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特開2024-140158リセットフィルタ回路及び半導体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140158
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】リセットフィルタ回路及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/28 20060101AFI20241003BHJP
   H03K 17/22 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H03K17/28 E
H03K17/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051176
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 洋助
【テーマコード(参考)】
5J055
【Fターム(参考)】
5J055AX11
5J055AX57
5J055AX65
5J055BX41
5J055EY10
5J055EZ25
5J055EZ50
5J055GX01
5J055GX04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リセット信号として認識される入力信号のパルス幅を柔軟に変更するリセットフィルタ回路を提供する。
【解決手段】リセットフィルタ回路12は、リセット入力信号RISを第1の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1又は0に固定された第1セレクト信号SEL1と、の論理和又は否定論理和からなる第1信号を生成する論理ゲートNR1と、リセット入力信号を第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1又は0に固定された第2セレクト信号SEL2と、の論理和又は否定論理和からなる第2信号を生成する論理ゲートNR2と、リセット入力信号と、リセット入力信号を第1の遅延時間よりも短い第3の遅延時間だけ遅延させた信号と、第1信号と、第2信号と、の論理和又は否定論理和からなる第3信号を生成する論理ゲートNR3と、を有し、第3信号又は第3信号の反転信号をリセット出力信号ROSとして出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
論理レベル1または論理レベル0で所定のパルス幅を有してリセットを示すリセットパルスを含むリセット入力信号に基づいてリセット出力信号を生成するリセットフィルタ回路であって、
前記リセット入力信号を第1の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1または0に固定された第1セレクト信号と、の論理和又は否定論理和からなる第1信号を生成する第1の論理ゲートと、
前記リセット入力信号を前記第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1または0に固定された第2セレクト信号と、の論理和又は否定論理和からなる第2信号を生成する第2の論理ゲートと、
前記リセット入力信号と、前記リセット入力信号を前記第1の遅延時間よりも短い第3の遅延時間だけ遅延させた信号と、前記第1信号と、前記第2信号と、の論理和又は否定論理和からなる第3信号を生成する第3の論理ゲートと、
を有し、前記第3信号又は前記第3信号を反転させた信号を前記リセット出力信号として出力することを特徴とするリセットフィルタ回路。
【請求項2】
前記リセット入力信号は、論理レベル0で前記所定のパルス幅を有する前記リセットパルスを含み、
前記第1の論理ゲートは、前記リセット入力信号を前記第1の遅延時間だけ遅延させ且つ反転させた信号と、前記第1セレクト信号と、の否定論理和からなる信号を前記第1信号として出力する第1の否定論理和ゲートであり、
前記第2の論理ゲートは、前記リセット入力信号を前記第2の遅延時間だけ遅延させ且つ反転させた信号と、前記第2セレクト信号と、の否定論理和からなる信号を前記第2信号として出力する第2の否定論理和ゲートであり、
前記第3の論理ゲートは、前記リセット信号と、前記リセット信号を前記第3の遅延時間だけ遅延させた信号と、前記第1信号と、前記第2信号と、の否定論理和からなる信号を前記第3信号として出力する第3の否定論理和ゲートであることを特徴とする請求項1に記載のリセットフィルタ回路。
【請求項3】
前記第1の遅延時間は、前記第3の遅延時間の約2倍の長さを有し、
前記第2の遅延時間は、前記第3の遅延時間の約3倍の長さを有することを特徴とする請求項2に記載のリセットフィルタ回路。
【請求項4】
前記第3の論理ゲートは、前記リセット入力信号の入力を受ける第1入力端と、前記リセット入力信号を前記所定遅延時間だけ遅延させた信号の入力を受ける第2入力端と、前記第1信号の入力を受ける第3入力端と、前記第2信号の入力を受ける第4入力端と、を有し、
前記第2入力端は、前記第3の遅延時間に対応する容量を有する第1の容量素子部が接続された第1のノードに接続され、
前記第3入力端は、前記第3の遅延時間に対応する容量を有する第2の容量素子部が接続され且つ前記第1のノードに連続するノードである第2のノードに接続され、
前記第4入力端は、前記第3の遅延時間に対応する容量を有する第3の容量素子部が接続され且つ前記第1のノード及び前記第2のノードに連続するノードである第3のノードに接続されていることを特徴とする請求項3に記載のリセットフィルタ回路。
