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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140347
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】収容箱の供給回収装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/08 20060101AFI20241003BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65G1/08 P
B23P19/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051446
(22)【出願日】2023-03-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示日 令和4年11月10日~令和4年11月11日 展示会名 第27回からくり改善くふう展2022 開催場所 ポートメッセなごや 第3展示館 公開者 三菱自動車工業株式会社 出品内容 三菱自動車工業株式会社は、第27回からくり改善くふう展2022にて、大崎利章、朝田正彦、松田英樹、小山敦美が発明したエルゴノミクスecoキャッチャー(収容箱の供給回収装置)を出品した。
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】大崎 利章
(72)【発明者】
【氏名】朝田 正彦
(72)【発明者】
【氏名】松田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】小山 敦美
【テーマコード(参考)】
3C030
3F022
【Fターム(参考)】
3C030AA13
3F022EE05
3F022JJ11
3F022KK18
3F022LL07
(57)【要約】
【課題】収容箱の供給および回収の効率化を図る上で有利な収容箱の供給回収装置を提供する。
【解決手段】収容箱供給路12の移送方向の下流端に設けられ複数重ねた状態の収容箱24が収容箱供給路12から移送され載置される第1テーブル1402を有する供給用載置テーブル機構14と、収容箱回収路18の移送方向の上流端に設けられ第1テーブル1402から移送された収容箱24が重ねられる第2テーブル1602を有し第2テーブル1602に重ねられた複数の収容箱24を上流端に移送する回収用載置テーブル機構16と、第1テーブル1402と第2テーブル1602との間に設けられ、空となった収容箱24を第1テーブル1402から第2テーブル1602へ順次移送し第2テーブル1602上に重ねていく収容箱移送機構20とを設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品が収容された収容箱を複数重ねた状態で移送する収容箱供給路と、
前記収容箱供給路の移送方向の下流端に設けられ前記複数重ねた状態の前記収容箱が前記収容箱供給路から移送され載置される第1テーブルを有する供給用載置テーブル機構と、
空になった前記収容箱を複数重ねた状態で前記収容箱の回収箇所へ移送する収容箱回収路と、
収容箱回収路の移送方向の上流端に設けられ前記第1テーブルから移送された前記収容箱が重ねられる第2テーブルを有し前記第2テーブルに重ねられた複数の収容箱を前記上流端に移送する回収用載置テーブル機構と、
前記第1テーブルと前記第2テーブルとの間に設けられ、空となった前記収容箱を前記第1テーブルから前記第2テーブルへ順次移送し前記第2テーブル上に重ねていく収容箱移送機構と、
を備えることを特徴とする収容箱の供給回収装置。
【請求項2】
前記供給用載置テーブル機構は、前記第1テーブルに載置された前記収容箱の数に拘わらず最も上位に位置する収容箱を予め定められた高さに維持する高さ維持機構を含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の収容箱の供給回収装置。
【請求項3】
前記第2テーブルはローラコンベアで構成され、
前記回収用載置テーブル機構は、ワイヤにより吊り下げられた前記第2テーブルと、前記ワイヤを昇降させる昇降機構と、前記第2テーブルにおける前記収容箱の移送方向の一端を他端よりも低い箇所に位置するように前記第2テーブルを傾斜させる傾斜機構と、前記昇降機構による前記第2テーブルの下降に伴って前記第2テーブルに当接し前記第2テーブルの傾斜を逆向きにし前記収容箱を前記第2テーブルから前記収容箱回収路の前記上流端に移送するストッパとを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の収容箱の供給回収装置。
【請求項4】
前記収容箱移送機構は、前記収容箱の把持を可能とした把持機構と、前記把持機構を昇降させる昇降機構と、前記把持機構により把持した空の収容箱を前記第1テーブルから前記第2テーブルに移送する旋回機構とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の収容箱の供給回収装置。
【請求項5】
前記供給用載置テーブル機構と前記回収用載置テーブル機構と前記収容箱移送機構とはそれぞれアクチュエータを含んで構成され、
それらアクチュエータは、太陽電池パネルで得られた電力により駆動される、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の収容箱の供給回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容箱の供給回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場などで使用する物品を入庫する入庫テーブルと、物品を出庫する出庫テーブルとを備える物品を一時保管するラック装置が提供されている(特許文献1参照)。
このようなラック装置は、物品の入出庫の効率化を図る上で一定の効果が得られるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-225360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、部品を組み立てたり、部品を加工したり、部品を部材に溶接したりなどの各種の作業を行なう工場においては、作業者が、作業すべき複数の部品が収容された収容箱を作業現場に搬入する作業や、部品が取り出され空となった収容箱を作業現場から搬出する作業を行なっており、作業者の作業効率を高める上で不利となり、また、作業者にかかる負担が増大するといった不具合が生じる。
