(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140259
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ソースドライバ、表示装置及び階調電圧生成回路
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20241003BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 641C
G09G3/20 641Q
G09G3/20 612F
G09G3/20 642P
G09G3/20 621A
G09G3/20 612T
G09G3/20 623N
G09G3/20 670E
G09G3/20 623R
G09G3/20 631U
G09G3/20 623F
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051313
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳川 賢二
【テーマコード(参考)】
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
5C006AA16
5C006AA22
5C006AF13
5C006AF46
5C006AF51
5C006AF52
5C006AF53
5C006AF54
5C006AF62
5C006AF64
5C006AF65
5C006AF68
5C006AF73
5C006AF81
5C006AF83
5C006BB16
5C006BC03
5C006BC12
5C006BF04
5C006BF14
5C006BF15
5C006BF24
5C006BF25
5C006BF28
5C006BF37
5C006BF43
5C006EB01
5C006EC09
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD09
5C080DD15
5C080DD20
5C080EE29
5C080FF03
5C080FF11
5C080GG12
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ05
5C080JJ07
5C080KK20
(57)【要約】
【課題】自階調電圧生成回路からの出力電圧をモニタし、自回路の故障検出を行う機能を備えたソースドライバを提供する。
【解決手段】複数の表示セルを有する表示デバイスに、映像信号にて示される表示セル毎の輝度レベルに対応した階調電圧を供給するソースドライバは、階調電圧を生成するためのガンマ曲線特性に沿って分圧された基準電圧をそれぞれ出力する複数の出力端子を有する抵抗分圧回路を有するガンマ電圧生成回路と、複数の出力端子のうちの一対の間の電位差を測定してガンマ曲線特性に基づく基準電圧群に対応するか否かを判定する階調電圧判定回路と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示セルを有する表示デバイスに、映像信号にて示される前記表示セル毎の輝度レベルに対応した階調電圧を供給するソースドライバであって、
前記階調電圧を生成するためのガンマ曲線特性に沿って分圧された基準電圧をそれぞれ出力する複数の出力端子を有する抵抗分圧回路を有するガンマ電圧生成回路と、
前記複数の出力端子のうちの一対の間の電位差を測定して前記ガンマ曲線特性に基づく基準電圧群に対応するか否かを判定する階調電圧判定回路と、
を有することを特徴とするソースドライバ。
【請求項2】
前記階調電圧判定回路は、
前記映像信号におけるブランク期間中に前記複数の出力端子のうちの前記一対の間の前記電位差の測定を制御するためタイミング信号を生成するタイミング制御回路と、
前記タイミング信号に基づいて前記抵抗分圧回路の前記複数の出力端子のうちの前記一対を選択する選択回路と、
選択された前記複数の出力端子のうちの前記一対の間の前記電位差を検出する検出回路と、
検出された前記電位差をAD変換して測定値を生成する信号変換回路と、
前記測定値に基づいて前記ガンマ電圧生成回路の故障を検出する故障検出回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項3】
前記ガンマ曲線特性の期待電圧値を記憶する記憶装置を更に有し、
前記故障検出回路は、前記期待電圧値と前記測定値を比較して前記ガンマ電圧生成回路の故障を検出することを特徴とする請求項2に記載のソースドライバ。
【請求項4】
前記抵抗分圧回路は前記ガンマ曲線特性を調整するガンマ特性調整回路を有し、
前記故障検出回路は、前記期待電圧値と前記測定値の差分に基づく補正信号を生成して、当該補正信号を前記ガンマ特性調整回路に供給する補正信号生成回路を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のソースドライバ。
【請求項5】
センサ出力検出回路と、前記階調電圧判定回路の前記信号変換回路を切替て前記センサ出力検出回路と共用するための切替制御回路とを更に有し、
前記切替制御回路は前記映像信号におけるブランク期間中に時分割切替制御することを特徴とする請求項4に記載のソースドライバ。
【請求項6】
