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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140255
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】警報装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/16 20060101AFI20241003BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G08B21/16
G08B17/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051305
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】神屋 美由紀
(72)【発明者】
【氏名】八木 政彦
(72)【発明者】
【氏名】岡本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】豊田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 尚克
(72)【発明者】
【氏名】中山 吉彦
【テーマコード(参考)】
5C086
5G405
【Fターム(参考)】
5C086AA01
5C086AA02
5C086DA20
5C086EA43
5C086FA04
5C086FA11
5G405AB01
5G405AB02
5G405AB03
(57)【要約】
【課題】屋外にて使用する場合でも、その屋外での使用に適した仕様とする。
【解決手段】装置本体2には、検知対象を検知する検知部3と、その検知部3の検知情報に基づいて、異常状態を判定して警報を行う制御部9とが備えられ、制御部9は、装置本体2を屋内での使用に適した屋内用仕様に切り替える屋内用モードと、装置本体2を屋外での使用に適した屋外用仕様に切り替える屋外用モードとを有している。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体には、検知対象を検知する検知部と、
その検知部の検知情報に基づいて、異常状態を判定して警報を行う制御部とが備えられ、
前記制御部は、装置本体を屋内での使用に適した屋内用仕様に切り替える屋内用モードと、装置本体を屋外での使用に適した屋外用仕様に切り替える屋外用モードとを有している警報装置。
【請求項2】
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様に比べて警報を行う際の音量を大きくして音を出力する、又は、警報を行う際の音の出力方向を調整可能としている請求項1に記載の警報装置。
【請求項3】
前記検知部は、検知対象としての検知対象ガスを検知するガス検知部にて構成され、
前記制御部は、前記ガス検知部の検知情報に基づく検出対象ガスの濃度と設定値とを比較して、検出対象ガスの濃度が設定値以上であると、ガス異常状態であると判定する判定処理を実行可能に構成され、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、判定処理において検出対象ガスの濃度と比較する設定値が屋内用設定値に設定され、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、判定処理において検出対象ガスの濃度と比較する設定値が、装置本体の設置箇所の周囲の広さに応じて変更設定可能な屋外用設定値に設定されている請求項1又は2に記載の警報装置。
【請求項4】
前記装置本体には、外部との間で情報通信を行う情報通信部が備えられ、
その情報通信部は、第1通信回線にて情報通信を行う第1通信状態と、第1通信回線よりも通信の信頼性の高い第2通信回線にて情報通信を行う第2通信状態とに切替自在に構成され、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、情報通信部を第1通信状態に切り替え、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、情報通信部を第2通信状態に切り替えている請求項1又は2に記載の警報装置。
【請求項5】
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様に比べて、外部との間で情報通信を行う通信量を小さくする形態で外部との間で情報通信を行う機能を制限している請求項4に記載の警報装置。
【請求項6】
前記装置本体には、空気を装置本体の内部に取り込んで検知部に導く空気導入口と、異物を除去するフィルタと、そのフィルタを空気導入口に対して設置する設置位置とフィルタを空気導入口から外れた非設置位置とに移動自在なフィルタ移動部とが備えられ、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、フィルタ移動部がフィルタを非設置位置に移動させ、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、フィルタ移動部がフィルタを設置位置に移動させる請求項1又は2に記載の警報装置。
【請求項7】
前記装置本体には、屋外用ランプ部が備えられ、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、屋外用ランプ部の点灯作動が禁止され、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、装置本体の周囲が暗い場合に、制御部が、屋外用ランプ部を点灯作動させる請求項1又は2に記載の警報装置。
