(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140254
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】音声出力システム
(51)【国際特許分類】
G08B 23/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G08B23/00 520D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051304
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】神屋 美由紀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
(72)【発明者】
【氏名】岡本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】豊田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 尚克
(72)【発明者】
【氏名】中山 吉彦
【テーマコード(参考)】
5C087
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA37
5C087BB74
5C087DD04
5C087DD07
5C087DD24
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】コストの増大を防止しながら、緊急度の高いイベントに対応する音声データを適切に音声出力する。
【解決手段】サーバ装置3と利用者装置1との間で音声出力用情報通信処理を行う場合に、第1通信回線よりも通信の信頼性の高い第2通信回線を用いる形態で音声出力用情報通信処理を行う通信回線制御部51、61と、設定期間内において、高緊急度のイベントの発生に伴って、音声出力用情報通信処理に要する高緊急度通信量を予測する通信量予測処理を行う通信量予測部71とが備えられ、設定期間内において、低緊急度のイベントの発生に伴って、サーバ装置3と利用者装置1との間で音声出力用情報通信処理を実行する場合に、通信回線制御部51、61は、通信量予測部71にて予測した高緊急度通信量に基づいて、第2通信回線を用いて音声出力用情報を通信する低緊急度通信量を調整する通信量調整処理を行うように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声出力部を有する利用者装置と、
その利用者装置との間で情報通信網を介して情報を通信自在なサーバ装置とが備えられ、
前記利用者装置の音声出力部にて音声データを音声出力させる必要があるイベントが発生した場合に、そのイベント内容に対応する音声データを音声出力部にて音声出力させるための音声出力用情報をサーバ装置と利用者装置との間で通信する音声出力用情報通信処理を行い、
前記イベントには、音声出力させる緊急度が高い高緊急度のイベントと、その高緊急度のイベントよりも緊急度が低い低緊急度のイベントとが含まれており、
前記サーバ装置と前記利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を行う場合に、音声出力用情報を通信する通信回線として、第1通信回線よりも通信の信頼性の高い第2通信回線を用いる形態で音声出力用情報通信処理を行う通信回線制御部と、
設定期間内において、高緊急度のイベントの発生に伴って、サーバ装置と利用者装置との間で実行する音声出力用情報通信処理に要する高緊急度通信量を予測する通信量予測処理を行う通信量予測部とが備えられ、
設定期間内において、低緊急度のイベントの発生に伴って、サーバ装置と利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を実行する場合に、前記通信回線制御部は、通信量予測部にて予測した高緊急度通信量に基づいて、第2通信回線を用いて音声出力用情報を通信する低緊急度通信量を調整する通信量調整処理を行うように構成されている音声出力システム。
【請求項2】
前記通信回線制御部は、前記通信量調整処理において、低緊急度のイベントの発生に伴って、第2通信回線に代えて第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で前記音声出力用情報通信処理を行う、又は、低緊急度のイベントが発生しても、前記音声出力用情報通信処理の実行を禁止することで、低緊急度通信量を調整して、第2通信回線を用いた通信量として、通信量予測部にて予測した高緊急度通信量を確保している請求項1に記載の音声出力システム。
【請求項3】
前記第1通信回線を用いた情報通信の安定性を判定する安定性判定部と、
その安定性判別部の判定結果に応じて、前記通信量調整処理において、第2通信回線を用いた通信量として、確保する高緊急度通信量を補正する通信量補正処理を行う通信量補正部とが備えられている請求項2に記載の音声出力システム。
【請求項4】
前記第1通信回線を用いた情報通信の安定性を判定する安定性判定部が備えられ、
その安定性判定部にて第1通信回線を用いた情報通信が安定状態であると判定している状態において高緊急度のイベントが発生した場合に、前記通信回線制御部が、第2通信回線に代えて第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で前記音声出力用情報通信処理を実行可能に構成されている請求項1又は2に記載の音声出力システム。
【請求項5】
前記高緊急度のイベントが発生した場合には、複数回音声出力条件が満たされていると、サーバ装置と利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を複数回繰り返し行って、同じイベント内容に対応する音声データを音声出力部にて音声出力させる動作を複数回繰り返し行い、
前記第2通信回線を用いた通信量として、確保している高緊急度通信量が設定量以下となると、高緊急度のイベントが発生した場合に、複数回音声出力条件が満たされていても、サーバ装置と利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を複数回繰り返し行うことを禁止して、イベント内容に対応する音声データを音声出力部にて音声出力させる動作を1回行う請求項2又は3に記載の音声出力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声を出力する音声出力部が備えられた音声出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような音声出力システムでは、防災情報や気候情報等の音声データを音声出力させる必要があるイベントが発生すると、そのイベント内容に対応する音声データを音声出力部に送信し、音声出力部にて音声データを音声出力することで、発生した防災情報や気候情報等のイベント内容を利用者に伝達している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のシステムでは、音声出力部を有する利用者装置が住居等の施設内に設置され、インターネット等の情報通信網を介して、利用者装置との間で各種の情報を通信自在なサーバ装置が備えられている。イベントが発生した場合には、サーバ装置からイベントに対応する音声データ等の情報を利用者装置に送信し、利用者装置にてその情報を受信することで、利用者装置の音声出力部にて音声データを音声出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシステムでは、サーバ装置と利用者装置との間での通信を行うに当たり、通常、無線ルータを介してWi-Fi等の無線LAN回線を用いている。しかしながら、無線LAN回線は、無線ルータの設置状況や利用者装置の設置状況等の各種の条件によっては、通信状況が不安定となり、通信途絶が発生する可能性がある。
【0006】
