(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140167
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】包装袋内に配置された医療用の管状体、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61M 39/08 20060101AFI20241003BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61M39/08
A61M25/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051185
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 広梓
(72)【発明者】
【氏名】清水 一朗
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066PP04
4C267AA01
4C267AA07
4C267BB27
4C267CC08
(57)【要約】
【課題】カテーテル等の管状体の意図しない変形が起こり難い、包装袋内に配置された医療用の管状体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】包装袋2内に配置された医療用の管状体1であって、管状体1は巻回されて形成された巻回部1aを有しており、巻回部1aには、複数の保持部材10が装着されており、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10は、管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動可能である、包装袋2内に配置された医療用の管状体1。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法であって、医療用の管状体を巻回して巻回部を形成し、複数の保持部材を前記巻回部に装着する装着工程であって、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動可能であるように装着する装着工程、
前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材の位置を制御して前記巻回部を楕円形状にする変形工程、及び
前記管状体、包装袋、または前記管状体と包装袋を、楕円形状の前記巻回部の長軸方向に移動させて前記管状体を前記包装袋内に配置する配置工程を含む包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【請求項2】
前記変形工程において、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動する請求項1に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【請求項3】
前記変形工程において、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向とは逆方向に移動する請求項1または2に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【請求項4】
前記変形工程において、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材に対して前記巻回部の中心から外側に向けて負荷をかけ、且つ少なくとも一つの保持部材に対して前記巻回部の外側から前記巻回部の中心に向けて負荷をかける請求項1または2に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【請求項5】
前記変形工程において、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材に対して前記巻回部の外側から前記巻回部の中心に向けて負荷をかけるときに、負荷をかけられた前記保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向または巻回方向とは逆方向に移動する請求項4に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【請求項6】
前記配置工程後、前記巻回部が楕円形状からもとの形状に戻るように変形する請求項1または2に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【請求項7】
前記配置工程後、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動する請求項6に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【請求項8】
前記配置工程後、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向とは逆方向に移動する請求項6に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【請求項9】
前記管状体は、医療用長尺体が挿入されているものである請求項1または2に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【請求項10】
包装袋内に配置された医療用の管状体であって、
前記管状体は巻回されて形成された巻回部を有しており、前記巻回部には複数の保持部材が装着されており、
前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材は、前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動可能である、包装袋内に配置された医療用の管状体。
【請求項11】
前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向とは逆方向に移動可能である請求項10に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
【請求項12】
前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動可能であり、他の少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向及び前記巻回部の巻回方向とは逆方向に移動しないものである請求項10または11に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
【請求項13】
前記包装袋の中心を通り、前記管状体が挿入される前記包装袋の挿入口の長さ方向に平行な仮想軸をX軸とし、前記包装袋の中心を通り、前記X軸に垂直な仮想軸をY軸とし、前記包装袋の前記X軸と前記Y軸により区画される4つの象限をそれぞれ第1象限、第2象限、第3象限、第4象限としたとき、少なくとも3つの象限に前記複数の保持部材のうち少なくとも一つが配置されている請求項10または11に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
【請求項14】
前記複数の保持部材は、第1の保持部材、第2の保持部材、及び第3の保持部材を含み、
前記包装袋の中心を通り前記Y軸とのなす角度が30度である第1仮想線と第2仮想線との間の仮想領域をY軸近傍領域としたとき、
前記第1の保持部材は前記第1象限と前記第2象限内の前記Y軸近傍領域に位置し、前記第2の保持部材は前記第3象限に位置し、前記第3の保持部材は前記第4象限に位置している請求項13に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
【請求項15】
