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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140053
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ストレッチャブルデバイス
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20241003BHJP
   G01L 1/20 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G01L5/00 101Z
G01L1/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051040
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金城 拓海
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 賢智
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB07
(57)【要約】
【課題】伸縮性及び可撓性を損なうことなく、引っ張り荷重及び圧縮荷重を検出することができるストレッチャブルデバイスを提供する。
【解決手段】ストレッチャブルデバイスは、樹脂基材と、樹脂基材に積層されたアレイ層と、を有するアレイ基板を備える。樹脂基材は、互いに離隔して配置された複数のボディ部と、ボディ部同士を接続する複数のヒンジ部と、を有する。アレイ層は、ボディ部に設けられた複数のボディアレイ層と、ヒンジ部に設けられた複数のヒンジアレイ層と、を有する。複数のボディアレイ層のうち少なくとも一部の第1ボディアレイ層は、アレイ電極を有する。アレイ層のうち第1ボディアレイ層以外の個所に、共通電極が設けられている。アレイ電極と共通電極との間には、アレイ電極と共通電極とを導通する導通部が設けられる。導通部は、内部に導電性フィラーに含む導電性樹脂により形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材と、前記樹脂基材に積層されたアレイ層と、を有するアレイ基板を備え、
前記樹脂基材は、
互いに離隔して配置された複数のボディ部と、
前記ボディ部同士を接続する複数のヒンジ部と、
を有し、
前記アレイ層は、
前記ボディ部に設けられた複数のボディアレイ層と、
前記ヒンジ部に設けられた複数のヒンジアレイ層と、
を有し、
複数の前記ボディアレイ層のうち少なくとも一部の第1ボディアレイ層は、アレイ電極を有し、
前記アレイ層のうち前記第1ボディアレイ層以外の個所に、共通電極が設けられ、
前記アレイ電極と前記共通電極との間には、前記アレイ電極と前記共通電極とを導通し、内部に導電性フィラーに含む導電性樹脂の導通部が設けられている
ストレッチャブルデバイス。
【請求項2】
前記樹脂基材から視て前記アレイ層が配置される方向は、第1方向であり、
前記アレイ層に対し前記第1方向に重ねられた第1樹脂層を備え、
前記アレイ電極と前記共通電極は、前記第1樹脂層に接し、
前記第1樹脂層は、前記導通部である
請求項1に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項3】
前記アレイ層には、複数の前記ボディアレイ層と複数の前記ヒンジアレイ層とにより囲まれ、前記アレイ層を貫通するアレイ層貫通孔が複数設けられ、
前記アレイ層貫通孔には、中間樹脂部が設けられ、
前記アレイ電極と前記共通電極は、前記中間樹脂部に接し、
前記中間樹脂部は、前記導通部である
請求項1に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項4】
前記樹脂基材から視て前記アレイ層が配置される方向は、第1方向であり、
前記アレイ層に対し前記第1方向に重ねられた第1樹脂層を備え、
前記アレイ層には、複数の前記ボディアレイ層と複数の前記ヒンジアレイ層とにより囲まれ、前記アレイ層を貫通する第1貫通孔が複数設けられ、
前記第1貫通孔には、中間樹脂部が設けられ、
前記アレイ電極と前記共通電極は、前記第1樹脂層又は前記中間樹脂部に接し、
前記第1樹脂層及び前記中間樹脂部は、前記導通部である
請求項1に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項5】
前記共通電極は、前記第1ボディアレイ層に隣接して配置された第2ボディアレイ層に設けられている
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項6】
前記共通電極は、前記第1ボディアレイ層に接続する前記ヒンジアレイ層に設けられている
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項7】
前記第1ボディアレイ層には、前記アレイ電極が2つ設けられ、
前記共通電極は、2つ設けられており、
2つの前記アレイ電極と2つの前記共通電極は、前記樹脂基材と前記アレイ層が重ねられる積層方向に分かれてそれぞれ導通している
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項8】
