(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140096
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20241003BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241003BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J2/175 503
B41J2/01 301
B41J2/17 103
B41J2/01 501
B41J2/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051091
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】藤牧 真司
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA28
2C056FA13
2C056FC01
2C056HA15
2C056JC17
2C056KB13
2C056KB15
2C056KC02
(57)【要約】
【課題】液体の温度の上昇を低減できる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部から前記プリントヘッドに液体を供給するチューブと、気体が流れるダクトと、前記ダクト内に気体の流れをつくるファンと、を備え、前記チューブの少なくとも一部は、前記ダクトに接している、ことを特徴とする液体吐出装置。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、
液体を貯留する液体貯留部と、
前記液体貯留部から前記プリントヘッドに液体を供給するチューブと、
気体が流れるダクトと、
前記ダクト内に気体の流れをつくるファンと、
を備え、
前記チューブの少なくとも一部は、前記ダクトに接している、ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
発熱部を備え、
前記ダクトは、前記発熱部と前記チューブとの間に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
吸気口を有する筐体を備え、
前記ファンは、前記吸気口から前記ダクトに外気を引き込む、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
発熱部を備え、
前記ダクトは、前記発熱部に気体を供給する、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記ダクトは、液体のミストの回収用である、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記プリントヘッドは、前記媒体の幅以上の長さを有するラインヘッドである、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記ダクトに接している前記チューブの少なくとも一部は、前記ダクト内における気体の流れに沿って設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記液体は、水系インクである、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記チューブの少なくとも一部は、前記ダクトの外面に接している、ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ラインヘッドから吐出されるインクを、各インク収容部からチューブを介してラインヘッドに供給する液体吐出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された液体吐出装置では、チューブが温められることによってインクの温度が上昇し、インク特性が変化するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る液体吐出装置の一態様は、
媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、
液体を貯留する液体貯留部と、
前記液体貯留部から前記プリントヘッドに液体を供給するチューブと、
気体が流れるダクトと、
前記ダクト内に気体の流れをつくるファンと、
を備え、
前記チューブの少なくとも一部は、前記ダクトに接している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0008】
1.液体吐出装置の機能構成
図1は、液体吐出装置1の機能構成を示す図である。以下の説明では、液体吐出装置1が、媒体に所望の画像を形成する所謂インクジェットプリンター等の液体吐出装置である場合について説明する。なお、液体吐出装置1は、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置、有機ELディスプレイ等の電極形成に用いられる電極材料吐出装置、バイオチップの製造に用いられる生体有機物吐出装置、及び立体構造物の形成に用いられる立体造形装置等、媒体に各種の液体を吐出する液体吐出装置であってもよい。