前記複数の保持部材は、第1の保持部材、第2の保持部材、第3の保持部材、及び第4の保持部材を含み、
前記包装袋の中心を通り、前記X軸とのなす角度が30度である第3仮想線と第4仮想線との間の仮想領域をX軸近傍領域とし、前記包装袋の中心を通り前記Y軸とのなす角度が30度である第1仮想線と第2仮想線との間の仮想領域をY軸近傍領域としたとき、
前記第1の保持部材は前記第1象限と前記第2象限内の前記Y軸近傍領域に位置し、前記第2の保持部材は前記第2象限と前記第3象限内の前記X軸近傍領域に位置し、前記第3の保持部材は前記第3象限と前記第4象限内の前記Y軸近傍領域に位置し、前記第4の保持部材は前記第4象限と前記第1象限内の前記X軸近傍領域に位置している請求項13に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
【請求項16】
前記複数の保持部材は、第1の保持部材、第2の保持部材、第3の保持部材、第4の保持部材、及び第5の保持部材を含み、
前記包装袋の中心を通り、前記X軸とのなす角度が30度である第3仮想線と第4仮想線との間の仮想領域をX軸近傍領域とし、前記包装袋の中心を通り前記Y軸とのなす角度が30度である第1仮想線と第2仮想線との間の仮想領域をY軸近傍領域としたとき、
前記第1の保持部材は前記第1象限と前記第2象限内の前記Y軸近傍領域に位置し、前記第2の保持部材は前記第2象限と前記第3象限内の前記X軸近傍領域に位置し、前記第3の保持部材は前記第3象限に位置し、前記第4の保持部材は前記第4象限に位置し、前記第5の保持部材は前記第4象限と前記第1象限内の前記X軸近傍領域に位置している請求項13に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
【請求項17】
前記管状体は、医療用長尺体が挿入されているものである請求項10または11に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
【請求項18】
前記包装袋の中心を通り、前記管状体が挿入される前記包装袋の挿入口の長さ方向に平行な仮想軸をX軸とし、前記包装袋の中心を通り、前記X軸に垂直な仮想軸をY軸とし、前記包装袋の前記X軸と前記Y軸により区画される4つの象限をそれぞれ第1象限、第2象限、第3象限、第4象限としたとき、
前記医療用長尺体の近位端部は、前記第1象限に位置している請求項17に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋内に配置された医療用の管状体、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血管の狭窄病変を治療するためのバルーンカテーテルや、造影剤、薬剤を血管内に投与するためのカテーテル等は、所定の形状の収容具に収容されて保管、運搬されていた。このような収容具として、例えば特許文献1には、組み合わせて使用される複数の医療用長尺体を収容する収容具であって、医療用長尺体の各々を収容するために環状に巻回された複数の管体が互いに連結されてなる収容具が開示されている。
また、特許文献2にはガイドワイヤーホルダーにおいて輸送・保管時にホルダーを楕円形状に変形させ、組立時及び使用時には真円形状にすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/104189号
【特許文献2】特開2006-346075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、特許文献1~2に開示されているような収容具により巻回された医療用のカテーテル等は、包装袋で包装された状態で保管、運搬等されていた。しかし、特許文献1に開示されている収容具は製造工程において包装袋でカテーテル等を包装し難かった。また、特許文献2に開示されているガイドワイヤーホルダーは輸送・保管時にホルダーを楕円形状に変形させ、外寸法のより小さな製品箱に納められるようにし、組立時及び使用時は真円形状にしてガイドワイヤーの挿入操作に支障がないようにしている。しかし、輸送・保管時にホルダーが楕円形状になっていることによりカテーテル等が変形することがあった。本発明は上記の様な問題に着目してなされたものであって、その目的は、カテーテル等の管状体の意図しない変形が起こり難い、包装袋内に配置された医療用の管状体、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決することのできた本発明の実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法は、以下の通りである。
[1]包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法であって、
医療用の管状体を巻回して巻回部を形成し、複数の保持部材を前記巻回部に装着する装着工程であって、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動可能であるように装着する装着工程、
前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材の位置を制御して前記巻回部を楕円形状にする変形工程、及び
前記管状体、包装袋、または前記管状体と包装袋を、楕円形状の前記巻回部の長軸方向に移動させて前記管状体を前記包装袋内に配置する配置工程を含む包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【0006】
上記構成により、管状体を包装袋内に入れるときに管状体を一時的に変形させて管状体を挿入し易くし、包装袋に管状体を入れた後は保持部材が管状体に対して巻回部の巻回方向に移動することにより管状体を元の形状に戻し易くすることができる。このため、管状体の製造後から使用までの間、例えば輸送、保管時に管状体の意図しない変形が起こり難くなり、管状体または管状体内に挿入される医療器具の操作性を確保することができる。
【0007】
更に、本発明の実施の形態に係る製造方法は、以下の[2]~[9]のいずれかであることが好ましい。
[2]前記変形工程において、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動する[1]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
[3]前記変形工程において、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向とは逆方向に移動する[1]または[2]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
[4]前記変形工程において、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材に対して前記巻回部の中心から外側に向けて負荷をかけ、且つ少なくとも一つの保持部材に対して前記巻回部の外側から前記巻回部の中心に向けて負荷をかける[1]~[3]のいずれか一項に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
[5]前記変形工程において、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材に対して前記巻回部の外側から前記巻回部の中心に向けて負荷をかけるときに、負荷をかけられた前記保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向または巻回方向とは逆方向に移動する[4]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
[6]前記配置工程後、前記巻回部が楕円形状からもとの形状に戻るように変形する[1]~[5]のいずれか一項に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
