(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140305
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051391
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】本郷 栄助
(57)【要約】
【課題】近接する計量ユニット15A,15Bの各分散フィーダ5の各トップコーン4に対して、物品を安定して供給できるようにする。
【解決手段】トップコーン4を有する分散フィーダ5、直進フィーダ7、供給ホッパ8、及び、計量ホッパをそれぞれ含む計量ユニット15A,15Bと、各計量ユニット15A,15Bのトップコーン4へ物品をそれぞれ供給する物品供給フィーダ22A,22Bとを備え、各物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフは、物品の搬送方向に沿って延びると共に、互いに平行であって、その一部が、物品の搬送方向に直交する方向で重なるように、並列配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を外周縁へ搬送する平面視円形のトップコーンを有する分散フィーダと、前記トップコーンの周囲に、該トップコーンの円周方向に沿って配置されて、前記トップコーンから供給される前記物品を搬送する複数の直進フィーダと、前記複数の直進フィーダから前記物品がそれぞれ供給される複数の供給ホッパと、前記複数の供給ホッパから供給される前記物品をそれぞれ計量する複数の計量ホッパとを含む計量ユニットとして、2つの第1,第2計量ユニットを備える組合せ秤であって、
前記第1,第2計量ユニットの前記トップコーンへ前記物品をそれぞれ供給する2つの第1,第2物品供給フィーダを備え、
前記第1,第2物品供給フィーダは、物品を搬送して各トップコーンへそれぞれ供給するトラフを有し、前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、物品の搬送方向に沿って延びると共に、互いに平行であって、その一部が、前記物品の搬送方向に直交する方向で重なるように、並列配置されている、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項2】
前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、前記第1,第2計量ユニットの平面視円形の各トップコーンの中心を結ぶ仮想線を挟んで一方側または他方側に片寄せてそれぞれ配置されている、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、前記物品の搬送方向に沿って延びる底板と、前記底板の前記物品の搬送方向に直交する幅方向の両側から起立する両側板とを有し、前記底板は、前記物品の搬送方向の終端が、前記両側板よりも前記物品の搬送方向の下流側へ延出する延出部を有する、
請求項1または2に記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフの前記延出部は、前記底板の前記幅方向の両側の終端よりも第1,第2計量ユニットの各トップコーンの中心へそれぞれ延出している、
請求項3に記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、前記底板の前記幅方向の前記両側の内の一方側の前記終端から前記トップ―ンへ物品を供給する第1供給路と、前延出部の延出端から前記トップコーンへ前記物品を供給する第2供給路と、前記底板の前記幅方向の前記両側の内の他方側の前記終端から前記トップコーンへ物品を供給する第3供給路とを備える、
請求項4に記載の組合せ秤。
【請求項6】
前記第1,第2計量ユニットの各トップコーンの周囲は、前記複数の直進フィーダが円弧状に配置される配置領域と、前記直進フィーダが配置されない非配置領域とに区分され、
前記第1,第2計量ユニットの各トップコーンは、前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフから供給される前記物品を、前記トップコーンの円周方向に沿って該トップコーンの外周縁へ搬送するものであり、
前記配置領域と前記非配置領域との一方の境界に位置するトップコーン上には、平面視円形のトップコーンの中心から該トップコーンの外周縁まで延びる仕切壁が立設され、該仕切壁は、前記トップコーンの円周方向に沿って外周縁へ搬送される前記物品が、前記トップコーンの前記配置領域に対応する領域から前記非配置領域に対応する領域へ移動するのを阻止する、
請求項5に記載の組合せ秤。
【請求項7】
前記非配置領域の前記トップコーンの外周縁には、円周方向に沿って延びる案内壁が立設され、
