IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-回路装置及び発振器 図1
  • 特開-回路装置及び発振器 図2
  • 特開-回路装置及び発振器 図3
  • 特開-回路装置及び発振器 図4
  • 特開-回路装置及び発振器 図5
  • 特開-回路装置及び発振器 図6
  • 特開-回路装置及び発振器 図7
  • 特開-回路装置及び発振器 図8
  • 特開-回路装置及び発振器 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140094
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】回路装置及び発振器
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H03B5/32 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051089
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】樋口 哲平
(72)【発明者】
【氏名】松崎 賞
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 裕一
(72)【発明者】
【氏名】臼田 俊也
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079AA06
5J079BA39
5J079BA43
5J079BA44
5J079BA53
5J079FA14
5J079FA15
5J079FA21
5J079FB03
5J079FB47
5J079FB48
5J079GA09
5J079HA03
5J079HA07
5J079HA09
5J079KA01
(57)【要約】
【課題】2つの外部端子と振動子とを接続する検査用のモードを有し、かつ、電源電圧の変動が生じても誤って検査用のモードに遷移するおそれを低減させることが可能な回路装置を提供すること。
【解決手段】振動子に接続される第1端子及び第2端子と、第3端子と、第4端子と、前記第1端子と前記第3端子との間の信号経路上に設けられた第1スイッチと、前記第2端子と前記第4端子との間の信号経路上に設けられた第2スイッチと、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをそれぞれオン又はオフに制御する信号を出力するレジスターと、を含み、第1モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフとなり、前記第3端子に制御信号が入力され、前記第4端子からクロック信号が出力され、第2モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオンとなる、回路装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動子に接続される第1端子及び第2端子と、
第3端子と、
第4端子と、
前記第1端子と前記第3端子との間の信号経路上に設けられた第1スイッチと、
前記第2端子と前記第4端子との間の信号経路上に設けられた第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをそれぞれオン又はオフに制御する信号を出力するレジスターと、を含み、
第1モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフとなり、前記第3端子に制御信号が入力され、前記第4端子からクロック信号が出力され、
第2モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオンとなる、回路装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1端子からの信号を増幅して前記第2端子に出力する増幅回路を含む、回路装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記振動子を発振させる発振回路と、
前記発振回路からの発振信号が入力されて前記クロック信号を出力する出力バッファーと、
前記出力バッファーと前記第4端子との間の信号経路上に設けられ、前記レジスターによって制御され、前記第1モードでオンとなり、前記第2モードでオフとなる入出力回路と、を備える、回路装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記第3端子と前記レジスターとの間の信号経路上に設けられた第1入出力回路と、
前記第4端子と前記レジスターとの間の信号経路上に設けられた第2入出力回路と、をさらに備え、
第3モードにおいて、前記第3端子及び前記第4端子を用いた通信によって前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御するための設定値が前記レジスターに設定される、回路装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記第3モードにおいて、前記第3端子がシリアルデータ端子となり、前記第4端子がシリアルクロック端子となる、回路装置。
【請求項6】
請求項4において、
電源投入時に設定される前記レジスターの初期値により、前記第1モードに設定される、回路装置。
【請求項7】
振動子と、
前記振動子に接続された回路装置と、
前記振動子及び前記回路装置を収容する容器と、を備え、
前記回路装置は、
前記振動子に接続される第1端子及び第2端子と、
第3端子と、
第4端子と、
前記第1端子と前記第3端子との間の信号経路上に設けられた第1スイッチと、
前記第2端子と前記第4端子との間の信号経路上に設けられた第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをそれぞれオン又はオフに制御する信号を出力するレジスターと、を含み、
