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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140388
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】クランクケース構造
(51)【国際特許分類】
   F02F 7/00 20060101AFI20241003BHJP
   F02B 77/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F02F7/00 K
F02B77/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051509
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】私市 徹
(72)【発明者】
【氏名】田中 博一
【テーマコード(参考)】
3G024
【Fターム(参考)】
3G024AA48
3G024EA04
3G024FA14
(57)【要約】
【課題】クランクケースの前後寸法を短縮してパワーユニットの小型化を図ることができるクランクケース構造を提供する。
【解決手段】パワーユニット(P)のクランクシャフト(C)を収納するクランクケース(9)に適用されるクランクケース構造において、前記クランクケース(C)の側面に取り付けられるクランクケースカバー(20)と、前記クランクシャフト(C)と平行配置され、クラッチ(CL)を断接するために往復動作するプッシュロッド(31)と、前記プッシュロッド(31)を往復動作させるクラッチ駆動ユニット(30)とを有する。前記クランクケースカバー(20)を取り付けるために前記クランクケース(9)に形成されるシール面(29)の範囲内に、前記プッシュロッド(31)が通る貫通孔(32)が形成されており、前記クラッチ駆動ユニット(30)が、前記クランクケースカバー(20)に取り付けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーユニット(P)のクランクシャフト(C)を収納するクランクケース(9)に適用されるクランクケース構造において、
前記クランクケース(C)の側面に取り付けられるクランクケースカバー(20)と、
前記クランクシャフト(C)と平行配置され、クラッチ(CL)を断接するために往復動作するプッシュロッド(31)と、
前記プッシュロッド(31)を往復動作させるクラッチ駆動ユニット(30)とを有し、
前記クランクケースカバー(20)を取り付けるために前記クランクケース(9)に形成されるシール面(29)の範囲内に、前記プッシュロッド(31)が通る貫通孔(32)が形成されており、
前記クラッチ駆動ユニット(30)が、前記クランクケースカバー(20)に取り付けられていることを特徴とするクランクケース構造。
【請求項2】
前記クラッチ駆動ユニット(30)の後方に、ドライブチェーン(13)が巻き掛けられるドライブスプロケット(22)が配設されており、
前記クランクケース(9)の側面視で、前記クラッチ駆動ユニット(30)と前記ドライブスプロケット(22)とが一部重なることを特徴とする請求項1に記載のクランクケース構造。
【請求項3】
前記クランクケースカバー(20)の後部に一部が取り付けられると共に前記ドライブチェーン(13)の一部を覆うチェーンカバー(50)を有し、
前記クラッチ駆動ユニット(30)と前記チェーンカバー(50)との間にハーネス(40)が配索されており、
前記ハーネス(40)が、前記チェーンカバー(50)に設けられた溝(51)に収められていることを特徴とする請求項2に記載のクランクケース構造。
【請求項4】
前記クランクケース(9)の側面視で、前記クランクケースカバー(20)と前記チェーンカバー(50)とが一部重なることを特徴とする請求項3に記載のクランクケース構造。
【請求項5】
前記クランクケースカバー(20)と前記ドライブスプロケット(22)との間に、保護プレート(60)が配設されていることを特徴とする請求項4に記載のクランクケース構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランクケース構造に係り、特に、クランクシャフトを収納するクランクケースに適用されるクランクケース構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エンジンと変速機とを一体に構成したパワーユニットにおいて、クランクシャフトを収納するクランクケースの側面に、発電機等を覆うクランクケースカバーを取り付ける構成が開示されている。
【0003】
