(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140265
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20241003BHJP
F04C 29/00 20060101ALI20241003BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20241003BHJP
【FI】
F04B39/00 106Z
F04C29/00 T
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051324
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】多田 佳史
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 勝也
(72)【発明者】
【氏名】岡田 仁
(72)【発明者】
【氏名】大島 敦
【テーマコード(参考)】
3H003
3H129
5H770
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AB05
3H003AC03
3H003CD01
3H003CF01
3H129AA02
3H129AA15
3H129AB03
3H129BB12
3H129BB50
3H129CC09
3H129CC27
5H770AA02
5H770BA01
5H770DA03
5H770DA41
5H770EA01
5H770JA11W
5H770KA01W
5H770QA01
5H770QA22
5H770QA24
5H770QA28
5H770QA31
(57)【要約】
【課題】コストの増加を抑えつつ、回路基板の放熱効率を向上させることができる電動圧縮機を提供する。
【解決手段】インバータ装置50はハウジング10に複数の締結部材80により固定され、第1導電部91及び第2導電部92を有する回路基板51と電気回路52とを有する。電気回路52は第1発熱部F1としての端子Tを含み、第2導電部92は第1発熱部F1に最も近い第1近接締結部材81を介してハウジング10に電気的に接続され、電気回路52は第1導電部91と第2導電部92とを電気的に接続する第1コンデンサ群60を有し、第1コンデンサ群60は複数の第1コンデンサ61A、61Bと、複数の第1コンデンサを互いに電気的に接続させた状態で保持する第1金属枠体62とを有し、第1発熱部F1と第1導電部91との第1接続点C1と第1近接締結部材81とを結ぶ第1仮想直線L1上に第1コンデンサ群60の一部が配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動する電動モータと、
前記電動モータを駆動するインバータ装置と、
前記圧縮部、前記電動モータ及び前記インバータ装置を収容する金属製のハウジングと、を備えた電動圧縮機において、
前記インバータ装置は、
前記ハウジングに金属製の複数の締結部材により固定され、第1導電部及び第2導電部を含む導電パターンを有する回路基板と、
前記第1導電部上に実装された電気回路と、を有し、
前記電気回路は第1発熱部を含み、
前記第2導電部は、前記複数の締結部材のうち前記第1発熱部に最も近い第1近接締結部材を介して前記ハウジングに電気的に接続され、
前記電気回路は、前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に接続する第1コンデンサ群を有し、
前記第1コンデンサ群は、互いに向かい合うように並べて配置された複数の第1コンデンサと、前記複数の第1コンデンサを互いに電気的に接続させた状態で保持する第1金属枠体と、を有し、
前記第1発熱部と前記第1導電部との第1接続点と、前記第1近接締結部材とを結ぶ第1仮想直線上に、前記第1コンデンサ群の一部が配置されていることを特徴とする電動圧縮機。
【請求項2】
前記第1発熱部はパワー素子の端子であり、
前記第1仮想直線は、前記端子と前記第1導電部との前記第1接続点と、前記第1近接締結部材とを結ぶ請求項1記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記導電パターンは第3導電部を含み、
前記電気回路は第2発熱部を含み、
前記第2導電部は、前記複数の締結部材のうち前記第2発熱部に最も近い第2近接締結部材を介して前記ハウジングに電気的に接続され、
前記電気回路は、前記第3導電部と前記第2導電部とを電気的に接続する第2コンデンサ群を有し、
前記第2コンデンサ群は、互いに向かい合うように並べて配置された複数の第2コンデンサと、前記複数の第2コンデンサを互いに電気的に接続させた状態で保持する第2金属枠体と、を有し、
前記第2発熱部と前記第3導電部との第2接続点と、前記第2近接締結部材とを結ぶ第2仮想直線上に、前記第2コンデンサ群の一部が配置されている請求項1又は2記載の電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の電動圧縮機の一例が開示されている。この電動圧縮機は、圧縮部と、電動モータと、インバータ装置と、ハウジングとを備えている。