前記第1供給路は、トップコーンの前記非配置領域に対応する領域へ前記物品を供給する、
請求項6に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を所定重量になるように組合せ計量して排出する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤として、例えば、特許文献1には、供給される物品を放射状に搬送する分散フィーダと、この分散フィーダの周囲に、円周状に配置されて分散フィーダからの物品を搬送する複数の直進フィーダと、複数の直進フィーダから供給される物品を一時保持して排出する複数の供給ホッパと、複数の供給ホッパから排出される物品を計量する複数の計量ホッパとを有する計量ユニットを、複数備える組合せ秤が開示されている。
【0003】
この特許文献1には、その
図10に、2つの計量ユニットを近接して配置する構成が開示されている。この構成では、各計量ユニットの各分散フィーダの周囲の近接部分を除いて、複数の直進フィーダを各分散フィーダの周囲に円弧状にそれぞれ配置するようにしている。
【0004】
このように2つの計量ユニットの近接部分には、直進フィーダ、供給ホッパ及び計量ホッパ等を配置しないようにし、両計量ユニットの近接部分では、直進フィーダ等を脱着して行う清掃作業を不要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-69101号公報(
図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、2つの計量ユニットの各分散フィーダに対して、外部の供給装置からそれぞれ物品が供給されることが記載されているが、その具体的な構成については記載されていない。
【0007】
ここで、単一の供給装置から両計量ユニットの各分散フィーダへ物品をそれぞれ供給する場合を想定する。
【0008】
この場合、両計量ユニットの2つの分散フィーダ間の中央位置上方の単一の供給装置から物品を落下供給し、振分け装置によって、各分散フィーダ側へ物品を振分け、振分けられた物品を、直進フィーダの樋状のトラフで受けて、各分散フィーダの中心部上方へ搬送して供給することが考えられる。
【0009】
2つの計量ユニットは、上記のように近接して配置されるので、2つの計量ユニットの2つの分散フィーダも互いに近接することになる。このため、2つの計量ユニット間の中央位置から各分散フィーダの中心部までの距離は短くなる。
【0010】
したがって、前記中央位置で振分け装置によって振り分けられた物品を受けて、各分散フィーダの中心部上方へそれぞれ搬送する各直進フィーダの各トラフは、物品の搬送方向に沿う長さが短くなる。
【0011】
供給される物品を搬送する直進フィーダのトラフの長さが短いと、トラフ上で物品の滞留が生じ易く、分散フィーダへの物品の供給が不安定になり、このため、分散フィーダから、その周囲の複数の直進フィーダへ供給される物品の分散が不充分となって、物品の供給に偏りが生じる。
【0012】
分散フィーダの周囲の複数の直進フィーダへ供給される物品に偏りが生じると、複数の直進フィーダから複数の供給ホッパを介して供給される複数の計量ホッパへの物品の供給にも偏りが生じる。このため、複数の計量ホッパへ供給された物品の重量を計量して行う組合せ演算において、所定重量範囲となる計量ホッパの適量組合せが成立しにくくなったり、組合せ精度が悪くなる。
【0013】
本発明は、上記のような点に鑑みて為されたものであって、近接する計量ユニットの各分散フィーダに対して、物品を安定して供給できるようにすることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0015】
(1)本発明に係る組合せ秤は、物品を外周縁へ搬送する平面視円形のトップコーンを有する分散フィーダと、前記トップコーンの周囲に、該トップコーンの円周方向に沿って配置されて、前記トップコーンから供給される前記物品を搬送する複数の直進フィーダと、前記複数の直進フィーダから前記物品がそれぞれ供給される複数の供給ホッパと、前記複数の供給ホッパから供給される前記物品をそれぞれ計量する複数の計量ホッパとを含む計量ユニットとして、2つの第1,第2計量ユニットを備える組合せ秤であって、
前記第1,第2計量ユニットの前記トップコーンへ前記物品をそれぞれ供給する2つの第1,第2物品供給フィーダを備え、前記第1,第2物品供給フィーダは、物品を搬送して各トップコーンへそれぞれ供給するトラフを有し、前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、物品の搬送方向に沿って延びると共に、互いに平行であって、その一部が、前記物品の搬送方向に直交する方向で重なるように、並列配置されている。