【請求項5】
前記第1の容量素子部、前記第2の容量素子部及び前記第3の容量素子部の各々は、ソース及びドレインが互いに接続されるとともに所定電位に接続されたPチャネル型の一対のMOSトランジスタから構成されていることを特徴とする請求項4に記載のリセットフィルタ回路。
【請求項6】
前記第1セレクト信号及び前記第2セレクト信号の各々の信号レベルは、当該リセットフィルタ回路の外部からの設定入力に応じて変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のリセットフィルタ回路。
【請求項7】
論理レベル1または論理レベル0で所定のパルス幅を有してリセットを示すリセットパルスを含むリセット入力信号を生成するリセット入力信号生成回路と、
前記リセット入力信号に基づいてリセット出力信号を生成するリセットフィルタ回路と、
前記リセット出力信号の供給を受けてリセット状態に制御される1又は複数の回路素子を含む内部回路と、
を有し、
前記リセットフィルタ回路は、
前記リセット入力信号を第1の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1または0に固定された第1セレクト信号と、の論理和又は否定論理和からなる第1信号を生成する第1の論理ゲートと、
前記リセット入力信号を前記第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1または0に固定された第2セレクト信号と、の論理和又は否定論理和からなる第2信号を生成する第2の論理ゲートと、
前記リセット入力信号と、前記リセット入力信号を前記第1の遅延時間よりも短い第3の遅延時間だけ遅延させた信号と、前記第1信号と、前記第2信号と、の論理和又は否定論理和からなる第3信号を生成する第3の論理ゲートと、
を有し、前記第3信号又は前記第3信号を反転させた信号を前記リセット出力信号として前記内部回路に供給することを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リセットフィルタ回路及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リセット機能を有する半導体集積回路において、ノイズ等の意図しない短いパルス幅の入力があった場合のリセット機能の誤動作を防ぐため、フィルタ回路を挿入してリセットがかかるタイミングを遅延させることが行われている。例えば、複数の容量素子からなる回路を用いてリセット信号を生成するパワーオンリセット信号生成回路が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-77681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容量の充電にかかる時間を利用してリセットがかかるまでの時間を遅延させるリセットフィルタ回路では、容量素子の構成により遅延時間が固定されているため、リセット入力を認識するためのパルス幅が一定となる。このため、ノイズ耐性を上げる必要がある等の理由でリセット入力を認識するパルス幅を長くしたい場合や、例えばIGBTの制御において緊急停止時に直ちにリセットをかけたい場合等に柔軟に対処することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、リセット信号として認識される入力信号のパルス幅を柔軟に変更することが可能なリセットフィルタ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るリセットフィルタ回路は、論理レベル1または論理レベル0で所定のパルス幅を有してリセットを示すリセットパルスを含むリセット入力信号に基づいてリセット出力信号を生成するリセットフィルタ回路であって、前記リセット入力信号を第1の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1または0に固定された第1セレクト信号と、の論理和又は否定論理和からなる第1信号を生成する第1の論理ゲートと、前記リセット入力信号を前記第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1または0に固定された第2セレクト信号と、の論理和又は否定論理和からなる第2信号を生成する第2の論理ゲートと、前記リセット入力信号と、前記リセット入力信号を前記第1の遅延時間よりも短い第3の遅延時間だけ遅延させた信号と、前記第1信号と、前記第2信号と、の論理和又は否定論理和からなる第3信号を生成する第3の論理ゲートと、を有し、前記第3信号又は前記第3信号を反転させた信号を前記リセット出力信号として出力することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る半導体装置は、論理レベル1または論理レベル0で所定のパルス幅を有してリセットを示すリセットパルスを含むリセット入力信号を生成するリセット入力信号生成回路と、前記リセット入力信号に基づいてリセット出力信号を生成するリセットフィルタ回路と、前記リセット出力信号の供給を受けてリセット状態に制御される1又は複数の回路素子を含む内部回路と、を有し、前記リセットフィルタ回路は、前記リセット入力信号を第1の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1または0に固定された第1セレクト信号と、の論理和又は否定論理和からなる第1信号を生成する第1の論理ゲートと、前記リセット入力