前記第1ボディアレイ層には、前記アレイ電極が2つ設けられ、
前記共通電極は、2つ設けられており、
2つの前記アレイ電極と2つの前記共通電極は、前記樹脂基材と前記アレイ層が重ねられる積層方向に分かれてそれぞれ導通している
請求項5に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項9】
前記第1ボディアレイ層には、前記アレイ電極が2つ設けられ、
前記共通電極は、2つ設けられており、
2つの前記アレイ電極と2つの前記共通電極は、前記樹脂基材と前記アレイ層が重ねられる積層方向に分かれてそれぞれ導通している
請求項6に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項10】
前記アレイ基板は、2つ設けられ、
2つの前記アレイ基板は、前記樹脂基材と前記アレイ層が重ねられる積層方向に重ねられている
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項11】
前記アレイ基板は、2つ設けられ、
2つの前記アレイ基板は、前記樹脂基材と前記アレイ層が重ねられる積層方向に重ねられている
請求項5に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項12】
前記アレイ基板は、2つ設けられ、
2つの前記アレイ基板は、前記樹脂基材と前記アレイ層が重ねられる積層方向に重ねられている
請求項6に記載のストレッチャブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレッチャブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ストレッチャブルデバイスは、伸縮性及び可撓性に優れている。このようなストレッチャブルデバイスのアレイ基板は、アレイ層を設けるための樹脂基板を有している。この樹脂基材は、マトリックス状に配置されたボディ部と、ボディ部同士を接続するヒンジ部と、を有している。ヒンジ部の形状は、例えば特許文献1に示すように、蛇行したミアンダ形状となっている。よって、ストレッチャブルデバイスに引っ張り荷重が作用した場合、ミアンダ形状のヒンジ部が伸びる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-118273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、ストレッチャブルデバイスに作用した引っ張り荷重及び圧縮荷重を検出できることが望まれている。また、このような荷重を検出するため、ヒンジ部にひずみゲージを設けることが考えられる。しかしながら、ヒンジ部にひずみゲージを設けると、ヒンジ部が変形し難くなり、ストレッチャブルデバイスの伸縮性及び可撓性が損なわれる可能性がある。よって、伸縮性及び可撓性を損なうことなく、引っ張り荷重及び圧縮荷重を検出することができるストレッチャブルデバイスの開発が望まれている。
【0005】
本発明は、伸縮性及び可撓性を損なうことなく、引っ張り荷重及び圧縮荷重を検出することができるストレッチャブルデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るストレッチャブルデバイスは、樹脂基材と、前記樹脂基材に積層されたアレイ層と、を有するアレイ基板を備えている。前記樹脂基材は、互いに離隔して配置された複数のボディ部と、前記ボディ部同士を接続する複数のヒンジ部と、を有している。前記アレイ層は、前記ボディ部に設けられた複数のボディアレイ層と、前記ヒンジ部に設けられた複数のヒンジアレイ層と、を有している。複数の前記ボディアレイ層のうち少なくとも一部の第1ボディアレイ層は、アレイ電極を有している。前記アレイ層のうち前記第1ボディアレイ層以外の個所に、共通電極が設けられている。前記アレイ電極と前記共通電極との間には、前記アレイ電極と前記共通電極とを導通し、内部に導電性フィラーに含む導電性樹脂の導通部が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るストレッチャブルデバイスを斜視した模式図である。
図2図2は、実施形態に係るストレッチャブルデバイスの断面を模式的に示した図であり、詳細には、図3のII-II線に沿って切った断面図である。
図3図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線矢視断面図である。
図5図5は、図4のV-V線矢視断面図である。
図6図6は、図2のIV-IV線矢視断面図であり、電流が流れる範囲を示す模式図である。
図7図7は、実施形態1のストレッチャブルデバイスの回路構成を示す回路図である。
図8図8は、変形例1のストレッチャブルデバイスの断面図である。
図9図9は、実施形態2のストレッチャブルデバイスの断面図である。
図10図10は、実施形態2のストレッチャブルデバイスのアレイ基板を第1樹脂層から視た平面図である。
図11図11は、実施形態3のストレッチャブルデバイスの断面図である。
図12図12は、実施形態3のストレッチャブルデバイスに曲げ荷重が作用した場合を平面方向から視た模式図である。
図13図13は、実施形態4のストレッチャブルデバイスの断面図である。
図14図14は、実施形態5のストレッチャブルデバイスのアレイ基板を第1樹脂層から視た平面図である。
