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特開2024-140272照明器具データ作成装置、照明器具データ作成方法及び照明器具データ作成プログラム
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  • 特開-照明器具データ作成装置、照明器具データ作成方法及び照明器具データ作成プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140272
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】照明器具データ作成装置、照明器具データ作成方法及び照明器具データ作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20241003BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F30/10
G06T7/00 300F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051333
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 勝海
(72)【発明者】
【氏名】東 洋邦
【テーマコード(参考)】
5B146
5L096
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146AA21
5B146DC03
5B146DL02
5B146DL08
5L096AA02
5L096AA06
5L096CA25
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】実施形態は、専用の操作スキル等がない作成者であっても簡易に照明器具データを作成できる照明器具データ作成装置、照明器具データ作成方法及び照明器具データ作成プログラムを提供する。
【解決手段】照明器具データ作成装置は、判別部と、特定部と、作成部とを備える。判別部は、ユーザによって入力された照明器具の画像と類似する少なくとも1つの照明器具を判別する。特定部は、判別の結果に基づいてデータ作成対象の照明器具を特定する。作成部は、特定された照明器具の3Dモデル及び属性情報がマージされた照明器具データを作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって入力された照明器具の画像と類似する少なくとも1つの照明器具を判別する判別部と;
前記判別の結果に基づいてデータ作成対象の照明器具を特定する特定部と;
前記特定された照明器具の3Dモデル及び属性情報がマージされた照明器具データを作成する作成部と;
を具備する照明器具データ作成装置。
【請求項2】
前記判別部は、前記ユーザによって入力された前記照明器具の画像の特徴量に基づいて少なくとも1つの前記照明器具を判別する、
請求項1に記載の照明器具データ作成装置。
【請求項3】
前記判別部は、前記判別された少なくとも1つの照明器具のリストを作成する、
請求項2に記載の照明器具データ作成装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記リストの中からの前記ユーザの選択を受けて前記データ作成対象の照明器具を特定する、
請求項3に記載の照明器具データ作成装置。
【請求項5】
前記作成部は、複数の照明器具の3Dモデルと属性情報とを記憶している、
請求項1に記載の照明器具データ作成装置。
【請求項6】
前記作成部は、前記記憶されている複数の照明器具の3Dモデルと属性情報の中から前記データ作成対象の照明器具の3Dモデルと属性情報を取得し、取得した3Dモデルと属性情報をマージすることで前記照明器具データを作成する、
請求項5に記載の照明器具データ作成装置。
【請求項7】
前記作成部は、前記作成した照明器具データをデータベースにアップロードする、
請求項1に記載の照明器具データ作成装置。
【請求項8】
ユーザによって入力された照明器具の画像と類似する少なくとも1つの照明器具を判別することと;
前記判別の結果に基づいてデータ作成対象の照明器具を特定することと;
前記特定された照明器具の3Dモデル及び属性情報がマージされた照明器具データを作成することと;
を具備する照明器具データ作成方法。
【請求項9】
ユーザによって入力された照明器具の画像と類似する少なくとも1つの照明器具を判別することと;
前記判別の結果に基づいてデータ作成対象の照明器具を特定することと;
前記特定された照明器具の3Dモデル及び属性情報がマージされた照明器具データを作成することと;
