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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014019
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】キャップ取り外し装置
(51)【国際特許分類】
   B67B 7/18 20060101AFI20240125BHJP
   F16J 13/12 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B67B7/18
F16J13/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116555
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】591257111
【氏名又は名称】サーパス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】今井 弘
【テーマコード(参考)】
3E081
3J046
【Fターム(参考)】
3E081AA14
3E081AB06
3E081AC04
3E081BB17
3E081BB19
3E081BB20
3E081BB29
3E081BC04
3E081BC08
3E081EE02
3E081EE05
3E081EE07
3E081FF10
3J046AA12
3J046BA01
3J046BC03
3J046BC05
3J046CA03
(57)【要約】
【課題】キャップ部をプラグから適切に取り外す作業を自動化する。
【解決手段】プラグ10と、キャップ部50と、キャップ部50をプラグ10から取り外すキャップ治具60と、を備え、キャップ治具60は、キャップ部50を保持する保持部と、キャップ治具60を把持するロボットにより把持される把持部62と、把持部62に取り付けられるとともに保持部をキャップ軸線Zc1に沿って移動可能に支持する支持部63と、保持部にキャップ軸線Zc1に沿ってプラグ10に近接する方向の付勢力を付与するスプリング64と、保持部をキャップ軸線Zc1回りに回転させる回転軸65と、を有し、回転軸65は、キャップ部50を保持する保持部61をキャップ軸線Zc1回りに回転させることによりキャップ部50をプラグ10から取り外す液体供給装置を提供する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体収納容器の上面に設けられる開口部に固定され、第1軸線に沿って延びる液体流路と、前記第1軸線回りに円環状に延びる溝部と、を有するプラグと、
前記溝部に挿入されるとともに前記第1軸線回りに円筒状に延びる挿入部を有し、前記液体流路を封止するキャップ部と、
前記キャップ部を前記プラグから取り外す取り外し機構と、を備え、
前記挿入部には、第1ねじ部が形成されており、
前記溝部には、前記第1ねじ部と係合する第2ねじ部が形成されており、
前記取り外し機構は、
前記キャップ部を保持する保持部と、
第2軸線に沿って筒状に形成されるとともに前記取り外し機構を把持する把持機構により把持される把持部と、
前記把持部に取り付けられるとともに前記保持部を前記第2軸線に沿って移動可能に支持する支持部と、
前記第2軸線に沿って伸縮する弾性部材により形成されるとともに前記保持部に前記第2軸線に沿って前記プラグに近接する方向の付勢力を付与する付勢部と、
前記保持部を前記第2軸線回りに回転させる回転部と、を有し、
前記回転部は、前記キャップ部を保持する前記保持部を前記第2軸線回りの所定方向に回転させることにより前記キャップ部を前記プラグから取り外すキャップ取り外し装置。
【請求項2】
弾性変形可能な材料により長尺状に形成されるとともに動力機構に連結され、前記動力機構が発生する回転動力を前記回転部に伝達する伝達部を有する請求項1に記載のキャップ取り外し装置。
【請求項3】
前記弾性部材が伸長した伸長状態を検出する第1検出部と、
前記弾性部材が収縮した収縮状態を検出する第2検出部と、
前記第1検出部が前記伸長状態を検出する場合に前記動力機構から前記伝達部への前記回転動力の伝達を開始し、前記第2検出部が前記収縮状態を検出する場合に前記動力機構から前記伝達部への前記回転動力の伝達を停止するよう制御する制御部と、を備える請求項2に記載のキャップ取り外し装置。
【請求項4】
前記キャップ部は、樹脂材料により形成されており、
前記キャップ部の上面には、前記第1軸線回りに環状に形成されるとともに前記保持部を収容する収容溝と、前記収容溝の内周側に配置されるとともに前記保持部により保持される中央部と、が形成されており、
前記保持部の下面には、前記中央部を弾性力により保持するロック機構が配置された凹所が形成されており、
前記保持部は、前記凹所に収容した前記中央部を前記ロック機構により前記第2軸線回りに回転しないように保持する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のキャップ取り外し装置。
【請求項5】
