(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140019
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電力変換装置、電力変換装置の構造及び電力変換装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20241003BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241003BHJP
H05K 7/12 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L23/36 Z
H05K7/20 B
H05K7/12 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051004
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中林 包
【テーマコード(参考)】
4E353
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
4E353AA06
4E353BB05
4E353BB07
4E353DR02
4E353DR46
4E353GG09
5E322AA01
5E322AB01
5E322AB02
5E322BA03
5E322BA05
5E322EA10
5E322EA11
5F136BA30
5F136DA27
5F136DA41
5F136EA36
5F136EA43
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
【課題】電力変換装置の小型化に伴う製造工程の煩雑化を抑制すること。
【解決手段】本開示に係る電力変換装置は、筐体と、回路基板と、電子部品と、放熱板と、を備える。前記筐体は、箱型に一体成型されている。前記回路基板は、前記筐体に結合される。前記電子部品は、前記回路基板に半田接合されるリードを有する。前記電子部品は、前記回路基板からの前記リードを介した通電により発熱する。前記放熱板は、第1面に対向して配置された前記電子部品の放熱面を当該第1面によって熱交換可能に支持する。前記放熱板は、前記第1面に交差する第2面において、前記電子部品のリードに対向する位置に、前記第2面の反対側の面であって前記第1面に交差する第3面に向かって凹む凹部が設けられている。前記放熱板は、前記第3面で熱交換可能に前記筐体に結合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型に一体成型された筐体と、
前記筐体に結合される回路基板と、
前記回路基板に半田接合されるリードを有し、前記回路基板からの前記リードを介した通電により発熱する電子部品と、
第1面に対向して配置された前記電子部品の放熱面を当該第1面によって熱交換可能に支持し、前記第1面に交差する第2面において、前記電子部品のリードに対向する位置に、前記第2面の反対側の面であって前記第1面に交差する第3面に向かって凹む凹部が設けられ、前記第3面で熱交換可能に前記筐体に結合される放熱板と、を備える
電力変換装置。
【請求項2】
絶縁性及び熱伝導性を有し、前記放熱板の前記第1面と前記電子部品の放熱面との間に配置され、前記凹部を覆うように前記放熱面より前記第3面の側から前記第2面へ向かって前記第1面に沿って延びる絶縁部材をさらに備える、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記絶縁部材は、粘着性をさらに有し、前記電子部品の前記放熱面を前記放熱板の前記第1面に固定する、
請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記放熱板の前記第1面に固定され、前記電子部品の前記放熱面とは反対側の面に接触することにより前記電子部品及び前記絶縁部材を前記放熱板に向かって付勢するバネ部材をさらに備える、
請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記回路基板は、前記放熱板の前記第2面のうちの前記凹部が設けられていない非凹部に結合される、
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記凹部の底面は、前記放熱板及び前記回路基板の間の電位差に応じた第1絶縁距離以上、前記回路基板から離間している、
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記凹部の側面は、前記放熱板及び前記リードの間の電位差に応じた第2絶縁距離以上、前記リードから離間している、
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
箱型に一体成型された筐体と、
前記筐体に結合される回路基板と、
前記回路基板に半田接合されるリードを有し、前記回路基板からの前記リードを介した通電により発熱する電子部品と、
第1面に対向して配置された前記電子部品の放熱面を当該第1面によって熱交換可能に支持し、前記第1面に交差する第2面において、前記電子部品のリードに対向する位置に、前記第2面の反対側の面であって前記第1面に交差する第3面に向かって凹む凹部が設けられ、前記第3面で熱交換可能に前記筐体に結合される放熱板と、を備える
