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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140051
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】車両用支持具
(51)【国際特許分類】
   F16B 45/00 20060101AFI20241003BHJP
   B60R 7/10 20060101ALI20241003BHJP
   B60R 7/08 20060101ALI20241003BHJP
   A47G 29/00 20060101ALI20241003BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F16B45/00 A
B60R7/10
B60R7/08 Z
A47G29/00 H
B29C45/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051038
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(71)【出願人】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彬彦
(72)【発明者】
【氏名】須崎 兼則
(72)【発明者】
【氏名】知野見 勇平
【テーマコード(参考)】
3D022
3J038
3K100
4F206
【Fターム(参考)】
3D022CA11
3D022CC11
3D022CD05
3D022CD06
3D022CD09
3J038AA01
3J038BA22
3J038BB03
3K100AA05
3K100AE20
3K100AF04
3K100AG03
3K100AH30
3K100AJ03
4F206AD03
4F206AD18
4F206AG28
4F206AH26
4F206JA07
4F206JB12
4F206JF05
4F206JL02
4F206JM04
(57)【要約】
【課題】支持対象側の荷重を、支持具を構成するボルト体を介して車両本体側に直接的に作用可能とする。
【解決手段】支持対象8の受容開放部2aを備えた主受容体2と、車両本体側5に固定されるボルト軸部3aを有すると共に前記主受容体2内にボルト頭部3bを位置させるようして前記主受容体2に組み合わされたボルト体3とを備える。前記受容開放部2aと前記ボルト体3の前記ボルト頭部3bとの間が前記主受容体2の受容空間2bとして機能するようにしてある。前記ボルト体3の前記ボルト頭部3bに、前記受容空間2b側に開放部3iを備えてその内部空間を前記受容空間2bに連続させた副受容部3jを形成させてなる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象の受容開放部を備えた主受容体と、
車両本体側に固定されるボルト軸部を有すると共に前記主受容体内にボルト頭部を位置させるようして前記主受容体に組み合わされたボルト体とを備えてなり、
前記受容開放部と前記ボルト体の前記ボルト頭部との間が前記主受容体の受容空間として機能するようにしてあると共に、
前記ボルト体の前記ボルト頭部に、前記受容空間側に開放部を備えてその内部空間を前記受容空間に連続させた副受容部を形成させてなる、車両用支持具。
【請求項2】
前記主受容体を樹脂より構成すると共に、前記ボルト体を前記主受容体の成形時のインサート物としてなる、請求項1に記載の車両用支持具。
【請求項3】
前記ボルト体の少なくとも前記副受容部に臨んだ内側面を前記樹脂によって被覆させてなる請求項2に記載の車両用支持具。
【請求項4】
前記主受容体は前記受容開放部と反対の側を基部とすると共に、前記ボルト体は前記ボルト頭部を前記主受容体内に位置させた状態で前記基部から前記ボルト軸部を突き出させてなる、請求項1に記載の車両用支持具。
【請求項5】
前記主受容体の前記受容空間に臨んだ内壁を、前記副受容部の前記開放部に近づくに連れて、前記受容空間の中心に近づく向きに傾斜させてなる、請求項1に記載の車両用支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の車室内に必要に応じて備えられて、この車室内において各種の物品を支持するために用いられる支持具の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂成形体と一体化されたボルト体を車両本体側に固定させることで車室内に備えられる支持具として特許文献1に示されるものがある。