前記回転部は、前記キャップ部を保持した状態で前記所定方向の逆方向に前記保持部を回転させることにより前記キャップ部を前記プラグに取り付ける請求項1に記載のキャップ取り外し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ取り外し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体収納容器に収納される液体を複数の供給先装置へ供給する液体供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示される液体供給装置は、液体収納容器の開口部にプラグを固定し、プラグにソケットを取り付けることにより、プラグに形成される液体流路とソケットの形成される液体流路とを連結する。プラグにソケットを取り付ける際には、作業者が、ソケットが有する取付けナットに形成される雄ねじをプラグに形成される雌ねじ部に係合させる。
【0003】
特許文献1に開示される液体収納容器においては、内部に収納された液体がプラグを介して外部に流出することを防止するために、プラグの内周面に封止部を取り付けている。封止部のねじをプラグのねじに締結させることにより、封止部がプラグに固定される。液体収納容器に収納される液体を供給先装置へ供給する際には、封止部に換えてソケットが取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-20793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体収納容器に収納される液体を供給先装置へ供給する際には、ソケットを取り付けるために、作業者が封止部を回転させて封止部のねじとプラグのねじとの締結を解除する必要がある。そのため、作業者の作業負担が増えるとともに危険性の高い液体を取り扱く場合には作業者が危険に晒される可能性がある。
【0006】
そこで、作業者の作業負担の増大や作業者が危険に晒されることを防止するために、封止部を保持するロボットハンドを用いて、封止部をプラグから取り外す作業を自動化することが考えられる。例えば、特許文献1に開示される封止部の位置を予め記憶しておき、記憶した位置にロボットハンドを移動させて封止部を保持するようにし、封止部を回転させることが考えられる。
【0007】
しかしながら、封止部のねじとプラグのねじとの締結を解除するために封止部を回転させると、その回転に応じて封止部がプラグから離れる方向に移動するため、この移動量に応じて適切にロボットハンドを移動させる必要がある。この移動量が適切でない場合には、プラグから封止部を適切に取り外すことができず、あるいはロボットハンドが封止部を保持する状態を維持することができなくなってしまう可能性がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、キャップ部を保持する保持部をキャップ部の移動量に応じて適切に移動させてキャップ部をプラグから取り外す作業を自動化することが可能なキャップ取り外し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係るキャップ取り外し装置は、液体収納容器の上面に設けられる開口部に固定され、第1軸線に沿って延びる液体流路と、前記第1軸線回りに円環状に延びる溝部と、を有するプラグと、前記溝部に挿入されるとともに前記第1軸線回りに円筒状に延びる挿入部を有し、前記液体流路を封止するキャップ部と、前記キャップ部を前記プラグから取り外す取り外し機構と、を備え、前記挿入部には、第1ねじ部が形成されており、前記溝部には、前記第1ねじ部と係合する第2ねじ部が形成されており、前記取り外し機構は、前記キャップ部を保持する保持部と、第2軸線に沿って筒状に形成されるとともに前記取り外し機構を把持する把持機構により把持される把持部と、前記把持部に取り付けられるとともに前記保持部を前記第2軸線に沿って移動可能に支持する支持部と、前記第2軸線に沿って伸縮する弾性部材により形成されるとともに前記保持部に前記第2軸線に沿って前記プラグに近接する方向の付勢力を付与する付勢部と、前記保持部を前記第2軸線回りに回転させる回転部と、を有し、前記回転部は、前記キャップ部を保持する前記保持部を前記第2軸線回りの所定方向に回転させることにより前記キャップ部を前記プラグから取り外す。
【0010】
本発明の一態様にかかるキャップ取り外し装置によれば、把持機構により把持される把持部を有する取り外し機構は、プラグに取り付けられたキャップ部を保持部により保持する。取り外し機構が有する回転部は、保持部を第2軸線回りの所定方向に回転させることによりキャップ部をプラグから取り外す。キャップ部をプラグから取り外す際に、キャップ部の第1ねじ部とプラグの第2ねじ部とが係合した状態が漸次解除され、キャップ部がプラグから離れる方向に移動する。
【0011】
キャップ部を保持する保持部は、支持部により第2軸線に沿って移動可能に支持され、付勢部により第2軸線に沿ってプラグに近接する方向の付勢力が付与されている。そのため、キャップ部をプラグから取り外す際に、キャップ部がプラグから離れる方向に移動すると、支持部の位置が固定された状態で、付勢部が有する弾性部材が収縮し、保持部が第2軸線に沿ってプラグから離間する方向に移動する。
【0012】