をコンピュータに実行させるための照明器具データ作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、照明器具データ作成装置、照明器具データ作成方法及び照明器具データ作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
照明のシミュレーション等において、照明器具の3次元モデル及び照明器具の属性情報が用いられることがある。従来、これらの3次元モデル及び属性情報は、別個のデータである。近年、例えばBIM(Building Information Modeling)データといった3次元モデルの情報と属性情報とが組み合わせられた照明器具データも利用され始めている。
【0003】
例えば、BIMデータの作成に際し、作成者は、BIMソフトウェアを用いて照明器具の3Dモデルを作成し、続いて必要な照明器具の属性情報を入力する。BIMソフトウェアは、作成された3Dモデルと属性情報とをマージすることでBIMデータを生成する。
【0004】
ここで、照明器具の3Dモデルの作成のためには、照明器具の平面図、正面図、側面図といった各種図面が必要である。また、照明器具の3Dモデルの作成のためには、BIMデータの作成者に3DCAD(Computer Aided Design)の操作スキルが求められる。さらに、属性情報の入力のためには、寸法、材質といった照明器具の属性情報を収集する必要がある。このため、照明器具データの作成には手間がかかりやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-163254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態は、専用の操作スキル等がない作成者であっても簡易に照明器具データを作成できる照明器具データ作成装置、照明器具データ作成方法及び照明器具データ作成プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様の照明器具データ作成装置は、判別部と、特定部と、作成部とを備える。判別部は、ユーザによって入力された照明器具の画像と類似する少なくとも1つの照明器具を判別する。特定部は、判別の結果に基づいてデータ作成対象の照明器具を特定する。作成部は、特定された照明器具の3Dモデル及び属性情報がマージされた照明器具データを作成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る照明器具データ作成システムの一例の構成を示す図である。
図2図2は、判別装置、特定装置及び作成装置を構成するコンピュータの一例のハードウェア構成を示す図である。
図3図3は、照明器具データ作成システムの動作を示すフローチャートである。
図4図4は、照明器具データの作成の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係る照明器具データ作成装置は、判別部(20)と、特定部(30)と、作成部(40)とを備える。判別部(20)は、ユーザによって入力された照明器具の画像と類似する少なくとも1つの照明器具を判別する。特定部(30)は、判別の結果に基づいてデータ作成対象の照明器具を特定する。作成部(40)は、特定された照明器具の3Dモデル及び属性情報がマージされた照明器具データを作成する。
【0010】
また、実施形態において、判別部(20)は、ユーザによって入力された照明器具の画像の特徴量に基づいて少なくとも1つの照明器具を判別する。
【0011】
また、実施形態において、判別部(20)は、判別された少なくとも1つの照明器具のリストを作成する。
【0012】
また、実施形態において、特定部(30)は、リストの中からのユーザの選択を受けてデータ作成対象の照明器具を特定する。
【0013】
また、実施形態において、作成部(40)は、複数の照明器具の3Dモデルと属性情報とを記憶している。
【0014】
また、実施形態において、作成部(40)は、記憶されている複数の照明器具の3Dモデルと属性情報の中からデータ作成対象の照明器具の3Dモデルと属性情報を取得し、取得した3Dモデルと属性情報をマージすることで照明器具データを作成する。
【0015】
また、実施形態において、作成部(40)は、作成した照明器具データをデータベース(10)にアップロードする。
【0016】
以上の構成によれば、ユーザは照明器具の画像を入力するだけで照明器具データが作成される。このため、専用の操作スキル等がない作成者であっても簡易に照明器具データを作成できる。