【0009】
図1に示すように、液体吐出装置1は、制御機構10と、プリントヘッド20と、を備える。
【0010】
制御機構10は、配線基板11と、配線基板11に実装された電源回路12と、メイン制御回路13と、を有している。制御機構10は、プリントヘッド20を駆動する電源電圧、及びプリントヘッド20の動作を制御する制御信号を生成し、プリントヘッド20に出力する。
【0011】
具体的には、電源回路12には、液体吐出装置1の外部に設けられた不図示の商用交流電源から商用電圧が入力される。電源回路12は、入力される商用電圧に基づいて、液体吐出装置1で使用される各種の電源電圧であって、例えば、電圧値が42Vの直流電圧である電圧VHVと、電圧値が5Vの直流電圧である電圧VDDとを生成する。電源回路12は、例えば、交流電圧である商用電圧を直流電圧に変換するフライバック回路等のAC/DCコンバーターと、当該AC/DCコンバーターが出力する直流電圧の電圧値を変換するDC/DCコンバーターと、を含んで構成できる。電源回路12が生成した電圧VHV,VDDを含む各種の電源電圧は、プリントヘッド20に供給される。これにより、プリントヘッド20が動作し、プリントヘッド20から液体の一例であるインクが吐出される。なお、電源回路12は、電圧VHV,VDDに加えて、制御機構10、及びプリントヘッド20を含む液体吐出装置1の各部で使用される所望の電圧値の電源電圧を生成し、対応する各構成に供給してもよい。
【0012】
メイン制御回路13には、液体吐出装置1の外部に設けられたホストコンピューター等の外部機器から不図示のインターフェース回路を介して画像信号が入力される。メイン制御回路13は、入力される画像信号に応じた画像を媒体に形成するための制御信号として画像情報信号IPを生成し、対応する構成に出力する。具体的には、メイン制御回路13は、入力される画像信号に対して所定の画像処理を施した後、当該画像処理を施した信号を画像情報信号IPとしてプリントヘッド20に出力する。ここで、メイン制御回路13で実行される画像処理としては、例えば、入力される画像信号を赤、緑、青の色彩情報に変換した後、液体吐出装置1から吐出されるインクの色彩に対応する色彩情報に変換する色変換処理や、当該色彩情報を二値化するハーフトーン処理等が含まれる。なお、メイン制御回路13が実行する画像処理は、上述した色変換処理やハーフトーン処理に限るものではない。
【0013】
メイン制御回路13は、入力される画像信号に基づいて、当該画像信号に基づく画像が形成される媒体を搬送するための搬送制御信号を生成し、後述する搬送ユニット70に出力する。これにより、プリントヘッド20から吐出されるインクが着弾する媒体の搬送が制御される。このようなメイン制御回路13は、複数の機能を備えた1又は複数の半導体装置であって、例えばSoC(System on a Chip)を含んで構成することができる。
【0014】
以上のように制御機構10は、電源回路12が、プリントヘッド20を駆動する電源電圧としての電圧VHV,VDDを生成し、メイン制御回路13が、プリントヘッド20の動作を制御する画像情報信号IPを生成する。制御機構10が生成した電圧VHV,VDDと画像情報信号IPとがプリントヘッド20に供給されることで、プリントヘッド20からインクが吐出される。
【0015】
プリントヘッド20は、吐出制御モジュール30と、吐出モジュール40と、を有する。
【0016】
吐出制御モジュール30は、吐出制御基板31に実装された吐出制御回路32と、駆動回路基板51に実装された駆動回路52-1~52-n、及び基準電圧出力回路53と、を有する。
【0017】
吐出制御回路32には、メイン制御回路13が出力する画像情報信号IPが入力される。吐出制御回路32は、入力される画像情報信号IPに基づいて、プリントヘッド20からのインクの吐出を制御する吐出タイミング信号TD、及び印刷データ信号SI1-1~SI1-n,…,SIm-1~SIm-nを生成する。吐出制御モジュール30は、吐出制御回路32が出力する吐出タイミング信号TD、及び印刷データ信号SI1-1~SI1-n,…,SIm-1~SIm-nを吐出モジュール40に出力する。
【0018】
また、吐出制御回路32は、メイン制御回路13から入力される画像情報信号IPに基づいて、基駆動信号dA1~dAmを生成し、駆動回路基板51に出力する。
【0019】
吐出制御回路32が出力する基駆動信号dA1は、駆動回路基板51に実装された駆動回路52-1に入力される。駆動回路52-1は、入力される基駆動信号dA1をアナログ信号に変換した後、変換されたアナログ信号を電圧VHVに基づいて増幅することで、駆動信号COM1を生成する。同様に、駆動回路52-i(iは1~mのいずれか)は、入力される基駆動信号dAiをアナログ信号に変換した後、変換されたアナログ信号を電圧VHVに基づいて増幅することで、駆動信号COMiを生成する。すなわち、基駆動信号dA1は、駆動信号COM1の信号波形を規定する信号であり、基駆動信号dAiは、駆動信号COMiの信号波形を規定する信号である。また、駆動回路基板51に実装された基準電圧出力回路53は、電圧VDD又は電圧VHVを昇圧又は降圧することで、基準電圧信号VBSを生成する。
