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特開2024-140287無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法
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  • 特開-無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法 図1
  • 特開-無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法 図2
  • 特開-無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法 図3
  • 特開-無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法 図4
  • 特開-無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法 図5
  • 特開-無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法 図6
  • 特開-無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法 図7
  • 特開-無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法 図8
  • 特開-無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140287
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】無線通信の効率的な試験のための試験システム、制御装置、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/06 20090101AFI20241003BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20241003BHJP
【FI】
H04W24/06
H04W88/02 150
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051358
(22)【出願日】2023-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】池田 秀一
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 峻
(72)【発明者】
【氏名】茂原 敏樹
(72)【発明者】
【氏名】松元 裕哉
(72)【発明者】
【氏名】木村 和紀
(72)【発明者】
【氏名】布村 悦三
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH21
5K067LL08
(57)【要約】
【課題】無線通信の試験を効率的に行うこと。
【解決手段】無線通信の試験を行う試験システムは、基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、第1の入出力ポートの少なくともいずれかを端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、試験システムを制御する制御装置と、を含み、端末装置は、接続装置により第1の入出力ポートと第2の入出力ポートとが接続される場合に、第1の入出力ポートからの信号のみが第2の入出力ポートに入力されると共に第2の入出力ポートから出力された信号が第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置され、制御装置は、接続装置によって接続された第1の入出力ポートと第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、基地局装置と端末装置とを制御し、基地局装置と端末装置との少なくともいずれかにおける所定の通信を行った結果を示すログを取得する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信の試験を行う試験システムであって、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
前記試験システムを制御する制御装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有することを特徴とする試験システム。
【請求項2】
前記試験システムは、前記基地局装置の動作を管理する基地局管理装置をさらに含み、
前記制御手段は、前記基地局管理装置に対して、前記基地局装置に前記所定の通信を行わせるための第1の制御指示を送信し、
前記基地局管理装置は、当該第1の制御指示に従って、前記基地局装置の通信パラメータを設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記基地局管理装置は、前記第1の制御指示に従って、前記基地局装置における前記所定の通信に関連して取得されたログを、前記制御装置がアクセス可能な記憶装置に保存する、ことを特徴とする請求項2に記載の試験システム。
【請求項4】
前記試験システムは、前記端末装置の動作を管理する端末管理装置をさらに含み、
前記制御手段は、前記端末管理装置に対して、前記端末装置に前記所定の通信を行わせるための第2の制御指示を送信し、
前記端末管理装置は、当該第2の制御指示に従って、前記端末装置の操作を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【請求項5】
前記第2の制御指示は、複数の前記端末装置のうち、前記所定の通信を行うべき1つ以上の端末装置を指定する情報を含み、
前記操作は、前記1つ以上の端末装置について、電波の送受信を行わないモードである機内モードをオフとし、複数の前記端末装置のうちの前記1つ以上の端末装置と異なる端末装置について、前記機内モードをオンとする操作を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の試験システム。
【請求項6】
前記端末装置は、外部の基地局装置からの無線信号の侵入および前記端末装置からの無線信号の漏洩を遮断するシールドボックスに配置され、
前記シールドボックスは、前記接続装置によって前記第1の入出力ポートと前記シールドボックスの内部とを導通させるための端子を有し、
前記第1の入出力ポートが無線周波数(RF)ケーブルを介して前記端子に接続されることにより、前記第1の入出力ポートからの無線信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された無線信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【請求項7】
前記シールドボックスの内部に前記端子と接続された第1のアンテナが設けられており、
前記第1の入出力ポートがRFケーブルによって前記端子に接続された場合に、前記第1のアンテナと前記端末装置の前記第2の入出力ポートに接続された第2のアンテナとの間で無線通信が行われることにより、前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の試験システム。
【請求項8】
前記シールドボックスの内部において前記端子がRFケーブルによって前記第2の入出力ポートと接続されており、前記第1の入出力ポートがRFケーブルによって前記端子に接続されることにより、前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の試験システム。
【請求項9】
前記シールドボックスの内部に、前記端子に接続されたRFケーブルを介した通信を複数の前記端末装置に分配する分配器が含まれる、ことを特徴とする請求項8に記載の試験システム。
【請求項10】
前記シールドボックスは、複数の前記端子を有し、
前記接続装置は、当該複数の前記端子のそれぞれに対して、前記基地局装置が有する異なる前記第1の入出力ポートを接続させる、ことを特徴とする請求項6に記載の試験システム。
【請求項11】
前記接続装置は、複数の前記基地局装置がそれぞれ有する前記第1の入出力ポートと接続されており、
前記接続装置は、前記第1の入出力ポートが接続されている複数の前記基地局装置のうち、前記端末装置との間で前記所定の通信をさせるための対象基地局装置の前記第1の入出力ポートを前記第2の入出力ポートに接続し、複数の前記基地局装置のうちの前記対象基地局装置でない基地局装置の通信が遮断されるように制御する接続制御手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【請求項12】
前記接続装置は、複数の前記対象基地局装置がそれぞれ有する前記第1の入出力ポートの通信を結合する結合手段をさらに有し、
前記結合手段は、複数の前記対象基地局装置のそれぞれが有する複数の前記第1の入出力ポートからの信号が結合された信号を前記第2の入出力ポートへ入力し、前記第2の入出力ポートからの信号を、複数の前記対象基地局装置のそれぞれが有する複数の前記第1の入出力ポートのそれぞれへ入力する、
ことを特徴とする請求項11に記載の試験システム。
【請求項13】
複数の前記対象基地局装置が、それぞれ、複数の前記第1の入出力ポートを有し、
前記接続装置は複数の前記結合手段を有し、
1つの前記結合手段には、複数の前記対象基地局装置のそれぞれから1つの前記第1の入出力ポートが接続されており、
複数の前記結合手段は、当該複数の前記対象基地局装置のそれぞれから接続されている前記第1の入出力ポートの通信を結合する、