イベント内容としては、気候情報を音声出力させるためのイベントだけでなく、防災情報を音声出力させるためのイベントも含まれていることから、イベント内容によって音声出力させる緊急度が異なっている。よって、緊急度の高いイベントが発生した場合に、通信途絶が生じると、緊急度の高いイベント内容に対応する音声データを音声出力することができなくなる。
【0007】
そこで、サーバ装置と利用者装置との間での通信を行うに当たり、無線LAN回線よりも通信の信頼性の高いLTE回線(Long Term Evolution回線)を用いることが考えられる。LTE回線を用いる場合には、通信事業会社等との間で、設定期間内の通信量の容量等を定めた契約を交わす必要があり、コストがかかることになる。
【0008】
LTE回線を常時使用していると、その通信量が増大して、設定期間の途中に契約にて定めた通信量を使い尽くしてしまう可能性がある。このように、契約にて定めた通信量を使い尽くしてしまった場合に、緊急度の高いイベントが発生すると、通信途絶が生じた場合と同様に、緊急度の高いイベント内容に対応する音声データを音声出力することができなくなる。そこで、契約で定める通信量の容量を大きくすることが考えられるが、通信量の容量を大きくすれば、コストが増大してしまう。
【0009】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、コストの増大を防止しながら、緊急度の高いイベントに対応する音声データを適切に音声出力することができる音声出力システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1特徴構成は、音声出力部を有する利用者装置と、
その利用者装置との間で情報通信網を介して情報を通信自在なサーバ装置とが備えられ、
前記利用者装置の音声出力部にて音声データを音声出力させる必要があるイベントが発生した場合に、そのイベント内容に対応する音声データを音声出力部にて音声出力させるための音声出力用情報をサーバ装置と利用者装置との間で通信する音声出力用情報通信処理を行い、
前記イベントには、音声出力させる緊急度が高い高緊急度のイベントと、その高緊急度のイベントよりも緊急度が低い低緊急度のイベントとが含まれており、
前記サーバ装置と前記利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を行う場合に、音声出力用情報を通信する通信回線として、第1通信回線よりも通信の信頼性の高い第2通信回線を用いる形態で音声出力用情報通信処理を行う通信回線制御部と、
設定期間内において、高緊急度のイベントの発生に伴って、サーバ装置と利用者装置との間で実行する音声出力用情報通信処理に要する高緊急度通信量を予測する通信量予測処理を行う通信量予測部とが備えられ、
設定期間内において、低緊急度のイベントの発生に伴って、サーバ装置と利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を実行する場合に、前記通信回線制御部は、通信量予測部にて予測した高緊急度通信量に基づいて、第2通信回線を用いて音声出力用情報を通信する低緊急度通信量を調整する通信量調整処理を行うように構成されている点にある。
【0011】
本構成によれば、通信量予測部は、通信量予測処理を行うことで、例えば、過去の実績情報や外部装置からの各種の情報に基づいて、今後の1か月間等の設定期間内に、どれだけの高緊急度のイベントが発生するかを予測して、そのときに実行する音声出力用情報通信処理に要する高緊急度通信量を予測することができる。よって、設定期間内において、高緊急度のイベントが発生した場合に、第1通信回線よりも通信の信頼性の高い第2通信回線を用いて、その高緊急度のイベント内容を音声出力させるのに必要な通信量となる高緊急度通信量を把握することができる。
【0012】
今後の1か月間等の設定期間内において、低緊急度のイベントの発生に伴って、サーバ装置と利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を実行する場合には、通信回線制御部が、通信量調整処理を行う。この通信量調整処理では、通信回線制御部が、高緊急度通信量に基づいて、低緊急度のイベント内容を音声出力させるために第2通信回線を用いて音声出力用情報を通信する低緊急度通信量を大小させて調整することができる。
【0013】
例えば、高緊急度通信量が大きければ、第2通信回線を用いた通信量を抑えて、低緊急度通信量を小さくすることで、設定期間内において、契約で定めた通信量の容量の範囲内に、高緊急度通信量を適切に確保しておくことができる。これにより、設定期間の間に高緊急度のイベントが発生した場合には、確保しておいた高緊急度通信量を用いて、第2通信回線にて音声出力用情報を通信して、緊急度の高いイベント内容に対応する音声データを音声出力することができる。
【0014】
逆に、高緊急度通信量が小さければ、第2通信回線を積極的に用いるように、低緊急度通信量を大きくしても、設定期間内において、契約で定めた通信量の容量の範囲内に、高緊急度通信量を確保しておくことができる。これにより、低緊急度のイベントが発生した場合にも、第2通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことができ、高緊急度のイベント内容に対応する音声データの音声出力だけでなく、低緊急度のイベント内容に対応する音声データの音声出力も適切に行うことができる。
【0015】
このようにして、契約で定めた通信量の容量の範囲内に、高緊急度通信量を確保しつつ、その余りを低緊急度通信量に割り当てることができる。よって、コストの増大を防止しながら、緊急度の高いイベント内容に対応する音声データを適切に音声出力することができ、利用者に緊急度の高いイベント内容を適切に伝達することができる。しかも、契約で定めた通信量の容量の範囲内に、高緊急度通信量を確保した状態で、残りの通信量を低緊急度通信量に割り当てることで、緊急度の高いイベント内容に対応する音声データだけでなく、緊急度の低いイベント内容に対応する音声データについても適切に音声出力することができる。
【0016】
本発明の第2特徴構成は、前記通信回線制御部は、前記通信量調整処理において、低緊急度のイベントの発生に伴って、第2通信回線に代えて第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で前記音声出力用情報通信処理を行う、又は、低緊急度のイベントが発生しても、前記音声出力用情報通信処理の実行を禁止することで、低緊急度通信量を調整して、第2通信回線を用いた通信量として、通信量予測部にて予測した高緊急度通信量を確保している点にある。
【0017】
本構成によれば、通信回線制御部は、通信量調整処理において、低緊急度のイベントの発生に伴って、第2通信回線に代えて第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で音声出力用情報通信処理を行う、又は、低緊急度のイベントが発生しても、音声出力用情報通信処理の実行を禁止することで、低緊急度のイベントが発生した場合には、第2通信回線を用いた通信量を抑えて、低緊急度通信量を小さくすることができる。これにより、設定期間内において、契約で定めた通信量の容量の範囲内に、高緊急度通信量を適切に確保しておくことができるので、設定期間の間に高緊急度のイベントが発生した場合には、その緊急度の高いイベント内容に対応する音声データをより確実に音声出力することができ、利用者に緊急度の高いイベント内容をより確実に伝達することができる。
【0018】
本発明の第3特徴構成は、前記第1通信回線を用いた情報通信の安定性を判定する安定性判定部と、
その安定性判別部の判定結果に応じて、前記通信量調整処理において、第2通信回線を用いた通信量として、確保する高緊急度通信量を補正する通信量補正処理を行う通信量補正部とが備えられている点にある。
【0019】