支持部の位置を固定したままで支持部に対して保持部の第2軸線上の位置が変化するため、キャップ部の移動に応じて把持部を把持する把持機構の位置を移動させる必要がない。したがって、キャップ部を保持する保持部をキャップ部の移動量に応じて適切に移動させてキャップ部をプラグから取り外す作業を自動化することが可能なキャップ取り外し装置を提供することができる。
【0013】
本発明の一態様に係るキャップ取り外し装置は、弾性変形可能な材料により長尺状に形成されるとともに動力機構に連結され、前記動力機構が発生する回転動力を前記回転部に伝達する伝達部を有する構成としてもよい。
本構成のキャップ取り外し装置によれば、伝達部が弾性変形可能であるため、取り外し機構が把持機構により3次元空間上の任意の位置に配置されたとしても、動力機構が発生する回転動力を確実に回転部に伝達することができる。また、取り外し機構に回転動力を発生する動力機構を設ける必要がないため、把持機構により把持される取り外し機構を小型化することができる。
【0014】
上記構成のキャップ取り外し装置は、前記弾性部材が伸長した伸長状態を検出する第1検出部と、前記弾性部材が収縮した収縮状態を検出する第2検出部と、前記第1検出部が前記伸長状態を検出する場合に前記動力機構から前記伝達部への前記回転動力の伝達を開始し、前記第2検出部が前記収縮状態を検出する場合に前記動力機構から前記伝達部への前記回転動力の伝達を停止するよう制御する制御部と、を備える態様とするのが好ましい。
【0015】
本態様のキャップ取り外し装置によれば、第1検出部が弾性部材の伸長状態を検出する場合に伝達部への回転動力の伝達を開始するよう制御部が動力機構を制御する。そのため、付勢部によりキャップ部がプラグに近接した位置まで付勢された状態でキャップ部をプラグから取り外す動作を開始することができる。また、第2検出部が弾性部材の収縮状態を検出する場合に伝達部への回転動力の伝達を停止するよう制御部が動力機構を制御する。そのため、付勢部の弾性部材が収縮してキャップ部がプラグから取り外された状態で動力機構から回転部への回転動力の伝達を停止することができる。
【0016】
本発明の一態様に係るキャップ取り外し装置において、前記キャップ部は、樹脂材料により形成されており、前記キャップ部の上面には、前記第1軸線回りに環状に形成されるとともに前記保持部を収容する収容溝と、前記収容溝の内周側に配置されるとともに前記保持部により保持される中央部と、が形成されており、前記保持部の下面には、前記中央部を弾性力により保持するロック機構が配置された凹所が形成されており、前記保持部は、前記凹所に収容した前記中央部を前記ロック機構により前記第2軸線回りに回転しないように保持する構成としてもよい。
【0017】
本構成のキャップ取り外し装置によれば、キャップ部の上面に形成される収容溝に収容された保持部が、キャップ部の中央部を第2軸線回りに回転しないようにロック機構により保持する。そのため、回転部が保持部を第2軸線回りに回転させることにより、キャップ部を第2軸線回りに回転させることができる。また、保持部の下面に形成される凹所にキャップ部の中央部を収容してロック機構により固定するため、樹脂材料により形成されるキャップ部が弾性変形してロック機構がキャップ部を固定する状態が解除されるおそれがない。これは、ロック機構が中央部を第2軸線に向けて内側に固定する力を付与するため、キャップ部の弾性変形が殆ど生じないからである。
【0018】
本発明の一態様に係るキャップ取り外し装置において、前記回転部は、前記キャップ部を保持した状態で前記所定方向の逆方向に前記保持部を回転させることにより前記キャップ部を前記プラグに取り付ける構成としてもよい。
【0019】
本構成のキャップ取り外し装置によれば、プラグからキャップ部を取り外すために用いた取り外し機構の回転部により保持部を所定方向の逆方向に回転させることにより、キャップ部をプラグに取り付けることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、キャップ部を保持する保持部をキャップ部の移動量に応じて適切に移動させてキャップ部をプラグから適切に取り外す作業を自動化することが可能なキャップ取り外し装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態の液体供給装置を示す側面図であり、ロボットがキャップ治具を把持して搬送する状態を示す。
図2】本発明の一実施形態の液体供給装置を示す側面図であり、ロボットがキャップ治具をプラグの近傍に配置した状態を示す。
図3図1に示す液体供給装置を上方からみた平面図であり、ロボットがキャップ治具を把持して搬送する状態を示す。
図4】ソケットをプラグに固定した状態を示す部分断面図である。
図5】本実施形態の液体供給装置の制御方法を示すフローチャートであり、プラグからキャップ部を取り外す処理を示す。
図6】本実施形態の液体供給装置の制御方法を示すフローチャートであり、プラグにキャップ部を取り付ける処理を示す。
図7】キャップ治具をプラグの近傍へ移動した状態を示す部分断面図である。
図8】プラグおよびキャップ部を上方からみた平面図である。
図9】キャップ治具を下方からみた平面図である。
図10】キャップ治具によりキャップを保持した状態を示す部分断面図である。
図11】キャップ治具によりキャップをプラグから取り外した状態を示す部分断面図である。
