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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140157
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】蓄熱装置
(51)【国際特許分類】
   F28C 3/12 20060101AFI20241003BHJP
   F28D 20/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F28C3/12
F28D20/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051174
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 温士
(57)【要約】
【課題】装置構成を簡素化する。
【解決手段】蓄熱装置100は、固体粒子の固定層SLと、固定層SLの一方側に設けられ、熱媒ガスの供給源10および熱媒ガスの供給先20のいずれにも連通可能な第1通気口116と、固定層SLの他方側に設けられる1または複数の第2通気口118a、118bとを有する蓄熱槽110と、第1通気口116の連通先を供給源10とする蓄熱モード、または、第1通気口116の連通先を供給先20とする放熱モードに運転モードを切り換える制御部170と、蓄熱モードにおいて、吸入側が第2通気口118aに接続され、吐出側が大気開放され、放熱モードにおいて、吸入側が大気開放され、吐出側が第2通気口118bに接続されるブロワ(第1ブロワ140、第2ブロワ150)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体粒子の固定層と、前記固定層の一方側に設けられ、熱媒ガスの供給源および前記熱媒ガスの供給先のいずれにも連通可能な第1通気口と、前記固定層の他方側に設けられる1または複数の第2通気口とを有する蓄熱槽と、
前記第1通気口の連通先を前記供給源とする蓄熱モード、または、前記第1通気口の連通先を前記供給先とする放熱モードに運転モードを切り換える制御部と、
前記蓄熱モードにおいて、吸入側が前記第2通気口に接続され、吐出側が大気開放され、前記放熱モードにおいて、吸入側が大気開放され、吐出側が前記第2通気口に接続されるブロワと、
を備える、蓄熱装置。
【請求項2】
前記ブロワは、
吸入側が前記第2通気口に接続され、吐出側が大気開放される第1ブロワと、
吸入側が大気開放され、吐出側が前記第2通気口に接続される第2ブロワと、
を有し、
前記制御部は、
前記蓄熱モードにおいて、前記第1ブロワを動作させ、前記第2ブロワを停止させ、
前記放熱モードにおいて、前記第2ブロワを動作させ、前記第1ブロワを停止させる、
請求項1に記載の蓄熱装置。
【請求項3】
前記ブロワの吸入側を、前記第2通気口に接続する、または、大気開放する、吸入側切換機構と、
前記ブロワの吐出側を、前記第2通気口に接続する、または大気開放する、吐出側切換機構と、
を備え、
前記制御部は、
前記蓄熱モードにおいて、前記吸入側切換機構を制御して、前記ブロワの吸入側を前記第2通気口に接続し、前記吐出側切換機構を制御して、前記ブロワの吐出側を大気開放し、
前記放熱モードにおいて、前記吸入側切換機構を制御して、前記ブロワの吸入側を大気開放し、前記吐出側切換機構を制御して、前記ブロワの吐出側を前記第2通気口に接続する、請求項1に記載の蓄熱装置。
【請求項4】
前記第2通気口は、前記蓄熱槽の下面における略中央に設けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンニュートラルの実現に向けて、化石燃料の消費量を低減する技術の開発が希求されている。そこで、化石燃料の燃焼によって生じた熱を利用していた利用先に対し、工業炉、ボイラ、発電機等から排出される排熱を供給することができる蓄熱装置が検討されている。
【0003】
蓄熱装置として、例えば、特許文献1には、セルスタックと、溶融塩が収容された金属製のカプセルで構成される蓄熱体と、蓄熱体から熱媒体を吸引する圧縮機と、蓄熱体と圧縮機との間に設けられた熱交換器とを備える構成が開示されている。特許文献1の技術では、セルスタックによって加熱された熱媒体が、蓄熱体を通じて圧縮機によって吸引されることにより、加熱された熱媒体が蓄熱体に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-116834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の技術では、圧縮機の熱による破損を防止するために、圧縮機の耐熱温度未満まで熱媒体を冷却する熱交換器を備える必要がある。このため、熱交換器自体に要するコスト、および、熱交換器を設置するための配管の割り付けが必要となり、装置構成が複雑になってしまっていた。