特許文献1のものでは、前記樹脂成形体は、基部と環状部とを有し、両者を前記環状部を入り口とし前記基部の一面を奥壁とする空間を形成するように中間部によって一体化させた構造となっている。支持対象は、前記入り口を通じて前記空間内に導入され、その荷重は直接的には樹脂成形体に作用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7055114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の支持具において、支持対象側の荷重を、支持具を構成するボルト体を介して車両本体側に直接的に作用可能とする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、車両用支持具を、支持対象の受容開放部を備えた主受容体と、
車両本体側に固定されるボルト軸部を有すると共に前記主受容体内にボルト頭部を位置させるようして前記主受容体に組み合わされたボルト体とを備えてなり、
前記受容開放部と前記ボルト体の前記ボルト頭部との間が前記主受容体の受容空間として機能するようにしてあると共に、
前記ボルト体の前記ボルト頭部に、前記受容空間側に開放部を備えてその内部空間を前記受容空間に連続させた副受容部を形成させてなる、ものとした。
【0006】
前記主受容体を樹脂より構成すると共に、前記ボルト体を前記主受容体の成形時のインサート物とすることが、この発明の態様の一つとされる。
この場合さらに、前記ボルト体の少なくとも前記副受容部に臨んだ内側面を前記樹脂によって被覆させるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0007】
また、前記主受容体は前記受容開放部と反対の側を基部とすると共に、前記ボルト体は前記ボルト頭部を前記主受容体内に位置させた状態で前記基部から前記ボルト軸部を突き出させるように構成することが、この発明の態様の一つとされる。
【0008】
また、前記主受容体の前記受容空間に臨んだ内壁を、前記副受容部の前記開放部に近づくに連れて、前記受容空間の中心に近づく向きに傾斜させるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0009】
この発明にかかる車両用支持具によれば、支持対象を前記ボルト体の前記副受容部を利用して支持することができ、この支持対象側の荷重を、前記主受容体に作用させずに、前記ボルト体を介して車両本体側に直接的に作用させることができる。これにより、前記荷重が高荷重となった場合でも、主受容体の破損などが可及的に生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、この発明の一実施の形態にかかる支持具(第一例)の斜視図である。
図2図2は、前記第一例の斜視図であり、図1の下側から見て示している。
図3図3は、前記第一例の平面図である。
図4図4は、前記第一例の底面図である。
図5図5は、前記第一例の側面図である。
図6図6は、前記第一例の側面図である。
図7図7は、図3におけるA-A線位置での切断端面図である。
図8図8は、図5におけるB-B線位置での切断端面図である。
図9図9は、図5におけるC-C線位置での切断端面図である。
図10図10は、前記第一例の使用状態を示した切断端面構成図である。
図11図11は、前記第一例の使用状態を示した切断端面構成図である。
図12図12は、前記第一例の使用状態を示した斜視図である。
図13図13は、前記第一例の使用状態を示した斜視図である。
図14図14は、前記第一例の使用状態を示した斜視図である。
図15図15は、この発明の一実施の形態にかかる支持具(第二例)の使用状態を示した切断端面構成図である。
図16図16は、この発明の一実施の形態にかかる支持具(第三例)の使用状態を示した切断端面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1乃至図16に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。
図1乃至図14は実施の形態にかかる支持具の第一例を、図15は同第二例を、図16は同第三例を、それぞれ示している。なお、第二例および第三例における第一例と同一又は実質的に同一の構成部分については、図15および図16図1乃至図14において用いた符号と同一の符号を付してその説明は省略している。
【0012】
この実施の形態にかかる支持具1は、車両の車室内に必要に応じて備えられて、この車室内において各種の物品を支持するために用いられるものである。
【0013】
典型的には、かかる支持具1は、車両本体側5に形成された取り付け用の穴6を利用して、車室の壁7に備えられる(図10図15図16)。かかる支持具1は、前記壁7の壁面から後述の主受容体2を突き出すようにして、備えられる。
このように備えられる支持具1を利用して、支持対象8としての買い物袋などを前記壁7に直接的に吊り下げることができる。
また、図12及び図13に示されるように、支持対象8としてのハンガー9やS字フック10などを介して間接的に、各種物品を前記壁7に吊り下げることができる。