図15図15は、変形例2の回路構成を示す回路図である。
図16図16は、変形例2において、検出時の状態の一例を示す模式図である。
図17図17は、変形例2において、検出時の状態の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示のストレッチャブルデバイスを実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示の発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態に係るストレッチャブルデバイスを斜視した模式図である。図1に示すように、ストレッチャブルデバイス1は、平板状を成している。ストレッチャブルデバイス1は、互いに反対方向を向く表面1aと裏面1b(図1で不図示。図2参照)を有している。
【0011】
以下、ストレッチャブルデバイス1から視て表面1aが向く方向を第1方向X1と称する。ストレッチャブルデバイス1から視て裏面1bが向く方向を第2方向X2と称する。表面1a及び裏面1bのそれぞれと直交する方向を積層方向と称する。表面1a及び裏面1bのそれぞれと平行な方向を平面方向と称する。また、ストレッチャブルデバイス1を第1方向X1から視ることを平面視と称する場合がある。
【0012】
ストレッチャブルデバイス1は、平面視で長方形(四角形)に形成されている。よって、表面1aは、一対の短辺1cと、一対の長辺1dと、を有している。以下、平面方向において、短辺1cと平行な方向を第1平面方向Yと称する。また、平面方向において長辺1dと平行な方向を第2平面方向Zと称する。第1方向Dxと第2方向Dyとは、互いに直交している。
【0013】
ストレッチャブルデバイス1は、ストレッチャブルデバイス1に入力された荷重を検出可能な検出領域2と、検出領域2の外側を囲む枠状の周辺領域3と、に区分けされる。なお、図1では、検出領域2と周辺領域3の境界を理解し易くするため、境界線L1を引いている。
【0014】
図2は、実施形態に係るストレッチャブルデバイスの断面を模式的に示した図であり、詳細には、図3のII-II線に沿って切った断面図である。図2に示すように、ストレッチャブルデバイス1は、積層方向に順に積層された、第2樹脂層70、アレイ基板5、及び第1樹脂層60を備えている。よって、第1樹脂層60は、アレイ基板5に対し第1方向X1に積層されている。また、第2樹脂層70は、アレイ基板5に対し第2方向X2に積層されている。また、アレイ基板5は、第2樹脂層70の第1方向X1に積層される樹脂基材10と、樹脂基材10の第1方向X1に積層されるアレイ層20と、を備えている。
【0015】
第1樹脂層60及び第2樹脂層70は、平面方向に延在し、板状に形成されている。第1樹脂層60は、アレイ基板5の第1方向X1の第1面5aに設けられている。また、第1樹脂層60の第1方向X1の面は、表面1aを構成している。第2樹脂層70は、アレイ基板5の第2方向X2の第2面5bに設けられている。第2樹脂層70の第2方向X2を向く面は、裏面1bを構成している。また、第2樹脂層70の第1方向X1の面は、アレイ基板5が積層される積層面70aを構成している。
【0016】
第2樹脂層70の積層面70aには、積層面70aの縁部に沿って延在し、かつ第1方向X1に突出する環状部71が設けられている。この環状部71は、アレイ基板5の外周側を囲んでいる。また、環状部71の第1方向X1の面は、第1樹脂層60の第2方向X2の面61に固着している。よって、第1樹脂層60及び第2樹脂層70は、互いに協働してアレイ基板5を収容する筐体となっている。また、第2樹脂層70は、絶縁性、伸縮性、及び可撓性を有している。第2樹脂層70として使用される樹脂として、ポリイミドが挙げられるが、本開示は、ポリイミドに限定されず、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などであってもよく、特に限定はない。
【0017】
第1樹脂層60は、導電性樹脂により形成されている。導電性樹脂とは、内部に導電性のフィラー(微粒子)を含む樹脂である。また、微粒子は、樹脂の内部で分散している。また、本実施形態の導電性樹脂は、変形していない状態で導電性を有している。導電性樹脂に圧縮荷重が作用した場合、フィラーが接触又は近接し、導電性樹脂の抵抗値が小さくなる。一方で、導電性樹脂に引っ張り荷重が作用した場合、フィラーが離隔し、導電性樹脂の抵抗値が大きくなる。また、第1樹脂層60において、導電性樹脂を構成する樹脂は、伸縮性及び可撓性を有している。
【0018】
図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。樹脂基材10は、第2樹脂層70の積層面70a(図2参照)に設けられている。樹脂基材10は、伸縮性、可撓性、及び絶縁性を有している。樹脂基材10は、例えばポリイミドなどの樹脂材料から形成されている。樹脂基材10は、複数のボディ部11と、蛇行しながら平面方向に延在する複数のヒンジ部12と、を有している。ボディ部11及びヒンジ部12は、それぞれ検出領域2(図1参照)に配置されている。
【0019】