特許文献1には、クランクケースの車幅方向左側の側面に発電機を覆うクランクケースカバーを取り付けると共に、クランクケースカバーの後方の位置に、クラッチを断接操作するためのクラッチ駆動ユニットを取り付けた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-68431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のクランクケース構造では、クランクケースカバーとクラッチ駆動ユニットとが前後に並ぶレイアウトであるため、クランクケースの前後寸法が大きくなりやすく、パワーユニットのさらなる小型化のためには依然として工夫の余地があった。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、クランクケースの前後寸法を短縮してパワーユニットの小型化を図ることができるクランクケース構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、パワーユニット(P)のクランクシャフト(C)を収納するクランクケース(9)に適用されるクランクケース構造において、前記クランクケース(C)の側面に取り付けられるクランクケースカバー(20)と、前記クランクシャフト(C)と平行配置され、クラッチ(CL)を断接するために往復動作するプッシュロッド(31)と、前記プッシュロッド(31)を往復動作させるクラッチ駆動ユニット(30)とを有し、前記クランクケースカバー(20)を取り付けるために前記クランクケース(9)に形成されるシール面(29)の範囲内に、前記プッシュロッド(31)が通る貫通孔(32)が形成されており、前記クラッチ駆動ユニット(30)が、前記クランクケースカバー(20)に取り付けられている点に第1の特徴がある。
【0008】
また、前記クラッチ駆動ユニット(30)の後方に、ドライブチェーン(13)が巻き掛けられるドライブスプロケット(22)が配設されており、前記クランクケース(9)の側面視で、前記クラッチ駆動ユニット(30)と前記ドライブスプロケット(22)とが一部重なる点に第2の特徴がある。
【0009】
また、前記クランクケースカバー(20)の後部に一部が取り付けられると共に前記ドライブチェーン(13)の一部を覆うチェーンカバー(50)を有し、前記クラッチ駆動ユニット(30)と前記チェーンカバー(50)との間にハーネス(40)が配索されており、前記ハーネス(40)が、前記チェーンカバー(50)に設けられた溝(51)に収められている点に第3の特徴がある。
【0010】
また、前記クランクケース(9)の側面視で、前記クランクケースカバー(20)と前記チェーンカバー(50)とが一部重なる点に第4の特徴がある。
【0011】
さらに、前記クランクケースカバー(20)と前記ドライブスプロケット(22)との間に、保護プレート(60)が配設されている点に第5の特徴がある。
【発明の効果】
【0012】
第1の特徴によれば、パワーユニット(P)のクランクシャフト(C)を収納するクランクケース(9)に適用されるクランクケース構造において、前記クランクケース(C)の側面に取り付けられるクランクケースカバー(20)と、前記クランクシャフト(C)と平行配置され、クラッチ(CL)を断接するために往復動作するプッシュロッド(31)と、前記プッシュロッド(31)を往復動作させるクラッチ駆動ユニット(30)とを有し、前記クランクケースカバー(20)を取り付けるために前記クランクケース(9)に形成されるシール面(29)の範囲内に、前記プッシュロッド(31)が通る貫通孔(32)が形成されており、前記クラッチ駆動ユニット(30)が、前記クランクケースカバー(20)に取り付けられているので、クランクケースカバーにクラッチ駆動ユニットを取り付けることが可能となり、クランクケースにクラッチ駆動ユニットを直接取り付ける従来の構成に比して、クラッチ駆動ユニットの配設位置を前方に寄せることが可能となる。これにより、クランクケースの前後寸法を小さくすることができる。
【0013】
第2の特徴によれば、前記クラッチ駆動ユニット(30)の後方に、ドライブチェーン(13)が巻き掛けられるドライブスプロケット(22)が配設されており、前記クランクケース(9)の側面視で、前記クラッチ駆動ユニット(30)と前記ドライブスプロケット(22)とが一部重なるので、クランクケースの前後寸法を小さくすることが可能となる。
【0014】
第3の特徴によれば、前記クランクケースカバー(20)の後部に一部が取り付けられると共に前記ドライブチェーン(13)の一部を覆うチェーンカバー(50)を有し、前記クラッチ駆動ユニット(30)と前記チェーンカバー(50)との間にハーネス(40)が配索されており、前記ハーネス(40)が、前記チェーンカバー(50)に設けられた溝(51)に収められているので、ハーネスを外力等から保護できると共に、ハーネスを外方から視認しにくくして外観性を高めることができる。
【0015】
第4の特徴によれば、前記クランクケース(9)の側面視で、前記クランクケースカバー(20)と前記チェーンカバー(50)とが一部重なるので、クランクケースの前後寸法をさらに小さくすることが可能となる。
【0016】
第5の特徴によれば、前記クランクケースカバー(20)と前記ドライブスプロケット(22)との間に、保護プレート(60)が配設されているので、ドライブチェーンが巻き上げる飛び石等からクランクケースやクランクケースカバーを保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
図2図1の一部拡大左側面図である。
図3】クラッチ駆動ユニットを取り外した状態の図の一部拡大左側面図である。
図4】クランクケースカバーを取り外した状態のクランクケースの左側面図である。
