(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140213
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】シフトドラムロック装置
(51)【国際特許分類】
F16H 63/34 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
F16H63/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051245
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 昌吾
【テーマコード(参考)】
3J067
【Fターム(参考)】
3J067AA11
3J067AA24
3J067AB11
3J067AC05
3J067BA03
3J067DA34
3J067DA36
3J067DA72
3J067EA03
3J067EA55
3J067FA05
3J067FA22
3J067FA65
3J067FA82
3J067GA05
(57)【要約】
【課題】シフトドラムの回転を規制して最高変速段から直にニュートラルに移行することを禁止するシフトドラムロック装置において、フリクションの発生を抑える。
【解決手段】変速機Mが最高変速段にあり、かつ車両走行中と認められるとき、シフトドラム31がさらにシフトアップ方向に回転することを規制するドラムロック部41を備え、ドラムロック部41は、プランジャ42と、油圧シリンダ43と、コイルスプリング44と、を備え、ドラムロック部41は、油圧シリンダ43による押圧力が閾値f2以上の場合に、コイルスプリング44の付勢力に抗してプランジャ42を前進させてシフトドラム31を回転不能とし、油圧シリンダ43による押圧力が閾値f2未満の場合に、コイルスプリング44の付勢力によってプランジャ42を後退させてシフトドラム31を回転可能とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機(M)の変速段を切り替えるシフトドラム(31)と、
前記変速機(M)が最高変速段にあるときに前記シフトドラム(31)がさらにシフトアップ方向に回転することを規制するドラムロック部(41)と、備えるシフトドラムロック装置(40)であって、
前記ドラムロック部(41)は、
前記シフトドラム(31)に対して進退する可動部(42)と、
前記可動部(42)を前記シフトドラム(31)側へ押圧して前進させる油圧部(43)と、
前記可動部(42)を前記シフトドラム(31)と反対側へ付勢して後退させる付勢部(44)と、を備え、
前記シフトドラム(31)は、
前記可動部(42)の進退方向で前記可動部(42)と対向する部位に、前進した前記可動部(42)を係合可能な係合部(51)を備え、
前記ドラムロック部(41)は、
前記油圧部(43)による押圧力が閾値(f2)以上の場合に、前記付勢部(44)の付勢力に抗して前記可動部(42)を前進させ、前記可動部(42)と前記係合部(51)とを係合させて前記シフトドラム(31)を回転不能とし、
前記油圧部(43)による押圧力が閾値(f2)未満の場合に、前記付勢部(44)の付勢力によって前記可動部(42)を後退させ、前記可動部(42)と前記係合部(51)との係合を解除して前記シフトドラム(31)を回転可能とする、シフトドラムロック装置。
【請求項2】
前記変速機(M)は、内燃機関(E)に連結され、
前記内燃機関(E)は、回転数に応じて油圧を上昇させる油圧供給部(45)を備え、
前記油圧部(43)は、前記油圧供給部(45)から分岐した油路(49a)に接続され、
前記付勢部(44)の付勢力は、前記油圧供給部(45)が前記内燃機関(E)のアイドル回転数(N1)で発生する第一油圧(A)では、前記可動部(42)を後退させ、前記内燃機関(E)の回転数が上昇して前記油圧供給部(45)の発生油圧が油圧閾値(B)を超えると、前記可動部(42)を前進させるように設定されている、請求項1に記載のシフトドラムロック装置。
【請求項3】
前記可動部(42)および前記油圧部(43)は、前記シフトドラム(31)の外周側に配置されている、請求項1又は2に記載のシフトドラムロック装置。
【請求項4】
前記可動部(42)および前記油圧部(43)は、前記変速機(M)の軸方向視で変速ギヤ(24)と重ならないように配置されている、請求項3に記載のシフトドラムロック装置。
【請求項5】
前記シフトドラム(31)の外周には、シフトフォーク(33)を係合させる変速溝(34)と、前記係合部(51)を含むロック溝(55)と、が形成され、