電力変換装置の構造。
【請求項9】
放熱板の第1面に、回路基板からのリードを介した通電により発熱する電子部品の放熱面を対向させるとともに、前記放熱板の前記第1面に交差する第2面の反対側の面であって前記第1面に交差する第3面に向かって凹む前記第2面に設けられた凹部に、前記電子部品の前記リードを対向させて配置して前記電子部品を熱交換可能に前記放熱板に固定し、
前記電子部品が固定された前記放熱板の前記第2面に、前記回路基板を固定し、
前記放熱板に固定された前記電子部品の前記リード及び前記回路基板を半田接合し、
箱型に一体成型された筐体の内部に、前記電子部品及び前記回路基板が固定された前記放熱板を収容して、前記放熱板の前記第3面を熱交換可能に前記筐体に固定するとともに、前記回路基板を前記筐体に固定する、
電力変換装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置、電力変換装置の構造及び電力変換装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車などに搭載される充電器などの電力変換装置においては、例えば搭載スペースの制限から小型化には需要がある。
【0003】
例えば特許文献1には、ヒートシンク側面に発熱電子部品をバネで固定したアセンブリを筐体に固定する構造とすることにより、発熱電子部品を筐体に対して縦型に配置し、その小型化を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ヒートシンク及び発熱電子部品のアセンブリを筐体に固定した後に回路基板を組み込む場合、回路基板を筐体に組み込んだ状態で発熱電子部品と回路基板の端子との間を半田接続により接合する工程が発生し、製造工程が煩雑になるという問題があった。
【0006】
本開示が解決しようとする課題の一つは、電力変換装置の小型化に伴う製造工程の煩雑化を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る電力変換装置は、筐体と、回路基板と、電子部品と、放熱板と、を備える。前記筐体は、箱型に一体成型されている。前記回路基板は、前記筐体に結合される。前記電子部品は、前記回路基板に半田接合されるリードを有する。前記電子部品は、前記回路基板からの前記リードを介した通電により発熱する。前記放熱板は、第1面に対向して配置された前記電子部品の放熱面を当該第1面によって熱交換可能に支持する。前記放熱板は、前記第1面に交差する第2面において、前記電子部品のリードに対向する位置に、前記第2面の反対側の面であって前記第1面に交差する第3面に向かって凹む凹部が設けられている。前記放熱板は、前記第3面で熱交換可能に前記筐体に結合される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電力変換装置の小型化に伴う製造工程の煩雑化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電力変換装置の構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る電力変換装置の構成の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る電力変換装置の構成の一例を示す正面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る電力変換装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、変形例に係る電力変換装置の構成の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る電力変換装置、電力変換装置の構造及び電力変換装置の製造方法の実施の形態について説明する。
【0011】
なお、本開示の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を適宜省略する場合もある。また、同一又は略同一の部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。また、例えば図面の視認性を確保する観点から、各図面の説明において主要な構成要素だけに参照符号を付し、既出の図において前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素であっても参照符号を付していない場合もある。また、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、参照符号の末尾に英数字を付して区別している場合もある。あるいは、同一又は略同一の機能を有する複数の構成要素を区別しない場合には、参照符号の末尾に付された英数字を省略することにより統合して記載する場合もある。
【0012】
(実施形態)
まず、
図1~
図4を用いて、本実施形態に係る電力変換装置1の構成例について説明する。
図1は、実施形態に係る電力変換装置1の構成の一例を示す斜視図である。
図1は、任意の縦断面(Y-Z面)を例示する。
図2は、実施形態に係る電力変換装置1の構成の一例を示す斜視図である。