【請求項8】
前記装置本体の前面部及び後面部の両面部には、警報用ランプ部が配設され、
前記装置本体には、警報用ランプ部の光を光拡散部にて拡散させて投光させる拡散状態と警報用ランプ部の光を拡散させずにそのまま投光させる非拡散状態とに切替自在な光切替部が備えられ、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、制御部が、光切替部を非拡散状態に切り替えた状態で装置本体の前面部に配設された警報用ランプ部のみを点灯作動させ、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、制御部が、光切替部を拡散状態に切り替えた状態で装置本体の前面部及び後面部の両面部に配設された警報用ランプ部を点灯作動させる請求項1又は2に記載の警報装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知対象を検知する検知部が備えられ、その検知部の検知情報に基づいて異常状態を判定して警報を行う警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような警報装置として、例えば、検知部として、熱検知部と煙検知部とを有する火災検知部が備えられ、その火災検知部にて火災を検知したときに、ブザー等の警報音出力部を作動させて、火災発生の警報を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の警報装置では、検知部として、検知対象を炭化水素ガスとするガス漏れ検知部や検知対象を一酸化炭素ガスとするCO検知部等のガス検知部が備えられ、そのガス検知部の検知情報に基づいて、ガス漏れやCO濃度異常等のガス異常状態を判定するものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-86566号公報
【特許文献2】特許第6385723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年のキャンプ人気により、警報装置をキャンプ場等の屋外にて使用するケースが増えている。しかしながら、特許文献1、2に記載の警報装置では、設置箇所として、住宅等の屋内が想定されているものであり、キャンプ場等の屋外にて使用することが想定されておらず、屋外での使用に適した仕様とはなっていない。
【0006】
ちなみに、特許文献1に記載の警報装置では、住宅等の屋内において、熱検知部と煙検知部とのうち、設置箇所に適した方を有効な火災検知部として自動設定することで、設置箇所によって警報装置の機能を異ならせる点が記載されている。しかしながら、あくまで、屋内での設置箇所を想定しているものであり、屋外に設置することは想定されておらず、屋外での使用に適した機能を発揮するものではない。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、屋外にて使用する場合でも、その屋外での使用に適した仕様となる警報装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1特徴構成は、装置本体には、検知対象を検知する検知部と、
その検知部の検知情報に基づいて、異常状態を判定して警報を行う制御部とが備えられ、
前記制御部は、装置本体を屋内での使用に適した屋内用仕様に切り替える屋内用モードと、装置本体を屋外での使用に適した屋外用仕様に切り替える屋外用モードとを有している点にある。
【0009】
本構成によれば、装置本体の設置箇所が屋内である場合には、制御部を屋内用モードとすることで、装置本体が屋内での使用に適した屋内用仕様に切り替えられる。それに対して、装置本体の設置箇所が屋外である場合には、制御部を屋外用モードとすることで、装置本体が屋外での使用に適した屋外用仕様に切り替えられる。よって、装置本体を屋内に設置する場合だけでなく、装置本体を屋外に設置する場合にも、その設置箇所に適した仕様に装置本体を切り替えることができる。しかも、制御部として、屋内用モードと屋外用モードとの2つのモードを備えるだけでよく、構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、屋内の設置だけでなく、屋外の設置にも対応することができる。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様に比べて警報を行う際の音量を大きくして音を出力する、又は、警報を行う際の音の出力方向を調整可能としている点にある。
【0011】
本構成によれば、屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様に比べて警報を行う際の音量を大きくしているので、屋外の騒音等がある状況下においても、使用者は、装置本体からの音の出力を聞き取り易くなり、異常状態であることを容易に認識することができる。また、屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、音の出力方向を調整可能であるので、例えば、人が存在する方向に向けて音を出力することができ、屋外で使用する場合でも、装置本体からの音の出力を適切に聞き取ることができる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、前記検知部は、検知対象としての検知対象ガスを検知するガス検知部にて構成され、
