2光)L2を検出する。蛍光L2は、イムノクロマト試験デバイス100の蛍光試薬から発せられた蛍光である。なお、光学ヘッド8の本体部80は、少なくとも励起光L1に対して吸収性を有し且つ励起光L1によって自家蛍光が生じにくい材料によって形成されている。一例として、本体部80の材料は、黒色のABS樹脂、又は黒色のPOMである。
【0041】
光出射部8Aは、発光素子82、レンズ83a、光整形部材84、フィルタ85a、レンズ83b、及び受光素子86を有している。発光素子82、レンズ83a、光整形部材84、フィルタ85a、及びレンズ83bは、Z軸方向に平行な光軸上に配置されている。発光素子82、レンズ83a、光整形部材84、フィルタ85a、及びレンズ83bは、上側から下側にこの順序で並んでいる。発光素子82、レンズ83a、光整形部材84、フィルタ85a、レンズ83b、及び受光素子86は、本体部80内に収容されていると共に、本体部80によって保持されている。本体部80は、励起光L1の光路を画定している。
【0042】
発光素子82は、励起光L1を出射する。発光素子82は、例えば、砲弾型のLEDである。レンズ83aは、後段のレンズ83bにおいて励起光L1に生じる収差を補正すると共に、励起光L1の指向性を高める。光整形部材84は、スリットを有しており、当該スリットによって励起光L1を整形する。フィルタ85aは、励起光L1を選択的に透過させる。レンズ83bは、光整形部材84のスリットによって形成された励起光L1の像をイムノクロマト試験デバイス100の測定領域102bに結像する。受光素子86は、励起光L1の光路に臨むように発光素子82の前側に配置されている。受光素子86は、励起光L1の一部を検出することで、発光素子82から出射された励起光L1の光量を検知するための受光素子である。受光素子86は、例えば、PDである。
【0043】
光検出部8Bは、レンズ83c、フィルタ85b、フィルタ85c、及び受光素子87を有している。レンズ83c、フィルタ85b、フィルタ85c、及び受光素子87は、Z軸方向に対して傾斜した光軸上に配置されている。レンズ83c、フィルタ85b、フィルタ85c、及び受光素子87は、下側から上側にこの順序で並んでいる。光検出部8Bの光軸は、レンズ83cがレンズ83bに近付き且つ受光素子87が発光素子82から離れるように、Y軸方向に垂直な面に沿って傾斜している。レンズ83c、フィルタ85b、フィルタ85c、及び受光素子87は、本体部80内に収容されていると共に、本体部80によって保持されている。本体部80は、蛍光L2の光路を画定している。
【0044】
レンズ83cは、蛍光L2を受光素子87上に集光する。フィルタ85b及びフィルタ85cは、蛍光L2を選択的に透過させる。フィルタ85bは、例えば、誘電体多層膜フィルタであり、フィルタ85cは、例えば、色ガラスフィルタである。受光素子87は、蛍光L2を検出する。受光素子87は、例えば、PDである。受光素子87は、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管等であってもよい。受光素子87は、本体部80に固定された配線基板88aを介して、配線基板88aに実装された電流電圧変換器88と電気的に接続されている。
【0045】
光学ヘッド8では、光検出部8Bが光出射部8Aに対してX軸方向における一方の側(第2配線基板12(
図2参照)とは反対側)に配置されている。つまり、光学ヘッド8では、受光素子87が発光素子82に対してX軸方向における一方の側に配置されている。本体部80には、金属カバー89が取り付けられている。金属カバー89は、X軸方向における一方の側から受光素子87及び電流電圧変換器88を覆っている。金属カバー89は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれの方向から見た場合に、受光素子87及び電流電圧変換器88の全体を含んでいる。
【0046】
光学ヘッド8における電気的な接続は、次のとおりに実施されている。第1配線基板11、第2配線基板12、及び第3配線基板13は、フレキシブルプリント基板を介して、互いに電気的に接続されている。発光素子82及び配線基板88aのそれぞれは、フレキシブルプリント基板を介して、第2配線基板12と電気的に接続されている。つまり、電流電圧変換器88が制御部10及び受光素子87のそれぞれと電気的に接続されており、発光素子82及び受光素子87のそれぞれが制御部10と電気的に接続されている。タッチパネル3は、フレキシブルプリント基板を介して、第1配線基板11と電気的に接続されている。ベース5は、金属部材又はケーブルを介して、第2配線基板12のグランド電極12aと電気的に接続されている。金属プレート53は、金属部材を介して、第1配線基板11のグランド電極11aと電気的に接続されている。金属カバー89は、配線基板88a及びフレキシブルプリント基板を介して、第2配線基板12のグランド電極12aと電気的に接続されている。各案内軸74,75は、ケーブルを介して、第2配線基板12のグランド電極12aと電気的に接続されている。つまり、第1配線基板11のグランド電極11a、第2配線基板12のグランド電極12a、第3配線基板13のグランド電極、ベース5、金属プレート53、金属カバー89、及び各案内軸74,75は、グランド電位に接続されている。