[7]前記配置工程後、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動する[6]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
[8]前記配置工程後、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向とは逆方向に移動する[6]または[7]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
[9]前記管状体は、医療用長尺体が挿入されているものである[1]~[8]のいずれか一項に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法。
【0008】
更に、本発明の実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体は、以下の通りである。
[10]包装袋内に配置された医療用の管状体であって、
前記管状体は巻回されて形成された巻回部を有しており、前記巻回部には複数の保持部材が装着されており、前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材は、前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動可能である、包装袋内に配置された医療用の管状体。
【0009】
更に、本発明の実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体は、以下の[11]~[18]のいずれかであることが好ましい。
[11]前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向とは逆方向に移動可能である[10]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
[12]前記複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向に移動可能であり、他の少なくとも一つの保持部材が前記管状体に対して前記巻回部の巻回方向及び前記巻回部の巻回方向とは逆方向に移動しないものである[10]または[11]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
[13]前記包装袋の中心を通り、前記管状体が挿入される前記包装袋の挿入口の長さ方向に平行な仮想軸をX軸とし、前記包装袋の中心を通り、前記X軸に垂直な仮想軸をY軸とし、前記包装袋の前記X軸と前記Y軸により区画される4つの象限をそれぞれ第1象限、第2象限、第3象限、第4象限としたとき、少なくとも3つの象限に前記複数の保持部材のうち少なくとも一つが配置されている[10]~[12]のいずれか一項に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
[14]前記複数の保持部材は、第1の保持部材、第2の保持部材、及び第3の保持部材を含み、
前記包装袋の中心を通り前記Y軸とのなす角度が30度である第1仮想線と第2仮想線との間の仮想領域をY軸近傍領域としたとき、
前記第1の保持部材は前記第1象限と前記第2象限内の前記Y軸近傍領域に位置し、前記第2の保持部材は前記第3象限に位置し、前記第3の保持部材は前記第4象限に位置している[13]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
[15]前記複数の保持部材は、第1の保持部材、第2の保持部材、第3の保持部材、及び第4の保持部材を含み、
前記包装袋の中心を通り、前記X軸とのなす角度が30度である第3仮想線と第4仮想線との間の仮想領域をX軸近傍領域とし、前記包装袋の中心を通り前記Y軸とのなす角度が30度である第1仮想線と第2仮想線との間の仮想領域をY軸近傍領域としたとき、
前記第1の保持部材は前記第1象限と前記第2象限内の前記Y軸近傍領域に位置し、前記第2の保持部材は前記第2象限と前記第3象限内の前記X軸近傍領域に位置し、前記第3の保持部材は前記第3象限と前記第4象限内の前記Y軸近傍領域に位置し、前記第4の保持部材は前記第4象限と前記第1象限内の前記X軸近傍領域に位置している[13]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
[16]前記複数の保持部材は、第1の保持部材、第2の保持部材、第3の保持部材、第4の保持部材、及び第5の保持部材を含み、
前記包装袋の中心を通り、前記X軸とのなす角度が30度である第3仮想線と第4仮想線との間の仮想領域をX軸近傍領域とし、前記包装袋の中心を通り前記Y軸とのなす角度が30度である第1仮想線と第2仮想線との間の仮想領域をY軸近傍領域としたとき、
前記第1の保持部材は前記第1象限と前記第2象限内の前記Y軸近傍領域に位置し、前記第2の保持部材は前記第2象限と前記第3象限内の前記X軸近傍領域に位置し、前記第3の保持部材は前記第3象限に位置し、前記第4の保持部材は前記第4象限に位置し、前記第5の保持部材は前記第4象限と前記第1象限内の前記X軸近傍領域に位置している[13]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
[17]前記管状体は、医療用長尺体が挿入されているものである[10]~[16]のいずれか一項に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
[18]前記包装袋の中心を通り、前記管状体が挿入される前記包装袋の挿入口の長さ方向に平行な仮想軸をX軸とし、前記包装袋の中心を通り、前記X軸に垂直な仮想軸をY軸とし、前記包装袋の前記X軸と前記Y軸により区画される4つの象限をそれぞれ第1象限、第2象限、第3象限、第4象限としたとき、前記医療用長尺体の近位端部は、前記第1象限に位置している[17]に記載の包装袋内に配置された医療用の管状体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、上記構成により、カテーテル等の管状体の意図しない変形が起こり難い、包装袋内に配置された医療用の管状体、及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、複数の保持部材が巻回部に装着された医療用の管状体の平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の管状体の巻回部を楕円形状にする変形工程を説明するための図である。
【
図3】
図3は、
図2の変形を行った直後の医療用の管状体の平面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体の平面図である。
【
図9】
図9は、他の実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体の平面図である。
【
図10】
図10は、更に他の実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0013】
本発明の実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法は、医療用の管状体を巻回して巻回部を形成し、複数の保持部材を巻回部に装着する装着工程であって、複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が管状体に対して巻回部の巻回方向に移動可能であるように装着する装着工程、複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材の位置を制御して巻回部を楕円形状にする変形工程、及び管状体、包装袋、または管状体と包装袋を、楕円形状の巻回部の長軸方向に移動させて管状体を包装袋内に配置する配置工程を含むものである。