図2は、任意の横断面(Z-X面)を例示する。
図3は、実施形態に係る電力変換装置1の構成の一例を示す正面図である。なお、
図3では、筐体11の側面13の手前側(X+側)部分の図示を省略している。
図4は、実施形態に係る電力変換装置1の構成の一例を示す断面図である。
図4は、
図3のIV-IVの位置を矢印の方向に見た横断面(Y+側から見たZ-X面)を例示する。なお、
図4では、筐体11の側面13の左側(Y-側)部分の図示を省略している。
【0013】
実施形態に係る電力変換装置1は、一例として、電気自動車などに搭載され、外部電源などの電源から供給される交流電力を所定の電圧の直流電力へ変換し、変換後の直流電力をリチウムイオンバッテリなどのバッテリへ出力する車載充電器である。
【0014】
実施形態に係る電力変換装置1は、例えば、電子部品や回路基板、基板ユニットなどの複数の部品を、コネクタやカプラ、ネジ、ボルトなどの嵌合部材や半田、接着剤などを用いて結合することにより形成される。なお、実施形態に係る電力変換装置1においては、すべての部品間が結合されていなくてもよく、一部の部品間の電気的な接続や熱的な接続は、部品間の接触により実現されてもよい。また、結合又は接触する一部の部品間が絶縁又は断熱されていてもよい。
【0015】
なお、複数の部品としては、上記に限らず、電気的な接続のためのコネクタやカプラなどの端子部品、冷却部品などが含まれてもよい。冷却部品としては、ヒートシンクや熱拡散板、放熱シート、放熱ギャップフィラー、ヒートパイプなどの各種の放熱機構を適宜利用可能である。一例として、筐体11の底面15の外表面153には、熱交換可能にヒートシンクが配置されてもよい。
【0016】
実施形態に係る電力変換装置1は、筐体11、放熱板3、回路基板5、接着絶縁シート71及び電子部品9を有する。
【0017】
筐体11は、例えば箱型に一体成型され、一面(Z+側の面)のみに開口部が設けられている。なお、筐体11の側面13及び底面15は、別体に形成されて結合されることにより、筐体11を構成してもよい。
【0018】
筐体11の底面15の内表面151には、底面15に対する垂直方向(Z方向)に沿って、複数の支柱17(ボス)が設けられている。一例として、複数の支柱17は、底面15の四隅に設けられる、支柱17a~17c,17d(図示しない)を含む。複数の支柱17には、それぞれネジ穴(図示しない)が形成されており、回路基板5がネジ留め(締結)される。
【0019】
放熱板3は、略直方体、例えば平板状に形成された部材である。放熱板3は、熱伝導性を有する材料により形成される。一例として、放熱板3は、アルミニウム合金又は銅合金により形成される。放熱板3は、その長手方向が筐体11の垂直方向(Z方向)に沿うように、筐体11の内部に配置されている。筐体11の内部に配置された放熱板3は、その短手方向の一方の端面(Z-側の面)で熱交換可能に筐体11の底面15の内表面151に結合される。放熱板3は、第1側面301に対向して配置された電子部品9の放熱面(X-側の面)を、第1側面301によって熱交換可能に支持する。放熱板3は、電子部品9において発生した熱を筐体へ輸送して放熱するための部品である。ここで、放熱板3の第1側面301は、第1面の一例である。また、第1側面301に交差する、放熱板3の短手方向の一方の端面(Z+側の面)は、第2面の一例である。また、第1側面301に交差し、かつ、筐体11に結合される、放熱板3の短手方向の一方の端面(Z-側の面)は、第3面の一例である。
【0020】
なお、
図1及び
図2は、1つの放熱板3が設けられる場合を例示するが、筐体11の内部には、2つ以上の複数の放熱板3が電子部品9とともに設けられていてもよい。また、放熱板3は、平板状の形状に限らず、L字状や角U字状(コの字状)、角O字状(ロの字状)、X字状(十字状)、多角柱状に形成されていてもよいし、円柱のように一部又は全部が曲率を有していてもよい。また、放熱板3は、第1側面301及び第2側面302の少なくとも一方から、例えばX-Y面に沿って、あるいは準じた方向に延びる延設部を有していてもよい。
【0021】
放熱板3の短手方向の一方(Z+側)の面には、複数の第1凹部31が形成されている。複数の第1凹部31の数、大きさ及び位置は、後述するように、放熱板3に取り付けられる電子部品9の数及び位置に応じて決定される。
図1は、第1凹部31a~31eが設けられることにより複数の凹形状が形成された放熱板3を例示する。また、放熱板3の短手方向の一方(Z+側)の面において、複数の第1凹部31の間など第1凹部31が形成されていない複数の非凹部(凸部)には、それぞれネジ穴(図示しない)が形成されており、回路基板5がネジ留めされる。
【0022】
複数の凹形状の詳細については後述するが、複数の第1凹部31のうちの一部の第1凹部31には、同方向(Z-側)に凹む凹形状を有する第2凹部32がさらに形成されている。
図1は、第1凹部31a,31eに設けられた第2凹部32a,32cを例示する。また、
図2及び
図3は、第1凹部31cに設けられた第2凹部32bを例示する。第2凹部32a~32cのそれぞれには、穴部が設けられている。
図2は、第2凹部32bに設けられた穴部321bを例示している。また、筐体11の底面15の内表面151には、放熱板3との接触領域、本実施形態では第2凹部32a~32cのそれぞれに設けられた穴部に対応する位置に、複数の穴部が設けられている。