【0006】
そこで、本開示は、このような課題に鑑み、装置構成を簡素化することが可能な蓄熱装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る蓄熱装置は、固体粒子の固定層と、固定層の一方側に設けられ、熱媒ガスの供給源および熱媒ガスの供給先のいずれにも連通可能な第1通気口と、固定層の他方側に設けられる1または複数の第2通気口とを有する蓄熱槽と、第1通気口の連通先を供給源とする蓄熱モード、または、第1通気口の連通先を供給先とする放熱モードに運転モードを切り換える制御部と、蓄熱モードにおいて、吸入側が第2通気口に接続され、吐出側が大気開放され、放熱モードにおいて、吸入側が大気開放され、吐出側が第2通気口に接続されるブロワと、を備える。
【0008】
また、ブロワは、吸入側が第2通気口に接続され、吐出側が大気開放される第1ブロワと、吸入側が大気開放され、吐出側が第2通気口に接続される第2ブロワと、を有し、制御部は、蓄熱モードにおいて、第1ブロワを動作させ、第2ブロワを停止させ、放熱モードにおいて、第2ブロワを動作させ、第1ブロワを停止させてもよい。
【0009】
また、ブロワの吸入側を、第2通気口に接続する、または、大気開放する、吸入側切換機構と、ブロワの吐出側を、第2通気口に接続する、または大気開放する、吐出側切換機構と、を備え、制御部は、蓄熱モードにおいて、吸入側切換機構を制御して、ブロワの吸入側を第2通気口に接続し、吐出側切換機構を制御して、ブロワの吐出側を大気開放し、放熱モードにおいて、吸入側切換機構を制御して、ブロワの吸入側を大気開放し、吐出側切換機構を制御して、ブロワの吐出側を第2通気口に接続してもよい。
【0010】
また、第2通気口は、蓄熱槽の下面における略中央に設けられてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、装置構成を簡素化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る蓄熱装置を説明する図である。
図2図2は、本実施形態に係るダスト除去機構の一例を示す第1の図である。
図3図3は、本実施形態に係るダスト除去機構の一例を示す第2の図である。
図4図4は、本実施形態に係るダスト除去機構の一例を示す第3の図である。
図5図5は、本実施形態に係る蓄熱装置の運転方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本実施形態に係る蓄熱モード実行処理を説明する図である。
図7図7は、本実施形態に係る放熱モード実行処理を説明する図である。
図8図8は、本実施形態に係る蓄熱モードの際の固定層の温度分布を説明する図である。
図9図9は、第1の変形例に係る蓄熱装置を説明する図である。
図10図10は、第2の変形例に係る蓄熱装置を説明する図である。
図11図11は、第3の変形例に係る蓄熱装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
[蓄熱装置100]
図1は、本実施形態に係る蓄熱装置100を説明する図である。図1に示すように、本実施形態に係る蓄熱装置100は、蓄熱槽110と、第1供給管120と、第2供給管122と、ダスト除去機構130と、第1ブロワ140と、第2ブロワ150と、温度センサ160、162と、制御部170とを含む。なお、図1において、実線の矢印は、熱媒ガスの流れを示す。また、図1において、破線の矢印は、信号の流れを示す。
【0015】
蓄熱槽110は、固体粒子の固定層SLを収容する。固定層SLとは、固体粒子と流体とを接触させるために、固体粒子を蓄熱槽110内に充填した層のうち、静止した固体粒子の層を示す。本実施形態において、固体粒子の固定層SLは、蓄熱体として機能する。
【0016】
固体粒子は、例えば、砕石、金属球、砂である。砕石は、コンクリートで構成される。砕石は、例えば、日本工業規格JIS A 5001に規定された砕石4号、砕石6号である。砕石4号の平均粒径は、26.6mm以上、28.2mmである。砕石6号の平均粒径は、9.48mm以上、10.6mmである。金属球は、例えば、炭素鋼で構成される。金属球の粒径は、例えば、11mmである。
【0017】
本実施形態において、蓄熱槽110は、収容槽112と、分散板114とを含む。
【0018】
収容槽112は、中空形状の容器である。なお、収容槽112の外表面は、断熱材で覆われていてもよい。
【0019】
分散板114は、複数の孔を有する板である。分散板114は、略水平方向に延在して、収容槽112内に設けられる。分散板114は、収容槽112内を上室112aと下室112bとに分割する。
【0020】
本実施形態において、上室112aには、固体粒子の固定層SLが収容される。本実施形態において、下室112bには、固体粒子が収容されない。
【0021】
