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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140379
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】コンベヤ装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/10 20060101AFI20241003BHJP
   B65G 39/12 20060101ALI20241003BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65G39/10
B65G39/12
B65G47/68 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051494
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 政樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸治
【テーマコード(参考)】
3F033
3F070
【Fターム(参考)】
3F033GA06
3F033GA09
3F033GB08
3F070AA06
3F070BD05
3F070EA21
3F070EE07
(57)【要約】
【課題】搬送物の搬送を円滑化することが可能なコンベヤ装置を提供する。
【解決手段】複数の回転部材によって搬送物を搬送する搬送装置であって、直線的に搬送物を搬送する直送コンベヤラインと直送コンベヤラインに合流する合流コンベヤラインを有し、合流部で直送コンベヤラインと合流コンベヤラインが合流するコンベヤ装置において、前記合流部の近傍における合流コンベヤラインに属する領域は、少なくとも一部の回転部材の回転軸が直送コンベヤラインの回転部材の回転軸と略同一方向である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の回転部材によって搬送物を搬送する搬送装置であって、直線的に搬送物を搬送する直送コンベヤラインと前記直送コンベヤラインに合流する合流コンベヤラインを有し、合流部で直送コンベヤラインと合流コンベヤラインが合流するコンベヤ装置において、
前記合流部近傍における合流コンベヤラインに属する領域は、少なくとも一部の回転部材の回転軸が直送コンベヤラインの回転部材の回転軸と略同一方向であることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項2】
前記合流部近傍の合流コンベヤラインに属する領域に、直送コンベヤラインの回転部材が侵入していることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
合流部における直送コンベヤラインの回転部材は、長手方向に延長されたものであり、当該延長部が合流コンベヤラインに属する領域に至っていることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項4】
前記合流部及び/又は合流部近傍であって、内曲側にコンベヤ用ガイドが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項5】
前記コンベヤ用ガイドは駆動源と、複数のガイドローラを有し、複数の前記ガイドローラは、前記駆動源の駆動力によって回転駆動し、搬送物を搬送方向の下流側へ向かって付勢可能であることを特徴とする請求項4に記載のコンベヤ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ装置に関するものであり、特に合流部を有するコンベヤ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配送場、集荷場、倉庫等では、搬送物の搬送にコンベヤ装置が使用されている。このような搬送装置には、複数のコンベヤ装置を並べたり、複数のコンベヤ装置を接続して複雑な搬送ラインを形成したものがある。
例えば、主搬送路を構成する直送コンベヤラインに他のコンベヤライン(合流コンベヤライン)を接続し、合流コンベヤラインを流れる搬送物を直送コンベヤラインに搬入する構造のコンベヤ装置が知られている。
この種のコンベヤ装置では、多くの場合、直送コンベヤラインに対して斜め方向に合流コンベヤラインが接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平04-128111号公報