【0014】
上記の通り、複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が管状体に対して巻回部の巻回方向に移動可能であることにより、管状体を包装袋内に入れるときに管状体を一時的に変形させて管状体を挿入し易くすることができる。また、包装袋に管状体を入れた後は複数の保持部材のうち少なくとも一つの保持部材が管状体に対して巻回部の巻回方向に移動することにより管状体を元の形状に戻し易くすることができる。このため、管状体の製造後から使用までの間、例えば輸送、保管時に管状体の意図しない変形が起こり難くなり、管状体または管状体内に挿入される医療器具の操作性を確保することができる。
【0015】
以下では、
図1~10を参照しながら、実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体の製造方法について説明する。
図1は、複数の保持部材が巻回部に装着された医療用の管状体の平面図である。
図2は、
図1の管状体の巻回部を楕円形状にする変形工程を説明するための図である。
図3は、
図2の変形を行った直後の医療用の管状体の平面図である。
図4は、実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体の平面図である。
図5は、
図4の包装袋の変形例の平面図である。
図6は、
図4の包装袋の挿入口側の側面図である。
図7は、包装袋の変形例の挿入口側の側面図である。
図8は、保持部材の側面図である。
図9は、他の実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体の平面図であり、
図10は、更に他の実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体の平面図である。
【0016】
実施の形態に係る包装袋2内に配置された医療用の管状体1の製造方法は、医療用の管状体1を巻回して巻回部1aを形成し、複数の保持部材10を巻回部1aに装着する装着工程であって、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動可能であるように装着する装着工程、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10の位置を制御して巻回部1aを楕円形状にする変形工程、及び管状体1、包装袋2、または管状体1と包装袋2を、楕円形状の巻回部1aの長軸方向D1に移動させて管状体1を包装袋2内に配置する配置工程を含む。以下では各工程について詳述する。
【0017】
装着工程においては、
図1に示すように、医療用の管状体1を巻回して巻回部1aを形成する。管状体1を平面状に巻回して、巻回部1aの全体的な形状が環状、好ましくは円形状となるように形成することが好ましい。
【0018】
装着工程においては、
図1、
図8に示すように、複数の保持部材10を巻回部1aに装着する。
図2、
図3及び
図4から理解できるように、装着工程では複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動可能であるように装着する。複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動可能なものであることにより、管状体1を包装袋2内に入れるときに管状体1を一時的に変形させて管状体1を挿入し易くすることができる。また、包装袋2に管状体1を入れた後は複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動することにより管状体1を元の形状に戻し易くすることができる。このため、管状体1の製造後から使用までの間、例えば輸送、保管時に管状体1の意図しない変形が起こり難くなり、管状体1または管状体1内に挿入される医療器具の操作性を確保することができる。
【0019】
複数の保持部材10は、巻回方向D2に沿って等間隔に装着されていることが好ましい。具体的には、巻回方向D2における複数の保持部材10の各間隔は、各間隔の平均の0.6倍以上、1.4倍以下であることが好ましく、各間隔の平均の0.8倍以上、1.2倍以下であることがより好ましく、各間隔の平均の0.9倍以上、1.1倍以下であることが更に好ましい。巻回部1aに装着する保持部材10の個数は、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上であり、好ましくは8個以下、より好ましくは5個以下である。
【0020】
複数の保持部材10は、
図8に示すように、それぞれ、複数の凹部19を有する第1の面S1と第1の面S1に対向する第2の面S2とを有し、装着工程後に、複数の保持部材10の第2の面S2を互いに平行にすることが好ましい。これにより、巻回部1aを平面状にして、包装袋2内に管状体1を挿入し易くすることができる。例えば、
図2に示すようなチャック等の把持具4により保持部材10を挟み込み、複数の保持部材10の第2の面S2の高さや傾きを制御して、第2の面S2を互いに平行にすればよい。なお、
図8に示すような側面図において、保持部材10の複数の凹部19に隣接する凸部の頂部が半球状等である場合には、各頂点を通る仮想平面を第1の面S1として、これに対向する第2の面S2を互いに平行にすればよい。
【0021】
装着工程において、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2と逆方向D5に移動可能なように管状体1に保持部材10を装着してもよい。少なくとも一つの保持部材10が巻回方向D2と逆方向D5に移動可能であることによって、変形工程で巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなり、所望の楕円形状に変形し易くなる。
【0022】
装着工程において、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2にスライド可能なように管状体1に保持部材10を装着することが好ましい。また、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2と逆方向D5にスライド可能なように管状体1に保持部材10を装着してもよい。管状体1に対して保持部材10がスライド可能であることによって、変形工程での巻回部1aの全体的な形状の微調整がより一層行い易くなる。
【0023】
装着工程において、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10を管状体1に固定してもよい。管状体1に固定された保持部材10は、管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2と逆方向D5には移動しないものとなる。これにより、保持部材10の巻回部1aに対する位置が固定されるため巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなり、巻回部1aを所望の楕円形状に変形し易くなる。
【0024】
変形工程においては、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10の位置を制御して、巻回部1aを
図3に示すような楕円形状にする。巻回部1aに装着した保持部材10の位置を制御することにより巻回部1aの全体的な形状を変形し易くすることができる。楕円形状への変形を行うに当たっては、例えば、
図2に示すようなチャック等の把持具4で保持部材10を上下から挟み込むように把持してから把持具4を移動させて、巻回部1aに負荷をかけて巻回部1aを変形させることが好ましい。なお把持具4で保持部材10を横方向から挟み込んでから把持具4を移動させてもよい。把持具4は、一軸アクチュエータ等の直線状に把持具4を移動させることが可能な部材に固定されていることが好ましい。これにより、巻回部1aを略平面状に維持したまま巻回部1aを楕円形状にし易くすることができる。