ボディ部11は、平面視で四角形状(正方形状)となっている。ボディ部11は、4つの角部が第1平面方向Yと第2平面方向Zを指すように配置されている。複数のボディ部11は、第1平面方向Yと第2平面方向Zに配列し、かつ互いに離隔している。なお、本開示は、平面視でのボディ部11の形状に関し、四角形状に限定されず、円形状や他の多角形状であってもよい。
【0020】
ヒンジ部12は、4つの屈曲部13を有し、蛇行しながら平面方向に延在している。本実施形態の各屈曲部13は、円弧状を成している。なお、本開示の屈曲部は、円弧状でなく、角状に形成されていてもよい。また、屈曲部の数は、4つに限定されない。
【0021】
4つの屈曲部13は、ヒンジ部12の一端から他端に順に配置される第1円弧部14、第2円弧部15、第3円弧部16、第4円弧部17である。第1円弧部14及び第4円弧部17は、四分円状を成し、90度折れ曲がっている。第2円弧部15及び第3円弧部16は、半円弧状を成し、180度折れ曲がっている。
【0022】
以上から、樹脂基材10に対し、平面方向に引っ張り荷重が作用した場合、第1円弧部14、第2円弧部15、第3円弧部16、及び第4円弧部17は、それぞれ曲率が小さくなるように変形する。この結果、ヒンジ部12の一端から他端までの長さが長くなり、ボディ部11同士が離隔する。一方で、圧縮荷重が作用した場合、第1円弧部14、第2円弧部15、第3円弧部16、及び第4円弧部17は、それぞれ曲率が大きくなるように変形する。この結果、ヒンジ部12の一端から他端までの長さが短くなり、ボディ部11同士が近接する。
【0023】
以上から、樹脂基材10に荷重が作用した場合、ヒンジ部12が変形するため、ボディ部11に作用する荷重が小さい。よって、ボディ部11に積層される機能素子(本実施形態ではトランジスタ25(図5参照))の破損が抑制される。そのほか、ヒンジ部12は、第1平面方向Yに延在する横ヒンジ部12Aと、第2平面方向Zに延在する縦ヒンジ部12Bと、を有している。
【0024】
また、樹脂基材10には、積層方向に貫通する基材貫通孔19が複数設けられている。この基材貫通孔19は、4つのボディ部11と4つのヒンジ部12とによって囲まれている。
【0025】
図4は、図2のIV-IV線矢視断面図である。アレイ層20は、樹脂基材10に積層され、平面視で樹脂基材10と同一形状となっている。よって、アレイ層20は、ボディ部11に積層される複数のボディアレイ層21と、ヒンジ部12に積層される複数のヒンジアレイ層22と、を備えている。また、アレイ層20には、積層方向に貫通するアレイ層貫通孔29が複数設けられている。
【0026】
図2に示すように、図2に示すように、基材貫通孔19とアレイ層貫通孔29は、積層方向に連続し、アレイ基板5を積層方向に貫通する肉抜き孔39を構成している。そして、肉抜き孔39には、中間樹脂部30が設けられている。
【0027】
中間樹脂部30は、絶縁性、伸縮性、及び可撓性を有している。中間樹脂部30として使用される樹脂として、ポリイミドが挙げられるが、本開示は、ポリイミドに限定されず、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などであってもよく、特に限定はない。
【0028】
図4に示すように、ボディアレイ層21は、第1ボディアレイ層21Aと、第2ボディアレイ層21Bと、を有している。第1ボディアレイ層21Aは、第1方向X1を向く第1面5aにアレイ電極23が設けられている。第2ボディアレイ層21Bは、第1面5aに共通電極24が設けられている。第1ボディアレイ層21Aと第2ボディアレイ層21Bは、第1平面方向Y及び第2平面方向Zに交互に配列している。よって、アレイ電極23と共通電極24も、第1平面方向Y及び第2平面方向Zに交互に配列している。言い換えると、共通電極24は、アレイ電極23が設けられた第1ボディアレイ層21Aの隣りに配置された第2ボディアレイ層21Bに設けられている。
【0029】
ヒンジアレイ層22は、一端が第1ボディアレイ層21Aに接続し、他端が第2ボディアレイ層21Bと接続している。また、ヒンジアレイ層22は、横ヒンジ部12Aに積層される横ヒンジアレイ層22Aと、縦ヒンジ部12Bに積層される縦ヒンジアレイ層22Bと、を有している。
【0030】
図5は、図4のV-V線矢視断面図である。第1ボディアレイ層21Aには、トランジスタ25が設けられている。トランジスタ25は、半導体層25aと、ゲート絶縁膜25bと、ゲート電極25cと、ドレイン電極25dと、ソース電極25eと、を備えている。ドレイン電極25dは、アレイ電極23と接続している。
【0031】
また、アレイ電極23及び共通電極24は、導電性材料で製造され、平面視で四角形状に形成されている(図4参照)。アレイ電極23及び共通電極24は、それぞれ第1方向X1に第1樹脂層60が重ねられており、第1樹脂層60と当接している。よって、アレイ電極23と共通電極24は、第1樹脂層60を介して導通している。このため、アレイ電極23に電流が供給されると、電流は、第1樹脂層60を介して共通電極24に流れる(図5の矢印A参照)。
【0032】
図6は、図2のIV-IV線矢視断面図であり、電流が流れる範囲を示す模式図である。以下、第1樹脂層60のうち、アレイ電極23から共通電極24に向かう電流が通過する部分を導通部62と称する。図6に示すように、平面視した場合、導通部62は、主に、アレイ電極23と共通電極24との間に配置される部分(図6の破線で囲まれる範囲を参照)である、言い換えると、平面視でヒンジアレイ層22と重なる範囲が主に導通部62である。なお、第1樹脂層60の抵抗値が低い場合には、図6の破線で囲まれる範囲よりも大きな範囲で流れる。一方で、第1樹脂層60の抵抗値が大きい場合には、図6の破線で囲まれる範囲よりも小さい範囲で流れる。つまり、図6で示す導通部62(図6の破線で囲まれる範囲)は、本開示の一例である。