複数の表示セルを有する表示デバイスと、映像信号にて示される前記表示セル毎の輝度レベルに対応した階調電圧を供給するソースドライバとを有する表示装置であって、
前記ソースドライバは、
前記階調電圧を生成するためのガンマ曲線特性に沿って分圧された基準電圧をそれぞれ出力する複数の出力端子を有する抵抗分圧回路を有するガンマ電圧生成回路と、
前記複数の出力端子のうちの一対の間の電位差を測定して前記ガンマ曲線特性に基づく基準電圧群に対応するか否かを判定する階調電圧判定回路と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記階調電圧判定回路は、
前記映像信号におけるブランク期間中に前記複数の出力端子のうちの前記一対の間の前記電位差の測定を制御するためタイミング信号を生成するタイミング制御回路と、
前記タイミング信号に基づいて前記抵抗分圧回路の前記複数の出力端子のうちの前記一対を選択する選択回路と、
選択された前記複数の出力端子のうちの前記一対の間の前記電位差を検出する検出回路と、
検出された前記電位差をAD変換して測定値を生成する信号変換回路と、
前記測定値に基づいて前記ガンマ電圧生成回路の故障を検出する故障検出回路と、
を有することを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ガンマ曲線特性の期待電圧値を記憶する記憶装置を更に有し、
前記故障検出回路は、前記期待電圧値と前記測定値を比較して前記ガンマ電圧生成回路の故障を検出することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記抵抗分圧回路は前記ガンマ曲線特性を調整するガンマ特性調整回路を有し、
前記故障検出回路は、前記期待電圧値と前記測定値の差分に基づく補正信号を生成して、当該補正信号を前記ガンマ特性調整回路に供給する補正信号生成回路を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
センサ出力検出回路と、前記階調電圧判定回路の前記信号変換回路を切替て前記センサ出力検出回路と共用するための切替制御回路とを更に有し、
前記切替制御回路は前記映像信号におけるブランク期間中に時分割切替制御することを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
映像信号にて示される表示セル毎の輝度レベルに対応した階調電圧を複数生成する階調電圧生成回路であって、
前記階調電圧を生成するためのガンマ曲線特性に沿って分圧された基準電圧をそれぞれ出力する複数の出力端子を有する抵抗分圧回路を有するガンマ電圧生成回路と、
前記複数の出力端子のうちの一対の間の電位差を測定して前記ガンマ曲線特性に基づく基準電圧群に対応するか否かを判定する階調電圧判定回路と、
を有し、
前記階調電圧判定回路は、
前記映像信号におけるブランク期間中に前記複数の出力端子のうちの前記一対の間の前記電位差の測定を制御するためタイミング信号を生成するタイミング制御回路と、
前記タイミング信号に基づいて前記抵抗分圧回路の前記複数の出力端子のうちの前記一対を選択する選択回路と、
選択された前記複数の出力端子のうちの前記一対の間の前記電位差を検出する検出回路と、
検出された前記電位差をAD変換して測定値を生成する信号変換回路と、
前記測定値に基づいて前記ガンマ電圧生成回路の故障を検出する故障検出回路と、
を有することを特徴とする階調電圧生成回路。
【請求項12】
前記ガンマ曲線特性の期待電圧値を記憶する記憶装置を更に有し、
前記故障検出回路は、前記期待電圧値と前記測定値を比較して前記ガンマ電圧生成回路の故障を検出することを特徴とする請求項11に記載の階調電圧生成回路。
【請求項13】
前記抵抗分圧回路は前記ガンマ曲線特性を調整するガンマ特性調整回路を有し、
前記故障検出回路は、前記期待電圧値と前記測定値の差分に基づく補正信号を生成して、当該補正信号を前記ガンマ特性調整回路に供給する補正信号生成回路を有する
ことを特徴とする請求項12に記載の階調電圧生成回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソースドライバ、表示装置及び階調電圧生成回路に関する。
【背景技術】
【0002】
車載向け商品は、機能安全要求等、安全に対する要求が高まっており、様々な故障検出機能を実装されている。ソースドライバ等の信号ドライバを用いた液晶パネル等の平面型表示デバイスが自動車内部に広範囲で搭載されている。自動車のミラーが液晶パネルによって構成される場合等、表示デバイスの機能不全が自動車の搭乗者の生命にも影響する。このために、ソースドライバ等の表示装置構成部品に高い信頼性が必要となってきている。ソースドライバのソースアンプからの出力電圧を生成するための階調電圧生成回路は、画像表示特性に関わる重要な回路の一つである。
【0003】
特許文献1は、複数のLCDドライバICが設けられたドライバによって表示セルが駆動される液晶表示装置における階調電圧発生回路を含むソースドライバを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたソースドライバにおいては、ソースアンプからの出力電圧を生成するための階調電圧発生回路において故障検出或いは経時による特性変動をモニタする機能は実装されていない。近年、このような階調電圧生成回路における故障検出、或いは経時による特性変動をモニタ機能が市場で望まれている。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、自階調電圧生成回路からの出力電圧をモニタし、自回路の故障検出を行う機能を備えたソースドライバ、表示装置及び階調電圧生成回路を提供することを目的の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のソースドライバは、複数の表示セルを有する表示デバイスに、映像信号にて示される前記表示セル毎の輝度レベルに対応した階調電圧を供給するソースドライバであって、
