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  • 特開-車両用後方画像表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140275
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】車両用後方画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20241003BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20241003BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60R16/03 J
B60R1/26 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051337
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 侑太
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC14
3D020BD05
(57)【要約】
【課題】空気抵抗の増大を抑制して走行時の走行抵抗の増大を抑制できる車両用後方画像表示装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る車両用後方画像表示装置10は、車両の後方を撮影するカメラと、運転者から視認可能な車両の外部に配置された筒状体12と、筒状体12の内側に配置され、該筒状体12を通流する走行風により回転するプロペラ13と、プロペラ13の回転により発電する発電機14と、径方向に沿って配列された複数の発光ダイオードを、カメラの撮影画像に基づいて、径方向と交差する周方向に回転させつつ、発光ダイオードの発光を制御することで撮影画像を残像として表示する残像表示部15と、を備える。この残像表示部15は、プロペラ13よりも筒状体12の排気側に配置され、発電機14により発電された電力の少なくとも一部を給電することで撮影画像を表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて運転者に対して前記車両の後方画像を表示する車両用後方画像表示装置であって、
前記車両の後方を撮影するカメラと、
前記運転者から視認可能な前記車両の外部に配置された筒状体と、
前記筒状体の内側に配置され、前記筒状体を通流する走行風により回転するプロペラと、
前記プロペラの回転により発電する発電機と、
第1方向に沿って配列された複数の発光素子を有する表示本体を、前記カメラの撮影画像に基づいて、前記第1方向と交差する第2方向に移動させつつ、前記発光素子の発光を制御することで前記撮影画像を残像として表示する残像表示部と、を備え、
前記残像表示部は、前記プロペラよりも前記筒状体の排気側に配置され、前記発電機により発電された電力の少なくとも一部を給電することで前記撮影画像を表示する車両用後方画像表示装置。
【請求項2】
前記残像表示部は、バッテリーに蓄えられた電力及び前記発電機により発電された電力の少なくとも一方が給電されることにより、前記車両の走行速度に関わらず、前記撮影画像を表示可能に構成される、請求項1に記載の車両用後方画像表示装置。
【請求項3】
前記残像表示部と前記プロペラとの間に、前記残像表示部を囲って前記残像表示部に対する前記走行風の影響を抑える防風部材を備え、
前記防風部材は、前記筒状体よりも小径に形成されて、前記走行風は前記防風部材と前記筒状体との間を流れて排気される、請求項1または2に記載の車両用後方画像表示装置。
【請求項4】
前記筒状体は、前記車両のボンネットに配置される、請求項1または2に記載の車両用後方画像表示装置。
【請求項5】
前記車両の外部の照度に応じて、前記発光素子の輝度を調整する輝度制御部を備える、請求項1または2に記載の車両用後方画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用後方画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラで取得した車両後方の映像を液晶等の表示素子に表示させ、運転中に直視することで、バックミラー(ルームミラー)の機能を代替えする電子ミラーが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の技術を車両の側部に設けたサイドミラーに用いることが模索されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-154761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単純にサイドミラーに上記した電子ミラーを適用すると、鏡面部に対応する後方を映す表示部の面積に相当する空気抵抗が生じる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空気抵抗の増大を抑制して走行時の走行抵抗の増大を抑制できる車両用後方画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、車両に搭載されて運転者に対して車両の後方画像を表示する車両用後方画像表示装置であって、車両の後方を撮影するカメラと、運転者から視認可能な車両の外部に配置された筒状体と、筒状体の内側に配置され、筒状体を通流する走行風により回転するプロペラと、プロペラの回転により発電する発電機と、第1方向に沿って配列された複数の発光素子を有する表示本体を、カメラの撮影画像に基づいて、第1方向と交差する第2方向に移動させつつ、発光素子の発光を制御することで撮影画像を残像として表示する残像表示部と、を備え、残像表示部は、プロペラよりも筒状体の排気側に配置され、発電機により発電された電力の少なくとも一部を給電することで撮影画像を表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車両用後方画像表示装置は、中空構造のため空気抵抗の増大を抑制して走行時の走行抵抗の増大を抑制できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る車両用後方画像表示装置が配置された車両の一例を示す上面図である。
図2図2は、車両用後方画像表示装置における筒状体とプロペラと残像表示部との配置関係を示す図である。
図3図3は、図2を筒状体の排気側から見た図である。
図4図4は、車両用後方画像表示装置における制御部の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、車両用後方画像表示装置における残像表示部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係る車両用後方画像表示装置が配置された車両の一例を示す上面図である。図2は、車両用後方画像表示装置における筒状体とプロペラと残像表示部との配置関係を示す図である。図3は、図2を筒状体の排気側から見た図である。本実施形態において、車両が前進する進行方向を車両の前方とし、この前方と反対側を車両の後方とする。また、車両の左右及び上下の方向は、上記した前方を基準として決定する。
【0011】
車両用後方画像表示装置10は、車両に搭載されて、後方確認用のサイドミラーのように、運転者に対して車両の後方画像を表示するものである。車両用後方画像表示装置10は、図1及び図2に示すように、カメラ11と、筒状体12と、プロペラ13と、発電機14と、残像表示部15と、制御部20とを備える。
【0012】
カメラ11は、図1に示すように、車両1の側方に取り付けられ、この車両の後方を撮影する。この図1の例では、カメラ11は、左右一対のカメラ11L、11Rであり、これらカメラ11L、11Rは、それぞれ車両1の助手席側ドア2L及び運転席側ドア2Rの前側に取り付けられている。
【0013】
筒状体12は、両端に開口12A、12Bを有する中空筒状に形成された構造体であり、運転者からフロントガラス3を通して視認可能な車両1の外部前方に配置される。図1の例では、筒状体12は、車両1のボンネット4の上に台座5(図3)を介して配置される。具体的には、筒状体12は、一方の開口12Aが車両1の前方側、他方の開口12Bが車両1の後方側となるように、長手方向(軸線方向)を車両1の前後方向に沿って配置される。これにより、車両1の走行に伴う走行風は、一方の開口12Aから他方の開口12Bに向けて、筒状体12の内部を通流する。この場合、一方の開口12A側を給気側、他方の開口12B側を排気側ともいう。また、筒状体12は、左右一対の筒状体12L、12Rであり、これら筒状体12L、12Rは、それぞれ車両1のボンネット4の上に左右に並べて配置されている。
【0014】
プロペラ13は、図2に示すように、筒状体12の内側に配置されて筒状体12を通流する走行風により回転する。プロペラ13は、回転軸から径方向に延びる複数の羽根を有し、この回転軸を中心として羽根を回転させる。図2の例では、2つのプロペラ13が、筒状体12の一方の開口12A側(給気側)に、該筒状体12の軸線方向に沿って配置されている。
