IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラピステクノロジー株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-端末装置及びシステム 図1
  • 特開-端末装置及びシステム 図2
  • 特開-端末装置及びシステム 図3
  • 特開-端末装置及びシステム 図4
  • 特開-端末装置及びシステム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140117
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】端末装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/72454 20210101AFI20241003BHJP
   H04M 1/72409 20210101ALI20241003BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241003BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H04M1/72454
H04M1/72409
G06F3/01 510
G09G5/00 550C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051116
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隼平
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
5K127
【Fターム(参考)】
5C182AA31
5C182AB08
5C182AB33
5C182BA29
5C182BA46
5C182BC22
5C182BC25
5C182CC21
5E555AA63
5E555AA64
5E555AA74
5E555BA04
5E555BA05
5E555BA06
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB08
5E555CA44
5E555CB19
5E555CB21
5E555DA02
5E555DA22
5E555DA23
5E555DC24
5E555DD06
5E555DD08
5E555FA00
5K127AA36
5K127BA03
5K127BB24
5K127CB13
5K127HA11
5K127JA25
(57)【要約】
【課題】カメラを使用せずに利用者の姿勢を検知することができる端末装置を提供する。
【解決手段】端末装置は、利用者に通知する通知手段を備える端末装置であって、端末装置の重力方向に対する傾斜度合を示す第1の傾斜値を取得する端末傾斜値取得手段と、利用者に着用された機器の重力方向に対する傾斜度合を示す第2の傾斜値を取得する機器傾斜値取得手段と、第1の傾斜値及び第2の傾斜値に基づいて通知手段を制御する制御手段と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に通知する通知手段を備える端末装置であって、
前記端末装置の重力方向に対する傾斜度合を示す第1の傾斜値を取得する端末傾斜値取得手段と、
前記利用者に着用された機器の重力方向に対する傾斜度合を示す第2の傾斜値を取得する機器傾斜値取得手段と、
前記第1の傾斜値及び前記第2の傾斜値に基づいて前記通知手段を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記端末傾斜値取得手段から有線で前記第1の傾斜値を取得し、前記機器傾斜値取得手段から有線又は無線で前記第2の傾斜値を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記通知手段は画像を表示する画像表示装置を含み、
前記制御手段は、前記第1の傾斜値及び前記第2の傾斜値に基づいて前記利用者の姿勢情報を生成し、前記姿勢情報により前記画像の表示態様を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記通知手段は前記機器に設けられている音声又は振動発生装置である
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
利用者に通知する通知手段を備える端末装置システムであって、