【0020】
駆動回路52-1~52-mのそれぞれが生成した駆動信号COM1~COMmと、基準電圧出力回路53が生成した基準電圧信号VBSとが、駆動回路基板51から出力される。駆動回路基板51から出力された駆動信号COM1~COMmと基準電圧信号VBSとは、吐出制御基板31を伝搬し、吐出制御モジュール30から吐出モジュール40に出力される。
【0021】
吐出モジュール40は、吐出ヘッド100-1~100-mを有し、吐出ヘッド100-1~100-mの各々は、駆動信号選択回路200-1~200-nと、駆動信号選択回路200-1~200-nの各々に対応するヘッドチップ300-1~300-nと、を有する。
【0022】
吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-1には、吐出タイミング信号TD、印刷データ信号SI1-1、及び駆動信号COM1が入力される。吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-1は、印刷データ信号SI1-1に基づいて、吐出タイミング信号TDで規定されるタイミングで、駆動信号COM1に含まれる駆動波形を選択又は非選択とすることで、吐出ヘッド100-1に含まれるヘッドチップ300-1が有する複数の吐出部600の各々に対応する駆動信号VOUTを生成する。吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-1は、生成した駆動信号VOUTを対応する吐出部600に含まれる圧電素子60の一端に供給する。このとき、圧電素子60の他端には基準電圧信号VBSが供給されている。圧電素子60は、一端に供給される駆動信号VOUTと、他端に供給される基準電圧信号VBSとの電位差に応じて駆動し、圧電素子60の駆動に伴い吐出部600からインクが吐出される。
【0023】
同様に、吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-nには、吐出タイミング信号TD、印刷データ信号SI1-n、及び駆動信号COM1が入力される。吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-nは、印刷データ信号SI1-nに基づいて、吐出タイミング信号TDで規定されるタイミングで、駆動信号COM1に含まれる駆動波形を選択又は非選択とすることで、吐出ヘッド100-1に含まれるヘッドチップ300-nが有する複数の吐出部600の各々に対応する駆動信号VOUTを生成する。吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-nは、生成した駆動信号VOUTを対応する吐出部600に含まれる圧電素子60の一端に供給する。このとき、圧電素子60の他端には基準電圧信号VBSが供給されている。圧電素子60は、一端に供給される駆動信号VOUTと、他端に供給される基準電圧信号VBSとの電位差に応じて駆動し、圧電素子60の駆動に伴い吐出部600からインクが吐出される。
【0024】
ここで、吐出ヘッド100-1と吐出ヘッド100-2~100-mとは、入力される信号が異なるのみであり、構成、及び動作は同様である。そのため、吐出ヘッド100-2~100-mの構成、及び動作の説明は省略する。また、以下の説明において、吐出ヘッド100-1~100-6を区別する必要がない場合、単に吐出ヘッド100と称する場合がある。このとき、吐出ヘッド100には、吐出タイミング信号TDと、印刷データ信号SI1-1~SI1-n,…,SIm-1~SIm-nとしての印刷データ信号SI-1~SI-mと、駆動信号COM1~COMmとしての駆動信号COMと、基準電圧信号VBSと、が入力されるとして説明を行い、また、駆動信号COMは、駆動回路52-1~52-mとしての駆動回路52が出力するとして説明する。
【0025】
次に、吐出ヘッド100-1~100-mの各々が有するヘッドチップ300-1~300-nの各々に含まれる吐出部600の構造の一例について説明する。
図2は、吐出部600の概略構造を説明するための図である。
図2には、吐出部600に加えて、ノズルプレート632、リザーバー641、及び供給口661を図示している。
【0026】
図2に示すように、吐出部600は、圧電素子60、振動板621、キャビティー631、及びノズル651を含む。圧電素子60は、圧電体601と、電極611,612とを含み、電極611,612が圧電体601を挟む。電極611には、駆動信号VOUTが供給され、電極612には、基準電圧信号VBSが供給される。圧電素子60は、電極611に供給される駆動信号VOUTと電極612に供給される電圧との電位差に応じて、中央部分が上下方向に変位するように駆動する。