そこで、部品を組み立てたり、部品を加工したり、部品を部材に溶接したりなどの各種の作業を行なう工場においては、作業すべき複数の部品が収容された収容箱を作業現場に搬入する作業、および、部品が取り出され空となった収容箱を作業現場から搬出する作業の効率化を図る収容箱の供給回収装置が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、収容箱の供給および回収の効率化を図る上で有利な収容箱の供給回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、複数の部品が収容された収容箱を複数重ねた状態で移送する収容箱供給路と、前記収容箱供給路の移送方向の下流端に設けられ前記複数重ねた状態の前記収容箱が前記収容箱供給路から移送され載置される第1テーブルを有する供給用載置テーブル機構と、空になった前記収容箱を複数重ねた状態で前記収容箱の回収箇所へ移送する収容箱回収路と、収容箱回収路の移送方向の上流端に設けられ前記第1テーブルから移送された前記収容箱が重ねられる第2テーブルを有し前記第2テーブルに重ねられた複数の収容箱を前記上流端に移送する回収用載置テーブル機構と、前記第1テーブルと前記第2テーブルとの間に設けられ、空となった前記収容箱を前記第1テーブルから前記第2テーブルへ順次移送し前記第2テーブル上に重ねていく収容箱移送機構とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、収容箱供給路から第1テーブルに複数の部品が収容された収容箱が重ねられ、空になった収容箱は第2テーブルから収容箱回収路に移送される。
そのため、収容箱の供給および回収の効率化を図る上で有利となる。
また、作業者は、部品が収容された収容箱を収容箱供給路から作業現場に運搬したり、空となった収容箱を作業現場から収容箱回収路に運搬する作業がなくなり、第1テーブルに載置された収容箱から部品を取り出して各種の作業を行なえ、作業者による作業の効率化を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が上限位置を保持し第2旋回位置に位置した初期状態を示している。
図2】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が上限位置を保持した状態で第2旋回位置から第1旋回位置に旋回した状態を示す。
図3】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が第1旋回位置で下限位置に下降した状態を示す。
図4】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が1つ目の空の収容箱を把持し第1旋回位置で上限位置に上昇した状態を示す。
図5】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が1つ目の空の収容箱を把持し上限位置を保持した状態で第1旋回位置から第2旋回位置に旋回した状態を示す。
図6】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が把持を解除して1つ目の空の収容箱を第2テーブルに落下させた状態を示す。
図7】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が上限位置を保持した状態で第2旋回位置から第1旋回位置に旋回した状態を示す。
図8】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が第1旋回位置で上限位置から下限位置に下降した状態を示す。
図9】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が2つ目の空の収容箱を把持し第1旋回位置で下限位置から上限位置に上昇した状態を示す。
図10】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が2つ目の空の収容箱を把持し上限位置を保持した状態で第1旋回位置から第2旋回位置に旋回した状態を示す。
図11】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が把持を解除して2つ目の空の収容箱を第2テーブル上の1つ目の空の収容箱の上に落下させた状態を示す。
図12】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が上限位置を保持した状態で第2旋回位置から第1旋回位置に旋回した状態を示す。
図13】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が第1旋回位置で上限位置から下限位置に下降した状態を示す。
図14】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が3つ目の空の収容箱を把持し第1旋回位置で下限位置から上限位置に上昇した状態を示す。
図15】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が3つ目の空の収容箱を把持し第1旋回位置で上限位置を保持した状態を示す。
図16】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が3つ目の空の収容箱を把持し上限位置を保持した状態で第1旋回位置から第2旋回位置に旋回した状態を示す。
図17】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、把持機構が把持を解除して3つ目の空の収容箱を第2テーブル上の2つ目の空の収容箱の上に落下させた状態を示す。
図18】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の側面図であり、3つの空の収容箱が載置された第2テーブルが下降する途中の状態を示す。
図19】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の側面図であり、3つの空の収容箱が載置された第2テーブルが下降してストッパに当接して第2テーブルの傾斜が逆向きになり、3つの空の収容箱が収容箱回収路の上流端に移送される状態を示す。
図20】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の側面図であり、積み重ねられた3つの収容箱が収容箱供給路の方向変換供給路から下流端供給路に移送される状態を示す。