【0025】
図2、
図3に示すように、変形工程において、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動することが好ましい。少なくとも一つの保持部材10が巻回方向D2に移動することによって巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなり、巻回部1aを所望の楕円形状に変形し易くなる。
図2、
図3では第2の保持部材12が巻回方向D2に移動する例を示している。
【0026】
図2、
図3に示すように、変形工程において、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2とは逆方向D5に移動してもよい。少なくとも一つの保持部材10が巻回方向D2とは逆方向D5に移動することによっても巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなり、所望の楕円形状に変形し易くなる。
図2、
図3では第3の保持部材13が巻回方向D2とは逆方向D5に移動する例を示している。
【0027】
図2、
図3から理解できるように、変形工程において、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10は管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しなくてもよい。少なくとも一つの保持部材10が巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しないことによって、この保持部材10の巻回部1aに対する位置が固定されるため巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなり、巻回部1aを所望の楕円形状に変形し易くなる。
図2、
図3では第1の保持部材11が巻回方向D2及びその逆方向D5に移動しない例を示している。保持部材10が移動しないようにするためには、装着工程において保持部材10を管状体1に固定すればよい。
【0028】
変形工程において、
図2に示す通り、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10に対して巻回部1aの中心から外側に向けて負荷をかけ、且つ少なくとも一つの保持部材10に対して巻回部1aの外側から巻回部1aの中心に向けて負荷をかけることが好ましい。これにより巻回部1aが楕円形状に変形し易くなる。
図2中、D3は巻回部1aの中心から外側に向かう方向を示しており、D4は巻回部1aの外側から中心に向かう方向を示している。保持部材10に対して巻回部1aの中心から外側に向かう方向D3に負荷をかける場合には、方向D3に向かって保持部材10を引っ張ってもよく、方向D3に向かって保持部材10を押し込んでもよい。また、保持部材10に対して巻回部1aの外側から中心に向かう方向D4に負荷をかける場合には、方向D4に向かって保持部材10を引っ張ってもよく、方向D4に向かって保持部材10を押し込んでもよい。
【0029】
方向D3に負荷をかける対象の保持部材10の個数nは、好ましくは1以上、5以下であり、より好ましくは1以上、3以下、更に好ましくは2である。一方、方向D4に負荷をかける対象の保持部材10の個数mは、好ましくは1以上、6以下であり、より好ましくは1以上、4以下、更に好ましくは1以上、3以下である。個数nと個数mの差は、好ましくは0以上、3以下であり、より好ましくは0以上、2以下、更に好ましくは0以上、1以下である。
【0030】
変形工程において、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10に対して巻回部1aの外側から巻回部1aの中心に向けて負荷をかけるときに、負荷をかけられた保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2または巻回方向D2とは逆方向D5に移動してもよい。すなわち、巻回部1aの外側から巻回部1aの中心に向けて負荷をかける前とかけた後で巻回部1aの巻回方向D2に対する保持部材10の位置が異なっていてもよい。このように保持部材10が巻回方向D2またはその逆方向D5に移動することによって巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなり、巻回部1aを所望の楕円形状に変形し易くなる。
図2、
図3では第2の保持部材12が巻回方向D2に移動し、第3の保持部材13が巻回方向D2とは逆方向D5に移動する例を示している。
【0031】
配置工程においては、
図3、
図4に示すように、管状体1、包装袋2、または管状体1と包装袋2を、楕円形状の巻回部1aの長軸方向D1に移動させて管状体1を包装袋2内に配置する。これにより例えば、包装袋2内に管状体1を挿入口2bから挿入するに当たって、巻回部1aが挿入口2b近傍の接合部2cに接触し難くなるため、管状体1を挿入し易くすることができる。配置工程において、管状体1、または管状体1と包装袋2を長軸方向D1に移動させて管状体1を包装袋2内に配置することが好ましく、管状体1のみを長軸方向D1に移動させて管状体1を包装袋2内に配置することがより好ましい。
【0032】
包装袋2内に配置される管状体1の個数は、1つまたは2つ以上であってもよいが、2つ以下であることが好ましく、1つであることがより好ましい。これにより包装袋2内に管状体1を配置し易くすることができる。
【0033】
配置工程前の包装袋2は、
図4、
図6に示すように、第1のシート2dと、第1のシート2dに対向する第2のシート2eを有し、第1のシート2dと第2のシート2eが接合された接合部2cを有していることが好ましい。第1のシート2d、第2のシート2eは、それぞれ樹脂フィルム、不織布、織布、紙材、またはこれらの積層体を含んでいてもよい。具体的には、第1のシート2dが樹脂フィルムを含み、且つ第2のシート2eが不織布を含むことが好ましく、第1のシート2dが樹脂フィルムからなり、且つ第2のシート2eが不織布からなることがより好ましい。樹脂フィルムは、ポリエチレン層、ポリプロピレン層、ポリエチレンテレフタレート層、塩化ビニル層、ポリウレタン層、ポリスチレン層、またはこれらの積層体を含んでいてもよい。不織布は、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。第1のシート2dと第2のシート2eは、接合部2cにおいて、ヒートシール性樹脂により接合されていてもよく、接着剤により接合されていてもよい。
【0034】
配置工程前の包装袋2の接合部2cは、
図4に示す通り、包装袋2の収納空間側の内縁において、外側に向かって突出している形状の凸部2hを有することが好ましい。これにより包装袋2内に挿入口2bから管状体1を挿入する際に、凸部2h近傍において管状体1がブレ難くなるため、挿入し易くすることができる。平面視における凸部2hの形状として、V字状等の2本の線分の一端が互いに連結して形成された形状、円孤状等が挙げられる。
【0035】
凸部2hが線分の一端が互いに連結して形成された形状である場合、凸部2hの頂点の角度は、好ましくは120度以上、より好ましくは140度以上、更に好ましくは150度以上であり、好ましくは175度以下、より好ましくは170度以下、更に好ましくは165度以下である。
【0036】
凸部2hが円孤状である場合、当該円弧の曲率半径は、好ましくは20cm以上、より好ましくは40cm以上、更に好ましくは80cm以上、更により好ましくは160cm以上であり、好ましくは400cm以下、より好ましくは300cm以下、更に好ましくは250cm以下である。
【0037】
包装袋2の挿入口2bは、