【0027】
振動板621は、
図2における圧電素子60の下方に位置している。換言すれば、圧電素子60は、振動板621の
図2における上方の面に形成されている。振動板621は、圧電素子60の上下方向への駆動に伴い、上下方向に変位する。
【0028】
振動板621の
図2における下方には、キャビティー631が位置している。キャビティー631には、リザーバー641からインクが供給される。また、リザーバー641には、供給口661を介してインクが導入される。すなわち、キャビティー631には、供給口661が供給されたインクが貯留される。キャビティー631は、振動板621の上下方向の変位に伴い内部容積が拡大又は縮小する。すなわち、振動板621は、キャビティー631の内部容積を変化させるダイヤフラムとして機能し、キャビティー631は、振動板621の上下方向の変位に伴い内部圧力が変化する圧力室として機能する。
【0029】
ノズル651は、ノズルプレート632に設けられ開孔であって、キャビティー631と連通している。キャビティー631の内部容積の変化に応じてキャビティー631の内部に充填されたインクがノズル651から吐出される。
【0030】
具体的には、吐出部600において、圧電素子60が上方向に撓むように駆動した場合、振動板621が上方向に変位する。これにより、キャビティー631の内部容積が拡大し、リザーバー641に貯留されているインクが、キャビティー631に引き込まれる。一方で、圧電素子60が下方向に撓むように駆動した場合、振動板621が下方向に変位する。これにより、キャビティー631の内部容積が縮小し、キャビティー631の内部容積の縮小の程度に応じた量のインクが、ノズル651から吐出される。
【0031】
なお、圧電素子60は、駆動信号VOUTと基準電圧信号VBSとに応じて駆動するとともに、駆動することでノズル651からインクが吐出できる構造であればよく、
図2に示す構造に限られるものではない。
【0032】
すなわち、本実施形態のプリントヘッド20は、インクを吐出するノズル651が形成されているノズルプレート632と、ノズル651からインクを吐出させる駆動信号VOUTの基となる駆動信号COMを出力する駆動回路52と、を備える。ここで、複数の吐出部600を含むヘッドチップ300-1~300-nはいずれも同様の構成である。そのため、以下の説明において、ヘッドチップ300-1~300-nを区別する必要がない場合、単にヘッドチップ300と称する場合がある。
【0033】
2.液体吐出装置の構造
次に、液体吐出装置1の概略構造について説明する。
図3は、液体吐出装置1の概略構造を示す図である。ここで、以下では、プリントヘッド20が6個の吐出ヘッド100であって、吐出ヘッド100-1~100-6を有するとして説明する。
【0034】
図3に示すように、液体吐出装置1は、上述した制御機構10、及びプリントヘッド20に加えて、プリントヘッド20から吐出されたインクが着弾する媒体Pを搬送する搬送ユニット70と、プリントヘッド20から吐出されるインクが貯留される液体貯留部2と、液体貯留部2からプリントヘッド20にインクを供給するチューブ4と、を備える。
【0035】
制御機構10は、前述したとおり電源回路12とメイン制御回路13とを有し、プリントヘッド20を含む液体吐出装置1の動作を制御する。制御機構10は、電源回路12とメイン制御回路13とに加えて、液体吐出装置1の各種情報を記憶する記憶回路や液体吐出装置1の外部に設けられたホストコンピューター等の外部機器と通信を行うためのインターフェース回路等を有してもよい。
【0036】
制御機構10は、液体吐出装置1の外部に設けられた外部機器から入力される画像信号を受信し、受信した画像信号に基づいて、媒体Pの搬送を制御するための搬送制御信号に相当する制御信号PTを生成し搬送ユニット70に出力する。これにより、搬送ユニット70は、媒体Pを搬送する。搬送ユニット70は、例えば、媒体Pを搬送するための不図示のローラーや、当該ローラーを回転させるモーター等を含んで構成される。
【0037】
液体貯留部2には、プリントヘッド20から吐出されるインクが貯留されている。例えば、液体貯留部2は、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKの4色のインクが個別に貯留されている。液体貯留部2に貯留されているインクが、チューブ4を介してプリントヘッド20が有する吐出ヘッド100-1~100-6に供給される。なお、液体貯留部2が備えるインクが貯留される容器の数は、4個に限定されない。また、液体貯留部2には、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックK以外の色彩のインクが貯留されてもよい。
【0038】