ことを特徴とする請求項12に記載の試験システム。
【請求項14】
複数の前記対象基地局装置が複数のグループに分類され、
前記接続装置は複数の前記結合手段を有し、
1つの前記結合手段には、1つの前記グループに属する前記対象基地局装置の前記第1の入出力ポートが接続されており、他の前記グループに属する前記対象基地局装置の前記第1の入出力ポートは接続されない、
ことを特徴とする請求項12に記載の試験システム。
【請求項15】
前記接続装置は、前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第2の入出力ポートにおいて当該第1の入出力ポートから送信される信号が所定の強度で受信されるように当該信号を減衰する減衰手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【請求項16】
前記基地局装置は、第1の基地局装置と第2の基地局装置とを含み、
前記減衰手段は、前記第1の基地局装置の前記第1の入出力ポートから送信される信号の前記強度を時間の経過に従って低下させている間に、前記第2の基地局装置の前記第1の入出力ポートから送信される信号の前記強度を時間の経過に従って上昇させることが可能に構成される、
ことを特徴とする請求項15に記載の試験システム。
【請求項17】
前記制御装置は、
複数の前記基地局装置のうち前記端末装置と前記所定の通信を行わせるべき対象基地局装置に関する情報、前記端末装置に関して模擬されるべき移動環境を示す情報、前記所定の通信の種類を示す情報並びに当該種類の前記所定の通信に必要な場合に前記所定の通信を実行するための操作情報、及び、前記第2の入出力ポートに前記第1の入出力ポートから送信される信号の強度の設定、の少なくともいずれかを指定する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段において受け付けられた情報に基づいて、前記基地局装置、前記端末装置、及び前記接続装置を動作させる制御を前記制御手段に行わせるためのシナリオを作成する作成手段と、
をさらに有し、
前記制御手段は、前記作成手段によって作成された前記シナリオに基づいて、前記基地局装置、前記端末装置、及び前記接続装置を動作させる制御を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【請求項18】
前記受付手段は、さらに、試験が行われるべき回数、当該試験が開始される時間、当該試験において用いられるべき条件、当該試験の種類、及び、当該試験において前記端末装置が通信すべき他の端末装置の少なくともいずれかに関する情報を受け付ける、ことを特徴とする請求項17に記載の試験システム。
【請求項19】
前記制御装置は、前記取得手段によって取得されたログを解析する解析手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【請求項20】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項21】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置によって実行される制御方法であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御方法は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御することと、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得することと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信の試験の効率化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ通信システムでは、基地局装置が端末装置と接続して無線通信を行う。この無線通信は、基地局装置や端末装置のプログラムの新規導入やアップデートなどにより、最新の技術を取り入れた通信を行うことができる。一方で、このようなプログラムが適用されることにより、基地局装置や端末装置において意図しない挙動が生じる場合がある。また、新規設備を導入する際にも、他の設備との関係でこのような意図しない挙動が生じる場合がありうる。このため、そのような意図しない挙動の発生を抑制するために、様々な状況を考慮した無線通信の試験が行われうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
試験は、無線通信の条件が一定となるような環境で行われる必要がある。しかしながら、そのような環境を用意するのは必ずしも容易ではなく、さらに、煩雑な準備が必要であることにより効率化が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、無線通信の試験を効率的に行うことを可能とする技術を提供する。
【0005】
本発明の一態様による試験システムは、無線通信の試験を行う試験システムであって、基地局装置と、端末装置と、前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、前記試験システムを制御する制御装置と、を含み、前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、前記制御装置は、前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、を有する。
【0006】
本発明の一態様による制御装置は、無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置であって、前記試験システムは、基地局装置と、端末装置と、前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、を含み、前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、前記制御装置は、前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、無線通信の試験を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】試験システムの構成例を示す図である。
図2】基地局装置の構成と基地局自動切替器との接続関係の例を示す図である。
図3】端末装置と基地局自動切替器との接続関係の例を示す図である。
図4】端末装置と基地局自動切替器との接続関係の別の例を示す図である。
図5】端末装置と基地局自動切替器との接続関係の別の例を示す図である。
図6】制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
図7】制御装置の機能構成例を示す図である。
図8】ログ解析において使用される定義ファイルの例を示す図である。
図9】制御装置によって実行される処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
(システム構成)
図1に、本実施形態に係る無線通信の試験のための試験システム101の構成例を示す。試験システム101は、基地局装置121~基地局装置123によって示される1つ以上の基地局装置と、端末装置131~端末装置132によって示される1つ以上の端末装置との間の無線通信の試験を行う。試験システム101は、制御装置111によって制御される。
【0011】
基地局装置121~基地局装置123は、無線信号を生成してアンテナに出力する機能およびアンテナによって検出された外部からの無線信号の入力を受け付けるための入出力ポートを有する。ただし、本実施形態では、基地局装置121~基地局装置123の入出力ポートはアンテナに接続されず、例えば無線周波数(RF)ケーブルを用いて基地局自動切替器141に接続される。すなわち、基地局装置121~基地局装置123は、例えばRF信号を生成した場合に、RFケーブルを介して、そのRF信号が基地局自動切替器141へ入力される。また、基地局装置121~基地局装置123は、基地局自動切替器141からRF信号の入力を、RFケーブルを介して受け付ける。なお、基地局装置121~基地局装置123が生成したRF信号の全てが基地局自動切替器141へ入力され、かつ、基地局装置121~基地局装置123が受信するRF信号の全てが基地局自動切替器141から出力される。
【0012】
図2に、基地局装置と基地局自動切替器141との接続状態の例を示す。なお、図2では、基地局装置121が基地局自動切替器141に接続されている状態を示しているが、基地局装置122~基地局装置123も同様に基地局自動切替器141に接続される。なお、例えば、試験の対象となる基地局装置の全てが、図2に示すように基地局自動切替器141に接続される。基地局装置121は、ベースバンドユニット(BBU201)と、リモート無線ユニット(RRU211及びRRU212)とを含んで構成される。BBU201は、ベースバンド処理を実行する。BBU201において、例えば、端末装置に送信すべきデータのベースバンド帯での符号化や変調が行われることによりベースバンド信号が生成される。BBU201は、RRU211及びRRU212に対して、生成したベースバンド信号を出力する。そして、RRU211及びRRU212は、ベースバンド信号を無線周波数(RF)の信号へと変換して増幅等の処理を行った後に、そのRF信号を出力する。同様に、RRU211及びRRU212は、外部からRF信号を受信すると、増幅や周波数変換などを行うことにより、そのRF信号をベースバンド信号に変換して、変換後のベースバンド信号をBBU201へ転送する。ここで、通常の基地局装置では、RRUがアンテナに接続され、そのアンテナを介してRF信号の送出及び検出を行う。一方で、本実施形態に係る試験システム101では、RRUは、RFケーブルなどのケーブルを用いて、アンテナではなく基地局自動切替器141に接続される。
