(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140381
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】支持構造物
(51)【国際特許分類】
F16L 3/205 20060101AFI20241003BHJP
F16L 3/08 20060101ALI20241003BHJP
F16M 5/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F16L3/205
F16L3/08 C
F16M5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051496
(22)【出願日】2023-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】佐々 治
(72)【発明者】
【氏名】松田 宗広
(72)【発明者】
【氏名】山口 竜央馬
【テーマコード(参考)】
3H023
【Fターム(参考)】
3H023AB04
3H023AC13
3H023AC64
(57)【要約】
【課題】耐久性が高く、メンテナンスが容易であり、コスト削減が可能であり、小型軽量化された支持構造物を提供すること。
【解決手段】
支持構造物は、機器が配置されるフランジと、前記フランジと対向するベースプレートと、前記フランジと前記ベースプレートとの間に配置されるばね座と、前記ばね座と前記ベースプレートとの間に配置される少なくとも1つのばねと、前記ばねの中心軸に対して対称に、前記ばねと離隔して配置されると共に、前記ばね座とベースプレートとの間に配置される一対のばね高さ調整機構と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器が配置されるフランジと、
前記フランジと対向するベースプレートと、
前記フランジと前記ベースプレートとの間に配置されるばね座と、
前記ばね座と前記ベースプレートとの間に配置される少なくとも1つのばねと、
前記ばねの中心軸に対して対称に、前記ばねと離隔して配置されると共に、前記ばね座とベースプレートとの間に配置されるばね高さ調整機構と、を含む、
支持構造物。
【請求項2】
前記ばね座は、取付部を含み、
前記ばね高さ調整機構は、前記取付部に取り付けられる、請求項1に記載の支持構造物。
【請求項3】
前記支持構造物は、ロードと、ロードコラムとをさらに含み、
前記ロードは、前記フランジに取り付けられると共に、前記ロードコラムに挿通され、
前記ロードコラムは、前記ばねに挿通されると共に、前記ベースプレートに取り付けられる、請求項1に記載の支持構造物。
【請求項4】
前記ばね高さ調整機構は、
ロッドと、
前記ロッドの下端が挿通された梁部、及び、前記梁部に取り付けられた柱状部を含む構造体と、を含み、
前記ロッドの上端は、前記取付部に取り付けられ、
前記柱状部は、前記ベースプレートに取り付けられる、
請求項2に記載の支持構造物。
【請求項5】
前記ロッドの上端は、前記取付部の前記梁部側の面と、前記取付部の前記梁部側の面と反対側の面のそれぞれに、前記ばね座を挟むように、第1のナットと第2のナットを用いて固定され、
前記ロッドは、前記梁部を貫通すると共に、前記梁部の前記ばね座側の面に第3のナットを用いて固定され、
前記ロッドの下端は第4のナットを用いて前記梁部と前記ベースプレートとの間に固定される、請求項4に記載の支持構造物。
【請求項6】
前記第3のナットは、前記梁部の前記ばね座側の面から、前記梁部の前記ばね座側の面と前記ばね座との間に移動されると、前記ロッドは上下に移動可能となる、請求項5に記載の支持構造物。
【請求項7】
前記支持構造物は、一対の側面プレートをさらに含み、
前記一対の側面プレートは、前記ばね座と、前記ばねと、前記ばね高さ調整機構とを挟むように取り付けられる、請求項5に記載の支持構造物。
【請求項8】
前記梁部は、前記柱状部と垂直な方向に延在する突縁部を含み、
前記側面プレートは、前記ばね座と垂直な側面部と、前記側面部から延在すると共に、前記梁部と平行に、かつ、前記突縁部と重畳する端部と、前記側面部と前記端部と間の屈曲部とを含み、
前記端部は、前記突縁部と前記ベースプレートとの間に、前記突縁部と前記ベースプレートと離隔して配置される、請求項7に記載の支持構造物。
【請求項9】
前記ばね座は、側面視において、前記フランジの下に位置し、前記フランジ及び前記ベースプレートと平行に配置され、
前記ばね座は、平面視において、前記ばねと重なる中心部と、前記中心部を挟む一対の端部を含み、
前記一対の端部は前記中心部から突き出した部分であり、
前記中心部の径の長さは、前記ばねの外形寸法より長く、前記フランジの径より短い、請求項2に記載の支持構造物。
【請求項10】
前記ばね高さ調整機構は、
ロッドと、
筒状の構造体と、を含み、
前記ロッドの上端は、前記取付部に取り付けられ、
前記ロッドの下端は、前記構造体の上端に挿通され、
前記構造体の下端は、前記ベースプレートに取り付けられる、
請求項9に記載の支持構造物。
【請求項11】
前記ロッドの上端は、前記取付部の前記ベースプレート側の面と、前記取付部の前記ベースプレート側の面と反対側の面のそれぞれに、前記ばね座を挟むように、第1のナットと第2のナットを用いて固定され、
前記ロッドの下端側は、第3のナットを用いて固定される、請求項10に記載の支持構造物。
【請求項12】
前記第2のナットは、前記ロッドの下端側と前記第3のナットとの間に移動されると、前記ばね座は上下に移動可能となる、請求項11に記載の支持構造物。
【請求項13】
前記ばね高さ調整機構は、
支持部材と、
前記支持部材の下端が配置された梁部、及び、前記梁部に取り付けられた柱状部を含む構造体と、を含み、
前記支持部材の上端は、前記取付部に取り付けられ、
前記柱状部は、前記ベースプレートに取り付けられる、
請求項2に記載の支持構造物。
【請求項14】
前記支持部材の上端は前記取付部を挟持し、前記支持部材の下端は前記梁部を挟持する、
請求項13に記載の支持構造物。
【請求項15】
前記ばね高さ調整機構は、
プリセットピースと、
前記プリセットピースの下端が配置されたスリットを含む構造体と、を含み、
前記プリセットピースの上端は、前記取付部に取り付けられ、
前記構造体の下端は、前記ベースプレートに取り付けられる、
請求項2に記載の支持構造物。
【請求項16】
前記プリセットピースは、複数のワッシャーを含むスペーサを含み、
前記スペーサは、前記ばね座と前記スリットとの間に配置される、
請求項15に記載の支持構造物。
【請求項17】
前記ばね座は、前記スリットと重畳する開口を有する突出部を有する、
請求項16に記載の支持構造物。
【請求項18】
前記プリセットピースは、前記スペーサを挿通するロッドを含み、
前記ロッドは、前記開口の中を移動可能に構成される、
請求項17に記載の支持構造物。
【請求項19】
前記取付部は、切り欠き、縁部、又は開口である、請求項2に記載の支持構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、支持構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を輸送するために、例えば、配管、流体の制御を行うバルブ、流体を貯める容器などの機器が用いられる。配管、バルブ、又は容器などの機器の内部に流体が流れると、機器の重量、又は機器の温度が変化する。その結果、機器の位置は、機器が始めに配置された位置から変化する。その動きに一定の反力を発生させるとともに追従するのが、支持構造物である。例えば、特許文献1は、機器の一例として配管を用いて、配管の上下に弾性体としてばねが配置された支持構造物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の課題の一つは、新規な構造を備える支持構造物を提供することを課題の一つとする。また、本発明の実施形態の課題の一つは、耐久性が高く、メンテナンスが容易である支持構造物を提供することを課題の一つとする。さらに、本発明の実施形態の課題の一つは、軽量化された支持構造物を提供することを課題の一つとする。また、本発明の実施形態の課題の一つは、コストの低減が可能な支持構造物を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る支持構造物は、機器が配置されるフランジと、前記フランジと対向するベースプレートと、前記フランジと前記ベースプレートとの間に配置されるばね座と、前記ばね座と前記ベースプレートとの間に配置される少なくとも1つのばねと、前記ばねの中心軸に対して対称に、前記ばねと離隔して配置されると共に、前記ばね座とベースプレートとの間に配置される一対のばね高さ調整機構と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、新規な構造を備える支持構造物を提供することができる。また、本発明の一実施形態によれば、耐久性が高く、メンテナンスが容易である支持構造物を提供することができる。さらに、本発明の一実施形態によれば、小型軽量化された支持構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る支持構造物の概略を示す斜視図である。
【
図2A】第1実施形態に係るばね高さ調整機構の周辺の概略を示す斜視図である。
【
図2B】第1実施形態に係るばね高さ調整機構の周辺の概略を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る支持構造物の概略を示す平面図である。
【
図4】第1実施形態に係る支持構造物の概略を示す側面図である。
【
図5】第1実施形態に係る支持構造物の概略を示す側面図である。
【
図6】第2実施形態に係る支持構造物の概略を示す斜視図である。
【
図7A】第2実施形態に係るばね高さ調整機構の周辺の概略を示す斜視図である。
【
図7B】第2実施形態に係るばね高さ調整機構の周辺の概略を示す斜視図である。
【
図8】第2実施形態に係る支持構造物の概略を示す平面図である。
【
図9】第2実施形態に係る支持構造物の概略を示す側面図である。
【
図10】第2実施形態に係る支持構造物の概略を示す側面図である。
【
図11】第3実施形態に係る支持構造物の概略を示す斜視図である。
【
図12A】第3実施形態に係るばね高さ調整機構の周辺の概略を示す斜視図である。
【
図12B】第3実施形態に係るばね高さ調整機構の周辺の概略を示す斜視図である。
【
図13】第3実施形態に係る支持構造物の概略を示す側面図である。
【
図14】第3実施形態に係る支持構造物の概略を示す側面図である。
【
図15A】ばね座の変形例の概略を示す斜視図である。
【
図15B】ばね座の変形例の概略を示す斜視図である。
【
図16】第4実施形態に係る配管支持装置支持構造物の概略を示す斜視図である。
【
図17】第4実施形態に係るばね高さ調整機構の周辺の概略を示す斜視図である。
【
図18】第5実施形態に係る支持構造物の概略を示す斜視図である。
【
図19】第5実施形態に係るばね高さ調整機構の周辺の概略を示す斜視図である。
【
図20】第5実施形態に係る支持構造物の概略を示す平面図である。
【
図21】第5実施形態に係る支持構造物の概略を示す側面図である。
【
図22】第5実施形態に係る支持構造物の概略を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の支持構造体の各実施形態について、機器として配管を用いた例を、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。例えば、支持構造体は、機器として、バルブを用いてよく、容器を用いてもよい。
【0009】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図面において、既出の図面に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0010】
本明細書および図面において、同一、あるいは類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これらを個別に表記する際には符号の後にハイフンと数字を付す。
【0011】
本明細書および請求項において、複数の要素が一体化されるとは、複数の要素は互いに異なる機能を有するものの、これらは一つの部材から形成されて連続的な構成を有することを意味する。したがって一体化された複数の要素は、互いに同一の材料を含み、同一の組成を有する。
【0012】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0013】
