(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140363
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051473
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】奥山 知博
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物品を収容する空間を利用したユーザをトレースする情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム10は、出入口が施錠され得る空間であって、物品を収容する第1の空間が、第1のユーザによって施錠される場合、第1の空間の出入口を解錠可能な第1の電子鍵に関する情報である第1の電子鍵情報を、第1のユーザと関連づけて生成する鍵生成部と、第1の空間の出入口を解錠した後、出入口が施錠される空間であって、物品を収容する第2の空間の出入口が、第2のユーザによって施錠される場合、第2のユーザまたは第2の空間を管理する装置から、第1の電子鍵情報を取得する取得部と、を備える。鍵生成部は、取得部で取得された第1の電子鍵情報と、第2のユーザとに関連づけて、第2の空間の出入口を解錠可能な第2の電子鍵に関する情報である第2の電子鍵情報を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口が施錠され得る空間である第1の空間であって、物品を収容する当該第1の空間が第1のユーザによって施錠される場合、前記第1の空間の出入口を解錠可能な第1の電子鍵に関する情報である第1の電子鍵情報を、第1のユーザと関連づけて生成する鍵生成部と、
第2のユーザが前記第1の電子鍵情報を用いて前記第1の空間の出入口を解錠した後、出入口が施錠され得る空間である第2の空間であって、物品を収容する当該第2の空間の出入口が前記第2のユーザによって施錠される場合、前記第2のユーザの操作入力に基づいて、前記第2のユーザまたは前記第2の空間を管理する装置から、前記第1の電子鍵情報を取得する取得部と、
を備え、
前記鍵生成部は、前記取得部で取得された前記第1の電子鍵情報と、前記第2のユーザと、に関連づけて、前記第2の空間の出入口を解錠可能な第2の電子鍵に関する情報である第2の電子鍵情報を生成する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記鍵生成部は、前記第1のユーザを識別可能な情報である第1のユーザ識別情報と、前記第2のユーザを識別可能な情報である第2のユーザ識別情報と、を含む前記第2の電子鍵情報を、URLの形式で生成する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記鍵生成部は、前記第1の電子鍵情報に対応する前記第1のユーザ識別情報と、前記第2の電子鍵情報に対応する前記第2のユーザ識別情報と、を前記第1の電子鍵情報および前記第2の電子鍵情報のそれぞれが生成された順にURLに付加して、前記第2の電子鍵情報を生成する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1の電子鍵情報と前記第2の電子鍵情報とを関連づけて記憶する鍵情報データベースに基づいて、前記第1のユーザを示すオブジェクトに前記第2のユーザを示すオブジェクトを関連づけて表示部に表示させる表示処理部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第2のユーザが前記第2の空間を施錠した場合に、電子鍵に関する情報を読み取る読取部を通じて前記第2のユーザから前記第1の電子鍵情報を前記取得部が取得したか否かの結果に基づいて、前記第2の空間の利用に関する料金の請求についての処理を実行する料金請求部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記料金請求部は、
前記第2のユーザが前記第2の空間を施錠した場合に、
前記読取部を通じて前記第2のユーザから前記第1の電子鍵情報を取得した場合、前記第2のユーザに利用に関する料金を請求しない処理を実行し、
前記読取部を通じて前記第2のユーザから前記第1の電子鍵情報を取得しなかった場合、前記第2のユーザに利用に関する料金を請求する処理を実行する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記鍵生成部は、当該鍵生成部で生成される電子鍵に関する情報である電子鍵情報を記憶する情報に基づき特定可能な、前記第1の電子鍵情報に関連する前記電子鍵情報の個数を示すパラメータに基づいて、前記第2の電子鍵情報を生成可能か否か判定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、
出入口が施錠され得る空間である第1の空間であって、物品を収容する当該第1の空間が第1のユーザによって施錠される場合、前記第1の空間の出入口を解錠可能な第1の電子鍵に関する情報である第1の電子鍵情報を、第1のユーザと関連づけて生成することと、
第2のユーザが前記第1の電子鍵情報を用いて前記第1の空間の出入口を解錠した後、出入口が施錠され得る空間である第2の空間であって、物品を収容する当該第2の空間の出入口が前記第2のユーザによって施錠される場合、前記第2のユーザの操作入力に基づいて、前記第2のユーザまたは前記第2の空間を管理する装置から、前記第1の電子鍵情報を取得することと、
取得された前記第1の電子鍵情報と、前記第2のユーザと、に関連づけて、前記第2の空間の出入口を解錠可能な第2の電子鍵に関する情報である第2の電子鍵情報を生成することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
出入口が施錠され得る空間である第1の空間であって、物品を収容する当該第1の空間が第1のユーザによって施錠される場合、前記第1の空間の出入口を解錠可能な第1の電子鍵に関する情報である第1の電子鍵情報を、第1のユーザと関連づけて生成することと、
第2のユーザが前記第1の電子鍵情報を用いて前記第1の空間の出入口を解錠した後、出入口が施錠され得る空間である第2の空間であって、物品を収容する当該第2の空間の出入口が前記第2のユーザによって施錠される場合、前記第2のユーザの操作入力に基づいて、前記第2のユーザまたは前記第2の空間を管理する装置から、前記第1の電子鍵情報を取得することと、
