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特開2024-140357申請支援システム、申請支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140357
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】申請支援システム、申請支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051457
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】坂本 悠輔
(72)【発明者】
【氏名】堤 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 浩一
(72)【発明者】
【氏名】秋本 洋平
(72)【発明者】
【氏名】梶原 一夫
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 真一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】申請書類の作成における負担を軽減することが可能な申請支援システム等を提供することを目的の一つとする。
【解決手段】本開示の一態様にかかる申請支援システムは、ユーザを識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する必要書類情報取得手段と、複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取る読取手段と、前記必要書類情報と前記記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する抽出手段と、抽出された情報に基づく情報が前記入力項目に入力された、申請書類情報を生成する生成手段と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、
取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する必要書類情報取得手段と、
複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取る読取手段と、
前記必要書類情報と前記記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する抽出手段と、
抽出された情報に基づく情報が前記入力項目に入力された、申請書類情報を生成する生成手段と、を備える、
申請支援システム。
【請求項2】
前記抽出手段は、
前記申請書類の前記入力項目ごとに、前記入力項目に関連する書類を、前記必要書類情報及び前記記載情報から特定し、
特定された書類から、前記入力項目に対応する情報を抽出し、
前記生成手段は、抽出された情報に基づく情報を、前記入力項目に入力する、
請求項1に記載の申請支援システム。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記入力項目が、金額が入力される金額項目である場合、特定された書類から、当該金額項目に対応する一以上の金額情報を抽出し、
前記生成手段は、抽出された前記金額情報に示される金額の合計額を、前記金額項目に入力する、
請求項2に記載の申請支援システム。
【請求項4】
前記申請書類は、確定申告書類であり、
前記入力項目が通院費に関する項目である場合、
前記抽出手段は、特定された書類から、前記ユーザの住所と、医療費の支払先の住所と、を抽出し、
前記生成手段は、
抽出された前記支払先の住所と前記ユーザの住所とに基づいて、前記ユーザが利用する交通機関を推定し、
推定された当該交通機関の利用に要する費用を、前記通院費に関する項目に入力する、
請求項2に記載の申請支援システム。
【請求項5】
前記申請書類は、確定申告書類であり、
前記入力項目が医療費に関する項目である場合、
前記抽出手段は、
前記必要書類情報に基づいて、前記ユーザと同一世帯の人物を特定し、
特定された当該人物ごとに、前記医療費に関する項目に関連する書類を特定し、特定された書類から、前記医療費に関する項目に対応する情報を抽出し、
前記生成手段は、抽出された情報に基づく情報を、前記医療費に関する項目に入力する、
請求項2に記載の申請支援システム。
【請求項6】
前記識別情報取得手段は、近距離無線通信により、情報記録媒体から前記識別情報を取得する、
請求項1に記載の申請支援システム。
【請求項7】
前記複合機と接続される情報記録媒体に、前記必要書類情報及び前記書類データを格納する出力制御手段を備える、
請求項1に記載の申請支援システム。
【請求項8】
前記ユーザと異なる人物に関する申請の要求を受け付ける入力受付手段を備え、
前記識別情報取得手段は、
前記ユーザの前記識別情報を取得し、前記ユーザの前記識別情報に関連付けられた、前記人物の識別情報を取得し、
前記必要書類情報取得手段は、前記人物の識別情報に基づいて、前記人物の識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する、
請求項1に記載の申請支援システム。
【請求項9】
ユーザを識別する識別情報を取得し、
取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得し、
複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取り、
前記必要書類情報と前記記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出し、
抽出された情報に基づく情報が前記入力項目に入力された、申請書類情報を生成する、
申請支援方法。
【請求項10】
ユーザを識別する識別情報を取得する処理と、
取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する処理と、
複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取る処理と、
前記必要書類情報と前記記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する処理と、
抽出された情報に基づく情報が前記入力項目に入力された、申請書類情報を生成する処理と、をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、書類の作成を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
確定申告等各種の申請を行う場合、申請者は、申請書類を作成する。そして、申請者は、作成した申請書類を申請先に送付する。
【0003】
特許文献1には、申請書類の作成に関連する技術が開示される。特許文献1では、予め作成された電子申告用データと、画像形成装置によるスキャンによって取得された添付書類情報と、を画像形成装置から電子申告管理サーバに送信することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-041497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
申請の際には、申請者は手作業で申請書類を作成する。例えば確定申告であれば、申請者は、領収書等の紙の書類を随時保存しておく。そして申請時には、申請者は、このような紙の書類を適宜参照し、確定申告書類への入力を行う。このように、申請書類の作成は、申請者にとって負担がかかる。
【0006】
特許文献1に開示される技術では、電子申告用データは、申請者が予め作成する必要がある。この点に改善の余地がある。
【0007】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、申請書類の作成における負担を軽減することが可能な申請支援システム等を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様にかかる申請支援システムは、ユーザを識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する必要書類情報取得手段と、複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取る読取手段と、前記必要書類情報と前記記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する抽出手段と、抽出された情報に基づく情報が前記入力項目に入力された、申請書類情報を生成する生成手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様にかかる申請支援方法は、ユーザを識別する識別情報を取得し、取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得し、複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取り、前記必要書類情報と前記記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出し、抽出された情報に基づく情報が前記入力項目に入力された、申請書類情報を生成する。