本明細書において、対称、同一及び一致という表記を用いている場合、対称、同一及び一致には、設計の範囲及び製造の範囲での誤差が含まれてもよい。
【0014】
以下の説明において、説明の便宜上、「上」、「下」、「前」、「後、「右」、「左といった方向を示す語句を用いる場合がある。支持構造物に対して、重力の働く方向が「下」であり、その逆が「上」である。また、支持構造物に含まれるフランジが配置されている側が「上」であり、支持構造物に含まれるベースプレートが配置されている側が「下」であり、「上」の逆が「下」である。さらに、「前」から「後」に向かって、右側が「右」であり、左側が「左」である。また、支持構造物の上下方向に沿う中心線を基準として、中心線から遠い側を外側、中心線に近い側を内側とする。
【0015】
以下の説明において、説明の便宜上、鉛直方向をz方向とし、z方向に垂直な水平面をxy平面とする。x方向及びy方向はz方向に直交する。
【0016】
<第1実施形態>
図1~
図5を参照し、第1実施形態に係る支持構造物100を説明する。支持構造物100は、機器としての配管を支持するとともに、熱や重量の変化による配管の移動に追従する機能を備える。
【0017】
1.支持構造物100の全体構成
図1は支持構造物100の概略を示す斜視図であり、
図2A及び
図2Bはばね高さ調整機構200-1の周辺の概略を示す斜視図であり、
図3は支持構造物100をz方向から観察した平面図であり、
図4は支持構造物100をx方向から観察した側面図であり、
図5はy方向から観察した側面図である。
【0018】
支持構造物100は、ベースプレート126、ばね座102、一対の側面プレート152、少なくとも一つのばね104、並びに、ばね高さ調整機構200-1及び200-2を備える。少なくとも一つのばね104は複数のばねを含んでもよい。支持構造物100は、一例として、2つのばね104及び105を備える。支持構造物100は、複数のばねを含むことで、荷重や上下方向の移動が大きな配管でも対応することができる。
【0019】
支持構造物100は、任意の構成として、フランジ108、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2を備える。支持構造物100が備える構成は、例えば、鉄、ステンレスなどの金属を用いて構成される。以下、これらの構成について詳述する。なお、第1のロードコラムは、単に、ロードコラムといわれ、第2のロードコラムはガイドコラムといわれる場合がある。
【0020】
1-1.ばね高さ調整機構
はじめに、
図1~
図2B、
図4及び
図5を参照し、ばね高さ調整機構200-1及び200-2の構成及び機能の概要を説明する。
【0021】
例えば、建造物内等の配管をフランジ108の上方に配置する場合には、支持構造物100のベースプレート126が建造物の床に固定された状態で、配管がフランジ108の上方に配置される。配管が支持構造物100に配置される前の状態で、ばね104及び105の長さが自然長である場合には、配管がフランジ108の上方に配置され、配管の荷重によってばね104及び105が必要以上に収縮し、ばね座102と共にフランジ108が所定の位置より下方向に移動する。その結果、配管が所定の位置から下方向にずれた状態で配置される。この場合、例えば、ばね104及び105が歪み、配管が脱落する可能性があり、また、ばね104及び105が通常より速く劣化する可能性がある。すなわち、支持構造物100の安全性に問題が生じる可能性がある。
【0022】
よって、配管が支持構造物100の安全性を考慮し、配管が支持構造物100に配置される前の状態で、予め、ばね104及び105の長さを自然長より短い状態にセットすること、すなわち、予め、ばね104及び105を圧縮した状態にセットすることが好ましい。また、ばね104及び105が、例えば、自然長に戻ることを制限すること、すなわち、ばね104及び105の上方への移動を制限することが好ましい。
【0023】
ばね高さ調整機構200-1及び200-2は、ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能の両方の機能を兼ね備える。ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能は、プリセットと呼ばれる場合があり、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能は、リミットストップと呼ばれる場合がある。
【0024】
図1~
図2B、
図4及び
図5に示されるように、ばね高さ調整機構200-1及び200-2は、ばね座102及びベースプレート126に取り付けられる。また、
図1及び
図4に示されるように、ばね高さ調整機構200-1及び200-2は、x方向に沿って、互いに対向する位置に配置される。ばね高さ調整機構200-1の構成及び機能は、ばね高さ調整機構200-2の構成及び機能と同様である。以降の説明では、主に、ばね高さ調整機構200-1の構成及び機能が説明され、必要に応じて、ばね高さ調整機構200-2の構成及び機能が説明される。
【0025】
ばね高さ調整機構200-1は、少なくとも、構造体220-1、ロッド204、ナット208、及びナット210を含む。
【0026】
構造体220-1は、第1の柱状部222-1、第2の柱状部222-2、及び、中央にz方向に貫通した開口222-6と両端に第1の突縁部222-4及び第2の突縁部222-5とを含む梁部222-3、を含む。
【0027】
第1の柱状部222-1及び第2の柱状部222-2は、y方向に沿って延在すると共に、開口222-6の中心を通ってz方向に沿った軸に対して、x方向に沿って対称又は略対称かつ対向する位置に配置される。第1の柱状部222-1及び第2の柱状部222-2の上端が梁部222-3のベースプレート126側の面に取付けられ、第1の柱状部222-1及び第2の柱状部222-2の下端がベースプレート126に取付けられる。
【0028】
第1の柱状部222-1及び第2の柱状部222-2の梁部222-3及びベースプレート126への取り付け方法は任意の方法である。例えば、第1の柱状部222-1及び第2の柱状部222-2は、溶接、ボルト又はナット等を用いて、梁部222-3及びベースプレート126に取り付けられてよい。また、第1の柱状部222-1、第2の柱状部222-2、及び梁部222-3は、射出成型法などを用いて一体成型されてもよい。
図1~
図2B、
図4及び
図5に示される例では、第1の柱状部222-1、第2の柱状部222-2、及び梁部222-3は、一体成型され、第1の柱状部222-1及び第2の柱状部222-2は、溶接を用いてベースプレート126に取り付けられる。
【0029】
図1~
図2B、
図4及び
図5に示される例では、第1の柱状部222-1の形状及び第2の柱状部222-2の形状は角柱である。
【0030】
梁部222-3は、x方向に沿って延在する。第1の突縁部222-4及び第2の突縁部222-5は、梁部222-3に取り付けられた第1の柱状部222-1及び第2の柱状部222-2の位置から、x方向に沿って互いに外側に突出するように設けられる。
【0031】
ロッド204は、ロッド204及び構造体220-1の長手がz方向に沿って位置するように、配置される。より具体的には、ロッド204の下端がz方向に沿って開口222-6に挿通される。ロッド204が開口222-6に挿通された状態で、梁部222-3を挟んでロッド204の上下にナット208及びナット210が取り付けられ、ロッド204(の下端)は梁部222-3を挟むように取り付けられる。このとき、ナット208は梁部222-3のばね座102側の面に取り付けられ、ナット210は梁部222-3のベースプレート126側の面に取り付けられる。こうして、ロッド204の下端は、梁部222-3に固定される。ロッド204の表面は複数のねじ山を含む。ナット208及びナット210のそれぞれの開口は複数のねじ山を含む。ナット208及びナット210は、回転されることによって、y方向に沿って、ロッド204の表面を上下に移動することができる。
【0032】
また、ロッド204の上端は、後述されるばね座102の切り欠き102N-1に配置される。ロッド204が、切り欠き102N-1に配置された状態で、ばね座102を挟んでロッド204の上下にナット202及び206が取付けられ、ロッド204(の上端)は、ばね座102(切り欠き102N-1)を挟むように取り付けられる。このとき、ナット202はばね座102の梁部222-3側と反対側の面に取り付けられ、ナット206はばね座102側の面に取り付けられ、ナット210は梁部222-3のベースプレート126側の面に取り付けられる。また、ナット202とばね座102の間、及び、ばね座102とナット206の間には、ワッシャー212-1及び212-2がロッド204に挿通される。こうして、ロッド204の上端はばね座102に固定される。なお、ロッド204のz方向(長手方向)の長さは、配管が配置された場合に座屈が生じないような長さにすることが好ましい。なお、各実施形態において、切り欠きは取付部といわれる場合がある。
【0033】
以上説明した通り、ばね高さ調整機構200-1は、ロッド204の上端がばね座102の切り欠き102N-1に取り付けられ、構造体220-1がベースプレート126に取り付けられ、ばね座102及びベースプレート126に固定される。
【0034】
次に、主に、
図2A~
図2B、
図5を参照し、支持構造物100のプリセット、リミットストップ、及び、配管を設置する方法を説明する。
図2Aに示されるばね高さ調整機構200-1は、ばね104及び105を圧縮した状態にセットした状態、すなわち、プリセットの状態である。上述のとおり、ロッド204の下端が、ナット208及びナット210を用いて、梁部222-3に固定されている。この状態は、ばね104及び105がプリセットされた状態であり、ばね座102がz方向に沿って上下に移動できない状態である。
【0035】
図2Bに示されるばね高さ調整機構200-1は、ばね104及び105の上方への移動を制限した状態、すなわち、リミットストップの状態である。梁部222-3のばね座102側でロッド204に取り付けられたナット208が、z方向に沿って、ばね座102に向かって移動されている。一方、梁部222-3のベースプレート126側でロッド204に取り付けられたナット210は、梁部222-3に当接している。すなわち、ナット210が梁部222-3に当接することによって、ばね座102が上方へ移動することを制限されている。また、梁部222-3と第2の屈曲部152BN-2の端部152Mとの距離L8、及び、第2の屈曲部152BN-2の端部152Mとベースプレート126との距離L9は、ばね104及び105のたわみを補償する長さに設定される。
【0036】
また、支持構造物100は、
図2Bに示される状態で、配管を設置する。
図2Bに示される状態で、配管が支持構造物100のフランジ108に配置されると、配管の荷重に応じて、
図2Bの黒矢印で示された方向に沿って、フランジ108、フランジ108が取付けられたロード106、ロードが取付けられた第1のロードコラム107-1、第1のロードコラム107-1が取り付けられたばね座102、ばね座102に取り付けられた第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2、ばね座102に取り付けられたばね高さ調整機構200-1のロッド204及びばね高さ調整機構200-2のロッド204、ばね104及び105が移動する。このとき、第1のロードコラム107-1は第2のロードコラム107-2の内側を移動する。その結果、支持構造物100は、ばね高さLA(
図5を参照)を調整し、配管の動きに追従することができる。
【0037】
ばね高さ調整機構200-1及び200-2のそれぞれは、ナット202及び206を含んでもよい。また、ロッド204の形状、第1の柱状部222-1の形状、第2の柱状部222-2の形状、及び梁部222-3の形状は、上述された例に限定されない。支持構造物100の用途及び仕様に合わせて、互いの形状に応じて取り付け可能な形状を、適宜選択可能である。
【0038】
1-2.ベースプレート
図1に示されるように、ベースプレート126は、ばね105、及びばね高さ調整機構200-1及び200-2を支持する。ベースプレート126は、ばね105の伸縮方向に対して垂直となるように配置される。また、ベースプレート126は、複数の開口126Oを含む。
【0039】