【0033】
また、アレイ層20は、トランジスタ25を駆動させるための構成として、ゲート線31と、電流供給線32と、信号線33と、接続部34と、ゲート線駆動回路35と、電流供給線選択回路36と、信号線選択回路37と、を有している。
【0034】
図4に示すように、ゲート線31は、複数の横ヒンジアレイ層22Aと複数のボディアレイ層21とに跨って設けられている。これにより、ゲート線31は、検出領域2内を第1平面方向Yに延在している。ゲート線31は、第1ボディアレイ層21Aにおいて、トランジスタ25のゲート電極25cと接続している(図5参照)。ゲート線31の第1平面方向Yの端部は、周辺領域3に延在し、ゲート線駆動回路35に接続している。
【0035】
図4に示すように、電流供給線32は、複数の縦ヒンジアレイ層22Bと複数のボディアレイ層21とに跨って配置されている。これにより、電流供給線32は、検出領域2内を第2平面方向Zに延在している。電流供給線32は、第1ボディアレイ層21Aにおいて、ソース電極41eと接続している(図5参照)。電流供給線32の第2平面方向Zの端部は、周辺領域3に延在し、電流供給線選択回路36に接続している。
【0036】
信号線33は、複数の縦ヒンジアレイ層22Bと複数のボディアレイ層21とに跨って配置されている。これにより、信号線33は、検出領域2内を第2平面方向Zに延在している。信号線33の第2平面方向Zの端部は、周辺領域3に延在し、信号線選択回路37に接続している。また、信号線33は、第2ボディアレイ層21Bにおいて、共通電極24と接続している(図5参照)。
【0037】
図1に示すように、接続部34は、ストレッチャブルデバイス1の外部に配置された駆動IC(Integrated Circuit)と接続するためのものである。なお、駆動ICは、接続部101に接続される図示しないフレキシブルプリント基板やリジット基板の上に、COF(Chip On Film)として実装されてもよい。または、駆動ICは、第1樹脂層60又は第2樹脂層70の周辺領域3にCOG(Chip On Glass)として実装されてもよい。
【0038】
ゲート線駆動回路35は、駆動ICからの各種制御信号に基づいて複数のゲート線31(図4参照)を駆動する回路である。ゲート線駆動回路35は、複数のゲート線31を順次又は同時に選択し、選択したゲート線31にゲート駆動信号を供給する。
【0039】
電流供給線選択回路36は、複数の電流供給線32を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。電流供給線選択回路36は、駆動ICから供給される選択信号に基づき、選択された電流供給線32と駆動ICを接続する。これにより、駆動ICから電流供給線32に所定量の電流が供給される。
【0040】
信号線選択回路37は、複数の信号線33を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路37は、駆動ICから供給される選択信号に基づき、選択された信号線33と駆動ICとを接続する。これにより、共通電極24から信号線33に流れた電流(信号)が駆動ICに送られる。
【0041】
図7は、実施形態1のストレッチャブルデバイスの回路構成を示す回路図である。次に、実施形態1のストレッチャブルデバイスの動作例を説明する。図7に示すように、ゲート線31からトランジスタ25にゲート駆動信号が送られると、トランジスタ25が閉じる。また、駆動ICから供給された所定量の電流は、電流供給線32とトランジスタ25を介して、アレイ電極23に流れる。また、アレイ電極23に流れた電流は、第1樹脂層60(導通部62)を介して、共通電極24に流れる。
【0042】
なお、図6に示すように、アレイ電極23から視て、第1平面方向Yの両側と、第2平面方向Zの両側と、の四方に共通電極24が配置されている。よって、アレイ電極23から四方に配置される共通電極24のそれぞれ向かって電流が流れる。そして、共通電極24に接続する信号線33が信号線選択回路37により選択された場合、共通電極24に流れた電流は、信号線33を介して駆動ICに戻る。
【0043】
ここで、ストレッチャブルデバイス1に平面方向の引っ張り荷重が加えられると、第1樹脂層60(導通部62)も引っ張られ、第1樹脂層60(導通部62)の抵抗が大きくなる。よって、アレイ電極23から共通電極24に流れる電流が少なくなる。つまり、ストレッチャブルデバイス1が変形していない場合と比べて、駆動ICに戻ってくる電流が少なくなる。
【0044】
また、ストレッチャブルデバイス1に平面方向の圧縮荷重が加えられると、第1樹脂層60(導通部62)も圧縮され、第1樹脂層60(導通部62)の抵抗が小さくなる。よって、アレイ電極23から共通電極24に流れる電流が多くなる。つまり、ストレッチャブルデバイス1が変形していない場合と比べて、駆動ICに戻ってくる電流が多くなる。
【0045】