【0010】
本開示の一態様にかかるプログラムは、ユーザを識別する識別情報を取得する処理と、取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する処理と、複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取る処理と、前記必要書類情報と前記記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する処理と、抽出された情報に基づく情報が前記入力項目に入力された、申請書類情報を生成する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、申請書類の作成における負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態の申請支援システムの構成の一例を模式的に示す図である。
図2】第1の実施形態の申請支援システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態の申請支援システムの動作の一例を説明するフローチャートである。
図4】第2の実施形態の申請支援システムの構成の一例を模式的に示す図である。
図5】第2の実施形態の申請支援システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】第2の実施形態の出力される情報の第1の例を示す図である。
図7】第2の実施形態の出力される情報の第2の例を示す図である。
図8A】第2の実施形態の医療費の領収書の一例を示す図である。
図8B】第2の実施形態の記載情報の一例である。
図9】第2の実施形態の表示される申請書類情報の一例である。
図10】第2の実施形態の申請支援システムの動作の一例を説明するシーケンス図である。
図11】第3の実施形態の申請支援システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図12】本開示の第1、第2、及び第3の実施形態の申請支援システムを実現するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
第1の実施形態の申請支援システムの概要について説明する。
【0015】
図1は、申請支援システム1000の構成の一例を模式的に示す図である。申請支援システム1000は、例えば、申請支援装置100と複合機200とを備える。申請支援装置100と複合機200とは、無線又は有線のネットワークを介して通信可能に接続される。
【0016】
複合機200は、少なくともスキャン機能を有する。スキャン機能は、センサを利用して原稿をスキャンする機能である。スキャン機能は、既存技術により実現されてよい。例えば、光源によって原稿に光が当てられる。原稿からの反射光を、CIS(Contact Image Sensor)方式センサまたはCCD(Charge Coupled Device)方式センサが読み取り、原稿の画像データに変換する。複合機200は、例えばこのようなスキャン機能を有する。複合機200は、さらに、コピー、プリント、及びファクシミリ等の機能を有していてよい。
【0017】
また、複合機200は、入力機器及び出力機器を有する。複合機200は、タッチパネル、キーボード、マウス、カメラ、ディスプレイ、及びスピーカ等を搭載してよい。例えば、複合機200には、ディスプレイの機能を兼ねたタッチパネルが搭載される。また、複合機200は、NFC(Near field communication)、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、及び赤外線通信等の近距離無線通信を利用した、データリーダーを備えてよい。さらに、複合機200には、USB(Universal Serial Bus)メモリ、及びフラッシュメモリカード等の記録媒体からデータを読み込む、メディアリーダーを備えてよい。
【0018】
複合機200が設置される場所は特定の場所に限られない。複合機200は、公共の施設にて設置されてよい。例えば、複合機200は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ショッピングモール、市役所、及び税務署等に設置されてよい。
【0019】
申請支援装置100は、例えばサーバである。申請支援装置100は、クラウドサーバとして実現されてもよい。申請支援システム1000は、複合機200から取得された情報を利用して、申請書類情報を生成する。
【0020】
ユーザは、複合機200を操作する。例えば、複合機200がユーザからの操作を受け付けることにより、申請支援システム1000の各処理が行われてよい。
【0021】
なお、図1の例では、申請支援装置100及び複合機200のそれぞれが、便宜上、一の装置で実現されているように記載されているが、申請支援装置100及び複合機200の実現方法はこの例に限られない。すなわち、申請支援装置100及び複合機200のそれぞれが複数の装置によって構成されてよい。
【0022】
次に、申請支援システム1000の機能構成の一例を説明する。図2は、申請支援システム1000の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように申請支援システム1000は、識別情報取得部110と、必要書類情報取得部120と、読取部130と、抽出部140と、生成部150と、を備える。
【0023】
識別情報取得部110は、識別情報を取得する。識別情報は、ユーザを識別する情報である。識別情報は、例えば、ユーザの公的証明書に関する情報であってよい。公的証明書とは、ユーザの氏名及び生年月日等の情報を有する、本人確認が可能な書類である。公的証明書に関する情報は、例えば、公的証明書が有する、人物を特定可能な情報である。公的証明書の一例は、マイナンバーカードである。例えば、識別情報は、マイナンバーカードが有する電子証明書の情報であってもよいし、個人番号であってもよい。なお、公的証明書は、この例に限られない。また、識別情報はこの例に限られない。識別情報は、人物を一意に特定可能な情報であればよい。
【0024】
識別情報取得部110は、識別情報を、複合機200において取得してよい。例えば、ユーザが、複合機200の入力機器を用いて、識別情報を入力する。識別情報取得部110は、入力された識別情報を取得する。
【0025】
このように、識別情報取得部110は、ユーザを識別する識別情報を取得する。識別情報取得部110は、識別情報取得手段の一例である。
【0026】
必要書類情報取得部120は、識別情報に基づいて必要書類情報を取得する。必要書類情報は、申請書類を作成する際に必要となる情報を含む書類情報である。例えば、確定申告を行う場合、確定申告書類には、収入に関する情報等を入力する必要がある。この場合、必要書類情報の一例は、源泉徴収票、収支内訳書、及び保険料控除証明書等である。例えば、このような必要書類情報が識別情報と関連付けられて、外部サーバに格納される。必要書類情報取得部120は、例えば、取得された識別情報を利用して、外部サーバから必要書類情報を取得してよい。なお、申請支援装置100が記憶装置を有する場合であって、当該記憶装置に必要書類情報が格納されている場合は、必要書類情報取得部120は、申請支援装置100が有する記憶装置から必要書類情報を取得してよい。
【0027】
このように、必要書類情報取得部120は、取得された識別情報に基づいて、識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する。必要書類情報取得部120は、必要書類情報取得手段の一例である。
【0028】