図2は、筐体11に放熱板3が配置された状態で第2凹部32bに設けられた穴部321bと空間的に接続され、ネジが挿入される穴部155を例示する。これらの底面15の複数の穴部には、それぞれネジ穴(図示しない)が形成されており、放熱板3がネジ留めされる。これにより、放熱板3は、その短手方向の一方(Z-側)の面で底面15に接触して熱交換可能に筐体11に固定される。
【0023】
回路基板5は、例えば、プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)である。プリント回路基板は、一例として、アルミニウム合金又は銅合金を母材として形成されたガラスエポキシ基板である。回路基板5の少なくとも一方の主面には、パターン(図示しない)が形成されたり、所定の電子部品(図示しない)が実装されたりすることにより、所定の回路構成が設けられる。ここで、回路基板5の一方の主面である第1表面501は、組み付けられた状態において、例えば電力変換装置1の上部(Z+側)の外表面を形成し、筐体11の開口部と同一方向を向く面(Z+側の面)である。また、他方の主面である第2表面503は、組み付けられた状態において、放熱板3の複数の第1凹部31に対向する面(Z-側の面)である。
【0024】
なお、実施形態に係る回路基板5は、基板ユニット、すなわち結合された複数の回路基板のうちの任意の回路基板であってもよい。また、実施形態に係る回路基板5は、トランス、変成器、リアクトル又はチョーク等の磁性体の部品、すなわち磁性部品が有する回路基板であってもよい。この磁性部品は、例えば、導体パターンが巻線を形成する基板を有し、当該基板に形成された巻線の内側及び外側に磁性体コアを貫通させて閉磁路が形成されることにより、磁性部品としての機能を有してもよい。
【0025】
回路基板5は、筐体11に結合される。このため、回路基板5において、筐体11の複数の支柱17のそれぞれに対応する位置には、穴部(図示しない)が設けられている。回路基板5は、筐体11の複数の支柱17に載置された状態で、当該複数の支柱17に対応する複数の穴部に挿入された複数のネジ23により、複数の支柱17にネジ留めされて固定される。
図1は、支柱17a,17bに対応する穴部に挿入されたネジ23a,23bによるネジ留め部分を例示する。
図2は、ネジ23aと、支柱17cに対応する穴部に挿入されたネジ23cと、のそれぞれによるネジ留め部分を例示する。
【0026】
また、回路基板5は、放熱板3に結合される。具体的には、回路基板5は、放熱板3の複数の第1凹部31の間など第1凹部31が設けられていない複数の非凹部(凸部)に結合される。このため、回路基板5において、複数の非凹部(凸部)に対応する位置には、穴部(図示しない)が設けられている。回路基板5は、当該複数の凸部に対応する複数の穴部に挿入された複数のネジ25により、放熱板3にネジ留めされて固定される。
図1、
図2及び
図3は、第1凹部31a,31bの間の非凹部に対応する穴部に挿入されたネジ25aによるネジ留め部分を例示する。
図1~
図4は、第1凹部31b,31cの間の非凹部に対応する穴部に挿入されたネジ25bによるネジ留め部分を例示する。
図1は、第1凹部31c,31dの間の非凹部に対応する穴部に挿入されたネジ25cと、第1凹部31d,31eの間の非凹部に対応する穴部に挿入されたネジ25dと、のそれぞれによるネジ留め部分を例示する。
【0027】
また、放熱板3は、筐体11に結合される。このため、回路基板5において、放熱板3の複数の第2凹部32のそれぞれ、具体的には複数の第2凹部32の複数の穴部に対応する位置には、穴部51が設けられている。当該複数の穴部51は、ドライバなどのネジ留めのための工具を挿入可能に形成される。放熱板3の複数の第2凹部32に設けられた複数の穴部に挿入された複数のネジ21が、回路基板5の複数の穴部から挿入された工具によって回転されて筐体11の底面15のネジ穴と羅合することにより、放熱板3が筐体11にネジ留めされる。
図1は、放熱板3の第2凹部32a~32cに対応する位置に設けられた穴部51a~51cを例示する。また、
図1は、穴部51aを用いてネジ留めされる、放熱板3及び筐体11の間のネジ21aによるネジ留め部分を例示する。
図2は、穴部51a,51bと、穴部51bを用いてネジ留めされる、放熱板3及び筐体11の間のネジ21bによるネジ留め部分と、を例示する。
【0028】
また、回路基板5には、電子部品9のリード93が電気的に接続される。このため、回路基板5において、電子部品9の複数のリード93のそれぞれに対応する位置には、穴部53が設けられている。電子部品9が取り付けられた放熱板3に回路基板5がネジ留めされた状態で、複数のリード93は、回路基板5に設けられた穴部53から突出することができる。複数のリード93のそれぞれは、例えば半田付けにより、回路基板5に形成されたパターン(図示しない)や実装された所定の電子部品(図示しない)といった所定の回路構成と電気的に接続される。一例として、複数のリード93は、回路基板5の穴部53から突出した部分により、回路基板5の第1表面501に設けられた所定の回路構成と半田接合される。
図3は、電子部品9b~9dのリード93b~93dに対応する位置に設けられた穴部53b~53dを例示する。