前記階調電圧を生成するためのガンマ曲線特性に沿って分圧された基準電圧をそれぞれ出力する複数の出力端子を有する抵抗分圧回路を有するガンマ電圧生成回路と、
前記複数の出力端子のうちの一対の間の電位差を測定して前記ガンマ曲線特性に基づく基準電圧群に対応するか否かを判定する階調電圧判定回路と、
を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の表示装置は、複数の表示セルを有する表示デバイスと、映像信号にて示される前記表示セル毎の輝度レベルに対応した階調電圧を供給するソースドライバとを有する表示装置であって、
前記ソースドライバは、
前記階調電圧を生成するためのガンマ曲線特性に沿って分圧された基準電圧をそれぞれ出力する複数の出力端子を有する抵抗分圧回路を有するガンマ電圧生成回路と、
前記複数の出力端子のうちの一対の間の電位差を測定して前記ガンマ曲線特性に基づく基準電圧群に対応するか否かを判定する階調電圧判定回路と、
を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の階調電圧生成回路は、映像信号にて示される表示セル毎の輝度レベルに対応した階調電圧を複数生成する階調電圧生成回路であって、
前記階調電圧を生成するためのガンマ曲線特性に沿って分圧された基準電圧をそれぞれ出力する複数の出力端子を有する抵抗分圧回路を有するガンマ電圧生成回路と、
前記複数の出力端子のうちの一対の間の電位差を測定して前記ガンマ曲線特性に基づく基準電圧群に対応するか否かを判定する階調電圧判定回路と、
を有し、
前記階調電圧判定回路は、
前記映像信号におけるブランク期間中に前記複数の出力端子のうちの前記一対の間の前記電位差の測定を制御するためタイミング信号を生成するタイミング制御回路と、
前記タイミング信号に基づいて前記抵抗分圧回路の前記複数の出力端子のうちの前記一対を選択する選択回路と、
選択された前記複数の出力端子のうちの前記一対の間の前記電位差を検出する検出回路と、
検出された前記電位差をAD変換して測定値を生成する信号変換回路と、
前記測定値に基づいて前記ガンマ電圧生成回路の故障を検出する故障検出回路と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、階調電圧生成回路における故障検出或いは経時による特性変動をモニタできる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施例の表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施例の表示装置の表示パネルの複数の表示セルの内の1つの表示セルの構造を概略的に表す図である。
【
図3】第1の実施例の表示装置のソースドライバ内部の構成の一部を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施例のソースドライバにおける階調電圧生成回路の内部構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】第1の実施例のソースドライバにおける階調電圧生成回路で用いられるガンマ曲線特性の期待電圧値の基準電圧群(ガンマ電圧)と複数の出力タップの関係の一例を示すグラフである。
【
図6】第2の実施例の階調電圧生成回路の回路構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】第2の実施例の階調電圧生成回路による階調電圧判定動作のフローチャートである。
【
図8】第2の実施例の階調電圧生成回路による階調電圧判定動作に関するスイッチングタイミングを表すタイミングチャートである。
【
図9】第3の実施例の階調電圧生成回路の回路構成を示すブロック図である。
【
図10】第4の実施例のソースドライバにおける階調電圧生成回路の、ガンマ電圧生成回路とタイミング制御回路と選択回路の配線を省略している回路構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例の表示装置について説明する。なお、実施例において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
(第1の実施例)
図1は、本実施例の表示装置10の構成を示すブロック図である。表示装置10は、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置である。表示装置10は、表示コントローラ100、ゲートドライバ110、ソースドライバ120-1~120-p、及び表示パネル150(表示デバイス)を含む。なお、ソースドライバ120-1~120-pのうちの1つを単にソースドライバ120とも、称する。
【0014】
