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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140087
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】色調整方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20241003BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20241003BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20241003BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20241003BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G09G5/00 X
G09G5/37 600
G09G5/02 B
G06F3/0484
H04N9/31 820
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051082
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】井上 香澄
【テーマコード(参考)】
5C060
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C060GA01
5C060JA13
5C182AA03
5C182AA04
5C182AA13
5C182AA14
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BB01
5C182BB11
5C182BC01
5C182CA22
5C182CA42
5C182CC24
5C182CC25
5C182DA32
5C182DA70
5E555AA23
5E555AA26
5E555BA01
5E555BA29
5E555BB01
5E555BB29
5E555BC13
5E555BE11
5E555CA01
5E555CB01
5E555CB40
5E555CB46
5E555CC01
5E555DA01
5E555DB05
5E555DB56
5E555DC05
5E555DD06
5E555DD07
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】プロジェクターの色補正にかかるユーザーの負担を低減する。
【解決手段】生成部222は、第1色を示す画像情報に基づいて被調整画像311を生成する。表示部223は、複数の候補色41が配置されたカラーパレット画像312をスクリーン3に表示する。受付部221は、複数の候補色41の中から、ユーザーによって選択された、第1色に最も近い第1候補色43を受け付ける。取得部224は、選択された第1候補色43に対応付けられた補正係数r1、g1、及びb1を取得する。補正部225は、補正係数r1、g1、及びb1を用いて被調整画像311を補正する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1色を示す画像情報に基づく被調整画像を生成することと、
複数の候補色が配置されたカラーパレット画像を表示対象に表示することと、
前記複数の候補色の中から、前記第1色に最も近い候補色を選択する操作を受け付けることと、
前記選択された候補色に対応する補正係数を取得することと、
前記補正係数に基づき前記被調整画像を補正することと、
前記補正された被調整画像を前記表示対象に表示することと、
を含む色調整方法。
【請求項2】
前記補正された被調整画像の表示色の微調整を行うための操作を受け付けることを更に含む、
請求項1に記載の色調整方法。
【請求項3】
前記微調整による色の調整範囲は、前記補正された被調整画像の色を中心とし、且つ、色の全調整範囲の一部の範囲に制限された制限範囲である、
請求項2に記載の色調整方法。
【請求項4】
前記補正された被調整画像の色の微調整を行うための操作を受け付けることは、前記補正された被調整画像とともに、1以上のスライダーが配置された操作用画像を前記表示対象に表示することと、前記ユーザーによる前記1以上のスライダーに対する操作を受け付けることと、を含む、
請求項2又は請求項3に記載の色調整方法。
【請求項5】
前記第1色は白色である、
請求項1に記載の色調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのプロジェクターは、投射面に投射される投射画像の色度、彩度、明度等を調整する機能を備えている。特許文献1には、スライダーを移動させることによって、R(赤),G(緑),B(青)のそれぞれについて、調整可能な技術が開示されている。特許文献1では、調整値は、調整可能な範囲内で、-100~+100%の間で設定可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-283838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に係る技術では、ホワイトバランスを調整する際に、ユーザーは、R,G,Bのそれぞれについて、どれくらいの調整値が好ましいのか直感的に把握することが難しく、より適切な調整が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る色調整方法の一態様は、第1色を示す画像情報に基づく被調整画像を生成することと、複数の候補色が配置されたカラーパレット画像を表示対象に表示することと、前記複数の候補色の中から、前記第1色に最も近い候補色を選択する操作を受け付けることと、前記選択された候補色に対応する補正係数を取得することと、前記補正係数に基づき前記被調整画像を補正することと、前記補正された被調整画像を前記表示対象に表示することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る投射システムの構成図である。