【0015】
発電機14は、プロペラ13の回転によって発電する。発電機14は、例えば、プロペラ13の回転軸に取り付けられ、このプロペラ13の回転に伴い、コイルの中に配置された磁石が回転することにより電力を発生させる。発生した電力は、少なくとも一部が発電機14から直接、残像表示部15に供給(給電)される。これにより、残像表示部15が動作する。また、発生した電力は、車両1に設けられたバッテリー6に蓄えることもできる。これにより、車両1が停止して発電機による発電が停止した場合には、バッテリー6に蓄えられた電力が残像表示部15に供給される。従って、車両1の走行速度に関わらず、常時、残像表示部15に電力を供給することができ、残像表示部15を動作させることができる。
【0016】
残像表示部15は、例えば発光ダイオード(LED)の列を高速で点滅させながら移動させることで、人間の視覚の残像効果により空間上に像を認識させる表示装置である。残像表示部15は、図2に示すように、プロペラ13よりも筒状体12の他方の開口12B側(排気側)に配置されるため、運転者によって視認可能となっている。本実施形態では、残像表示部15は、車両1のボンネット4の上に配置された筒状体12L、12Rの他方の開口12B側(排気側)にそれぞれ配置され、上記したカメラ11L、11R(図1)の撮影画像を残像として表示することができる。すなわち、筒状体12Lに配置される残像表示部15Lには、カメラ11Lの撮影画像が残像として表示され、筒状体12Rに配置される残像表示部15Rには、カメラ11Rの撮影画像が残像として表示される。
【0017】
残像表示部15(15L、15R)は、図3に示すように、回転軸30から径方向(第1方向)にそれぞれ延びる複数(4つ)の表示本体31と、この回転軸30を中心として表示本体31を、上記径方向と交差する周方向(第2方向)に回転させるモータ(回転駆動部)32とを備える。表示本体31には、それぞれ表示本体31の延在方向(上記した径方向)に沿って複数の発光ダイオード(LED;発光素子)33が配列されている。図3の例では、複数の発光ダイオード33を表示本体31にそれぞれ1列に設けた構成としているが、表示本体31、発光ダイオード33の数や配列構成については適宜変更してもよい。
【0018】
残像表示部15L、15Rは、それぞれカメラ11L、11Rの撮影画像に基づき、複数の発光ダイオード33が配列された表示本体31を回転させつつ、これら発光ダイオード33の発光(色調や点滅など)を制御することで、上記撮影画像を残像として表示することができる。
【0019】
本実施形態では、走行風によって発電された電力が残像表示部15に供給されて、この残像表示部15を動作させるため、省エネルギ化を図ることができる。また、残像表示部15は、複数の発光ダイオード33が配列された表示本体31を回転させつつ、これら発光ダイオード33の発光を制御することで残像効果を発揮する構成であるため、筒状体12を流れる空気抵抗の増大を抑制することができ、走行時の走行抵抗の増大を抑制することができる。
【0020】
ところで、上記した残像表示部15が残像効果を発揮するためには、走行風の影響を抑え、複数の発光ダイオード33が配列された表示本体31を安定して回転させる必要がある。このため、本実施形態では、図2に示すように、残像表示部15とプロペラ13との間に、この残像表示部15を囲う防風部材16が設けられている。この防風部材16は有底筒状の箱体であり、残像表示部15を内部に収容することで、残像表示部15に対して走行風が直接あたることを防止する。このため、表示本体31の安定した回転動作が実現され、残像表示部15の精度の高い残像効果を図ることができる。この構成において、残像表示部15及び防風部材16は、筒状体12よりも小径に形成されており、筒状体12と防風部材16との円環状の隙間から走行風が排気されるため、筒状体12を流れる空気抵抗の増大を抑制できる。
【0021】
なお、制御部20が、車両1の走行速度または走行風速を検知して、この走行速度または走行風速に基づき、モータ32の回転数が一定となるように、回転数の制御信号を調整(フィードバック制御)してもよい。この構成によれば、防風部材16を設ける必要がなく、より一層、筒状体12を流れる空気抵抗の増大を抑制することができる。
【0022】
