(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140273
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】通知制御装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20241003BHJP
G08G 1/0962 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0962
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051334
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 貴一
(72)【発明者】
【氏名】末廣 直人
(72)【発明者】
【氏名】中村 真巳
(72)【発明者】
【氏名】大川 英範
(72)【発明者】
【氏名】橋壁 拓志
(72)【発明者】
【氏名】成田 達矢
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129BB02
2F129CC03
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD21
2F129EE22
2F129EE26
2F129EE43
2F129EE50
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE85
2F129FF17
2F129FF20
2F129FF62
2F129GG16
2F129GG17
2F129HH11
5H181AA01
5H181AA03
5H181AA05
5H181AA21
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF05
5H181FF22
5H181FF24
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
(57)【要約】
【課題】目的地までの経路案内に従って移動する際に、停止することなく、安全に経路案内に関する通知をすること。
【解決手段】制御装置20は、ユーザのユーザ情報を取得するユーザ情報取得部22と、ユーザ情報取得部22が取得したユーザ情報に基づいて、経路案内の通知態様を決定する決定部28とを備え、決定部28で決定した通知態様により経路案内を通知する通知部19を制御する制御装置20であって、ユーザ情報は、ユーザの年齢を含む属性、移動体の運転履歴、および、身体の障がい度の少なくともいずれかを含み、通知態様は、前記ユーザの周辺に映像を投射して通知する態様、前記ユーザの触覚を刺激して通知する態様、および、前記ユーザが視聴する音声の定位によって通知する態様である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記ユーザ情報取得部が取得した前記ユーザ情報に基づいて、経路案内の通知態様を決定する決定部と、
を備え、前記決定部で決定した前記通知態様により経路案内を通知する通知部を制御する通知制御装置であって、
前記ユーザ情報は、前記ユーザの年齢を含む属性、移動体の運転履歴、および、身体の障がい度の少なくともいずれかを含み、
前記通知態様は、前記ユーザの周辺に映像を投射して通知する態様、前記ユーザの触覚を刺激して通知する態様、および、前記ユーザが視聴する音声の定位によって通知する態様である、
通知制御装置。
【請求項2】
通行する経路の環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部を備え、
前記決定部は、前記ユーザ情報取得部が取得した前記ユーザ情報に換えて、
前記環境情報取得部が取得した前記環境情報に基づいて、経路案内の通知態様を決定し、 前記環境情報は、騒音の有無、路面の状態、通行時間、および、天候の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の通知制御装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記ユーザ情報および前記環境情報の少なくともどちらかに基づいて、路面に映像を投射して経路案内に関する通知をすると決定する、
請求項2に記載の通知制御装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記ユーザ情報および前記環境情報の少なくともどちらかに基づいて、ユーザの触覚を刺激して経路案内に関する通知をすると決定する、