複数の開口126Oは、支持構造物100を設置場所に、取り外し可能に固定又は締結するための開口である。例えば、ボルトやナットなどの締結部材を用いて、支持構造物100を地面に設置することができる。具体的には、開口126Oにボルトを通して、支持構造物100を地面に固定又は締結することができる。ベースプレート126は、設置場所のスペースに合わせて形状を変更することができる。また、複数の開口126Oは、ベースプレート126の形状に合わせて支持構造物100に配置されてよい。
【0040】
図1に示されるベースプレート126は矩形の形状である。支持構造物100の開口126Oは、ばね105を挟んでベースプレート126の四隅に対角線上に配置される。また、開口126Oは、平面視において、x方向によって、2つの開口126Oの間に、ばね高さ調整機構200-1及び200-2を挟むように、ベースプレート126上に配置される。なお、支持構造物100は、溶接等を用いて設置場所に設置してよい。
【0041】
1-3.ばね座
図1及び
図5に示されるように、ばね座102は、フランジ108とばね104の間に配置され、主面がxy平面と平行又は略平行になるように配置される。ばね座102の両端は、一対の切り欠き102N-1及び102N-2を含む。一対の切り欠き102N-1及び102N-2には、ばね高さ調整機構200-1及び200-2が取り付けられる。ばね高さ調整機構200-1及び200-2がベースプレート126に固定されているため、ばね座102は、z方向(ばね104の中心軸(以下、ばね軸))に沿って、ベースプレート126と対向し、ベースプレート126のxy方向と平行又は略平行になるように、ばね高さ調整機構200-1及び200-2を用いて、ベースプレート126の上に配置される。また、ばね座102は、フランジ108とばね104との間に配置される。支持構造物100が設置場所に固定又は締結され、ばね座102は、ばね104及び105の伸縮に連動して、上下方向(z方向)に移動することができる。
【0042】
ばね座102は、開口102aを含む。詳細は後述されるが、開口102aには第1のロードコラム107-1が挿通され、第1のロードコラム107-1はばね座102に取り付けられる。ばね座102と開口102a、ばね104及び105、並びに、中間リング109のz方向における位置関係を、
図1、
図4及び
図6を参照し説明する。開口102aは、ばね104及び105の内側や中間リング109の開口109aとz方向において重なるように配置される。開口106aの一部が、ばね104及び105、並びに、中間リング109とz方向において重なってもよい。
【0043】
1-4.側面プレート
図1、
図3~
図5に示される例では、一対となる第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2が、xy平面において、ばね座102を挟むように配置される。また、第1の側面プレート152-1と第2の側面プレート152-2は、
図5に示されるy方向に沿った側面視において、ばね104、ばね105の一部、ばね高さ調整機構200-1及び200-2を挟むと共に、互いに対向するように配置される。第1の側面プレート152-1と第2の側面プレート152-2との間の長さL5は、ばね104及び105の外形寸法L1より長く、ベースプレート126のx方向の長さL6より短い。
【0044】
一対の第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2は同様の構成を含む。以降の説明では、主に、第2の側面プレート152-2が説明され、必要に応じて第1の側面プレート152-1が説明される。
【0045】
第2の側面プレート152-2は、ばね座102に締結される上面部152T、ばね104を挟む一方の側面部152S、上面部152Tと側面部152Sとの間の第1の屈曲部152BN-1、z方向において上面部152Tと反対側に第2の屈曲部152BN-2を含む。
【0046】
図5に示されるように、第2の側面プレート152-2の上面部152Tは、ばね座102の上に位置し、ボルト154とナット156を用いてばね座102に締結される。
【0047】
また、
図1、
図4及び
図5に示されるように、第2の側面プレート152-2の側面部152Sは、切り欠き152Nを含む。切り欠き152Nは、側面部152Sにおいて中央に位置するように配置される。切り欠き152Nの両側には、第2の屈曲部152BN-2が配置される。
【0048】
図4又は
図5に示されるように、第2の屈曲部152BN-2は、側面部152Sから第2の柱状部222-2に向かって曲がる部分と、第1の突縁部222-4の下方を第1の突縁部222-4に沿って平行又は略平行に延伸する端部152Mを含む。第2の屈曲部152BN-2は、第1の突縁部222-4とベースプレート126との間に位置するように配置される。
【0049】
第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2の第2の屈曲部152BN-2は、第1の突縁部222-4とベースプレート126との間に位置するように配置されるため、第1の突縁部222-4によって、ばね座102、ばね104及び105の上方への移動を抑制され、ベースプレート126によって下方への移動を抑制されてもよい。
【0050】
また、側面視において、切り欠き152Nの両側に配置される第2の屈曲部152BN-2及び端部152Mは、ばね高さ調整機構200-1に含まれる第2の柱状部222-2、及び、ばね高さ調整機構200-2に含まれる第2の柱状部222-2に重畳する。また、切り欠き152Nの両側に配置される第2の屈曲部152BN-2は、それぞれ、ばね高さ調整機構200-1に含まれる端部152M、及び、ばね高さ調整機構200-2に含まれる端部152Mに重畳する。
【0051】
切り欠き152Nの長さL3は、ばね高さ調整機構200-1とばね高さ調整機構200-2との間の長さL2より長い。また、長さL2及びL3は、ベースプレート126のy方向の長さL4より短い。その結果、ばね高さ調整機構200-1、ばね高さ調整機構200-2、及び、第2の屈曲部152BN-2は、ベースプレート126の内側かつ切り欠き152Nの外側に、重畳するように配置される。
【0052】
切り欠き152Nの両側に配置される第2の屈曲部152BN-2及び端部152Mの間の距離L3は、ばね104及び105の外形寸法L1より長い。切り欠き152Nは、側面視において、ばね104の一部及びばね105の一部と重畳する。すなわち、切り欠き152Nを含む支持構造物100は、切り欠き152N越しに高い通気性を有する。例えば、ばねがケースで覆われた支持構造物は、通気性が悪く、耐久性が低い。一方、支持構造物100は、通気性の悪さに伴う耐久性が高い。
【0053】
また、作業者は、切り欠き152N越しに、支持構造物100の内部まで視認可能である。例えば、ばねがケースで覆われた支持構造物は、内部の目視が困難である。一方、作業者は、支持構造物100を
図4に示すようなx方向から見た場合は、切り欠き152N越しに支持構造物100の内部まで視認可能である。また、作業者は、支持構造物100を
図5に示すようなy方向から見た場合は、ケースに遮られることなく、支持構造物100内のばね104及び105、ばね高さ調整機構200-1などを目視可能である。よって、支持構造物100は、作業者によるメンテナンスが容易である。
【0054】
1-5.フランジ、ばね、ロード、及びロードコラム
フランジ108は、フランジ108の上方(例えば、z方向に沿って上方)に配置された配管を支持する機能を有する。フランジ108は、z方向に沿って、ベースプレート126と対向するように配置される。フランジ108は、ロード106に取り付けられる面、及び、ロード106に取り付けられる面と反対側の面を含む。ロード106に取り付けられる面と反対側の面が、配管を支持する面である。支持構造物100では、配管の荷重に応じて、フランジ108とばね座102との間の長さを調整することができる。具体的には、フランジ108とばね座102との間の長さは、ナット114-1及び114-2を用いて調節することができる。
【0055】
フランジ108の形状は、
図3に示されるように、例えば、平面視において、円形である。フランジ108の径L7は、様々な荷重の配管を積載可能なように、ばね104及び105の外形寸法L1より大きくてもよい。また、
図4又は
図5に示されるように、フランジ108の径L7は、ロード106の径、第1のロードコラム107-1の径、及び第2のロードコラム107-2の径より大きい。
【0056】
図1、
図3~
図5に示される例では、ばね104及び105は、ばね軸がz方向に沿うように重畳すると共に、ばね座102とベースプレート126の間に配置される。ばね104及び105は、ばね座102とベースプレート126で挟持されるが、ばね座102とベースプレート126とは、溶接又はボルト留めをする必要は無い。
【0057】
ばね104及び105には、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2が挿通されている。第2のロードコラム107-2がベースプレート126に固定されているため、ばね104及び105のxy平面内での移動は、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2によって抑制される。その結果、ばね104及び105は配管の荷重を均一に受けることができる。また、ばね104及び105が、ばね軸に対して必要以上に歪むことを抑制できる。よって、支持構造物100は、ばねの歪みに伴う劣化を抑制することができる。
【0058】
図4及び
図5に示される例では、開口109aを含む中間リング109が、ばね104と105との間に配置される。ばね104は、ばね座102と中間リング109のばね座102に面した面との間に配置され、ばね105は、中間リング109のベースプレート126に面した面とベースプレート126との間に配置される。支持構造物100が、一つのばねを含む場合には、中間リング109を含まなくてよい。
【0059】
ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2は、ばね軸及びz方向に沿って、フランジ108からベースプレート126に向かって、配置される。より具体的には、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2の長手が、ばね軸及びz方向に沿って位置するように配置される。また、ロード106の一部及び第1のロードコラム107-1は、ばね104に囲まれるように配置される。第1のロードコラム107-1の一部及び第2のロードコラム107-2は、ばね105に囲まれるように配置される。または、ロードコラム117-1および第2のロードコラム117-2がばね104、105を囲むように配置することができる。
【0060】
ロード106はばね座102の中心部を貫通し、ばね座102とフランジ108との間に位置するように取付けられる。より具体的には、ロード106は第1のロードコラム107-1とフランジ108との間に位置するように取付けられる。
図1、
図4及び
図5に示される例では、ロード106の形状は円柱状である。ロード106の径は、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2に取り付け可能なように、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2の径より小さい。
【0061】
ロード106とフランジ108との取り付け方式、及び、ロード106と第1のロードコラム107-1との取り付け方式は任意である。例えば、ロード106は、溶接又はナットを用いてフランジ108及び第1のロードコラム107-1に取り付けられてよい。第1のロードコラム107-1の形状は、例えば、筒状である。
図4及び
図5に示される例では、ロード106の上端の一部はナット114-1を用いてばね座102の上のフランジ108に取り付けられ、ロード106の下端の一部はナット114-2を用いて、筒状の第1のロードコラム107-1の内側に取付けられる。
【0062】
第1のロードコラム107-1は、ばね座102に含まれる開口102aに挿通され、ばね座102に取り付けられる。第1のロードコラム107-1の下端の一部は、筒状の第2のロードコラム107-2の内側に挿通される。第1のロードコラム107-1の下端の一部は、配管の荷重に伴い、第2のロードコラム107-2の内側を移動可能である。上述のとおり、第1のロードコラム107-1の形状は、例えば、筒状である。なお、第1のロードコラム107-1の形状は筒状に限定されず、ロード106が第1のロードコラム107-1に取り付け可能な構成であればよい。
【0063】
ばね座102がばね104及び105の伸縮に連動して、上下方向(z方向)に移動すると、第1のロードコラム107-1は、ばね104及び105の伸縮に連動して、上下方向(z方向)に移動する。