前記容器は、
前記第3端子と接続された第1外部端子と、
前記第4端子と接続された第2外部端子と、を含み、
第1モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフとなり、前記第1外部端子に制御信号が入力され、前記第2外部端子からクロック信号が出力され、
第2モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオンとなる、発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路装置及び発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、出力端子を出力回路と水晶片の一方の励振電極のいずれかに接続させる第1切換回路と、機能端子を機能回路と水晶片の他方の励振電極のいずれかに接続させる第2切換回路とが設けられ、第1切換回路および第2切換回路は電源端子に接続した電圧検出回路からの切換信号によって動作する、表面実装発振器が記載されている。特許文献1に記載の表面実装発振器によれば、水晶検査端子に実装端子を兼用して小型化を促進することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-201097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の表面実装発振器では、意図しない電源電圧の変動によって第1切換回路および第2切換回路が動作し、発振器の通常動作中に機能端子および出力端子が水晶片の2つの励振電極にそれぞれ接続され、動作不良を引き起こすおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る回路装置の一態様は、
振動子に接続される第1端子及び第2端子と、
第3端子と、
第4端子と、
前記第1端子と前記第3端子との間の信号経路上に設けられた第1スイッチと、
前記第2端子と前記第4端子との間の信号経路上に設けられた第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをそれぞれオン又はオフに制御する信号を出力するレジスターと、を含み、
第1モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフとなり、前記第3端子に制御信号が入力され、前記第4端子からクロック信号が出力され、
第2モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオンとなる。
【0006】
本発明に係る発振器の一態様は、
振動子と、
前記振動子に接続された回路装置と、
前記振動子及び前記回路装置を収容する容器と、を備え、
前記回路装置は、
前記振動子に接続される第1端子及び第2端子と、
第3端子と、
第4端子と、
前記第1端子と前記第3端子との間の信号経路上に設けられた第1スイッチと、
前記第2端子と前記第4端子との間の信号経路上に設けられた第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをそれぞれオン又はオフに制御する信号を出力するレジスターと、を含み、
前記容器は、
前記第3端子と接続された第1外部端子と、
前記第4端子と接続された第2外部端子と、を含み、
第1モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフとなり、前記第1外部端子に制御信号が入力され、前記第2外部端子からクロック信号が出力され、
第2モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオンとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の発振器の斜視図。
図2】本実施形態の発振器の断面図。
図3】本実施形態の発振器の他の断面図。
図4】本実施形態の発振器の底面図。
図5】本実施形態の発振器の機能ブロック図。
図6】本実施形態の発振器に検査装置が接続された検査システムの構成を示す図。
図7】検査装置による振動子のCI値の検査方法の手順の一例を示すフローチャート図。
図8】検査装置がCI値の検査を行うときの各端子及び各信号の電圧波形の一例を示す図。
図9】検査モードにおける発振器の状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1.発振器の構成
図1図4は、本実施形態の発振器1の構造の一例を示す図である。図1は、発振器1の斜視図であり、図2は、図1のA-A断面図の一例である。図3は、図1のA-A断面図の他の一例であり、図4は、発振器1の底面図である。
【0010】
図1図3に示すように、発振器1は、回路装置2、振動子3、パッケージ4、リッド5及び複数の外部端子6を含む。本実施形態では、振動子3は、基板材料として水晶を用いた水晶振動子であり、例えば、ATカット水晶振動子や音叉型水晶振動子等である。振動子3は、SAW共振子であってもよい。SAWはSurface Acoustic Waveの略である。また、振動子3の基板材料としては、水晶の他、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電単結晶や、ジルコン酸チタン酸鉛等の圧電セラミックス等の圧電材料等を用いることができる。振動子3の励振手段としては、圧電効果によるものを用いてもよい。また、本実施形態では、回路装置2は1チップの集積回路で実現されている。ただし、回路装置2は、少なくとも一部がディスクリート部品で構成されていてもよい。
【0011】