次に、制御部20について説明する。図4は、車両用後方画像表示装置における制御部の機能的構成の一例を示すブロック図である。制御部20は、図4に示すように、画像取得部21と、回転制御部22と、発光制御部23と、輝度制御部24とを備える。なお、本実施形態では、制御部20は、上記した残像表示部15L、15Rに対応して、画像取得部21、回転制御部22、発光制御部23、及び輝度制御部24をそれぞれ独立して2組備えた構成となっているが、ここではまとめて説明する。
【0023】
画像取得部21は、カメラ11で撮影した画像データを取得する。この画像データは、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画像である。回転制御部22は、残像表示部15の表示本体31を回転させるモータ32を制御する。具体的には、回転制御部22は、モータ32が一定の回転数で回転するように、モータ32に対する回転数の制御信号を調整する。この場合、車両1の走行速度または走行風速を検知して、この走行速度または走行風速に基づき、モータ32の回転数が一定となるように、回転数の制御信号を調整してもよい。
【0024】
発光制御部23は、取得した画像データと、モータ32の回転数とに基づき、各表示本体31の複数の発光ダイオード33のそれぞれの発光タイミング、色情報、および輝度情報を制御して、この画像を残像効果により表示する。具体的には、発光制御部23は、取得した画像データから画像(画素)の位置における色情報および輝度情報を抽出する。そして、発光制御部23は、モータ32の回転数に基づき、画像の位置に一致するタイミングで、抽出した色情報および輝度情報により発光ダイオード33を発光させる。これにより、残像表示部15は、カメラ11で撮影した画像を残像として表示することができる。
【0025】
輝度制御部24は、車両1に搭載された照度計7が測定した車両1の外部の照度に応じて、複数の発光ダイオード33の輝度を調整する。輝度制御部24は、例えば晴れた日のように、車両1の外部の照度が高い場合には、照度に応じて発光ダイオード33の輝度を高く調整する。また、輝度制御部24は、例えば夜間や雨の日のように、車両1の外部の照度が低い場合には、照度に応じて発光ダイオード33の輝度を低く調整する。これにより、例えば、天候によらず、運転者が見やすい適切な輝度の画像を残像表示部15に表示することができる。
【0026】
次に、残像表示部の変形例について説明する。図5は、車両用後方画像表示装置における残像表示部の変形例を示す図である。残像表示部115(115L、115R)は、図5に示すように、例えば水平方向(第1方向)にそれぞれ延びる複数(3つ)の表示本体131と、水平方向と交差する垂直方向(第2方向)に延び、これら表示本体131を、間隔をあけて櫛歯状に支持する支持部132と、この支持部132の下端に連結されて表示本体131及び支持部132を垂直方向に往復動作させる駆動部134とを備える。表示本体131には、それぞれ該表示本体131の延在方向(上記した水平方向)に沿って複数の発光ダイオード(LED;発光素子)133が配列されている。図5の例でも、複数の発光ダイオード133を表示本体131にそれぞれ1列に設けた構成としているが、表示本体131、発光ダイオード133の数や配列構成については適宜変更してもよい。
【0027】
残像表示部115L、115Rは、それぞれカメラ11L、11Rの撮影画像に基づき、複数の発光ダイオード133が配列された表示本体131を、垂直方向に往復動作させつつ、これら発光ダイオード133の発光(色調や点滅など)を制御することで、上記撮影画像を残像として表示することができる。
【0028】
本変形例によっても、走行風によって発電された電力が残像表示部115に供給されて、この残像表示部115を動作させるため、走行時の省エネルギ化を図ることができる。また、残像表示部115は、複数の発光ダイオード133が配列された複数の表示本体131を垂直方向に往復動作させつつ、これら発光ダイオード133の発光を制御することで残像効果を発揮する構成であるため、筒状体12を流れる空気抵抗の増大を抑制することができ、走行時の走行抵抗の増大を抑制することができる。
【0029】
以上、本実施形態に係る車両用後方画像表示装置10は、車両1に搭載されて運転者に対して車両1の後方画像を表示するものであって、車両1の後方を撮影するカメラ11と、運転者から視認可能な車両1の外部に配置された筒状体12と、筒状体12の内側に配置され、該筒状体12を通流する走行風により回転するプロペラ13と、プロペラ13の回転により発電する発電機14と、径方向に沿って配列された複数の発光ダイオード33を有する表示本体31を、カメラ11の撮影画像に基づいて、径方向と交差する周方向に回転させつつ、発光ダイオード33の発光を制御することで撮影画像を残像として表示する残像表示部15と、を備える。この残像表示部15は、プロペラ13よりも筒状体12の排気側に配置され、発電機14により発電された電力の少なくとも一部を給電することで撮影画像を表示する。
