(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140262
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】プリンタおよびシート支持装置
(51)【国際特許分類】
B41J 17/24 20060101AFI20241003BHJP
B41J 2/325 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J17/24
B41J2/325 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051319
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 岳史
【テーマコード(参考)】
2C065
2C068
【Fターム(参考)】
2C065AA01
2C065AD02
2C068AA02
2C068AA05
2C068BC03
2C068BD46
(57)【要約】
【課題】プリンタにおいて更なる省スペース化或いは小型化を達成可能な構造を提供する。
【解決手段】プリンタは、巻かれた帯状の用紙を保持する保持部と、前記保持部から引き出された用紙に印字する印字部と、前記保持部および前記印字部を内蔵する筐体と、一対の支持軸と、従動軸と、付勢部材と、伝達部と、を備える。一対の支持軸は、前記筐体に支持され、筒状に巻かれたインクリボンの内周に差し込まれて、前記印字部に掛けまわされる前記インクリボンを支持する。従動軸は、前記支持軸の長手方向に沿って移動自在に前記支持軸の一端に連結される。付勢部材は、前記従動軸を前記支持軸から離れる方向に付勢する。伝達部は、前記筐体設けられて回転駆動され、前記付勢部材の付勢により押し当てられる前記従動軸に、回転を伝達する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻かれた帯状の用紙を保持する保持部と、
前記保持部から引き出された用紙に印字する印字部と、
前記保持部および前記印字部を内蔵する筐体と、
前記筐体に支持され、筒状に巻かれたインクリボンの内周に差し込まれて、前記印字部に掛けまわされる前記インクリボンを支持する、一対の支持軸と、
前記支持軸の長手方向に沿って移動自在に前記支持軸の一端に連結された従動軸と、
前記従動軸を前記支持軸から離れる方向に付勢する付勢部材と、
前記筐体設けられて回転駆動され、前記付勢部材の付勢により押し当てられる前記従動軸に、回転を伝達する伝達部と、
を備えるプリンタ。
【請求項2】
前記支持軸に対して着脱自在であって、前記支持軸の長手方向に沿って長く、前記支持軸の外周を覆うアタッチメント
をさらに備える請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記支持軸は、前記インクリボンの前記内周に圧接する圧接部材を備え、
前記アタッチメントは、長手方向に交わる断面が略U字型である屈曲形状を有し、前記圧接部材がない側から前記支持軸を覆う
請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記アタッチメントは、屈曲した部分の外周に、前記インクリボンの前記内周に圧接する圧接部材を備えている
請求項3に記載のプリンタ。
【請求項5】
筒状に巻かれた帯状のシートの内周に差し込まれて前記シートを支持する支持軸と、
前記支持軸に対して着脱自在であって、前記支持軸の長手方向に沿って長く、前記支持軸の外周を覆うアタッチメントと、
を備えるシート支持装置。
【請求項6】
前記支持軸は、前記シートの前記内周に圧接する圧接部材を備え、
前記アタッチメントは、長手方向に交わる断面において略U字型の形状を有し、前記圧接部材がない側から前記支持軸を覆う
請求項5に記載のシート支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プリンタおよびシート支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクリボンを用いて印字するプリンタ(例えば特許文献1)は、インクリボンを支持する一対の支持軸を備えている。支持軸は、巻かれたインクリボンの筒状の内周に差し込まれ、内周に少なくとも部分的に密着する。これによりインクリボンは、支持軸が回転駆動されることにより送り出し(供給)および巻き戻し、或いは巻取りおよび巻き戻しされる。
【0003】
プリンタにおいては、更なる省スペース化或いは小型化が望まれており、達成に向けて、内蔵される各種部品・部材について、配置や構造等を含め再考する必要がある。
【0004】
また、インクリボンは、巻かれた状態で販売されており、内周の径(内径)には、製造者等により異なる複数の規格が存在している。このため、内周に密着する必要がある支持軸は、複数の規格に対応可能であることが望まれる。