前記利用者に着用された機器と、前記機器から有線又は無線で通信する端末装置と、を含み、
前記端末装置は、
前記端末装置の重力方向に対する傾斜度合を示す第1の傾斜値を取得する端末傾斜値取得手段と、
前記機器の重力方向に対する傾斜度合を示す第2の傾斜値を取得する機器傾斜値取得手段と、
前記第1の傾斜値及び前記第2の傾斜値に基づいて前記通知手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする端末装置システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に通知する通知手段を備える端末装置及びシステムに関し、特に、利用者の姿勢検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に利用者の姿勢検知はカメラで体もしくは体の一部を撮影し、画像認識により姿勢を検知する手法、体に姿勢検知用の専用センサを取りつけセンサデータを解析し検知する手法が知られている(特許文献1、参照)。特許文献1に開示されたカメラを用いた姿勢検知方法の例として、スマートフォンにはカメラで顔検知を行い、画面回転を制御する機能などがある。通常はスマートフォンの加速度センサを用いて画面回転を制御しているが、カメラで顔を検知することにより寝ながらスマートフォンを操作しているときは画面回転を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2014/155748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、カメラを使用する場合、暗い部屋など撮影環境に影響し正しく利用者の姿勢を検知できない。また、姿勢検知用の専用センサを取りつける場合は手軽には姿勢を検知できないという課題があった。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、端末装置の持ち方に影響せずに利用者の姿勢を検知し、カメラを使用せずに利用者の姿勢を検知することができる端末装置及びシステムを提供することを目的の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端末装置は、利用者に通知する通知手段を備える端末装置であって、
前記端末装置の重力方向に対する傾斜度合を示す第1の傾斜値を取得する端末傾斜値取得手段と、
前記利用者に着用された機器の重力方向に対する傾斜度合を示す第2の傾斜値を取得する機器傾斜値取得手段と、
前記第1の傾斜値及び前記第2の傾斜値に基づいて前記通知手段を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の端末装置システムは、利用者に通知する通知手段を備える端末装置システムであって、
前記利用者に着用された機器と、前記機器から有線又は無線で通信する端末装置と、を含み、
前記端末装置は、
前記端末装置の重力方向に対する傾斜度合を示す第1の傾斜値を取得する端末傾斜値取得手段と、
前記機器の重力方向に対する傾斜度合を示す第2の傾斜値を取得する機器傾斜値取得手段と、
前記第1の傾斜値及び前記第2の傾斜値に基づいて前記通知手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、利用者の顔の傾きから姿勢を検知し、姿勢検知した利用者へ注意喚起をする効果が得られる。
【0009】
近年、スマートフォンだけでなく、ワイヤレスイヤホンなどの利用者に着用された小型機器にも加速度センサや近接センサ、タッチセンサなどが搭載されており、それによって小型機器の操作ができ、これらのセンサを使用して新たな価値を作り出していくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による第1の実施例の端末装置システムの構成の一例を示す概略説明図である。
図2】第1の実施例における端末装置であるスマートフォン2の一例を示す概略構成図である。
図3】第1の実施例における、利用者に着用されるワイヤレスイヤホン3の一例を示す概略構成図である。
図4】第1の実施例における、利用者に着用されるワイヤレスイヤホン3を示す概略構成図である。