プリントヘッド20は、媒体Pの幅以上の長さを有するラインヘッドである。例えば、プリントヘッド20が有する吐出ヘッド100-1~100-6は、吐出ヘッド100-1、吐出ヘッド100-2、吐出ヘッド100-3、吐出ヘッド100-4、吐出ヘッド100-5、吐出ヘッド100-6の順に媒体Pの幅方向に並んで配置されている。このとき、吐出ヘッド100-1~100-6は、搬送される媒体Pの幅以上となるように配置されている。プリントヘッド20は、液体貯留部2から供給されたインクを吐出ヘッド100-1~100-6の各々に分配するとともに、制御機構10から入力される画像情報信号IPに基づいて動作する。これにより、プリントヘッド20は、媒体Pの所望の位置にインクを吐出する。なお、プリントヘッド20が有する吐出ヘッド100は6個に限定されず、5個以下、又は7個以上であってもよい。
【0039】
以上のように、液体吐出装置1は、制御機構10が、外部機器から入力される画像信号に基づく画像情報信号IPを生成し、プリントヘッド20に出力する。そして、プリントヘッド20は、制御機構10から入力される画像情報信号IPに応じたタイミングで媒体Pにインクを吐出する。これにより、プリントヘッド20が吐出するインクが、媒体Pの所望の位置に着弾し、媒体Pに所望の画像が形成される。
【0040】
なお、以下の説明では、液体吐出装置1が、媒体Pの幅以上に連続して設けられた吐出ヘッド100が搬送ユニット70によって搬送される媒体Pにインクを吐出することで、媒体Pに所望の画像を形成する所謂ライン印刷方式の液体吐出装置であるとして説明するが、液体吐出装置1は、所謂ライン印刷方式の液体吐出装置に限るものではなく、プリントヘッド20が、走査方向に沿って移動可能なキャリッジに搭載され、媒体Pの搬送に伴い、キャリッジが移動することで、媒体Pの所望の位置にインクを着弾させる所謂シリアル方式の液体吐出装置であってもよい。
【0041】
図4は、液体吐出装置1の外観斜視図である。液体吐出装置1は、
図4に示すように、筐体80を備えている。
【0042】
筐体80の上部には、スキャナーユニット810が配置され、筐体80の前面には操作パネル820が配置されている。筐体80は、筐体80内から排出される媒体を取り出すための排出トレイ82を備えている。筐体80の下部には、媒体を収容する媒体カセット84が設けられている。
【0043】
排出トレイ82には、上方に突出する突出部83が、媒体が排出される方向に沿って形成されている。突出部83により、排出トレイ82に支持される媒体が幅方向に撓み、排出トレイ82上における媒体のカールが抑制され、整列性が向上する。排出トレイ82の端には、外気を取り込むための吸気口86が形成されている。
【0044】
図5および
図6は、液体吐出装置1の要部を説明するための図である。
【0045】
液体吐出装置1は、
図5および
図6に示すように、ダクト6と、ファン8と、電源回路12及びメイン制御回路13を有する制御機構10を収容するケース110と、を備えている。ダクト6、ファン8、およびケース110は、筐体80内に収容されている。
【0046】
ダクト6は、発熱部としての制御機構10を冷却するためのダクトである。ダクト6は、気体を導く管である。ダクト6は、一端が吸込口62、他端が吸出口64となる管である。図示の例では、ダクト6は、断面形状が四角形の管である。なお、ダクト6の形状は特に限定されない。ダクト6の材質は、例えば、アルミニウムなどの金属や、プラスチックなどである。
【0047】
ダクト6の吸込口62は、筐体80の吸気口86に配置されている。ダクト6の吸出口64は、制御機構10が収容されたケース110内に配置されている。ダクト6の吸出口64にはファン8が接続されている。ダクト6は、吸込口62から引き込んだ気体を吸出口64から排出する。ダクト6の経路は、筐体80の吸気口86からケース110内まで外気を導くことができれば特に限定されない。
【0048】
ファン8は、ダクト6内において気体の流れをつくる。図示の例では、ファン8は、ダクト6の吸込口62から吸出口64まで流れる気体の流れをつくる。ダクト6の吸込口62は、筐体80の吸気口86に配置されているため、ファン8によって吸気口86から外気をダクト6内に引き込むことができる。ダクト6の吸出口64は、ケース110内に配置されているため、ファン8によって外気をケース110内に排出できる。これにより、ダクト6の吸込口62から外気をダクト6内に引き込み、引き込んだ外気を吸出口64からケース110内に排出できる。図示はしないが、ケース110内に供給された外気は、ケース110に設けられた排気口からケース110の外に排出され、筐体80に設けられた排気口から筐体80の外に排出される。
【0049】
なお、ここでは、ダクト6内を流れる気体が外気である場合について説明したが、ダクト6内を流れる気体は外気に限定されない。例えば、ダクト6内を流れる気体は、筐体80内の空気であってもよい。
【0050】
ここで、電源回路12およびメイン制御回路13は、動作時に発熱する。すなわち、電源回路12やメイン制御回路13を有する制御機構10は、液体吐出装置1において発熱部となる。ダクト6およびファン8を用いて気体をケース110内に供給することによって、ケース110内に気体の流れをつくることができる。これにより、電源回路12やメイン制御回路13などの発熱部を冷却できる。また、ケース110内の空気よりも温度が低い外気をケース110内に供給することによって、効率よく発熱部を冷却できる。