【0005】
しかしながら、規格によっては、内径が大きく異なることがあり、そのような場合には、例えば特許文献1に開示されているような、対応径を多少増減可能な程度の従来の支持軸では対応できないことも多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、プリンタにおいて更なる省スペース化或いは小型化を達成可能な構造を提供することである。また、本発明が解決しようとする他の課題は、巻かれた状態で販売されるシート(インクリボン等)の、規格により異なる内径に対応可能なシート支持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のプリンタは、巻かれた帯状の用紙を保持する保持部と、前記保持部から引き出された用紙に印字する印字部と、前記保持部および前記印字部を内蔵する筐体と、一対の支持軸と、従動軸と、付勢部材と、伝達部と、を備える。一対の支持軸は、前記筐体に支持され、筒状に巻かれたインクリボンの内周に差し込まれて、前記印字部に掛けまわされる前記インクリボンを支持する。従動軸は、前記支持軸の長手方向に沿って移動自在に前記支持軸の一端に連結される。付勢部材は、前記従動軸を前記支持軸から離れる方向に付勢する。伝達部は、前記筐体設けられて回転駆動され、前記付勢部材の付勢により押し当てられる前記従動軸に、回転を伝達する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態にかかるプリンタの外観の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかるプリンタを開放した状態の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかるプリンタの構造の一例を概略的に側面視で示す図である。
【
図4】
図4は、支持軸の上部ケースへの取り付け状態を正面視で示す図である。
【
図7】
図7は、伝達部と支持軸との接続構造を断面で示す斜視図である。
【
図8】
図8は、アタッチメントの、支持軸への取り付け構造を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、アタッチメントが取り付けられた支持軸の外観および、A-A断面にてアタッチメントの回転ノブへの引っ掛け構造を示す図である。
【
図10】
図10は、アタッチメントが取り付けられた支持軸の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態にかかるプリンタ1の外観の一例を示す斜視図である。プリンタ1は、筐体2、表示操作部3、開閉ボタン4及び排紙口5を備える。排紙口5が設けられている側がプリンタ1の正面側であり、排紙口5が設けられた面の反対側が背面側である。
【0010】
筐体2は、箱型の容器であって、上部ケース21及び下部ケース22を備えている。上部ケース21は下向きの開口部を、下部ケース22は上向きの開口部を有する。上部ケース21は、背面側の辺を、ヒンジ20によって、下部ケース22に回動自在に取り付けられている。これにより上部ケース21と下部ケース22とは回動自在に連結され、回動に伴い、互いの開口部を開閉する。
【0011】
ヒンジ20は、上部ケース21と下部ケース22を、背面側にて、回動自在に連結する。ヒンジ20は、下部ケース22の幅方向片側に、トーションばね等の付勢部材を備える。付勢部材は、上部ケース21を、下部ケース22が開放される向きに付勢することで、上部ケース21が下部ケース22を閉じる際の動きを緩やかにする。
【0012】
表示操作部3は、上部ケース21の上面に設けられている。表示操作部3は、各種操作の入力を受け、各種情報を表示する。開閉ボタン4は、上部ケース21の側面部の手前側に設けられている。開閉ボタン4が押下されると、下部ケース22を閉じる位置に上部ケース21を保持する構造のロック状態が解除され、上部ケース21が付勢部材の付勢に従って持ち上がって、筐体2が開放される。
【0013】
下部ケース22の正面(前面)の一部は、前部カバー23により構成されている。前部カバー23は、カバー部の一例である。また、筐体2の、前部カバー23を除く他の部分は、本体部の一例である。
【0014】
排紙口5は、レシート等の印字物(印字後の用紙61)を発行(排出)する開口部であって、前部カバー23の上端部と、上部ケース21の前面下端部との間に設けられている。
【0015】
図2は、実施形態にかかるプリンタ1を開放した状態の一例を示す斜視図である。
図3は、実施形態にかかるプリンタ1の構造の一例を概略的に側面視で示す図である。筐体2内には、用紙保持部6、印字部7、およびリボン支持部8が設けられている。用紙保持部6は、帯状の用紙61が巻かれたロール紙60を、回転自在に保持する。