図4に示す通り、凸部2hの頂部2iに対向する辺2jに位置することが好ましい。これにより、挿入口2bから包装袋2内に管状体1を挿入する際に凸部2hにより管状体1のブレが抑制されるため、挿入し易くすることができる。なお包装袋2が
図5に示すような外側に向かって突出している円孤状の凸部2hを有する場合、挿入口2bは、凸部2hの頂部2iに対向する辺2jまたは辺2kに位置することが好ましい。
【0038】
包装袋2が、
図4に示すように平面視で多角形である場合、1辺に挿入口2bが形成されており、その他の辺には挿入口2bが形成されていないことが好ましい。これにより、管状体1を包装袋2内に配置した後に挿入口2bをシーリング等し易くすることができる。包装袋2の平面視における形状は、多角形であることが好ましく、矩形であることがより好ましく、長方形状であることが更に好ましい。また当該形状は角丸多角形であってもよい。
【0039】
包装袋2は、
図7に示す通り、長さ方向DLにおける第1のシート2dの一端部2d1と第2のシート2eの一端部2e1に、一端部2f1と他端部2f2が接合されている第3のシート2fを有していてもよい。更に、包装袋2は、長さ方向DLにおける第1のシート2dの他端部2d2と第2のシート2eの他端部2e2に、一端部2g1と他端部2g2が接合されている第4のシート2gを有していてもよい。このように第1のシート2dと第2のシート2eの間にマチが形成されていてもよい。
【0040】
挿入口2bの中心における長さ方向DLの長さは、挿入口2bの中心における長さ方向DLと垂直な方向DHにおける長さの2倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましく、8倍以上であることが更に好ましい。一方、当該倍率は500倍以下であってもよく、200倍以下であってもよく、100倍以下であってもよい。
【0041】
配置工程後に、包装袋2の挿入口2bをヒートシールや接着剤等により閉じることが好ましい。これにより、包装袋2内に管状体1を封入することができる。
【0042】
配置工程では、複数の保持部材10は管状体1の巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しないことが好ましく、全ての保持部材10が管状体1の巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しないことがより好ましい。これにより、配置工程中、巻回部1aが楕円形状に保たれ易くなり、包装袋2内へ管状体1を挿入し易くなる。
【0043】
図4から理解できるように、配置工程後、巻回部1aが楕円形状からもとの形状に戻るように変形することが好ましい。もとの形状とは例えば円形状である。このとき、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動することが好ましい。これにより巻回部1aをもとの形状に戻し易くすることができる。このため、管状体1の製造後から使用までの間、例えば輸送、保管時に管状体1の意図しない変形が起こり難くなり、管状体1または管状体1内に挿入される医療器具の操作性を確保することができる。
【0044】
配置工程後、管状体1の巻回部1aが楕円形状からもとの形状に完全一致するように変形する必要はなく、もとの形状に近づくように変形すればよい。
【0045】
配置工程後、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動してもよい。このように保持部材10が移動することで巻回部1aがもとの形状に戻り易くなる。
図4では第3の保持部材13が巻回方向D2に移動する例を示している。
【0046】
配置工程後、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2とは逆方向D5に移動してもよい。このように保持部材10が移動することで管状体1がもとの形状に戻り易くなる。
図4では第2の保持部材12が巻回方向D2とは逆方向D5に移動する例を示している。
【0047】
配置工程後、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動し、他の少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動しなくてもよい。このように移動する保持部材10が制限されることによって管状体1がもとの形状に戻り易くなる。
図4では第1の保持部材11が巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しない例を示している。
【0048】
配置工程後、管状体1の楕円の長軸と重なる位置にある保持部材10は管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動せず、それ以外の位置にある保持部材10は管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2または巻回方向D2とは逆方向D5に移動することが好ましい。このような位置にある保持部材10が移動することで管状体1がもとの形状に戻り易くなる。
【0049】
配置工程後、包装袋2内に配置後の管状体1の巻回部1aが楕円形状からもとの形状に経時的に戻ってもよい。例えば、包装袋2内に配置後の管状体1の巻回部1aに対してかけている負荷を解除することで楕円形状からもとの形状に戻ってもよい。
【0050】
一つの保持部材10が巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動可能であることが好ましい。
図2~
図4では、第2の保持部材12と第3の保持部材13がそれぞれ巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動可能である例を示している。
【0051】
以下では
図1、
図9、
図10を参照しながら、装着する複数の保持部材10の個数毎に好ましい変形工程の例について説明する。
【0052】
図1に示す通り、複数の保持部材10は、第1の保持部材11、第2の保持部材12、及び第3の保持部材13を含み、装着工程において第1の保持部材11、第2の保持部材12、及び第3の保持部材13を巻回部1aの巻回方向D2に順に装着する場合、
図2に示すように、変形工程において第1の保持部材11に対して巻回部1aの中心から外側に向けて負荷をかけ、且つ第2の保持部材12と第3の保持部材13に対して巻回部1aの外側から巻回部1aの中心に向けて負荷をかけることが好ましい。これにより巻回部1aが楕円形状に変形し易くなる。なお巻回部1aには、負荷をかけない他の保持部材が装着されていてもよいが、他の保持部材が装着されていないことが好ましい。
【0053】
図9に示す通り、複数の保持部材10は、第1の保持部材11、第2の保持部材12、第3の保持部材13、及び第4の保持部材14を含み、装着工程において第1の保持部材11、第2の保持部材12、第3の保持部材13、及び第4の保持部材14を巻回部1aの巻回方向に順に装着する場合、変形工程において第1の保持部材11と第3の保持部材13に対して巻回部1aの中心から外側に向けて負荷をかけ、且つ第2の保持部材12と第4の保持部材14に対して巻回部1aの外側から巻回部1aの中心に負荷をかけることが好ましい。これにより巻回部1aが楕円形状に変形し易くなるため、管状体1を包装袋2内に配置し易くすることができる。なお巻回部1aには、負荷をかけない他の保持部材が装着されていてもよいが、他の保持部材が装着されていないことが好ましい。
【0054】