第1通信回転を用いた情報通信が安定している場合には、第2通信回線に代えて、第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で音声出力用情報通信処理を行うことができる。この場合には、高緊急度のイベントが発生したときに、例えば、第2通信回線に代えて、第1通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことができるので、第2通信回線を用いた通信量として、確保しておく高緊急度通信量を小さくしても、緊急度の高いイベント内容に対応する音声データの音声出力を行うことができる。
【0020】
逆に、第1通信回転を用いた情報通信が不安定である場合には、第1通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を適切に行えなくなる可能性がある。そのために、高緊急度のイベントが発生したときに、第2通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことが必須となるので、第2通信回線を用いた通信量として、確保しておく高緊急度通信量を大きくしておくことが求められる。
【0021】
そこで、本構成によれば、安定性判定部にて第1通信回線を用いた情報通信が安定状態であると判定すると、通信量補正部は、通信量補正処理を行うことで、第2通信回線を用いた通信量として、確保しておく高緊急度通信量を小さくするように補正することができる。逆に、安定性判定部にて第1通信回線を用いた情報通信が不安定状態であると判定すると、通信量補正部は、通信量補正処理を行うことで、第2通信回線を用いた通信量として、確保しておく高緊急度通信量を大きくするように補正することができる。これにより、第1通信回線を用いた情報通信の安定性を考慮して、第2通信回線を用いた通信量として、確保しておく高緊急度通信量の大きさを調整することができるので、好適な高緊急度通信量を確保しておくことができる。
【0022】
本発明の第4特徴構成は、前記第1通信回線を用いた情報通信の安定性を判定する安定性判定部が備えられ、
その安定性判定部にて第1通信回線を用いた情報通信が安定状態であると判定している状態において高緊急度のイベントが発生した場合に、前記通信回線制御部が、第2通信回線に代えて第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で前記音声出力用情報通信処理を実行可能に構成されている点にある。
【0023】
本構成によれば、安定性判定部にて第1通信回線を用いた情報通信が安定状態であると判定していることを確認した上で、高緊急度のイベントの発生に伴って、通信回線制御部が、第2通信回線に代えて第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で音声出力用情報通信処理を実行することができる。これにより、例えば、確保している高緊急度通信量が使用されて小さくなっている場合等に、第2通信回線を用いることなく、緊急度の高いイベント内容に対応する音声データの音声出力を確実に行うことができるので、確保している高緊急度通信量が設定期間の途中で使い尽くされてしまうのを防止することができる。
【0024】
本発明の第5特徴構成は、前記高緊急度のイベントが発生した場合には、複数回音声出力条件が満たされていると、サーバ装置と利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を複数回繰り返し行って、同じイベント内容に対応する音声データを音声出力部にて音声出力させる動作を複数回繰り返し行い、
前記第2通信回線を用いた通信量として、確保している高緊急度通信量が設定量以下となると、高緊急度のイベントが発生した場合に、複数回音声出力条件が満たされていても、サーバ装置と利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を複数回繰り返し行うことを禁止して、イベント内容に対応する音声データを音声出力部にて音声出力させる動作を1回行う点にある。
【0025】
本構成によれば、高緊急度のイベントが発生した場合には、利用者が音声出力を聞き取り難い状況である等の複数回音声出力条件が満たされていると、サーバ装置と利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を複数回繰り返し行って、同じイベント内容に対応する音声データを音声出力部にて音声出力させる動作を複数回繰り返し行うので、利用者に対して、緊急度の高いイベント内容に対応する音声データを適切に伝達することができる。
【0026】
しかしながら、音声出力用情報通信処理を複数回繰り返し行うと、それだけ第2通信回線を用いた通信量を費やしてしまう。そこで、本構成によれば、第2通信回線を用いた通信量として、確保している高緊急度通信量が設定量以下となると、高緊急度のイベントが発生した場合に、複数回音声出力条件が満たされていても、サーバ装置と利用者装置との間で音声出力用情報通信処理を複数回繰り返し行うことを禁止して、イベント内容に対応する音声データを音声出力部にて音声出力させる動作を1回行う。これにより、第2通信回線による通信量の利用を抑制して、確保している高緊急度通信量が設定期間の途中で使い尽くされてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図3】サーバ装置と警報装置との間での情報通信に関する構成を示すブロック図
【
図4】契約通信量及び高緊急度通信量を用いて、契約通信量の中に確保する通信量を決定する過程を示す模式図
【
図5】契約通信量の中に確保する通信量を決定する動作を示すフローチャート
【
図6】音声出力システムの動作を示すフローチャート
【
図7】音声出力システムの動作を示すフローチャート
【
図8】音声出力システムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る音声出力システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
この音声出力システムは、防災情報や気候情報等の音声データを音声出力させる必要があるイベントが発生すると、そのイベントに対応する音声データを音声出力することで、天候情報や防災情報等の各種の情報を利用者に伝達するものである。
【0029】
この音声出力システム100は、
図1に示すように、利用者の住居等の施設に設置される警報装置1(利用者装置に相当する)を利用して構成しており、
図2に示すように、警報装置1に音声出力部18を備えさせて、住居等の施設に居る利用者に対して、イベント内容を通知している。
【0030】
音声出力システム100は、
図1に示すように、警報装置1に加えて、利用者が各種の設定や操作を行うためのスマートフォン等の端末装置2、各種の制御及び通信を行うサーバ装置3、イベントの発生等を通知するための外部装置4等が備えられている。警報装置1、端末装置2、及び、外部装置4の夫々は、インターネットやLTE回線等の情報通信網5を介してサーバ装置3との間で各種の情報を通信自在に構成されている。
【0031】
警報装置1は、
図2に示すように、床部21と天井部22との間の室内空間を検知領域23として、天井部22や天井部22側の壁部等に配設されている。警報装置1は、監視センサ部14、人感検知部15、温湿度センサ部16、表示部17、音声出力部18、装置側制御部11、装置側記憶部12、装置側通信部13等が備えられている。
【0032】
装置側記憶部12には、警報装置1を作動させるための各種の情報が記憶されており、装置側制御部11が、装置側記憶部12に記憶されている各種の情報を用いて、警報装置1の作動状態を制御している。装置側制御部11は、装置側通信部13を介して、サーバ装置3との間で各種の情報を送受信可能に構成されている。
【0033】
監視センサ部14は、例えば、ガス漏れ監視センサ、CO(一酸化炭素)監視センサ、火災監視センサ等の各種のセンサが備えられ、装置側制御部11が、それらのセンサの検出情報に基づいて、ガス漏れ、CO濃度異常、火災が発生しているか否か等を監視している。
【0034】