表示パネル150は、その基板主面に2次元画面の水平方向に伸張するゲート線GL1~GLn(nは2以上の整数)と、2次元画面の垂直方向に伸張するソース線DL1~DLm(mは2以上の整数)とが交叉して配置されて構成される。ソースドライバ120-1~120-pは、それぞれ所定のソース線数毎に設けられており、p個(pは1より大の整数)のソースドライバ全体で表示パネル150のソース線DL1~DLmを駆動する。ゲートドライバ110は、ゲート線GL1~GLnを駆動する。なお、ゲート線GL1~GLnのうちの1つを単にゲート線GLとも、また、ソース線DL1~DLmうちの1つを単にソース線DLとも、称する。
【0015】
表示パネル150において、複数の表示セルP11~Pnmは、それぞれゲート線GL1~GLn及びソース線DL1~DLmの交差部に設けられマトリクス状に配置されている。
【0016】
図2は、表示装置10の表示パネル150の複数の表示セルP11~Pnmの内の1つの表示セルPの構造を概略的に表す図である。表示セルPは、互いに積層されている表示セル電極EC1、液晶層EC2及び対向基板電極EC3と、オンオフスイッチの表示セルスイッチTRとしての例えばnMOSトランジスタと、を含む。なお、それぞれが画素の一部となる表示セルP11~Pnmのうちの1つを、代表して表示セルPとも称する。1つの画素を構成するためには少なくとも赤色、緑色及び青色の表示セルが必要であるが、
図1及び
図2においては、それらの代表の表示セルのみを表している。
【0017】
図2に示す表示セル電極EC1は、表示セルP11~Pnm毎に独立して設けられた透明電極である。対向基板電極EC3は、表示パネル150の全面に亘る単一の透明電極である。表示セルスイッチTRの制御端子(ゲート)はゲート線GLに接続されており、そのソース端子はソース線DLに接続されている。更に、表示セルスイッチTRのドレイン端子は表示セル電極EC1に接続されている。対向基板電極EC3には共通電圧としての対向基板電圧が印加されている。ソース線DLから表示セルP11~Pnmに印加された駆動用の階調電圧信号(階調電圧)と対向基板電圧との電位差に応じて液晶の透過率が変化することにより、表示装置内部のバックライト光が表示セルから放射される。
【0018】
図1に示す複数の表示セルP11~Pnmの各々の各表示セルスイッチTR(
図2、参照)は、ゲートドライバ110から供給されるゲート信号Vg1~Vgnに応じてオン又はオフに制御される。
【0019】
表示セルP11~Pnmは、ソースドライバ120から映像データに対応した表示セル駆動電圧(階調電圧)の供給を受ける。具体的には、ソースドライバ120から駆動電圧信号Dv1~Dvmがソース線DL1~DLmに出力され、表示セルP11~Pnmの表示セルスイッチTR(
図2、参照)がそれぞれオンのときに、駆動電圧信号Dv1~Dvmが表示セルP11~Pnmに印加される。これにより、表示セルP11~Pnmの各々の表示セルが充電されて、その輝度が制御される。
【0020】
図1に示す表示コントローラ100は、受信した映像信号VSから、赤、緑及び青色の表示セル毎にその輝度レベルを表す映像データ片の系列、同期信号(水平、垂直)、クロック信号、極性反転信号及びガンマ設定信号GDSを抽出して、極性反転信号を含むシリアル信号である映像データ信号VDSを生成し、当該ガンマ設定信号GDSと映像データ信号VDSをソースドライバ120-1~120-pに供給する。
【0021】
また、表示コントローラ100は、抽出した同期信号に基づいて、映像データ信号VDS(映像信号)の1フレーム毎のタイミングを示すフレーム同期信号FSを生成し、ソースドライバ120に供給する。
【0022】
表示コントローラ100は、抽出した同期信号に応じて、表示パネル150のゲート線GL1~GLnの各々を選択するタイミングを示すゲート制御信号GSを生成し、当該ゲート制御信号GSをゲートドライバ110に供給する。
【0023】
ゲートドライバ110は、表示コントローラ100からゲート制御信号GSの供給を受け、ゲート制御信号GSに含まれるクロックタイミングに基づいて、ゲート信号Vg1~Vgnを順次ゲート線GL1~GLnに供給する。ゲート信号Vg1~Vgnの供給により、表示セル行毎に表示セルP11~Pnmが選択される。そして、選択された表示セルに対して、ソースドライバ120から駆動電圧信号Dv1~Dvmが印加されることにより、複数の表示セルP11~Pnmの表示セル電極への階調電圧(駆動電圧)の書き込みが行われる。
【0024】
このように、本実施例では、各々がm個(m出力チャネル)の表示セルデータ片からなるn個の表示セルデータ片群がシリアルに連続することにより、1フレーム分の映像データ信号VDSが構成されている。n個の表示セルデータ片群の各々は、それぞれ1水平走査ライン(すなわち、ゲート線GL1~GLnの各々)上の表示セルを供給対象とする階調電圧に対応する表示セルデータ片からなる表示セルデータ片群である。ソースドライバ120の動作により、m×n個の表示セルデータ片に基づいて、n×m個の表示セル(すなわち、表示セルP11~Pnm)を供給対象とする駆動電圧信号Dv1~Dvmがソース線DL1~DLmを介して印加される。
【0025】