【0016】
本発明に係る組合せ秤によると、第1,第2物品供給フィーダの、物品の搬送方向に沿って延びる各トラフは、物品の搬送方向に直交する方向で、その一部が重なるように、互いに平行に並列配置されるので、第1,第2計量ユニットが近接配置されて、両計量ユニットの両トップコーンが互い近接しても、各トップコーンへ物品をそれぞれ供給する第1,第2物品供給フィーダの各トラフを、互いに平行に並列配置することで、各トラフの物品の搬送方向に沿う長さを長くすることができる。
【0017】
これによって、第1,第2物品供給フィーダの各トラフから第1,第2計量ユニットの各トップコーンへ供給する物品の制御が容易となり、トラフ上で物品が滞留するのを抑制して、各トップコーンへ物品を安定して供給することができる。
【0018】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、前記第1,第2計量ユニットの平面視円形の各トップコーンの中心を結ぶ仮想線を挟んで一方側または他方側に片寄せてそれぞれ配置されている。
【0019】
この実施態様によると、第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、第1,第2計量ユニットの各トップコーンの中心を結ぶ仮想線を挟んで一方側または他方側に片寄せてそれぞれ配置されるので、第1,第2計量ユニットが近接配置されて、両計量ユニットの両トップコーンが互いに近接しても、第1,第2物品供給フィーダの各トラフの物品の搬送方向に沿う長さを長くすることができる。
【0020】
(3)本発明の他の実施態様では、前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、前記物品の搬送方向に沿って延びる底板と、前記底板の前記物品の搬送方向に直交する幅方向の両側から起立する両側板とを有し、前記底板は、前記物品の搬送方向の終端が、前記両側板よりも前記物品の搬送方向の下流側へ延出する延出部を有する。
【0021】
この実施態様によると、第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、底板が、両側板よりも物品の搬送方向の下流側に延出する延出部を有しており、この延出部では、側板によって物品の排出が規制されることなく、第1,第2計量ユニットの各トップコーンへ物品を排出して供給することができる。
【0022】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフの前記延出部は、前記底板の前記幅方向の両側の終端よりも第1,第2計量ユニットの各トップコーンの中心へそれぞれ延出している。
【0023】
この実施態様によると、第1,第2物品供給フィーダの各トラフの底板の延出部は、底板の幅方向の両側の終端よりも第1,第2計量ユニットの各トップコーンの中心へ向けてそれぞれ延出しているので、第1,第2物品供給フィーダの各トラフの底板の延出部から第1,第2計量ユニットの各トップコーンの中心付近に物品を搬送して供給することができる。
【0024】
これによって、第1,第2物品供給フィーダの各トラフを、上記のように、第1,第2計量ユニットの各トップコーンの中心を結ぶ仮想線を挟んで片寄せて配置しても、各トップコーンの中心付近へ物品を確実に供給することができ、各トップコーン上で物品を分散させて、周囲の複数の直進フィーダへ供給することができる。
【0025】
また、トラフの底板の幅方向の両側の各終端からも物品をトップコーンへ供給できるので、トップコーンの中心付近へ物品の供給を集中させることなく、物品をトップコーンへ幅広く供給することができる。
【0026】
(5)本発明の一実施態様では、前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、前記底板の前記幅方向の前記両側の内の一方側の前記終端から前記トップ―ンへ物品を供給する第1供給路と、前延出部の延出端から前記トップコーンへ前記物品を供給する第2供給路と、前記底板の前記幅方向の前記両側の内の他方側の前記終端から前記トップコーンへ物品を供給する第3供給路とを備える。
【0027】
この実施態様によると、第1,第2物品供給フィーダの各トラフは、底板の幅方向の一方側の終端、底板の延出部の延出端、及び、底板の幅方向の他方側の終端の少なくとも3方向の第1~第3供給路から第1,第2計量ユニットの各トップコーンへ物品を供給するので、トップコーン上で物品が偏ることなく、幅広く供給される。
【0028】