【0003】
圧縮部は、流体を圧縮する。電動モータは、圧縮部を駆動する。インバータ装置は、電動モータを駆動する。ハウジングは、金属製であり、圧縮部、電動モータ及びインバータ装置を収容する。インバータ装置は、回路基板と、インバータ回路と、フィルタ回路とを有している。
【0004】
回路基板は、金属製の複数の締結部材によりハウジングに固定されている。回路基板は、第1導電部、第2導電部及び第3導電部を含む導電パターンを有している。インバータ回路は、第1導電部上に実装されて直流電力を交流電力に変換する。フィルタ回路は、第2導電部上に実装され、インバータ回路の入力側に配置されてインバータ回路に入力される直流電流に含まれるノイズを低減させる。
【0005】
フィルタ回路は、コンデンサ群を有している。コンデンサ群は、インバータ回路が設けられた第1導電部と第3導電部とを電気的に接続する一対の第1コンデンサと、フィルタ回路が設けられた第2導電部と第3導電部とを電気的に接続する一対の第2コンデンサとを有している。
【0006】
第3導電部は、複数の締結部材のうちフィルタ回路に最も近い締結部材を介してハウジングに電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、インバータ装置等の電機製品の設計においては、回路基板の放熱効率を上げることが重要である。上記従来の電動圧縮機においては、インバータ回路やフィルタ回路で発生した熱を、コンデンサ群を介して第1導電部や第2導電部から第3導電部に伝えるとともに、第3導電部から締結部材を介してハウジングに逃すことができる。
【0009】
しかし、上記従来の電動圧縮機では、コンデンサ群を構成する各コンデンサがそれぞれ回路基板上において配置可能な場所に散在されている。このため、発熱源からコンデンサまでの距離がコンデンサ毎に異なり、その結果、発熱源からコンデンサに伝わる熱がアンバランスになる。よって、上記従来の電動圧縮機では、放熱がアンバランスとなり、回路基板の放熱効率を向上させることが必ずしも容易ではない。回路基板の放熱効率を向上させるために、使用温度範囲の広いコンデンサを採用したり、コンデンサの冷却機構を追加したりすることが考えられるが、この場合、コストが増加する。
【0010】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、コストの増加を抑えつつ、回路基板の放熱効率を向上させることができる電動圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動する電動モータと、
前記電動モータを駆動するインバータ装置と、
前記圧縮部、前記電動モータ及び前記インバータ装置を収容する金属製のハウジングと、を備えた電動圧縮機において、
前記インバータ装置は、
前記ハウジングに金属製の複数の締結部材により固定され、第1導電部及び第2導電部を含む導電パターンを有する回路基板と、
前記第1導電部上に実装された電気回路と、を有し、
前記電気回路は第1発熱部を含み、
前記第2導電部は、前記複数の締結部材のうち前記第1発熱部に最も近い第1近接締結部材を介して前記ハウジングに電気的に接続され、
前記電気回路は、前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に接続する第1コンデンサ群を有し、
前記第1コンデンサ群は、互いに向かい合うように並べて配置された複数の第1コンデンサと、前記複数の第1コンデンサを互いに電気的に接続させた状態で保持する第1金属枠体と、を有し、
前記第1発熱部と前記第1導電部との第1接続点と、前記第1近接締結部材とを結ぶ第1仮想直線上に、前記第1コンデンサ群の一部が配置されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の電動圧縮機では、第1発熱部と第1導電部との第1接続点と、この第1発熱部に最も近い第1近接締結部材とを結ぶ第1仮想直線上に、第1導電部と第2導電部とを接続する第1コンデンサ群が配置されている。このため、第1発熱部で発生した熱は、この第1発熱部が設けられている第1導電部から第1コンデンサ群を介して第2導電部に伝わり、そして第1近接締結部材に伝わる。すなわち、第1発熱部で発生した熱は、第1コンデンサ群が第1仮想直線上に配置されていない場合と比較して短い放熱経路を通って第1近接締結部材に伝わる。第1近接締結部材に伝わった熱は、ハウジングに逃すことができる。これにより、第1コンデンサ群が第1仮想直線上に配置されていない場合と比較して放熱効率が向上するため、第1コンデンサ群への熱負荷を下げることができ、使用温度範囲の狭いコンデンサを使用することが可能となって、コストの増加を抑えられる。また、第1コンデンサ群においては、複数の第1コンデンサが第1金属枠体によって保持されている。仮に複数の第1コンデンサが散在している場合は、放熱のアンバランスが生じ易いが、複数の第1コンデンサが第1金属枠体によって1か所にまとめられた第1コンデンサ群によれば、放熱のアンバランスを抑えることができる 。これにより、複数の第1コンデンサへの熱負荷を下げることができ、使用温度範囲の狭いコンデンサを使用することが可能となって、コストの増加を抑えられる。