前記制御部は、前記ガス検知部の検知情報に基づく検出対象ガスの濃度と設定値とを比較して、検出対象ガスの濃度が設定値以上であると、ガス異常状態であると判定する判定処理を実行可能に構成され、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、判定処理において検出対象ガスの濃度と比較する設定値が屋内用設定値に設定され、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、判定処理において検出対象ガスの濃度と比較する設定値が、装置本体の設置箇所の周囲の広さに応じて変更設定可能な屋外用設定値に設定されている点にある。
【0013】
本構成によれば、制御部は、ガス検知部の検知情報に基づく検出対象ガスの濃度と設定値とを比較して、検出対象ガスの濃度が設定値以上であると、ガス異常状態であると判定する判定処理を行うので、ガス漏れ、CO濃度異常等のガス異常状態を判定してそのガス異常状態を使用者に通知する警報を行うことができる。
【0014】
しかしながら、例えば、判定処理において検出対象ガスの濃度と比較する設定値を一定の値としていると、装置本体を屋内に設置した場合と装置本体を屋外に設置した場合とで、不都合を生じることがある。装置本体を屋内に設置した場合と装置本体を屋外に設置した場合とでは、装置本体の周囲の広さや環境等が異なるので、ガス異常状態と判定すべき設定値も異なることになる。よって、設定値を一定の値としている場合には、ガス異常状態に達していないにもかかわらず、ガス異常状態と判定してしまったり、逆に、ガス異常状態に達しているにもかかわらず、ガス異常状態と判定していない等、ガス異常状態の誤判定を招いてしまう可能性がある。
【0015】
そこで、本構成では、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、判定処理において検出対象ガスの濃度と比較する設定値が屋内用設定値に設定することで、装置本体を屋内に設置した場合に、屋内での装置本体の設置箇所の周囲の広さや環境に適した屋内用設定値を設定することができる。
【0016】
屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様においても、判定処理において検出対象ガスの濃度と比較する設定値を屋外用設定値に設定することができる。装置本体を屋外に設置する場合には、例えば、装置本体をテント内等に設置する場合にその周囲の広さが狭くなり、装置本体をテント外等に設置する場合にその周囲の広さが広くなるので、装置本体の設置箇所の周囲の広さが異なっている。よって、屋外用設定値については、装置本体の設置箇所の周囲の広さに応じて変更設定可能としている。
【0017】
このようにして、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様でも、屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様でも、装置本体の周囲の広さ等に応じた適切な設定値を設定することができるので、判定処理でのガス異常状態の誤判定を適切に防止することができる。
【0018】
本発明の第4特徴構成は、前記装置本体には、外部との間で情報通信を行う情報通信部が備えられ、
その情報通信部は、第1通信回線にて情報通信を行う第1通信状態と、第1通信回線よりも通信の信頼性の高い第2通信回線にて情報通信を行う第2通信状態とに切替自在に構成され、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、情報通信部を第1通信状態に切り替え、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、情報通信部を第2通信状態に切り替えている点にある。
【0019】
本構成によれば、装置本体を屋内に設置する場合には、情報通信部が第1通信状態に切り替えるので、例えば、屋内に設置された無線LANルータ等を介する無線LAN回線を第1通信回線として用いて、外部との間で各種の情報を情報通信しながら、装置本体を使用することができる。装置本体を屋外に設置する場合には、情報通信部が第2通信状態に切り替えるので、例えば、LTE回線(Long Term Evolution回線)を第2通信回線として用いて、外部との間で各種の情報を情報通信しながら、装置本体を使用することができる。これにより、屋内用モードでも屋外用モードでも、通信回線を第1通信回線と第2通信回線とに切り替えながら、外部との間で各種の情報を情報通信しながら、装置本体を適切に使用することができる。
【0020】
本発明の第5特徴構成は、前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様に比べて、外部との間で情報通信を行う通信量を小さくする形態で外部との間で情報通信を行う機能を制限している点にある。
【0021】
本構成によれば、屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様に比べて、外部との間で情報通信を行う通信量を小さくする形態で外部との間で情報通信を行う機能を制限しているので、通信量を小さく抑えることができ、例えば、LPWA(Low Power Wide Area-network)を用いた無線通信を行うことも可能となる。
【0022】
本発明の第6特徴構成は、前記装置本体には、空気を装置本体の内部に取り込んで検知部に導く空気導入口と、異物を除去するフィルタと、そのフィルタを空気導入口に対して設置する設置位置とフィルタを空気導入口から外れた非設置位置とに移動自在なフィルタ移動部とが備えられ、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、フィルタ移動部がフィルタを非設置位置に移動させ、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、フィルタ移動部がフィルタを設置位置に移動させる点にある。