【0017】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る照明器具データ作成システムの一例の構成を示す図である。照明器具データ作成システム1は、データベース10と、判別装置20と、特定装置30と、作成装置40とを有している。データベース10と、判別装置20と、特定装置30と、作成装置40とは、ネットワーク60に接続されている。データベース10と、判別装置20と、特定装置30と、作成装置40とは、ネットワーク60を介して相互に通信できる。また、ネットワーク60には、ユーザ端末50も接続されている。ユーザ端末50は、ネットワーク60を介してデータベース10、特定装置30及び作成装置40と通信できる。ネットワーク60は、例えばインターネットである。または、ネットワーク60は、ユーザ端末50の設置されている会社等に構築されたイントラネットであってもよい。
【0018】
データベース10は、各種のデータをユーザがアップロード又はダウンロードできるように格納するストレージを含む。ストレージは、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブといった任意のストレージであり得る。実施形態において、データベース10は、少なくとも商品画像データ10aと、照明器具データ10bとを格納している。
【0019】
商品画像データ10aは、ユーザ端末50からアップロードされた照明器具の画像データである。商品画像データ10aは、判別装置20における照明器具の判別に用いられる。商品画像データ10aは、判別装置20における照明器具の判別後にデータベース10から消去されてもよいし、消去されなくてもよい。商品画像データ10aは、ユーザ端末50のユーザが実際の照明器具を撮影して得られた画像データであってもよいし、カタログ等から取得した画像データ等であってもよい。
【0020】
照明器具データ10bは、後で説明される処理に従って作成される照明器具のデータである。照明器具データ10bは、照明器具の3Dモデルと照明器具の属性情報とがマージされたデータである。照明器具データ10bは、例えばBIMデータであり得るが、BIMデータ以外の任意の照明器具の3Dモデルと照明器具の属性情報とがマージされたデータであり得る。照明器具データ10bは、ユーザ端末50によってダウンロードされ得る。
【0021】
判別装置20は、ユーザによって入力された商品画像データにおける照明器具と類似する照明器具を判別するコンピュータである。判別装置20は、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータといったコンピュータであり得る。判別装置20は、単一のコンピュータによって構成されていてもよいし、クラウドによって構成されてもよい。判別装置20は、抽出部21と、検索部22と、列挙部23と、通信部24とを有している。
【0022】
抽出部21は、データベース10にアップロードされた商品画像データ10aを取得する。そして、抽出部21は、取得した商品画像データ10aにおける照明器具の画像の特徴量を抽出する。特徴量は、照明器具の外形、すなわちエッジの形状、照明器具の色といった量である。特徴量は、画像から抽出される任意の量であってよい。また、特徴量の抽出手法も特定の手法に限定されるものではない。
【0023】
検索部22は、多数の商品画像データ22aを記憶している。検索部22は、抽出部21において抽出された特徴量に基づいて、商品画像データ10aの照明器具と類似する商品画像データ22aを検索する。商品画像データ22aの検索は、例えば特徴量マッチングによって行われ得る。しかしながら、商品画像データ22aの検索は、必ずしも特徴量マッチングによって行われる必要はない。例えば、検索部22が畳み込みニューラルネットワーク(CNN)によって構成される、商品画像データ22aの特徴量を学習済みの学習モデルを有している場合には、この学習モデルに商品画像データ10aの特徴量を入力することによって、商品画像データ10aの検索が行われてもよい。このように、商品画像データ22aの探索は、任意の手法で行われてよい。また、商品画像データ22aは、検索部22に記憶されておらず、データベース10に記憶されていてもよい。さらには、検索手法によっては、検索部22は、必ずしも商品画像データ22aを記憶していなくてもよい。
【0024】
列挙部23は、検索部22で検索された商品画像データ22aにおける照明器具の情報を列挙する。列挙部23は、商品画像データ10aと商品画像データ22aの特徴量の類似度の高い順に予め定められた順位までの照明器具の情報を列挙する。または、検索部22が学習モデルを備えている場合には、列挙部23は、学習モデルによる推定確率の高い順に予め定められた順位までの照明器具の情報を列挙する。照明器具の情報は、照明器具のID、型名、寸法等の照明器具の特定に必要な各種の情報を含む。また、照明器具の情報の列挙は、例えば照明器具のID、型名、寸法等をユーザ端末50のディスプレイにリスト形式で表示することで行われる。
【0025】
