(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140358
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】移送方法判定システム、判定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20241003BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20241003BHJP
G06Q 10/083 20240101ALI20241003BHJP
H04L 43/0888 20220101ALI20241003BHJP
H04L 67/1095 20220101ALI20241003BHJP
H04L 67/06 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
H04L67/00
G01C21/34
G06Q10/083
H04L43/0888
H04L67/1095
H04L67/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051458
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】大竹 一昭
(72)【発明者】
【氏名】村松 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】矢内 勝
(72)【発明者】
【氏名】山中 規次
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 誠
【テーマコード(参考)】
2F129
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129AA05
2F129AA08
2F129AA11
2F129CC16
2F129DD15
2F129DD20
2F129DD64
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE83
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF49
2F129FF63
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】効率的なリソースの使用を実現する、移送方法判定システム、プログラム、及びその方法を提供する。
【解決手段】移送方法判定システム1001にて取得部11は、第1指標値及び第2指標値を取得する。第1指標値は、対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する指標値である。また、第2指標値は、対象データが格納された記憶媒体を基準地から目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する指標値である。第1判定部21は、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値と、前記対象データが格納された記憶媒体を前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値と、を取得する取得部と、
前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する第1判定部と、
を具備する移送方法判定システム。
【請求項2】
前記取得部は、
前記通信ネットワークにおける通信速度を算出する第1算出部と、
前記算出された通信速度と、前記対象データのデータサイズとを用いて、前記第1移送方法によって前記対象データを運ぶことに要する送信時間を、前記第1指標値として算出する第2算出部と、
を具備する、
請求項1に記載の移送方法判定システム。
【請求項3】
前記取得部は、
前記基準地から前記目的地までの運搬経路を算出する第3算出部と、
前記算出された運搬経路を移動するために要する時間を前記第2指標値として算出する第4算出部と、
を具備する、
請求項1又は2に記載の移送方法判定システム。
【請求項4】
前記取得部は、
前記基準地から前記目的地までの運搬経路を算出する第3算出部と、
前記算出された運搬経路を移動するために要する時間を算出する第4算出部と、
前記対象データのデータサイズに基づいて前記対象データを前記記憶媒体に書き込むことに要する時間を算出する第5算出部と、
前記第4算出部にて算出された時間と前記第5算出部にて算出された時間とを加算した加算時間を、前記第2指標値として算出する第6算出部と、
を具備する、
請求項1又は2に記載の移送方法判定システム。
【請求項5】
前記対象データの機密レベルを判定する第2判定部をさらに具備し、
前記取得部は、
前記通信ネットワークにおける通信速度を算出する第1算出部と、
前記算出された通信速度と、前記算出されたデータサイズとを用いて、前記第1移送方法によって前記対象データを運ぶことに要する時間を算出する第2算出部と、
前記第2算出部にて算出された時間に、前記第2判定部にて判定された機密レベルに応じた重み付け処理を行うことによって、前記第1指標値を算出する第7算出部と、
を具備する、
請求項1に記載の移送方法判定システム。
【請求項6】
機密レベルに対応する重み値を保持するテーブルを記憶する記憶部をさらに具備し、
前記第7算出部は、前記第2判定部にて判定された機密レベルと前記テーブルにて対応づけられている重み値を用いて前記重み付け処理を行う、
請求項5記載の移送方法判定システム。
【請求項7】
対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値と、前記対象データが格納された記憶媒体を前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値と、を取得することと、
前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定することと、
を具備する判定方法。
【請求項8】
対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値と、前記対象データが格納された記憶媒体を前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値と、を取得することと、
前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定することと、