【0013】
基地局自動切替器141は、さらに、端末装置131~端末装置132が格納されたシールドボックス151に接続される。基地局自動切替器141は、シールドボックス151内に配置された端末装置131~端末装置132が有する入出力ポートと接続する。シールドボックス151は、例えば、基地局自動切替器141と接続されたRFケーブルなどのケーブルが接続される端子を有し、シールドボックス151内の端末装置と基地局自動切替器141とを接続するように構成される。このように、基地局自動切替器141を介して、ケーブルにより基地局装置121~基地局装置123とシールドボックス151とが有線接続される。これにより、基地局装置121~基地局装置123が無線回線を用いて信号を送信する場合と比べて、シールドボックス151に届く無線信号の電界強度(例えば参照信号受信電力(RSRP))や無線品質(例えば信号対干渉および雑音比(SINR))を安定させることができる。したがって、試験の品質を向上させ、また、試験環境を容易に再現することができるようになる。
【0014】
シールドボックス151の端子は、シールドボックス151の外部からその端子に接続されたケーブルとシールドボックス151の内部とを導通させる役割を有する。この端子により、その端子を介さない無線信号のシールドボックス151内への侵入を防ぎ、かつ、シールドボックス151内の端末装置が無線信号を送出した場合に、その無線信号の外部への漏洩を防ぐことができる。すなわち、端子に接続されたケーブルを介さない信号は、シールドボックス151によって遮断される。基地局自動切替器141に接続されたRFケーブルなどのケーブルが端子に接続されると、そのケーブルは、シールドボックス151内に引き込まれたケーブルを介して、シールドボックス151内の端末装置が有する入出力ポートと接続される。例えば、端子からシールドボックス151内に引き込まれたケーブルが、シールドボックス151内で、端末装置のアンテナが接続されるべき入出力ポートにRFケーブルなどのケーブルを介して接続される。すなわち、端末装置も、アンテナを介して無線信号を送受信するのではなく、アンテナが接続される入出力ポートにRFケーブルなどのケーブルが接続されることにより、ケーブルを介して無線信号を送受信するように構成されうる。これによれば、基地局装置121~基地局装置123と端末装置131~端末装置132との間が、全て有線回線を用いて接続されることとなる。これにより、基地局装置と端末装置との間で送受信される無線信号の電界強度や無線品質を安定させることができ、試験の品質向上及び試験環境の容易な再現が可能となる。なお、端子からシールドボックス151内に引き込まれたケーブルがシールドボックス151内に配置されたアンテナに接続され、シールドボックス151内の端末装置は、そのアンテナと自装置のアンテナとを用いて接続を確立してもよい。なお、この場合であっても、シールドボックス151内の引き込まれたケーブルが接続されるアンテナの位置と端末装置の位置が固定され、かつ、外部からの無線信号は遮断されるため、基地局装置と端末装置との間で送受信される無線信号の電界強度や無線品質を安定させることができる。このようにして、シールドボックス151内の端末装置の入出力ポートが、ケーブルを用いて有線で又はアンテナを用いて無線で、基地局自動切替器141に接続される。これにより、基地局自動切替器141は、基地局装置121~基地局装置123が有する第1の入出力ポートと、端末装置131~端末装置132が有する第2の入出力ポートとの両方に接続する機能を有する。
【0015】
端末装置131及び端末装置132は、シールドボックス151に格納されることにより、基地局自動切替器141から入力された信号以外の無線信号の侵入を遮断することができる。また、端末装置131及び端末装置132から送出された無線信号が、ケーブルを介して基地局自動切替器141には入力されるが、無線信号の形態で外部に漏洩することを防ぐことができる。これにより、端末装置131~端末装置132は、基地局自動切替器141により、基地局装置121~基地局装置123の少なくともいずれかの第1の入出力ポートと自装置の第2の入出力ポートとが接続される場合に、第1の入出力ポートからの信号のみが第2の入出力ポートに入力されると共に第2の入出力ポートから出力された信号が第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置される。これにより、端末装置131~端末装置132が、外界の状況によらずに、基地局装置121~基地局装置123との通信を行うことが可能となり、高品質かつ再現性を得ることが容易な試験環境を作り出すことができる。なお、以下では、特に区別する必要がない場合には、基地局装置121~基地局装置123を「基地局装置」と表記し、端末装置131及び端末装置132を「端末装置」と表記する。
【0016】
ここで、図3を用いて、基地局自動切替器141とシールドボックス151内の構成例について説明する。基地局自動切替器141には、例えば、それぞれ複数系統の入出力ポートを有する複数の基地局装置が接続される端子301が用意される。基地局装置の入出力ポートは、それぞれ、アンテナに対応する。端子301は、基地局装置が有する複数の入出力ポートのそれぞれに対して1つずつ用意される。図3では、各基地局装置が4系統の入出力ポートを有し、それに対応して、端子301が基地局装置ごとに4つずつ用意される。それぞれの端子301には、基地局装置の1つの入出力ポートに接続されたケーブル(例えばRFケーブル)が接続される。端子301によって引き込まれた無線信号は、スイッチ(SW302)に接続される。このSW302は、基地局装置ごとに用意され、基地局装置単位で、シールドボックス151への回線を導通させるか遮断するかを制御する。SW302によってシールドボックス151への回線が導通されている基地局装置については、その信号が減衰器(ATT303)に入力される。ATT303は、各基地局装置からの無線信号を適切な強度に調整するために使用される。なお、図3では、基地局装置ごとにATT303が用意されているような構成を示しているが、入出力ポートの系統ごとにATT303が用意されてもよい。なお、ATT303は一例であり、省略されてもよい。ATT303の出力は、基地局装置の入出力ポートの系統ごとに結合器304に入力される。1つの結合器304は、複数の基地局装置のそれぞれの1つの入出力ポートと接続される。例えば、第1の結合器304には、複数の基地局装置のそれぞれにおける第1の系統の入出力ポートが接続され、第2の結合器304には、複数の基地局装置のそれぞれにおける第2の系統の入出力ポートが接続される。そして、結合器304は、複数の基地局装置から到来した信号を結合(加算)して、その結合された信号を基地局自動切替器141の外部へと出力する。基地局自動切替器141は、各基地局装置における入出力ポートの系統数に対応する数の出力ポートを有する。なお、基地局自動切替器141は、結合器304を用いずに、例えばATT303の出力をそのままシールドボックス151に接続してもよい。一方で、結合器304を用いることにより、シールドボックス151の端子の数を減らすことができ、システム構成が煩雑になるのを防ぐことができる。特に、複数の基地局装置を用いる試験などにおいて、配線のためのシールドボックス151の端子の数が不足する事態を回避することができる。
【0017】
シールドボックス151では、基地局自動切替器141の複数の出力ポートから出力された信号が、それぞれ対応する分配器311に入力される。分配器311は、入力された信号を、1つ以上の端末装置に分配して供給する。分配器311によって分配された信号は、端末装置の入出力ポートに入力される。これにより、複数の端末装置に対して、同じ無線信号を伝達することが可能となる。この結果、例えば、複数の種類の端末装置に対して同じ通信環境を提供して試験を行うことができるようになる。また、シールドボックス151内に端末装置を固定的に配置されている場合、分配器311が使用されることにより、物理的な構成を変えることなく、それらの端末装置のいずれかを選択して通信を行わせることができる。なお、端末装置から信号が送信される場合、分配器311が結合器としての役割を果たし、また、結合器304が分配器として動作して、SW302によって回線が導通している基地局装置に対して、その信号が伝達される。すなわち、端末装置の入出力ポートからの信号を、結合器304が、複数の基地局装置のそれぞれの入出力ポートへと分配する。なお、この場合、1つの結合器304は、各基地局装置がそれぞれ有する入出力ポートのうちの1つに対応し、複数の結合器304によって、各基地局装置の複数の入出力ポートに信号が供給される。
【0018】
端末装置は、端末管理装置161と、例えばUSBケーブルを用いて接続されうる。端末管理装置161は、端末装置を操作して、所定の通信を行わせる。より具体的には、シールドボックス151には、シールドボックス151内に配置された端末装置の制御を行うための端末管理装置161が接続される。端末管理装置161は、例えば汎用のコンピュータである。シールドボックス151は、端末管理装置161と端末装置とを接続するためのコネクタ及びシールドボックス151内部への引き込み線を含む。ここでのコネクタは、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)規格に準拠したコネクタであり、端末管理装置161は、USBケーブルを介してシールドボックス151に接続する。そして、シールドボックス151内では、そのUSBコネクタから引き込まれたケーブルが、端末装置に接続される。これにより、端末装置を外部から遮断された環境に配置しながら、端末管理装置161による制御を行うことができるようにする。