図2に示す発振器1は、シングルシール構造の発振器であり、パッケージ4は、回路装置2と振動子3とを同一空間内に収容する容器である。具体的には、パッケージ4には、凹部が設けられており、リッド5で凹部を覆うことによって収容室7となる。また、図3に示す発振器1は、H型構造の発振器であり、パッケージ4は、回路装置2と振動子3とを別空間内に収容する容器である。具体的には、パッケージ4には、対向する面に2つの凹部が設けられており、リッド5で一方の凹部を覆うことによって収容室7aとなり、封止部材8で他方の凹部を覆うことによって収容室7bとなる。収容室7aには振動子3が収容され、収容室7bには回路装置2が収容されている。
【0012】
振動子3は、その表面及び裏面にそれぞれ金属の励振電極3a,3bを有しており、励振電極3a,3bを含む振動子3の形状や質量に応じた所望の周波数で発振する。パッケージ4の内部又は凹部の表面には、回路装置2の2つの端子、具体的には、後述する図5のT1端子及びT2端子と、振動子3の2つの励振電極3a,3bとをそれぞれ電気的に接続するための不図示の配線が設けられている。また、パッケージ4の内部又は凹部の表面には、回路装置2の各端子とパッケージ4の底面に設けられた各外部端子6とを電気的に接続するための不図示の配線が設けられている。
【0013】
図4に示すように、本実施形態の発振器1は、底面であるパッケージ4の裏面に、電源電圧Vddが供給される電源端子であるVDD端子、グラウンド電圧Vssが供給されるグラウンド端子であるVSS端子、出力端子であるOUT端子及び出力イネーブル端子であるOE端子の4個の外部端子6が設けられている。すなわち、本実施形態では、パッケージ4は、VDD端子、VSS端子、OUT端子及びOE端子の4個の外部端子6を有する。
【0014】
図5は、第1実施形態の発振器1の機能ブロック図である。図5に示すように、本実施形態の発振器1は、回路装置2と振動子3とを含む。回路装置2は、外部接続端子として、T1端子、T2端子、T3端子、T4端子、T5端子及びT6端子を有している。T1端子は振動子3の一端と電気的に接続され、T2端子は振動子3の他端と電気的に接続されている。T3端子、T4端子、T5端子及びT6端子は、図4に示した発振器1の複数の外部端子6であるOE端子、OUT端子、VDD端子及びVSS端子とそれぞれ電気的に接続されている。
【0015】
本実施形態では、回路装置2は、発振回路10、出力バッファー20、第1入出力回路30、第2入出力回路40、制御回路50、第1スイッチ60、第2スイッチ70及びパワーオンリセット回路80を備える。なお、回路装置2は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
【0016】
発振回路10は、T1端子及びT2端子と接続され、振動子3を発振させて発振信号を生成する。発振回路10は、T1端子からの信号を増幅してT2端子に出力する増幅回路を含む。具体的には、発振回路10は、振動子3から出力される信号がT1端子を介して入力され、増幅回路により当該信号を増幅してT2端子を介して振動子3に供給する。例えば、図5に示すように、発振回路10は、論理反転回路11、抵抗12,13、可変容量回路14,15及び容量素子16を含む。
【0017】
可変容量回路14は、一端がT1端子と接続され、他端にはグラウンド電圧Vssが供給される。可変容量回路15は、一端がT2端子と接続され、他端にはグラウンド電圧Vssが供給される。容量素子16は、一端がT1端子と接続され、他端が抵抗12の一端及び論理反転回路11の入力端子と接続されている。
【0018】
論理反転回路11は、入力端子が容量素子16の他端及び抵抗12の一端と接続され、出力端子が抵抗12の他端及び抵抗13の一端と接続されている。抵抗13の他端は、可変容量回路15の一端及びT2端子と接続されている。また、論理反転回路11の制御端子には、発振イネーブル信号OSCENが入力される。
【0019】
このように構成されている発振回路10では、発振イネーブル信号OSCENがハイレベルのときは、振動子3からT1端子を介して入力される信号が、容量素子16によってDC成分がカットされて論理反転回路11に入力され、増幅回路である論理反転回路11によって反転増幅された信号が抵抗13及びT2端子を介して振動子3に供給される。これにより、振動子3が発振する。一方、発振イネーブル信号OSCENがローレベルのときは、論理反転回路11が入力信号の論理レベルによらずに出力信号をハイインピーダンス状態にすることにより、振動子3の発振動作を停止する。
【0020】
可変容量回路14,15は振動子3の負荷容量として機能する。可変容量回路14,15の容量値が大きいほど振動子3の発振周波数が低くなり、可変容量回路14,15の容量値が小さいほど振動子3の発振周波数が高くなる。可変容量回路14,15は、振動子3を所望の周波数で発振させるように、発振周波数の調整のために設けられており、不図示の不揮発性メモリーに可変容量回路14,15の容量値を設定するための情報が記憶されている。
【0021】
出力バッファー20は、発振回路10からの発振信号が入力されてクロック信号CKを出力する。具体的には、出力バッファー20の入力端子には、発振回路10の論理反転回路11から出力される発振信号が入力される。そして、出力バッファー20は、当該発振信号をバッファリングし、制御端子に入力される信号がハイレベルのときに出力端子からクロック信号CKを出力する。出力バッファー20は、制御端子に入力される信号がローレベルのときは、出力端子からグラウンド電圧Vssを出力する。
【0022】
制御回路50は、各回路の動作を制御する。具体的には、制御回路50は、回路装置2の動作モードを、通常動作モード、外部通信モード及び検査モードを含む複数のモードのうちの1つに設定し、設定した動作モードに応じた制御を行う。通常動作モードは、発振回路10が発振動作を行い、OE端子から入力される制御信号に応じて、OUT端子からクロック信号CKが出力されるか否かが制御される動作モードである。また、外部通信モードは、制御回路50がOE端子とOUT端子を介して不図示の外部装置と通信する動作モードである。検査モードは、第1入出力回路30及び第2入出力回路40がともにオフとなり、第1スイッチ60及び第2スイッチ70がともにオンし、振動子3の両端がそれぞれOE端子とOUT端子を介して外部装置と接続される動作モードである。本実施形態では、図5に示すように、制御回路50は、シリアルインターフェース回路51及びレジスター52を含む。