前記ロック溝(55)は、前記変速溝(34)よりも前記シフトドラム(31)の軸方向端部側の領域(R2)に配置されている、請求項1又は2に記載のシフトドラムロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフトドラムロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する燃費向上に関する研究開発が行われている。
例えば特許文献1には、車両停止時には最高変速段からさらにシフトドラムをシフトアップ側へ回転可能とし、中間の変速段を経ずに最低変速段側のニュートラルに移行可能とするいわゆるロータリ式の変速機が開示されている。この技術では、車両走行中にシフトドラムのシフトアップ側への回転を規制し、最高変速段からニュートラルへの移行を禁止するロックプレートを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のロックプレートは、バネ部材を介してカウンタシャフトに取り付けられ、バネ部材とカウンタシャフトとの間のフリクションによって揺動し、シフトドラムに押し付けられる。このため、変速機の変速段によらず、常時フリクションを発生させてロックプレートをシフトドラム側に揺動させており、燃費向上に関する本技術においては前記フリクションの発生が課題である。
【0005】
本願は上記課題の解決のため、シフトドラムの回転を規制して最高変速段から直にニュートラルに移行することを禁止するシフトドラムロック装置において、フリクションの発生を抑えることを目的とする。そして、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、変速機(M)の変速段を切り替えるシフトドラム(31)と、前記変速機(M)が最高変速段にあるときに前記シフトドラム(31)がさらにシフトアップ方向に回転することを規制するドラムロック部(41)と、を備えるシフトドラムロック装置(40)であって、前記ドラムロック部(41)は、前記シフトドラム(31)に対して進退する可動部(42)と、前記可動部(42)を前記シフトドラム(31)側へ押圧して前進させる油圧部(43)と、前記可動部(42)を前記シフトドラム(31)と反対側へ付勢して後退させる付勢部(44)と、を備え、前記シフトドラム(31)は、前記可動部(42)の進退方向で前記可動部(42)と対向する部位に、前進した前記可動部(42)を係合可能な係合部(51)を備え、前記ドラムロック部(41)は、前記油圧部(43)による押圧力が閾値(f2)以上の場合に、前記付勢部(44)の付勢力に抗して前記可動部(42)を前進させ、前記可動部(42)と前記係合部(51)とを係合させて前記シフトドラム(31)を回転不能とし、前記油圧部(43)による押圧力が閾値(f2)未満の場合に、前記付勢部(44)の付勢力によって前記可動部(42)を後退させ、前記可動部(42)と前記係合部(51)との係合を解除して前記シフトドラム(31)を回転可能とする。
この構成によれば、シフトドラムの回転を規制するドラムロック部が、油圧で作動する可動部を備え、油圧部による押圧力が閾値以上か否かに応じて可動部を進退させ、シフトドラムの回転の可否を切り替えることで、従来に比べて変速機軸にフリクションを発生させることを抑え、変速機が連結される内燃機関の燃費向上を図ることができる。
【0007】
本発明の第二の態様は、上記第一の態様において、前記変速機(M)は、内燃機関(E)に連結され、前記内燃機関(E)は、回転数に応じて油圧を上昇させる油圧供給部(45)を備え、前記油圧部(43)は、前記油圧供給部(45)から分岐した油路(49a)に接続され、前記付勢部(44)の付勢力は、前記油圧供給部(45)が前記内燃機関(E)のアイドル回転数(N1)で発生する第一油圧(A)では、前記可動部(42)を後退させ、前記内燃機関(E)の回転数が上昇して前記油圧供給部(45)の発生油圧が油圧閾値(B)を超えると、前記可動部(42)を前進させるように設定されている。
この構成によれば、変速機が連結される内燃機関が回転数に応じて油圧を上昇させる油圧供給部を備え、この油圧供給部から供給される油圧で、ドラムロック部の可動部を前進させる構成において、内燃機関がアイドル回転数にあるときは可動部を後退させたままとし、内燃機関がアイドル回転数を越えた実働回転数にあるときは可動部を前進させる設定とすることができる。これにより、車両走行時には最高変速段からさらにシフトドラムを回転させることを不能とし、車両停止時には最高変速段からさらにシフトドラムを回転させることを可能とした、ロータリ式の変速機を構成することができる。
【0008】
本発明の第三の態様は、上記第一又は第二の態様において、前記可動部(42)および前記油圧部(43)は、前記シフトドラム(31)の外周側に配置されている、請求項に記載のシフトドラムロック装置。