【0064】
第2のロードコラム107-2は、開口109aを貫通すると共に、中間リング109に接している。また、第2のロードコラム107-2は、ベースプレート126に取り付けられると共に、固定される。第2のロードコラム107-2とベースプレート126との取り付け方式は任意である。例えば、第2のロードコラム107-2は、溶接、ボルト又はナット等を用いて、ベースプレート126に取り付けられてよい。
図1及び
図4に示される例では、第2のロードコラム107-2は、溶接を用いてベースプレート126に取り付けられる。上述のとおり、第2のロードコラム107-2の形状は、例えば、筒状である。なお、第2のロードコラム107-2の形状は筒状に限定されず、第1のロードコラム107-1が第2のロードコラム107-2に取り付け可能な構成であればよい。
【0065】
なお、支持構造物100の第1のロードコラム107-1の径が、
図5に示される例では、第2のロードコラム107-2の径より小さく(細く)、第1のロードコラム107-1は第2のロードコラム107-2の内側に配置されるが、第1のロードコラム107-1の径は、第2のロードコラム107-2の径より大きく(太く)、第1のロードコラム107-1は第2のロードコラム107-2の外側に、第2のロードコラム107-2を囲むように配置されてもよい。
【0066】
フランジ108の形状、ロード106の形状、第1のロードコラム107-1の形状及び第2のロードコラム107-2の形状は、上述された例に限定されない。支持構造物100の用途及び仕様に合わせて、互いの形状に応じて取り付け可能な形状を、適宜選択可能である。
【0067】
以上説明したとおり、支持構造物100は、ばね座102とベースプレート126との間に、ばね104及び105を圧縮した状態にセットするプリセットの機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限するリミットストップの機能の両方の機能を兼ね備えたばね高さ調整機構200-1及び200-2を備える。すなわち、支持構造物100は、二つの機能を一つのばね高さ調整機構で実施可能であり、高性能な支持構造物である。
【0068】
また、従来例の支持構造物は、例えば、z方向に沿って、ばね座の上に蓋状の部材が配置され、蓋状の部材とばね座の間にリミットストップ機能を有する構成を含んでいる。一方、支持構造物100は、ばね座102とベースプレート126との間に、プリセット及びリミットストップの機能を兼ね備えたばね高さ調整機構200-1及び200-2を含むことによって、従来例におけるばね座の上のスペース(蓋状の部材及びリミットストップ機能を有する構成が設けられていたスペース)を省略し、支持構造物100の高さを、従来例の支持構造物の高さより低くできる。その結果、支持構造物100は、小型化可能な支持構造物である。
【0069】
さらに、支持構造物100は、二つの機能を、一対のばね高さ調整機構200-1及び200-2によって構成することができるため、支持構造物100を構成する部品点数が削減可能である。その結果、支持構造物100は、コスト低減可能であると共に軽量化可能な支持構造物である。
【0070】
また、支持構造物100は、支持構造物100を構成する部品点数の削減が可能な構成であると共に、ばね104及び105を覆う部材を少なくすることができる。その結果、支持構造物100はケースに遮られることなく、通気性に優れ、作業者は、支持構造物100内の内部を目視可能である。よって、支持構造物100は、通気性の悪さに伴う耐久性が高く、作業者によるメンテナンスが容易である。
【0071】
1-6.ばね座の変形例
図15Aにばね座の変形例を示す。第1実施形態に係るばね座102は、ばね座102Bであってもよい。ばね座102Bの説明においては、ばね座102と異なる点を中心に説明する。ばね座102Bの両端は、一対の開口102BO-1及び102BO-2を含む。一対の開口102BO-1及び102BO-2には、ばね高さ調整機構200-1及び200-2が取り付けられる。なお、ばね座102Bは、一対の第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2を、ボルト154とナット156を用いて締結するための、4つの開口102BOを含む。なお、開口102BO-1及び開口102BO-2は取付部といわれる場合がある。
【0072】
<第2実施形態>
図6~10を参照し、第2実施形態に係る支持構造物100Aを説明する。第2実施形態に係る支持構造物100Aは、第1実施形態に係る第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2を含まず、第1実施形態に係る支持構造物100と異なるばね座102A及びばね高さ調整機構200A-1及び200A-2を含む。支持構造物100Aのばね座102A及びばね高さ調整機構200A-1及び200A-2の構成及び機能以外は、第1実施形態に係る支持構造物100の構成及び機能と同様である。よって、支持構造物100Aのここでの説明は、第1実施形態に係る支持構造物100と相違する点を中心に説明する。
図6~
図10と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0073】
2.支持構造物100Aの全体構成
図6は支持構造物100Aの概略を示す斜視図であり、
図7A及び
図7Bはばね高さ調整機構200A-1の周辺の概略を示す斜視図であり、
図8は支持構造物100Aをz方向から観察した平面図であり、
図9は支持構造物100Aをx方向から観察した側面図であり、
図10はy方向から観察した側面図である。
【0074】
支持構造物100Aは、ベースプレート126、ばね座102A、少なくとも一つのばね104、並びに、ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2を備える。少なくとも一つのばね104は複数のばねを含んでもよい。支持構造物100Aは、支持構造物100と同様に、一例として、2つのばね104及び105を備える。支持構造物100Aは、複数のばねを含むことで、荷重や上下方向の移動が大きな配管でも対応することができる。
【0075】
支持構造物100Aは、任意の構成として、フランジ108、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2を備える。支持構造物100Aが備える構成は、例えば、鉄、ステンレスなどの金属を用いて構成される。
【0076】
以下、これらの構成について詳述するが、第2実施形態に係るベースプレート126、ばね104及び105、フランジ108、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2の構成及び機能は、第1実施形態に係るベースプレート126、ばね104及び105、フランジ108、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2の構成及び機能と同様である。よって、ベースプレート126、ばね104及び105、フランジ108、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2の構成及び機能は、必要に応じて、説明される。
【0077】
2-1.ばね高さ調整機構
はじめに、
図6~
図7B、
図9及び
図10を参照し、ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2の構成及び機能の概要を説明する。
【0078】
図6~
図7B、
図9及び
図10に示されるように、ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2は、ばね座102A及びベースプレート126に取り付けられる。ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2は、ばね高さ調整機構200-1及び200-2と同様に、ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能の両方の機能を兼ね備える。ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能は、プリセットと呼ばれる場合があり、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能は、リミットストップと呼ばれる場合がある。また、
図6及び
図9に示されるように、ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2は、x方向に沿って、互いに対向する位置に配置される。ばね高さ調整機構200A-1の構成及び機能は、ばね高さ調整機構200A-2の構成及び機能と同様である。以降の説明では、主に、ばね高さ調整機構200A-1の構成及び機能が説明され、必要に応じて、ばね高さ調整機構200A-2の構成及び機能が説明される。
【0079】
ばね高さ調整機構200A-1は、少なくとも、構造体220A-1、ロッド204、ナット208、及びナット210を含む。
【0080】
支持構造物100Aに含まれる構造体220A-1の構成及び機能は、第1実施形態に係る支持構造物100の構造体220-1に含まれる第1の柱状部222-1、及び第2の柱状部222-2を、第1の柱状部222A-1、及び第2の柱状部222A-2に置き換えた構成及び機能と同様である。よって、第1の柱状部222A-1、及び第2の柱状部222A-2の構成及び機能は、必要に応じて説明される。
【0081】
支持構造物100Aに含まれる構造体220A-1の梁部222A-3の構成及び機能は、第1実施形態に係る支持構造物100の構造体220-1に含まれる梁部222-3から第1の突縁部222-4及び第2の突縁部222-5を除いて、梁部222A-3に置き換えた構成及び機能と同様である。よって、梁部222A-3の構成及び機能は、必要に応じて説明される。
【0082】
第2実施形態に係るロッド204、ナット208、及びナット210の構成及び機能は、第1実施形態に係るロッド204、ナット208及びナット210と、構造体220-1、開口222A-6、梁部222A-3、及びばね座102との配置、位置関係及び取り付け方などを、第2実施形態に係るロッド204、ナット208及びナット210と、構造体220A-1、開口222A-6、梁部222A-3、及びばね座102Aとの配置、位置関係及び取り付け方などに置き換えた構成及び機能と同様である。よって、第2実施形態に係るロッド204、ナット208及びナット210の構成及び機能は、必要に応じて説明される。
【0083】
図6~
図7B、
図9及び
図10に示されるように、ばね高さ調整機構200A-1は、ロッド204の上端がばね座102Aの切り欠き102AN-1に取り付けられ、構造体220A-1がベースプレート126に取り付けられ、ばね座102A及びベースプレート126に固定される。
【0084】
次に、主に、
図7A~
図7B、
図10を参照し、支持構造物100Aのプリセット、リミットストップ、及び、配管を設置する方法を説明する。
図7Aに示されるばね高さ調整機構200A-1は、ばね104及び105を圧縮した状態にセットした状態、すなわち、プリセットの状態である。ロッド204の下端が、ナット208及びナット210を用いて、梁部222A-3に固定されている。この状態は、ばね104及び105がプリセットされた状態であり、ばね座102Aがz方向に沿って上下に移動できない状態である。
【0085】
図7Bに示されるばね高さ調整機構200A-1は、ばね104及び105の上方への移動を制限した状態、すなわち、リミットストップの状態である。梁部222A-3のばね座102A側でロッド204に取り付けられたナット208が、z方向に沿って、ばね座102Aに向かって移動されている。一方、梁部222A-3のベースプレート126側でロッド204に取り付けられたナット210は、梁部222A-3に当接している。すなわち、ナット210が梁部222A-3に当接することによって、ばね座102Aが上方へ移動することを制限されている。
【0086】
また、支持構造物100Aは、
図7Bに示される状態で、配管を設置する。
図7Bに示される状態で、配管が支持構造物100Aのフランジ108に配置されると、配管の荷重に応じて、
図7Bの黒矢印で示された方向に沿って、フランジ108、フランジ108が取付けられたロード106、ロード106が取付けられた第1のロードコラム107-1、第1のロードコラム107-1が取り付けられたばね座102A、ばね座102Aに取り付けられたばね高さ調整機構200A-1のロッド204及びばね高さ調整機構200A-2のロッド204、ばね104及び105が移動する。このとき、第1のロードコラム107-1は第2のロードコラム107-2の内側を移動する。その結果、支持構造物100Aは、ばね高さLA(