また、図14に示されるように、車室内の左右の壁7にそれぞれ、本支持具1を備えさせるようにしておけば、左右の壁7に備えられた本支持具1を利用して、支持対象8としての棚板状体11を車室内に支持することができる。
また、本支持具1は、前記主受容体2の後述の受容空間2bにおいて、図10および図11に示されるように、支持対象8としての棒状体8aの端部を車室内において支持することもできる。
また、本支持具1は、後述の副受容部3jによって、前記主受容体2の受容空間2bを通じてこの副受容部3jに受け入れられた棒状体8aの端部を、主受容体2に荷重を作用させない態様で、車室内において支持することもできる。
【0014】
かかる支持具1は、主受容体2と、ボルト体3とからなる。
【0015】
主受容体2は、支持対象8の受容開放部2aを備え、この受容開放部2aを通じて内部に受け入れ可能な前記支持対象8を必要に応じて内部に受け入れ支持するようになっている。
【0016】
ボルト体3は、車両本体側5に固定されるボルト軸部3aを有すると共に前記主受容体2内にボルト頭部3bを位置させるようして前記主受容体2に組み合わされている。
【0017】
そして、主受容体2における前記受容開放部2aと、この主受容体2内に位置される前記ボルト体3の前記ボルト頭部3bとの間が、前記主受容体2の受容空間2bとして機能するようにしてある。
【0018】
前記主受容体2は前記受容開放部2aと反対の側を基部2cとすると共に、前記ボルト体3は前記ボルト頭部3bを前記主受容体2内に位置させた状態で前記基部2cから前記ボルト軸部3aを突き出させている。
【0019】
支持具1は、このボルト軸部3aを車両本体側5に形成された取り付け用の穴6にネジ付けるか、あるいは、図10図15および図16に示されるようにこの取り付け用の穴6からの突き出し部分にナット4を締め付けることで、前記基部2cとナット4との間で車両本体側5の一部を挟み付けることで車室内に備えられるようになっている。
【0020】
図1ないし図14に示される第一例、及び、図15に示される第二例では、ボルト体3は金属製であり、合成樹脂から構成される主受容体2の成形時のインサート物となっている。すなわち、主受容体2はボルト体3をインサート物としたインサート成形によって成形され、ボルト体3と一体化されている。
【0021】
図16に示される第三例では、ボルト体3は、主受容体2の基部2cに形成された貫通穴2oを通じて、ボルト頭部3bを主受容体2内に位置させた状態で基部からボルト軸部3aを突き出させていると共に、このボルト軸部3aを前記のように車両本体側5にネジ付けなどすることで、主受容体2の基部2cを車室の壁7に密着させるようになっている。
【0022】
この実施の形態にあっては、前記ボルト体3の前記ボルト軸部3aはその全長の約半分の位置から軸先端3f側までを、この約半分の位置からボルト頭部3b側までよりも細径としており、この約半分の位置に周回段部3gを有している。そして、かかるボルト軸部3aは、前記車室の内装パネル7aの外側に位置される車両本体の構造材側に形成された前記取り付け用の穴6に前記内装パネル7aに形成された通過穴7bを通して前記周回段部3gから先のみを入り込ませて固定されるようになっている。これにより、ボルト体3を車両本体の構造材側に固定するにあたり、主受容体2がトリムボードなどの内装パネル7aに過剰に押しつけられないようにすることができる。
【0023】
主受容体2は、前記基部2cと、環状部2eと、中間部2fとを備えている。基部2cと、環状部2eとは、前記環状部2eの内側を前記受容開放部2aとするように中間部2fによって一体化されている。
【0024】
図示の例では、基部2cは円板状を呈している。環状部2eは、円環状を呈している。基部2cの外径と環状部2eの外径とは実質的に一致するようになっている。
図示の例では、基部2cにおける外面側は、その縁部を除いた箇所を凹ませて、この縁部に環状立ち上がり部2qを形成させた構成となっており、前記車両本体側5に対しては、この環状立ち上がり部2qにおいて当接されるようになっている。
【0025】
基部2cの中心、環状部2eの中心、前記受容空間2bの中心、ボルト体3のボルト頭部3bの中心、ボルト軸部3aの中心は、仮想の一つの直線、つまり、支持具の中心軸x(図1図2図7参照)上に位置している。
【0026】
中間部2fは、その外面2gを前記中心軸xを中心とする仮想の円であって、その直径を前記基部2c及び環状部2eの直径よりもやや小さくさせるの仮想の円の円弧上に位置させるように構成されている。
これにより、基部2cと環状部2eとはそれぞれ、フランジ状を呈し、両者間においていわばくびれた部分となった中間部2fに対し前記買い物袋の持ち手などを都合良く引っかけられるようになっている。
【0027】
図示の例では、中間部2fは、一端を前記基部2cに一体化させると共に、他端を前記環状部2eに一体化させた複数の柱状体2hによって構成されている。