請求項2に記載の通知制御装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記ユーザ情報および前記環境情報の少なくともどちらかに基づいて、前記ユーザが視聴する音声の定位によって経路案内に関する通知をすると決定する、
請求項2に記載の通知制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車モード、徒歩モードだけでなく、自転車モードやバイクモードなど各ナビゲーションモードに適した通知を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目的地までの経路案内に従って移動する際に、表示画面に経路案内を表示する場合、ユーザは停止したときに表示を確認する必要がある。そこで、目的地までの経路案内に従って移動する際に、停止することなく、安全に経路案内に関する通知をすることが望まれる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、目的地までの経路案内に従って移動する際に、停止することなく、安全に経路案内に関する通知をすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る通知制御装置は、ユーザのユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、前記ユーザ情報取得部が取得した前記ユーザ情報に基づいて、経路案内の通知態様を決定する決定部と、を備え、前記決定部で決定した前記通知態様により経路案内を通知する通知部を制御する通知制御装置であって、前記ユーザ情報は、前記ユーザの年齢を含む属性、移動体の運転履歴、および、身体の障がい度の少なくともいずれかを含み、前記通知態様は、前記ユーザの周辺に映像を投射して通知する態様、前記ユーザの触覚を刺激して通知する態様、および、前記ユーザが視聴する音声の定位によって通知する態様である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、目的地までの経路案内に従って移動する際に、停止することなく、安全に経路案内に関する通知をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、マイクロモビリティの構成の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る通知システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る通知システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る通知制御装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
<通知システム>
図1は、マイクロモビリティの構成の一例を示す概略図である。
図2は、実施形態に係る通知システムの構成例を示すブロック図である。通知システム1は、移動体の移動時、または、ユーザの徒歩による移動時に、ユーザ情報および移動時の環境情報の少なくともどちらかに基づいて通知態様を決定して、適切な通知態様でユーザに経路案内に関する通知をするシステムである。
【0011】
移動体とは、例えば、キックボード、または、自転車などのようなマイクロ(超小型)モビリティ、および、自動車などの車両などである。以下の実施形態では、
図1に示すように、移動体がキックボードである場合について説明する。
【0012】
経路案内に関する通知とは、例えば、いわゆるナビゲーションシステムにおける経路案内時に、ユーザに対して通知される経路に関する各種案内である。経路案内に関する通知は、例えば、右左折地点などの分岐点における進行方向の案内、現在地から見た目的地の方向の案内、現在地から目的地までの所要時間の案内、現在地から目的地または分岐点までの距離の案内、などの通知である。
【0013】
通知システム1は、センサユニット11と、ユーザ情報記憶部12、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部13と、地図情報記憶部14と、通知部19と、通知制御装置(以下、「制御装置」という。)20と、を備える。
【0014】
センサユニット11は、マイクロモビリティに搭載された各種センサである。センサユニット11は、マイクロモビリティが走行している経路の環境情報を検出可能な各種センサである。センサユニット11は、例えば、騒音の有無、路面の状態、通行時間、および、天候の少なくともいずれかを環境情報として検出可能な各種センサである。センサユニット11は、例えば、マイクロモビリティの周辺を撮影するカメラである。センサユニット11は、例えば、マイクロモビリティの周辺の音声を収音するマイクロフォンである。