図2図1のプロジェクターの構成例を示すブロック図である。
図3】被調整画像及びカラーパレット画像を表示する一例を示す図である。
図4】候補色を選択し直すか否かをユーザーに選択させるための画像の一例を示す図である。
図5】微調整を行うか否かをユーザーに選択させるための画像の一例を示す図である。
図6】色の微調整をユーザーに行わせるための画像の一例を示す図である。
図7】色補正モードを終了させるための画像の一例を示す図である。
図8】色補正モードにおける処理装置の動作を示すフローチャートである。
図9】粗調整処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
図10】微調整処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際と異なる場合があり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0008】
1.第1実施形態
1.1.投射システムの概要
以下、図1を参照しつつ、第1実施形態に係る投射システムの概要について説明する。
【0009】
図1は、第1実施形態に係る投射システムの構成図である。投射システム1は、プロジェクター2、スクリーン3、及び端末装置4を備えている。プロジェクター2は、端末装置4と接続されている。プロジェクター2は、端末装置4から画像データを受信し、受信された画像データに基づいて、スクリーン3上に画像を投射する。
【0010】
スクリーン3上に投射される画像は、以下、投射画像31と呼ばれる。なお、投射画像31が投射される面は、スクリーン3に限らず、建物の壁面、天井等であってもよい。
【0011】
端末装置4は、スクリーン3に投射される画像の情報をプロジェクター2に出力する。本実施形態において、端末装置4は、パーソナルコンピューターである。
【0012】
1.2.プロジェクターの構成
以下、図2図5を参照しつつ、第1実施形態に係るプロジェクター2の構成について説明する。
【0013】
図2は、図1のプロジェクター2の構成例を示すブロック図である。プロジェクター2は、記憶装置21、処理装置22、通信装置23、操作装置24、及び投射装置25を備えている。
【0014】
記憶装置21は、各種情報を記憶する。記憶装置21は、例えば、RAM等の揮発性メモリー及びROM等の不揮発性メモリーを含んで構成されている。ここで、RAMとは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMとは、Read Only Memoryの略称である。記憶装置21には、制御プログラム211、補正係数等が記憶されている。記憶装置21の揮発性メモリーは、処理装置22のワークエリアとして処理装置22に利用される。制御プログラム211は、プロジェクター2の全体を制御するプログラムである。補正係数は、処理装置22がプロジェクター2の色補正に用いるための補正係数であり、補正係数記憶部212に記憶されている。
【0015】
なお、記憶装置21の一部又は全部は、外部記憶装置、外部サーバー等に設けられてもよい。また、記憶装置21に記憶される各種情報の一部又は全部は、予め記憶装置21に記憶されてもよいし、外部記憶装置、外部サーバー等から取得されてもよい。
【0016】
処理装置22は、プロジェクター2の動作を制御する。処理装置22は、受付部221、生成部222、表示部223、取得部224、及び補正部225としての機能を有している。処理装置22は、1以上のCPUを含んで構成されている。但し、処理装置22は、CPUの代わりに、又はCPUに加えて、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを備えていてもよい。ここで、CPUとはCentral Processing Unitの略称であり、FPGAとはField-Programmable Gate Arrayの略称である。
【0017】
処理装置22は、記憶装置21から制御プログラム211を読み出し、読み出された制御プログラム211を実行する。処理装置22は、制御プログラム211を実行することにより、受付部221、生成部222、表示部223、取得部224、及び補正部225として機能する。
【0018】
受付部221は、操作装置24を介して、ユーザーによるプロジェクター2に対する要求を受け付ける。受付部221が、プロジェクター2の色補正の要求を受け付けると、生成部222は、第1色を示す画像情報に基づく被調整画像を生成する。また、生成部222は、複数の候補色を含むカラーパレット画像を生成する。
【0019】
より具体的に述べると、被調整画像は、処理装置22がプロジェクター2の色補正を実行するときにユーザーに参照させるための画像である。被調整画像は、投射画像31全体に第1色が表示された画像である。例えば、第1色は白色であり、被調整画像は全白画像である。つまり、この例では、プロジェクター2のホワイトバランス調整が想定されている。
【0020】
表示部223は、被調整画像311及びカラーパレット画像312を表示対象であるスクリーン3に表示する。
【0021】
ここで、プロジェクター2のホワイトバランス調整が適正でない場合、スクリーン3に全白画像である被調整画像311が表示されていても、ユーザーは、投射された被調整画像311を全白画像と認識しないことがある。
【0022】
図3は、被調整画像311及びカラーパレット画像を表示する一例を示す図である。図3に示したように、投射画像31には、被調整画像311及びカラーパレット画像312が含まれている。カラーパレット画像312には、複数の候補色41が行列状に並んで配置されている。複数の候補色の色は互いに異なっている。本例では、カラーパレット画像312には、3行×9列、合計27色の候補色が配置されている。また、本例では、複数の候補色41のそれぞれは、正方形状のタイル画像である。
【0023】
受付部221は、複数の候補色の中から、ユーザーによって選択された、第1色に最も近い候補色を受け付ける。すなわち、受付部221は、複数の候補色の中から、第1色に最も近い候補色を選択する操作を受け付ける。
【0024】