信号を前記第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間だけ遅延させた信号と、論理レベル1または0に固定された第2セレクト信号と、の論理和又は否定論理和からなる第2信号を生成する第2の論理ゲートと、前記リセット入力信号と、前記リセット入力信号を前記第1の遅延時間よりも短い第3の遅延時間だけ遅延させた信号と、前記第1信号と、前記第2信号と、の論理和又は否定論理和からなる第3信号を生成する第3の論理ゲートと、を有し、前記第3信号又は前記第3信号を反転させた信号を前記リセット出力信号として前記内部回路に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るリセットフィルタ回路によれば、リセット信号として認識される入力信号のパルス幅を柔軟に変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るリセットフィルタ回路を含む半導体装置の構成を示すブロック図である。
図2】リセットフィルタ回路の構成を示す回路図である。
図3】セレクト信号を生成する回路部を示すブロック図である。
図4】リセット入力信号のパルス幅に応じた信号波形を示すタイムチャートである。
図5】リセット入力信号のパルス幅に応じた信号波形を示すタイムチャートである。
図6】リセット入力信号のパルス幅に応じた信号波形を示すタイムチャートである。
図7】比較例のリセットフィルタ回路の構成を示す回路図である。
図8】比較例におけるリセット入力信号のパルス幅に応じた信号波形を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【0011】
図1は、本発明に半導体装置100の構成を示す回路である。半導体装置100は、半導体集積回路から構成されている。半導体装置100は、リセット入力信号生成回路11、リセットフィルタ回路12及び内部回路13を含む。
【0012】
リセット入力信号生成回路11は、リセット入力信号RISを生成する回路である。リセット入力信号生成回路11は、例えば電源電圧に基づいて一定の電圧値を有する定電源電圧を生成するレギュレータ回路(図1では図示を省略)から定電源電圧の供給を受け、これに基づいてリセット入力信号RISを生成する。
【0013】
リセットフィルタ回路12は、リセット入力信号RISの供給を受け、これを遅延させたリセット出力信号ROSを生成する。リセットフィルタ回路12は、生成したリセット出力信号ROSを内部回路13に供給する。
【0014】
内部回路13は、半導体装置100の主機能を担う回路である。リセットフィルタ回路12からのリセット出力信号ROSの供給を受けて、内部回路13に含まれる回路素子(図1では図示を省略)はリセット状態に制御される。
【0015】
リセット入力信号RISは、“L”レベル(論理レベル0)及び“H”レベル(論理レベル1)に変化する信号であり、リセットを示す所定パルス幅のリセットパルスを含む信号である。本実施例では、リセット入力信号RISのリセットパルスは、“L”レベルで上記所定のパルス幅を有する。
【0016】
リセット出力信号ROSは、リセット入力信号RISを遅延させつつ論理ゲートによる論理演算を行うことにより生成された信号である。本実施例では、リセット出力信号ROSは、 “L”レベルでリセットを示すリセットパルスを含む。したがって、内部回路13に含まれる回路素子は、リセット出力信号ROSに含まれる“L”レベルのリセットパルスの供給を受けて、リセット状態となる。
【0017】
図2は、リセットフィルタ回路12の構成を示す回路図である。リセットフィルタ回路12は、トランジスタPM1~PM6、インバータIV1~IV6、及びNORゲートNR1~NR3を含む。
【0018】
トランジスタPM1~PM6は、リセットパルスの遅延時間を生成するために設けられた容量素子である。PM1~PM6の各々は、Pチャネル型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)から構成されている。トランジスタPM1~PM6は、それぞれ同じサイズ(ゲート長、ゲート幅)を有する。
【0019】
トランジスタPM1及びPM2は、インバータIV1とIV2との間のノードであるノードnAに接続され、第1の容量素子対を構成している。トランジスタPM1及びPM2の各々のソース及びドレインは、接地され且つ互いに接続されている。また、トランジスタPM1及びPM2の各々のゲートは、互いに接続されるとともにノードnAに接続されている。かかる第1の容量素子対が接続されたノードnAを経由することにより、リセット入力信号RISは、第1の容量素子対の容量に対応する時間だけ遅延される。
【0020】
トランジスタPM3及びPM4は、インバータIV2とIV3との間のノードであるノードnBに接続され、第2の容量素子対を構成している。トランジスタPM3及びPM4の各々のソース及びドレインは、接地され且つ互いに接続されている。また、トランジスタPM3及びPM4の各々のゲートは、互いに接続されるとともにノードnBに接続されている。かかる第2の容量素子対が接続されたノードnBを経由することにより、リセット入力信号RISは、第2の容量素子対の容量に対応する時間だけ遅延される。実際にはノードnBはノードnAと連続しており、ノードnBを経由する信号はノードnAも経由することになる。したがって、リセット入力信号RISは、ノードnA及びnBを経由することにより、第1の容量素子対の容量に対応する遅延時間と第2の容量素子対の容量に対応する遅延時間との和に相当する遅延時間だけ遅延される。
【0021】