【0015】
ユーザ情報記憶部12は、マイクロモビリティのユーザのユーザ情報を記憶する。ユーザ情報記憶部12は、記憶しているユーザ情報を決定部28へ出力する。ユーザ情報記憶部12は、図示しない通信部などによる通信機能を介してユーザ情報を取得する外部サーバ等の記憶装置であってもよい。
【0016】
ユーザ情報は、例えば、マイクロモビリティのユーザの年齢を含む属性、マイクロモビリティの運転履歴、および、身体の障がい度の少なくともいずれかを含む。ユーザ情報は、あらかじめ入力されており、マイクロモビリティの利用時に自動的に更新されることが好ましい。
【0017】
GNSS受信部13は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部13は、受信したGNSS信号を位置情報取得部25に出力する。
【0018】
地図情報記憶部14は、地図情報を記憶する。地図情報記憶部14は、記憶している地図情報を案内部27へ出力する。地図情報記憶部14は、図示しない通信部などによる通信機能を介して地図情報を取得する外部サーバ等の記憶装置であってもよい。
【0019】
地図情報は、例えば、道路の形状、交差点、および、勾配などの道路状況を含む道路地図である。
【0020】
通知部19は、一例としては、通知システム1に固有の通知装置、または、他のシステムと共用した通知装置などである。通知部19は、通知システム1から出力された信号に基づいて、例えば、目的地までの経路案内に関する通知を行う。通知部19は、投射部191と、アクチュエータ192と、スピーカ193とを備える。
【0021】
投射部191は、マイクロモビリティの周辺の路面に映像を投射可能に配置される。投射部191は、マイクロモビリティに設置されている。投射部191は、例えば、マイクロモビリティの前方に配置されている。投射部191は、例えば、液晶表示素子と光源を組み合わせて構成されるプロジェクタである。なお、光源はLEDやレーザ光を用いてもよく、特に光源の種別は限定されない。また、LED光やレーザ光で映像等の情報を直接投射できる装置構成としてもよい。投射部191は、投射制御部291が出力した映像信号に基づいて情報を示す映像を投射する。投射部191が、マイクロモビリティの前方に配置されている場合、前方の路面に向けて投射する。
【0022】
アクチュエータ192は、マイクロモビリティにおいて、ユーザが接触している部分を変形または振動させる駆動機構である。アクチュエータ192は、例えば、ステップ部101、ハンドル部102の表面を凸面または凹面に変形させる。アクチュエータ192は、例えば、ステップ部101、ハンドル部102の表面を凸面または凹面に変形させる。アクチュエータ192は、例えば、ステップ部101、ハンドル部102を振動させる。
【0023】
アクチュエータ192は、左右が区別可能に配置されている。アクチュエータ192は、例えば、左ハンドル部102Lおよび右ハンドル部102Rに一対として配置されている。アクチュエータ192は、例えば、左ステップ部101Lおよび右ステップ部101Rに一対として配置されている。
【0024】
アクチュエータ192は、例えば、ステップ部101またはハンドル部102の表面と交差する方向に伸縮する。アクチュエータ192は、変形制御部292によって伸縮状態がそれぞれ制御される。アクチュエータ192が伸縮することによって、ステップ部101またはハンドル部102の表面の凹凸状に変形する。
【0025】
アクチュエータ192は、例えば、ステップ部101またはハンドル部102の表面を振動させる。アクチュエータ192が振動することによって、ステップ部101またはハンドル部102の表面が振動する。
【0026】
アクチュエータ192は、変形制御部292からの制御信号に基づいて、駆動と駆動停止とが制御されて、ステップ部101またはハンドル部102の表面の変形または振動を制御する。
【0027】
スピーカ193は、マイクロモビリティのユーザに対して音声を出力する音声出力装置である。スピーカ193は、マイクロモビリティに取り付けられたスピーカ、または、ユーザが使用している電子機器、イヤホン、または、ヘッドホンであってよい。スピーカ193は、音声出力制御部293からの音声信号に基づいて、音声を出力する。
【0028】
<通知制御装置>