図5】チェーンカバーの取付構造を示す斜視図である。
図6】チェーンカバーを取り外した状態のクランクケース9の左側面図である。
図7図2のVII-VII線断面図である。
図8図2のVIII-VIII線断面図である。
図9】本発明の変形例に係るパワーユニットの一部拡大左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る自動二輪車1の左側面図である。自動二輪車1は、エンジンと変速機とを一体に構成したパワーユニットPの動力をドライブチェーン13を介して後輪WRに伝達するオフロードタイプの鞍乗型車両である。
【0019】
車体フレームFを構成する左右一対のメインフレームF2の前端部には、不図示のステアリングステムシャフトを回動自在に軸支するヘッドパイプF1が取り付けられている。ステアリングステムシャフトの上端部にはトップブリッジ4が固定され、ステアリングステムシャフトの下端部にはボトムブリッジ5が固定される。トップブリッジ4およびボトムブリッジ5によって支持される左右一対のフロントフォーク7の下端部には、前輪WFが回転自在に軸支されている。トップブリッジ4の上部には、操向ハンドル3が取り付けられており、フロントフォーク7には、前輪WFの上方に位置するフロントフェンダ6が取り付けられている。
【0020】
メインフレームF2の後端下部には、左右一対のピボットフレームF3が連結されている。ピボットフレームF3は、スイングアーム12を上下揺動可能に軸支するピボット10を支持する。スイングアーム12の後端部には後輪WRが回転自在に軸支されている。スイングアーム12は、リンク機構を介してリヤクッション11によってメインフレームF2に吊り下げられている。
【0021】
メインフレームF2の下方でかつピボット10の前方の位置には、パワーユニットPが吊り下げられている。パワーユニットPのクランクシャフトを収納するクランクケース9の上部には、ピストンを摺動自在に収納するシリンダブロック8と、動弁機構を収納するシリンダヘッド18とが取り付けられている。パワーユニットPの燃焼ガスは、車体後部のマフラ14から後方に排出される。
【0022】
メインフレームF2の上部には燃料タンク2が配設されており、燃料タンク2の後方にはシート17が配設されている。シート17の下方には、左右一対のサイドカバー15が配設されており、サイドカバー15の後部にはリヤフェンダ19が配設されている。車幅方向左側のサイドカバー15には、不図示のエアクリーナボックスに外気を導入するための開口16が設けられている。
【0023】
図2は、図1の一部拡大左側面図である。また、図3はクラッチ駆動ユニット30を取り外した状態の図1の一部拡大左側面図である。アルミ等の金属で構成されるクランクケース9の車幅方向左側の側面には、クランクシャフトCと同軸に配設される発電機等を覆うクランクケースカバー20(図示グレー着色部)が取り付けられている。アルミ等の金属や合成樹脂等で形成されるクランクケースカバー20は、複数のボルト75によってクランクケース9に取り付けられる。
【0024】
クランクケースカバー20には、クランクシャフトCから変速機に伝達される動力を断接するクラッチを駆動するためのクラッチ駆動ユニット30(図示点描ハッチング部)が取り付けられている。油圧式のクラッチ駆動ユニット30は、3本のボルト76によって、クランクケースカバー20の左側面に形成された接合面24に取り付けられる。
【0025】
クラッチ駆動ユニット30は、操向ハンドル3に取り付けられた不図示のクラッチレバーの操作に応じて、プッシュロッド31を車幅方向に往復動作させることでクラッチを駆動する。クラッチ駆動ユニット30の上部には、クラッチレバーの操作に応じて発生する油圧を供給するクラッチホース41が接続される。クランクケース9の上端部には、パワーユニットPを始動するためのセルモータ26が取り付けられている。
【0026】
クランクケースカバー20の後方には、ドライブチェーン13が巻き掛けられるドライブスプロケット22の一部を覆うチェーンカバー50が配設されている。チェーンカバー50の前端上部を固定する上側のボルト90はクランクケースカバー20に螺合し、チェーンカバー50の前端下部を固定する下側のボルト91はクランクケース9に螺合する。
【0027】
チェーンカバー50の下方には、変速機のギヤ段を検知するギヤポジションセンサ25が配設されている。ギヤポジションセンサ25のセンサ信号を出力するハーネス40は、クランクケースカバー20とチェーンカバー50との間を通って上方に向けて配索される。ギヤポジションセンサ25の後方には、運転者が左足で操作するシフトペダル21を支持するシフトスピンドル23が配設されている。シフトスピンドル23は、シフトペダル21の操作に応じて回動動作し、これにより変速機のギヤ段が変更される。
【0028】
図4は、クランクケースカバー20を取り外した状態のクランクケース9の左側面図である。クランクケース9の左側面には、クランクケースカバー20を取り付けるためのシール面29が形成されている。シール面29の内側には、発電機G、セルモータ26の出力軸に固定される駆動ギヤ27、駆動ギヤ27に係合する大径の被動ギヤ28が配設されている。
【0029】