トランジスタPM5及びPM6は、インバータIV3とNORゲートNR1との間のノードであるノードnCに接続され、第3の容量素子対を構成している。トランジスタPM5及びPM6の各々のソース及びドレインは、接地され且つ互いに接続されている。また、トランジスタPM5及びPM6の各々のゲートは、互いに接続されるとともにノードnCに接続されている。かかる第3の容量素子対が接続されたノードnBを経由することにより、リセット入力信号RISは、第3の容量素子対の容量に対応する時間だけ遅延される。実際にはノードnCはノードnB及びノードnAと連続しており、ノードnCを経由する信号はノードnA及びノードnBも経由することになる。したがって、リセット入力信号RISは、ノードnA、nB及びnCを経由することにより、第1の容量素子対の容量に対応する遅延時間、第2の容量素子対の容量に対応する遅延時間及び第3の容量素子対の容量に対応する遅延時間の和に相当する遅延時間だけ遅延される。
【0022】
上記の通り、トランジスタPM1~PM6は、同じサイズを有するトランジスタであり、第1の容量素子対、第2の容量素子対及び第3の容量素子対の各々の容量もそれぞれ等しい。したがって、各容量素子対により生じる遅延時間もそれぞれ等しくなる。したがって、ノードnAを経由する信号は、容量素子対1つ分の遅延時間だけ遅延される。また、ノードnA及びノードnBを連続して経由する信号は、容量素子対2つ分の遅延時間だけ遅延される。同様に、ノードnA、ノードnB及びノードnCを連続して経由する信号は、容量素子対3つ分の遅延時間だけ遅延される。
【0023】
インバータIV1は、入力端にリセット入力信号RISの供給を受け、これを反転した信号を出力端から出力する。インバータIV1の出力端は、ノードnAを介してインバータIV2の入力端に接続されている。
【0024】
インバータIV2は、入力端にインバータIV1の出力信号の供給を受け、これを反転した信号を出力端から出力する。インバータIV2の出力端は、ノードnBを介してインバータIV3の入力端に接続されている。
【0025】
インバータIV3は、入力端にインバータIV2の出力信号の供給を受け、これを反転した信号を出力端から出力する。インバータIV3の出力端は、ノードnCを介してNORゲートNR2の一対の入力端のうちの一方(以下、第1の入力端と称する)に接続されている。
【0026】
インバータIV4は、入力端がノードnBに接続されており、インバータIV2の出力信号の供給を受け、これを反転した信号を出力端から出力する。インバータIV4の出力端は、ノードnDを介してNORゲートNR1の一対の入力端のうちの一方(第1の入力端)に接続されている。
【0027】
インバータIV5は、入力端がノードnAに接続されており、インバータIV1の出力信号の供給を受け、これを反転した信号を出力端から出力する。インバータIV5の出力端は、ノードn1を介してNORゲートNR3の4つの入力端のうちの1つに接続されている。
【0028】
インバータIV6は、入力端がNORゲートNR3の出力端に接続されている。インバータIV6は、NORゲートNR3の出力信号の供給を受け、これを反転した信号をリセット出力信号ROSとして出力する。リセット出力信号ROSは、内部回路13に供給される。
【0029】
NORゲートNR1は、2入力の否定論理和の論理ゲート回路である。NORゲートNR1の第1の入力端には、インバータIV4の出力信号が供給される。すなわち、NORゲートNR1の第1の入力端に供給される信号は、リセット入力信号RISをノードnA及びnBを経由して第1の遅延時間(容量素子対2つ分の遅延時間)だけ遅延させ且つ反転させた信号である。
【0030】
NORゲートNR1の第2の入力端には、第1セレクト信号SEL1が供給される。NORゲートNR1は、インバータIV4の出力信号と第1セレクト信号SEL1との否定論理和からなる出力信号をノードn3に出力する。
【0031】
NORゲートNR2は、2入力の否定論理和の論理ゲート回路である。NORゲートNR2の第1の入力端には、インバータIV3の出力信号がノードnCを介して供給される。すなわち、NORゲートNR2の第1の入力端に供給される信号は、リセット入力信号RISをノードnA、ノードnB及びノードnCを経由して第2の遅延時間(容量素子対3つ分の遅延時間)だけ遅延させ且つ反転させた信号である。
【0032】
NORゲートNR2の第2の入力端には、第2セレクト信号SEL2が供給される。NORゲートNR2は、インバータIV3の出力信号と第2セレクト信号SEL2との否定論理和からなる出力信号をノードn2に出力する。
【0033】
NORゲートNR3は、4入力の否定論理和の論理ゲート回路である。NORゲートNR3の4つの入力端には、それぞれリセット入力信号RIS、インバータIV5の出力信号、NORゲートNR1の出力信号、及びNORゲートNR2の出力信号が入力される。NORゲートNR3は、これらの信号の否定論理和からなる信号を出力する。
【0034】
NORゲートNR3の入力端のうちの1つに入力されるインバータIV5の出力信号は、リセット入力信号RISをノードnAを経由して第3の遅延時間(容量素子対1つ分の遅延時間)だけ遅延させ且つ反転させた信号である。
【0035】
図3は、第1セレクト信号SEL1及び第2セレクト信号SEL2を生成する回路部の一例を示すブロック図である。CPU14、フラッシュROM15及びレジスタ16は、半導体装置100の内部に設けられている。
【0036】