第1通気口116は、固定層SLの一方側に設けられる。本実施形態において、第1通気口116は、上室112aに形成される。第1通気口116は、例えば、上室112aの上面、つまり、収容槽112の上面に形成される。
【0022】
第2通気口118a、118bは、固定層SLの他方側に設けられる。第2通気口118a、118bは、例えば、収容槽112における第1通気口116の下方に設けられる。本実施形態において、第2通気口118a、118bは、下室112bに形成される。本実施形態において、第2通気口118a、118bは、下室112bの側面、つまり、収容槽112の側面に形成される。
【0023】
第1供給管120は、熱媒ガスの供給源10と、熱媒ガスの供給先20とを連通する配管である。供給源10は、第1温度の熱媒ガスを生成する。第1温度は、例えば、200℃以上、700℃以下である。熱媒ガスは、例えば、燃焼排ガス、電気炉の排ガスである。供給源10は、例えば、燃焼炉、ボイラ、ガスタービン、ガスエンジン等の燃焼設備、または、電気炉である。
【0024】
供給先20は、第2温度の熱媒ガスを利用する熱利用機器である。熱利用機器は、例えば、排熱回収ボイラである。第2温度は、第1温度以下の所定の温度である。第2温度は、例えば、100℃以上、600℃以下である。
【0025】
本実施形態では、第1供給管120を通じて、供給源10から供給先20へ熱媒ガスが常時流れている。
【0026】
第2供給管122は、第1供給管120と第1通気口116とを連通する配管である。つまり、第1通気口116は、第1供給管120および第2供給管122を通じて、供給源10および供給先20に連通される。
【0027】
ダスト除去機構130は、第1供給管120における第2供給管122の連通箇所、または、第1供給管120における、供給源10と、第2供給管122の連通箇所との間に設けられる。ダスト除去機構130は、供給源10から供給された熱媒ガスからダストを除去する。
【0028】
図2は、本実施形態に係るダスト除去機構130の一例を示す第1の図である。図2において、実線の矢印は、熱媒ガスの流れを示す。
【0029】
図2に示す例において、第2供給管122は、第1供給管120の上部に連通される。第1供給管120の軸方向と、第2供給管122の軸方向とは、直交する。また、図2に示す例において、第1供給管120の左側に供給源10が接続され、第1供給管120の右側に供給先20が接続される。
【0030】
図2に示す例において、ダスト除去機構130は、例えば、仕切板132を含む。仕切板132は、第1供給管120内に設けられる。
【0031】
仕切板132は、邪魔板132aと、延在板132bとを有する。邪魔板132aは、第1供給管120の内壁のうち、熱媒ガスの流れ方向の上流側から立設する板部材である。邪魔板132aは、第1供給管120の内壁から第1供給管120内へ向かうに従って、熱媒ガスの流れ方向の下流側に傾斜する。延在板132bは、邪魔板132aの先端に連続し、第1供給管120の軸方向に延在する板部材である。延在板132bは、第1供給管120と第2供給管122との連通箇所122aに臨む。延在板132bの先端は、第1供給管120における連通箇所122aよりも、熱媒ガスの流れ方向の下流側に位置する。
【0032】
供給源10から第1供給管120に供給された熱媒ガスの一部は、邪魔板132aに衝突する。熱媒ガスにダストが含まれている場合、ダストは、邪魔板132aに衝突することによって、第1供給管120の下部に落下する。これにより、ダストが、熱媒ガスから取り除かれる。ダストが取り除かれた熱媒ガスは、第1供給管120の下部と延在板132bとの間に形成された流路122bへ供給される。
【0033】
また、熱媒ガスは、流路122bを通過した後、延在板132bの先端を折り返し、第1供給管120の上部と延在板132bとの間に形成された流路122cを通過して、連通箇所122aに供給される。熱媒ガスの流速は、流路122bから流路122cへの通過過程で低下する。これにより、ダストが熱媒ガスから取り除かれる。
【0034】
こうして、ダスト除去機構130によってダストが取り除かれた熱媒ガスは、第2供給管122を通じて、蓄熱槽110へ供給される。
【0035】
図3は、本実施形態に係るダスト除去機構130の一例を示す第2の図である。図3において、実線の矢印は、熱媒ガスの流れを示す。
【0036】
図3に示す例において、第2供給管122は、第1供給管120の上部に連通される。第1供給管120の軸方向と、第2供給管122の軸方向とは、交差する。また、図3に示す例において、第1供給管120の左側に供給源10が接続され、第1供給管120の右側に供給先20が接続される。
【0037】
図3に示す例において、ダスト除去機構130は、例えば、フィルタ134を含む。フィルタ134は、連通箇所122aに設けられる。フィルタ134は、複数の孔を有する板部材である。フィルタ134の孔は、ダストが通過不可能、または、通過困難な大きさを有する。