を含む処理を、コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
対象データを、基準地から目的地まで運ぶ第1移送方法に要する第1指標値、及び、前記対象データを前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に要する第2指標値を取得し、前記第1移送方法の移送ルートは、前記対象データが通信ネットワークを介して伝送されることによって前記対象データが移送される区間と、前記対象データが格納された記憶媒体が運搬されることによって前記対象データが移送される区間と、を含み、前記第2移送方法の移送ルートは、前記対象データが格納された記憶媒体が運送されることによって前記対象データが移送される区間を少なくとも含む、取得部と、
前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する第1判定部と、
を具備する移送方法判定システム。
【請求項10】
推奨移送方法を判定する判定方法であって、
対象データを、基準地から目的地まで運ぶ第1移送方法に要する第1指標値、及び、前記対象データを前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に要する第2指標値を取得すること、を含み、
前記第1移送方法の移送ルートは、前記対象データが通信ネットワークを介して伝送されることによって前記対象データが移送される区間と、前記対象データが格納された記憶媒体が運搬されることによって前記対象データが移送される区間と、を含み、
前記第2移送方法の移送ルートは、前記対象データが格納された記憶媒体が運送されることによって前記対象データが移送される区間を少なくとも含み、
前記判定方法は、前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定すること、をさらに含む、
判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移送方法判定システム、判定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、送信元の端末装置から送信先の端末装置にデータを転送する技術が開示されている。特許文献1に開示されている技術では、転送すべきデータ量が所定量を超えた場合、データがネットワークを介して転送されると共に、データを格納した物理媒体が搬送される(特許文献1の
図5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、リソースが無駄に使用される可能性がある。すなわち、送信先の端末装置にて物理媒体に格納されたデータが使用される場合であっても、ネットワークのリソースまでも使用されることになる。また、送信先の端末装置にてネットワークを介して転送されたデータが使用される場合であっても、物理媒体の搬送に用いられる人的リソースや搬送手段のリソース等までも使用されることになる。
【0005】
本開示の目的は、効率的なリソースの使用を実現する、移送方法判定システム、判定方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様に係る移送方法判定システムは、対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値と、前記対象データが格納された記憶媒体を前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値と、を取得する取得部と、前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちの1つを推奨移送方法として判定する判定部と、を具備する。
【0007】
本開示の第2の態様に係る判定方法は、対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値と、前記対象データが格納された記憶媒体を前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値と、を取得することと、前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定することと、を具備する。
【0008】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値と、前記対象データが格納された記憶媒体を前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値と、を取得することと、前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定することと、を含む処理を、コンピュータに実行させる。
【0009】
本開示の第4の態様に係る移送方法判定システムは、対象データを、基準地から目的地まで運ぶ第1移送方法に要する第1指標値、及び、前記対象データを前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に要する第2指標値を取得し、前記第1移送方法の移送ルートは、前記対象データが通信ネットワークを介して伝送されることによって前記対象データが移送される区間と、前記対象データが格納された記憶媒体が運搬されることによって前記対象データが移送される区間と、を含み、前記第2移送方法の移送ルートは、前記対象データが格納された記憶媒体が運送されることによって前記対象データが移送される区間を少なくとも含む、取得部と、前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する第1判定部と、を具備する。
【0010】
本開示の第5の態様に係る判定方法は、推奨移送方法を判定する判定方法であって、対象データを、基準地から目的地まで運ぶ第1移送方法に要する第1指標値、及び、前記対象データを前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に要する第2指標値を取得すること、を含み、前記第1移送方法の移送ルートは、前記対象データが通信ネットワークを介して伝送されることによって前記対象データが移送される区間と、前記対象データが格納された記憶媒体が運搬されることによって前記対象データが移送される区間と、を含み、前記第2移送方法の移送ルートは、前記対象データが格納された記憶媒体が運送されることによって前記対象データが移送される区間を少なくとも含み、