【特許文献2】特開平07-185474号公報
【特許文献3】特開2005-138943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコンベヤ搬送装置は、直送コンベヤラインに対して斜め方向から搬送物が侵入する。そのため合流コンベヤラインから直送コンベヤラインに導入された搬送物はその姿勢が傾斜姿勢となる。
また合流コンベヤラインから導入された搬送物が勢い余って、直送コンベヤラインのフレームと衝突してしまう場合もある。
この問題を解決するための方策として特許文献1、2、3が開示されているが、いずれも構造化が複雑であるという問題がある。
【0005】
本発明は、合流部を有するコンベヤ装置の上記した問題を解決するものであり、搬送物の搬送を円滑化することが可能なコンベヤ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための態様は、複数の回転部材によって搬送物を搬送する搬送装置であって、直線的に搬送物を搬送する直送コンベヤラインと前記直送コンベヤラインに合流する合流コンベヤラインを有し、合流部で直送コンベヤラインと合流コンベヤラインが合流するコンベヤ装置において、前記合流部近傍における合流コンベヤラインに属する領域は、少なくとも一部の回転部材の回転軸が直送コンベヤラインの回転部材の回転軸と略同一方向であることを特徴とするコンベヤ装置である。
【0007】
本態様のコンベヤ装置では、合流部近傍における合流コンベヤラインに属する領域に、回転軸が直送コンベヤラインの回転部材の回転軸と略同一方向となった回転部材がある。そのため合流コンベヤラインを流れる搬送物が、前記した回転部材によって直線コンベヤラインに対して順方向の姿勢となるように強制される。
【0008】
上記した態様において、前記合流部近傍の合流コンベヤラインに属する領域に、直送コンベヤラインの回転部材が侵入していることが望ましい。
【0009】
本態様のコンベヤ装置では、直送コンベヤラインの回転部材が、合流コンベヤラインに属する領域に侵入しており、直送コンベヤラインの回転部材によって合流コンベヤラインを流れる搬送物が直線コンベヤラインに対して順方向の姿勢となるように強制される。
【0010】
上記した態様において、合流部における直送コンベヤラインの回転部材は、長手方向に延長されたものであり、当該延長部が合流コンベヤラインに属する領域に至っていること前記合流部近傍の合流コンベヤラインに属する領域に、直送コンベヤラインの回転部材が侵入していることが望ましい。
【0011】
本態様のコンベヤ装置では、直送コンベヤラインの回転部材によって合流コンベヤラインを流れる搬送物が直線コンベヤラインに対して順方向の姿勢となるように強制される。
【0012】
上記した各態様によると、搬送物が合流コンベヤラインから直送コンベヤラインに搬送され、前記合流部を通過するときに、コンベヤラインの内径側の端部と接触することがある。
このような場合に対応する方策として、前記合流部及び/又は合流部近傍であって、内曲側にコンベヤ用ガイドが設けられていることが望ましい。
【0013】
係る構成によると、搬送物が合流コンベヤラインから直送コンベヤラインに搬送され、前記合流部を通過するときに、搬送物の姿勢が整うとともに合流部から下流側には一定の経路を経て搬送され、搬送物の搬送をさらに円滑化できる。
【0014】
さらに好ましい構成は、前記コンベヤ用ガイドは駆動源と、複数のガイドローラを有し、複数の前記ガイドローラは、前記駆動源の駆動力によって回転駆動し、搬送物を搬送方向の下流側へ向かって付勢可能であることである。
【0015】
係る構成によると、合流部で搬送物が内径側の端部と接触したときに前記ガイドローラの付勢力によって、コンベヤ用ガイドに沿って搬送物が搬送され、搬送物の姿勢が整うとともに合流部から下流側には一定の経路を経て搬送され、搬送物の搬送をさらに円滑化できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、搬送物の搬送を円滑化することが可能なコンベヤ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るコンベヤ装置を示す平面図である
図2図1のコンベヤ装置を部材ごとに分けて示した平面図である。
図3図1のコンベヤ装置の直送コンベヤラインをハッチングで表示した平面図である。
図4図1のコンベヤ装置の合流コンベヤラインをハッチングで表示した平面図である。
図5図1のコンベヤ装置の合流部をハッチングで表示した平面図である。