図12】キャップ治具をプラグの上方に移動させた状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態の液体供給装置(キャップ取り外し装置)100について、図面を参照して説明する。図1および図2は、本実施形態の液体供給装置100を示す側面図である。図1は、ロボット30がキャップ治具60を把持して搬送する状態を示す。図2は、ロボット30がキャップ治具60をプラグ10の近傍に配置した状態を示す。図3は、図1に示す液体供給装置100を上方からみた平面図であり、ロボット30がキャップ治具60を把持して搬送する状態を示す。
【0023】
図1に示す本実施形態の液体供給装置100は、液体収納容器200に収容される液体を複数の供給先装置(図示略)へ供給する装置である。ここで、本実施形態における液体とは、例えば、半導体製造装置の半導体製造工程で用いられる純水や各種の薬液である。
【0024】
図1から図3に示すように、液体供給装置100は、プラグ10と、封止栓15と、ソケット20と、ロボット(把持機構)30と、撮像部(認識部)40と、キャップ部50と、キャップ治具(取り外し機構)60と、制御部70と、を備える。
【0025】
図1に示すように、液体収納容器200は、鉛直方向に延びる軸線Z1回りに円筒状に形成される容器であり、上面(天板)に第1開口部210および第2開口部220が設けられている。第1開口部210および第2開口部220の内周面には、雌ねじが形成されている。
【0026】
プラグ10は、第1開口部210に固定されるとともにプラグ軸線(第1プラグ軸線)Zp1に沿って延びるプラグ側液体流路11を有する。プラグ側液体流路11は、液体収納容器200の底部230の近傍まで延びている。プラグ10の上端の外周面には、雄ねじが形成されている。プラグ10の雄ねじを第1開口部210の雌ねじに係合することにより、プラグ10が第1開口部210に固定される。
【0027】
図4は、ソケット20をプラグ10に孤影した状態を示す部分断面図である。図4に示すように、プラグ10の先端(上端)には、プラグ軸線Zp1回りに円環状に延びる溝部(第1溝部)12が形成されている。溝部12は、ソケット20のロックボール21Aaを固定するための固定溝12aを有する。固定溝12aは、プラグ軸線Zp1回りに円環状に形成される。図7および図10に示すように、プラグ10の溝部12には、キャップ部50の雌ねじ(第1ねじ部)51aと係合する雄ねじ(第2ねじ部)12bが形成されている。
【0028】
図1に示すように、封止栓15は、第2開口部220に固定されるとともに第2開口部220を封止する部材である。封止栓15の外周面には、雄ねじが形成されている。封止栓15の雄ねじを第2開口部220の雌ねじに係合することにより、封止栓15が第2開口部220に固定される。
【0029】
ソケット20は、キャップ治具60によりプラグ10からキャップ部50が取り外された状態で、ロボット30によりプラグ10に取付けられる装置である。ソケット20は、液体収納容器200に収納される液体を、プラグ10のプラグ側液体流路11を介して供給先装置へ供給するための装置である。
【0030】
図4に示すように、ソケット20は、プラグ10に着脱可能に取り付けられるとともにソケット軸線(第1ソケット軸線)Zs1に沿って延びるソケット側液体流路21aを有する。ソケット20は、供給先装置へ液体を供給するための液体配管LL1および液体収納容器200にガス(気体)を供給するためのガス配管GL1に接続されている。ガス配管GL1から供給されるガスは、プラグ10のプラグ側ガス流路13を介して液体収納容器200の上方の空間に供給される。ソケット20は、ロボット30のハンド部31により把持される。
【0031】
図4に示すように、ソケット20の先端(下端)は、ソケット軸線Zs1回りに円環状に延びるとともにプラグ10の固定溝12aに固定される複数のロックボール21Aaを有する。ロックボール21Aaは、ソケット軸線Zs1回りに間隔を空けて複数箇所に配置される。
【0032】
ソケット20は、ロックボール21Aaが配置される先端側の位置を調整し、プラグ10の溝部12に挿入する調整部(図示略)を有する。ソケット20は、調整部により先端側の位置を調整することにより、ロックボール21Aaがプラグ10の固定溝12aに固定された連結状態と、ロックボール21Aaがプラグ10の固定溝12aに固定されない解除状態とを切り替える。
【0033】
図1から図3に示すように、ロボット30は、ソケット20およびキャップ治具60を把持するとともにソケット20およびキャップ治具60を動作範囲内の軸線X,軸線Y,軸線Zにより規定される3次元位置に所定の姿勢で配置する機構である。ロボット30は、例えば、6軸多関節型ロボットである。ロボット30は、ハンド部31と、手首部32と、第1アーム部33と、第2アーム部34と、ベース部35と、旋回胴36と、を有する。
【0034】
旋回胴36は、ベース部35に対して鉛直な軸線Zr1回りに回転可能に支持されている。第1アーム部33は、水平な軸線Zr2回りに旋回胴36に対して回転可能に支持されている。第2アーム部34は、水平な軸線Zr3回りに第1アーム部33に対して回転可能に支持されている。手首部32は、一端が第2アーム部34に取り付けられており、他端にハンド部31が取り付けられている。