取得された前記第1の電子鍵情報と、前記第2のユーザと、に関連づけて、前記第2の空間の出入口を解錠可能な第2の電子鍵に関する情報である第2の電子鍵情報を生成することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の一時保管するサービスを提供する情報処理装置が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の情報処理装置は、ユーザのユーザ端末からロッカーボックスの予約を受け付けると、ロッカーボックスの扉を解錠するための電子鍵を当該ユーザ端末に送信する。ユーザ端末は、ユーザの操作入力に基づき他のユーザに当該電子鍵を送信する。このように、当該情報処理装置では、複数のユーザが同じ電子鍵でロッカーボックスを解錠することを可能とさせる。これにより、一人のユーザが物品を受け取り困難な状況が生じても、他のユーザに受け取りを依頼することが可能となる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の情報処理装置では、同じ電子鍵を複数のユーザが利用可能となるため、ロッカーボックスからユーザの誰が受け取ったかを特定できず、ロッカーボックスの不正利用などの問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を鑑み、物品を収容し得る空間を利用したユーザをトレース可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、出入口が施錠され得る空間である第1の空間であって、物品を収容する当該第1の空間が第1のユーザによって施錠される場合、前記第1の空間の出入口を解錠可能な第1の電子鍵に関する情報である第1の電子鍵情報を、第1のユーザと関連づけて生成する鍵生成部と、第2のユーザが前記第1の電子鍵情報を用いて前記第1の空間の出入口を解錠した後、出入口が施錠され得る空間である第2の空間であって、物品を収容する当該第2の空間の出入口が前記第2のユーザによって施錠される場合、前記第2のユーザの操作入力に基づいて、前記第2のユーザまたは前記第2の空間を管理する装置から、前記第1の電子鍵情報を取得する取得部と、を備え、前記鍵生成部は、前記取得部で取得された前記第1の電子鍵情報と、前記第2のユーザと、に関連づけて、前記第2の空間の出入口を解錠可能な第2の電子鍵に関する情報である第2の電子鍵情報を生成する。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、出入口が施錠され得る空間である第1の空間であって、物品を収容する当該第1の空間が第1のユーザによって施錠される場合、前記第1の空間の出入口を解錠可能な第1の電子鍵に関する情報である第1の電子鍵情報を、第1のユーザと関連づけて生成することと、第2のユーザが前記第1の電子鍵情報を用いて前記第1の空間の出入口を解錠した後、出入口が施錠され得る空間である第2の空間であって、物品を収容する当該第2の空間の出入口が前記第2のユーザによって施錠される場合、前記第2のユーザの操作入力に基づいて、前記第2のユーザまたは前記第2の空間を管理する装置から、前記第1の電子鍵情報を取得することと、取得された前記第1の電子鍵情報と、前記第2のユーザと、に関連づけて、前記第2の空間の出入口を解錠可能な第2の電子鍵に関する情報である第2の電子鍵情報を生成することと、を実行する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、出入口が施錠され得る空間である第1の空間であって、物品を収容する当該第1の空間が第1のユーザによって施錠される場合、前記第1の空間の出入口を解錠可能な第1の電子鍵に関する情報である第1の電子鍵情報を、第1のユーザと関連づけて生成することと、第2のユーザが前記第1の電子鍵情報を用いて前記第1の空間の出入口を解錠した後、出入口が施錠され得る空間である第2の空間であって、物品を収容する当該第2の空間の出入口が前記第2のユーザによって施錠される場合、前記第2のユーザの操作入力に基づいて、前記第2のユーザまたは前記第2の空間を管理する装置から、前記第1の電子鍵情報を取得することと、取得された前記第1の電子鍵情報と、前記第2のユーザと、に関連づけて、前記第2の空間の出入口を解錠可能な第2の電子鍵に関する情報である第2の電子鍵情報を生成することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、物品を収容し得る空間を利用したユーザをトレース可能なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】情報処理システムの構成の概要の一例を示す図である。
【
図2】情報処理システムの処理の概要を示す図である。
【
図3】鍵情報D110の構成の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ情報D111の構成の一例を示す図である。
【
図5】ロッカー情報D112の構成の一例を示す図である。
【
図6】情報処理システムの処理手順の一例を示すフロー図である。
【
図7A】ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7B】ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7C】ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、一つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されてもよく、二つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0013】
===情報処理システム10の概要===
情報処理システム10は、ロッカーや倉庫のような出入口が電子鍵によって施錠解錠され得る空間を利用するユーザをトレース可能なシステムである。具体的には、情報処理システム10は、例えば、ユーザに送信する電子鍵に基づき、いつ、誰が、どういう順に、どの空間を利用したかがトレース可能である。以下では、一例として「空間」をロッカーとして説明するが、ロッカーを倉庫などに読み替えて適用できるものとする。
【0014】