前記判定方法は、前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定すること、をさらに含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示により、効率的なリソースの使用を実現する、移送方法判定システム、本体方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る移送方法判定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第2実施形態に係る移送方法判定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第3実施形態に係る移送方法判定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第4実施形態に係る移送方法判定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第5実施形態に係る移送方法判定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第5実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、その他の実施形態に係る移送方法の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、移送方法判定システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0014】
<第1実施形態>
<移送方法判定システムの構成例>
図1は、第1実施形態に係る移送方法判定システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1において、移送方法判定システム1001は、取得部11と、移送方法判定部21とを有している。以下では、移送方法判定部21を、第1判定部21と呼ぶことがある。
図1においても、移送方法判定部21を、第1判定部21と記載している。
【0015】
取得部11は、第1指標値及び第2指標値を取得する。第1指標値は、対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する指標値である。また、第2指標値は、対象データが格納された記憶媒体を基準地から目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する指標値である。なお、第1指標値及び第2指標値の具体例については、第2実施形態以降において説明する。
【0016】
第1判定部21は、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。例えば、第1判定部21は、第1指標値及び第2指標値の大きさを比較し、この比較結果に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定又は選択してもよい。具体的には、第1判定部21第1指標値が第2指標値より小さい場合、第1移送方法を推奨移送方法として判定又は選択してもよい。また、第1判定部21第2指標値が第1指標値より小さい場合、第2移送方法を推奨移送方法として判定又は選択してもよい。なお、第2指標値が第1指標値と等しい場合に、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれが推奨移送方法として判定又は選択されるかについてのルールが、予め定められていてよい。
【0017】
<移送方法判定システムの動作例>
以上の構成を有する移送方法判定システム1001に用いられる判定方法の一例について説明する。
図2は、第1実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0018】
取得部11は、第1指標値及び第2指標値を取得する(ステップS101,S102)。
【0019】
第1判定部21は、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。具体的には、第1判定部21は、第1指標値が第2指標値よりも小さいかを判定する(ステップS103)。第1指標値が第2指標値よりも小さいと判定された場合(ステップS103、Yes)、第1判定部21は、第1移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS104)。第1指標値が第2指標値以上であると判定された場合(ステップS103、No)、第1判定部21は、第2移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS105)。
【0020】
なお、移送方法判定システム1001は、トリガ条件が満たされたときに、
図2の処理フローを開始してもよい。トリガ条件は、例えば、移送方法判定システム1001が、災害情報/ネットワーク障害情報を受信したことであってもよい。災害情報/ネットワーク障害情報は、例えば、気象庁などが配信する、緊急地震速報、津波警報、気象などに関する特別警報、及び、各省庁、地方公共団体が配信する災害・避難情報であってもよい。災害情報/ネットワーク障害情報は、例えば、エリアメールに含められて伝送されてもよい。エリアメールは、取得部11が受信してもよい。
【0021】
また、トリガ条件は、例えば、移送方法判定システム1001の管理者が移送方法判定システム1001を所定の操作手順で操作することであってもよい。この管理者は、管理者が有する端末(不図示)によって上記のエリアメールを受信したことを契機に所定の操作手順を行ってもよい。
【0022】
また、トリガ条件は、例えば、移送方法判定システム1001がSocial Network Service(SNS)を解析して、地震や津波等の災害が起こっていることを検知したことであってもよい。
【0023】
以上のように第1実施形態によれば、移送方法判定システム1001にて取得部11は、第1指標値及び第2指標値を取得する。第1指標値は、対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する指標値である。また、第2指標値は、対象データが格納された記憶媒体を基準地から目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する指標値である。第1判定部21は、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。
【0024】
この移送方法判定システム1001の構成により、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定することができるので、リソースが無駄に使用されることを回避できる。