図5】第1の実施例における利用者が着用するワイヤレスイヤホン3とスマートフォン2のタッチパネル101bのディスプレイ面(例えばディスプレイ面法線)とを結ぶ基準方向と、利用者がスマートフォン2のタッチパネル101bのディスプレイ面と対面している傾斜角度範囲の関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態及び実施例の端末装置及びシステムについて説明する。なお、実施形態及び実施例において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
(実施形態の説明)
本発明の実施形態は、利用者に通知する通知手段を備える端末装置であって、端末装置の重力方向に対する傾斜度合を示す第1の傾斜値を取得する端末傾斜値取得手段と、利用者に着用された機器の重力方向に対する傾斜度合を示す第2の傾斜値を取得する機器傾斜値取得手段と、第1の傾斜値及び第2の傾斜値に基づいて通知手段を制御する制御手段と、を含む。
【0013】
端末装置としては、例えば、Bluetooth(登録商標)規格のBLE(Bluetooth Low Energy)通信等の互いに近接したときに通信可能になる親機と子機の近接無線通信機能を備えた、スマートフォン、タブレット端末装置、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートウォッチ(スマート腕時計)等の携帯コンピュータ端末装置であって、上記の利用者に着用された機器と近接無線通信又は有線通信が可能な電子機器が挙げられる。
【0014】
端末傾斜値取得手段及び機器傾斜値取得手段としては、それぞれ上記の端末装置及び上記の利用者に着用された機器に搭載された、少なくとも加速度センサ、ジャイロセンサ等のセンサ装置を用いて重力方向に対する傾き(傾斜度合)を測定できる傾斜測定機能を含むものである。
【0015】
上記の利用者に着用された機器としては、上記の端末斜値取得手段が搭載されかつ上記の携帯コンピュータ端末装置と近接無線通信又は有線通信が可能な、例えば、補聴器、ワイヤレスイヤホン、ワイヤレスヘッドホン、スマートグラス(スマート眼鏡)、有線イヤホン、有線ヘッドホン等の密着型ウェアラブル小型機器が挙げられる。
【実施例0016】
(第1の実施例の説明)
図1は、第1の実施例の端末装置システム1の概略説明図である。端末装置システム1は、利用者が携帯するスマートフォン2(端末装置)と、利用者に着用されたワイヤレスイヤホン3(機器)とを含む。スマートフォン2とワイヤレスイヤホン3とは、近接無線通信機能によって通信可能に接続される。
【0017】
第1の実施例では、上記傾斜測定機能が搭載されているスマートフォン2とワイヤレスイヤホン3を姿勢検知方法として使用する。第1の実施例は、スマートフォン2とワイヤレスイヤホン3に搭載されている傾斜測定機能を用いて利用者の顔(頭)の傾き等を検知し、ワイヤレスイヤホン3の着用者の姿勢を判定し、スマートフォン2又はワイヤレスイヤホン3の動作にフィードバッグする機能を有する。
【0018】
(端末装置)
図2は、本実施例におけるスマートフォン2の一例を示す概略構成図である。スマートフォン2は、傾斜測定機能を有する通信装置である。
【0019】
スマートフォン2は、ハードウエアとして、例えば、互いに近接したときに通信可能になる親機と子機の近接無線通信機能の無線モジュール及びLTE(Long Term Evolution)や4G若しくは5Gの通信機能モジュールとそれぞれのアンテナとを含む音声通話やデータ通信に用いられる通信部101a、利用者とのインターフェースのための操作部兼表示部であるタッチパネル101b(画像表示装置)、時計101c、マイク101d、スピーカ101e(音声発生装置)、振動子101f(振動発生装置)、カメラ101g、現在位置検出用のGPSセンサ101h、角速度検出用のジャイロセンサ101i、磁気検出用の地磁気センサ101j、距離検出用の近接センサ101k、明るさ検出用の照度センサ101l及び慣性検出用の加速度センサ101m、の作動装置・センサ、並びに、これらセンサからの信号を受付けて、これら作動装置を制御する制御部101nを備える。制御部101nは、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)とフラシュメモリ等のRAM(Random Access Memory)の記憶部を含み、記憶部に格納された種々のソフトウエアプログラムに従うCPUによって通信端末の処理を含む全体動作を制御するコンピュータ装置である。
CPUは記憶部にインストールされる各種アプリケーションソフトウェアプログラムにしたがって、例えば、傾斜測定アプリケーションソフトウェアプログラムにしたがって、傾斜測定処理を実行する。