CPU14は、半導体装置100のデバッグ処理時に外部割込信号EISの供給を受け、これに応じてフラッシュROM15の書き換え(消去及び書き込み)を行う。フラッシュROM15はレジスタ16に接続されており、CPU14によるフラッシュROM15の書き換えに応じて、レジスタ16に格納されているレジスタ値の変更が行われる。
【0037】
レジスタ16には、第1セレクト信号SEL1及び第2セレクト信号SEL2の信号レベルを示すレジスタ値が格納されている。第1セレクト信号SEL1及び第2セレクト信号SEL2は、それぞれ“L”レベル(論理レベル0)又は“H”レベル(論理レベル1)の値をとる2値の信号である。
【0038】
かかる構成により、外部割込信号EISに基づいて、第1セレクト信号SEL1及び第2セレクト信号SEL2の信号レベルが変更される。
【0039】
次に、リセットフィルタ回路12の動作について説明する。図4~6は、リセット入力信号RISのパルス幅の変化に応じた各ノードの電位及びリセット出力信号ROSの信号波形を示すタイムチャートである。
【0040】
図4は、第1セレクト信号SEL1が“L”レベル且つ第2セレクト信号SEL2が“L”レベルの場合における、リセット入力信号RISのパルス幅に応じたノードn1~n3の電位及びリセット出力信号ROSの信号波形を示すタイムチャートである。
【0041】
なお、ここではリセット入力信号RISのリセットパルスとして、W1~W4までパルス幅の異なるリセットパルスを示しているが、実際にはこのようにパルス幅が経時的に変化するのではなく、リセット入力信号RISのパルス幅の違いによってリセット出力信号ROSの信号レベルが変化するタイミングが異なることを比較可能に示すため、これらを併記して示している。図5及び図6についても同様である。
【0042】
第1セレクト信号SEL1及び第2セレクト信号SEL2がともに“L”レベルである場合、NORゲートNR1及びNR2は、それぞれインバータと同様の機能を有する。
【0043】
リセット入力信号RISのパルス幅(すなわち、“L”レベル期間の幅)が第1~第3の容量素子対の各々に対応する遅延時間(すなわち、容量素子対1つ分の遅延時間)と同程度の時間幅である幅W1である場合、ノードn1の電位は、リセット入力信号RISが“H”レベルに変化するタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W1の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn2の電位は、ノードn1の電位が “H”レベルに変化するタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W1の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn3の電位は、ノードn2の電位が “H”レベルに変化するタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W1の期間だけ“L”レベルとなる。
【0044】
このように、リセット入力信号RISのパルス幅がW1である場合、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる期間が存在しない。リセット出力信号ROSは、これらの否定論理積からなる信号をインバータIV6により反転させた信号であるため、リセット出力信号ROSの信号レベルは“H”レベルに固定される。したがって、リセット入力信号RISのパルス幅がW1である場合、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスは出力されない。
【0045】
次に、リセット入力信号RISのパルス幅が、幅W1の約2倍の長さを有する幅W2(容量素子対2つ分に対応する遅延時間と同程度の時間幅)である場合、ノードn1の電位は、リセット入力信号RISが“L”レベルである期間の中間付近のタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W2の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn2の電位は、ノードn1の電位が “L”レベルである期間の中間付近のタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W2の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn3の電位は、ノードn2の電位が “L”レベルである期間の中間付近のタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W2の期間だけ“L”レベルとなる。
【0046】
リセット入力信号RISのパルス幅がW2である場合、パルス幅がW1である場合と同様に、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる期間は存在しない。このため、リセット出力信号ROSの信号レベルは“H”レベルに固定される。したがって、“L”レベルのリセットパルスは出力されない。
【0047】
また、リセット入力信号RISのパルス幅が、幅W1の約3倍の長さを有する幅W3(容量素子対3つ分に対応する遅延時間と同程度の時間幅)である場合、ノードn1の電位は、リセット入力信号RISが“L”レベルに変化した後、幅W3の約3分の1の期間が経過したタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W3の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn2の電位は、ノードn1の電位が“L”レベルに変化した後、幅W3の約3分の1の期間が経過したタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W3の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn3の電位は、ノードn2の電位が “L”レベルに変化した後、幅W3の約3分の1の期間が経過したタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W3の期間だけ“L”レベルとなる。