【0013】
したがって、本発明の電動圧縮機によれば、コストの増加を抑えつつ、回路基板の放熱効率を向上させることができる。
【0014】
第1発熱部はパワー素子の端子であり、第1仮想直線は、端子と第1導電部との第1接続点と、第1近接締結部材とを結ぶことが好ましい。
【0015】
この場合、パワー素子の端子で発生した熱を第1コンデンサ群が第1仮想直線上に配置されていない場合と比較して短い放熱経路で第1近接締結部材に伝えることができる。
【0016】
導電パターンは第3導電部を含み得る。また、電気回路は第2発熱部を含み得る。第2導電部は、複数の締結部材のうち第2発熱部に最も近い第2近接締結部材を介してハウジングに電気的に接続され得る。電気回路は、第3導電部と第2導電部とを電気的に接続する第2コンデンサ群を有していることが好ましい。そして、第2コンデンサ群は、互いに向かい合うように並べて配置された複数の第2コンデンサと、複数の第2コンデンサを互いに電気的に接続させた状態で保持する第2金属枠体とを有していることが好ましい。また、第2発熱部と第3導電部との第2接続点と、第2近接締結部材とを結ぶ第2仮想直線上に、第2コンデンサ群の一部が配置されていることが好ましい。
【0017】
この場合、第2発熱部と第3導電部との第2接続点と、この第2発熱部に最も近い第2近接締結部材とを結ぶ第2仮想直線上に、第3導電部と第2導電部とを接続する第2コンデンサ群が配置されている。このため、第2発熱部で発生した熱は、この第2発熱部が設けられている例えば第3導電部から第2コンデンサ群を介して第2導電部に伝わり、そして第2近接締結部材に伝わる。すなわち、第2発熱部で発生した熱は、第2コンデンサ群が第2仮想直線上に配置されていない場合と比較して短い放熱経路を通って第2近接締結部材に伝わる。第2近接締結部材に伝わった熱は、ハウジングに逃すことができる。これにより、第2コンデンサ群が第2仮想直線上に配置されていない場合と比較して放熱効率が向上するため、第2コンデンサ群への熱負荷を下げることができ、使用温度範囲の狭いコンデンサを使用することが可能となって、コストの増加を抑えられる。また、第2コンデンサ群においては、複数の第2コンデンサが第2金属枠体によって1か所にまとめられているので、複数の第2コンデンサが散在している場合と比較して、放熱のアンバランスを抑えることができる。これにより、複数の第2コンデンサへの熱負荷を下げることができ、使用温度範囲の狭いコンデンサを使用することが可能となって、コストの増加を抑えられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電動圧縮機によれば、コストの増加を抑えつつ、回路基板の放熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、実施例の電動圧縮機の要部の断面構造を模式的に示す側面図である。
【
図2】
図2は、実施例の電動圧縮機に係り、電気的構成を示す回路図である。
【
図3】
図3は、実施例の電動圧縮機に係り、回路基板を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施例の電動圧縮機に係り、コンデンサ群の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
実施例の電動圧縮機は、車両用空調装置の一部として車両に搭載される車載用の電動圧縮機である。
【0022】
図1に示すように、この電動圧縮機(以下、単に圧縮機という)は、ハウジング10と、回転軸20と、圧縮部30と、電動モータ40と、インバータ装置50とを備えている。
【0023】
ハウジング10は、金属製である。ハウジング10は、例えば、アルミニウム合金製である。なお、ハウジング10の材質は、伝熱性を有する金属であれば任意である。ハウジング10は、車両のボディ(図示せず)に接地されている。
【0024】
ハウジング10は、吸入ハウジング12と、吐出ハウジング14と、インバータハウジング16とを有している。吸入ハウジング12は、円板状の第1端壁12aと、円筒状の第1周壁12bと、吸入口12cとを有している。第1周壁12bは、第1端壁12aの外周部から吐出ハウジング14に向けて延びている。吸入口12cは、第1周壁12bを貫通している。吸入口12cには、配管が接続されている。これにより、吸入口12c内には、配管を通じて蒸発器を経た低温低圧の冷媒ガスが吸入される。冷媒ガスは、本発明における「流体」の一例である。
【0025】