図6】本発明の実施形態に係るコンベヤ装置を使用し、合流コンベヤラインから搬送物が搬送されるときの搬送物の動きを表した平面図である。
図7】本発明の実施形態に係るコンベヤ装置を示す平面図であり、搬送物を搬送している状態を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係るコンベヤ装置に用いるコンベヤ用ガイド及びその周辺を示す斜視図である。
図9図8のコンベヤ用ガイド及びその周辺を別方向からみた様子を示す斜視図である。
図10】コンベヤ用ガイドを形成する構造体で、複数のローラ部材とモータ内臓ローラを取り付け、複数の動力伝達部材を懸架した構造体を示す斜視図である。
図11図10の回転体部材と上段側ローラ列とそれらの間に懸架される動力伝達部材の位置関係を示す説明図であり、(a)は前方から見た様子を示し、(b)は上方から見た様子を模式的に示す。
図12図10の回転体部材と下段側ローラ列とそれらの間に懸架される動力伝達部材の位置関係を示す説明図であり、(a)は前方から見た様子を示し、(b)は上方から見た様子を模式的に示す。
図13図11の構造体を別方向から見た様子を示す斜視図である。
図14】本発明の別の実施形態に係るコンベヤ装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るコンベヤ装置について説明する。
【0019】
本実施形態のコンベヤ装置1は、図1で示されるように、直送コンベヤライン2と、合流コンベヤライン3とを備えている。前記直送コンベヤライン2と合流コンベヤライン3とが合流部4で合流している。即ち直送コンベヤライン2の一部に合流部4がある。
本実施形態のコンベヤ装置1は、図2の様に、複数のゾーンコンベヤ40、41、42、43が組み合わされたものである。
【0020】
説明の便宜上、ゾーンコンベヤ40を上流側ゾーンコンベヤ40と称し、ゾーンコンベヤ41を合流部ゾーンコンベヤ41と称し、ゾーンコンベヤ42を下流側ゾーンコンベヤ42と称し、ゾーンコンベヤ43を合流側ゾーンコンベヤ43と称する。
【0021】
上流側ゾーンコンベヤ40、下流側ゾーンコンベヤ42及び合流側ゾーンコンベヤ43は、全長が異なるものの、構造自体は同じであるから、代表して上流側ゾーンコンベヤ40について説明する。
上流側ゾーンコンベヤ40は、フレーム45に搬送用ローラ(回転部材)7が取り付けられたものである。
上流側ゾーンコンベヤ40のフレーム45は公知の構造であり、平行に配されたフレーム片46を有し、当該フレーム片46の間に搬送用ローラ(回転部材)7が複数、平行に取り付けられている。
【0022】
複数の搬送用ローラ(回転部材)7の一つは、ローラ本体内にモータと減速機が内蔵されたモータ内蔵ローラである。モータ内蔵ローラは、内蔵されたモータを駆動することにより、ローラ本体が回転する。
他の搬送用ローラ(回転部材)7は、自由回転するローラである。
上流側ゾーンコンベヤ40を構成する搬送用ローラ7は、隣接するものどうしがベルト52で係合されている。そのためモータ内蔵ローラが回転すると、当該上流側ゾーンコンベヤ40に属するすべての搬送用ローラ7が回転する。
【0023】
上流側ゾーンコンベヤ40等には図示しない在荷センサーが設けられている。また上流側ゾーンコンベヤ40等には図示しないゾーンコントローラが設けられており、自己のゾーンコンベヤの在荷センサーの信号と、隣接するゾーンコンベヤの在荷センサーの信号がゾーンコントローラに入力される。また隣接するゾーンの起動・停止状態を示す信号もゾーンコントローラに入力される。そして前記した各信号により、当該ゾーンコンベヤのモータ内蔵ローラが起動・停止される。
【0024】
合流部ゾーンコンベヤ41は、異形のフレーム55を有している。
即ち、合流部ゾーンコンベヤ41は、フレーム55に搬送用ローラ(回転部材)62が複数取り付けられたものであるが、フレーム55は異形である。
合流部ゾーンコンベヤ41のフレーム55は、外側サイドフレーム片56と、内側サイドフレーム片57によって構成されている。外側サイドフレーム片56は、直線状である。
これに対して内側サイドフレーム片57は、直線部59と曲線部61を有し、両者の結合部分が外側に向かって大きく突出した形状となっている。即ち合流部ゾーンコンベヤ41のフレーム55には図2の様に、略三角形の突出領域50がある。
【0025】
本実施形態では、外側サイドフレーム片56と内側サイドフレーム片57の間に、搬送用ローラ(回転部材)62a~62pが取り付けられている。
合流部ゾーンコンベヤ41においても、一本の搬送用ローラがモータ内蔵ローラであり、他は自由回転するローラである。