図21】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の正面図であり、積み重ねられた3つの収容箱が収容箱供給路の上流端供給路から方向変換供給路に移送される状態を示す。
図22】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の側面図であり、積み重ねられた3つの収容箱が収容箱供給路の下流端供給路から第2テーブルに移送された状態を示す。
図23】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の部分側面図であり、積み重ねられた3つの収容箱が収容箱供給路の下流端供給路で第1ストッパにより停止された状態を示す。
図24】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の部分側面図であり、第1ストッパが没入して積み重ねられた3つの収容箱が収容箱供給路の下流端供給路から第1テーブルへ移送される状態を示す。
図25】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の部分側面図であり、第1ストッパが没入して積み重ねられた3つの収容箱が収容箱供給路の下流端供給路から第1テーブルへ移送され、かつ、第2ストッパが突出して積み重ねられた3つの収容箱の移動を停止した状態を示す。
図26】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の部分側面図であり、第1ストッパが突出して積み重ねられた3つの収容箱の収容箱供給路の下流端供給路から第1テーブルへの移送を停止した状態を示す。
図27】把持機構の説明図であり、(A)は把持機構の一対の揺動アームが開いた状態を示す側面図、(B)は(A)の正面図、(C)は把持機構の一対の揺動アームが閉じて収容箱を把持した状態を示す側面図である。
図28】供給用載置テーブル機構を示す正面図であり、(A)は積み重ねられた3つの収容箱が下限位置に位置した第1テーブルに載置された状態を示し、(B)は積み重ねられた2つの収容箱が下限位置に位置した第1テーブルに載置された状態を示し、(C)は第1テーブルが中間位置に上昇した状態を示す。
図29】実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の側面図であり、積み重ねられた3つの収容箱が第2テーブルから収容箱回収路の上流端供給路に移送される状態を示す。
図30】(A)は実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の側面図であり第2テーブルに積み重ねられた2つの収容箱の上方から把持機構で把持されていた3つ目の空の収容箱が落下された状態を示し、(B)は第2テーブルの傾斜状態を示す。
図31】(A)は実施の形態に係る収容箱の供給回収装置の側面図であり積み重ねられた3つの収容箱が第2テーブルから収容箱回収路の上流端供給路に移送される状態を示し、(B)は下降した第2テーブルの下面にストッパが当接する直前の状態を示し、(C)はストッパが当接することで第2テーブルの傾斜が逆向きに変わったあとの状態を示す。
図32】収容箱供給路の下流端供給路に設けられた第1移送機構の側面図であり、(A)はアームと、その両端に設けられた第1ストッパと第2ストッパを示し、(B)は下流端供給路から突出した第1ストッパに収容箱が係止された状態を示し、(C)は下流端供給路から第1ストッパが没入することで収容箱の係止状態が解除された状態を示す。
図33】収容箱供給路の下流端供給路から第1ストッパが没入することで収容箱の係止状態が解除され収容箱が下流端供給路から第2テーブルに移送される状態を示す側面図である。
図34】(A)は把持機構の一対の揺動アームが開いた状態を示す側面図、(B)は把持機構の一対の揺動アームが閉じて収容箱を把持した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
本実施の形態の収容箱の供給回収装置では、組み立てるべき部品を収容箱に収容した状態で組み立て現場に供給し、空になった収容箱を回収する場合について説明する。
図1図20に示すように、収容箱の供給回収装置10は、収容箱供給路12と、供給用載置テーブル機構14と、回収用載置テーブル機構16と、収容箱回収路18と、収容箱移送機構20と、フレーム22とを含んで構成されている。
供給用載置テーブル機構14は、収容箱24に収容された部品を用いて部材を組み立てる組み立て現場に配置されている。
【0009】
図20図21に示すように、収容箱供給路12は、矩形枠に複数のローラが組み付けられたローラコンベア26の複数がフレーム22に取り付けられることで構成されている。
組み立てるべき複数の部品は、不図示の供給箇所において、収容箱24に収容されると共に、それら複数の部品が収容された収容箱24が複数積み重ねられる。
本実施の形態では3つの収容箱24が積み重ねられ、積み重ねられた3つの収容箱24が収容箱供給路12により不図示の供給箇所から供給用載置テーブル機構14へ移送される。
図20では、収容箱供給路12の移送方向の下流端に位置する下流端供給路12Aと、この下流端供給路12Aの上流側に位置する方向変換供給路12Bと、方向変換供給路12Bの上流端に位置する上流端供給路12Cとが示され、図21では、上流端供給路12Cが示されている。
【0010】
それら下流端供給路12A、方向変換供給路12B、上流端供給路12Cは、積み重ねられた3つの収容箱24が自重により移送方向に移送されるように傾斜して設けられている。
図20に示すように、方向変換供給路12Bでは、方向変換供給路12Bの幅方向の両端のローラの間に、それらローラとは90度向きを変えた複数のローラを有する傾斜がついたローラコンベア26が設けられている。
上流端供給路12Cから移送される積み重ねられた3つの収容箱24が方向変換供給路12Bに至ると、不図示のエアシリンダによりローラコンベア26が上昇し、積み重ねられた3つの収容箱24は下流端供給路12Aに移送され、下流端供給路12Aに設けられた第1移送機構28(図23図26参照)により供給用載置テーブル機構14に移送され、載置される。
【0011】
図23から図26図32(A)に示すように、第1移送機構28は、第1ストッパ2802、第2ストッパ2804、アーム2806、第1エアシリンダ2808を含んで構成されている。
図23図24図32に示すように、第1ストッパ2802は下流端供給路12Aの下流端に出没可能に設けられ、第2ストッパ2804は第1ストッパ2802により下流端供給路12Aに停止された、積み重ねられた3つの収容箱24の後方に出没可能に設けられている。