図10に示す通り、複数の保持部材10は、第1の保持部材11、第2の保持部材12、第3の保持部材13、第4の保持部材14、及び第5の保持部材15を含み、装着工程において第1の保持部材11、第2の保持部材12、第3の保持部材13、第4の保持部材14、及び第5の保持部材15を巻回部1aの巻回方向に順に装着する場合、変形工程において第1の保持部材11、第3の保持部材13、及び第4の保持部材14に対して巻回部1aの中心から外側に向けて負荷をかけ、第2の保持部材12と第5の保持部材15に対して巻回部1aの外側から巻回部1aの中心に向けて負荷をかけることが好ましい。これにより巻回部1aが楕円形状に変形し易くなるため、管状体1を包装袋2内に配置し易くすることができる。なお巻回部1aには、負荷をかけない他の保持部材が装着されていてもよいが、他の保持部材が装着されていないことが好ましい。
【0055】
これらの変形工程後の配置工程においては、第1の保持部材11側から管状体1を包装袋2内に配置することが好ましい。当該配置工程において、第1の保持部材11は巻回部1aの楕円の長軸近傍に位置するため、第1の保持部材11から包装袋2内に管状体1を挿入等することにより、包装袋2内に配置し易くすることができる。
【0056】
管状体1は、医療用長尺体3が挿入されているものであることが好ましい。医療用長尺体3が、管状体1内に挿入されていることにより、医療用長尺体3を保護することができる。医療用長尺体3として、バルーンカテーテル、ガイディングカテーテル、ガイディングカテーテルの内部に挿入されるインナーカテーテル、ガイドワイヤ等が挙げられる。
【0057】
以下では、
図2~
図4、
図9、
図10を参照しながら、実施の形態に係る包装袋内に配置された医療用の管状体について説明する。包装袋2内に配置された医療用の管状体1は、上述した製造方法により製造することができる。なお
図2~
図4、
図9、
図10の包装袋2の挿入口2bは開口しているが、ヒートシール等によって閉じられていることが好ましい。
【0058】
図4では巻回部1aに第1の保持部材11、第2の保持部材12、第3の保持部材13が装着されている例が示されている。
図9では巻回部1aに第1の保持部材11、第2の保持部材12、第3の保持部材13、第4の保持部材14が装着されている例が示されている。
図10では巻回部1aに第1の保持部材11、第2の保持部材12、第3の保持部材13、第4の保持部材14、第5の保持部材15が装着されている例が示されている。
【0059】
実施の形態に係る包装袋2内に配置された医療用の管状体1は、
図2~
図4に示す通り、巻回されて形成された巻回部1aを有しており、巻回部1aには複数の保持部材10が装着されており、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10は、管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動可能なものである。保持部材10が巻回部1aの巻回方向D2に移動することにより、管状体1を包装袋2内に入れるときには管状体1を一時的に変形させて管状体1を挿入し易くし、包装袋2に管状体1を入れた後は管状体1をもとの形状に戻し易くすることができる。このため、管状体1の製造後から使用までの間、例えば輸送、保管時に管状体1の意図しない変形が起こり難くなり、管状体1または管状体1内に挿入される医療器具の操作性を確保することができる。例えば、
図2~
図4では第2の保持部材12、第3の保持部材13が管状体に対して巻回部の巻回方向D2に移動可能である例を示している。
【0060】
複数の保持部材10はそれぞれ一または複数の凹部19を有していることが好ましい。保持部材10の一または複数の凹部19に管状体1を嵌合させることにより、巻回部1aの形状を一定の形状に保持し易くすることができる。
【0061】
保持部材10は保持部材10が好ましく有する複数の凹部19は、それぞれ巻回された医療用の管状体1を嵌め込むことができるものであればよい。例えば
図8に示す通り、保持部材10の厚さ方向における断面において、凹部19は円孤形状部、楕円孤形状部等を有することが好ましい。
【0062】
複数の凹部19は溝状であり、複数の凹部19の延在方向は互いに平行であることが好ましい。これにより巻回された管状体1を環状に維持し易くすることができる。
【0063】
保持部材10は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素樹脂またはこれらの混合物を含んでいてもよい。保持部材10のうち、管状体1と接触する部分、例えば凹部19の内壁面と内底面の少なくともいずれかの表面に易滑層が配されていてもよい。易滑層を構成する材料は、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びフッ素樹脂の少なくとも1つであることが好ましい。これにより、凹部19の表面の滑り性を高め、巻回部1aに対して保持部材10を移動させ易くすることができる。
【0064】
保持部材10は一または複数の部材から構成することができる。複数の保持部材10は互いに接続されていてもよく、接続されずに独立していてもよい。
【0065】
複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10は、管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2にスライド可能であることが好ましい。管状体1に対して保持部材10がスライド可能であることによって、巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなる。
【0066】
複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2とは逆方向D5に移動可能であることが好ましい。これにより、管状体1を包装袋2内に入れるときには管状体1を一時的に変形させて管状体1をより一層挿入し易くし、また包装袋2に管状体1を入れた後は管状体1をもとの形状により一層戻し易くすることができる。例えば、
図2~
図4では第2の保持部材12、第3の保持部材13が管状体に対して巻回部の巻回方向とは逆方向D5に移動可能である例を示している。
【0067】
複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2に移動可能であり、他の少なくとも一つの保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しないものであってもよい。少なくとも一つの保持部材10が巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しないことによって、この保持部材10の巻回部1aに対する位置が固定されるため巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなり、巻回部1aを所望の楕円形状に変形し易くなる。保持部材10が管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しないようにするためには保持部材10を管状体1に固定すればよい。
図2~
図4では第1の保持部材11が巻回方向D2及びその逆方向D5に移動しない例を示している。
【0068】
巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5において保持部材10が移動できる距離は、巻回部1aの巻回方向D2における保持部材10の最大長さの0.1倍以上であることが好ましく、0.2倍以上であることがより好ましく、0.3倍以上であることがさらに好ましい。巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5において保持部材10が移動できる距離は、巻回部1aの巻回方向D2における保持部材10の長さの3倍以下であることが好ましく、2.5倍以下であることがより好ましく、2倍以下であることがさらに好ましい。このように保持部材10の移動範囲を設定することで巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなる。
【0069】
図4、
図9、