通信部24は、判別装置20がデータベース10、特定装置30、作成装置40及びユーザ端末50と通信する。通信部24は、通信のための通信インタフェースを有している。通信インタフェースは、有線通信インタフェースであってもよいし、無線通信インタフェースであってもよい。例えば、通信部24は、データベース10にアップロードされた商品画像データ10aを受信する。また、通信部24は、列挙部23によって列挙された照明器具のリストをユーザ端末50に送信する。
【0026】
特定装置30は、判別装置20によって判別された照明器具のうちでユーザ端末50のユーザが所望する、照明器具データの作成対象の照明器具を特定するコンピュータである。特定装置30は、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータといったコンピュータであり得る。特定装置30は、単一のコンピュータによって構成されていてもよいし、クラウドによって構成されてもよい。特定装置30は、特定部31と、通信部32とを有している。
【0027】
特定部31は、判別装置20によって列挙された照明器具に対するユーザ端末50からの選択を受けてユーザが所望する照明器具を特定する。そして、特定部31は、特定した照明器具の情報を作成装置40に通知する。
【0028】
通信部32は、特定装置30がデータベース10、判別装置20、作成装置40及びユーザ端末50と通信する。通信部32は、通信のための通信インタフェースを有している。通信インタフェースは、有線通信インタフェースであってもよいし、無線通信インタフェースであってもよい。例えば、通信部32は、リストの中からユーザ端末50によって選択された照明器具の情報を受信する。また、通信部32は、特定部31によって特定された照明器具の情報を作成装置40に送信する。
【0029】
作成装置40は、特定装置30によって特定された照明器具の照明器具データを作成するコンピュータである。作成装置40は、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータといったコンピュータであり得る。作成装置40は、単一のコンピュータによって構成されていてもよいし、クラウドによって構成されてもよい。作成装置40は、情報部41と、作成部42と、通信部43とを有している。
【0030】
情報部41は、照明器具データを作成するためのデータとして、3Dモデル41aと、属性情報41bとを記憶している。3Dモデル41aと属性情報41bとは、照明器具の型名等と対応付けられている。情報部41は、特定装置30において特定された照明器具に対応した3Dモデル41a及び属性情報41bを作成部42に渡す。ここで、3Dモデル41aと属性情報41bは、情報部41に記憶されておらず、データベース10に記憶されていてもよい。
【0031】
3Dモデル41aは、対応する照明器具の3Dモデルのデータである。3Dモデル41aは、例えば3DCADアプリケーションを用いて予め作成されている。3Dモデル41aのデータ形式は、照明器具データを作成できるデータ形式であれば限定されない。例えば、照明器具データがBIMデータであるときには、3Dモデル41aは、照明器具データの作成に用いられるBIMのアプリケーションに対応したデータ形式である必要がある。
【0032】
属性情報41bは、対応する照明器具の各種の属性情報のデータである。属性情報は、照明器具に用いられている光源の種類、配光特性、本体の色、寸法、材質といった照明器具データとして必要とされる各種の情報である。属性情報は、例えばタグ付きのテキスト形式で記憶されている。しかしながら、属性情報は、必ずしもタグ付きのテキスト形式で記憶される必要はない。
【0033】
作成部42は、3Dモデル41aと属性情報41bとから照明器具データを作成する。そして、作成部42は、作成した照明器具データをデータベース10にアップロードする。作成部42は、照明器具データに応じた照明器具データ作成アプリケーションを記憶している。そして、作成部42は、3Dモデル41aと属性情報41bとの入力に応じて照明器具データ作成アプリケーションを用いて3Dモデル41aと属性情報41bとをマージすることによって照明器具データを作成する。例えば、照明器具データがBIMデータであれば、作成部42は、BIMデータ作成アプリケーションを用いて照明器具データを作成する。照明器具データのデータ形式は、特に限定されるものではない。また、照明器具データとして3Dモデル41aと属性情報41bとをどのようにマージするかも適宜に設定されてよい。
【0034】
通信部43は、作成装置40がデータベース10、判別装置20、特定装置30及びユーザ端末50と通信する。通信部43は、通信のための通信インタフェースを有している。通信インタフェースは、有線通信インタフェースであってもよいし、無線通信インタフェースであってもよい。例えば、通信部43は、特定装置30によって特定された照明器具の情報を受信する。また、通信部43は、作成部42によって作成された照明器具データをデータベース10に送信する。