読取部130は、複合機200においてスキャンされたデータから情報を読み取る。具体的には、複合機200において、紙の書類がスキャンされる。読取部130は、スキャンされたデータである書類データから、書類に記載された記載情報を読み取る。書類データは、例えば、複合機200のスキャン機能によって生成された画像データである。読取部130は、例えば、OCR(Optical Character Recognition)技術等を利用して、書類データから書類に記載されている情報を読み取る。
【0029】
例えば、複合機200において医療費の領収書がスキャンされたとする。この場合、読取部130は、医療費の領収書を示す書類データから、医療費の領収書であることを示す文字情報と、金額を示す情報と、を含む記載情報を読み取る。
【0030】
このように、読取部130は、複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取る。読取部130は、読取手段の一例である。
【0031】
抽出部140は、必要書類情報と記載情報とから、情報を抽出する。具体的には、抽出部140は、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する。申請書類は、申請先に送付する書類である。申請書類は、例えば、申請支援装置100及び複合機200のいずれかが有する記憶装置に格納される。これに限られず、申請書類は、申請支援システム1000と通信可能な外部の装置に格納されてもよい。
【0032】
例えば、申請書類の入力項目に、給与所得があるとする。この場合、抽出部140は、給与所得に関する情報を、必要書類情報及び記載情報から抽出する。例えば、必要書類情報に源泉徴収票が含まれるとする。このとき抽出部140は、源泉徴収票から給与所得の金額を示す情報を抽出する。また、例えば、入力項目に、住所、氏名、生年月日、及び性別があるとする。この場合、抽出部140は、ユーザの住所、氏名、年齢、及び性別を示す情報を、必要書類情報及び記載情報から抽出する。例えば、記載情報に公的証明書が含まれる場合、抽出部140は、公的証明書からユーザの住所、氏名、年齢、及び性別を示す情報を抽出する。なお、情報の抽出方法はこの例に限られない。
【0033】
このように、抽出部140は、必要書類情報と記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する。抽出部140は、抽出手段の一例である。
【0034】
生成部150は、申請書類情報を生成する。申請書類情報は、申請書類の入力項目に情報が入力された情報である。例えば、生成部150は、抽出部140によって抽出された情報に基づく情報を、入力項目に入力することにより、申請書類情報を生成する。
【0035】
このように、生成部150は、抽出された情報に基づく情報が入力項目に入力された、申請書類情報を生成する。生成部150は、生成手段の一例である。
【0036】
次に、申請支援システム1000の動作の一例を、図3を用いて説明する。なお本開示において、フローチャートの各ステップを「S1」のように、各ステップに付した番号を用いて表現する。
【0037】
識別情報取得部110は、ユーザを識別する識別情報を取得する(S1)。必要書類情報取得部120は、取得された識別情報に基づいて、識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する(S2)。読取部130は、複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取る(S3)。抽出部140は、必要書類情報と記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する(S4)。生成部150は、抽出された情報に基づく情報が入力項目に入力された、申請書類情報を生成する(S5)。
【0038】
このように、申請支援システム1000は、ユーザを識別する識別情報を取得し、取得された識別情報に基づいて、識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する。また、申請支援システム1000は、複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取る。さらに、申請支援システム1000は、必要書類情報と記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する。そして、申請支援システム1000は、抽出された情報に基づく情報が入力項目に入力された、申請書類情報を生成する。
【0039】
つまり、申請支援システム1000は、ユーザを識別する識別情報と、複合機においてスキャンされた書類と、から申請書類情報を生成する。そのため、申請支援システム1000は、申請書類の作成におけるユーザが行う作業を減らすことができる。すなわち、申請支援システム1000は、申請書類の作成における負担を軽減することができる。
【0040】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の申請支援システムについて説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した申請支援システム1000に関する更なる例を説明する。なお、第1の実施形態と重複する内容は、一部説明を省略する。
【0041】
本実施形態においては、ユーザが確定申告を行う例について主に説明する。すなわち本実施形態において、申請支援システム1000は、確定申告書類の情報を、申請書類情報として生成する。なお、本開示における申請は、確定申告に限定するものではない。申請は、例えば、保険等金融商品の申込、住宅ローンの申込、医療費等に関する手当の申請等であってよい。申請支援システム1000は、各種の申請を行う場面において適用可能である。
【0042】
図4は、申請支援システム1000を含む構成の一例を模式的に示す図である。図4の例では、申請支援システム1000は申請支援装置100と複合機200とを備える。また、申請支援システム1000は、無線又は有線のネットワークを介して外部の装置と通信可能に接続される。具体的には、申請支援装置100は、申請先サーバ300及び情報管理サーバ400と、ネットワークを介して通信可能に接続される。
【0043】
申請先サーバ300は、作成された申請書類の申請先である。確定申告を行う場合であれば、申請先サーバ300は、例えば、確定申告を受け付ける行政機関のサーバである。申請支援システム1000は、申請書類情報を申請先サーバ300に送信する。
【0044】
情報管理サーバ400は、各種の情報を管理するサーバである。具体的には、情報管理サーバ400には、識別情報と必要書類情報とが関連付けられた情報が格納される。必要書類情報の一例は、住民基本台帳、及び健康保険に関する情報である。住民基本台帳には、人物の氏名、住所、生年月日、性別、及び家族構成に関する情報が含まれる。また、健康保険に関する情報には、診療、検診、及び薬の処方などの、健康保険の加入者が受けた医療行為の履歴、及び医療行為に要した費用等が含まれる。さらに、健康保険に関する情報には、加入者が扶養する人物が受けた医療行為の履歴、及び医療行為に要した費用等が含まれてよい。例えば情報管理サーバ400には、このような必要書類情報が、識別情報と関連付けて格納される。例えば情報管理サーバ400は、住民基本台帳を管理する自治体のサーバであってもよいし、健康保険を運営する事業者のサーバであってもよい。
【0045】
識別情報が、マイナンバーカードに関する情報であるとする。マイナンバーを利用した行政に関する手続きを行うことが可能なポータルサイトが存在する。このようなポータルサイトでは、人物の氏名、住所、生年月日、性別、及び家族構成に関する情報のような特定の個人情報だけでなく、更なる情報が管理される。更なる情報の一例としては、税金、所得、及び口座に関する情報、国民年金の加入状況に関する情報、障害福祉に関する情報、雇用保険、医療保険、及び生命保険に関する情報、並びに、健康保険に関する情報等である。当該ポータルサイトのシステムでは、このような情報が、マイナンバーカードに関する情報と関連付けられて管理される。本開示における必要書類情報は、このようなシステムにおいて管理される情報であってよい。すなわち、情報管理サーバ400は、当該ポータルサイトのシステムを実現するサーバであってよい。言い換えると、情報管理サーバ400の一例は、このようなポータルサイトのシステムを運営する行政機関のサーバである。
【0046】