【0035】
ベース部35に対する旋回胴36の回転動作、旋回胴36に対する第1アーム部33の回転動作、第1アーム部33に対する第2アーム部34の回転動作を組み合わせることにより、手首部32を動作範囲内の任意の3次元位置に配置することができる。また、手首部32は、3軸において回転可能であり、ハンド部31を3軸に変位させて任意の姿勢とすることができる。
【0036】
撮像部40は、プラグ10の上面を撮像し、プラグ10の3次元空間上の位置とプラグ10のプラグ軸線Zp1の向きを認識する装置である。撮像部40は、プラグ10の3次元空間上の位置とプラグ10のプラグ軸線Zp1の向きの認識結果を制御部70に伝達する。
【0037】
図7に示すように、キャップ部50は、プラグ側液体流路11を封止する部材であり、樹脂材料により形成されている。キャップ部50は、プラグ10の溝部12に挿入される挿入部51を有する。挿入部51は、キャップ軸線Zc1回りに円筒状に延びるように形成される。挿入部51の内周面には雌ねじ(第1ねじ部)51aが形成されている。
【0038】
図8は、プラグ10およびキャップ部50を上方からみた平面図である。図8に示すように、キャップ部50の上面には、プラグ軸線Zp1回りに環状に形成されるとともに保持部61を収容可能な収容溝52が形成されている。図7および図8に示すように、収容溝52には、複数のロックボール61aが固定される複数の固定溝52aが形成されている。キャップ部50の上面には、収容溝52の内周側に配置されるとともに保持部61により保持される凸状の中央部53が形成されている。
【0039】
図7に示すように、キャップ治具60は、キャップ部50をキャップ軸線(第2軸線)Zc1回りに回転させ、キャップ部50をプラグ10から取り外す機構である。キャップ治具60は、保持部61と、把持部62と、支持部63と、スプリング(付勢部)64と、回転軸(回転部)65と、フレキシブルシャフト(伝達部)66と、軸受67と、軸受68と、を有する。
【0040】
保持部61は、キャップ部50を着脱可能に保持する部材であり、キャップ軸線Zc1に向けて付勢力を発生するロックボール(ロック機構)61aが設けられている。保持部61は、収容溝52に収容されて複数のロックボール61aを複数の固定溝52aに噛み合わせ、ロックボール61aを固定溝52aに向けて内周側へ付勢することにより、キャップ部50を保持する。
【0041】
保持部61は、ロックボール61aを収容する本体部61Aと、本体部61Aに固定されるとともにキャップ軸線Zc1に沿って延びる軸部61Bと、を有する。図7および図9に示すように、本体部61Aの下面には、キャップ部50の中央部53を弾性力により保持するロックボール61aが配置された凹所61Cが形成されている。軸部61Bの上端は、キャップ軸線Zc1に沿って移動可能な状態で支持部63に収容される。軸部61Bの上端には、スプリング64により軸部61Bをプラグ10に近づける方向の付勢力が付与される。
【0042】
図8に示すように、キャップ部50の中央部53は、プラグ軸線Zp1に沿ってみた形状が略四角形となっている。保持部61の凹所61Cは、中央部53を収容するように、キャップ軸線Zc1に沿ってみた形状が略四角形となっている。
【0043】
したがって、キャップ部50の中央部53は、保持部61の凹所61Cに収容された状態で、保持部61に対してキャップ軸線Zc1回りには回転しない。このように、保持部61は、凹所61Cに収容したキャップ部50の中央部53をロックボール61aによりキャップ軸線Zc1回りに回転しないように保持する。
【0044】
図7に示すように、把持部62は、キャップ軸線Zc1に沿って略円筒状に形成されるとともにキャップ治具60を把持するロボット30のハンド部31により把持される。把持部62の外周側には、キャップ軸線Zc1回りに環状に形成される凹所62aが形成されている。凹所62aは、ハンド部31により把持される部分である。
【0045】
支持部63は、把持部62に取り付けられるとともに保持部61をキャップ軸線Zc1に沿って移動可能に支持する部材である。支持部63は、回転軸65に連結され、軸受67を介してキャップ軸線Zc1回りに回転可能に把持部62に取り付けられている。支持部63は、回転軸65が回転すると回転軸65と一体となってキャップ軸線Zc1回りに回転する。
【0046】
スプリング64は、キャップ軸線Zc1に沿って伸縮する弾性部材(金属材料,樹脂材料等)により形成され、保持部61にキャップ軸線Zc1に沿ってプラグ10に近接する方向の付勢力を付与する部材である。
【0047】
回転軸65は、保持部61をキャップ軸線Zc1回りに回転させる部材である。回転軸65は、軸受68を介してキャップ軸線Zc1回りに回転可能に把持部62に取り付けられている。回転軸65は、フレキシブルシャフト66から伝達されるキャップ軸線Zc1回りの回転動力を支持部63に伝達する。
【0048】
支持部63は、キャップ軸線Zc1回りに相対的に回転しないように保持部61の軸部61Bを支持している。そのため、支持部63がキャップ軸線Zc1回りに回転すると支持部63に同期して保持部61がキャップ軸線Zc1回りに回転する。回転軸65は、支持部63を介して保持部61をキャップ軸線Zc1回りの反時計回り方向(所定方向)に回転させることにより、キャップ部50をプラグ10から取り外す。