(6)本発明の他の実施態様では、前記第1,第2計量ユニットの各トップコーンの周囲は、前記複数の直進フィーダが円弧状に配置される配置領域と、前記直進フィーダが配置されない非配置領域とに区分され、前記第1,第2計量ユニットの各トップコーンは、前記第1,第2物品供給フィーダの各トラフから供給される前記物品を、前記トップコーンの円周方向に沿って該トップコーンの外周縁へ搬送するものであり、前記配置領域と前記非配置領域との一方の境界に位置するトップコーン上には、平面視円形のトップコーンの中心から該トップコーンの外周縁まで延びる仕切壁が立設され、該仕切壁は、前記トップコーンの円周方向に沿って外周縁へ搬送される前記物品が、前記トップコーンの前記配置領域に対応する領域から前記非配置領域に対応する領域へ移動するのを阻止する。
【0029】
この実施態様によると、複数の直進フィーダが円弧状に配置される配置領域と非配置領域との一方の境界に位置するトップコーン上には、トップコーンの中心から外周縁まで延びる仕切壁が立設されるので、トップコーンの円周方向に沿って外周縁へ搬送される物品が、トップコーンの配置領域に対応する領域から非配置領域に対応する領域へ移動することなく、トップコーンの円周方向の沿う物品の搬送方向の最も下流側に配置されている直進フィーダへ供給される。
【0030】
(7)本発明の更に他の実施態様では、前記非配置領域の前記トップコーンの外周縁には、円周方向に沿って延びる案内壁が立設され、前記第1供給路は、トップコーンの前記非配置領域に対応する領域へ前記物品を供給する。
【0031】
この実施態様によると、直進フィーダが配置されていない非配置領域のトップコーンの外周縁には、円周方向に沿って案内壁が立設されているので、この案内壁によって、トップコーンの円周方向に沿って外周縁へ搬送される物品は、直進フィーダが配置されている配置領域まで案内される。
【0032】
また、第1,第2物品供給フィーダの各トラフでは、底板の幅方向の一方側の終端からトップ―ンへ物品を供給する第1供給路は、トップコーンの非配置領域に対応する領域へ物品を供給するので、供給された物品は、非配置領域から配置領域の最も上流側に配置されている直進フィーダへ案内されて確実に供給される。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る組合せ秤によると、第1,第2計量ユニットの各トップコーンへ物品をそれぞれ供給する第1,第2物品供給フィーダの、物品の搬送方向に沿って延びる各トラフは、互いに平行に並列配置されるので、第1,第2計量ユニットが近接配置されても、物品の搬送方向に沿う長さを長くすることができる。これによって、第1,第2物品供給フィーダの各トラフから第1,第2計量ユニットの各トップコーンへ供給する物品の制御が容易となり、トラフ上での物品の滞留を抑制して、物品を安定してトップコーンへ供給することができる。
【0034】
これによって、各トップコーン上で物品を充分に分散させて、偏りなく、複数の直進フィーダへ物品を供給することができ、複数の直進フィーダを介して複数の供給ホッパ及び複数の計量ホッパへ供給される物品の供給を偏りなく、安定して行うことができる。
【0035】
したがって、複数の計量ホッパへ供給された物品の重量に基づく組合せ演算で所定重量範囲となる計量ホッパの適量組合せが成立しにくくなったり、組合せ精度が悪くなるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤の正面図である。
【
図3】
図3は
図1の組合せ秤の概略構成を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ秤の正面図であり、
図2は、その平面図であり、
図3は、その概略構成を示す縦断側面図である。
【0039】
この実施形態の組合せ秤は、各種の食品や菓子などの物品を所定量ずつ計量して流下排出するものであって、同一仕様に構成された2つの第1,第2計量ユニット15A,15Bを、左右(
図1,
図2の左右)に近接して並列配備して構成されている。
【0040】
この組合せ秤は、作業者が昇降可能な櫓状に組み立てられたフレームにおける階上の床面Fに搭載設置されている。両計量ユニット15A,15Bで計量された物品の重量値に基づいて組合せ演算が行われて、所定重量範囲の物品が、階下に設置された図示されていない包装装置等に投下供給されるようになっている。
【0041】
前記床面Fには、左右部分が上下に貫通開口された平面視横向きH形の基台1が、設置されている。この基台1の上方に、左右の第1,第2計量ユニット15A,15Bに共通する中空に構成された横長のセンター基体2が、複数本の脚3を介して連結支持されている。
【0042】