吐出ハウジング14は、吸入ハウジング12の開口を塞いだ状態で吸入ハウジング12に組み付けられている。これにより、吸入ハウジング12及び吐出ハウジング14は、ハウジング10内にモータ収容室17を形成している。吐出ハウジング14は、吐出口14aを有している。吐出口14aには、図示しない配管が接続されており、吐出口14aは、圧縮部30で圧縮された冷媒ガスを凝縮器に向けて流通させる。なお、配管、蒸発器及び凝縮器の図示は省略する。
【0026】
インバータハウジング16は、板状の第2端壁16aと、筒状の第2周壁16bと、を有している。インバータハウジング16は、第2周壁16bの開口端が第1端壁12aに突き合せられた状態で、吸入ハウジング12の第1端壁12aに取り付けられている。インバータハウジング16の第2周壁16bの開口は、第2端壁16aによって塞がれている。これにより、第1端壁12a及びインバータハウジング16は、インバータ収容室18を形成している。ハウジング10は、インバータ収容室18を有している。第1端壁12aは、モータ収容室17とインバータ収容室18とを隔てている。
【0027】
回転軸20は、ハウジング10に回転可能に支持されている。回転軸20は、回転軸20の軸方向が第1周壁12bの軸方向と一致した状態で、モータ収容室17内に収容されている。
【0028】
圧縮部30は、吸入ハウジング12内に収容されている。圧縮部30は、例えば、吸入ハウジング12内に固定された図示しない固定スクロールと、固定スクロールに対向配置される図示しない可動スクロールとから構成されるスクロール式である。圧縮部30は、モータ収容室17内において、吸入口12cよりも吐出口14aに近い位置に配置されている。圧縮部30は、回転軸20に連結されている。圧縮部30は、回転軸20の回転によって駆動して冷媒ガスを圧縮する。
【0029】
電動モータ40は、モータ収容室17内に収容されている。電動モータ40は、モータ収容室17内における圧縮部30と第1端壁12aとの間に配置されている。電動モータ40は、例えば、円筒形状のロータ42と、ステータ44とを有している。ロータ42は、回転軸20に固定されている。これにより、回転軸20は、ロータ42と一体回転可能に構成されている。ステータ44は、吸入ハウジング12の第1周壁12bに固定されている。ロータ42及びステータ44は、回転軸20の径方向に対向している。
【0030】
ステータ44には、3相コイル46u、46v、46wが巻きつけられている。3相コイル46u、46v、46wは、例えば、Y結線されている。なお、3相コイル46u、46v、46wの結線態様は、Y結線に限られず、任意である。3相コイル46u、46v、46wの結線態様は、例えば、デルタ結線でもよい。
【0031】
ロータ42は、3相コイル46u、46v、46wが所定のパターンで通電されることにより回転する。そして、ロータ42の回転に伴い、回転軸20が回転する。これにより、圧縮部30が駆動する。そして、図示しない蒸発器から流れる冷媒ガスが、吸入口12cからモータ収容室17内に吸入される。モータ収容室17は吸入室を兼ねている。
【0032】
インバータハウジング16には、コネクタ48が取り付けられている。コネクタ48は、車載の蓄電装置Bからの電力をインバータ装置50に供給するための端子である。コネクタ48は、蓄電装置Bに電気的に接続されている。
【0033】
インバータ装置50は、インバータ収容室18に収容されている。インバータ装置50は、コネクタ48を介して蓄電装置Bと電気的に接続されている。
【0034】
インバータ装置50は、回路基板51を有している。回路基板51は、インバータ収容室18に収容されている。回路基板51は、第1端壁12aに対して回転軸20の軸方向に所定の間隔を隔てて対向配置されている。回路基板51は、回路基板51の厚み方向が回転軸20の軸方向に一致した状態でインバータ収容室18に収容されている。回路基板51は、金属製の複数のボルト80により第1端壁12aに固定されている。ボルト80は、本発明における「締結部材」の一例である。
【0035】
図2に示すように、インバータ装置50は、インバータ回路52と、フィルタ回路53と、制御部54と、を備えている。インバータ回路52及びフィルタ回路53は、本発明における「電気回路」の一例である。
【0036】
インバータ回路52は、電動モータ40を駆動する。インバータ回路52は、正極母線Lpと、負極母線Lnと、6つのスイッチング素子Q1~Q6と、6つのダイオードD1~D6と、を備えている。スイッチング素子Q1~Q6としては、IGBTを用いている。スイッチング素子Q1~Q6は、本発明における「パワー素子」の一例である。
【0037】
正極母線Lpと負極母線Lnとの間には、u相上アームを構成するスイッチング素子Q1と、u相下アームを構成するスイッチング素子Q2とが直列接続されている。正極母線Lpと負極母線Lnとの間には、v相上アームを構成するスイッチング素子Q3と、v相下アームを構成するスイッチング素子Q4とが直列接続されている。正極母線Lpと負極母線Lnとの間には、w相上アームを構成するスイッチング素子Q5と、w相下アームを構成するスイッチング素子Q6とが直列接続されている。スイッチング素子Q1~Q6には、ダイオードD1~D6が逆並列接続されている。