例えば、装置側制御部11は、ガス漏れ監視センサにて検出する検出対象ガスの濃度が設定値以上となると、ガス漏れであるとして、表示部17による表示や音声出力部18による音声出力等によりガス漏れ用の警報を行う。また、装置側制御部11は、CO監視センサにて検出するCO濃度が設定値以上となると、CO濃度異常であるとして、表示部17による表示や音声出力部18による音声出力等により、CO濃度異常用の警報を行う。更に、装置側制御部11は、火災監視センサにて火災により生じる煙や熱等を検出すると、火災であるとして、表示部17による表示や音声出力部18による音声出力等により、火災用の警報を行う。
【0035】
温湿度センサ部16は、検知領域23を含む台所等の室内空間の温度及び湿度を検出している。表示部17は、ランプやLEDを有し、文字情報等を表示可能な表示装置にて構成されている。音声出力部18は、例えば、スピーカ等から構成され、各種の音声データを音声出力可能に構成されている。
【0036】
サーバ装置3は、
図1に示すように、サーバ側制御部31、サーバ側記憶部32、サーバ側通信部33等が備えられている。サーバ側記憶部32には、各種の情報が記憶されており、サーバ側制御部31が、サーバ側記憶部32に記憶されている各種の情報を用いて、サーバ装置3の作動状態を制御している。サーバ側制御部31は、サーバ側通信部33を介して、警報装置1や外部装置4との間で各種の送受信可能に構成されている。
【0037】
外部装置4は、防災情報や気候情報等、外部でのイベントが発生した場合に、そのイベントが発生したことをサーバ装置3に通知するように構成されている。例えば、防災情報であれば、外部装置4は、地震が発生したタイミングにてイベントが発生したとして、「地震発生」等の防災情報をサーバ装置3に通知している。また、気候情報であれば、外部装置4は、天気予報等が更新されたタイミングにてイベントが発生したとして、更新された天気予報(例えば、「今日の天気は晴れです」等)をサーバ装置3に通知している。
【0038】
サーバ装置3では、外部装置4からイベントが発生したことの通知を受けると、サーバ側制御部31が、そのイベント内容に対応する音声データ等の音声出力用情報をサーバ側記憶部32から取得し、その取得した音声出力用情報を警報装置1に送信している。これにより、警報装置1では、装置側制御部11が、サーバ装置3から送信された音声出力用情報(音声データ)を音声出力部18にて音声出力して、イベント内容を利用者に伝達している。
【0039】
例えば、地震が発生した場合には、外部装置4からサーバ装置3に地震が発生したことが通知され、サーバ側制御部31が、サーバ側記憶部32から地震が発生したことに対応する音声データ(「地震発生」等の音声データ)を取得し、その音声データを警報装置1に送信する。警報装置1では、装置側制御部11が、サーバ装置3から送信された「地震発生」等の音声データを音声出力部18にて音声出力して、地震が発生したことを利用者に伝達している。
【0040】
また、天気予報が更新された場合には、外部装置4からサーバ装置3に天気予報が更新されたことが通知され、サーバ側制御部31が、サーバ側記憶部32から更新された天気予報に対応する音声データ(「今日の天気は晴れです」等の音声データ)を取得し、その音声データを警報装置1に送信する。警報装置1では、装置側制御部11が、サーバ装置3から送信された「今日の天気は晴れです」等の音声データを音声出力部18にて音声出力して、更新された天気予報を利用者に伝達している。
【0041】
このようにして、音声出力システム100では、サーバ側制御部31及び装置側制御部11等の制御部によって、外部にてイベントが発生した場合に、そのイベント内容に対応する情報を、外部装置4→サーバ装置3→警報装置1の順に通信して、そのイベント内容に対応する音声データを音声出力部18から音声出力する音声出力制御を行っている。例えば、気候情報としては、天気予報に限らず、雨雲が接近したタイミングにて「雨雲の接近」を音声出力したり、気象警報が発令されたタイミングにて「気象警報発令」を音声出力することもできる。
【0042】
音声出力制御におけるイベント内容については、防災情報や気候情報に限らず、例えば、ニュースが更新されたタイミングにそのニュースに対応する音声データを音声出力したり、交通情報が更新されたタイミングにてその交通情報に対応する音声データを音声出力することもでき、各種のイベント内容を適用することができる。
【0043】
この音声出力システム100では、外部にてイベントが発生した場合だけでなく、施設の内部にてイベントが発生した場合にも、装置側制御部11等の制御部によって、そのイベント内容に対応する音声データを音声出力部18から音声出力する音声出力制御を行うようにしている。音声出力システム100は、ガス漏れ、CO濃度異常、火災等の監視対象事象を監視している警報装置1を利用していることから、ガス漏れ、CO濃度異常、火災等の監視対象事象を警報装置1にて検知した場合に、イベントが発生したとして、その監視対象事象に対応する音声データを音声出力部18にて音声出力している。
【0044】
例えば、装置側制御部11は、
図2に示すように、監視センサ部14の検出情報に基づいて、ガス漏れの発生を検知すると、イベントが発生したとして、「ガス漏れ発生」等のガス漏れに対応する音声データを装置側記憶部12から取得し、その「ガス漏れ発生」等のガス漏れに対応する音声データを音声出力部18にて音声出力している。また、装置側制御部11は、CO濃度異常や火災の発生を検知した場合も、それらに対応する音声データを装置側記憶部12から取得し、その取得した音声データを音声出力部18にて音声出力している。
【0045】
警報装置1には、監視センサ部14だけでなく、検知領域23を含む室内空間の温度及び湿度を検出する温湿度センサ部16が備えられている。そこで、装置側制御部11は、温湿度センサ部16の検出情報に基づいて、室内空間の温度及び湿度が上昇して熱中症等が発生する可能性があるか否か、及び、室内空間の湿度が低下して乾燥状態であるか否か等、室内空間の温湿度環境が異常状態であるか否かを判定している。
【0046】
装置側制御部11は、室内空間の温湿度環境が異常状態であると判定した場合に、温湿度環境が異常状態であることに対応する音声データを装置側記憶部12から取得し、その取得した音声データを音声出力部18にて音声出力している。このとき、温湿度環境が異常状態であることに対応する音声データとしては、熱中症等を発生する可能性がある場合に、「熱中症注意」等の音声データとし、乾燥状態である場合に、「乾燥注意」等の音声データとすることができる。
【0047】
また、例えば、「今日はゴミの日です」等の定型文の音声データをサーバ側記憶部32や装置側記憶部12に記憶させておき、その定型文の音声データを音声出力する日時等を設定しておくことができる。これにより、サーバ側制御部31や装置側制御部11等の制御部は、設定された日時になると、イベントが発生したとして、「今日はゴミの日です」等の定型文の音声データを音声出力部18にて音声出力する音声出力制御を行うこともできる。
【0048】
音声出力システム100が音声出力制御を行うに当たり、イベントが発生することが前提条件となるが、音声出力制御を実行可能とする日時や時間帯等については、利用者が端末装置2を操作することで、適宜設定することもできる。
【0049】
イベントが発生するのは利用者が意図しているタイミングではないこともあり、イベントの発生に伴って、音声出力システム100が音声出力制御を行うだけでは、利用者にそのイベント内容を伝達することが難しいことがある。そこで、音声出力システム100では、検知領域23に人が存在することを確認した上で、イベントの発生に伴う音声出力制御を行うようにしている。
【0050】
音声出力システム100は、
図2に示すように、検知領域23に人が存在するか否かを確認するために、検知領域23に人が存在するか否かを検知可能な人感検知部15が備えられている。
【0051】
このようにして、音声出力システム100では、イベントが発生した状態において、人感検知部15にて検知領域23に人が存在することを検知した場合に、サーバ側制御部31及び装置側制御部11等の制御部によって、そのイベントに対応する音声データを音声出力部18から音声出力する音声出力制御を行っている。また、音声出力制御については、例えば、イベントが発生すると、人感検知部15にて検知領域23に人が存在することを確認した最初のタイミングにて、音声出力制御を行うだけであり、その後、人感検知部15にて検知領域23に人が存在することを確認しても、音声出力制御を行わない。