この構成によれば、可動部および油圧部をシフトドラムの外周側に配置することで、例えば可動部および油圧部がシフトドラムの軸方向に配置される場合と比べて、ドラムロック部の配置自由度が高くかつ組み付け性が良好な構成とし、さらにシフトドラムの外周側の空きスペースの有効活用を図ることができる。
【0009】
本発明の第四の態様は、上記三の態様において、前記可動部(42)および前記油圧部(43)は、前記変速機(M)の軸方向視で変速ギヤ(24)と重ならないように配置されている。
この構成によれば、可動部および油圧部が変速ギヤと重ならない配置とすることで、より一層ドラムロック部の配置自由度が高くかつ組み付け性が良好な構成とすることができる。
【0010】
本発明の第五の態様は、上記第一又は第二の態様において、前記シフトドラム(31)の外周には、シフトフォーク(33)を係合させる変速溝(34)と、前記係合部(51)を含むロック溝(55)と、が形成され、前記ロック溝(55)は、前記変速溝(34)よりも前記シフトドラム(31)の軸方向端部側の領域(R2)に配置されている。
この構成によれば、係合部を含むロック溝をシフトドラムの変速溝よりも軸方向外側の領域に配置することで、変速溝の配置ひいては変速機の構成への影響を抑えた上で、ドラムロック部を配置することができる。従来のドラムロックプレートを用いた場合のシフトドラムと同様のロック溝を利用可能とし、従来のシフトドラムとの共用化を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シフトドラムの回転を規制して最高変速段から直にニュートラルに移行することを禁止するシフトドラムロック装置において、フリクションの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態における自動二輪車の左側面図である。
【
図2】上記自動二輪車のパワーユニットの軸方向に沿う断面図である。
【
図3】上記パワーユニットのチェンジ機構の軸方向に沿う断面図である。
【
図4】上記チェンジ機構を軸方向から見た左側面図である。
【
図5】縦軸をオイル供給装置の発生油圧、横軸をエンジン回転数としたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、が示されている。
【0014】
<車両全体>
図1に示す自動二輪車(鞍乗り型車両)1は、操向輪である前輪3と、駆動輪である後輪4と、を備えている。前輪3は、左右一対のフロントフォーク3aに支持され、バーハンドル(操向ハンドル)2によって操向可能である。後輪4は、スイングアーム4aの後端部に支持され、パワーユニットPUによって駆動可能である。バーハンドル2、フロントフォーク3aおよび前輪3を含むステアリング系部品は、車体フレーム5の前端部のヘッドパイプ6に操向可能に支持されている。スイングアーム4aの前端部は、車体フレーム5の前後中間部(中央に限らない)のピボットフレーム8に上下揺動可能に支持されている。
【0015】
車体フレーム5は、ヘッドパイプ6と、ヘッドパイプ6から車幅方向(左右方向)中央を下後方へ延びるメインフレーム7と、メインフレーム7の後端部の下方に設けられるピボットフレーム8と、メインフレーム7およびピボットフレーム8の後上方に連なるリヤフレーム9と、を備えている。メインフレーム7の下方かつピボットフレーム8の前方には、パワーユニットPUが配置されている。パワーユニットPUは、車体フレーム5に固定的に支持されている。
【0016】
車体フレーム5の周囲は、車体カバー11で覆われている。車体カバー11は、車体前部の外面を形成するフロントボディカバー12と、車体後部の外面を形成するリヤボディカバー13と、を備えている。フロントボディカバー12の左右側部には、運転者の脚部の前方を覆うレッグシールド12aが形成されている。リヤボディカバー13の上方には、乗員が着座するシート13aが配置されている。レッグシールド12aの後方かつシート13aの前方には、乗員が車体を跨ぎやすくする跨ぎ空間K1が形成されている。
【0017】
<パワーユニット>
図1、
図2を参照し、パワーユニットPUは、前側に位置するエンジン(内燃機関、原動機)Eと、後側に位置する変速機Mと、を一体に有している。
エンジンEは、例えばクランクシャフト21の回転中心軸線C1を左右方向(車幅方向)に沿わせた単気筒エンジンである。エンジンEは、クランクケース14の前端部から前方に向けてシリンダ15を略水平に(詳細にはやや前上がりに)突出させる。
【0018】
シリンダ15内には、ピストン16が往復動可能に嵌装される。ピストン16は、コネクティングロッド16aを介してクランクシャフト21に連結される。ピストン16の往復動は、コネクティングロッド16aを介してクランクシャフト21の回転動に変換される。