図示の例では、中間部2fは、前記中心軸xを巡る方向において、隣り合う柱状体2hとの間に間隔を開けて形成された三つの柱状体2hによって、構成されている。
各柱状体2hは、前記外面2gと、前記受容空間2bに臨んだ内面2iと、両者間に位置する左右の側面2jとを有している。隣り合う柱状体2hの側面2j間には、前記受容空間2bを外部に連通させる穴部2mが形成されている。図示の例では、中間部2fには、前記中心軸xの周回方向において、120度間隔で窓状の穴部2mが形成されている。これにより、この実施の形態にあっては、前記受容開放部2aから前記受容空間2b内に差し入れたS字フック10などを、前記穴部2mを通過させるようにして主受容体2に引っかけることができる(図13参照)。
なお、図中符号2kで示すのは、基部2cの外面側において開放して前記柱状部2hの内部に続く肉抜き穴である。
【0028】
図示の例では、ボルト体3のボルト頭部3bは、前記基部2cにおける受容空間2b側に位置される内面2dから前記柱状体2hの長さ方向略中程の位置まで突き出しており、前記穴部2mはこのボルト頭部3bと柱状体2hと環状部2eとに囲まれた空間となっている。
【0029】
一方、図示の例では、ボルト体3のボルト頭部3bは、短寸筒状をなしている。ボルト頭部3bの一端は前記中心軸xに盤面を直交させる盤部3hによって閉塞されている。ボルト頭部3bの他端は開放部3iとなっている。ボルト頭部3bの内部は副受容部3jとなっている。
ボルト頭部3bの前記中心軸xに直交する向きでの断面外郭形状は、図示の例では円形状であるが、多角形状であっても良く、多角形状にした場合は前記のようにボルト体3を主受容体2のインサート物とした場合にボルト体3のボルト頭部3aと主受容体3との一体性をより強固にできる。
【0030】
また、ボルト頭部3bの外径は、ボルト軸部3aの外径より大きい。ボルト軸部3aはボルト頭部3bの盤部3hの外面の中央に軸先端3fと反対の軸基端3kを一体化させている。
【0031】
また、ボルト頭部3bの盤部3hの中央には、工具の先端のはめ込み部3mが形成されている。図示の例では、このはめ込み部3mはプラスドライバーの先端を受け入れる十字型の凹みとなっている。
【0032】
前記第一例では、ボルト体3のボルト頭部3bにおける前記中心軸xに沿った外側面3cの全体と、前記中心軸xに沿った内側面3dの全体と、前記開放部3iを巡る前記中心軸xに直交する向きの周回端面3eの全体と、盤部3hの内面における前記はめ込み部3mが形成された領域を除いた領域と、盤部3hの外面における外縁側とを、前記主受容体2を構成する樹脂で覆うようにして、主受容体2とボルト体3とを一体化させている。
ボルト体3のボルト頭部3bは、前記受容空間2b側に開放部3iを位置させ、その内部、すなわち、副受容部3jを受容空間2bに連続させると共に、この副受容部3jに臨んだ内面のうちの少なくとも前記内側面3dをを前記樹脂によって被覆させている。
前記第一例では、主受容体2の受容空間2bに臨んだ内壁2nは、副受容部3jの開放部3iに近づくに連れて、受容空間2bの中心、つまり、前記中心軸xに近づく向きに傾斜している。図示の例では、かかる内壁2nは、前記中間部2fの柱状体2hの内面2iによって構成される。これにより、主受容体2は、受容開放部2aの内径を最も大きくし、ボルト頭部3bの前記周回端面3eを覆う前記樹脂によって構成された周回段部2p(図10参照)の形成位置近傍の内径を最も小さくしている。
前記樹脂によって内側面3dを被覆された副受容部3jの内径は主受容体2の周回段部2pの形成位置近傍の内径よりも小さくなっている。
これにより、第一例では、第一に、外径を主受容体2の受容空間2bに受容可能で、かつ、副受容部3jに受容不能とする太さの棒状体8aの端部を、前記受容空間2bに受容してかかる棒状体8aの端部を支持することができる(図10参照)。
また、第二に、外径を副受容部3jに受容可能とする太さの棒状体8aの端部を、前記受容空間2bと開放部3iとを通じて副受容部3jに受容してかかる棒状体8aの端部を支持することができる。この棒状体8aの副受容部3jへの受容は前記主受容体2の内壁2nの傾斜により円滑に行うことができる(図11参照)。
第一例では、副受容部3jの内側面3dは前記樹脂で被覆されており、棒状体8aが金属製の場合でも、棒状体8aは金属製のボルト体3に対し金属同士で接触しないようにすることができる。これにより、前記支持状態において、金属同士の接触音などの発生を抑止することが可能となる。
【0033】
前記第二例では、ボルト体3のボルト頭部3bにおける前記中心軸xに沿った外側面3cの全体と、前記開放部3iを巡る前記中心軸xに直交する向きの周回端面3eの全体と、盤部3hの外面における外縁側とを、前記主受容体2を構成する樹脂で覆うようにして、主受容体2とボルト体3とを一体化させている。