なお、この例に限られず、情報管理サーバ400は、識別情報と必要書類情報とが関連付けられた情報を有する装置であればよい。例えば、情報管理サーバ400は、ユーザが予め作成した収支内訳書や青色申告決算書等を格納するサーバであってもよい。また、情報管理サーバ400は複数存在してよい。すなわち、申請支援装置100は、複数の異なるサーバから必要書類情報を取得してよい。
【0047】
[申請支援システム1000の詳細]
図5は、申請支援システム1000の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、複合機200は、入力受付部210と出力制御部220と認識部230と画像生成部240と読取部130とを備える。
【0048】
入力受付部210は、複合機200が有する入力機器による各種の入力を受け付ける。入力受付部210は、ユーザからの入力操作を受け付ける。例えば、複合機200に、ディスプレイの機能を兼ねたタッチパネルが存在するとする。この場合、入力受付部210は、ユーザによるタッチパネルの入力操作を受け付ける。
【0049】
出力制御部220は、複合機200が有する出力機器において、各種情報を出力する。例えば、出力制御部220は、複合機200のディスプレイに情報を出力する。図6は、出力される情報の第1の例を示す図である。具体的には、図6は、複合機200のディスプレイに表示される受付画像が示される。受付画像は、複合機200の機能を示す。図6の例では、コピー、スキャン、ファクシミリ、及び申請書類作成のそれぞれの機能を示すアイコンが表示される。ユーザは、例えば、図6のような受付画像に示されたアイコンを選択する。入力受付部210は、アイコンの選択操作を受け付ける。例えば、申請書類作成のアイコンがタッチされると、入力受付部210は、申請書類作成の要求として受け付ける。
【0050】
認識部230は、情報記録媒体に基づく情報を認識する。具体的には、認識部230は、近距離無線通信を利用して、情報記録媒体に格納される情報を認識する。近距離無線通信の一例は、NFC、Bluetooth、無線LAN、及び赤外線通信等である。例えば、認識部230は、識別情報を格納する情報記録媒体から、識別情報を認識することにより、識別情報を取得する。情報記録媒体は、IC(Integrated Circuit)カードであってもよいし、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯型端末であってもよい。
【0051】
例えば、識別情報が、マイナンバーカードに関する情報であるとする。このとき、出力制御部220は、マイナンバーカードをかざすことを促す情報を出力する。図7は、出力される情報の第2の例を示す図である。図7の例では、複合機の上面図が示されている。さらに図7の例では、「マイナンバーカードを以下の位置にセットしてください」という文章とともに、マイナンバーカードをかざす位置が示されている。このように出力制御部220は、情報記録媒体の設置を指示する指示情報を出力してよい。そして、マイナンバーカードが当該位置にかざされると、認識部230は、例えばNFCを利用して、マイナンバーカードに格納された識別情報を認識する。これにより認識部230は、識別情報を取得する。このとき入力受付部210は、別途パスワードを受け付けてもよい。認識部230は、正しいパスワードが入力された場合に、識別情報を取得してよい。認識部230は、識別情報を申請支援装置100に送信する。
【0052】
このように認識部230は、近距離無線通信により、情報記録媒体から識別情報を取得する。なお、認識部230は、識別情報取得手段の一例として構成されてよい。
【0053】
画像生成部240は、複合機200に設置された原稿をスキャンすることにより原稿の画像データを生成する。すなわち、画像生成部240は、スキャン機能を有する。例えば、ユーザにより、紙の書類が複合機200に設置される。画像生成部240は、当該紙の書類をスキャンした画像データである書類データを生成する。画像生成部240は、書類データを申請支援装置100に送信してもよい。
【0054】
読取部130は、書類データから記載情報を読み取る。例えば、読取部130は、OCR技術を利用して、書類データから書類に記載された情報を読み取る。記載情報は、このように読み取られた情報を示す。なお、記載情報は、読み取られた情報を所定のデータ形式に変換した情報であってよい。読取部130は、記載情報を申請支援装置100に送信する。
【0055】
記載情報の一例を図8A及び図8Bを用いて説明する。図8Aは、スキャンされる書類の一例を示す図である。より具体的には、図8Aは、医療費の領収書の一例を示す図である。例えば、図8Aに示す書類が複合機200に設置される。画像生成部240は、図8Aに示す書類をスキャンした画像データである書類データを生成する。そして読取部130は、書類データから記載情報を読み取る。例えば読取部130は、氏名である「田中太郎」という文字情報や負担額である「1200円」という金額を示す文字情報を読み取る。図8Bは、記載情報の一例である。より具体的には、図8Bは、図8Aの書類の書類データに対応する記載情報である。図8Bの例では、記載情報に、種別、氏名、支払先名称、及び支払額等の情報が示されている。例えば、読取部130は、「医療費」及び「ABC病院」といった文字情報から、書類の種別が医療費領収書であることを推定する。また、例えば、読取部130は、「負担額」及び「1200円」の文字情報から、支払額が1200円であることを推定する。読取部130は、このように推定された情報を関連付ける。
【0056】
なお、読取部130は、所定の学習モデルを用いて、書類データから記載情報を読み取ってよい。この場合、学習モデルは、書類データと記載情報との関係が機械学習によって学習されたモデルである。例えば、読取部130は、書類データを学習モデルに入力し、学習モデルによって出力される情報を、記載情報としてよい。学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークを用いた深層学習等により学習されたものであるが、この例に限られない。このように読取部130は、学習モデルを用いて、記載情報を読み取ってよい。
【0057】
読取部130は、書類データの数だけ記載情報を読み取ってよい。すなわち申請支援システム1000は、記載情報を複数取得してよい。
【0058】
申請支援装置100は、識別情報取得部110と必要書類情報取得部120と抽出部140と生成部150と送信部160とを備える。
【0059】
識別情報取得部110は、識別情報を取得する。具体的には、複合機200に認識部230によって認識された識別情報を取得する。
【0060】
必要書類情報取得部120は、識別情報に基づいて、情報管理サーバ400から必要書類情報を取得する。識別情報がマイナンバーカードに関する情報である場合、必要書類情報取得部120は、上述したようなポータルサイトのシステムを実現する情報管理サーバ400から、ポータルサイトのシステムにおいて管理される情報を、必要書類情報として取得してよい。例えば、必要書類情報取得部120は、ユーザの氏名、住所、生年月日、性別、及び家族構成等を含む特定の個人情報を必要書類情報として取得する。また、例えば、必要書類情報取得部120は、ユーザの給与所得、事業所得、利子所得、及び不動産所得等の所得を示す情報を必要書類情報として取得する。所得を示す情報の一例は、源泉徴収票、収支内訳書、及び青色申告決算書等である。
【0061】
また、必要書類情報取得部120は、複合機200から記載情報を取得してよい。
【0062】
抽出部140は、必要書類情報と記載情報とから情報を抽出する。具体的には、抽出部140は、書類特定部1401と情報抽出部1402とを備える。
【0063】
書類特定部1401は、申請書類を取得する。申請書類は、申請支援装置100の記憶装置(図示せず)に格納されてもよいし、申請先サーバ300に格納されてもよい。申請書類は、例えば、申請の際に必要な入力項目が示されたフォーマット情報である。書類特定部1401は、申請書類の入力項目に応じた書類を、設定情報に基づいて特定する。設定情報は、入力項目ごとに、対応する書類が示された情報である。設定情報は、申請支援装置100の記憶装置(図示せず)に格納されてもよいし、申請先サーバ300に格納されてもよい。
【0064】
例えば、確定申告書類には、氏名、生年月日、住所、及び性別等を入力する項目が存在する。この場合、書類特定部1401は、例えば、設定情報に基づいて、特定の個人情報を、必要書類情報から特定する。
【0065】