図4は、電子部品9dのリード93dに対応する位置に設けられた穴部53dを例示する。
【0029】
電子部品9は、本体91と、本体91から延びるリード93とを有する。リード93は、回路基板5に設けられた所定の回路構成に、例えば半田接合により電気的に接続される。リード93は、放熱板3の第1凹部31に対向する位置に、例えば第1凹部31に近接して配置される。電子部品9は、回路基板5からのリード93を介した通電によって自己発熱する電子部品である。電子部品9には、放熱面(X-側の面)が設けられている。あるいは、電子部品9の外表面のうちの任意の面は、放熱面として取り扱われる。
【0030】
電子部品9は、ディスクリート部品又はモジュールであり、例えば、FET(Field Effect Transistor)などの半導体素子、半導体モジュール、磁性体、コンデンサ及び遮断器などの部品である。半導体モジュールは、例えば複数の半導体素子により構成される。ここで、磁性体とは、トランスやトランス一体型プリント基板、変成器、リアクトル、チョークである。遮断器とは、リレーやヒューズである。本実施形態では、電子部品9としてFETを例示する。本実施形態では、電子部品9として電子部品9a~9hを例示する。なお、電子部品9の数や種類は任意であり、適宜設計可能である。
【0031】
電子部品9は、それぞれの放熱面が放熱板3の第1側面301に対向し、接着絶縁シート71を介して熱的に接触するように放熱板3に取り付けられる。放熱板3に固定された電子部品9は、垂直方向(Z方向)に沿って直立した状態となり、また、筐体11とは離間して接触しない。なお、電子部品9は、第1側面301に限らず、第2側面302に設けられていてもよい。
【0032】
接着絶縁シート71は、絶縁性、熱伝導性及び粘着性を有し、例えばシート状に形成された両面テープである。接着絶縁シート71は、放熱板3の第1側面301と電子部品9の放熱面(X-側の面)との間に配置される。接着絶縁シート71は、その粘着力により放熱板3の第1側面に貼付され、放熱板3とは反対側(X+側)の面において、その粘着力により電子部品9を支持する。換言すれば、接着絶縁シート71は、電子部品9の放熱面を放熱板3の第1側面301に固定する。接着絶縁シート71は、放熱板3及び電子部品9のそれぞれとの間で熱的に接触しており、電子部品9で発生した熱を放熱板3へ輸送する熱伝導部材である。ここで、接着絶縁シート71は、絶縁部材の一例である。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る電力変換装置1は、接着絶縁シート71を介して電子部品9が取り付けられた放熱板3を、筐体11に熱的に接続した構造を有する。これにより、電子部品9で発生した熱が、接着絶縁シート71及び放熱板3を介して筐体11へ輸送されるため、電子部品9の放熱を実現することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る電力変換装置1は、外部との間で熱交換可能な筐体11に対して熱的に接触させた放熱板3によって、電子部品9の放熱面を熱交換可能に支持する構造を有する。これにより、電子部品9の放熱面を筐体11の底面15に直接接触させて配置する構造に比して大型化を抑制しつつ、電子部品9の放熱に対応することができる。
【0035】
ここで、放熱板3の短手方向の一方(Z+側)の面に設けられた複数の第1凹部31の詳細について説明する。
【0036】
複数の第1凹部31のそれぞれは、放熱板3の短手方向の一方の端面(Z+側の面)において、電子部品9のリード93に対向する位置に設けられている。複数の第1凹部31のそれぞれは、第1側面301から第2側面302に亘って、放熱板3の短手方向の一方(Z+側)の面から他方(Z-側)の面に向かって凹む凹形状を有する。換言すれば、放熱板3の短手方向の一方(Z+側)の面には、それぞれが、第1側面301から第2側面302に亘って、放熱板3の短手方向の他方(Z-側)の面とは反対側(Z+側)に、すなわち回路基板5の側に突出する凸形状に形成された複数の凸部(非凹部)がもうけられている。この複数の凸部は、複数の支柱17とともに回路基板5を支持し、また、ネジ25により回路基板5にネジ留めされる。
【0037】
本開示において、複数の第1凹部31それぞれの幅とは、放熱板3の第1側面301と第2側面302との間(X方向)の長さであるとする。また、第1凹部31それぞれの長さとは、放熱板3の長手方向(Y方向)、すなわち放熱板3において複数の電子部品9が配列される方向であるとする。また、複数の第1凹部31それぞれの深さとは、放熱板3の短手方向の一方(Z+側)の端面、すなわち複数の非凹部の突出面からの長さであるとする。
【0038】
複数の第1凹部31の数は、例えば、放熱板3と回路基板5とのネジ留め部分である複数の非凹部の数に基づいて決定されればよい。
【0039】
複数の第1凹部31それぞれの大きさ及び位置は、例えば、放熱板3の大きさや放熱板3の側面に配置される電子部品9の位置に基づいて決定されればよい。
【0040】
具体的には、複数の第1凹部31それぞれの深さは、
図3及び