本実施形態では、クランクケースカバー20を取り付けるためのシール面29の範囲内にプッシュロッド31が通る貫通孔32が形成されると共に、クラッチ駆動ユニット30がクランクケースカバー20に取り付けられている点に特徴がある。これにより、クランクケース9にクラッチ駆動ユニット30を直接取り付ける従来の構成に比して、クラッチ駆動ユニット30の配設位置を前方に寄せることが可能となる。その結果、クランクケース9の前後寸法を小さくしてパワーユニットPの小型化を図ることができる。
【0030】
さらに、チェーンカバー50の一部が、クランクケースカバー20の後端部に取り付けられることで、クランクケース9の側面視でクランクケースカバー20とチェーンカバー50とが一部重なることとなり、さらにクランクケース9の前後寸法を抑えることが可能となる
【0031】
図5は、チェーンカバー50の取付構造を示す斜視図である。また、図6はチェーンカバー50を取り外した状態のクランクケース9の左側面図である。ドライブスプロケット22は、クランクケース9の左側面から突出する出力軸としてのカウンタシャフト70に固定されている。前記したように、プッシュロッド31を通す貫通孔32は、クランクケースカバー20を取り付けるためのシール面29の範囲内に配設されている。
【0032】
チェーンカバー50の前端上部は、ドライブスプロケット22の前方に位置する保護プレート60と共に、クランクケースカバー20に対してボルト90によって共締め固定されている。一方、チェーンカバー50の前端下部は、クランクケース9に対してボルト91によって保護プレート60と共締め固定される。保護プレート60は、ドライブスプロケット22の前方を覆うように湾曲する縦長の板状部材からなる。
【0033】
ハーネス40は、クラッチ駆動ユニット30とチェーンカバー50との間に配索されている。チェーンカバー50の前部には、ハーネス40を収める溝51が形成されている。この溝51にハーネス40を収めて配索することにより、ハーネス40を外力等から保護できると共に、ハーネス40が外方から視認しにくくして外観性を高めることができる。
【0034】
図7は、図2のVII-VII線断面図である。また、図8図2のVIII-VIII線断面図である。パワーユニットPの変速機は、クランクシャフトCの動力で回転するメインシャフト65に支持される駆動側ギヤ列M1と、カウンタシャフト70に支持される被動側ギヤ列M2とを含んで構成される。クランクケース9の車幅方向右側に配設されるクラッチCLを断接するプッシュロッド31は、メインシャフト65を貫通して配設される。
【0035】
本実施形態に係るクラッチ駆動ユニット30は、アルミ等の金属で形成されるケーシング33の内部に、プッシュロッド31を押圧するための油圧ピストン34を収納した構成を有する。ケーシング33の後端部L1は、ドライブスプロケット22の前端部L2より後方に位置しており、クランクケース9の側面視では、クラッチ駆動ユニット30とドライブスプロケット22とが一部重なることとなる。これにより、クランクケース9の前後寸法を低減することが可能となる。
【0036】
クランクケースカバー20の後方かつドライブスプロケット22の前方に位置する保護プレート60は、ドライブチェーン13が巻き上げる飛び石等からクランクケース9やクランクケースカバー20を保護する機能を有する。
【0037】
図9は、本発明の変形例に係るパワーユニットPの一部拡大左側面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。クランクケース9の側面には、前記した油圧式のクラッチ駆動ユニット30に代えて、機械式のクラッチ駆動ユニット80を取り付けることができる。クラッチ駆動ユニット80は、不図示のクラッチケーブルを牽引して揺動アーム81を揺動させることで、駆動シャフト82が回動してプッシュロッド31を押圧する構成とされる。本願発明に係るクランクケース構造では、クランクケースカバーにクラッチ駆動ユニットが取り付けられているため、クラッチ駆動ユニットの換装作業も容易となる。
【0038】
なお、自動二輪車の形態、パワーユニットの構成、クラッチの構造、クランクケースやクランクケースカバーの形状や構造、クラッチ駆動ユニットの形状や構造、プッシュロッドの形状や配置、シール面の形状、保護プレートの形状等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、クランクケースの車幅方向右側の側面にクランクケースカバーやクラッチ駆動ユニットを取り付ける構成としてもよい。本発明に係るクランクケース構造は、クランクケースを有する種々の車両等に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…自動二輪車、9…クランクケース、13…ドライブチェーン、20…クランクケースカバー、22…ドライブスプロケット、29…シール面、30…クラッチ駆動ユニット、31…プッシュロッド、32…貫通孔、40…ハーネス、50…チェーンカバー、51…溝、60…保護プレート、P…パワーユニット、C…クランクシャフト、CL…クラッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9