電子鍵は、物品を収容し得る空間の開閉扉を施錠または解錠するための情報である。具体的には、電子鍵は、例えばURL(Uniform Resource Locator)や二次元コード(例えばQRコード(登録商標))などの形式で表示される情報である。電子鍵は、例えばユーザと関連づけて管理される。
【0015】
<<構成>>
図1を参照して、情報処理システム10の構成の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成の概要の一例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム10は、例えば、情報管理装置100と、ロッカー装置200と、ユーザ端末300とを含む。
【0016】
情報管理装置100は、例えば、ロッカー装置200およびユーザ端末300から取得される各種情報に基づき、ユーザ端末300に電子鍵を提供する。情報管理装置100は、ロッカー装置200およびユーザ端末300との間で通信可能に接続される。
【0017】
ロッカー装置200は、例えば、対象物品を収納した状態で施錠される一つ以上のボックスを有し、電子鍵によって当該ボックスの扉が解錠される。
【0018】
ユーザ端末300は、ユーザが所持する端末であって、所定のプログラムを実行することで各種処理を実行する。
【0019】
情報管理装置100は、例えば、クラウドコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0020】
ロッカー装置200は、ロッカーを有し、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームなどによって、ロッカーとの間で各種処理が実行されるように構成される。
【0021】
なお、情報管理装置100およびロッカー装置200における処理の少なくとも一部は、一つ以上のコンピュータ(例えば一つ以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティング)により実現されていてもよい。
【0022】
ユーザ端末300は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、 デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0023】
<<処理>>
次に、
図2を参照して、情報処理システム10の処理の概要について説明する。
図2は、情報処理システム10の処理の概要を示す図である。
【0024】
以下では、一例として、ユーザAが対象物品obをロッカーAに収容し、ユーザBがロッカーAから対象物品obを取り出して、ユーザBが対象物品obをロッカーBに収容し、ユーザCがロッカーBから対象物品obを取り出して、ユーザCが対象物品obをロッカーCに収容し、ユーザDがロッカーCから対象物品obを取り出すまでの、情報処理システム10の処理の概要について説明する。
【0025】
ステップS10において、ユーザAは、ロッカーAのボックスb1に対象物品obを預け入れる。ユーザAは、対象物品obを預け入れるときに、ユーザ端末300aの表示部に表示されるユーザを識別可能な情報(以下、「ユーザ識別情報」という。)をロッカーAに読み取らせてもよいし、ユーザ端末300aから無線通信によってユーザ識別情報をロッカーAに送信してもよい。
【0026】
ステップS11において、ロッカー装置200aは、例えばユーザAがロッカーAのボックスb1の扉を施錠した場合、対象物品obが預け入れられたことを示す情報(以下、「預入情報」という。)を、情報管理装置100に送信する。預入情報は、例えば、ロッカーおよびボックスを識別可能な情報と、ユーザ識別情報とを含んでいてもよい。
【0027】
ステップS12において、情報管理装置100は、預入情報を取得した場合、ボックスb1を解錠可能な電子鍵Aを生成する。情報管理装置100は、電子鍵AにユーザAのユーザ識別情報を関連づけて記憶する。情報管理装置100は、電子鍵AをユーザAのユーザ端末300aに送信する。
【0028】
ステップS13において、ユーザ端末300aは、ユーザAの操作入力に基づき電子鍵AをユーザBのユーザ端末300bに送信する。
【0029】
ステップS14において、ユーザBは、電子鍵Aをロッカー装置200aに送信してボックスb1を解錠する。このとき、ユーザBは、例えば、ユーザ端末300bの表示部1007に表示させた電子鍵Aをロッカー装置200aに読み取らせて電子鍵Aを送信してもよいし、無線通信によって電子鍵Aをロッカー装置200aに送信してもよい。
【0030】
ステップS15において、ユーザBは、電子鍵Aで解錠されたボックスb1から対象物品obを取得する。
【0031】
ステップS20において、ユーザBは、ロッカーBのボックスb2に対象物品obを預け入れる。
【0032】
ステップS21において、ロッカー装置200bは、ユーザBのユーザ識別情報をユーザ端末300bから読み取って、ボックスb2の扉を施錠するとともに預入情報を情報管理装置100に送信する。
【0033】
ステップS22において、ユーザ端末300bは、ユーザBの操作入力に基づき電子鍵Aを情報管理装置100に送信する。なお、このとき、ユーザ端末300bは、情報管理装置100から電子鍵(ここでは電子鍵A)を登録するか否かの通知を受け付けてもよい。
【0034】
ステップS23において、情報管理装置100は、ボックスb2を解錠可能な電子鍵ABを生成する。電子鍵ABは、電子鍵AおよびユーザBのユーザ識別情報が関連づけられる。情報管理装置100は、電子鍵ABをユーザ端末300bに送信する。
【0035】
ステップS24において、ユーザ端末300bは、ユーザBの操作入力に基づき電子鍵ABをユーザCのユーザ端末300cに送信する。
【0036】
ステップS25において、ユーザCは、電子鍵ABをロッカー装置200bに送信してボックスb2を解錠する。
【0037】
ステップS26において、ユーザCは、電子鍵ABで解錠されたボックスb2から対象物品obを取得する。
【0038】
ステップS20~ステップS26と同様に、ステップS30~ステップS36においても、ユーザDが電子鍵ABCでボックスb3を解錠して対象物品obを取得する。
【0039】