以上から、駆動ICが受け取った信号(電流量)と、ストレッチャブルデバイス1が変形していない場合に受け取る信号(電流量)と、を比較することで、ストレッチャブルデバイス1の各部位に作用した荷重を検出することができる。また、本実施形態によれば、ヒンジアレイ層22にひずみゲージが設けられていない。よって、ストレッチャブルデバイス1の伸縮性及び可撓性が損なわれる、ということも回避される。
【0046】
以上、実施形態1について説明したが、本開示は、実施形態1で示した例に限定されない。例えば、第1樹脂層60の全てが導電性樹脂で製造されているが、導通部62に相当する部分のみが導電性樹脂で形成され、導通部62以外の部分が絶縁性を有する樹脂で形成されてもよい。
【0047】
図8は、変形例1のストレッチャブルデバイスの断面図である。また、本開示のストレッチャブルデバイスは、図8に示すように、肉抜き孔39に設けられた中間樹脂部30Aが導電性樹脂で製造されてもよい。これによれば、第1樹脂層60以外に、中間樹脂部30Aにも電流が流れる。つまり、変形例1のストレッチャブルデバイス1Aによれば、第1樹脂層60以外に中間樹脂部30Aの一部も導通部62Aとなる。
【0048】
また、実施形態1において、アレイ電極23と共通電極24は、第1樹脂層60に接しているが、本開示は、アレイ電極23と共通電極24が第1樹脂層60に接していなくてもよい。以下、アレイ電極23と共通電極24が第1樹脂層60に接していない実施形態2を説明する。なお、以下の説明においては、実施形態1との相違点に絞って説明する。
【0049】
(実施形態2)
図9は、実施形態2のストレッチャブルデバイスの断面図である。図9に示すように、実施形態2のストレッチャブルデバイス1Bは、アレイ基板5のアレイ電極23B及び共通電極24Bの第1方向X1に絶縁層26が設けられている点で、実施形態1と相違する。また、実施形態2のアレイ電極23B及び共通電極24Bの一部は、中間樹脂部30Bと接している点で、実施形態1と相違する。また、中間樹脂部30Bは、導電性樹脂により製造されている点で、実施形態1と相違する。また、第1樹脂層60Bは、絶縁性を有している点で実施形態1と相違する。以下、相違点について説明する。
【0050】
絶縁層26は、アレイ電極23B及び共通電極24Bの第1方向X1の全面を覆っている。よって、アレイ電極23B及び共通電極24Bは、第1樹脂層60Bと接していない。また、アレイ電極23B及び共通電極24Bの一部は、ボディアレイ層21の側面21aから露出し、中間樹脂部30Bに接している。以下、アレイ電極23B及び共通電極24Bのうち、中間樹脂部30Bに接している部分を接続部23a、24aと称する。
【0051】
図10は、実施形態2のストレッチャブルデバイスのアレイ基板を第1樹脂層から視た平面図である。接続部23aは、アレイ電極23Bの中央部O23から視て、第1平面方向Y又は第2平面方向Zに対し45度ずれた斜め方向に配置されている。よって、1つのアレイ電極23Bに対し、4つの接続部23aが設けられている。同様に接続部24aは、共通電極24Bの中央部O24から視て、第1平面方向Y又は第2平面方向に対し45度ずれた斜め方向に配置されている。よって、1つの共通電極24Bに対し、4つの接続部23aが設けられている。これにより、アレイ電極23B及び共通電極24Bは、ボディアレイ層21の周囲に配置された4つの中間樹脂部30Bのそれぞれと接触している。
【0052】
以上、実施形態2によれば、アレイ電極23B及び共通電極24Bは、中間樹脂部30Bにより導通する(図9の矢印参照)。つまり、実施形態2では、中間樹脂部30Bの一部が導通部62Bとなっている。図10に示すように、また、電流は、図10の矢印で示すように、ヒンジアレイ層22を迂回するように流れる。つまり、中間樹脂部30Bのうち平面視でヒンジアレイ層22に隣り合う部分を電流が流れる。よって、中間樹脂部30Bのうち図10の矢印と重なる範囲が導通部62Bとなる。そして、中間樹脂部30B(導通部62B)は、ストレッチャブルデバイス1Bに平面方向の荷重が作用した場合、アレイ基板5と同じように変形し、抵抗値が変化する。よって、実施形態2によっても各部位に作用した荷重を検出することができる。
【0053】
なお、本開示は、実施形態2の第1樹脂層60Bを導電性樹脂により製造したストレッチャブルデバイス1Bであってもよい。または、本開示は、アレイ電極が実施形態1で示したアレイ電極23であり、共通電極が実施形態2で示した共通電極24Bであってもよい。若しくは、アレイ電極が実施形態2で示したアレイ電極23Bであり、共通電極が実施形態1で示した共通電極24であってもよい。つまり、アレイ電極23と共通電極24の位置は、実施形態1及び実施形態2で示すものに限定されない。
【0054】
次に、実施形態2のストレッチャブルデバイス1Bの一部を変更した実施形態3のストレッチャブルデバイス1Cを説明する。
【0055】
(実施形態3)
図11は、実施形態3のストレッチャブルデバイスの断面図である。図11に示すように、実施形態3のストレッチャブルデバイス1Cは、1つの第1ボディアレイ層21Aに対し、2つのトランジスタ25が設けられている点で、実施形態2と相違する。また、実施形態3の第1ボディアレイ層21Aは、2つのアレイ電極123が設けられている点で、実施形態2と相違する。また、実施形態3において1つの第2ボディアレイ層21Bは、2つの共通電極124が設けられている点で、実施形態2と相違する。以下、相違点について説明する。