合流部ゾーンコンベヤ41を構成する搬送用ローラ62a~62pにおいても、隣接するものどうしがベルト52で係合されている。そのためモータ内蔵ローラが回転すると、当該合流部ゾーンコンベヤ41に属するすべての搬送用ローラ62が回転する。
【0026】
合流部ゾーンコンベヤ41に属する搬送用ローラ62a~62pは、全長が異なるものが混在している。
前記した上流側ゾーンコンベヤ40の搬送用ローラ7を基準とすると、搬送方向の両端近傍にある搬送用ローラ62a、62b、62m~62pの長さは、上流側ゾーンコンベヤ40の搬送用ローラ7と同じであり、他の搬送用ローラ62c~62lは、上流側ゾーンコンベヤ40の搬送用ローラ7よりも長い。即ち、搬送用ローラ62c~62lは、上流側ゾーンコンベヤ40の搬送用ローラ7の長さに比べて延長された延長部がある。
【0027】
最も長い搬送用ローラ62fは、内側サイドフレーム片57の、直線部59と曲線部61の接続部の近傍に取り付けられている。
上流側の搬送用ローラ62bから搬送用ローラ62fに至る間に配置された搬送用ローラ62c~62eは、順次長さが長くなっている。また搬送用ローラ62fから下流側の搬送用ローラ62mに至る間に配置された搬送用ローラ62g~62lは、順次長さが短くなっている。
【0028】
本実施形態のコンベヤ装置1では、上流側ゾーンコンベヤ40の下流側に合流部ゾーンコンベヤ41が接続され、さらにその下流に下流側ゾーンコンベヤ42が接続されている。また合流部ゾーンコンベヤ41の内側サイドフレーム片57の直線部59に合流側ゾーンコンベヤ43が接続されている。
【0029】
組み立てられた状態のコンベヤ装置1は、図1に示すように、逆「y」字状であり。直送コンベヤライン2に斜め方向から合流コンベヤライン3がつなげられたレイアウトとなっている。
次に、直送コンベヤライン2の範囲と、合流コンベヤライン3の範囲について図3図4を参照しつつ説明する。
直送コンベヤライン2は、図3でハッチングした領域であり、上流側ゾーンコンベヤ40のフレーム片46間と下流側ゾーンコンベヤ42のフレーム片46間を繋ぐ仮想領域Aが直送コンベヤライン2に属する領域である。
合流コンベヤライン3は、図4でハッチングした領域であり、合流側ゾーンコンベヤ43の全搬送領域と、合流部ゾーンコンベヤ41の一部の搬送領域Bが、合流コンベヤライン3に属する領域である。
【0030】
そして合流部ゾーンコンベヤ41の大部分が、直送コンベヤライン2と合流コンベヤライン3が合流する合流部4として機能する。即ち、図5でハッチングした領域が合流部4である。
【0031】
本実施形態のコンベヤ装置1では、合流部4の近傍8の合流コンベヤライン3に属する略三角形の領域9に、直送コンベヤライン2の搬送用ローラ62c~62lが侵入している。即ち、直送コンベヤライン2の搬送用ローラ62c~62lであって基準となる長さから延長された部分が、合流コンベヤライン3に属する領域9に至っている。
そのため合流部4の近傍8における合流コンベヤライン3に属する領域9は、搬送用ローラ62の回転軸が直送コンベヤライン2の搬送用ローラ7の回転軸と同一方向である。
即ち、合流部4近傍における合流コンベヤライン3に属する領域は、搬送用ローラ62の付勢方向が直送コンベヤライン2の搬送用ローラ7の付勢方向と同一方向である。
【0032】
前記合流部4の近傍8において合流コンベヤライン3に属する領域9の搬送用ローラ62の回転軸が直送コンベヤライン2の搬送用ローラ7の回転軸と同一方向となっている。
【0033】
本実施形態のコンベヤ装置1では、図6図7に示すように、搬送物18が合流コンベヤライン3から直送コンベヤライン2に搬送され、前記合流部4の近傍を通過するときに、合流部ゾーンコンベヤ41の内側サイドフレーム片57の曲線部61と接触し搬送物18の姿勢が整うとともに合流部4から下流側6には一定の経路を経て搬送され、搬送物18の搬送を円滑化できる。
【0034】
即ち、図6の様に、合流側ゾーンコンベヤ43によって搬送された搬送物18が合流部ゾーンコンベヤ41に差しかかかったとき、搬送物18の進行方向前側は、合流部ゾーンコンベヤ41の搬送用ローラ62c~62lによって直送コンベヤライン2と同様に下流側に向かって付勢される。これに対して、搬送物18の進行方向後側は、合流側ゾーンコンベヤ43によって斜め方向に付勢される。そのため搬送物18に回転力Mが付与され、搬送物18は急カーブを描いて姿勢変更する。
【0035】
好ましい構成は、図1に示すように、前記合流部4の近傍8の合流コンベヤライン3に属する領域9に合流部4の搬送用ローラ7を長手方向12に延長したものである。
【0036】