図2中符号17はシリンダヘッド内に設けられる動弁機構のカムシャフト、符号18はクランクシャフト21とカムシャフト17とを連結する伝動機構、符号19はクランクシャフト21の左端部に同軸配置される発電機、をそれぞれ示す。
【0019】
クランクケース14の後部は、クラッチ及び変速機Mを収容する変速機ケース14aとされる。変速機ケース14a内には、変速機M及びチェンジ機構30が収容される。
クランクシャフト21の回転動力は、クランクケース14内右側に収容された二つのクラッチ25,26、及びクランクケース14内後部に収容された変速機Mを介して、クランクケース14の後部左側の機関出力部23aに出力される。機関出力部23aは、駆動輪である後輪4とチェーン式伝動機構28を介して連係される。
【0020】
クランクシャフト21の右端部には、発進用クラッチである遠心クラッチ25が同軸支持される。遠心クラッチ25は、クランクシャフト21の停止時及び低速回転時には、動力伝達不能な切断状態となり、クランクシャフト21の回転数(回転速度)が上昇して所定回転数以上になると、動力伝達可能な接続状態となる。
【0021】
クランクシャフト21の右側部には、遠心クラッチ25を介してクランクシャフト21の動力が伝達される伝動筒25aが設けられる。伝動筒25aの左端側には、プライマリドライブギヤ25bが一体回転可能に設けられる。プライマリドライブギヤ25bは、クランクシャフト21の後方に位置するメインシャフト22の右側部に相対回転可能に支持されたプライマリドリブンギヤ26bに噛み合う。
【0022】
クランクシャフト21の後方には、前側から順に、変速機Mのメインシャフト22及びカウンタシャフト23が配置される。メインシャフト22及びカウンタシャフト23は、それぞれの回転中心軸線C3,C4を左右方向に沿わせて(クランク軸線C1と平行にして)配置される。
【0023】
メインシャフト22の右端部は遠心クラッチ25の右端よりも車幅方向内側で終端し、この右端部上に多板クラッチ26が同軸支持される。
多板クラッチ26は変速用クラッチであり、メインシャフト22の右端部に相対回転可能に支持されるクラッチアウターと、メインシャフト22の右端部に一体回転可能に支持されるクラッチインナーと、の間に複数のクラッチ板26aを積層する。前記クラッチアウターには、プライマリドライブギヤ25bにかみ合うプライマリドリブンギヤ26bが一体回転可能に支持される。
【0024】
多板クラッチ26は、ダイヤフラムスプリングの付勢力によって複数のクラッチ板26aを圧接して摩擦係合させる。多板クラッチ26は、不図示のシフトペダルの変速操作に連動して複数のクラッチ板26aの圧接を一時的に解除し、変速機Mのシフトチェンジをスムーズにする。
【0025】
<変速機>
図2を参照し、変速機Mは、複数の変速段を有する変速ギヤ群24を変速機軸(メインシャフト22およびカウンタシャフト23)に支持し、前記変速機軸の軸方向でシフター部材38を移動させて変速段を切り替える。
変速機Mは、メインシャフト22と、カウンタシャフト23と、変速ギヤ群24と、を有する。
メインシャフト22およびカウンタシャフト23は、左右両側が変速機ケース14aに回転可能に支持される。変速ギヤ群24は、メインシャフト22及びカウンタシャフト23のそれぞれに跨って支持される。
【0026】
クランクシャフト21の回転動力は、変速ギヤ群24の任意のギヤ対を介して、メインシャフト22からカウンタシャフト23に伝達される。カウンタシャフト23の左端部は、クランクケース14の後部左側に突出して機関出力部23aとなる。機関出力部23aに出力された回転動力は、例えばチェーン式伝動機構28を介して駆動輪に伝達される。機関出力部23aには、前記チェーン式伝動機構28のドライブスプロケット28aが一体回転可能に取り付けられる。
【0027】
変速ギヤ群24は、メインシャフト22及びカウンタシャフト23にそれぞれ支持された変速段数分のギヤを有する。変速機Mは、メインシャフト22とカウンタシャフト23との間で、変速ギヤ群24における対応するギヤ対同士が常に噛み合った常時噛み合い式とされる。メインシャフト22及びカウンタシャフト23のそれぞれに支持された各ギヤは、対応するシャフトに対して回転可能なフリーギヤと、対応するシャフトに対して一体回転可能な固定ギヤと、対応するシャフトにスプライン嵌合するスライドギヤ(シフター部材38)と、に分けられる。フリーギヤ及びスライドギヤの一方には、軸方向で突出するドグが設けられる。フリーギヤ及びスライドギヤの他方には、ドグを係合させるべく軸方向で凹むスロットが設けられる。変速機Mの変速段(ニュートラルを含む)は、チェンジ機構30の作動によってスライドギヤを軸方向移動させることで切り替わる。ニュートラルは、全てのドグおよびスロットの係合が解除されてメインシャフト22及びカウンタシャフト23間の動力伝達が不能となった状態である。