【0051】
なお、ここでは、発熱部が電源回路12およびメイン制御回路13を有する制御機構10である場合について説明したが、発熱部は制御機構10に限定されず、動作することによって発熱する発熱源であれば特に限定されない。このような発熱源は、例えば、電源回路12およびメイン制御回路13以外のその他の回路や、モーターなどであってもよい。
【0052】
液体貯留部2は、
図5に示すように、シアンCのインクが貯留された第1容器2a、マゼンタMのインクが貯留された第2容器2b、イエローYのインクが貯留された第3容器2c、およびブラックKのインクが貯留された第4容器2dを有している。そのため、液体貯留部2に貯留されているインクは、4本のチューブ4、すなわち、チューブ4a、チューブ4b、チューブ4c、およびチューブ4dを介してプリントヘッド20に供給される。第1容器2a、第2容器2b、第3容器2c、および第4容器2dは、筐体80内において壁部9で区画された空間に配置されている。液体貯留部2に貯留されたインクは、例えば、水系顔料インクや水系染料インクなどの水を溶媒とする水系インクである。
【0053】
チューブ4aは、第1容器2aからプリントヘッド20にインクを供給する。チューブ4aの一端は第1容器2aに接続され、チューブ4aの他端はプリントヘッド20に接続されている。チューブ4bは、第2容器2bからプリントヘッド20にインクを供給する。チューブ4bの一端は第2容器2bに接続され、チューブ4bの他端はプリントヘッド20に接続されている。チューブ4cは、第3容器2cからプリントヘッド20にインクを供給する。チューブ4cの一端は第3容器2cに接続され、チューブ4cの他端はプリントヘッド20に接続されている。チューブ4dは、第4容器2dからプリントヘッド20にインクを供給する。チューブ4dの一端は第4容器2dに接続され、チューブ4dの他端はプリントヘッド20に接続されている。チューブ4a、チューブ4b、チューブ4c、およびチューブ4dは、互いに接するように1つに束ねられていてもよいし、互いに離隔するように配置されていてもよい。以下、チューブ4aについて説明する。
【0054】
チューブ4aの材質は、例えば、ゴムや、樹脂などであり、チューブ4aは可撓性を有している。チューブ4aの一部は、ダクト6の外面に接している。チューブ4aがダクト6に接することによって、チューブ4aを流れるインクを冷却できる。筐体80内の温度よりも低い温度の外気をダクト6内に流すことによって、ダクト6が冷却されるため、チューブ4aを流れるインクを効率よく冷却できる。
【0055】
ダクト6は、チューブ4aと発熱部との間に配置されている。図示の例では、ダクト6は、発熱部、すなわちケース110を向く第1外面66aと、第1外面66aとは反対方向を向く第2外面66bと、を有している。チューブ4aは、第2外面66bに接している。したがって、ダクト6は、第2外面66bに接しているチューブ4aと発熱部との間に位置する。チューブ4aは、第2外面66bに固定されている。
【0056】
ダクト6に接しているチューブ4aの少なくとも一部は、ダクト6内における気体の流れに沿って設けられている。すなわち、ダクト6に接しているチューブ4aの少なくとも一部は、ダクト6の中心軸Aに沿って設けられている。
図5および
図6に示す例では、ダクト6の第1外面66aに接しているチューブ4aの一部が、ダクト6内における気体の流れに沿って、すなわち、中心軸Aに沿って設けられている。
【0057】
なお、
図5および
図6に示す例では、チューブ4aの一部がダクト6に接していたが、図示はしないがチューブ4aの全部がダクト6に接していてもよい。また、第1容器2aの一部がダクト6に接していてもよい。
【0058】
上記では、チューブ4aについて説明したが、チューブ4b、チューブ4c、およびチューブ4dについてもチューブ4aと同様であり、その説明を省略する。
【0059】
3.作用効果
液体吐出装置1は、媒体Pにインクを吐出するプリントヘッド20と、インクを貯留する液体貯留部2と、液体貯留部2からプリントヘッド20にインクを供給するチューブ4aと、気体が流れるダクト6と、ダクト6内に気体の流れをつくるファン8と、を備えている。液体吐出装置1では、チューブ4aの少なくとも一部は、ダクト6に接している。ダクト6内は気体が流れているため、ダクト6は筐体80内の他の部分と比べて温度の変動が小さく、温度が上昇し難い。そのため、液体吐出装置1では、チューブ4aの少なくとも一部がダクト6に接していることにより、チューブ4aを流れるインクを冷却できる。したがって、液体吐出装置1では、インクの温度の上昇を低減でき、温度の変動によるインク特性の変化を低減できる。
【0060】
例えば、チューブ4aを流れるインクが発熱部の輻射熱などによって温められて、チューブ4aを流れるインクの温度が上昇すると、インクが蒸発してプリントヘッド20において目詰まりを起こし、装置が故障するおそれがある。また、インクの温度が上昇すると、インクの寿命が低下するおそれがある。液体吐出装置1では、チューブ4aを流れるインクを冷却できるため、装置が故障する可能性を低減でき、かつ、インク寿命の向上を図ることができる。