【0016】
ロール紙60としては、例えば、レシートロールやラベルロールがある。レシートロールは、帯状のレシート用紙(用紙61の一例)が巻かれたものである。レシート用紙は、印字されて切断されることによりレシートとなる帯状の用紙61である。
【0017】
ラベルロールは、帯状のラベル用紙(用紙61の一例)が巻かれたものである。ラベル用紙としては、帯状の台紙にラベルが貼付されたものである台紙付きラベルや、台紙がない帯状のラベルがある。なお、ラベルは、印字面の裏面に粘着層が設けられたものである。
【0018】
印字部7は、用紙保持部6から引き出された用紙61を搬送しながら用紙61に印字を施すものであって、印字ヘッド71及びプラテンローラ72を備える。印字ヘッド71は、上部ケース21の内側面に固定されていて、上部ケース21が下部ケース22の上面の開口部を閉じた状態で、プラテンローラ72に密着する。
【0019】
印字ヘッド71は、例えば、サーマルヘッドであって、複数個が並列して設けられた発熱体を備える。印字ヘッド71は、自身とプラテンローラ72との間に挟んだ用紙61に対し、発熱体の熱により印字する。プラテンローラ72は、ステッピングモータの駆動力が伝達されることにより回転して、印字ヘッド71との間に挟んだ用紙61を搬送する。
【0020】
プリンタ1は、インクリボン801の表面のインクを熱転写させることで印字を行う。インクリボン801は、帯状のシートの一例であって、巻かれた状態で、リボン支持部8で支持されている。リボン支持部8は、シート支持装置の一例であって、支持軸81,82を備える。支持軸81は、未使用の巻かれたインクリボン801を支持するもので、回転することによってインクリボン801を供給または巻き戻しする。支持軸82は、使用済みのインクリボン801を巻き取るもので、回転することによりインクリボン801を巻き取りまたは巻き戻しする。
【0021】
支持軸81および支持軸82は、両端を上部ケース21の内壁に支持され、一端に駆動力が伝達されることにより、回転する。
【0022】
図4は、支持軸81の上部ケース21への取り付け状態を正面視で示す図である。なお、支持軸82の取り付け状態は、支持軸81と同様である。以下、支持軸81についてする説明は、支持軸82についても同様である。
【0023】
上部ケース21は、内壁を構成する一対の側壁に、支持部25,26を備えている。支持部25は、支持軸81の一方の端部83が差し込まれる、貫通穴である。端部83は、支持軸81の、巻かれたインクリボン801(リボンロール80)を支持する中央部分よりも、細く形成されている。端部83が支持部25に差し込まれることにより、支持軸81は上部ケース21に回転自在に支持される。
【0024】
支持部26は、伝達部91の回転軸92を、回転自在に支持する貫通孔である。回転軸92には、ギヤ95が連結され、ギヤ95には、下部ケース22が備えるモータ等の駆動力が他のギヤ96等を介して伝達される。これにより、伝達部91が回転駆動される。
【0025】
図5は、伝達部91の外観を示す斜視図である。伝達部91は、縁部より中央部が窪んだ皿状の部材であって、窪みの内側に複数の突出部911を備えている。伝達部91の中央には、回転軸92の先端部921が差し込まれている。先端部921に略直交して差し込まれたピン922は、伝達部91の中央部の溝912に嵌り込んで、回転軸92と伝達部91との回り止めとして機能する。
【0026】
突出部911は、互いに隙間をあけて複数個が、伝達部91の縁に沿って並んでいる。これらの突出部911は、突出方向に対して傾斜した斜面913,914を有し、支持軸81が備える従動軸84(後述)の噛合形状841と噛み合う。この噛み合いにより、モータ等の駆動力が支持軸81に伝達されて、支持軸81が回転する。
【0027】
図6は、支持軸81の外観を示す斜視図である。
図7は、伝達部91と支持軸81との接続構造を断面で示す斜視図である。支持軸81は、上述の端部83の反対側の端部に、従動軸84、スライダ85、回り止め86、付勢部材87、圧接部材88、および回転ノブ89を、備えている。
【0028】
従動軸84は、支持軸81の先端に設けられている。従動軸84の先端部には、噛合形状841が設けられている。噛合形状841は、例えば、突出部911に噛み合う凹凸形状である。突出部911と噛合形状841とが噛み合った状態で伝達部91が回転することにより、従動軸84に回転が伝達されて、支持軸81が回転する。
【0029】
スライダ85は、支持軸81の内部に設けられた案内溝811内を、その長手方向にそって移動自在である。案内溝811は、支持軸81の軸方向に沿って、長く設けられている。スライダ85は、従動軸84と一体的に設けられている。これにより、従動軸84も、案内溝811の長手方向に沿って移動自在である。つまり、従動軸84は、支持軸81の軸方向に沿った所定区間において移動自在である。