また、確定申告書類には各種の金額が入力される項目が存在する。以降、入力項目であって、金額が入力される項目を金額項目と称する。金額項目の一例は、給与所得を入力する項目である。この場合、書類特定部1401は、設定情報に基づいて、給与所得に関連する書類を、必要書類情報及び記載情報から特定する。給与所得に関連する書類の一例は、源泉徴収票である。すなわち、設定情報には、給与所得の入力項目に対応する書類として、源泉徴収票等が示される。例えば、必要書類情報取得部120が、情報管理サーバ400から源泉徴収票を示す情報を取得した場合、書類特定部1401は、必要書類情報から源泉徴収票を示す情報を特定する。
【0066】
また、金額項目の一例は、医療費を入力する項目である。より具体的には、確定申告書類には、医療行為を受けた人物の氏名、病院等の支払先の名称、医療費の区分、支払額、及び保険で補填される金額等を入力する項目が存在する。この場合、書類特定部1401は、医療費に関連する書類を、必要書類情報及び記載情報から特定する。医療費に関連する書類の一例は、医療費の領収書、保険料控除明細書、医療費控除明細書、及び生命保険料証明書である。すなわち、設定情報には、医療費の入力項目に対応する書類として、医療費の領収書、保険料控除明細書、医療費控除明細書、及び生命保険料証明書等が示される。例えば、必要書類情報取得部120が、情報管理サーバ400から保険料控除明細書を示す情報を取得した場合、書類特定部1401は、必要書類情報から、保険料控除明細書を示す情報を特定する。また、読取部130によって図8Bに示すような記載情報が取得された場合、書類特定部1401は、記載情報から、医療費明細書の記載情報を特定する。
【0067】
また金額項目の一例は、寄付金を入力する項目である。この場合、書類特定部1401は、設定情報に基づいて、寄付金に関連する書類を、必要書類情報及び記載情報から特定する。寄付金に関連する書類の一例は、寄付金受領証である。すなわち、設定情報には、寄付金の入力項目に対応する書類として、寄付金受領証等が示される。例えば、画像生成部240により寄付金受領証の書類データが生成され、読取部130により当該書類データの記載情報が読み取られたとする。この場合、書類特定部1401は、記載情報から、寄付金受領証の記載情報を特定する。
【0068】
なお、入力項目は上述の例に限られない。申請書類に存在する入力項目のそれぞれに対して設定情報が存在する。そして、書類特定部1401は、入力項目のそれぞれについて、関連する書類を特定する。また書類特定部1401は、一の入力項目に対して複数の関連する書類を特定してよい。
【0069】
このように、抽出部140は、申請書類の入力項目ごとに、入力項目に関連する書類を、必要書類情報及び記載情報から特定する。
【0070】
そして、情報抽出部1402は、特定された書類から入力項目に対応する情報を抽出する。例えば、氏名、生年月日、住所、及び性別の入力項目に対しては、特定の個人情報が対応する。この場合、情報抽出部1402は、特定の個人情報から、氏名、生年月日、住所、及び性別を示す情報を抽出する。
【0071】
また例えば、給与所得の入力項目に対しては、給与所得の金額を示す金額情報が対応する。この場合、情報抽出部1402は、例えば、源泉徴収票を示す情報から、給与所得の金額を示す金額情報を抽出する。また、上述のような医療費の入力項目には、例えば、医療行為を受けた氏名、病院等の支払先の名称、医療費の区分、及び支払額が対応する。この場合、情報抽出部1402は、例えば、医療費領収書の記載情報から、氏名、支払先、医療費の区分、及び支払額の情報を抽出する。また、寄付金の入力項目には、例えば、寄付金の金額情報が対応する。この場合、情報抽出部1402は、例えば、寄付金受領証の記載情報から、寄付金の金額情報を抽出する。
【0072】
このように、抽出部140は、特定された書類から、入力項目に対応する情報を抽出する。
【0073】
ここで、金額項目においては、複数の情報を統合する必要がある場合がある。例えば、寄付金の入力項目に情報を入力するとする。寄付を複数回行っていたり、複数の団体に寄付を行っていたりする場合は、複数の寄付における寄付金の合計額が必要となることもある。このような場合、抽出部140は、寄付金の入力項目に対応する情報を、複数の情報から抽出する。例えば、画像生成部240によって、複数の寄付金受領証の書類データが生成されるとする。すると、読取部130は、複数の寄付金受領証の書類データのそれぞれから記載情報を読み取る。この場合、書類特定部1401は、記載情報から、複数の寄付金受領証の記載情報を特定する。そして、情報抽出部1402は、寄付金受領証の記載情報のそれぞれから、寄付金の金額情報を抽出する。
【0074】
このように、抽出部140は、入力項目が、金額が入力される金額項目である場合、特定された書類から、当該金額項目に対応する一以上の金額情報を抽出してよい。
【0075】
生成部150は、申請書類情報を生成する。例えば、生成部150は、申請書類であるフォーマット情報に示された入力項目に、抽出部140によって抽出された情報に基づく情報を入力する。このとき生成部150は、抽出された情報を入力項目に入力してよい。例えば、給与所得の入力項目に対して、源泉徴収票の給与所得の金額情報が抽出されたとする。この場合、生成部150は、抽出された金額情報を、給与所得の入力項目に入力する。
【0076】
複数の情報を統合する場合、生成部150は、統合した情報を入力項目に入力してよい。例えば上述のように、寄付金の入力項目に情報を入力する場合であって、複数の寄付金の金額情報が抽出されている場合、生成部150は、抽出された金額情報の合計額を算出する。そして、生成部150は、算出された合計額の情報を寄付金の入力項目に入力してよい。すなわち、生成部150は、抽出された金額情報に示される金額の合計額を、金額項目に入力してよい。生成部150は、申請書類の入力項目に情報を入力することによって、申請書類情報を生成する。
【0077】
送信部160は、申請書類情報を送信する。具体的には、送信部160は、申請先サーバ300に、申請書類情報を送信する。これにより、申請書類情報が申請先に送付される。すなわち、申請が完了する。
【0078】
なお、送信部160は、申請先サーバ300に申請書類情報を送信する前に、複合機200に申請書類情報を送信してよい。これは、複合機200において、生成された申請書類情報をユーザに確認させるためである。例えば、送信部160が申請書類情報を複合機200に送信する。複合機200の出力制御部220は、複合機200において申請書類情報を出力する。
【0079】
図9は、表示される申請書類情報の一例である。出力制御部220は、例えば、図9に示すような画像を、複合機200のディスプレイに表示する。ユーザは、表示された申請書類情報を確認することができる。このとき、複合機200は、申請書類情報の修正の入力操作を受け付けてよい。図9の例では、申請書類情報の各入力項目に「修正」と記載されたアイコンが表示される。例えば、入力受付部210は、当該アイコンの選択を受け付ける。入力受付部210が選択を受け付けると、出力制御部220は、選択されたアイコンに対応する入力項目の入力内容に対する入力画面を表示する。そして、入力受付部210は、ユーザからの入力操作を受け付けると入力された情報を、申請書類情報の入力項目に反映させる。
【0080】
また、図9の例では、「OK(申請書類を送付する)」という文字を示すアイコンが表示されている。例えば、入力受付部210は、当該アイコンの選択を受け付けると、申請書類情報の送付が許可されたことを示す許可通知を申請支援装置100に送信する。申請書類情報に修正があった場合は、入力受付部210は、修正された申請書類情報も申請支援装置100に送信する。申請支援装置100の送信部160は、許可通知を受信すると、申請書類情報を申請先サーバ300に送信する。送信部160が、修正された申請書類情報を受信した場合、修正された申請書類情報を申請先サーバ300に送信する。
【0081】
[申請支援システム1000の動作例]
次に、申請支援システム1000の動作の一例を、図10を用いて説明する。
【0082】
図10は、申請支援システム1000の動作の一例を説明するシーケンス図である。複合機200の入力受付部210は、申請書類作成の要求を受け付ける(S101)。このとき、出力制御部220が、図6に示すような受付画像をディスプレイに表示する。入力受付部210は、例えば、「申請書類作成」のアイコンの選択を受け付けることにより申請書類作成の要求を受け付けてよい。入力受付部210は、申請書類作成の要求を申請支援装置100に送信する。申請支援装置100に当該要求が送信されると、書類特定部1401は申請書類を取得する(S102)。例えば書類特定部1401は、申請に必要な入力項目が示されたフォーマット情報を、申請書類として取得する。