各計量ユニット15A,15Bは、基本的には、円形配列型に構成された組合せ秤と同様の構造となっている。すなわち、各計量ユニット15A,15Bは、上方から落下供給された物品を、平面視円形のトップコーン4で外周縁に振動搬送する分散フィーダ5、分散された物品をトラフ6で受け取って更に外方に向けて振動搬送する複数台(この例では、10台)の直進フィーダ7、各直進フィーダ7で搬送された物品を一時保持して排出する供給ホッパ8、供給ホッパ8から排出された物品を受け取ってその重量を計測する計量ホッパ9、計量ホッパ9から排出された物品を計量ユニット15A,15Bの中心下方に流下案内する集合シュート10、集合された物品を更に集める集合ファネル11、12をそれぞれ備えている。
【0043】
分散フィーダ5は、センター基体2の上部に配置されている。分散フィーダ5のトップコーン4は、センター基体内部に配備した図示されていない加振機構によって、その振動方向を、トップコーン4の円周方向として振動駆動される。
【0044】
直進フィーダ7は、分散フィーダ5のトップコーン4を囲む放射状にセンター基体2の上部に配置されている。直進フィーダ7のトラフ6は、センター基体2内部に配備した図示されていない加振機構によって、外方に向けて振動駆動される。
【0045】
供給ホッパ8は、センター基体2の外周部に脱着可能に装着されており、図示されていない駆動ユニットによって、下部のゲートが開閉制御される。
【0046】
計量ホッパ9は、センター基体2の外周部に脱着可能に装着されており、図示されていない駆動ユニットによって、下部のゲートが開閉制御される。計量ホッパ9では、収容した物品の重量を、ロードセルからなる荷重センサで計測する。
【0047】
以上のように構成された両計量ユニット15A,15Bの計量ホッパ9群で計量された重量値に基づいて組合せ演算を行い、物品の重量が所定重量範囲となる計量ホッパ9の組合せを選択し、選択された複数の計量ホッパ9の下部のゲートを開放することで、所定重量範囲の物品を、集合ファネル11、12に排出する。
【0048】
本実施形態では、2つの第1,第2計量ユニット15A,15Bを並列配備した組合せ秤における物品供給構造に特徴を備えており、その詳細を以下に説明する。
【0049】
この実施形態の組合せ秤では、2つの第1,第2計量ユニット15A,15Bを近接配置し、設置スペースを低減している。
【0050】
このように2つの第1,第2計量ユニット15A,15Bを、近接して並列配置した組合せ秤においては、
図2に示すように、各分散フィーダ5の平面視円形のトップコーン4の周囲の互いに対向近接する部分が、直進フィーダ7を配置しない非配置領域とされる。また、各トップコーン4の周囲の非配置領域以外の残りの円弧状の部分が、直進フィーダ7群を配置する配置領域とされている。なお、以降の説明において、円弧状に配置した直進フィーダ7の配置位置を明確にするために、一部の直進フィーダ7の部品番号に補助符号を付すこととする。
【0051】
両計量ユニット15A,15B間の中央位置の上方に、
図1に示すように、バケット式のリフトコンベヤからなる供給コンベヤ20の排出部が臨んでいる。この供給コンベヤ20の直下に、落下排出された物品を受け取って、振分けて排出する分配供給部21が設置されている。この分配供給部21の下方に、排出された物品を受け取って、各計量ユニット15A,15Bの各分散フィーダ5の各トップコーン4へそれぞれ振動搬送する2つの第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bが設けられている。
【0052】
両物品供給フィーダ22A,22Bは、同一仕様に構成されているので、以下では、一方の物品供給フィーダ22Aについて主に説明するが、他方の物品供給フィーダ22Bの構成も同様である。
【0053】
物品供給フィーダ22Aは、
図4,
図5に示すように、横長の樋状に形成されたトラフ23を備えている。このトラフ23によって、分配供給部21から供給された物品を、分散フィーダ5のトップコーン4へ振動搬送する。
【0054】
この実施形態では、物品供給フィーダ22Aのトラフ23の物品の搬送方向に沿う長さを長くして、トラフ23上で物品が滞留するのを抑制するために、次のように構成している。
【0055】
すなわち、
図2及び
図4に示すように、第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23は、互いに平行であって、その一部が、物品の搬送方向に直交する方向(
図2,
図4の上下方向)で重なるように、並列配置されている。
【0056】
第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23は、
図2に示すように、各トップコーン4の各中心Cを結ぶ仮想線Lを挟んで一方側または他方側に片寄せてそれぞれ配置されている。
【0057】
供給コンベヤ20の直下に配置された分配供給部21は、供給コンベヤ20から落下排出された物品を、トラフ23の物品の搬送方向に直交する方向である前後方向に振分けて、各トラフ23の始端部へ排出する。すなわち、分配供給部21は、