図10に示す通り、巻回部1aは、複数の凹部19を有する複数の保持部材10が装着されており、包装袋2の中心2aを通り、管状体1が挿入される包装袋2の挿入口2bの長さ方向DLに平行な仮想軸をX軸Xとし、包装袋2の中心2aを通り、X軸Xに垂直な仮想軸をY軸Yとしたとき、包装袋2の中心2aを通りY軸Yとのなす角度が30度である第1仮想線Y1と第2仮想線Y2との間の仮想領域であるY軸近傍領域YA内に、複数の保持部材10のうち少なくとも一つの保持部材が配置されていることが好ましい。保持部材10が配置されている部分は巻回部1aの中心から外側に向かう方向の応力を受け易い部分であり、上記構成により、保持部材10が包装袋2のY軸近傍領域YA2の接合部2cに近づき易くなるため、経時的に管状体1が包装袋2内で動き難くなる。これにより、運搬中の騒音を低減することができる。
【0070】
以下では主に包装袋2内の複数の保持部材10の配置について説明するが、管状体1、巻回部1a、接合部2c、凸部2h、複数の保持部材10等の各構成については、上述した製造方法の記載を参照すればよい。
【0071】
図4、
図9、
図10に示す通り、包装袋2のX軸XとY軸Yにより区画される4つの象限をそれぞれ第1象限Q1、第2象限Q2、第3象限Q3、第4象限Q4としたとき、少なくとも3つの象限に複数の保持部材10が配置されていることが好ましい。更に、4つの象限に複数の保持部材10が配置されていることがより好ましい。当該構成により、多象限に配置された複数の保持部材10に対して、巻回部1aの中心から外側に向かう方向の応力がかかることにより、経時的に管状体1が包装袋2内で動き難くなる。
【0072】
図4に示す通り、複数の保持部材10は、第1の保持部材11、第2の保持部材12、及び第3の保持部材13を含み、第1の保持部材11は第1象限Q1と第2象限Q2内のY軸近傍領域YAに位置し、第2の保持部材12は第3象限Q3に位置し、第3の保持部材13は第4象限Q4に位置していることが好ましい。これにより管状体1が包装袋2内で一層、Y軸Y方向に動き難くなる。
【0073】
図4において、第2の保持部材12及び第3の保持部材13は管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動することが好ましい。また、第1の保持部材11は管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しないことが好ましい。これにより、巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなる。
【0074】
図9に示す通り、複数の保持部材10は、第1の保持部材11、第2の保持部材12、第3の保持部材13、及び第4の保持部材14を含み、包装袋2の中心2aを通り、X軸Xとのなす角度が30度である第3仮想線X1と第4仮想線X2との間の仮想領域をX軸近傍領域XAとしたとき、第1の保持部材11は第1象限Q1と第2象限Q2内のY軸近傍領域YAに位置し、第2の保持部材12は第2象限Q2と第3象限Q3内のX軸近傍領域XAに位置し、第3の保持部材13は第3象限Q3と第4象限Q4内のY軸近傍領域YAに位置し、第4の保持部材14は第4象限Q4と第1象限Q1内のX軸近傍領域XAに位置していることが好ましい。これにより、管状体1が包装袋2内でX軸X方向とY軸Y方向に動き難くなる。
【0075】
図9において、第2の保持部材12及び第3の保持部材13は管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動することが好ましい。また、第1の保持部材11及び第4の保持部材14は管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しないことが好ましい。これにより、巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなる。
【0076】
図10に示す通り、複数の保持部材10は、第1の保持部材11、第2の保持部材12、第3の保持部材13、第4の保持部材14、及び第5の保持部材15を含み、包装袋2の中心2aを通り、X軸Xとのなす角度が30度である第3仮想線X1と第4仮想線X2との間の仮想領域をX軸近傍領域XAとしたとき、第1の保持部材11は第1象限Q1と第2象限Q2内のY軸近傍領域YAに位置し、第2の保持部材12は第2象限Q2と第3象限Q3内のX軸近傍領域XAに位置し、第3の保持部材13は第3象限Q3に位置し、第4の保持部材14は第4象限Q4に位置し、第5の保持部材15は第4象限Q4と第1象限Q1内のX軸近傍領域XAに位置していることが好ましい。これにより、管状体1が包装袋2内でX軸X方向とY軸Y方向に動き難くなり、更に管状体1が包装袋2内で回転し難くなる。
【0077】
図10において、第2の保持部材12、第3の保持部材13、第4の保持部材14及び第5の保持部材15は管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動することが好ましい。また、第1の保持部材11は管状体1に対して巻回部1aの巻回方向D2及び巻回方向D2とは逆方向D5に移動しないことが好ましい。これにより、巻回部1aの全体的な形状の微調整が行い易くなる。
【0078】
管状体1は、医療用長尺体3が挿入されているものであることが好ましい。医療用長尺体3として、バルーンカテーテル、ガイディングカテーテル、ガイディングカテーテルの内部に挿入されるインナーカテーテル、ガイドワイヤ等が挙げられる。
【0079】
図4、
図9、
図10の医療用長尺体3は、近位端部3aにハンドルを有している。具体的には、医療用長尺体3は、管状体1内に挿入された筒部材と、筒部材の近位端部に設けられたハンドルを有している。医療用長尺体3を患者に使用する際には、管状体1から医療用長尺体3を抜き取って、操作者がハンドルを把持したり、ハンドルに設けられた貫通穴から薬剤を投与したり、ワイヤを挿入したりすることができる。ハンドルは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、ABS、ポリカーボネート等の合成樹脂、ポリウレタン発泡体等の発泡プラスチック等を含んでいてもよい。
【0080】
図4、
図9、
図10の通り、医療用長尺体3の近位端部3aは、第1象限Q1に位置していることが好ましい。これにより、第1象限Q1及び/または第2象限Q2側から包装袋2を開封する場合に、ハンドルを把持しながら医療用長尺体3を取り出すことができるため、包装袋2から医療用長尺体3を取り出し易くすることができる。
【0081】
管状体1は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。管状体1の厚さ方向の断面の外縁の形状としては、円形、楕円形、多角形、角丸多角形、またはこれらの組み合わせ形状が好ましく、円形、楕円形、または角丸多角形がより好ましく、円形または楕円形が更に好ましく、円形が更により好ましい。
【符号の説明】
【0082】
1 医療用の管状体
1a 巻回部
D1 巻回部の長軸方向
D2 巻回方向
D3 巻回部の中心から外側に向かう方向
D4 巻回部の外側から中心に向かう方向
D5 巻回方向とは逆の方向
2 包装袋
2a 包装袋の中心
2b 挿入口
2c 接合部
2d 第1のシート
2e 第2のシート
2f 第3のシート
2g 第4のシート
2h 凸部
2i 凸部の頂部
2j、2k 凸部の頂部に対向する辺
DL 長さ方向
DH 垂直な方向
X X軸
Y Y軸
Y1 第1仮想線
Y2 第2仮想線
X1 第3仮想線
X2 第4仮想線
XA X軸近傍領域
YA Y軸近傍領域
Q1 第1象限
Q2 第2象限
Q3 第3象限
Q4 第4象限
3 医療用長尺体
3a 医療用長尺体の近位端部
4 把持具
10 保持部材
11 第1の保持部材
12 第2の保持部材
13 第3の保持部材
14 第4の保持部材
15 第5の保持部材
19 凹部
S1 第1の面
S2 第2の面