取得部224は、ユーザーによって選択された候補色に対応付けられた補正係数を記憶装置21から取得する。
【0025】
各候補色に対応付けられた補正係数は、例えば、以下のように設定される。先ず、投射装置25から出力される画像の三原色の各階調値R,G,Bがそれぞれ0から100までの範囲で表されると仮定する。また、階調値(R,G,B)が(a,a,a)のとき、即ち、R,G,Bの各階調値が等しいとき、白又はグレーの画像が被調整画像311として投射装置25から出力され、スクリーン3に投射されると仮定する。
【0026】
上記仮定の下で、(R,G,B)=(50,50,50)の全白画像が投射装置25から出力されることを想定する。
【0027】
次に、カラーパレット画像312に表示される複数の候補色として、第1候補色~第6候補色の6つの候補色を以下に例示する。
【0028】
第1候補色の階調値は(60,50,40)に設定されている。第2候補色の階調値は(60,40,50)に設定されている。第3候補色の階調値は(50,60,40)に設定されている。第4候補色の階調値は(50,40,60)に設定されている。第5候補色の階調値は(40,60,50)に設定されている。第6候補色の階調値は(40,50,60)に設定されている。
【0029】
仮に、ユーザーが6つの候補色の中から、白に最も近い候補色として第1候補色を選択した場合、補正後の被調整画像の階調値が、第1候補色の階調値と等しい階調値(60,50,40)となるように設定を変更することにより、被調整画像311の色が、より白に近付く。
【0030】
この場合、補正係数は、補正前の被調整画像の階調値に対する第1候補色の階調値である。従って、第1候補色に対応付けられた補正係数をr1,g1,b1とすると、r1=60/50=1.2,g1=50/50=1.0,b1=40/50=0.8と計算される。
【0031】
同様に、第2候補色に対応付けられた補正係数r2,g2,b2は、それぞれ60/50=1.2,40/50=0.8,50/50=1.0と計算される。第3候補色に対応付けられた補正係数r3,g3,b3は、それぞれ50/50=1.0,60/50=1.2,40/50=0.8と計算される。第4候補色に対応付けられた補正係数r4,g4,b4は、それぞれ50/50=1.0,40/50=0.8,60/50=1.2と計算される。第5候補色に対応付けられた補正係数r5,g5,b5は、それぞれ40/50=0.8,60/50=1.2,50/50=1.0と計算される。第6候補色に対応付けられた補正係数r6,g6,b6は、それぞれ40/50=0.8,50/50=1.0,60/50=1.2と計算される。
【0032】
このように計算された各補正係数は、各候補色と対応付けられて、補正係数記憶部212に記憶されている。
【0033】
補正部225は、取得された補正係数を用いて被調整画像311を補正する。補正の手順の詳細な説明については後述する。
【0034】
通信装置23は、通信インターフェースであり、例えば、コネクター及びインターフェース回路を有するインターフェース基板を含んでいる。通信装置23は、端末装置4等の外部装置との間においてデータ通信を行う。
【0035】
操作装置24は、ユーザーから、プロジェクター2に対する入力操作を受け付ける入力インターフェースである。操作装置24は、例えば、プロジェクター2の筐体に設けられた操作ボタンを有している。操作装置24は、押下された操作ボタンを識別する情報を処理装置22へ出力する。これにより、ユーザーの操作装置24に対する入力操作の内容が処理装置22へ伝達される。なお、操作装置24は、操作ボタンの代わりにタッチパネルを有していてもよい。この場合、操作装置24は、検出したタッチ位置を示すデータを処理装置22へ出力する。
【0036】
投射装置25は、スクリーン3に投射光を投射する。また、投射装置25は、不図示の光源と、光変調器251と、投射レンズ252とを備えている。光源は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED、レーザー光源等を含む。光変調器251は、1以上の液晶パネルを含んでいる。なお、光変調器251は、液晶パネルの代わりに、DMDを含んでいてもよい。
【0037】
光変調器251は、処理装置22から入力される信号に基づいて、光源から発せられた光を、スクリーン3上に投射画像31を表示するための投射光に変調する。ここで、LEDとは、Light Emitting Diodeの略称であり、DMDとはDigital Mirror Deviceの略称である。投射レンズ252は、光変調器251によって変調された投射光をスクリーン3において結像させる。
【0038】
投射装置25は、表示部223の制御により、スクリーン3上に投射画像31を表示するための投射光を投射する。言い換えると、投射装置25は、処理装置22から入力された画像情報に基づく画像をスクリーン3上に投射する。本実施形態では、画像情報に基づく画像は、被調整画像311である。
【0039】
1.3.調整手順
次に、色の調整手順を説明する。受付部221がユーザーからの色補正要求を受け付けると、プロジェクター2の動作モードが色補正モードに変更される。色補正モードにおいて、先ず、生成部222が、白色を示す画像情報に基づいて被調整画像311を生成する。この場合、被調整画像311は、全白画像である。
【0040】
表示部223は、生成された被調整画像311がスクリーン3に表示されるように、投射装置25を制御する。ユーザーがプロジェクター2の色補正を要求するような状況においては、スクリーン3に投射された被調整画像311の色は、白色と視認されない、すなわちユーザーから見た被調整画像311の色は白色ではないと考えられる。
【0041】
次に、表示部223は、複数の候補色が配置されたカラーパレット画像312を、スクリーン3に表示する。
【0042】
図3に示したように、カラーパレット画像312には、複数の候補色41の上方に、第1メッセージ42が配置されている。第1メッセージ42には、例えば、「白色に最も近いものを選択してください。」と表示される。また、カラーパレット画像312には、複数の候補色41の下方に、第1決定ボタン44が配置されている。第1決定ボタン44には、例えば、「決定」と表示される。