【0049】
図7に示すように、支持部63には、磁気近接センサ(第1検出部)63aと、磁気近接センサ(第2検出部)63bと、が設けられている。磁気近接センサ63aおよび磁気近接センサ63bは、保持部61の軸部61Bの上端に埋め込まれた磁石61Baが近接した位置に配置される場合にオン状態となるセンサである。磁気近接センサ63aおよび磁気近接センサ63bの検出状態(オン状態またはオフ状態)は、制御部70に出力される。
【0050】
磁気近接センサ63aは、スプリング64が伸長した伸長状態において磁石61Baが近接する位置に配置されている。そのため、磁気近接センサ63aは、スプリング64が伸長した伸長状態を検出することができる。磁気近接センサ63bは、スプリング64が収縮した収縮状態において磁石61Baが近接する位置に配置されている。そのため、磁気近接センサ63aは、スプリング64が収縮した収縮状態を検出することができる。
【0051】
フレキシブルシャフト66は、回転軸65がキャップ軸線Zc1回りに回転する回転動力を、回転軸65を介して保持部61に伝達する装置である。フレキシブルシャフト66は、弾性変形可能な材料により長尺状に形成されるとともにモータ(動力機構)69に連結されている。モータ69の回転速度および回転方向は、制御部70から伝達させる制御信号により制御される。
【0052】
制御部70は、撮像部40から伝達されたプラグ10の3次元空間上の位置とプラグ10のプラグ軸線Zp1の向きの認識結果に基づいて、ハンド部31が把持するソケット20またはキャップ治具60が所望の位置に所望の姿勢で配置されるようにロボット30を制御する。
【0053】
次に、図5を参照して、本実施形態の液体供給装置100の制御方法について説明する。図4は、本実施形態の液体供給装置100の制御方法を示すフローチャートであり、プラグ10からキャップ部50を取り外す処理を示す。図5に示す各処理は、制御部70が制御プログラムを実行することにより行われる。
【0054】
ステップS101で、制御部70は、設置台TB1に設置されたキャップ治具60を把持するようロボット30を制御する。制御部70は、設置台TB1に設置されたキャップ治具60の位置を予め記憶しておき、ハンド部31をキャップ治具60の近傍の位置へ移動させ、キャップ治具60を把持させる。
【0055】
ステップS102で、制御部70は、ハンド部31がキャップ治具60を把持した状態で、キャップ治具60がプラグ10の近傍へ移動するようロボット30を制御する。制御部70は、撮像部40が認識したプラグ10の3次元空間上の位置に対してプラグ軸線Zp1に沿って一定距離離れた位置に保持部61の先端が配置されるようにロボット30を制御する。ロボット30は、キャップ治具60をプラグ10の近傍に配置する際に、撮像部40により認識されたプラグ軸線Zp1の向きとキャップ軸線Zc1の向きとが一致する姿勢となるようにキャップ治具60を把持する。
【0056】
ステップS103で、制御部70は、キャップ治具60によりキャップ部50を保持するようキャップ治具60を把持するロボット30を制御する。ロボット30は、キャップ治具60をプラグ軸線Zp1に沿ってキャップ部50に向けて移動させる。キャップ治具60は、保持部61が収容溝52に収容され、固定溝52aにロックボール61aが固定されるように、キャップ部50に向けて移動する。
【0057】
ロックボール61aがキャップ部50の中央部53に接触した状態でキャップ治具60を更に下方へ移動させると、スプリング64が収縮してスプリング64の付勢力が漸次増大する。スプリング64の付勢力が増大してロックボール61aがプラグ軸線Zp1から離間する方向に移動すると、ロックボール61aが固定溝52aの位置に移動し、固定溝52aにロックボール61aが固定される。これにより、キャップ治具60の保持部61によりキャップ部50が保持された状態となる。
【0058】
その後、ロボット30が、収縮したスプリング64が自然長となるようにキャップ治具60をプラグ軸線Zp1に沿って上方に移動させると、図10に示す状態となる。保持部61は、凹所に中央部53を収容することにより、保持部61に対してキャップ軸線Zc1回りに相対的に回転しないようにキャップ部50を保持する。
【0059】
ステップS104で、制御部70は、保持部61によりキャップ部50を保持した状態で保持部61を反時計回り方向に回転させることによりキャップ部50をプラグ10から取り外す。キャップ部50を反時計回りに回転させると、プラグ10の雄ねじ12bとキャップ部50の雌ねじ51aとの係合が解除されて図11に示す状態となり、キャップ部50がプラグ10から取り外される。ステップS104において、制御部70は、ロボット30のハンド部31が把持部62を把持する位置は変化しないように制御する。
【0060】
図11に示すように、プラグ10の雄ねじ12bとキャップ部50の雌ねじ51aとの係合が解除される際に、保持部61がキャップ治具60の把持部62に近づき、スプリング64が収縮し、軸部61Bが支持部63の内部に収容される。このように、支持部63は、保持部61をキャップ軸線Zc1に沿って移動可能に支持するとともに軸部61Bを内部に収容する。支持部63の位置を固定したままで支持部63に対して保持部61のキャップ軸線Zc1上の位置が変化するため、キャップ部50の移動に応じて把持部62を把持するロボット30のハンド部31の位置を移動させる必要がない。