【0052】
人感検知部15は、
図2に示すように、例えば、台所等の検知領域23に人が存在するか否かを検知している。人感検知部15は、赤外線を検知領域23に向けて投光する赤外線投光部15aと、検知領域23の方向から入射する赤外線を検出する赤外線検出部15bと、その赤外線検出部15bの検出情報に基づいて、検知領域23に人が存在するか否かを判定する装置側制御部11とが備えられている。
【0053】
赤外線投光部15aは、赤外線を投光可能な発光素子、その発光素子から投光される赤外線の照射範囲や照射角度等を調整可能な光学レンズ等が備えられている。赤外線検出部15bは、赤外線に感度を有して、その受光した赤外線の強度に応じた電気信号を出力可能な光電変換素子等が備えられている。装置側制御部11は、赤外線検出部15bから出力された検出値と閾値とを比較することで、検知領域23に人が存在するか否かを判定している。
【0054】
検知領域23に人等の物体が存在しない場合には、赤外線投光部15aから投光された赤外線が、検知領域23の周囲の床部21等にて反射されて、赤外線検出部15bにて検出されることになる。よって、赤外線検出部15bにて検出される赤外線の検出値は、ほぼ一定値となる。それに対して、検知領域23に人等の物体が存在する場合には、赤外線投光部15aから投光された赤外線が、検知領域23に存在する人等の物体にて反射されて、赤外線検出部15bにて検出されることになる。よって、赤外線検出部15bにて検出される赤外線の強度が増大され、赤外線検出部15bにて検出される赤外線の検出値も増大することになる。そこで、装置側制御部11は、赤外線検出部15bにて検出される赤外線の検出値がどのように変化しているかを捉えており、赤外線検出部15bにて検出される赤外線の検出値が閾値よりも大きくなると、検知領域23に人が存在すると判定している。
【0055】
ちなみに、赤外線検出部15bは、設定周期(例えば、1秒)で、赤外線検出部15bの検出値に基づく人の存否の検知動作を繰り返し行っており、設定回数(例えば、3回)連続して人の存在を検知した場合に、人の存在であると確定して、サーバ装置3等にその確定値を出力している。また、赤外線検出部15bは、設定期間(例えば、1分間)連続して人の存在を検知していない場合に、人が存在しないと確定して、サーバ装置3等にその確定値を出力している。
【0056】
図3に示すように、サーバ装置3と警報装置1との間では、サーバ側通信部33と装置側通信部13とにより各種の情報を通信自在に構成されている。この情報通信を行う場合に利用する通信回線として、第1通信回線と第2通信回線とを有している。第1通信回線は、インターネット等に接続された無線LANルータ41を介するWi-Fi等の無線LAN回線となっている。それに対して、第2通信回線は、第1通信回線(無線LAN回線)よりも通信の信頼性の高いLTE回線(Long Term Evolution回線)となっており、通信事業会社等との間で契約を交わすことで利用可能となる。
【0057】
警報装置1の装置側通信部13には、装置側通信回線制御部51、装置側第1通信部52、装置側第2通信部53が備えられている。サーバ装置3のサーバ側通信部33には、サーバ側通信回線制御部61、サーバ側第1通信部62、サーバ側第2通信部63が備えられている。装置側通信回線制御部51及びサーバ側通信回線制御部61は、警報装置1とサーバ装置3との情報通信を行うに当たり、第1通信回線を用いて情報通信を行う第1通信回線利用状態と第2通信回線を用いて情報通信を行う第2通信回線利用状態とに切替自在に構成されている。
【0058】
装置側通信回線制御部51及びサーバ側通信回線制御部61は、装置側第1通信部52とサーバ側第1通信部62との間で第1通信回線にて情報通信を行うことで、第1通信回線利用状態に切り替えている。それに対して、装置側通信回線制御部51及びサーバ側通信回線制御部61は、装置側第2通信部53とサーバ側第2通信部63との間で第2通信回線にて情報通信を行うことで、第2通信回線利用状態に切り替えている。このように、装置側通信回線制御部51及びサーバ側通信回線制御部61は、情報通信を行う際の通信回線をどの通信回線とするかを制御する通信回線制御部として機能している。
【0059】
第2通信回線を用いた情報通信については、音声出力システム100を利用する利用者が通信事業会社等との間で契約を交わすことで、第2通信回線を用いた情報通信を可能としている。契約では、設定期間内にどれだけの通信量の容量があるか等をコストに応じて定めている。例えば、設定期間(例えば、1か月間)において、契約通信量(例えば、80GBや100GB等)を通信量の容量として、それに対応するコストがかかるようになっている。
【0060】
上述の如く、音声出力システム100では、外部等にてイベントが発生した場合に、そのイベント内容に対応する音声データを音声出力部18から音声出力する音声出力制御を行っている。この音声出力制御では、イベント内容に対応する音声データを音声出力部18にて音声出力させるための音声出力用情報(例えば、イベント内容に対応する音声データ)をサーバ装置3と警報装置1との間で通信する音声出力用情報通信処理を行う。
【0061】
第1通信回線は、第2通信回線よりも通信の信頼性が低いので、例えば、音声出力用情報通信処理の実行中に、通信途絶が発生する可能性がある。よって、第1通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を実行しても、その音声出力用情報通信処理を適切に行えない可能性がある。そこで、音声出力用情報通信処理を行うためには、第2通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を実行することが望まれている。しかしながら、第2通信回線だけを使用していると、第2通信回線を用いた通信量が増大するので、設定期間の途中に契約で定めた契約通信量を超えてしまい、第2通信回線を用いた情報通信を行えなくなる可能性がある。
【0062】
イベント内容については、気候情報を音声出力させるためのイベントだけでなく、防災情報を音声出力させるためのイベントも含まれていることから、イベント内容によって音声出力させる緊急度が異なっている。よって、イベントには、音声出力させる緊急度が高い高緊急度のイベントと、その高緊急度のイベントよりも緊急度が低い低緊急度のイベントとが含まれている。例えば、地震発生、気象警報の発令、避難情報の発令等の防災情報や防犯情報の発生については、高緊急度のイベントとすることができ、防災情報以外の天気予報の更新や定型文の伝達等については、低緊急度のイベントとすることができる。
【0063】
高緊急度のイベントが発生した場合に、契約で定めた契約通信量を使い尽くしていると、その高緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力できなくなる可能性がある。そこで、この音声出力システム100では、
図4の左側に示すように、設定期間の契約通信量A1の中に、高緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力するために必要となる高緊急度通信量A2を予め確保しておくことで、高緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力できなくなるのを防止している。
【0064】
そのために、
図3に示すように、サーバ装置3には、設定期間内において、高緊急度のイベントの発生に伴って、サーバ装置3と警報装置1との間で実行する音声出力用情報通信処理に要する高緊急度通信量を予測する通信量予測処理を行う通信量予測部71が備えられている。ここで、設定期間は、契約における契約期間に対応する期間を設定することができ、例えば、1か月間とすることができる。