図4に示すように、回路基板5の第2表面503に設けられた所定の回路構成と放熱板3との間の絶縁を確保するための、放熱板3及び回路基板5の間の電位差に応じた絶縁距離L1により規定される。例えば、複数の第1凹部31それぞれの深さは、絶縁距離L1以上である。換言すれば、複数の第1凹部31それぞれの底面(Z-側の面)は、絶縁距離L1以上で、回路基板5の第2表面503から離間している。当該絶縁距離L1は、所定の回路構成の動作電圧などに応じて適宜決定されればよい。
【0041】
また、複数の第1凹部31のうちの一部の第1凹部31に設けられる第2凹部32の深さは、その穴部に放熱板3を筐体11に締結するために挿入されるネジ21のネジ頭(Z+側の端部)と、回路基板5の第2表面503に設けられた所定の回路構成との絶縁を確保するための絶縁距離L1により規定される。例えば、ネジ21のネジ頭と回路基板5の第2表面503に設けられた所定の回路構成との間の長さは、絶縁距離L1以上である。なお、ネジ21のネジ頭は、第2凹部32から、すなわち第1凹部31の底面(Z-側の面)から突出していてもよいし、突出していなくてもよい。
【0042】
また、複数の第1凹部31それぞれの長さは、
図3及び
図4に示すように、対応する位置に設けられる少なくとも1つの電子部品9のリード93と放熱板3との間の絶縁を確保するための、放熱板3及びリード93の間の電位差に応じた絶縁距離L2に基づいて規定される。なお、絶縁距離L2は、例えば放熱板3の短手方向の端面(X-Y面)上の距離であるが、紙面の都合から
図3及び
図4に分けて図示している。例えば、第1凹部31bの長さは、電子部品9bのリード93b及び電子部品9cのリード93cのそれぞれとの間が絶縁距離L2以上になるように決定される。換言すれば、複数の第1凹部31それぞれの側面(Z-X面)は、絶縁距離L2以上、リード93から離間している。具体的には、第1凹部31bの第1凹部31a側の面(Y-側のZ-X面)と、電子部品9bのリード93bとは、例えばX-Y面において、絶縁距離L2以上離間している。同様に、第1凹部31bの第1凹部31c側の面(Y+側のZ-X面)と、電子部品9cのリード93cとは、例えばX-Y面において、絶縁距離L2以上離間している。
【0043】
また、複数の第1凹部31それぞれの幅は、放熱板3の幅(X方向の長さ)により規定される。なお、放熱板3において、回路基板5の第2表面503に設けられた所定の回路構成との絶縁距離L1を確保する必要がない部分については、凹形状に形成されていなくてもよい。例えば、回路基板5の第2表面503において、放熱板3の第2側面302側(X-側)に対向する領域に所定の回路構成が設けられていない場合、その第1凹部31は、放熱板3の短手方向の一方(Z+側)の面の第1側面301側(X+側)だけに設けられていてもよい。
【0044】
なお、放熱板3に設けられた第1凹部31には、絶縁コーティングが施されていてもよい。この場合、絶縁コーティングの絶縁性能に応じて凹形状の大きさが適宜調整されればよい。
【0045】
以上のように、本実施形態に係る電力変換装置1において、放熱板3には、取り付けられる発熱電子部品端子、すなわち電子部品9のリード93に対向する部分に凹形状が設けられている。これにより、放熱板3と回路基板5との間の絶縁距離L1,L2を確保することができる。したがって、上記構成によれば、電子部品9のリード93に電気的に接続された、すなわち同電位の回路構成を回路基板5の放熱板3側の第2表面503に配置することができる。このため、上記構成によれば、回路基板5に設ける所定の回路構成の設計の自由度を向上するとともに、回路基板5における実装密度を増加させ、電力変換装置1の小型化を図ることができる。
【0046】
ここで、放熱板3における接着絶縁シート71の配置の詳細について説明する。
【0047】
接着絶縁シート71は、放熱板3において、電子部品9の放熱面より下方の底面15側(Z-側)から回路基板5へ向かって第1側面301に沿って複数の第1凹部31まで延びる。換言すれば、接着絶縁シート71は、電子部品9のリード93が近接して配置される複数の凹形状を覆うように配置されている。
【0048】
このように、本実施形態に係る電力変換装置1において、放熱板3に電子部品9を固定するための接着絶縁シート71は、放熱板3の第1凹部31を覆うように配置されている。これにより、放熱板3の第1凹部31の底面(Z-側の面)と、発熱電子部品端子、すなわち電子部品9のリード93との間(矢印A1)の絶縁を確保することができる。したがって、上記構成によれば、放熱板3と電子部品9との間を詰めることができるため、電力変換装置1の小型化を図ることができる。
【0049】
なお、回路基板5の第2表面503に設けられた、電子部品9のリード93と電気的に接続されるなど同電位の回路構成と、放熱板3とは、絶縁する必要がない。このため、接着絶縁シート71と、放熱板3の短手方向の一方(Z+側)の端面、すなわち回路基板5の第2表面503との間には、間隙75が設けられていてもよい。換言すれば、接着絶縁シート71と、回路基板5の第2表面503とは、間隙75だけ離間して接触していなくてもよい。この構成によれば、回路基板5の第2表面503に設けられた回路構成と、接着絶縁シート71との干渉を抑制することができるため、回路構成の損傷の低減や設計の自由度の向上、実装密度の増加などを図ることができる。
【0050】
次に、実施形態に係る電力変換装置1の製造方法について、
図1~