このように、情報処理システム10は、ユーザに発行される電子鍵のそれぞれを関連づけて、ユーザ情報とともに管理する。そのため、情報処理システム10は、対象物品obを預け入れたユーザ(上記ではユーザA)から目的のユーザ(上記ではユーザD)までに対象物品obが辿ったユーザをトレースすることが可能となる。これにより、情報処理システム10は、対象物品を複数のユーザを経由して目的のユーザに安全に受け渡しを実現できる。さらに、情報処理システム10は、例えば、ユーザAがハンドメイド製品をユーザDに提供する場合、ユーザAが預けた物品に、ユーザBおよびユーザCのそれぞれが順に加工して最終製品をユーザDが安全に受け取るようなビジネスモデルを構築することもできる。
【0040】
===情報管理装置100の構成===
図1に戻り、情報管理装置100の構成について説明する。
図1に示すように、情報管理装置100は、例えば、記憶部110と、取得部120と、鍵生成部130と、鍵送信部140と、鍵認証部150と、料金請求部160、通知部170と、表示処理部180とを含む。
【0041】
なお、以下では、便宜上、対象物品をロッカーに預け入れたユーザを「第1のユーザ」とし、第1のユーザがロッカーに預け入れた対象物品をロッカーから電子鍵を用いて取り出して、当該対象物品を他のロッカーに預け入れるユーザを「第2のユーザ」として説明する。第1のユーザおよび第2のユーザを含むユーザの全体を単に「ユーザ」ということもある。
【0042】
また、便宜上、第1のユーザに発行される電子鍵を「第1の電子鍵」とし、第2のユーザに発行される電子鍵を「第2の電子鍵」として説明する。
【0043】
記憶部110は、例えば、鍵情報D110と、ユーザ情報D111と、ロッカー情報D112とを記憶する。
【0044】
図3を参照して、鍵情報D110について説明する。
図3は、鍵情報D110の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、鍵情報D110は、例えば、[電子鍵]、[ロッカーID]、[ボックスID]、[鍵発行時刻]、[鍵発行先ユーザID]、[鍵利用時刻]、[鍵利用ユーザID]、[関連鍵ID]の項目を含んでいてもよい。[電子鍵]は電子鍵を示す情報を記憶する。[ロッカーID]はロッカーを一意に識別可能なロッカー識別情報を記憶する。[ボックスID]はロッカーにおける対象を収納するボックスを一意に識別可能なボックス識別情報を記憶する。[鍵発行時刻]は電子鍵をユーザに発行した時刻を記憶する。[鍵発行ユーザID]は電子鍵を発行したユーザを一意に識別可能なユーザ識別情報を記憶する。[鍵利用時刻]はユーザが電子鍵を利用した時刻を記憶する。[鍵利用ユーザID]は電子鍵を利用したユーザを一意に識別可能なユーザ識別情報を記憶する。[関連電子鍵]は電子鍵に関連する電子鍵を特定可能な情報を記憶する。[関連電子鍵]には、例えばユーザが対象物品を預け入れるときに登録する電子鍵(例えば
図2のユーザBが電子鍵Aを登録)に関連して発行された電子鍵(例えば
図2のユーザBに発行される電子鍵AB)を特定可能な情報が記憶される。
【0045】
図4を参照して、ユーザ情報D111について説明する。
図4は、ユーザ情報D111の構成の一例を示す図である。
図4を参照して、ユーザ情報D111について説明する。
図4は、ユーザ情報D111の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報D111は、例えば、[ユーザID]、[氏名]、[電話番号]、[メールアドレス]の項目を含んでいてもよい。[ユーザID]はユーザを一意に識別可能なユーザ識別情報を記憶する。[氏名]はユーザの氏名を示す情報を記憶する。[電話番号]はユーザの電話番号を記憶する。[メールアドレス]はユーザのメールアドレスを記憶する。
【0046】
図5を参照して、ロッカー情報D112について説明する。
図5は、ロッカー情報D112の構成の一例を示す図である。
図5を参照して、ロッカー情報D112について説明する。
図5は、ロッカー情報D112の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、ロッカー情報D112は、例えば、[ロッカーID]、[ロッカー名]、[設置場所]、[利用状況]の項目を含んでいてもよい。[ロッカーID]はロッカーを一意に識別可能なロッカー識別情報を記憶する。[ロッカー名]はロッカーの名称(設置されている地名など)を示す情報を記憶する。[設置場所]は例えば住所や位置情報を記憶する。[利用状況]は例えばボックスの利用状況(例えば利用中や利用可能)を記憶する。
【0047】
取得部120は、他の装置から各種情報を取得する。取得部120は、例えば、ロッカー装置200またはユーザ端末300から、ボックスを解錠するための電子鍵を取得する。また、取得部120は、例えば、第2のユーザによるユーザ端末300への操作入力に基づき、当該ユーザ端末300から第1の電子鍵を取得する。また、取得部120は、預入情報をロッカー装置200から取得する。
【0048】
鍵生成部130は、ユーザに発行する電子鍵を生成する。具体的には、鍵生成部130は、ロッカー装置200から預入情報を取得した場合、対象物品が収容されたボックスおよびユーザ識別情報に関連づく電子鍵を生成する。ここで、鍵生成部130は、第2のユーザから第1の電子鍵を取得した場合、第1の電子鍵および第2のユーザのユーザ識別情報に関連づけて第2の電子鍵を生成する。生成された第2の電子鍵は鍵情報D110に格納される。これにより、情報処理システム10は電子鍵のそれぞれに基づきユーザをトレース可能となる。
【0049】
電子鍵は、例えばURL(Uniform Resource Locator)の形式で生成されてもよい。これにより、容易に電子鍵を生成できる。鍵生成部130は、ユーザ識別情報を含むURL形式の電子鍵を生成してもよい。この場合、電子鍵は、例えば、
図3の[電子鍵]に示すようにURLの末尾に、電子鍵が生成された順に、当該電子鍵に対応するユーザ識別情報(ここでは「A」、「B」、「C」の順)のそれぞれが付加されていてもよいし、任意の領域に付加されてもよい。これにより、情報処理システム10は電子鍵の平文をユーザに提供することによってユーザのトレースを可能とさせる。なお、電子鍵は、発行されたユーザとは異なるユーザも利用可能である。
【0050】
また、鍵生成部130は、例えば、第1の電子鍵に関連づけられる電子鍵が生成し得る回数(以下、「生成回数」という。)を制限してもよい。ここで、鍵生成部130は、例えば、鍵生成部130で生成される電子鍵を記憶する鍵情報D110に基づき特定可能な、第1の電子鍵に関連する電子鍵の個数を示すパラメータ(後述する、生成回数、ユーザ識別情報の個数など)に基づき、第2の電子鍵を生成可能か否か判定する。