本構成のコンベヤ装置1では、搬送物18が合流コンベヤライン3から直送コンベヤライン2に搬送され、前記合流部4を通過するときに、前記内側サイドフレーム片57の曲線部61と確実に接触し、搬送物18の姿勢が整うとともに合流部4から下流側6には一定の経路を経て搬送され、搬送物18の搬送がさらに円滑化できる。
【0037】
また、前記合流部4及び合流部4の近傍8の内側サイドフレーム片57には図8に示すコンベヤ用ガイド23が設けられ、前記コンベヤ用ガイド23は駆動源と、複数のローラ部材31を有し、複数のローラ部材31は、少なくとも前記コンベヤ装置1の搬送方向成分を含む方向に並べられ、前記駆動源の駆動力によって回転駆動し、搬送物18を搬送方向5の下流側6へ向かって付勢可能としたものである。
【0038】
本構成のコンベヤ装置1では、合流部4で搬送物18が内側サイドフレーム片57の曲線部61の端部と接触したときに前記ローラ部材31から搬送方向5への力が付勢されることによって、前記内側サイドフレーム片57に沿って搬送物18が搬送され、搬送物18の姿勢が整うとともに合流部4から下流側6には一定の経路を経て搬送され、搬送物18の搬送をさらに円滑化できる。
【0039】
次に、コンベヤ用ガイド23について説明する。
【0040】
コンベヤ用ガイド23は、図8図9で示されるように、外郭部材30と、複数のローラ部材31と、モータ内蔵ローラ32を有している。
【0041】
コンベヤ用ガイド23は、図10で示されるように、上側のローラ部材31が並んで形成される上段側ローラ列125と、下側のローラ部材31が並んで形成される下段側ローラ列126を有する。なお、上段側ローラ列125と、下段側ローラ列126は、左右方向でずれた位置に配され、千鳥配置された状態となる。
【0042】
ここで、本実施形態では、図11で示すように、上段側ローラ列125に属するローラ部材31のうちの一部(本実施形態では図11左側の3つのローラ部材31)が、第一ローラ群130に属するローラ部材31となっている。また、他部が、(本実施形態では図11における右側の2つのローラ部材31)が第二ローラ群131に属する複数のローラ部材31となっている。そして、上段側ローラ列125は、第一ローラ群130に属するローラ部材31の列と、第二ローラ群131に属するローラ部材31の列とが並んで形成される列となっている。
【0043】
そして、図12で示すように、下段側ローラ列126に属するローラ部材31のうちの一部(本実施形態では図12の左側の2つのローラ部材31)が、第三ローラ群132に属する複数のローラ部材31となっている。また、他部が、(本実施形態では図12における右側の2つのローラ部材31)が第四ローラ群133に属する複数のローラ部材31となっている。そして、下段側ローラ列126は、第三ローラ群132に属するローラ部材31の列と、第四ローラ群133に属するローラ部材31の列とが並んで形成される列となっている。
【0044】
つまり、図11図12で示されるように、それぞれのローラ群(第一ローラ群130、第二ローラ群131、第三ローラ群132、第四ローラ群133)に複数のローラ部材31が属している。そして、それぞれのローラ群では、ローラ部材31の列(以下、ローラ部材31の小列とも称す)が形成されている。さらに、複数のローラ部材31の小列が並ぶことで、一連のローラ列(上段側ローラ列125、下段側ローラ列126)が形成されている。
【0045】
本実施形態では、回転体部材110と、それぞれのローラ群に属するローラ部材31のうちの一つとの間に、動力伝達部材120を懸架する。
詳細には、図13図11で示されるように、回転体部材110の上側第二溝部116bと、第一ローラ群130の一つのローラ部材31の第一係止溝部100aのそれぞれに一つの動力伝達部材120を係合(係止)させる。言い換えると、上側第二溝部116bと、第一係止溝部100aに動力伝達部材120の一部が略丁度入り込んだ状態とする。このことにより、これら回転体部材110とローラ部材31に動力伝達部材120が張力を持って懸架された状態となる。言い換えると、回転体部材110とローラ部材31が動力伝達部材120を介して連結された状態となる。
【0046】
同様に、回転体部材110の上側第一溝部116aと、第二ローラ群131の一つのローラ部材31の第二係止溝部100bのそれぞれに一つの動力伝達部材120を係合(係止)させる。
【0047】
さらに、図13図12で示されるように、回転体部材110の下側第二溝部117bと、第三ローラ群132の一つのローラ部材31の第二係止溝部100bのそれぞれに一つの動力伝達部材120を係合(係止)させる。このとき、動力伝達部材120は、ベルト挿通孔73を通過して延びた状態とする(図13参照)。