【0025】
<第2実施形態>
第2実施形態は、取得部11の具体例に関する。
【0026】
<移送方法判定システムの構成例>
図3は、第2実施形態に係る移送方法判定システムの一例を示すブロック図である。
図3において第2実施形態に係る移送方法判定システム2001は、取得部11Aと、第1判定部21と、経路情報部41とを有している。経路情報部41には、対象データを移送するために用いる、経路に関する情報が格納されている。具体的には、経路に関する情報は、歩行、自動車、自転車などで移送するための地図情報、または電車、バス、飛行機などで移送するための時刻表などを有する。取得部11Aは、通信速度算出部31と、送信時間算出部32と、運搬経路算出部33と、移送時間算出部34とを有している。以下では、通信速度算出部31を、第1算出部31と呼ぶことがある。また、送信時間算出部32を、第2算出部32と呼ぶことがある。また、運搬経路算出部33を、第3算出部33と呼ぶことがある。また、移送時間算出部34を、第4算出部34と呼ぶことがある。
【0027】
通信速度算出部31(第1算出部31)は、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置までの通信ネットワークにおける通信速度を算出する。例えば、通信速度算出部31は、送信元装置に対して、所定のパケットを送信先装置に向けて送信させ、送信先装置から送り返された応答パケットを受信させると共に、所定のパケットを送信したタイミングから応答パケットを受信するタイミングまでの時間(つまり、応答時間)を計測させる。そして、通信速度算出部31は、パケットサイズと、応答時間とに基づいて、通信速度を算出する。例えば、通信速度算出部31は、計算式「パケットサイズ×2/応答時間」を用いて、通信速度[bytes/s]を算出してもよい。パケットサイズは、所定のパケット及び応答パケットのそれぞれのサイズである。ここで、所定のパケットとして、Packet InterNet Groper(Ping)が用いられてもよい。Pingは、主にネットワークの疎通を確認するために使用される。Pingを用いて、インターネット上の通信相手から応答パケットが返ってくるまでの通信の応答時間を測定することができる。この場合、通信速度算出部31は、応答時間として、Packet InterNet Groper(Ping)を取得してもよい。
【0028】
送信時間算出部32(第2算出部32)は、送信したい対象データのデータサイズ(データ量)を取得する。そして、送信時間算出部32は、通信速度算出部31にて算出された通信速度と、取得したデータサイズ(データ量)とに基づいて、第1移送方法によって対象データを運ぶことに要する送信時間を算出してもよい。例えば、送信時間算出部32は、計算式「データサイズ/通信速度」用いることによって、送信時間[s]を算出することができる。この第1移送方法によって対象データを運ぶことに要する送信時間そのものが、上記の第1指標値として用いられてもよい。
【0029】
運搬経路算出部33(第3算出部33)は、基準地から目的地までの運搬経路を算出する。具体的に、運搬経路算出部33は、移送方法判定システム内にある経路情報部41を用いて、運搬経路を取得(算出)する。経路情報部41は、例えば、歩行、自動車、自転車などの移動に必要な地図に関する情報、または電車、バス、飛行機などの移動に必要な時刻表に関する情報、などを有する。具体的には、運搬経路算出部33は、基準地から目的地までの経路に関する情報を経路情報部41から取得(算出)する。このとき、複数の移動経路が含まれる場合、運搬経路算出部33は、移動距離が最も短い移動経路を選択してもよい。なお、この運搬経路における移送するための移送手段には、歩行、自転車、自動車、電車、飛行機、またはバスなどのいずれが用いられてもよい。
【0030】
移送時間算出部34(第4算出部34)は、運搬経路算出部33で求めた運搬経路を元に、基準地から目的地までの移送時間を取得(算出)する。具体的には、運搬経路における移動距離と、各移送手段の速度とを用いて、計算式「移動距離/各移送手段の速度」を利用することによって、移送時間[s]を求めてもよい。
【0031】
なお、運搬に電車、バス、または飛行機などといった公共交通機関などが利用される場合には、移送時間算出部34は、経路情報部41に含まれる時刻表などを利用し、待ち時間や乗り換えに掛かる時間を考慮して、移送時間を取得(算出)してもよい。具体的には、電車を例に挙げると、乗り換えに掛かる時間を、一般的な歩行速度と、乗り換える電車間の移動距離とを用いて算出してもよい。その際に、乗り換え前の時刻表の到着時刻から、乗り換えに掛かる時間を加算し、乗り換え後の時刻表の出発時間を超過してしまう場合には、その次の時刻表の出発時刻を選択してもよい。
【0032】
また、この運搬経路について移送時間を取得(算出)する際には、ある特定の移送手段1つだけでなく他の移送手段も利用可能な場合には、ある特定の移送手段1つには限られず、複数の移送手段を用いた際の移送時間が並列に提示され、対象データの保有者が、任意に選択できるように構成されてもよい。
【0033】
第2実施形態の第1判定部21は、第1実施形態と同様に、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。第2実施形態では、例えば、送信時間算出部32にて取得(算出)された第1移送方法によって対象データを運ぶことに要する送信時間そのものが、第1指標値として用いられる。また、第2実施形態では、例えば、移送時間算出部34にて算出された移送時間そのものが、第2指標値として用いられる。
【0034】
<移送方法判定システムの動作例>
以上の構成を有する移送方法判定システム2001に用いられる判定方法の一例について説明する。
図4は、第2実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
通信速度算出部31は、基準地から目的地までの、ネットワークを介した通信速度を算出する(ステップS201)。
【0036】
送信時間算出部32は、送信したい対象データのデータサイズ(データ量)を取得するステップS202)。送信時間算出部32は、通信速度算出部31(第1算出部31)で取得した通信速度と、データサイズ(データ量)とを用いて、ネットワークを介した送信時間を算出する(ステップS203)。この送信時間が、第1指標値として用いられる。すなわち、第2実施形態のステップS201-S203は、第1実施形態のステップS101の具体例と捉えることができる。
【0037】