【0023】
シリアルインターフェース回路51は、VDD端子への電源電圧Vddの供給が開始してから所定期間内に、OE端子から所定のパターンの制御信号が入力された場合には、当該所定期間の経過後に動作モードを外部通信モードに設定する。また、シリアルインターフェース回路51は、電源電圧Vddの供給が開始してから所定期間内に、OE端子から所定のパターンの制御信号が入力されない場合には、当該所定期間の経過後に動作モードを外部通信モードに設定せずに、通常動作モードに設定する。例えば、シリアルインターフェース回路51は、電源電圧Vddの供給により振動子3が発振を開始して発振が安定したことを検出するまでの期間を当該所定期間としてもよいし、クロック信号CKのパルス数をカウントし、カウント値が所定の値に到達したら当該所定期間が経過したと判断してもよい。また、例えば、シリアルインターフェース回路51は、電源電圧Vddの供給により動作を開始するRC時定数回路の出力信号に基づいて当該所定期間を計測してもよい。
【0024】
外部通信モードでは、シリアルインターフェース回路51は、第1入出力回路30を介してOE端子と電気的に接続され、第2入出力回路40を介してOUT端子と電気的に接続され、OE端子及びOUT端子を介して不図示の外部装置とデータ通信を行うことができる。本実施形態では、外部通信モードにおいて、OE端子及びT3端子がシリアルデータ端子となり、OUT端子及びT4端子がシリアルクロック端子となる。そして、外部装置は、所定の通信規格に従い、OUT端子にシリアルクロック信号を出力し、シリアルクロック信号に同期して、OE端子にシリアルデータ信号を出力し、あるいは、シリアルインターフェース回路51からOE端子に出力される信号を取得する。シリアルインターフェース回路51は、外部通信モードにおいて、例えばI2Cバスの規格に準じて、シリアルクロック信号のエッジ毎に、各種のコマンドとしてのシリアルデータ信号をサンプリングする。I2Cは、Inter-Integrated Circuitの略である。そして、シリアルインターフェース回路51は、サンプリングしたコマンドに基づいて、動作モードの設定や、レジスター52に対するデータの読み出しや書き込み等の処理を行う。なお、本実施形態では、シリアルインターフェース回路51は、例えば、I2Cバス等の2線式バスの通信規格で外部装置と通信を行うが、SPIバス等の3線式バスあるいは4線式バスの通信規格で外部装置と通信を行ってもよい。SPIは、Serial Peripheral Interfaceの略である。
【0025】
例えば、シリアルインターフェース回路51は、レジスター設定コマンドをサンプリングした場合、レジスター設定コマンドで指定されたレジスター52のアドレスに、指定されたデータを書き込む。レジスター52は、複数ビットのデータを保持し、当該複数ビットのうちの5ビットを、発振イネーブル信号OSCEN、第1スイッチイネーブル信号SW1EN、第2スイッチイネーブル信号SW2EN、第1入出力イネーブル信号IO1EN及び第2入出力イネーブル信号IO2ENとして出力する。発振イネーブル信号OSCENは、発振回路10の動作を制御する信号である。また、第1スイッチイネーブル信号SW1EN及び第2スイッチイネーブル信号SW2ENは、第1スイッチ60及び第2スイッチ70をそれぞれオン又はオフに制御する信号である。また、第1入出力イネーブル信号IO1EN及び第2入出力イネーブル信号IO2ENは、第1入出力回路30及び第2入出力回路40をそれぞれオン又はオフに制御する信号である。
【0026】
外部装置は、外部通信モードにおいて、OE端子及びOUT端子を介して、シリアルインターフェース回路51にレジスター設定コマンドを送信することにより、発振イネーブル信号OSCEN、第1スイッチイネーブル信号SW1EN及び第2スイッチイネーブル信号SW2ENをそれぞれローレベル又はハイレベルに設定することができる。また、外部装置は、レジスター設定コマンドにより、発振イネーブル信号OSCENをローレベルに設定し、第1スイッチイネーブル信号SW1EN及び第2スイッチイネーブル信号SW2ENをともにハイレベルに設定した後、通信を終了させる。これにより、シリアルインターフェース回路51が第1入出力イネーブル信号IO1EN及び第2入出力イネーブル信号IO2ENをともにローレベルに設定し、動作モードが外部通信モードから検査モードに移行する。
【0027】
第1入出力回路30は、T3端子とレジスター52との間の信号経路上に設けられている。第1入出力回路30は、T3端子と出力バッファー20との間の信号経路上に設けられている。そして、第1入出力回路30は、第1入出力イネーブル信号IO1ENの論理レベルに応じてオン又はオフする。具体的には、第1入出力イネーブル信号IO1ENがハイレベルのときは、第1入出力回路30がオンする。そして、第1入出力回路30がオンすることにより、通常動作モードでは、T3端子と出力バッファー20の制御端子とが電気的に接続され、T3端子とレジスター52とが電気的に切断される。また、第1入出力回路30がオンすることにより、外部通信モードでは、シリアルインターフェース回路51を介してT3端子とレジスター52とが電気的に接続され、T3端子と出力バッファー20の制御端子とが電気的に切断される。一方、検査モードでは、第1入出力イネーブル信号IO1ENがローレベルであり、第1入出力イネーブル信号IO1ENがローレベルのときは、第1入出力回路30がオフする。第1入出力回路30がオフすることにより、T3端子と出力バッファー20の制御端子とが電気的に切断され、T3端子とレジスター52とが電気的に切断される。このように、第1入出力回路30は、レジスター52から出力される第1入出力イネーブル信号IO1ENによって制御され、通常動作モード及び外部通信モードでオンとなり、検査モードでオフとなる。