【0038】
供給源10から第1供給管120に供給された熱媒ガスは、フィルタ134を通過した後、第2供給管122に供給される。したがって、フィルタ134の通過過程において、熱媒ガスからダストが取り除かれる。
【0039】
こうして、ダスト除去機構130によってダストが取り除かれた熱媒ガスは、第2供給管122を通じて、蓄熱槽110へ供給される。
【0040】
図4は、本実施形態に係るダスト除去機構130の一例を示す第3の図である。図4において、実線の矢印は、熱媒ガスの流れを示す。
【0041】
図4に示す例において、第1供給管120は、上流管120aと、下流管120bとを有する。上流管120aは、供給源10に連通される。下流管120bは、供給先20に連通される。上流管120aの軸方向と、下流管120bの軸方向とは直交する。第2供給管122は、下流管120bに連通される。
【0042】
図4に示す例において、ダスト除去機構130は、屈曲部136を有する。屈曲部136は、上流管120aと下流管120bとを連通する。
【0043】
供給源10から上流管120aに供給された熱媒ガスは、屈曲部136を通過した後、下流管120bに供給されて、連通箇所122aに供給される。熱媒ガスの流速は、上流管120aから屈曲部136への通過過程で低下する。これにより、ダストが、熱媒ガスから取り除かれる。
【0044】
こうして、ダスト除去機構130によってダストが取り除かれた熱媒ガスは、第2供給管122を通じて、蓄熱槽110へ供給される。
【0045】
なお、ダスト除去機構130は、上記図2に示した仕切板132、上記図3に示したフィルタ134、および、上記図4に示した屈曲部136のうちの2つ以上を有しててもよい。
【0046】
図1に戻って説明すると、第1ブロワ140の吸入側は、配管142を通じて、第2通気口118aに接続される。第1ブロワ140の吐出側は、大気開放される。第1ブロワ140は、下室112bからガス(熱媒ガス、大気)を吸引して、外部に吐出する。配管142は、第2通気口118aと第1ブロワ140の吸入側とを連通する配管である。配管142には、開閉弁144が設けられる。開閉弁144は、配管142内に形成される流路を開閉する。
【0047】
第2ブロワ150の吸入側は、大気開放される。第2ブロワ150の吐出側は、配管152を通じて、第2通気口118bに接続される。第2ブロワ150は、大気(空気)を吸引して、下室112bに吐出する。配管152は、第2ブロワ150の吐出側と第2通気口118bとを連通する配管である。配管152には、開閉弁154が設けられる。開閉弁154は、配管152内に形成される流路を開閉する。
【0048】
温度センサ160は、第2通気口118aの温度を測定する。温度センサ162は、第1通気口116の温度を測定する。
【0049】
制御部170は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御部170は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。制御部170は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して蓄熱装置100全体を管理および制御する。
【0050】
本実施形態において、制御部170は、温度センサ160、162から測定値を取得する。また、制御部170は、蓄熱装置100の運転モードを、蓄熱モード、放熱モード、および、停止モードのいずれかに設定する。蓄熱モードは、第1通気口116の連通先を熱媒ガスの供給源10として、供給源10から供給された熱媒ガスが有する熱を蓄熱槽110に蓄熱する運転モードである。放熱モードは、第1通気口116の連通先を供給先20として、蓄熱槽110において蓄熱された熱を放熱して供給先20に供給する運転モードである。停止モードは、蓄熱槽110への蓄熱、および、蓄熱槽110からの放熱を行わない運転モードである。
【0051】
[蓄熱装置100の運転方法]
続いて、蓄熱装置100の運転方法について説明する。図5は、本実施形態に係る蓄熱装置100の運転方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5に示される処理フローは、例えば、予め設定された時間間隔で繰り返される。図5に示すように、本実施形態に係る蓄熱装置100の運転方法は、第1熱量判定処理S110と、第1温度判定処理S120と、蓄熱モード実行処理S130と、第2熱量判定処理S140と、第2温度判定処理S150と、放熱モード実行処理S160と、停止モード実行処理S170とを含む。以下、各処理について説明する。
【0052】
[第1熱量判定処理S110]