ゲートドライバ110の動作により、ゲート線の伸長方向に沿って(すなわち、横一列に)配置されたm個の表示セルが、駆動電圧信号Dv1~Dvmの供給対象として選択される。ソースドライバ120は、選択された横一列の表示セルに対して駆動電圧信号Dv1~Dvmを印加し、電圧に応じた輝度で表示させる。駆動電圧信号Dv1~Dvmの供給対象として選択される横一列分の表示セルを選択的に切り替えながら、ソース線の伸長方向(すなわち、縦方向)に繰り返すことにより、1フレーム分の画面表示が行われる。
【0026】
ソースドライバ120は、表示コントローラ100から映像データ信号VDSの供給を受け、映像データ信号VDSに示される階調数に応じた多値レベルの階調電圧(駆動電圧信号)Dv1~Dvmを生成し、ソース線DL1~DLmを介して表示セルP11~Pnmに印加する。なお、ここでの説明では、駆動電圧信号Dv1~Dvmを階調電圧信号Dv1~Dvmとも称する。また、階調電圧信号Dv1~Dvmのうちの1つを単に階調電圧信号Dvとも称する。
【0027】
ソースドライバ120の各々には端子T1、T2が設けられ、基準電圧源(図示せず)から、それぞれ端子T1、T2を介して、階調電圧(駆動電圧信号)Dv1~Dvmを生成するために用いる高い第1基準電圧VHと、第1基準電圧VHよりも低い電位の第2基準電圧VLとが供給される。
【0028】
図3は、ソースドライバ120の内部構成の一部を示すブロック図である。ソースドライバ120は、データラッチ部121、階調電圧変換部122、出力部123及び階調電圧生成回路GMAを有する。
【0029】
データラッチ部121は、表示コントローラ100から供給された映像データ信号VDSに含まれる表示セルデータ片の系列を順次取り込む。そして、データラッチ部121は、jチャネル(j<m、j×p=m)分の表示セルデータ片の取り込みに応じて、取り込んだ表示セルデータ片を表示セルデータQ1~Qjとして階調電圧変換部122に出力する。
【0030】
階調電圧変換部122は、デコーダDEC1~DECjにより、データラッチ部121から供給された表示セルデータQ1~Qjに基づき、供給される基準階調電圧(後述)を利用して、表示セルデータによって表される輝度階調に対応した電圧値を有する階調電圧A1~Ajに変換し、それらを出力部123に出力する。
【0031】
出力部123は、階調電圧A1~Ajに対応する駆動用ソースアンプSAP1~SAPjにより、階調電圧A1~Ajを増幅した駆動用の階調電圧信号Dv1~Dvjを生成し、それらを表示パネル150のソース線DL1~DLjに出力する。
【0032】
階調電圧生成回路GMAは、表示コントローラ100から取得したガンマ設定信号GDSに基づき不揮発メモリ(図示せず)に書き込まれた設定値である表示パネル150のガンマ曲線特性に沿った複数のガンマ電圧(基準階調電圧)として、表示パネル150で表示可能な輝度レベル、例えば、N階で表す基準階調電圧V1~VNを生成し、これらを階調電圧変換部122に含まれるデコーダDEC1~DECjの各々に供給する。
【0033】
図4は、表示パネル150のソース線に、映像信号にて示される表示セルP毎の輝度レベルに対応した階調電圧(駆動電圧信号)を供給するソースドライバ120における階調電圧生成回路GMAの内部構成を示す概略ブロック図である。
【0034】
階調電圧生成回路GMAは、階調電圧を生成するためのガンマ曲線特性に沿って分圧された基準階調電圧をそれぞれ出力する複数の出力端子b1~bNを有する抵抗分圧回路(例えば第2の実施例に示す第2のラダー抵抗LD2)を有するガンマ電圧生成回路GVDと、当該出力端子のうちの一対の間の電位差を順次測定してガンマ曲線特性に基づく基準電圧群(ガンマ電圧)に対応するか否かを判定する階調電圧判定回路JGCと、を有する。
【0035】
階調電圧判定回路JGCは、複数の出力端子b1~bN(出力タップ)のうちの一対の間の電位差の順次測定を制御するためタイミング信号を生成するタイミング制御回路TMと、タイミング信号に基づいて上記の複数の出力端子b1~bNのうちの一対を、一対毎順次、選択する選択回路SLと、選択された複数の出力端子b1~bNのうちの一対の間の電位差を検出する検出回路DTと、検出された電位差を増幅してAD変換して測定値を生成する信号変換回路SCと、測定値に基づいてガンマ電圧生成回路GVDの故障を検出する故障検出回路FTと、を有する。タイミング制御回路TMは、選択回路SLだけでなく、検出回路DT及び信号変換回路SCの起動タイミングも制御する。
【0036】
階調電圧判定回路JGCは、ガンマ曲線特性の期待電圧値を記憶する不揮発性メモリ、レジスタ等の記憶装置MMも有する。記憶装置MMには、表示コントローラ100から取得したガンマ設定信号GDSに基づき書き込まれた設定値も格納することができる。
【0037】
図5は、 第1の実施例のソースドライバにおける階調電圧生成回路で用いられるガンマ曲線特性の期待電圧値の基準電圧群(ガンマ電圧)と複数の出力タップの関係の一例を示すグラフである。
図5に示すように、画像の階調データ(表示データ)はガンマ曲線特性で表わされる。ガンマ曲線特性は、階調電圧判定回路JGCの複数の出力端子b1~bN(出力タップ)に対応する出力電圧(ガンマ電圧)として表される。当該ガンマ曲線特性に基づく電圧値は、ガンマ期待電圧値データとして記憶装置MMに格納することができる。
【0038】
故障検出回路FTは、記憶装置MMに記憶されたガンマ期待電圧値データと信号変換回路SCの測定値を比較してガンマ電圧生成回路GVDの故障を検出する。
【0039】