【0047】
以上のように構成された光学測定装置1の使用方法について、
図9に示さるフローチャートを参照して説明する。まず、保持部4がオープン状態にされ(ステップS01)、保持部4にイムノクロマト試験デバイス100がセットされる(ステップS02)。続いて、イムノクロマト試験デバイス100の滴下領域102aに検体が滴下され(ステップS03)、保持部4がクローズ状態にされる(ステップS04)。続いて、保持部4がクローズ状態にあることが近接センサ66によって検知されると(ステップS05)、イムノクロマト試験デバイス100のバーコード103からイムノクロマト試験デバイス100の識別情報がバーコードリーダ67によって読み取られる(ステップS06)。
【0048】
続いて、イムノクロマト試験デバイス100の測定領域102bについて、光学的な測定が実施される(ステップS07)。具体的には、光学ヘッド8がY軸方向に沿って移動させられつつ、発光素子82から出射された励起光L1が測定領域102bに照射されて、測定領域102bから発せられた蛍光L2が受光素子87によって検出される。光学的な測定が実施されている間、近接センサ66から出力される信号に基づいて保持部4のクローズ状態が維持されたかが制御部10によって判定される(ステップS08)。その結果、保持部4のクローズ状態が維持された場合には、光学的な測定の結果がタッチパネル3に表示され(ステップS09)、保持部4のクローズ状態が維持されなかった場合には、エラーとの旨がタッチパネル3に表示される(ステップS10)。
【0049】
このように、光学的な測定が実施されている間、保持部4のクローズ状態が維持されたかが制御部10によって監視されるため、イムノクロマト試験デバイス100を取り違えるのを防止することができる。また、保持部4にセットされたイムノクロマト試験デバイス100の滴下領域102aに検体が滴下される際に、誤って検体が保持部4上にこぼれたとしても、下壁43の開口43aに光透過部材49が嵌められているため、こぼれた検体が収容部6内に流れ込むのを防止することができる。なお、上述した一連の使用手順は、タッチパネル3による情報の表示及びブザー14による音の発出によってユーザに報知される。
【0050】
以上説明したように、光学測定装置1では、Z軸方向において保持部4、光学ヘッド8及び第1配線基板11がこの順序で並んでいる。これにより、第1配線基板11に対して保持部4が設置面側に位置するように設置面上に光学測定装置1を設置することで、光学測定装置1の設置面積を小さくすることができる。また、光学ヘッド8が設置面と第1配線基板11との間に位置することになるため、周囲環境から発せられる電磁ノイズ(主に、50Hz、60Hzの商用周波数ノイズ)の影響が光学ヘッド8に及ぶのを抑制することができる。よって、光学測定装置1によれば、設置面積を小さくしつつ、測定精度の低下を抑制することができる。
【0051】
光学測定装置1では、第1配線基板11が、Z軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の全体を含んでいる。これにより、光学ヘッド8が往復移動する場合に、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッド8に及ぶのをより確実に抑制することができる。
【0052】
光学測定装置1では、第1配線基板11のグランド電極11aが、Z軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の全体を含んでいる。これにより、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッド8に及ぶのをより確実に抑制することができる。
【0053】
光学測定装置1では、受光素子87が、発光素子82に対して、X軸方向における一方の側に配置されており、グランド電位に接続された金属カバー89が、X軸方向における一方の側から受光素子87及び電流電圧変換器88を覆っている。これにより、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響を受けやすい受光素子87及び電流電圧変換器88が金属カバー89によって電磁的にシールドされるため、測定精度の低下をより確実に抑制することができる。
【0054】
光学測定装置1では、第2配線基板12が、X軸方向を厚さ方向として、光学ヘッド8に対してX軸方向における他方の側に配置されている。これにより、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が金属カバー89とは反対側から光学ヘッド8に及ぶのを抑制することができる。
【0055】