【0061】
ステップS104で、制御部70は、スプリング64が伸長した伸長状態(図10に示す状態)であることを磁気近接センサ63aが検出する場合にモータ69からフレキシブルシャフト66への回転動力の伝達を開始するよう制御する。また、制御部70は、スプリング64が収縮した収縮状態(図11に示す状態)であることを磁気近接センサ63bが検出する場合にモータ69からフレキシブルシャフト66への回転動力の伝達を停止するよう制御する。
【0062】
ステップS105で、制御部70は、キャップ部50を保持部61で保持した状態で、キャップ治具60をキャップ待機位置(図3の符号50の位置)に移動させるようロボット30を制御する。キャップ待機位置には、キャップ部50の雌ねじ51aと係合する雄ねじを有する固定部(図示略)が設置されている。制御部70は、キャップ部50の雌ねじ51aと固定部の雄ねじが係合した状態で、モータ69を時計回り方向に回転させ、キャップ部50の雌ねじを固定部の雄ねじに係合させる。
【0063】
ステップS106で、制御部70は、キャップ部50を保持しないキャップ治具60をキャップ治具待機位置(図3の符号60の位置)に移動させるようロボット30を制御する。以上のステップS101からステップS106により、プラグ10からキャップ部50が取り外される。
【0064】
プラグ10からキャップ部50が取り外された後、制御部70は、ソケット20をプラグ10に取り付けるようロボット30を制御する。ソケット20がプラグ10に取り付けられると、液体収納容器200に収納される液体がソケット20を介して供給先装置へ供給される。
【0065】
液体供給装置100による供給先装置への液体の供給は、液体収納容器200の液体が残存する限りは継続されるが、液体収納容器200の液体がなくなるか所定量以下となる場合には、新たな液体収納容器200に交換する必要がある。その場合、ソケット20をプラグ10から取り外した後に、プラグ10にキャップ部50を再び取り付ける。
【0066】
次に、図6を参照して、本実施形態の液体供給装置100の制御方法について説明する。図6は、本実施形態の液体供給装置100の制御方法を示すフローチャートであり、プラグ10にキャップ部50を取り付ける処理を示す。図6に示す各処理は、制御部70が制御プログラムを実行することにより行われる。
【0067】
ステップS201で、制御部70は、設置台TB1に設置されたキャップ治具60を把持するようロボット30を制御する。制御部70は、設置台TB1に設置されたキャップ治具60のキャップ治具待機位置(図3の符号60の位置)を予め記憶しておき、ハンド部31をキャップ治具待機位置へ移動させ、キャップ治具60を把持するようロボット30を制御する。
【0068】
ステップS202で、制御部70は、キャップ治具60をキャップ待機位置(図3の符号50の位置)に移動させ、キャップ部50を保持部61に保持するようロボット30を制御する。制御部70は、キャップ部50の雌ねじ51aと固定部の雄ねじが係合した状態で、モータ69を反時計回り方向に回転させ、キャップ部50の雌ねじが固定部の雄ねじに係合した状態を解除する。
【0069】
ステップS203で、制御部70は、ハンド部31がキャップ治具60を把持した状態で、キャップ治具60がプラグ10の近傍へ移動するようロボット30を制御する。制御部70は、撮像部40が認識したプラグ10の座標Pに対してプラグ軸線Zp1に沿って一定距離離れた位置に保持部61が配置されるようにロボット30を制御し、図12に示す状態とする。図12は、キャップ治具をプラグの上方に移動させた状態を示す部分断面図である。
【0070】
ステップS204で、制御部70は、キャップ部50をプラグ10に取り付けるようキャップ治具60を把持するロボット30を制御する。ロボット30は、キャップ治具60をプラグ軸線Zp1に沿ってプラグ10に向けて移動させ、図11に示す状態とする。制御部70は、保持部61によりキャップ部50を保持した状態で、回転軸65により保持部61を時計回り方向(所定方向の逆方向)に回転させる。これにより、プラグ10の雄ねじ12bとキャップ部50の雌ねじ51aとが係合し、キャップ部50がプラグ10に取り付けられる。
【0071】
キャップ治具60は、フレキシブルシャフト66から伝達される時計回り方向の回転動力を、回転軸65および支持部63を介して保持部61に伝達し、キャップ部50を時計回りに回転させる。キャップ部50を時計回りに回転させると、プラグ10の雄ねじ12bとキャップ部50の雌ねじ51aとが係合して図10に示す状態となり、キャップ部50がプラグ10に取り付けられる。
【0072】
ステップS205で、制御部70は、保持部61がキャップ軸線Zc1に沿って上方へ移動するようにキャップ治具60を制御し、保持部61からキャップ部50が取り外された図7に示す状態とする。その後、制御部70は、ハンド部31がキャップ治具60を把持した状態で、キャップ治具60をキャップ治具待機位置へ移動させるようロボット30を制御する。