【0028】
第2入出力回路40は、出力バッファー20とT4端子との間の信号経路上に設けられている。また、第2入出力回路40は、T4端子とレジスター52との間の信号経路上に設けられている。そして、第2入出力回路40は、第2入出力イネーブル信号IO2ENの論理レベルに応じてオン又はオフする。具体的には、第2入出力イネーブル信号IO2ENがハイレベルのときは、第2入出力回路40がオンする。そして、第2入出力回路40がオンすることにより、通常動作モードでは、出力バッファー20の出力端子とT4端子とが電気的に接続され、T4端子とレジスター52とが電気的に切断される。また、第2入出力回路40がオンすることにより、外部通信モードでは、シリアルインターフェース回路51を介してT4端子とレジスター52とが電気的に接続され、出力バッファー20の出力端子とT4端子とが電気的に切断される。一方、検査モードでは、第2入出力イネーブル信号IO2ENがローレベルであり、第2入出力イネーブル信号IO2ENがローレベルのときは、第2入出力回路40がオフする。第2入出力回路40がオフすることにより、出力バッファー20とT4端子とが電気的に切断され、T4端子とレジスター52とが電気的に切断される。このように、第2入出力回路40は、レジスター52から出力される第2入出力イネーブル信号IO2ENによって制御され、通常動作モード及び外部通信モードでオンとなり、検査モードでオフとなる。
【0029】
第1スイッチ60は、T1端子とT3端子との間の信号経路上に設けられている。そして、第1スイッチ60は、第1スイッチイネーブル信号SW1ENの論理レベルに応じてオン又はオフする。具体的には、通常動作モード及び外部通信モードでは、第1スイッチイネーブル信号SW1ENがローレベルであり、第1スイッチイネーブル信号SW1ENがローレベルのときは、第1スイッチ60がオフする。第1スイッチ60がオフすることにより、T1端子とT3端子とが電気的に切断され、これにより、振動子3の一端とOE端子とが電気的に切断される。一方、検査モードでは、第1スイッチイネーブル信号SW1ENがハイレベルであり、第1スイッチイネーブル信号SW1ENがハイレベルのときは、第1スイッチ60がオンする。第1スイッチ60がオンすることにより、T1端子とT3端子とが電気的に接続され、これにより、振動子3の一端とOE端子とが電気的に接続される。
【0030】
第2スイッチ70は、T2端子とT4端子との間の信号経路上に設けられている。そして、第2スイッチ70は、第2スイッチイネーブル信号SW2ENの論理レベルに応じてオン又はオフする。具体的には、通常動作モード及び外部通信モードでは、第2スイッチイネーブル信号SW2ENがローレベルであり、第2スイッチイネーブル信号SW2ENがローレベルのときは、第2スイッチ70がオフする。第2スイッチ70がオフすることにより、T2端子とT4端子とが電気的に切断され、これにより、振動子3の他端とOUT端子とが電気的に切断される。一方、検査モードでは、第2スイッチイネーブル信号SW2ENがハイレベルであり、第2スイッチイネーブル信号SW2ENがハイレベルのときは、第2スイッチ70がオンする。第2スイッチ70がオンすることにより、T2端子とT4端子とが電気的に接続され、これにより、振動子3の他端とOUT端子とが電気的に接続される。
【0031】
パワーオンリセット回路80は、VDD端子への電源電圧Vddの供給が開始すると、所定期間ハイレベルとなるリセット信号RSTを出力する。リセット信号RSTによってレジスター52がリセットされ、発振イネーブル信号OSCEN、第1入出力イネーブル信号IO1EN、第2入出力イネーブル信号IO2ENがハイレベルに初期化され、第1スイッチイネーブル信号SW1EN及び第2スイッチイネーブル信号SW2ENがローレベルに初期化される。その後、所定期間が経過すると、回路装置2の動作モードが通常動作モードに初期化される。すなわち、回路装置2は、電源投入時に設定されるレジスター52の初期値により、通常動作モードに設定される。
【0032】
前述の通り、外部通信モードにおいて、T3端子及びT4端子を用いた通信によって第1スイッチ60及び第2スイッチ70を制御するための設定値がレジスター52に設定される。通常動作モードでは、第1スイッチ60及び第2スイッチ70がオフとなり、振動子3の一端とT3端子とが電気的に切断され、振動子3の他端とT4端子とが電気的に切断される。そして、T3端子に出力バッファー20の動作を制御する制御信号が入力され、T4端子からクロック信号CKが出力される。したがって、発振器1は、通常動作モードにおいて、OE端子から入力される制御信号に応じて、OUT端子からクロック信号CKを出力する。
【0033】
一方、検査モードでは、第1スイッチ60及び第2スイッチ70がオンとなり、T1端子とT3端子とが電気的に接続され、T2端子とT4端子とが電気的に接続される。これにより、振動子3の一端とOE端子とが電気的に接続され、振動子3の他端とOUT端子とが電気的に接続されるので、外部装置である検査装置は、OE端子とOUT端子とを用いて、振動子3のCI値を検査することができる。なお、容量素子16により、T1端子から抵抗12及び抵抗13を経由してT2端子に至るDC経路がカットされるので、この経路による検査への悪影響は生じない。
【0034】
なお、本実施形態では、T1端子は第1端子の一例であり、T2端子は第2端子の一例であり、T3端子は第3端子の一例であり、T4端子は第4端子の一例である。また、OE端子は第1外部端子の一例であり、OUT端子は第2外部端子の一例である。また、通常動作モードは第1モードの一例であり、検査モードは第2モードの一例であり、外部通信モードは第3モードの一例である。
【0035】
2.CI値の検査方法