図3に示すように、前後一対のゲート板21aを個別に駆動開閉して、前後に並列配置された両物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23の始端部に物品をそれぞれ流下供給する。
【0058】
上記のように、第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23を、一方側または他方側に片寄せて、その一部が物品の搬送方向に直交する方向で重なるように、互いに平行に並列配置したので、各トラフ23を、その物品の搬送方向に沿って長くすることができる。
【0059】
例えば、所定幅の樋状の2つのトラフを、第1,第2計量ユニット15A,15Bの各トップコーン4の両中心C間に、物品の搬送方向の始端側を突き合わせると共に、搬送方向の各終端が各トップコーン4の中心Cの上方にそれぞれ位置するように、直線状に連続するように配置した場合には、各トラフの物品の搬送方向に沿う長さは、第1,第2計量ユニット15A,15Bの各トップコーン4の両中心C間の距離の略1/2の長さとなる。
【0060】
これに対して、本実施形態では、第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23を、直線状に連続するように配置するのではなく、片側に寄せて、その一部が、トラフ23の物品の搬送方向に直交する方向で重なるように、互いに平行に並列配置している。これによって、物品の搬送方向に直交する方向で重なる前記一部に相当する長さ分、トラフ23を物品の搬送方向に沿って長くすることができる。
【0061】
このように第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23の物品の搬送方向に沿う長さを長くできるので、トラフ23上での物品の滞留を抑制できると共に、トップコーン4への物品の供給の制御が容易となり、トップコーン4へ物品を安定して供給することができる。
【0062】
更に、この実施形態では、
図4、
図5に示すように、トラフ23における底板23aの終端が、幅狭に形成されて、底板23aから起立する両側板23b、23cの終端E1,E2に比べて、トップコーン4の中心C付近上方まで延出される延出部23dとなっている。
【0063】
このトラフ23では、底板23aの幅方向の一方側の終端E1からトップ―ン4へ物品を供給する第1供給路xと、延出部23dの延出端E3からトップコーン4へ物品を供給する第2供給路yと、底板23aの幅方向の他方側の終端E2からトップコーン4へ物品を供給する第3供給路zとの主要な3つの供給路を備えている。
【0064】
分散フィーダ5のトップコーン4は、その円周方向を振動方向として駆動されるので、
図4、
図5中の破線矢印で示すように、トップコーン4上の物品は、円周方向pに沿ってトップコーン4の外周縁へ振動搬送される。
【0065】
トップコーン4の周囲の複数の直進フィーダ7が円弧状に配置されている配置領域と、直進フィーダ7が配置されていない非配置領域との一方の境界、具体的には、物品が搬送される前記円周方向pに沿う配置領域の最も下流側と、非配置領域との境界に位置するトップコーン4上には、トップコーン4の中心Cからトップコーン4の外周縁まで延びる仕切壁25が立設されている。
【0066】
この仕切壁25は、トップコーン4の円周方向pに沿って外周縁へ搬送される物品が、トップコーン4の配置領域に対応する領域から非配置領域に対応する領域へ移動するのを阻止する。
【0067】
また、トップコーン4の外周縁には、直進フィーダ7が配置されていない非配置領域に沿って案内壁24が円弧状に立設されている。この案内壁24によって、物品を、複数の直進フィーダ7が円弧状に配置されている配置領域のトップコーン4へ案内するように搬送する。
【0068】
上記構成によると、分配供給部21から流下排出された物品は、物品供給フィーダ22Aの横長のトラフ23に供給されて、長い搬送路に沿って振動搬送されることで、滞留することなく、分散フィーダ5のトップコーン4へ供給される。
【0069】
物品供給フィーダ22Aのトラフ23の終端部に至った物品は、主として上記3つの第1~第供給路x、y、zでトップコーン4上に供給される。第2,第3供給路y,zを経て供給された物品が、トップコーン4の円周方向pに沿って外周縁へ搬送されて、直進フィーダ7群に分散供給される。
【0070】
このとき、仕切壁25は、トップコーン4上の物品を堰き止めて、円周方向pに沿う物品の搬送方向の最も下流側の直進フィーダ7(b)へ導く。なお、仕切壁25は、トップコーン4の外周縁を越えて直進フィーダ7(b)の上方にまで延出されている。この仕切壁25の延長部25aによって、物品が円周方向pに沿う物品の搬送方向の最も下流側の直進フィーダ7(b)へ確実に供給される。
【0071】