このように、本実施例によれば、ガンマ電圧生成回路GVDの出力アンプAP1~APNの出力端子b1~bNの一対を、例えば第2の実施例と同様に、スイッチ操作にて選択し、電位差を検出回路DTで検出して、検出回路DTで検出した電位差を信号変換回路SCでデジタル値へ変換し、記憶装置MMに書き込し、そして、記憶装置MMに保存されたガンマ期待電圧値データから算出した値と測定値を比較し、或いは記憶装置MMに書き込まれた設定値と測定値を比較し、異常を検出する。この構成により、電位差測定のため、入力レンジを小さくすることができ、信号変換回路SCを低電圧素子で構成できる。更に、電位測定は、表示装置のブランク期間中に実施するため通常表示動作へ影響しない効果と、非測定期間は回路を停止することで信号変換回路SCの劣化を防ぐ効果が得られる。
【0040】
このように、本実施例では、ガンマ電圧生成回路GVDの出力アンプの出力端子b1~bNのうちの一対の間の電位差を順次測定することと、測定電圧を増幅/信号変換回路(信号変換回路SC)を介してデジタル値へ変換することと、記憶装置MMに記憶された値と上記の測定値を比較して故障検出を行うこと、を特徴とする。
【0041】
(第2の実施例)
図6は、階調電圧生成回路GMAの回路構成の一例(第2の実施例)を示すブロック図である。第2の実施例は、階調電圧生成回路GMAの回路構成を
図6に示すようにした以外、上記実施例1と同一である。
【0042】
(ガンマ電圧生成回路GVD)
図6に示すようにガンマ電圧生成回路GVDは、入力用のバッファアンプとしての入力アンプiAP1及び入力アンプiAP2、第1のラダー抵抗LD1(抵抗分圧回路)、ガンマ特性調整回路SX、第2のラダー抵抗LD2(抵抗分圧回路)、出力用のバッファアンプとしての出力アンプAP1~APNを含む。
【0043】
図6に示す入力アンプiAP1、入力アンプiAP2、出力アンプAP1~APNの各々は、自身の反転入力端子と出力端子とが接続されているボルテージフォロワのオペアンプである。
【0044】
入力アンプiAP1は、ソースドライバ120の端子T1で受けた高い第1基準電圧VHを自身の非反転入力端子で受け、当該第1基準電圧を増幅した電位を第1電位として自身の出力端子から出力し、これをラインL1に印加する。
【0045】
入力アンプiAP2は、ソースドライバ120の端子T2で受けた低い電位の第2基準電圧VLを自身の非反転入力端子で受け、当該基準電圧VLを増幅した電位を第2電位として自身の出力端子から出力し、これをラインL2に印加する。
【0046】
第1のラダー抵抗LD1は、直列に接続された例えば抵抗R1~R255を含むラダー抵抗回路であり、これら抵抗R1~R255における隣接抵抗同士の接続点であるラダータップa1~a255がガンマ特性調整回路SXに接続されている。第1のラダー抵抗LD1の一端(ラダータップa1)となっている抵抗R1の一端がラインL1に接続されており、第1のラダー抵抗LD1の他端(ラダータップa255)となっている抵抗R255の一端がラインL2に接続されている。
【0047】
かかる構成により、第1のラダー抵抗LD1は、ラインL1、L2間の電圧を分圧し、抵抗R1~R255のラダータップa1~a255から、互いに電圧値が異なる256個の電圧を参照電圧RF0~RF255として出力し、各々をガンマ特性調整回路SXに供給する。
【0048】
ガンマ特性調整回路SXは、参照電圧RF0~RF255のうちから、表示コントローラ100から供給されたガンマ設定信号GDSによって設定されるガンマ曲線特性に沿った、互いに異なる電圧値を有するN個(所定数)の参照電圧を選出する。なお、ガンマ曲線特性はRGB(赤色、緑色、青色)毎に異なる。Nは2以上の正の整数である。そして、ガンマ特性調整回路SXは、この選択したN個の参照電圧をガンマ電圧F1~FNとして、それぞれを出力アンプAP1~APNの非反転入力端子に供給する。
【0049】
出力アンプAP1~APNは、各々の非反転入力端子で受けたガンマ電圧F1~FNを個別に増幅した電位を自身の出力端子から出力する。出力アンプAP1~APNはボルテージフォロワのオペアンプであるので、自身の出力端子からの出力電位はガンマ電圧F1~FNに各々等しい。
【0050】
第2のラダー抵抗LD2は、出力アンプAP1の出力端子に接続されている抵抗Rx1、及び出力アンプAPNの出力端子に接続されている抵抗RxNを含むN個以上の抵抗が直列接続された抵抗Rx1~RxNを有する。
【0051】
第2のラダー抵抗LD2は、出力アンプAP1の出力端子と出力アンプAPNの出力端子との間の電圧を、N個以上の抵抗で分圧することで、抵抗Rx1~RxN各々の一端から、互いに電圧値が異なるN個の電圧を基準階調電圧V1~VN(ガンマ電圧F1~FN)及びN個以上の基準階調電圧として出力する。
【0052】
かかる構成により、第2のラダー抵抗LD2は、出力アンプAP1の出力端子(出力タップb1)及び出力アンプAPNの出力端子(出力タップbN)の間の隣接する出力タップ間の電圧を分圧し、抵抗Rx1~RxNの出力タップb1~bNから、互いに電圧値が異なるN個の基準階調電圧V1~VN(ガンマ電圧F1~FN)及びN個以上の基準階調電圧を出力し、各々を階調電圧変換部122に供給する。
【0053】
つまり、出力アンプAP1~APN及び第2のラダー抵抗LD2により、所望のガンマ曲線特性に沿ってN階調の輝度レベルを表す基準階調電圧V1~VN(ガンマ電圧F1~FN)及びN個以上の基準階調電圧が階調電圧変換部122に対して出力される。
【0054】
次に、