【0065】
通信量予測部71は、サーバ側記憶部32(
図1参照)等に記憶されている過去の実績、及び、外部装置4(
図1参照)から取得する情報に基づいて、今後の1か月間等の設定期間内において、どれだけの高緊急度のイベントが発生するかを予測して、そのときに実行する音声出力用情報通信処理に要する高緊急度通信量を予測している。
【0066】
通信量予測部71は、例えば、過去の実績から、1か月間等の設定期間内に高緊急度のイベントが何回発生しているかの傾向(例えば、平均値)を把握することができる。例えば、台風の接近に伴う気象警報の発令や避難情報の発令等は、台風が到来する時期に多くなるので、時期等も含めて、高緊急度のイベントの発生実績を把握することができる。このように、通信量予測部71は、過去の実績から、高緊急度のイベントの発生実績を把握して、高緊急度通信量を予測することができる。
【0067】
外部装置4(
図1参照)では、例えば、今後の1か月間等の設定期間内における天気予報に関する情報を把握しているので、通信量予測部71は、それらの情報を外部装置4から取得している。通信量予測部71は、外部装置4から取得した情報を用いて、どの地域でどれくらいの気象警報や避難情報が発令されるか等の防災情報の発生状況を予測することができる。これにより、通信量予測部71は、外部装置4から取得する情報を用いて、今後の1か月間等の設定期間内における防災情報の発生状況を予測して、高緊急度通信量を予測することができる。
【0068】
このように、通信量予測部71にて高緊急度通信量を予測しているので、
図4の左側に示すように、契約通信量A1の中に、この高緊急度通信量A2を確保しておくことができる。しかしながら、利用者の通信環境によっては、予測した高緊急度通信量A2よりも確保する通信量を小さくしてもよい場合がある。逆に、設定期間の途中に契約通信量A1を使い尽くしてしまわないように、予測した高緊急度通信量A2よりも多くの通信量を確保しておくことが望まれる場合もある。
【0069】
第1通信回転を用いた情報通信が安定している場合には、
図3に示すように、第2通信回線に代えて、第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で音声出力用情報通信処理を行うことができる。この場合には、高緊急度のイベントが発生したときに、例えば、第2通信回線に代えて、第1通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことができる。よって、確保しておく第2通信回線を用いた通信量として、高緊急度通信量よりも小さくしても、緊急度の高いイベント内容に対応する音声データの音声出力を行うことができる。
【0070】
逆に、第1通信回転を用いた情報通信が不安定である場合には、第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で音声出力用情報通信処理を行う音声出力制御を適切に行えなくなる可能性がある。そのために、高緊急度のイベントが発生したときに、第2通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことが必須となるので、第2通信回線を用いた通信量として、確保しておく高緊急度通信量を大きくしておくことが求められる。
【0071】
そこで、
図3に示すように、サーバ装置3には、通信量予測部71に加えて、第1通信回線を用いた情報通信の安定性を判定する安定性判定部72と、その安定性判定部72の判定結果に応じて、第2通信回線を用いた通信量として、確保する高緊急度通信量を補正する通信量補正処理を行う通信量補正部73とが備えられている。
【0072】
安定性判定部72は、過去に第1通信回線を用いた情報通信を行った場合に、そのときの通信状況に基づいて、第1通信回転を用いた情報通信が安定しているか否かを判定している。例えば、第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で音声出力用情報通信処理を行った場合には、サーバ装置3から警報装置1に対する情報通信によって音声出力の指示を行った指示時刻がサーバ側記憶部32(
図1参照)等に記録されており、警報装置1の音声出力部18(
図2参照)にて実際に音声出力を行った音声出力時刻もサーバ側記憶部32(
図1参照)等に記録されている。そこで、安定性判定部72は、その指示時刻と音声出力時刻とを比較して、その時刻差が所定範囲内であれば、第1通信回転を用いた情報通信が安定している安定状態と判定している。逆に、指示時刻と音声出力時刻との時刻差が所定範囲外であれば、安定性判定部72は、第1通信回転を用いた情報通信が安定していない不安定状態と判定している。
【0073】
サーバ装置3と警報装置1との間では、定期的に、第1通信回線を用いた情報通信を行うことで、サーバ装置3と警報装置1との間で適切に情報通信を行えるか、無線LANの送受信強度は適正範囲であるか、及び、通信途絶等のエラーが発生しているか等の通信状況の確認を行っている。よって、安定性判定部72は、この通信状況の確認結果や、その確認動作を行ったときの通信状況等から、第1通信回線を用いた情報通信が安定しているか否かを判定することもできる。
【0074】
安定性判定部72にて安定状態であると判定している場合に、通信量補正部73は、通信量補正処理を行うことで、
図4の右下側に示すように、高緊急度通信量A2を小さくするように補正して、確保しておく通信量を安定高緊急度通信量A4としている。逆に、安定性判定部72にて不安定状態であると判定している場合に、通信量補正部73は、通信量補正処理を行うことで、
図4の右上側に示すように、高緊急度通信量A2を大きくするように補正して、確保しておく通信量を不安定高緊急度通信量A3としている。
【0075】
ちなみに、安定高緊急度通信量A4及び不安定高緊急度通信量A3について、高緊急度通信量A2よりもどの程度通信量を増減させるかは予め一定量を設定したり、予測した高緊急度通信量A2や契約通信量A1の大きさ等に応じて変更設定することができる。
【0076】
通信量補正部73は、通信量予測部71にて予測した高緊急度通信量A2を、安定性判定部72の判定結果に応じて、安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3に補正しているので、契約通信量A1の中に、その補正後の安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3を確保することができる。
【0077】
図5のフローチャートに基づいて、契約通信量A1に対して確保する通信量を決定するための動作について説明する。
まず、通信量予測部71が、通信量予測処理を行うことで、設定期間内において、高緊急度のイベントの発生に伴って、サーバ装置3と警報装置1との間で実行する音声出力用情報通信処理に要する高緊急度通信量A2(
図4の左側参照)を予測している(ステップ#1)。
【0078】
通信量補正部73が、通信量補正処理を行うことで、安定性判定部72の判定結果に応じて、確保する高緊急度通信量A2を安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3(
図4の右側参照)に補正している(ステップ#2)。通信量補正部73は、補正後の安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3を、確保する通信量として決定している(ステップ#3)。
【0079】
図5に示す契約通信量A1に対して確保する通信量を決定するための動作は、例えば、設定期間が経過するごとに繰り返し行われている。1か月間等の設定期間ごとに、高緊急度通信量A2が予測され、その高緊急度通信量A2が補正されて、確保する通信量が決定されるので、その設定期間に適した通信量を確保することができる。
【0080】
高緊急度のイベントが発生した場合には、契約通信量A1の中に、確保している通信量を使用することで、第2通信回線を優先的に用いてサーバ装置3と警報装置1との間で音声出力用情報通信処理を行うことができるので、高緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力部18にて音声出力して、利用者に対して適切に伝達することができる。