【0038】
スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との間は、電動モータ40のu相コイル46uに接続されている。スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との間は、電動モータ40のv相コイル46vに接続されている。スイッチング素子Q5とスイッチング素子Q6との間は、電動モータ40のw相コイル46wに接続されている。上下のアームを構成するスイッチング素子Q1~Q6を有するインバータ回路52は、スイッチング素子Q1~Q6のスイッチング動作に伴い、直流電圧を交流電圧に変換して電動モータ40に出力可能に構成されている。よって、インバータ回路52は、蓄電装置Bからコネクタ48を介して入力される直流電力を交流電力に変換する。
【0039】
制御部54は、各スイッチング素子Q1~Q6のスイッチング動作を制御する。制御部54は、例えば、1つ以上の専用のハードウェア回路、及び/又は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(制御回路)によって実現することができる。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、例えば各種処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ即ちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0040】
制御部54は、各スイッチング素子Q1~Q6を周期的にON/OFFさせる。詳細には、制御部54は、図示しない空調ECUからの指令に基づいて、各スイッチング素子Q1~Q6をPWM制御する。制御部54は、キャリア信号と指令電圧値信号とを用いて、制御信号を生成する。そして、制御部54は、生成された制御信号を用いて各スイッチング素子Q1~Q6のON/OFF制御を行うことにより、直流電力を交流電力に変換する。
【0041】
フィルタ回路53は、インバータ回路52に対してコネクタ48側に設けられている。フィルタ回路53は、コネクタ48とインバータ回路52との間に設けられている。フィルタ回路53は、コネクタ48からインバータ回路52に入力される直流電力に含まれるノイズを低減させる。また、フィルタ回路53は、インバータ回路52から発生してコネクタ48に向けて流れるノイズを低減させる。なお、インバータ回路52から発生するノイズは、例えば、各スイッチング素子Q1~Q6のスイッチング動作に伴って生じるノイズである。
【0042】
フィルタ回路53は、正極母線Lp及び負極母線Lnに接続されている。よって、フィルタ回路53は、インバータ回路52の入力側に設けられている。フィルタ回路53は、平滑コンデンサ55と、コイル56と、第1コンデンサ群60と、第2コンデンサ群70と、を有している。
【0043】
平滑コンデンサ55は、インバータ回路52に対して並列接続されたXコンデンサである。具体的には、平滑コンデンサ55は、正極母線Lp及び負極母線Lnに接続されている。
【0044】
コイル56は、例えば、コモンモードチョークコイルである。コイル56は、インバータ回路52の入力側に設けられている。コイル56は、漏れインダクタンスLを有する。漏れインダクタンスLは、ノーマルモードノイズに対するチョークコイルとして機能する。そのため、漏れインダクタンスLは、平滑コンデンサ55とともに、ノーマルモードノイズを除去するローパスフィルタ回路を構成している。これにより、コイル56は、直流電力に含まれるノイズを低減させる。よって、フィルタ回路53は、コモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを除去する。
【0045】
フィルタ回路53は、第1コンデンサ群60を2つ有している。2つの第1コンデンサ群60は、直列接続されている。2つの第1コンデンサ群60の間は、ハウジング10を介して車両のボディに接地されている。2つの第1コンデンサ群60は、コイル56に対してインバータ回路52側に設けられている。2つの第1コンデンサ群60は、コイル56に対して並列接続されている。2つの第1コンデンサ群60は、平滑コンデンサ55に対して並列接続されている。2つの第1コンデンサ群60は、コイル56と平滑コンデンサ55との間に位置している。
【0046】
フィルタ回路53は、第2コンデンサ群70を2つ有している。2つの第2コンデンサ群70は、直列接続されている。2つの第2コンデンサ群70の間は、ハウジング10を介して車両のボディに接地されている。2つの第2コンデンサ群70は、コイル56に対してコネクタ48側に設けられている。2つの第2コンデンサ群70は、コネクタ48に対して並列接続されている。2つの第2コンデンサ群70は、コイル56に対して並列接続されている。2つの第2コンデンサ群70は、コネクタ48とコイル56との間に位置している。