図6に示す階調電圧判定回路JGCを説明する。
【0055】
(検出回路DT)
検出回路DTは、高電位を取得する入力ラインLHと低電位を取得する入力ラインLLと、入力ラインLH及びLLに接続された計測用容量C1と、タイミング制御回路TMからの制御信号SWGaC及びSWGbCに応じて計測用容量C1を放電・充電する切替スイッチSWGa及びSWGbと、タイミング制御回路TMからの制御信号SWC1Cに応じて検出回路DTの起動させる入力ラインLHの開閉スイッチSWC1とを備える。入力ラインLHは信号変換回路SCに接続される。
【0056】
計測用容量C1は、切替スイッチSWGa及びSWGbのオンで放電され、同オフで充電可能状態となる。検出回路DTは、開閉スイッチSWC1のオンで起動状態となり、信号変換回路SCに電位を供給する。
【0057】
(信号変換回路SC)
検出回路DTは、入力ラインLH及び参照電源Vrefが入力側に接続される計測用アンプKAPと、計測用アンプKAPの出入力側に共に並列に接続される開閉スイッチSWC2及び高周波ノイズの除去用の容量C2と、出力側に出力電圧変動を抑えるための接地容量Coutと、接地容量Coutの後のA/D変換回路ADCと、を備える。信号変換回路SCは、タイミング制御回路TMからの制御信号SWC2Cに応じて開閉スイッチSWC2のオンとなるとき停止状態となり、開閉スイッチSWC2のオフ状態でA/D変換回路ADCを働かせて故障検出回路FTに出力値(測定値)を供給する。
【0058】
(故障検出回路FT)
故障検出回路FTは、A/D変換回路ADCと記憶装置MMに接続され、記憶装置MMで保持された比較用元データとA/D変換回路ADCの出力値(測定値)を比較して、ガンマ電圧生成回路GVDの故障、異常を検出する。
【0059】
(選択回路SL及びタイミング制御回路TM)
選択回路SLは、検出回路DTのスイッチ群SWC1、SWGa、SWGbと、信号変換回路SCのスイッチSWC2と、ガンマ電圧生成回路GVDの出力アンプAP1~APNの出力端子b1~bNのうちの一対の間の電位差を順次測定するための選択スイッチ群SW1a、SW2b、SW2a、SW3b、…、SWN-1a、SWN-1b、SWNaとを備える。
【0060】
選択スイッチSW1aは検出回路DTの高電位を取得する入力ラインLHに接続されており、選択スイッチSWNaは検出回路DTの低電位を取得する入力ラインLLに接続されており、選択スイッチ群SW2aC~SWN-1bは入力ラインLH及びLLに接続されている。選択スイッチ群SW1a、SW2b、SW2a、SW3b、…、SWN-1a、SWN-1b、SWNaは、タイミング制御回路TMから供給される制御信号SW1aC、SW2bC、SW2aC、SW3bC、…C、SWN-1aC、SWN-1bC、SWNaCに応じて当該選択スイッチ群のうちから選択された1対の出力端子b1~bNのうちから高電位及び低電位を検出回路DTの入力ラインLH及びLLへ出力し、これらを検出回路DTに供給する。
【0061】
タイミング制御回路TMは、マイクロコンピュータ(図示せず)であり、選択回路SLのスイッチ群SWC1、SWC2、SWGa、SWGb、SW1a、SW2b、SW2a、SW3b、…、SWN-1a、SWN-1b、SWNaにそれぞれ所定ライン(図示せず)で供給する制御信号SWC1C、SWC2C、SWGaC、SWGbC、SW1aC、SW2bC、SW2aC、SW3bC、…、SWN-1aC、SWN-1bC、SWNaCにより、当該スイッチ群を制御する。
【0062】
次に、本実施例の階調電圧判定回路JGC、特に選択回路SL及びタイミング制御回路TMによる階調電圧判定動作について
図7及び
図8に基づいて詳しく説明する。
図7は階調電圧判定動作のフローチャートであり、
図8は階調電圧判定動作に関するスイッチングタイミングを表すタイミングチャートである。
【0063】
図7に示すように、タイミング制御回路TMは、通常動作中に、制御信号MMCにより記憶装置MMから、定期的に読み出し保持してある比較用元データのデータ読み出しを行う(ステップS1)。
【0064】
タイミング制御回路TMは、通常表示中の測定動作を停止するためにブランク期間であるか否か判別して映像信号のブランク期間に至ることを待機する(ステップS2:N)。
図8に示すように、タイミング制御回路TMは、信号変換回路SCのスイッチSWC2をオンとし、スイッチSWGa、SWGbもオン状態で接地され、他のスイッチがオフとされて検出回路DT以降の回路は停止され、通常表示中は階調電圧判定回路JGCによる測定動作を停止する。
【0065】
そして、タイミング制御回路TMは映像信号のブランク期間を検知する(ステップS2:Y)と、ブランク期間中に階調電圧判定回路JGCの測定を実行する。
【0066】
タイミング制御回路TMは、信号変換回路SCのスイッチSWC2のオンを維持し、初めに電位の測定する出力アンプAP1及びAP2の出力タップb1及びb2を選ぶ選択スイッチSW1a及びSW2bの一対をオンにして検出回路DTの計測用容量C1を充電する(ステップS3)。
【0067】
次に、タイミング制御回路TMは、選択スイッチ群SW1a及びSW2aをオフにした後、検出回路DTのスイッチ群SWC1、SWGa、SWGbをオンとし信号変換回路SCのスイッチSWC2のオフ状態としてA/D変換回路ADCを働かせて計測用容量C1を計測用アンプKAPに接続して、計測用容量C1に充電された電荷(電圧)を計測用アンプKAPで増幅する(ステップS4)。