【0048】
リセット入力信号RISのパルス幅がW3である場合、パルス幅がW2である場合と同様、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる期間は存在しない。このため、リセット出力信号ROSの信号レベルは“H”レベルに固定され、“L”レベルのリセットパルスは出力されない。
【0049】
一方、リセット入力信号RISのパルス幅が、幅W1の約4倍の長さを有する幅W4(容量素子対4つ分に対応する遅延時間と同程度の時間幅)である場合、ノードn1の電位は、リセット入力信号RISが“L”レベルに変化した後、幅W4の約4分の1の期間が経過したタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W4の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn2の電位は、ノードn1の電位が“L”レベルに変化した後、幅W4の約4分の1の期間が経過したタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W4の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn3の電位は、ノードn2の電位が “L”レベルに変化した後、幅W4の約4分の1の期間が経過したタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W4の期間だけ“L”レベルとなる。
【0050】
リセット入力信号RISのパルス幅がW4の場合、パルス幅がW1~W3の場合とは異なり、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる期間が存在する。具体的には、リセット入力信号RISが“L”である期間のうちの最後の約4分の1の期間、且つノードn3の電位が“L”である期間のうちの最初の約4分の1の期間において、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる。このため、パルス幅W1に相当する長さの期間でリセット出力信号ROSの信号レベルは“L”レベルとなる。すなわち、リセット入力信号RISのパルス幅がW4の場合、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスが出力される。
【0051】
このように、第1セレクト信号SEL1が“L”レベル且つ第2セレクト信号SEL2が“L”レベルである場合、リセット出力信号ROSのリセットパルスは、リセット入力信号RISのパルス幅がW1~W3の場合には出力されず、リセット入力信号RISのパルス幅がW4の場合に出力される。
【0052】
図5は、第1セレクト信号SEL1が“L”レベル且つ第2セレクト信号SEL2が“H”レベルの場合における、リセット入力信号RISのパルス幅に応じたノードn1~n3の電位及びリセット出力信号ROSの信号波形を示すタイムチャートである。
【0053】
第2セレクト信号SEL2が“H”レベルである場合、NORゲートNR3の第2の入力が常時“H”レベルとなるため、ノードn3の電位は“L”レベルに固定される。
【0054】
リセット入力信号RISのパルス幅が幅W1である場合、ノードn1の電位は、リセット入力信号RISが“H”レベルに変化するタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W1の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn2の電位は、ノードn1の電位が “H”レベルに変化するタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W1の期間だけ“L”レベルとなる。リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる期間が存在しないため、リセット出力信号ROSの信号レベルは“H”レベルに固定される。すなわち、リセット入力信号RISのパルス幅が幅W1である場合、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスは出力されない。
【0055】
また、リセット入力信号RISのパルス幅が幅W2である場合、ノードn1の電位は、リセット入力信号RISが“L”レベルである期間の中間付近のタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W2の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn2の電位は、ノードn1の電位が “L”レベルである期間の中間付近のタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W2の期間だけ“L”レベルとなる。リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる期間が存在しないため、リセット出力信号ROSの信号レベルは“H”レベルに固定される。すなわち、リセット入力信号RISのパルス幅が幅W2である場合、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスは出力されない。