【0043】
ユーザーは、カラーパレット画像312を参照し、表示されている複数の候補色41の中から、白色に最も近い候補色を選択する。本例では、ユーザーによって、白色に最も近い候補色として第1候補色43が選択され、その後、第1決定ボタン44が押下される。
【0044】
これにより、受付部221は、複数の候補色41の中から、第1候補色43、即ち、ユーザーによって選択された、白色に最も近い候補色を受け付ける。取得部224は、第1候補色43に対応付けられた補正係数を補正係数記憶部212から取得する。
【0045】
補正部225は、第1候補色43に対応付けられた補正係数を用いて被調整画像311を補正する。
【0046】
補正前の被調整画像311の階調値が(R0,G0,B0)、補正された被調整画像の階調値が(Rc,Gc,Bc)で表されるとき、第1候補色43に対応付けられた補正係数r1、g1、及びb1を用いて補正された被調整画像311の階調値は、以下の通りである。
【0047】
Rc=r1×R0 ・・・(1)
Gc=g1×G0 ・・・(2)
Bc=b1×B0 ・・・(3)
【0048】
生成部222は、補正された被調整画像311としての被調整画像313を生成する。表示部223は、補正後の被調整画像313をスクリーン3に表示する。ここで、被調整画像311は、「第1被調整画像」の一例であり、被調整画像313は「補正された第1被調整画像としての第2被調整画像」の一例である。以降の説明において、「補正された被調整画像311としての被調整画像313」は、単に「補正された被調整画像313」と呼称される。
【0049】
図4は、候補色を選択し直すか否かをユーザーに選択させるための画像の一例を示す図である。図4に示したように、投射画像31には、補正された被調整画像313及び第1選択画像314が含まれている。第1選択画像314には、第2メッセージ45、第1選択ボタン46、及び第2選択ボタン47が配置されている。
【0050】
第2メッセージ45には、例えば、「選び直しますか?」と表示される。第1選択ボタン46には、例えば、「次に進む(選び直し不要)」と表示される。ユーザーにより第1選択ボタン46が押下されると、処理装置22は、次の処理を実行する。他方、第2選択ボタン47には、例えば、「選び直す」と表示される。
【0051】
ユーザーにより第2選択ボタン47が押下されると、処理装置22は、再度、図3に示したものと同様に、被調整画像311及びカラーパレット画像312をスクリーン3に表示する。このように、ユーザーは、補正された被調整画像313の色を参照したうえで、第1選択ボタン46及び第2選択ボタン47のいずれかを選択することになる。
【0052】
図5は、微調整を行うか否かをユーザーに選択させるための画像の一例を示す図である。図5に示した画像は、ユーザーが、図4の第1選択ボタン46を押下した後に表示される。図5に示したように、投射画像31には、補正された被調整画像313及び第2選択画像315が含まれている。
【0053】
第2選択画像315には、第3メッセージ48、第3選択ボタン49、及び第4選択ボタン50が配置されている。第3メッセージ48には、例えば、「微調整を行いますか?」と表示される。第3選択ボタン49には、例えば、「微調整をする」と表示される。第4選択ボタン50には、例えば、「微調整をせずに終了する」と表示される。
【0054】
ユーザーにより第3選択ボタン49が押下されると、処理装置22は、微調整処理に移行する。一方、ユーザーにより第4選択ボタン50が押下されると、処理装置22は、微調整処理を実行することなく、色補正モードを終了する。このように、ユーザーは、補正された被調整画像313の色、すなわち被調整画像313の表示色を参照したうえで、第3選択ボタン49及び第4選択ボタン50のいずれかを選択することになる。第3選択ボタン49を押下することは、補正された被調整画像313の表示色の微調整を行うための操作の一例または一部である。すなわち、受付部221は、補正された被調整画像313の表示色の微調整を行うための操作を受け付ける。
【0055】
図6は、色の微調整をユーザーに行わせるための画像の一例を示す図である。図6に示した画像は、ユーザーが図5の第3選択ボタン49を押下した後に表示される。即ち、図6に示した画像は、微調整処理時に表示される画像である。投射画像31には、補正された被調整画像313及び操作用画像316が含まれている。
【0056】
操作用画像316には、第1スライダー51、第2スライダー52、第3スライダー53、第4スライダー54、及び第2決定ボタン55が配置されている。
【0057】
第1スライダー51は、赤色の輝度を微調整するための操作に用いられる。第1スライダー51による赤色の輝度の調整範囲は、補正された被調整画像313における赤色の輝度を中心とする制限範囲であり、この制限範囲は、赤色の輝度の全調整範囲の一部の範囲に制限されている。制限範囲は、例えば、補正された被調整画像313における赤色の輝度に対して10%低い輝度から10%高い輝度までの範囲である。
【0058】
第2スライダー52は、緑色の輝度を微調整するための操作に用いられる。第2スライダー52による緑色の輝度の調整範囲は、補正された被調整画像313における緑色の輝度を中心とする制限範囲であり、この制限範囲は、緑色の輝度の全調整範囲の一部の範囲に制限されている。制限範囲は、例えば、補正された被調整画像313における緑色の輝度に対して10%低い輝度から10%高い輝度までの範囲である。
【0059】
第3スライダー53は、青色の輝度を微調整するための操作に用いられる。第3スライダー53による青色の輝度の調整範囲は、補正された被調整画像313における青色の輝度を中心とする制限範囲であり、この制限範囲は、青色の輝度の全調整範囲の一部の範囲に制限されている。制限範囲は、例えば、補正された被調整画像313における青色の輝度に対して10%低い輝度から10%高い輝度までの範囲である。
【0060】
第4スライダー54は、赤色、緑色、及び青色を含む全体の輝度を微調整するための操作に用いられる。第4スライダー54による全体の輝度の調整範囲は、補正された被調整画像313の輝度を中心とする制限範囲であり、この制限範囲は、白色の輝度の全調整範囲の一部の範囲に制限されている。制限範囲は、例えば、補正された被調整画像313の輝度に対して10%低い輝度から10%高い輝度までの範囲である。