【0083】
次に、認識部230は、識別情報を認識する(S103)。具体的には、出力制御部220は、図7に示すような指示情報をディスプレイに表示する。ユーザは、指示情報に従って情報記録媒体を設置する。認識部230は、例えば、近距離無線通信を利用して、情報記録媒体から識別情報を認識する。認識部230は、識別情報を申請支援装置100に送信する。
【0084】
申請支援装置100の識別情報取得部110は、複合機200から識別情報を取得する(S104)。必要書類情報取得部120は、識別情報に基づいて、情報管理サーバ400から必要書類情報を取得する(S105)。
【0085】
複合機200の画像生成部240は、書類をスキャンする(S106)。このとき画像生成部240は、スキャンされた書類の書類データを生成する。読取部130は、生成された書類データから記載情報を読み取る(S107)。読取部130は、記載情報を申請支援装置100に送信する。
【0086】
書類特定部1401は、申請書類の入力項目に関連する書類を、必要書類情報及び記載情報から特定する(S108)。情報抽出部1402は、特定された書類から、入力項目に対応する情報を抽出する(S109)。
【0087】
生成部150は、抽出された情報に基づく情報を、申請書類の入力項目に入力する(S110)。これにより、生成部150は、申請書類情報を生成する。ここで、送信部160は、申請書類情報を複合機200に送信する。
【0088】
複合機200の出力制御部220は、申請書類情報を、複合機200のディスプレイに表示する(S111)。例えば、出力制御部220は、図9に示すような画像を表示する。このとき、入力受付部210は、ユーザから、申請書類情報に対する修正の入力操作を受け付けてよい。修正の入力操作が受け付けられた場合、修正された情報が、申請書類情報に反映される。そして、入力受付部210は、申請書類情報の送付の要求を受け付ける(S112)。このとき入力受付部210は、申請書類情報の送付が許可されたことを示す許可通知を申請支援装置100に送信する。なお、申請書類情報が修正されている場合、入力受付部210は、修正された申請書類情報を申請支援装置100に送信する。
【0089】
送信部160は、許可通知を受信すると、申請書類情報を申請先サーバ300に送信する(S113)。ここで、送信部160は、修正された申請書類情報を受信した場合、修正された申請書類情報を申請先サーバ300に送信する。
【0090】
なお、本動作例はあくまで一例である。すなわち、申請支援システム1000の動作はこの例に限られない。例えば、申請書類の入力項目に関連する書類が、必要書類情報から特定可能である場合、複合機200において、書類がスキャンされる必要がない。このような場合には、書類をスキャンする処理や、記載情報を読み取る処理等は省略することができる。例えば、申請支援システム1000は、S105の処理の後、S106及びS107の処理を行わず、S108以降の処理を行ってもよい。
【0091】
このように、申請支援システム1000は、ユーザを識別する識別情報を取得し、取得された識別情報に基づいて、識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得する。また、申請支援システム1000は、複合機においてスキャンされた書類を示す書類データから、当該書類に記載された情報である記載情報を読み取る。さらに、申請支援システム1000は、必要書類情報と記載情報とから、申請書類の入力項目に対応する情報を抽出する。そして、申請支援システム1000は、抽出された情報に基づく情報が入力項目に入力された、申請書類情報を生成する。
【0092】
このとき、申請支援システム1000は、申請書類の入力項目ごとに、入力項目に関連する書類を、必要書類情報及び記載情報から特定し、特定された書類から、前記入力項目に対応する情報を抽出してよい。さらに、申請支援システム1000は、抽出された情報に基づく情報を、入力項目に入力してよい。
【0093】
つまり、申請支援システム1000は、ユーザを識別する識別情報と、複合機においてスキャンされた書類と、から申請書類情報を生成する。そのため、申請支援システム1000は、申請書類の作成におけるユーザが行う作業を減らすことができる。すなわち、申請支援システム1000は、申請書類の作成における負担を軽減することができる。
【0094】
また、申請支援システム1000は、入力項目が、金額を示す金額項目である場合、特定された書類から、当該金額項目に対応する一以上の金額情報を抽出してよい。そして、申請支援システム1000は、抽出された金額情報に示される金額の合計額を、金額項目に入力してよい。これにより、例えば、入力項目に入力すべき金額の情報が、各種費用の合計額である場合であっても、申請支援システム1000は、適切に金額の情報を入力することができる。
【0095】
[変形例1]
申請支援システム1000の構成は、第1及び第2の実施形態で説明した構成に限られない。具体的には、申請支援装置100と複合機200とは一体の装置として実現されてよい。複合機200が申請支援装置100を備えてもよい。
【0096】
[変形例2]
申請支援システム1000は、ユーザの本人確認を行ってもよい。具体的には、申請支援システム1000は、申請書類情報の生成の前に、ユーザの生体情報に基づいて、生体認証を行うことによりユーザの本人確認を行ってもよい。
【0097】
生体情報は、人物の顔、指紋、静脈、虹彩、声、及び耳介等の生体に関する特徴を示す情報である。ユーザは、生体情報を格納する情報記録媒体を所持する。情報記録媒体は、ICカードであってもよいし、スマートフォン等の携帯型端末であってもよい。このとき、複合機200には、ユーザの生体情報を読み取ることが可能なカメラ、センサ、及びマイク等の読取装置が搭載される。入力受付部210は、読取装置によって読み取られたユーザの生体情報の入力を受け付ける。また、認識部230は、近距離無線通信を利用して、情報記録媒体から生体情報を取得する。そして、認識部230は、入力された生体情報と情報記録媒体から取得された生体情報とに基づいて生体認証を行う。生体認証が成功した場合、認識部230は、識別情報を認識してよい。また、生体認証が失敗した場合、申請支援システム1000は、申請書類情報の生成を行わないようにしてもよい。
【0098】
本人確認の一例として顔認証が行われる例を説明する。また、情報記録媒体としてマイナンバーカードが利用されるとする。
【0099】
例えば、図10のS102の処理の後に、複合機200において、カメラでユーザの顔が撮影される。入力受付部210は、ユーザの顔が撮影された撮影画像の入力を受け付ける。次に、出力制御部220は、図7に示すような指示情報をディスプレイに表示する。ユーザが、指示情報に従ってマイナンバーカードを設置すると、認識部230は、マイナンバーカードに格納された顔に関する生体情報を取得する。そして、認識部230は、撮影画像とマイナンバーカードに格納された生体情報とを用いて顔認証を行う。顔認証が成功した場合、申請支援システム1000は、S103以降の処理を行う。顔認証が失敗した場合、申請支援システム1000は処理を終了する。このとき、出力制御部220が、本人確認ができなかったことを示す情報をディスプレイに表示してよい。
【0100】
[変形例3]
識別情報は、ユーザの公的証明書に関する情報でなくともよい。例えば、識別情報は、ユーザによって予め設定された所定のID(IDentifier)及びパスワードであってもよい。この例に限られず、識別情報は、ユーザを一意に識別する情報であればよい。例えば識別情報は、ユーザの生体情報であってもよい。
【0101】
[変形例4]
識別情報の取得手法は、近距離無線通信を利用するものでなくともよい。具体的には、入力受付部210が、ユーザの入力操作を受け付けることにより、申請支援システム1000は識別情報を取得してもよい。この場合、ユーザは、例えば、複合機200が有するタッチパネル及びキーボード等の入力機器を用いて識別情報を入力する。入力受付部210は、このように入力された識別情報を申請支援装置100に送信する。
【0102】
また、認識部230が、所定のコードを読み取ることにより、申請支援システム1000は識別情報を取得してもよい。この場合、ユーザは、所定のコードが表示された携帯端末を、複合機200が有するカメラにかざす。認識部230は、カメラによって撮影された所定のコードから、識別情報を取得する。所定のコードは、例えば、一次元バーコード、及び二次元バーコードである。この例に限られず、所定のコードは、識別情報が変換された情報であってよい。
【0103】