【0023】
本構成によれば、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、フィルタ移動部がフィルタを非設置位置に移動させるので、フィルタが抵抗になることなく、屋内の空気を空気導入口から装置本体の内部に取り込んで検知部に導くことができ、検知部での検出対象の検知を適切に行うことができる。
【0024】
しかしながら、装置本体を屋外に設置する場合には、空気を空気導入口から装置本体の内部に取り込む際に、空気に含まれる塵埃等の異物も一緒に取り込んでしまう可能性がある。そこで、本構成によれば、屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、フィルタ移動部がフィルタを設置位置に移動させることで、フィルタにて塵埃等の異物を除去する状態で空気を装置本体の内部に取り込むことができる。よって、異物が除去された空気を検知部に導くことができるので、屋外用モードでも、検知部での検出対象の検知を適切に行うことができる。
【0025】
本発明の第7特徴構成は、前記装置本体には、屋外用ランプ部が備えられ、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、屋外用ランプ部の点灯作動が禁止され、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、装置本体の周囲が暗い場合に、制御部が、屋外用ランプ部を点灯作動させる点にある。
【0026】
本構成によれば、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、屋外用ランプ部の点灯作動が禁止されているので、照明装置等が配設されている屋内では、屋外用ランプ部を無駄に点灯作動させることなく、省エネルギー化を図ることができる。
【0027】
それに対して、屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、装置本体の周囲が暗い場合に、制御部が屋外用ランプ部を点灯作動させるので、装置本体の周囲が暗くなると、自動的に屋外用ランプ部を点灯作動させることができる。これにより、ランプ部の明かりを有効に活用して、屋外での各種の作業を行うことができるだけでなく、屋外用ランプ部を常夜灯として利用することもできる。
【0028】
本発明の第8特徴構成は、前記装置本体の前面部及び後面部の両面部には、警報用ランプ部が配設され、
前記装置本体には、警報用ランプ部の光を光拡散部にて拡散させて投光させる拡散状態と警報用ランプ部の光を拡散させずにそのまま投光させる非拡散状態とに切替自在な光切替部が備えられ、
前記屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、制御部が、光切替部を非拡散状態に切り替えた状態で装置本体の前面部に配設された警報用ランプ部のみを点灯作動させ、
前記屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、制御部が、光切替部を拡散状態に切り替えた状態で装置本体の前面部及び後面部の両面部に配設された警報用ランプ部を点灯作動させる点にある。
【0029】
装置本体を屋内に設置する場合には、通常、装置本体の後面部側に壁等を位置させる状態で装置本体を壁等に設置している。そこで、本構成によれば、屋内用モードにおける装置本体の屋内用仕様では、制御部が、光切替部を非拡散状態に切り替えた状態で装置本体の前面部に配設された警報用ランプ部のみを点灯作動させている。これにより、使用者が存在しない壁側となる装置本体の後面部に配設された警報用ランプ部を無駄に点灯作動させることなく、使用者が存在する装置本体の前面部に配設された警報用ランプ部のみを点灯作動させるので、省エネルギー化を図りつつ、警報用ランプ部が点灯していることを使用者が容易に認識することができる。
【0030】
それに対して、装置本体を屋外に設置する場合には、装置本体に対して使用者がどの方向に存在するかが分からない。そこで、本構成によれば、屋外用モードにおける装置本体の屋外用仕様では、制御部が、装置本体の前面部及び後面部の両面部に配設された警報用ランプ部を点灯作動させている。これにより、装置本体の前面部側に使用者が存在するときでも、装置本体の後面部側に使用者が存在するときでも、警報用ランプ部が点灯していることを使用者が認識することができる。しかも、光切替部を拡散状態に切り替えているので、警報用ランプ部の光を広範囲に亘って行き渡らせることができ、警報用ランプ部が点灯していることを使用者が容易に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】(A)は装置本体を前方側から見た前面部を示す図、(B)は装置本体を後方側から見た後面部を示す図
図2】装置本体を屋内に設置した場合の設置状態を示す図
図3】装置本体を屋外に設置した場合の設置状態を示す図
図4】装置本体の各部を示すブロック図
図5】(A)フィルタを非設置位置に移動させた状態を示す図、(B)はフィルタを設置位置に移動させた状態を示す図
図6】(A)光切替部を非拡散状態に切り替えた場合を示す図、(B)は光切替部を拡散状態に切り替えた場合を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る警報装置の実施形態について図面に基づいて説明する。