制御装置20は、マイクロモビリティの設置された端末装置、または、ユーザが所持する電子機器として実装される。制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。制御装置20は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。制御装置20は、センサデータ取得部21と、ユーザ情報取得部22と、環境情報取得部23と、位置情報取得部25と、地図情報取得部26と、案内部27と、決定部28と、通知制御部29とを備える。
【0029】
センサデータ取得部21は、センサユニット11からセンサデータを取得する。センサデータ取得部21は、例えば、マイクロモビリティの周辺を撮影した撮影データを取得する。センサデータ取得部21は、例えば、マイクロモビリティの周辺の音声を収音した音声データを取得する。センサデータ取得部21は、取得したセンサデータを環境情報取得部23へ出力する。
【0030】
ユーザ情報取得部22は、ユーザ情報記憶部12からマイクロモビリティのユーザのユーザ情報を取得する。
【0031】
環境情報取得部23は、通行する経路の環境を示す環境情報を取得する。本実施形態では、環境情報取得部23は、センサデータ取得部21が取得したセンサデータから、例えば、騒音の有無、路面の状態、時間帯、および、天候の少なくともいずれかを含む環境情報を取得する。環境情報取得部23は、例えば、撮影データに画像処理を行って、例えば、騒音の有無、路面の状態、通行時間、および、天候の少なくともいずれかを認識してもよい。環境情報取得部23は、例えば、音声データに音声処理を行って、例えば、騒音の有無を認識してもよい。環境情報取得部23は、例えば、図示しない通信部を介して、外部の装置から天候情報を取得してもよい。
【0032】
天候情報は、例えば、天気、降水量、気温、湿度、および、日照の少なくともいずれかを示す情報である。
【0033】
位置情報取得部25は、マイクロモビリティの現在位置を示す位置情報を取得する。本実施形態では、位置情報取得部25は、GNSS受信部13が取得した電波の信号に基づいて、マイクロモビリティの位置情報を取得する。位置情報取得部25は、取得した位置情報を案内部27へ出力する。
【0034】
地図情報取得部26は、地図情報記憶部14から地図情報を取得する。
【0035】
案内部27は、目的地までの経路に沿った経路案内を行う。案内部27は、設定された目的地までの経路を探索する。案内部27は、探索された目的地までの経路を案内する。経路を探索する方法および案内する方法は、公知の探索方法および経路案内方法を使用可能であり、限定されない。
【0036】
案内部27は、目的地までの走行中に、例えば、右左折地点などの分岐点における進行方向の案内、現在地から見た目的地の方向の案内、現在地から目的地までの所要時間の案内、または、現在地から目的地または分岐点までの距離を案内する。
【0037】
決定部28は、ユーザ情報と、環境情報取得部23が取得した環境情報との少なくともどちらかに基づいて、経路案内の通知態様を決定する。
【0038】
通知態様は、ユーザが表示装置の表示画面を見ることなく、ユーザに経路案内に関する通知が可能な態様である。本実施形態では、通知態様は、ユーザの周辺の一例として路面に映像を投射して通知する態様(第一態様)、ユーザの触覚を刺激して通知する態様(第二態様)、ユーザが視聴する音声の定位によって通知する態様(第三態様)がある。
【0039】
決定部28は、ユーザ情報および環境情報の少なくともどちらかに基づいて、第一態様で通知すると決定してもよい。より詳しくは、決定部28は、ユーザ情報および環境情報の少なくともどちらかに基づいて、路面に映像を投射して経路案内に関する通知をすると決定してもよい。決定部28は、例えば、環境情報から騒音環境下であると判定する場合、路面の状態から悪路であると判定される場合、または、時間帯から夜間であると判定される場合、路面に映像を投射して経路案内に関する通知をすると決定する。決定部28は、例えば、ユーザ情報から未経験者、または、走行経験が少ない初心者であると判定される場合、路面に映像を投射して経路案内に関する通知をすると決定する。
【0040】
決定部28は、ユーザ情報および環境情報の少なくともどちらかに基づいて、第二態様で通知すると決定してもよい。より詳しくは、決定部28は、ユーザ情報および環境情報の少なくともどちらかに基づいて、ユーザの触覚を刺激して経路案内に関する通知をすると決定してもよい。決定部28は、例えば、環境情報から騒音環境下であると判定する場合、路面の状態から悪路であると判定される場合、時間帯から日中であると判定される場合、ユーザの触覚を刺激して経路案内に関する通知をすると決定する。決定部28は、例えば、ユーザ情報から高齢者であると判定される場合、または、ユーザ情報から軽度の身体障がいを有すると判定される場合、ユーザの触覚を刺激して経路案内に関する通知をすると決定する。例えば、色弱障がいのあるユーザにはユーザの触覚を刺激して通知する態様(第二態様)、ユーザが視聴する音声の定位によって通知する態様(第三態様)のいずれかで通知するようにしてもよい。決定部28は、例えば、ユーザ情報からシニアカーの利用者であると判定される場合、ユーザの触覚を刺激して経路案内に関する通知をすると決定する。決定部28は、例えば、ユーザ情報から未経験者、または、走行経験が少ない初心者であると判定される場合、ユーザの触覚を刺激して経路案内に関する通知をすると決定する。