【0028】
<チェンジ機構>
図3、
図4を参照し、チェンジ機構30は、シフトドラム31と、シフトフォーク33と、を備えている。
シフトドラム31は、メインシャフト22およびカウンタシャフト23と軸方向を平行にした円筒状をなし、その外周部に、各シフトフォーク33を軸方向移動させる一対の変速溝34が形成される。シフトドラム31の両端部(軸支部)31aは、変速機ケース14aの左右側壁部14bL,14bRに回転可能に支持されている。図中線C5はシフトドラム31の回転中心軸線(ドラム軸線)を示す。
【0029】
シフトドラム31は、各シフトフォーク33の基端部33aに突設された係合突部33a1を対応する変速溝34に係合させ、この状態でドラム軸線C5回りに回転することで、各変速溝34のパターンに沿って各シフトフォーク33を軸方向移動させる。これにより、変速機Mのシフター部材38を軸方向移動させ、変速機Mの変速段を切り替える。
【0030】
シフトフォーク33は、例えばメインシャフト22側及びカウンタシャフト23側に向けて一つずつ設けられる。各シフトフォーク33は、メインシャフト22及びカウンタシャフト23と平行なフォークシャフト32に、軸方向で移動可能に支持されている。各シフトフォーク33は、フォークシャフト32を挿通する円筒状の基端部33aを備えている。基端部33aには、シフトドラム31の対応する変速溝34に係合する係合突部33a1が設けられている。
【0031】
各シフトフォーク33の先端部33bは、メインシャフト22側及びカウンタシャフト23側の各々において、変速機Mの後述するスライドギヤ(シフター部材38)の環状溝に係合される。
各シフトフォーク33は、シフトドラム31の回転によって、各変速溝34のパターンに沿って軸方向で移動し、前記スライドギヤを軸方向で移動させる。これにより、メインシャフト22とカウンタシャフト23との間の動力伝達に用いる変速ギヤ対が切り替わり、変速機Mの変速(変速段の切り替え)がなされる。チェンジ機構30の作動は、運転者の操作力またはアクチュエータの駆動力の少なくとも一方によってなされる。
【0032】
チェンジ機構30は、シフトドラム31を第一の方向に回転させることで、変速機Mの変速速段をニュートラル、一速、二速、三速、四速の順に変化させる。チェンジ機構30は、シフトドラム31を第一の方向とは逆の第二の方向に回転させることで、変速機Mの変速段を四速、三速、二速、一速、ニュートラルの順に変化させる。以下、前記第一の方向をシフトアップ方向、前記第二の方向をシフトダウン方向と称する。
変速機Mが所定のシフトポジションにあるときのシフトドラム31の回転は、シフトドラム31の右端部31aの軸方向外側に固定されたストッパプレート35によって位置決めされる。シフトドラム31の左端部31aの軸方向外側には、シフトドラム31のポジションセンサが取り付けられる。
【0033】
チェンジ機構30は、車両停止時と認められるときには、変速段が最高変速段(四速)にある状態からさらにシフトドラム31をシフトアップ方向へ回転可能とし、中間の変速段(二速、三速)を経ずに直接、最低変速段(一速)側のニュートラルに移行可能とする。すなわち、実施形態の変速機Mは、いわゆるロータリ式の変速機とされる。
【0034】
<シフトドラムロック装置>
図3、
図4を参照し、チェンジ機構30は、前述のように最高変速段から直接ニュートラルへ移行することを禁止するシフトドラムロック装置40を有している。シフトドラムロック装置40は、変速機Mが最高変速段(四速)にあり、かつ車両走行中と認められるとき、シフトドラム31がさらにシフトアップ方向へ回転(正転)することを規制する。
シフトドラムロック装置40は、変速機ケース14a側に配置されるドラムロック部41と、シフトドラム31側に配置される係合凹部51と、を備えている。
【0035】
ドラムロック部41は、シフトドラム31に対して進退する可動部(プランジャ42)と、可動部をシフトドラム31側へ押圧して前進させる油圧部(油圧シリンダ43)と、可動部をシフトドラム31と反対側へ付勢して後退させる付勢部(コイルスプリング44)と、を備えている。
ドラムロック部41は、例えば変速機ケース14aの車幅方向外側の一側(左側)で、変速機ケース14aにおける変速機軸およびシフトドラム31の各左端部を支持する左側壁部14bLの近傍に配置されている。
【0036】