【0020】
なお、スマートフォン2には、図示しないが公知のジャイロセンサ101i及び加速度センサ101mが1つのパッケージ内に実装された傾斜センサユニットを含み、加速度検出軸と角速度検出軸のずれが小さくなるように高精度に実装されている。傾斜センサユニット(端末傾斜値取得手段)は、スマートフォン2の重力方向に対する傾斜度合を示す傾斜角度検出値(第1の傾斜値)を取得する。傾斜センサユニットの加速度センサは、センサ部31に対応付けられた三次元直交座標系であるローカル座標系(加速度センサ座標系)における加速度を検出する。ジャイロセンサは、センサ部31に対応付けられた三次元直交座標系であるローカル座標系(角速度センサ座標系)における角速度を検出する。なお、加速度センサ及びジャイロセンサの両センサ座標系は座標軸が同一とするが、異なる場合には、座標変換行列演算を行えば、一方の座標系を他方の座標系に置換して同一とすることが可能である。座標変換行列演算については公知の手法を採用可能である。
【0021】
スマートフォン2にインストールされた傾斜測定アプリケーションソフトウェアプログラムは、記憶部に展開されて、該プログラムがCPUに以下の、
(1)センサ読取部21と、
(2)傾斜測定部22と、
(3)傾斜基準範囲保持部23と、
(4)傾斜判定部24と、
(5)通知部25として機能させる。
【0022】
スマートフォン2の各機能部は次のように機能する。
【0023】
センサ読取部21は、ワイヤレスイヤホン3を監視するとともに、ワイヤレスイヤホン3へ傾斜測定指示を送信し、その結果、後述するワイヤレスイヤホン3のセンサ部31が示す傾斜角度検出値を、子機通信部32を経由して取得する。
【0024】
傾斜測定部22は、ワイヤレスイヤホン3が通信可能状態で且つタッチパネル101bの表示機能が起動状態でない限り、ジャイロセンサ101i及び加速度センサ101mを用いてスマートフォン2の傾斜測定を行い、スマートフォン2の傾斜角度検出値を生成して、これを傾斜基準範囲保持部23と傾斜判定部24に引き渡す。
【0025】
傾斜基準範囲保持部23は、ワイヤレスイヤホン3のセンサ部31が示す傾斜角度検出値と、スマートフォン2の傾斜測定部22が示す傾斜角度検出値とから傾斜角度の基準となる傾斜基準範囲を生成して、それを保持する。
【0026】
傾斜判定部24は、ワイヤレスイヤホン3のセンサ部31が示す傾斜角度検出値と傾斜基準範囲保持部23が保持する傾斜基準範囲とを比較して、ワイヤレスイヤホン3のセンサ部31が示す傾斜角度検出値が、ワイヤレスイヤホン3の基準方向に対して、傾斜基準範囲保持部23が保持する傾斜基準範囲を超えた場合に、通知信号を生成して、これを通知部25に引き渡す。
【0027】
通知部25は、利用者に傾斜を通知するための制御を所定のハードウエア、例えば、タッチパネル101bの表示画像の表示態様を変更するように指示する。
【0028】
(ワイヤレスイヤホン3)
図3は、第1の実施例における、利用者に着用されるワイヤレスイヤホン3の片耳用の一例を示す概略外観を示す構成図である。図4は、ワイヤレスイヤホン3を示す概略構成図である。
【0029】
ワイヤレスイヤホン3は、外殻に内装された、ダイナミック型やバランスドアーマチュア型等のスピーカであるドライバユニット3aと、該ドライバユニットを駆動するプリント回路板3bと、外面に取り付けられ利用者の手動より操作できるインターフェースである操作部3cと、該プリント回路板に電力を供給する二次電池等の電源部3dを有する。
【0030】
プリント回路板3bには、センサ部31、子機通信部32及び処理制御部SoCが搭載される。
【0031】
センサ部31は、図示しないが上記のスマートフォン2の加速度センサ及びジャイロセンサと同等の傾斜センサユニットである。センサ部31(機器傾斜値取得手段)は、利用者に着用された機器の重力方向に対する傾斜度合を示す傾斜角度検出値(第2の傾斜値)を取得する。
【0032】
子機通信部32は、スマートフォン2の第1通信部201と通信可能なアンテナを含む無線LANモジュールを含む。子機通信部32のアンテナは、スマートフォン2からの検出値要求信号を受信し、その要求信号に対する応答信号を送信する。
【0033】