運搬経路算出部33は、基準地から目的地までの運搬経路を算出する(ステップS204)。
【0038】
移送時間算出部34は、この運搬経路を元に、基準地から目的地までの移送時間を取得する(ステップS205)。この移送時間が、第2指標値として用いられる。すなわち、第2実施形態のステップS204、S205は、第1実施形態のステップS102の具体例と捉えることができる。
【0039】
第1判定部21は、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。具体的には、第1判定部21は、第1指標値が第2指標値よりも小さいかを判定する(ステップS207)。第1指標値が第2指標値よりも小さいと判定された場合(ステップS207、Yes)、第1判定部21は、第1移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS208)。第1指標値が第2指標値より大きいと判定された場合(ステップS207、No)、第1判定部21は、第2移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS209)。
【0040】
<第3実施形態>
第3実施形態は、取得部の他の具体例に関する。
【0041】
<移送方法判定システムの構成例>
図5は、第3実施形態に係る移送方法判定システムの一例を示すブロック図である。
図5において第2実施形態に係る移送方法判定システム3001は、取得部11Bと、第1判定部21と、経路情報部41とを有している。取得部11Bは、通信速度算出部31と、送信時間算出部32と、運搬経路算出部33と、移送時間算出部34と、書き込み時間算出部35と、加算時間算出部36とを有している。また、書き込み時間算出部35を、第5算出部35と、加算時間算出部36を、第6算出部36と呼ぶことがある。
図5においても、書き込み時間算出部35を、第5算出部35と、加算時間算出部36を、第6算出部36と記載している。
【0042】
書き込み時間算出部35(第5算出部35)は、対象データを記憶媒体に書き込む時間を算出する。記憶媒体は、例えば、Universal Serial Bus(USB)、ハードディスク、または光ディスクなどである。このような記憶媒体には、転送速度が定められている。このため、書き込み時間算出部35は、通信速度算出部31で取得されたデータサイズと、記憶媒体の転送速度とに基づいて、記憶媒体に書き込む時間を算出してもよい。例えば、書き込み算出部35は、計算式「データサイズ/転送速度」を利用することで、記憶媒体に書き込む時間[s]を算出できる。また、転送速度は、実際にデータを書き込むことによって、測定されてもよい。例えば、記憶媒体の速度を測定するベンチマークソフトなどを用いることで、データ転送速度の実測値が測定されてもよい。
【0043】
加算時間算出部36(第6算出部36)は、移送時間算出部34で算出された移送時間と、書き込み時間算出部35で算出した記憶媒体に書き込む時間とを加算して、加算時間を算出する。第3実施形態では、この加算時間が上記の第2指標値として用いられる。
【0044】
第3実施形態の第1判定部21は、第1実施形態と同様に、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。第3実施形態では、例えば、送信時間算出部32にて算出された第1移送方法によって対象データを運ぶことに要する送信時間そのものが、上記の第1指標値として用いられる。また、第3実施形態では、例えば、加算時間算出部36にて算出された加算時間が、上記の第2指標値として用いられる。
【0045】
<移送方法判定システムの動作例>
以上の構成を有する移送方法判定システム3001の処理動作の一例について説明する。
図6は、第3実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0046】
通信速度算出部31は、基準地から目的地までの、ネットワークを介した通信速度を算出する(ステップS301)。
【0047】
送信時間算出部32は、送信したい対象データのデータサイズ(データ量)を取得するステップS12)。送信時間算出部32は、通信速度算出部31で取得した通信速度と、データサイズ(データ量)とを用いて、ネットワークを介した送信時間を算出する(ステップS302)。この送信時間が、第1指標値として用いられる。すなわち、第2実施形態のステップS301-S303は、第1実施形態のステップS101の具体例と捉えることができる。
【0048】
運搬経路算出部33は、基準地から目的地までの運搬経路を算出する(ステップS304)。
【0049】
移送時間算出部34は、この運搬経路を元に、基準地から目的地までの移送時間を取得する(ステップS305)。
【0050】
書き込み時間算出部35は、対象データを記憶媒体に書き込む時間を算出する(ステップS306)。
【0051】
加算時間算出部36は、移送時間算出部34で算出された移送時間と、書き込み時間算出部35で算出した記憶媒体に書き込む時間とを加算して、加算時間を算出する(ステップS307)。この加算時間が、第2指標値として用いられる。すなわち、第3実施形態のステップS304、S305、S306、S307は、第1実施形態のステップS102の具体例と捉えることができる。
【0052】
第1判定部21は、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。具体的には、第1判定部21は、第1指標値が第2指標値よりも小さいかを判定する(ステップS308)。第1指標値が第2指標値よりも小さいと判定された場合(ステップS308、Yes)、第1判定部21は、第1移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS309)。第1指標値が第2指標値より大きいと判定された場合(ステップS308、No)、第1判定部21は、第2移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS310)。
【0053】
<第4実施形態>
第4実施形態は、第2実施形態と異なり、外部システムから、運搬経路(移動経路)及び移送時間(移動時間)を取得する実施形態である。
【0054】
<移送方法判定システムの構成例>
図7は、第4実施形態に係る移送方法判定システムの一例を示すブロック図である。
図7において移送方法判定システム4001は、取得部11Cと、第1判定部21とを有している。取得部11Cは、通信速度算出部31と、送信時間算出部32と、経路情報処理部37とを有している。すなわち、移送方法判定システム4001の取得部11Cは、第2実施形態の取得部11Aと比べて、運搬経路算出部33及び移送時間算出部34の代わりに、経路情報処理部37を有している。