【0030】
回り止め86は、従動軸84に差し込まれ、従動軸84の軸方向に略直交している。支持軸81には、その軸方向に長い溝であって案内溝811と連通する、案内溝812が形成されている。案内溝812には、回り止め86の端部が嵌まり込む。回り止め86は、案内溝812に沿って移動可能である。これにより、従動軸84は、支持軸81の軸方向に沿って移動可能でありつつ、支持軸81の軸周りに回転しない。
【0031】
付勢部材87は、例えば、支持軸81と従動軸84との互いの端部の間に設けられた圧縮バネである。付勢部材87は、従動軸84を、支持軸81から離れる方向に付勢する。これにより、上部ケース21に取り付けられた状態では、従動軸84は、伝達部91に押し当てられる。その状態では、従動軸84の噛合形状841と伝達部91の突出部911とが噛み合い、伝達部91の回転が従動軸84に伝達される。
【0032】
圧接部材88は、例えば支持軸81の周面に設けられた板バネである。圧接部材88は、巻かれたインクリボン801(リボンロール80)の内周に支持軸81が差し込まれた状態で、リボンロール80の内周に押し当てられる(圧接する)。これにより、支持軸81が差し込まれたリボンロール80は、支持軸81と一体的に回転する。
【0033】
回転ノブ89は、支持軸81と従動軸84との間に位置して、支持軸81と一体的に設けられた円盤状の部分である。回転ノブ89は、外周面に凹凸が刻まれた形状を有し、支持軸81を回転させる手動の操作を受け付ける。回転ノブ89は、例えばインクリボン801の交換にあたって、リボン支持部8に装着したリボンロール80から引き出されて印字ヘッド71にかけまわされたインクリボン801の、張り具合を調整する際などに、使用される。
【0034】
ここで、
図7に示す支持軸81は、次に説明するアタッチメント100が装着された状態である。
図8は、アタッチメント100の、支持軸81への取り付け構造を示す斜視図である。
図9は、アタッチメント100が取り付けられた支持軸81の外観および、A-A断面にて、アタッチメント100の回転ノブ89への引っ掛け構造を示す図である。
図10は、アタッチメント100が取り付けられた支持軸81の外観を示す図であって、
図9と反対側から見た状態である。
【0035】
アタッチメント100は、支持軸81の長手方向に沿って長く、支持軸81の太さ方向の断面が略U字型となる、屈曲した形状を有し、支持軸81の外周を覆うように、支持軸81に取り付けられるものである。アタッチメント100は、一方の端部に、取付部101およびフランジ部102を有し、他方の端部に、取付部103を有する。
【0036】
また、アタッチメント100は、上述の略U字型の屈曲部にあたる位置に、圧接部材108を備えている。圧接部材108は、圧接部材88と同様のものであって、リボンロール80の内周に押し当てられる(圧接する)。
【0037】
フランジ部102は、アタッチメント100の一端部から放射方向に広がる鍔状の部分であって、支持軸81にアタッチメント100が取り付けられた状態で回転ノブ89の円形の面に接する。
【0038】
回転ノブ89の円形面には、取付穴891が設けられている。取付部101は、フランジ部102の外周部から突出して設けられ、取付穴891に差し込まれて引っ掛けられる。
【0039】
取付部103は、U字型の一対の端部から互いに近づく向きに突出したような形状を有する。一方、支持軸81には、取付部103に対応する位置に、係合部813(
図6および
図8参照)が設けられている。係合部813は、支持軸81の外面に略直交する引っ掛け面と、当該面の先端から支持軸81の外面へつながる傾斜した案内面とを有し、当該案内面によって取付部103を引っ掛け面の先端へ導く。当該先端を取付部103が越えると、取付部103は係合部813に係合する。
【0040】
以上の取付部101および取付部103により、アタッチメント100は支持軸81に引っ掛かり、支持軸81の外周を覆い抱える状態で支持軸81に取り付けられる。
【0041】
なお、アタッチメント100の支持軸81に向く側は、支持軸81の長手方向に沿って並ぶ複数のU字型のリブ105によって埋められている。
【0042】
このような構成において、用紙保持部6から引き出された用紙61は、印字部7で印字され、排紙口5から排出される。印字部7は、印字ヘッド71とプラテンローラ72との間に、用紙61とインクリボン801とを重ねて挟み持ち、これらをプラテンローラ72の回転により搬送しながら、印字ヘッド71で印字を行う。印字ヘッド71は、インクリボン801のインクを溶融させて用紙61に転写させる。
【0043】