【0056】
一方、リセット入力信号RISのパルス幅が幅W3である場合、ノードn1の電位は、リセット入力信号RISが“L”レベルに変化した後、幅W3の約3分の1の期間が経過したタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W3の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn2の電位は、ノードn1の電位が“L”レベルに変化した後、幅W3の約3分の1の期間が経過したタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W3の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn3の電位は、“L”レベルに固定されている。このため、ノードn2の電位が“L”レベルに変化してからリセット入力信号RISが“H”レベルに変化するまでの期間において、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる。したがって、当該期間において、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスが出力される。
【0057】
また、リセット入力信号RISのパルス幅がW4の場合、ノードn2の電位が“L”レベルに変化してからリセット入力信号RISが“H”レベルに変化するまでの期間において、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる。したがって、当該期間において、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスが出力される。
【0058】
このように、第1セレクト信号SEL1が“L”レベル且つ第2セレクト信号SEL2が“H”レベルである場合、リセット出力信号ROSのリセットパルスは、リセット入力信号RISのパルス幅がW1及びW2の場合には出力されず、リセット入力信号RISのパルス幅がW3及びW4の場合に出力される。
【0059】
図6は、第1セレクト信号SEL1が“H”レベル且つ第2セレクト信号SEL2が“H”レベルの場合における、リセット入力信号RISのパルス幅に応じたノードn1~n3の電位及びリセット出力信号ROSの信号波形を示すタイムチャートである。
【0060】
第1セレクト信号SEL1が“H”レベルである場合、NORゲートNR2の第2の入力が常時“H”レベルとなるため、ノードn2の電位は“L”レベルに固定される。また、第2セレクト信号SEL2が“H”レベルである場合、NORゲートNR3の第2の入力が常時“H”レベルとなるため、ノードn3の電位は“L”レベルに固定される。
【0061】
リセット入力信号RISのパルス幅が幅W1である場合、ノードn1の電位は、リセット入力信号RISが“H”レベルに変化するタイミングで“L”レベルに変化し且つ幅W1の期間だけ“L”レベルとなる。ノードn2及びノードn1の電位はともに“L”レベルであるが、リセット入力信号RISとノードn1の各々の“L”レベルの期間が重ならないため、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる期間が存在しない。このため、リセット出力信号ROSの信号レベルは“H”レベルに固定される。すなわち、リセット入力信号RISのパルス幅が幅W1である場合、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスは出力されない。
【0062】
一方、リセット入力信号RISのパルス幅が幅W2である場合、ノードn1の電位が“L”レベルに変化してからリセット入力信号RISが“H”レベルに変化するまでの期間において、リセット入力信号RIS及びノードn1の電位は、ともに“L”レベルとなる。ノードn2及びノードn3の電位は“L”レベルに固定されているため、当該期間において、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる。したがって、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスが出力される。
【0063】
リセット入力信号RISのパルス幅が幅W3である場合及び幅W4である場合についても同様に、ノードn1の電位が“L”レベルに変化してからリセット入力信号RISが“H”レベルに変化するまでの期間において、リセット入力信号RIS及びノードn1の電位は、ともに“L”レベルとなる。ノードn2及びノードn3の電位は“L”レベルに固定されているため、当該期間において、リセット入力信号RIS、ノードn1、ノードn2及びノードn3が全て同時に“L”レベルとなる。したがって、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセット出力パルスが出力される。
【0064】