【0019】
端末管理装置161は、例えば、シールドボックス151内の端末装置131~端末装置132の少なくともいずれかに対して、その端末装置を操作するための指示信号をシールドボックス151に入力する。この操作は、シールドボックス151に配置されている端末装置のうちの所定の端末装置に所定の通信を行わせるための操作である。所定の通信は、例えば、音声通信などの所定の特性を有する通信や、ハンドオーバなどの所定の環境において行われる通信である。ここでの操作は、端末装置の機内モードのオン・オフを切り替える、すなわち、シールドボックス151内に配置されているが所定の通信を行わせない端末装置について、電波を送受信しないモードである機内モードをオンとし、所定の通信を行わせる所定の端末装置については機内モードをオフとするなどの操作が行われる。また、端末管理装置161によって行われる操作は、端末装置において所定の通信を行っている間のログの取得を開始または終了させるための操作を含む。さらに、端末管理装置161によって行われる操作は、端末装置において、所定の通信を開始または終了させる(例えば音声発信を行わせ又は終話させる)ための操作を含む。また、端末管理装置161は、端末装置において所定の通信を実行中に収集された通信ログを取得する機能を有する。端末管理装置161は、例えば、制御装置111がアクセス可能な記憶装置に、取得した通信ログを保存しておく。これにより、制御装置111が、その通信ログを取得することが可能となる。また、端末管理装置161は、通信ログを取得するたびに又は一定周期で、制御装置111に対してその通信ログを通知してもよい。なお、図1では、端末管理装置161が端末装置の制御と通信ログの取得を行う構成を示しているが、制御装置111がこれらの処理を行ってもよい。すなわち、制御装置111が、直接、シールドボックス151を介して端末装置を制御してもよい。この場合、端末管理装置161は省略されうる。
【0020】
なお、図3の基地局自動切替器141とシールドボックス151内の構成例において、シールドボックス151が増設されてもよい。例えば、試験を行うべき端末装置の数が多い場合に、図4のような構成が用いられてもよい。図4の構成では、第1のシールドボックス151に入力される信号が、第2のシールドボックス152にも入力されるように分配する分配器401が用意される。これにより、試験対象の端末装置の数が、1つのシールドボックス151に格納可能な端末装置の数を超える場合にも対応することができる。なお、図4では、複数のシールドボックス151に配置された複数の端末装置に対して同じ試験を行わせるために、共通の端末管理装置161が使用される例を示しているが、シールドボックスごとに別個の端末管理装置161が用意されてもよい。
【0021】
また、図5のように、複数の基地局装置をグループに分類し、1つの結合器に対して、1つのグループに属する基地局装置の入出力ポートのみが接続され、他のグループに属する基地局装置の入出力ポートが接続されないようにしてもよい。すなわち、図5の例では、SW501並びにATT511に対応する基地局装置、及び、SW502並びにATT512に対応する基地局装置の入出力ポートは、結合器521に接続されるが、結合器522には接続されない。同様に、SW503並びにATT513に対応する基地局装置、及び、SW504並びにATT514に対応する基地局装置の入出力ポートは、結合器522に接続されるが、結合器521には接続されない。結合器521の観点からは、SW501並びにATT511に対応する基地局装置、及び、SW502並びにATT512に対応する基地局装置を含んだ第1のグループの基地局装置の入出力ポートのみが接続される。一方で、結合器521には、SW503並びにATT513に対応する基地局装置、及び、SW504並びにATT514に対応する基地局装置を含んだ第2のグループの基地局装置の入出力ポートは接続されない。そして、各グループに対応する結合器は、別個のシールドボックス内に配置された端末装置に接続される。図5の例では、結合器521は、シールドボックス151内の端末装置に接続され、結合器522は、シールドボックス152内の端末装置に接続されている。これによれば、基地局装置の複数のグループを用いた試験を並行して行うことが可能となる。すなわち、図3図4のような構成では、試験の対象とならない基地局装置については通信が遮断され、試験が行われない状態となる。これに対して、図5のような構成では、1つの試験系統において試験の対象とならない基地局装置を用いて、別の試験系統を並行して確立することができる。このため、試験を効率的に行うことが可能となる。
【0022】
図1に戻り、基地局装置は、基地局管理装置171によって動作が管理される。基地局管理装置171は、例えば、基地局装置の監視及び制御を行う。基地局管理装置171は、例えば、基地局装置121~基地局装置123の少なくともいずれかに制御信号を送信して、端末装置と所定の通信を行わせる。ここで、基地局装置121~基地局装置123の少なくともいずれかに対して制御信号を送信して、その基地局装置に所定の通信のための通信パラメータを設定させる。ここでの通信パラメータを様々な値に変更して試験が行われることにより、例えば音声通信などの所定の特性を有する所定の通信に適した通信パラメータが特定されうる。また、基地局管理装置171は、例えばハンドオーバなどの所定の環境において行われる所定の通信のための通信パラメータとして、隣接セルの関係を示すパラメータを各基地局装置に設定させる。同様に、基地局管理装置171は、基地局装置間の通信インタフェースであるX2インタフェース/Xnインタフェースの設定を各基地局装置に行わせる。すなわち、複数の基地局装置が相互に隣接関係にあるセルを形成していることを模擬するような通信パラメータの設定が基地局装置において行われるようにする。これにより、ハンドオーバの試験など、複数の基地局装置が関与する所定の通信に関する試験を行うことができる。なお、基地局管理装置171は、例えば、各基地局装置において使用されている通信パラメータを記憶及び管理しうる。そして、基地局管理装置171は、例えば制御装置111からの問い合わせに対して、その記憶している通信パラメータを制御装置111に通知しうる。これにより、制御装置111が、現在設定されている通信パラメータの確認を行うことができ、例えば制御装置111によって指定された通信パラメータが正常に設定されたかを制御装置111が確認することが可能となる。
【0023】
また、基地局管理装置171は、基地局装置において、何らかのエラーが発生した場合などのログを示すアラーム情報を取得し、制御装置111がアクセス可能な外部の記憶装置にそのアラーム情報を保存するように動作しうる。なお、基地局管理装置171は、アラーム情報のみならず、他のログをも含んだ通信ログを取得して、外部の記憶装置にその通信ログを記憶させてもよい。また、基地局管理装置171は、通信ログを取得するたびに又は一定周期で、制御装置111に対してその通信ログを通知してもよい。なお、図1では、基地局管理装置171が基地局装置の制御と通信ログの取得を行う構成を示しているが、制御装置111がこれらの処理を行ってもよい。すなわち、制御装置111が、直接、基地局装置を制御してもよい。この場合、基地局管理装置171は省略されうる。
【0024】
基地局自動切替器141は、基地局装置121~基地局装置123の少なくともいずれかの入出力ポートを選択的にシールドボックス151の内部に配置された端末装置の入出力ポートと導通させるように動作する。例えば、基地局自動切替器141は、制御装置111からの制御信号によって、試験の対象とする対象基地局装置の第1の入出力ポートとシールドボックス151との間を導通させることにより、その第1の入出力ポートと端末装置の第2の入出力ポートとを接続するような接続制御を行う。一方で、基地局自動切替器141は、他の基地局装置の第1の入出力ポートと端末装置の第2の入出力ポートとを接続させない。すなわち、基地局自動切替器141は、基地局装置が接続された状態において、試験の対象となる一部の対象基地局装置に関連する信号のみを通過させ、他の基地局装置に関連する信号を遮断する。これによれば、試験の対象とする対象基地局装置に対して都度ケーブルを挿抜する必要がなくなるため、試験に係る作業を大幅に簡略化することができる。また、これにより、ケーブルの挿抜による製品の消耗や電界品質の変化を軽減することができる。なお、基地局自動切替器141は、例えば、シールドボックス151との間でRF信号の遮断を行わないように構成されうる。すなわち、基地局自動切替器141は、シールドボックス151内の端末装置からのRF信号については、試験の対象である対象基地局装置に対して、そのRF信号の全てを供給するように動作しうる。なお、この場合であっても、例えば端末管理装置161によって一部の端末装置のみが動作するように制御されることで、対象基地局装置と特定の端末装置との間のみで通信が行われる環境を形成することができる。ただし、これは一例であり、基地局自動切替器141は、例えば、各端末装置からの信号が個別に入力される場合に、一部の端末装置の信号のみを通過させ、他の端末装置の信号を遮断するように構成されてもよい。
【0025】
また、基地局自動切替器141は、例えば、対象基地局装置からのRF信号をシールドボックス151へ入力する際に、そのRF信号の強度を調整する機能を有しうる。基地局自動切替器141は、例えば、減衰器を有し、その減衰器により、例えば対象基地局装置からの信号の参照信号受信電力(RSRP)がシールドボックス151内の端末装置において所定の電界強度で受信されるように、その信号を減衰させうる。なお、基地局自動切替器141は、増幅器を用いて入力された信号を増幅させることによってその強度を調整してもよい。また、基地局自動切替器141は、例えば、ハンドオーバの試験の際に、第1の対象基地局装置からの信号の強度を時間経過に従って低下させ、第2の対象基地局装置からの信号の強度を時間経過に従って上昇させることにより、端末装置が第1の対象基地局装置が形成するセルから第2の対象基地局装置が形成するセルへと移動する環境を模擬してもよい。また、基地局自動切替器141は、例えば、1つの対象基地局装置が形成するセル内での移動などによる電界強度の変化を模擬するように、その対象基地局装置からの信号の強度を、時間経過に従って減衰又は上昇させてもよい。