図10を参照)を調整し、配管を所定の位置に設置することができる。
【0087】
ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2のそれぞれは、ばね高さ調整機構200-1及び200-2と同様に、ナット202及び206を含んでもよい。
【0088】
2-2.ばね座
図6、
図9及び
図10に示されるように、ばね座102Aは、フランジ108の下に位置し、主面がxy平面と平行または実質的に平行になるように配置される。
図8に示される平面図のように、ばね座102Aは、破線で示されるばね104及び105と重なる中心部102AC、及び中心部102ACを挟む一対の端部102AEを含む。端部102AEは中心部102ACからxy平面において突き出した部分であり、中心部102ACを介して互いに対向する。このため、端部102AEは、z方向においてばね104及び105とは重ならない。中心部102ACの径の長さL10は、ばね104及び105の外形寸法L1より長く、フランジ108の径L7より短い。ばね座102Aの中心部102ACの長さL10は、ばね104のxy平面のズレに対して確実にばね104に接することが可能な大きさである。
【0089】
図6、
図8及び
図9に示されるように、ばね座102Aの両端は、一対の切り欠き102AN-1及び102AN-2を含む。一対の切り欠き102AN-1及び102AN-2には、ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2が取り付けられる。ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2がベースプレート126に固定されているため、ばね座102Aは、z方向(ばね104の中心軸(以下、ばね軸))に沿って、ベースプレート126と対向し、ベースプレート126のxy方向と平行又は略平行になるように、ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2を用いて、ベースプレート126の上に配置される。また、ばね座102Aは、フランジ108とばね104との間に配置される。支持構造物100Aが設置場所に固定又は締結され、ばね座102Aは、ばね104及び105の伸縮に連動して、上下方向(z方向)に移動することができる。
【0090】
ばね座102Aは、開口102Aaを含む。開口102Aaの構成及び機能は、第1実施形態に係る開口102aの構成及びと同様である。よって、開口102Aaの構成及び機能の説明は省略される。
【0091】
以上説明したとおり、支持構造物100Aは、ばね座102Aとベースプレート126との間に、ばね104及び105を圧縮した状態にセットするプリセットの機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限するリミットストップの機能の両方の機能を兼ね備えたばね高さ調整機構200A-1及び200A-2を備える。すなわち、支持構造物100Aは、支持構造物100と同様に、二つの機能を一つのばね高さ調整機構で実施可能であり、高性能な支持構造物である。
【0092】
また、支持構造物100Aは、ばね座102Aとベースプレート126との間に、プリセット及びリミットストップの機能を兼ね備えたばね高さ調整機構200A-1及び200A-2を含むことによって、従来例におけるばね座の上のスペースを省略し、支持構造物100Aの高さを、従来例の支持構造物の高さより低くできる。その結果、支持構造物100Aは、支持構造物100と同様に、小型化可能な支持構造物である。
【0093】
さらに、支持構造物100Aは、二つの機能を、一対のばね高さ調整機構200A-1及び200A-2によって構成することができるため、支持構造物100Aを構成する部品点数が削減可能である。その結果、支持構造物100Aは、支持構造物100と同様に、コスト低減可能であると共に軽量化可能な支持構造物である。
【0094】
また、支持構造物100Aは、側面プレートを含まないため、支持構造物100Aを構成する部品点数のさらなる削減が可能な構成であると共に、ばね104及び105を覆う部材をさらに少なくすることができる。その結果、支持構造物100Aは、通気性の悪さに伴う耐久性がさらに高く、作業者によるメンテナンスがより容易である。
【0095】
2-3.ばね座の変形例
図15Bにばね座の変形例を示す。第2実施形態に係るばね座102Aは、ばね座102Cであってもよい。ばね座102Cの説明においては、ばね座102Aと異なる点を中心に説明する。ばね座102Cの両端は、一対の開口102CO-1及び102CO-2を含む。一対の開口102CO-1及び102CO-2には、ばね高さ調整機構200A-1及び200A-2が取り付けられる。なお、開口102CO-1及び開口102CO-2は取付部といわれる場合がある。
【0096】
<第3実施形態>
図11~
図14を参照し、第3実施形態に係る支持構造物100Bを説明する。第3実施形態に係る支持構造物100Bは、第2実施形態に係るナット210を含まず、第2実施形態に係る支持構造物100Aと異なるばね高さ調整機構200B-1及び200B-2を含む。支持構造物100Bのばね高さ調整機構200B-1及び200B-2の構成及び機能以外は、第2実施形態に係る支持構造物100Aの構成及び機能と同様である。よって、支持構造物100Bのここでの説明は、第2実施形態に係る支持構造物100Aと相違する点を中心に説明する。
図11~
図14と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0097】
図11は支持構造物100Bの概略を示す斜視図であり、
図12A及び
図12Bはばね高さ調整機構200B-1の周辺の概略を示す斜視図であり、
図13は支持構造物100Bをz方向から観察した平面図であり、
図14はy方向から観察した側面図である。なお、支持構造物100Bをx方向から観察した側面図は、
図9と同様である。
【0098】
支持構造物100Bは、ベースプレート126、ばね座102A、少なくとも一つのばね104、並びに、ばね高さ調整機構200B-1及び200B-2を備える。少なくとも一つのばね104は複数のばねを含んでもよい。支持構造物100Bは、支持構造物100Aと同様に、一例として、2つのばね104及び105を備える。支持構造物100Bは、複数のばねを含むことで、荷重や上下方向の移動が大きな配管でも対応することができる。なお、第2実施形態と同様に、第3実施形態に係るばね座102Aは、
図15Bに示されたばね座102Cであってもよい。
【0099】
支持構造物100Bは、任意の構成として、フランジ108、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2を備える。支持構造物100Bが備える構成は、例えば、鉄、ステンレスなどの金属を用いて構成される。
【0100】
第3実施形態に係るベースプレート126、ばね座102A、ばね104及び105、フランジ108、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2の構成及び機能は、第2実施形態に係るベースプレート126、ばね座102A、ばね104及び105、フランジ108、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2の構成及び機能と同様である。よって、ベースプレート126、ばね座102A、ばね104及び105、フランジ108、ロード106、第1のロードコラム107-1及び第2のロードコラム107-2の構成及び機能の説明は省略される。
【0101】
【0102】
図11~
図12B、
図9及び
図14に示されるように、ばね高さ調整機構200B-1及び200B-2は、ばね座102A及びベースプレート126に取り付けられる。ばね高さ調整機構200B-1及び200B-2は、ばね高さ調整機構200-1及び200-2と同様に、ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能の両方の機能を兼ね備える。ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能は、プリセットと呼ばれる場合があり、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能は、リミットストップと呼ばれる場合がある。また、
図11及び
図9に示されるように、ばね高さ調整機構200B-1及び200B-2は、x方向に沿って、互いに対向する位置に配置される。ばね高さ調整機構200B-1の構成及び機能は、ばね高さ調整機構200B-2の構成及び機能と同様である。以降の説明では、主に、ばね高さ調整機構200B-1の構成及び機能が説明され、必要に応じて、ばね高さ調整機構200B-2の構成及び機能が説明される。
【0103】
ばね高さ調整機構200B-1は、少なくとも、構造体222B、ロッド204、及びナット208を含む。ばね高さ調整機構200B-1は、第2実施形態に係るナット210を含まない。
【0104】
図12Bに示されるように、構造体222Bの形状は筒状であり、構造体222Bは内部空間222B-1を含む。構造体222Bはz方向に沿って延在し、構造体220Bの下端は、ベースプレート126に取付けられる。構造体222Bのベースプレート126への取り付け方法は、第1実施形態と同様の方法を用いることができる。
図11~
図14に示される例では、構造体220Bのベースプレート126への取り付け方法は、第1実施形態と同様に、溶接を用いてベースプレート126に取り付けられる。
【0105】
構造体222Bの上端は、ロッド204の下端204-1が挿通される。構造体220Bとロッド204とは、重畳部204-2において重畳する。
【0106】
ロッド204の上端は、第2実施形態と同様に、ばね座102Aの切り欠き102AN-1に取り付けられる。ロッド204が切り欠き102AN-1に配置された状態で、ばね座102Aを挟んでロッド204の上下にナット202及び206が取付けられ、ロッド204(の上端)は、ばね座102A(切り欠き102AN-1)を挟むように取り付けられる。このとき、ナット202は、ばね座102Aの構造体222B側と反対側の面に取り付けられ、ナット206はばね座102A側の面に取り付けられ、ナット208は構造体222Bに接するように取り付けられる。また、ナット202とばね座102Aの間、及び、ばね座102Aとナット206の間には、ワッシャー212-1及び212-2がロッド204に挿通される。こうして、ロッド204の上端はばね座102Aに固定され、ロッド204の下端204-1は構造体222Bに固定される。
【0107】
以上説明した通り、ばね高さ調整機構200B-1は、ロッド204の上端がばね座102Aの切り欠き102AN-1に取り付けられ、構造体222Bがベースプレート126に取り付けられ、ばね座102A及びベースプレート126に固定される。
【0108】
次に、主に、
図12A~
図12B、
図14を参照し、支持構造物100Bのプリセット、リミットストップ、及び、配管を設置する方法を説明する。
図12Aに示されるばね高さ調整機構200B-1は、ばね104及び105を圧縮した状態にセットした状態、すなわち、プリセットの状態である。構造体222Bの上端がねじ切りされており、ロッド204の下端が、構造体222Bの上端のねじ切りされた部分に固定されている。この状態は、ばね104及び105がプリセットされた状態であり、ばね座102Aがz方向に沿って上下に移動できない状態である。なお、ロッド204の構造体222Bへの固定方法は、ここで示した例に限定されない。例えば、ロッド204の下端と構造体222B上端とを溶接で固定してもよい。
【0109】
図12Bに示されるばね高さ調整機構200B-1は、ばね104及び105の上方への移動を制限した状態、すなわち、リミットストップの状態である。構造体222Bに接するように、ロッド204に取り付けられたナット208が、z方向に沿って、構造体222Bに向かって移動されている。ロッド204の下端は、構造体220Bに挿通されており、予めばね106が圧縮された状態にセットされると共に、ばね104及び105の上方への移動が制限されるように調整されている。
【0110】
また、支持構造物100Bは、
図12Bに示される状態で、配管を設置する。
図12Bに示される状態で、配管が支持構造物100Bのフランジ108に配置されると、配管の荷重に応じて、