図4を用いて説明する。実施形態に係る電力変換装置1は、上記構成を有することにより、以下に説明する工程で製造することができる。
【0051】
まず、短手方向の一方(Z+側)の端面に複数の第1凹部31が形成された放熱板3を用意する。放熱板3は、平板状の板状部材の一部を除去することにより複数の第1凹部31が形成されてもよいし、平板状の板状部材に上述の複数の非凹部(凸部)を構成する部材を結合することにより形成されてもよい。なお、放熱板3の形成は、本製造方法の工程において形成されてもよいし、本製造方法の工程に先立って実施される他の方法の工程で形成されてもよい。
【0052】
次に、接着絶縁シート71を用いて、電子部品9を複数の第1凹部31が形成された放熱板3の第1側面301に固定して接着させる。このとき、電子部品9は、複数の第1凹部31に対応する位置に配置される。電子部品9の放熱面は、接着絶縁シート71を介して放熱板3の第1側面301に対向する。
【0053】
次に、回路基板5を電子部品9が固定された放熱板3の第1側面301にネジ25を用いてネジ留めする。つまり、本実施形態に係る電力変換装置1の製造工程において、回路基板5の放熱板3へのネジ留めは、回路基板5が筐体11の複数の支柱17にネジ留めされていない状態、すなわち放熱板3が筐体11に配置されていない状態で行われる。
【0054】
次に、放熱板3に固定された電子部品9のリード93を、同一の放熱板3に固定された回路基板5に対して半田付けにより接合する。つまり、本実施形態に係る電力変換装置1の製造工程において、電子部品9の回路基板5への半田付けは、回路基板5が筐体11の複数の支柱17にネジ留めされていない状態、すなわち放熱板3が筐体11に配置されていない状態で行われる。
【0055】
次に、一体に結合された放熱板3及び電子部品9を、筐体11の開口部(Z+側)から筐体11の内部に収容する。このとき、放熱板3の短手方向における回路基板5とは反対側の端面(Z-側の面)は、筐体11の底面15により支持される。また、回路基板5は、筐体11の支柱17と、放熱板3の第1凹部31が設けられていない非凹部(凸部)と、のそれぞれにより支持される。そして、ネジ21を用いて放熱板3を筐体11にネジ留めするとともに、ネジ23を用いて回路基板5を支柱17にネジ留めする。つまり、放熱板3及び回路基板5は、一体に結合された状態で筐体11へのネジ留め、すなわち固定される。
【0056】
以上の製造方法により、
図1~
図4に示す電力変換装置1が製造される。
【0057】
例えば、筐体11や放熱板3の形成においては、部品寸法にばらつきが発生する場合がある。この場合、複数の支柱17の間、放熱板3の複数の凸部の間、あるいは支柱17及び凸部の間において、高さ(Z方向長さ)が異なると、筐体11に固定された回路基板5が反ってしまうなど、半田接合部分に応力による破壊が生じるおそれがあった。このため、筐体11に放熱板3及び回路基板5を組み付けた後に半田接合を行う必要があった。また、製造後の電力変換装置1において、周囲温度などの外部環境の影響により部品寸法や形状に変化が生じた場合にも、半田接合部分に応力による破壊が生じるおそれがあった。
【0058】
このような中、上記製造方法によれば、一体に結合された放熱板3及び電子部品9を筐体11に組み込む工程では、電子部品9が固定された放熱板3に回路基板5がネジ留めされ、かつ、電子部品9が回路基板5に半田接合された状態である。したがって、当該工程では、半田接合する部材同士が固定された状態であるため、筐体11に放熱板3及び回路基板5を組み付けた後の半田接合を不要とし、その製造工程の煩雑化を抑制することができる。さらに、放熱板3及び回路基板5がネジ留めされているため、部品寸法のばらつきや外部環境影響による半田接合部分への応力発生を軽減させることができる。
【0059】
(変形例)
ここでは、
図5を用いて、本変形例に係る電力変換装置1の構成例について説明する。
図5は、変形例に係る電力変換装置1の構成の一例を示す斜視図である。なお、
図5では、回路基板5の図示を省略している。
【0060】
本変形例に係る電力変換装置1は、
図5に示すように、接着絶縁シート71に代えて絶縁シート73が用いられ、かつ、板バネ77がさらに設けられていること以外は、
図1~
図4に例示する実施形態に係る電力変換装置1と同一の構成を有する。
【0061】
絶縁シート73は、粘着性を有さないこと以外は、接着絶縁シート71と同様である。ここで、絶縁シート73は、絶縁部材の一例である。
【0062】
板バネ77は、放熱板3の電子部品9と同一面(第1側面301)に配置される。板バネ77は、ネジ27a~27dにより放熱板3の第1側面301にネジ留め、すなわち固定される。板バネ77は、押さえ部771を有する。板バネ77は、第1側面301に固定された状態で、電子部品9の放熱面とは反対側の面(X+側の面)に押さえ部771が接触することにより、電子部品9及び絶縁シート73を放熱板3に向かって付勢する。
図5は、複数の押さえ部771a~771dを有し、複数の押さえ部771a~771dにより複数の電子部品9a~9d及び絶縁シート73を付勢して放熱板3に押し付けて固定するように構成された板バネ77を例示する。なお、板バネ77は、1つの電子部品9ごとに設けられてもよいし、2以上の複数の電子部品9ごとに設けられてもよい。
【0063】