以上のように、第1セレクト信号SEL1及び第2セレクト信号SEL2の信号レベルがともに“L”である場合、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスを出力するためには、幅W4のパルス幅のリセット入力信号RISが必要となる。また、第1セレクト信号SEL1が“L”、第2セレクト信号SEL2が“H”である場合、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスを出力するためには、幅W3又はW4のパルス幅のリセット入力信号RISが必要となる。また、第1セレクト信号SEL1及び第2セレクト信号SEL2の信号レベルがともに“H”である場合、幅W2、W3又はW4のパルス幅のリセット入力信号RISが必要となる。
【0065】
このように、本実施例のリセットフィルタ回路12によれば、第1セレクト信号SEL1及び第2セレクト信号SEL2の信号レベルを変化させることにより、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスを出力するために必要なリセット入力信号RISのパルス幅を変更することができる。
【0066】
図7は、本実施例のリセットフィルタ回路12とは異なり、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスを出力するために必要なリセット入力信号RISのパルス幅を可変とするための構成を有しない、比較例のリセットフィルタ回路22の構成を示す回路図である。
【0067】
比較例のリセットフィルタ回路22では、インバータIV3の出力端、トランジスタPM5のゲート及びPM6のゲートを接続するノードであるノードnCが、インバータIV7の入力端に接続されている。インバータIV7は、ノードnCの電位を反転した信号をノードn0を介してNORゲートNR4の第1の入力端に供給する。NORゲートNR4の第2の入力端には、リセット入力信号RISが入力される。
【0068】
NORゲートNR4は、リセット入力信号RIS及びインバータIV7の出力信号の論理和からなる信号を出力する。NORゲートNR4の出力信号はインバータIV6により反転され、リセット出力信号ROSとして出力される。
【0069】
図8は、比較例のリセットフィルタ回路22におけるリセット入力信号RISのパルス幅に応じたノードn0の電位及びリセット出力信号ROSの信号波形を示すタイムチャートである。
【0070】
リセット入力信号RISのパルス幅が幅WXである場合、リセット入力信号RISの信号レベル及びノードn0の電位がともに“L”レベルとなる期間が存在せず、リセット出力信号ROSの信号レベルは“H”レベルとなる。すなわち、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスは出力されない。一方、リセット入力信号RISのパルス幅が、幅WXより大きい幅WYである場合、ノードn0の信号レベルが“L”レベルに変化してからリセット入力信号RISの信号レベルが“H”レベルに変化するまでの期間において、リセット入力信号RISの信号レベル及びノードn0の電位がともに“L”レベルとなる。したがって当該期間においてリセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスが出力される。
【0071】
比較例のリセットフィルタ回路22では、リセット出力信号ROSの“L”レベルのリセットパルスを出力するために必要なリセット入力信号RISのパルス幅が固定されている。このため、このため、ノイズ耐性を上げる必要がある等の理由でリセット入力を認識するパルス幅(すなわち、リセット出力信号ROSのリセットパルスを出力するために必要なリセット入力信号RISのパルス幅)を長くしたい場合に対応することができない。また、IGBTの制御において緊急停止時に直ちにリセットをかけたい等の理由でリセット入力を認識するパルス幅を短くしたい場合にも対応することができない。
【0072】
これに対し、上記の通り、本実施例のリセットフィルタ回路12では、第1セレクト信号SEL1及び第2セレクト信号SEL2の信号レベルを変化させることにより、リセット入力を認識するパルス幅を変更することができる。
【0073】
したがって、本実施例のリセットフィルタ回路12によれば、リセット信号として認識される入力信号のパルス幅を柔軟に変更することが可能となる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、リセットフィルタ回路12において、PMOSトランジスタからなる容量素子を用いて遅延回路を構成する場合を例として説明した。しかし、遅延回路の構成はこれに限られず、デジタル回路のカウンタ等を用いて構成しても良い。
【0075】
また、上記実施例では、リセットフィルタ回路12がリセット入力信号RISの入力を受けて動作する場合を例として説明したが、これに限られず、別の入力信号の入力を受けて当該入力信号に対応する出力信号を生成してもよい。
【0076】
また、上記実施例では、リセットフィルタ回路12が2入力のNORゲートNR1及びNR2と、4入力のNORゲートNR3と、を含む場合を例として説明した。しかしリセットフィルタ回路を構成する論理ゲートはこれに限定されない。例えば、NORゲートに変えてORゲート(論理和ゲート)を用いてもよい。
【0077】
また、上記実施例では、リセット入力信号RIS及びリセット出力信号ROSが、“L”レベルのリセットパルスを含む場合を例として説明した。しかし、これとは反対に、リセット入力信号RIS及びリセット出力信号ROSは、“H”レベルのリセットパルスを含む信号であってもよい。
【符号の説明】
【0078】
100 半導体装置
11 リセット入力信号生成回路
12 リセットフィルタ回路
13 内部回路
14 CPU
15 フラッシュROM
16 レジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8