【0026】
制御装置111は、基地局自動切替器141、端末管理装置161、及び、基地局管理装置171に対して、制御信号を送信し、所定の基地局装置と所定の端末装置との間で所定の通信を行わせるために制御信号を送信する。制御装置111は、例えば、基地局自動切替器141に対して、基地局装置121~基地局装置123のうちの少なくともいずれかの基地局装置が有する第1の入出力ポートを、端末装置131~端末装置132の少なくともいずれかが有する第2の入出力ポートと接続するように指示する。基地局自動切替器141は、例えば、指定された基地局装置の通信を通過させ、指定されていない他の基地局装置の通信を遮断する。また、制御装置111は、基地局自動切替器141に対して、基地局装置又は端末装置からの無線信号の強度を調整するように、制御信号によって指示しうる。基地局自動切替器141は、この指示を受信すると、減衰器(又は増幅器)を用いて、基地局装置又は端末装置からの無線信号の強度を指示に従って調整する。このような構成によれば、制御装置111によって適切に指示を送信することにより、基地局自動切替器141において無線信号の強度が調整される。これによれば、減衰器の操作を手動で行う必要がなくなるため、効率的に試験を行うことができるようになる。また、制御装置111は、端末管理装置161に対して、特定の端末装置のみが通信を行うように指示する制御信号を送信する。端末管理装置161は、この制御信号に基づいて、指定された端末装置における機内モードをオフとし、指定されていない端末装置における機内モードをオンとする。また、制御装置111は、基地局管理装置171に対して、所定の通信において使用されるべき通信パラメータを指示する制御信号を送信する。なお、制御装置111は、特定の基地局装置と特定の端末装置との間で所定の通信の開始もしくは終了又はログ取得の開始もしくは終了を指示する制御信号を、基地局自動切替器141、端末管理装置161、及び、基地局管理装置171へ送信しうる。なお、所定の通信の開始または終了と、ログ取得の開始または終了は、別個に指示されてもよい。すなわち、制御装置111は、各装置を制御して所定の通信を開始させ、その所定の通信が行われている間にログ取得の開始及び終了を指示するようにしてもよい。なお、これは一例であり、制御装置111は、所定の通信やログ取得が行われるべき期間を示す制御信号を、基地局自動切替器141、端末管理装置161、及び、基地局管理装置171へ送信してもよい。これにより、基地局自動切替器141、端末管理装置161、及び、基地局管理装置171がタイミングを合わせて、特定の基地局装置と特定の端末装置との間で所定の通信を行わせることができるようになる。
【0027】
また、制御装置111は、端末管理装置161と基地局管理装置171との少なくともいずれかから、それぞれが管理している端末装置と基地局装置との少なくともいずれかにおける通信ログを取得する。例えば、端末管理装置161は、所定の通信を行った端末装置から通信ログを取得し、制御装置111へ、周期的に又はログを取得するごとにその通信ログを通知しうる。また、端末管理装置161は、例えば、制御装置111がアクセス可能な記憶装置に、取得した通信ログを格納してもよい。端末管理装置161は、自装置に内蔵されている記憶装置の一部の記憶領域を、制御装置111がアクセス可能な記憶装置として設定しうる。ただし、これに限られず、端末管理装置161とは別個に制御装置111がアクセス可能な記憶装置が用意されてもよい。また、基地局管理装置171は、所定の通信を実行中の基地局装置において、例えばエラーなどの事象が生じた場合に所定の通知を行うように基地局装置を設定することにより、そのような事象のログを収集することができる。また、基地局管理装置171は、特段の事象が発生していない間の所定の通信のログを、基地局装置から取得してもよい。基地局管理装置171は、制御装置111へ、周期的に又はログを取得するごとにそのログを通知しうる。また、基地局管理装置171は、例えば、制御装置111がアクセス可能な記憶装置に、取得した通信ログを格納してもよい。基地局管理装置171は、自装置に内蔵されている記憶装置の一部の記憶領域を、制御装置111がアクセス可能な記憶装置として設定しうる。ただし、これに限られず、基地局管理装置171とは別個に制御装置111がアクセス可能な記憶装置が用意されてもよい。
【0028】
なお、上述の構成では、制御装置111が、端末装置の操作、基地局装置のパラメータ設定、ログの取得などを行うために、端末管理装置161と基地局管理装置171に制御信号を送信している。ただし、これは一例であり、制御装置111が端末装置や基地局装置と直接接続し、端末管理装置161と基地局管理装置171を介さずに、端末装置と基地局装置の制御や管理を行ってもよい。すなわち、制御装置111が、端末管理装置161と基地局管理装置171の機能を含んでもよい。
【0029】
以上のような構成を用いることにより、試験システム内の配線などの物理的な構成を固定化して、試験ごとの構成変更を伴わない効率的な試験を行うことが可能となる。また、構成変更が行われないことにより、電界環境の意図しない変化を抑制することができる。さらに、ケーブルの挿抜などが行われる頻度が抑制されることにより、設定作業を簡素化し、部材の劣化を抑制することができる。
【0030】
(制御装置の構成)
続いて、制御装置111の構成例について説明する。図6は、制御装置111のハードウェア構成例を示している。制御装置111は、一例において、プロセッサ601、ROM602、RAM603、記憶装置604、及び通信回路605を含んで構成される。プロセッサ601は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM602や記憶装置604に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、制御装置111の全体の処理や後述の各処理を実行する。ROM602は、制御装置111が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM603は、プロセッサ601がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置604は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路605は、基地局自動切替器141、端末管理装置161、及び基地局管理装置171と通信するための回路である。
【0031】
図7は、制御装置111の機能構成例を示す図である。制御装置111は、その機能として、例えば、管理情報受付部701、シナリオ生成部702、試験実行部703、ログ取得部704、及びログ解析部705を含む。なお、これらの機能は、例えばプロセッサ601が、ROM602などに記憶されたプログラムを実行することによって具現化されうる。なお、これは一例であり、それらの機能の少なくとも一部が専用のハードウェアによって実装されてもよい。
【0032】
管理情報受付部701、及びシナリオ生成部702は、図1図5に示したようなシステム構成において、自動で試験を行うためのシナリオを作成し、そのシナリオに従って、試験システム101内の各装置を制御する。このシナリオは、管理情報受付部701が、試験の対象とする管理項目に関するユーザ入力を受け付けて、シナリオ生成部702がそのユーザによって入力された管理項目をテンプレートに当てはめることによって作成される。管理項目は、例えば、試験の対象とする対象基地局装置を特定する情報と、その対象基地局装置の入出力ポートから出力される無線信号が端末装置の入出力ポートにおいて受信される際の電界強度の設定値に関する項目が指定されうる。また、管理項目として、例えば、試験の対象とする端末装置や、その端末装置の通信相手となる他の端末装置を示す情報が指定されうる。
【0033】
また、端末装置に関して模擬されるべき移動環境を示す情報が、管理項目として指定されうる。この管理項目では、ハンドオーバに関する試験が行われる場合のハンドオーバ元の基地局装置及びハンドオーバ先の基地局装置を特定する情報、及び、ハンドオーバなどによる端末装置の接続先の基地局装置の変更方法に関する情報の少なくともいずれかが指定されうる。なお、ハンドオーバ先の基地局装置は、ハンドオーバ先の候補となるが実際にはハンドオーバ先とならない基地局装置をも含みうる。すなわち、3つ以上の基地局装置の情報がこの項目に含まれうる。また、接続先の基地局装置の変更方法は、X2ハンドオーバ及びS1ハンドオーバなどのハンドオーバの種別を含む。すなわち、基地局装置間のインタフェースであるX2インタフェースが確立されている基地局装置間のハンドオーバと、X2インタフェースが確立されていない基地局装置間のハンドオーバとのいずれが行われるかが、接続先の基地局装置の変更方法として指定されうる。なお、X2ハンドオーバ及びS1ハンドオーバは、ロングタームエボリューション(LTE)に関する例であり、例えば、第5世代(5G)の通信規格に準拠したXnハンドオーバNgハンドオーバなどの種別が接続先の基地局装置の変更方法として規定されてもよい。また、例えば5Gの後継規格において新たなインタフェースが追加された場合にも、その規格において定義されたハンドオーバの種別が、接続先の基地局装置の変更方法として指定されてもよい。このように、接続先の基地局装置の変更方法に、X2ハンドオーバ、S1ハンドオーバ、Xnハンドオーバ、Ngハンドオーバなどのハンドオーバの種別を含むようにすることにより、より精緻な条件変更が可能となる。また、ハンドオーバ以外に、非接続状態における端末装置によるセル再選択や、端末装置の電源オン時などのネットワークへの登録(アタッチ)や登録解除(デタッチ)などの手順に関する試験が行われるべき際には、その情報が指定されてもよい。また、例えば、基地局装置から送信された無線信号の強度の時間変化を示す項目が、管理項目として指定されうる。例えば、試験の開始からの経過時間ごとの減衰器の設定を示す情報が管理項目として指定されうる。