図3を参照し、パワーユニットPUは、エンジンEおよび変速機Mの各部にエンジンオイルを供給可能とするオイル供給装置45を備えている。オイル供給装置45は、例えばクランクケース14の下方に設けられてエンジンオイルを貯留するオイル貯留部46と、オイル貯留部46内のエンジンオイルをエンジンEおよび変速機Mの各部に圧送するオイルポンプ47と、オイルポンプ47の吐出側のオイル供給路49に配置されるオイルフィルタ48と、を備えている。
【0037】
ドラムロック部41の油圧シリンダ43には、オイル供給路49から分岐した分岐油路49aが接続されている。油圧シリンダ43は、軸方向をシフトドラム31の径方向に沿わせて配置されている。図中線C6は油圧シリンダ43の中心軸線を示す。油圧シリンダ43の軸方向一側は、シフトドラム31に向けて開放する開放部43aとされる。油圧シリンダ43の開放部43a内には、プランジャ42が往復動可能に嵌装される。油圧シリンダ43の開放部43aがプランジャ42で閉塞されて、油圧シリンダ43内にシリンダ内油室43bが形成される。シリンダ内油室43bにオイル供給装置45から油圧が供給されることで、プランジャ42が油圧シリンダ43の軸方向一側に向けて移動(前進)可能となる。
コイルスプリング44は、油圧シリンダ43の開放部43a内に配置され、プランジャ42を軸方向他側に向けて付勢している。
【0038】
図5のグラフは、縦軸をオイル供給装置45の発生油圧(オイルポンプ47の発生油圧、油圧シリンダ43への供給油圧)、横軸をエンジン回転数として、エンジン回転数Neに対する発生油圧P1の変化を示している。オイル供給装置45の発生油圧は、油圧シリンダ43におけるプランジャ42への前進方向の押圧力に比例するものとする。
【0039】
図中太線P1で示すように、エンジンEが始動してエンジン回転数Neがアイドル回転数N1になると、オイル供給装置45はアイドル油圧Aを発生し、このアイドル油圧Aが油圧シリンダ43に供給される。油圧シリンダ43においては、アイドル油圧Aに相当する押圧力f1がプランジャ42に付与される。この押圧力f1は、コイルスプリング44の付勢力よりも低い。したがって、エンジンEがアイドル回転数にあるとき(車両停止時に相当)、プランジャ42は、シフトドラム31側に突出せず、油圧シリンダ43内に没入したままとなる。
【0040】
オイルポンプ47は、クランクシャフト21の回転に連動して駆動する。エンジン回転数が上昇すると(車両走行時に相当)、エンジン回転数に比例してオイル供給装置45の発生油圧(油圧シリンダ43への供給油圧)が上昇する。やがてオイル供給装置45の発生油圧が油圧閾値Bを超えると、油圧シリンダ43において、プランジャ42に付与する押圧力が油圧閾値Bに相当する閾値f2を超える。閾値f2はコイルスプリングの付勢力に相当する。したがって、プランジャ42に付与する押圧力が閾値f2を超えると、コイルスプリング44の付勢力に抗してプランジャ42が前進可能となる。このとき、油圧シリンダ43の軸方向でシフトドラム31の係合凹部51が対向していれば、プランジャ42の先端部42aが係合凹部51に挿入されて係合する。
【0041】
ドラムロック部41は、油圧シリンダ43に供給される油圧(シリンダ内油圧)が油圧閾値B以上の場合に、コイルスプリング44の付勢力に抗してプランジャ42を前進させ、プランジャ42と係合凹部51とを係合させる。これにより、シフトドラム31のシフトアップ方向の回転が不能となり、車両走行中に最高変速段から意図せずニュートラルに移行することが阻止される。
【0042】
ドラムロック部41は、油圧シリンダ43に供給される油圧(シリンダ内油圧)が油圧閾値B未満の場合に、コイルスプリング44の付勢力によってプランジャ42を後退させ、プランジャ42と係合凹部51との係合を解除する。これにより、シフトドラム31のシフトアップ方向の回転が可能となり、車両停止時に最高変速段から直にニュートラルに移行することが可能となる。
【0043】
図3を参照し、シフトドラム31は、軸方向内側における複数の変速溝34が形成された領域を変速領域R1とする。シフトドラム31は、変速領域R1よりも軸方向外側の一側(左側)の領域R2に、以下のロック溝55を配置する。
図6を併せて参照し、シフトドラム31の左外側領域R2には、円筒状の外周面部37と、径方向内側に凹む係合凹部51と、が形成されている。左外側領域R2は、シフトドラム31の軸方向でドラムロック部41と重なる位置にある。
【0044】
外周面部37は、変速段がニュートラル、一速、二速および三速にあるときに、シフトドラム31の径方向(ドラムロック部41の軸方向)でドラムロック部41と対向する。この状態でプランジャ42が油圧シリンダ43から突出しようとしても、プランジャ42は外周面部37に突き当たるのみで、シフトドラム31に挿入(係合)されず、シフトドラム31の回転を規制しない。
【0045】