【0047】
図3に示すように、コイル56、第1コンデンサ群60及び第2コンデンサ群70は、回路基板51に実装されている。なお、
図3では、説明の都合上、第1コンデンサ群60及び第2コンデンサ群70をそれぞれ1つだけ図示している。また、平滑コンデンサ55も回路基板51に実装されているが、
図3では、説明の都合上、平滑コンデンサ55の図示を省略している。
【0048】
回路基板51には、導電パターン90が形成されている。導電パターン90は、第1導電部91、第2導電部92及び第3導電部93を有している。また、回路基板51は、絶縁層94を有している。絶縁層94は、例えば、板状のガラスエポキシ樹脂により形成されている。導電パターン90は、シート状の銅箔により形成されている。導電パターン90は、絶縁層94の表面に設けられている。第1導電部91、第2導電部92及び第3導電部93は、所定の形状にパターニングされている。第1導電部91、第2導電部92及び第3導電部93は、それぞれの間で絶縁が確保できる程度に互いに離間した状態で、絶縁層94の表面に設けられている。
【0049】
第1導電部91は、インバータ回路52に電気的に接続されている。すなわち、インバータ回路52は、第1導電部91上に設けられている。第1導電部91は、第2導電部92に対向する第1端縁91aを有している。第1導電部91は、第3導電部93に対向する第2端縁91bを有している。
【0050】
第3導電部93は、コネクタ48に電気的に接続されている。第3導電部93は、第1導電部91の第2端縁91bに対向する第3端縁93aを有している。第3導電部93は、第2導電部92に対向する第4端縁93bを有している。
【0051】
第2導電部92は、回路基板51を第1端壁12aに固定している各ボルト80に電気的に接続されている。第2導電部92は、第1導電部91の第1端縁91a及び第3導電部93の第4端縁93bに対向する第5端縁92aを有している。
【0052】
コイル56の第1端は、第1導電部91に接続されている。コイル56の第2端は、第3導電部93に接続されている。よって、コイル56は、第1導電部91と第3導電部93とを電気的に接続している。コイル56は、第1導電部91の第2端縁91bと第3導電部93の第3端縁93aとの間を跨いだ状態で第1導電部91と第3導電部93とを電気的に接続している。
【0053】
第2導電部92は、第1コンデンサ群60と第2コンデンサ群70とを電気的に接続している。第1コンデンサ群60の第1端は、第1導電部91に接続されている。第1コンデンサ群60の第2端は、第2導電部92に接続されている。第1コンデンサ群60は、第1導電部91と第2導電部92とを電気的に接続している。第1コンデンサ群60は、第1導電部91の第1端縁91aと第2導電部92の第5端縁92aとの間を跨いだ状態で、第1導電部91と第2導電部92とを電気的に接続している。
【0054】
第2コンデンサ群70の第1端は、第3導電部93に接続されている。第2コンデンサ群70の第2端は、第2導電部92に接続されている。第2コンデンサ群70は、第3導電部93と第2導電部92とを電気的に接続している。第2コンデンサ群70は、第3導電部の第4端縁93bと第2導電部92の第5端縁92aとの間を跨いだ状態で第3導電部93と第2導電部92とを電気的に接続している。
【0055】
第2導電部92には、複数のボルト80が貫通している。第2導電部92を貫通する各ボルト80は、第1端壁12aにねじ込まれることにより、第1端壁12aに電気的に接続されている。よって、第2導電部92を貫通する各ボルト80は、グランドとして機能している。そして、第2導電部92は、第2導電部92を貫通する各ボルト80及びハウジング10の第1端壁12aを介して車両のボディに接地されている。
【0056】
回路基板51においては、インバータ回路52に含まれるスイッチング素子Q1~Q6や、コイル56が大きな発熱源となる。このため、この実施例では、
図3に示すように、各スイッチング素子Q1~Q6を第1導電部91に電気的に接続するための端子Tを第1発熱部F1と想定し、端子Tと第1導電部91とを半田付け等により電気的に接続する接続部を第1接続点C1と想定する。なお、この実施例では、各スイッチング素子Q1~Q6のうち中心又は略中心に位置するスイッチング素子の端子Tを第1発熱部F1と想定している。また、コイル56を第2発熱部F2と想定し、コイル56と第3導電部93とを半田付け等により電気的に接続する接続部を第2接続点C2と想定する。
【0057】
ここに、
図3に示すように、第2導電部92を貫通する各ボルト80のうち、第1発熱部F1としての端子Tから最も近いボルトを第1近接ボルト81と想定する。同様に、第2導電部92を貫通する各ボルト80のうち、第2発熱部F2としてのコイル56から最も近いボルトを第2近接ボルト82と想定する。第1近接ボルト81は、本発明における「第1近接締結部材」の一例である。第2近接ボルト82は、本発明における「第2近接締結部材」の一例である。また、第1接続点C1と第1近接ボルト81とを結ぶ仮想直線を第1仮想直線L1と想定する。同様に、第2接続点C2と第2近接ボルト82とを結ぶ仮想直線を第2仮想直線L2と想定する。