制御部170は、供給源10から供給される熱媒ガスが有する供給熱量が、供給先20によって要求される要求熱量を上回るか否かを判定する。その結果、供給熱量が要求熱量を上回る場合(S110におけるYES)、制御部170は、第1温度判定処理S120に処理を移す。一方、供給熱量が要求熱量を上回らない場合(S110におけるNO)、つまり、供給熱量が要求熱量以下である場合、制御部170は、第2熱量判定処理S140に処理を移す。
【0053】
[第1温度判定処理S120]
制御部170は、温度センサ160から第2通気口118aの温度T2を取得する。そして、制御部170は、第2通気口118aの温度T2が、第1ブロワ140の許容温度未満であるか否かを判定する。許容温度は、第1ブロワ140の耐熱温度未満の所定の温度である。その結果、第2通気口118aの温度T2が、第1ブロワ140の許容温度未満であると判定した場合(S120におけるYES)、制御部170は、蓄熱モード実行処理S130に処理を移す。一方、第2通気口118aの温度T2が、第1ブロワ140の許容温度未満ではないと判定した場合(S120におけるNO)、つまり、第2通気口118aの温度T2が、第1ブロワ140の許容温度以上であると判定した場合、制御部170は、停止モード実行処理S170に処理を移す。
【0054】
[蓄熱モード実行処理S130]
制御部170は、蓄熱装置100の運転モードを蓄熱モードとする蓄熱モード実行処理S130を行う。図6は、本実施形態に係る蓄熱モード実行処理S130を説明する図である。図6において、実線の矢印は、熱媒ガスおよび大気の流れを示す。また、図6において、破線の矢印は、信号の流れを示す。
【0055】
図6に示すように、制御部170は、開閉弁144を開き、第1ブロワ140を動作させる。また、制御部170は、第2ブロワ150を停止させ、開閉弁154を閉じる。そうすると、供給源10から供給された熱媒ガスは、第1供給管120、第2供給管122、第1通気口116を通じて、上室112a内に供給される。そして、熱媒ガスは、上室112a内の固定層SLを上から下へ通過した後、分散板114を通過して、下室112bに供給される。このように、熱媒ガスが固定層SLを上から下へ通過する過程において、熱媒ガスと、固定層SLを構成する固体粒子との間で熱交換が為される。これにより、固定層SLを構成する固体粒子が加熱され、熱媒ガスが除熱される。こうして、熱媒ガスの熱が、蓄熱槽110の固定層SLに蓄熱される。
【0056】
そして、除熱された熱媒ガスは、下室112b、第2通気口118a、配管142を通過して、第1ブロワ140によって大気中に吐出される。
【0057】
[第2熱量判定処理S140]
図5に戻って説明すると、供給源10から供給される熱媒ガスが有する供給熱量が、供給先20によって要求される要求熱量未満であるか否かを判定する。その結果、供給熱量が要求熱量未満である場合(S140におけるYES)、制御部170は、第2温度判定処理S150に処理を移す。一方、供給熱量が要求熱量未満ではない場合(S140におけるNO)、つまり、供給熱量が要求熱量と等しい場合、制御部170は、停止モード実行処理S170に処理を移す。
【0058】
[第2温度判定処理S150]
制御部170は、温度センサ162から第1通気口116の温度T1を取得する。そして、制御部170は、第1通気口116の温度T1が、常温を上回るか否かを判定する。常温は、蓄熱装置100の周囲の大気の温度である。常温は、例えば、25℃である。第1通気口116の温度T1が常温を上回ると判定した場合(S150におけるYES)、制御部170は、放熱モード実行処理S160に処理を移す。一方、第1通気口116の温度T1が常温を上回らないと判定した場合(S150におけるNO)、つまり、第1通気口116の温度T1が常温以下であると判定した場合、制御部170は、停止モード実行処理S170に処理を移す。
【0059】
[放熱モード実行処理S160]
制御部170は、蓄熱装置100の運転モードを放熱モードとする放熱モード実行処理S160を行う。図7は、本実施形態に係る放熱モード実行処理S160を説明する図である。図7において、実線の矢印は、熱媒ガスおよび大気の流れを示す。また、図7において、破線の矢印は、信号の流れを示す。
【0060】
図7に示すように、制御部170は、開閉弁154を開き、第2ブロワ150を動作させる。また、制御部170は、第1ブロワ140を停止させ、開閉弁144を閉じる。そうすると、第2ブロワ150によって大気(空気)が吸入され、第2通気口118b、下室112b、分散板114を通じて、上室112a内に供給される。そして、大気は、上室112a内の固定層SLを下から上へ通過し、第1通気口116、第2供給管122を通過して、供給先20に供給される。このように、大気が固定層SLを下から上へ通過する過程において、大気と、固定層SLを構成する固体粒子との間で熱交換が為される。これにより、大気が加熱され、固定層SLを構成する固体粒子が除熱される。こうして、固定層SLに蓄熱された熱が、大気を介して、供給先20に供給される。