この警報装置1は、図1に示すように、ガス漏れやCO濃度異常等のガス異常状態、及び、火災発生等の異常状態を判定して警報するものである。警報装置1の装置本体2には、検知部3、音声出力部4、情報通信部5、設置環境検知部6、複数のランプ部7、屋外用ランプ部8、制御部9等が備えられている。図1(A)は、装置本体2を前方側から見た装置本体2の前面部21を示す図であり、図1(B)は、装置本体2を後方側から見た装置本体2の後面部22を示す図である。図1では、外部に露出している各部を実線にてしており、装置本体2の内部に収納されている各部を点線にて示している。
【0033】
装置本体2は、図1に示すように、例えば、縦長の矩形状に形成されており、平坦な前面部21(図1(A)参照)と平坦な後面部22(図1(B)参照)とを有する薄型に構成されている。装置本体2の上部には、引っ掛け用のフック部23が配設されている。
【0034】
検知部3は、装置本体2の内部に収納されており、装置本体2の横側部に形成された空気導入口34にて装置本体2の内部に取り込んだ空気に含まれる検知対象を検知している。検知部3は、図4に示すように、例えば、検知対象を炭化水素ガス(検知対象ガス)とするガス漏れ検知センサ31(ガス検知部に相当する)、検知対象を一酸化炭素ガス(検知対象ガス)とするCO検知センサ32(ガス検知部に相当する)、検知対象を煙や熱等とする火災検知センサ33等の複数の検知センサが備えられている。
【0035】
音声出力部4は、図1に示すように、装置本体2の内部に収納されており、例えば、音を出力する出力方向を特定の方向に絞る指向性スピーカーにて構成されている。よって、例えば、音声出力部4の姿勢等を変更させることで、音を出力する出力方向を変更することができる。装置本体2の前面部21には、図1(A)に示すように、音声出力部4に対応する位置に前面側開口部24が形成されており、装置本体2の後面部22には、図1(B)に示すように、音声出力部4に対応する位置に後面側開口部25が形成されている。音声出力部4は、前面側開口部24を通して装置本体2の前面部21側から音声出力自在であり、後面側開口部25を通して装置本体2の後面部22側からも音声出力自在であるので、装置本体2の前面部21側と装置本体2の後面部22側との両側から音声出力するように配設されている。
【0036】
情報通信部5は、サーバ装置や各種の端末装置等の外部との間で各種の情報を通信可能に構成されている。情報通信部5には、図4に示すように、第1通信回線にて外部との間で情報通信を行う第1通信部51と、第2通信回線にて外部との間で情報通信を行う第2通信部52とが備えられている。第1通信回線は、インターネット等に接続された無線LANルータを介するWi-Fi等の無線LAN回線となっている。第2通信回線は、第1通信回線(無線LAN回線)よりも通信の信頼性の高いLTE回線(Long Term Evolution回線)となっている。情報通信部5は、第1通信回線にて情報通信を行う第1通信状態と、第2通信回線にて情報通信を行う第2通信状態とに切替自在に構成されている。
【0037】
設置環境検知部6は、装置本体2の設置箇所の周囲の環境を検知している。設置環境検知部6として、図4に示すように、例えば、マイク部61、LiDAR部62、照度感知センサ63等が備えられている。マイク部61は、装置本体2の設置箇所の周囲からの周囲音を検知している。LiDAR部62(「Light Detection And Ranging」の略)は、レーザー光を照射して、その反射光の情報をもとに対象物までの距離や対象物の形等を測定している。照度感知センサ63は、装置本体2の設置箇所の周囲の明るさを感知している。
【0038】
複数のランプ部7として、図1に示すように、電源用ランプ部71、ガス漏れ警報用ランプ部72(警報用ランプ部に相当する)、CO警報用ランプ部73(警報用ランプ部に相当する)、火災警報ランプ部74(警報用ランプ部に相当する)、通信用ランプ部75等が備えられている。これら複数のランプ部7は、装置本体2の前面部21側と後面部22側との両側に配設されている。複数のランプ部7は、装置本体2の前面部21側と後面部22側とで同一位置となる状態で、前面部21側及び後面部22側の両側において、装置本体2の左右方向の中央部において上下方向に並ぶ状態で配設されている。
【0039】
制御部9は、検知部3の検知情報に基づいて、異常状態を判定して、音声出力部4やランプ部7を用いて警報を行っている。ガス漏れ検知センサ31を用いる場合には、制御部9が、ガス漏れ検知センサ31にて検出する検出対象ガスの濃度と設定値とを比較して、検出対象ガスの濃度が設定値以上であると、ガス漏れ(ガス異常状態)であると判定する判定処理を行う。この判定処理にてガス漏れであると判定すると、制御部9は、ガス漏れ警報用ランプ部72を点灯作動又は点滅作動させ、音声出力部4にてガス漏れであることを示す音声データを音声出力して、警報を行っている。
【0040】
CO検知センサ32を用いる場合には、制御部9が、CO検知センサ32にて検出する検出対象ガスの濃度と設定値とを比較して、検出対象ガスの濃度が設定値以上であると、CO濃度異常(ガス異常状態)であると判定する判定処理を行う。この判定処理にてCO濃度異常であると判定すると、制御部9は、CO警報用ランプ部73を点灯作動又は点滅作動させ、音声出力部4にてCO濃度異常であることを示す音声データを音声出力して、警報を行っている。
【0041】
火災検知センサ33を用いる場合には、制御部9が、火災検知センサ33にて火災により生じる煙や熱等を検出すると、火災発生であるとして、火災警報ランプ部74を点灯作動又は点滅作動させ、音声出力部4にて火災発生であることを示す音声データを音声出力して、警報を行っている。
【0042】