本変形例に係る電力変換装置1の製造方法において、電子部品9は、複数の第1凹部31が形成された放熱板3の第1側面301に絶縁シート73を介して、板バネ77により固定される。このとき、電子部品9の放熱面は、絶縁シート73を介して放熱板3の第1側面301に対向する。なお、本変形例に係る電力変換装置1において、上述の実施形態と同様に接着絶縁シート71が使用されてもよい。
【0064】
この構成であっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0065】
なお、上述の電力変換装置1において、放熱板3の内部には、例えば略直方体状の空間が設けられ、当該空間にリアクトルなどの他の電子部品が配置されてもよい。この場合、当該空間において電子部品及び放熱板3の間にはポッティング材が充填されてもよい。
【0066】
なお、上述の電力変換装置1において、放熱板3と回路基板5との間などの部品間の結合は、要求される強度があればよく、ネジ留めに限らず、ラッチ構造や接着剤により実現されてもよいし、これらの組合せにより実現されてもよい。
【0067】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、電力変換装置の小型化に伴う製造工程の煩雑化を抑制することができる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0069】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
(1)
箱型に一体成型された筐体と、
前記筐体に結合される回路基板と、
前記回路基板に半田接合されるリードを有し、前記回路基板からの前記リードを介した通電により発熱する電子部品と、
第1面に対向して配置された前記電子部品の放熱面を当該第1面によって熱交換可能に支持し、前記第1面に交差する第2面において、前記電子部品のリードに対向する位置に、前記第2面の反対側の面であって前記第1面に交差する第3面に向かって凹む凹部が設けられ、前記第3面で熱交換可能に前記筐体に結合される放熱板と、を備える
電力変換装置又は電力変換装置の構造。
(2)
絶縁性及び熱伝導性を有し、前記放熱板の前記第1面と前記電子部品の放熱面との間に配置され、前記凹部を覆うように前記放熱面より前記第3面の側から前記第2面へ向かって前記第1面に沿って延びる絶縁部材をさらに備える、
上記(1)に記載の電力変換装置又は電力変換装置の構造。
(3)
前記絶縁部材は、粘着性をさらに有し、前記電子部品の前記放熱面を前記放熱板の前記第1面に固定する、
上記(2)に記載の電力変換装置又は電力変換装置の構造。
(4)
前記放熱板の前記第1面に固定され、前記電子部品の前記放熱面とは反対側の面に接触することにより前記電子部品及び前記絶縁部材を前記放熱板に向かって付勢するバネ部材をさらに備える、
上記(2)に記載の電力変換装置又は電力変換装置の構造。
(5)
前記回路基板は、前記放熱板の前記第2面のうちの前記凹部が設けられていない非凹部に結合される、
上記(1)から上記(4)のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置又は電力変換装置の構造。
(6)
前記凹部の底面は、前記放熱板及び前記回路基板の間の電位差に応じた第1絶縁距離以上、前記回路基板から離間している、
上記(1)から上記(5)のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置又は電力変換装置の構造。
(7)
前記凹部の側面は、前記放熱板及び前記リードの間の電位差に応じた第2絶縁距離以上、前記リードから離間している、
上記(1)から上記(6)のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置又は電力変換装置の構造。
(8)
放熱板の第1面に、回路基板からのリードを介した通電により発熱する電子部品の放熱面を対向させるとともに、前記放熱板の前記第1面に交差する第2面の反対側の面であって前記第1面に交差する第3面に向かって凹む前記第2面に設けられた凹部に、前記電子部品の前記リードを対向させて配置して前記電子部品を熱交換可能に前記放熱板に固定し、
前記電子部品が固定された前記放熱板の前記第2面に、前記回路基板を固定し、
前記放熱板に固定された前記電子部品の前記リード及び前記回路基板を半田接合し、
箱型に一体成型された筐体の内部に、前記電子部品及び前記回路基板が固定された前記放熱板を収容して、前記放熱板の前記第3面を熱交換可能に前記筐体に固定するとともに、前記回路基板を前記筐体に固定する、
電力変換装置の製造方法。
【符号の説明】
【0070】
1 電力変換装置
11 筐体
13 側面
15 底面
151 内表面
153 外表面
155 穴部
17a,17b 支柱
21a,21b ネジ
23a~23c ネジ
25a~25d ネジ
27a~27d ネジ
3 放熱板
301 第1側面
302 第2側面
31a~31e 第1凹部
32a~32c 第2凹部
321b 穴部
5 回路基板
501 第1表面
503 第2表面
51a~51c,53b~53d 穴部
71 接着絶縁シート
73 絶縁シート
75 間隙
77 板バネ
771a~771d 押さえ部
9a~9h 電子部品
91 本体
93b~93d リード
L1,L2 絶縁距離