図12Bの黒矢印で示された方向(z方向)に沿って、フランジ108、フランジ108が取付けられたロード106、ロードが取付けられた第1のロードコラム107-1、第1のロードコラム107-1が取り付けられたばね座102A、ばね104及び105が移動する。このとき、第1のロードコラム107-1は第2のロードコラム107-2の内側を移動する。その結果、支持構造物100Bは、ばね高さLA(
図14を参照)を調整し、配管を所定の位置に設置することができる。
【0111】
ばね高さ調整機構200B-1及び200B-2のそれぞれは、ばね高さ調整機構200-1及び200-2と同様に、ナット202及び206を含んでもよい。
【0112】
以上説明したとおり、支持構造物100Bは、ばね座102Aとベースプレート126との間に、ばね104及び105を圧縮した状態にセットするプリセットの機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限するリミットストップの機能の両方の機能を兼ね備えたばね高さ調整機構200B-1及び200B-2を備える。すなわち、支持構造物100Bは、支持構造物100及び100Aと同様に、二つの機能を一つのばね高さ調整機構で実施可能であり、高性能な支持構造物である。
【0113】
また、支持構造物100Bの高さは、従来例の支持構造物の高さより低くできる。その結果、支持構造物100Bは、支持構造物100及び100Aと同様に、小型化可能な支持構造物である。
【0114】
以上説明した構成を備えた支持構造物100Bは、支持構造物100及び100Aと同様の作用効果を奏することができる。また、支持構造物100Bは、二つの機能を、一対のばね高さ調整機構200B-1及び200B-2によって構成すると共に、ロッド204、及び、一つの部材から構成される構造体222Bを用いて構成されるため、支持構造物100Bを構成する部品点数がさらに削減可能である。その結果、支持構造物100Bは、さらなるコスト低減可能な支持構造物であると共に、通気性の悪さに伴う耐久性がさらに高く、作業者によるメンテナンスがさらに容易である。
【0115】
<第4実施形態>
図16及び
図17を参照し、第4実施形態に係る支持構造物100Cを説明する。第4実施形態に係る支持構造物100Cは、第1実施形態に係る支持構造物100とは異なる、ばね座102D及びばね高さ調整機構200C-1及び200C-2を含む。ばね座102D及びばね高さ調整機構200C-1及び200C-2の構成及び機能以外は、第1実施形態に係る支持構造物100の構成及び機能と同様である。よって、支持構造物100Cのここでの説明は、第1実施形態に係る支持構造物100と相違する点を中心に説明する。
図1~
図15Bと同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0116】
4-1.ばね高さ調整機構
図16又は
図17を参照し、ばね高さ調整機構200C-1及び200C-2の構成及び機能の概要を説明する。
【0117】
ばね高さ調整機構200C-1及び200C-2は、ばね座102D及びベースプレート126に取り付けられる。ばね高さ調整機構200C-1及び200C-2は、ばね高さ調整機構200-1及び200-2と同様に、ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能の両方の機能を兼ね備える。ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能は、プリセットと呼ばれる場合があり、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能は、リミットストップと呼ばれる場合がある。また、ばね高さ調整機構200C-1及び200C-2は、x方向に沿って、互いに対向する位置に配置される。ばね高さ調整機構200C-1の構成及び機能は、ばね高さ調整機構200C-2の構成及び機能と同様である。以降の説明では、主に、ばね高さ調整機構200C-1の構成及び機能が説明され、必要に応じて、ばね高さ調整機構200C-2の構成及び機能が説明される。
【0118】
ばね高さ調整機構200C-1は、少なくとも、構造体220C-1、及び、プリセットピース223を含む。
【0119】
構造体220C-1は、第1実施形態に係る構造体220-1に対して、開口222-6と両端に第1の突縁部222-4及び第2の突縁部222-5とを含む梁部222-3を、開口222-6を含まない梁部222-7に置き換えた構造を有する。構造体220C-1の梁部222-7以外の構成及び機能は、構造体220-1と同様である。また、梁部222-7の構成及び機能は、梁部222-3から開口222-6を除いた機能及び構成と同様である。よって、構造体220C-1及び梁部222A-7の構成及び機能は、必要に応じて説明される。
【0120】
プリセットピース223は、柱状部223-5、第1の突縁部223-1、第2の突縁部223-2、第3の突縁部223-3、及び第4の突縁部223-4を含む。柱状部223-5はz方向に沿って延在する。第1の突縁部223-1~第4の突縁部223-4のそれぞれは、y方向に沿って、柱状部223-5から突出するように柱状部223-5に配置される。第1の突縁部223-1~第4の突縁部223-4のそれぞれは、z方向に沿って、上方から下方に向かって、この順番に柱状部223-5配置される。また、プリセットピース223の第1の突縁部223-1が配置される側が、ばね高さ調整機構200C-1の上端にあたる。
【0121】
また、
図16に示されるように、プリセットピース223は、後述されるばね座102Dの縁部102DE-1、及び、構造体220C-1の梁部222-7を挟持し、ばね座102D及び構造体220C-1に配置される。より具体的には、プリセットピース223は、第1の突縁部223-1及び第2の突縁部223-2によって縁部102DE-1を挟持し、第3の突縁部223-3及び第4の突縁部223-4によって梁部222-7を挟持する。すなわち、プリセットピース223は、ばね座102D及び構造体220C-1が動かないように、ばね座102D及び構造体220C-1を支持している。
【0122】
以上説明した通り、ばね高さ調整機構200C-1は、上端がばね座102Dの縁部102DE-1に取り付けられ、構造体220C-1がベースプレート126に取り付けられ、ばね座102D及びベースプレート126に固定される。
【0123】
次に、支持構造物100Cのプリセット、リミットストップ、及び、配管を設置する方法を説明する。
図16に示されるばね高さ調整機構200C-1は、ばね104及び105を圧縮した状態にセットした状態、すなわち、プリセットの状態である。上述のとおり、プリセットピース223の第3の突縁部223-3及び第4の突縁部223-4が、梁部222-3に固定されている。この状態は、ばね104及び105がプリセットされた状態であり、ばね座102Dがz方向に沿って上下に移動できない状態である。
【0124】
また、
図16に示されるばね高さ調整機構200C-1は、プリセットピース223の第1の突縁部223-1及び第2の突縁部223-2が、ばね座102Dに固定された状態である。この状態は、ばね座102Dが上方へ移動することを制限されている状態であり、ばね座102Dがz方向に沿って上下に移動できない状態である。
【0125】
また、支持構造物100Cは、
図17に示される状態で、配管等を設置する。
図17に示される状態では、プリセットピース223がばね座102D及び構造体220C-1から取り外されている。すなわち、
図17に示される状態は、ばね座102Dがz方向に沿って上下に移動可能な状態である。
図17に示される状態で、配管が支持構造物100Cのフランジ108に配置されると、配管の荷重に応じて、
図17のz方向に平行に黒矢印で示された方向に沿って、フランジ108、フランジ108が取付けられたロード106、ロードが取付けられた第1のロードコラム107-1、第1のロードコラム107-1が取り付けられたばね座102D、ばね座102Dに取り付けられた第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2、ばね104及び105が移動する。このとき、第1のロードコラム107-1は第2のロードコラム107-2の内側を移動する。その結果、支持構造物100Cは、ばね高さ(
図5と同様に、ばね座102Dとベースプレート126との間の距離)を調整し、配管等の動きに追従することができる。
【0126】
また、
図17に示された支持構造物100Cの状態は、プリセットピース223がばね座102D及び構造体220C-1から取り外され、一対の第2の屈曲部152BN-2がリミットストップとして機能する状態である。配管等の機器が支持構造物100Cから脱落した場合には、ばね104及び105が伸びる。しかしながら、ばね104及び105が伸びて、ばね座102と共に第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2等がz方向に沿って上方に動いたとしても、一対の第2の屈曲部152BN-2が第1の突縁部222-4及び第2の突縁部222-5に当接することによって、支持構造物100Cは、ばね104及び105が伸びきらない状態となる。配管等の機器が支持構造物から脱落した場合であっても、各実施形態でばねが伸びきらないようにする機能を、リミットストップと呼ぶ場合がある。
【0127】
プリセットピース223の形状、構造体220C-1の形状、及び構造体220C-2の形状は、上述された例に限定されない。支持構造物100Cの用途及び仕様に合わせて、互いの形状に応じて取り付け可能な形状を、適宜選択可能である。
【0128】
4-2.ばね座
ばね座102Dは、第1実施形態に係るばね座102に対して、両端の一対の切り欠き102N-1及び102N-2を含まず、両端の一対の縁部102DE-1及び102DE-2を含む。ばね座102Dの縁部102DE-1及び102DE-2以外の構成及び機能は、ばね座102と同様である。よって、ここでの詳細な説明は省略される。
【0129】
以上説明したとおり、支持構造物100Cは、ばね座102Dとベースプレート126との間に、ばね104及び105を圧縮した状態にセットするプリセットの機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限するリミットストップの機能の両方の機能を兼ね備えたばね高さ調整機構200C-1及び200C-2を備える。すなわち、支持構造物100Cは、支持構造物100と同様に、二つの機能を一つのばね高さ調整機構で実施可能であり、高性能な支持構造物である。
【0130】
したがって、支持構造物100Cは、支持構造物100と同様の効果を奏することができる。さらに、支持構造物100Cは、1つの部材(プリセットピース223)を用いて、ばね高さを調整することができる。よって、支持構造物100Cは、支持構造物を構成する部品点数の削減、コスト低減、及び、軽量化が可能である。
【0131】
<第5実施形態>
図18~
図22を参照し、第5実施形態に係る支持構造物100Dを説明する。第5実施形態に係る支持構造物100Dは、第1実施形態に係る支持構造物100とは異なる、ばね座102E及びばね高さ調整機構200D-1及び200D-2を含む。また、支持構造物100Dは、第1実施形態に係る支持構造物100の一対となる第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2とは、z方向のサイズが異なる一対となる第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2を使用してもよい。ばね座102E及びばね高さ調整機構200D-1及び200D-2の構成及び機能、並びに、一対となる第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2のz方向のサイズ以外は、第1実施形態に係る支持構造物100の構成及び機能と同様である。よって、支持構造物100Dのここでの説明は、第1実施形態に係る支持構造物100と相違する点を中心に説明する。
図1~
図17と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0132】
5-1.ばね座
図18、
図19又は