【0030】
この構成によれば、走行風によって発電された電力が残像表示部15に供給されて、この残像表示部15を動作させるため、走行時の省エネルギ化を図ることができる。また、残像表示部15は、複数の発光ダイオード33が配列された表示本体31を回転させつつ、これら発光ダイオード33の発光を制御することで残像効果を発揮するため、筒状体12を流れる空気抵抗の増大を抑制することができ、走行時の走行抵抗の増大を抑制することができる。
【0031】
本実施形態に係る車両用後方画像表示装置10において、残像表示部15は、車両1のバッテリー6に蓄えられた電力及び発電機14により発電された電力の少なくとも一方が給電されることにより、車両の走行速度に関わらず、撮影画像を表示可能に構成される。この構成によれば、車両1が走行中に走行風により発生した電力は、少なくとも一部が発電機14から直接、残像表示部15に供給されるため、残像表示部15を動作させることができる。また、車両1が停止して発電機による発電が停止した場合には、車両1のバッテリー6に蓄えられた電力が残像表示部15に供給される。従って、車両1の走行速度に関わらず、常時、残像表示部15に電力を供給することができ、残像表示部15を動作させることができる。
【0032】
本実施形態に係る車両用後方画像表示装置10は、残像表示部15とプロペラ13との間に、残像表示部15を囲って該残像表示部15に対する走行風の影響を抑える防風部材16を備えるため、残像表示部15を防風部材16の内部に収容することで、残像表示部15に対して走行風が直接あたることを防止する。このため、表示本体31の安定した回転動作が実現され、残像表示部15の精度の高い残像効果を図ることができる。また、この防風部材16は、筒状体12よりも小径に形成されて、走行風は防風部材16と筒状体12との間を流れて排気されるため、筒状体12を流れる空気抵抗が増大することを抑制できる。
【0033】
本実施形態に係る車両用後方画像表示装置10において、筒状体12は、車両1のボンネット4に配置されるため、運転者は、フロントガラス3を通して、筒状体12の排気側に配置された残像表示部15を容易に視認することができ、車両1の後方を容易に確認することができる。
【0034】
本実施形態に係る車両用後方画像表示装置10は、車両1の外部の照度に応じて、発光ダイオード33の輝度を調整する輝度制御部24を備えるため、例えば、天候によらず、運転者が見やすい適切な輝度の画像を残像表示部15に表示することができる。
【0035】
以上、本実施形態に係る車両用後方画像表示装置10について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。本実施形態では、残像表示部15、115の一例を説明したが、これに限るものではない。すなわち、残像表示部は、第1方向に沿って配列された複数の発光ダイオードを有する表示本体を、カメラの撮影画像に基づいて、第1方向と交差する第2方向に移動させつつ、発光素子の発光を制御することで撮影画像を残像として表示する構成であれば、適宜変更が可能である。
【0036】
また、図示した車両用後方画像表示装置10の制御部20の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0037】
また、車両用後方画像表示装置10の制御部20の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0038】
また、本実施形態では、筒状体12をボンネット4の上に搭載する例を示したが、これに限らず既存車両におけるドアミラーの位置に筒状体を配置する構成としてもよい。
【0039】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 車両
3 フロントガラス
4 ボンネット
6 バッテリー
7 照度計
10 車両用後方画像表示装置
11、11L、11R カメラ
12、12L、12R 筒状体
13 プロペラ
14 発電機
15、15L、15R 残像表示部
16 防風部材
20 制御部
21 画像取得部
22 回転制御部
23 発光制御部
24 輝度制御部
30 回転軸
31 表示本体
32 モータ
33 発光ダイオード(発光素子)
115、115L、115R 残像表示部
131 表示本体
132 支持部
133 発光ダイオード
134 駆動部
図1
図2
図3
図4
図5