【0051】
具体的には、鍵生成部130は、第1の電子鍵に関連する電子鍵を生成可能な回数と、第1の電子鍵に関連づけて生成された電子鍵の生成回数とを比較することで、第2の電子鍵を生成可能か否かについて判定してもよい。例えば、鍵生成部130は、第1の電子鍵に関連づけられる電子鍵が過去に「2つ」ある場合、生成回数を「2回」として特定する。この場合、鍵生成部130は、電子鍵を生成可能な回数として「2回」が設定されている場合、第2の電子鍵を生成する要求を受け付けた場合に、生成可能な回数を超えると判定する。この場合、鍵生成部130は、第2の電子鍵を生成不可と判定する。これにより、情報処理システム10は、ユーザへの電子鍵の発行が無制限に認められることを排除できる。なお、鍵生成部130は、例えば、鍵情報D110の電子鍵が生成された履歴(例えば、
図3の[電子鍵]と[関連電子鍵]との関係)を参照して、第1の電子鍵に関連づけられる過去の電子鍵の個数を生成回数として特定してもよい。また、生成可能な回数は、例えば電子鍵のそれぞれに関連づけて鍵情報D110に格納されていてもよい。
【0052】
また、具体的には、鍵生成部130は、第1の電子鍵に関連する電子鍵を生成可能な回数と、第1の電子鍵を示すURLに含まれるユーザ識別情報の個数とを比較することで、第2の電子鍵を生成可能か否かについて判定してもよい。例えば、鍵生成部130は、第1の電子鍵を示すURLの末尾にユーザ識別情報が三つ付加されている場合(例えば
図3の[電子鍵]に示されるURLの末尾の「A_B_C」)、電子鍵の生成回数が3回として特定する。この場合、鍵生成部130は、電子鍵を生成可能な回数として「3回」が設定されている場合、第1の電子鍵にユーザ識別情報が三つ付加されているため、第2の電子鍵を生成する要求を受け付けた場合に、生成可能な回数を超えると判定する。この場合、鍵生成部130は、第2の電子鍵を生成不可と判定する。これにより、情報処理システム10は、簡易な方法でユーザへの電子鍵の発行を制限できる。
【0053】
また、鍵生成部130は、例えば、第1の電子鍵の利用可能な回数を制限してもよい。具体的には、鍵生成部130は、利用可能な回数として「2回」が設定された場合、第1の電子鍵が配布された複数のユーザのうち、第1の電子鍵の利用順が二番目のユーザまでが第1の電子鍵を利用可能とし、三番目のユーザは利用不可として判定してもよい。
【0054】
鍵送信部140は、ユーザ情報D111を参照して、生成された電子鍵に関連づくユーザのユーザ端末300に当該電子鍵を送信する。
【0055】
鍵認証部150は、例えば、ロッカー装置200から取得される電子鍵を認証する。具体的には、鍵認証部150は、ロッカー装置200から取得された電子鍵と、鍵情報D110に格納されている電子鍵とを照合する。鍵認証部150は、ロッカー装置200から取得した電子鍵と、鍵情報D110に格納されている電子鍵とが一致する照合結果が得られた場合、当該電子鍵に対応するボックスを解錠させるための情報(以下、「解錠情報」という。)を、ロッカー装置200に送信する。
【0056】
料金請求部160は、ロッカーの利用料金を示す情報をユーザ端末300に送信する。具体的には、料金請求部160は、第2のユーザが所定の空間(第2の空間)を施錠した場合に、ロッカー装置200の読取部230を通じて第2のユーザから第1の電子鍵を取得したか否かの結果に基づいて、当該所定の空間の利用に関する料金の請求についての処理を実行する。
【0057】
具体的には、料金請求部160は、第2ユーザが対象物品をボックスに収納する場合、ロッカー装置200の読取部230を通じて第2ユーザから第1の電子鍵を取得した場合、第2ユーザに利用料金を請求しない処理を実行する。一方、料金請求部160は、ロッカー装置200の読取部230を通じて第2ユーザから第1の電子鍵を取得しない場合、第2ユーザに利用料金を請求する処理を実行する。これにより、情報処理システム10は、第2のユーザが第1の電子鍵を登録し忘れるのを防止することができる。また、情報処理システム10は、電子鍵を利用する全てのユーザに利用料金を請求するのではなく、例えば最後に対象物品を受け取るユーザにのみ利用料金を請求するなどの支払い制御が可能となる。
【0058】
また、具体的には、料金請求部160は、第2ユーザが対象物品をボックスに収納する場合に、ロッカー装置200の読取部230を通じて第2ユーザから第1の電子鍵を取得した場合、ロッカーの通常の利用料金の所定の割合の利用料金を請求する処理を実行してもよい。これにより、経由するユーザに一部の利用料金を負担させる仕組みが構築可能となる。
【0059】
通知部170は、ユーザ端末300からの要求(以下、「通知要求」という。)に基づき所定の内容を通知する。具体的には、通知部170は、通知要求に基づき、第2のユーザが対象物品を受け取ったことを示す情報を、対象物品を預け入れた第1のユーザに通知してもよい。これにより、情報処理システム10は、対象物品の現在の移動状況をユーザに容易に把握させることができる。
【0060】
表示処理部180は、各種画面をユーザ端末300の表示部1007に表示させるための情報(以下、単に「画面」という。)を生成する。具体的には、表示処理部180は、
図7A~
図7Cに示す画面を生成する。
図7A~
図7Cの各画面については後述する。
【0061】
<<変形例>>
上記では、情報管理装置100が電子鍵を管理するように説明したが、これに限定されない。例えば、ロッカー装置200が電子鍵を管理していてもよい。この場合、情報管理装置100は、上記の電子鍵を示す情報に替えて、電子鍵にアクセス可能な情報(例えばURLなど)を管理してもよい。ユーザ端末300は、情報管理装置100から発行される電子鍵にアクセス可能な情報に基づき、表示部1007に電子鍵を表示させる。
【0062】
上記では、第1のユーザが対象物品を預け入れるボックスと、第2のユーザが対象物品を預け入れるボックスとが異なるボックスであることとして説明したが、これに限定されない。第2のユーザは、第1のユーザが対象物品を預け入れたボックスを第1の電子鍵で解錠した後、同じボックスを解錠するための第2の電子鍵が発行されてもよい。これにより、情報処理システム10は、一つのボックスに複数の対象物品を預けて、複数のユーザのそれぞれが順に対象物品を取り出していくような仕組みを提供できる。
【0063】