第1ストッパ2802と第2ストッパ2804は支軸で揺動可能に支持されたアーム2806の両端に設けられている。
図24図25図32(C)に示すように、アーム2806は第1エアシリンダ2808の伸縮作動により揺動し、後述する搬入スイッチ1414(図1参照)の作動に伴い第1エアシリンダ2808が伸長すると、第1ストッパ2802は下流端供給路12Aの下流端から下方に没入し、積み重ねられた3つの収容箱24はローラコンベア26の傾斜により下流端供給路12Aから供給用載置テーブル機構14に移送され、第2ストッパ2804は積み重ねられた3つの収容箱24の後方に突出し、積み重ねられた3つの収容箱24の下流端供給路12Aの下流端への移送を停止する。
【0012】
積み重ねられた3つの収容箱24が下流端供給路12Aから供給用載置テーブル機構14に移送されたならば、言い換えると、後述する搬入スイッチ1414の作動によって起動された不図示のタイマーによる所定時間が計時された後、このタイマーにより図26に示すように、第1エアシリンダ2808が収縮作動される。
図26図32(B)に示すように、第1エアシリンダ2808が収縮すると、第1ストッパ2802は下流端供給路12Aの下流端から上方に突出し、積み重ねられた3つの収容箱24の最も下位の収容箱24に当接し、積み重ねられた3つの収容箱24を下流端供給路12Aの下流端に停止させ、ローラコンベア26の傾斜により下流端供給路12Aから第2ストッパ2804は積み重ねられた3つの収容箱24の後方に没入する。
また、図20に示すように、方向変換供給路12Bから積み重ねられた3つの収容箱24が下流端供給路12Aに移送される。
なお、図25において、符号1401は、供給用載置テーブル機構14に設けられ供給用載置テーブル機構14からの収容箱24の抜落を阻止するストッパである。
【0013】
図22に示すように、供給用載置テーブル機構14は、収容箱供給路12の移送方向の下流端に設けられ積み重ねられた3つの収容箱24が下流端供給路12Aの下流端から移送され、載置される箇所である。
供給用載置テーブル機構14は、図5図6に示すように、第1テーブル1402と、第1テーブル1402を昇降する第1リンク機構1404と、不図示の油圧アクチュエータと、上昇用ペダル1406と、不図示の下降用ハンドルと、押圧エアシリンダ1408と、不図示の回転エアシリンダとを含んで構成されている。
第1テーブル1402は、積み重ねられた3つの収容箱24が載置される箇所であり、下限位置と上限位置との間で昇降可能に設けられ、第1テーブル1402はローラコンベア26で構成されている。
【0014】
第1テーブル1402の昇降動作は次のようになされる。
押圧エアシリンダ1408により上昇用ペダル1406が押圧されると、油圧アクチュエータにより第1テーブル1402は第1リンク機構1404を介して上昇し、上昇用ペダル1406の押圧を解除すると、油圧アクチュエータによる第1テーブル1402の上昇が停止され、第1テーブル1402の高さが決定される。
上記不図示の下降用ハンドルが上記不図示の回転エアシリンダにより回転されると、油圧アクチュエータにより第1テーブル1402は第1リンク機構1404を介して下降し、下降用ハンドルの回転を停止すると、油圧アクチュエータによる第1テーブル1402の下降が停止され、第1テーブル1402の高さが決定される。
【0015】
また、図5に示すように、後述する単動式シリンダ34およびパンタグラフ機構38が第1テーブル1402から第2テーブル1602に旋回したときに(第2テーブル1602の上方に収容箱24を位置させたときに)作動される第1スイッチ46が設けられており、この第1スイッチ46が作動されることで押圧エアシリンダ1408が動作して上昇用ペダル1406の押圧を開始する。
また、第1テーブル1402には第1テーブル1402と一体に昇降する不図示の検知レバーが設けられており、図4に示すように、この検知レバーによって押圧されることで作動する上限スイッチ1410、中間スイッチ1412がフレーム22の第1ロッド2202に上下方向に間隔をおいて設けられ、上限スイッチ1410、中間スイッチ1412が作動することで押圧エアシリンダ1408の動作がその都度停止し、第1テーブル1402の高さが上限位置、中間位置の2段階に決定されるように構成されている。
【0016】
また、図30図31に示すように、後述する第2テーブル1602の傾斜が逆向きになったときに作動する傾斜検知スイッチ1612が作動することによって上記不図示の回転エアシリンダが動作し、下降用ハンドルの回転が開始する。
また、図1に示すように、中間スイッチ1412の下方に搬入スイッチ1414がフレーム22に設けられ、検知レバーによって搬入スイッチ1414が作動することで上記不図示の回転エアシリンダの動作が停止し、第1テーブル1402が下限位置で停止するように構成されている。
また、この搬入スイッチ1414が作動されることで、上述したようにアーム2806を動作させる第1エアシリンダ2808が収縮動作される。
【0017】
図1図6図11に示すように、第1テーブル1402は、下限位置と中間位置と上限位置の何れか1つの位置に位置し、第1テーブル1402が何れの位置にあっても第1テーブル1402に載置された最も上位の収容箱24が、収容箱24から部品を作業員が取り出しやすい高さとなるように予め定められた高さになるように設けられている。
すなわち、供給用載置テーブル機構14は、第1テーブル1402に載置された収容箱24の数に拘わらず最も上位に位置する収容箱24を予め定められた高さに維持する高さ維持機構50を含んで構成され、高さ維持機構50は、上述の押圧エアシリンダ1408、上限スイッチ1410、中間スイッチ1412、搬入スイッチ1414を含んで構成されている。
【0018】
図20に示すように、第1テーブル1402の下限位置は、第1テーブル1402にまだ収容箱24が載置されておらず収容箱供給路12の下流端供給路12Aから第1テーブル1402に収容箱24が移動可能な位置であり、かつ、図1に示すように、第1テーブル1402に3つの収容箱24が重ねられて載置された状態に対応している。
図6に示すように、第1テーブル1402の中間位置は、第1テーブル1402に2つの収容箱24が重ねられて載置された状態に対応している。
図11に示すように、第1テーブル1402の上限位置は、第1テーブル1402に1つの収容箱24が載置された状態に対応している。
すなわち、第1テーブル1402上に積み重ねられた3つの収容箱24が載置された場合、その最も上位に位置する収容箱24の高さと、第1テーブル1402上に積み重ねられた2つの収容箱24が載置された場合、その最も上位に位置する収容箱24の高さと、第1テーブル1402上に積み重ねられた1つの収容箱24が載置された場合、その1つの収容箱24の高さとが同一となるように設けられている。