【0061】
[停止モード実行処理S170]
図5に戻って説明すると、制御部170は、蓄熱装置100の運転モードを停止モードとする停止モード実行処理S170を行う。停止モード実行処理S170では、制御部170は、第1ブロワ140および第2ブロワ150を停止させ、開閉弁144、154を閉じる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る蓄熱装置100は、固体粒子の固定層SLを有し、固定層SLに対し、蓄熱および放熱を行う。つまり、本実施形態に係る蓄熱装置100は、固体粒子の固定層SLを蓄熱体として機能させる。固体粒子は、蓄熱および放熱を繰り返してもほとんど破損しない。また、固体粒子は、破損したとしても、粒径が小さくなるだけであり、蓄熱体として機能できる。したがって、本実施形態に係る蓄熱装置100は、蓄熱体として固体粒子の固定層SLを用いるため、蓄熱体の耐久性を向上させることができる。
【0063】
また、上記のように、本実施形態に係る蓄熱装置100は、蓄熱モードにおいて、第1ブロワ140によって第2通気口118aから大気および熱媒ガスが吸引されることにより、固定層SLの上から下に向かって熱媒ガスを通過させる。これにより、運転モードを蓄熱モードとしている間、固定層SLに、温度の異なる、高温層HL、低温層LL、および、サーモクライン層TLを形成することができる。
【0064】
図8は、本実施形態に係る蓄熱モードの際の固定層SLの温度分布を説明する図である。運転モードが蓄熱モードに切り換えられると、まず、固定層SLの上部に熱媒ガスが供給され、固定層SLの上部が加熱される。これにより、図8に示すように、固定層SLの上部に高温層HLが形成され、固定層SLの下部に低温層LLが形成される。高温層HLは、加熱された固体粒子で構成され、固体粒子の温度が略均一な層である。低温層LLは、常温の固体粒子で構成され、固体粒子の温度が略均一な層である。また、高温層HLと低温層LLとの間に、サーモクライン層TLが形成される。サーモクライン層TLは、高温層HL側から低温層LL側に向かって固体粒子の温度が漸減する層である。
【0065】
そして、蓄熱モードに切り換えてからの時間が経過するに従って、高温層HLの高さが徐々に下に拡大し、これに伴い、サーモクライン層TLが徐々に下に移動する。また、低温層LLの高さが徐々に小さくなる。
【0066】
そして、低温層LLが消失し、サーモクライン層TLが分散板114に到達しはじめてから所定時間が経過するまでは、第2通気口118aの温度T2が第1ブロワ140の許容温度に到達しない。このため、本実施形態に係る蓄熱装置100は、熱媒ガスが有する熱による第1ブロワ140の破損を防止しつつ、固定層SLにおいて、高温層HLを拡大させることができる。したがって、本実施形態に係る蓄熱装置100は、蓄熱槽110において、効率よく蓄熱することが可能となる。
【0067】
なお、固定層SLを構成する固体粒子は、比表面積が大きく、粒径が小さい粒子が好ましい。固体粒子の比表面積が大きいほど、つまり、固体粒子の表面が凹凸形状であると、固体粒子の周囲のガスの流れに乱れが生じ、固体粒子からガスへの伝熱、および、ガスから固体粒子への伝熱を促進させることができる。また、固体粒子の粒径が小さいほど、総伝熱面積を大きくすることができ、サーモクライン層TLの上流(低温層LL側)の伝熱(熱交換)を促進させることが可能となる。また、固体粒子同士の接触面には、ガスが介在するため、接触面に介在するガスは、固体粒子から固体粒子への伝熱を抑制する熱抵抗となる。固体粒子の粒径が小さいほど、単位長さ当たりの固体粒子と固体粒子の接触回数が増加する。つまり、固体粒子の粒径が小さいほど、直列に接続される接触面の数が多くなり、熱抵抗が大きくなる。これにより、蓄熱材全体の見かけの熱伝導率が小さくなる。その結果、固定層内の熱拡散が抑制されて、サーモクライン層TLの高さを小さくすることができる。
【0068】
サーモクライン層TLの高さが小さい場合、高温層HLが分散板114に到達するまで、第2通気口118aの温度は、第1ブロワ140の許容温度まで上昇しない。このため、制御部170は、第2通気口118aの温度が第1ブロワ140の許容温度に到達するまで、蓄熱モードで運転を行った場合、固定層SLの略全体を高温層HLとすることができる。
【0069】
一方、サーモクライン層TLの高さが大きい場合、高温層HLが分散板114に到達した際には、第2通気口118aの温度が、第1ブロワ140の許容温度まで上昇してしまう。このため、制御部170は、第2通気口118aの温度が第1ブロワ140の許容温度に到達するまで、蓄熱モードで運転を行ったとしても、固定層SLの一部のみを高温層HLとすることしかできない。
【0070】
このため、固定層SLを構成する固体粒子を、比表面積が大きく、粒径が小さい粒子とすることにより、サーモクライン層TLの高さを小さくすることができ、固定層SLにおける蓄熱効率を向上させることができる。