【0058】
この実施例の圧縮機では、2つの第1コンデンサ群60のうちの一方が、第1仮想直線L1上に配置されている。同様に、2つの第2コンデンサ群70のうちの一方が、第2仮想直線L2上に配置されている。
【0059】
なお、
図3には示されていないが、2つの第1コンデンサ群60のうちの他方も、第1導電部91上における他の発熱部と第1導電部91との第1接続点と、第2導電部92を貫通するボルト80のうち、この発熱部から最も近い他の近接ボルトとを結ぶ他の仮想直線上に配置されている。同様に、
図3には示されていないが、2つの第2コンデンサ群70のうちの他方も、第3導電部93上における他の発熱部と第3導電部との第2接続点と、第2導電部92を貫通するボルト80のうち、この発熱部から最も近い他の近接ボルトとを結ぶ他の仮想直線上に配置されている。
【0060】
2つの第1コンデンサ群60及び2つの第2コンデンサ群70は、いずれも同じ構成を有している。このため、1つの第1コンデンサ群60の構成を以下に説明することで、他のコンデンサ群の構成についての詳しい説明を省略する。
【0061】
図4に示すように、第1コンデンサ群60は、2つの第1コンデンサ61A、61Bと、一対の第1金属枠体62、62とを有している。同様に、第2コンデンサ群70は、2つの第2コンデンサ71A、71Bと、一対の第2金属枠体72、72とを有している。
【0062】
第1コンデンサ61A、61Bは、いわゆる積層チップ型のセラミックコンデンサである。第1コンデンサ61A、61Bは略直方体形状をなしている。一方の第1コンデンサ61Aの長手方向の両端部には外部電極61a、61aが設けられている。同様に、他方の第1コンデンサ61Bの長手方向の両端部には外部電極61b、61bが設けられている。
【0063】
2つの第1コンデンサ61A、61Bは、最も面積の広い主面同士を対向させた状態で、一対の第1金属枠体62、62により保持されている。2つの第1コンデンサ61A、61Bは、主面同士が向き合うように並べて上下方向に積み重ねられている。上側の第1コンデンサ61Aの主面としての下面と、下側の第1コンデンサ61Bの主面としての上面とが対面している。
【0064】
各第1金属枠体62は、断面L字状をなしている。第1金属枠体62は、接続部62aと、接続部62aの一端から起立する連結部62bとを有している。接続部62aは、導電パターン90に電気的に接続されている。一方の第1金属枠体62の連結部62bは、上側の第1コンデンサ61Aの長手方向一端側の外部電極61aと、下側の第1コンデンサ61Bの長手方向一端側の外部電極61bとを電気的に接続している。同様に、他方の第1金属枠体62の連結部62bは、上側の第1コンデンサ61Aの長手方向他端側の外部電極61aと、下側の第1コンデンサ61Bの長手方向他端側の外部電極61bとを電気的に接続している。
【0065】
以上のように構成されたこの圧縮機では、インバータ回路52がステータ44に給電を行いつつ電動モータ40の作動制御を行うことにより、電動モータ40が作動する。これによりロータ42が回転することで、圧縮部30が作動して、モータ収容室17内に吸入された冷媒ガスを圧縮する。圧縮された冷媒ガスは、吐出口14aから図示しない凝縮器へと吐出される。こうして、車両用空調装置による空調が行われる。
【0066】
そして、回路基板51に実装されたインバータ回路52で発生するノイズは、例えば第1コンデンサ群60を経由して第2導電部92に流れてグランドに流れたり、あるいはコイル56及び第2コンデンサ群70を経由して第2導電部92に流れてグランドに流れたりする。このため、インバータ回路52から発生するノイズがコネクタ48を介して外部へ洩れ出てしまうことを抑制することができる。
【0067】
ここで、この圧縮機では、第1接続点C1と第1発熱部F1としての端子Tに最も近い第1近接ボルト81とを結ぶ第1仮想直線L1上に、第1導電部91と第2導電部92とを接続する第1コンデンサ群60が配置されている。このため、第1発熱部F1と想定した端子Tで発生した熱は、第1導電部91から第1コンデンサ群60を介して第2導電部92に伝わり、そして第1近接ボルト81に伝わる。すなわち、第1発熱部F1としての端子Tで発生した熱は、第1コンデンサ群60が第1仮想直線L1上に配置されていない場合と比較して短い放熱経路を通って第1近接ボルト81に伝わる。そして、第1近接ボルト81に伝わった熱は、ハウジング10の第1端壁12aを介して車両のボディに逃すことができる。これにより、第1コンデンサ群60が第1仮想直線L1上に配置されていない場合と比較して放熱効率が向上するため、第1コンデンサ群60への熱負荷を下げることができ、使用温度範囲の狭いコンデンサを使用することが可能となって、コストの増加を抑えられる。また、第1コンデンサ群60においては、2つの第1コンデンサ61A及び61Bが第1金属枠体62によって1か所にまとめられているので、2つの第1コンデンサが散在している場合と比較して、放熱のアンバランスを抑えることができる。これにより、2つの第1コンデンサ61A及び61Bへの熱負荷を下げることができ、使用温度範囲の狭いコンデンサを使用することが可能となって、コストの増加を抑えられる。