ボルト体3のボルト頭部3bは、前記受容空間2b側に開放部3iを位置させ、その内部、すなわち、副受容部3jを受容空間2bに連続させている。
この第二例でも、主受容体2の受容空間2bに臨んだ内壁2nは、副受容部3jの開放部3iに近づくに連れて、受容空間2bの中心、つまり、前記中心軸xに近づく向きに傾斜している。
これにより、第二例でも、第一に、外径を主受容体2の受容空間2bに受容可能で、かつ、副受容部3jに受容不能とする太さの棒状体8aの端部を、前記受容空間2bに受容してかかる棒状体8aの端部を支持することができる。
また、第二に、外径を副受容部3jに受容可能とする太さの棒状体8aの端部を、前記受容空間2bと開放部3iとを通じて副受容部3jに受容してかかる棒状体8aの端部を支持することができる。この棒状体8aの副受容部3jへの受容は前記主受容体2の内壁2nの傾斜により円滑に行うことができる。
【0034】
図16に示される前記第三例では、主受容体2は、基部2cの中央にボルト体3のボルト頭部3bは通過させないが、ボルト軸部3aは通過させる大きさの貫通穴2oを有している。
ボルト体3は、ボルト軸部3aを先にして主受容体2の受容空間2b内に導入でき、さらに、ボルト頭部3bの盤部3hの外面が主受容体2の基部2cに当接する位置まで、ボルト軸部3aを前記貫通穴2oに挿通できるようになっている。
前記貫通穴2oにボルト軸部3aを挿通させきった状態において、ボルト体3のボルト頭部3bの開放部3iは、主受容体2の受容開放部2aと基部2cとの間に位置し、この開放部3iと受容開放部2aとの間が主受容体2の受容空間2bとなる。
この第三例でも、主受容体2の受容空間2bに臨んだ内壁2nは、副受容部3jの開放部3iに近づくに連れて、受容空間2bの中心、つまり、前記中心軸xに近づく向きに傾斜している。
これにより、第三例でも、第一に、外径を主受容体2の受容空間2bに受容可能で、かつ、副受容部3jに受容不能とする太さの棒状体8aの端部を、前記受容空間2bに受容してかかる棒状体8aの端部を支持することができる。
また、第二に、外径を副受容部3jに受容可能とする太さの棒状体8aの端部を、前記受容空間2bと開放部3iとを通じて副受容部3jに受容してかかる棒状体8aの端部を支持することができる。この棒状体8aの副受容部3jへの受容は前記主受容体2の内壁2nの傾斜により円滑に行うことができる。
【0035】
前記第一例及び第二例では、支持具1は、主受容体2と一体化されたボルト体3を備えることから、主受容体2を把持して捻回操作することで、工具を使用することなく、ボルト体3のボルト軸部3aを車両本体側5に形成された取り付け用の穴6にネジ付けるなどして、車室内に備えさせることができる。また、支持具1の取り外しが必要となったときは、同様に主受容体2を把持しての取り付け時と逆向きの捻回操作によって、工具を使用することなく、これをなすことができる。また、かかる支持具1の取り付け及び取り外しは、ボルト体3のボルト頭部3bにおける工具の先端のはめ込み部3mは前記副受容部3j内に主受容体2を構成する樹脂で覆われずに露出されていることから、このはめ込み部3mを利用して工具の操作によっても行える。
【0036】
また、前記第一例、第二例、および、第三例のいずれにおいても、ボルト体3のボルト頭部3b内の副受容部3jに支持させた支持対象8側の荷重、図示の例では前記棒状体8a側の荷重は、車両本体側5に直接的に作用されるようになる。これによって、前記荷重が高荷重となった場合でも、例えば、前記棒状体8aによって重量物を車室内で支持するような場合でも、主受容体2の破損などが可及的に生じないようにすることができる。
【0037】
図示の例では、ボルト頭部3b内の副受容部3jに前記のように支持される棒状体8aは、前記副受容部3jに隙間少なく納まる半球状のヘッド部8bと、円柱状の主体部8cの端末との間を、ヘッド部8bに近づくに連れて外径を漸減させる裁頭円錐状部8dで接合させた形態となっている。主受容体2は、このように構成される棒状体8aのヘッド部8bを副受容部3jに納めた状態で裁頭円錐状部8dの外面と主受容体2の内壁2nとの間に前記中心軸xを巡るいずれの箇所においても隙間yを形成させる大きさに形成されており、この隙間yを利用して前記棒状体8aをその棒中心線を前記中心軸xに沿わせて基準位置から前記中心軸xに一定の角度をもって交叉させる傾動を可能とした状態で支持するようになっている。
【0038】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施形態を含むものである。
【符号の説明】
【0039】
2 主受容体
2a 受容開放部
2b 受容空間
3 ボルト体
3a ボルト軸部
3b ボルト頭部
3i 開放部
3j 副受容部
5 車両本体側
8 支持対象
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16