上記では、情報管理装置100が鍵認証部150を備えることとして説明したが、これに限定されない。鍵認証部150の機能は、ロッカー装置200が備えていてもよい。これにより、情報処理システム10の電子鍵の認証を簡易なシステム構成で実現できる。
【0064】
鍵生成部130は、有効期限が設定された電子鍵を生成してもよい。これにより、ユーザの利用を促進できる。なお、情報処理システム10は、有効期限が経過した電子鍵を利用するには所定の追加料金を支払うことで、当該電子鍵を利用可能としてもよい。
【0065】
情報管理装置100は、最終的に対象物品を取得するユーザである最終取得ユーザ(例えば
図2の「ユーザD」)と、第1のユーザ(例えば
図2の「ユーザA」)から最終取得ユーザまでに経由するユーザ(例えば
図2の「ユーザB」「ユーザC」)とを、第1のユーザが設定可能としてもよい。この場合、表示処理部180は、対象物品を取得するユーザを選択可能な画面を生成して、ユーザ端末300に提供してもよい。例えば、当該画面は、対象物品を取得するユーザと、当該ユーザのそれぞれが対象物品を取得する順番とを設定可能な画面である。情報処理システム10は、第1のユーザが意図するユーザにのみ電子鍵を発行させることで、安全に対象物品を目的のユーザに届けられる。
【0066】
===ロッカー装置200の構成===
図1に戻り、ロッカー装置200の構成について説明する。ロッカー装置200は、例えばロッカーを管理する装置である。ロッカー装置200は、例えば、記憶部210と、情報送受信部220と、読取部230と、施錠解錠部240とを含む。
【0067】
記憶部210は、例えばボックス情報D210を記憶する。ボックス情報D210は、例えば、[ボックスID]、[利用状況]、[電子鍵]の項目を含んでいてもよい。[ボックスID]はロッカーのボックスを一意に識別可能なボックス識別情報を記憶する。[利用状況]は例えばボックスの利用状況(例えば利用中や利用可能)を記憶する。[電子鍵]は電子鍵を示す情報を記憶する。なお、情報管理装置100において電子鍵の認証を実行する場合、記憶部210は[電子鍵]の項目を含んでいなくてもよい。
【0068】
情報送受信部220は、情報管理装置100およびユーザ端末300との間で各種情報を送受信する。
【0069】
読取部230は、ユーザ端末300から電子鍵を読み取る。具体的には、読取部230は、ユーザ端末300の表示部に表示される電子鍵を示す二次元コードを読み取ってもよい。
【0070】
施錠解錠部240は、ロッカーの施錠機構を動作させる。具体的には、施錠解錠部240は、情報管理装置100から解錠情報を取得した場合、ロッカーの所定のボックスを解錠する。また、施錠解錠部240は、例えば、情報管理装置100からユーザ端末300に電子鍵が発行された場合、ロッカーの所定のボックスを施錠してもよい。施錠解錠部240は、情報送受信部220を通じて情報管理装置100に施錠完了を示す情報を送信してもよい。
【0071】
なお、上記において、情報管理装置100が鍵認証部150を備えることとして説明したがこれに限定されず、ロッカー装置200が鍵認証部150の機能を備えていてもよい。
【0072】
===ユーザ端末300の構成===
図1に戻り、ユーザ端末300の構成について説明する。ユーザ端末300は、例えば、情報管理装置100から取得した各種情報を表示部1007に表示させる。ユーザ端末300は、例えば、記憶部310と、情報送受信部320と、表示処理部330とを含む。記憶部310は、例えば各種情報を記憶する。情報送受信部320は、各種情報を各種装置との間で送受信する。例えば、各種画面を情報管理装置100から取得する。表示処理部330は、例えば各種画面を表示部に表示させる。
【0073】
===情報処理システム10の処理手順===
図6、
図7A、
図7B、
図7Cを参照して、情報処理システム10の処理手順について説明する。
図6は、情報処理システム10の処理手順の一例を示すフロー図である。
図7A~
図7Cは、ユーザ端末300に表示される画面の一例を示す図である。
【0074】
なお、以下では、最初に対象物品をロッカーに預けた第1のユーザ(以下、「ユーザA」という。)から電子鍵が発行された第2のユーザ(以下、「ユーザB」という。)が、さらに対象物品を他のユーザ(以下、「ユーザC」という。)に取得させるまでの、情報処理システム10の処理手順について説明する。
【0075】
また、ユーザAのユーザ端末をユーザ端末300aとし、ユーザBのユーザ端末をユーザ端末300bとし、ユーザCのユーザ端末をユーザ端末300cとして説明する。
【0076】
また、ユーザ端末300の表示部1007に表示される各種画面は、例えば情報管理装置100から画面を表示させるための情報をユーザ端末300が取得することで表示部1007に表示させることとし、その説明を省略する。
【0077】
ステップS100において、ユーザ端末300bは、例えばユーザ端末300aから電子メールを通じて第1の電子鍵を取得する。なお、ユーザ端末300bは、例えば、ユーザBが予め情報管理装置100にユーザ情報を登録している場合、情報管理装置100から電子メールを通じて第1の電子鍵を取得してもよい。ユーザ端末300bは、第1の電子鍵を記憶部310に記憶する。
【0078】
ステップS101において、ユーザ端末300bは、例えば、ユーザBの操作入力を受け付けて、
図7A(a)の画面T1に示すように第1の電子鍵を表示部1007に表示させる。
図7A(a)では、一例として、第1の電子鍵を二次元コードT11で表示するように示されている。ユーザBは、例えば、解錠を所望するボックスを指定して、ユーザ端末300bの表示部1007をロッカー装置200bの読取部230にかざして、ロッカー装置200bに第1の電子鍵を読み取らせる。
【0079】
ステップS102において、ロッカー装置200bは、第1の電子鍵を読み取って、情報管理装置100に送信する。
【0080】
ステップS103において、情報管理装置100は、鍵情報D110を参照して、第1の電子鍵を照合する。情報管理装置100は、例えば、鍵情報D110におけるユーザBの所望するボックスに対応する電子鍵と、第1の電子鍵とが一致する場合、当該ボックスを解錠させるための解錠情報をロッカー装置200bに送信する。なお、情報管理装置100において第1の電子鍵を照合するように説明したが、これに限定されない。例えば、ロッカー装置200bにおいて第1の電子鍵を照合してもよい。
【0081】