【0061】
ユーザーによって第1スライダー51、第2スライダー52、第3スライダー53、及び第4スライダー54のいずれかが操作された結果は、逐次、投射画像31に反映される。ユーザーは、投射画像31上の補正された被調整画像313の色を確認しながら、各スライダーを必要に応じて操作する。微調整を完了させる場合、ユーザーは、第2決定ボタン55を押下する。第2決定ボタン55には、例えば、「決定」と表示される。
【0062】
補正された被調整画像313とともに第1スライダー51、第2スライダー52、第3スライダー53、及び第4スライダー54の少なくとも1つが配置された操作用画像316をスクリーン3に表示することは、補正された被調整画像313の色の微調整を行うための操作を受け付けることの一例または一部である。第1スライダー51、第2スライダー52、第3スライダー53、及び第4スライダー54の少なくとも1つに対する操作を受け付けることは、補正された被調整画像313の色の微調整を行うための操作を受け付けることの一例または一部である。従って、補正された被調整画像313の色の微調整を行うための操作を受け付けることは、補正された被調整画像313とともに第1スライダー51、第2スライダー52、第3スライダー53、及び第4スライダー54の少なくとも1つが配置された操作用画像316をスクリーン3に表示することと、第1スライダー51、第2スライダー52、第3スライダー53、及び第4スライダー54の少なくとも1つに対する操作を受け付けることと、を含んでもよい。
【0063】
図7は、色補正モードを終了させるための画像の一例を示す図である。図7の画像は、ユーザーが図6の第2決定ボタン55を押下した後に表示される。図7には、微調整された被調整画像317及び第3選択画像318が含まれている。
【0064】
第3選択画像318には、第4メッセージ56、第5選択ボタン57、及び第6選択ボタン58が配置されている。第4メッセージ56には、例えば、「色補正を終了しますか?」と表示される。第5選択ボタン57には、例えば、「終了する」と表示される。第6選択ボタン58には、例えば、「微調整をやり直す」と表示される。このように、ユーザーは、微調整された被調整画像317の色を参照したうえで、第5選択ボタン57及び第6選択ボタン58のいずれかを選択することになる。
【0065】
ユーザーにより、第5選択ボタン57が押下された場合、処理装置22は、色補正モードを終了する。一方、ユーザーにより、第6選択ボタン58が押下された場合、処理装置22は、操作用画像316を投射画像31に再び表示する。この場合、処理装置22は、操作用画像316の背景として、微調整された被調整画像317を表示する。
【0066】
なお、カラーパレット画像312の中から、白色に最も近い候補色を選択する処理は、操作用画像316の中の第1スライダー51~第4スライダー54を用いて行う微調整処理との対比から、粗調整処理とも呼ばれる。
【0067】
また、第1メッセージ42、第2メッセージ45、及び第3メッセージ48として表示される文字は、あくまで例示であってこれらに限定されるものではない。また、第1決定ボタン44、第2決定ボタン55、第1選択ボタン46、第2選択ボタン47、第3選択ボタン49、及び第4選択ボタン50に表示される文字は、あくまで例示であってこれらに限定されるものではない。
【0068】
図8は、色補正モードにおける処理装置22の動作を示すフローチャートである。図9は、粗調整処理のサブルーチンを示すフローチャートである。図10は、微調整処理のサブルーチンを示すフローチャートである。以下、図8~10を参照することにより、色補正モードにおける処理装置22の動作について説明する。図8のルーチンは、例えば、処理装置22が起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0069】
図8のルーチンが開始されると、先ず、ステップS11において、処理装置22は、色補正要求を受け付けたか否かを判定する。
【0070】
ステップS11において、処理装置22が、色補正要求を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS11における判定結果が肯定(ステップS11:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS12の粗調整処理のサブルーチンを実行する。
【0071】
図9に示したように、粗調整処理のサブルーチンでは、ステップS121において、処理装置22は、被調整画像311及びカラーパレット画像312をスクリーン3に表示する。
【0072】
次いで、ステップS122において、ユーザーによる候補色の選択を受け付けたか否かを判定する。
【0073】
ステップS122において、処理装置22が、候補色の選択を受け付けなかったと判定した場合、即ち、ステップS122における判定結果が否定(ステップS122:NO)であった場合、処理装置22は、再度ステップS121の処理を実行する。従って、処理装置22は、候補色の選択を受け付けるまで、ステップS121及びステップS122の処理を繰り返す。
【0074】
ステップS122において、処理装置22が、候補色の選択を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS122における判定結果が肯定(ステップS122:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS123の処理を実行する。この場合、ステップS123において、処理装置22は、選択された候補色に対応付けられた補正係数を取得する。
【0075】
次いで、ステップS124において、処理装置22は、取得された補正係数を用いて被調整画像311を補正する。
【0076】
次いで、ステップS125において、処理装置22は、補正された被調整画像313をスクリーン3に表示する。
【0077】