【0056】
2つのアレイ電極123は、積層方向に離れて配置されている。以下、2つのアレイ電極123のうちトランジスタ25寄り(第2方向X2寄り)に配置されたアレイ電極123を第1アレイ電極123Aと称する。また、トランジスタ25から積層方向に離れた位置に配置されたアレイ電極123を第2アレイ電極123Bと称する。
【0057】
同様に、2つの共通電極124は、積層方向に離れて配置されている。以下、2つの共通電極124のうち樹脂基材10寄りに配置された共通電極124を第1共通電極124Aと称する。樹脂基材10から積層方向に離れた位置に配置された共通電極124を第2共通電極124Bと称する。
【0058】
積層方向の位置関係に関し、第1アレイ電極123Aと第1共通電極124Aが同じ高さであり、第2アレイ電極123Bと第2共通電極124Bとが同じ高さとなっている。よって、第1アレイ電極123Aに電流が供給されると、中間樹脂部30Bを介して、第1共通電極124Aに電流が流れる(矢印C1参照)。第2アレイ電極123Bに電流が供給されると、中間樹脂部30Bを介して、第2共通電極124Bに電流が流れる(矢印C2参照)。よって、2つのアレイ電極123と2つの共通電極124は、積層方向に分かれてそれぞれ導通している。以下、中間樹脂部30Bのうち、第1アレイ電極123Aと第1共通電極124Aとの間にある部分を第1導通部162Aと称する。第2アレイ電極123Bと第2共通電極124Bにある部分を第2導通部162Bと称する。
【0059】
図12は、実施形態3のストレッチャブルデバイスに曲げ荷重が作用した場合を平面方向から視た模式図である。ストレッチャブルデバイス1Cに曲げ荷重が作用した場合、ストレッチャブルデバイス1Cが撓む。よって、中間樹脂部30Bも撓む。12に示すように、第2導通部162Bは、第1導通部162Aに対し第1方向X1に配置されている。よって、第1導通部162Aと第2導通部162Bとに作用する変形量(曲げ量)が異なったり、若しくは第1導通部162Aと第2導通部162Bとに作用する荷重の向き(圧縮荷重又は引っ張り荷重)が異なったりする。なお、図12では、第1導通部162Aに圧縮荷重が作用し、第2導通部162Bに引っ張り荷重が作用している場合を示している。
【0060】
以上から、ストレッチャブルデバイス1Cが撓んだ場合、第1アレイ電極123Aから第1共通電極124Aに流れる電流量と、第2アレイ電極123Bから第2共通電極124Bに流れる電流量と、が互いに異なる。これにより、ストレッチャブルデバイス1Cの各部位に作用した曲げ荷重を検出することができる。なお、ストレッチャブルデバイス1Cに作用した荷重が平面方向の荷重の場合、第1アレイ電極123Aから第1共通電極124Aに流れる電流量と、第2アレイ電極123Bから第2共通電極124Bに流れる電流量と、が一致する。よって、実施形態3によっても、平面方向の荷重(引っ張り荷重及び圧縮荷重)を検出することができる。
【0061】
次に、実施形態1のストレッチャブルデバイス1を一部変更した実施形態4のストレッチャブルデバイス1Dを説明する。
【0062】
(実施形態4)
図13は、実施形態4のストレッチャブルデバイスの断面図である。図13に示すように、実施形態4のストレッチャブルデバイス1Dは、第2樹脂層70の第2方向X2にアレイ基板5Dと第1樹脂層60Dとをさらに設けている点で、実施形態1と相違する。この実施形態4のストレッチャブルデバイス1Dによれば、第2樹脂層70よりも第1方向X1のひずみ(変形)をアレイ基板5と第1樹脂層60とで検出することができる。また、第2樹脂層70よりも第2方向X2のひずみ(変形)をアレイ基板5Dと第1樹脂層60Dとで検出することができる。
【0063】
以上、実施形態4のストレッチャブルデバイス1Dは、積層方向に重ねられた2つのアレイ基板5、5Dを有している。そして、2つの2つのアレイ基板5、5Dにより、ストレッチャブルデバイス1Dに作用した曲げ荷重を検出することができる。
【0064】
なお、実施形態1から実施形態4の説明では、共通電極24が第2ボディアレイ層21Bに設けられているが、本開示は、共通電極24が第2ボディアレイ層21B以外の個所に設けられていてもよい。詳細には、共通電極24は、アレイ電極23が配置される第1ボディアレイ層21A以外の個所であればよい。なお、アレイ電極23と共通電極24が同じ第1ボディアレイ層21Aに配置された場合、第1樹脂層60のうち第1ボディアレイ層21Aに積層する部分(導通部62)により、アレイ電極23と共通電極24とを導通する。しかしながら、ストレッチャブルデバイス1に荷重が入力されても、第1ボディアレイ層21Aに積層する導通部62は変形し難い。よって、導通部62の抵抗値が変化せず、ひずみを検出することができないからである。このような理由から、共通電極24は、アレイ電極23が配置される第1ボディアレイ層21A以外の個所に配置される必要がある。
【0065】
次に、共通電極24が第2ボディアレイ層21B以外の個所に設けられた実施形態5のストレッチャブルデバイス1Eについて説明する。
【0066】
(実施形態5)