支持軸81は、インクリボン801を供給する(送り出す)。支持軸82は、印字ヘッド71を経たインクリボン801を巻き取る。支持軸81,82は、必要に応じて適宜逆回転され、インクリボン801が逆搬送される。
【0044】
支持軸81(支持軸82も同様)は、従動軸84と伝達部91とを介して、モータ等の駆動力が伝達され、これにより支持軸81は回転する。
【0045】
従動軸84は、付勢部材87の付勢により、伝達部91に押し当てられる。その状態で、噛合形状841と突出部911とが噛み合っていることにより、伝達部91の回転に従い、従動軸84が回転する。
【0046】
モータ等は、プリンタ1の下部ケース22に納められており、ギヤ95,96等でリンクされて、伝達部91を回転させる。伝達部91と従動軸84とを圧接させるための構造は、支持軸81に納められている。つまり、スライダ85と案内溝811、回り止め86と案内溝812、さらに付勢部材87は、支持軸81に設けられている。
【0047】
これにより、これら(スライダ85、回り止め86、付勢部材87、案内溝811、案内溝812)に相当する構造をプリンタ1側で設ける必要がなくなるので、プリンタ1内部で省スペース化でき、小型化できる。また、支持軸81に、従来なかった構造(スライダ85、回り止め86、付勢部材87、案内溝811、案内溝812)が増えたものの、従来支持軸81の内部であってデッドスペースだった部分であるので、スペース増にならず問題ない。
【0048】
リボンロール80の筒状の内周には、支持軸81が密着するか、または、支持軸81に取り付けられたアタッチメント100が密着する。支持軸81は、長手方向に沿って挟んで設けられた一対の圧接部材88により、リボンロール80の内周に密着する。また、アタッチメント100は、U字型の両端部に相当する一対の辺と、U字型の屈曲部にあたる位置に設けられた圧接部材108により、リボンロール80の内周に密着する。
【0049】
アタッチメント100は、支持軸81の両端部で、引っ掛ける動作における働きかけの向きが異なる引っ掛け構造により、取り付けられる。
【0050】
アタッチメント100と支持軸81との引っ掛け構造の一方は、取付部101と取付穴891とによる引っ掛け構造であって、引っ掛け方向は、支持軸81の軸方向に略沿っている。また、アタッチメント100と支持軸81との引っ掛け構造の他方は、取付部103と係合部813とによる引っ掛け構造であって、引っ掛け方向は、支持軸81の軸方向に略直交する。
【0051】
このように、働きかけ方向が異なる二つの引っ掛け構造でアタッチメント100を支持軸81に取り付けることにより、着脱容易かつ支持軸81の回転によるアタッチメント100の脱落が起こりにくくできる。
【0052】
以上の本実施形態の構成によれば、プリンタ1において更なる省スペース化或いは小型化を達成可能な構造を提供することができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、アタッチメント100を適宜用いることにより、リボンロール80の、規格により異なる内径に対応することができる。
【0054】
本実施形態のプリンタ1では、従来下部ケース22(或いは上部ケース21)において担っていた機能を、支持軸81に設けるようにした。これにより、筐体2内は省スペース化されプリンタ1が小型化されるが、その一方、構造が複雑となった支持軸81の製造コストが上がる。このため、リボンロール80の規格に応じて内径に合わせた支持軸81を準備するようにするとコストが嵩んでしまうが、本実施形態においては、アタッチメント100により規格による内径の違いに対応するようにしたので、コストを抑えることができる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 …プリンタ、
2 …筐体、20…ヒンジ、21…上部ケース、22…下部ケース、
23 …前部カバー、25,26…支持部、3…表示操作部、4…開閉ボタン、
5 …排紙口、
6 …用紙保持部(保持部の一例)、60…ロール紙、61…用紙、
7 …印字部、71…印字ヘッド、72…プラテンローラ、
80 …リボンロール、801…インクリボン(シートの一例)、
8 …リボン支持部(シート支持装置の一例)、81,82…支持軸、
811…案内溝、812…案内溝、813…係合部、
83 …端部、
84 …従動軸、841…噛合形状、
85 …スライダ、
86 …回り止め、
87 …付勢部材、
88 …圧接部材、
89 …回転ノブ、891…取付穴、
91 …伝達部、911…突出部、912…溝、913…斜面、
92 …回転軸、921…先端部、922…ピン、
95,96…ギヤ、
100…アタッチメント、
101…取付部、102…フランジ部、103…取付部、105…リブ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】