【0019】
図18図19図29図30図31に示すように、回収用載置テーブル機構16は、収容箱回収路18の搬送方向の上流端に設けられ空の重ねられた3つの収容箱24が載置される箇所である。
図18図30(B)に示すように、回収用載置テーブル機構16は、ローラコンベア26で構成された第2テーブル1602と、第2テーブル1602の両側をワイヤ1604を介して吊り下げ支持するバランサー1606とを有している。
本実施の形態では、バランサー1606が、ワイヤ1604を昇降させ、第2テーブル1602を昇降させる昇降機構30を構成している。
【0020】
バランサー1606は、第2テーブル1602に収容箱24が載置されていない状態では、第2テーブル1602を所定の高さの初期位置とする。
また、バランサー1606は、第2テーブル1602に1つの収容箱24が載置されると、第2テーブル1602が所定のストロークで下降して停止し、第2テーブル1602に2つ目の収容箱24が載置されると、第2テーブル1602が所定のストロークで下降して停止し、第2テーブル1602に3つ目の収容箱24が載置されると、第2テーブル1602が所定のストロークで下降し後述するストッパ1610に当接するまで下降する。
【0021】
図30(B)に示すように、第2テーブル1602の一端にはウエイト1608が取り付けられ、第2テーブル1602がワイヤ1604により吊り下げられた状態で、第2テーブル1602はその一端が他端よりも下位に位置するように傾斜している。
本実施の形態では、ウエイト1608が、第2テーブル1602を傾斜させる傾斜機構32を構成している。
なお、不図示ではあるが、この下位となる第2テーブル1602の端部には、収容箱24の抜落を阻止するストッパが設けられている。
【0022】
回収用載置テーブル機構16は、第2テーブル1602に載置される収容箱24の重さにより下降し、図31(B)、(C)に示すように、3つの空の収容箱24が積み重ねられた状態で第2テーブル1602の下面に静止したストッパ1610が当接し、ストッパ1610に当接した以降は、第2テーブル1602の下降に伴って第2テーブル1602の傾斜が逆向きとなる。
これにより、3つの空の収容箱24は、第2テーブル1602の傾斜により第2テーブル1602から収容箱回収路18に移送される。
また、図30(A)、図31(A)に示すように、第2テーブル1602の傾斜が逆向きになると第2テーブル1602によって押圧されて作動する傾斜検知スイッチ1612がフレーム22に設けられており、傾斜検知スイッチ1612の作動により上記不図示の回転エアシリンダの動作がなされる。
【0023】
収容箱移送機構20は、単動式エアシリンダ34と、旋回機構36と、パンタグラフ機構38とを含んで構成されている。
図1から図17図27図34に示すように、単動式エアシリンダ34とパンタグラフ機構38とは、供給用載置テーブル機構14と回収用載置テーブル機構16との間に旋回機構36を介して旋回可能に設けられている。
単動式エアシリンダ34とパンタグラフ機構38とは、空となった収容箱24の把持と把持の解除を行なうもので、空になった収容箱24を供給用載置テーブル機構14からパンタグラフ機構38を介して回収用載置テーブル機構16に移行する。
図示例では、単動式エアシリンダ34を2本用いた場合について説明するが、単動式エアシリンダ34は1本にするなど任意である。
【0024】
図1に示すように、フレーム22の支軸(不図示)には筒体40が回転可能に設けられ、筒体40には2つのアームからなる旋回アーム4002が突設され、単動式エアシリンダ34はこの旋回アーム4002の先端で支持されている。
旋回エアシリンダ42は、単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38を第1テーブル1402の上方に位置する第1旋回位置(図2)と、第2テーブル1602の上方に位置する第2旋回位置(図1)との間で旋回させ、また、昇降シリンダ44は、単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38を上限位置(図2)と下限位置(図3)との間で昇降させる。
また、図6に示すように、フレーム22には、単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38が上限位置を保持した状態で、第1位置から第2位置に旋回された際に旋回アーム4002よって押圧されることで作動する第1スイッチ46が設けられている。
【0025】
図27図34に示すように、パンタグラフ機構38は、第1アーム3802Aと第2アーム3802Bとが一体的に結合された一対の揺動アーム3802と、それら揺動アーム3802を揺動させる一対の補助アーム3804とを備えている。
単動式エアシリンダ34のシリンダ本体3402に上下方向に延在するガイドロッド3404が取り付けられている。
ガイドロッド3404には、スライダ3406が上下に移動可能に設けられ、ガイドロッド3404の下端には、一対の補助アーム3804の基端が第1取り付け部材3806を介して回転可能に結合されている。
また、スライダ3406には、第2取り付け部材3807を介して第1アーム3802Aの基端が回転可能に結合されている。
【0026】
図34に示すように、スライダ3406には単動式エアシリンダ34のピストンロッド3408が結合されている。
本実施の形態では、単動式エアシリンダ34は、作動用の圧縮空気が供給されることでピストンロッド3408を図34(A)に示す伸長位置から図34(B)に示す収縮位置に移動させ、圧縮空気の供給が停止されることで内蔵されたスプリングによりピストンロッド3408を収縮位置から伸長位置に移動させるように構成されている。
このような単動式エアシリンダ34は、ピストンロッド3408の伸長動作と伸縮動作の双方を圧縮空気で行なう複動式エアシリンダに比較して構造が簡素でコスト的に有利である。
【0027】
一対の補助アーム3804の先端は一対の揺動アーム3802の第1アーム3802Aに第3取り付け部材3808を介して回転可能に結合されている。
一対の揺動アーム3802の第2アーム3802Bの先端には、収容箱24の上部フランジに係脱可能に係止する係止爪3810が設けられている。
したがって、図34(A)に示すように、単動式エアシリンダ34のピストンロッド3408の伸長状態でスライダ3406と第1取り付け部材3806とが近接し、一対の補助アーム3804を介して一対の揺動アーム3802が開く。