【0034】
また、管理項目は、トラフィックの種類に関する項目を含む。トラフィックの種類は、例えば、上りリンクトラフィック(端末装置から基地局装置へ信号を送信するトラフィック)と下りリンクトラフィック(基地局装置から端末装置へ信号を送信するトラフィック)とのいずれが行われるべきかを示す情報を含みうる。また、トラフィックの種類は、例えば音声通話、回線交換フォールバック(CSFB)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)などを示す情報を含んでもよい。管理項目は、さらに、トラフィックの種類に基づいて、具体的にどのようなトラフィックを発生させるかを示す項目が指定されうる。例えば、指定された種類のトラフィックの通信に必要な場合に、その通信を実行するための操作情報が、管理項目として指定されうる。また、試験が繰り返し実行されるべき回数を示す情報や、試験が開始または終了されるべき時間、試験の個別の条件など、試験において考慮されるべき追加情報を示す情報が、管理項目として指定されうる。試験の種類を示す情報が、管理項目として指定されうる。試験の種類を示す情報は、例えば、ハンドオーバ試験、レイテンシ測定試験、音声通話の発呼及び着呼の試験などを示す情報でありうる。
【0035】
シナリオ生成部702は、これらの管理項目に関するユーザ入力が管理情報受付部701によって受け付けられると、その受け付けたユーザ入力に基づいて、試験を実行する手順に対応するシナリオを作成する。例えば、シナリオ生成部702は、事前に用意されたテンプレートファイルに対して、ユーザ入力で指定された管理項目の内容を格納していくことにより、シナリオファイルを作成する。なお、このシナリオファイルの作成は、例えば、他のシナリオによる試験が実行されている間に作成されうる。すなわち、複数のシナリオファイルが並行して用意されてもよい。この場合、シナリオファイルによって規定されるシナリオが未実行状態であるか否かの状態を管理する情報が、そのシナリオファイルと共に、例えば記憶装置604に記憶されうる。なお、繰り返し同様の試験を実行するために、シナリオが実行された後も、シナリオファイルが保持されたままとしうる。なお、シナリオの実行完了後に、そのシナリオに対応するシナリオファイルは削除されてもよい。
【0036】
その後、試験実行部703が、用意された1つ以上のシナリオファイルのうちのいずれかを取得して、そのシナリオに基づいて、基地局自動切替器141、端末管理装置161、及び、基地局管理装置171のそれぞれに対して、各種制御信号を送信する。その制御信号により、基地局装置及び端末装置や、基地局自動切替器141の設定が行われ、その設定に基づいて各装置を動作させることにより、シナリオに対応する所定の通信が行われる。
【0037】
ログ取得部704は、端末管理装置161及び基地局管理装置171から、所定の通信が行われた後のログを取得する。なお、端末管理装置161及び基地局管理装置171が、例えば、制御装置111からアクセス可能な所定の記憶装置にログデータを格納した場合、ログ取得部704は、その記憶装置にアクセスしてログデータを取得する。また、ログ取得部704は、端末管理装置161及び基地局管理装置171に対してログを送信するように要求し、その要求への応答によってログ情報を取得してもよい。また、ログ取得部704は、要求信号の送信などを行わずに、端末管理装置161及び基地局管理装置171から例えば周期的に送信されるログ情報を待ち受けてもよい。
【0038】
ログ解析部705は、ログ取得部704によって取得されたログ情報を解析する。ログ解析部705は、例えば、解析対象のメッセージと解析対象メッセージをどのように判定するかを示す定義ファイルを用意し、その定義ファイルに従って、ログ情報の解析を実行する。なお、定義ファイルにおいては、例えば1つのメッセージが送受信された場合や1つの処理が実行された場合に解析処理が次のステージに遷移するように、ステージが割り当てられる。例えば、図8に示すような定義ファイルが用意される。図8において、ステージ番号801は、その後に続く情報がそのステージ番号801によって識別されるステージに関する解析処理を定義する情報であることを示す。解析対象メッセージ名802は、このステージにおいて受信されるべきメッセージを示している。図8において、ステージ「0」に対して、3つのメッセージが規定されており、これらの何れかが受信された場合に、そのメッセージの名称に続く情報が参照されて解析処理が実行される。解析対象メッセージ名802に対応する情報として、解析対象メッセージのプロトコル名803と、メッセージをどのように判定するかを示す判定パターン804を含む。また、メッセージの判定に成功した場合の遷移先のステージ805とメッセージの判定に成功しなかった場合の遷移先のステージ806とが定義される。ログ解析部705は、例えば、解析対象のログ情報において、まずステージ「0」の判定を行う。ログ解析部705は、例えば、NR5G RRC OTA Packetの受信を確認した場合、判定パターン804に従って、そのパケット内のメジャメントオブジェクトの確認を行う。そして、ログ解析部705は、その確認に成功した場合、遷移先のステージ805に従って、ステージ「1」の判定を行う。その後、ステージ「1」の確認処理が行われる。なお、ステージ「1」では、LTE MAC Rach Trigger又はLTE MAC Rach Attemptが確認されると、判定パターンに従って次のステージ「0」へと遷移させる。すなわち、ここではシーケンスの確認のみが行われ、詳細な内容の確認は行われない。このように、本実施形態では、シーケンスの各処理に対して1つのステージが割り当てられ、そのステージを遷移させることにより、ログの解析が行われる。
【0039】
例えば、1回の通信手順において同じような処理が繰り返される場合に、その処理の繰り返しが検出されると、ステージ割り当てが行われない場合には1回の通信手順の途中であるのか、複数回の通信手順が繰り返し行われた結果であるのかを特定できない場合がある。これに対して、ステージ割り当てが行われることにより、1回の通信手順が常にステージ「0」から開始されるため、繰り返し行われる処理が1回の通信手順内の物であるか否かを、ログ解析部705が容易に判定することが可能となる。また、通信手順の中には、内容の確認が不要な処理と内容の確認が必要な処理とが混在しうるが、判定パターン804が指定されることにより、各処理に対して適切かつ効率的な判定を行うことが可能となる。なお、判定パターン804は、その処理の内容に応じて適宜設定される。また、例えば、基地局装置や端末装置などの装置の動作がベンダごとに異なることにより、メッセージの順序が逆転する場合がありうる。例えば、「メッセージA」と「メッセージB」との順序が装置の種類によって逆転しうる場合、ステージ「0」における解析対象メッセージ名802として、「メッセージA」及び「メッセージB」の両方を定義し、その両方の遷移先のステージ「1」においても、解析対象メッセージ名802として、「メッセージA」及び「メッセージB」の両方を定義しうる。これによれば、ステージ「0」においてメッセージAが受信されると共にステージ「1」においてメッセージBが受信される場合と、ステージ「1」においてメッセージAが受信されると共にステージ「0」においてメッセージBが受信される場合とを、共に正常な手順として扱うことが可能となる。
【0040】
ログ解析は、例えば、所定の通信が適切に動作したか否かの判定や、基地局装置に設定したパラメータのうち通信が適正に完了しなかったパラメータがあったか否か、所定の期間内に通信が完了したか、等の判定を行う。一例において、ログ解析部705は、解析結果を示す画面を生成し、表示装置(不図示)に表示させうる。これにより、ユーザは、試験の対象の通信が正常に完了したか否かを、画面を通じて容易に特定することができるようになる。
【0041】
(処理の流れ)
図9を用いて、制御装置111が実行する処理の流れについて概説する。なお、制御装置111が実行する処理の詳細については上述の通りであるため、ここでは処理の大まかな流れを示すにとどめ、その詳細については繰り返さない。
【0042】
まず、制御装置111は、シナリオ作成のための管理項目に関するユーザからの入力を受け付ける(S901)。そして、制御装置111は、入力された管理項目を、事前に用意されたテンプレートに適用することにより、試験の内容を定義したシナリオを作成する(S902)。その後、制御装置111は、作成したシナリオに従って試験を実行し(S903)、ログを取得する(S904)。その後、制御装置111は、取得したログを解析する(S905)。なお、上述の処理は一例であり、その一部が省略されてもよいし、示されていない処理ステップが追加されてもよい。例えば、制御装置111は、ログを取得するまでの処理を実行するように構成されてもよく、その場合、S905の処理は省略される。また、シナリオが事前に設定されている場合、S901やS902も省略されてもよい。また、例えばログを取得する際に、各装置に対して要求信号を送信する処理などが追加されてもよい。
【0043】