ステップS104において、ロッカー装置200bは、解錠情報に基づき、ユーザBに指定されたボックスを解錠する。ロッカー装置200bは、ユーザ端末300aに解錠が完了したこと示す解錠通知を送信する。
【0082】
ステップS105において、ユーザ端末300bは、例えば解錠通知を取得した場合、
図7A(b)の画面T2に示すように、ユーザAに対象物品(荷物)の取り出しが完了したことを通知するための表示オブジェクトT21を表示部1007に表示させてもよい。ユーザ端末300bは、表示オブジェクトT21に対するユーザBの操作入力を受け付けた場合、情報管理装置100に通知要求を送信することで、情報管理装置100からユーザ端末300aに通知される。これにより、情報処理システム10は、対象物品が順次ユーザを経由していることをユーザに迅速に把握させることができる。
【0083】
ステップS106において、ユーザ端末300bは、例えばユーザBを識別可能なユーザ情報を二次元コードで表示部1007に表示させる。ユーザBは、例えば、ユーザ端末300bの表示部1007をロッカー装置200cの読取部230にかざして、ロッカー装置200cにユーザ識別情報を読み取らせる。なお、ユーザ端末300bは、無線通信でユーザ識別情報をロッカー装置200cに送信してもよい。
【0084】
ステップS107において、ロッカー装置200cは、ロッカーのボックスの利用状況をユーザ端末300bに通知する。なお、ロッカー装置200cは、情報管理装置100を通じてボックスの利用状況をユーザ端末300bに通知してもよい。
【0085】
ステップS108において、ユーザ端末300bは、例えば、
図7A(c)の画面T3に示すように、ロッカーの利用状況が確認可能な表示オブジェクトT31を表示部1007に表示させる。ユーザ端末300bは、表示オブジェクトT31に対するユーザBの操作入力を受け付けける。
【0086】
ステップS109において、ユーザ端末300bは、例えば、
図7B(d)の画面T4に示すように、ユーザBのロッカーの利用がユーザAのロッカーの利用と関連していることを登録するための表示オブジェクトT41を表示部1007に表示させる。ユーザ端末300bは、表示オブジェクトT41に対するユーザBの操作入力を受け付けた場合、情報管理装置100に第1の電子鍵を送信する。
【0087】
ステップS110において、情報管理装置100は、第1の電子鍵に関連づけて第2の電子鍵を生成する。情報管理装置100は、鍵情報D110に第2のユーザのユーザ識別情報に関連づけて第2の電子鍵を記憶する。情報管理装置100は、第2の電子鍵をユーザ端末300bに送信する。
【0088】
なお、ロッカー装置200cは、表示オブジェクトT41に対するユーザBの操作入力を受け付けたときにボックスを施錠してもよいし、情報管理装置100から第2の電子鍵がユーザ端末300bに発行されたときにボックスを施錠してもよく、ボックスが施錠されるタイミングは限定されない。
【0089】
ステップS111において、ユーザ端末300bは、例えば、
図7B(e)の画面T5に示すように、発行された第2の電子鍵が表示される表示オブジェクトT51を表示部1007に表示させる。
図7B(e)では、一例として第2の電子鍵が二次元コードで表示されている。
【0090】
ステップS112において、ユーザ端末300bは、例えば、表示オブジェクトT51の第2の電子鍵を送信するためのオブジェクト(
図7B(e)の「はい」)に対するユーザBの操作入力を受け付けた場合、
図7B(f)の画面T6を表示させる。画面T6には、ユーザBが複数のユーザのうちから少なくとも一人のユーザを選択可能な表示オブジェクトT61が含まれる。ユーザ端末300bは、表示オブジェクトT61に対するユーザBの操作入力を受け付けた場合、選択されたユーザ(
図7B(f)では「ユーザC」)のユーザ端末300に第2の電子鍵を送信する。
【0091】
ステップS113において、ユーザ端末300cは、第2の電子鍵を取得する。ユーザ端末300cは、例えば、
図7C(g)の画面T7に示すように、取得した第2の電子鍵が表示される表示オブジェクトT71と、第2の電子鍵を記憶部に記憶するための保存ボタンT72と、対象物品が経由してきたユーザを表示させるための表示ボタンT73とを表示部1007に表示させる。
【0092】
ステップS114において、ユーザ端末300cは、表示ボタンT73に対するユーザCの操作入力を受け付けた場合、例えば画面T8を表示部1007に表示させる。画面T8は、鍵情報D110に基づき表示される画面であって、対象物品が経由したきたユーザを関連づけて表示される。
【0093】
具体的には、
図7C(h)に示すように、画面T8は、ユーザを表示するオブジェクトT81と、ユーザが電子鍵を利用してボックスを解錠した日時およびロッカー、またはユーザが電子鍵を取得した日時を表示するオブジェクトT82とを含む。また、画面T8は、オブジェクトT81のそれぞれを、電子鍵を利用したユーザの順番が視覚的に把握可能に表示する(
図7C(h)ではオブジェクトT81のそれぞれを矢印で関連づけて表示)。これにより、情報処理システム10は、ユーザが視覚的に容易にユーザをトレースすることができる。
【0094】
また、第1の電子鍵および第2の電子鍵のそれぞれが複数のユーザに送信されている場合、
図7C(i)に示す画面T9のように、一人のユーザに対して複数のユーザが関連づけられるように表示される。
【0095】
また、ユーザ端末300cは、画面T8のオブジェクトT81に対するユーザCの操作入力を受け付けた場合、情報管理装置100のユーザ情報D111を参照して、操作入力を受け付けたユーザのユーザ情報(例えば氏名、電話番号、メールアドレスなど)を表示させてもよい。これにより、情報処理システム10は、関係するユーザに関する情報をユーザのそれぞれに容易に取得させることができる。
【0096】
===ハードウェア構成===
図8を参照して、情報処理システム10をコンピュータで実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。
図8は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0097】
図8に示すように、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006、及び表示部1007を含む。
【0098】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する制御部である。