【0055】
経路情報処理部37は、外部システム42から、基準地から目的地までの移動経路及び移動時間を取得する。例えば、経路情報処理部37は、基準地に関する情報及び目的地に関する情報を含む要求信号を、外部システム42に向けて送信してもよい。そして、経路情報処理部37は、要求信号に応答して外部システム42から送信される応答信号を受け取ってもよい。この応答信号は、基準地から目的地までの移動経路及び移動時間を含んでいてもよい。外部システム42は、例えば、一般に利用可能な地図アプリ(例えば、googleマップ(登録商標)、NAVITIME(登録商標)、など)や、経路検索サイト(例えば、Yahoo!路線情報(登録商標)、goo地図(登録商標)、など)であってもよい。なお、応答信号に複数の移動経路と各移動経路に対応する移動時間が含まれる場合、経路情報処理部37は、移動時間が最も短い移動経路を選択してもよい。
【0056】
なお、この移動経路における移動するための移動手段には、歩行、自転車、自動車、電車、飛行機、またはバスなどのいずれが用いられてもよい。
【0057】
<移送方法判定システムの動作例>
以上の構成を有する移送方法判定システム4001の処理動作の一例について説明する。
図8は、第4実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0058】
通信速度算出部31は、基準地から目的地までの、ネットワークを介した通信速度を算出する(ステップS401)。
【0059】
送信時間算出部32は、送信したい対象データのデータサイズ(データ量)を取得するステップS402)。送信時間算出部32は、通信速度算出部31(第1算出部31)で取得した通信速度と、データサイズ(データ量)とを用いて、ネットワークを介した送信時間を算出する(ステップS403)。この送信時間が、第1指標値として用いられる。すなわち、第4実施形態のステップS401-S403は、第1実施形態のステップS101の具体例と捉えることができる。
【0060】
経路情報処理部37は、外部システムから、基準地から目的地までの運搬経路、及び、運搬経路の移送時間を取得する(ステップS404)。
【0061】
書き込み時間算出部35は、対象データを記憶媒体に書き込む時間を算出する(ステップS405)。
【0062】
加算時間算出部36は、移送時間算出部34で算出された移送時間と、書き込み時間算出部35で算出した記憶媒体に書き込む時間とを加算して、加算時間を算出する(ステップS406)。この加算時間が、第2指標値として用いられる。すなわち、第3実施形態のステップS404、S405、S406は、第1実施形態のステップS2の具体例と捉えることができる。
【0063】
第1判定部21は、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。具体的には、第1判定部21は、第1指標値が第2指標値よりも小さいかを判定する(ステップS407)。第1指標値が第2指標値以下であると判定された場合(ステップS407、Yes)、第1判定部21は、第1移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS408)。第1指標値が第2指標値より大きいと判定された場合(ステップS407、No)、第1判定部21は、第2移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS408)。
【0064】
<第5実施形態>
第5実施形態は、対象データの機密レベルに応じた重み付け処理を行う実施形態である。
【0065】
<移送方法判定システムの構成例>
図9は、第5実施形態に係る移送方法判定システムの一例を示すブロック図である。
図9において第5実施形態に係る移送方法判定システム5001は、取得部11Dと、第1判定部21と、機密レベル判定部22と、経路情報部41と、記憶部51とを有している。取得部11Dは、通信速度算出部31と、送信時間算出部32と、運搬経路算出部33と、移送時間算出部34と、書き込み時間算出部35と、加算時間算出部36と、重み値算出部38とを有している。すなわち、ここでは、機密レベル判定部22及び重み値算出部38を、第3実施形態の移送方法判定システムに適用した構成を一例として説明している。当然のことながら、機密レベル判定部22及び重み値算出部38を、第3実施形態以外の移送方法判定システムに適用することも可能である。機密レベル判定部22を、第2判定部22と、重み値算出部38を、第7算出部38と呼ぶことがある。
【0066】
機密レベル判定部22(第2判定部22)は、対象データの機密レベルを判定する。対象データの機密レベルは、例えば極秘、社外秘、公開、などに分けることができる(それぞれレベル3、レベル2、レベル1、のように表現してもよい)。
【0067】
重み値算出部38(第7算出部38)は、機密レベル判定部22にて判定された機密レベルに応じた重み付け処理を行うことによって、第1指標値を算出する。例えば、記憶部51は、
図10に示すような、機密レベルに対応する重み値を保持するテーブルを記憶している。第7算出部38は、機密レベル判定部22にて判定された機密レベルとテーブルにて対応づけられている重み値を用いて重み付け処理を行ってもよい。
【0068】
例えば、第7算出部38は、機密レベル判定部22にて判定された機密レベルとテーブルにて対応づけられている重み値を、送信時間算出部32(第2算出部32)で得たネットワークを介した送信時間に乗算することによって、第1指標値を算出してもよい。このとき、重み値は、例えば、0から1までの実数であってもよい。そして、機密レベルが高いほど対応づけられる重み値は小さくなるように設定されてもよい。
【0069】
又は、例えば、第7算出部38は、機密レベル判定部22にて判定された機密レベルとテーブルにて対応づけられている重み値を、送信時間算出部32(第2算出部32)で得たネットワークを介した送信時間から減算することによって、第1指標値を算出してもよい。このとき、重み値は、例えば時間を単位とする実数であってもよい。そして、機密レベルが高いほど対応づけられる重み値は大きくなるように設定されてもよい。
【0070】
こうすることで、対象データの機密レベルが高い場合にネットワークを介した移送を選択しやすくすることで、物理媒体を用いた移送によるデータ流出リスクを低減することができる。
【0071】
<移送方法判定システムの動作例>
以上の構成を有する移送方法判定システム5001の処理動作の一例について説明する。