以上のようにして、本実施形態に係る試験システムは、煩雑な準備を必要としないシステム構成を実現し、無線通信の条件が一定となるような環境で安定した通信試験を行うことを可能とする。よって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0044】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信の試験を行う試験システムであって、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
前記試験システムを制御する制御装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有し、
前記接続装置は、複数の前記基地局装置がそれぞれ有する前記第1の入出力ポートと接続されており、
前記接続装置は、前記第1の入出力ポートが接続されている複数の前記基地局装置のうち、前記端末装置との間で前記所定の通信をさせるための対象基地局装置の前記第1の入出力ポートを前記第2の入出力ポートに接続し、複数の前記基地局装置のうちの前記対象基地局装置でない基地局装置の通信が遮断されるように制御する接続制御手段をさらに有する、ことを特徴とする試験システム。
【請求項2】
前記接続装置は、複数の前記対象基地局装置がそれぞれ有する前記第1の入出力ポートの通信を結合する結合手段をさらに有し、
前記結合手段は、複数の前記対象基地局装置のそれぞれが有する複数の前記第1の入出力ポートからの信号が結合された信号を前記第2の入出力ポートへ入力し、前記第2の入出力ポートからの信号を、複数の前記対象基地局装置のそれぞれが有する複数の前記第1の入出力ポートのそれぞれへ入力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
複数の前記対象基地局装置が、それぞれ、複数の前記第1の入出力ポートを有し、
前記接続装置は複数の前記結合手段を有し、
1つの前記結合手段には、複数の前記対象基地局装置のそれぞれから1つの前記第1の入出力ポートが接続されており、
複数の前記結合手段は、当該複数の前記対象基地局装置のそれぞれから接続されている前記第1の入出力ポートの通信を結合する、
ことを特徴とする請求項2に記載の試験システム。
【請求項4】
複数の前記対象基地局装置が複数のグループに分類され、
前記接続装置は複数の前記結合手段を有し、
1つの前記結合手段には、1つの前記グループに属する前記対象基地局装置の前記第1の入出力ポートが接続されており、他の前記グループに属する前記対象基地局装置の前記第1の入出力ポートは接続されない、
ことを特徴とする請求項2に記載の試験システム。
【請求項5】
無線通信の試験を行う試験システムであって、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
前記試験システムを制御する制御装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有し、
前記試験システムは、前記基地局装置の動作を管理する基地局管理装置をさらに含み、
前記制御手段は、前記基地局管理装置に対して、前記基地局装置に前記所定の通信を行わせるための第1の制御指示を送信し、
前記基地局管理装置は、当該第1の制御指示に従って、前記基地局装置の通信パラメータを設定し、前記基地局装置における前記所定の通信に関連して取得されたログを、前記制御装置がアクセス可能な記憶装置に保存する、
ことを特徴とする試験システム。
【請求項6】
無線通信の試験を行う試験システムであって、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
前記試験システムを制御する制御装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有し、
前記試験システムは、前記端末装置の動作を管理する端末管理装置をさらに含み、
前記制御手段は、前記端末管理装置に対して、前記端末装置に前記所定の通信を行わせるための第2の制御指示であって、複数の前記端末装置のうち、前記所定の通信を行うべき1つ以上の端末装置を指定する情報を含んだ前記第2の制御指示を送信し、
前記端末管理装置は、当該第2の制御指示に従って、前記1つ以上の端末装置について、電波の送受信を行わないモードである機内モードをオフとし、複数の前記端末装置のうちの前記1つ以上の端末装置と異なる端末装置について、前記機内モードをオンとすることを含んだ操作を行う、
ことを特徴とする試験システム。
【請求項7】
無線通信の試験を行う試験システムであって、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
前記試験システムを制御する制御装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有し、
前記端末装置は、外部の基地局装置からの無線信号の侵入および前記端末装置からの無線信号の漏洩を遮断するシールドボックスに配置され、
前記シールドボックスは、前記接続装置によって前記第1の入出力ポートと前記シールドボックスの内部とを導通させるための端子を有し、
前記シールドボックスの内部において前記端子がRFケーブルによって前記第2の入出力ポートと接続されており、前記第1の入出力ポートがRFケーブルによって前記端子に接続されることにより、前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続され、
前記第1の入出力ポートが無線周波数(RF)ケーブルを介して前記端子に接続されることにより、前記第1の入出力ポートからの無線信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された無線信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力され
前記シールドボックスの内部に、前記端子に接続されたRFケーブルを介した通信を複数の前記端末装置に分配する分配器が含まれる、
ことを特徴とする試験システム。
【請求項8】
前記シールドボックスは、複数の前記端子を有し、
前記接続装置は、当該複数の前記端子のそれぞれに対して、前記基地局装置が有する異なる前記第1の入出力ポートを接続させる、ことを特徴とする請求項に記載の試験システム。
【請求項9】
無線通信の試験を行う試験システムであって、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
前記試験システムを制御する制御装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有し、
前記基地局装置は、第1の基地局装置と第2の基地局装置とを含み、
前記接続装置は、前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第2の入出力ポートにおいて当該第1の入出力ポートから送信される信号が所定の強度で受信されるように当該信号を減衰する減衰手段をさらに有し、
前記減衰手段は、前記第1の基地局装置の前記第1の入出力ポートから送信される信号の前記強度を時間の経過に従って低下させている間に、前記第2の基地局装置の前記第1の入出力ポートから送信される信号の前記強度を時間の経過に従って上昇させることが可能に構成される、
ことを特徴とする試験システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
複数の前記基地局装置のうち前記端末装置と前記所定の通信を行わせるべき対象基地局装置に関する情報、前記端末装置に関して模擬されるべき移動環境を示す情報、前記所定の通信の種類を示す情報並びに当該種類の前記所定の通信に必要な場合に前記所定の通信を実行するための操作情報、及び、前記第2の入出力ポートに前記第1の入出力ポートから送信される信号の強度の設定、の少なくともいずれかを指定する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段において受け付けられた情報に基づいて、前記基地局装置、前記端末装置、及び前記接続装置を動作させる制御を前記制御手段に行わせるためのシナリオを作成する作成手段と、
をさらに有し、
前記制御手段は、前記作成手段によって作成された前記シナリオに基づいて、前記基地局装置、前記端末装置、及び前記接続装置を動作させる制御を行う、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の試験システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記取得手段によって取得されたログを解析する解析手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の試験システム。
【請求項12】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有し、
前記接続装置は、複数の前記基地局装置がそれぞれ有する前記第1の入出力ポートと接続されており、
前記制御手段は、前記第1の入出力ポートが接続されている複数の前記基地局装置のうち、前記端末装置との間で前記所定の通信をさせるための対象基地局装置の前記第1の入出力ポートを前記第2の入出力ポートに接続し、複数の前記基地局装置のうちの前記対象基地局装置でない基地局装置の通信が遮断されるように指示する制御信号を前記接続装置へ送信する、ことを特徴とする制御装置。
【請求項13】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有し、
前記試験システムは、前記基地局装置の動作を管理する基地局管理装置をさらに含み、
前記制御手段は、前記基地局管理装置に対して、前記基地局装置に前記所定の通信を行わせるための第1の制御指示を送信し、