【0041】
決定部28は、ユーザ情報および環境情報の少なくともどちらかに基づいて、第三態様で通知すると決定してもよい。より詳しくは、決定部28は、ユーザ情報および環境情報の少なくともどちらかに基づいて、ユーザが視聴する音声の定位によって経路案内に関する通知をすると決定してもよい。
【0042】
決定部28は、ユーザ情報から決定される通知態様と、環境情報から決定される通知態様が異なる場合、より安全に通知可能な通知態様を優先する。決定部28は、ユーザ情報から決定される通知態様を、環境情報から決定される通知態様より優先して通知を行ってもよい。決定部28は、ユーザ情報から決定される通知態様と、環境情報から決定される通知態様が異なる場合、異なる通知態様で通知を行ってもよい。なお、ユーザによりどちらの通知態様を優先するか指定する可能と構成としてもよい。
【0043】
通知制御部29は、通知部19による通知を制御する。本実施形態では、通知制御部29は、決定部28によって決定された通知態様で経路案内を通知するよう制御する。通知制御部29は、投射制御部291と、変形制御部292と、音声出力制御部293とを備える。
【0044】
第一態様で通知すると決定された場合、投射制御部291によって投射部191を制御する。より詳しくは、投射制御部291は、マイクロモビリティの前方に、経路案内に関する通知の映像を投射するよう投射部191を制御する制御信号を出力する。投射制御部291は、例えば、進行方向または目的地の方向を示す矢印などの図形、または、文字の映像を、投射部191によって投射させる制御信号を投射部191へ出力する。投射制御部291は、矢印の方向で、目的地の方向を示すように映像を投射させる制御信号を投射部191へ出力する。投射制御部291は、矢印の方向で、右左折地点の進行方向を示すように映像を投射させる制御信号を投射部191へ出力する。
【0045】
投射制御部291は、矢印の長さの長短で、目的地までの距離または所要時間の長短を示すように映像を投射させる制御信号を投射部191へ出力してもよい。
【0046】
投射制御部291は、矢印によって投射される位置を速度に応じて変えて映像を投射させる制御信号を投射部191へ出力してもよい。投射制御部291は、例えば、速度が速いほど、矢印によって投射される位置をマイクロモビリティから離れた位置に投射させる制御信号を投射部191へ出力してもよい。
【0047】
投射制御部291は、マイクロモビリティの走行中、目的地の方向および距離の変化に伴って、矢印の方向および長さが変化した映像を投射させる制御信号を投射部191へ出力する。
【0048】
投射制御部291は、環境情報から路面の状態が雨や雪、泥があると判定される場合、投射部191から投射するレーザの色や太さなどをユーザが認識しやすいように変化させてもよい。投射制御部291は、例えば、環境情報から路面の状態が、積雪があると判定する場合、投射部191から濃く暗い色の光で映像を投射する。
【0049】
第二態様で通知すると決定された場合、変形制御部292によってアクチュエータ192を制御する。より詳しくは、変形制御部292は、経路案内に関する通知をユーザに伝えるために、ステップ部101またはハンドル部102の表面を変形または振動させるようにアクチュエータ192を駆動させる制御信号を出力する。変形制御部292は、例えば、マイクロモビリティのステップ部101またはハンドル部102の表面を凸面または凹面に変形させるようにアクチュエータ192を駆動させる制御信号を出力する。変形制御部292は、例えば、マイクロモビリティのステップ部101またはハンドル部102を振動させるようにアクチュエータ192を駆動させる制御信号を出力する。
【0050】
変形制御部292は、振動の周期の長短、または、変形もしくは振動の大きさで、目的地までの距離または所要時間の長短を示すようにステップ部101またはハンドル部102の表面を変形または振動させるようにアクチュエータ192を駆動させる制御信号を出力してもよい。
【0051】