【0071】
また、上記のように、蓄熱モードにおいて、第1ブロワ140は、蓄熱槽110内の低温の大気、または、熱交換後の低温の熱媒ガスを吸引する。これにより、蓄熱装置100は、ガスを冷却する熱交換器を配管142に設ける必要がなくなり、熱交換器に要するコストを低減することができる。また、蓄熱装置100は、熱交換器を省略できるため、熱交換器を設置するための配管の割り付けが不要となり、装置構成を簡素化することが可能となる。
【0072】
また、蓄熱モードにおいて、第1ブロワ140は、蓄熱槽110内の低温の大気、または、熱交換後の低温の熱媒ガスを吸引するため、高温の熱媒ガスが流れる第1供給管120に耐熱バルブを設ける必要がなくなり、耐熱バルブに要するコストを低減することができる。また、流路抵抗となる障害物としての耐熱バルブを第1供給管120に設ける必要がないため、第1供給管120における熱媒ガスの流量の低下を防止することができる。これにより、例えば、供給源10が燃焼設備である場合、障害物による第1供給管120の圧力増加を回避することができ、背圧が上昇してしまうことによる燃焼効率の低下を防止することが可能となる。
【0073】
また、上記のように、蓄熱槽110は、分散板114を備え、上室112aに固定層SLを収容し、ガスを一時的に滞留させる風箱として下室112bを機能させる。これにより、水平面において略均一に、固定層SLから熱媒ガスを抜き出したり、水平面において略均一に、固定層SLへ大気を供給したりすることができる。これにより、高温層HLとサーモクライン層TLとの境界、および、サーモクライン層TLと低温層LLとの境界を、略水平とすることが可能となる。したがって、蓄熱モードが終了した時点において、高温層HLとならないデッドスペースを削減でき、固定層SLの略全体を高温層HLとすることが可能となる。また、放熱モードが終了した時点において、高温層HLが固定層SLに残ってしまう事態を抑制することができる。
【0074】
[第1の変形例]
上記実施形態において、蓄熱装置100が第1ブロワ140および第2ブロワ150を備える構成を例に挙げた。しかし、蓄熱モードにおいて、吸入側が第2通気口118aに接続され、吐出側が大気開放され、放熱モードにおいて、吸入側が大気開放され、吐出側が第2通気口118aに接続される1つのブロワのみを備えていてもよい。
【0075】
図9は、第1の変形例に係る蓄熱装置200を説明する図である。図9に示すように、第1の変形例に係る蓄熱装置200は、蓄熱槽110と、第1供給管120と、第2供給管122と、ダスト除去機構130と、ブロワ240と、吸入側切換機構250と、吐出側切換機構260と、第2ブロワ150と、温度センサ160、162と、制御部170とを含む。なお、図9において、実線の矢印は、熱媒ガスの流れを示す。また、図9において、破線の矢印は、信号の流れを示す。なお、上記蓄熱装置100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
ブロワ240の吸入側には、吸入側切換機構250が設けられる。ブロワ240の吐出側には、吐出側切換機構260が設けられる。
【0077】
吸入側切換機構250は、ブロワ240の吸入側を、第2通気口118aに接続する、または、大気開放する。吸入側切換機構250は、配管252と、開閉弁254と、配管256と、開閉弁258とを含む。配管252は、第2通気口118aと、ブロワ240の吸入側を連通する配管である。開閉弁254は、配管252に設けられる。開閉弁254は、配管252内に形成される流路を開閉する。配管256の一端は大気開放され、配管256の他端は、ブロワ240の吸入側に接続される。開閉弁258は、配管256に設けられる。開閉弁258は、配管256内に形成される流路を開閉する。
【0078】
吐出側切換機構260は、ブロワ240の吐出側を、第2通気口118bに接続する、または、大気開放する。吐出側切換機構260は、配管262と、開閉弁264と、配管266と、開閉弁268とを含む。配管262は、ブロワ240の吐出側と、第2通気口118bとを連通する配管である。開閉弁264は、配管262に設けられる。開閉弁264は、配管262内に形成される流路を開閉する。配管266の一端はブロワ240の吐出側に接続され、配管266の他端は大気開放される。開閉弁268は、配管266に設けられる。開閉弁268は、配管266内に形成される流路を開閉する。
【0079】
第1の変形例において、制御部170は、蓄熱モードにおいて、吸入側切換機構250および吐出側切換機構260を制御して、開閉弁254、268を開き、開閉弁258、264を閉じて、ブロワ240を動作させる。これにより、ブロワ240の吸入側が第2通気口118aに接続され、ブロワ240の吐出側を大気開放される。
【0080】