前述の通り、本実施形態では、検査モードにおいて、振動子3の一端とOE端子とが電気的に接続され、振動子3の他端とOUT端子とが電気的に接続されるので、外部装置である検査装置は、OE端子とOUT端子とを用いて、振動子3のCI値を検査することができる。
【0036】
図6は、発振器1に検査装置100が接続された検査システムの構成を示す図である。図6に示すように、検査装置100は、発振器1のVDD端子、VSS端子、OE端子及びOUT端子と接続されている。発振器1のグラウンドと検査装置100のグラウンドは共通である。
【0037】
図7は、図6の検査システムにおいて、検査装置100による振動子3のCI値の検査方法の手順の一例を示すフローチャート図である。また、図8は、図7のフローチャートによってCI値の検査を行うときの各端子及び各信号の電圧波形の一例を示す図である。
【0038】
図7の例では、まず、工程S1において、検査装置100は、発振器1のVDD端子に電源電圧Vddを供給する。工程S1により、図8に示すように、VDD端子がグラウンド電圧Vssから所望の電圧まで上昇する。これにより、所定期間ハイレベルとなるリセット信号RSTが発生し、レジスター52の各ビットが初期化される。その結果、第1スイッチイネーブル信号SW1EN及び第2スイッチイネーブル信号SW2ENがローレベルに初期化されて第1スイッチ60及び第2スイッチ70がオフする。また、発振イネーブル信号OSCENがハイレベルに初期化されて発振回路10が発振動作を開始する。また、第1入出力イネーブル信号IO1EN及び第2入出力イネーブル信号IO2ENがハイレベルに初期化されて第1入出力回路30及び第2入出力回路40がオンする。
【0039】
次に、工程S2において、検査装置100は、発振器1のOE端子に制御信号を供給し、発振器1を外部通信モードに設定する。すなわち、図8に示すように、検査装置100は、VDD端子に電源電圧Vddを供給してから所定期間内に、発振器1のOE端子に予め決められた所定のパターンの信号を供給し、発振器1を外部通信モードに設定する。
【0040】
次に、工程S3において、検査装置100は、発振器1のOUT端子及びOE端子に制御信号を供給し、レジスター52に検査用の設定値を書き込むためのコマンドを送信する。すなわち、図8に示すように、検査装置100は、OE端子の論理レベルをハイレベルに固定し、かつ、OUT端子の論理レベルをハイレベルからローレベルに変化させることにより、スタートコンディションを成立させて通信を開始する。そして、検査装置100は、OE端子からシリアルクロック信号を入力し、OUT端子からシリアルデータ信号を入力して、レジスター52の各ビットに所望の値を書き込むためのコマンドを送信する。
【0041】
次に、工程S4において、検査装置100は、OE端子及びOUT端子を用いた通信を終了し、発振器1を検査モードに設定する。すなわち、図8に示すように、検査装置100は、OE端子の論理レベルをハイレベルに固定し、かつ、OUT端子の論理レベルをローレベルからハイレベルに変化させることにより、ストップコンディションを成立させて通信を終了する。これにより、シリアルインターフェース回路51が、レジスター52に所望の設定値を書き込み、図8に示すように、第1スイッチイネーブル信号SW1EN及び第2スイッチイネーブル信号SW2ENがローレベルからハイレベルに変化して第1スイッチ60及び第2スイッチ70がオンする。また、発振イネーブル信号OSCENがハイレベルからローレベルに変化して発振回路10が発振動作を停止する。さらに、第1入出力イネーブル信号IO1EN及び第2入出力イネーブル信号IO2ENがハイレベルからローレベルに変化し、発振器1が検査モードに設定される。
【0042】
図9に、検査モードにおける発振器1の状態を示す。検査モードでは、第1スイッチイネーブル信号SW1EN及び第2スイッチイネーブル信号SW2ENがハイレベルであり、第1スイッチ60及び第2スイッチ70がオンしている。その結果、OE端子と振動子3の一端とが電気的に接続され、OUT端子と振動子3の他端とが電気的に接続されている。また、発振イネーブル信号OSCENがローレベルであり、発振回路10が発振動作を停止している。また、第1入出力イネーブル信号IO1EN及び第2入出力イネーブル信号IO2ENがローレベルであり、第1入出力回路30及び第2入出力回路40がオフしている。
【0043】
最後に、工程S5において、検査装置100は、OE端子及びOUT端子を用いて振動子3のCI値を測定する。例えば、検査装置100は、インピーダンスアナライザーを内蔵しており、OE端子及びOUT端子の一方に入力する信号の周波数を掃引しながら、OE端子及びOUT端子の他方を用いて振動子3のインピーダンスを測定する。
【0044】
図9に示すように、検査モードでは、第1入出力回路30及び第2入出力回路40がオフとなるので、OE端子と第1入出力回路30との接続やOUT端子と第2入出力回路40との接続がハイインピーダンスとなり、OE端子の信号が第1入出力回路30によって影響を受けなくなり、OUT端子の信号が第2入出力回路40によって影響を受けなくなる。さらに、検査モードでは、発振回路10が発振動作を停止し、発振回路10と振動子3との接続もハイインピーダンスとなることで、振動子3が発振回路10によって影響を受けなくなる。したがって、検査装置100は、振動子3のCI値の検査を高精度に行うことができる。
【0045】
3.作用効果
以上に説明したように、本実施形態の発振器1では、回路装置2において、通常動作モードでは、第1スイッチ60及び第2スイッチ70がオフとなってT3端子及びT4端子とT1端子及びT2端子とが電気的に切断され、T3端子に入力される制御信号に応じて、振動子3の発振動作に基づくクロック信号CKがT4端子から出力される。一方、回路装置2において、検査モードでは、第1スイッチ60及び第2スイッチ70がオンとなり、T3端子及びT4端子がT1端子及びT2端子を介して振動子3の両端とそれぞれ電気的に接続される。したがって、本実施形態の発振器1によれば、検査モードにおいて、検査装置100が、T3端子及びT3端子とそれぞれ接続されているOE端子及びOUT端子を用いて振動子3を検査することができる。