図20を参照し、ばね座102Eを説明する。ばね座102Eは、上面部102Tから突出する一対の突出部102P-1及び102P-2を含む。突出部102P-1は、開口102EO-1を、上面部102Tと共有する。突出部102P-2は、開口102EO-2を、上面部102Tと共有する。すなわち、開口102EO-1及び102EO-2は、上面部102Tから突出部102P-1及び102P-2にかけて配置される。開口102EO-1において、上面部102Tに位置する部分は、後述する構造体220D-1に設けられたスリット225と重畳し、突出部102P-1に位置する部分は、後述する構造体220Dのスリット225と重畳しないように配置される。また、開口102EO-2において、上面部102Tに位置する部分は、後述する構造体220D-2のスリット225と重畳し、突出部102P-2に位置する部分は、後述する構造体220D-2に設けられたスリット225と重畳しないように配置される。
【0133】
5-2.ばね高さ調整機構
図18、
図19、
図21又は
図22を参照し、ばね高さ調整機構200D-1及び200D-2の構成及び機能の概要を説明する。
【0134】
図18、
図19、
図21及び
図22に示されるように、ばね高さ調整機構200D-1及び200D-2は、ばね座102E及びベースプレート126に取り付けられる。ばね高さ調整機構200D-1及び200D-2は、ばね高さ調整機構200-1及び200-2と同様に、ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能の両方の機能を兼ね備える。ばね104及び105を圧縮した状態にセットする機能は、プリセットと呼ばれる場合があり、ばね104及び105の上方への移動を制限する機能は、リミットストップと呼ばれる場合がある。また、ばね高さ調整機構200D-1及び200D-2は、x方向に沿って、互いに対向する位置に配置される。ばね高さ調整機構200D-1の構成及び機能は、ばね高さ調整機構200D-2の構成及び機能と同様である。以降の説明では、主に、ばね高さ調整機構200D-1の構成及び機能が説明され、必要に応じて、ばね高さ調整機構200D-2の構成及び機能が説明される。
【0135】
ばね高さ調整機構200D-1は、少なくとも、ユニバーサルロック装置110-1、及び、構造体220D-1を含む。ばね高さ調整機構200D-2は、少なくとも、ユニバーサルロック装置110-2、及び、構造体220D-2を含む。ユニバーサルロック装置110-2の構成及び機能、並びに、構造体220D-2の構成及び機能は、ユニバーサルロック装置110-1の構成及び機能、並びに、構造体220D-1の構成及び機能と同様である。ユニバーサルロック装置110-2及び構造体220D-2は、必要に応じて、説明される。ばね高さ調整機構200D-1は、ロッド204の上端がばね座102Eの開口102EO-1に取り付けられ、構造体220D-1の下端がベースプレート126に取り付けられ、ばね座102E及びベースプレート126に固定される。
【0136】
5-2-1.プリセットピース
主に、
図18、19又は
図22を参照し、プリセットピースを説明する。
図18に示された支持構造物100Dは、1対のユニバーサルロック装置110-1及び110-2が支持構造物100Dに取り付けられ、ばね104が圧縮された状態である。
【0137】
ユニバーサルロック装置110-1は、スペーサ212SP、ロッド204、ナット202及びワッシャー212-1などの締結部材を備える。スペーサ212SPは、複数のワッシャー212Wを含む。スペーサ212SPは、ワッシャー群といわれる場合がある。
【0138】
スペーサ212SPには、ロッド204が挿通される。ロッド204は、らせん状の切り込みを有するねじ部を、ロッド204全域もしくは上端部及び下端部の少なくとも2か所に有する。ロッド204の上端部が開口102EO-1に挿通され、ナット202及びワッシャー212-1を用いて、開口102EO-1の上面部102Tに取付けられる。ロッド204の下端が構造体220D-1に設けられたスリット225の下に配置され、ナット210及びワッシャー212-3を用いて、スリット225のベースプレート126側に取付けられる。
【0139】
このとき、開口102EO-1の上面部102Tと反対側の面と、構造体220D-1に設けられたスリット225のベースプレート126の反対側の面との間に、スペーサ212SPが配置される。
【0140】
ユニバーサルロック装置110-1は、ばね座102Eの下に配置され、構造体220D-1の上に配置される。ユニバーサルロック装置110-1は、ばね座102Eの上面部102Tの下に配置され、構造体220D-1に設けられたスリット225の上に配置される。ユニバーサルロック装置110-1は、上面部102Tに設けられた開口102EO-1と構造体220D-1に設けられたスリット225を通して締結される。以上のようにして、ユニバーサルロック装置110-1は、ばね座102Eと構造体220D-1との間に、取り外し可能に配置される。
【0141】
プリセットピースは複数設けることができる。
図18及び19で示される例では、ばね座102Eの中心を通る対角線上に一対のユニバーサルロック装置110-1及び110-2が配置され、一対のユニバーサルロック装置110-1及び110-2がばね座102Eを挟持する。一対のユニバーサルロック装置110-1及び110-2がばね座102Eを挟持することで、ばね座102Eがベースプレート126に平行となり、ばね104のばね軸がベースプレート126に対して垂直となるようにばね104をプリセットすることができる。
【0142】
ユニバーサルロック装置110-1は、ばね104のたわみ量を調節することができる。具体的には、スペーサ212SPに含まれる複数のワッシャー212Wをワッシャー212-1と上面部102Tとの間、もしくはワッシャー212-3とスリット225のベースプレート126側の面との間に任意の枚数を移動することで、ばね座102Eと構造体220D-1の距離を調整することができる。その結果、ユニバーサルロック装置110-1は、ばね104の圧縮を調節することができる。なお、スペーサ212SPは、ワッシャー212Wに限定されず、薄い金属板状の部品を用いることができる。スペーサ212SPとして薄い金属板状の部品を用いることで、各板状の部品の厚み単位でばね座102Eと構造体220D-1の距離を細かく調整することができる。
【0143】
5-2-2.構造体
主に、
図18、
図19、
図21又は
図22を参照し、構造体220D-1を説明する。構造体220D-1は、第1の柱状部224-1、第2の柱状部224-2、第1の梁部224-3、第2の梁部224-4、及びスリット225を含む。
【0144】
第1の柱状部224-1及び第2の柱状部224-2は、z方向に沿って延在すると共に、スリット225の中心を通ってz方向に沿った軸に対して、x方向に沿って対称又は略対称かつ対向する位置に配置される。第1の梁部224-3及び第2の梁部224-4は、x方向に沿って延在する。第1の柱状部224-1の上端が第1の梁部224-3のベースプレート126側の面に取付けられ、第1の柱状部224-1の下端がベースプレート126に取付けられる。第2の柱状部224-2の上端が第2の梁部224-4のベースプレート126側の面に取付けられ、第2の柱状部224-2の下端がベースプレート126に取付けられる。スリット225は、第1の梁部224-3と第2の梁部224-4との間のx方向に沿った隙間である。
【0145】
構造体220D-1のベースプレート126への取り付け方法は任意の方法である。構造体220D-1のベースプレート126への取り付け方法は、第1実施形態と同様の方法を用いることができる。また、第1の柱状部224-1及び第1の梁部224-3、並びに、第2の柱状部224-2及び第2の梁部224-4の形成方法は任意の方法である。第1の柱状部224-1及び第1の梁部224-3、並びに、第2の柱状部224-2及び第2の梁部224-4の形成方法は第1実施形態と同様の方法を用いることができる。
図18~
図22に示される例では、第1の柱状部224-1及び第1の梁部224-3、並びに、第2の柱状部224-2及び第2の梁部224-4は、それぞれ一体成型され、第1の柱状部224-1及び第2の柱状部224-2は、溶接を用いてベースプレート126に取り付けられる。
【0146】
図18~
図22に示される例では、第1の柱状部224-1の形状及び第2の柱状部224-2の形状は角柱であるが、第1の柱状部224-1の形状及び第2の柱状部224-2の形状は角柱に限定されない。支持構造物100Dの用途及び仕様に合わせて、互いの形状に応じて取り付け可能な形状を、適宜選択可能である。
【0147】
5-3.支持構造物100Dの機能
次に、支持構造物100Dのプリセット、リミットストップ、保管、及び、配管を設置する方法を説明する。前述のとおり、
図18、
図19、
図21及び
図22に示されるばね高さ調整機構200D-1は、ばね104及び105を圧縮した状態にセットした状態、すなわち、プリセットの状態である。ユニバーサルロック装置110-1のロッド204の上端が、上面部102Tに位置する開口102EO-1に挿通され、上面部102Tのベースプレート126側と反対側の面にナット208及びワッシャー212-3を用いて、ばね座102Eの上面部102Tに固定されている。ユニバーサルロック装置110-1のロッド204の下端が、ナット210及びワッシャー212-3を用いて、スリット225のベースプレート126側に固定されている。この状態は、ばね104及び105がプリセットされた状態であり、ばね座102Eがz方向に沿って上下に移動できない状態である。
【0148】
また、
図18及び
図19に示されるばね高さ調整機構200D-1は、ばね104及び105の上方への移動を制限した状態、すなわち、リミットストップの状態でもある。上述のとおり、ユニバーサルロック装置110-1がばね座102Eと構造体220D-1の間に配置され、ばね座102Eと構造体220D-1の距離が固定されている。この状態は、ばね座102Eが上方へ移動することを制限されている状態であり、ばね座102Eがz方向に沿って上下に移動できない状態である。
【0149】
ユニバーサルロック装置110-1は、開口102EO-1の中を移動することにより、取り付け及び取り外しに加え保管ができる。ユニバーサルロック装置110-1がばね座102Eと構造体220D-1の間に取り付けられている場合(第1の状態の場合)には、上面部102Tに位置する開口102EO-1にユニバーサルロック装置110-1が配置される。また、ユニバーサルロック装置110-1が取り外されている場合(第2の状態の場合)には、突出部102Pに位置する開口102EO-1にユニバーサルロック装置110-1が配置される。
【0150】
図18及び
図19に示される例では、ユニバーサルロック装置110-1は、ナット202が上面部102Tに位置する開口102EO-1に配置され、ナット210がスリット225の下に配置されて、取り付けられている。すなわち、ユニバーサルロック装置110-1は、第1の状態である。
【0151】
また、ユニバーサルロック装置110-1は、ロッド204が開口102EO-1に沿って開口102EO-1の中を移動するとともにばね座102Eと構造体220D-1(スリット225)との間から取り外され、突出部102P―1に位置する開口102EO-1に配置される。ユニバーサルロック装置110-1は、突出部102P―1に吊り下がった状態(第2の状態)となる。第2の状態では、ユニバーサルロック装置110-1が取り付けられない間はユニバーサルロック装置110-1を保管しておくことができる。支持構造物100Dは第2の状態を含むことによって、ユニバーサルロック装置110-1を支持構造物100Dから離隔させる必要が無い。ユニバーサルロック装置110-1を取り外したとしても、ユニバーサルロック装置110-1が突出部102P―1に吊り下がった状態であるから、ユニバーサルロック装置110-1を別の場所に保管する必要が無い。また、ユニバーサルロック装置110-1をばね座102Eと構造体220D-1の間に、再度取り付ける際に、ユニバーサルロック装置110-1を別の場所から持ち込む必要がないため、支持構造物100Dは利便性が高い。
【0152】
また、ユニバーサルロック装置110-1が黒い矢印の方向に開口102EO-1に沿って開口102EO-1の中を移動し固定され、ユニバーサルロック装置110-1が突出部102P―1に吊り下がった状態(第2の状態)で、支持構造物100Dには配管等が設置されている。第2の状態は、ばね座102Eがz方向に沿って上下に移動可能な状態である。第2の状態で、配管等が支持構造物100Dのフランジ108に配置され配管等がz方向に移動すると、
図18及び