【0028】
また、図34(B)に示すように、単動式エアシリンダ34のピストンロッド3408の収縮状態でスライダ3406と第1取り付け部材3806とが離れ、一対の補助アーム3804を介して一対の揺動アーム3802が閉じ、一対の係止爪3810により収容箱24の上部フランジ2402が係止され、収容箱24が上方に移動可能な状態となる。
したがって、本実施の形態では、図1に示すように、単動式エアシリンダ34とパンタグラフ機構38により、収容箱24の把持を可能とした把持機構48が構成され、昇降エアシリンダ44により把持機構48を昇降させる昇降機構30が構成され、旋回エアシリンダ42により、把持機構48により把持した空の収容箱24を第1テーブル1402から第2テーブル1602に移送する旋回機構36が構成されている。
【0029】
次に、本実施の形態の収容箱の供給回収装置10の動作について説明する。
図1に示すように、供給用載置テーブル機構14の第1テーブル1402に部品が収容された3つの積み重ねられた収容箱24が載置された状態にあり、単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38は、第2テーブル1602の上方で上限位置に位置した状態にあるものとする。
また、図26に示すように、収容箱供給路12の下流端に積み重ねられた3つの収容箱24は、その最も下位の収容箱24に第1ストッパ2802が当接することで収容箱供給路12の下流端に停止された状態となっており、アーム2806の傾斜により第2ストッパ2804は積み重ねられた3つの収容箱24の後方に没入した状態となっている。
作業者は、第1テーブル1402に載置された3つの積み重ねられた収容箱24のうち最上位の収容箱24から部品を取り出して組立作業を行なう。
【0030】
第1テーブル1402上の最上位の収容箱24の部品が無くなり空となったならば、作業者は、フレーム22に設けられた不図示のスタートスイッチを操作する。
図2に示すように、スタートスイッチが操作されると、旋回エアシリンダ42によって、単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38は、上限位置を保持した状態で、第2旋回位置から第1旋回位置に旋回される。
旋回エアシリンダ42の第1旋回位置への旋回動作が終了すると、図3に示すように、昇降エアシリンダ44によって単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38は、第2テーブル1602の上方において上限位置から下限位置まで降下される。
この際、単動式エアシリンダ34は伸長状態であり、一対の揺動アーム3802が開いた状態が維持されている。
昇降エアシリンダ44の下降動作が終了し単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38が下限位置に到達すると、図34(B)に示すように、単動式エアシリンダ34に圧縮空気が供給されることで単動式エアシリンダ34は伸長状態から収縮状態となり、一対の揺動アーム3802が閉じ、一対の係止爪3810により収容箱24の上部フランジ2402が係止され、すなわち把持され、収容箱24が上方に移動可能な状態となる。
【0031】
次いで、図4に示すように、昇降エアシリンダ44によって単動式エアシリンダ34、パンタグラフ機構38が下限位置から上限位置に上昇されることで、最上位の空の収容箱24が一対の揺動アーム3802により把持された状態で上昇される。
次いで、図5に示すように、単動式エアシリンダ34、パンタグラフ機構38が上限位置を保持した状態で、旋回エアシリンダ42により単動式エアシリンダ34、パンタグラフ機構38が第1旋回位置から第2旋回位置へ旋回されることにより、空の収容箱24が一対の揺動アーム3802により把持された状態で第1テーブル1402の上方から第2テーブル1602の上方に旋回され、旋回アーム4002により第1スイッチ46が作動される。
また、第1スイッチ46が作動されることで、図5に示すように、押圧エアシリンダ1408が動作して上昇用ペダル1406の押圧を開始し、第1テーブル1402は下限位置から上昇し、図6に示すように、第1テーブル1402が中間位置に到達すると、中間スイッチ1412が作動することで押圧エアシリンダ1408の動作が停止し、第1テーブル1402の高さが中間位置に位置決めされる。
また、第1スイッチ46が作動されることで、単動式エアシリンダ34への圧縮空気の供給が停止されることで単動式エアシリンダ34は収縮状態から伸長状態となり、図34(A)に示すように、一対の揺動アーム3802が開き、一対の係止爪3810による収容箱24の上部フランジ2402の把持が解除され、図6に示すように、1つ目の空の収容箱24が第2テーブル1602に落下する。
そして、第2テーブル1602は、1つの空の収容箱24が載置されると、バランサー1606を介して所定のストロークで下方に移動する。
【0032】
このように収容箱移送機構20により空の収容箱24が第1テーブル1402から第2テーブル1602に移送されると、図6に示すように、第1テーブル1402には2つの収容箱24が載置された状態となり、作業者は最上位の収容箱24から部品を取り出して組み立て作業を行なう。
最上位の収容箱24の部品が無くなり空となったならば、作業者は、上記不図示のスタートスイッチを操作する。
図7に示すように、スタートスイッチが操作されると、旋回エアシリンダ42によって、単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38は、上限位置を保持した状態で、第2旋回位置から第1旋回位置に旋回される。
旋回エアシリンダ42の第1旋回位置への旋回動作が終了すると、図8に示すように、昇降エアシリンダ44によって単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38は、第2テーブル1602の上方において上限位置から下限位置まで降下される。
この際、単動式エアシリンダ34は伸長状態であり、一対の揺動アーム3802が開いた状態が維持されている。
昇降エアシリンダ44の下降動作が終了し単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38が下限位置に到達すると、図34(B)に示すように、単動式エアシリンダ34に圧縮空気が供給されることで単動式エアシリンダ34は伸長状態から収縮状態となり、一対の揺動アーム3802が閉じ、一対の係止爪3810により収容箱24の上部フランジ2402が係止され、すなわち把持され、収容箱24が上方に移動可能な状態となる。