また、申請支援システム1000は、生体情報を利用して識別情報を取得してもよい。この場合、生体情報と識別情報とが関連付けられたデータベースが存在する。例えば識別情報がマイナンバーカードに関する情報であれば、当該データベースには、生体情報とマイナンバーカードに関する情報とが関連付けられた情報が含まれる。当該データベースは、申請支援装置100が有する記憶装置(図示せず)または情報管理サーバ400に格納されてよい。例えば、複合機200が、ユーザの生体情報を読み取ることが可能なカメラ、センサ、及びマイク等の読取装置を搭載する。入力受付部210は、読取装置によって読み取られたユーザの生体情報の入力を受け付ける。そして、入力受付部210は、入力された生体情報を申請支援装置100に送信する。識別情報取得部110は、データベースから、送信された生体情報と同様の生体情報に関連付けられた識別情報を取得してよい。これにより、申請支援システム1000は、ユーザが、識別情報が示された情報記録媒体を所持していなくとも、申請書類情報を生成することができる。
【0104】
[変形例5]
申請支援システム1000は、各種情報を各種装置に格納する制御を行ってよい。
【0105】
例えば、複合機200にUSBメモリ等の情報記録媒体が接続される。出力制御部220は、複合機200と接続される情報記録媒体に、必要書類情報及び書類データの少なくとも一方を格納してよい。申請の種類によっては、申請に用いた書類を一定期間保存することが求められることがある。例えば、確定申告においては、医療費領収書の一定期間の保存が求められる場合がある。出力制御部220が、必要書類情報及び書類データを情報記録媒体に格納することにより、ユーザは、申告に用いた書類の情報を一元管理することができる。このとき、出力制御部220は、申請先サーバ300に送信された申請書類情報を、情報記録媒体に格納してもよい。
【0106】
また出力制御部220は、申請書類情報を複合機200においてプリントアウトしてもよい。
【0107】
また、申請支援システム1000は、申請先サーバ300とは異なる装置に、必要書類情報、書類データ、記載情報、及び申請書類情報を送信してもよい。例えば、送信部160は、ユーザがアクセス可能なサーバに、必要書類情報、書類データ、記載情報、及び申請書類情報を送信してもよい。また、例えば送信部160は、ユーザが利用するパーソナルコンピュータ等の端末装置に、必要書類情報、書類データ、記載情報、及び申請書類情報を送信してもよい。これにより、ユーザは、必要書類情報、書類データ、記載情報、及び申請書類情報を確認することができる。
【0108】
[変形例6]
申請支援システム1000は、申請を行いたい申請者の代理人によって利用されてもよい。
【0109】
例えば、申請支援装置100が有する記憶装置(図示せず)に対応情報が予め格納される。対応情報は、代理人の識別情報と申請者の識別情報とが関連付けられた情報である。このとき、代理人の識別情報と申請者の識別情報とは異なる種類の情報であってよい。例えば、代理人の識別情報が、代理人によって定められた所定のID及びパスワードであり、申請者の識別情報が公的証明書に関する情報であってもよい。
【0110】
この場合、出力制御部220は、本人による申請書類作成か、代理人による申請書類作成か、を選択させる画像を表示する。そして入力受付部210は、代理人による申請書類作成の要求を受け付ける。そして、認識部230は、代理人の識別情報を認識すると、識別情報を申請支援装置100に送信する。
【0111】
識別情報取得部110は、代理人の識別情報を取得すると、対応情報に基づいて、代理人の識別情報に対応する申請者の識別情報を特定する。必要書類情報取得部120は、特定された申請者の識別情報に基づいて必要書類情報を取得する。
【0112】
このように、申請支援システム1000は、ユーザと異なる人物に関する申請の要求を受け付ける。また、申請支援システム1000は、ユーザの前記識別情報を取得し、ユーザの識別情報に関連付けられた、当該人物の識別情報を取得する。そして、申請支援システム1000は、当該人物の識別情報に基づいて、当該人物の識別情報と関連付けられた必要書類情報を取得してよい。
【0113】
識別情報は、取り扱いに注意が必要な個人情報である。そのため、ユーザが他人の識別情報を利用することが推奨されない場合がある。これに対して、申請支援システム1000は、申請者の代理人の識別情報を利用して、申請者の申請書類情報を生成することができる。すなわち、代理人が申請者の識別情報を直接扱うことがなくとも、申請支援システム1000は、申請者の申請書類情報を生成することができる。
【0114】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態の申請支援システムについて説明する。第3の実施形態では、申請書類の具体的な入力項目に対する処理例を説明する。なお、第1及び第2の実施形態と重複する内容は、一部説明を省略する。
【0115】
本実施形態においても、ユーザが確定申告を行う例について主に説明する。
【0116】
[申請支援システム1000の詳細]
図11は、申請支援システム1001の機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように申請支援システム1001は、申請支援装置101と複合機200とを備える。申請支援システム1001は、申請支援システム1000と比較して、申請支援装置100に代わって申請支援装置101を備える。申請支援システム1001は、申請支援システム1000と同様に、申請先サーバ300及び情報管理サーバ400と、通信可能に接続される。
【0117】
申請支援システム1001は、申請支援システム1000の処理に加えて、以下で説明する処理を行ってよい。
【0118】
申請支援装置101は、識別情報取得部110と必要書類情報取得部120と抽出部141と生成部151と送信部160とを備える。また、抽出部141は、書類特定部1403と情報抽出部1404とを備える。
【0119】
申請支援装置101の処理を、入力項目の具体例を用いて説明する。
【0120】
[具体例1]
医療費に関する入力項目においては、通院に要する費用である通院費の入力を求められることがある。この場合、書類特定部1403は、通院費の入力項目に関連する書類を、必要書類情報及び記載情報から特定する。
【0121】
例えば、図10のS108の処理において、書類特定部1403は、ユーザの住所を示す書類を特定する。書類の一例は、公的証明書、住民基本台帳、及びポータルサイトのシステムにおいて管理される特定の個人情報である。この例に限られず、特定される書類は、ユーザの住所を示す書類であればよい。書類特定部1403は、必要書類情報及び記載情報のから、ユーザの住所を示す書類を特定する。
【0122】
また、書類特定部1403は、ユーザが通院した医療機関の場所を示す書類を特定する。書類の一例は、健康保険に関する情報及び医療費領収書である。この例に限られず、特定される書類は、医療機関の場所を示す書類を特定してよい。書類特定部1403は、必要書類情報及び記載情報から、医療機関の場所を示す書類を特定する。例えば、図8Aのような医療費領収書が複合機200においてスキャンされ、図8Bのような記載情報が読み取られたとする。この場合、記載情報には、医療費の支払先の住所が示される。書類特定部1403は、このような医療費領収書の記載情報を特定してよい。
【0123】
例えば、図10のS109の処理において、情報抽出部1404は、特定された書類から各種情報を抽出する。具体的には、情報抽出部1404は、特定された書類から、ユーザの住所を示す情報を抽出する。また、情報抽出部1404は、特定された書類から、医療機関の場所を示す情報を抽出する。例えば、情報抽出部1404は、医療費の支払先の住所を示す情報を抽出する。
【0124】
このように抽出部141は、特定された書類から、ユーザの住所と、医療費の支払先の住所と、を抽出してよい。
【0125】
例えば、図10のS109の処理の後に、生成部151は、抽出された情報に基づいて、通院費を算出する。具体的には、生成部151は、ユーザの住所と医療費の支払先の(医療機関)の住所とから、ユーザが医療機関に向かう際に利用する交通機関を推定する。交通機関は、鉄道、及びバス等である。生成部151は、ユーザの住所の最寄り駅と医療機関の最寄り駅とを特定してよい。ここで、「駅」は、鉄道の駅及びバスの停留所を含む。そして、生成部151は、ユーザの住所の最寄り駅と医療機関の最寄り駅とを結ぶ交通機関を推定してよい。
【0126】