【0035】
ユーザ端末50は、ユーザによって操作される端末である。ユーザ端末50は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末といった各種の端末であり得る。ユーザ端末50は、データベース10、判別装置20、特定装置30及び作成装置40と通信するための通信部、ユーザの各種の入力を受け付けるタッチパネル等の入力インタフェース及び各種の情報の出力のためのディスプレイ等の出力インタフェースを有する任意の端末であってよい。
【0036】
図2は、判別装置20、特定装置30及び作成装置40を構成するコンピュータの一例のハードウェア構成を示す図である。ここで、説明の簡単化のために、判別装置20、特定装置30及び作成装置40は、同じハードウェア構成を有しているものとする。しかしながら、判別装置20、特定装置30及び作成装置40は、必ずしも同じハードウェア構成を有している必要はない。
【0037】
判別装置20、特定装置30及び作成装置40を構成するコンピュータは、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入力インタフェース104と、出力インタフェース105と、通信装置106とを有する。
【0038】
プロセッサ101は、コンピュータの動作を制御するように構成されたプロセッサである。プロセッサ101は、ストレージ103に記憶されている各種のプログラムに従って各種の処理を実行する。プロセッサ101は、例えばCPUである。プロセッサ101は、CPUではなく、MPU、GPU等であってもよい。また、プロセッサ101は、1つのCPU等によって構成されている必要はなく、複数のCPU等によって構成されてもよい。
【0039】
メモリ102は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、例えば不揮発性メモリであり、コンピュータの起動プログラム等を記憶している。RAMは、例えば揮発性のメモリである。RAMは、例えばプロセッサ101における処理の際の作業メモリとして用いられる。
【0040】
ストレージ103は、例えばハードディスク、ソリッドステートドライブといったストレージである。ストレージ103は、コンピュータにおいて用いられる各種のプログラム及びデータを格納している。プロセッサ101は、プログラムに従って処理を実行することによって、判別装置20、特定装置30又は作成装置40として動作し得る。すなわち、判別装置20のストレージ103には、プロセッサ101を、抽出部21、検索部22及び列挙部23として動作させるためのプログラムが格納されている。また、特定装置30のストレージ103には、プロセッサ101を、特定部31として動作させるためのプログラムが格納されている。また、作成装置40のストレージ103には、プロセッサ101を、作成部42として動作させるためのプログラムが格納されている。さらに、判別装置20のストレージ103には、商品画像データ22aが格納されていてもよい。また、作成装置40のストレージ103には、3Dモデル41aと属性情報41bが格納されていてもよい。一方で、商品画像データ22a、3Dモデル41a、属性情報41bは、ストレージ103に記憶されておらず、データベース10に記憶されていてもよい。
【0041】
入力インタフェース104は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置を含む。入力インタフェース104の操作がされた場合、操作内容に応じた信号がプロセッサ101に入力される。プロセッサ101は、この信号に応じて各種の処理を行う。入力インタフェース104は、例えばストレージ103への各種のデータの登録等に用いられ得る。一方で、判別装置20、特定装置30、作成装置40は、入力インタフェース104を有していなくてもよい。
【0042】
出力インタフェース105は、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置を含む。各種の情報が出力インタフェース105の出力装置を介して出力され得る。出力インタフェース105は、例えば各種のデータの登録の際の画面表示等に用いられ得る。一方で、判別装置20、特定装置30、作成装置40は、出力インタフェース105を有していなくてもよい。
【0043】
通信装置106は、ネットワーク60に接続するための通信インタフェースを含み、通信部24、32、43として動作し得る。前述したように、通信インタフェースは、有線通信インタフェース及び無線通信インタフェースの何れであってもよい。