【0033】
次いで、図9に示すように、昇降エアシリンダ44によって単動式エアシリンダ34、パンタグラフ機構38が下限位置から上限位置に上昇されることで、最上位の空の収容箱24が一対の揺動アーム3802により把持された状態で上昇される。
次いで、図10に示すように、旋回エアシリンダ42により単動式エアシリンダ34、パンタグラフ機構38が上限位置を保持した状態で、第1旋回位置から第2旋回位置へ旋回されることにより、空の収容箱24が一対の揺動アーム3802により把持された状態で第1テーブル1402の上方から第2テーブル1602の上方に旋回され、旋回アーム4002により第1スイッチ46が作動される。
また、第1スイッチ46が作動されることで、図10に示すように、押圧エアシリンダ1408が動作して上昇用ペダル1406の押圧を開始し、第1テーブル1402は中間位置から上昇し、図11に示すように、第1テーブル1402が上限位置に到達すると、上限スイッチ1410が作動することで押圧エアシリンダ1408の動作が停止し、第1テーブル1402の高さが上限位置に位置決めされる。
また、第1スイッチ46が作動されることによって、単動式エアシリンダ34への圧縮空気の供給が停止されることで単動式エアシリンダ34は収縮状態から伸長状態となり、図34(A)に示すように、一対の揺動アーム3802が開き、一対の係止爪3810による収容箱24の上部フランジ2402の把持が解除され、図11に示すように、2つ目の空の収容箱24が第2テーブル1602に載置されていた1つ目の空の収容箱24の上に落下し、1つ目の空の収容箱24の上に積み重ねられて載置される。
そして、第2テーブル1602は、2つ目の空の収容箱24が積み重ねられて載置されると、バランサー1606を介して所定のストロークで下方に移動する。
【0034】
このように収容箱移送機構20により2つ目の空の収容箱24が第1テーブル1402から第2テーブル1602に移送されると、図11に示すように、第1テーブル1402には1つの収容箱24が載置された状態となり、作業者はこの1つの収容箱24から部品を取り出して組み立て作業を行なう。
この収容箱24の部品が無くなり空となったならば、作業者は、上記不図示のスタートスイッチを操作する。
図12に示すように、上記不図示のスタートスイッチが操作されると、旋回エアシリンダ42によって、単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38は、上限位置を保持した状態で、第2旋回位置から第1旋回位置に旋回される。
次いで、図13に示すように、昇降エアシリンダ44によって単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38は、第2テーブル1602の上方において上限位置から下限位置まで降下される。
この際、単動式エアシリンダ34は伸長状態であり、一対の揺動アーム3802が開いた状態が維持されている。
昇降エアシリンダ44の下降動作が終了し単動式エアシリンダ34およびパンタグラフ機構38が下限位置に到達すると、図34(B)に示すように、単動式エアシリンダ34に圧縮空気が供給されることで単動式エアシリンダ34は伸長状態から収縮状態となり、一対の揺動アーム3802が閉じ、一対の係止爪3810により収容箱24の上部フランジ2402が係止され、すなわち把持され収容箱24が上方に移動可能な状態となる。
【0035】
次いで、図14に示すように、昇降エアシリンダ44によって単動式エアシリンダ34、パンタグラフ機構38が下限位置から上限位置に上昇されることで、最上位の空の収容箱24が一対の揺動アーム3802により把持された状態で上方に持ち上げられる。
次いで、図15図16に示すように、旋回エアシリンダ42により単動式エアシリンダ34、パンタグラフ機構38が上限位置を保持した状態で、第1旋回位置から第2旋回位置へ旋回されることにより、空の収容箱24が一対の揺動アーム3802により把持された状態で第1テーブル1402の上方から第2テーブル1602の上方に旋回される。
また、第1スイッチ46が作動されることによって、単動式エアシリンダ34への圧縮空気の供給が停止されることで単動式エアシリンダ34は収縮状態から伸長状態となり、図34(A)に示すように、一対の揺動アーム3802が開き、一対の係止爪3810による収容箱24の上部フランジ2402の係止が解除され、図17に示すように、3つ目の空の収容箱24が第2テーブル1602に載置されていた2つ目の空の収容箱24の上に落下し、2つ目の空の収容箱24の上に積み重ねられて載置される。
そして、第2テーブル1602は、3つ目の空の収容箱24が積み重ねられて載置されると、バランサー1606を介して所定のストロークで下方に移動する。
【0036】
そして、図18図31(B)に示すように、第2テーブル1602に3つの空の収容箱24が積み重ねられると、昇降機構30を構成するバランサー1606により第2テーブル1602は下降し、図31(C)に示すように、第2テーブル1602の下面に静止したストッパ1610が当接し、ストッパ1610に当接した以降は、第2テーブル1602の下降に伴って第2テーブル1602の傾斜が逆向きとなり、図19図31(C)に示すように、3つの空の収容箱24は、第2テーブル1602の傾斜により第2テーブル1602から収容箱回収路18に移送される。
なお、第2テーブル1602から3つの空の収容箱24が無くなった状態で、昇降機構30を構成するバランサー1606により第2テーブル1602は初期位置に復帰する。
また、第2テーブル1602の傾斜が逆向きになると第2テーブル1602によって押圧されることで傾斜検知スイッチ1612が作動し、これにより、上記不図示の回転エアシリンダが上記不図示の下降用ハンドルを回転させ、図23に示すように、第1テーブル1402が下降する。
【0037】
やがて、第1テーブル1402の検知レバーによって搬入スイッチ1414が作動することで回転エアシリンダの動作が停止し、図24に示すように、第1テーブル1402が下限位置で停止すると共に、搬入スイッチ1414の作動により第1エアシリンダ2808が伸長動作されることでアーム2806が揺動する。
これにより、図24図25に示すように、第1ストッパ2802は収容箱供給路12の下流端から下方に没入し、積み重ねられた3つの収容箱24は、収容箱供給路12を構成するローラコンベア26の傾斜により収容箱供給路12から供給用載置テーブル機構14に移送され、第2ストッパ2804は積み重ねられた3つの収容箱24の後方に突出し、積み重ねられた3つの収容箱24の収容箱供給路12の下流端への移送を停止する。