係合凹部51は、変速機Mが四速にあるときに、シフトドラム31の径方向(ドラムロック部41の軸方向)でドラムロック部41と対向する。この状態で、プランジャ42の先端部42aが油圧シリンダ43から突出すると、プランジャ42の先端部42aが係合凹部51内に挿入されて係合し、シフトドラム31のシフトアップ方向の回転を規制する。
【0046】
係合凹部51は、シフトドラム31の周方向でシフトダウン方向(矢印F2方向)に位置する部位を、シフトドラム31の径方向に沿う規制壁部52とする。規制壁部52は、プランジャ42の先端部42aが係合凹部51内に挿入されたときに、シフトドラム31がシフトアップ方向(矢印F1方向)に回転しようとすると、プランジャ42の側面に回転方向で突き当たる。これにより、シフトドラム31のシフトアップ方向の回転が規制される。
【0047】
係合凹部51における規制壁部52と直交する底壁部53は、規制壁部52からシフトアップ方向に延び、係合凹部51をシフトアップ方向に延長させてロック溝55を形成している。すなわち、係合凹部51のシフトアップ方向には規制壁部52を有さない。
【0048】
底壁部53のシフトアップ方向の延長部分は、シフトドラム31のシフトダウン方向の回転に伴い、プランジャ42を徐々に後退させるガイド壁部53aとして機能する。すなわち、プランジャ42の先端部42aが係合凹部51内に挿入されて係合した状態から、シフトドラム31がシフトダウン方向に回転すると、底壁部53(ガイド壁部53a)がプランジャ42に摺接しつつ、プランジャ42を油圧シリンダ43内に徐々に没入させる。これにより、シフトドラム31のシフトダウン方向の回転が許容される。
【0049】
ドラムロック部41は、シフトドラム31の外周側で、変速機Mの軸方向視(車両側面視)でシフトドラム31の斜め後上方に配置されている。ドラムロック部41は、例えばクランクケース14(変速機ケース14a)の後上方の空きスペースに突出している。ドラムロック部41をシフトドラム31の外周側(径方向外側)に配置することで、例えばドラムロック部41をシフトドラム31の軸方向外側に配置する場合と比べて、変速機ケース14a周辺の空きスペースを利用しやすく、ドラムロック部41の配置自由度および組み付け性の向上が図られる。
【0050】
ドラムロック部41は、変速機Mの軸方向視(車両側面視)で、シフトドラム31の下方に位置するメインシャフト22およびカウンタシャフト23、ならびに変速ギヤ群24と重ならないように配置されている。これにより、ドラムロック部41は、より一層配置自由度が高くかつ組み付け性が良好な構成となる。
【0051】
実施形態では、最高変速段からシフトドラム31がさらにシフトアップ方向に回転し、最高変速段から直にニュートラルに移行可能なロータリ式の変速機Mにおいて、エンジン油圧によって作動されるドラムロック部41を有する構成とした。これにより、エンジン回転数が上昇して油圧が高い状態では、ドラムロック部41がプランジャ42を作動させて、シフトドラム31の最高変速段を超えた回転を規制する。エンジン回転数がアイドル回転数付近に低下して油圧が低い状態では、ドラムロック部41がプランジャ42を作動させず、シフトドラム31の最高変速段を超えた回転を許容する。
【0052】
これにより、車両走行中と認められるときは、シフトドラム31が最高変速段を超えて回転(正転)することを規制し、車両停止中と認められるときは、シフトドラム31が最高変速段を超えて回転(正転)することを許容することができ、自動二輪車1の利便性を向上させることができる。また、従来のように、カウンタシャフト23に支持したドラムロックプレートをフリクションで作動させる構成と比べて、変速機Mのフリクションを低減することができる。
【0053】
以上説明したように、上記実施形態におけるシフトドラムロック装置40は、変速機Mの変速段を切り替えるシフトドラム31と、変速機Mが最高変速段にあり、かつ車両走行中と認められるとき、シフトドラム31がさらにシフトアップ方向に回転することを規制するドラムロック部41と、を備えるシフトドラムロック装置40であって、ドラムロック部41は、シフトドラム31に対して進退する可動部(プランジャ42)と、プランジャ42をシフトドラム31側へ押圧して前進させる油圧部(油圧シリンダ43)と、プランジャ42をシフトドラム31と反対側へ付勢して後退させる付勢部(コイルスプリング44)と、を備え、シフトドラム31は、前記プランジャ42の進退方向でプランジャ42と対向する部位に、前進したプランジャ42を係合可能な係合凹部51を備え、ドラムロック部41は、油圧シリンダ43による押圧力が閾値f2以上の場合に、コイルスプリング44の付勢力に抗してプランジャ42を前進させ、プランジャ42と係合凹部51とを係合させてシフトドラム31を回転不能とし、油圧シリンダ43による押圧力が閾値f2未満の場合に、コイルスプリング44の付勢力によってプランジャ42を後退させ、プランジャ42と係合凹部51との係合を解除してシフトドラム31を回転可能とする。