図14は、実施形態5のストレッチャブルデバイスのアレイ基板を第1樹脂層から視た平面図である。図14に示すように、実施形態5のストレッチャブルデバイス1Eは、ボディアレイ層21の全てが第1ボディアレイ層21Aとなっている点で、実施形態1と相違する。よって、実施形態5では、アレイ電極23が第1平面方向Yと第2平面方向Zに格子状に配列している。つまり、実施形態5のアレイ層20Eは、共通電極24が設けられる第2ボディアレイ層21B(図4図5参照)を有していない。
【0067】
また、実施形態5のヒンジアレイ層22Eは、共通電極24Eが設けられている点で、実施形態1と相違する。また、共通電極24Eは、平面視で円形状に形成されている。共通電極24Eは、ヒンジアレイ層22Eの第1方向X1の面に設けられ、第1樹脂層60に接している。よって、アレイ電極23と共通電極24Eは、第1樹脂層60により導通している。また、共通電極24Eは、ヒンジアレイ層22Eの長さ方向の中央部に配置されている。よって、共通電極24Eから第1平面方向Y又は第2平面方向Zの両側に配置される2つのアレイ電極23までの距離が等しい。
【0068】
以上、実施形態5のストレッチャブルデバイス1Eによれば、実施形態1よりもアレイ電極23と共通電極24Eとの距離が近い。つまり、ひずみを検出する範囲が小さくなり、圧力を検出する範囲の精細度が向上する。
【0069】
以上、実施形態5について説明したが、本開示は、共通電極24Eの一部がヒンジアレイ層22Eの側面から露出し、導電性樹脂(中間樹脂部30B)に接触するように変更してもよい。この場合、アレイ電極23の一部が実施形態2で示すように第1ボディアレイ層21Aの側面21aから露出し、導電性樹脂(中間樹脂部30B)に接触するように変更してもよい。
【0070】
以上、各実施形態及び変形例について説明したが、本開示の回路構成は、図7に示した例に限定されない。以下、回路構成を変形した変形例2について説明する。
【0071】
図15は、変形例2の回路構成を示す回路図である。図16は、変形例2において、検出時の状態の一例を示す模式図である。図17は、変形例2において、検出時の状態の一例を示す模式図である。図15に示すように、変形例2のストレッチャブルデバイス1Fは、複数のゲート線31と複数の電流供給線32を備えている点で、実施形態1と共通している。一方、変形例2のストレッチャブルデバイス1Fは、複数の信号線33を備えていない点で、実施形態1と相違する。よって、ストレッチャブルデバイス1Fは、信号線選択回路37(図1参照)も備えていない。
【0072】
トランジスタ25のゲート電極には、ゲート線31が接続している。トランジスタ25のドレイン電極には、共通電極24と接続している。トランジスタ25のソース電極は、アース接続されている。よって、ゲート駆動信号がトランジスタ25に送られると、トランジスタ25が閉じ、共通電極24の電位が0Vとなる。また、電流供給線32は、アレイ電極23と接続している。この変形例2の回路構成によれば、ゲート駆動信号がゲート線31に入力された後、駆動ICが電流供給線32に電圧を印加すると、電流供給線32と導通部62を介して、共通電極24に電流が流れる。
【0073】
具体的には、図16に示すように、ゲート駆動信号が入力されたゲート線31と、電圧が印加された電流供給線32と、が交差する位置にある電極がアレイ電極23の場合、このアレイ電極23から第1平面方向Yの両側にある共通電極24に流れる(図16の矢印F1参照)。
【0074】
また、図17に示すように、ゲート駆動信号が入力されたゲート線31と、電圧が印加された電流供給線32と、が交差する位置にある電極が共通電極24の場合、この共通電極24に対し第2平面方向Zの両側にあるアレイ電極23から共通電極24に向かって電流が流れる(図17の矢印F2参照)。
【0075】
また、変形例2の回路構成において、駆動ICは、電流供給線32に印加する電圧を一定値(定圧値)とする。これによれば、導通部62の抵抗値が変化した場合、共通電極24へ流れる電流量が変化する。つまり、ストレッチャブルデバイス1Fに引っ張り荷重及び圧縮荷重が作用すると、駆動ICから電流供給線32に流れる電流量も変化する。よって、駆動ICは、駆動ICから電流供給線32に流れる電流量を検出することで、導通部62に作用した荷重を検出することができる。
【0076】
以上、変形例2の回路構成について説明したが、本開示は他の回路構成としてもよく、特に限定されない。そのほか、本開示においては、第1樹脂層60、中間樹脂部30、及び第2樹脂層70の全体を導電性樹脂としてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F ストレッチャブルデバイス
2 検出領域
3 周辺領域
5、5D アレイ基板
10 樹脂基材
11 ボディ部
12 ヒンジ部
13 屈曲部
19 基材貫通孔
20、20E アレイ層
21 ボディアレイ層
21A 第1ボディアレイ層
21B 第2ボディアレイ層
22 ヒンジアレイ層
23、23B アレイ電極
23a 接続部
24、24B、24E 共通電極
24a 接続部
29 アレイ層貫通孔
30、30A、30B 中間樹脂部
39 肉抜き孔
60、60B、60D 第1樹脂層
62、62A 導通部
70 第2樹脂層
123A 第1アレイ電極
123B 第2アレイ電極
124A 第1共通電極
124B 第2共通電極
162A 第1導通部
162B 第2導通部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17