図19のz方向に平行に黒矢印で示された方向に沿って、フランジ108、フランジ108が取付けられたロード106、ロードが取付けられた第1のロードコラム107-1、第1のロードコラム107-1が取り付けられたばね座102E、ばね座102Eに取り付けられた第1の側面プレート152-1及び第2の側面プレート152-2、ばね座102Eに取り付けられたユニバーサルロック装置110-1、ばね104及び105が移動する。このとき、第1のロードコラム107-1は第2のロードコラム107-2の内側を移動する。その結果、支持構造物100Dは、ばね高さ(
図5と同様に、ばね座102Eとベースプレート126との間の距離)を調整し、配管の動きに追従することができる。
【0153】
ばね高さ調整機構200D-1及び200D-2のそれぞれは、ナット202及び210を含んでもよい。また、ユニバーサルロック装置110-1の形状、構造体220D-1の形状、及び構造体220D-2の形状は、上述された例に限定されない。支持構造物100Dの用途及び仕様に合わせて、互いの形状に応じて取り付け可能な形状を、適宜選択可能である。
【0154】
以上説明したとおり、支持構造物100Dは、ばね座102Eとベースプレート126との間に、ばね104及び105を圧縮した状態にセットするプリセットの機能、及び、ばね104及び105の上方への移動を制限するリミットストップの機能の両方の機能を兼ね備えたばね高さ調整機構200D-1及び200D-2を備える。すなわち、支持構造物100Dは、支持構造物100と同様に、二つの機能を一つのばね高さ調整機構で実施可能であり、高性能な支持構造物である。
【0155】
したがって、支持構造物100Dは、支持構造物100と同様の効果を奏することができる。さらに、支持構造物100Dでは、y方向において、ばね104及び105を視認可能であり、x方向において、ばね105の下方が露出するように設けられている。すなわち、作業者は、支持構造物100Dの内部まで目視可能である。また、支持構造物100Dの通気性が向上する。よって、支持構造物100Dは、耐食性が高く、メンテナンスが容易である。
【0156】
本発明の実施形態として上述した各支持構造物及び各支持構造物の各構成は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、本発明の実施形態として上述した各支持構造物の各構成は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜入れ替え可能である。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0157】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0158】
100:支持構造物、100A:支持構造物、100B:支持構造物、100C:支持構造物、102:ばね座、102a:開口、102A:ばね座、102Aa:開口、102AC:中心部、102AE:端部、102AN:ばね座、102AN-1:切り欠き、102AN-2:切り欠き、102B:ばね座、102BO:開口、102BO-1:開口、102BO-2:開口、102C:ばね座、102CO-1:開口、102CO-2:開口、102D:ばね座、102DE-1:縁部、102DE-2:縁部、102N-1:切り欠き、102N-2:切り欠き、102E:ばね座、102EO-1:開口、102EO-2:開口、102P-1:突出部、102P-2:突出部、102T:上面部、106:ロード、106a:開口、107-1:第1のロードコラム、107-2:第2のロードコラム、108:フランジ、109:中間リング、109a:開口、110-1:ユニバーサルロック装置、110-2:ユニバーサルロック装置、114-1:ナット、114-2:ナット、126:ベースプレート、126O:開口、152:側面プレート、152-1:第1の側面プレート、152-2:第2の側面プレート、152BN-1:第1の屈曲部、152BN-2:第2の屈曲部、152M:端部、152S:側面部、152T:上面部、154:ボルト、156:ナット、200-1:ばね高さ調整機構、200-2:ばね高さ調整機構、200A-1:ばね高さ調整機構、200A-2:ばね高さ調整機構、200B-1:ばね高さ調整機構、200B-2:ばね高さ調整機構、200C-1:ばね高さ調整機構、200C-2:ばね高さ調整機構、200D-1:ばね高さ調整機構、200D-2:ばね高さ調整機構、202:ナット、204:ロッド、204-1:下端、204-2:重畳部、206:ナット、208:ナット、210:ナット、212SP:スペーサ、212W:ワッシャー、212-1:ワッシャー、212-2:ワッシャー、212-3:ワッシャー、220-1:構造体、220A-1:構造体、220B:構造体、220C-1:構造体、220C-2:構造体、220D-1:構造体、220D-2:構造体、222-1:第1の柱状部、222-2:第2の柱状部、222-3:梁部、222-4:第1の突縁部、222-5:第2の突縁部、222-6:開口、222-7:梁部、222A-1:第1の柱状部、222A-2:第2の柱状部、222A-3:梁部、222A-6:開口、222B:構造体、222B-1:内部空間、223:プリセットピース、223-1:第1の突縁部、223-2:第2の突縁部、223-3:第3の突縁部、223-4:第4の突縁部、223-5:柱状部、224-1:第1の柱状部、224-2:第2の柱状部、224-3:第1の梁部、224-4:第2の梁部、225:スリット
【手続補正書】
【提出日】2023-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器が配置されるフランジと、
前記フランジと対向するベースプレートと、
前記フランジと前記ベースプレートとの間に配置されるばね座と、
前記ばね座と前記ベースプレートとの間に配置される少なくとも1つのばねと、
前記ばねの中心軸に対して対称に、前記ばねと離隔して配置されると共に、前記ばね座とベースプレートとの間に配置されるばね高さ調整機構と、を含み、
前記ばね座は、取付部を含み、
前記ばね高さ調整機構は、
ロッドと、
前記ロッドの下端が挿通された梁部、及び、前記梁部に取り付けられた柱状部を含む構造体と、を含み、
前記ロッドの上端は、前記取付部に取り付けられ、
前記柱状部は、前記ベースプレートに取り付けられる、
支持構造物。
【請求項2】
前記支持構造物は、ロードと、ロードコラムとをさらに含み、
前記ロードは、前記フランジに取り付けられると共に、前記ロードコラムに挿通され、
前記ロードコラムは、前記ばねに挿通されると共に、前記ベースプレートに取り付けられる、請求項1に記載の支持構造物。
【請求項3】
前記ロッドの上端は、前記取付部の前記梁部側の面と、前記取付部の前記梁部側の面と反対側の面のそれぞれに、前記ばね座を挟むように、第1のナットと第2のナットを用いて固定され、
前記ロッドは、前記梁部を貫通すると共に、前記梁部の前記ばね座側の面に第3のナットを用いて固定され、
前記ロッドの下端は第4のナットを用いて前記梁部と前記ベースプレートとの間に固定される、請求項1に記載の支持構造物。
【請求項4】
前記第3のナットは、前記梁部の前記ばね座側の面から、前記梁部の前記ばね座側の面と前記ばね座との間に移動されると、前記ロッドは上下に移動可能となる、請求項3に記載の支持構造物。
【請求項5】
前記支持構造物は、一対の側面プレートをさらに含み、
前記一対の側面プレートは、前記ばね座と、前記ばねと、前記ばね高さ調整機構とを挟むように取り付けられる、請求項3に記載の支持構造物。
【請求項6】
前記梁部は、前記柱状部と垂直な方向に延在する突縁部を含み、
前記側面プレートは、前記ばね座と垂直な側面部と、前記側面部から延在すると共に、前記梁部と平行に、かつ、前記突縁部と重畳する端部と、前記側面部と前記端部と間の屈曲部とを含み、
前記端部は、前記突縁部と前記ベースプレートとの間に、前記突縁部と前記ベースプレートと離隔して配置される、請求項5に記載の支持構造物。
【請求項7】
前記取付部は、切り欠き、又は開口である、請求項1に記載の支持構造物。
【請求項8】
機器が配置されるフランジと、
前記フランジと対向するベースプレートと、
前記フランジと前記ベースプレートとの間に配置されるばね座と、
前記ばね座と前記ベースプレートとの間に配置される少なくとも1つのばねと、
前記ばねの中心軸に対して対称に、前記ばねと離隔して配置されると共に、前記ばね座とベースプレートとの間に配置されるばね高さ調整機構と、を含み、
前記ばね座は、
取付部を含み、
側面視において、前記フランジの下に位置し、前記フランジ及び前記ベースプレートと平行に配置され、
平面視において、前記ばねと重なる中心部と、前記中心部を挟む一対の端部を含み、前記一対の端部は前記中心部から突き出した部分であり、
前記中心部の径の長さは、前記ばねの外径の寸法より長く、前記フランジの径より短く、
前記ばね高さ調整機構は、
ロッドと、
筒状の構造体と、を含み、
前記ロッドの上端は、前記取付部に取り付けられ、
前記ロッドの下端は、前記構造体の上端に挿通され、
前記構造体の下端は、前記ベースプレートに取り付けられる、
支持構造物。
【請求項9】
前記ロッドの上端は、前記取付部の前記ベースプレート側の面と、前記取付部の前記ベースプレート側の面と反対側の面のそれぞれに、前記ばね座を挟むように、第1のナットと第2のナットを用いて固定され、
前記ロッドの下端側は、第3のナットを用いて固定される、請求項8に記載の支持構
造物。
【請求項10】
前記第2のナットは、前記ロッドの下端側と前記第3のナットとの間に移動されると、
前記ばね座は上下に移動可能となる、請求項9に記載の支持構造物。
【請求項11】
前記支持構造物は、ロードと、ロードコラムとをさらに含み、
前記ロードは、前記フランジに取り付けられると共に、前記ロードコラムに挿通され、
前記ロードコラムは、前記ばねに挿通されると共に、前記ベースプレートに取り付けられる、請求項8に記載の支持構造物。
【請求項12】
前記取付部は、切り欠き、又は開口である、請求項8に記載の支持構造物。
【請求項13】
機器が配置されるフランジと、
前記フランジと対向するベースプレートと、
前記フランジと前記ベースプレートとの間に配置されるばね座と、
前記ばね座と前記ベースプレートとの間に配置される少なくとも1つのばねと、
前記ばねの中心軸に対して対称に、前記ばねと離隔して配置されると共に、前記ばね座とベースプレートとの間に配置されるばね高さ調整機構と、を含み、
前記ばね座は、取付部を含み、
前記ばね高さ調整機構は、
支持部材と、
前記支持部材の下端が配置された梁部、及び、前記梁部に取り付けられた柱状部を含む構造体と、を含み、
前記支持部材の上端は、前記取付部に取り付けられ、
前記柱状部は、前記ベースプレートに取り付けられる、
支持構造物。
【請求項14】
前記支持部材の上端は前記取付部を挟持し、前記支持部材の下端は前記梁部を挟持する、
請求項13に記載の支持構造物。
【請求項15】
前記支持構造物は、ロードと、ロードコラムとをさらに含み、
前記ロードは、前記フランジに取り付けられると共に、前記ロードコラムに挿通され、
前記ロードコラムは、前記ばねに挿通されると共に、前記ベースプレートに取り付けられる、請求項13に記載の支持構造物。
【請求項16】
前記取付部は、縁部である、請求項13に記載の支持構造物。
【請求項17】
機器が配置されるフランジと、
前記フランジと対向するベースプレートと、
前記フランジと前記ベースプレートとの間に配置されるばね座と、
前記ばね座と前記ベースプレートとの間に配置される少なくとも1つのばねと、
前記ばねの中心軸に対して対称に、前記ばねと離隔して配置されると共に、前記ばね座とベースプレートとの間に配置されるばね高さ調整機構と、を含み、
前記ばね座は、取付部を含み、
前記ばね高さ調整機構は、
プリセットピースと、
前記プリセットピースの下端が配置されたスリットを含む構造体と、を含み、
前記プリセットピースの上端は、前記取付部に取り付けられ、
前記構造体の下端は、前記ベースプレートに取り付けられる、
支持構造物。
【請求項18】
前記プリセットピースは、複数のワッシャーを含むスペーサを含み、
前記スペーサは、前記ばね座と前記スリットとの間に配置される、
請求項17に記載の支持構造物。
【請求項19】
前記ばね座は、前記スリットと重畳する開口を有する突出部を有する、
請求項18に記載の支持構造物。
【請求項20】
前記プリセットピースは、前記スペーサを挿通するロッドを含み、
前記ロッドは、前記開口の中を移動可能に構成される、
請求項19に記載の支持構造物。
【請求項21】
前記取付部は、開口である、請求項17に記載の支持構造物。
【請求項22】
前記支持構造物は、ロードと、ロードコラムとをさらに含み、
前記ロードは、前記フランジに取り付けられると共に、前記ロードコラムに挿通され、
前記ロードコラムは、前記ばねに挿通されると共に、前記ベースプレートに取り付けられる、請求項17に記載の支持構造物。