電源用ランプ部71について、制御部9は、警報装置1の運転中等、電源供給を受けている間に、電源用ランプ部71を点灯作動させており、その電源供給が停止されると、電源用ランプ部71の点灯作動を停止している。通信用ランプ部75について、制御部9は、情報通信部5にて外部との間で情報通信を行っている間に、通信用ランプ部75を点灯作動させており、その情報通信が終了すると、通信用ランプ部75の点灯作動を停止している。また、制御部9は、情報通信部5にて外部との間で情報通信を行っている間に、通信途絶等の通信異常が発生すると、例えば、通信用ランプ部75を点滅作動させることで、通信異常が発生していることを使用者に通知させることもできる。
【0043】
この警報装置1では、検知部3に加えて、設置環境検知部6が備えられているので、制御部9は、設置環境検知部6の検知情報に基づいて、装置本体2の設置箇所の周囲の広さや環境等を判別可能となっている。例えば、制御部9は、マイク部61にて検知する周囲音の大きさやLiDAR部62にて測定する対象物に対する距離等から、装置本体2の設置箇所の周囲の広さがどれくらいの広さであるかを判別することができる。また、制御部9は、照度感知センサ63の感知情報に基づいて、装置本体2の設置箇所の周囲が所定照度以上暗くなっているか否かを判別することもできる。
【0044】
警報装置1は、情報通信部5が備えられているので、異常状態を判定して警報する警報機能だけでなく、情報通信部5にて外部との間で情報通信を行いながら実行する各種の機能も追加されている。例えば、異常状態を判定してランプ部7や音声出力部4を用いて警報するだけでなく、制御部9は、情報通信部5にて使用者のスマートフォン等の端末装置との間で情報通信することで、使用者の端末装置に異常状態をメール等にて通知するメール通知機能を追加することができる。また、制御部9は、情報通信部5にて外部のサーバ装置等との間で情報通信することで、サーバ装置等から送信される音声データを音声出力部4にて音声出力する発話機能を追加することができる。更に、制御部9は、情報通信部5にて外部の監視装置等との間で情報通信することで、警報装置1の作動時間、作動状態、エラー情報等、警報装置1に関する情報を外部の監視装置等にて監視する遠隔監視機能等も追加することができる。
【0045】
警報装置1は、通常、図2に示すように、使用者の住宅等の屋内A1に設置することが想定されている。図2に示すものでは、屋内A1の壁A2に対して警報装置1が設置されている。しかしながら、近年のキャンプ人気により、図3に示すように、警報装置1をキャンプ場等の屋外B1にて使用するケースが増えている。図3に示すものでは、テントB2に対して吊り下げる状態で警報装置1が設置されている。そこで、この警報装置1は、図2に示す屋内A1にて使用する場合でも、図3に示す屋外B1で使用する場合でも、好適に使用することができる仕様となっている。
【0046】
そのために、制御部9は、図4に示すように、装置本体2を図2に示す屋内A1での使用に適した屋内用仕様に切り替える屋内用モードと、装置本体2を図3に示す屋外B1での使用に適した屋外用仕様に切り替える屋外用モードとを有している。
【0047】
屋内用モードと屋外用モードとのモード切替については、例えば、図1(A)に示すように、装置本体2の前面部21にモード切替スイッチ10が備えられている。使用者は、このモード切替スイッチ10を切替操作することで、屋内用モードと屋外用モードとに切り替えることができる。
【0048】
このように、屋内用モードと屋外用モードとのモード切替については、使用者の人為操作に基づいて切り替えることができるが、自動的に切り替えることもできる。例えば、装置本体2にGPS(Global Positioning System)が搭載されている場合には、そのGPSにて測位された装置本体2の設置箇所が屋内A1(図2参照)であるか屋外B1(図3参照)であるかによって、屋内用モードと屋外用モードとに自動的に切り替えることができる。また、図2に示すように、装置本体2を屋内A1の壁A2に設置する場合に、装置本体2側の磁石と壁A2側の磁石との吸引力を利用して設置していると、装置本体2側の磁石と壁A2側の磁石とが当接状態であると屋内用モードに切り替え、装置本体2側の磁石と壁A2側の磁石とが離間状態であると屋外用モードに切り替えることができる。更に、設置環境検知部6のLiDAR部62にて測定する対象物に対する距離や対象物の形状等から、装置本体2の設置箇所の周囲の容積等を求めて、屋内A1(図2参照)であるか屋外B1(図3参照)であるかを推定して、屋内用モードと屋外用モードとに自動的に切り替えることもできる。
【0049】
以下、屋内用モードでの装置本体2の屋内用仕様と屋外用モードでの装置本体2の屋外用仕様との夫々について説明する。
【0050】
(屋内用仕様)
図1に示すように、空気導入口34は、装置本体2の横側部に形成されており、検知部3にて検知対象を検知するために、空気導入口34を通して装置本体2の内部に空気を取り込んでいる。図5に示すように、装置本体2の内部には、空気導入口34を通して取り込む空気を検知部3に供給するための空気供給路35が備えられている。空気導入口34には、異物を除去するフィルタ101が設置可能に備えられている。
【0051】
フィルタ101は、常時、空気導入口34に対して設置されているわけでなく、図5(B)に示すように、フィルタ101を空気導入口34に対して設置する設置位置と、図5(A)に示すように、フィルタ101を空気導入口34から外れた非設置位置とに移動自在なフィルタ移動部102(図4参照、図5では図示省略)が備えられている。
【0052】
ちなみに、フィルタ移動部102は、例えば、駆動アクチュエータの駆動作動により、フィルタ101をスライド移動自在なスライド移動機構等により構成することができるが、設置位置(図5(B)参照)と非設置位置(図5(A)参照)とにフィルタ101を移動させることができる各種の移動機構を適用することができる。
【0053】