この構成によれば、シフトドラム31の回転を規制するドラムロック部41が、油圧で作動するプランジャ42を備え、油圧シリンダ43による押圧力が閾値f2以上か否かに応じてプランジャ42を進退させ、シフトドラム31の回転の可否を切り替えることで、従来に比べて変速機軸にフリクションを発生させることを抑え、変速機Mが連結されるエンジンEの燃費向上を図ることができる。
【0054】
上記シフトドラムロック装置40において、変速機Mは、内燃機関(エンジンE)に連結され、エンジンEは、回転数に応じて油圧を上昇させる油圧供給部(オイル供給装置45)を備え、油圧シリンダ43は、オイル供給装置45から分岐した分岐油路49aに接続され、コイルスプリング44の付勢力は、オイル供給装置45がエンジンEのアイドル回転数で発生する第一油圧(アイドル油圧A)では、プランジャ42を後退させ、エンジンEの回転数が上昇してオイル供給装置45の発生油圧が油圧閾値Bを超えると、プランジャ42を前進させるように設定されている。
この構成によれば、変速機Mが連結されるエンジンEが、エンジン回転数に応じて油圧を上昇させるオイル供給装置45を備え、このオイル供給装置45から供給される油圧で、ドラムロック部41のプランジャ42を前進させる構成において、エンジンEがアイドル回転数にあるときはプランジャ42を後退させたままとし、エンジンEがアイドル回転数を越えた実働回転数にあるときはプランジャ42を前進させる設定とすることができる。これにより、車両走行時には最高変速段からさらにシフトドラム31を回転させることを不能とし、車両停止時には最高変速段からさらにシフトドラム31を回転させることを可能とした、ロータリ式の変速機Mを構成することができる。
【0055】
上記シフトドラムロック装置40において、プランジャ42および油圧シリンダ43は、前記シフトドラム31の外周側に配置されている。
この構成によれば、プランジャ42および油圧シリンダ43をシフトドラム31の外周側に配置することで、例えばプランジャ42および油圧シリンダ43がシフトドラム31の軸方向に配置される場合と比べて、ドラムロック部41の配置自由度が高くかつ組み付け性が良好な構成とし、さらにシフトドラム31の外周側の空きスペースの有効活用を図ることができる。
【0056】
上記シフトドラムロック装置40において、プランジャ42および油圧シリンダ43は、変速機Mの軸方向視で変速ギヤ群24と重ならないように配置されている。
この構成によれば、プランジャ42および油圧シリンダ43が変速ギヤ群24と重ならない配置とすることで、より一層ドラムロック部41の配置自由度が高くかつ組み付け性が良好な構成とすることができる。
【0057】
上記シフトドラムロック装置40において、シフトドラム31の外周には、シフトフォーク33を係合させる変速溝34と、係合凹部51を含むロック溝55と、が形成され、ロック溝55は、変速溝34よりもシフトドラム31の軸方向端部側の領域R2に配置されている。
この構成によれば、係合凹部51を含むロック溝55をシフトドラム31の変速溝34よりも軸方向外側の領域R2に配置することで、変速溝34の配置ひいては変速機Mの構成への影響を抑えた上で、ドラムロック部41を配置することができる。また、従来のドラムロックプレートを用いた場合のシフトドラム31と同様のロック溝を利用可能とし、従来のシフトドラムとの共用化を図ることができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、本実施形態のシフトドラムロック装置40は、自動二輪車以外の鞍乗り型車両に適用してもよい。前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪(四輪バギー等)の車両も含まれる。原動機に電気モータを含む車両に適用してもよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
24 変速ギヤ群(変速ギヤ)
31 シフトドラム
33 シフトフォーク
34 変速溝
40 シフトドラムロック装置
41 ドラムロック部
42 プランジャ(可動部)
43 油圧シリンダ(油圧部)
44 コイルスプリング(付勢部)
45 オイル供給装置(油圧供給部)
49a 分岐した油路
51 係合凹部(係合部)
55 ロック溝
R2 端部側の領域
N1 アイドル回転数
A 第一油圧
B 油圧閾値
f2 押圧力の閾値
PU パワーユニット
E エンジン
M 変速機