積み重ねられた3つの収容箱24が収容箱供給路12から供給用載置テーブル機構14に移送されたならば、上記不図示のタイマーによって所定時間が経過したのち、図26に示すように、エアシリンダが収縮作動され、アーム2806の揺動により第1ストッパ2802は収容箱供給路12の下流端から上方に突出し、積み重ねられた3つの収容箱24の最も下位の収容箱24に当接し、積み重ねられた3つの収容箱24を収容箱供給路12の下流端に停止させ、第2ストッパ2804は積み重ねられた3つの収容箱24の後方に没入する。
このようにして、図1に示す初期状態に戻り、以降同様の動作が繰り返してなされる。
【0038】
また、本実施の形態において、上記不図示のスタートスイッチ、上限スイッチ1410,中間スイッチ1412、搬入スイッチ1414、傾斜検知スイッチ1612、第1スイッチ46の検知動作に基づく、押圧エアシリンダ1408、上記不図示の回転エアシリンダ、第1シリンダ2808、単動式エアシリンダ34、旋回エアシリンダ42、昇降エアシリンダ44に対する圧縮空気の供給や供給の停止に関する制御は、従来公知の電磁弁および制御回路を用いてなされるが、説明の簡素化を図るため、電磁弁および制御回路についての詳細な説明は省略している。
【0039】
なお、本実施の形態では、各エアシリンダで構成されるアクチュエータに対して圧縮空気を供給して駆動させるコンプレッサは、太陽光を利用してソーラーパネルによって発電された電力を蓄電するバッテリから供給される電力によって動作している。
【0040】
本実施の形態によれば、収容箱供給路12の移送方向の下流端に設けられ複数重ねた状態の収容箱24が収容箱供給路12から移送され載置される第1テーブル1402を有する供給用載置テーブル機構14と、収容箱回収路18の移送方向の上流端に設けられ第1テーブル1402から移送された収容箱24が重ねられる第2テーブル1602を有し第2テーブル1602に重ねられた複数の収容箱24を上流端に移送する回収用載置テーブル機構16と、第1テーブル1402と第2テーブル1602との間に設けられ、空となった収容箱24を第1テーブル1402から第2テーブル1602へ順次移送し第2テーブル1602上に重ねていく収容箱移送機構20とを設けた。
したがって、作業者は、収容箱供給路12から第1テーブル1402に移送され載置される収容箱24から部品を取り出して組立作業を行なえばよく、空になった収容箱24は、収容箱移送機構20により第1テーブル1402から第2テーブル1602に順次移送されたのち、第2テーブル1602に重ねられた収容箱24は第2テーブル1602から収容箱回収路18に移送される。
そのため、収容箱24の供給および回収の効率化を図る上で有利となる。
また、同時に、作業者は、部品が収容された収容箱24を収容箱供給路12から作業現場に運搬したり、空となった収容箱24を作業現場から収容箱回収路18に運搬する作業がなくなるため、作業者による組み立て作業の効率化を図る上で有利となる。
【0041】
また、本実施の形態では、供給用載置テーブル機構14は、第1テーブル1402に載置された収容箱24の数に拘わらず最も上位に位置する収容箱24を予め定められた高さに維持する高さ維持機構50を含んで構成されている。
したがって、作業者は、第1テーブル1402に載置された収容箱24の数に拘わらず同じ高さに維持された収容箱24から部品を取り出せばよいため、作業者が無理な姿勢を強いられることがなく、作業者の作業効率の向上と作業者の負担の軽減を図る上で有利となる。
【0042】
また、本実施の形態では、回収用載置テーブル機構16を、ローラコンベア26で構成された第2テーブル1602と、昇降機構30と、傾斜機構32と、ストッパ1610とを含んで構成したので、回収用載置テーブル機構16の構造の簡素化、コンパクト化を図り、収容箱24の供給回収装置10の低コスト化を図る上で有利となる。
【0043】
また、本実施の形態では、収容箱移送機構20は、収容箱24の把持を可能とした把持機構48と、把持機構48を昇降させる昇降機構30と、把持機構48により把持した空の収容箱24を第1テーブル1402から第2テーブル1602に移送する旋回機構36とを含んで構成したので、収容箱移送機構20の構造の簡素化、コンパクト化を図り、収容箱24の供給回収装置10の低コスト化を図る上で有利となる。
【0044】
また、本実施の形態では、供給用載置テーブル機構14と回収用載置テーブル機構16と収容箱移送機構20とはそれぞれアクチュエータを含んで構成され、それらアクチュエータは、太陽電池パネルで得られた電力により駆動される。
したがって、自然エネルギーを有効活用することにより、工場などの作業現場における省電力化を図る上で有利となることは無論のこと、カーボンニュートラルの実現および環境負荷の低減を図る上で有利となる。
【0045】
なお、本実施の形態では、作業者が部品を組み立てる作業に本発明を適用した場合について説明したが、作業者が行なう作業は、組み立て作業に限定されず、本発明は部品を加工したり、部品を部材に溶接したり、部品に表面加工を行なうなどの各種の作業に広く適用される。
【符号の説明】
【0046】
10 収容箱の供給回収装置
12 収容箱供給路
12A 下流端供給路
12B 方向変換供給路
12C 上流端供給路
14 供給用載置テーブル機構
1401 ストッパ
1402 第1テーブル
1404 第1リンク機構
1406 上昇用ペダル
1408 押圧エアシリンダ
1410 上限スイッチ
1412 中間スイッチ
1414 搬入スイッチ
16 回収用載置テーブル機構
1602 第2テーブル
1604 ワイヤ
1606 バランサー
1608 ウエイト
1610 ストッパ
1612 傾斜検知スイッチ
18 収容箱回収路
20 収容箱移送機構
22 フレーム
2202 第1ロッド
24 収容箱
2402 上部フランジ
26 ローラコンベア
28 第1移送機構
2801 支軸
2802 第1ストッパ
2804 第2ストッパ
2806 アーム
2808 第1シリンダ
30 昇降機構
32 傾斜機構
34 単動式エアシリンダ
3402 シリンダ本体
3404 ガイドロッド
3406 スライダ
3408 ピストンロッド
36 旋回機構
38 パンタグラフ機構
3802 揺動アーム
3802A 第1アーム
3802B 第2アーム
3804 補助アーム
3806 第1取り付け部材
3807 第2取り付け部材
3808 第3取り付け部材
3810 係止爪
40 筒体
4002 旋回アーム
42 旋回エアシリンダ
44 昇降エアシリンダ
46 第1スイッチ
48 把持機構
50 高さ維持機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34