【0081】
図4の右側に示すように、契約通信量A1の中に、安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3を確保しているので、例えば、残りの通信量(
図4において空白部分)を、低緊急度のイベントの発生に伴って音声出力用情報通信処理を行うための低緊急度通信量として割り当てることができる。そこで、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、低緊急度のイベントの発生に伴って、サーバ装置3と警報装置1との間で音声出力用情報通信処理を実行する場合に、割り当てた残りの通信量の範囲内に、第2通信回線を用いて音声出力用情報を通信する低緊急度通信量が収まるように、低緊急度通信量を調整する通信量調整処理を行っている。
【0082】
この実施形態では、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、低緊急度のイベントの発生に伴って、第2通信回線に代えて第1通信回線を用いて音声出力用情報を通信する形態で音声出力用情報通信処理を行う、又は、低緊急度のイベントが発生しても、音声出力用情報通信処理の実行を禁止することで、低緊急度通信量を調整して、割り当てた残りの通信量の範囲内に低緊急度通信量を収めている。
【0083】
第2通信回線を用いてサーバ装置3と警報装置1との間で音声出力用情報通信処理を行った場合に、サーバ側制御部31や装置側制御部11が、そのときに使用した通信量を積算していく状態でサーバ側記憶部32や装置側記憶部12に記憶している。これにより、サーバ側制御部31や装置側制御部11は、第2通信回線を使用した使用通信量を把握している。音声出力用情報通信処理を行うに当たり、発生したイベントが高緊急度のイベントであるのか又は低緊急度のイベントであるのかについても、サーバ側制御部31や装置側制御部11が把握しているので、使用通信量を記憶させる際に、高緊急度のイベントに対する高緊急度用の使用通信量と、低緊急度のイベントに対する低緊急度用の使用通信量とに分ける状態で記憶している。
【0084】
図6のフローチャートに基づいて、イベントの発生に伴って、音声出力システム100が音声出力制御を行う場合の動作について説明する。
【0085】
サーバ側制御部31や装置側制御部11等の制御部は、何らかのイベントが発生すると、そのイベントが高緊急度のイベントであるか否かを判定している(ステップ#11のYesの場合、ステップ#12)。高緊急度のイベントの発生である場合に、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、契約通信量A1(
図4参照)の中に確保している通信量(
図4の右側における安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3)を使用する形態で、第2通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことで、高緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力する音声出力制御を行っている(ステップ#12のYesの場合、ステップ#13)。
【0086】
この第2通信回線を用いた音声出力用情報通信処理では、
図3に示すように、装置側通信回線制御部51及びサーバ側通信回線制御部61が、装置側第2通信部53とサーバ側第2通信部63との間で第2通信回線にて情報通信を行うことで、第2通信回線利用状態に切り替えている。サーバ側制御部31は、サーバ側記憶部32に記憶されている高緊急度のイベント内容に対応する音声データ等の音声出力用情報を取得すると、その音声出力用情報をサーバ側第2通信部63により第2通信回線にて警報装置1に送信している。警報装置1では、装置側第2通信部53にて音声出力用情報を受信するので、装置側制御部11が、受信した音声出力用情報を音声出力部18(
図2参照)にて音声出力している。
【0087】
高緊急度のイベントが発生した場合には、
図2に示すように、検知領域23に人が存在するか否かにかかわらず、その高緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力部18にて音声出力する音声出力制御が行われている。これにより、高緊急度のイベント内容に対応する音声データの音声出力をいち早く行うことができ、緊急度に応じた音声出力を行うことができる。
【0088】
図6に戻り、発生したイベントが低緊急度のイベントである場合には、人感検知部15にて検知領域23に人を検知しているか否かを判定している(ステップ#12のNoの場合、ステップ#14)。人感検知部15にて検知領域23に人を検知していると、サーバ側制御部31や装置側制御部11等の制御部が、低緊急度通信量として割り当てた通信量(
図4において空白部分)の残りの通信量が設定量以下であるか否かを判定している(ステップ#14のYesの場合、ステップ#15)。
図4の右側に示すように、契約通信量A1の中に、安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3を確保しているので、残りの通信量(
図4の右側において空白部分)を、低緊急度通信量として割り当ている。実際に使用した通信量については、高緊急度のイベントに対する高緊急度用の使用通信量と低緊急度のイベントに対する低緊急度用の使用通信量とに分ける状態で、サーバ側記憶部32や装置側記憶部12に記憶している。そのために、ステップ#15の判定を行う際には、サーバ側制御部31や装置側制御部11等の制御部が、割り当てた低緊急度通信量と低緊急度用の使用通信量とを比較することで、低緊急度通信量として割り当てた通信量(
図4において空白部分)の残りの通信量が設定量以下であるか否かを判定することができる。
【0089】
残りの通信量が設定量以下ではなければ、まだ残りの通信量に余裕があるとして、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、割り当てた低緊急度通信量を使用する形態で、第2通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことで、低緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力する音声出力制御を行っている(ステップ#15のNoの場合、ステップ#16)。この第2通信回線を用いた音声出力用情報通信処理については、イベントが高緊急度か低緊急度かが異なるだけで、ステップ#13の動作と同様であるので、説明は省略する。
【0090】
残りの通信量が設定量以下であると、残りの通信量に余裕がないので、第2通信回線の通信量を低減するために、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、第2通信回線に代えて、第1通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことで、低緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力する音声出力制御を行っている(ステップ#15のYesの場合、ステップ#17)。
【0091】
この第1通信回線を用いた音声出力用情報通信処理では、
図3に示すように、装置側通信回線制御部51及びサーバ側通信回線制御部61が、装置側第1通信部52とサーバ側第1通信部62との間で第1通信回線にて情報通信を行うことで、第1通信回線利用状態に切り替えている。サーバ側制御部31は、サーバ側記憶部32に記憶されている低緊急度のイベント内容に対応する音声データ等の音声出力用情報を取得すると、その音声出力用情報をサーバ側第1通信部62により第1通信回線にて警報装置1に送信している。警報装置1では、装置側第1通信部52にて音声出力用情報を受信するので、装置側制御部11が、受信した音声出力用情報を音声出力部18(