ワイヤレスイヤホン3のプリント回路板3bにおける処理制御部SoCは、センサ部31の傾斜角度検出値を送信するための処理部として、例えば、制御部であるDSP(Digital Signal Processor)やMCU(Micro Control Unit)及びコーデック、プロファイルを保存するフラシュメモリ等のRAM等の記憶部MEMを含み、A/Dコンバータ回路、A/Dコンバータ回路といった機能を統合したチップ(System on a chip)である。記憶部MEMにインストールされたソフトウエアプログラムに従うMCUによって、近接無線通信を介してスマートフォン2と通信を行い、これを介して、音響信号の処理の他に、センサ部31の傾斜角度検出値や設定値をスマートフォン2との間で送受信する処理を行う。
【0034】
処理制御部SoCの記憶部MEMには、所定のプログラムのインストールにより、第2センサ読取部33及び第2傾斜測定部34が構成されている。
【0035】
第2センサ読取部33は、ワイヤレスイヤホン3からの傾斜測定指示を受信し、MCU及び第2傾斜測定部34により傾斜角度検出をセンサ部31に行わせる。
【0036】
第2傾斜測定部34は、センサ部31を用いてスマートフォン2の傾斜測定を行い、スマートフォン2の傾斜角度検出値を生成して、これを子機通信部32に引き渡し、スマートフォン2の傾斜角度検出値をワイヤレスイヤホン3へ送信する。なお、A/Dコンバータ回路は、センサ部31の電圧値のアナログ的変化をデジタル量に変換し、MCUに送る。MCUはデジタル傾斜角度検出値として検出し、該傾斜角度検出値を子機通信部32に渡す。
【0037】
D/Aコンバータ回路には、ドライバユニット3aが接続される。スマートフォン2から所定信号を受けて、MCUは、D/Aコンバータ回路を介してドライバユニット3aを駆動し、ワイヤレスイヤホン3で音響生成や報知音生成ができる。スマートフォン2から指令を受けて、MCUは、D/Aコンバータ回路を介してドライバユニット3aを発音させ、スマートフォン2の状態を音で報知できる。
【0038】
(動作の説明)
利用者により、スマートフォン2の起動中に、既にペアリングしているワイヤレスイヤホン3を接続する(初期設定)。スマートフォン2のセンサ読取部21は、ワイヤレスイヤホン3へ傾斜測定指示を送信し、ワイヤレスイヤホン3のセンサ部31が示す傾斜角度検出値を受信して取得する。そして、スマートフォン2は、自機の傾斜測定部22を介して傾斜センサユニット(ジャイロセンサ101i及び加速度センサ101m)へも傾斜測定指示を送信し、スマートフォン2の傾斜角度検出値を取得する。
【0039】
初期設定において、スマートフォン2の傾斜基準範囲保持部23は、ワイヤレスイヤホン3のセンサ部31が示す傾斜角度検出値と、スマートフォン2の傾斜測定部22が示す傾斜角度検出値とから、図5に示すように、利用者が着用するワイヤレスイヤホン3とスマートフォン2のタッチパネル101bのディスプレイ面(例えばディスプレイ面法線)とを結ぶ基準方向を算出する。更に、傾斜基準範囲保持部23は、ワイヤレスイヤホン3のセンサ部31が示す傾斜角度検出値と、スマートフォン2の傾斜測定部22が示す傾斜角度検出値とから、利用者がスマートフォン2のタッチパネル101bのディスプレイ面と対面している傾斜角度範囲を算出する。当該傾斜角度範囲は利用者が明視であることが好ましく、表示の回転のない状態(姿勢固定モード)の基準となる。傾斜基準範囲保持部23は、それらを保持する。図5は、第1の実施例における利用者が着用するワイヤレスイヤホン3とスマートフォン2のタッチパネル101bのディスプレイ面(例えばディスプレイ面法線)とを結ぶ基準方向と、利用者がスマートフォン2のタッチパネル101bのディスプレイ面と対面している傾斜角度範囲の関係を示す説明図である。
【0040】
初期設定の後の通常使用において、ワイヤレスイヤホン3とペアリングしているスマートフォン2は、姿勢固定モードでタッチパネル101bの表示を行うが、傾斜判定部24がワイヤレスイヤホン3とスマートフォン2の両者の傾斜角度検出値を監視し、姿勢固定モードときに、傾斜判定部24がスマートフォン2の傾斜角度検出値のみがタッチパネル101bのディスプレイ面方向が該ディスプレイ面方向を中心に自転すると判定した場合、制御部101nは、傾斜判定部24によりされた自端末の回転状態に応じて画面を回転して表示する姿勢対応モードでタッチパネル101bの画面の表示制御を行う。すなわち、スマートフォン2は、傾斜基準範囲(姿勢固定モードの基準)を超えた場合に、通知信号(姿勢情報)を生成して、通知部25を介して画面が回転する姿勢対応モードに変更することにより、利用者に通知する。このように、スマートフォン2は、スマートフォン2の第1の傾斜値及びワイヤレスイヤホン3の第2の傾斜値に基づいて利用者の姿勢情報を生成し、姿勢情報によりタッチパネル101bの表示画像の表示態様を変更する。