変形制御部292は、例えば、右折地点が近くなると、マイクロモビリティの右ステップ部101Rまたは右ハンドル部102Rを変形または振動させる制御信号をアクチュエータ192へ出力する。変形制御部292は、例えば、左折地点が近くなると、マイクロモビリティの左ステップ部101Lまたは左ハンドル部102Lを変形または振動させる制御信号をアクチュエータ192へ出力する。さらに、変形制御部292は、右左折地点が近くなるにつれて、振動の周期を短く、または、変形もしくは振動を大きくしてもよい。変形制御部292は、右左折地点を通過すると、変形または振動を停止する。
【0052】
第三態様で通知すると決定された場合、音声出力制御部293によってスピーカ193を制御する。より詳しくは、音声出力制御部293は、経路案内に関する通知をユーザに伝えるために、音の定位を変更する音声信号をスピーカ193へ出力する。音声出力制御部293は、例えば、進行方向または目的地の方向に音の定位を変更するようにスピーカ193へ音声信号を出力する。音声出力制御部293は、出力されている音の定位を進行方向に移動させることで、右左折地点の進行方向、目的地の方向などの経路案内に関する方向をユーザに通知する。
【0053】
音声出力制御部293は、例えば、右折地点が近くなると、音の定位を右方向へ変化させて音声を出力する制御信号をスピーカ193へ出力する。音声出力制御部293は、例えば、左折地点が近くなると、音の定位を左方向へ変化させて音声を出力する制御信号をスピーカ193へ出力する。さらに、音声出力制御部293は、右左折地点が近くなるにつれて、音量を大きくしてもよい。音声出力制御部293は、右左折地点を通過すると、音の定位を元に戻して音声を出力する制御信号をスピーカ193へ出力する。
【0054】
音の定位を変更して出力される音声は、経路案内の音声に限定されず、再生中の音楽でも行われてもよい。この場合、通知システム1と図示しない他の音楽再生装置が連携されることで実現できる。
【0055】
第三態様の通知では、進行方向または目的地の方向を通知可能である。
【0056】
<通知システムにおける情報処理>
次に、
図3を用いて、通知システム1における情報処理について説明する。
図3は、実施形態に係る通知システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。例えば、マイクロモビリティによる走行を開始する前に、通知システム1が起動する。通知システム1を起動すると、制御装置20は、表示制御装置39によって、目的地を設定する設定画面を介して、目的地が設定される。
【0057】
制御装置20は、経路案内を開始する(ステップS101)。より詳しくは、制御装置20は、案内部27によって、設定された目的地までの現在地からの経路を探索する。制御装置20は、案内部27によって、探索された経路の案内を開始する。制御装置20は、ステップS102へ進む。
【0058】
制御装置20は、ユーザ情報を取得する(ステップS102)。より詳しくは、制御装置20は、ユーザ情報取得部22によって、ユーザ情報記憶部12からマイクロモビリティのユーザのユーザ情報を取得する。制御装置20は、ステップS103へ進む。
【0059】
制御装置20は、走行環境情報を取得する(ステップS103)。より詳しくは、制御装置20は、環境情報取得部23によって、センサデータ取得部21が取得したセンサデータから、例えば、騒音の有無、路面の状態、時間帯、および、天候の少なくともいずれかを含む環境情報を取得する。制御装置20は、ステップS104へ進む。
【0060】
制御装置20は、通知態様を決定する(ステップS104)。より詳しくは、制御装置20は、決定部28によって、ユーザ情報と、環境情報取得部23が取得した環境情報との少なくともどちらかに基づいて、経路案内の通知態様を決定する。制御装置20は、ステップS105へ進む。
【0061】
制御装置20は、通知する(ステップS105)。より詳しくは、制御装置20はステップS104において路面に映像を投射して通知する態様に決定された場合、投射制御部291によって、決定した映像を路面に投射する。制御装置20は、ステップS104において路面に映像を投射して通知する態様に決定された場合、変形制御部292によって、ステップ部101またはハンドル部102の表面を変形または振動させる制御を行う。制御装置20は、ユーザが視聴する音声の定位によって通知する態様に決定された場合、音声出力制御部293によって、スピーカ193からの音声の出力を制御する。制御装置20は、ステップS106へ進む。
【0062】