前記取得手段は、前記基地局管理装置が当該第1の制御指示に従って前記基地局装置の通信パラメータを設定して、前記基地局装置における前記所定の通信に関連して取得された前記ログを保存した記憶装置にアクセスすることにより、前記ログを取得する、ことを特徴とする制御装置。
【請求項14】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有し、
前記試験システムは、前記端末装置の動作を管理する端末管理装置をさらに含み、
前記制御手段は、前記端末管理装置に対して、前記端末装置に前記所定の通信を行わせるための第2の制御指示であって、複数の前記端末装置のうち、前記所定の通信を行うべき1つ以上の端末装置を指定する情報を含んだ前記第2の制御指示を送信して、前記端末管理装置に、前記1つ以上の端末装置について、電波の送受信を行わないモードである機内モードをオフとし、複数の前記端末装置のうちの前記1つ以上の端末装置と異なる端末装置について、前記機内モードをオンとすることを含んだ操作を行わせる、ことを特徴とする制御装置。
【請求項15】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御装置は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、
を有し、
前記基地局装置は、第1の基地局装置と第2の基地局装置とを含み、
前記接続装置は、前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第2の入出力ポートにおいて当該第1の入出力ポートから送信される信号が所定の強度で受信されるように当該信号を減衰する機能をさらに有し、
前記制御手段は、前記第1の基地局装置の前記第1の入出力ポートから送信される信号の前記強度を時間の経過に従って低下させている間に、前記第2の基地局装置の前記第1の入出力ポートから送信される信号の前記強度を時間の経過に従って上昇させることを指示する制御信号を前記接続装置へ送信する、ことを特徴とする制御装置。
【請求項16】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置によって実行される制御方法であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御方法は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御工程と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得工程と、
を含み、
前記接続装置は、複数の前記基地局装置がそれぞれ有する前記第1の入出力ポートと接続されており、
前記制御工程は、前記第1の入出力ポートが接続されている複数の前記基地局装置のうち、前記端末装置との間で前記所定の通信をさせるための対象基地局装置の前記第1の入出力ポートを前記第2の入出力ポートに接続し、複数の前記基地局装置のうちの前記対象基地局装置でない基地局装置の通信が遮断されるように指示する制御信号を前記接続装置へ送信することを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項17】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置によって実行される制御方法であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御方法は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御工程と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得工程と、
を含み、
前記試験システムは、前記基地局装置の動作を管理する基地局管理装置をさらに含み、
前記制御工程において、前記基地局管理装置に対して、前記基地局装置に前記所定の通信を行わせるための第1の制御指示を送信し、
前記取得工程において、前記基地局管理装置が当該第1の制御指示に従って前記基地局装置の通信パラメータを設定して、前記基地局装置における前記所定の通信に関連して取得された前記ログを保存した記憶装置にアクセスすることにより、前記ログを取得する、ことを特徴とする制御方法。
【請求項18】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置によって実行される制御方法であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御方法は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御工程と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得工程と、
を含み、
前記試験システムは、前記端末装置の動作を管理する端末管理装置をさらに含み、
前記制御工程において、前記端末管理装置に対して、前記端末装置に前記所定の通信を行わせるための第2の制御指示であって、複数の前記端末装置のうち、前記所定の通信を行うべき1つ以上の端末装置を指定する情報を含んだ前記第2の制御指示を送信して、前記端末管理装置に、前記1つ以上の端末装置について、電波の送受信を行わないモードである機内モードをオフとし、複数の前記端末装置のうちの前記1つ以上の端末装置と異なる端末装置について、前記機内モードをオンとすることを含んだ操作を行わせる、ことを特徴とする制御方法。
【請求項19】
無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置によって実行される制御方法であって、
前記試験システムは、
基地局装置と、
端末装置と、
前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、
を含み、
前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、
前記制御方法は、
前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御工程と、
前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得工程と、
を含み、
前記基地局装置は、第1の基地局装置と第2の基地局装置とを含み、
前記接続装置は、前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第2の入出力ポートにおいて当該第1の入出力ポートから送信される信号が所定の強度で受信されるように当該信号を減衰する機能をさらに有し、
前記制御工程において、前記第1の基地局装置の前記第1の入出力ポートから送信される信号の前記強度を時間の経過に従って低下させている間に、前記第2の基地局装置の前記第1の入出力ポートから送信される信号の前記強度を時間の経過に従って上昇させることを指示する制御信号を前記接続装置へ送信する、ことを特徴とする制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一態様による試験システムは、無線通信の試験を行う試験システムであって、基地局装置と、端末装置と、前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、前記試験システムを制御する制御装置と、を含み、前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、前記制御装置は、前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、を有し、前記接続装置は、複数の前記基地局装置がそれぞれ有する前記第1の入出力ポートと接続されており、前記接続装置は、前記第1の入出力ポートが接続されている複数の前記基地局装置のうち、前記端末装置との間で前記所定の通信をさせるための対象基地局装置の前記第1の入出力ポートを前記第2の入出力ポートに接続し、複数の前記基地局装置のうちの前記対象基地局装置でない基地局装置の通信が遮断されるように制御する接続制御手段をさらに有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の一態様による制御装置は、無線通信の試験を行う試験システムを制御する制御装置であって、前記試験システムは、基地局装置と、端末装置と、前記基地局装置が有する第1の入出力ポートに接続され、当該第1の入出力ポートの少なくともいずれかを前記端末装置が有する第2の入出力ポートに接続する機能を有する接続装置と、を含み、前記端末装置は、前記接続装置により前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとが接続される場合に、前記第1の入出力ポートからの信号のみが前記第2の入出力ポートに入力されると共に前記第2の入出力ポートから出力された信号が前記第1の入出力ポートにのみ入力される環境に配置されており、前記制御装置は、前記接続装置によって接続された前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートとの間で所定の通信が行われるように、前記基地局装置と前記端末装置とを制御する制御手段と、前記基地局装置と前記端末装置との少なくともいずれかにおける前記所定の通信を行った結果を示すログを取得する取得手段と、を有し、前記接続装置は、複数の前記基地局装置がそれぞれ有する前記第1の入出力ポートと接続されており、前記制御手段は、前記第1の入出力ポートが接続されている複数の前記基地局装置のうち、前記端末装置との間で前記所定の通信をさせるための対象基地局装置の前記第1の入出力ポートを前記第2の入出力ポートに接続し、複数の前記基地局装置のうちの前記対象基地局装置でない基地局装置の通信が遮断されるように指示する制御信号を前記接続装置へ送信する。