次いで、ステップS126において、処理装置22は、候補色の選択のやり直しを受け付けたか否かを判定する。
【0078】
ユーザーによって第2選択ボタン47が押下されることにより、処理装置22が候補色の選択のやり直しを受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS126における判定結果が肯定(ステップS126:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS121の処理を実行する。従って、この場合、処理装置22は、本サブルーチンを再度実行する。
【0079】
一方、ユーザーによって第1選択ボタン46が押下されることにより、処理装置22が候補色の選択のやり直しを受け付けなかったと判定した場合、即ち、ステップS126における判定結果が否定(ステップS126:NO)であった場合、処理装置22は、本サブルーチンを終了する。
【0080】
次いで、ステップS13において、処理装置22は、微調整処理要求を受け付けたか否かを判定する。
【0081】
ユーザーによって第3選択ボタン49が押下されることにより、処理装置22が微調整処理要求を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS13における判定結果が肯定(ステップS13:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS14のサブルーチンを実行する。
【0082】
図10に示したように、微調整処理のサブルーチンでは、ステップS141において、処理装置22は、補正された被調整画像313及び操作用画像316をスクリーン3に表示する。
【0083】
次いで、ステップS142において、処理装置22は、ユーザーによる微調整に係る操作を受け付けたか否かを判定する。ここで、微調整に係る操作とは、第1スライダー51、第2スライダー52、第3スライダー53、及び第4スライダー54に対する操作のことである。
【0084】
ステップS142において、ユーザーによる微調整に係る操作を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS142における判定結果が肯定(ステップS142:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS143の処理を実行する。この場合、ステップS143において、処理装置22は、補正係数を取得する。
【0085】
次いで、ステップS144において、処理装置22は、補正された被調整画像313を補正する。
【0086】
次いで、ステップS145において、処理装置22は、微調整された被調整画像317を表示する。
【0087】
次いで、ステップS146において、処理装置22は、ユーザーによる決定要求を受け付けたか否かを判定する。ここで、ユーザーによる決定要求とは、ユーザーによって第2決定ボタン55が押下されることに対応している。
【0088】
ステップS146において、処理装置22が、ユーザーによる決定要求を受け付けなかったと判定した場合、即ち、ステップS146における判定結果が否定(ステップS146:NO)であった場合、処理装置22は、ステップS141の処理を再度実行する。この場合、処理装置22の状態は、ユーザーによる微調整に係る操作を受け付け可能な状態にある。
【0089】
一方、ステップS146において、処理装置22が、ユーザーによる決定要求を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS146における判定結果が肯定(ステップS146:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS147の処理を実行する。この場合、ステップS147において、処理装置22は、微調整のやり直しを受け付けたか否かを判定する。従って、処理装置22は、ステップS146における判定結果が肯定(ステップS146:YES)となるまで、ユーザーによる微調整に係る操作を受け付け、補正された被調整画像313の色の微調整を行う。
【0090】
ステップS147において、処理装置22が、微調整のやり直しを受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS147における判定結果が肯定(ステップS147:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS141の処理を再度実行する。この場合、処理装置22の状態は、ユーザーによる微調整に係る操作を受け付け可能な状態にある。
【0091】
一方、ステップS147において、処理装置22が、微調整のやり直しを受け付けなかったと判定した場合、即ち、ステップS147における判定結果が否定(ステップS147:NO)であった場合、処理装置22は、本サブルーチンを終了する。
【0092】
次いで、ステップS15において、処理装置は、色補正モードを終了し、本ルーチンを一旦終了する。
【0093】
一方、ユーザーによって第4選択ボタン50が押下されることにより、処理装置22が終了処理を受け付けた場合、即ち、ステップS13における判定結果が否定(ステップS13:NO)であった場合、処理装置22は、ステップS14のサブルーチンを実行せずに、ステップS15の処理を実行する。この場合、ステップS15において、処理装置22は、色補正モードを終了し、本ルーチンを一旦終了する。
【0094】
なお、ステップS11において、処理装置22が、色補正要求を受け付けなかったと判定した場合、即ち、ステップS11における判定結果が否定(ステップS11:NO)であった場合、処理装置22は、ステップS12からステップS15までの処理を実行せずに、本ルーチンを一旦終了する。
【0095】
以上が、色補正に係る処理装置22の動作である。なお、処理装置22は、上述した各ステップにおいて以下のように機能する。処理装置22は、ステップS11、S122、S126、S13、S142、S146、及びS147において、受付部221として機能する。処理装置22は、ステップS123及びS143において、取得部224として機能する。処理装置22は、ステップS124及びS144において、補正部225として機能する。処理装置22は、ステップS121、S125、S141、S145、及びS15において、生成部222及び表示部223として機能する。