図2参照)にて音声出力している。
【0092】
このようにして、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、第2通信回線に代えて、第1通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことで、低緊急度通信量を小さくする通信量調整処理を行っている。これに代えて、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部は、低緊急度のイベントが発生しても、音声出力用情報通信処理の実行を禁止することで、低緊急度通信量を小さくする通信量調整処理を行うこともできる。
【0093】
図6では、発生したイベントが高緊急度のイベントである場合(ステップ#12のYesの場合)に、第2通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行っているが、例えば、
図7に示すように、発生したイベントが高緊急度のイベントであると(ステップ#12のYesの場合)、確保している通信量がどれくらい残っているか、及び、第1通信回線を用いた情報通信が安定状態であるかによって、第2通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行う場合と第1通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行う場合とに場合分けすることもできる。
【0094】
図7に示すように、発生したイベントが高緊急度のイベントであると(ステップ#12のYesの場合)、サーバ側制御部31や装置側制御部11等の制御部が、サーバ側記憶部32や装置側記憶部12に記憶している高緊急度用の使用通信量と確保している通信量(
図4の右側における安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3)とを比較することで、確保している通信量が設定量以下であるか否かを判定している(ステップ#21)。
【0095】
確保している通信量が設定量以下であると、サーバ側制御部31や装置側制御部11等の制御部が、安定性判定部72の判定結果に基づいて、第1通信回線を用いた情報通信が安定状態であると判定しているか否かを確認している(ステップ#21のYesの場合、ステップ#22)。
【0096】
サーバ側制御部31や装置側制御部11等の制御部は、安定性判定部72にて第1通信回線を用いた情報通信が安定状態であると判定していることを確認すると、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、第2通信回線に代えて、第1通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことで、高緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力する音声出力制御を行っている(ステップ#22のYesの場合、ステップ#23)。
【0097】
このように、確保している通信量(
図4の右側における安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3)が設定量以下となった場合に、第1通信回線を用いた情報通信が安定状態であること確認した上で、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、第1通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行うことで、確保している通信量が設定期間の途中等に使い尽くされるのを防止しながら、高緊急度のイベント内容に対応する音声データを利用者に伝達することができる。
【0098】
確保している通信量が設定量以下でない場合(ステップ#21のNoの場合)や、確保している通信量が設定量以下であっても、第1信回線を用いた情報通信が不安定状態である場合(ステップ#22のNoの場合)には、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、第2通信回線を用いて音声出力用情報通信処理を行っている(ステップ#24)。
【0099】
図6では、発生したイベントが高緊急度のイベントである場合に、音声出力制御を1回行うことで、高緊急度のイベント内容に対応する音声データを利用者に伝達している。しかしながら、利用者が警報装置1の近くに居ない等によって、利用者が音声データを聞き取り難い状況も考えられる。
【0100】
そこで、
図8に示すように、発生したイベントが高緊急度のイベントである場合(ステップ#12のYesの場合)に、複数回音声出力条件が満たされていると、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部が、第2通信回線を用いた音声出力用情報通信処理を複数回繰り返し行って、同じ高緊急度のイベント内容に対応する音声データを音声出力部18(
図2参照)にて音声出力させる複数回動作を行うことができる。
【0101】
図8に示すように、発生したイベントが高緊急度のイベントであると(ステップ#12のYesの場合)、サーバ側制御部31や装置側制御部11等の制御部が、複数回音声出力条件を満たすか否かを判定している(ステップ#31)。複数回音声出力条件は、例えば、
図2に示すように、人感検知部15にて検知領域23に人を検知していなければ、利用者が音声出力を聞き取り難い状況であるとして、複数回音声出力条件を満たすとしている。複数回音声出力条件は、この条件に限るものではなく、利用者が音声出力を聞き取り難い状況であるという他の条件を設定することもできる。
【0102】
複数回音声出力条件を満たして、確保している通信量(
図4の右側における安定高緊急度通信量A4又は不安定高緊急度通信量A3)が設定量以下でなければ、サーバ側制御部31や装置側制御部11等の制御部が、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部により第2通信回線を用いた音声出力用情報通信処理を複数回(例えば、2回)繰り返し行って、同じ高緊急度のイベント内容に対応する音声データを複数回(例えば、2回)音声出力させる複数回動作を行う(ステップ#31のYesの場合、ステップ#32のNoの場合、ステップ#33)。
【0103】
この複数回動作では、第2通信回線を用いた音声出力用情報通信処理を複数回繰り返し行うので、それだけ第2通信回線の使用通信量が増えることになる。そこで、
図8に示すように、複数回音声出力条件を満たしている場合には、一律に、複数回動作を行うのではなく、確保している通信量が設定量以下であれば、サーバ側通信回線制御部61や装置側通信回線制御部51の通信回線制御部により第2通信回線を用いた音声出力用情報通信処理を1回行って、高緊急度のイベント内容に対応する音声データを1回音声出力させる1回動作を行う(ステップ#32のYesの場合、ステップ#34)。
【0104】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0105】
(1)上記実施形態では、利用者装置としての警報装置1を利用して音声出力システム100を構成しているが、警報装置1に限らず、例えば、音声出力部18を有する音声出力装置を備えたものであればよく、どのような装置を利用するかは適宜変更が可能である。
【0106】
(2)上記実施形態では、音声出力用情報として、イベント内容に対応する音声データとしているが、音声出力部18にて音声出力するための情報であればよく、例えば、サーバ装置3から警報装置1に対して、音声出力部18にて音声出力するように指令するための指令情報とすることもできる。
【符号の説明】
【0107】
1 警報装置(利用者装置)
3 サーバ装置
5 情報通信網
51 装置側通信回線制御部(通信回線制御部)
61 サーバ側通信回線制御部(通信回線制御部)
71 通信量予測部
72 安定性判定部
73 通信量補正部
100 音声出力システム