【0044】
次に、照明器具データ作成システム1の動作について説明する。図3は、照明器具データ作成システム1の動作を示すフローチャートである。図3の動作は、判別装置20、特定装置30及び作成装置40の連携によって制御され得る。ここで、照明器具データ作成システム1におけるユーザ端末50のアクセスに先立って例えばIDとパスワードを用いたユーザ認証が行われてもよい。この場合、正しくユーザ認証がされたときに図3の動作が開始される。
【0045】
ステップS1において、判別装置20の抽出部21は、データベース10に新たな商品画像データ10aがアップロードされたか否かを判定する。ユーザは、照明器具データを作成するのに際してユーザ端末50を操作して自身が照明器具データを作成したい照明器具の画像データをデータベース10にアップロードする。判別装置20は、データベース10のアップロード状況を定期的にモニタリングすることで、データベース10に新たな商品画像データ10aがアップロードされたか否かを判定する。ステップS1において、データベース10に新たな商品画像データ10aがアップロードされたと判定されたときには、処理はステップS2に移行する。ステップS1において、データベース10に新たな商品画像データ10aがアップロードされたと判定されていないときには、処理はステップS9に移行する。
【0046】
ステップS2において、抽出部21は、通信部24を用いて、新規にアップロードされた商品画像データ10aをデータベース10から取得する。そして、抽出部21は、商品画像データ10aから照明器具の特徴量を抽出する。前述したように、照明器具の特徴量は、照明器具の外径、色等であり得る。
【0047】
ステップS3において、検索部22は、抽出部21で抽出された特徴量を用いて商品画像データ10aにおける照明器具を判別する。
【0048】
ステップS4において、列挙部23は、検索部22で検索された結果に基づいて照明器具のリストを作成する。そして、列挙部23は、通信部24を用いて、照明器具のリストをユーザ端末50に送信する。これを受けて、ユーザ端末50は、照明器具のリストをディスプレイに表示する。照明器具のリストは、列挙部23において作成された照明器具のID、型名、寸法等のリストであり得る。
【0049】
ステップS5において、特定装置30の特定部31は、リストの中からの照明器具の選択があったか否かを判定する。ユーザ端末50のユーザは、ユーザ端末50の入力装置を操作してリストの中から所望の照明器具を選択する。これを受けて、ユーザ端末50は、選択された照明器具の情報を特定部31に送信する。ユーザ端末50からの照明器具の情報の受信があったときに、リストの中からの照明器具の選択があったと判定される。ステップS5において、リストの中からの照明器具の選択があったと判定されるまで、処理は待機される。なお、一定時間の選択がないときには、処理がタイムアウトしてもよい。ステップS5において、リストの中からの照明器具の選択があったと判定されたときには、処理はステップS6に移行する。
【0050】
ステップS6において、特定部31は、通信部32を用いて、ユーザによって選択された照明器具の情報を作成装置40の情報部41に送信する。情報部41は、ユーザによって選択された照明器具と対応する3Dモデル41a及び属性情報41bを取得し、取得した3Dモデル41a及び属性情報41bを作成部42に渡す。
【0051】
ステップS7において、作成部42は、3Dモデル41a及び属性情報41bをマージすることによって照明器具データを作成する。
【0052】
図4は、照明器具データの作成の概念図である。情報部41は、各種の照明器具の3Dモデルと属性情報とを例えば照明器具の型名と対応付けて記憶している。特定部31によって特定された照明器具の情報の入力を受けて、情報部41は、対応する照明器具の3Dモデル及び属性情報を作成部42に渡す。図4は、ユーザがリストの中から「照明器具A」を選択したときの例を示している。この場合、情報部41は、「照明器具A」の3Dモデルと属性情報を作成部42に渡す。
【0053】
作成部42は、情報部41から渡された3Dモデルと属性情報、すなわち「照明器具A」の3Dモデルと属性情報とをマージすることで照明器具データを作成する。3Dモデルと属性情報とがマージされることにより、3Dモデル上のLEDの箇所が指定されたときにその材質等を表示させたり、配光分布を視覚化したりする等の3Dモデルだけでは表現できない情報も視覚化され得る。また、3Dモデルから2次元画像を切り出す処理等も行われ得る。
【0054】
ここで、図3の説明に戻る。ステップS8において、作成部42は、通信部43を用いて照明器具データをデータベース10にアップロードする。また、作成部42は、照明器具データがデータベース10にアップロードされたことを、ユーザ端末50に通知する。通知は、ショートメッセージの送付等の任意の手法で行われてよい。