トップコーン4の周囲の円弧状に配置される直進フィーダ7群のうち、円周方向pに沿う物品の搬送方向の最も上流側に位置する直進フィーダ7(a)の始端部は、
図4に示すように、物品供給フィーダ22Aのトラフ23の終端部の下方に位置している。
【0072】
すなわち、物品供給フィーダ22Aのトラフ23は、円周方向pに沿う物品の搬送方向の最も上流側の直進フィーダ7(a)側に片寄せて配置されているので、第3供給路zを経て供給された物品は、最も上流側の直進フィーダ7(a)に供給されることは殆どない。
【0073】
しかし、物品供給フィーダ22Aのトラフ23の第1供給路xを経て供給された物品は、案内壁24で囲まれた非配置領域に対応するトップコーン4上に供給され、案内壁24に沿って、円周方向pに沿う物品の搬送方向に沿って振動搬送される。これによって、第1供給路xを経て供給された物品は、物品供給フィーダ22Aのトラフ23の下を潜って案内壁24の終端部に到達し、円周方向pに沿う物品の搬送方向に沿う最も上流側の直進フィーダ7(a)へ供給される。
【0074】
また、最も上流側となる直進フィーダ7(a)へ供給されなかった物品は、引き続き円周方向pに沿って外周縁に搬送され、下流側の直進フィーダ7に分散供給される。
【0075】
なお、案内壁24の円周方向pに沿う終端には、トップコーン4の外周縁を越えて、最も上流側の直進フィーダ7(a)まで案内壁24の延長部24aが連設されており、搬送されてきた物品は、確実に最も上流側の直進フィーダ7(a)へ供給される。
【0076】
上記のように本実施形態によれば、第1,第2計量ユニット15A,15Bが近接配置されて、両トップコーン4が互い近接しても、各トップコーン4へ物品をそれぞれ供給する第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23を、互いに平行に並列配置することで、各トラフ23の物品搬送方向に沿う長さを長くすることができる。
【0077】
これによって、第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23上での物品の滞留を抑制して、第1,第2計量ユニット15A,15Bの各トップコーン4へ物品を安定して供給することができる。
【0078】
また、第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23は、底板23aの物品の搬送方向の終端E3が、両側板23b,23cよりも下流側へ延出する延出部23dを有しているので、延出部23dでは、側板23b,23cによって物品の排出を規制されることなく、第1,第2計量ユニット15A,15Bの各トップコーン4へ幅広く排出供給することができる。
【0079】
更に、第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23の底板23aの延出部23dは、第1,第2計量ユニット15A,15Bの各トップコーン4の中心Cへそれぞれ延出しているので、各トラフ23を、第1,第2計量ユニット15A,15Bの各トップコーン4の中心Cを結ぶ仮想線Lを挟んで片寄せて配置しても、各トップコーン4の中心C付近へ物品を確実に供給し、各トップコーン4上で物品を分散させて、周囲の複数の直進フィーダ7へ供給することができる。
【0080】
また、物品供給フィーダ22Aのトラフ23の終端部に至った物品は、主として3つの第1~第供給路x、y、zで少なくとも3方向からトップコーン4へ供給されるので、1方向からトップコーン4へ物品を供給する場合に比べて、トップコーン4上での物品の偏りを抑制して、物品を十分に分散させることができる。
【0081】
これによって、トップコーン4から複数の直進フィーダ7へ物品を偏りなく安定して供給することができ、複数の直進フィーダ7から複数の供給ホッパ8を介して複数の計量ホッパ9へ供給される物品も偏りのない安定したものとなる。
【0082】
したがって、複数の計量ホッパ9へ供給された物品の重量に基づく組合せ演算で所定重量範囲となる計量ホッパ9の適量組合せが成立しにくくなったり、組合せ精度が悪くなるのを防止することができる。
【0083】
なお、第1,第2物品供給フィーダ22A,22Bの各トラフ23の形状は、
上記実施形態に限らず、物品の搬送特性等に応じて任意の形状とすることができるが、物品の排出方向を少なくとも3方向備えるのが好ましい。
【符号の説明】
【0084】
4 トップコーン
5 分散フィーダ
7 直進フィーダ
7(a) 最も上流側の直進フィーダ
7(b) 最も下流側の直進フィーダ
8 供給ホッパ
9 計量ホッパ
15A,15B 第1,第2計量ユニット
21 分配供給部
22A,22B 第1,第2物品供給フィーダ
23 トラフ
24 案内壁
24a 延長部
25 仕切壁
25a 延長部