【0061】
液体吐出装置1は、電源回路12やメイン制御回路13などの発熱部を備え、ダクト6は、発熱部とチューブ4aとの間に配置されている。そのため、液体吐出装置1では、発熱部からチューブ4aへの輻射熱をダクト6によって遮ることができる。したがって、液体吐出装置1では、チューブ4aを流れるインクの温度の上昇を低減できる。
【0062】
液体吐出装置1は、吸気口86を有する筐体80を備え、ファン8は、吸気口86からダクト6に外気を引き込む。そのため、液体吐出装置1では、吸気口86から引き込んだ外気によってダクト6が冷却されるため、ダクト6に接しているチューブ4aを流れるインクを効率よく冷却できる。
【0063】
液体吐出装置1は、電源回路12やメイン制御回路13などの発熱部を備え、ダクト6は発熱部に気体を供給する。そのため、液体吐出装置1では、電源回路12やメイン制御回路13などの発熱部、およびチューブ4aを流れるインクを冷却できる。さらに、液体吐出装置1では、チューブ4aを流れるインクを冷却するためのファンやダクトなどのインク冷却専用の冷却機構が不要であり、装置の小型化、コストの低減、および省電力化を図ることができる。
【0064】
液体吐出装置1では、プリントヘッド20は、媒体Pの幅以上の長さを有するラインヘッドである。そのため、液体吐出装置1では、プリントヘッド20が移動しないため、チューブ4aの負荷を低減できる。例えば、プリントヘッド20が移動する場合、チューブ4aはプリントヘッド20の移動に伴って動くため、チューブ4aに負荷がかかる。液体吐出装置1では、プリントヘッド20が移動しないため、プリントヘッド20が移動する場合と比べて、チューブ4aの負荷を低減できる。
【0065】
液体吐出装置1では、ダクト6に接しているチューブ4aの少なくとも一部は、ダクト6内における気体の流れに沿って設けられている。そのため、液体吐出装置1では、ダクト6に接しているチューブ4aの長さを長くでき、チューブ4aを流れるインクを効率よく冷却できる。
【0066】
液体吐出装置1では、チューブ4aがプリントヘッド20に供給するインクは、水系インクである。液体吐出装置1では、インクの温度の上昇を低減できるため、温度の影響を受けやすい水系インクを用いた場合でも、温度の変動によるインク特性の変化を低減できる。
【0067】
液体吐出装置1では、チューブ4aの少なくとも一部は、ダクト6の外面に接している。そのため、液体吐出装置1では、ダクト6内における気体の流れに影響を与えることなく、チューブ4aを流れるインクを冷却できる。例えば、ダクト6の内面にチューブ4aが接している場合、チューブ4aがダクト6内における気体の流れに影響を与えてしまう。
【0068】
なお、上記では、チューブ4aを例に挙げて液体吐出装置1の作用効果を説明したが、チューブ4b、チューブ4c、およびチューブ4dについても、チューブ4aと同様の作用効果を奏することができる。
【0069】
4.変形例
上述した実施形態では、電源回路12やメイン制御回路13などの発熱部を冷却するために用いられるダクト6にチューブ4a、チューブ4b、チューブ4c、およびチューブ4dが接している場合について説明したが、チューブ4a、チューブ4b、チューブ4c、およびチューブ4dが接しているダクト6は、発熱部を冷却するためのダクトに限定されない。例えば、ダクト6は、インクのミストを回収するためのミスト回収用のダクトであってもよい。
【0070】
ここで、液体吐出装置1では、プリントヘッド20から吐出されたインクの一部は、媒体Pに着弾せずに、ミストとなって空気中を漂う。このようなミストは、液体吐出装置1の内部の様々な場所や機構に付着してしまう。ミストによる汚れが蓄積すると、液体吐出装置1の動作や印刷品質に影響を与える。したがって、図示はしないが、液体吐出装置1では、ダクト6の吸込口62をミストが漂う空間に配置し、ダクト6の吸出口64をミスト回収容器に配置する。ダクト6の吸出口64にはファン8が配置されており、ファン8によってミストをダクト6の吸込口62から吸出口64に導く空気の流れをつくる。このようにして、ダクト6およびファン8を用いてミストをミスト回収容器に回収できる。
【0071】
このようなミスト回収用のダクト6に接するように、チューブ4a、チューブ4b、チューブ4c、およびチューブ4dを配置する。チューブ4a、チューブ4b、チューブ4c、およびチューブ4dの各々を流れるインクは、ダクト6によって冷却される。
【0072】
液体吐出装置1では、ダクト6はインクのミストの回収用のダクトであってもよい。これにより、ダクト6によって、ミストを回収でき、かつ、チューブ4aを流れるインクを冷却できる。さらに、液体吐出装置1では、チューブ4aを流れるインクを冷却するためのファンやダクトなどのインク冷却専用の冷却機構が不要であり、装置の小型化、コストの低減、および省電力化を図ることができる。このように、ダクト6がインクのミストの回収用のダクトである液体吐出装置1においても、ダクト6が発熱部を冷却するためのダクトである場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0073】