例えば、ユーザの住所の最寄り駅が第1の駅であり、医療機関の最寄り駅が第2の駅であるとする。ここで、第1の駅から第2の駅の間に第3の駅が存在するとする。そして、第1の駅から第2の駅に向かうためには、第3の駅で、鉄道XからバスYに乗り換える必要があるとする。この場合、生成部151は、第1の駅から第3の駅までの区間の鉄道Xと、第3の駅から第2の駅までのバスYと、をユーザが医療機関に向かう際に利用する交通機関として推定する。次に生成部151は、推定された交通機関の利用に要する費用を算出する。このとき、生成部151は、往復分の費用を算出する。例えば、生成部151は、第1の駅と第2の駅との区間を移動する場合の往復運賃を算出する。
【0127】
その後、例えば、図10のS110の処理として、生成部151は、算出した費用を、通院費の入力項目に入力する。
【0128】
このように、生成部151は、抽出された支払先の住所とユーザの住所とに基づいて、ユーザが利用する交通機関を推定してよい。そして、生成部151は、推定された当該交通機関の利用に要する費用を、通院費に関する項目に入力してよい。
【0129】
[具体例2]
医療費に関する入力項目においては、ユーザと異なる人物の医療費の入力を求められることがある。ユーザと異なる人物の一例は、ユーザと同一世帯の家族である。また、ユーザと異なる人物は、ユーザが扶養する人物であってもよい。この場合、書類特定部1403は、ユーザと異なる人物の医療費に関する入力項目に関連する書類を、必要書類情報及び記載情報から特定する。
【0130】
例えば、図10のS108の処理において、書類特定部1403は、ユーザと同一世帯の人物を特定可能な書類を特定する。例えば、書類特定部1403は、必要書類情報から、家族構成に関する情報を含む住民基本台帳、及び、ユーザが扶養する人物に関する情報を含む健康保険に関する情報等を特定する。書類特定部1403は、特定された情報から、ユーザと同一世帯の人物を特定する。そして、書類特定部1403は、特定された人物ごとに、必要書類情報及び記載情報から、医療費に関する入力項目に関連する書類を特定する。
【0131】
次に、例えば図10のS109の処理において、書類特定部1403は、特定された人物ごとに、特定された書類から、医療費に関する項目に対応する情報を抽出する。
【0132】
このように、抽出部141は、必要書類情報に基づいて、ユーザと同一世帯の人物を特定してよい。そして、抽出部141は、特定された当該人物ごとに、医療費に関する項目に関連する書類を特定し、特定された書類から、医療費に関する項目に対応する情報を抽出してよい。
【0133】
そして、例えば図10のS110の処理において、生成部151は、ユーザと同一世帯の人物について、抽出された情報に基づく情報を、医療費に関する項目に入力してよい。
【0134】
このように、第3の実施形態では、申請支援システム1001は、申請書類が確定申告書類である場合に、以下の処理を行ってよい。
【0135】
例えば、入力項目が通院費に関する項目である場合、申請支援システム1001は、特定された書類から、ユーザの住所と、医療費の支払先の住所と、を抽出する。そして、申請支援システム1001は、抽出された支払先の住所とユーザの住所とに基づいて、ユーザが利用する交通機関を推定し、推定された当該交通機関の利用に要する費用を、通院費に関する項目に入力してよい。
【0136】
通院費については、領収書が無かったり、各種のデータに記録されなかったりすることがある。そのためユーザは、通院費を自身で計算し、申請書類の入力項目に入力することが求められることがある。これに対して申請支援システム1001は、通院費を算出して、適宜入力項目に入力することができる。これにより、申請支援システム1001は、申請書類の作成におけるユーザの負担を軽減することができる。
【0137】
また、例えば、入力項目が医療費に関する項目である場合、申請支援システム1001は、前記必要書類情報に基づいて、ユーザと同一世帯の人物を特定する。また、申請支援システム1001は、特定された当該人物ごとに、医療費に関する項目に関連する書類を特定し、特定された書類から、医療費に関する項目に対応する情報を抽出する。そして、申請支援システム1001は、抽出された情報に基づく情報を、医療費に関する項目に入力してよい。
【0138】
医療費については、申請者と生計を同一とする人物等、同一世帯の人物の医療費について入力を求められることがある。これに対して申請支援システム1001は、ユーザと同一世帯の人物の医療費についても入力することができる。これにより、申請支援システム1001は、申請書類の作成におけるユーザの負担を軽減することができる。
【0139】
<申請支援システムのハードウェアの構成例>
上述した第1、第2、及び第3の実施形態の申請支援システムを構成するハードウェアについて説明する。図12は、各実施形態における申請支援システムを構成するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ装置90において、各実施形態及び各変形例で説明した、申請支援システム、及び申請支援方法が実現される。例えば、各実施形態及び各変形例で説明した申請支援装置、及び複合機等のそれぞれが、図12に示すハードウェア構成を有していてよい。
【0140】
図12に示すように、コンピュータ装置90は、プロセッサ91、RAM(Random Access Memory)92、ROM(Read Only Memory)93、記憶装置94、入出力インタフェース95、バス96、及びドライブ装置97を備える。なお、申請支援装置、及び複合機は、複数の電気回路によって実現されてもよい。
【0141】
記憶装置94は、プログラム(コンピュータプログラム)98を格納する。プロセッサ91は、RAM92を用いて本申請支援システムのプログラム98を実行する。具体的には、例えば、プログラム98は、図3、及び図10等に示す処理をコンピュータに実行させるプログラムを含む。プロセッサ91が、プログラム98を実行することに応じて、本申請支援システムの各構成の機能が実現される。プログラム98は、ROM93に記憶されていてもよい。また、プログラム98は、記憶媒体80に記録され、ドライブ装置97を用いて読み出されてもよいし、図示しない外部装置から図示しないネットワークを介してコンピュータ装置90に送信されてもよい。
【0142】
入出力インタフェース95は、周辺機器(キーボード、マウス、表示装置及び通信機器など)99とデータをやり取りする。入出力インタフェース95は、データを取得または出力する手段として機能する。このとき入出力インタフェース95は、外部の図示しないネットワークを介したデータのやり取りを行ってよい。バス96は、各構成を接続する。
【0143】
なお、申請支援システムの実現方法には様々な変形例がある。例えば、申請支援システムに含まれる各構成は、それぞれ専用の装置として実現することができる。また、申請支援システムは、それぞれ複数の装置の組み合わせに基づいて実現することができる。
【0144】
各実施形態の機能における各構成を実現するためのプログラムを記憶媒体に記録させ、該記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体、及びそのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0145】
該記憶媒体は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disc)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、またはROMであるが、この例に限られない。また該記憶媒体に記録されたプログラムは、単体で処理を実行しているプログラムに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するプログラムも各実施形態の範疇に含まれる。
【0146】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0147】
また、上記実施形態及び変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0148】
100、101 申請支援装置
110 識別情報取得部
120 必要書類情報取得部
130 読取部
140、141 抽出部
1401、1403 書類特定部
1402、1404 情報抽出部
150、151 生成部
160 送信部
200 複合機
210 入力受付部
220 出力制御部
230 認識部
240 画像生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12