同様に、回転体部材110の下側第一溝部117aと、第四ローラ群133の一つのローラ部材31の第一係止溝部100aのそれぞれに一つの動力伝達部材120を係合(係止)させる。このときもまた、動力伝達部材120は、ベルト挿通孔73を通過して延びた状態とする(図13参照)。
【0048】
そして、同じローラ群で隣り合うローラ部材31同士に動力伝達部材120を懸架する。すなわち、図11で示されるように、第一ローラ群130に属するローラ部材31のうち、回転体部材110との間で動力伝達部材120が懸架されるローラ部材31(図11における左から3番目のローラ部材31)を一つ目のローラ部材31とする。そして、第一ローラ群130に属し、一つ目のローラ部材31の隣に位置するローラ部材31を二つ目のローラ部材31とし、二つ目のローラ部材31の隣に位置するローラ部材31を三つ目のローラ部材31とする。
このとき、一つ目のローラ部材31と二つ目のローラ部材31のそれぞれの第二係止溝部100bに一つの動力伝達部材120を係合(係止)させ、これらに一つの動力伝達部材120が懸架された状態とする。同様に、二つ目のローラ部材31と三つ目のローラ部材31のそれぞれの第一係止溝部100aに一つの動力伝達部材120を係合(係止)させ、これらに一つの動力伝達部材120が懸架された状態とする。
【0049】
このように、同じローラ群で隣り合うローラ部材31同士に動力伝達部材120を懸架するとき、動力伝達部材120は、ローラ部材31の並び方向で上下互い違いに配される。
【0050】
同様に、図11図12で示されるように、第二ローラ群131に属するローラ部材31同士、第三ローラ群132に属するローラ部材31同士、第四ローラ群133に属するローラ部材31同士に動力伝達部材120を懸架する。
【0051】
以上のことから、モータ内蔵ローラ32のモータが稼働し、回転体部材110が回転すると、動力伝達部材120を介して動力が伝達されるそれぞれのローラ群の一つのローラ部材31が回転する。そして、それぞれのローラ群では、回転体部材110から動力伝達部材120を介して動力が伝達される一つのローラ部材31が回転することで、この一つのローラ部材31から動力伝達部材120を介して動力が伝達される他のローラ部材31も回転する。すなわち、同じローラ群に属するローラ部材31は、隣り合うローラ部材31同士の間で動力伝達部材120を介して動力が伝達されるので、一つのローラ部材31が回転することで、同じローラ群に属するすべてのローラ部材31が回転する。
すなわち、モータ内蔵ローラ32のモータが稼働すると、コンベヤ用ガイド23の複数のローラ部材31がいずれも同方向に回転する。
【0052】
従って、本実施形態のコンベヤ装置1では、合流部4で搬送物18が内側サイドフレーム片57の曲線部61の端部と接触したときに前記ローラ部材31が搬送物18を搬送方向5へ回転することによって、搬送物18に搬送方向5への力が付勢され、前記内側サイドフレーム片57に沿って搬送物18が搬送され、搬送物18の姿勢が整うとともに合流部4から下流側6には一定の経路を経て搬送されるとともに、搬送物18の搬送をさらに円滑化できる。
【0053】
以上説明した実施形態は、曲線部61の搬送用ローラ62c~62lを長くして搬送用ローラ62c~62lの延長部分を合流コンベヤライン3に属する領域9に至らせたものであるが、図14の様に、合流コンベヤライン3に属する領域9であって合流部4の近傍8に直送コンベヤライン2の搬送用ローラ7から独立した搬送用ローラを設けてもよい。
即ち、前記合流部4の近傍8における合流コンベヤライン3に属する領域9の搬送用ローラ7が直送コンベヤライン2の搬送用ローラ7と独立しており、且つその回転軸が直送コンベヤライン2の搬送用ローラ7の回転軸と略同一方向となっていてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 搬送装置
2 直送コンベヤライン
3 合流コンベヤライン
4 合流部
7 搬送用ローラ(回転部材)
8 近傍
9 合流コンベヤラインに属する領域
23 コンベヤ用ガイド
31 ローラ部材(ガイドローラ)
40 上流側ゾーンコンベヤ
41 合流部ゾーンコンベヤ
42 下流側ゾーンコンベヤ
43 合流側ゾーンコンベヤ
57 内側サイドフレーム片
図1
図2
図3
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図5
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図14