【0041】
例えば、傾斜判定部24がワイヤレスイヤホン3の基準方向に対してタッチパネル101bのディスプレイ面方向一定傾斜角度範囲内であると判定した場合、姿勢固定モードでの表示制御を行う。これにより、利用者が横になった状態等の通常とは異なる姿勢でであっても、タッチパネル101bを見るのに適した、表示画面を回転させずに固定して表示する。つまり、視点の方向が変わる利用者は、ディスプレイを回転させても画面の下方向がディスプレイの下方向と一致した状態(利用者にとって画面の上下左右が自然な状態)で画面を見ることができる。
【0042】
例えば、タッチパネル101bは縦横方向を有するポートレートディスプレイを有する場合、スマートフォン2は、第1の傾斜値及び第2の傾斜値に基づいて画像の上下方向をディスプレイの縦方向とするか横方向とする態様で画像をポートレートディスプレイに表示する。例えば、タッチパネル101bのディスプレイ面を姿勢固定モードでポートレート表示にしたときに、利用者がタッチパネル101bのディスプレイ面を90度傾けたとき、ランドスケープモード(姿勢対応モード)にする。
【0043】
また、更なる一例として、スマートフォン2では、以下の(1)~(5)を実行する。
(1)利用者はワイヤレスイヤホンを装着する。
(2)ワイヤレスイヤホンは、加速度センサやジャイロセンサを用いて利用者の顔の傾きなどを検出する。
(3)スマートフォンなどの端末装置はワイヤレスイヤホンと通信を行い、利用者の顔の傾きなどの情報を取得する。
(4)スマートフォンなどの端末装置は利用者の顔の傾きなどの情報により利用者の姿勢を推定する。例えば、利用者の顔が横に傾いている、横になっている、下を向いているなどである。
(5)スマートフォンなどの端末装置は姿勢情報により、たとえば画面傾斜測定を実施するか、などを判断する。
【0044】
このように、本実施例によれば、スマートフォンなどの端末装置は、ワイヤレスイヤホンから利用者の顔の傾きを検出することにより姿勢検知専用のセンサや、明るさの影響を受けやすいカメラを使用せずに姿勢を検知することができる。また、スマートフォンなどの端末装置の持ち方に影響せずに姿勢を検知し、操作にフィードバッグすることができる。
【0045】
第1の実施例ではワイヤレスイヤホンの傾斜検出センサで説明したが、ヘッドホンの傾斜検出センサや補聴器、スマートグラスの傾斜検出センサを用いることもできる。
【実施例0046】
(第2の実施例の説明)
第2の実施例ではワイヤレスイヤホンから取得した姿勢情報をスマートフォンなどの端末装置に送信しスマートフォンなどの端末装置の操作にフィードバッグしているが、第2の実施例では、ワイヤレスイヤホンによって検出できる利用者の顔の傾き情報及び動きから居眠りを検知し、音によってワイヤレスイヤホンの装着者に居眠りを警告する。
【0047】
本実施例は、スマートフォンの機能をワイヤレスイヤホンに一体化した以外、第1の実施例と同一である。
【0048】
(動作)
本実施例の動作例として、一体化したスマートフォンでは、以下の(1)~(4)を実行する。
(1)利用者はワイヤレスイヤホンを装着する。
(2)利用者はスマートフォンなどの端末装置を使いワイヤレスイヤホンの居眠り検知の機能を有効化する。
(3)ワイヤレスイヤホンは、加速度センサやジャイロセンサを用い、利用者のうたた寝の動きを検知したり、静止した利用者の顔の傾きから居眠りを検知する。
(4)ワイヤレスイヤホンは音楽を再生している場合、音楽を停止し、利用者の目覚まし専用の大きな音を再生するなどして居眠りを利用者に通知する。
【0049】
本実施例によれば、ワイヤレスイヤホンは利用者の顔の傾きを検出することにより専用の装置やスマートフォンを使用することなく居眠りの検知と利用者に居眠りを通知できる。すなわち、利用者の顔の傾きから姿勢を検知し、姿勢検知した利用者へ注意喚起をする効果が得られる。第2の実施例ではワイヤレスイヤホンのセンサで説明したが、ヘッドホンや補聴器など音を再生でき、かつ加速度センサなどの利用者の顔の姿勢を検知できるセンサが付いていれば適応可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 端末装置システム
2 スマートフォン
3 ワイヤレスイヤホン
31 センサ部
32 子機通信部
SoC 処理制御部
101a 通信部
101b タッチパネル
101i ジャイロセンサ
101m 加速度センサ
101n 制御部

図1
図2
図3
図4
図5