また、第1の変形例において、制御部170は、放熱モードにおいて、吸入側切換機構250および吐出側切換機構260を制御して、開閉弁258、264を開き、開閉弁254、268を閉じて、ブロワ240を動作させる。これにより、ブロワ240の吸入側が大気開放され、ブロワ240の吐出側が第2通気口118bに接続される。
【0081】
以上説明したように、第1の変形例に係る蓄熱装置200は、上記蓄熱装置100が奏する効果に加えて、ブロワ240の数を削減することができ、設備コストを低減することが可能となる。
【0082】
[第2の変形例]
上記実施形態において、2つの第2通気口118a、118bが収容槽112に設けられる場合を例に挙げた。しかし、1つの第2通気口118が収容槽112に設けられてもよい。
【0083】
図10は、第2の変形例に係る蓄熱装置300を説明する図である。図10において、実線の矢印は、熱媒ガスの流れを示す。また、図10において、破線の矢印は、信号の流れを示す。なお、上記蓄熱装置100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0084】
図10に示すように、第2の変形例に係る蓄熱装置300の蓄熱槽110は、収容槽112と、分散板114とを有し、第2通気口118は、収容槽112の下面における略中央に設けられる。
【0085】
また、第2の変形例において、配管142は、第2通気口118と、第1ブロワ140の吸入側とを接続する。また、配管152は、第2ブロワ150の吐出側と、第2通気口118とを接続する。
【0086】
第2の変形例において、制御部170は、蓄熱モードにおいて、開閉弁144を開き、第1ブロワ140を動作させる。また、制御部170は、第2ブロワ150を停止させ、開閉弁154を閉じる。
【0087】
また、第2の変形例において、制御部170は、放熱モードにおいて、開閉弁154を開き、第2ブロワ150を動作させる。また、制御部170は、第1ブロワ140を停止させ、開閉弁144を閉じる。
【0088】
以上説明したように、第2の変形例に係る蓄熱装置300は、上記蓄熱装置100が奏する効果に加えて、水平面においてさらに略均一に、固定層SLから熱媒ガスを抜き出したり、水平面においてさらに略均一に、固定層SLへ大気を供給したりすることができる。
【0089】
[第3の変形例]
図11は、第3の変形例に係る蓄熱装置400を説明する図である。図11において、実線の矢印は、熱媒ガスの流れを示す。また、図11において、破線の矢印は、信号の流れを示す。なお、上記蓄熱装置100、200と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
図11に示すように、第3の変形例に係る蓄熱装置400の蓄熱槽110は、収容槽112と、分散板114とを有し、第2通気口118は、収容槽112の下面における略中央に設けられる。
【0091】
また、第3の変形例において、配管252は、第2通気口118と、ブロワ240の吸入側とを接続する。また、配管262は、ブロワ240の吐出側と、第2通気口118とを接続する。
【0092】
第3の変形例において、制御部170は、蓄熱モードにおいて、吸入側切換機構250および吐出側切換機構260を制御して、開閉弁254、268を開き、開閉弁258、264を閉じて、ブロワ240を動作させる。これにより、ブロワ240の吸入側が第2通気口118に接続され、ブロワ240の吐出側を大気開放される。
【0093】
また、第3の変形例において、制御部170は、放熱モードにおいて、吸入側切換機構250および吐出側切換機構260を制御して、開閉弁258、264を開き、開閉弁254、268を閉じて、ブロワ240を動作させる。これにより、ブロワ240の吸入側が大気開放され、ブロワ240の吐出側が第2通気口118に接続される。
【0094】
以上説明したように、第3の変形例に係る蓄熱装置400は、上記蓄熱装置100、200が奏する効果に加えて、水平面においてさらに略均一に、固定層SLから熱媒ガスを抜き出したり、水平面においてさらに略均一に、固定層SLへ大気を供給したりすることができる。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0096】
本開示は、例えば、持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」に貢献することができる。
【符号の説明】
【0097】
SL 固定層
10 供給源
20 供給先
100 蓄熱装置
110 蓄熱槽
116 第1通気口
118 第2通気口
118a 第2通気口
118b 第2通気口
140 第1ブロワ
150 第2ブロワ
170 制御部
200 蓄熱装置
240 ブロワ
250 吸入側切換機構
260 吐出側切換機構
300 蓄熱装置
400 蓄熱装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11