【0046】
また、本実施形態の発振器1では、回路装置2において、第1スイッチ60及び第2スイッチ70は、レジスター52から出力される信号によってそれぞれオン又はオフに制御される。そのため、回路装置2において、レジスター52から出力される信号の論理レベルが変化するほど電源電圧Vddが大きく変動しない限り、通常動作モードにおいて第1スイッチ60及び第2スイッチ70がオンしない。したがって、本実施形態の発振器1によれば、回路装置2の通常動作モードにおいて電源電圧Vddの変動が生じても誤って検査モードに遷移するおそれを低減させることができる。
【0047】
また、本実施形態の発振器1によれば、回路装置2の検査モードにおいて、T3端子と第1入出力回路30とが電気的に切断され、T4端子と第2入出力回路40とが電気的に切断されるので、T3端子の信号及びT4端子の信号が第1入出力回路30及び第2入出力回路40によってそれぞれ影響を受けなくすることができる。また、回路装置2の検査モードにおいて、発振回路10が発振動作を停止するので、振動子3が発振回路10によって影響を受けなくすることができる。したがって、検査装置100は、振動子3の検査を高精度に行うことができる。
【0048】
また、本実施形態の発振器1によれば、回路装置2において、通常動作モードでの動作に必要なT3端子及びT4端子が、検査モードにおいて振動子3の検査のために兼用され、外部通信モードにおいてレジスター52の設定のために兼用されるので、検査モードや外部通信モードに専用の端子が不要であり、小型化に有利である。したがって、本実施形態の発振器1によれば、例えば、検査専用端子を設けることが困難な小型のパッケージを用いた場合でも、振動子3の検査を行うことができる。
【0049】
また、本実施形態の発振器1によれば、回路装置2は、電源投入により通常動作モードに初期化されるので、検査モードや外部通信モードに設定された場合に電源を再投入することにより確実に通常動作モードに復帰することができる。
【0050】
4.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0051】
例えば、上記の実施形態では、第1スイッチ60がT1端子とT3端子との間の信号経路上に設けられ、第2スイッチ70がT2端子とT4端子との間の信号経路上に設けられているが、第1スイッチ60がT1端子とT4端子との間の信号経路上に設けられ、第2スイッチ70がT2端子とT3端子との間の信号経路上に設けられてもよい。
【0052】
また、上記の実施形態の発振器1は、SPXO等のシンプルな発振器であるが、TCXO等の温度補償機能を有する発振器であってもよいし、VCXO等の周波数制御機能を有する発振器であってもよい。SPXOはSimple Packaged Crystal Oscillatorの略である。TCXOはTemperature Compensated Crystal Oscillatorの略である。VCXOはVoltage Controlled Crystal Oscillatorの略である。また、発振器1は、VC-TCXO等の温度補償機能及び周波数制御機能を有する発振器であってもよいし、OCXO等の温度制御機能を有する発振器などであってもよい。VC-TCXOはVoltage Controlled Temperature Compensated Crystal Oscillatorの略である。また、OCXOは、Oven Controlled Crystal Oscillatorの略である。
【0053】
また、上記の実施形態では、第1スイッチ60と電気的に接続されているT3端子に、出力バッファー20の出力を制御する信号が入力されるが、これ以外の制御信号が入力されてもよい。例えば、T3端子には、発振器1をスタンバイモードに設定するための制御信号が入力されてもよいし、発振器1がVCXO等の周波数制御機能を有する発振器であれば、クロック信号CKの周波数を制御するための信号が入力されてもよい。
【0054】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0055】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0056】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0057】
回路装置の一態様は、
振動子に接続される第1端子及び第2端子と、
第3端子と、
第4端子と、
前記第1端子と前記第3端子との間の信号経路上に設けられた第1スイッチと、
前記第2端子と前記第4端子との間の信号経路上に設けられた第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをそれぞれオン又はオフに制御する信号を出力するレジスターと、を含み、
第1モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフとなり、前記第3端子に制御信号が入力され、前記第4端子からクロック信号が出力され、
第2モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオンとなる。
【0058】
この回路装置では、第1モードにおいて、第1スイッチ及び第2スイッチがオフとなって第3端子及び第4端子と第1端子及び第2端子とが電気的に切断され、第3端子に入力される制御信号に応じて、振動子の発振動作に基づくクロック信号が第4端子から出力される。一方、第2モードにおいて、第1スイッチ及び第2スイッチがオンとなり、第3端子及び第4端子が第1端子及び第2端子を介して振動子と電気的に接続される。したがって、この回路装置によれば、第2モードにおいて、検査装置が第3端子及び第4端子を用いて振動子を検査することができる。また、この回路装置によれば、第1モードでの動作に必要な第3端子及び第4端子が、第2モードにおいて振動子の検査のために兼用されるので、第2モードに専用の端子が不要であり、小型化に有利である。