【0096】
また、調整画像を移動させることには、調整画像の角部を移動させることを含む。例えば、コーナー補正では、調整画像の中心部は移動させずに、角部のみを移動させる。従って、角部を移動させることは、調整画像の少なくとも一部を移動させることに相当する。
【0097】
1.4.本実施形態の効果
以上説明したように、第1実施形態に係る色調整方法は、第1色を示す画像情報に基づく被調整画像311を生成することと、複数の候補色41が配置されたカラーパレット画像312をスクリーン3に表示することと、複数の候補色41の中から、第1色に最も近い第1候補色43を選択する操作を受け付けることと、選択された第1候補色43に対応する補正係数r1、g1、及びb1を取得することと、補正係数r1、g1、及びb1に基づき被調整画像311を補正することと、補正された被調整画像313をスクリーン3に表示することと、を含む。
【0098】
以上の色調整方法によれば、プロジェクター2の色補正時に、スクリーン3に表示されるカラーパレット画像312内の複数の候補色41の中から、第1色に最も近い第1候補色43を選択する操作のみで、被調整画像311の表示色を第1色に近付けることができる。つまり、色補正の知識又は経験を有しないユーザーであっても、直感的な操作によりプロジェクター2の色補正を容易に実現できる。従って、これによれば、プロジェクター2の色補正にかかるユーザーの負担をより低減できる。
【0099】
なお、第1実施形態において、スクリーン3は「表示対象」の一例であり、第1候補色43は「第1色に最も近い候補色」の一例であり、第1スライダー51、第2スライダー52、第3スライダー53、及び第4スライダー54は「1以上のスライダー」の一例である。
【0100】
また、第1実施形態に係る色調整方法は、補正された被調整画像313の表示色の微調整を行うための操作を受け付けることを更に含む。
【0101】
これによれば、ユーザーは、被調整画像311の表示色を第1色に近付けた後に表示色の微調整を行うことができるため、より容易に表示色の調整を行うことができる。
【0102】
また、第1実施形態に係る色調整方法において、微調整による色の調整範囲は、補正された被調整画像313の色を中心とする制限範囲であり、制限範囲は、色の全調整範囲の一部の範囲に制限される。言い換えれば、微調整による色の調整範囲は、補正された被調整画像313の色を中心とし、且つ、色の全調整範囲の一部の範囲に制限された制限範囲である。
【0103】
これによれば、ユーザーは、制限範囲の中で最適な色を見出せばよいため、色の全調整範囲において色を調整する場合と比べて、ユーザーが当該色の調整にかかる時間を短縮することができる。
【0104】
また、第1実施形態に係る色調整方法において、補正された被調整画像313の色の微調整を行うための操作を受け付けることは、補正された被調整画像313とともに、第1スライダー51~第4スライダー54が配置された操作用画像316をスクリーン3に表示することと、ユーザーによる第1スライダー51~第4スライダー54に対する操作を受け付けることと、を含む。
【0105】
これによれば、ユーザーは、補正された被調整画像313を参照しながら、操作用画像316中の第1スライダー51~第4スライダー54を操作することにより、補正された被調整画像313の表示色を微調整することができる。微調整においては、スライダーを大きくスライドさせても、表示色の色味が大きく変化することはないため、ユーザーの混乱を招きにくく、輝度を直感的に調整し易い。従って、ユーザーは、補正された被調整画像の表示色をより容易に微調整することができる。
【0106】
また、第1実施形態に係る色調整方法において、第1色は白色である。
【0107】
これによれば、プロジェクター2のホワイトバランスを容易に調整することができる。
【0108】
2.変形例
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。具体的な変形の態様を以下に例示する。また、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内において適宜併合され得る。なお、以下に例示する変形例において、作用や機能が前述の実施形態と同等である要素については、以上の説明において使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
【0109】
2.1.変形例1
第1実施形態において、第1色は白色に設定されていたが、第1色の色はこれに限定されない。第1色が白色以外の色であっても、被調整画像の表示色を、第1色本来の色に補正することができるように処理装置が構成されてもよい。つまり、本開示の色調整方法は、ホワイトバランスの調整以外にも利用することができる。
【0110】
第1メッセージ42には、「白色に最も近いものを選択してください。」と表示されていたが、第1色が白色以外の色の場合には、例えば、第1メッセージ42に代えて、「背景の調整後のイメージに最も近い色を選択してください。」と表示することができる。これにより、ユーザーは、被調整画像の調整後の色を想像して、ユーザーが希望する色を選択することになる。
【0111】
2.2.変形例2
第1実施形態において、微調整時の輝度の調整範囲、即ち、制限範囲は、補正された被調整画像313の輝度に対して10%低い輝度から10%高い輝度までの範囲に設定されていたが、制限範囲はこれに限定されない。例えば、制限範囲は、補正された被調整画像313の輝度に対して、5%低い輝度から5%高い輝度までの範囲に設定されてもよいし、15%低い輝度から15%高い輝度までの範囲に設定されてもよい。
【0112】
また、制限範囲は、補正された被調整画像313の輝度を基準として、輝度の割合によって設定されるだけなく、基準を中心とする階調の調整幅が予め定められてもよい。
【0113】
2.3.変形例3