【0073】
以上説明した本実施形態の液体供給装置100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の液体供給装置100によれば、ロボット30により把持される把持部62を有するキャップ治具60は、プラグ10に取り付けられたキャップ部50を保持部61により保持する。キャップ治具60が有する回転軸65は、保持部61をキャップ軸線Zc1回りの反時計回り方向に回転させることによりキャップ部50をプラグ10から取り外す。キャップ部50をプラグ10から取り外す際に、キャップ部50の雌ねじ51aとプラグ10の雄ねじ12bとが係合した状態が漸次解除され、キャップ部50がプラグ10から離れる方向に移動する。
【0074】
キャップ部50を保持する保持部61は、支持部63によりキャップ軸線Zc1に沿って移動可能に支持され、スプリング64によりキャップ軸線Zc1に沿ってプラグ10に近接する方向の付勢力が付与されている。そのため、キャップ部50をプラグ10から取り外す際に、キャップ部50がプラグ10から離れる方向に移動すると、支持部63の位置が固定された状態で、スプリング64が収縮し、保持部61がキャップ軸線Zc1に沿ってプラグ10から離間する方向に移動する。
【0075】
支持部63の位置を固定したままで支持部63に対して保持部61のキャップ軸線Zc1上の位置が変化するため、キャップ部50の移動に応じて把持部62を把持するロボット30のハンド部31の位置を移動させる必要がない。したがって、キャップ部50を保持する保持部61をキャップ部50の移動量に応じて適切に移動させてキャップ部50をプラグ10から取り外す作業を自動化することができる。
【0076】
本実施形態の液体供給装置100によれば、フレキシブルシャフト66が弾性変形可能であるため、キャップ治具60がロボット30のハンド部31により3次元空間上の任意の位置に配置されたとしても、モータ69が発生する回転動力を確実に回転軸65に伝達することができる。また、キャップ治具60に回転動力を発生する動力機構を設ける必要がないため、ハンド部31により把持されるキャップ治具を小型化することができる。
【0077】
本実施形態の液体供給装置100によれば、磁気近接センサ63aがスプリング64の伸長状態を検出する場合にフレキシブルシャフト66への回転動力の伝達を開始するよう制御部70がモータ69を制御する。そのため、スプリング64によりキャップ部50がプラグ10に近接した位置まで付勢された状態でキャップ部50をプラグ10から取り外す動作を開始することができる。
【0078】
また、磁気近接センサ63bがスプリング64の収縮状態を検出する場合にフレキシブルシャフト66への回転動力の伝達を停止するよう制御部70がモータ69を制御する。そのため、スプリング64が収縮してキャップ部50がプラグ10から取り外された状態でモータ69から回転軸65への回転動力の伝達を停止することができる。
【0079】
本実施形態の液体供給装置100によれば、キャップ部50の上面に形成される収容溝52に収容された保持部61が、キャップ部50の中央部53をキャップ軸線Zc1回りに回転しないようにロックボール61aにより保持する。そのため、回転軸65が保持部61をキャップ軸線Zc1回りに回転させることにより、キャップ部50をキャップ軸線Zc1回りに回転させることができる。
【0080】
また、保持部61の下面に形成される凹所61Cにキャップ部50の中央部53を収容してロックボール61aにより固定するため、樹脂材料により形成されるキャップ部50が弾性変形してロックボール61aがキャップ部50を固定する状態が解除されるおそれがない。これは、ロックボール61aが中央部53をキャップ軸線Zc1に向けて内側に固定する力を付与するため、キャップ部50の弾性変形が殆ど生じないからである。
【0081】
本実施形態の液体供給装置100によれば、プラグ10からキャップ部50を取り外すために用いたキャップ治具60の回転軸65により保持部61を反時計回り方向に回転させることにより、キャップ部50をプラグ10に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 プラグ
11 プラグ側液体流路
12 溝部
12a 固定溝
12b 雄ねじ(第2ねじ部)
30 ロボット(把持機構)
31 ハンド部
40 撮像部
50 キャップ部
51 挿入部
51a 雌ねじ(第1ねじ部)
52 収容溝
52a 固定溝
53 中央部
60 キャップ治具(取り外し機構)
61 保持部
61A 本体部
61B 軸部
61Ba 磁石
61C 凹所
61a ロックボール(ロック機構)
62 把持部
62a 凹所
63 支持部
63a 磁気近接センサ(第1検出部)
63b 磁気近接センサ(第2検出部)
64 スプリング(付勢部)
65 回転軸(回転部)
66 フレキシブルシャフト(伝達部)
67,68 軸受
69 モータ(動力機構)
70 制御部
100 液体供給装置(キャップ取り外し装置)
200 液体収納容器
210 第1開口部
220 第2開口部
Zc1 キャップ軸線(第2軸線)
Zp1 プラグ軸線(第1軸線)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12