図11は、第5実施形態に係る移送方法判定システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0072】
通信速度算出部31(第1算出部31)は、基準地から目的地までの、ネットワークを介した通信速度を算出する(ステップS501)。
【0073】
送信時間算出部32(第2算出部32)は、送信したい対象データのデータサイズ(データ量)を取得する(ステップS502)。送信時間算出部32は、通信速度算出部31で取得した通信速度と、データサイズ(データ量)とを用いて、ネットワークを介した送信時間を算出する(ステップS503)。
【0074】
機密レベル判定部22は、記憶部51における重み値テーブルを参照する(ステップS504)。
【0075】
重み値算出部38(第7算出部38)は、機密レベル判定部22にて判定された機密レベルに応じた重み付け処理を送信時間に適用する(ステップS505)。
【0076】
この送信時間が、第1指標値として用いられる。すなわち、第5実施形態のステップS501-S505は、第1実施形態のステップS101の具体例と捉えることができる。
【0077】
運搬経路算出部33は、基準地から目的地までの運搬経路を算出する(ステップS506)。
【0078】
移送時間算出部34は、この運搬経路を元に、基準地から目的地までの移送時間を取得する(ステップS507)。
【0079】
書き込み時間算出部35は、対象データを記憶媒体に書き込む時間を算出する(ステップS508)。
【0080】
加算時間算出部36は、移送時間算出部34で算出された移送時間と、書き込み時間算出部35で算出した記憶媒体に書き込む時間とを加算して、加算時間を算出する(ステップS509)。この加算時間が、第2指標値として用いられる。すなわち、第5実施形態のステップS506、S507、S508、S509は、第1実施形態のステップS102の具体例と捉えることができる。
【0081】
第1判定部21は、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する。具体的には、第1判定部21は、第1指標値が第2指標値よりも小さいかを判定する(ステップS510)。第1指標値が第2指標値以下であると判定された場合(ステップS510、Yes)、第1判定部21は、第1移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS511)。第1指標値が第2指標値より大きいと判定された場合(ステップS510、No)、第1判定部21は、第2移送方法を推奨移送方法として判定する(ステップS512)。
【0082】
<その他の実施形態>
第1実施形態から第5実施形態では、第1移送方法は、対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運び、第2移送方法は、対象データが格納された記憶媒体を基準地から目的地まで運ぶことを前提に説明を行った。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではない。
【0083】
例えば、第1移送方法の移送ルートは、対象データが通信ネットワークを介して伝送されることによって対象データが移送される区間と、対象データが格納された記憶媒体が運搬されることによって対象データが移送される区間とを含んでいてもよい。第2移送方法の移送ルートは、対象データが格納された記憶媒体が運送されることによって対象データが移送される区間を少なくとも含んでいてもよい。このとき、移送方法判定システムは、基準地から目的地まで運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値、及び、対象データを基準地から目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値を取得する取得部と、第1指標値及び第2指標値に基づいて、第1移送方法及び第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する判定部とを有していてもよい。移送判定方法も同様に変更することができる。
【0084】
図12は、その他の実施形態に係る移送方法の一例を示す図である。
図12の上部に第1移送方法の一例、及び、下部に第2移送方法の一例を示す。第1移送方法では、基準地から経由地において通信ネットワークを介した伝送を行い、経由地から目的地おいて対象データが格納された記憶媒体の運搬を行うときの一例を示している。この第1移送方法は、基準地から経由地において対象データが格納された記憶媒体の運搬を行い、経由地から目的地において通信ネットワークを介した伝送を行うように構成されてもよい。一方、第2移送方法では、基準地から目的地において対象データが格納された記憶媒体の運搬を行うときの一例を示している。
【0085】
また、移送方法を判定する状況下が災害時である場合には、災害による交通状況を加味した上で物理媒体を用いた移送時間を算出してもよい。こうすることで、災害時には利用できない経路を除くことができ、より正確な移送方法の判定を実現することができる。
【0086】
図13は、移送方法判定システムのハードウェア構成の一例を示す図を示す。叙述の移送方法判定システム1001、2001、3001、4001、5001は、それぞれ、
図13に示すハードウェア構成を有していてもよい。
【0087】
図13において移送方法判定システム6001は、データプロセッサ(data processor)等の少なくとも1つのプロセッサ6002と、プロセッサ6002に結合された少なくとも1つのメモリ(memory)6003とを含んでもよい。移送方法判定システム6001は、送信機TX/受信機RX6004をさらに含んでもよい。メモリ6003は、非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)であってもよく、プログラム(program)6005を格納してもよい。プログラム6005は、関連するプロセッサ6002において実行される場合、移送方法判定システム6001が本開示の実施形態に従って動作すること、例えば、
図2、
図4、
図6、
図8または
図11に示した処理フローを実行することを可能にする命令を含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサ6002と、少なくとも1つのメモリ6003との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するように適合された処理手段6006を形成してもよい。
【0088】