そこで、屋内用モードでの装置本体2の屋内用仕様では、制御部9が、図5(A)に示すように、フィルタ移動部102にてフィルタ101を非設置位置に移動させている。フィルタ101を非設置位置に移動させると、フィルタ101が空気供給路35に形成されたフィルタ収納空間36に収納された状態となり、空気導入口34を通して装置本体2の内部に取り入れる空気の流れ、及び、空気供給路35における空気の流れをフィルタ101が阻害するのを防止している。これにより、フィルタ101が抵抗とならずに、空気導入口34を通した装置本体2の内部への取り入れ、及び、空気供給路35による検知部3への空気の供給を効率よく行うことができる。
【0054】
警報装置1では、上述の如く、警報機能として、制御部9が、ガス漏れ検知センサ31やCO検知センサ32にて検出する検出対象ガスの濃度と設定値とを比較して、検出対象ガスの濃度が設定値以上であると、ガス漏れやCO濃度異常等のガス異常状態であると判定する判定処理を行っている。
【0055】
屋内用仕様では、判定処理において検出対象ガスの濃度と比較する設定値について、制御部9が、屋内A1(図2参照)での使用に適した屋内用設定値に設定している。この屋内用設定値は、例えば、屋内A1での設置箇所やその設置箇所の周囲の広さや環境を考慮したものとなっており、実験等により予め設定されている。
【0056】
音声出力部4にて音声出力する際の音量については、制御部9が、屋内A1(図2参照)での使用に適した屋内用設定音量に設定している。音声出力部4にて音声出力する出力方向については、音声出力部4が指向性を有するスピーカーであることから、例えば、装置本体2の後面部22側への音声出力を中止することで、装置本体2の前面部21側だけに音声出力することができる。
【0057】
ガス漏れ警報用ランプ部72やCO警報用ランプ部73等のランプ部7については、図6(B)に示すように、ランプ部7の光を光拡散部112(例えば、光拡散シート)にて拡散させて投光させる拡散状態と、図6(A)に示すように、ランプ部7の光を拡散させずにそのまま投光させる非拡散状態とに切替自在な光切替部116(図4参照、図6では図示省略)が備えられている。図6(A)の非拡散状態において、ランプ部7の光を拡散させずにそのまま投光させるために、例えば、ガラス体等の透過部111が備えられている。
【0058】
ちなみに、光切替部116は、例えば、駆動アクチュエータの駆動作動により、光拡散部112及び透過部111をスライド移動させるスライド移動機構等により構成することができるが、光拡散部112及び透過部111を移動させる各種の移動機構を適用することができる。
【0059】
図6に示すように、装置本体2の前面部21や後面部22には、装置本体2に備えられたランプ部7の光を外部に投光させるための投光開口部113が形成されている。ランプ部7の光が投光開口部113を通して装置本体2の前面部21側や後面部22側に投光されている。装置本体2には、透過部111を収納するための透過部収納空間114と、光拡散部112を収納するための光拡散部収納空間115とが形成されている。
【0060】
図6(A)に示すように、非拡散状態では、透過部111がランプ部7に対応する位置に配置され、光拡散部112が光拡散部収納空間115に収納されている。これにより、ランプ部7の光が拡散させずにそのまま透過部111を透過して投光開口部113を通して投光されている。
【0061】
それに対して、図6(B)に示すように、拡散状態では、光拡散部112がランプ部7に対応する位置に配置され、透過部111が透過部収納空間114に収納されている。これにより、ランプ部7の光が光拡散部112にて拡散されて投光開口部113を通して放射状に投光されている。
【0062】
そこで、屋内用モードでの装置本体2の屋内用仕様では、制御部9が、図6(A)に示すように、光切替部116を非拡散状態に切り替えている。制御部9は、光切替部116を非拡散状態に切り替えるだけでなく、図1(A)に示すように、装置本体2の前面部21に配設されたランプ部7のみを点灯作動又は点滅作動させるようにしている。これにより、使用者が存在しない装置本体2の後面部22側のランプ部7を無駄に点灯作動や点滅作動させないようにしている。
【0063】
情報通信部5については、外部との間で情報通信を行う際に、図4に示すように、制御部9が、情報通信部5を第1通信回線にて情報通信を行う第1通信状態に切り替えている。これにより、屋内用仕様では、インターネット等に接続された無線LANルータを介するWi-Fi等の無線LAN回線(第1通信回線)を有効に活用して、通信量等を気にすることなく、外部との情報通信を行いながら、装置本体2を使用することができる。よって、装置本体2は、警報機能だけでなく、メール通知機能、発話機能、遠隔監視機能等の外部との間での情報通信を行う機能も有効に活用することができる。
【0064】
(屋外用仕様)
上述の如く、空気導入口34に対して、図5(B)に示すように、フィルタ101を空気導入口34に対して設置する設置位置と、図5(A)に示すように、フィルタ101を空気導入口34から外れた非設置位置とに移動自在なフィルタ移動部102(図4参照、図5では図示省略)が備えられている。
【0065】
そこで、屋外用モードでの装置本体2の屋外用仕様では、制御部9が、図5(B)に示すように、フィルタ移動部102にてフィルタ101を設置位置に移動させている。これにより、空気に含まれる塵埃等の異物をフィルタ101にて除去することができ、空気導入口34を通して装置本体2の内部に取り込む空気に塵埃等の異物が含まれていることを防止している。よって、装置本体2を屋外B1(図3参照)にて使用する場合に、塵埃等の異物が検知部3に到達して、例えば、検知部3にて検知対象を適切に検知できなくなるのを防止することができる。