光学測定装置1では、第2配線基板12のグランド電極12aが、X軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の全体を含んでいる。これにより、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が金属カバー89とは反対側から光学ヘッド8に及ぶのをより確実に抑制することができる。
【0056】
光学測定装置1では、光学ヘッド8の往復移動を案内する各案内軸74,75が、グランド電位に接続されている。これにより、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッド8に及ぶのをより確実に抑制することができる。なお、少なくとも受光素子87に近い案内軸75をグランド電位に接続することが、電磁ノイズの影響を抑制する上で重要である。
【0057】
光学測定装置1では、タッチパネル3と光学ヘッド8との間に、金属プレート53が配置されている。これにより、タッチパネル3から発せられる高周波ノイズの影響が光学ヘッド8に及ぶのを抑制することができると共に、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッド8に及ぶのを抑制することができる。
【0058】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、第1配線基板11は、Z軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の少なくとも一部を含んでいればよい。また、第2配線基板12は、X軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の少なくとも一部を含んでいればよい。また、第1配線基板11のグランド電極11aは、Z軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の少なくとも一部を含んでいればよい。また、第2配線基板12のグランド電極12aは、X軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の往復移動領域の少なくとも一部を含んでいればよい。また、金属カバー89は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれの方向から見た場合に、受光素子87及び電流電圧変換器88の少なくとも一部を含んでいればよい。また、金属カバー89は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれの方向から見た場合に、受光素子87及び電流電圧変換器88の少なくとも一部に加え、発光素子82の少なくとも一部を含んでいてもよい。また、光学ヘッド8のネジ軸81は、グランド電位に接続されていてもよい。その場合、周囲環境から発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッド8に及ぶのをより確実に抑制することができる。また、駆動源9は、駆動モータを覆い且つグランド電位に接続された金属ケースを有していてもよい。その場合、駆動モータから発せられる電磁ノイズの影響が光学ヘッド8に及ぶのを抑制することができる。
【0059】
また、光学測定装置1は、保持部4及び光学ヘッド8の少なくとも一方がY軸方向に沿って往復移動するように構成されていてもよい。つまり、光学測定装置1は、光学ヘッド8がY軸方向に沿って保持部4に対して相対的に往復移動するように構成されていてもよい。その場合、第1配線基板11は、Z軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の少なくとも一部を含んでいればよい。また、第2配線基板12は、X軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の少なくとも一部を含んでいればよい。また、第1配線基板11のグランド電極11aは、Z軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の少なくとも一部を含んでいればよい。また、第2配線基板12のグランド電極12aは、X軸方向から見た場合に、光学ヘッド8の少なくとも一部を含んでいればよい。
【0060】
また、上記実施形態では、光学測定装置1が、試料からの蛍光の強度を測定する「蛍光イムノクロマトリーダ」として構成されていたが、光学測定装置1は、試料の吸光度の変化を測定する「吸光イムノクロマトリーダ」として構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…光学測定装置、4…保持部、8…光学ヘッド、9…駆動源、10…制御部、11…第1配線基板、11a…グランド電極、12…第2配線基板、12a…グランド電極、74,75…案内軸、81…ネジ軸、82…発光素子、87…受光素子、88…電流電圧変換器、89…金属カバー、91…ナット部材、100…イムノクロマト試験デバイス(試料)、L1…励起光(第1光)、L2…蛍光(第2光)。