【0055】
ステップS9において、データベース10は、ユーザ端末50からの照明器具データ10bのダウンロード要求があるか否かを判定する。ステップS9において、ユーザ端末50からの照明器具データ10bのダウンロード要求がないと判定されたときには、図3の処理は終了する。ステップS9において、ユーザ端末50からの照明器具データ10bのダウンロード要求があると判定されたときには、処理はステップS10に移行する。
【0056】
ステップS10において、データベース10は、ユーザによって指定された照明器具データ10bをユーザ端末50に送信する。その後、図3の処理は終了する。ユーザ端末50にダウンロードされた照明器具データ10bは、ユーザ端末50における所定のアプリケーション上で利用され得る。なお、ユーザ端末50にダウンロードされた照明器具データ10bにおける3Dモデル及び属性情報は、ユーザによって修正されてもよい。
【0057】
以上説明したように実施形態によれば、種々の照明器具についての3Dモデルと属性情報とが作成済みであり、これらは照明器具の型名等と対応付けられて記憶されている。そして、ユーザが所望の照明器具の画像をデータベースにアップロードすると、それと類似する照明器具が検索され、検索された照明器具がリスト表示される。その上で、ユーザは、リストから作成したい照明器具を選択する。これによって、選択された照明器具についての照明器具データが作成される。したがって、ユーザは、3Dモデルの作成のために各種の図面を収集する必要もないし、属性情報を収集する必要もない。また、ユーザに3DCADの操作スキルがなくても、照明器具の画像があれば照明器具データが作成され得る。
【0058】
(変形例)
以下、実施形態の変形例を説明する。前述した実施形態では、ユーザ端末50にダウンロードされた照明器具データにおける3Dモデル及び属性情報がユーザによって修正され得るとしている。これに対し、照明器具データの作成の前段階で3Dモデル及び属性情報がユーザによって修正され得るように構成されてもよい。この場合、図3のステップS5においてユーザによる選択がされたときにユーザ端末50に対応する3Dモデル及び属性情報が送信される。ユーザは、ユーザ端末50を操作して3Dモデル及び属性情報を修正し、作成装置40に返送する。これを受けて、作成装置40の作成部42は、修正後の3Dモデル及び属性情報を用いて照明器具データを作成する。
【0059】
また、図4では、3Dモデルと属性情報とは1対1の関係である対応である例が示されている。しかしながら、これに限らない。例えば、1つの3Dモデルに対して2つ以上の属性情報が関連付けられていてもよい。この場合、ユーザは、リストからの選択の上でさらに3Dモデルと属性情報の組み合わせを選択する。これを受けて、作成部42は、照明器具データを作成する。
【0060】
また、実施形態ではリストに表示されるのは、検索部22によって検索された予め定められた順位までの照明器具の情報であるとされている。これに対し、照明器具の形名の一部、光束、色温度等の各種の照明器具を特定するための情報を入力することでリストに表示される照明器具が絞り込まれるように構成されてもよい。このような照明器具を特定するための情報の入力は、リストの作成後であってもよいし、商品画像データのアップロード時等のリストの作成前であってもよい。
【0061】
また、実施形態では、判別装置20と、特定装置30と、作成装置40は、別々のコンピュータであるとされている。これに対し、判別装置20と、特定装置30と、作成装置40は、別々のコンピュータでなくてもよい。また、データベース10も判別装置20と、特定装置30と、作成装置40と同じコンピュータにおいて構築されてもよい。さらには、データベース10と、判別装置20と、特定装置30と、作成装置40とが一体化されたコンピュータがユーザによる各種の入力のための入力インタフェースとリスト等の情報の出力のための出力インタフェースとを備えていれば、ユーザ端末50も不要である。この場合、ネットワーク60も不要である。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1…照明器具データ作成システム、10…データベース、10a…商品画像データ、10b…照明器具データ、20…判別装置、21…抽出部、22…検索部、22a…商品画像データ、23…列挙部、24…通信部、30…特定装置、31…特定部、32…通信部、40…作成装置、41…情報部、41a…3Dモデル、41b…属性情報、42…作成部、43…通信部、50…ユーザ端末、60…ネットワーク、101…プロセッサ、102…メモリ、103…ストレージ、104…入力インタフェース、105…出力インタフェース、106…通信装置。
図1
図2
図3
図4