【0066】
屋外用仕様では、判定処理において検出対象ガスの濃度と比較する設定値について、制御部9が、屋外B1(図3参照)での使用に適した屋外用設定値に設定している。この屋外用設定値は、制御部9が、装置本体2の設置箇所の周囲の広さに応じて変更設定可能となっている。例えば、制御部9は、マイク部61にて検知する周囲音の大きさやLiDAR部62にて測定する対象物に対する距離等から、装置本体2の設置箇所の周囲の広さがどれくらいの広さであるかを判別することができるので、装置本体2の設置箇所の周囲の広さが狭いほど屋外用設定値を小さくする形態で、屋外用設定値を変更設定している。
【0067】
音声出力部4にて音声出力する際の音量については、制御部9が、屋内用仕様の屋内用設定音量に対して、音量を大きくした屋外用設定音量に設定している。音声出力部4にて音声出力する出力方向については、音声出力部4が指向性スピーカーにて構成されているので、例えば、音声出力部4の姿勢等を変更させることで、音声出力する出力方向を変更することができる。よって、設置環境検知部6のマイク部61にて検知した周囲音やLiDAR部62にて測定した対象物の距離や形状等から人の存在位置が推定できる場合には、音声出力部4の指向性の向きが人が存在する側となるように、制御部9が、音声出力部4の姿勢等を調整することができる。
【0068】
ガス漏れ警報用ランプ部72やCO警報用ランプ部73等のランプ部7については、上述の如く、図6(B)に示すように、ランプ部7の光を光拡散部112にて拡散させて投光させる拡散状態と、図6(A)に示すように、ランプ部7の光を拡散させずにそのまま投光させる非拡散状態とに切替自在な光切替部116(図4参照、図6では図示省略)が備えられている。
【0069】
そこで、屋外用モードでの装置本体2の屋外用仕様では、制御部9が、図6(B)に示すように、光切替部116を拡散状態に切り替えている。制御部9は、光切替部116を拡散状態に切り替えるだけでなく、図1(A)及び図1(B)に示すように、装置本体2の前面部21と後面部22との両側に配設されたランプ部7を点灯作動又は点滅作動させるようにしている。これにより、装置本体2の前面部21だけでなく、後面部22に配設されたランプ部7も点灯作動又は点滅作動させることで、装置本体2の前面部21側に使用者が存在するときでも、装置本体2の後面部22側に使用者が存在するときでも、ランプ部7が点灯や点滅していることを使用者が認識し易くなる。しかも、光切替部116を拡散状態に切り替えているので、ランプ部7の光を広範囲に亘って行き渡らせることができ、ランプ部7が点灯や点滅していることを使用者が容易に認識することができる。
【0070】
屋外用仕様では、屋外B1(図3参照)に装置本体2を設置するので、屋外B1が暗くなると、各種の作業等を行うために明かりが必要となる。そこで、図1に示すように、装置本体2には、屋外用ランプ部8が備えられている。屋外用ランプ部8は、例えば、ランプ部7とは異なる位置で、装置本体2の横側部に配設されている。
【0071】
屋外用仕様では、設置環境検知部6の照度感知センサ63にて装置本体2の設置箇所の周囲の照度を検知できる。そこで、照度感知センサ63の検知情報による装置本体2の設置箇所の周囲の照度が所定照度よりも暗くて、装置本体2の設置箇所の周囲が暗い場合に、制御部9が、屋外用ランプ部8を点灯作動させて、屋外用ランプ部8を常夜灯として利用している。ちなみに、屋内用仕様では、制御部9が、屋外用ランプ部8を点灯作動させることを禁止しており、誤って屋外用ランプ部8が点灯されることを防止している。
【0072】
情報通信部5については、外部との間で情報通信を行う際に、図4に示すように、制御部9が、情報通信部5を第2通信回線にて情報通信を行う第2通信状態に切り替えている。これにより、屋外用仕様でも、無線LAN回線(第1通信回線)よりも通信の信頼性の高いLTE回線(第2通信回線)を用いて、外部との情報通信を行いながら、装置本体2を使用することができる。
【0073】
屋内用仕様では、装置本体2は、警報機能だけでなく、メール通知機能、発話機能、遠隔監視機能等の外部との間での情報通信を行う機能も有効に活用している。それに対して、屋外用仕様では、制御部9が、外部との間で情報通信を行う通信量を小さくする形態で外部との間で情報通信を行う機能を制限している。例えば、メール通知機能のみを活用して、発話機能及び遠隔監視機能等の機能を活用禁止とすることで、外部との間で情報通信を行う通信量を小さくする形態で外部との間で情報通信を行う機能を制限している。これにより、屋外用仕様では、通信量を小さく抑えることができるので、例えば、LPWAを用いた無線通信を行うことも可能となる。
【0074】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0075】
(1)上記実施形態において、装置本体2を矩形状に形成しているが、装置本体2をどのような形状とするかは適宜変更が可能である。
【0076】
(2)上記実施形態では、装置本体2には、情報通信部5や屋外用ランプ部8等が備えられているが、これらを省略して実施することもできる。
【符号の説明】
【0077】
1 警報装置
2 装置本体
3 検知部
5 情報通信部
8 屋外用ランプ部
9 制御部
21 前面部
22 後面部
31 ガス漏れ検知センサ(ガス検知部)
32 CO検知センサ(ガス検知部)
34 空気導入口
51 第1通信部
52 第2通信部
72 ガス漏れ警報用ランプ部(警報用ランプ部)
73 CO警報用ランプ部(警報用ランプ部)
74 火災警報ランプ部(警報用ランプ部)
101 フィルタ
102 フィルタ移動部
112 光拡散部
116 光切替部
A1 屋内
B1 屋外
図1
図2
図3
図4
図5
図6