【0059】
また、この回路装置では、第1スイッチ及び第2スイッチは、レジスターから出力される信号によってそれぞれオン又はオフに制御される。そのため、レジスターから出力される信号の論理レベルが変化するほど電源電圧が大きく変動しない限り、第1モードにおいて第1スイッチ及び第2スイッチがオンしない。したがって、この回路装置によれば、第1モードにおいて電源電圧の変動が生じても誤って検査用の第2モードに遷移するおそれを低減させることができる。
【0060】
前記回路装置の一態様は、
前記第1端子からの信号を増幅して前記第2端子に出力する増幅回路を含んでもよい。
【0061】
前記回路装置の一態様は、
前記振動子を発振させる発振回路と、
前記発振回路からの発振信号が入力されて前記クロック信号を出力する出力バッファーと、
前記出力バッファーと前記第4端子との間の信号経路上に設けられ、前記レジスターによって制御され、前記第1モードでオンとなり、前記第2モードでオフとなる入出力回路と、を備えてもよい。
【0062】
この回路装置によれば、第2モードにおいて、第4端子と入出力回路とが電気的に切断されるので、第4端子の信号が入出力回路によって影響を受けなくすることができる。
【0063】
前記回路装置の一態様は、
前記第3端子と前記レジスターとの間の信号経路上に設けられた第1入出力回路と、
前記第4端子と前記レジスターとの間の信号経路上に設けられた第2入出力回路と、をさらに備え、
第3モードにおいて、前記第3端子及び前記第4端子を用いた通信によって前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御するための設定値が前記レジスターに設定されてもよい。
【0064】
この回路装置によれば、第1モードでの動作に必要な第3端子及び第4端子が、第3モードにおいてレジスターの設定のために兼用されるので、第3モードに専用の端子が不要であり、小型化に有利である。
【0065】
前記回路装置の一態様は、
前記第3モードにおいて、前記第3端子がシリアルデータ端子となり、前記第4端子がシリアルクロック端子となってもよい。
【0066】
前記回路装置の一態様は、
電源投入時に設定される前記レジスターの初期値により、前記第1モードに設定されてもよい。
【0067】
この回路装置によれば、電源投入により振動子が発振する第1モードに初期化されるので、第1モード以外のモードに設定された場合に電源を再投入することにより確実に第1モードに復帰することができる。
【0068】
発振器の一態様は、
振動子と、
前記振動子に接続された回路装置と、
前記振動子及び前記回路装置を収容する容器と、を備え、
前記回路装置は、
前記振動子に接続される第1端子及び第2端子と、
第3端子と、
第4端子と、
前記第1端子と前記第3端子との間の信号経路上に設けられた第1スイッチと、
前記第2端子と前記第4端子との間の信号経路上に設けられた第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをそれぞれオン又はオフに制御する信号を出力するレジスターと、を含み、
前記容器は、
前記第3端子と接続された第1外部端子と、
前記第4端子と接続された第2外部端子と、を含み、
第1モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフとなり、前記第1外部端子に制御信号が入力され、前記第2外部端子からクロック信号が出力され、
第2モードでは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオンとなる。
【0069】
この発振器では、回路装置の第1モードにおいて、第1スイッチ及び第2スイッチがオフとなって第3端子及び第4端子と第1端子及び第2端子とが電気的に切断され、第3端子に入力される制御信号に応じて、振動子の発振動作に基づくクロック信号が第4端子から出力される。一方、回路装置の第2モードにおいて、第1スイッチ及び第2スイッチがオンとなり、第3端子及び第4端子が第1端子及び第2端子を介して振動子と電気的に接続される。したがって、この発振器によれば、回路装置の第2モードにおいて、検査装置が第3端子及び第4端子を用いて振動子を検査することができる。また、この発振器によれば、回路装置において、第1モードでの動作に必要な第3端子及び第4端子が、第2モードにおいて振動子の検査のために兼用されるので、第2モードに専用の端子が不要であり、小型化に有利である。
【0070】
また、この発振器では、回路装置において、第1スイッチ及び第2スイッチは、レジスターから出力される信号によってそれぞれオン又はオフに制御される。そのため、回路装置において、レジスターから出力される信号の論理レベルが変化するほど電源電圧が大きく変動しない限り、第1モードにおいて第1スイッチ及び第2スイッチがオンしない。したがって、この発振器によれば、回路装置の第1モードにおいて電源電圧の変動が生じても誤って検査用の第2モードに遷移するおそれを低減させることができる。
【符号の説明】
【0071】
1…発振器、2…回路装置、3…振動子、3a…励振電極、3b…励振電極、4…パッケージ、5…リッド、6…外部端子、7,7a,7b…収容室、8…封止部材、10…発振回路、11…論理反転回路、12,13…抵抗、14,15…可変容量回路、16…容量素子、20…出力バッファー、30…第1入出力回路、40…第2入出力回路、50…制御回路、51…シリアルインターフェース回路、52…レジスター、60…第1スイッチ、70…第2スイッチ、80…パワーオンリセット回路、100…検査装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9