【0099】
メモリ1002は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0100】
記憶装置1003は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0101】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサー、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続されても良い。
【0102】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0103】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0104】
表示部1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部1007は、コンピュータ1000の外部に設けられても良い。その場合、表示部1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。また、入力I/F部1004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部1007は、入力I/F部1004と一体化して構成することが可能である。
【0105】
===まとめ===
本実施形態における情報処理システム10は、出入口が施錠され得る空間である第1の空間であって、物品を収容する当該第1の空間が第1のユーザによって施錠される場合、第1の空間の出入口を解錠可能な第1の電子鍵に関する情報である第1の電子鍵情報(例えば、第1の電子鍵そのものであってもよいし、第1の電子鍵にアクセス可能なアドレスであってもよい。)を、第1のユーザと関連づけて生成する鍵生成部130と、第2のユーザが第1の電子鍵情報を用いて第1の空間の出入口を解錠した後、出入口が施錠され得る空間である第2の空間であって、物品を収容する当該第2の空間の出入口が第2のユーザによって施錠される場合、第2のユーザの操作入力に基づいて、第2のユーザまたはロッカー装置200(第2の空間を管理する装置)から、第1の電子鍵情報を取得する取得部120と、を備え、鍵生成部130は、取得部120で取得された第1の電子鍵情報と、第2のユーザと、に関連づけて、第2の空間の出入口を解錠可能な第2の電子鍵に関する情報である第2の電子鍵情報(例えば、第2の電子鍵そのものであってもよいし、第2の電子鍵にアクセス可能なアドレスであってもよい)を生成する。これにより、情報処理システム10は、対象物品を受け渡したユーザをトレースすることができるため、対象物品を複数のユーザを経由して目的のユーザに安全に受け渡しを可能とさせる。
【0106】
また、本実施形態の情報処理システム10における鍵生成部130は、第1のユーザを識別可能な情報である第1のユーザ識別情報と、第2のユーザを識別可能な情報である第2のユーザ識別情報と、を含む第2の電子鍵情報を、URLの形式で生成する。これにより、情報処理システム10は、容易に電子鍵を生成できるため、簡易なシステム設計が可能となる
【0107】
また、本実施形態の情報処理システム10における鍵生成部130は、第1の電子鍵情報に対応する第1のユーザ識別情報と、第2の電子鍵情報に対応する第2のユーザ識別情報と、を第1の電子鍵情報および第2の電子鍵情報のそれぞれが生成された順にURLに付加して、第2の電子鍵情報を生成する。これにより、情報処理システム10は、電子鍵の平文をユーザに提供することによってユーザのトレースを可能とさせる。
【0108】
また、本実施形態の情報処理システム10は、第1の電子鍵情報と第2の電子鍵情報とを関連づけて記憶する鍵情報D110(k)に基づいて、第1のユーザを示すオブジェクトに第2のユーザを示すオブジェクトを関連づけて表示部1007に表示させる表示処理部180をさらに備える。情報処理システム10は、ユーザが視覚的に容易にユーザをトレースすることができる。
【0109】
また、本実施形態の情報処理システム10は、第2のユーザが第2の空間を施錠した場合に、電子鍵に関する情報を読み取る読取部230を通じて第2のユーザから第1の電子鍵情報を取得部120が取得したか否かの結果に基づいて、第2の空間の利用に関する料金の請求についての処理を実行する料金請求部160をさらに備える。これにより、情報処理システム10は、電子鍵を利用する全てのユーザに利用料金を請求するのではなく、特定のユーザにのみ利用料金を請求する支払い制御が可能となる。
【0110】
また、本実施形態の情報処理システム10における料金請求部160は、第2のユーザが第2の空間を施錠した場合に、読取部230を通じて第2のユーザから第1の電子鍵情報を取得した場合、第2のユーザに利用に関する料金を請求しない処理を実行し、読取部230を通じて第2のユーザから第1の電子鍵情報を取得しなかった場合、第2のユーザに利用に関する料金を請求する処理を実行する。これにより、情報処理システム10は、第2のユーザが第1の電子鍵を登録し忘れるのを防止することができる。
【0111】
また、本実施形態の情報処理システム10における鍵生成部130は、当該鍵生成部130で生成される電子鍵に関する情報である電子鍵情報を記憶する鍵情報D110(情報)に基づき特定可能な、第1の電子鍵情報に関連する電子鍵情報の個数を示すパラメータ(例えば、上述した生成回数、ユーザ識別情報の個数など)に基づいて、第2の電子鍵情報を生成可能か否か判定する。これにより、情報処理システム10は、ユーザへの電子鍵の発行が無制限に認められることを排除できる。
【0112】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。また、上記実施の形態で記載された情報処理システム10における、情報管理装置100、ロッカー装置200およびユーザ端末300が備える構成要素は、記憶装置1003に格納されたプログラムがプロセッサ1001によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。
【符号の説明】
【0113】
10…情報処理システム、100…情報管理装置、110…記憶部、120…取得部、130…鍵生成部、140…鍵送信部、150…鍵認証部、160…料金請求部、170…通知部、180…表示処理部、200…ロッカー装置、300…ユーザ端末。