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0074】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0075】
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
【0076】
液体吐出装置の一態様は、
媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、
液体を貯留する液体貯留部と、
前記液体貯留部から前記プリントヘッドに液体を供給するチューブと、
気体が流れるダクトと、
前記ダクト内に気体の流れをつくるファンと、
を備え、
前記チューブの少なくとも一部は、前記ダクトに接している。
【0077】
この液体吐出装置によれば、チューブを流れる液体を冷却できる。したがって、この液体吐出装置では、液体の温度の上昇を低減でき、温度の変動による液体の特性の変化を低減できる。
【0078】
液体吐出装置の一態様において、
発熱部を備え、
前記ダクトは、前記発熱部と前記チューブとの間に配置されていてもよい。
【0079】
この液体吐出装置によれば、発熱部からチューブへの輻射熱をダクトによって遮ることができる。したがって、この液体吐出装置では、チューブを流れる液体の温度の上昇を低減できる。
【0080】
液体吐出装置の一態様において、
吸気口を有する筐体を備え、
前記ファンは、前記吸気口から前記ダクトに外気を引き込んでもよい。
【0081】
この液体吐出装置によれば、ファンによって外気をダクト内に引き込むことができるため、外気によってダクトを冷却でき、ダクトに接しているチューブを流れる液体を冷却できる。
【0082】
液体吐出装置の一態様において、
発熱部を備え、
前記ダクトは、前記発熱部に気体を供給してもよい。
【0083】
この液体吐出装置によれば、発熱部およびチューブを流れるインクを冷却できる。さらに、この液体吐出装置によれば、チューブを流れる液体を冷却するための専用の冷却機構が不要であり、装置の小型化、コストの低減、および省電力化を図ることができる。
【0084】
液体吐出装置の一態様において、
前記ダクトは、液体のミストの回収用であってもよい。
【0085】
この液体吐出装置によれば、ミストを回収でき、かつ、チューブを流れる液体を冷却できる。さらに、この液体吐出装置によれば、チューブを流れる液体を冷却するための専用の冷却機構が不要であり、装置の小型化、コストの低減、および省電力化を図ることができる。
【0086】
液体吐出装置の一態様において、
前記プリントヘッドは、前記媒体の幅以上の長さを有するラインヘッドであってもよい。
【0087】
この液体吐出装置によれば、プリントヘッドが移動しないため、チューブの負荷を低減できる。
【0088】
液体吐出装置の一態様において、
前記ダクトに接している前記チューブの少なくとも一部は、前記ダクト内における気体の流れに沿って設けられていてもよい。
【0089】
この液体吐出装置によれば、ダクトに接しているチューブの長さを長くできる。したがって、この液体吐出装置によれば、チューブを流れるインクを効率よく冷却できる。
【0090】
液体吐出装置の一態様において、
前記チューブが前記プリントヘッドに供給する液体は、水系インクであってもよい。
【0091】
この液体吐出装置によれば、インクの温度の上昇を低減できるため、温度の影響を受けやすい水系インクを用いた場合でも、温度の変動によるインク特性の変化を低減できる。
【0092】
液体吐出装置の一態様において、
前記チューブの少なくとも一部は、前記ダクトの外面と接していてもよい。
【0093】
この液体吐出装置によれば、ダクト内における気体の流れに影響を与えることなく、チューブを流れる液体を冷却できる。
【符号の説明】
【0094】
1…液体吐出装置、2…液体貯留部、2a…第1容器、2b…第2容器、2c…第3容器、2d…第4容器、4…チューブ、4a…チューブ、4b…チューブ、4c…チューブ、4d…チューブ、6…ダクト、8…ファン、9…壁部、10…制御機構、11…配線基板、12…電源回路、13…メイン制御回路、20…プリントヘッド、30…吐出制御モジュール、31…吐出制御基板、32…吐出制御回路、40…吐出モジュール、51…駆動回路基板、52…駆動回路、53…基準電圧出力回路、60…圧電素子、62…吸込口、64…吸出口、66a…第1外面、66b…第2外面、70…搬送ユニット、80…筐体、82…排出トレイ、83…突出部、84…媒体カセット、86…吸気口、100…吐出ヘッド、110…ケース、200…駆動信号選択回路、300…ヘッドチップ、600…吐出部、601…圧電体、611…電極、612…電極、621…振動板、631…キャビティー、632…ノズルプレート、641…リザーバー、651…ノズル、661…供給口、810…スキャナーユニット、820…操作パネル