【0068】
次に、タイミング制御回路TMは、検出回路DTのスイッチ群SWC1、SWGa、SWGbと信号変換回路SCのスイッチSWC2の状態を維持して、働くA/D変換回路ADCにより計測用アンプKAPの出力電圧をA/D変換する(ステップS5)。
【0069】
次に、タイミング制御回路TMは、検出回路DTのスイッチ群SWC1をオフとし信号変換回路SCのスイッチSWC2をオンとし、スイッチSWGa、SWGbもオン状態で接地して、計測用容量C1及び計測用アンプ容量C2に充電された電荷を放電させる(ステップS6)。これにより検出回路DT以降の回路は停止される。
【0070】
次に、タイミング制御回路TMは、次のタップを選択する(ステップS7)が、タイミング制御回路TMは、次の出力タップがある場合(ステップS8:Y)と、階調電圧判定回路JGCの測定を実行するためにステップS2に戻る。ここでブランク期間中であれば、タイミング制御回路TMは、信号変換回路SCのスイッチSWC2のオンを維持し、次の電位測定する出力アンプAP1及びAP2の出力タップb2及びb3を選ぶ選択スイッチSW2a及びSW3bの一対をオンにして検出回路DTの計測用容量C1を充電する(ステップS3)。
【0071】
以降、タイミング制御回路TMは、全出力タップの対について電位測定が完了するまで、一対毎順次、電位測定をするが、タイミング制御回路TMは、最後の測定すべき出力タップがない場合(ステップS8:N)、演算処理を行い、過去データ測定結果から、異常検出用の比較元データの生成を行う(ステップS9)。
【0072】
次に、タイミング制御回路TMは、測定データと比較用元データを記憶装置MMに保持する(ステップS10)。
【0073】
次に、タイミング制御回路TMは、以前の比較用元データと比較して今回の測定データ(測定値)に異常が有れば、異常検出信号を出力する(ステップS11)。
【0074】
図6に示す本実施例によれば、検出回路DTを計測用容量C1と所定スイッチSWC1、SWGa、SWGbで構成し、スイッチ操作にてガンマ電圧生成回路GVDの出力アンプの出力端子b1~bN(ガンマ電圧F1~FN)のうちの一対の間の電位差を計測用容量C1に充電することができる。検出回路DTの計測用容量C1の電位差を、GNDレベル基準にシフトし、信号変換回路SCの計測用アンプKAP及びA/D変換回路ADCを介して、測定結果を記憶装置MMに書き込むことができる。また、検出回路DTの計測用容量C1の1個の容量素子を出力端子b1~bNの対のタップの電位測定スキャンに共用する方式とし、時分割動作にて当該出力端子のうちの一対の間の電位差を効率よく測定することができる。
【0075】
(第3の実施例)
図9は、第3の実施例の階調電圧生成回路GMAの回路構成を示すブロック図である。本実施例は、階調電圧生成回路GMAの回路構成、特に、故障検出回路FTの中に補正信号生成回路ASCを設けた以外、上記第2の実施例と同一である。よって、第2の実施例との差異(補正信号生成回路ASC)のみを説明する。
【0076】
故障検出回路FTの中に補正信号生成回路ASCにおいては、ガンマ電圧生成回路GVDの出力アンプAP1~APNの出力端子b1~bN(基準階調電圧V1~VN)の間の各電位差群の実測データと記憶装置MMに格納されたガンマ期待電圧値データとの差分を演算して、ガンマ曲線特性を調整するガンマ特性調整回路SX内のセレクタ設定の補正量を計算する。そして補正信号生成回路ASCは、補正量に基づく補正信号ASを生成して、当該補正信号をガンマ特性調整回路SXに供給し、設定値を補正する。
【0077】
故障検出回路FTは、期待電圧値と測定値の差分に基づく補正信号ASを生成して、当該補正信号をガンマ特性調整回路SXに供給する補正信号生成回路ASCを有するので、実測データと、ガンマ期待電圧値データとを比較することで、ガンマ電圧生成回路GVDの出力電圧を補正することができる。
【0078】
ガンマ特性調整回路SXのガンマ曲線設定データであるガンマ期待電圧値データは、記憶装置MM等の不揮発性メモリから定期的に読み出される。ガンマ期待電圧値データは複数のセットあり、温度等、条件毎に切替える用途にも対応可能である。
【0079】
(第4の実施例)
図10は、第4の実施例のソースドライバ120における階調電圧生成回路GMAの回路構成を示す概略ブロック図(ガンマ電圧生成回路GVDとタイミング制御回路TMと選択回路SLの配線を省略している)である。本実施例は、ソースドライバ120がセンサ出力検出回路SSDと切替て階調電圧生成回路GMAの信号変換回路SCを共用するための切替制御回路のスイッチSWT1及びSWC1とを有し、当該切替制御回路は映像信号におけるブランク期間中に時分割切替制御すること以外、上記第2又は第3の実施例と同一である。センサ出力検出回路SSDは、タッチセンサ等のセンサ出力信等号を受けるセンサ検出回路のセンサ出力検出回路SSDを有する製品では、スイッチSWT1とSWC1(切替制御回路)を択一的に時分割切替することで信号変換回路SCの回信号変換回路SCを共用できる。
【符号の説明】
【0080】
10 表示装置
100 表示コントローラ
110 ゲートドライバ
120 ソースドライバ
121 データラッチ部
122 階調電圧変換部
123 出力部
JGC 階調電圧判定回路
TM タイミング制御回路
DT 検出回路
SC 信号変換回路
FT 故障検出回路
150 表示パネル