第1実施形態において、カラーパレット画像312には、複数の候補色が行列状に並んで配置されていたが、複数の候補色の配置はこれに限定されない。例えば、複数の候補色は、一列に配置されてもよいし、リング状に配置されてもよい。
【0114】
2.4.変形例4
第1実施形態において、ユーザーが複数の候補色41の中から第1候補色43を選択するとき、表示部223は、投射画像31にカラーパレット画像312及び被調整画像311を表示していたが、カラーパレット画像の表示態様はこれに限定されない。表示部223は、カラーパレット画像を表示するとき、被調整画像311を併せて表示する必要はない。
【0115】
例えば、表示部223は、投射画像31の全領域にカラーパレット画像を表示してもよい。また、カラーパレット画像を投射画像31の一部の領域に表示する場合、表示部223は、カラーパレット画像の背景画像を任意の画像としてもよい。
【0116】
2.5.変形例5
第1実施形態では、端末装置4として、パーソナルコンピューターが用いられていたが、端末装置4には、これに代えて、タブレット、スマートフォン等の携帯端末装置が用いられてもよい。
【0117】
2.6.変形例6
第1実施形態の色調整方法は、1つのプロジェクターを用いた投射システムに対して行われていたが、これに限らず、複数のプロジェクターを用いたマルチプロジェクションシステムに対して行われてもよい。これによれば、ユーザーは、複数のプロジェクターのそれぞれの投射画像の表示色を直感的に調整することができるため、それぞれの投射画像の表示色間のずれをより容易に調整することができる。
【0118】
2.7.変形例7
第1実施形態の色調整方法は、1つのプロジェクターの投射画像全体に対して行われていたが、これに限らず、ユニフォーミティーを改善するため、投射画像の一部の領域に対して行われてもよい。この場合、カラーパレット画像は、投射画像の一部の領域に収まるように表示させればよい。これによれば、ユニフォーミティーの調整にかかるユーザーの手間を低減することができる。
【0119】
第1実施形態のステップS122、或いはステップS122の後、且つステップS123の前のステップにおいて、処理装置22が複数の候補色41の中から第1候補色43が選択されたと判定した場合、処理装置22が第1候補色43のタイル画像の表示態様を、他の候補色41のタイル画像の表示態様と異ならせる制御を実行してもよい。例えば、第1候補色43が選択された場合、処理装置22は、第1候補色43のタイル画像のサイズを、他の候補色41のタイル画像のサイズよりも大きくしてもよい。これにより、第1候補色43の視認性が向上し、第1候補色43が示す色を、ユーザーが確認しやすくなる。
【0120】
3.付記
以下、付記として本開示のまとめを記載する。
【0121】
3.1.付記1
第1色を示す画像情報に基づく被調整画像を生成することと、複数の候補色が配置されたカラーパレット画像を表示対象に表示することと、前記複数の候補色の中から、前記第1色に最も近い候補色を選択する操作を受け付けることと、前記選択された候補色に対応する補正係数を取得することと、前記補正係数に基づき前記被調整画像を補正することと、前記補正された被調整画像を前記表示対象に表示することと、を含む色調整方法。
【0122】
即ち、付記1に記載の色調整方法によれば、プロジェクターの色補正時に、表示対象に表示されるカラーパレット画像内の複数の候補色の中から、第1色に最も近い候補色を選択する操作のみで、被調整画像の表示色を第1色に近付けることができる。つまり、色補正の知識又は経験を有しないユーザーであっても、直感的な操作によりプロジェクターの色補正を容易に実現できる。従って、これによれば、プロジェクターの色補正にかかるユーザーの負担をより低減できる。
【0123】
3.2.付記2
前記補正された被調整画像の表示色の微調整を行うための操作を受け付けることを更に含む、付記1に記載の色調整方法。
【0124】
即ち、付記2に記載の色調整方法によれば、ユーザーは、被調整画像の表示色を第1色に近付けた後に表示色の微調整を行うことができるため、より容易に表示色の調整を行うことができる。
【0125】
3.3.付記3
前記微調整による色の調整範囲は、前記補正された被調整画像の色を中心とし、且つ、色の全調整範囲の一部の範囲に制限された制限範囲である、付記2に記載の色調整方法。
【0126】
即ち、付記3に記載の色調整方法によれば、ユーザーは、制限範囲の中で最適な色を見出せばよいため、色の全調整範囲において色を調整する場合と比べて、ユーザーが当該色の調整にかかる時間を短縮することができる。
【0127】
3.4.付記4
前記補正された被調整画像の色の微調整を行うための操作を受け付けることは、前記補正された被調整画像とともに、1以上のスライダーが配置された操作用画像を前記表示対象に表示することと、前記ユーザーによる前記1以上のスライダーに対する操作を受け付けることと、を含む、付記2又は付記3に記載の色調整方法。
【0128】
即ち、付記4に記載の色調整方法によれば、ユーザーは、補正された被調整画像を参照しながら、操作用画像中の1以上のスライダーを操作することにより、補正された被調整画像の表示色を微調整することができる。微調整においては、スライダーを大きくスライドさせても、表示色の色味が大きく変化することはないため、ユーザーの混乱を招きにくく、輝度を直感的に調整し易い。従って、ユーザーは、補正された被調整画像の表示色をより容易に調整することができる。
【0129】
3.5.付記5
前記第1色は白色である、付記1から付記4までのいずれか1つに記載の色調整方法。
【0130】
即ち、付記5に記載の色調整方法によれば、プロジェクターのホワイトバランスを容易に調整することができる。
【符号の説明】
【0131】
3…スクリーン、41…複数の候補色、43…第1候補色、51…第1スライダー、52…第2スライダー、53…第3スライダー、54…第4スライダー、311…被調整画像、312…カラーパレット画像、313…補正された被調整画像、316…操作用画像、317…微調整された被調整画像、b1,b2,b3,b4,b5,b6,g1,g2,g3,g4,g5,g6,r1,r2,r3,r4,r5,r6…補正係数。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10