【0068】
同様に、第2接続点C2と第2発熱部F2としてのコイル56に最も近い第2近接ボルト82とを結ぶ第2仮想直線L2上に、第3導電部93と第2導電部92とを接続する第2コンデンサ群70が配置されている。このため、第2発熱部F2と想定したコイル56で発生した熱は、第3導電部93から第2コンデンサ群70を介して第2導電部92に伝わり、そして第2近接ボルト82に伝わる。すなわち、第2発熱部F2としてのコイル56で発生した熱は、第2コンデンサ群70が第2仮想直線L2上に配置されていない場合と比較して短い放熱経路を通って第2近接ボルト82に伝わる。そして、第2近接ボルト82に伝わった熱は、ハウジング10の第1端壁12aを介して車両のボディに逃すことができる。これにより、第2コンデンサ群70が第2仮想直線L2上に配置されていない場合と比較して放熱効率が向上するため、第2コンデンサ群70への熱負荷を下げることができ、使用温度範囲の狭いコンデンサを使用することが可能となって、コストの増加を抑えられる。また、第2コンデンサ群70においては、2つの第2コンデンサ71A及び71Bが第2金属枠体72によって1か所にまとめられているので、2つの第2コンデンサが散在している場合と比較して、放熱のアンバランスを抑えることができる。これにより、2つの第21コンデンサ71A及び71Bへの熱負荷を下げることができ、使用温度範囲の狭いコンデンサを使用することが可能となって、コストの増加を抑えられる。
【0069】
こうして、回路基板51において大きな発熱源となる第1発熱部F1及び第2発熱部F2で発生した熱を効率的に放熱することができる。
【0070】
したがって、この実施例の圧縮機によれば、コストの増加を抑えつつ、回路基板51の放熱効率を向上させることができる。
【0071】
また、この圧縮機では、第1コンデンサ群60及び第2コンデンサ群70によって、コンデンサの容量を稼ぎつつ、コンデンサの実装面積を減らすことができる。その結果、部品点数の削減や部品配置の自由度の向上を図ることができる。
【0072】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0073】
実施例の圧縮機では、第1コンデンサ群60又は第2コンデンサ群70におけるコンデンサの数を2つとしているが、3つ以上としてもよい。第1コンデンサ群又は第2コンデンサ群70において、複数のコンデンサを上下に並べるのではなく、横に並べてもよい。
【0074】
実施例の圧縮機では、インバータ回路52におけるパワー素子としてのスイッチング素子の端子Tを第1発熱部F1とし、コイル56を第2発熱部F2としている。しかし、本発明はこれに限らず、導電パターン90上における任意の発熱源を第1発熱部F1や第2発熱部F2とすることができる。
【0075】
実施例の圧縮機では、導電パターンとして第1~第3導電部91~93を有しているが、導電パターンにおける導電部の数はこれに限られず、2個でも4個以上でもよい。第1コンデンサ群60や第2コンデンサ群70の数も特に限定されるものではない。
【0076】
実施例の圧縮機において、パワー素子としてのスイッチング素子Q1~Q6にIGBTを用いているが、IGBTに代えて、他の半導体素子、例えばMOSFETを用いてもよい。この場合、ダイオードD1~D6が不要となる。また、コイル56もコモンモードチョークコイルに限らない。
【0077】
実施例の圧縮機において、圧縮部30は、スクロール式に限らず、例えば、ピストン式やベーン式等であってもよい。
【0078】
実施例の圧縮機は、車両空調装置に用いられていたが、これに限らない。例えば、本発明の電動圧縮機は、燃料電池車に搭載されて、燃料電池に供給される流体としての空気を圧縮部により圧縮するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、車両の空調装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0080】
10…ハウジング
30…圧縮部
40…電動モータ
50…インバータ装置
51…回路基板
52…インバータ回路(電気回路)
53…フィルタ回路(電気回路)
60…第1コンデンサ群
61A、61B…第1コンデンサ
62…第1金属枠体
70…第2コンデンサ群
71A、71B…第2コンデンサ
72…第2金属枠体
80…ボルト(締結部材)
81…第1近接ボルト(第1近接締結部材)
82…第2近接ボルト(第2近接締結部材)
90…導電パターン
91…第1導電部
92…第2導電部
93…第3導電部
F1…第1発熱部
F2…第2発熱部
C1…第1接続点
C2…第2接続点
L1…第1仮想直線
L2…第2仮想直線
Q1~Q6…スイッチング素子(パワー素子)
T…端子