制御装置20は、終了するか否かを判定する(ステップS106)。制御装置20は、終了操作が検出された場合、または、目的地に到着した場合などに、終了すると判定する。制御装置20は、終了すると判定する場合(ステップS106でYes)、このフローチャートの処理を終了する。制御装置20は、終了すると判定しない場合(ステップS106でNo)、ステップS101の処理を再度実行する。
【0063】
<効果>
上述したように、本実施形態では、ユーザ情報に基づいて、経路案内の通知態様を決定する。本実施形態では、通知態様は、ユーザの周辺の一例として路面に映像を投射して通知する態様(第一態様)、ユーザの触覚を刺激して通知する態様(第二態様)、ユーザが視聴する音声の定位によって通知する態様(第三態様)である。本実施形態によれば、ユーザの属性などに応じて、ユーザに適した通知態様を決定できる。本実施形態によれば、例えば、マイクロモビリティでの移動時など、ユーザの移動時に、手がふさがった状態であっても、停止することなく、さらに、表示画面を注視することなく、経路案内に関する通知を確認できる。本実施形態は、目的地までの経路案内に従って移動する際に、停止することなく、安全に経路案内に関する通知をすることができる。
【0064】
本実施形態では、通行する経路の環境を示す環境情報に基づいて、環境に適した通知態様を決定できる。
【0065】
本実施形態では、ユーザ情報および環境情報の少なくともどちらかに基づいて、路面に映像を投射して経路案内に関する通知をすると決定する。本実施形態によれば、ユーザを停止させることなく、また、視線を手元へ動かすことなく、経路案内に関する通知をすることができる。
【0066】
本実施形態では、ユーザ情報および環境情報の少なくともどちらかに基づいて、ユーザの触覚を刺激して経路案内に関する通知をすると決定する。本実施形態によれば、ユーザを停止させることなく、また、視線を手元へ動かすことなく、経路案内に関する通知をすることができる。本実施形態によれば、視覚および聴覚に頼らずに、ユーザの通知できる。
【0067】
本実施形態では、ユーザ情報および環境情報の少なくともどちらかに基づいて、ユーザが視聴する音声の定位によって経路案内に関する通知をすると決定する。本実施形態によれば、ユーザを停止させることなく、また、視線を手元へ動かすことなく、経路案内に関する通知をすることができる。本実施形態によれば、ユーザは、音の定位により、直感的に方向を認識できる。
【0068】
図示した通知システムの各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0069】
通知システムの構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0070】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0071】
<変形例>
通知制御部29は、ユーザが通知に気が付いていない場合、通知態様を変化させてもよい。通知する情報に基づいて、例えば進行方向に追従した走行、移動が確認できない場合は、ユーザが通知に気が付いていないと判断することができる。この場合、例えば、投射制御部291は、映像の色、大きさ、投射位置を変えるなどして投射するよう制御してもよい。例えば、投射制御部291は、映像の色、大きさ、投射位置を変えるなどして、視覚的な効果を変えた表示態様にして投射するよう制御してもよい。例えば、変形制御部292は、振動の周期の長短、または、変形もしくは振動の大きさを変えるなどして、変形または投射するよう制御してもよい。音声出力制御部293は、音の定位の位置をさらにずらすように制御してもよい。
【0072】
通知制御部29は、ユーザが通知に気が付いていない場合、通知態様を他の通知態様に変えて報知してもよい。
【0073】
上記では、マイクロモビリティで移動するユーザが用いる場合について説明したが、歩行者にも適用可能である。例えば、歩行者に第三態様で通知する場合、ユーザが左右の腕に装着している、ウェアラブル端末を振動させればよい。
【0074】
上記では、マイクロモビリティで移動するユーザが用いる場合について説明したが、車両の運転者にも適用可能である。例えば、車両の運転者に第三態様で通知する場合、ハンドル、座面などを振動させればよい。
【符号の説明】
【0075】
1 通知システム
11 センサユニット
12 ユーザ情報記憶部
13 GNSS受信部
14 地図情報記憶部
19 通知部
191 投射部
192 アクチュエータ
193 スピーカ
20 制御装置(通知制御装置)
21 センサデータ取得部
22 ユーザ情報取得部
23 環境情報取得部
25 位置情報取得部
26 地図情報取得部
27 案内部
28 決定部
29 通知制御部
291 投射制御部
292 変形制御部
293 音声出力制御部