なお、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0089】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0090】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0091】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値と、前記対象データが格納された記憶媒体を前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値と、を取得する取得部と、
前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する第1判定部と、
を具備する移送方法判定システム。
(付記2)
前記取得部は、
前記通信ネットワークにおける通信速度を算出する第1算出部と、
前記算出された通信速度と、前記対象データのデータサイズとを用いて、前記第1移送方法によって前記対象データを運ぶことに要する送信時間を、前記第1指標値として算出する第2算出部と、
を具備する、
付記1に記載の移送方法判定システム。
(付記3)
前記取得部は、
前記基準地から前記目的地までの運搬経路を算出する第3算出部と、
前記算出された運搬経路を移動するために要する時間を前記第2指標値として算出する第4算出部と、
を具備する、
付記1又は2に記載の移送方法判定システム。
(付記4)
前記取得部は、
前記基準地から前記目的地までの運搬経路を算出する第3算出部と、
前記算出された運搬経路を移動するために要する時間を算出する第4算出部と、
前記対象データのデータサイズに基づいて前記対象データを前記記憶媒体に書き込むことに要する時間を算出する第5算出部と、
前記第4算出部にて算出された時間と前記第5算出部にて算出された時間とを加算した加算時間を、前記第2指標値として算出する第6算出部と、
を具備する、
付記1又は2に記載の移送方法判定システム。
(付記5)
前記対象データの機密レベルを判定する第2判定部をさらに具備し、
前記取得部は、
前記通信ネットワークにおける通信速度を算出する第1算出部と、
前記算出された通信速度と、前記算出されたデータサイズとを用いて、前記第1移送方法によって前記対象データを運ぶことに要する時間を算出する第2算出部と、
前記第2算出部にて算出された時間に、前記第2判定部にて判定された機密レベルに応じた重み付け処理を行うことによって、前記第1指標値を算出する第7算出部と、
を具備する、
付記1に記載の移送方法判定システム。
(付記6)
機密レベルに対応する重み値を保持するテーブルを記憶する記憶部をさらに具備し、
前記第7算出部は、前記第2判定部にて判定された機密レベルと前記テーブルにて対応づけられている重み値を用いて前記重み付け処理を行う、
付記5記載の移送方法判定システム。
(付記7)
対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値と、前記対象データが格納された記憶媒体を前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値と、を取得することと、
前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定することと、
を具備する判定方法。
(付記8)
対象データを、基準地に存在する送信元装置から目的地に存在する送信先装置まで通信ネットワークを介して運ぶ第1移送方法に関連する第1指標値と、前記対象データが格納された記憶媒体を前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に関連する第2指標値と、を取得することと、
前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定することと、
を含む処理を、コンピュータに実行させるプログラム。
(付記9)
対象データを、基準地から目的地まで運ぶ第1移送方法に要する第1指標値、及び、前記対象データを前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に要する第2指標値を取得し、前記第1移送方法の移送ルートは、前記対象データが通信ネットワークを介して伝送されることによって前記対象データが移送される区間と、前記対象データが格納された記憶媒体が運搬されることによって前記対象データが移送される区間と、を含み、前記第2移送方法の移送ルートは、前記対象データが格納された記憶媒体が運送されることによって前記対象データが移送される区間を少なくとも含む、取得部と、
前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定する第1判定部と、
を具備する移送方法判定システム。
(付記10)
推奨移送方法を判定する判定方法であって、
対象データを、基準地から目的地まで運ぶ第1移送方法に要する第1指標値、及び、前記対象データを前記基準地から前記目的地まで運ぶ第2移送方法に要する第2指標値を取得すること、を含み、
前記第1移送方法の移送ルートは、前記対象データが通信ネットワークを介して伝送されることによって前記対象データが移送される区間と、前記対象データが格納された記憶媒体が運搬されることによって前記対象データが移送される区間と、を含み、
前記第2移送方法の移送ルートは、前記対象データが格納された記憶媒体が運送されることによって前記対象データが移送される区間を少なくとも含み、
前記判定方法は、前記第1指標値及び前記第2指標値に基づいて、前記第1移送方法及び前記第2移送方法のうちのいずれかを推奨移送方法として判定すること、をさらに含む、
判定方法。
【符号の説明】
【0092】
11 取得部
21 移送方法判定部(第1判定部)
22 機密レベル判定部(第2判定部)
31 通信速度算出部(第1算出部)
32 送信時間算出部(第2算出部)
33 運搬経路算出部(第3算出部)
34 移送時間算出部(第4算出部)
35 書き込み時間算出部(第5算出部)
36 加算時間算出部(第6算出部)
37 経路情報処理部
38 重み値算出部(第7算出部)
41 経路情報部
42 外部システム
51 記憶部
1001 移送方法判定システム
2001 移送方法判定システム
3001 移送方法判定システム
4001 移送方法判定システム
5001 移送方法判定システム
6001 移送方法判定システム
6002 プロセッサ
6003 メモリ
6004 送信機TX/受信機RX
6005 プログラム
6006 処理手段